JP2021520423A - 蛍光シグナルを増強するための二価金属の使用 - Google Patents

蛍光シグナルを増強するための二価金属の使用 Download PDF

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Abstract

蛍光または発色色素を含む組成物、および試料を分析するため、該組成物を二価の金属塩と組み合わせて使用する方法が開示される。

Description

本発明は、概して、間隔基を有する二量体およびポリマー蛍光または発色色素、ならびに様々な分析法における、二価または三価の金属塩と組み合わせたそれらの使用方法を対象とする。
蛍光および/または発色色素は、非常に感度の高い検出試薬が望ましい用途にとって特に好適であることが知られている。生物学的試料中の特定の成分または構成成分を優先的に標識することが可能な色素によって、研究者は、その特定の成分または構成成分の存在、量および/または位置を判定することが可能となる。さらに、特定の系は、多様な環境における、その空間的および時間的分布に関するモニタリングが行われ得る。
蛍光および比色定量方法は、化学および生物学において、非常に広範囲に普及している。これらの方法は、生体分子に関する、存在、構造、距離、配向、複合体形成および/または位置に関する有用な情報をもたらす。さらに、時間分解法は、動力学および速度の測定に使用されることが次第に増加している。その結果、核酸およびタンパク質などの生体分子の蛍光または着色標識化に関する多数の戦略が開発されてきた。生体分子の分析は、通常、水性環境で行われるので、水溶性色素の開発および使用に重点が置かれてきた。
このような色素の使用により、シグナル対ノイズ比が向上し、他の関連利益が実現するので、高蛍光性の色素または発色色素が非常に望ましい。したがって、既知の蛍光および/または発色部分からのシグナルを増大させる試みが行われてきた。例えば、2つ以上の蛍光および/または発色部分を含む二量体およびポリマー化合物は、このような化合物が、より高輝度な色素となるという期待を込めて調製されてきた。しかし、分子内蛍光が消光する結果として、公知の二量体およびポリマー色素は、輝度の望ましい向上を実現していない。
したがって、モル輝度の向上した水溶性色素を使用する方法が、当分野において必要とされている。理想的には、このような色素およびバイオマーカーを使用する方法は、強い着色または蛍光となるべきであり、様々な色および蛍光波長に利用可能であるべきである。本発明は、この必要性を満足し、さらに関連する利点を実現する。
手短に述べると、本発明の実施形態は、概して、生体分子などの分析対象分子の目視検出を可能にする蛍光および/または発色色素および/またはプローブを使用する組成物および方法、ならびにその調製のための試薬を対象とする。色素を使用する分析対象分子を目視検出する方法もまた記載されている。
実施形態では、本開示は、a)i)2つ以上の蛍光または発色部分、ii)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基;およびiii)反応性基Qを含むポリマー色素、ならびにb)二価または三価の金属塩を含む組成物を提供する。いずれの好適なポリマー色素も、本開示の任意の方法または組成物において使用され得る。
実施形態では、本開示は、ポリマー色素、標的指向性部分および二価または三価の金属塩を含む混合物を調製するステップ、ならびに共有結合性コンジュゲートを形成させるのに十分な時間および温度で該混合物を熟成させるステップを含む、ポリマー色素および標的指向性部分の共有結合性コンジュゲートを形成する方法であって、a)ポリマー色素が、i)2つ以上の蛍光または発色部分;ii)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基;およびiii)標的指向性部分の相補性反応性基Q’と共有結合を形成することが可能な反応性基Qを含み、b)標的指向性部分が、標的分析対象に対して親和性を有しており、かつ相補性反応性基Q’を含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、a)二価または三価の金属塩の存在下で、共有結合性コンジュゲートを標的分析対象と結合させて、分析対象−標的指向性部分複合体を形成するステップであって、共有結合性コンジュゲートが、i)標的分析対象に対して親和性を有しており、かつポリマー色素に対する反応性基Q’の共有結合を含む標的指向性部分;ii)A)2つ以上の蛍光または発色部分;B)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基;およびC)反応性基Q’と共有結合した、標的指向性部分の相補性反応性基Qへの共有結合を含むポリマー色素を含む、ステップ;ならびにb)分析対象−標的指向性部分複合体からの蛍光または発色シグナルを検出するステップを含む、標的分析対象を検出する方法を提供する。
一部の実施形態では、本開示は、a)共有結合性コンジュゲートを標的分析対象と結合させて、分析対象−標的指向性部分複合体を形成するステップであって、共有結合性コンジュゲートが、i)標的分析対象に対して親和性を有しており、かつポリマー色素に対する反応性基Q’の共有結合を含む標的指向性部分;ならびにii)A)2つ以上の蛍光または発色部分;B)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基;およびC)標的指向性部分への非共有結合上に反応性基Q’と共有結合した相補性反応性基Qを含むポリマー色素を含む、ステップ;b)分析対象−標的指向性部分複合体を二価または三価の金属塩を含む洗浄溶液で処理するステップ;c)分析対象−標的指向性部分複合体からの蛍光または発色シグナルを検出するステップを含む、標的分析対象を検出する方法を提供する。
本発明のこれらの態様および他の態様が、以下の詳細な説明を参照すると明白になろう。
図面では、同一の参照番号は、同様の要素と識別する。図面における要素のサイズおよび相対位置は、必ずしも、縮尺通りに描かれておらず、これらの要素の一部は、任意に、拡大されて、図面の見易さを改善するように配置されている。さらに、図示されている要素の具体的な形状は、その具体的な要素の実際の形状に関するいかなる情報も伝えることを意図しているわけではなく、図面における認識の容易さを理由に単に選択されているに過ぎない。
5μmおよびpH9における、トリエチレングリコールスペーサーおよび比較化合物を含む代表的な化合物のUV吸光度スペクトルを示すグラフである。 5μmおよびpH9における、ヘキサエチレングリコールスペーサーおよび比較化合物を含む代表的な化合物のUV吸光度データを示すグラフである。 50nMおよびpH9における、トリエチレングリコールスペーサーおよび比較化合物を含む代表的な化合物の蛍光発光スペクトルを示すグラフである。 50nMおよびpH9における、ヘキサエチレングリコールスペーサーおよび比較化合物を含む代表的な化合物の蛍光発光スペクトルを示すグラフである。 単一フルオレセイン部分を有する比較化合物と比べた、4つのヘキサエチレングリコールスペーサーおよび2つまたは3つのフルオレセイン部分を含む代表的な化合物の5μmにおけるUV吸光度データを示すグラフである。 単一フルオレセイン部分を有する比較化合物と比べた、4つのヘキサエチレングリコールスペーサーおよび2つまたは3つのフルオレセイン部分を含む代表的な化合物の5μmにおける蛍光発光データのグラフである。 様々なm値を有する例示化合物の比較蛍光発光応答を示すグラフである。 mが1、2または3である「HEG」化合物の蛍光発光を、化合物Aと比較したデータを示すグラフである。 化合物I−32、化合物I−46および化合物Bの吸光度データを示すグラフである。 PAGEによって分析した、化合物I−42の三量体化反応の結果を示す図である。 免疫蛍光法における、陽イオン構成の略図である。 シグナルの増強および消光に関連する、二価金属陽イオンの構成の略図である。この略図は、陽イオンが試薬または方法に存在する方法工程において記号化されており(すなわち、コンジュゲート、溶出、保管、インキュベート、洗浄または可視化時)、例は、S+、I+W+、V−である。これらの方法は、二価の陽イオンの存在が未知であるか、または微量で、消光に寄与することが知られている標準法とは対照的である。 顕微鏡法における、知見、固定化および浸透性ヒトPBMCの要約を示す図である。細胞外および細胞内CD3蛍光解像度は、二価の陽イオンであるMgCl2のグラジエント(10x I−16 UCHT1)によるインキュベートによって増強される(次に、消光する)。表面および細胞内CD3を検出するため、I−16 UCHT1の場合の5つの蛍光顕微鏡観察実験の一元配置ANOVA統計解析を使用した解析の要約が示されている。データは、MgCl2滴定(pH7.4)(範囲0〜1000mM)の存在下での、代表的なCD3発現の積分密度(任意単位)として示されている。統計学的有意性は、共通のまたは異なる文字によって表示されており、例えば;250mM(a)は、50mM(b)とは有意な差異がある一方、1000mM(a)は、0mM(a、c)とは有意な差異がない。N=5は、同じ試験体に対して2日間で、すなわち、1日目に2回、および2日目に3回、行った個別の実験として記載されている。 固定した浸透性ヒトPBMCの蛍光顕微鏡観察からの最初の例の結果を示す図である。二価の陽イオンであるMgCl2のグラジエント(10x I−16 UCHT1)によるインキュベートによって増強された(次に、消光した)細胞外および細胞内CD3蛍光解像度。表面および細胞内CD3を検出するため、標的指向性部分(10x I−16 UCHT1)とのインキュベートの間だけ、MgCl2滴定(pH7.4)(範囲0〜1000mM)を適用し、次に、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。 固定した浸透性ヒトPBMCの蛍光顕微鏡観察を示す図である。二価の陽イオンであるMgCl2のグラジエント(5x I−32 UCHT1)によるインキュベートによって増強された(次に、消光した)細胞外および細胞内CD3蛍光解像度。表面および細胞内CD3を検出するため、標的指向性部分(5x I−32 UCHT1)とのインキュベートの間だけ、MgCl2滴定を適用し(pH7.4)、次に、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。 パラホルムアルデヒドで固定化した、CD3にも特異的な細胞系であるジャーカットT細胞の蛍光顕微鏡観察の結果を示す図である。二価の陽イオンであるMgCl2のグラジエント(10x I−16 UCHT1)によるインキュベートによって増強された(次に、消光した)細胞外CD3蛍光解像度。表面および細胞内CD3を検出するため、標的指向性部分(10x I−16 UCHT1)とのインキュベートの間に、MgCl2滴定(pH7.4)を適用し、次に、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。 表面CD3を検出するため、標的指向性部分(10x I−51 UCHT1および10x I−56 UCHT1)とのインキュベートの間に、MgCl2滴定(pH7.4)を適用し(0〜100mM)、次に、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した、生ジャーカットT細胞の結果のフローサイトメトリー結果を示すグラフである。細胞外CD3蛍光解像度は、二価の陽イオンであるMgCl2のグラジエント(10x I−51 UCHT1および10x I−56 UCHT1)とのインキュベートによって増強された。陽イオン濃度(concertation)は、生細胞の完全性を保存するよう、100mMを超過しなかった。 表面CD3を検出するため、標的指向性部分(10x I−51 UCHT1および10x I−56 UCHT1、10x I−16 UCHT1)とのインキュベートの間に、MgCl2滴定(pH7.4)を適用し(0〜100mM)、次に、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した、生ジャーカットT細胞の結果のフローサイトメトリーの繰り返し試験を示すグラフである。細胞外CD3蛍光解像度は、二価の陽イオンであるMgCl2のグラジエントとのインキュベートによって増強された(10x I−51 UCHT1および10x I−56 UCHT1、10x I−16 UCHT1)。陽イオン濃度は、生細胞の完全性を保存するよう、100mMを超過しなかった。 抗体コンジュゲート(標的指向性部分を構築する)の新規方法と比較した、陽イオンの構成の概略図である。例えば、C−E−S−対照対C+E+S+として表されている。実際に、これは、抗体のコンジュゲート時、ならびに0.1 MgCl2中での精製および溶出および保管の間に含む、水(+0.1M MgCl2)によりマレイミド活性化部分を再懸濁することである。 ヒト全血細胞のフローサイトメトリーに由来する、滴定曲線としてのシグナル増強の知見の要約例を示す図である。2つの構成におけるCD3蛍光解像度が示されている。MgCl2が、10x I−16 UCHT1の場合のコンジュゲート過程工程に含まれる場合、二価の陽イオンを含ませることによってS/Nが増強される。表面CD3を検出するため、MgCl2が、標的指向性部分(10x I−16 UCHT1)のコンジュゲート、溶出(精製)および保管に含まれる場合に、カリウム緩衝塩化アンモニウム(ACK)赤血球が全血細胞(WBC)を溶解したときの結果が示されている。結果を、BD Horizon Brilliant Blue 515(商標)UCHT1およびFITC UCHT1と比較した。このアッセイ物をインキュベートして、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。 ヒト全血細胞のフローサイトメトリーに由来する、滴定曲線としてのシグナル増強の知見の要約例を示す図である。2つの構成におけるCD3蛍光解像度が示されている。MgCl2が、10x I−21A UCHT1の場合のコンジュゲート過程工程に含まれている場合、二価の陽イオンを含ませることによってS/Nが増強される。表面CD3を検出するための標的指向性部分(10x I−21A UCHT1)のコンジュゲート、溶出(精製)および保管にMgCl2が含まれる場合の、カリウム緩衝塩化アンモニウム(ACK)赤血球が全血細胞(WBC)を溶解したときの結果が示されている。結果を、BD Horizon Brilliant Blue515(商標)UCHT1およびFITC UCHT1と比較した。このアッセイ物をインキュベートして、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。 抗体濃度に対するS/N応答のヒストグラムとしての知見の追加例を示す図である。2つの構成におけるCD3蛍光解像度が示されている。MgCl2が、10x I−16 UCHT1の場合のコンジュゲート過程工程に含まれている場合、二価の陽イオンを含ませることによってS/Nが増強される。データは、フローサイトメトリーから導き、2つの構成において、表面CD3を検出するためのI−16 UCHT1のコンジュゲートにMgCl2が含まれている場合、カリウム緩衝塩化アンモニウム(ACK)赤血球はWBCを溶解した:(C+E+S+)および(C+E−S−)であり、(C+E+S+)の以前の試験と比較した。結果をUCHT1 FITCと比較した。このアッセイ物をインキュベートして、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。 可溶性フルオロフォア分子等量(MESF)を測定するフローサイトメトリーによるビーズ対照と相互関連する蛍光強度応答曲線を示すグラフである。2つの構成における蛍光が示されている。MgCl2が、10x I−16 UCHT1の場合のコンジュゲート過程工程に含まれている場合、二価の陽イオンを含ませることによってS/Nが増強される。データは、2つの構成:(C+E+S+)および(C+E−S−)において、表面CD3を検出するためのI−16 UCHT1のコンジュゲートにMgCl2が含まれている場合の、WBCを溶解したカリウム緩衝塩化アンモニウム(ACK)赤血球のフローサイトメトリーから導く。結果を、BD Horizon(商標)Brilliant Blue 515 UCHT1およびFITC UCHT1の2つのロットと比較した。このアッセイ物をインキュベートして、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。 抗体濃度に対するS/N応答のヒストグラムを示す図である。データは、2つの構成:(C+E+S+)および(C+E−S−)において、表面CD3を検出するためのI−16 UCHT1のコンジュゲートにMgCl2が含まれている場合の、生ジャーカットT細胞のフローサイトメトリーから導く。結果をFITC UCHT1と比較した。この場合、ネガティブ対照(陽イオン不含C−E−S)として、他の標的指向性部分I−32、I−21B、I−16 UCHT1を含ませた。このアッセイ物をインキュベートして、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。2つの系におけるCD3蛍光解像度により、MgCl2が、10x I−16 UCHT1の場合のコンジュゲート過程工程に含まれている場合、二価の陽イオンを含ませることによってS/Nが増強されることが示される。 WBCにおける、抗体濃度に対するS/N応答のヒストグラムを示す図である。I−51に類似した(I−49およびI−16 UCHT1)標的指向性部分の構成(C+E−S−)の3つのロットを使用して、溶出および保管が必要ではないことがあることを実証する。データは、表面CD3を検出するためのI−16 UCHT1のコンジュゲートにMgCl2が含まれている場合の、WBCを溶解したカリウム緩衝塩化アンモニウム(ACK)赤血球のフローサイトメトリーから導く。結果をI−51 UCHT1およびFITC UCHT1と比較した。このアッセイ物をインキュベートして、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。C+E−S系および3つのロットにおける細胞外CD3蛍光解像度により、MgCl2が、10x I−16 UCHT1の場合のコンジュゲート過程に含まれている場合、二価の陽イオンを含ませることによって蛍光効率が増強されることが示される。 表面CD3を検出するための10x I−16 UCHT1を使用する3つの陽イオン構成:(C+E+S+、C+E−S−および対照のC−E−S)の比較を示す図である。データは、蛍光効率として表されている[実際のシグナル対ノイズ/理論S/N]*100。データは、MgCl2がコンジュゲート過程に含まれている場合の、WBCを溶解したカリウム緩衝塩化アンモニウム(ACK)赤血球のフローサイトメトリーから導く。このアッセイ物をインキュベートして、陽イオンを含有しない緩衝液で洗浄した。3つの構成における細胞外CD3発現により、MgCl2が、10x I−16 UCHT1の場合のコンジュゲート過程工程に含まれている場合、二価の陽イオンを含ませることによって蛍光効率が増強されることが示される。 過程構成と相互作用する場合の、溶液中の消光パターンを実証するための、複数のコンジュゲート結果を使用する2つの実験からの2つの例となる解析を示す図である。様々な陽イオン構成(I−51 UCHT1に類似する部分)において、MgCl2を含む、およびMgCl2を含まないで標的指向性部分を処理し、次に、可視化時に0〜100mMのMgCl2滴定(pH7.4)と比較した。二価の陽イオンMgCl2の滴定によりすべての構成を消光しながら、MgCl2で処理した標的指向性部分を事前消光した。第1の例では、N=3の反復読取り数、およびN=1の、1つの基あたりのコンジュゲート数の場合についてプロットして、(C+E−S+)を調べる。第2の例では、N=3の反復読取り数、N=4の、1つの基あたりのコンジュゲート数の場合について解析し、複数の過程構成をMgCl2によるもの、およびMgCl2によらないものに群分けした。エラーバーは、1SDEVを表す。 コンジュゲート時に回収されたポリマー−色素部分、すなわちコンジュゲート効率は、MgCl2が、MgCl2構成C+E+S+およびC+E−S−を使用するI−16 UCHT1の構築過程に含まれる場合、より高くなることが観察される。データは、ポリマー色素のM当量での[測定された実際の標識化度/理論標識化度]*100=回収%として表す。ベースライン過程より上にある回収の改善率(perecent)が記されている。データは、NanoDrop(商標)分光光度計を使用する蛍光のインビトロでの測定値から導き、3つのコンジュゲート、および色素濃度を定量するBeer−Lambertの法則の適用からまとめたものである。 フローサイトメトリーにおけるジャーカットT細胞の取得(可視化)の間に、二価の陽イオンの排除によって増強された細胞外CD3蛍光解像度を示す図である(10x I−51 UCHT1)。図27Aは、微量のカルシウムおよびマグネシウムを含有する緩衝溶液(pH7.4)と比較した、データ取得(蛍光可視化)の間の、フローサイトメトリーによるジャーカットT細胞の染色、および二価の陽イオンを排除することにより増強されるS/Nを示す。図27Bは、二価の陽イオンの排除によって増強される、またはプレートの読み取り(蛍光可視化)中に微量のカルシウムおよびマグネシウムを含有する場合に消光される、溶液中での蛍光発光強度を示す。10x I−51 UCHT1をこの分析に使用した。 陽イオンを含む緩衝液(pH7.4)を使用した場合の、消光パターンの結果を示すグラフである。10x I−16 UCHT1を用いる実験において、2つのMgCl2過程構成(C+E−S+から2つのロットおよびC−E−S−から1つのロット)を使用した。データは、CD Chex Plus(商標)安定化全血細胞(固定)、および溶解物固定溶液で溶解、洗浄および様々な緩衝液中で可視化した赤血球のフローサイトメトリーの蛍光強度中央値から導出したS/Nとして表す。試験体はすべて、アッセイの終わりまで同様に取り扱い、次に、3つの試料に分割して、洗浄し、3つの典型的なフローサイトメトリー緩衝液(陽イオン不含、陽イオンを微量に含む、または50mMの陽イオンを含む場合のいずれか)に再懸濁した。取得(可視化)中のMgCl2の二価の陽イオンおよび10x I−16 UCHT1(3つのロット)を排除することによって増強された細胞外CD3蛍光解像度。
以下の記載において、ある種の具体的な詳細は、本発明の様々な実施形態の完全な理解をもたらすために説明される。しかし、当業者は、本発明は、これらの詳細なしに行われ得ることを理解していよう。
文脈上異なる解釈を要する場合を除き、本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、語「含む(comprise)」、ならびに「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などのその変化形は、オープンな包括的な意味、すなわち、「以下に限定されないが、含む」として解釈されるべきである。
本明細書全体を通じて、「一実施形態」または「ある1つの実施形態」という場合、これらの実施形態に関連して記載されている、特定の特色、構造または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書の全体における様々な位置における、「一実施形態では」または「ある1つの実施形態では」という言い回しが現れる場合、必ずしも、すべてが、同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特色、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態における、任意の好適な方法において組み合わされ得る。
「アミノ」とは、−NH2基を指す。
「カルボキシ」とは、−CO2H基を指す。
「シアノ」とは、−CN基を指す。
「ホルミル」とは、−C(=O)H基を指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」とは、−OH基を指す。
「イミノ」とは、=NH基を指す。
「ニトロ」とは、−NO2基を指す。
「オキソ」とは、=O置換基を指す。
「スルフヒドリル」とは、−SH基を指す。
「チオキソ」とは、=S基を指す。
「アルキル」とは、不飽和を含まず、1〜12個の炭素原子(C1−C12アルキル)、1〜8個の炭素原子(C1−C8アルキル)または1〜6個の炭素原子(C1−C6アルキル)を有する、炭素および水素原子のみからなる直鎖状または分岐状の炭化水素鎖の基であって、単結合によって分子の残りに結合している炭化水素鎖の基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシルなどを指す。本明細書において特に具体的に明記しない限り、アルキル基は、置換されていてもよい。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」とは、不飽和を含まず、1〜12個の炭素原子を有する、炭素および水素のみからなる、分子の残りをラジカル基に連結する、二価の直鎖状または分岐状炭化水素鎖、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニレン、n−ブチニレンなどを指す。アルキレン鎖は、単結合を介して分子の残りに、および単結合を介してラジカル基に結合している。分子の残りおよびラジカル基へのアルキレン鎖の結合点は、この鎖内の1個の炭素または任意の2個の炭素を介することができる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、アルキレンは、置換されていてもよい。
「アルケニレン」または「アルケニレン鎖」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、2〜12個の炭素原子を有する、炭素および水素のみからなる、分子の残りをラジカル基に連結する、二価の直鎖状または分岐状炭化水素鎖、例えば、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレンなどを指す。アルケニレン鎖は、単結合を介して分子の残りに、および二重結合または単結合を介してラジカル基に結合している。分子の残りおよびラジカル基へのアルケニレン鎖の結合点は、この鎖内の1個の炭素または任意の2個の炭素を介することができる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、アルケニレンは、置換されていてもよい。
「アルキニレン」または「アルキニレン鎖」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、2〜12個の炭素原子を有する、炭素および水素のみからなる、分子の残りをラジカル基に連結する、二価の直鎖状または分岐状炭化水素鎖、例えば、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレンなどを指す。アルキニレン鎖は、単結合を介して分子の残りに、および二重結合または単結合を介してラジカル基に結合している。アルキニレン鎖の、分子の残りおよびラジカル基への結合点は、この鎖内の1個の炭素または任意の2個の炭素を介することができる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、アルキニレンは、置換されていてもよい。
「アルキルエーテル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素結合が、炭素−酸素結合により置き換えられている、上で定義されている任意のアルキル基を指す。炭素−酸素結合は、末端(アルコキシ基のように)に存在していてもよく、または炭素酸素結合は内部(すなわち、C−O−C)に存在していてもよい。アルキルエーテルは、少なくとも1つの炭素酸素結合を含むが、1つより多く含むことがある。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)は、アルキルエーテルの意味の範囲内に含まれている。本明細書において特に具体的に明記しない限り、アルキルエーテル基は置換されていてもよい。例えば、一部の実施形態では、アルキルエーテルは、アルコールまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcにより置換されており、Ra、RbおよびRcはそれぞれ、構造(I)の化合物に関して定義されている通りである。
「アルコキシ」とは、式−ORaの基を指し、Raは、1〜12個の炭素原子を含有する、上で定義したアルキル基である。本明細書において特に具体的に明記しない限り、アルコキシ基は置換されていてもよい。
「アルコキシアルキルエーテル」とは、式−ORabの基を指し、Raは、1〜12個の炭素原子を含有する、上で定義したアルキレン基であり、Rbは、本明細書で定義されているアルキルエーテル基である。本明細書において特に具体的に明記しない限り、アルコキシアルキルエーテル基は置換されていてもよく、例えば、アルコールまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcにより置換されており、Ra、RbおよびRcはそれぞれ、構造(I)の化合物に関して定義されている通りである。
