JP2021535361A - タンパク質複合体を特徴づけるための方法 - Google Patents

タンパク質複合体を特徴づけるための方法 Download PDF

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Abstract

タンパク質薬物産物と可溶性リガンドとの間で形成されたタンパク質複合体を特徴づけるための方法が本明細書に提供される。開示された方法により、タンパク質複合体のサイズ、不均質性、および構造を決定することができる。【選択図】図3A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月30日に出願され、その全体が参照により援用される米国仮特許出願第62/724,700号の利益およびこれに対する優先権を主張するものである。
発明の技術分野
本発明は概して、タンパク質複合体を特徴づけるシステムおよび方法に関する。
発明の背景
モノクローナル抗体(mAb)は成長中の治療分野であり、現在50を超えるモノクローナル抗体が市販されている。二つ以上のモノクローナル抗体の併用療法は、既存の単剤療法の有効性を改善する可能性がある。特定の可溶性物質、特に複数のエピトープが繰り返される多量体物質は、二つ以上の抗体と結合して、大きな複合体の形成につながる場合がある。大きくて不均質な抗体複合体の産生は、「ペーパードリング(paper−dolling)」と呼ばれる。抗体の大きな複合体は、貪食により速やかに除去され、抗体の有効性の低下につながる可能性がある。また、大きなタンパク質複合体は、mAbの免疫原性を増加させる可能性がある。
タンパク質複合体のサイズは、ナノメートルから可視粒子まで様々であるため、単一の分析技術によるその特徴づけが困難になる。約1nmから約1μmまでの粒子サイズの決定に使用される最も広く普及している技術の一つは、動的光散乱法(DLS)である。DLSは、タンパク質サイズ分布プロファイルを決定するために使用される分析技術であり、ハイスループットアプリケーションに適している(Zhou,M.,et al.,ChemMedChem,11:738−756(2016)(非特許文献1))。溶液中のタンパク質のブラウン運動により光が散乱し、結果として生じる散乱強度の変動は粒子サイズに依存する。したがって、多分散性の観点から、平均半径および分布の幅を決定することができる。しかし、DLSの結果は多くの場合、より大きな粒子に偏っており、粒子集団を分解するには、少なくとも三倍の差が必要である。したがって、DLSだけではタンパク質複合体の解析には不十分である。
多くの凝集体サンプルの高い多分散性は、タンパク質複合体のサイズ範囲が広いため、より詳細な情報を提供するために分離ベースの方法を必要とする。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、現在、タンパク質分離に最も一般的に使用されているクロマトグラフィー技術である(Brusotti,et al.,Chromaticatographia,81:3−23(2018)(非特許文献2))。SECでは、流体力学的体積または分子の大きさに応じて分離が生じる。小さい分子は、固定相の細孔内に拡散することができるため、より長く保持されるが、大きい分子は、細孔から除外されるため、最初に溶出する。しかし、SECは、分子量排除限界の上限、固定相へのサンプル吸着、高圧および流量でのせん断劣化、および組成に基づいた分析物の分離ができないなどの制限がある。
フロー式フィールドフロー分画(FFF)は、大きなタンパク質と高モル質量ポリマーの分離に関して、SECに代わる有望な選択肢である。FFFサンプル分離は、フローアシスト分離および分画法を使用して、分析物が、その拡散係数の差異によって、リボン状のチャネルに沿って分離される(Fraunhofer,W.and Winter,G.,Eur.J.Pharm.Biopharm,58:369−383(2004)(非特許文献3))。FFFは、広いサイズ範囲(ナノメートルからミクロンまで)で分析物を分離できる。FFFのオープンチャネルは、サンプル損失の低減、低圧力、および低せん断速度を実現する。FFFは、タンパク質凝集体を検出するために光散乱法などの他の分子技術と組み合わせて使用されてきたが、mAbや可溶性リガンド複合体を含むタンパク質複合体の不均質性や構造をより完全に特徴づける必要性が依然として高まっている。
したがって、本発明の目的は、大きなタンパク質複合体を形成する能力を有するタンパク質薬物産物を特定する方法を提供することである。
タンパク質薬物産物および可溶性リガンド複合体を同定および特徴づける方法を提供することが、本発明の別の目的である。
Zhou,M.,et al.,ChemMedChem,11:738−756(2016) Brusotti,et al.,Chromaticatographia,81:3−23(2018) Fraunhofer,W.and Winter,G.,Eur.J.Pharm.Biopharm,58:369−383(2004)
サンプル中のタンパク質複合体を特徴づけるための方法が提供される。一実施形態は、非対称フロー式フィールドフロー分画(A4F)によってサンプルを分画し、多角度レーザー光散乱(MALLS)を使用してサンプル中のタンパク質複合体のモル質量、化学量論、およびサイズ分布を決定することによって、サンプル中のタンパク質複合体の化学量論およびサイズ分布を評価する方法を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質複合体は、そのリガンドに結合した抗体または融合タンパク質を含有する。リガンドは、典型的には可溶性リガンドである。リガンドは、単量体または多量体であってもよい。一実施形態では、リガンドはホモ二量体またはヘテロ二量体であり得る。別の実施形態では、タンパク質複合体は、抗体:リガンド複合体または融合タンパク質:リガンド複合体を含むか、またはこれらからなる。
別の実施形態は、第一のタンパク質薬物産物をその標的またはリガンドに添加してタンパク質:リガンド複合体を生成し、第二のタンパク質薬物産物を第一のタンパク質薬物産物:リガンド複合体に添加して複数のタンパク質:リガンド複合体を形成することによって、リードタンパク質薬物産物を選択するための方法を提供する。本方法は、タンパク質:リガンド複合体を分離することと、非対称フロー式フィールドフロー分画−MALLSを使用して、タンパク質:リガンド複合体のモル質量、化学量論、およびサイズ分布を決定することとを含む。本方法はまた、より少ない大きなタンパク質:リガンド複合体を形成するタンパク質薬物産物を、リード標的タンパク質薬物として選択することを含む。典型的に、タンパク質薬物産物は、抗体もしくはその抗原結合断片、融合タンパク質、または組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態では、リガンドは可溶性リガンドである。リガンドは、単量体または多量体であってもよい。いくつかの実施形態では、大きなタンパク質複合体は異量性である。
別の実施形態は、上述の方法を使用して選択されたリードタンパク質薬物産物を含有する医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、開示された方法を使用して、同じリガンドを標的とする二つの個別の抗体が、大きくて不均質な複合体を形成するかどうかを決定することができる。
さらに別の実施形態は、タンパク質薬物産物およびそのリガンドを含有するサンプルを調製して、タンパク質薬物産物:リガンド複合体を生成することにより、タンパク質薬物産物と可溶性リガンドとの間に形成されたタンパク質複合体を特徴づけるための方法を提供する。本方法は、タンパク質薬物:リガンド複合体を分画することと、多角度レーザー光散乱により分画されたタンパク質薬物:リガンド複合体を分析して、タンパク質複合体のモル質量および不均質性を決定することとを含む。一実施形態では、総タンパク質を分画することは、非対称フロー式フィールドフロー分画によって行われる。タンパク質の濃度は、UV/Visで測定される。
異なるタンパク質薬物産物によって形成されるタンパク質複合体の同じリガンドに対する構造の違いは、異なるタンパク質薬物産物によって形成されるタンパク質薬物産物:リガンド複合体の溶出プロファイル/時間を比較することによって決定することができる。同一のモル質量を有する異なる溶出プロファイル/複合体の時間は、複合体が異なる構造または形状を有し得ることを示す。一実施形態では、各タンパク質薬物産物および同一の可溶性リガンドは、個々の成分についてモル質量を計算するために別々に分析され、各成分のモル質量は、各タンパク質複合体中の該成分の推定化学量論を決定するために使用される。
別の実施形態は、非対称フロー式フィールドフロー分画を使用して、タンパク質薬物産物:リガンド複合体を分画することと、分画されたタンパク質薬物産物:リガンド複合体を多角度レーザー光散乱によって分析して、タンパク質薬物:リガンド複合体のモル質量、化学量論、またはその両方を特徴づけることと、各タンパク質複合体のサイズを、各個々の成分の推定サイズと比較して、各複合体を構成する成分を決定することにより、タンパク質複合体の不均質性を決定することとによって、タンパク質薬物産物と可溶性リガンドとの間に形成されるタンパク質複合体を特徴づけるための方法を提供する。
