JPWO2010026957A1 - 水溶性ロタキサン型蛍光色素および蛍光性有機分子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、長時間の光照射に対して光退色しにくく、かつ高発光水溶性ロタキサン型蛍光色素の開発に関する。【解決手段】一般式[2]【化1】「式中、R1は置換されていてもよいアリール基などを、Aは蛍光性有機基を、nは2から8の整数を、それぞれ示す。」であらわされる蛍光性有機分子の発光部位を、光を吸収しないシクロデキストリンなどの大環状分子で包接した水溶性ロタキサン型蛍光色素。本発明の蛍光色素は、長時間の光照射に対して安定であるので、長時間の細胞内一分子観測に利用することが出来る。その光安定性ゆえにより長波長側に発光波長を有する蛍光色素に対するFRETのドナープロープとしての利用も可能である。また、光安定性に熱安定性も高いことから有機EL材料への応用も可能である。【選択図】図3

Description

本発明は、長時間の光照射に対して光退色しにくく、かつ高発光水溶性ロタキサン型蛍光色素の開発に関する。
さらに詳しくは、本発明は、疎水性蛍光有機基を発光部位、光を吸収しない大環状分子を包接部位とする水溶性ロタキサン型蛍光色素および蛍光性有機分子に関する。
生命科学、材料科学ともにおいて、発光素材の発光の明るさ、光退色のしにくさは大変重要な要素である。
蛍光を利用した細胞イメージングをおこなう際、発光素材に要求されるのは発光の明るさ、光退色のしにくさに加えて細胞毒性が低いことである。
汎用性のある蛍光色素の中には細胞毒性の低いものも存在するが、たいていの蛍光色素は数分内に光退色してしまう。
また有機EL材料においては、発光素材の安定性が重要な問題となる。
蛍光色素の光退色に対し、ロタキサン骨格の利用が検討されている。
例えば、アントラセン誘導体をβ‐シクロデキストリンで包接し、キャッピングすることでロタキサンとしたものが知られている(非特許文献1)。
このロタキサンは、末端に四つのカルボキシ基を有しているので塩基性条件化で水溶液とすることができる。
光退色の半減期は、約100分である。
また、スクアライン(squaraine)を、ピリジンを骨格とする環状化合物で包接し、キャッピングすることでロタキサンとしたものが知られている(非特許文献2,3)。
このロタキサンを利用して細胞イメージングが行われている。
Chem. Commun., 2007, 2387-2389 Chem. Eur. J., 2006, 12, 4684-4690 Angew. Chem. Int. Ed., 2007, 46, 5528-5531
非特許文献1のロタキサンの水溶液は、塩基性条件化と限定されることから、ほぼ中性pHである細胞内などの分子イメージングに適さない。
非特許文献2、3のロタキサンは、スクアラインが近赤外領域に発光を有するという利点がある。
しかし、スクアライン自身が電荷を有しており、この電荷を介してピリジンを骨格とする環状ユニットとロタキサンを形成している。
従って環状ユニットに比べてより強力に相互作用する生体分子が存在すれば、環状分子はシャトル移動し、たちまち光退色を受けてしまう危険性がある。
本発明者らは、上記の課題を克服し、細胞内において長時間の単一分子蛍光観測に適した蛍光色素を開発するために鋭意研究を行った。
その結果、高発光性蛍光色素であるアルキニルピレンにオキシエチレン鎖を導入することで中性水に可溶化でき、シクロデキストリン誘導体とすることで、発光素材は、電荷を持たず、基本的に炭素・水素・酸素のみから形成されたものとなり、生体内で非特異的な相互作用を起こす可能性を低下させることに成功し、本発明を完成させた。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の発明は、一般式[2]
Figure 2010026957
「式中、Rは、同一または異なって、置換されていてもよいアリールまたは含窒素複素環式基を、Aは蛍光性有機基を、nは2から8の整数を、それぞれ示す。」
であらわされる蛍光性有機分子およびこの蛍光性有機分子を包接した環状化合物がシクロデキストリンまたはククルビツリルからなるロタキサン型水溶性蛍光色素である。
本発明の第2の発明は、一般式[2]又は以下の一般式[3]の蛍光性有機分子である。
Figure 2010026957
「式中、Aは蛍光性有機基を、nは2から8の整数を、それぞれ示す。」
本発明の第3の発明は、一般式[3]の蛍光性有機分子および環状化合物がシクロデキストリンまたはククルビツリルからなる包接化合物である。
本発明において、一般式[2]の化合物を「ダンベル」と称し、その末端に位置するR−CO−基(Rは、前記したと同様の意味を有する)を「ストッパー」と称する。
このストッパーは、下記の一般式[6]の化合物と一般式[3]の化合物を反応させることで形成される。
また、一般式[3]の化合物、一般式[6]の化合物またはその反応性誘導体からなる軸状分子(棒状化合物)に環状化合物(大環状分子)であるシクロデキストリンまたはククルビツリルを反応させて得られる化合物を「ロタキサン」と称する。