「ヘテロアルキル」とは、アルキル基内、またはアルキル基の末端において、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、N、O、PまたはS)を含む、上で定義したアルキル基を指す。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、アルキル基内に存在する(すなわち、ヘテロアルキルは、少なくとも1個の炭素−[ヘテロ原子]x−炭素結合を含み、xは、1、2または3である)。他の実施形態では、ヘテロ原子は、アルキル基の末端に存在し、こうして、このアルキル基を分子の残りに結合させるよう働く(例えば、M1−H−Aであり、M1は、分子の一部であり、Hは、ヘテロ原子であり、Aは、アルキル基である)。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ヘテロアルキル基は置換されていてもよい。例示的なヘテロアルキル基には、ホスホジエステル結合などのリン−酸素結合を含んでもよい、エチレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド)が含まれる。
「ヘテロアルコキシ」とは、式−ORaの基を指し、Raは、1〜12個の炭素原子を含有する、上で定義したヘテロアルキル基である。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ヘテロアルコキシ基は、置換されていてもよい。
「ヘテロアルキレン」とは、アルキレン鎖内、またはアルキレン鎖の末端において、少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、N、O、PまたはS)を含む、上で定義したアルキレン基を指す。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、アルキレン鎖内に存在する(すなわち、ヘテロアルキレンは、少なくとも1個の炭素−[ヘテロ原子]−炭素結合を含み、xは、1、2または3である)。他の実施形態では、ヘテロ原子は、アルキレンの末端に存在し、こうして、このアルキレンを分子の残りに結合させるよう働く(例えば、M1−H−A−M2であり、M1およびM2は、分子の部分であり、Hは、ヘテロ原子であり、Aは、アルキレンである)。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ヘテロアルキレン基は置換されていてもよい。例示的なヘテロアルキレン基には、エチレンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド)、および以下に例示されている「C」連結基が含まれる。
Figure 2021520423
「Cリンカー」
ヘテロアルキレンリンカーの様々な実施形態には、上記のC−リンカーの多量体が含まれる。
「ヘテロアルケニレン」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、上で定義したヘテロアルキレンである。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ヘテロアルケニレン基は置換されていてもよい。
「ヘテロアルキニレン」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む、ヘテロアルキレンである。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ヘテロアルキニレン基は置換されていてもよい。
「ヘテロ原子リンカー」に関連する「ヘテロ原子」とは、1個または複数のヘテロ原子からなる、リンカー基を指す。例示的なヘテロ原子リンカーには、O、N、PおよびSからなる群から選択される単一原子、ならびに複数のヘテロ原子、例えば、式−P(O-)(=O)O−または−OP(O-)(=O)O−を有するリンカーおよび多量体、ならびにそれらの組合せが含まれる。
「ホスフェート」とは、−OP(=O)(Ra)Rb基(Raは、OH、O-またはORcであり、Rbは、OH、O-、ORcである)、チオホスフェート基、またはさらなるホスフェート基(Rcは、対イオン(例えば、Na+など)である)を指す。
「ホスホアルキル」とは、−OP(=O)(Ra)Rb基を指し、Raは、OH、O-またはORcであり、Rbは、−Oアルキルであり、Rcは、対イオン(例えば、Na+など)である。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ホスホアルキル基は置換されていてもよい。例えば、ある種の実施形態では、ホスホアルキル基中の−Oアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテルまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcのうちの1つまたは複数により置換されていてもよく、Ra、RbおよびRcはそれぞれ、構造(I)の化合物に関して定義されている通りである。
「ホスホアルキルエーテル」とは、−OP(=O)(Ra)Rb基を指し、Raは、OH、O-またはORcであり、Rbは、−Oアルキルエーテルであり、Rcは、対イオン(例えば、Na+など)である。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ホスホアルキルエーテル基は置換されていてもよい。例えば、ある種の実施形態では、ホスホアルキルエーテル基中の−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテルまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcのうちの1つまたは複数により置換されていてもよく、Ra、RbおよびRcはそれぞれ、構造(I)の化合物に関して定義されている通りである。
「チオホスフェート」とは−OP(=Ra)(Rb)Rc基を指し、Raは、OまたはSであり、Rbは、OH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、Rcは、OH、SH、O-、S-、ORd、SRd、ホスフェート基、またはさらなるチオホスフェート基であり、Rdは、対イオン(例えば、Na+など)であり、ただし、i)RaはSである、ii)RbはS-もしくはSRdである、iii)Rcは、SH、S-もしくはSRdである、またはiv) i)、ii)および/もしくはiii)の組合せであることを条件とする。
「チオホスホアルキル」とは、−OP(=Ra)(Rb)Rc基を指し、Raは、OまたはSであり、Rbは、OH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、Rcは、−Oアルキルであり、Rdは、対イオン(例えば、Na+など)であり、ただし、i)RaはSである、ii)Rbは、S-もしくはSRdである、またはiii)Raは、Sであり、Rbは、S-もしくはSRdであることを条件とする。本明細書において特に具体的に明記しない限り、チオホスホアルキル基は置換されていてもよい。例えば、ある種の実施形態では、チオホスホアルキル基中の−Oアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテルまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcのうちの1つまたは複数により置換されていてもよく、Ra、RbおよびRcはそれぞれ、構造(I)の化合物に関して定義されている通りである。
「チオホスホアルキルエーテル」とは、−OP(=Ra)(Rb)Rc基を指し、Raは、OまたはSであり、Rbは、OH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、Rcは、−Oアルキルエーテルであり、Rdは、対イオン(例えば、Na+など)であり、ただし、i)RaはSである、ii)Rbは、S-もしくはSRdである、またはiii)Raは、Sであり、Rbは、S-もしくはSRdであることを条件とする。本明細書において特に具体的に明記しない限り、チオホスホアルキルエーテル基は置換されていてもよい。例えば、ある種の実施形態では、チオホスホアルキル基中の−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキルエーテルまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcのうちの1つまたは複数により置換されていてもよく、Ra、RbおよびRcはそれぞれ、構造(I)の化合物に関して定義されている通りである。
「炭素環式」とは、3〜18個の炭素原子を含む、安定な3〜18員の芳香族または非芳香族環を指す。本明細書において特に具体的に明記しない限り、炭素環式環は、単環式、二環式、三環式または四環式環系とすることができ、これらは、縮合または架橋環系を含んでもよく、部分または完全飽和であってもよい。非芳香族カルボシクリルラジカルには、シクロアルキルが含まれる一方、芳香族カルボシクリルラジカルには、アリールが含まれる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、炭素環式基は置換されていてもよい。
「シクロアルキル」とは、安定な非芳香族単環式または多環式炭素環式環を指し、これらは、3〜15個の炭素原子、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する、飽和または不飽和な縮合または架橋環系であって、単結合によって分子の残りに結合している、縮合または架橋環系を含んでもよい。単環式シクロアルキル(cyclocalkyl)には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル(cycloheptly)およびシクロオクチルが含まれる。多環式シクロアルキルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7−ジメチル−ビシクロ−[2.2.1]ヘプタニルなどが含まれる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、シクロアルキル基は置換されていてもよい。
「アリール」とは、少なくとも1つの炭素環式芳香族環を含む環系を指す。一部の実施形態では、アリールは、6〜18個の炭素原子を含む。アリール環は、単環式、二環式、三環式または四環式環系であってもよく、これらは、縮合または架橋環系を含んでもよい。アリールには、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレンおよびトリフェニレンから誘導されるアリールが含まれる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、アリール基は置換されていてもよい。
「複素環式」は、1〜12個の炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜6個のヘテロ原子を含む、安定な3〜18員の芳香族または非芳香族環を指す。本明細書において特に具体的に明記しない限り、複素環式環は、単環式、二環式、三環式または四環式環系であってもよく、これらは、縮合または架橋環系を含んでもよく、複素環式環中の窒素、炭素または硫黄原子は、酸化されていてもよい。窒素原子は四級化されていてもよい。複素環式環は、部分または完全飽和であってもよい。芳香族複素環式環の例は、ヘテロアリールの定義において、以下に列挙されている(すなわち、ヘテロアリールは、複素環式の部分集合である)。非芳香族複素環式環の例には、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾロピリミジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリオキサニル、トリチアニル、トリアジナニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが含まれる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、複素環式基は置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」とは、1〜13個の炭素原子、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜6個のヘテロ原子、および少なくとも1つの芳香族環を含む、5〜14員の環系を指す。本発明のある種の実施形態の目的のため、ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式環系であってもよく、これらは、縮合または架橋環系を含んでもよく、ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は、酸化されていてもよく、窒素原子は、四級化されていてもよい。例には、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンゾオキサゾリノニル、ベンゾイミダゾールチオニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プテリジノニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリジノニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリミジノニル(pryrimidinonyl)、ピリダジニル、ピロリル、ピリド[2,3−d]ピリミジノニル、キナゾリニル、キナゾリノニル、キノキサリニル、キノキサリノニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−オニル、チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−オニル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルおよびチオフェニル(すなわち、チエニル)が含まれる。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ヘテロアリール基は置換されていてもよい。
「縮合した」とは、少なくとも2つの環を含む環系を指し、2つの環は、少なくとも1個の共通の環原子、例えば、2つの共通の環原子を共有する。縮合環が、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、共通の環原子は、炭素または窒素とすることができる。縮合環は、二環式、三環式、四環式(tertracyclic)などを含む。
本明細書に使用されている用語「置換されている」は、上記の基(例えば、アルキル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、アルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、炭素環式、シクロアルキル、アリール、複素環式および/またはヘテロアリール)のいずれかを意味し、少なくとも1個の水素原子(例えば、1個、2個、3個またはすべての水素原子)が、F、Cl、BrおよびIなどのハロゲン原子;ヒドロキシル基、アルコキシ基およびエステル基などの基中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基およびスルホキシド基などの基中の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミドおよびエナミンなどの基中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基およびトリアリールシリル基などの基中のケイ素原子;ならびに様々な他の基中の他のヘテロ原子などの非水素原子への結合によって置き換えられている。「置換されている」はまた、1個または複数の水素原子が、オキソ、カルボニル、カルボキシルおよびエステル基中の酸素、ならびにイミン、オキシム、ヒドラゾンおよびニトリルなどの基中の窒素などのヘテロ原子への高次結合(例えば、二重または三重結合)によって置き換えられている上記の基のいずれかを意味する。例えば、「置換されている」には、1個または複数の水素原子が、−NRgh、−NRgC(=O)Rh、−NRgC(=O)NRgh、−NRgC(=O)ORh、−NRgSO2h、−OC(=O)NRgh、−ORg、−SRg、−SORg、−SO2g、−OSO2g、−SO2ORg、=NSO2gおよび−SO2NRghによって置き換えられている、上記の基のいずれかが含まれる。「置換されている」はまた、1個または複数の水素原子が、−C(=O)Rg、−C(=O)ORg、−C(=O)NRgh、−CH2SO2g、−CH2SO2NRghによって置き換えられている上記の基のいずれかを意味する。上述において、RgおよびRhは、同一であるかまたは異なっており、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキルである。「置換されている」は、1個または複数の水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキル基への結合によって置き換えられている、上記の基のいずれかをさらに意味する。一部の実施形態では、任意に用いてもよい置換基は、−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、Ra、RbおよびRcはそれぞれ、構造(I)の化合物に関して定義されている通りである。さらに、上述の置換基のそれぞれも、上記の置換基のうちの1つまたは複数により置換されていてもよい。
「共役」とは、介在するシグマ結合全体に、1つのp軌道と別のp軌道とに重なりがあることを指す。共役は、環式または非環式化合物に起こり得る。「共役度」とは、介在するシグマ結合全体に、少なくとも1つのp軌道と別のp軌道とに重なりがあることを指す。例えば、1,3−ブタジエンは、一共役度を有する一方、ベンゼンおよび他の芳香族化合物は、通常、複数の共役度を有する。蛍光および発色化合物は、通常、少なくとも一共役度を含む。
「蛍光」とは、特定の周波数の光を吸収して、異なる周波数の光を放出することが可能な分子を指す。蛍光は、当業者に周知である。
「発色」とは、有色スペクトル(すなわち、赤色、黄色、青色など)内の光を吸収する分子を指す。
「リンカー」とは、炭素、酸素、窒素、硫黄、リンおよびそれらの組合せなどの少なくとも1個の原子の連続鎖であって、分子のある部分を同一分子の別の部分に、または異なる分子、部分もしくは固体支持体(例えば、マイクロ粒子)に連結させる連続鎖を指す。リンカーは、イオン性相互作用または水素結合相互作用などの、共有結合または他の手段を介して分子に連結することができる。
用語「生体分子」は、核酸、炭水化物、アミノ酸、ポリペプチド、グリコタンパク質、ホルモン、アプタマーおよびそれらの混合物を含めた、様々な生体物質のいずれかを指す。より詳細には、この用語は、RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、修飾または誘導ヌクレオチド、酵素、受容体、プリオン、受容体リガンド(ホルモンを含む)、抗体、抗原および毒素、ならびに細菌、ウイルス、血液細胞および組織細胞を含むことが意図されている。本発明の目視により検出可能な生体分子(例えば、構造(I)の化合物に連結した生体分子を有する構造(I)の化合物)は、本明細書にさらに記載されている通り、生体分子を、該生体分子上のアミノ、ヒドロキシ、カルボキシルまたはスルフヒドリル基などの任意の利用可能な原子または官能基を介して、生体分子を本化合物に結合させることを可能にする反応性基を有する化合物に接触させることによって調製される。
「反応性基」は、例えば、置換、酸化、還元、付加または環化付加反応によって、第2の反応性基(例えば、「相補性反応性基」)と反応して、1つまたは複数の共有結合を形成することができる部分である。例示的な反応性基が、表1に提示されており、例えば、求核剤、求電子剤、ジエン、求ジエン体、アルデヒド、オキシム、ヒドラゾン、アルキン、アミン、アジド、アシルアジド、アシルハライド、ニトリル、ニトロン、スルフヒドリル、ジスルフィド、ハロゲン化スルホニル、イソチオシアネート、イミドエステル、活性化エステル、ケトン、α,β−不飽和カルボニル、アルケン、マレイミド、α−ハロイミド、エポキシド、アジリジン、テトラジン、テトラゾール、ホスフィン、ビオチン、チイランなどを含む。
用語「目視可能な」および「目視により検出可能な」は、本明細書において、事前の照射、または化学的もしくは酵素的活性化なしに、目視検査によって観察可能な物質を指すために使用される。このような目視により検出可能な物質は、約300〜約900nmの範囲のスペクトル領域の光を吸収して、放出する。好ましくは、このような物質は、強く色を呈し、好ましくは、少なくとも約40,000、より好ましくは少なくとも約50,000M、さらにより好ましくは少なくとも約60,000、さらにより好ましくは少なくとも約70,000および最も好ましくは少なくとも約80,000M-1cm-1のモル吸光係数を有する。本発明の化合物は、裸眼による観察、または吸収スペクトル光度計、透過型光学顕微鏡、デジタルカメラおよびスキャナを含めた光学に基づく検出デバイスを用いる観察によって検出され得る。目視により検出可能な物質は、可視スペクトルの光を発光および/または吸収するものに限定されない。紫外線(UV)領域(約10nm〜約400nm)、赤外(IR)領域(約700nm〜約1mm)の光を放出および/または吸収する物質、ならびに電磁スペクトルの他の領域において放出および/または吸収する物質も、「目視により検出可能な」物質の範囲内に含まれる。
本発明の実施形態の目的のため、用語「光安定性可視色素」とは、本明細書の上で定義されている通り、目視により検出可能であり、かつ光への曝露時に有意には改変または分解しない化学部分を指す。好ましくは、光安定性可視色素は、少なくとも1時間の光への曝露後に、有意な脱色または分解を示さない。より好ましくは、可視色素は、少なくとも12時間、さらにより好ましくは少なくとも24時間、さらにより好ましくは少なくとも1週間、最も好ましくは少なくとも1か月間の光への曝露後に安定である。本発明の化合物および方法に使用するのに好適な光安定性可視色素の例は、アゾ色素、チオインジゴ色素、キナクリドン顔料、ジオキサジン、フタロシアニン、ペリノン、ジケトピロロピロール、キノフタロンおよびトリアリールカルボニウム(truarycarbonium)を含む。
本明細書で使用する場合、用語「ペリレン誘導体」は、目視により検出可能な任意の置換ペリレンを含むことが意図されている。しかし、この用語は、ペリレンそれ自体を含むことを意図するものではない。用語「アントラセン誘導体」、「ナフタレン誘導体」、および「ピレン誘導体」は、類似的に使用される。一部の好ましい実施形態では、誘導体(例えば、ペリレン、ピレン、アントラセンまたはナフタレン誘導体)は、ペリレン、アントラセン、ナフタレンまたはピレンのイミド、ビスイミドまたはヒドラザムイミド(hydrazamimide)誘導体である。
本発明の様々な実施形態の目視により検出可能な分子は、特定の分析対象(例えば、生体分子)の存在、位置または量を決定することが必要な、生化学的および生物医学的用途などの幅広い種類の分析用途に有用である。したがって、別の態様では、本発明は、生体分子を目視検出する方法であって、(a)生体分子に連結している構造(I)の化合物を含む目視により検出可能な生体分子を生物系に供するステップ、および(b)その可視特性により生体分子を検出するステップを含む方法を提供する。本発明の目的のために、言い回し「その可視特性によって生体分子を検出する」とは、照射、または化学的もしくは酵素的活性化なしに、生体分子を、裸眼により、または吸収スペクトル光度計、透過型光学顕微鏡、デジタルカメラおよびスキャナを含めた光学に基づく検出デバイスを用いて観察されることを意味する。密度計を使用して、存在する目視により検出可能な生体分子の量を定量することができる。例えば、2つの試料中の生体分子の相対量は、相対光学密度を測定することによって決定することができる。生体分子あたりの色素分子の化学量論が既知であり、かつ色素分子の吸光係数が既知である場合、生体分子の絶対濃度は、光学密度の測定値から求めることもできる。本明細書で使用する場合、用語「生物系」は、目視により検出可能な生体分子に加えて、1つまたは複数の生体分子を含む任意の溶液または混合物を指すために使用される。そのような生物系の例には、細胞、細胞抽出物、組織試験体、電気泳動用ゲル、アッセイ混合物およびハイブリッド化反応混合物が含まれる。
「固体支持体」とは、分子の固相支持体のための、当分野で公知の任意の固体基材を指し、例えば、「マイクロ粒子」とは、ガラス製ビーズ、磁気ビーズ、ポリマー製ビーズ、非ポリマー製ビーズなどを含めた、本発明の化合物への結合に有用ないくつかの小型粒子のいずれかを指す。ある種の実施形態では、マイクロ粒子はポリスチレン製ビーズを含む。
「固体支持体残基」とは、分子が固体支持体から開裂すると、分子への結合状態を維持する官能基を指す。固体支持体残基は、当分野で公知であり、固体支持体の構造および固体支持体に分子を連結させる基に基づいて容易に誘導することができる。
「標的指向性部分」とは、分析対象分子などの特定の標的に選択的に結合するか、またはこれと会合する部分である。「選択的に」結合するまたは会合するとは、標的指向性部分が、他の標的に比べて所望の標的に優先的に会合するかまたは結合することを意味する。一部の実施形態では、本明細書において開示されている化合物は、この化合物が目的とする分析対象(すなわち、標的指向性部分の標的)に選択的に結合または会合する目的のための標的指向性部分への連結基を含み、こうして分析対象の検出が可能になる。例示的な標的指向性部分には、抗体、抗原、核酸配列、酵素、タンパク質、細胞表面受容体アンタゴニストなどが含まれる。一部の実施形態では、標的指向性部分は、細胞表面または細胞中の標的特徴部、例えば細胞膜または他の細胞の構造表面の標的特徴部に選択的に結合または会合する抗体などの部分であり、こうして目的細胞の検出が可能となる。所望の分析対象に選択的に結合または会合する低分子は、ある種の実施形態では、標的指向性部分としても企図される。当業者は、様々な実施形態において有用な他の分析対象および対応する標的指向性部分を理解しているであろう。
「塩基対部分」とは、水素結合を介して、相補性複素環式部分とハイブリダイズすることが可能な複素環式部分を指す(例えば、ワトソン−クリック塩基対)。塩基対部分は、天然および非天然塩基を含む。塩基対部分の例は、アデノシン、グアノシン、チミジン、シトシンおよびウリジン、ならびにそれらの類似体などの(such)RNAおよびDNA塩基である。
本明細書において開示されている本発明の実施形態はまた、1個または複数の原子が異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられることによって、同位体標識されている構造(I)または(II)の化合物のすべてを包含することが意図されている。開示されている化合物に組み込まれ得る同位体の例には、それぞれ、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体が含まれる。
構造(I)または(II)の同位体標識化合物は、一般に、当業者に公知の従来技法によって、または以前に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、以下および以下の実施例に記載されているものに類似した方法によって一般に調製することができる。
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度の程度までの単離および有効な治療剤への製剤化に分解しない(survive)ほど十分に頑強な化合物を示すことが意図されている。
「任意に用いてもよい(optional)」または「してもよい(optionally)」は、その後に記載されている事象または状況が発生することがあるか、または発生しないことがあること、ならびにこの記載が、前記事象または状況が起こる場合およびそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「置換されていてもよいアルキル」は、このアルキル基が置換されていてもよいこと、または置換されていなくてもよいこと、およびこの記載は置換アルキル基と置換を有していないアルキル基の両方を含むことを意味する。
「塩」は、酸付加塩と塩基付加塩の両方を含む。
「酸付加塩」とは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、および酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、シヨウノウ酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−二スルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン−1,5−二スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサルチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などの有機酸と共に形成される塩を指す。