図1Aは、一つの抗体と一つのリガンドとの間に形成された複合体の図である。図1Bは、一つの抗体と二つのリガンドとの間に形成された複合体の図である。図1Cは、四つの抗体と五つのリガンドとの間に形成された複合体の図であり、「ペーパードリング」を表す。 図2A〜図2Bは、抗体1(黒)、二つのリガンド、および抗体2(灰色)の間に非線状構造で形成された複合体の図である。図2C〜図2Dは、抗体1(黒)、二つのリガンド、および抗体2(灰色)の間に線状構造で形成された複合体の図である。 図2Aの説明を参照のこと。 図2Aの説明を参照のこと。 図2Aの説明を参照のこと。 図3Aは、Ab1、タンパク質X、および5:1、1:1、および1:5のモル比でのAb1とタンパク質Xとの組み合わせのSEC−MALLS分析によるクロマトグラムである。X軸は溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は280nm(AU)での吸光度を表す。図3Bは、5:1、1:1、および1:5のモル比でのAb1およびAb2の組み合わせの非対称フロー式フィールドフロー分画−MALLS(A4F−MALLS)分析によるフラクトグラムである。X軸は溶出時間(分)を表す。左Y軸は、モル質量(g/mol)を表す。右Y軸は、215nm(AU)での吸光度を表す。 図3Aの説明を参照のこと。 図4Aは、リード化合物A(リードA)、リードA+タンパク質Y(1:3)、およびリード化合物B(リードB)+タンパク質Y(1:3)のA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。図4Bは、リードA、リードA+タンパク質Y(1:1)、およびリードB+タンパク質Y(1:1)のA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。図4Cは、リードA、リードA+タンパク質Y(3:1)、およびリードB+タンパク質Y(3:1)のA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図4Aの説明を参照のこと。 図4Aの説明を参照のこと。 図5Aおよび図5Bは、リードA(図5A)およびリードB(図5B)を有する抗タンパク質Y複合体のマウス抗ヒト抗体力価の折れ線グラフである。X軸は時間(日数)を表し、Y軸は濃度(μg/ml)を表す。 図5Aの説明を参照のこと。 図6Aおよび図6Bは、様々な抗タンパク質Z mAb(図6A)またはAb3と様々な抗タンパク質Z mAbとの組み合わせ(図6B)の濃度の増加を伴う、ウサギ赤血球の溶血率を示す折れ線グラフである。X軸はmAbの濃度を表す(Log [M])。Y軸は溶血率を表す。 図6Aの説明を参照のこと。 図7は、遊離抗タンパク質Z mAb1、タンパク質Z、および抗タンパク質Z mAb1とタンパク質Zの1μM:1μMの組み合せのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は、溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図8は、遊離mAb、抗タンパク質Z mAb1とタンパク質Zの1μM:1μMの組み合わせ、抗タンパク質Z mAb1、抗タンパク質Z mAb5、およびタンパク質Zの0.5μM:0.5μM:1μMの組み合わせ、ならびに抗タンパク質Z mAb1、抗タンパク質Z mAb7、およびタンパク質Zの0.5μM:0.5μM:1μMの組み合わせのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は、溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図9は、遊離mAb併用、抗タンパク質Z mAb1とタンパク質Zの1μM:1μMの組み合わせ、抗タンパク質Z mAb1、抗タンパク質Z mAb3併用、およびタンパク質Zの0.5μM:0.5μM:1μMの組み合わせ、ならびに抗タンパク質Z mAb1、抗タンパク質Z mAb6併用、およびタンパク質Zの0.5μM:0.5μM:1μMの組み合わせ、ならびに抗タンパク質Z mAb6、抗タンパク質Z mAb7、およびタンパク質Zの0.5μM:0.5μM:1μMの組み合わせのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図10は、遊離mAb併用、抗タンパク質Z mAb1とタンパク質Zの1μM:1μMの組み合わせ、抗タンパク質Z mAb1、抗タンパク質Z mAb2、およびタンパク質Zの0.5μM:0.5μM:1μMの組み合わせ、ならびに抗タンパク質Z mAb1、COMP1 mAb、およびタンパク質Zの0.5μM:0.5μM:1μMの組み合わせのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は、溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図11は、遊離mAb併用、抗タンパク質Z mAb1とタンパク質Zの1μM:1μMの組み合わせ、抗タンパク質Z mAb1、抗タンパク質Z mAb4、およびタンパク質Zの0.5μM:0.5μM:1μMの組み合わせのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は、溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図12Aおよび図12Bは、0.3μM:1μM:1μMの抗タンパク質Z mAb1:COMP1 mAb:タンパク質Z、1μM:1μM:1μMの抗タンパク質Z mAb1:COMP1 mAb:タンパク質Z、および3μM:1μM:1μMの抗タンパク質Z mAb1:COMP1 mAb:タンパク質Zの同時添加(図12A)または連続添加(図12B)のA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図12Aの説明を参照のこと。 図13は、代表的なmAb、タンパク質W、およびmAbとタンパク質Wの1μM:1μMの比での組み合わせのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図14は、代表的なmAb、タンパク質W、ならびにmAb2とタンパク質W、mAb3とタンパク質W、およびCOMP1とタンパク質Wの1μM:1μMの比での組み合わせのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図15は、COMP2、タンパク質W、およびCOMP2とタンパク質Wの1μM:1μMの比での組み合わせのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。 図16は、代表的なmAb、タンパク質W、ならびにmAb4とタンパク質W、およびCOMP3とタンパク質Wの1μM:1μMの比での組み合わせのA4F−MALLS分析によるフラクトグラムである。X軸は溶出時間(分)を表す。左Y軸はモル質量(g/mol)を表し、右Y軸は215nm(AU)での吸光度を表す。
発明の詳細な説明
I.定義
本開示は、本明細書に記載される組成物および方法、ならびに記載された実験条件に限定されず、それ故、変化し得ることを理解されたい。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって制限されるため、本明細書に使用される用語は、ある実施形態のみを記述する目的で使用されており、制限することを意図しないことも理解されるべきである。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示の属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記述したものと類似または同等な任意の組成物、方法、および材料を本発明の実施または試験に使用することができる。述べたすべての出版物はその全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
本明細書に別段の示唆がない限り、または文脈から相反することが明白でないかぎり、本明細書において請求される本発明を記載する文脈(特に請求の範囲の文脈)において、「a」、「an」、「the」、および類似の指示対象の用語の使用は、単数および複数の両方を包含するとみなされる。
本明細書において別段の示唆が無い限り、本明細書において値の範囲の列挙は単に、当該範囲内にある別個の値のそれぞれを個々に言及するための簡潔表現法としての機能を果たすことが意図されており、個々の値のそれぞれが、それらが個々に本明細書において列挙されているように本明細書内に組み込まれる。
「約」という用語の使用は、記述される値のおよそ±10%の範囲で上回る、または下回る値を記述することが意図されている。他の実施形態では、値は、記述される値のおよそ±5%の範囲で上回る、または下回る値の範囲であってもよい。他の実施形態では、値は、記述される値のおよそ±2%の範囲で上回る、または下回る値の範囲であってもよい。他の実施形態では、値は、記述される値のおよそ±1%の範囲で上回る、または下回る値の範囲であってもよい。先行する範囲は、文脈で明白となることが意図されており、さらなる限定は示唆されない。本明細書において別段の示唆が無い限り、または文脈から相反することが明白でない限り、本明細書に記載のすべての方法は、任意の適切な順序で実施されることができる。本明細書に提示される任意の、およびすべての例の使用、または例示的文言(例えば「〜など」)は単に本発明をより詳細に解説することが意図されており、別段であることが請求されない限り、本発明範囲に対して限定を与えるものではない。本明細書において、請求されていない要素を、本発明の実施に必須の要素であると示唆すると解釈されるべき文言はない。
「タンパク質」とは、ペプチド結合によって相互に結合された二つ以上のアミノ酸残基を含む分子を指す。タンパク質にはポリペプチドとペプチドが含まれ、さらに例えばグリコシル化、脂質付加、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、アルキル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化などの修飾も含まれ得る。タンパク質は、タンパク質系薬剤を含む科学的または商業的な対象のタンパク質であってもよく、特に酵素、リガンド、受容体、抗体およびキメラタンパク質または融合タンパク質を含む。タンパク質は公知の細胞培養法を使用して様々なタイプの組み換え細胞により産生される。一般的に遺伝子操作技術により細胞内に導入され(例えばキメラタンパク質をコードする配列、またはコドン最適化配列、イントロンレス配列など)、そこでエピソームとして存在し、または細胞ゲノム内に統合され得る。
「抗体」とは、四つのポリペプチド鎖、すなわちジスルフィド結合によって相互接続された二つの重(H)鎖と二つの軽(L)鎖からなる免疫グロブリン分子を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(HCVRまたはVH)と重鎖定常領域を有する。重鎖定常領域は、CH1、CH2、およびCH3の三つのドメインを含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域と軽鎖定常領域を有する。軽鎖定常領域は、一つのドメイン(CL)からなる。VH領域およびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存された領域が点在する相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域へとさらに細分することができる。各VHおよびVLは、以下の順序でアミノ末端からカルボキシ末端に配置された三つのCDRと四つのFRから構成される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。「抗体」という用語は、任意のアイソタイプまたはサブクラスのグリコシル化および非グリコシル化された免疫グロブリンの両方への言及を含む。「抗体」という用語は、抗体を発現するためにトランスフェクトされた宿主細胞から単離された抗体などの組み換え手段によって調製される、発現される、生成される、または単離される抗体分子を含む。抗体という用語はさらに、複数の異なるエピトープに結合することができるヘテロ四量体免疫グロブリンを含む、二重特異性抗体も含む。二重特異性抗体は米国特許第8,586,713号に概要が記載されており、当該特許出願は本明細書に参照により援用される。
