JP2021193220A - 合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法 - Google Patents

合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、合成繊維用処理剤の長期安定性が良好であり、合成繊維用処理剤を水性液とし、合成繊維に付着させる際の合成繊維への浸透性が良好で、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽、及び染色斑の問題を十分に抑止することができる合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法を提供することを課題としている。【解決手段】脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を含む平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及び、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を含むイオン性界面活性剤(C)を含有し、かつ、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオンが200ppm以下である合成繊維用処理剤を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法に関する。詳しくは、合成繊維用処理剤の長期安定性が良好で、かつ合成繊維用処理剤水性液の合成繊維への浸透性を向上させ、紡糸延伸工程での毛羽を十分に防止でき、得られる糸の染色性を向上できる合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法に関する。
従来、紡糸延伸工程に供する合成繊維用処理剤として一般に、潤滑剤及び機能性向上剤を含有するものが使用されている。かかる合成繊維用処理剤には、紡糸延伸工程及び後加工工程における静電気の発生を防止するために静電気防止剤が広く使用されており、静電気防止剤としてスルホン酸塩を含有するものが提案されている(例えば、特許文献1等)。しかし、これら従来のスルホン酸塩を含有する合成繊維用処理剤は、スルホン酸塩中に含まれる硫酸イオンによって、該処理剤の長期安定性が不十分になる問題がある。また、かかる合成繊維用処理剤には、紡糸毛羽や糸切れの発生を防止するための、機能性向上剤を含有するものも各種提案されている(例えば、特許文献2等)。しかし、これら従来の合成繊維用処理剤を水性液とし、合成繊維に付与する際、合成繊維への浸透性が不足して、糸の集束性が不良となり、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽、及び染色斑が発生するという問題があった。
特許第5967852号公報 特開平01−298281号公報
本発明が解決しようとする課題は、合成繊維用処理剤の長期安定性が良好であり、合成繊維用処理剤を水性液とし、合成繊維に付着させる際の合成繊維への浸透性が良好で、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽、及び染色斑の問題を十分に抑止することができる合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法を提供することを課題としている。
本発明者らは上記の課題を解決するべく検討した結果、脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル、非イオン性界面活性剤及び、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩を含有する合成繊維用処理剤において、合成繊維用処理剤中の硫酸イオン濃度が、長期安定性に大きく関与していることを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を含む平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及び、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を含むイオン性界面活性剤(C)を含有し、かつ、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオンが200ppm以下であることを特徴とする合成繊維用処理剤。
2.前記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)が、アルキル基の炭素数が4〜12のものである、1.に記載の合成繊維用処理剤。
3.前記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)が、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩である、2.に記載の合成繊維用処理剤。
4.前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を1質量%超15質量%以下の割合で含有する、1.〜3.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
5.前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を3質量%超15質量%以下の割合で含有する4.に記載の合成繊維用処理剤。
6.前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記非イオン性界面活性剤(B)として、下記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を0.1〜15質量%の割合で含有する1.〜5.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
Figure 2021193220
(式(1)中において、
X:オキシエチレン基
Y:オキシプロピレン基
X、Yの繰り返しはブロック又はランダムのいずれの方法で繰り返されていてもよい
a、b:aは0〜35の整数であり、bは0〜25の整数であって、a+bが1以上となる整数)
7.イオンクロマトグラフ法により合成繊維用処理剤から検出される硫酸イオンが100ppm以下である1.〜6.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
8.前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の含有割合の合計を100質量%とすると、前記平滑剤(A)を20〜94質量%、前記非イオン性界面活性剤(B)を5〜60質量%及び前記イオン性界面活性剤(C)を1〜20質量%の割合で含有する1.〜7.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
9.1.〜8.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤が付着していることを特徴とする合成繊維。