「塩基付加塩」とは、無機塩基または有機塩基の遊離酸への付加から調製される塩を指す。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが含まれる。有機塩基に由来する塩には、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの、天然置換アミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂を含めた、一級、二級および三級アミン、置換アミンの塩が含まれる。特に、好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインである。
結晶化は、本明細書において記載されている化合物の溶媒和物を生じることがある。本発明の実施形態は、記載されている化合物の溶媒和物のすべてを含む。本明細書で使用する場合、用語「溶媒和物」とは、本発明の化合物の1つまたは複数の分子と溶媒の1つまたは複数の分子を含む凝集物を指す。溶媒は水であってもよく、この場合、溶媒和物は水和物となり得る。代替的に、溶媒は、有機溶媒であってもよい。したがって、本発明の化合物は、一水和物、二水和物、ヘミ水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物など、ならびに対応する溶媒和物形態を含めた、水和物として存在することがある。本発明の化合物は、真の溶媒和物であってもよい一方、他の場合では、本発明の化合物は、単に偶発的な水または別の溶媒を保持することがあるか、または水とある偶発的な溶媒との混合物であってもよい。
本発明の化合物(例えば、構造IまたはIIの化合物)、またはその塩、互変異性体もしくは溶媒和物の実施形態は、1個または複数の不斉中心を含むことがあり、したがって、絶対立体化学に関して、(R)−もしくは(S)−、またはアミノ酸の場合、(D)−もしくは(L)−と定義され得る、鏡像異性体、ジアステレオマーおよび他の立体異性体が生じることがある。本発明の実施形態は、すべてのこのような可能な異性体、ならびにそのラセミ体および光学的に純粋な形態を含むことが意図されている。光学活性な(+)および(−)、(R)−および(S)−、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製することができるか、または従来の技法、例えばクロマトグラフィーおよび分別結晶化を使用して分割され得る。個々の鏡像異性体の調製/単離に関する従来の技法には、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または、塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。本明細書において記載されている化合物が、オレフィン性二重結合または幾何学的不斉の他の中心を含有している場合、および特に指定しない限り、本化合物は、EおよびZ幾何異性体の両方を含むことが意図されている。同様に、互変異性体のすべてが、含まれることも意図されている。
「立体異性体」とは、同じ結合によって結合した同一原子から構成されているが、相互変換することができない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体およびそれらの混合物を企図しており、2つの立体異性体であって、それらの分子が互いに重なり合わない鏡像である、2つの立体異性体を指す「鏡像異性体」を含む。
「互変変異性体」とは、分子の1個の原子から同一分子の別の原子へのプロトン移動を指す。本発明は、任意の前記化合物の互変異性体を含む。本化合物の様々な互変異性体は、当業者によって容易に誘導可能である。
本明細書において使用される化学命名プロトコールおよび構造略図は、ACD/命名バージョン9.07ソフトウェアプログラムおよび/またはChemDraw Ultraバージョン11.0ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用する、I.U.P.A.C.命名法システムの修正版である。当業者が精通している一般名称も使用する。
上記の通り、本発明の一実施形態では、様々な分析法における蛍光および/または発色色素として有用な化合物が提供される。他の実施形態では、蛍光および/または発色色素として有用な化合物を調製する合成中間体として有用な化合物が提供される。一般用語では、本発明の実施形態は、蛍光および/または発色部分の二量体以上のポリマーを対象としている。蛍光および/または発色部分は、連結部分によって連結される。理論に拘泥することを望むものではないが、リンカーは、蛍光および/または発色部分の間に十分な空間距離を維持する一助となり、こうして、分子内消光が低減されるかまたはなくなり、こうして、高モル濃度「輝度」(例えば、高蛍光発光)を有する色素化合物をもたらすと考えられる。
上述の化合物のいずれか、および1つまたは複数の分析対象分子(例えば、生体分子)を含む組成物は、様々な他の実施形態において提供される。一部の実施形態では、1つまたは複数の分析対象分子を検出するための分析法における、このような組成物の使用も提供される。
有利なことに、本発明者らは、二価または三価の金属塩(例えば、MgCl2)が、電荷遮蔽および安定化のために、特定のポリマー色素と組み合わせて使用することができることを発見した。ある種の条件下では、1種もしくは複数の二価または三価の金属塩と本開示のポリマー色素とを組み合わせると、コンジュゲート、溶出、保管に使用した場合、またはインキュベートの間の、標的指向性部分の親和性が改善される。驚くべきことに、本発明者らは、二価または三価の金属塩は、溶液中、および試料を取得する間に存在する場合、このようなポリマー色素を消光することができることを見いだした。
理論に拘泥することを望むものではないが、二価または三価の金属塩(例えば、MgCl2)は、存在する場合、色素および/または標的指向性部分の親和性を改変することができ、こうして、本開示のポリマー色素の抗体コンジュゲート効率を改善し、コンジュゲート、溶出、保管、インキュベートに使用した場合、または洗浄手段として、アッセイの結果(解像度)を改善する。
標的指向性部分(例えば、抗体)へのポリマー色素のコンジュゲートは、一般に、3つの工程、すなわち、コンジュゲート、溶出および保管を有する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩(例えば、MgCl2)は、ポリマー色素および標的指向性部分のコンジュゲートの間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、コンジュゲートされたポリマー色素および標的指向性部分の溶出の間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、コンジュゲートされたポリマー色素および標的指向性部分の保管の間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、ポリマー色素および標的指向性部分のコンジュゲートおよび溶出の間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、コンジュゲートされたポリマー色素および標的指向性部分の溶出および保管の間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、ポリマー色素および標的指向性部分のコンジュゲートおよび保管の間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、ポリマー色素および標的指向性部分のコンジュゲート、溶出、および保管の間、存在する。コンジュゲート過程は、色素を復元する工程を含んでもよい。抗体コンジュゲート(標的指向性部分の構築)の間に行われる陽イオンの構成は、例えば、C+E−S−(すなわち、コンジュゲート中に存在するが、溶出中に存在せず、保管中にも存在しない)として表すことができる。
免疫蛍光染色法は、一般に、少なくとも3つの工程、すなわちインキュベート、洗浄および可視化を含む。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、分析対象−標的指向性部分複合体のインキュベートの間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、分析対象−標的指向性部分複合体の洗浄の間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、分析対象−標的指向性部分複合体のインキュベートおよび洗浄の間、存在する。実施形態では、1種または複数の二価または三価の金属塩は、可視化中に存在しない。
本明細書に記載されている様々な方法の特定の実施形態は、図12および13に視覚化されている。図12は、一般化した方法を示す。図13は、より具体的な例示的方法を示す。図12および図13の左端の列は、現在使用されている方法の例を示す。
実施形態では、免疫蛍光法において、シグナル対ノイズ(S/N)は、標的指向性部分が、二価の陽イオンおよび細胞と共にインキュベートされ、次に、洗い流されると向上する。
一部の実施形態では、抗体コンジュゲートが二価の陽イオンで処理されると、過程の増強がある。
実施形態では、抗体コンジュゲートが陽イオンを含まない最終緩衝液(pH7.4)中で可視化された場合、アッセイの終わりにS/Nが向上する。
実施形態では、抗体コンジュゲートを二価の陽イオンを含有する緩衝液(pH7.4)で洗浄すると、S/Nは向上するが、イオンを含まない緩衝液で可視化される。実施形態では、二価の陽イオンでの洗浄は、基質組織により引き起こされる非特異的結合および消光の妨げになるが、陽イオンを含まない可視化緩衝液(pH7.5)ではシグナルは増大される:(I−W+V−)または(I+W+V−)。
実施形態では、本開示は、
a)ポリマー色素であって、
i)2つ以上の蛍光または発色部分
ii)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基、および
iii)反応性基Q
を含むポリマー色素、ならびに
b)二価または三価の金属塩
を含む組成物を提供する。
いずれの好適なポリマー色素も、本開示の任意の方法または組成物に使用され得る。
実施形態では、本開示の方法は、ポリマー色素、標的指向性部分および二価または三価の金属塩を含む混合物を調製するステップ、および該混合物を、共有結合性コンジュゲートを形成するのに十分な時間および温度で熟成させるステップを含む、ポリマー色素と標的指向性部分との共有結合性コンジュゲートを形成する方法であって、
a)ポリマー色素が、
i)2つ以上の蛍光または発色部分
ii)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基;および
iii)標的指向性部分の相補性反応性基Q’と共有結合を形成することが可能な反応性基Q
を含み、
b)標的指向性部分が、標的分析対象に親和性を有しており、かつ相補性反応性基Q’を含む、
方法を含む。
一部の実施形態では、本開示の方法は、標的分析対象を検出する方法であって、
a)二価または三価の金属塩の存在下で、共有結合性コンジュゲートを標的分析対象と結合させて、分析対象−標的指向性部分複合体を形成するステップであって、共有結合性コンジュゲートが、
i)標的分析対象に対して親和性を有しており、かつポリマー色素に対する反応性基Q’の共有結合を含む標的指向性部分
ii)ポリマー色素であって、
A)2つ以上の蛍光または発色部分
B)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基;および
C)反応性基Q’と共有結合した、標的指向性部分である相補性反応性基Qへの共有結合
を含むポリマー色素を含む、ステップ、ならびに
b)分析対象−標的指向性部分複合体からの蛍光または発色シグナルを検出するステップ
を含む方法を含む。
実施形態では、本方法は、分析対象−標的指向性部分複合体を二価または三価の金属塩を含む洗浄溶液で処理するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本開示の方法は、標的分析対象を検出する方法であって、
a)共有結合性コンジュゲートを標的分析対象と結合させて、分析対象−標的指向性部分複合体を形成するステップであって、共有結合性コンジュゲートが、
i)標的分析対象に対して親和性を有しており、かつポリマー色素に対する反応性基Q’の共有結合を含む標的指向性部分、ならびに
ii)ポリマー色素であって、
A)2つ以上の蛍光または発色部分
B)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基、および
C)標的指向性部分への非共有結合上に反応性基Q’と共有結合した相補性反応性基Q
を含むポリマー色素を含む、ステップ、
b)i)共有結合性コンジュゲートと標的分析対象とを結合させる間、共有結合性コンジュゲートおよび標的分析対象を、二価または三価の金属塩で処理するステップ、および/または
ii)共有結合性コンジュゲートと標的分析対象とを結合させた後に、分析対象−標的指向性部分複合体を、二価または三価の金属塩を含む洗浄溶液で処理するステップ、ならびに
c)分析対象−標的指向性部分複合体からの蛍光または発色シグナルを検出するステップ
を含む方法を含む。
実施形態では、共有結合性コンジュゲートを標的分析対象と結合させるステップは、二価または三価の金属塩の存在下で行われる。実施形態では、本方法は、蛍光または発色シグナルを検出する前に、分析対象−標的指向性部分複合体から二価または三価の塩のすべてを実質的に除去するステップをさらに含む。実施形態では、二価または三価の金属塩は、分析対象−標的指向性部分複合体を含む緩衝液から除去される。
実施形態では、本方法は、共有結合性コンジュゲートを形成するステップをさらに含む。実施形態では、共有結合性コンジュゲートを形成する前に、ポリマー色素および二価または三価の塩を混合して、ポリマー色素および二価または三価の塩を含む組成物を形成する。実施形態では、本方法は、共有結合性コンジュゲートを形成させる前に、ポリマー色素および二価または三価の塩を含む組成物を熟成させるステップをさらに含む。実施形態では、二価または三価の塩は、共有結合性コンジュゲートを形成している間、実質的に存在しない。
実施形態では、本開示の組成物は、共有結合性コンジュゲートおよび二価または三価の塩を含み、共有結合性コンジュゲートは、
i)ポリマー色素への共有結合を含む標的指向性部分
ii)ポリマー色素であって、
a)2つ以上の蛍光または発色部分
b)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基、および
c)標的指向性部分への共有結合
を含むポリマー色素を含む。
実施形態では、標的指向性部分は、標的分析対象に対して親和性を有する。実施形態では、標的指向性部分は、抗体を含む。実施形態では、二価または三価の塩は、二価の塩である。実施形態では、二価の塩は、マグネシウム塩である。実施形態では、マグネシウム塩は、塩化マグネシウムである。
実施形態では、蛍光または発色部分は、蛍光部分である。実施形態では、蛍光または発色部分は、出現毎に、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミドおよび6−FAM部分からなる群から独立して選択される。実施形態では、蛍光または発色部分は、出現毎に独立して、以下の構造のうちの1つを有する:
Figure 2021520423
実施形態では、ポリマー色素は、複数の負の電荷を帯びた基を含む。実施形態では、ポリマー色素は、2つ以上の蛍光または発色部分を含み、2つ以上の蛍光または発色部分はそれぞれ、少なくとも1つの負の電荷を帯びた基を含むリンカーを介して、隣接する蛍光または発色部分に結合している。
実施形態では、リンカーは、1つまたは複数のアルキレンまたはアルキレンオキシド部分をさらに含む。実施形態では、アルキレンオキシド部分は、ポリエチレンオキシド部分を含む。実施形態では、負の電荷を帯びた基は、ホスフェートである。実施形態では、ポリマー色素は、2〜100の蛍光または発色部分を含み、該蛍光または発色部分は、少なくとも1つの負の電荷を帯びた基を含むリンカーを介して、隣接する蛍光または発色部分に結合している。実施形態では、ポリマー色素は、2〜10の蛍光または発色部分を含み、該蛍光または発色部分は、少なくとも1つの負の電荷を帯びた基を含むリンカーを介して、隣接する蛍光または発色部分に結合している。
実施形態では、本方法は、共有結合性コンジュゲートを精製するステップをさらに含む。実施形態では、共有結合性コンジュゲートを精製するステップは、共有結合性コンジュゲートから二価または三価の塩のすべてを実質的に除去するステップを含む。
実施形態では、共有結合性コンジュゲートは、二価または三価の塩の非存在下で調製した対応するコンジュゲートよりも少なくとも1.1倍高い蛍光吸光係数を有する。実施形態では、共有結合性コンジュゲートは、二価または三価の塩の非存在下で調製した対応するコンジュゲートよりも少なくとも1.2倍高い蛍光吸光係数を有する。
実施形態では、標的指向性部分は、抗体である。
上記の実施形態のいずれにおいても、ポリマー色素は、構造(I)または構造(II)の化合物とすることができる。
様々な実施形態では、蛍光または発色シグナルを検出するステップは、当業者によって理解されている技法を使用するフローサイトメトリーの使用を含む。
実施形態では、本化合物は、様々な分析法に有用である。例えば、ある種の実施形態では、本開示は、試料を染色する方法であって、前記試料が適切な波長において照射されると光学応答を生じるのに十分な量で、前記試料に、例えば、R2またはR3の一方が分析対象分子(例えば、生体分子)またはマイクロ粒子への共有結合を含むリンカーであり、R2またはR3のもう一方が、H、OH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテルまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcである構造(I)の化合物を添加するステップを含む方法を提供する。
上述の方法の一部の実施形態では、R2は、生体分子などの分析対象分子への共有結合連結基を含むリンカーである。例えば、核酸、アミノ酸またはそれらのポリマー(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)。さらにより多くの実施形態では、生体分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、グリコタンパク質、アプタマーまたはプリオンである。
上述の方法のさらに他の実施形態では、R2は、マイクロ粒子などの固体支持体への共有結合連結基を含むリンカーである。例えば、一部の実施形態では、マイクロ粒子は、ポリマー製ビーズまたは非ポリマー製ビーズである。
さらにより多くの実施形態では、前記光学応答は蛍光応答である。
他の実施形態では、前記試料は細胞を含み、一部の実施形態は、フローサイトメトリーによって前記細胞を観察するステップをさらに含む。
さらにより多くの実施形態では、本方法は、蛍光応答を、検出可能な異なる光学特性を有する第2のフルオロフォアの蛍光応答と区別するステップをさらに含む。
他の実施形態では、本開示は、生体分子などの分析対象分子を目視で検出する方法であって、
(a)例えば、R2またはR3の一方が分析対象分子への共有結合を含むリンカーであり、R2またはR3のもう一方が、H、OH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテルまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcである構造(I)の化合物を用意するステップ、および
(b)該化合物をその可視特性によって検出するステップ
を含む方法を提供する。
一部の実施形態では、分析対象分子は、核酸、アミノ酸またはそれらのポリマー(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)である。さらにより多くの実施形態では、分析対象分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、グリコタンパク質、アプタマーまたはプリオンである。
他の実施形態では、生体分子などの分析対象分子を目視で検出する方法であって、
(a)上述の化合物のいずれかを1つまたは複数の分析対象分子と混合するステップ、および
(b)該化合物をその可視特性によって検出するステップ
を含む方法が提供される。
他の実施形態では、分析対象分子を目視で検出する方法であって、
(a)R2またはR3が、Q、またはQへの共有結合を含むリンカーである請求項1に記載の化合物を分析対象分子と混合するステップ、
(b)該化合物および分析対象分子のコンジュゲートを形成するステップ、および
(c)該コンジュゲートをその可視特性によって検出するステップ
を含む方法が提供される。
他の例示的な方法は、分析対象を検出する方法であって、
(a)R2またはR3が分析対象に対する特異性を有する標的指向性部分への共有結合を含むリンカーを含む、構造(I)の化合物を用意するステップ、
(b)該化合物および分析対象を混合し、それによって、標的指向性部分と分析対象とを結合させるステップ、および
(c)該化合物を、例えば、その可視特性または蛍光特性によって検出するステップ
を含む方法を含む。
上述の方法のある種の実施形態では、分析対象は、細胞などの粒子であり、本方法は、フローサイトメトリーの使用を含む。例えば、本化合物には、所望の細胞と選択的に結合させるために、抗体などの標的指向性部分を提供することができ、こうして、目視または蛍光による検出などの任意の数の技法によって、細胞を検出可能にする。適切な抗体は、所望の最終使用に応じて、当業者によって選択することができる。ある種の実施形態で使用する例示的な抗体は、UCHT1およびMOPC−21を含む。
したがって、本化合物の実施形態は、細胞計数、細胞選別、バイオマーカー検出、アポトーシスの定量、細胞生存率の決定、細胞表面抗原の特定、全DNAおよび/またはRNA含量の決定、特異的核酸配列(例えば、核酸プローブとして)の特定、ならびに血液がんなどの疾患の診断を含む、任意の数の方法に利用が見いだされている。
上記の方法に加えて、構造(I)の化合物の実施形態は、がん組織および他の組織を特定するための内視鏡手順における画像化、単一細胞および/もしくは単一分子の分析法、例えば、増幅をほとんどもしくは全く伴わないポリヌクレオチドの検出、例えば、構造(I)の化合物中の、がん細胞に優先的に結合する抗体もしくは糖もしくは他の部分などの標的指向性部分を含ませることによるがんの画像化、外科手術における画像化、様々な疾患を特定するためのヒストンの結合、例えば、構造(I)の化合物中のM部分を活性薬物部分によって置き換えることによる薬物送達、ならびに/または歯科作業における造影剤、および例えば、構造(I)の化合物の様々な微生物叢および/もしくは生物への優先的な結合による他の手順を含めた、様々な分野および方法における利用が見いだされている。
上で説明されている構造(I)の化合物の任意の実施形態、および上で説明されている構造(I)の化合物中の可変因子R1、R2、R3、R4、R5、L’、L1、L2、L3、L4、M、mおよび/またはnに関して本明細書において説明されている任意の具体的な選択は、他の実施形態、および/または構造(I)の化合物の可変因子と独立して組み合わされて、上で具体的に説明されていない本発明の実施形態を形成してもよいことが理解される。さらに、選択肢のリストが、特定の実施形態および/または特許請求の範囲における任意の特定の可変因子R1、R2、R3、R4、R5、L’、L1、L2、L3、L4、M、mおよび/またはnに関して一覧表示されている場合、個々の選択肢はそれぞれ、特定の実施形態および/または特許請求の範囲から削除され得ること、ならびに選択肢の残りのリストは、本発明の範囲内にあると見なされることが理解される。
本発明のさらなる実施形態では、様々な方法および本明細書に記載されている組成物に使用される蛍光および/または発色色素は、蛍光および/または発色部分の二量体および高次ポリマーであってもよい。蛍光および/または発色部分は、アッセイが行われるpHにおいて、複数の正の電荷を帯びた部分または複数の負の電荷を帯びた部分を有するリンカーによって連結されている。
したがって、一部の実施形態では、本化合物は、以下の構造(A):
Figure 2021520423
(A)
(式中、Lは、1つまたは複数の(例えば、各々の)M基の間の空間隔離を維持するのに十分なリンカーであり、その結果、分子内消光が低減されるか、またはなくなり、R1、R2、R3、L1、L2、L3およびnは、構造(I)に関して定義されている通りである)を有する。構造(A)の一部の実施形態では、Lは、1つまたは複数のエチレングリコールまたはポリエチレングリコール部分を含むリンカーである。
他の実施形態では、以下の構造(I)を有する化合物:
Figure 2021520423
(I)
またはその立体異性体、塩もしくは互変異性体(式中、
Mは、出現毎に独立して、2つ以上の炭素−炭素二重結合および少なくとも一共役度を含む部分であり、
1は、出現毎に独立して、i)任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンもしくはヘテロ原子リンカー;またはii)2つの相補性反応性基の反応によって形成することが可能な官能基を含むリンカーのいずれかであり、
2およびL3は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンまたはヘテロ原子リンカーであり、
4は、出現毎に独立して、長さが3個の原子よりも長い、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンまたはヘテロアルキニレンリンカーであり、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンおよびヘテロアルキニレンリンカー中のヘテロ原子は、O、NおよびSから選択され、
1は、出現毎に独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり、
2およびR3は、それぞれ独立して、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、−OP(=Ra)(Rb)Rc、QまたはL’であり、
4は、出現毎に独立して、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
5は、出現毎に独立して、オキソ、チオキソであるか、または存在せず、
aは、OまたはSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、
dは、対イオンであり、
Qは、出現毎に独立して、分析対象分子、標的指向性部分、固体支持体または相補性反応性基Q’と共有結合を形成することが可能な、反応性基またはその保護類似体を含む部分であり、
L’は、出現毎に独立して、Qへの共有結合を含むリンカー、標的指向性部分への共有結合を含むリンカー、分析対象分子への共有結合を含むリンカー、固体支持体への共有結合を含むリンカー、固体支持体残基への共有結合を含むリンカー、ヌクレシチドへの共有結合を含むリンカー、または構造(I)のさらなる化合物への共有結合を含むリンカーであり、
mは、出現毎に独立して、0以上の整数であり、ただし、出現するmの少なくとも1つは、1以上の整数であることを条件とし、
nは、1以上の整数である)
が提供される。
構造(I)の化合物の異なる実施形態では、
Mは、出現毎に独立して、2つ以上の炭素−炭素二重結合および少なくとも一共役度を含む部分であり、
1は、出現毎に独立して、i)任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンもしくはヘテロ原子リンカー;またはii)2つの相補性反応性基の反応によって形成することが可能な官能基を含むリンカーのいずれかであり、
2およびL3は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンまたはヘテロ原子リンカーであり、
4は、出現毎に独立して、長さが3個の原子よりも長い、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンまたはヘテロアルキニレンリンカーであり、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンおよびヘテロアルキニレンリンカー中のヘテロ原子は、O、NおよびSから選択され、
1は、出現毎に独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり、
2およびR3は、それぞれ独立して、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、−OP(=Ra)(Rb)Rc、Q、Qへの共有結合を含むリンカー、分析対象分子への共有結合を含むリンカー、固体支持体への共有結合を含むリンカーまたは構造(I)のさらなる化合物への共有結合を含むリンカーであり、Raは、OまたはSであり、Rbは、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、Rcは、OH、SH、O-、S-、ORd、SRd、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、Rdは、対イオンであり、