「Fc融合タンパク質」は、二つ以上のタンパク質の一部またはすべてを含み、そのうちの一つは免疫グロブリン分子のFc部分であり、これらは自然界では一緒には存在しないものである。抗体に由来するポリペプチド(Fcドメインを含む)の様々な部分に融合された特定の異種ポリペプチドを含む融合タンパク質の調製は、例えばAshkenazi et al.,Proc.Natl.Acad.ScL USA 88:10535,1991;Byrn et al.,Nature 344:677,1990;and Hollenbaugh et al.,“Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins”,in Current Protocols in Immunology,Suppl.4,pages 10.19.1−10.19.11,1992に記載されている。「受容体Fc融合タンパク質」は、Fc部分に結合された受容体の細胞外ドメインを一つまたは複数含み、一部の実施形態では、ヒンジ領域の後に免疫グロブリンのCH2ドメインとCH3ドメインを含む。一部の実施形態では、Fc融合タンパク質は、一つまたは複数のリガンドに結合する二つ以上の別個の受容体鎖を含有する。例えばFc融合タンパク質は、IL−1トラップまたはVEGFトラップなどのトラップである。
本明細書で使用される場合、「可溶性リガンド」とは、細胞の形質膜を容易に通過することができない極性または荷電リガンドを指す。ほとんどの可溶性リガンドは、細胞表面受容体の細胞外ドメインに結合する。
「A4F」は、サンプルと外部の垂直な物理フィールドとの相互作用によって分析物の分離が達成される分画技術である、非対称フロー式フィールドフロー分画を表す。
多角度光散乱法(MALS)は、サンプルによって複数の角度に散乱された光を測定するための技法を説明する。これは、分子が光をどのように散乱するかを検出することによって、溶液中の分子の絶対モル質量と平均サイズの両方を測定するために使用される。レーザー光源からのコリメート光が最も頻繁に使用される場合には、この技術は多角度レーザー光散乱法(MALLS)と呼ばれ得る。実際には、MALS と MALLS という用語は同じ意味で使用される。
本明細書で使用される場合、「ブラウン運動」とは、液体中に懸濁された粒子の連続的な動きを指す。
II.タンパク質複合体を特徴づけるための方法
モノクローナル抗体併用療法は、複数のシグナル伝達経路が関与する癌や炎症性状態などの疾患に対する有望な治療戦略として登場した。さらに、同じ経路を標的とする複数のモノクローナル抗体の投与は、単剤療法だけでは経路を完全に阻害しない場合、疾患の発症に関与する経路を完全に遮断するのに有益であり得る。しかし、治療用mAbが可溶性の多量体標的に結合すると、大きくて不均質な複合体が形成される可能性がある。タンパク質複合体のサイズ、形状、および構造は、他の要因の中でも特に、免疫原性および抗体クリアランス時間に影響を及ぼす可能性がある。タンパク質複合体の分析は、薬剤開発中のmAbの薬物動態に関する洞察を提供するために重要である。
したがって、タンパク質複合体を特徴づけるための方法およびシステムが提供される。一実施形態は、非対称フロー式フィールドフロー分画を使用してサンプルを分画し、多角度レーザー光散乱を使用してサンプル中の不均質なタンパク質複合体のモル質量、化学量論、およびサイズ分布を決定することによって、サンプル中の不均質なタンパク質薬物産物:リガンド複合体の化学量論およびサイズ分布を評価する方法を提供する。タンパク質複合体は、典型的には、標的またはリガンドとも呼ばれる関心対象のタンパク質に特異的に結合するタンパク質から構成される。一実施形態では、標的に特異的に結合するタンパク質は、抗体または融合タンパク質である。
抗体または融合タンパク質が、in vivoまたはin vitroでその標的またはリガンドと組み合わされると、抗体:リガンドまたは融合タンパク質:リガンドの不均質な混合物が形成され得る。一実施形態では、モノクローナル抗体(mAb)または融合タンパク質などの治療用タンパク質の可溶性多量体標的への結合は、大きくて不均質な複合体または大きなヘテロマー複合体をもたらす。例えば、大きなタンパク質複合体は、3:2、2:3、4:4、6:6、または[2:2]からなる群から選択されるタンパク質:リガンド比を有するタンパク質複合体として特徴づけられ得る。大きくて不均質な複合体は、複数の多量体リガンド分子と複数のタンパク質薬物産物分子の間に形成される複合体を指す。大きなヘテロマー複合体という用語は、二つの異なるタンパク質薬物産物、例えば二つの異なる抗体、二つの異なる融合タンパク質、または異なる部位で同じリガンドに結合する一つの抗体および一つの融合タンパク質によって結合されたリガンドを指す。
別の実施形態は、in vivo、in vitro、または両方において可溶性標的を有する大きくて不均質な複合体を形成するタンパク質薬物産物を特定する方法を提供する。本方法は、タンパク質薬物産物およびその可溶性リガンドを含有するサンプルを調製してタンパク質薬物産物:リガンド複合体を生成することと、タンパク質薬物産物:リガンド複合体を分離するためにサンプルを分画することと、タンパク質複合体のサイズおよび不均質性を決定するために、多角度レーザー光散乱によって分画されたタンパク質薬物産物:リガンド複合体を分析することと、を含む。一実施形態では、タンパク質サンプルは、非対称フロー式フィールドフロー分画を使用して分画される。
開示された方法およびシステムのさらなる詳細は、以下に提供される。
A.タンパク質複合体の特徴づけるためのシステム
一実施形態では、システムは、非対称フロー式フィールドフロー分画(A4F)システムおよび多角度レーザー光散乱(MALLS)システムを含む。市販のA4Fシステムの一例は、Eclipse(商標)3+ A4F分離システムである。市販のMALLSシステムの一例は、Wyatt Technology Dawn HELEOS(登録商標)IIレーザー光散乱装置である。システムは、典型的には、UV/VIS検出器および/または屈折率検出器を含む。例示的な市販のUV/VIS検出器は、Agilent 1260 Infinity UV検出器である。例示的な市販の屈折率検出器は、Optilab(登録商標)T−rEX屈折率検出器である。一実施形態では、A4Fシステムは、350Wスペーサーおよび4kDa MWCO NADIR(登録商標)親水性PES(PESH)膜を備えたA4F短チャネルを含む。別の実施形態では、A4F短チャンネルには、490Wスペーサーおよび10kDa MWCO Nadir(登録商標)再生セルロース膜が取り付けられている。例示的な移動相は、pH7.0での10mMのリン酸塩および500mMのNaClを含む。しかし、カラムクロマトグラフィー分離に対するA4Fの利点は、使用できる移動相またはキャリア流体の種類に制約がないことである。一実施形態では、サンプルは、60分にわたる直線勾配を使用して分離される。一実施形態では、チャネルフローおよびクロスフロープログラムは、ケースバイケースで望ましい分解能を達成するために特別に最適化されている。当業者であれば、A4Fを使用して分離される特定のサンプルに必要とされる分解能に従って、溶出プロファイルを修正および最適化できることが理解されるべきである。
典型的には、サンプルは、A4Fチャネルのサンプル入口ポート内に注入される。次いで、サンプルは、キャリア流体を入口ポートおよび出口ポートの両方からチャネル内に流入させ、チャネル内の点、典型的にはサンプル入口ポートの近くで出会わせて集束ゾーンを形成することによって、集められる。集束期間中、注入されたサンプルからの粒子はこの集中ゾーンに保持され、分画前の緩和を可能にする。最終ステップは、粒子の分画である。粒子がチャネルに沿って流れると、垂直に対向するクロスフロー分離フィールドが、分子をチャネルの底部に向けて押し動かす。それらがチャネルの底部付近に蓄積すると、反対に作用する、クロスフローフィールドに逆らってチャネル内に戻る拡散を受ける。分子がチャネル内に拡散できる程度は、その自然なブラウン運動によって決定され、これは並進拡散係数によって定義される特徴であり、個々の種に固有のサイズおよび形状に関連する。一般に、小さな粒子は、大きな粒子よりも拡散係数が速く、クロスフローフィールドに対してチャネル内により高度に拡散することができる。チャネル内の層流の速度は均一ではない。これは放物線パターンで移動し、流れの速度はチャネルの中心に向かって増加し、チャネルの上壁と下壁に向かって減少する。したがって、粒子が通過する速度は、チャネル内のその位置に依存する。チャネルの中心付近に位置する、拡散が速いものは、より速い速度で輸送される。チャネルの底部蓄積壁付近の浅く、低速な移動ストリーム内のより大きな粒子は、より低い流速で輸送され、より小さな粒子よりも遅れて溶出する。その結果、最小から最大の順に、溶出する質量に基づいて粒子を穏やかに分離する。
サンプルがA4Fチャネルを通って流れているとき、サンプルのリード部分は、出口ポートを通ってチャネルから出る。多角度レーザー光散乱(MALLS)検出器は、A4Fシステムと流体連通しており、A4F出口ポートからサンプルを受ける。いくつかの実施形態では、サンプルはまず、UV/VIS検出器を通って流れ、吸光度の関数としてサンプル濃度を測定する。MALLSシステムは、偏光ビーム(またはレーザー)をサンプル分子上に集束させ、散乱光を光検出器で検出する。