10.1.〜8.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させる工程を経ることを特徴とする合成繊維の処理方法。
本発明の合成繊維用処理剤は、長期安定性が良好であり、この合成繊維用処理剤を水性液として合成繊維に付着させる際の、合成繊維への浸透性も非常に優れていることから、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽を十分に防止することができ、かつ、得られる糸の染色性を向上させることができ、非常に有用である。
本発明は、脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を含む平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及び、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を含むイオン性界面活性剤(C)を含有し、かつ、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオンが200ppm以下であることを特徴とする合成繊維用処理剤や、この合成繊維用処理剤が付着した合成繊維、さらに、この合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させる処理方法に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
<平滑剤(A)>
本発明の合成繊維用処理剤は、平滑剤(A)を必須成分として含有するものであり、この平滑剤は、脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を含むものである。
<エステル(A1)>
本発明における脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)としては、その化学構造から、脂肪族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a1−1)、脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a1−2)、脂肪族モノアルコールと脂肪族多価カルボン酸とのエステル化合物(a1−3)、天然油脂等の脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(a1−4)の何れか1種以上が好適である。この(a1−1)〜(a1−4)の中でも、(a1−1)と(a1−2)が好適であり、さらに(a1−1)がより好適である。
脂肪族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a1−1)としては、炭素数8〜18の脂肪族モノアルコールと炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸とのエステルが好適であり、例えば、オクチルステアレート、オレイルラウレート、オレイルオレート、イソペンタコサニルイソステアレート、オクチルパルミテート、オクチルラウレート、デシルオクテート、イソトリデシルミリステート、ラウリルオレート等が挙げられる。
脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a1−2)としては、炭素数3〜8の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸とのエステルが好適であり、例えば、1,6−ヘキサンジオールジデカネート、トリメチロールプロパンモノオレートジラウレート、トリメチロールプロパントリラウレート、グリセリントリラウレート等が挙げられる。
脂肪族モノアルコールと脂肪族多価カルボン酸とのエステル化合物(a1−3)としては、炭素数8〜18の脂肪族モノアルコールと炭素数4〜10の脂肪族多価カルボン酸とのエステルが好適であり、例えば、ジオクチルアジペート、ジラウリルアジペート、ジオレイルアゼレート、ジイソセチルチオジプロピオナート等が挙げられる。
天然油脂等の脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(a1−4)としては、例えば、ヤシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、大豆油、ヒマシ油、ゴマ油、魚油及び牛脂等が挙げられる。
本発明の合成繊維用処理剤は、これらの脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を単独で含有することもできるし、また2種以上を混合して含有することもできる。
本発明の合成繊維用処理剤は、上記脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)以外にも、合成繊維用処理剤に採用されている公知の平滑剤(a2)を、単独若しくは2種以上を混合して併用することができる。具体的には、芳香族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a2−1)、芳香族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a2−2)、脂肪族モノアルコールと芳香族多価カルボン酸とのエステル化合物(a2−3)、鉱物油(a2−4)等が挙げられる。
芳香族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a2−1)としては、例えば、ベンジルオレート、ベンジルラウレート等が挙げられる。
芳香族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a2−2)としては、例えば、ビスフェノールAジラウレートが挙げられる。
脂肪族モノアルコールと芳香族多価カルボン酸とのエステル化合物(a2−3)としては、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソステアリルイソフタレート、トリオクチルトリメリテート等が挙げられる。
<非イオン性界面活性剤(B)>
本発明の合成繊維用処理剤は、非イオン性界面活性剤(B)を必須成分として含有するものである。
この非イオン性界面活性剤(B)としては、合成繊維用処理剤に採用されている公知の非イオン性界面活性剤を採用することができ、具体的には、以下のものが挙げられる。