4は、出現毎に独立して、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
5は、出現毎に独立して、オキソ、チオキソであるか、または存在せず、
Qは、出現毎に独立して、分析対象分子、固体支持体または相補性反応性基Q’と共有結合を形成することが可能な、反応性基を含む部分であり、
mは、出現毎に独立して、0以上の整数であり、ただし、出現するmの少なくとも1つは、1以上の整数であることを条件とし、
nは、1以上の整数である。
構造(I)の化合物中の様々なリンカーおよび置換基(例えば、M、Q、R1、R2、R3、Rc、L1、L2、L3およびL4)は、さらにもう1つの置換基により置換されていてもよい。例えば、一部の実施形態では、任意に用いてもよい置換基は、構造(I)の化合物の水溶解度または他の特性を最適化するよう選択される。ある種の実施形態では、構造(I)の化合物中のアルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルおよびチオホスホアルキルエーテルはそれぞれ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、スルフヒドリル、アミノ、アルキルアミノ、カルボキシル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルおよびチオホスホアルキルエーテルからなる群から選択される、さらに1つの置換基により置換されていてもよい。ある種の実施形態では、任意に用いてもよい置換基は、−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、Ra、RbおよびRcは、構造(I)の化合物に関して定義されている通りである。
一部の実施形態では、L1は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンまたはヘテロ原子リンカーである。他の実施形態では、L1は、出現毎に独立して、2つの相補性反応性基、例えばQ基の反応により形成可能な官能基を含むリンカーである。
一部の実施形態では、L4は、出現毎に独立して、ヘテロアルキレンリンカーである。他のより具体的な実施形態では、L4は、出現毎に独立して、アルキレンオキシドリンカーである。
実施形態では、ポリマー色素は、以下の構造(I):
Figure 2021520423
(I)
またはその立体異性体、塩もしくは互変異性体(式中、
Mは、出現毎に独立して、蛍光または発色部分を含む部分であり、
1は、出現毎に独立して、i)任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンもしくはヘテロ原子リンカー;またはii)2つの相補性反応性基の反応によって形成することが可能な官能基を含むリンカーのいずれかであり、
2およびL3は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンまたはヘテロ原子リンカーであり、
4は、出現毎に独立して、アルキレンまたはアルキレンオキシドリンカーであり、
1は、出現毎に独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり、
2およびR3は、それぞれ独立して、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、−OP(=Ra)(Rb)Rc、Qもしくはその保護形態、またはL’であり、
4は、出現毎に独立して、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
5は、出現毎に独立して、オキソ、チオキソであるか、または存在せず、
aは、OまたはSであり、
bは、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、
dは、対イオンであり、
L’は、出現毎に独立して、Qへの共有結合を含むリンカー、標的指向性部分への共有結合を含むリンカー、分析対象分子への共有結合を含むリンカー、固体支持体への共有結合を含むリンカー、固体支持体残基への共有結合を含むリンカー、ヌクレオシドへの共有結合を含むリンカー、または構造(I)のさらなる化合物への共有結合を含むリンカーであり、
mは、出現毎に独立して、0以上の整数であり、ただし、出現するmの少なくとも1つは、1以上の整数であることを条件とし、こうして、この化合物は、少なくとも1つのL4を含み、
nは、1以上の整数である)
を有する。
例えば、一部の実施形態では、L4は、ポリエチレンオキシドであり、化合物は以下の構造(IA):
Figure 2021520423
(IA)
(式中、zは、2〜100の整数である)を有する。(IA)の一部の実施形態では、zは2〜30、例えば約20〜25、または約23の整数である。一部の実施形態では、zは、2〜10、例えば3〜6の整数である。一部の実施形態では、zは、3である。一部の実施形態では、zは、4である。一部の実施形態では、zは、5である。一部の実施形態では、zは、6である。
任意に用いてもよいリンカーL1は、化合物の残りへのM部分の結合点として使用することができる。例えば、一部の実施形態では、構造(I)の化合物への合成前駆体が調製され、M部分は、任意の数の、当分野において公知の容易な方法、例えば、「クリックケミストリー」と称される方法を使用して合成前駆体に結合される。この目的の場合、迅速かつ実質的に不可逆な任意の反応を使用して、構造(I)の化合物を形成するための合成前駆体にMを結合することができる。例示的な反応には、アジドとアルキンとのトリアゾールを形成する銅触媒反応(Huisgenの1,3−双極子環化付加)、ジエンと求ジエンとの反応(Diels−Alder)、歪みにより促進されるアルキン−ニトロン環化付加、歪アルケンとアジド、テトラジンまたはテトラゾールの反応、アルケンとアジドの[3+2]環化付加、アルケンとテトラジンの逆需要Diels−Alder、アルケンとテトラゾールの光反応、ならびに求電子性原子への求核攻撃による脱離基の置換などの様々な置換反応が含まれる。例示的な置換反応は、アミンと活性化エステル;N−ヒドロキシスクシンイミドエステル;イソシアネート;イソチオシアネート(isothioscyanate)などとの反応を含む。一部の実施形態では、L1を形成する反応は、水性環境中で行われてもよい。
したがって、一部の実施形態では、L1は、出現毎に、2つの相補性反応性基の反応によって形成可能な官能基、例えば、上述の「クリック」反応の1つの生成物である官能基を含むリンカーである。様々な実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、官能基は、アルデヒド、オキシム、ヒドラゾン、アルキン、アミン、アジド、アシルアジド、アシルハライド、ニトリル、ニトロン、スルフヒドリル、ジスルフィド、ハロゲン化スルホニル、イソチオシアネート、イミドエステル、活性化エステル(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、ケトン、α,β−不飽和カルボニル、アルケン、マレイミド、α−ハロイミド、エポキシド、アジリジン、テトラジン、テトラゾール、ホスフィン、ビオチンまたはチイラン官能基と、相補性反応性基との反応によって形成され得る。例えば、アミンとN−ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはイソチオシアネートとの反応によって形成され得る。
他の実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、官能基は、アルキンおよびアジドの反応によって形成され得る。他の実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、官能基は、アミン(例えば、一級アミン)およびN−ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはイソチオシアネートの反応によって形成され得る。
より多くの実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、官能基は、アルケン、エステル、アミド、チオエステル、ジスルフィド、炭素環式、複素環式またはヘテロアリール基を含む。より多くの実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、官能基は、アルケン、エステル、アミド、チオエステル、チオウレア、ジスルフィド、炭素環式、複素環式またはヘテロアリール基を含む。他の実施形態では、官能基は、アミドまたはチオウレアを含む。一部のより具体的な実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、L1は、トリアゾリル官能基を含むリンカーである。他の実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、L1は、アミドまたはチオウレア官能基を含むリンカーである。
さらに他の実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、L1−Mは、以下の構造:
Figure 2021520423
(式中、L1aおよびL1bは、それぞれ独立して、任意に用いてもよいリンカーである)を有する。
異なる実施形態では、出現するL1の少なくとも1つについて、L1−Mは、以下の構造:
Figure 2021520423
(式中、L1aおよびL1bは、それぞれ独立して、任意に用いてもよいリンカーである)を有する。
上述の様々な実施形態では、L1aもしくはL1b、またはそれらの両方が、存在しない。他の実施形態では、L1aもしくはL1b、またはそれらの両方が存在する。
一部の実施形態では、L1aおよびL1bは、存在する場合、それぞれ独立して、アルキレンまたはヘテロアルキレンである。例えば、一部の実施形態では、L1aおよびL1bは、存在する場合、独立して、以下の構造の1つ:
Figure 2021520423
を有する。
構造(I)のさらに他の異なる実施形態では、L1は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーである。ある種の実施形態では、L1は、以下の構造の1つ:
Figure 2021520423
を有する。
より多くの実施形態では、L2およびL3は、出現毎に独立して、C1−C6アルキレン、C2−C6アルケニレンまたはC2−C6アルキニレンである。例えば、一部の実施形態では、本化合物は、以下の構造(IB):
Figure 2021520423
(IB)
(式中、
1、x2、x3およびx4は、出現毎に独立して、0〜6の整数であり、
zは、2〜100、例えば3〜6の整数である)
を有する。
構造(IB)の化合物のある種の実施形態では、出現するx1、x2、x3またはx4の少なくとも1つは1である。他の実施形態では、x1、x2、x3およびx4は、出現毎に、それぞれ1である。他の実施形態では、x1およびx3は、出現毎に、それぞれ0である。一部の実施形態では、x2およびx4は、出現毎に、それぞれ1である。さらに他の実施形態では、x1およびx3は、出現毎に、それぞれ0であり、x2およびx4は、出現毎に、それぞれ1である。
構造(IB)の化合物の一部のより具体的な実施形態では、L1は、出現毎に独立して、トリアゾリル官能基を含む。構造(IB)の化合物の一部の他の具体的な実施形態では、L1は、出現毎に独立して、アミドまたはチオウレア官能基を含む。構造(IB)の化合物の他の実施形態では、L1は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーである。
構造(I)の化合物のいずれかのさらに他の実施形態では、R4は、出現毎に独立して、OH、O-またはORdである。「ORd」および「SRd」は、陽イオンに結合した、O-およびS-を指すことが意図されることが理解される。例えば、ホスフェート基の二ナトリウム塩は、以下の通り表すことができる:
Figure 2021520423
(式中、Rdは、ナトリウム(Na+)である)。
構造(I)の化合物のいずれかの他の実施形態では、R5は、出現毎に、オキソである。
上述の化合物のいずれかの一部の異なる実施形態では、R1は、Hである。
他の様々な実施形態では、R2およびR3は、それぞれ独立して、OHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcである。一部の異なる実施形態では、R2またはR3は、OHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、R2またはR3のもう一方は、Q、またはQへの共有結合を含むリンカーである。
構造(I)の上述の化合物のいずれかのさらにより多くの異なる実施形態では、R2およびR3は、それぞれ独立して、−OP(=Ra)(Rb)Rcである。これらの実施形態の一部では、Rcは、OL’である。
他の実施形態では、R2およびR3は、それぞれ独立して、−OP(=Ra)(Rb)OL’であり、L’は、Q、標的指向性部分、分析対象(例えば、分析対象分子)、固体支持体、固体支持体残基、ヌクレオシドまたは構造(I)のさらなる化合物へのアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーである。
リンカーL’は、Q、標的指向性部分、分析対象(例えば、分析対象分子)、固体支持体、固体支持体残基、ヌクレオシド、または構造(I)のさらなる化合物を、構造(I)の化合物に結合させるのに好適な任意のリンカーとすることができる。有利には、ある種の実施形態は、化合物の水溶解度を増大させる、または最適化するよう選択される、L’部分の使用を含む。ある種の実施形態では、L’は、ヘテロアルキレン部分である。一部の他のある種の実施形態では、L’は、アルキレンオキシドもしくはホスホジエステル部分、またはそれらの組合せを含む。
ある種の実施形態では、L’は、以下の構造:
Figure 2021520423
(式中、
m”およびn”は、独立して、1〜10の整数であり、
eは、H、電子対または対イオンであり、
L”は、Re、またはQ、標的指向性部分、分析対象(例えば、分析対象分子)、固体支持体、固体支持体残基、ヌクレオシドもしくは構造(I)のさらなる化合物への直接結合もしくは連結基である)
を有する。
一部の実施形態では、m”は、4〜10、例えば4、6または10の整数である。他の実施形態では、n”は、3〜6、例えば3、4、5または6の整数である。
一部の他の実施形態では、L”は、アルキレンまたはヘテロアルキレン部分である。一部の他のある種の実施形態では、L”は、アルキレンオキシド、ホスホジエステル部分、スルフヒドリル、ジスルフィドもしくはマレイミド部分、またはそれらの組合せを含む。
上述の実施形態のいくつかでは、標的指向性部分は、抗体または細胞表面受容体アンタゴニストである。
上述の構造(I)の化合物のいずれかの他のより具体的な実施形態では、R2またはR3は、以下の構造の1つ:
Figure 2021520423
を有する。
構造(I)の化合物のある種の実施形態は、オリゴヌクレオチドの調製に関して当分野で公知の合成法に類似した固相合成法に準拠して調製することができる。したがって、一部の実施形態では、L’は、固体支持体、固体支持体残基またはヌクレオシドへの連結基である。活性化デオキシチミジン(dT)基を含む固体支持体は、容易に入手可能であり、一部の実施形態では、構造(I)の化合物の調製のための出発物質として使用することができる。したがって、一部の実施形態では、R2またはR3は、以下の構造:
Figure 2021520423
を有する。
当業者は、上で図示されているdT基は、合成を容易にするためおよび経済的効率性だけのために含まれているに過ぎず、必要ではないことを理解していよう。他の固体支持体を使用することができ、L’上に存在する異なるヌクレオシドもしくは固体支持体残基をもたらすか、またはヌクレオシドもしくは固体支持体残基が、合成後に除去され得るか、もしくは修飾され得る。
さらに他の実施形態では、Qは、出現毎に独立して、分析対象分子または固体支持体と共有結合を形成することが可能な反応性基を含む部分である。他の実施形態では、Qは、出現毎に独立して、相補性反応性基Q’と共有結合を形成することが可能な反応性基を含む部分である。例えば、一部の実施形態では、Q’は、構造(I)のさらなる化合物に存在し(例えば、R2またはR3の位置)、QおよびQ’は、相補性反応性基を含み、こうして、構造(I)の化合物と構造(I)のさらなる化合物との反応により、構造(I)の化合物の共有結合による二量体をもたらす。構造(I)の多量体化合物もまた、類似の方法で調製することができ、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
Q基のタイプ、および構造(I)の化合物の残りへのQ基の結合は、限定されず、ただし、Qは、所望の結合を形成するために適切な反応性を有する部分を含むことを条件とする。
ある種の実施形態では、Qは、水性条件下で加水分解を受けにくいが、分析対象分子または固体支持体の表面の対応する基(例えば、アミン、アジドまたはアルキン)と結合を形成するのに十分な反応性のある部分である。
構造(I)の化合物のある種の実施形態は、バイオコンジュゲートの分野において、一般に使用されているQ基を含む。例えば一部の実施形態では、Qは、求核性反応性基、求電子性反応性基または環化付加反応性基を含む。一部のより具体的な実施形態では、Qは、スルフヒドリル、ジスルフィド、活性化エステル、イソチオシアネート、アジド、アルキン、アルケン、ジエン、求ジエン体、酸ハロゲン化物、ハロゲン化スルホニル、ホスフィン、α−ハロアミド、ビオチン、アミノまたはマレイミド官能基を含む。一部の実施形態では、活性化エステルは、N−スクシンイミドエステル、イミドエステルまたはポリフルオロフェニル(polyflourophenyl)エステルである。他の実施形態では、アルキンは、アルキルアジドまたはアシルアジドである。
Q基は、保存安定性または他の所望の特性を増大させるため、保護形態で都合よく設けることができ、次に、この保護基は、例えば、標的指向性部分または分析対象とのコンジュゲートにとって適切なときに除去される。したがって、Q基は、上記および以下の表1中の反応性基のいずれかを含めた、反応性基の「保護形態」を含む。Qの「保護形態」とは、Qに対して所定の反応条件下で、より低い反応性を有するが、好ましくは分解せず、構造(I)の化合物の他の部分と反応しない条件下で、Qへと変換され得る部分を指す。当業者は、特定のQ、ならびに所望の最終使用および保管条件に基づいた、Qの適切な保護形態を誘導することができる。例えば、QがSHである場合、Qの保護形態はジスルフィドを含み、ジスルフィドは、一般的に知られている技法および試薬を使用して還元されると、SH部分を現すことができる。
例示的なQ部分が、以下の表1に提示されている。
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
実施形態では、Qは、表1から選択される部分である。
一部の実施形態では、QがSHである場合、SH部分は、例えば、構造(I)の別の化合物の別のスルフヒドリル基とジスルフィド結合を形成する傾向があることに留意すべきである。したがって、一部の実施形態は、ジスルフィド二量体の形態にある、構造(I)の化合物を含み、ジスルフィド結合は、SHであるQ基から誘導される。
構造(I)の化合物も、ある種の実施形態の範囲内に含まれ、この場合、R2およびR3の一方またはどちらも、構造(I)のさらなる化合物への連結基を含む。例えば、R2およびR3の一方またはどちらも、−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、RcはOL’であり、L’は、構造(I)のさらなる化合物への共有結合を含むリンカーである。このような化合物は、例えば、約10の「M」部分(すなわち、n=9)を有しており、かつ第2の構造(I)の化合物上の相補性Q’基との反応にとって適切な「Q」を有する、第1の構造(I)の化合物を調製することにより調製され得る。この方法では、任意の数、例えば100以上の「M」部分を有する、構造(I)の化合物は、各モノマーを逐次にカップリングする必要なしに調製することができる。このような構造(I)の化合物の例示的な実施形態は、以下の構造(I’):
Figure 2021520423
(I')
(式中、
1、R2、R3、R4、R5、L1、L2、L3、L4、M、mおよびnの各出現は独立して、構造(I)の化合物に関して定義されている通りであり、
L”は、Q部分と対応するQ’部分との反応から生じる官能基を含むリンカーであり、
αは、1より大きな整数、例えば1〜100、または1〜10である)
を有する。
構造(I’)の例示的な化合物は、実施例5に提供されている。構造(I’)の他の化合物は、当業者によって、例えば、本明細書において提供されている構造(I)の化合物を二量化または重合することにより誘導可能である。
他の実施形態では、Q部分は、ジスルフィド部分として都合よくマスクされ(例えば、保護される)、この部分は、後に還元されて、所望の分析対象分子または標的指向性部分への結合のための活性化されたQ部分をもたらすことができる。例えば、Q部分は、以下の構造:
Figure 2021520423
(式中、Rは、置換されていてもよいアルキル基である)を有するジスルフィドとしてマスクされ得る。例えば、一部の実施形態では、Qは、以下の構造:
Figure 2021520423
(nは、1〜10の整数、例えば6である)
を有するジスルフィド部分として提供される。
一部の他の実施形態では、R2またはR3の一方はOHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、R2またはR3のもう一方は、分析対象分子への共有結合を含むリンカー、または固体支持体への共有結合を含むリンカーである。例えば、一部の実施形態では、分析対象分子は、核酸、アミノ酸またはそれらのポリマーである。他の実施形態では、分析対象分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、グリコタンパク質、アプタマーまたはプリオンである。さらに異なる実施形態では、固体支持体は、ポリマー製ビーズまたは非ポリマー製ビーズである。
mの値は、所望の蛍光および/または発色強度に基づいて選択され得る別の可変因子である。一部の実施形態では、mは、出現毎に独立して、1〜10の整数である。他の実施形態では、mは、出現毎に独立して、1〜5の整数、例えば、1、2、3、4または5である。
他の実施形態では、mは、出現毎に独立して、2より大きな整数であり、zは、3〜10の整数であり、例えば、一部の実施形態では、mは、出現毎に独立して、3、4、5または6などの2より大きな整数であり、zは、3〜6の整数である。
蛍光強度もまた、異なるnの値を選択することによって調節することができる。ある種の実施形態では、nは、1〜100の整数である。他の実施形態では、nは、1〜10の整数である。一部の実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは2である。一部の実施形態では、nは3である。一部の実施形態では、nは4である。一部の実施形態では、nは5である。一部の実施形態では、nは6である。一部の実施形態では、nは7である。一部の実施形態では、nは8である。一部の実施形態では、nは9である。一部の実施形態では、nは10である。
Mは、所望の光学特性に基づいて、例えば、所望の色および/または蛍光の発光波長に基づいて選択される。一部の実施形態では、Mは、出現毎に同じである。しかし、Mの各出現は、同一のMである必要はないこと、およびある種の実施形態は、Mが出現毎に同じではない化合物を含むことに留意することが重要である。例えば、一部の実施形態では、Mはそれぞれ、同じではなく、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)法に使用するための、吸光度および/または発光を有するよう、異なるM部分が選択される。例えば、このような実施形態では、異なるM部分は、1つの波長における放射線の吸光度が、FRET機構によって、異なる波長での放射線の発光を引き起こすよう選択される。例示的なM部分は、所望の最終使用に基づいて、当業者により適切に選択することができる。FRET法に関する例示的なM部分には、フルオレセインおよび5−TAMRA(5−カルボキシテトラメチルローダミンスクシンイミジルエステル)色素が含まれる。
Mは、M上の任意に位置(すなわち、原子)から分子の残りに結合し得る。当業者は、Mが分子の残りに結合するための手段を認識していよう。例示的な方法には、本明細書に記載されている「クリック」反応が含まれる。
一部の実施形態では、Mは、蛍光または発色部分である。実施形態では、Mは、蛍光部分である。実施形態では、Mは、発色部分である。任意の蛍光および/発色部分を使用することができ、例えば当分野での公知のもの、および比色分析アッセイ、UVアッセイおよび/または蛍光アッセイに通常使用されるものが使用されてもよい。本発明の様々な実施形態に有用なM部分の例には、キサンテン誘導体(例えば、フルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシンまたはテキサスレッド);シアニン誘導体(例えば、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニンまたはメロシアニン);スクアライン誘導体および環置換スクアライン(セタ、セタウおよびスクエア色素を含む);ナフタレン誘導体(例えば、ダンシルおよびポロダン誘導体);クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体(例えば、ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾールまたはベンゾオキサジアゾール);アントラセン誘導体(例えば、DRAQ5、DRAQ7およびCyTRAKオレンジを含むアントラキノン);カスケードブルーなどのピレン誘導体;オキサジン誘導体(例えば、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170);アクリジン誘導体(例えば、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー);アリールメチン誘導体:アウラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン;およびテトラピロール誘導体(例えば、ポルフィン、フタロシアニンまたはビリルビン)が含まれる。他の例示的なM部分には、シアニン色素、キサンテート色素(例えば、Hex、Vic、Nedd、JoeまたはTet);ヤキマイエロー;レッドモンドレッド;タムラ;テキサスレッドおよびalexa fluor(登録商標)色素が含まれる。
上述のいずれかのさらに他の実施形態では、Mは、3つ以上のアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せ、例えば、4つ以上のアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せ、あるいは5つ以上のアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せさえも含む。一部の実施形態では、Mは、出現毎に独立して、4つ以上のアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せを含む部分である。一部の実施形態では、Mは、6つのアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せを含む。さらなる実施形態では、環は縮合している。例えば、一部の実施形態では、Mは、3つ以上の縮合環、4つ以上の縮合環、5つ以上の縮合環、または6つ以上の縮合環さえも含む。実施形態では、Mは、出現毎に独立して、少なくとも4つの縮合環を含む、縮合多環式アリール部分を含む。
一部の実施形態では、Mは、環式である。例えば、一部の実施形態では、Mは、炭素環式である。他の実施形態では、Mは、複素環式である。上述のさらに他の実施形態では、Mは、出現毎に独立して、アリール部分を含む。これらの実施形態の一部では、アリール部分は、多環式である。他のさらなる具体例では、アリール部分は、縮合多環式アリール部分であり、例えば、この縮合多環式アリール部分は、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または4つを超えることさえあるアリール環を含んでもよい。
上記の構造(I)、(IA)、(IB)または(I’)の化合物のいずれかの他の実施形態では、Mは、出現毎に独立して、少なくとも1個のヘテロ原子を含む。例えば、一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素または硫黄である。
上述のいずれかのさらにより多くの実施形態では、Mは、出現毎に独立して、少なくとも1つの置換基を含む。例えば、一部の実施形態では、置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、アリール、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、カルボキシ、スルホネート、アミドまたはホルミル基である。