多角度光散乱(MALS)は、分子、粒子、またはタンパク質複合体を含有するサンプルから散乱した光を測定する。この散乱は、セットアップの光学的配置に依存し、典型的な実験的実現では、光は一つまたはいくつかの異なる角度で検出される。単一散乱角ソリューションで、最も一般的な三つの設計は、90度(直角光散乱またはRALS)、7度(低角光散乱またはLALS)、または173度(非侵襲的後方散乱またはNIBS)である。多角度構成では、原則として、角度が固定されているもの(これはMALSまたはMALLS構成と呼ばれることが多い)と、角度が可変であるもの(一般に光散乱ゴニオメーターまたは分光計と呼ばれる)がある。MALSは通常、粒子分離構成の一部として使用される複数の固定角度を有するシステム、例えばA4Fを指す。MALSの最も広範な用途は、濃度検出器(RIまたは単一波長UVなど)と組み合わせた絶対モル質量検出器としてである。
MALSは、以下を測定するために使用できる:M−タンパク質複合体の重量平均モル質量、R−タンパク質複合体の平均半径、およびA−溶液中のタンパク質の溶解度。
B.タンパク質複合体を特徴づけるための方法
開示されたシステムおよび方法は、タンパク質複合体、例えば、サンプル中のタンパク質薬物産物:リガンド複合体を特徴づけるために使用され得る。一実施形態は、非対称フロー式フィールドフロー分画(A4F)によってサンプルを分画し、多角度レーザー光散乱(MALLS)を使用してサンプル中のタンパク質複合体のモル質量、化学量論、およびサイズ分布を決定することによって、サンプル中の不均質なタンパク質複合体の化学量論およびサイズ分布を評価する方法を提供し、複合体は、抗体:リガンド複合体または融合タンパク質:リガンド複合体を含むか、またはこれらから成る。いくつかの実施形態では、リガンドは可溶性リガンドである。典型的に、抗体はモノクローナル抗体である。一実施形態では、タンパク質複合体は、その抗体または融合タンパク質対リガンド比によって特徴づけられる。非限定的な例では、抗体または融合タンパク質対リガンド比は、1:0、0:1、1:1、1:2、2:1、2:2、3:2、2:3、4:4、6:6、または[2:2]からなる群から選択され得る。抗体または融合タンパク質対リガンド比は、試験される特定の抗体または融合タンパク質およびリガンドに依存することが理解されるべきである。
1.タンパク質複合体の混合物
タンパク質複合体の特性を決定するために、複合体の各成分についてモル質量を実験的に決定して、様々な化学量論を有する複合体の予測モル質量を計算することができる。一実施形態では、混合物中の各タンパク質およびリガンドは、各成分のモル質量を決定するために別々に分析される。一実施形態では、タンパク質薬物産物およびそのリガンドを混合して、タンパク質薬物産物:リガンド複合体を形成し、次いでその複合体を特徴づける。分画されたタンパク質薬物産物:リガンドをA4F−MALLSに供して、複合体のモル質量を決定する。次に、分画された複合体の計算値を、実験的に決定された個々の成分のモル質量と比較して、各複合体中に存在する個々の成分の可能性のある化学量論比を決定する。一実施形態では、本方法は、1:1タンパク質薬物産物:リガンド複合体を検出することができる。別の実施形態では、本方法は、タンパク質薬物産物:リガンドの任意の比率を検出することができる。非限定的な例では、本方法は、1:0、0:1、2:1、1:2、2:2、3:2、2:3、4:4、6:6、または[2:2]のタンパク質薬物産物:リガンド複合体を検出することができる。抗体または融合タンパク質対リガンド比は、試験される特定の抗体または融合タンパク質およびリガンドに依存することが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、複合体は、共通の可溶性リガンドと複合体化された複数の異なるタンパク質薬物産物を含有する。
a.リガンド
タンパク質薬物産物:リガンド複合体のリガンドは、単量体または多量体リガンドであり得る。一実施形態では、リガンドは可溶性リガンドである。いくつかの実施形態では、可溶性リガンドは、膜貫通受容体タンパク質を含むがこれに限定されない膜貫通タンパク質の細胞外部分に対応する。
単量体リガンドは、一つのタンパク質または一つのタンパク質ユニットのみを含有する。多量体リガンドは、例えば、複数のタンパク質またはタンパク質サブユニットを含有する二量体、三量体などであり得る。例えば、リガンドは、ホモ二量体またはヘテロ二量体であり得る。いくつかの実施形態では、多量体リガンドは、タンパク質薬物産物のうちの複数の分子に結合する。図1Aは、例示的な1:1の抗体:リガンド複合体を示す。図1Bは、例示的な1:2の抗体:リガンド複合体を示し、図1Cは、内部抗体の各アームが、異なるリガンドに結合して、大きくて不均質な複合体を生成する、「ペーパードリング」効果の一例を示す。
一実施形態では、大きくて不均質なタンパク質薬物産物:リガンド複合体は、500kDa以上のサイズを有する。別の実施形態では、不均質なタンパク質薬物産物:リガンド複合体は、500〜4000kDaのサイズを有する。別の実施形態では、大きくて不均質なタンパク質薬物産物:リガンドは、3:2、2:3、4:4または6:6のタンパク質薬物産物:リガンドの比率を有する。
一実施形態では、開示された方法は、多量体リガンドを標的とするよう設計されたリードタンパク質薬物産物が、大きくて不均質なタンパク質薬物産物:リガンド複合体を形成するかどうかを決定するために使用される。
一実施形態では、開示された方法は、多量体リガンドが、複数のタンパク質薬物産物または融合タンパク質と複合体を形成するかどうかを決定するために使用することができる。形成され得る複合体としては、1:0、0:1、2:1、1:2、2:2、3:2、2:3、4:4、6:6、または[2:2]のタンパク質:リガンド比が挙げられるが、これらに限定されない。図1A〜図1Cは、多量体リガンドとモノクローナル抗体との間に形成され得る例示的な複合体を示す。
b.複数のmAbの組合せ
同じ経路または同じリガンドを標的とする複数のタンパク質薬物産物を用いた併用療法は、人気が高まっている。いくつかの実施形態では、開示された方法を使用して、タンパク質薬物産物によって形成されるタンパク質複合体の化学量論およびサイズ分布に基づいて、同じリガンドを標的とする抗体の異なる組み合わせを区別することができる。二つのタンパク質薬物産物を単量体リガンドと混合すると、タンパク質薬物産物はヘテロマー複合体を形成する可能性がある。本明細書において定義されるヘテロマー複合体は、同じ標的分子に結合する二つの異なるタンパク質薬物産物を指す。さらに、同じ抗体の二つのアームの各々は、二つのリガンドを結合する能力を有し、それらは第二の抗体によって結合されて、ヘテロマー複合体を形成することもできる。図2A〜図2Dは、代表的なヘテロマー複合体を示す。図2Aおよび図2Cは、一つのタンパク質薬物産物(黒)または抗体が、二つのリガンドに結合し、リガンドのうちの一方が第二の固有のタンパク質薬物産物(灰色)にも結合する場合に形成される複合体を示す。図2Bおよび図2Dに示すように、灰色タンパク質が別のリガンドに結合し、それが次いで黒色タンパク質に結合する場合、より大きく、より不均質な複合体が形成され得る。
2.リードタンパク質薬物産物の選択
別の実施形態は、第一のタンパク質薬物産物を、第一のタンパク薬物産物の標的を含む第一のサンプルに添加して、不均質なタンパク質:リガンド複合体を生成すること、および第二のタンパク質薬物産物を前記標的を含有する第二のサンプルに添加して、タンパク質:リガンド複合体を形成することによって、リードタンパク質薬物産物を選択するための方法を提供する。本方法は、不均質なタンパク質:リガンド複合体を分離することと、非対称フロー式フィールドフロー分画−多角度レーザー光散乱を使用して不均質なタンパク質:リガンド複合体のサイズ分布および化学量論を決定することとを含む。本方法はまた、より少ない不均質なタンパク質:リガンド複合体を形成するタンパク質薬物産物を、リード標的タンパク質薬物として選択することを含む。いくつかの実施形態では、リガンドは可溶性リガンドである。可溶性リガンドは、単量体リガンドまたは多量体リガンドとすることができる。典型的に、タンパク質薬物産物は、抗体もしくはその抗原結合断片、融合タンパク質、または組み換えタンパク質である。タンパク質複合体は、1:0、0:1、1:1、1:2、2:1、2:2、3:2、2:3、4:4、6:6、または[2:2]からなる群から選択されるが、これらに限定されない、抗体または融合タンパク質対リガンド比を有するタンパク質複合体として特徴づけられ得る。別の実施形態は、上記の方法を使用して選択されたリードタンパク質薬物産物を含有する医薬組成物を提供する。
3.タンパク質複合体のサイズと形状の決定
一実施形態では、開示された方法は、タンパク質複合体のサイズを決定するために使用され得る。タンパク質薬物産物、および任意で可溶性リガンドの混合物は、A4F分画を使用して分離される。タンパク質複合体のサイズおよび化学量論は、その後、MALLS分析を用いて決定することができる。MALLS分析では、偏光ビーム(またはレーザー)がサンプル分子上に集束され、散乱光が光検出器で検出される。散乱光は、様々な角度で同時に検出される。各角度における散乱光の強度は、複合体のモル質量に比例する。一実施形態では、UV/Vis分光法を使用して、各タンパク質複合体の濃度を決定する。
別の実施形態では、異なるタンパク質薬物産物間で形成されたタンパク質複合体の共通のリガンドに対する形状/構造は、開示された方法を使用して区別することができる。同じモル質量の複合体間の溶出時間または溶出プロファイルの違いは、タンパク質複合体の形状または構造の違いを示唆する。同一または類似のモル質量を有するが、溶出時間が異なる複合体は、溶出時間が遅い複合体が、複合体の形状または構造の違いにより、流体力学的体積が増加していることを示す。
タンパク質複合体のモル質量およびサイズの不均質性を使用して、タンパク質薬物産物のクリアランスを予測することができる。一実施形態では、タンパク質複合体が大きいほど、タンパク質薬物産物はより速く身体から除去される。
C.タンパク質複合体中のタンパク質
一実施形態では、タンパク質複合体中のタンパク質のうちの一つは、タンパク質薬物産物であるか、または原核生物もしくは真核生物細胞での発現に好適な対象タンパク質である。例えば、タンパク質複合体中のタンパク質は、抗体もしくはその抗原結合断片、キメラ抗体もしくはその抗原結合断片、ScFvもしくはその断片、Fc融合タンパク質もしくはその断片、成長因子もしくはその断片、サイトカインもしくはその断片、または細胞表面受容体の細胞外ドメインもしくはその断片であり得る。複合体中のタンパク質は、単一のサブユニットからなる単一ポリペプチドであってもよく、または二つ以上のサブユニットを含む複合的なマルチサブユニットタンパク質であってもよい。対象タンパク質は、バイオ医薬品、食品添加物もしくは保存剤、または精製および品質標準に供される任意のタンパク質製品であってもよい。