有機酸、有機アルコール、有機アミン及び/又は有機アミド分子に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物(b1)として、例えば、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレンメチルエーテルラウレート、ポリオキシエチレンオクチルエーテルパルミテート、ビスポリオキシエチレンラウリルエーテルアジペート、ビスポリオキシエチレンオクチルエーテルアジペート、ポリオキシエチレンジオレート、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシブチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテル等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤(b2)として、例えば、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン硬化ヒマシ油トリオクタネート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテルトリラウレート等が挙げられる。
多価アルコール部分エステル型非イオン性界面活性剤(b3)として、例えば、ソルビタンモノオレート、グリセリンモノラウラート等が挙げられる。
アルキルアミド型非イオン界面活性剤(b4)として、例えば、ジエタノールアミンラウリン酸アミド、ジエタノールアミンオレイン酸アミド等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド型非イオン界面活性剤(b4)として、例えば、ポリオキシエチレンジエタノールアミンオレイン酸アミド等が挙げられる。
本発明の合成繊維用処理剤は、これらの非イオン性界面活性剤(B)を、単独で含有することもできるし、また2種以上を混合して含有することもできる。
本発明の合成繊維用処理剤は、非イオン性界面活性剤(B)として、下記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を含有することが好ましい、
Figure 2021193220
(式(1)中において、
X:オキシエチレン基
Y:オキシプロピレン基
X、Yの繰り返しはブロック又はランダムのいずれの方法で繰り返されていてもよい
a、b:aは0〜35の整数であり、bは0〜25の整数であって、a+bが1以上となる整数)
本発明の合成繊維用処理剤は、上記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を含有することにより、合成繊維用処理剤を水性液として合成繊維に付着させる際の、合成繊維への浸透性が向上し収束性が良好なものとなるため、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽を低減するという優れた効果を発揮することができる。また、この化合物(B1)の質量平均分子量が2000を超えると、これを配合した合成繊維用処理剤の安定性が悪化する。このため、化合物(B1)の質量平均分子量は、1500以下であることがより好ましい。
さらに、本発明の合成繊維用処理剤は、上記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を、平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及びイオン性界面活性剤(C)の合計中に0.1〜15質量%の割合で含有することが、好ましい。
<イオン性界面活性剤(C)>
本発明の合成繊維用処理剤は、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を含むイオン性界面活性剤(C)を必須成分として含有するものである。アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)としては、合成繊維用処理剤に採用されている公知のものであれば特に限定はされないが、具体的には、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、ジブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジブチルスルホコハク酸カリウム、ジヘキシルスルホコハク酸カリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸カリウム、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジトリデシルスルホコハク酸カリウム、ジオレイルスルホコハク酸ナトリウム、ジオレイルスルホコハク酸カリウム等が挙げられる。これらの中でも、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、ジブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸カリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸カリウム等のアルキル基の炭素数が4〜12のものが好ましく、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウムが特に好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤が含有するジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)の含有量としては、平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及びイオン性界面活性剤(C)の合計量中に、1質量%超15質量%以下となる割合で含有することが好ましく、3質量%超15質量%以下の割合で含有することがより好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤は、上記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)以外にも、合成繊維用処理剤に採用されている公知のイオン性界面活性剤(C2)を、単独若しくは2種以上を混合して併用することができる。
本発明の合成繊維用処理剤が併用できるイオン性界面活性剤(C2)としては、有機脂肪酸塩(c2−1)、有機スルホン酸塩(c2−2)、有機リン酸エステル塩(c2−3)、有機サルフェート塩(c2−4)、有機第四級アンモニウム塩(c2−5)、有機アミンオキサイド(c2−6)、有機アラニン化合物(c2−7)及び有機ベタイン化合物(c2−8)等が挙げられる。これらのイオン性界面活性剤は単独で含有することができるし、また2種以上を混合して含有することもできる。
なお、上記有機スルホン酸塩(c2−2)は、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)以外の有機スルホン酸塩を意味する。
有機脂肪酸塩(c2−1)としては、例えば、炭素数6〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩、炭素数6〜22の脂肪酸のアミン塩、炭素数6〜22の脂肪酸のホスホニウム塩等が挙げられる。炭素数6〜22の脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルシン酸、リノール酸、ドデセニルコハク酸等が挙げられる。
アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アミン塩を構成するアミンとしては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、オクチルアミン等の脂肪族アミン類、アニリン、ピリジン、モルホリン、ピペラジン、これらの誘導体等の芳香族アミン類又は複素環アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン、オクチルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステリルアミノエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル類、アンモニア等が挙げられる。
ホスホニウム塩を構成するホスホニウム基としては、例えば、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、トリメチルプロピルホスホニウム、トリメチルオクチルホスホニウム、トリメチルドデシルホスホニウム、トリメチルオクタデシルホスホニウム等のリン原子に結合する有機基が全て脂肪族炭化水素基であるホスホニウム基、トリメチルフェニルホスホニウム、トリエチルフェニルホスホニウム、トリブチルフェニルホスホニウム、ジメチルジフェニルホスホニウム、トリフェニルエチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム等のリン原子に結合する有機基のうちで少なくとも1つが芳香族炭化水素基であるホスホニウム基等が挙げられる。
有機スルホン酸塩(c2−2)としては、例えば、炭素数6〜22の有機スルホン酸アルカリ金属塩、炭素数6〜22の有機スルホン酸アミン塩、炭素数6〜22の有機スルホン酸ホスホニウム塩等が挙げられる。
有機スルホン酸塩を構成する炭素数6〜22の有機スルホン酸としては、例えば、デシルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、イソトリドデシルスルホン酸、テトラデシルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、ペンタデカンスルホン酸等のアルキルスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸等のアルキルアリールスルホン酸、ドデシルスルホ酢酸エステル、ノニルフェノキシポリエチレングリコールスルホ酢酸エステル等のエステルスルホン酸などが挙げられる。
有機スルホン酸アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属、有機スルホン酸アミン塩を構成するアミン、及び有機スルホン酸ホスホニウム塩を構成するホスホニウム基は、上記有機脂肪酸塩(c2−1)において説明したものと同様である。
有機リン酸エステル塩(c2−3)としては、例えば、アルコキシ基の炭素数が4〜22である有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)、アルコキシ基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜10個である(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)、アルコキシ基の炭素数が4〜22である有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−3)、アルコキシ基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜10個である(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−4)等が挙げられる。
アルコキシ基の炭素数が4〜22である有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)としては、例えば、ブチルリン酸エステルアルカリ金属塩、ペンチルリン酸エステルアルカリ金属塩、ヘキシルリン酸エステルアルカリ金属塩、ヘプチルリン酸エステルアルカリ金属塩、オクチルリン酸エステルアルカリ金属塩、イソオクチルリン酸エステルアルカリ金属塩、2−エチルヘキシルリン酸エステルアルカリ金属塩、デシルリン酸エステルアルカリ金属塩、ラウリルリン酸エステルアルカリ金属塩、トリデシルリン酸エステルアルカリ金属塩、ミリスチルリン酸エステルアルカリ金属塩、セチルリン酸エステルアルカリ金属塩、オレイルリン酸エステルアルカリ金属塩、ステアリルリン酸エステルアルカリ金属塩、エイコシルリン酸エステルアルカリ金属塩、ベヘニルリン酸エステルアルカリ金属塩等が挙げられる。
有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)には、モノエステル体の単独物、ジエステル体の単独物、モノエステル体とジエステル体との混合物が含まれ、ジエステル体には、同一のアルコキシ基を有するジエステル体(対称形のジエステル)と、異なるアルコキシ基を有するジエステル体(非対称形のジエステル)が含まれる。
有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)を構成するアルカリ金属は、上記有機脂肪酸塩(c2−1)において説明したものと同様である。
アルコキシ基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜10個である(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)としては、例えば、ポリオキシアルキレンブチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンペンチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンヘキシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンヘプチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンオクチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンイソオクチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレン−2−エチルヘキシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンデシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンラウリルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレントリデシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンミリスチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンセチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンオレイルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンステアリルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンエイコシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンベヘニルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)において、(ポリ)オキシアルキレン基としては、(ポリ)オキシエチレン基、(ポリ)オキシプロピレン基、(ポリ)オキシエチレンオキシプロピレン基等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)には、モノエステル体の単独物、ジエステル体の単独物、モノエステル体とジエステル体との混合物が含まれ、ジエステル体には、同一のアルコキシ基を有するジエステル体(対称形のジエステル)と、異なるアルコキシ基を有するジエステル体(非対称形のジエステル)とがある。
ポリオキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)を構成するアルカリ金属は、上記有機脂肪酸塩(c2−1)において説明したものと同様である。
アルコキシ基の炭素数が4〜22である有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−3)、及びアルコキシ基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜10個である(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−4)に用いるアミンに関しては、上記有機脂肪酸塩(c2−1)において説明したものと同様である。また、アミン以外の構造については有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)、及び(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)の金属塩を除いた部分の構造と同様である。
本発明に供する有機リン酸エステル塩(c2−3)には、前記した有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)、(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)、有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−3)、及び(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−4)以外に例えば、モノオクチルピロリン酸アルカリ金属塩、ジオクチルピロリン酸アルカリ金属塩、ピロリン酸アルカリ金属塩、トリポリリン酸等の成分を含有していてもよいが、これらの成分は可及的に少ない方が好ましい。
有機サルフェート塩(c2−4)としては、例えば、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸リチウム、ヘキサデシル硫酸カリウム等のアルキル硫酸アルカリ金属塩、牛脂硫酸化油、ひまし油硫酸化油等の天然油脂の硫酸化物のアルカリ金属塩等が挙げられる。
有機第四級アンモニウム塩(c2−5)は、一般的に第4級アンモニウムカチオン基とアニオン基とから構成される化合物を意味する。第4級アンモニウムカチオン基としては、例えば、窒素原子に結合する有機基がいずれも炭素数1〜25のアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基がいずれも炭素数2〜25のアルケニル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基がいずれも炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数2〜25のアルケニル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数2〜25のアルケニル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、他の一部が炭素数2〜25のアルケニル基であって、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基が挙げられる。
上記第4級アンモニウムカチオン基としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、トリプロピルメチルアンモニウム、トリブチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリエチルイソオクチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルラウリルアンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウム等の、窒素原子に結合する有機基がいずれも炭素数1〜25のアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、ジブテニルジエチルアンモニウム、ジメチルジオレイルアンモニウム、トリメチルオレイルアンモニウム、トリエチルエイコセニルアンモニウム等の、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数2〜25のアルケニル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、トリブチルヒドロキシエチルアンモニウム、ジ(ヒドロキシエチル)ジプロピルアンモニウム、トリ(ヒドロキシエチル)オクチルアンモニウム、トリ(ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム等の、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基等が挙げられる。
上記アニオン基としては、例えば、有機リン酸エステル、有機硫酸エステル、有機スルホン酸エステル、有機カルボン酸等の1〜3価の有機酸から水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基が挙げられる。