上述の一部のさらにより具体的な実施形態では、Mは、出現毎に独立して、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル−ジメチル−BODIPY、his−フルオロフェニル−BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン(フルオロフェニル−ジメチル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、(ビス−フルオロフェニル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ−ベンゾチアゾール、ター−ベンゾチアゾール、ビ−ナフチル、ビ−アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10−エチニルアントラセンまたはター−ナフチル部分である。他の実施形態では、Mは、出現毎に独立して、p−ターフェニル、ペリレン、アゾベンゼン、フェナジン、フェナントロリン、アクリジン、チオキサントレン、クリセン、ルブレン、コロネン、シアニン、ペリレンイミドもしくはペリレンアミド、またはそれらの誘導体である。さらにより多くの実施形態では、Mは、出現毎に独立して、クマリン色素、レゾルフィン色素、ジピロメテンボロンジフルオリド色素、ルテニウムビピリジル色素、エネルギー移動色素、チアゾールオレンジ色素、ポリメチンまたはN−アリール−1,8−ナフタルイミド色素である。
上述のいずれかのさらにより多くの実施形態では、Mは、出現毎に、同じである。他の実施形態では、Mはそれぞれ、異なる。さらにより多くの実施形態では、1つまたは複数のMは同じであり、1つまたは複数のMは異なる。
一部の実施形態では、Mは、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミドもしくは6−FAM、またはそれらの誘導体である。一部の他の実施形態では、Mは、以下の構造:
Figure 2021520423
のうちの1つを有する。
カルボン酸基を含むM部分は、上記の陰イオン性形態(CO2 -)で図示されているが、当業者は、これは、pHに応じて様々になること、およびプロトン化形態(CO2H)が、様々な実施形態に含まれることを理解しているであろう。
一部の具体的な実施形態では、本化合物は、表2から選択される化合物である。表2中の化合物は、実施例に説明されている手順に準拠して調製し、それらの構造(identity)は、質量分析法によって確認した。
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
表2に使用される場合、および本出願全体を通して、R2、R3、m、nおよびL’は、特に示さない限り、構造(I)の化合物に関して提示されている定義を有しており、F、F’およびF”は、それぞれ、以下の構造:
Figure 2021520423
を有するフルオレセイン部分を指す。
「dt」とは、以下の構造:
Figure 2021520423
を指す。
一部の実施形態は、表2に提示されており、抗体などの標的指向性部分にコンジュゲートされている具体的な化合物を含む、上述の化合物のいずれかを含む。
本開示は、概して、以前の公知化合物よりも蛍光発光が増大した化合物を含む組成物、およびそれを使用する方法を提供する。したがって、ある種の実施形態は、Y個の蛍光部分Mを含む蛍光化合物であって、所定の波長の紫外光により励起すると、同一波長の紫外光により励起した際の単一M部分のピーク蛍光発光よりも少なくともY倍の85%のピーク蛍光発光を有する、蛍光化合物を対象とする(Yは、2以上の整数である)。蛍光化合物は、紫外光などの光による励起時に蛍光シグナルを発光する化合物を含む。
一部の実施形態では、蛍光化合物は、単一M部分のピーク蛍光発光よりも、少なくともY倍の90%、Y倍の95%、Y倍の97%、またはY倍の99%高いピーク蛍光発光を有する。
一部の実施形態では、Yは、2〜100、例えば2〜10の整数である。
一部の実施形態では、Y個のM部分は、独立して、以下の構造の1つ:
Figure 2021520423
(式中、
Figure 2021520423
は、蛍光化合物への結合点を示す)を有する。
他の実施形態では、単一のM部分は、独立して、以下の構造の1つ:
Figure 2021520423
を有する。
より具体的な実施形態では、蛍光化合物は、独立して、以下の構造の1つ:
Figure 2021520423
(式中、
Figure 2021520423
は、蛍光化合物への結合点を示し、単一のM部分は、以下の構造:
Figure 2021520423
を有する)
を有するY個のM部分を含む。
他の実施形態では、ピーク蛍光発光は、約500〜約550nmの範囲の波長に存在する。
さらにより多くの実施形態では、蛍光化合物は、少なくとも1つのエチレンオキシド部分を含む。
特許請求の範囲のいずれか1項の蛍光化合物を含む組成物および分析対象も提供される。
現在開示されている化合物は、「調節可能」であり、これは、当業者は、上述の化合物のいずれかにおける可変因子を適切に選択することにより、所望のおよび/または所定のモル蛍光光度(モル輝度)を有する化合物に到達することができることを意味する。本化合物の「調節可能性」により、使用者は、特定のアッセイにおいて使用するためまたは特定の目的分析対象を特定するための所望の蛍光および/または色を有する化合物に容易に到達することが可能となる。すべての可変因子は、本化合物のモル蛍光光度に影響を及ぼし得るが、M、L4、mおよびnの適切な選択は、本化合物のモル蛍光光度において重要な役割を果たすと考えられる。したがって、一実施形態では、所望のモル蛍光光度を有する化合物を得るための方法であって、既知の蛍光光度を有するM部分を選択するステップ、M部分を含む構造(I)の化合物を調製するステップ、および所望のモル蛍光光度に到達するためのL4、mおよびnに関する適切な可変因子を選択するステップを含む方法が提供される。
モル蛍光光度は、ある種の実施形態では、親フルオロフォア(例えば、モノマー)の蛍光発光に比べた、増加倍率または低下倍率に関して表現することができる。一部の実施形態では、本化合物のモル蛍光光度は、親フルオロフォアに比べて、1.1x、1.5x、2x、3x、4x、5x、6x、7x、8x、9x、10xまたはさらにより高い。様々な実施形態は、L4、mおよびnの適切な選択によって、親フルオロフォアに比べて、所望の増加倍率の蛍光光度を有する化合物を調製することを含む。
例示を容易にするため、リン部分(例えば、ホスフェートなど)を含む様々な化合物は、陰イオン性状態(例えば、−OPO(OH)O-、−OPO3 2-)で図示されている。当業者は、電荷はpHに依存し、非電荷(例えば、プロトン化されているか、またはナトリウムもしくは他の陽イオンなどの塩)形態も、本発明の実施形態の範囲内に含まれることを容易に理解するであろう。
本記載では、図示されている式の置換基および/または可変因子の組合せは、このような寄与が安定な化合物をもたらす場合のみ許容可能となることが理解される。
本明細書に記載されている方法では、中間化合物の官能基が好適な保護基によって保護される必要があり得ることも、当業者によって理解されよう。このような官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が含まれる。ヒドロキシに好適な保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが含まれる。アミノ、アミジノおよびグアニジノに好適な保護基には、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。メルカプトに好適な保護基には、−C(O)−R”(式中、R”は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、p−メトキシベンジル、トリチルなどが含まれる。カルボン酸に好適な保護基には、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルが含まれる。保護基は、当業者に公知であり、本明細書に記載されている、標準技法に準拠して、付加または除去することができる。保護基の使用は、Green, T.W. and P.G.M. Wutz, Protective Groups in Organic Synthesis (1999), 3rd Ed., Wileyに詳述されている。当業者が理解している通り、保護基はまた、Wang樹脂、Rink樹脂または塩化2−クロロトリチル樹脂などのポリマー樹脂であってもよい。
さらに、遊離塩基または酸形態で存在する本発明の化合物はすべて、当業者に公知の方法によって、適切な無機または有機の塩基または酸による処理によってその塩に変換することができる。本発明の化合物の塩は、標準技法によってその遊離塩基または酸形態に変換することができる。
以下の反応スキームは、本発明の化合物を作製する例示的な方法を例示している。当業者は、類似の方法により、または当業者に公知の他の方法を組み合わせることにより、これらの化合物を作製することが可能であり得ることが理解される。当業者であれば、適切な出発構成成分を使用し、必要に応じて合成のパラメーターを修正することにより、以下に具体的に例示されていない構造(I)の他の化合物を、以下に記載されているものと類似の方法で作製することが可能であることも理解される。一般に、出発構成成分は、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCIおよびFluorochem USAなどの供給元から得ることができるか、または当業者に公知(例えば、Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 5th edition (Wiley, December 2000)を参照されたい)の情報源に従い合成することができるか、または本発明において記載されている通り調製することができる。
反応スキームI
Figure 2021520423
反応スキームIは、R1、L2、L3およびMが、上で定義されている通りであり、R2およびR3が、上で定義されている通りであるか、またはそれらの保護変形体であり、Lが任意に用いてもよいリンカーである、構造(I)の化合物の調製に有用な中間体を調製する例示的な方法を例示する。反応スキーム1を参照すると、構造aの化合物は購入することができるか、または当業者に周知の方法により調製することができる。当分野で公知のSuzukiカップリング条件下でのxがブロモなどのハロゲンであるM−Xとの反応により、構造bの化合物となる。構造bの化合物は、以下に記載されている、構造(I)の化合物の調製に使用することができる。
反応スキームII
Figure 2021520423
反応スキームIIは、構造(I)の化合物の調製に有用な中間体の調製の代替法を例示している。R1、L1、L2、L3、GおよびMが、上で定義されている通りであり、R2およびR3が、上で定義されている通りであるか、またはそれらの保護変形体である、反応スキームIIを参照すると、購入することができるか、または周知技法によって調製することができる構造cの化合物は、M−G’と反応させると、構造dの化合物を生成する。ここで、GおよびG’は、相補性反応性を有する官能基(すなわち、反応して共有結合を形成する官能基)を表す。G’は、Mへのペンダント基、またはMの構造上の主鎖の一部となり得る。GおよびG’は、それぞれ、アルキンおよびアジド、それぞれアミンおよび活性化エステル、またはそれぞれアミンおよびイソチオシアネートなどの、本明細書に記載されている任意の数の官能基とすることができる。
構造(I)の化合物は、構造bまたはdの1つから、周知の自動化DNA合成条件下で、以下の構造(e):
Figure 2021520423
(e)
(式中、Aは、本明細書で定義されている通りであり、Lはそれぞれ、独立して、任意に用いてもよいリンカーである)
を有するホスホロアミダイト化合物との反応によって調製することができる。
DNA合成法は、当分野において周知である。手短に述べると、2つのアルコール基、例えば上の中間体bまたはd中のR2およびR3は、それぞれ、ジメトキシトリチル(DMT)基および2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノホスホロアミダイト基により官能基化される。ホスホロアミダイト基は、通常、テトラゾールなどの活性化剤の存在下で、アルコール基とカップリングさせて、次いで、ヨウ素によりリン原子を酸化する。ジメトキシトリチル基を酸(例えば、クロロ酢酸)により除去することができ、遊離アルコールを露出させ、これをホスホロアミダイト基と反応させることができる。2−シアノエチル基は、アンモニア水による処理によってオリゴマー化した後に除去することができる。
オリゴマー化法に使用されるホスホロアミダイトの調製もまた、当分野で周知である。例えば、一級アルコール(例えば、R3)は、DMT−Clとの反応によってDMT基として保護することができる。次に、二級アルコール(例えば、R2)を、2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(dissopropylchlorophosphoramidite)などの適切な試薬との反応によって、ホスホロアミダイトとして官能基化する。ホスホロアミダイトの調製およびそれらのオリゴマー化の方法は、当分野で周知であり、実施例中にさらに詳細に記載する。
構造(I)の化合物は、上記の周知のホスホロアミダイト化学反応に従って、中間体bまたはdおよびeのオリゴマー化により調製する。ホスホロアミダイトカップリングを所望の回数、繰り返すことによって、所望の数の繰り返し単位であるmおよびnを分子に組み込む。
一部の他の実施形態では、本化合物は、以下の構造(II):
Figure 2021520423
(II)
またはその立体異性体、互変異性体もしくは塩(式中、
Mは、出現毎に独立して、2つ以上の炭素−炭素二重結合および少なくとも一共役度を含む部分であり、
1、L2およびL3は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンまたはヘテロ原子リンカーであり、
4は、出現毎に独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンまたはヘテロアルキニレンリンカーであり、
1は、出現毎に独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり、
2およびR3は、それぞれ独立して、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、−OP(=Ra)(Rb)Rc、Q、Qへの共有結合を含むリンカー、分析対象分子への共有結合を含むリンカー、固体支持体への共有結合を含むリンカーまたは構造(II)のさらなる化合物への共有結合を含むリンカーであり、Raは、OまたはSであり、Rbは、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、Rcは、OH、SH、O-、S-、ORd、SRd、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、
4は、出現毎に独立して、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
5は、出現毎に独立して、オキソ、チオキソであるか、または存在せず、
Qは、出現毎に独立して、分析対象分子、固体支持体または相補性反応性基Q’と共有結合を形成することが可能な、反応性基を含む部分であり、
dは、陽イオンであり、
mは、出現毎に独立して、0以上の整数であり、ただし、出現するmの少なくとも1つは、3以上の整数であることを条件とし、
nは、1以上の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、mは、出現毎に独立して、3以上の整数である。
一部の実施形態では、L1、L2およびL3は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーである。
構造(II)の化合物の一部の他の実施形態では、
Mは、出現毎に独立して、2つ以上の炭素−炭素二重結合および少なくとも一共役度を含む部分であり、
1、L2およびL3は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーであり、
4は、出現毎に独立して、長さが最大で20個の原子となる、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレンまたはヘテロアルキニレンリンカーであり、
1は、出現毎に独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり、
2およびR3は、それぞれ独立して、H、OH、−OP(=Ra)(Rb)Rc、Q、Qへの共有結合を含むリンカー、分析対象分子への共有結合を含むリンカーまたは固体支持体への共有結合を含むリンカーであり、Raは、OまたはSであり、Rbは、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、Rcは、OH、SH、O-、S-、ORd、SRd、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、
4は、出現毎に独立して、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
5は、出現毎に独立して、オキソ、チオキソであるか、または存在せず、
Qは、分析対象分子または固体支持体との結合を可能にする部分であり、
dは、陽イオンであり、
mは、出現毎に独立して、0以上の整数であり、ただし、出現するmの少なくとも1つは、3以上の整数であることを条件とし、
nは、1以上の整数である。
一部の実施形態では、本化合物は、以下の構造(IIA):
Figure 2021520423
(IIA)
(式中、x1、x2およびx3は、出現毎に独立して、0〜6の整数である)
を有する。
4リンカーは、所望の蛍光および/または色を実現するよう、他の可変因子と合わせて選択することができる(蛍光および/または色を「調節する」)。一部の実施形態では、L4は、長さが最大で20個の原子、長さが最大で13個の原子、例えば長さが最大で10個の原子、または長さが最大で6個の原子のリンカーである。ある種の実施形態では、L4は、ジスルフィド結合を含まない。他の実施形態では、L4は、出現毎に独立して、C1−C6アルキレンまたはC2−C6アルキニレンである。一部の実施形態では、L4は、2個の炭素のリンカーである。
一部の他の異なる実施形態では、本化合物は、以下の構造(IIB):
Figure 2021520423
(IIB)
(式中、
1、x2およびx3は、出現毎に独立して、0〜6の整数であり、
yは、出現毎に独立して、1〜6の整数である)
を有する。
上述のある種の実施形態では、yは2である。他の実施形態では、x1、x2およびx3は、出現毎に、それぞれ1である。一部の異なる実施形態では、出現毎に、x2は0であり、x3は1である。
さらに他の実施形態では、R4は、出現毎に独立して、OH、O-またはORdである。「ORd」および「SRd」は、陽イオンに結合した、O-およびS-を指すことが意図されることが理解される。例えば、ホスフェート基の二ナトリウム塩は、以下の通り表すことができる:
Figure 2021520423
(式中、Rdは、ナトリウム(Na+)である)。
さらに上述の実施形態では、R5は、出現毎に、オキソである。
一部の他の実施形態では、本化合物は、以下の構造(IIB’)または(IIB”)のうちの1つ:
Figure 2021520423
を有する。
上述のいずれかの実施形態では、R1は、Hである。
異なる実施形態では、R2およびR3は、それぞれ独立して、OHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcである。例えば、一部の実施形態では、R2およびR3は、それぞれ独立して、OHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、Raは、Oであり、Rbは、OH、O-またはORdであり、Rcは、OH、O-、ORd、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、Rdは、対イオンである。
さらに他の異なる実施形態では、R2またはR3の一方はOHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、R2またはR3のもう一方は、Q、またはQへの共有結合を含むリンカーである。例えば、一部の実施形態では、R2またはR3の一方は、OHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、R2またはR3のもう一方は、Q、またはQへの共有結合を含むリンカーであり、Raは、Oであり、Rbは、OH、O-またはORdであり、Rcは、OH、O-、ORd、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、Rdは、対イオンである。
さらに他の実施形態では、Qは、分析対象分子または固体支持体との結合を可能にする部分であるか、またはこの部分を含む。ある種の実施形態では、Qは、構造(II)の化合物を分析対象分子または固体支持体に結合させる手段(例えば、共有結合による)を提供する。例えば、一部の実施形態では、Qは、分析対象分子または固体支持体との共有結合を可能にする反応性基であるか、またはこの基を含む。この点では、Q基のタイプ、および構造(II)の化合物の残りへのQ基の結合は、限定されない。ある種の実施形態では、Qは、水性条件下で加水分解を受けにくいが、分析対象分子または固体支持体の表面の対応する基(例えば、アミン)と結合を形成するのに十分な反応性のある部分である。
構造(II)の化合物のある種の実施形態は、バイオコンジュゲートの分野において、一般に使用されているQ基を含む。例えば、一部の実施形態では、Qは、求核性反応性基、求電子性反応性基または環化付加反応性基であるか、またはこれらの基を含む。一部のより具体的な実施形態では、Qは、スルフヒドリル、ジスルフィド、活性化エステル、イソチオシアネート、アジド、アルキン、アルケン、ジエン、求ジエン体、酸ハロゲン化物、ハロゲン化スルホニル、ホスフィン、α−ハロアミド、ビオチン、アミノまたはマレイミドであるか、またはこれらを含む。一部の実施形態では、活性化エステルは、N−スクシンイミドエステル、イミドエステルまたはポリフルオロフェニルエステルである。他の実施形態では、アルキンは、アルキルアジドまたはアシルアジドである。例示的なQ部分は、上の表1に提示されている。
一部の実施形態では、QはSHであり、SH部分は、構造(II)の別の化合物上の別のスルフヒドリル基とジスルフィド結合を形成する傾向があることに留意すべきである。したがって、一部の実施形態は、ジスルフィド二量体の形態にある、構造(II)の化合物を含み、ジスルフィド結合は、SHであるQ基から誘導される。
一部の他の実施形態では、R2またはR3の一方はOHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、R2またはR3のもう一方は、分析対象分子への共有結合を含むリンカー、または固体支持体への共有結合を含むリンカーである。一部の異なる実施形態では、R2またはR3の一方は、OHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、R2またはR3のもう一方は、分析対象分子への共有結合を含むリンカーまたは固体支持体への共有結合を含むリンカーであり、Raは、Oであり、Rbは、OH、O-またはORdであり、Rcは、OH、O-、ORd、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、Rdは、対イオンである。例えば、一部の実施形態では、分析対象分子は、核酸、アミノ酸またはそれらのポリマーである。他の実施形態では、分析対象分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、グリコタンパク質、アプタマーまたはプリオンである。さらに異なる実施形態では、固体支持体は、ポリマー製ビーズまたは非ポリマー製ビーズである。
mの値は、所望の蛍光および/または発色強度に基づいて選択され得る別の可変因子である。一部の実施形態では、mは、出現毎に独立して、3〜10の整数である。他の実施形態では、mは、出現毎に独立して、7〜9の整数である。
蛍光強度はまた、様々な値のnを選択することにより調節することができる。ある種の実施形態では、nは、1〜100の整数である。他の実施形態では、nは、1〜10の整数である。
Mは、所望の光学特性に基づいて、例えば、所望の色および/または蛍光の発光波長に基づいて選択される。一部の実施形態では、Mは、出現毎に同じである。しかし、Mの各出現が、同一のMである必要はないこと、およびある種の実施形態は、Mが出現毎に同じではない化合物を含むことに留意することが重要である。Mは、M上の任意の位置(すなわち、原子)から分子の残りに結合し得る。当業者は、Mが分子の残りに結合するための手段を認識していよう。
一部の実施形態では、Mは、蛍光または発色部分である。当分野での公知であり、比色分析アッセイ、UVアッセイおよび/または蛍光アッセイに通常、使用される任意の蛍光および/発色部分が使用されてもよい。本発明の様々な実施形態に有用なM部分の例には、キサンテン誘導体(例えば、フルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシンまたはテキサスレッド);シアニン誘導体(例えば、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニンまたはメロシアニン);スクアライン誘導体および環置換スクアライン(セタ、セタウおよびスクエア色素を含む);ナフタレン誘導体(例えば、ダンシルおよびポロダン誘導体);クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体(例えば、ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾールまたはベンゾオキサジアゾール);アントラセン誘導体(例えば、DRAQ5、DRAQ7およびCyTRAKオレンジを含むアントラキノン);カスケードブルーなどのピレン誘導体;オキサジン誘導体(例えば、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170);アクリジン誘導体(例えば、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー);アリールメチン誘導体:アウラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン;およびテトラピロール誘導体(例えば、ポルフィン、フタロシアニンまたはビリルビン)が含まれる。他の例示的なM部分には、シアニン色素、キサンテート色素(例えば、Hex、Vic、Nedd、JoeまたはTet);ヤキマイエロー;レッドモンドレッド;タムラ;テキサスレッドおよびalexa fluor(登録商標)色素が含まれる。
上述のいずれかのさらに他の実施形態では、Mは、3つ以上のアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せ、例えば、4つ以上のアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せ、あるいは5つ以上のアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せさえも含む。一部の実施形態では、Mは、6つのアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せを含む。さらなる実施形態では、環は縮合している。例えば、一部の実施形態では、Mは、3つ以上の縮合環、4つ以上の縮合環、5つ以上の縮合環、または6つ以上の縮合環さえも含む。
一部の実施形態では、Mは、環式である。例えば、一部の実施形態では、Mは、炭素環式である。他の実施形態では、Mは、複素環式である。上述のさらに他の実施形態では、Mは、出現毎に独立して、アリール部分を含む。これらの実施形態の一部では、アリール部分は、多環式である。他のより具体的な例では、アリール部分は、縮合多環式アリール部分であり、例えば、この縮合多環式アリール部分は、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または4つを超えることさえあるアリール環を含んでもよい。
上述の構造(II)の化合物のいずれかの他の実施形態では、Mは、出現毎に独立して、少なくとも1個のヘテロ原子を含む。例えば、一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素または硫黄である。
上述のいずれかのさらにより多くの実施形態では、Mは、出現毎に独立して、少なくとも1つの置換基を含む。例えば、一部の実施形態では、置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、アリール、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、カルボキシ、スルホネート、アミドまたはホルミル基である。