いくつかの実施形態では、タンパク質複合体中のタンパク質は、抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、モノクローナル抗体、多特異性抗体、二重特異性抗体、抗原結合抗体断片、一本鎖抗体、ダイアボディ、トリアボディもしくはテトラボディ、二重の特異性、四価免疫グロブリンG様分子、二重可変領域免疫グロブリン(DVD−IG)、IgD抗体、IgE抗体、IgM抗体、IgG抗体、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、またはIgG4抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG1抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG2抗体である。一実施形態では、抗体は、IgG4抗体である。別の実施形態では、抗体はキメラヒンジを含む。また他の実施形態では、抗体はキメラFcを含む。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG4抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG1抗体である。一実施形態では、抗体は、キメラIgG2/IgG1/IgG4抗体である。
いくつかの実施形態では、抗体は、抗−Programmed Cell Death 1抗体(例えば、米国特許出願公開US2015/0203579A1に記載される抗PD1抗体)、抗−Programmed Cell Death Ligand−1(例えば、米国特許出願公開US2015/0203580A1に記載される抗PD−L1抗体)、抗−Dll4抗体、抗アンジオポエチン−2抗体(例えば、米国特許第9,402,898号に記載される抗ANG2抗体)、抗アンジオポエチン様3抗体(例えば、米国特許第9,018,356号に記載される抗−AngPtl3抗体)、抗−血小板由来成長因子受容体抗体(例えば、米国特許第9,265,827号に記載される抗−PDGFR抗体)、抗−Erb3抗体、抗プロラクチン受容体抗体(例えば、米国特許第9,302,015号に記載される抗−PRLR抗体)、抗補体C5抗体(例えば、米国特許出願公開US2015/0313194A1に記載される抗−C5抗体)、抗−TNF抗体、抗表皮成長因子受容体抗体(例えば米国特許第9,132,192号に記載される抗−EGFR抗体、または米国特許出願公開US2015/0259423A1に記載される抗−EGFRvIII抗体)、抗−Proprotein Convertase Subtilisin Kexin−9抗体(例えば、米国特許第8,062,640号または米国特許第9,540,449号に記載される抗−PCSK9抗体)、抗−Growth and Differentiation Factor−8抗体(例えば、米国特許第8,871,209号または第9,260,515号に記載される抗−GDF8抗体。抗ミオスタチン抗体としても知られる)、抗グルカゴン受容体(例えば、米国特許出願公開US2015/0337045A1またはUS2016/0075778A1に記載される抗−GCGR抗体)、抗−VEGF抗体、抗−IL1R抗体、インターロイキン4受容体抗体(例えば、米国特許出願公開US2014/0271681A1または米国特許第8,735,095号もしくは第8,945,559号に記載される抗−IL4R抗体)、抗インターロイキン6受容体抗体(例えば、米国特許第7,582,298号、第8,043,617号または第9,173,880号に記載される抗−IL6R抗体)、抗−IL1抗体、抗−IL2抗体、抗−IL3抗体、抗−IL4抗体、抗−IL5抗体、抗−IL6抗体、抗−IL7抗体、抗−インターロイキン33(例えば、米国特許第9,453,072号または第9,637,535号に記載される抗−IL33抗体)、抗呼吸器合胞体ウイルス抗体(例えば、米国特許第9,447,173号に記載される抗−RSV抗体)、抗−Cluster of differentiation 3(例えば、米国特許第9,447,173号および第9,447,173号、ならびに米国特許出願62/222,605に記載される抗−CD3抗体)、抗−Cluster of differentiation 20(例えば、米国特許第9,657,102号およびUS20150266966A1、ならびに米国特許第7,879,984号に記載される抗−CD20抗体)、抗−CD19抗体、抗−CD28抗体、抗−Cluster of Differentiation−48(例えば、米国特許第9,228,014号に記載される抗−CD48抗体)、抗−Fel d1抗体(例えば、米国特許第9,079,948号に記載される)、抗中東呼吸器症候群ウイルス(例えば、米国特許出願公開US2015/0337029A1に記載される抗−MERS抗体)、抗エボラウイルス抗体(例えば、米国特許出願公開US2016/0215040に記載される)、抗ジカウイルス抗体、抗−Lymphocyte Activation Gene 3抗体(例えば、抗−LAG3抗体、または抗−CD223抗体)、抗神経成長因子抗体(例えば、米国特許出願公開US2016/0017029ならびに米国特許第8,309,088号および第9,353,176号に記載される抗−NGF抗体)、および抗−タンパク質Y抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体は、抗CD3x抗CD20二重特異性抗体(米国特許出願公開US2014/0088295A1およびUS20150266966A1に記載される)、抗CD3x抗Mucin 16二重特異性抗体(例えば、抗CD3x抗Muc16二重特異性抗体)、および抗CD3x抗前立腺特異的膜抗原二重特異性抗体(例えば、抗CD3x抗PSMA二重特異性抗体)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、対象タンパク質は、アブシキシマブ(abciximab)、アダリムマブ(adalimumab)、アダリムマブ−atto(adalimumab−atto)、ado−トラスツズマブ(ado−trastuzumab)、アレムツズマブ(alemtuzumab)、アリロクマブ(alirocumab)、アテゾリズマブ(atezolizumab)、アベルマブ(avelumab)、バシリキシマブ(basiliximab)、ベリムマブ(belimumab)、ベンラリズマブ(benralizumab)、ベバシズマブ(bevacizumab)、ベズロトクスマブ(bezlotoxumab)、ブリナツモマブ(blinatumomab)、ブレンツキシマブ ベドチン(brentuximab vedotin)、ブロダルマブ(brodalumab)、カナキヌマブ(canakinumab)、カプロマブ ペンデチド(capromab pendetide)、セルトリズマブ ペゴル(certolizumab pegol)、セミプリマブ(cemiplimab)、セツキシマブ(cetuximab)、デノスマブ(denosumab)、ジヌツキシマブ(dinutuximab)、デュピリマブ(dupilumab)、デュルバルマブ(durvalumab)、エクリズマブ(eculizumab)、エロツズマブ(elotuzumab)、エミシズマブ−kxwh(emicizumab−kxwh)、エムタンシンアリロクマブ(emtansinealirocumab)、エビナクマブ(evinacumab)、エボロクマブ(evolocumab)、ファシヌマブ(fasinumab)、ゴリムマブ(golimumab)、グセルクマブ(guselkumab)、イブリツモマブ チウキセタン(ibritumomab tiuxetan)、イダルシズマブ(idarucizumab)、インフリキシマブ(infliximab)、インフリキシマブ−abda(infliximab−abda)、インフリキシマブ−dyyb(infliximab−dyyb)、イピリムマブ(ipilimumab)、イキセキズマブ(ixekizumab)、メポリズマブ(mepolizumab)、ネシツムマブ(necitumumab)、ネスバクマブ(nesvacumab)、ニボルマブ(nivolumab)、オビルトキサキシマブ(obiltoxaximab)、オビヌツズマブ(obinutuzumab)、オクレリズマブ(ocrelizumab)、オファツムマブ(ofatumumab)、オララツマブ(olaratumab)、オマリズマブ(omalizumab)、パニツムマブ(panitumumab)、ペムブロリズマブ(pembrolizumab)、ペルツズマブ(pertuzumab)、ラムシルマブ(ramucirumab)、ラニビズマブ(ranibizumab)、ラキシバクマブ(raxibacumab)、レスリズマブ(reslizumab)、リヌクマブ(rinucumab)、リツキシマブ(rituximab)、サリルマブ(sarilumab)、セクキヌマブ(secukinumab)、シルツキシマブ(siltuximab)、トシリズマブ(tocilizumab)、トシリズマブ(tocilizumab)、トラスツズマブ(trastuzumab)、トレボグルマブ(trevogrumab)、ウステキヌマブ(ustekinumab)、およびベドリズマブ(vedolizumab)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、複合体中のタンパク質は、Fc部分と別のドメインを含有する組み換えタンパク質(例えばFc−融合タンパク質)である。いくつかの実施形態では、Fc−融合タンパク質は、受容体Fc−融合タンパク質であり、Fc部分に連結された受容体の細胞外ドメインを一つまたは複数含有する。いくつかの実施形態では、Fc部分は、ヒンジ領域、それに続いてIgGのCH2ドメインおよびCH3ドメインを含有する。いくつかの実施形態では、受容体Fc−融合タンパク質は、単一のリガンドまたは複数のリガンドのいずれかに結合する二つ以上の別個の受容体鎖を含有する。例えばFc−融合タンパク質は、TRAPタンパク質であり、例えばIL−1トラップ(例えば、リロナセプト(rilonacept)であり、これはhIgG1のFcに融合されたIl−1R1細胞外領域に融合されたIL−1RAcPリガンド結合領域を含有する;米国特許第6,927,004号を参照のこと。当該特許はその全体で参照により本明細書に援用される)、またはVEGFトラップ(例えばアフリベルセプト(aflibercept)またはziv−アフリベルセプト(ziv−aflibercept)であり、これはhIgG1のFcに融合されたVEGF受容体Flk1のIgドメイン3に融合されたVEGF受容体Flt1のIgドメイン2を含有する;米国特許第7,087,411号および第7,279,159号を参照のこと)である。他の実施形態では、Fc−融合タンパク質は、ScFv−Fc−融合タンパク質であり、これは例えばFc部分に連結された抗体の可変重鎖断片および可変軽鎖断片などの一つまたは複数の抗原結合ドメインの一つまたは複数を含有する。