のアリール基として、フェニル基、ナフチル基、テルフェニル基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
また、含窒素複素環式基として、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジンなどの含窒素6員複素環式基が挙げられ、1,3,5−トリアジン基が好ましい。
のアリール基および含窒素複素環式基の置換基として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシル基などの炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状の低級アルキル基;ヒドロキシル基;メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどの炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状の低級アルキルアミノ基;フェニル基などアリール基が挙げられる。
Aの蛍光性有機基として、ピレン、ペリレンおよびクマリンが挙げられ、ピレンが好ましい。
シクロデキストリンとして、α−、β−、γ−シクロデキストリンおよびそれらの誘導体が挙げられる。
誘導体として、水酸基の一部または全部がメチル化されたシクロデキストリンなどが挙げられる。
Aがピレンである蛍光性有機分子を包接するシクロデキストリンとして、γ−シクロデキストリンおよびメチル化α−シクロデキストリンが好ましい。
本発明の蛍光性有機分子は、使用する蛍光性有機基の種類などに応じて、出発物質、中間体及び反応条件などを適宜選択し、当業者に公知の任意の方法で合成することができる。
例えば、以下の工程で製造することができる。
Figure 2010026957
「式中、Xはヨウ素、臭素などのハロゲン原子を;R、Aおよびnは、前記したものと同様の意味を有する。」
一般式[4]の化合物と一般式[5]の化合物を、例えば、触媒としてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムとヨウ化銅の存在下、トリエチルアミンやモルホリンなどの塩基性物質を含有する溶媒中で反応させることにより、一般式[3]の化合物を製造することができる。
反応時間は1〜6時間、反応温度は10℃以上で溶液が還流する温度までである。
一般式[5]の化合物は、例えば、Bioconjugate Chem., 2006, 17, 52-57に記載の方法またはそれに準じた方法により製造すればよい。
一般式[3]の化合物に一般式[6]の化合物の反応性誘導体、例えば、スクシンイミジルエステル体を反応させることにより一般式[2]の化合物を製造することができる。
反応は、トリエチルアミンなど塩基性物質を含有する溶媒中、室温などの低温で1〜24時間行えばよい。
ロタキサンのストッパーに存在する水酸基、アミノ基には標的とする分子、例えばタンパク質をラベル化するための部位を導入することができる。
ラベル化部位として、例えば、スクシンイミジルオキシカルボニル基、マレイミド基、アジド基、ヨウ化メチルカルボニルなどのハロゲノアルキルカルボニル基などが挙げられる。
本発明の水溶性ロタキサン型蛍光色素は、長時間の光照射に対して安定であり、非常に明るい。
その構造的特徴は、シクロデキストリンなどの大環状分子を包接部位とすることでロタキサンとなっているところであり、結果疎水性蛍光有機基が水溶性となる。
さらに、例えば、ロタキサンのストッパー部位にはフェノール性水酸基が存在し、上記のラベル化部位を導入することができる。
水溶性アルキニルピレンの合成ルートの一例である。 ロタキサンの合成ルートの一例である。 水溶性アルキニルピレンとシクロデキストリンとの会合挙動を示す。 蛍光スペクトルを示す。 CDスペクトルを示す。 Stern−Volmer プロットを示す。 光退色実験を示す。
本発明を製造例、試験例で説明するが本発明はこれらに限定されない。
[実施例1]
・水溶性アルキニルピレン(図1の化合物3)の合成
1,6−ジヨードピレン(図1の化合物4)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ヨウ化銅の混合物にモルホリンを加え、均一な溶液になるまで80℃で加熱した。
続いて、3,6,9,12−テトラオキサペンタデカ−14−イン−1−アミン(図1の化合物5)のモルホリン溶液を加え80℃で4時間攪拌した。
室温まで戻した後、溶剤を回転式エバポレーターで除去した。
残渣を炭酸カリウム水溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。
ジクロロメタン抽出物を回転式エバポレーターで処理した後、クロマトグラフ展開(シリカゲル;溶出液としてジクロロメタン→ジクロロメタン:メタノール:トリエチルアミン(5:2:0.07)を使用)すると、淡黄色液体の1,6-Bis(15-amino-4,7,10,13-tetraoxapentadecyn-1-yl)pyrene(化合物3)が収率69%で得られた。
ESI-MS m/e calcd for C38H49N2O8 ([M+H]+) 661.349, found 661.271.