上述の一部のさらにより具体的な実施形態では、Mは、出現毎に独立して、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル−ジメチル−BODIPY、his−フルオロフェニル−BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン(フルオロフェニル−ジメチル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、(ビス−フルオロフェニル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ−ベンゾチアゾール、ター−ベンゾチアゾール、ビ−ナフチル、ビ−アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10−エチニルアントラセンまたはター−ナフチル部分である。他の実施形態では、M1は、出現毎に独立して、p−ターフェニル、ペリレン、アゾベンゼン、フェナジン、フェナントロリン、アクリジン、チオキサントレン、クリセン、ルブレン、コロネン、シアニン、ペリレンイミドもしくはペリレンアミド、またはそれらの誘導体である。さらにより多くの実施形態では、Mは、出現毎に独立して、クマリン色素、レゾルフィン色素、ジピロメテンボロンジフルオリド色素、ルテニウムビピリジル色素、エネルギー移動色素、チアゾールオレンジ色素、ポリメチンまたはN−アリール−1,8−ナフタルイミド色素である。
上述のいずれかのさらにより多くの実施形態では、Mは、出現毎に、同じである。他の実施形態では、Mはそれぞれ、異なる。さらにより多くの実施形態では、1つまたは複数のMは同じであり、1つまたは複数のMは異なる。
一部の実施形態では、Mは、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミドもしくは6−FAM、またはそれらの誘導体である。一部の他の実施形態では、M1は、以下の構造:
Figure 2021520423
のうちの1つを有する。
一部の他の実施形態では、M1は、以下の構造:
Figure 2021520423
を有する。
一部の具体的な実施形態では、本化合物は、表3から選択される化合物である:
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
Figure 2021520423
表3において使用される通り、および本出願の全体を通じて、F、EおよびYは、それぞれ、フルオレセイン、ペリレンおよびピレン部分を指し、以下の構造:
Figure 2021520423
を有する。
現在開示されている色素化合物は、「調節可能」であり、これは、当業者は、上述の化合物のいずれかにおける可変因子を適切に選択することにより、所望のおよび/または所定のモル蛍光光度(モル輝度)を有する化合物に到達することができることを意味する。本化合物の「調節可能性」により、使用者は、特定のアッセイにおいて使用するためまたは特定の目的分析対象を特定するための所望の蛍光および/または色を有する化合物に容易に到達することが可能となる。すべての可変因子は、本化合物のモル蛍光光度に影響を及ぼし得るが、M、m、nおよびL4の適切な選択は、本化合物のモル蛍光光度において重要な役割を果たすと考えられる。したがって、一実施形態では、所望のモル蛍光光度を有する化合物を得るための方法であって、既知の蛍光光度を有するM部分を選択するステップ、Mを含む構造(II)の化合物を調製するステップ、および所望のモル蛍光光度に到達するためのm、nおよびL4に関する適切な可変因子を選択するステップを含む方法が提供される。
モル蛍光光度は、ある種の実施形態では、親フルオロフォア(例えば、モノマー)の蛍光発光に比べた、増加倍率または低下倍率に関して表現することができる。一部の実施形態では、本化合物のモル蛍光光度は、親フルオロフォアに比べて、1.1x、1.5x、2x、3x、4x、5x、6x、7x、8x、9x、10xまたはさらに高い。様々な実施形態は、m、nおよびL4の適切な選択によって、親フルオロフォアに比べて、所望の増加倍率の蛍光光度を有する化合物を調製することを含む。
例示を容易にするため、リン部分(例えば、ホスフェートなど)を含む様々な化合物は、陰イオン性状態(例えば、−OPO(OH)O-、−OPO3 2-)で図示されている。当業者は、電荷は、pHに依存し、非電荷(例えば、プロトン化されているか、またはナトリウムもしくは他の陽イオンなどの塩)形態も、本発明の範囲内に含まれることを容易に理解するであろう。
上で説明されている構造(II)の化合物の任意の実施形態、および上で説明されている構造(II)の化合物中の可変因子R1、R2、R3、R4、R5、L1、L2、L3、L4、M、mおよびnに関して本明細書において説明されている任意の特定の選択肢は、他の実施形態、および/または構造(II)の化合物の可変因子と独立して組み合わされて、上で具体的に説明されていない本発明の実施形態を形成してもよいことが理解される。さらに、選択肢のリストが、特定の実施形態および/または特許請求の範囲における任意の特定の可変因子R1、R2、R3、R4、R5、L1、L2、L3、L4、M、mおよびnに関して一覧表示されている場合、個々の選択肢はそれぞれ、特定の実施形態および/または特許請求の範囲から削除され得ること、ならびに選択肢の残りのリストは、本発明の範囲内にあると見なされることが理解される。
本記載では、図示されている式の置換基および/または可変因子の組合せは、このような寄与が安定な化合物をもたらす場合にのみ、許容可能となることが理解される。
本明細書に記載されている方法では、中間化合物の官能基が好適な保護基によって保護される必要があり得ることも当業者により理解されよう。このような官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が含まれる。ヒドロキシに好適な保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが含まれる。アミノ、アミジノおよびグアニジノに好適な保護基には、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。メルカプトに好適な保護基には、−C(O)−R”(式中、R”は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、p−メトキシベンジル、トリチルなどが含まれる。カルボン酸に好適な保護基は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルを含む。保護基は、当業者に公知であり、本明細書に記載されている、標準技法に準拠して、付加または除去することができる。保護基の使用は、Green, T.W. and P.G.M. Wutz, Protective Groups in Organic Synthesis (1999), 3rd Ed., Wileyに詳述されている。当業者が理解している通り、これらの保護基は、Wang樹脂、Rink樹脂または塩化2−クロロトリチル樹脂などのポリマー樹脂であってもよい。
さらに、遊離塩基または酸形態で存在する本発明の化合物はすべて、当業者に公知の方法によって、適切な無機または有機の塩基または酸による処理によってその塩に変換することができる。本発明の化合物の塩は、標準技法によってその遊離塩基または酸形態に変換することができる。
以下の反応スキームは、本発明の化合物を作製する例示的な方法を例示している。当業者は、類似の方法により、または当業者に公知の他の方法を組み合わせることにより、これらの化合物を作製することが可能であり得ることが理解される。当業者は、適切な出発構成成分を使用し、必要に応じて合成のパラメーターを修正することにより、以下に具体的に例示されていない構造(II)の他の化合物を、以下に記載されている類似の方法で、作製することが可能であることも理解される。一般に、出発構成成分は、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCIおよびFluorochem USAなどの供給元から得ることができるか、または当業者に公知(例えば、Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 5th edition (Wiley, December 2000)を参照されたい)の情報源に従い合成することができるか、または本発明において記載されている通り調製することができる。
反応スキームI
Figure 2021520423
反応スキームIは、R1、L1、L2、L3およびMが、上で定義されている通りであり、R2およびR3が、上で定義されている通りであるか、またはそれらの保護変形体である、構造(II)の化合物の調製に有用な中間体を調製する例示的な方法を例示している。反応スキーム1を参照すると、構造aの化合物は購入することができるか、または当業者に周知の方法により調製することができる。当分野で公知のSuzukiカップリング条件下でのxがブロモなどのハロゲンであるM−Xとの反応により、構造bの化合物をもたらす。構造bの化合物は、以下に記載されている、構造(II)の化合物の調製に使用することができる。
反応スキームII
Figure 2021520423
反応スキームIIは、構造(II)の化合物の調製に有用な中間体の化合物の調製の代替法を例示している。R1、L1、L2、L3およびMが、上で定義されている通りであり、R2およびR3が、上で定義されている通りであるか、またはそれらの保護変形体である、反応スキームIIを参照すると、購入することができるか、または周知技法によって調製することができる構造cの化合物を、M−Zと反応させると、構造dの化合物が生成する。ここで、YおよびZは、相補性反応性を有する官能基(すなわち、反応して共有結合を形成する官能基)を表す。Zは、Mへのペンダント基、またはMの構造上の主鎖、例えば環式無水物の一部となり得る。Yはアミノなどの任意の数の官能基であってもよい。
ある種の実施形態では、構造Iの化合物は、2〜100の繰り返し単位を含むオリゴマーである。このようなオリゴマーは、周知の自動化DNA合成法と類似の方法を使用して調製することができる。DNA合成法は、当分野において周知である。手短に述べると、2つのアルコール基、例えば上の中間体bまたはd中のR2およびR3は、それぞれ、ジメトキシトリチル(DMT)基および2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノホスホロアミダイト基により官能基化されている。ホスホロアミダイト基は、通常、テトラゾールなどの活性化剤の存在下で、アルコール基とカップリングさせて、次いで、ヨウ素によりリン原子を酸化する。ジメトキシトリチル基を酸(例えば、クロロ酢酸)により除去することができ、遊離アルコールを露出させ、これをホスホロアミダイト基と反応させることができる。2−シアノエチル基は、アンモニア水による処理によってオリゴマー化した後に除去され得る。
オリゴマー化法に使用されるホスホロアミダイトの調製もまた、当分野で周知である。例えば、一級アルコール(例えば、R3)は、DMT−Clとの反応によってDMT基として保護され得る。次に、二級アルコール(例えば、R2)を、2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトなどの適切な試薬との反応によって、ホスホロアミダイトとして官能基化する。ホスホロアミダイトの調製およびそれらのオリゴマー化の方法は、当分野で周知であり、実施例中にさらに詳細に記載する。
中間体bまたはdのオリゴマーは、上記の周知のホスホロアミダイト化学反応に従って調製する。所望の数のm個の繰り返し単位は、ホスホロアミダイトカップリングを、適切な中間体、例えば以下の構造:
Figure 2021520423
を有する中間体と所望の回数、繰り返すことによって分子に組み込まれる。
実施形態では、表4に列挙されている色素化合物は、本開示の組成物および/または方法に使用されてもよい。表4に列挙されている色素化合物は、当分野で公知の手順に準拠して調製した(例えば、合成法に関する教示に関して、参照により本明細書に組み込まれている、WO2016/183185を参照されたい)。UVおよび蛍光特性は、2nMおよびpH9で求めた。
Figure 2021520423
Figure 2021520423
実施形態では、表5に列挙されている色素化合物は、本開示の組成物および/または方法に使用することができる。表5に列挙されている色素化合物は、当分野で公知の手順に準拠して調製した(例えば、合成法に関する教示に関して、参照により本明細書に組み込まれている、WO2016/183185を参照されたい)。
Figure 2021520423
Figure 2021520423
εtおよびFは、上で定義されている通りであり、「Cリンカー」は、以下の構造:
Figure 2021520423
「Cリンカー」
を有する。
実施形態では、表6に列挙されている色素化合物は、本開示の組成物および/または方法に使用することができる。表6に列挙されている色素化合物は、当分野で公知の手順に準拠して調製した(例えば、合成法に関する教示に関して、参照により本明細書に組み込まれている、WO2016/183185を参照されたい)。UVおよび蛍光特性は、2nMおよびpH9で求めた。
Figure 2021520423
実施形態では、表7に列挙されている色素化合物は、本開示の組成物および/または方法に使用することができる。表7に列挙されている色素化合物は、当分野で公知の手順に準拠して調製した(例えば、合成法に関する教示に関して、参照により本明細書に組み込まれている、WO2016/183185を参照されたい)。UVおよび蛍光特性は、25nMおよびpH9で求めた。
Figure 2021520423
実施形態では、表8に列挙されている色素化合物は、本開示の組成物および/または方法に使用することができる。表8に列挙されている色素化合物は、当分野で公知の手順に準拠して調製した(例えば、合成法に関する教示に関して、参照により本明細書に組み込まれている、WO2016/183185を参照されたい)。UVおよび蛍光特性は、10nMおよびpH9で求めた。
Figure 2021520423
Figure 2021520423
実施形態では、表9に列挙されている色素化合物は、本開示の組成物および/または方法に使用することができる。表9に列挙されている色素化合物は、当分野で公知の手順に準拠して調製した(例えば、合成法に関する教示に関して、参照により本明細書に組み込まれている、WO2016/183185を参照されたい)。UVおよび蛍光特性は、50nMおよびpH9で求めた。
Figure 2021520423

以下の実施例は、限定ではなく、例示目的に提示される。
一般方法
質量スペクトル分析は、MassLynx 4.1アクイジションソフトウェアを使用する、Waters/Micromass QuattroマイクロMS/MSシステム(MSモードのみ)で行った。色素に関してLC/MSに使用した移動相は、100mMの1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)、8.6mMのトリエチルアミン(TEA)、pH8とした。ホスホロアミダイトおよび前駆体分子も、アセトニトリル/水の移動相のグラジエントを使用し、45℃に保持した2.1mmx50mm Acquity BEH−C18カラムを備えるWaters Acquity UHPLCシステムを使用して分析した。モノマー中間体の分子量は、Waters/Micromass QuattroマイクロMS/MSシステム(MSモードのみ)で、トロピリウム陽イオン注入増強イオン化を使用して得た。励起および発光プロファイル実験を、Cary Eclipseスペクトル光度計で記録した。
反応はすべて、特に明記しない限り、窒素雰囲気下、オーブン乾燥したガラス器具中で行った。市販のDNA合成試薬をGlen Research(Sterling、VA)から購入した。無水ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、酢酸、ピリジンおよびTHFは、Aldrichから購入した。他の化学品はすべて、AldrichまたはTCIから購入し、さらに精製することなくそのまま使用した。
(実施例1)
エチレングリコールスペーサーを有する色素の合成
エチレンオキシドリンカーを有する化合物は、以下の通り調製した:
オリゴフルオロシド構築物(すなわち、構造(I)の化合物)は、1μmolのスケールで、Applied Biosystems394 DNA/RNA合成装置で合成し、3’−ホスフェート基または3’−S2−(CH26−OH基または本明細書に記載されている他の基のいずれかを有した。合成は、標準ホスホロアミダイト(phopshoporamadite)化学を使用して、CPGビーズまたはポリスチレン固体支持体上で直接行った。オリゴフルオロシドは、標準固相DNA法を使用して、3’から5’の方向に合成し、カップリングは、標準β−シアノエチルホスホロアミダイト化学反応を使用した。フルオロシドホスホロアミダイトおよびスペーサー(例えば、ヘキサエチルオキシ−グリコールホスホロアミダイト、トリエチルオキシ−グリコールホスホロアミダイト、ポリエチレングリコールホスホロアミダイト)およびリンカー(例えば、5’−アミノ−改変体ホスホロアミダイトおよびチオール−改変体S2ホスホロアミダイト)をアセトニトリルに溶解して、0.1M溶液にし、以下の合成サイクルを使用する連続的な順序で加えた。1)ジクロロメタン中、5’−ジメトキシトリチル保護基をジクロロ酢酸で除去する、2)アセトニトリル中、次のホスホロアミダイトを活性剤試薬でカップリングする、3)P(III)をヨウ素/ピリジン/水で酸化して、安定なP(v)を形成させる、および4)未反応5’−ヒドロキシル基のいずれも無水酢酸/1−メチルイミダゾール(1−methylimidizole)/アセトニトリルによりキャップする。完全長オリゴフルオロシド構築物が組み立てられるまで、この合成サイクルを繰り返した。鎖の組み立ての終わりに、モノメトキシトリチル(MMT)基またはジメトキシトリチル(DMT)基を、ジクロロメタン中、ジクロロ酢酸で除去した。
化合物を、ラベルを付けたエッペンドルフ管中、0.2umolのスケールで、細孔制御ガラス(CPG)支持体表面に供した。20〜30%のNH4OH 400μLを加え、穏やかに混合した。開放した管を55℃で約5分間、または過剰のガスが放出するまで置き、次に、しっかりと密閉して、2時間(+/−15分間)、インキュベートした。管を加熱ブロックから取り出し、室温に到達させ、次いで13,400RPMで30秒間、遠心分離し、上清および固体を固めた。上清を注意深く取り除き、ラベルを付けた管に入れて、次に、150μLのアセトニトリルを加えて、支持体を洗浄した。洗浄液を管に加えた後、乾燥するまで、40℃のCentriVap装置に入れた。
生成物は、ESI−MS(表2を参照されたい)、UV−吸光度および蛍光分光法によって特徴付けを行った。
(実施例2)
化合物のスペクトル試験
乾燥化合物を、150μLの0.1M Na2CO3緩衝液中で復元し、約1mMの保存溶液を作製した。濃保存溶液を0.1xPBS中で50×に希釈し、NanoDrop UV分光計で分析して、吸光度の読取り値を得た。吸光度の読取り値を、吸光係数(各FAM単位に関して75,000M-1cm-1)およびBeerの法則と共に使用して、この保存溶液の実際の濃度を求めた。
計算した保存溶液の濃度から、約4mLの5μM溶液を0.1M Na2CO3(pH9)中で作製し、Cary60 UV分光計で、1×1cmの石英キュベット中、300nm〜700nmのスペクトル範囲を使用して分析し、この基に対する全体の吸光度を測定した。Cary Eclipse蛍光光度計でのスペクトル分析のために、これらの5μM溶液から、第2の希釈液を50nMまたは25nM(やはり、0.1M Na2CO3中、pH9)のどちらかで作製した。励起を494nmに設定し、発光スペクトルを499〜700nmで収集した。
図1および図2は、代表的な構造(I)の化合物および比較化合物(「化合物A」)のUV吸光度を提示している。図1および2において観察される通り、2つのフルオロセイン部分を含む代表的な構造(I)の化合物のUV吸光係数は、化合物AのUV吸光係数の約2倍である。
Figure 2021520423
化合物A
代表的な構造(I)の化合物の蛍光発光スペクトルもまた決定し、化合物Aの発光スペクトルと比較した。図3および4のデータによって実証される通り、代表的な構造(I)の化合物の蛍光発光は、化合物Aよりも大きく、発光は、トリエチレングリコールまたはヘキサエチレングリコール単位数が増加するにつれて増大する。理論に拘泥することを望むものではないが、蛍光発光のこのような予期せぬ増大は、L4により設けられる空間距離に関連する内部消光の低減に関連していると考えられる。
化合物のUV吸光度および蛍光発光に及ぼすM部分の数の影響を求めるために、化合物I−10およびI−11を試験した。図5は、5μmにおいて、化合物I−10およびI−11のUV吸光度を、単一M部分を有する比較化合物(「化合物B」)と比較したデータを提示している。5uMでは、単一FAM単位を含有する化合物Bは、0.43AUで吸収した一方、化合物I−10(3つのFAM単位)は、1.17AUで吸収し、化合物I−11(5つのFAM単位)は、2.00AUで吸収した。
Figure 2021520423
化合物B
25nMにおける、化合物I−10、I−11およびBの蛍光発光スペクトルが、図6に示されている。化合物I−10およびI−11は、消光(空間がより密なFAM単位であれば起こる)よりもむしろ、化合物Bの値と比べて、それぞれ、2.5xおよび4.3x大きな発光応答を示した。
(実施例3)
比較蛍光発光応答
化合物「HEG」、「TEG」、「C2」、「C3」、「C4」および「C6」(R2およびR3は、化合物I−3に関して定義されている通りであり、mは、1〜9と様々である)を調製し、それらの蛍光発光スペクトルを求めた。結果が図7に示されている。データは、本発明の実施形態による化合物(すなわち、HEGおよびTEG)が、他の色素化合物に比べて、より少ない繰り返しスペーサー部分(すなわち、mがより低い値である)で蛍光発光を増大させたことを示す。
図8は、mが1、2または3である「HEG」化合物の蛍光発光を、化合物A(50nM、pH=9)と比較したデータを提示している。このデータは、mが2より大きい場合、化合物Aに比べて、HEGの蛍光発光が増大していることを示している。
Figure 2021520423
(実施例4)
代表的な化合物の調製
化合物I−29、I−32および代表的な類似体を調製し、L4が長いリンカー(約1,000ダルトンのPEG)である化合物が、より短いL4リンカーを有するが、複数の繰り返し部(すなわち、mが1より大きい)を有する化合物と類似した特性を有するかどうかを判定するために試験した。図9は、化合物I−60、化合物I−46および化合物BのUV吸光度データを提示している。このデータは、長いL4リンカーを有する化合物は、より短いリンカーの複数の繰り返し部を有する化合物のUV吸光度と類似したUV吸光度を有すること、およびどちらの化合物も、対照化合物Bに比べて、吸光度が向上していることを示している。
(実施例5)
99量体色素の調製
33個のフルオレセイン部分を有する化合物I−42は、本明細書に記載されている標準固相オリゴヌクレオチド技法を使用して調製した。I−42(以下のスキーム中では、「A」によって表されている)は、以下に例示および記載されている通りに三量体化し、99量体色素を形成した。
Figure 2021520423
200μLポリプロピレン製管中に、リン酸ナトリウム緩衝液(3.5μL、100mM、pH=6.5)およびI−42ビス−ジスルフィド(5.5μL、水中0.18mM)の溶液を入れた。ここに、溶液トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、1.0μL、水中10mM)を加えた。この管に栓をして、ボルテックスし、室温で2時間、インキュベートした。この混合物をマイクロZeba Spin脱塩カラム(Pierce、カタログ番号89877)に通して脱塩した。この脱塩溶液をリン酸ナトリウム緩衝液(2.0μL、500mM、pH=7.2)およびビスマレイミドエタンのDMSO溶液(BMOE、1.0μL、0.25mM)で処理し、室温で一晩、インキュベートした。この反応混合物を水(100μL)により希釈し、PAGE(図10、Invitrogen EC6875、10%TBE−ウレアゲル、180Vで一定、電気泳動は、最高のMW化学種の分離が完了すると停止した。UV照射(365nm)によって可視化した)によって分析した。
任意の所望の数の色素部分を有する他のオリゴマー色素を類似の方法で調製する。
(実施例6)
一般的なフローサイトメトリー法
特に明記されていない限り、以下の一般手順を以下の実施例に使用した。
全血の溶解:
緩衝化塩化アンモニウム法。生細胞の染色に関しては、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)で抗凝固した正常ヒト血液を、35mLの溶解液に対して15mLの血液で、塩化アンモニウム溶液(ACK)に、室温(RT)で15分間、バルク溶解する。この細胞を、50%のハンクス緩衝塩溶液(HBSS)、および0.02%のアジ化ナトリウムを含む50%の1%ウシ胎児血清(FBS)1xダルベッコのリン酸緩衝液生理食塩水(DPBS)で2回、洗浄した。次に、この細胞をドナー血漿中、100μL/試験品/0.1〜1x10e6に再懸濁させた。ポリプロピレン製96ウェルHTSプレートにおいて、100μLのVfの1%ウシ血清アルブミン(BSA)、および0.02%アジ化ナトリウムを含む1×DPBSの事前希釈抗体に血漿中の細胞を加えた。室温で45分間、インキュベートした後、50%のHBSS、および0.02%アジ化ナトリウムを含む50%の1%FBS 1xDPBSで2回、洗浄した。
溶解/固定法。血液を、35mLの溶解液に対して100〜15mLの血液で、1.0mLのRBC溶解溶液(塩化アンモニウム)に室温で15分間、溶解した。次に、50%のHBSS、および0.02%アジ化ナトリウムを含む50%の1%FBS 1xDPBSで2回、洗浄した。次に、細胞をドナー血漿中、100μL/試験品/1x10e6に再懸濁させた。事前希釈抗体を、100μLの1% BSAおよび0.02%アジ化ナトリウムを含む1xDPBSに加えた。100μLの細胞をポリプロピレン製96ウェルHTSプレートに加えた(全量が200μLの試験サイズ)。室温で45分間のインキュベート後、50% HBSS、および0.02%アジ化ナトリウムを含む50%の1%FBS 1xDPBSで2回、洗浄した。
抗体コンジュゲートの調製:
抗体コンジュゲートは、以下の構造を有するQ部分を含む構造(I)の化合物:
Figure 2021520423
を所望の抗体と反応させることにより調製した。こうして、本化合物および抗体を、Q部分を有する抗体上のSの反応によってコンジュゲートし、以下の連結構造:
Figure 2021520423
を形成させた。
抗体コンジュゲートは、抗体名の後に化合物番号を付けて表示する。例えば、UCHT1−I−45は、化合物I−45とUCHT1抗体との間で形成されたコンジュゲートを示す。参照する化合物番号が、表2中の上のQ部分を含まない場合、Q部分が導入され、コンジュゲートは、Q部分を有する生じた化合物から調製したと理解される。
コンジュゲートの希釈
抗体を室温にした。細胞染色用緩衝液(1X DPBS、1%BSA、0.02%アジ化ナトリウム)中、抗体コンジュゲートを0.1〜540nM(試験あたり8.0マイクログラム以下)の範囲の濃度に希釈した。いくつかの実施例において、各試料の段階希釈を細胞染色用緩衝液中、269nMの抗体で開始し、使用するまで抗体希釈液を光から保護して維持した。他の実験では、希釈は、4.0μgの抗体/試験のサイズで開始し、試験サイズは、100〜200μLの範囲とした。滴定は、2倍または4倍希釈液で行い、結合曲線を生成した。一部の場合、8.0または2.0μg/試験のサイズを希釈シリーズにおける第1のウェルに使用した。
コンジュゲートを用いるフローサイトメトリー:
物理的特徴付けの後に、コンジュゲートの活性および機能(抗体結合親和性および色素の輝度)を試験し、参照抗体染色と比較した。次に、解像度の質は、自動蛍光ネガティブ対照と比較した輝度、およびフローサイトメーターを使用する他の非特異的結合を吟味することによって決定した。以前の試験において、UCHT1−化合物CおよびUCHT1−I−45の試験中にMOPC−21非特異的結合を特徴付けしたので、I−45を試験する際、マウスIgG1、kアイソタイプ対照MOPC−21コンジュゲートの広範囲にわたる検討は含めなかった。ヤギ−抗マウスIgでコーティングしたポリスチレン製ビーズを使用して、Jurkat T細胞、Ramos B細胞、およびヒト血液または末梢血単核細胞(PBMC)中の白血球の不均質集団に関して、I−45コンジュゲートを試験した。全血スクリーニングは、UCHT1 I−45およびその類似体を試験する最も常套的な方法とした。新規構築物が形成されたので、橋渡し検討を実施した。コンジュゲート(UCHT1−I−56、I−48、I−49、I−16およびI−21B)を試験する場合、追加のフローサイトメトリー法を使用し、大部分の検討において、Sony Biotechnologyに由来する参照抗体コンジュゲート(UCHT1−FITC)および以前に特徴付けた重要な橋渡し参照物(例えば、UCHT1−I−45、UCHT1−I−49)と比較した。
Figure 2021520423
化合物C