実施例1:A4F分析は、SEC分画と比較して、大きくて不均質な複合体を含有するサンプルに対して優れた分解能を提供する
方法
SEC−MALLS移動相バッファ
SEC−MALLS分析では、SEC移動相バッファの組成は、10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0であり、使用前にろ過(0.2μm)された。
SEC−MALLS分析
SEC−MALLSシステムは、Superose 6 GLカラム(10mm x 300mm;GE Healthcare,cat# 17−5172−01)からなり、紫外線(UV)ダイオードアレイ検出器、Wyatt Technology miniDawn TREOS(登録商標)レーザー光散乱装置(LS)、およびOptilab(登録商標)T−rEX示差屈折計(RI)検出器を備えたAgilent 1200シリーズのHPLCシステムに連結されている。検出器は、以下の順序で直列に接続した。UV−LS−RI。LSおよびRI検出器は、Wyatt Technologyが提供する指示に従って較正された。
定義された量の抗タンパク質X mAbをそれぞれ組み換え型タンパク質Xと混合し、pH7.4の1X DPBSで希釈して、以下のモル比を得た:5μMの抗タンパク質X mAb:1μMのタンパク質X、1μMの抗タンパク質X mAb:1μMのタンパク質X、および1μMの抗タンパク質X mAb:5μMのタンパク質X。すべてのサンプルを周囲温度で2時間インキュベートし、カラムに注入する前に4℃でろ過せずに維持した。カラムを、各サンプルの注入前に、0.3mL/分の流量で、移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)で予め平衡化した。ウシ血清アルブミン(BSA;2mg/mL;150μgサンプル量)を別々に注入し、システム適合性対照として含めた。
SEC−MALLS移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)を分画全体で使用した。各サンプル(100〜200μg)を注入し、0.3mL/分の流量で溶出した。BSAは、同じパラメータ設定を使用して分割された。
A4F−MALLS移動相バッファ
SEC−MALLS分析では、SEC移動相バッファの組成は、10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0であり、使用前にろ過(0.2μm)された。
A4F−MALLS
A4F−MALLSシステムは、紫外線(UV)ダイオードアレイ検出器、Wyatt Technology Dawn HELEOS(登録商標)IIレーザー光散乱装置(LS)、およびOptilab(登録商標)T−rEX示差屈折計(RI)検出器を備えたAgilent 1200シリーズHPLCシステムに連結されたEclipse(商標)3+ A4F分離システムで構成されている。検出器は、以下の順序で直列に接続した。UV−LS−RI。LSおよびRI検出器は、Wyatt Technologyが提供する指示に従って較正された。
定義された量の抗タンパク質X mAbをそれぞれ組み換え型タンパク質Xと混合し、pH7.4の1X DPBSで希釈して、以下のモル比を得た:5μMの抗タンパク質X mAb:1μMのタンパク質X、1μMの抗タンパク質X mAb:1μMのタンパク質X、および1μMの抗タンパク質X mAb:5μMのタンパク質X。すべてのサンプルは、周囲温度で2時間インキュベートし、4℃でろ過せずに維持した後、10kDaのMWCO Nadir再生セルロース膜を使用して、W350スペーサーホイル(スペーサー厚さ350μm、スペーサー幅2.2cm)を取り付けたEclipse(商標)短チャネルに注入した。チャネルを、各サンプルの注入前に、移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)で予め平衡化した。ウシ血清アルブミン(BSA;2mg/mL;10μgサンプル量)を別々に注入し、システム適合性対照として含めた。
分画法は、注入、集束、溶出、およびチャネルの「ウォッシュアウト」ステップの四つのステップで構成されている。A4F−MALLS移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)を分画法全体で使用した。各サンプル(7μg)を0.2mL/分の流量で1分間注入し、その後、集束流量1.5mL/分で2分間集束した。サンプルは、チャネル流量1.0mL/分、直線勾配クロスフロー3.0mL/分〜0mL/分で45分間にわたって溶出された。最後に、クロスフローを0mL/分でさらに5分間保持し、チャネルを洗浄した。BSAは、同じパラメータ設定を使用して分割された。
MALLSデータ分析
データは、ASTRA Vソフトウェア(バージョン5.3.4.14、Wyatt Technology)を用いて分析した。データは、過剰な散乱光を溶質濃度および重量平均モル質量Mwに関連付ける式に適合した(Wyatt,1993;Kendrick,2001)。
式1:
Figure 2021535361
式中、cは溶質濃度、R(θ、c)は散乱角と濃度の関数としての溶質からの過剰なローリー比であり、Mwはモル質量であり、P(θ)は散乱光の角依存性(回転半径<50nmの粒子の場合、約1まで)を表し、Aは浸透圧の膨張における第二のウイルス係数(測定は希釈溶液で行われるため無視できる)であり、
式2:
Figure 2021535361
式中、nは溶媒屈折率、Nはアボガドロの数字、λは真空中の入射光の波長、dn/dcは溶質に対する特定の屈折率の増分を表す。
BSAモノマーのモル質量は、データ収集(システム適合性チェック)中に光散乱および示差屈折率検出器の較正定数を評価する役割を果たした。UVおよびRI検出器から求めたBSAの平均モル質量の相対標準偏差(%RSD)は≦5.0%であった。
光散乱検出器、検出器間遅延容量およびバンドブロードニング項の正規化係数は、採用したA4F−MALLS条件で収集したBSAクロマトグラムから算出した。これらの値は、これらの用語を修正するために、他のすべてのサンプルについて収集されたデータファイルに適用された。
dn/dc値および215nmまたは280nmでの吸光係数(グリコシル化について補正)を、Astraソフトウェアで提供されたタンパク質コンジュゲート分析を用いて実験的に決定した。補正した吸光係数およびdn/dc値を用いて、全てのタンパク質−タンパク質複合体サンプルを分析した。
結果
サンプルのSEC−MALLS分析では、高次複合体の分解能が不良であり(溶出量=8〜14mL)、中間複合体の区別がないことが示された(図3A、表1)。対照的に、サンプルのA4F−MALLS分析では、高次複合体の分解能が優れており(溶出時間=約11〜30分)、中間複合体の明確な区別が示された(図3B、表2)。
(表1)mAb:タンパク質X複合体のおおよそのモル質量と保持量
Figure 2021535361
EV:溶出量、M:重量平均モル質量、NA:該当なし、min:分、kDa:キロダルトン
(表2)mAb:タンパク質X複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、NA:該当なし、min:分、kDa:キロダルトン
実施例2:抗タンパク質Y複合体
方法
A4F MALLS移動相バッファ
1X DPBS、pH7.4は、HPLCグレードの水で500mLの10X DPBSを総容量4.9Lに希釈することによって調製された。0.0025%(w/v)アジ化ナトリウムの溶液を抗菌剤として添加した。塩酸(12M)を少量ずつ徐々に添加し、pHを7.4に調整してから、最終容量を5.0Lとした。バッファの最終測定pHは7.4であった。バッファ溶液を仕様前に新たに調製し、ろ過(0.2μm)した。
A4F MALLS分析
定義された量の抗タンパク質Y mAb(リードAおよびリードB)をそれぞれ組み換えヒトタンパク質Yと混合し、pH7.4の1X DPBSで希釈して以下のモル比を得た:1μMの抗タンパク質Y mAb:3μMのhActA、1μMの抗タンパク質Y mAb:1μMのタンパク質Y、および3μMの抗タンパク質Y mAb:1μMのタンパク質Y。すべてのサンプルは、周囲温度で2時間インキュベートし、4℃でろ過せずに維持した後、10kDa MWCO Nadir再生セルロース膜を使用して、W490スペーサーホイル(スペーサー厚さ490μm、スペーサー幅2.2cm)を取り付けたEclipse(商標)短チャンネルに注入した。チャネルは、各サンプルの注入前に、pH7.4の1X DPBSバッファで予め平衡化した。ウシ血清アルブミン(BSA;2mg/mL;10μgサンプル量)を別々に注入し、システム適合性対照として含めた。
分画法は、注入、集束、溶出、およびチャネルの「ウォッシュアウト」ステップの四つのステップで構成されている。A4F−MALLS移動相バッファ(1X DPBS、pH7.4)を、分画法全体で使用した。各サンプル(10μg)を0.2mL/分の流量で1分間注入し、その後、集束流量1.5mL/分で2分間集束した。サンプルは、チャネル流量1.0mL/分、直線勾配クロスフロー1.2mL/分〜0mL/分で20分間にわたって溶出された。最後に、クロスフローを0mL/分でさらに5分間保持し、チャネルを洗浄した。BSAは、同じパラメータ設定を使用して分割された。
マウス抗ヒト抗体力価