Figure 2010026957
[実施例2]
3,6,9,12,15,18−ヘキサオキサヘンイコサ−20−イン−1−アミンを用い、上記と同様の方法で、一般式[4]の化合物においてn=6の水溶性アルキニルピレン1,6-Bis(15-amino-4,7,10,13,16,19-hexaoxahenicosyn-1-yl)pyrene(化合物3a)を得た。
ESI-MS m/e calcd for C46H64N2NaO12 ([M+Na]+) 859.436, found 859.229.
Figure 2010026957
[実施例3]
・水溶性ロタキサン(図2の化合物1)の合成
(1)3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシ安息香酸、炭酸ジスクシンイミジルの混合物にテトラヒドロフラン、トリエチルアミンを0℃で加え、0℃で12時間攪拌した。
室温まで戻した後、溶剤を回転式エバポレーターで除去した。
残渣を水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。
ジクロロメタン抽出物を回転式エバポレーターで処理した後、クロマトグラフ展開(シリカゲル;溶出液としてジクロロメタンを使用)すると、無色固体の3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシ安息香酸スクシンイミジルエステル(図2の化合物6)が収率94%で得られた。
FAB-MS (HRMS) m/e calcd for C19H25NO5 ([M]+) 348.1811, found 348.1839. 分解点:194-196℃
(2)化合物3、メチル化α−シクロデキストリンの混合物に水酸化ナトリウム水溶液(pH=9)を室温で加え、室温で3時間攪拌した。
そこに化合物6のジメチルスルホキシド溶液を室温で加え、室温で一日攪拌した。
メタノールを加えろ過し、溶剤を回転式エバポレーターで除去した。
クロマトグラフ展開(シリカゲル;溶出液としてクロロホルム:メタノール(50:1)を使用)し、さらにリサイクルクロマトグラフ展開(シリカゲル;溶出液としてクロロホルム:メタノール(25:1)を使用)すると、黄色固体のロタキサン(化合物1)が収率19%で得られた。
化合物1の物性データは以下のとおりである。
ESI-MS (HRMS) m/e calcd for C176H280N2NaO72 ([M+2Na]2+) 1810.9086, found 1810.8911. 分解点:113-114 ℃. モル吸光係数ε= 89400 in EtOH. 蛍光量子収率Φf = 0.74 in EtOH.
[実施例4]
化合物3aを用い、上記と同様の方法で、ロタキサン(化合物1a)を得た。
MALDI-MS m/e calcd for C184H296N2NaO76 ([M+Na]+) 3774.932, found 3773.446.
[実施例5]
・ダンベル(図2の化合物2)の合成
化合物3、化合物6の混合物にジメチルホルムアミド、トリエチルアミンを室温で加え、室温で12時間攪拌した。
メタノールを加えろ過し、溶剤を回転式エバポレーターで除去した。
残渣を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。
ジクロロメタン抽出物を回転式エバポレーターで処理した後、クロマトグラフ展開(シリカゲル;溶出液としてジクロロメタン:メタノール(50:1)を使用)すると、黄色液体の1,6-Bis(15-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzenecarboxamido)-4,7,10,13-tetraoxapentadecyn-1-yl)pyrene(化合物2)が得られた。
ESI-MS (HRMS) m/e calcd for C68H88N2NaO12 ([M+Na]+) 1147.6235, found 1147.6220. モル吸光係数ε= 52800 in EtOH. 蛍光量子収率Φf = 0.43 in EtOH.