遊離色素フローサイトメトリーの実施:
分子および物理的特徴付けの後に、参照色素の染色と比べた、これらの色素の細胞への潜在的な親和性についても試験した。色素は、細胞プローブとしても機能し、細胞物質に結合する可能性を有するので、色素は、一般に、高濃度(>100nM対10,000nM)で血液に対してスクリーニングし、特定の特徴を確認することができる。次に、予期されるまたは予期されない標的外結合を、自己蛍光ネガティブ対照および他の色素対照との比較において、フローサイトメーターを使用して、希釈時の輝度および線形性を評価することにより定量した。化合物Dの検討(化合物Cの遊離色素であるが官能基化されていない)は、色素の高輝度な標的外結合に関するポジティブ対照とし、コンジュゲート形態の場合、以前に特徴付けた。細胞を溶解溶液および固定溶液で処理した場合、ならびに血液を熟成した場合、またはPBMC単球集団に適用した場合の、ヒト血液中での不均質な白血球集団についてI−45色素を試験した。化合物Dを特徴付ける場合、非常に初期の検討からの色素を含ませると同時に、色素のロット比較を行うため、親和性を順位付ける(化合物D、I−45、I−49およびI−16)橋渡し検討を行った。
Figure 2021520423
化合物D
フローサイトメトリーの作業流れ
細胞を培養し、色素のスクリーニングまたは標的外結合に関する代謝負荷の目視による兆候について観察するか(データは示さず)、または新しい健常な細胞をコンジュゲートのスクリーニングに使用した。細胞を定期的に計数し、細胞密度(1x10e5および1x10e6生存細胞/mL)を確認した。抗体コンジュゲートを希釈(好ましくは、プレートまたは管中で)した後、染色用緩衝液(DPBS、0.1%BSA、0.02%アジ化ナトリウム)中に細胞を採取した。80〜85%の生存率範囲を有する細胞を使用した。遠心分離および緩衝液を用いる細胞の洗浄によって細胞を2回、洗浄し、pH指示薬を除去し、Ig、およびFBSに含まれている他のタンパク質を有する細胞をブロッキングした。細胞密度を染色用緩衝液中で試験サイズに調節した。細胞をプレート培養(ウェルあたり1回の試験)するか、または色素(事前希釈済み)をプレート中の細胞に適用した。次に、これらの細胞を23℃で45分間、インキュベートした。これらの細胞を遠心分離し、洗浄用緩衝液で洗浄することによって細胞を2回、洗浄し、次に、プレートを吸引した。細胞を取得用緩衝液中に再懸濁した。5000個の無傷細胞がフローサイトメトリーによって得られた。
これらの色素の蛍光は、525/50バンドパスフィルターを使用して検出した、ピーク発光(521nM)でのフローサイトメトリーによって、488nMの青色レーザー線によって検出した。3000〜5000個の無傷細胞の取得を目標に、少なくとも1500個の無傷細胞をフローサイトメトリーによって取得して分析し、細胞調製物中に存在する生存細胞を特定した。
データ解析法:
記述統計学。EC−800ソフトウェアにより、使用者は、各試料の取得に関する多数の統計学的データを収集することが可能となる。フローサイトメトリーによって求めた場合、およびノイズを検討する場合、FL1−Aチャネルにおける蛍光強度の平均または中央値(MFI)を使用して、抗体−色素試薬の輝度を測定した。他の統計学は、シグナル中央値対ノイズおよび絶対蛍光(中央値または幾何平均)を含めた、色素の特徴および総合的な試薬の質を判定するために評価された。
ヒストグラム。フローサイトメトリー事象は、前方対側方散乱(細胞体積対細胞粒度)に関するサイズによってゲート制御した。次に、それらの細胞の平均蛍光強度(MFI)に関して、515nmでの蛍光発光によってゲート制御した。収集したデータをy軸対蛍光強度に対する事象の数としてプロットしたデュアルパラメーターヒストグラムとして表し、これを、x軸に対する対数スケールで表す。データは、親和性曲線または相対蛍光強度のヒストグラムによってまとめることができる。
結合曲線。MFIは、FCMによって求めた場合、抗体−色素試薬の輝度を最良に測定するパラメーターとなるので、これを選択し、これは、幾何平均、中央値または平均値として表すことができ、絶対蛍光測定値となる。比較のため、ノイズが非常に特徴的となる場合、シグナル対ノイズ比をMFI、S/Nとして報告する。
二変量デュアルパラメーターヒストグラム。一部の場合、定性的な出力を検討するため、FCM事象をゲート制御せず、データを細胞粒度(SSC)対色素蛍光によって表す。この方法により、全血中で回収された集団のすべての総合的な評価が可能となる。
(実施例7)
固定したPMBCをMgCl2グラジエント中、UCHT1−I−16を用いて染色し、顕微鏡法によって画像化した。
PBMCを2%p.fで固定し、2回、1×PBSにより洗浄し遠心分離した。次に、これらの細胞を透過/ブロッキング用緩衝液と共にインキュベートした。次に、これらの細胞を、mAb、DAPIおよびBiolegend CD14抗体を含む1%BSA 1XDPBSと1時間、インキュベートして、単球を共染色した。UCHT1は、表面と細胞内CD3の両方を標識し、固定したタンパク質のNSBを伴うことが予想される。黒色96フラットウェルプレートにおいて、UCHT1−色素−抗体を、MgCl2グラジエント(0〜1000mM)でインキュベートする。抗体−MgCl2混合物に細胞を加え、1時間、インキュベートする。次に、細胞を1xPBS(二価の陽イオンを含まない)で2回、洗浄する。10ulのProlong Gold DAPIを加え、5分間、インキュベートした。次に、細胞を1xPBSで2×、洗浄した。次に、細胞を、1xPBS中、クリア96フラットウェルプレートにプレート培養し、10×の対物レンズ(100×の全拡大率)で画像化した。図13、14および15を参照されたい。類似の方法をJurkat T細胞にも使用した(図16)。
(実施例8)
WBCまたはPBMCをMgCl2グラジエント中、UCHT1−I−16を用いて染色し、顕微鏡法によって画像化した。
ウェル毎の、150,000〜200,000個のパラホルムアルデヒド固定(2〜8℃で1〜24時間、1xDPBS中、2%)して保管した(2〜8℃、<7日間)WBCまたはPBMCを、塩化マグネシウム(MgCl2)グラジエントで、UCHT1−I−16を用いて染色した。細胞を2000RPM(600RCF)で5分間、遠心分離し、1xDPBSで洗浄して、再度、遠心分離し、ブロッキング用緩衝液(1xDPBS+1%FBS+0.02%アジ化ナトリウム)中で再懸濁した。細胞を、室温で40分間、ブロッキング用緩衝液中でインキュベートした。
それとは別に、1.5mLのエッペンドルフ管中、MgCl2を1x PBS+1%FBSおよび0.02%アジ化ナトリウムに、所望の濃度(0、10、25、50、100、250、500または1000mM)まで希釈し、UCHT1−I−16(A4画分、ロットC0042 170105MFJ、1.39mg/mL、DOL3.07)を0.7μgまたは1.0μgで各希釈液に加えた。この混合溶液を暗所中、室温で40分間、インキュベートした。40分間のインキュベート後、細胞を遠心分離し、上清を除去した。次に、細胞をMgCl2溶液の各滴定液中で再懸濁させた。試料を、暗所中、室温で、45分間、インキュベートした。この細胞を600RCFで5分間、遠心分離し、800μLの1xDPBSにより2回、洗浄した。洗浄後、細胞を100μLの1xDPBSに再懸濁させて、画像化するため、96クリアフラットウェルプレートに入れた。画像は、合計で100×の拡大率で、10×の対物レンズを使用して、500msの曝露時間で、MetaMorph(商標)イメージングソフトウェアを使用して撮影した。Nikonフィルターキューブ96311 B−2E/Cをフルオレセインの検出に使用した。画像は、ImageJイメージングソフトウェア(NIHによる)を使用して解析した。画像はすべて、同じ方法で加工した。バックグラウンドの差し引きは、50ピクセルで使用した。画像は、8ビットの画像に変換し、閾値14を割り当てた。画像毎に細胞数および積分した強度を解析し、GraphPad(商標)を使用してヒストグラムをプロットした。明瞭にするため、PBMCデータだけを図面中に示しているが、WBC実験は、PBMC検討前に行い、類似の結果(データは示さず)となった。
(実施例9)
フローサイトメトリーによる特異的結合および蛍光解像度に関する、MgCl2溶液中の抗体の評価
MgCl2溶液(pH7.5)中のフローサイトメトリーによって、抗体の特異的結合および蛍光解像度を評価した。ATCCによって提供された指示書に従い、Jurkat細胞を培養し、生存しているものを採取した。細胞をMgCl2中で保管したコンジュゲート済み抗体に適用する場合、染色を行い、インキュベートし、洗浄して、フローサイトメトリーによって取得した。
MgCl2を、1xPBS中、15mLのポリプロピレン製管中で所望の濃度(0、10、25、50または100nM)まで希釈し、pHを測定して、pH7.5の一定に保持した。次に、90μLのMgCl2をポリプロピレン製96ウェルプレートの各ウェルに分配した。抗体を第1のウェルに加えることによって、抗体をMgCl2溶液であらかじめ処理し、MgCl2の個々の濃度で段階的に希釈し、使用前に、室温で40分間、保管した。UCHT1−I−51、UCHT1−I−56およびUCHT1−I−49抗体の画分を8.0μg/試験で一連の希釈を開始した(Cを100μLのVfに調節した)。T−25フラスコから細胞を採取し、次に、洗浄して、1%FBS洗浄用緩衝液中、室温で、2回、遠心分離(225RCF)し、タンパク質を含む細胞をブロッキングし、代謝阻害剤であるアジ化ナトリウムで処理した。上清は、遠心分離後に除去した。インキュベートするため、BSA染色用緩衝液中、細胞を1〜3x105細胞/10μL(試験)に再懸濁し、次に、MgCl2溶液(90μLの抗体および10μLの細胞の100μLのVf)に加え、ボルテックスし、暗所中、室温で40分間、インキュベートした。225RCFで5分間、この混合物を遠心分離して、1.6mLのBSA染色用緩衝液で2回、洗浄し、上清を除去した。細胞を洗浄して、800μLの1xDPBSと共に再度、遠心分離し、次に、0.1% BSAおよび0.02%アジ化ナトリウムを含有する400μLの1×DPBS中で再懸濁し、フローサイトメトリーによって取得した。データを取得して、SONY EC−800フローサイトメトリー分析器で評価し、記述的分析のためMicrosoft Excelにエクスポートした。I−51およびI−56の比較の結果を表17に示す。I−51、I−56およびI−16の比較結果を図18に示す。
(実施例10)
ホスホロアミダイトおよび化合物の調製
例示的な化合物は、標準固相オリゴヌクレオチド合成プロトコール、およびChemGenes(カタログ番号CLP−9780)から購入した、以下の構造:
Figure 2021520423
を有するフルオレセイン含有ホスホロアミダイトを使用して調製した。
例示的なリンカー(L4)を、やはり市販の以下の構造を有するホスホロアミダイト:
Figure 2021520423
とのカップリングによって化合物中に含めた。
他の例示的な化合物は、以下のスキーム:
Figure 2021520423
に従い調製したホスホロアミダイトを使用して調製した。
最終脱保護により、所望のF”部分が生じる。他の市販のホスホロアミダイト試薬を適宜使用して、本化合物の様々な部分を導入した。以下の構造を有するQ部分:
Figure 2021520423
は、
Figure 2021520423
と遊離スルフヒドリルとの反応によって導入した。他のQ部分は、当業者の知識に従う同様の方法で導入する。
(実施例11)
Jurkat細胞、新しい細胞、生細胞。MgCl2を含まないものとこれを含むUCHT1 I−16画分の比較、および同様にI−12Bと右側の他の参照との比較(図23を参照されたい)。抗体はすべて、同じ試験体を使用して、同じプレートで一緒に試験した。コンジュゲートの間に適用したMgCl2中のフローサイトメトリーによって、I−16の特異的結合および蛍光解像度を評価した。(1)マレイミド(水+0.1M MgCl2)コンジュゲートとの反応物を再懸濁させる際、(2)精製および溶出、ならびにPBS中、0.1 MgCl2中での保管の間の2段階で、コンジュゲートの間にUCHT1 I−16だけにMgCl2を適用した。細胞含有緩衝液へのMgCl2のいかなる追加的な適用も行わないで、抗体をBSA染色用緩衝液に希釈した。フロー法:Jurkat T細胞をアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)により提供された指示書に従い培養し、生細胞を採取した。手短に述べると、細胞をコンジュゲート済み抗体に適用する場合、染色を行い、インキュベートして洗浄し、次に、フローサイトメトリーによって取得した。抗体画分を、2.0μg/試験で一連の希釈を開始した(Cを100μLのVfに調節した)。T−25フラスコから細胞を採取し、洗浄して、1%FBS洗浄用緩衝液中、室温(RT)で、2回、遠心分離(225RCF)し、タンパク質を含む細胞をブロッキングし、代謝阻害剤であるアジ化ナトリウムで処理した。上清を遠心分離後に除去した。インキュベートするため、BSA染色用緩衝液中、細胞を1〜3x105細胞/100μL(試験)に再懸濁し、次に、抗体に加え、ボルテックスし、暗所中、室温で40分間、インキュベートした。225RCFで5分間、この混合物を遠心分離して、1.6mLのBSA染色用緩衝液で2回、洗浄し、上清を除去した。細胞を洗浄して、800μLの1xDPBSで再度、遠心分離し、次に、0.1%BSAおよび0.02%アジ化ナトリウムを含有する400μLの1×DPBS中で再懸濁して、フローサイトメトリーによって取得した。データを取得して、SONY EC−800フローサイトメトリー分析器で評価し、記述的分析のためMicrosoft Excelにエクスポートする。2.47のDOL、f/p25を有するUCHT1 I−16画分A5は、UCHT1 I−21B、画分A5、DOL3.0、f/p30に等しいか、またはそれより高輝度な蛍光を示した。コンジュゲートの間にMgCl2を添加すると、MgCl2が存在しない場合のUCHT1 I−16、画分A6、DOL4.18、f/p42に比べて、UCHT1 I−16が増大する。以前の実験において、UCHT1 I−16は、I−51とI−21Bのどちらよりも暗いが、ここで、MgCl2を抗体の精製に使用するとより高輝度になることが観察されたので、この知見は実用上、重要である。
(実施例12)
フローサイトメトリーによるI−16とBB515およびFITCとの比較
一般に、図19および20〜24は、標識化度(DOL)にいくらか差異のある、陽イオンの様々な構成を有するコンジュゲートの3種の構築の結果を示しており、次に、フローサイトメトリー(以前に記載)によって試験した。手短に述べると、I−16とI−21B、BB515およびFITCとの比較を行った。新しい血液または細胞の細胞外染色物を染色し、溶解し、洗浄して、次に、室温で45分間、インキュベートして、次に再度、洗浄した。
比較は、WBCにおける、ヒトCD3発現に関して標識した場合(既に記載した通りである)の、CD3+T細胞とJurkat T細胞(図23中のJurkat T細胞)に関するものである。UCHT1−I−16および/またはI−21AおよびI−57をUCHT1−BB515およびUCHT1−FITCと比較した。UCHT1−I−16は、UCHT1−BB515よりも1.7倍高輝度で、UCHT1 FITCよりも5.7倍高輝度なことが分かった。上に示した通り、MgCl2は、生成過程の異なるフェーズにおいて存在した(例えば、コンジュゲート、精製中の溶出、および/または保管、例C+E+S+のように略す)。図19を参照されたい。
図20Aおよび20Bは、UCHT1−I−16およびUCHT1−1−21AのC+E+S+とC+E−S−との比較を示している。図21は、コンジュゲートポジティブ対照参照物であるC+E+S+の第1の試験実施に比べて、C+E+S+、C+E−S−およびC+E−S−構成を使用するUCHT1−1−16の3つのコンジュゲートの実施を実証している。
図22は、シグナル対ノイズよりもむしろ、絶対蛍光値を決定するために適用した、フローサイトメトリーによる追加の実験手順を示す。較正曲線は、標識化したビーズの集団を使用して、可溶性フルオロフォア等量で滴定により求めた。ビーズは、フルオロフォアの個々の等価なレベルのチャネルを特定するため、フローサイトメトリーによるデータの取得と同じ条件で取得した。ビーズによって生成した標準曲線を評価するため、図21と同様の実験からのデータを、指数線形回帰を使用する計算によって再度、表した。この方法、すなわち3種の過程構成に対する可溶性フルオロフォア分子等量(MESF)の推定値を、3つのロットに関して求めることができた。次に、それぞれ、構成C+E+S+、C+E−S−、C+E−S−のUCHT1−I−16 UCHT1−1−16のロット(1番目、2番目、3番目)をBB515(1つのロット)およびFITC(2つのロット)と比較した。この方法によりFITCよりも8〜10倍高輝度な絶対輝度であること、およびBB515と同等であることが実証される。
図23は、ネガティブ対照I−51、I−21BおよびI−16として他(C−E−S−)の構成と比較したUCHT1−I−16(C+E+S+)、およびポジティブ対照である参照FICTを示している。C+E+S+構成は、30の目標f/pと比べた場合、この例では、理論的な蛍光レベルを超過する一方、C−E−S−構成は、理論が暗示するほど高輝度ではない。
図24は、コンジュゲートからの2つの画分を示す、3種の試験ロットA、BおよびCを示している。理論S/Nは、C+E−S−構成によって超過した。
全体として、構成中に陽イオンを含むそのようなコンジュゲートは、他のコンジュゲートよりもフローサイトメトリーによるとより高輝度であり、溶出および保管は、インキュベート中の標的指向性部分が高い濃度では、わずかな利点でしかないことが観察された。これは、コンジュゲートの構成間の線形回帰を使用する様々な解析法で決定されるが、データはここでは示していない。
(実施例13)
オリゴフルオロシド色素は、イオンセンサーとなること、およびマグネシウムとの共適用時に、フローサイトメトリーにより高い解像度となることが実証される。
バイオコンジュゲートに適用した代替反応の生産性を試験した。事前にマレイミドで活性化した凍結乾燥状態の色素からの復元の間に添加し、次に、バイオコンジュゲートを行うため、還元剤処理した抗体(TCEP)に適用した水および0.1M塩化マグネシウムにより、恐らく、電荷の遮蔽またはルイス酸の配位という同じ効果のため、抗体コンジュゲートが改善されると仮定した。同様に、恐らくは、遊離スルフヒドリル基との反応に入る前の、ポリホスフェート電荷遮蔽による改善もある。要約すると、コンジュゲート試験により、マグネシウムは、マレイミドコンジュゲート反応にさらに使用するため、およびその後のフローサイトメトリー(FCM)を使用する分析手順における染色に抗体コンジュゲートを適用するのに、超高輝度のフルオロフォアポリマーを修飾するのに好適であることが示される。
方法:実験は、3つの手法によって導いた:
1)最終的な標識上の色素(DOL)規格が5.0未満となるのを目標にすると同時に、UCHT1抗体コンジュゲートを10×色素に標識する過程に、マグネシウムを組み込む系を選択する。
2)細胞上のCD3抗原の染色法前およびその最中に、抗体に適用するマグネシウムを選択する。分析手順に対するイオンの干渉検討。
3)溶液中のコンジュゲートの蛍光発光を評価する。
上記は、色素の立体構造およびその後のアッセイの出力に影響を及ぼす抗体発色過程における3つの調査すべき点となる。この系の手法は、本コンジュゲート法が、1)色素が抗体と相互作用する方法を改変する、2)DOLの標的化を改善する(効率的な標識化)、および3)FCMによる蛍光解像度を改善する(シグナルおよび抗体親和性を改善する)ことを前提とするものである。
コンジュゲート方法:色素は、水+0.1M MgCl2に再懸濁し、次に、抗体と一緒にして、0℃で1時間、インキュベートする(最終MgCl2の濃度は、約25mM)。このコンジュゲートは、1×PBS緩衝液を使用する10x300nm Superdex200カラムで精製して溶出させる。画分をマイクロ遠心分離用バイアルに収集する。一部の画分をプールし、30k MWCO濃縮器を使用して濃縮する。マグネシウムでの溶出および保管を適用する場合、溶出用緩衝液は、0.1M MgCl2を含み、かつ/または保管用緩衝液を0.1MのCfのMgCl2でスパイクした。コンジュゲートの濃度は、Nano Drop2000を使用して求める。吸収値は、280nmおよび495nmで記録する。10x色素の場合、0.19の補正計数(OD280/0D495)、およびBeerの法則の原理を使用して、蛍光色素対タンパク質(f/p)比=(標識上の色素、DOL)を求めた。例えば、3のDOLは、30のf/pに等しい。
蛍光検討:生Jurkat T細胞、および/またはカリウム緩衝塩化アンモニウムに溶解した(ACK)全血細胞(WBC)、および他のWBCモデルを使用して、コンジュゲートが生成した後に、FCM中での蛍光解像度を確認した。細胞とインキュベートし、次に洗い流した、MgCl2を用いた検討を、アッセイへの二価の陽イオンの添加の即時効果をモニタリングするために適用した。図17および18を参照されたい。対照的に、二価の陽イオンの存在下および非存在下で、溶液中でのスペクトルの検討を行い(緩衝液中のみ)、吸収および発光スペクトルを出力した。図25Bおよび27Bを参照されたい。同様に、最終的な取得緩衝液の検討(FCMによる)を使用して、抗体が細胞に結合した際の読み取りの間に、イオンを含ませたまたは含ませなかった実用的結果を表した。図27Aおよび28を参照されたい。
コンジュゲート検討:一般に、3つのロットを異なる構成で連続して調製し、以前の物質を比較した。過程の改善は、本発明者らの標準マレイミドUCHT1(抗CD3)バイオコンジュゲートに、様々な点でMgCl2を組み込むことによって検討した。コンジュゲート系の等価性および橋渡し検討を連続工程で行い、以前に確立した本発明者らのコンジュゲート方法を使用するFCMによって解像度を最適化した。図21、20B、23、24および25Aを参照されたい。比較のため、マグネシウムを、異なるコンジュゲート系におけるコンジュゲート過程に適用した。試験した系は、(C+E+S+)、(C+E−S−)、(C+E−S+)、(Conjugation+Elution+Storage+として略語で表す)とした。f/p(標識上の色素)は、本発明者らの実験室において以前に確立した、TCEPおよび非MgCl2マレイミド反応のマレイミド化学量論に関するこれまでの観察に基づいた各系において、目標標識化度(Degree of Labeling:DOL)よりも高い2〜4当量の初期DOLから限界最終DOL<5.0までに目標を置いた。一部の実験では、他の連結長さ(4×、6×、10×)の色素を、1x I−16の対照の連結長さと並行して試験した。(データは示さず)。
3つの系のアウトプットのデータ解析は、標識上の色素の効率[コンジュゲート時の実測DOL/適用DOL]*100、蛍光強度(相対発光)(図25A)、FCMによるシグナル対ノイズ(S/N)(CD3+集団のシグナル中央値/ノイズCD3−集団の中央値)、系間のS/Nの回帰解析を使用して記載し、他の性能パラメーターを評価した(例えば、非特異的結合度)。
ビーズ標準品(Bangs Laboratories)にコンジュゲートしたFITCを使用するFCMチャネルの追加の定量を使用して、FCMによる、10x FAM UCHT1 I−16の可溶性蛍光色素分子等量(MESF)のアウトプットを測定した。図22を参照されたい。
結果:以前の検討により、FCM法の連続として、抗体および抗原のインキュベート、ならびに洗い流しの間に、MgCl2(0〜100mM)が存在すると、25〜100mMにおいて、特に高い抗体(色素)濃度において、シグナルの増強効果が観察されることが示された(図17および18)。コンジュゲートのすべての段階に、MgCl2を含む追加の予備検討:色素復元、コンジュゲート、溶出、保管[系(C+E+S+)としての記号化]により、MgCl2なしで以前に観察されたものよりも優れた性能となる超高輝度参照抗体が生成することを示した。
MgCl2は、予備検討において観察される通り、輝度に正の影響を及ぼすと推定し、したがって、本発明者らは、優れた試薬を生成することを期待して、低いDOL(すなわち、1〜3)[理論色素対タンパク質当量が4.5:1]を目標とすると同時に、追加のロット(C+E+S+)を調製し、過剰なコンジュゲートを回避して、抗体親和性の変化を制限した。再度、フローサイトメトリーによる明瞭なS/Nにより、約30のf/pの実用的な蛍光アウトプットがもたらされ、DOLは、1.4〜2.7(f/p14〜27)の範囲となった。S/Nは、f/p6.2を有するFITCと比較すると、理論値を超え、FITC対照よりも大きな4.8という理論輝度率(30/6.2)を超えた。
次に、中間イオン干渉検討を、I−16(C+E−S−)対(C+E−S+)を使用して行い、この過程における条件として溶出を潜在的に除外し、保管が重要であるかどうかを見た。本発明者らは、(C+E−S−)、(C+E+S+)、および元々の参照試験として使用した保管時のスパイクした配合物(C+E−S+)と比べると、(C+E−S−)は、予期した通り(高解像度に溶出は必要ではない)働いたことを実証した(図21)。この結果は、残留量のマグネシウムが、FCMのために保管物質を希釈する間に存在しても、細胞とのインキュベート時にシグナルに対して、ほとんど追加的な利益がないことを示している。これらの結果は、まとめると、少なくともMgCl2をコンジュゲート時に含めると、溶出および保管の余地を残し得ると同時に、性能に対する実用的な利益となり得ることを示した。
したがって、本発明者らは、7:1という理論色素対タンパク質当量を使用して、より単純な系(C+E−S−)にマグネシウムを含ませることによって、DOLを向上し得ると仮定した。そこで、最終的に高いDOL(3〜5)を目標とする構成(C+E−S−)を使用して追加のロットを作製し、保管効果(インキュベート中に存在する残留マグネシウム)を後に再確認するため、スパイクした保管用画分も確保した(C+E−S+)。一般に、UCHT1−I−16の場合に予期される通り、シグナルは保持された。以前の通り、保管およびインキュベートのシグナル増大も再確認されたが、系(C+E−S−〜C+E−S+)の総合的な同等性にはほとんど重要ではない。同じ実験における、UCHT1 I−16の第1および第2のロットの比較により、DOLが1〜3という低い試薬となることがやはり確認され、MgCl2を含ませると、UCHT1 BB515(BD Biosciences)のS/N結果の超過の手助けになり、両方の系の場合に、FITC対照に対して、理論f/pが30に近似した。
理論的な色素対タンパク質当量が4.5:1で、構成C+E−S−を使用して、第3のロットを生成した。このシステムは、第1のロット(最終DOL範囲は1〜3)のDOLに類似したDOLを目標とした。やはり、増大作用を有するUCHT1 I−16が観察された。実際に意味するところは、I−16色素コンジュゲートは、FCMによる解像度が、MgCl2の使用前の色素標識化効率の約2倍とより高くなるということである(平均絶対標識化効率は、MgCl2を含む3つの組のコンジュゲート(53%、58%、62%)に比べると、使用前=24%である)。
溶液での適用においてシミュレーションした下流において、pH7.4で、MgCl2(0〜1000mM)のCを含有するPBSを含む溶液中のコンジュゲートの吸収および発光スペクトルは、シグナルの増大よりもむしろ、イオン濃度依存的消光を示した。予測される通り、溶液中での発光データにより、コンジュゲートした色素をあらかじめ定量したDOL(Nano Dropによって求めた)によって順位付けすることができるが、添加物EDTA<MgCl2<CaCl2による順位で溶液中で消光され、各構築物および構成に特有の方法でポリ陽イオンブロッカーによって影響を受けることが示された。データは示されていない。この観察は、マグネシウムを含む、またはマグネシウムを含まない様々な再懸濁用緩衝液を使用して、FCMによる試料取得時における消光の観察に一致した。図27A、27Bおよび28にあるように、いずれの方法でも蛍光可視化の間(溶液中、またはFCMによる取得中のどちらか一方)に存在するMgCl2の添加により、シグナルが消光されたことが示された。これらの観察は、MgCl2は、細胞とのインキュベートの間に存在するが、その後に、試料を取得する前に洗い流された場合、シグナル/ノイズを増大させることが観察された予備検討のFCMとは対照的である。図17および18を参照されたい。
最後に、異なる構成の一連の以前の実験で作製したロットを用い予備検討を確認するため、同一物質および同一精製手順を用いて、同じ日に並行してコンジュゲートを再び作製した。陽イオン構成だけ変えた(C−E−S−対照およびC+E−S−、C+E+S)。また、以前の実験の知見から、最終f/pがすべてのコンジュゲートにわたり、ほぼ同じ(19.7〜24.7)となることを目標にして、標識化度の交路解釈を排除した。次に、これらのコンジュゲートをFCMによって試験した。一般に、この実験により、系へのMgCl2の添加効果は、より効率的な蛍光出力を有する標的指向性部分を生成するのに有益であることが確認された。図25Aを参照されたい。