マウス抗ヒト抗体(MAHA)力価は、mAb AまたはmAb BマウスIgGの検出に特異的なサンドイッチELISAを使用して決定された。簡潔に述べると、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の1μg/mLのmAb AまたはmAb Bを、4℃で一晩マイクロタイタープレートに受動的に吸着させた後、PBS中の5%ウシ血清アルブミン(BSA)で非特異的結合ブロックを行った。血清サンプルの連続希釈を、1:100から始まる希釈バッファ(PBS中0.5%BSA)で調製した。したがって、対応する希釈係数(100)をアッセイの検出下限(LOD)として定義した。次いで、サンプルをmAb AまたはmAb Bでコーティングしたプレート(100μL/ウェル)に加え、4℃で16〜18時間インキュベートした。希釈バッファのみを添加したウェルは、バックグラウンドシグナルを決定するために含めた。その後、プレートで捕捉されたmAb AまたはmAb B特異的MAHAを、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート抗マウスFcγを40ng/mLで使用して検出した。発色性HRP基質、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を使用してHRP活性を検出し、その結果得られる450nm(OD450)での光学密度をPerkin Elmer Victor X4マルチモードプレートリーダーで読み取った。結合シグナル対希釈係数のデータを、GraphPad Prismソフトウェアを使用した非線形回帰により解析し、力価を算出した。MAHA力価は、アッセイのバックグラウンドシグナルの二倍に相当する結合シグナルに対応する血清サンプルの計算された希釈係数として定義した。
結果
二つのリードmAbは、明確に異なる複合体をタンパク質Yと形成した。試験した全ての条件下で、mAb リードAは、mAb リードBよりも、より小さく、より不均質性の少ない複合体を、タンパク質Yと形成した(図4A〜図4C、表3〜表5)。
(表3)mAb:タンパク質Y複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、NA:該当なし、min:分、kDa:キロダルトン
(表4)mAb:タンパク質Y複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、NA:該当なし、min:分、kDa:キロダルトン
(表5)mAb:タンパク質Y複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、NA:該当なし、min:分、kDa:キロダルトン
抗タンパク質Y複合体のサイズおよび不均質性は、マウスPK観察と良好に相関した(図5A〜図5B)。タンパク質Yを有するリードBについて観察されたより大きな複合体は、より速いクリアランスと相関した(図5B)。
実施例3:抗ヒトタンパク質Z複合体
方法
サンプル調製
サンプルをpH7.4の1X DPBSで調製し、A4F−MALLSによる総タンパク質の分画前に室温で2時間インキュベートした。サンプルは以下のとおりであった:
1mMの抗タンパク質Z mAb1+二次mAb(0.5μM+0.5μM)+1μMの補体タンパク質Z(7つの組み合わせ)または1mMの抗タンパク質Z mAb6+抗タンパク質Z mAb7(0.5μM+0.5μM)+1μMの補体タンパク質Z。二次抗体のリストは表6に見出すことができる。
(表6)サンプル命名法
Figure 2021535361
A4F MALLS分析
すべてのサンプルは、周囲温度で合計2時間インキュベートし、4℃でろ過せずに維持した後、4kDaのMWCO親水性PES(PESH)膜を使用して、W350スペーサーホイル(スペーサー厚さ350μm、スペーサー幅2.2cm)を取り付けたEclipse(商標)短チャネルに注入した。チャネルを、各サンプルの注入前に、移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)で予め平衡化した。BSA(2mg/mL;10μgサンプル量)を別々に注入し、システム適合性対照として含めた。
分画法は、注入、集束、溶出、およびチャネルの「ウォッシュアウト」ステップの四つのステップで構成されている。A4F−MALLS移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)を分画法全体で使用した。各サンプル(7μg複合体または4μgの個々の成分)を0.2mL/分の流量で注入し、集束流量1mL/分で5分間集束した。サンプルは、チャネル流量1mL/分、直線勾配クロスフロー2mL/分〜0mL/分で45分間にわたって溶出された。最後に、クロスフローを0mL/分でさらに5分間保持し、チャネルを洗浄した。BSAは、同じパラメータ設定を使用して分割された。
RBC溶血アッセイ
代替経路(AP)溶血アッセイを補体活性化の尺度として使用して、抗タンパク質Z mAbがウサギ赤血球(RbRBC)の溶解を阻害する能力を評価した。膜侵襲複合体によるウサギ赤血球の溶解は、補体活性化を実験的に測定するアッセイの基礎である。
所望の数のRbRBCをGVB−Mg2+/EGTAバッファ中で洗浄し、2×10細胞/mLで再懸濁する。単一の抗C5 mAbまたは抗C5 mAbの組み合わせのいずれかの有効性をテストするために、正常なヒト血清をGVB−Mg2+/EGTAバッファ中で50〜96%に希釈し、RBCに添加した場合の最終濃度25〜48%を得た。丸底96ウェルプレートを用いて溶血活性を測定した。合計100μLのRbRBC(2×10細胞/ml)を、37℃で96ウェルプレートに播種し、次いで100μLの希釈された血清を添加した。細胞を穏やかに混合し、37℃で30〜120分間インキュベートした。インキュベーション時間後、細胞を4℃で、1250xgで遠心分離することによってスピンダウンした。合計100μLの上清を、新しい96平底プレートに移し、Spectramaxマイクロプレートリーダーで412nmで読み取った。溶血率の算出は、以下に説明するように行った。
以下の式を使用して、溶血率(%)を吸光度値で計算した:
式3:
Figure 2021535361
この式では、「バックグラウンド細胞溶解」は、血清を含まないGVB−Mg2+/EGTAバッファのみでインキュベートした細胞からのA412nmでのODである。「最大細胞溶解」は、水で処理された細胞からのA412nmでのODである。溶解の最大阻害は、曲線の最低値と最高値との差を、最高値の割合として表したものとして計算した。データは平均値±平均値の標準誤差で表した。
結果
COMP1 mAbまたは他のタンパク質Z mAbと組み合わせた抗タンパク質Z mAb1(リード抗タンパク質Z mAb)は、溶血を完全にブロックしない単剤療法(図6A、表7)と比較して、代替経路の活性化を介してウサギRBCの溶血を完全にブロックする(図6B、表8)。全ての抗タンパク質Z mAb1:抗タンパク質Z mAbの組み合わせがウサギRBCの溶血を完全にブロックしたため、免疫原性および/または標的介在性クリアランスなど、薬剤開発中のmAbの薬物動態(PK)に関する知見を提供することができる、大きさ、形状および配向などの複合体形成における差異があるかどうかを判定することは重要であった。
(表7)ウサギのRBC溶血に対する抗タンパク質Z抗体の効果
Figure 2021535361
(表8)ウサギのRBC溶血に対する抗タンパク質Z抗体の組み合わせの効果
Figure 2021535361
二次mAbの非存在下で、抗タンパク質Z mAb1は、等モル量で混合すると、タンパク質Zと標準的な1:1および1:2の複合体を形成した(図7、表9)。
(表9)mAb:タンパク質Z複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、min:分、kDa:キロダルトン
ほとんどの二次mAbの抗タンパク質Z mAb1との組み合わせは、ヘテロマー2:2 mAb:タンパク質Z複合体と一致する、より小さく、明確に定義された複合体に有利であった(図8および図9ならびに表10〜12)。
(表10)mAb:タンパク質Z複合体のモル質量
Figure 2021535361
(表11)mAb:タンパク質Z複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、min:分、kDa:キロダルトン
(表12)mAb:タンパク質Z複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
抗タンパク質Z mAb1/抗タンパク質Z mAb3の混合物は、タンパク質Zと同程度のサイズの複合体を形成したが、溶出時間/プロファイルの差から、形成された複合体は他の混合物と比較して形状/配向に差があることが示唆された(図9)。抗タンパク質Z mAb1と抗タンパク質Z mAb2およびCOMP1 mAbとの組み合わせは、「ペーパードリング」を示すタンパク質Zとのより大きくてより不均質な複合体に有利であった(図10、表13)。
(表13)mAb:タンパク質Z複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、min:分、kDa:キロダルトン
抗タンパク質Z mAb1と抗タンパク質Z mAb4との組み合わせは、タンパク質Zとヘテロマー複合体を形成する傾向の低下を示した(図11、表14)。遊離mAbおよび1:1mAb:タンパク質Z種の存在は、ヘテロマー複合体のタンパク質Zとの不完全な形成を示した。ホモマー複合体およびヘテロマー複合体のタンパク質Zとの混合物も明らかであった。
(表14)mAb:タンパク質Z複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、min:分、kDa:キロダルトン
実施例4:添加の順序は、抗タンパク質Z mAb1、COMP1 mAb、およびタンパク質Zの間に形成されるモル質量および複合体の分布に大きく影響しない
方法
添加の順序が複合体形成に影響を及ぼすかどうかを判定するために、COMP1 mAbとタンパク質Zの等モル混合物を1X DPBS、pH7.4で調製し、1μMのCOMP1 mAb:1μMのタンパク質Zのモル比を得て、周囲温度で1時間インキュベートした。インキュベーション後、様々な量の抗タンパク質Z mAb1を、予め形成されたCOMP1 mAb:タンパク質Z複合体に添加し、pH7.4の1X DPBSで希釈して、以下のモル比を得た:0.3μMの抗タンパク質Z mAb1:1μMの COMP1 mAb:1μMのタンパク質Z、1μMの 抗タンパク質Z mAb1:1μMのCOMP1 mAb:1μMのタンパク質Z、および3μMの抗タンパク質Z mAb1:1μMのCOMP1 mAb:1μMの タンパク質Z。そして、機器に注入する前にさらに一時間インキュベートした。実施例3のA4F MALLS分析方法に従った。
結果
抗タンパク質Z mAb1が他の成分に対して同時に(図12A、表15)、または順次(図12B、表15)添加されたかどうかに関わらず、モル質量および分布に関して同様の複合体が、抗タンパク質Z mAb1、COMP1 mAb、およびタンパク質Zの間に形成された。二つのデータセット間で観察された溶出時間のわずかなシフトは、本方法に固有の変動性を示すものであり、異常とはみなされない。
(表15)mAb:タンパク質Z複合体のおおよそのモル質量と保持時間