Figure 2010026957
[試験例1]
化合物3と各種シクロデキストリン(α−,β−,γ−シクロデキストリン, ならびにそれらの誘導体)との水中での会合挙動を、H−NMR スペクトルにより評価した。
水溶性アルキニルピレンの重水溶液中に各種シクロデキストリンを過剰に加え、H−NMRスペクトルを測定したところ、γ−シクロデキストリンとメチル化α−シクロデキストリン存在時においてピレン領域のピークが大きく低磁場シフトした。
続いて、化合物3のみを含む水溶液と、γ−シクロデキストリンもしくはメチル化α−シクロデキストリンを加えた溶液に365nmの光を照射した際の発光色を比較した。
化合物3のみを含む水溶液は黄色の発光を示した。
そこにγ−シクロデキストリンを加えると黄色の発光が増大し、メチル化α−シクロデキストリンを加えると発光色が青紫色に変化した。
化合物3自身はピレン部位の疎水性相互作用によって凝集しエキシマー発光を示し、かつその発光は濃度消光されていた[図3a)]。
γ−シクロデキストリンを加える事でその空孔内に二分子の化合物3が包接され、濃度消光を起こす事無くピレンがエキシマー発光した[図3b)]。
一方メチル化α−シクロデキストリンの場合は、空孔内に一分子の水溶性アルキニルピレンが包接され、ピレンのモノマー発光が増大し青紫色に変化した[図3c)]。
さらに、いずれの混合水溶液においてもピレン吸収領域に円二色性(CD)が観測された。
同じ濃度における化合物1(ロタキサン)と化合物2(ダンベル)の各種スペクトルを比較した。
紫外可視吸収スペクトルから、化合物1は、化合物2に比べて、そのモル吸光係数が約2倍であった。
蛍光スペクトルから、化合物2はエキシマー発光のみを示すのに対し、ロタキサンはモノマー発光のみを示した。
化合物2はピレン部位が凝集してエキシマー発光を示し、ロタキサンはピレン部位がメチル化α−シクロデキストリンで遮蔽されることでモノマー発光のみを示した(図4)。
化合物1の蛍光強度強さから、高い蛍光量子収率であることが判明した。さらに化合物1は、ピレン吸収領域に円二色性(CD)が観測された(図5)。
化合物1と化合物2の約20μMの溶液(ジクロロメタン)に消光剤であるマレイミドを加えて蛍光スペクトルを測定し、消光の程度を比較した。
Stern-Volmer プロットから消光定数を算出したところ、化合物1の消光定数は、化合物2のものに比べて1/25であった(図6)。
化合物1と化合物2の約18μMの溶液(水:DMSO=10:1)に、365nm、 UVランプを照射し続けながら、UVスペクトルを測定したところ、化合物2は、約七時間でほぼ退色した[図7a)]が、化合物1はほとんど退色しなかった[図7b)]。
それぞれの光退色半減期は、化合物2が約37分であるのに対し化合物1が約7000分であった。
ロタキサンは中性水のみにも可溶で、ロタキサンの水溶液を調製して光退色実験をおこなったところ、ほとんど光退色しなかった。
化合物1のジメチルスルホキシド溶液を100℃で18時間加熱攪拌し、加熱前後の高速液体クロマトグラムを比較した。
その結果、両クロマトグラムはほぼ完全に一致した。
化合物1は非常に高い熱安定性を有していた。
本発明の高発光水溶性ロタキサン型蛍光色素は、長時間の光照射に対して安定であるので、細胞内一分子観測に利用することができる。
また、その光安定性ゆえにより長波長側に発光波長を有する蛍光色素に対する蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナープロープとして利用できる。
さらに、光安定性・熱安定性が優れており有機EL材料として利用できる。

Claims (12)

  1. 一般式[2]
    Figure 2010026957
    「式中、Rは、同一または異なって、置換されていてもよいアリールまたは含窒素複素環式基を、Aは蛍光性有機基を、nは2から8の整数を、それぞれ示す。」
    で表される蛍光性有機分子とそれを包接した環状化合物がシクロデキストリンまたはククルビツリルであることを特徴とするロタキサン型水溶性蛍光色素。
  2. Aの蛍光性有機基がピレン、ペリレンまたはクマリンのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の水溶性蛍光色素。
  3. が、置換されていてもよいアリール基であることを特徴とする請求項1または2記載の水溶性色素。
  4. 環状化合物がシクロデキストリンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水溶性蛍光色素。
  5. 一般式[2]
    Figure 2010026957
    「式中、Rは、同一または異なって、置換されていてもよいアリールまたは含窒素複素環式基を、Aは蛍光性有機基を、nは2から8の整数を、それぞれ示す。」
    で表されることを特徴とする蛍光性有機分子。
  6. Aの蛍光性有機基がピレン、ペリレンまたはクマリンのいずれかであることを特徴とする請求項5記載の蛍光性有機分子。
  7. が、置換されていてもよいアリール基であることを特徴とする請求項5または6記載の蛍光性有機分子。
  8. 一般式[3]
    Figure 2010026957
    「式中、Aは蛍光性有機基を、nは2から8の整数を、それぞれ示す。」
    で表される蛍光性有機分子。
  9. Aの蛍光性有機基がピレン、ペリレンまたはクマリンである請求項8記載の蛍光性有機分子。
  10. 一般式[3]
    Figure 2010026957
    「式中、Aは蛍光性有機基を、nは2から8の整数を、それぞれ示す。」
    で表される蛍光性有機分子と環状化合物がシクロデキストリンまたはククルビツリルであることを特徴とする包接化合物。
  11. Aの蛍光性有機基がピレン、ペリレンまたはクマリンのいずれかであることを特徴とする請求項10記載の包接化合物。
  12. 環状化合物がシクロデキストリンであることを特徴とする請求項10または11記載の包接化合物。
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