最後に、MgCl2は、コンジュゲート反応に添加する前に、活性化した色素を可溶化するために使用すると、コンジュゲートの標識化効率を改善し、したがって、早期の過程入力、および効率的な標識化、および後の過程出力において観察されたより高い解像度の蛍光との間に質的関係があることを支持するものである。これらの観察はまた、生産性の改善を確認するという第1の検討目的を実現することができたことも支持している。図26を参照されたい。FCMチャネルの機器のダイナミックレンジの追加的な定量および特徴付け、ならびに可溶性フルオレセイン分子等量(MESF)を定量するためにBangs(商標)ビーズFITC標準品(Bangs Laboratories)の使用により、コンジュゲートは、UCHT1 FITC f/p6〜7よりも8〜10倍高輝度であることが示された。これは、FCMにおいてシグナル中央値対ノイズによって求めた絶対S/Nによって報告され得るものよりも高輝度である。図22を参照されたい。
考察:高密度の電荷を有する元々のポリマーは、高度に水溶性となるよう設計されており、その結果、塩が導入された場合、立体構造変化が予期され得る。これは、恐らく、類似の設計のより小さな電荷密度の分子(I−16)に当てはまるが、その程度はより小さい。このことは、イオンは、分析手順(この場合、CD3の蛍光および検出)の干渉をもたらす恐れがあるという共通の場合を示す。手順または試薬自体に対する化学的適応性によりなくすことができる、または制御することができる干渉を使用することができる。
要約すると、マグネシウムは、バイオコンジュゲート済み色素および/または抗体を正に改変する可能性を有すると考えられる。さらに、試験したポリマーは、イオン感知特性を有しており、弱い二価イオンのキレート剤であり、類似のpHの様々な緩衝液配合物に対して感受性が高い。この理解は、理論に拘泥しないが、色素は、MgCl2が適用されると、効率的なコンジュゲートに有利な立体構造にあり、これによって、抗体の等電点の変化が制限され、より低い濃度での抗原結合が改善されるということである。MgCl2は、コンジュゲート、溶出、保管に、またはインキュベートの間に使用されると、ある種の条件下で、電荷を遮蔽して色素を安定化させ、抗体の親和性を改善するが、溶液中で観察した場合、消光すると推測される。
理想的には、これらの化合物が、消光することなく、および他のポリ陽イオンと相互作用することなく、イオンおよび塩形態で安定化され得る(または、電荷が中和される)かどうかのさらなる検討が必要であるが、色素の利用性およびバイオコンジュゲートの作製がかなり改善され得る。恐らく、染色/溶解/固定化手順の間に、血漿、補充血清、ブロッキング剤またはキレート剤が存在する、FCMプロトコール、特に全血は溶解し、本発明者らは、色素とイオンのいくらかの相互作用(または、その欠如)があることを予期することができる。本発明者らは、親和性の喪失としてこのような相互作用があること(滴定における親和性曲線によって表される)、ならびに染色/溶解/固定化/洗浄手順を受ける新しい細胞において、固定化したWBCとの非特異的結合が増大することを観察した。(データは示さず)。血漿中に、特に溶解した赤血球からの放出物として、または活性化細胞中、または細胞表面に、二価陽イオンおよびポリ陽イオンが存在するので、類似したイオン性相互作用が予期され得る。実際に、色素を対象とするマグネシウムによるブロッキング、または標的基質を対象とするポリ主鎖のブロッキングは、血漿および複雑な組織における干渉因子に対する保護に好適となり得る。さらに、この効果を活用するために特定した具体的な方法はまた、免疫組織化学、ならびに遮蔽された電荷および非線形のより中性の電荷を帯びた立体構造が、細胞内マトリックスによる効率的な拡散にとって望ましい密集組織の区域では、特に、過酷な固定化/恒久的方法(メタノール)を用いて実施することもできる。最後に、任意の非特異的結合および消光による、高いバックグラウンドおよび低いシグナルもまた、マグネシウム洗浄液、またはインキュベートの間にマグネシウムを含ませることによって妨害することができる可能性がある。このことは、固定化組織および浸透化組織中に存在するポリ陽イオンとの強力なイオン性会合をもたらす染色条件では重要となり得る。実際に、2.0%パラホルムアルデヒドで固定した赤血球が溶解し、分離した全血細胞、PBMCおよびJurkat T細胞の場合の観察により、UCHT1−I−16および塩化マグネシウムと共にインキュベートした細胞では、S/Nが増大することが示される。この結果はまた、二相効果を示す。低濃度ではS/Nは低い一方、100mM〜250mMでは増大し、次に、1000mMで再度、消光する。やはり、イオン性会合の確認は、予期される立体構造変化による蛍光強度の乱れである。図13、14、15および16。
この明細書に言及されている、および/または出願データシートに一覧表示されている米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物のすべてが、2018年3月19日に出願の米国仮特許出願第62/645,121号を含め、本記載と矛盾しない程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
上述から、本発明の具体的な実施形態が、例示目的のために本明細書に記載されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正が行われ得ることが理解されよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によるもの以外の限定は受けない。

Claims (80)

  1. ポリマー色素、標的指向性部分および二価または三価の金属塩を含む混合物を調製するステップ、および混合物を、共有結合性コンジュゲートを形成するのに十分な時間および温度で熟成させるステップを含む、ポリマー色素と標的指向性部分との共有結合性コンジュゲートを形成する方法であって、
    a)ポリマー色素が、
    i)2つ以上の蛍光または発色部分
    ii)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基;および
    iii)標的指向性部分の相補性反応性基Q’と共有結合を形成することが可能な反応性基Q
    を含み、
    b)標的指向性部分が、標的分析対象に親和性を有しており、かつ相補性反応性基Q’を含む、
    方法。
  2. 標的分析対象を検出する方法であって、
    a)二価または三価の金属塩の存在下で、共有結合性コンジュゲートを標的分析対象と結合させて、分析対象−標的指向性部分複合体を形成するステップであって、共有結合性コンジュゲートが、
    i)標的分析対象に対して親和性を有しており、かつポリマー色素への共有結合を含む標的指向性部分
    ii)ポリマー色素であって、
    A)2つ以上の蛍光または発色部分
    B)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基、および
    C)標的指向性部分への共有結合
    を含むポリマー色素を含む、ステップ
    b)分析対象−標的指向性部分複合体からの蛍光または発色シグナルを検出するステップ
    を含む方法。
  3. 分析対象−標的指向性部分複合体を二価または三価の金属塩を含む洗浄溶液で処理するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 標的分析対象を検出する方法であって、
    a)共有結合性コンジュゲートを標的分析対象と結合させて、分析対象−標的指向性部分複合体を形成するステップであって、共有結合性コンジュゲートが、
    i)標的分析対象に対して親和性を有しており、かつポリマー色素への共有結合を含む標的指向性部分、ならびに
    ii)ポリマー色素であって、
    A)2つ以上の蛍光または発色部分
    B)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基、および
    C)標的指向性部分への共有結合
    を含むポリマー色素を含む、ステップ、
    b)i)共有結合性コンジュゲートと標的分析対象とを結合させる間、共有結合性コンジュゲートおよび標的分析対象を、二価または三価の金属塩で処理するステップ、および/または
    ii)共有結合性コンジュゲートと標的分析対象とを結合させた後に、分析対象−標的指向性部分複合体を、二価または三価の金属塩を含む洗浄溶液で処理するステップ、ならびに
    c)分析対象−標的指向性部分複合体からの蛍光または発色シグナルを検出するステップ
    を含む方法。
  5. 共有結合性コンジュゲートを標的分析対象と結合させるステップが、二価または三価の金属塩の存在下で行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 蛍光または発色シグナルを検出する前に、分析対象−標的指向性部分複合体から二価または三価の塩のすべてを実質的に除去するステップをさらに含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 二価または三価の金属塩が、分析対象−標的指向性部分複合体を含む緩衝液から除去される、請求項6に記載の方法。
  8. 共有結合性コンジュゲートを形成するステップをさらに含む、請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 共有結合性コンジュゲートを形成する前に、ポリマー色素および二価または三価の塩を混合して、ポリマー色素および二価または三価の塩を含む組成物を形成させる、請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 共有結合性コンジュゲートを形成する前に、ポリマー色素および二価または三価の塩を含む組成物を熟成させるステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 二価または三価の塩が、共有結合性コンジュゲートを形成している間、実質的に存在しない、請求項8または9に記載の方法。
  12. 共有結合性コンジュゲートおよび二価または三価の塩を含む組成物であって、共有結合性コンジュゲートが、
    i)ポリマー色素への共有結合を含む標的指向性部分
    ii)ポリマー色素であって、
    a)2つ以上の蛍光または発色部分
    b)少なくとも1つの負の電荷を帯びた基、および
    c)標的指向性部分への共有結合
    を含むポリマー色素
    を含む、組成物。
  13. 標的指向性部分が標的分析対象に対して親和性を有する、請求項12に記載の組成物。
  14. 標的指向性部分が抗体を含む、請求項13に記載の組成物。
  15. 二価または三価の塩が、二価の塩である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  16. 二価の塩がマグネシウム塩である、請求項15に記載の方法または組成物。
  17. マグネシウム塩が塩化マグネシウムである、請求項16に記載の方法または組成物。
  18. 蛍光または発色部分が蛍光部分である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  19. 蛍光または発色部分が、出現毎に、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミドおよび6−FAM部分からなる群から独立して選択される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  20. 蛍光または発色部分が、出現毎に独立して、以下の構造の1つ:
    Figure 2021520423
    を有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  21. ポリマー色素が、複数の負の電荷を帯びた基を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  22. ポリマー色素が、2つ以上の蛍光または発色部分を含み、2つ以上の蛍光または発色部分がそれぞれ、少なくとも1つの負の電荷を帯びた基を含むリンカーを介して、隣接する蛍光または発色部分に結合している、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  23. リンカーが、1つまたは複数のアルキレンまたはアルキレンオキシド部分をさらに含む、請求項22に記載の方法または組成物。
  24. アルキレンオキシド部分がポリエチレンオキシド部分を含む、請求項23に記載の方法または組成物。
  25. 負の電荷を帯びた基がホスフェートである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  26. ポリマー色素が、2〜100の蛍光または発色部分を含み、蛍光または発色部分が、少なくとも1つの負の電荷を帯びた基を含むリンカーを介して、隣接する蛍光または発色部分に結合している、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  27. ポリマー色素が、2〜10の蛍光または発色部分を含み、蛍光または発色部分が、少なくとも1つの負の電荷を帯びた基を含むリンカーを介して、隣接する蛍光または発色部分に結合している、請求項26に記載の方法または組成物。
  28. 共有結合性コンジュゲートを精製するステップをさらに含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  29. 精製するステップが、共有結合性コンジュゲートから二価または三価の塩のすべてを実質的に除去するステップを含む、請求項28に記載の方法または組成物。
  30. 共有結合性コンジュゲートが、二価または三価の塩の非存在下で調製した対応するコンジュゲートよりも少なくとも1.1倍高い蛍光吸光係数を有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  31. 共有結合性コンジュゲートが、二価または三価の塩の非存在下で調製した対応するコンジュゲートよりも少なくとも1.2倍高い蛍光吸光係数を有する、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  32. 標的指向性部分が抗体である、請求項1〜31のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  33. ポリマー色素が、以下の構造(I):
    Figure 2021520423
    (I)
    またはその立体異性体、塩もしくは互変異性体(式中、
    Mは、出現毎に独立して、蛍光または発色部分を含む部分であり、
    1は、出現毎に独立して、i)任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンもしくはヘテロ原子リンカー;またはii)2つの相補性反応性基の反応によって形成することが可能な官能基を含むリンカーのいずれかであり、
    2およびL3は、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレンまたはヘテロ原子リンカーであり、
    4は、出現毎に独立して、アルキレンまたはアルキレンオキシドリンカーであり、
    1は、出現毎に独立して、H、アルキルまたはアルコキシであり、
    2およびR3は、それぞれ独立して、H、OH、SH、アルキル、アルコキシ、アルキルエーテル、ヘテロアルキル、−OP(=Ra)(Rb)Rc、Qもしくはその保護形態、またはL’であり、
    4は、出現毎に独立して、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
    5は、出現毎に独立して、オキソ、チオキソであるか、または存在せず、
    aは、OまたはSであり、
    bは、OH、SH、O-、S-、ORdまたはSRdであり、
    cは、OH、SH、O-、S-、ORd、OL’、SRd、アルキル、アルコキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアルコキシ、アルキルエーテル、アルコキシアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテルまたはチオホスホアルキルエーテルであり、
    dは、対イオンであり、
    L’は、出現毎に独立して、Qへの共有結合を含むリンカー、標的指向性部分への共有結合を含むリンカー、分析対象分子への共有結合を含むリンカー、固体支持体への共有結合を含むリンカー、固体支持体残基への共有結合を含むリンカー、ヌクレオシドへの共有結合を含むリンカー、または構造(I)のさらなる化合物への共有結合を含むリンカーであり、
    mは、出現毎に独立して、0以上の整数であり、ただし、出現するmの少なくとも1つは、1以上の整数であることを条件とし、こうして、化合物は、少なくとも1つのL4を含み、
    nは、1以上の整数である)
    を有する、請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  34. ポリマー色素が、以下の構造(IA):
    Figure 2021520423
    (IA)
    (式中、zは、2〜100の整数である)
    を有する、請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  35. zが、3〜6の整数である、請求項34に記載の方法または組成物。
  36. 1が、以下の構造の1つ:
    Figure 2021520423
    を有する、請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  37. 出現するL1の少なくとも1つについて、L1−Mが、以下の構造:
    Figure 2021520423
    (式中、L1aおよびL1bは、それぞれ独立して、任意に用いてもよいリンカーである)
    を有する、請求項34または35に記載の方法または組成物。
  38. 出現するL1の少なくとも1つについて、L1−Mが、以下の構造:
    Figure 2021520423
    (式中、L1aおよびL1bは、それぞれ独立して、任意に用いてもよいリンカーである)
    を有する、請求項34、35または37のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  39. 1aまたはL1b、またはどちらも存在しない、請求項37または38に記載の方法または組成物。
  40. 1aまたはL1b、またはどちらも存在する、請求項37〜39のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  41. 1aおよびL1bが、存在する場合、それぞれ独立して、アルキレンまたはヘテロアルキレンである、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  42. 1aおよびL1bが、存在する場合、独立して、以下の構造の1つ:
    Figure 2021520423
    を有する、請求項37〜41のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  43. 1が、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーである、請求項34〜42のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  44. 2およびL3が、出現毎に独立して、C1−C6アルキレン、C2−C6アルケニレンまたはC2−C6アルキニレンである、請求項34〜43のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  45. 化合物が、以下の構造(IB):
    Figure 2021520423
    (IB)
    (式中、
    1、x2、x3およびx4は、出現毎に独立して、0〜6の整数であり、
    zは、2〜100の整数である)
    を有する、請求項34〜44のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  46. 出現するx1、x2、x3またはx4の少なくとも1つが1である、請求項45に記載の方法または組成物。
  47. 1、x2、x3およびx4が、出現毎に、それぞれ1である、請求項45または46に記載の方法または組成物。
  48. 1が、出現毎に独立して、トリアゾリル官能基を含む、請求項45〜47のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  49. 1が、出現毎に独立して、任意に用いてもよいアルキレンまたはヘテロアルキレンリンカーである、請求項34〜48のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  50. 4が、出現毎に独立して、OH、O-またはORdである、請求項33〜49のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  51. 5が、出現毎に、オキソである、請求項33〜50のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  52. 1が、出現毎に、Hである、請求項33〜51のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  53. 2およびR3が、それぞれ独立して、OHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcである、請求項33〜52のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  54. 2またはR3の一方が、OHまたは−OP(=Ra)(Rb)Rcであり、R2またはR3のもう一方が、QまたはQへの共有結合を含むリンカーである、請求項33〜53のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  55. 2およびR3が、それぞれ独立して、−OP(=Ra)(Rb)Rcである、請求項33〜54のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  56. cがOL’である、請求項55に記載の方法または組成物。
  57. L’が、Q、標的指向性部分、分析対象分子、固体支持体、固体支持体残基、ヌクレオシドまたは構造(I)のさらなる化合物へのヘテロアルキレンリンカーである、請求項33〜56のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  58. L’が、アルキレンオキシドもしくはホスホジエステル部分、またはそれらの組合せを含む、請求項33〜57のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  59. L’が、以下の構造:
    Figure 2021520423
    (式中、
    m”およびn”は、独立して、1〜10の整数であり、
    eは、H、電子対または対イオンであり、
    L”は、Re、またはQ、標的指向性部分、分析対象分子、固体支持体、固体支持体残基、ヌクレオシドもしくは構造(I)のさらなる化合物への直接結合もしくは連結基である)
    を有する、請求項33〜58のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  60. 2またはR3が、以下の構造の1つ:
    Figure 2021520423
    を有する、請求項33〜59のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  61. 2またはR3が、以下の構造:
    Figure 2021520423
    を有する、請求項33〜60のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  62. Qが、求核性反応性基、求電子性反応性基または環化付加反応性基を含む、請求項33〜61のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  63. Qが、スルフヒドリル、ジスルフィド、活性化エステル、イソチオシアネート、アジド、アルキン、アルケン、ジエン、求ジエン体、酸ハロゲン化物、ハロゲン化スルホニル、ホスフィン、α−ハロアミド、ビオチン、アミノまたはマレイミド官能基を含む、請求項33〜62のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  64. 活性化エステルが、N−スクシンイミドエステル、イミドエステルまたはポリフルオロフェニルエステルである、請求項63に記載の方法または組成物。
  65. アジドが、アルキルアジドまたはアシルアジドである、請求項63に記載の方法または組成物。
  66. Qが、表1から選択される部分である、請求項33〜65のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  67. mが、出現毎に独立して、1〜10の整数である、請求項33〜66のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  68. mが、出現毎に独立して、1〜5の整数である、請求項33〜67のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  69. nが、1〜100の整数である、請求項33〜68のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  70. nが、1〜10の整数である、請求項33〜69のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  71. Mが、出現毎に独立して、4つ以上のアリールもしくはヘテロアリール環、またはそれらの組合せを含む部分である、請求項33〜70のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  72. Mが発色性である、請求項33〜71のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  73. Mが蛍光性である、請求項33〜71のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  74. Mが、出現毎に独立して、少なくとも4つの縮合環を含む、縮合多環式アリール部分を含む、請求項33〜73のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  75. Mが、出現毎に独立して、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル−ジメチル−BODIPY、his−フルオロフェニル−BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル−ジメチル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、(ビス−フルオロフェニル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ−ベンゾチアゾール、ター−ベンゾチアゾール、ビ−ナフチル、ビ−アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10−エチニルアントラセンまたはター−ナフチル部分である、請求項33〜74のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  76. Mが、出現毎に独立して、p−ターフェニル、ペリレン、アゾベンゼン、フェナジン、フェナントロリン、アクリジン、チオキサントレン、クリセン、ルブレン、コロネン、シアニン、ペリレンイミドもしくはペリレンアミド、またはそれらの誘導体である、請求項33〜75のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  77. Mが、出現毎に独立して、クマリン色素、レゾルフィン色素、ジピロメテンボロンジフルオリド色素、ルテニウムビピリジル色素、エネルギー移動色素、チアゾールオレンジ色素、ポリメチンまたはN−アリール−1,8−ナフタルイミド色素である、請求項33〜76のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  78. Mが、出現毎に独立して、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミドもしくは6−FAM、またはそれらの誘導体である、請求項33〜77のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  79. Mが、出現毎に独立して、以下の構造の1つ:
    Figure 2021520423
    を有する、請求項33〜78のいずれか1項に記載の方法または組成物。
  80. ポリマー色素が、表2から選択される構造を有する、請求項33〜79のいずれか1項に記載の方法または組成物。
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