Figure 2021535361
実施例5:抗タンパク質W複合体
方法
A4F−MALLS移動相バッファ
移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)は、1.4gのリン酸ナトリウム一塩基性一水和物、10.7gのリン酸二塩基性七水和物、および500mLの5M塩化ナトリウムを混合することにより調製され、次いで、この溶液をHPLCグレードの水で5.0Lの容量にした。バッファの最終測定pHは7.0であった。移動相バッファは使用前にろ過した(0.2μm)。
A4F MALLS分析
A4F−MALLSシステムは、紫外線(UV)ダイオードアレイ検出器、Wyatt Technology Dawn HELEOS(登録商標)IIレーザー光散乱装置(LS)、およびOptilab(登録商標)T−rEX示差屈折計(RI)検出器を備えたAgilent 1200シリーズHPLCシステムに連結されたEclipse(商標)3+ A4F分離システムで構成されている。検出器は、以下の順序で直列に接続した。UV−LS−RI。LSおよびRI検出器は、Wyatt Technologyが提供する指示に従って較正された。
定義された量の抗タンパク質W mAbをそれぞれタンパク質Wと混合し、pH7.4の1X DPBSで希釈して等モル比を得た:1μMの抗タンパク質W mAb:1μMのタンパク質W。すべてのサンプルは、周囲温度で2時間インキュベートし、4℃でろ過せずに維持した後、10kDa MWCO再生セルロース膜を使用して、W350スペーサーホイル(スペーサー厚さ350μm、スペーサー幅2.2cm)を取り付けたEclipse(商標)短チャンネルに注入した。チャネルを、各サンプルの注入前に、移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)で予め平衡化した。ウシ血清アルブミン(BSA;2mg/mL;10μgサンプル量)を別々に注入し、システム適合性対照として含めた。
分画法は、注入、集束、溶出、およびチャネルの「ウォッシュアウト」ステップの四つのステップで構成されている。A4F−MALLS移動相バッファ(10mMリン酸ナトリウム、500mM塩化ナトリウム、pH7.0±0.1)を分画法全体で使用した。各サンプル(7μg)を0.2mL/分の流量で1分間注入し、その後、集束流量1.0mL/分で3分間集束した。サンプルは、チャネル流量1.0mL/分、直線勾配クロスフロー3.0mL/分〜0mL/分で25分間にわたって溶出された。最後に、クロスフローを0mL/分でさらに5分間保持し、チャネルを洗浄した。BSAは、同じパラメータ設定を使用して分割された。
結果
A4F−MALLSを使用して、タンパク質Wと、二量体のマルチドメインリガンドと、リガンド内の異なるドメインに特異的に結合するいくつかの抗タンパク質W抗体との間に形成された複合体の相対的なサイズ分布を評価した。タンパク質Wとの潜在的な抗体複合体の理論的なモル質量および予測される化学量論を、表16に示す。
(表16)mAb:タンパク質W 複合体の理論モル質量
Figure 2021535361
不等比(例えば、1:2、および2:1)は、同じMWを有するため、区別できない。
全体として、mAbのパネルのうち、ドメインAを標的とするmAb1は、等モル比で組み合わせた場合、タンパク質Wとの個別の1:1および2:2の複合体を表す優勢種を有する低次複合体の最も高い割合を形成した(ピーク2、約289kDa;およびピーク3、約562kDa、図13、表17)。
(表17)ドメインAを標的とするmAb1を有するヒトタンパク質W複合体のモル質量および保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、NA:該当なし、min:分、kDa:キロダルトン
ドメインB(mAb2、mAb3、およびCOMP1)を標的とする各mAbは、主にタンパク質Wと個別の2:2複合体を形成し(ピーク3、約563〜580kDa、図14、表18)、mAb2およびCOMP1は、試験した他のmAbと比較して複合体の最も均質な分布を形成した。ドメインAを標的とするCOMP2は、主にタンパク質Wとの1:2および2:2複合体の混合物に有利であったが(ピーク3、約550kDa、図15、表19)、中程度の大きくて不均質な複合体も観察された。これは、ドメインAも標的とするmAb1とは異なり、COMP2がタンパク質W上の固有のエピトープに結合し、「ペーパードリング」と呼ばれるプロセスにおいて、拡張抗体−抗原格子の形成を可能にすることを示唆している。このサンプルでは、約835kDaのモル質量を有する明確なピーク(ピーク4)が観察され、続いて、約1000〜1900kDaの範囲の幅広いモル質量分布を有する、一連の広範囲の低分解種(ピーク5)が観察された(図15、表19)。
(表18)ドメインBを標的とするmAbを有するヒトタンパク質W複合体のモル質量および保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、NA:該当なし、min:分、kDa:キロダルトン
(表19)ドメインAを標的とするCOMP2を有するヒトタンパク質W複合体のモル質量および保持時間
Figure 2021535361
:保持時間、M:重量平均モル質量、NA:該当なし、min:分、kDa:キロダルトン
個々の成分の計算されたモル質量に基づき、ピーク4は、タンパク質Wの2〜3つの分子を配位するmAbの少なくとも3つの分子を含む複合体を表す可能性が高いが、ピーク5は、タンパク質Wの4つ以上の分子を配位するmAbの3つ以上の分子から構成される高次ヘテロマー複合体の不均質な分布に対応する(表18)。対照的に、ドメインCを標的とするmAb(mAb4およびCOMP3)は、mAb4との大きくて不均質な複合体(モル質量範囲が約700〜8000kDa)の広範な分布を形成し、試験したmAbのパネルのうち最も広範な「ペーパードリング」を示した(図16、表20)。
(表20)ドメインCを標的とするmAbを有するヒトタンパク質W複合体のモル質量および保持時間
Figure 2021535361
前述の記載において、本発明はその特定の実施形態に関連付けて記載され、解説を目的として多くの詳細が提示されているが、当業者であれば、本発明はさらなる実施形態を受け入れることができること、および本明細書に記載される詳細の特定部分は、本発明の基礎となる主旨から逸脱することなく大きく変化しうることが明白であろう。
本明細書に引用されるすべての参照文献は、その全体を参照することにより組み込まれる。本発明は、その主旨および本質的な特質から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化されてもよく、したがって、前述の記載ではなく、本発明範囲を示す添付の請求の範囲に対して参照がなされるべきである。

Claims (11)

  1. サンプル中のタンパク質複合体の化学量論およびサイズ分布を評価するための方法であって、
    前記サンプルを、非対称フロー式フィールドフロー分画(A4F)によって分画することと、
    多角度レーザー光散乱(MALLS)を使用して、前記サンプル中の前記タンパク質複合体の前記モル質量、化学量論、およびサイズ分布を決定することであって、不均質な複合体が、不均質な抗体:リガンド複合体または不均質な融合タンパク質:リガンド複合体からなる、前記決定することと
    を含む、前記方法。
  2. 前記リガンドが、可溶性リガンドである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗体が、モノクローナル抗体、またはその抗原結合断片である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記抗体が、二重特異性抗体、またはその抗原結合断片である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. リードタンパク質薬物産物を選択するための方法であって、
    第一のタンパク質薬物産物の標的を含む第一のサンプルに前記第一のタンパク質薬物産物を添加して、不均質なタンパク質:リガンド複合体を生成することと、
    同じ標的を含有する第二のサンプルに第二のタンパク質薬物産物を添加して、タンパク質:リガンド複合体を形成することと、
    前記不均質なタンパク質:リガンド複合体を分離し、かつ、非対称フロー式フィールドフロー分画−多角度レーザー光散乱を使用して不均質なタンパク質:リガンド複合体のサイズ分布および化学量論を決定することと、
    前記リード標的タンパク質薬物として、より少ないタンパク質:リガンド複合体を形成する前記タンパク質薬物産物を選択することと
    を含む、前記方法。
  6. 選択される前記タンパク質薬物産物が、
    3:2、2:3、4:4、6:6または[2:2]のタンパク質薬物産物対リガンド比を有する、より少ないタンパク質薬物産物複合体
    を形成する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記リガンドが、可溶性リガンドである、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記タンパク質薬物産物が、抗体もしくはその抗原結合断片、融合タンパク質、または組み換えタンパク質である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 選択される前記タンパク質薬物産物が、1:0、0:1、1:1、1:2、および2:1からなる群から選択されるタンパク質薬物産物対リガンド比を有するタンパク質薬物産物複合体を形成する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項5〜9のいずれか一項に従って選択された前記リードタンパク質薬物産物を含む、医薬組成物。
  11. タンパク質薬物産物とそのリガンドとの間に形成されるタンパク質複合体を特徴づけるための方法であって、
    前記タンパク質薬物産物およびそのリガンドを溶液中で組み合わせて、タンパク質薬物産物:リガンド複合体を含むサンプルを形成することと、
    前記サンプルを、非対称フロー式フィールドフロー分画を用いて分画することと、
    分画されたタンパク質薬物産物:リガンド複合体を多角度レーザー光散乱に供して、タンパク質薬物産物:リガンド複合体の化学量論およびサイズを特徴づけることと
    を含む、前記方法。
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