例えば、メチルリン酸エステル、ジエチルリン酸エステル、ジオクチルリン酸エステル、メチルオレイルリン酸エステル、ノニルフェニルオキシエトキシエチル・メチルリン酸エステル等の炭素数1〜30の有機リン酸エステルから水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基、メチルサルフェート、エチルサルフェート、ラウリルサルフェート、オクチルフェニルオキシポリエトキシエチルサルフェート等の炭素数1〜30の有機硫酸エステルから水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基、ブチルスルホネート、ラウリルスルホネート、ステアリルスルホネート、オレイルスルホネート、p−トルエンスルホネート、ドデシルフェニルスルホネート、オレイルフェニルスルホネート、ナフチルスルホネート、ジイソプロピルナフチルスルホネート等の炭素数1〜30の有機スルホン酸エステルから水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基、酢酸、カプロン酸、ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、ペンタデセニルコハク酸等の炭素数1〜30の脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸等の炭素数7〜30の芳香族カルボン酸、乳酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の炭素数3〜30の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、チオジプロピオン酸等の炭素数3〜30の含硫黄脂肪族カルボン酸等の炭素数1〜30の有機カルボン酸から水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基が挙げられる。
有機アミンオキサイド(c2−6)としては、例えば、ジメチルエチルアミンオキサイド、ジメチルプロピルアミンオキサイド、ジメチルヘキシルアミンオキサイド、ジメチルオクチルアミンオキサイド、ジメチルノニルアミンオキサイド、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルミリスチルアミンオキサイド、ジメチルセチルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジメチルエイコシルアミンオキサイド、ジヘキシルメチルアミンオキサイド、ジオクチルメチルアミンオキサイド、ジノニルメチルアミンオキサイド、ジラウリルメチルアミンオキサイド、ジミリスチルメチルアミンオキサイド、ジセチルメチルアミンオキサイド、ジステアリルメチルアミンオキサイド、ジエイコシルメチルアミンオキサイド等の窒素原子に結合している脂肪族炭化水素基が全て炭素数1〜24の飽和脂肪族炭化水素基である有機アミンオキサイド、2−テトラデセニルアミンオキサイド、2−ペンタデセニルアミンオキサイド、2−オクタデセニルアミンオキサイド、15−ヘキサデセニルアミンオキサイド、オレイルアミンオキサイド、リノレイルアミンオキサイド、エレオステアリルアミンオキサイド、ジ(2−テトラデセニル)アミンオキサイド、ジ(2−ペンタデセニル)アミンオキサイド、ジ(2−オクタデセニル)アミンオキサイド、ジ(15−ヘキサデセニル)アミンオキサイド、ジオレイルアミンオキサイド、ジリノレイルアミンオキサイド、ジエレオステアリルアミンオキサイド等の窒素原子に結合している脂肪族炭化水素基のうちで少なくとも1つが炭素数14〜24の不飽和脂肪族炭化水素基である有機アミンオキサイド等が挙げられる。
有機アラニン化合物(c2−7)としては、例えば、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−オクチルアミンナトリウム、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−ドデシルアミンナトリウム、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−テトラデシルアミンカリウム、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−ヘキサデシルアミンナトリウム、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−オクタデシルアミンナトリウム、N−(2−カルボキシエチル)−ドデシルアミン、N−(2−カルボキシエチル)−オクタデシルアミンナトリウム、N−オレオイル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられる。
有機ベタイン化合物(c2−8)としては、例えば、オクチルジメチルアンモニオアセタート、デシルジメチルアンモニオアセタート、ドデシルジメチルアンモニオアセタート、ヘキサデシルジメチルアンモニオアセタート、オクタデシルジメチルアンモニオアセタート、ノナデシルジメチルアンモニオアセタート、オクタデセニルジメチルアンモニオアセタート、ドデシルアミノプロピルジメチルアンモニオアセタート、オクタデシルアミノプロピルジメチルアンモニオアセタート、オクタデセニルアミノプロピルジメチルアンモニオアセタート等が挙げられる。
<硫酸イオン>
本発明の合成繊維用処理剤は、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオンが200ppm以下であることを特徴とするものである。
本発明の合成繊維用処理剤の必須成分である、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)をはじめ、含有し得る有機スルホン酸塩(c2−2)は一般に、その原料に由来する硫酸ナトリウム等の硫酸塩が含まれていることが多い。
有機スルホン酸塩中に含まれる硫酸塩の含有量は、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオン量から求めることができる。
本発明の合成繊維用処理剤は、イオンクロマトグラフ法により求められる硫酸イオンの濃度が200ppm以下のものであるが、100ppm以下のものがより好ましい。
硫酸イオンの濃度は、イオンクロマトグラフ法による分析で得られる硫酸イオンの測定により定量することができる。具体的に、硫酸イオンの濃度は次のように求めることができる。
共栓付試験管に試料0.1g(合成繊維用処理剤として)を正確に量りとり、ヘキサン10mLに溶解させた。次いで、純水5mLを加え、撹拌した後、静置して水層と油層に分離した。水層をODS(シリカゲルにオクタデシル基を化学結合させた)前処理カートリッジに通し、イオンクロマトグラフ分析に使用した。以下のイオンクロマトグラフ条件により検出を行った。濃度既知の標準液に対するピーク面積比にて検出量を測定し、硫酸イオンの濃度に換算した。
<イオンクロマトグラフ条件>
装置:東ソー社製 IC2001 サプレッサ使用、
分析カラム:東ソー社製 TSKgel SuperIC−AZ 内径4.6mm×長さ75mm、
ガードカラム:東ソー社製 TSKgel guardcolumn SuperIC−AZ、内径4.0mm×長さ10mm、
溶離液:4.8mmolのNaCO、2.8mmolのNaHCOの23容量%メタノール水溶液、
流量:0.6mL/min。
本発明の合成繊維用処理剤中の硫酸イオンの濃度を200ppm以下にするには、処理剤に使用するジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)及び有機スルホン酸塩(c2−2)に含まれる硫酸塩、ひいては硫酸イオンの濃度を管理する必要がある。その方法については特に限定はなく、公知の手法を採用することができる。例えば、有機スルホン酸ナトリウム塩を含む原料から硫酸イオンを除去する方法として、該原料に対してメタノール、水等の溶媒を加えることにより、無機物である硫酸ナトリウムを析出させ分離する方法、吸着剤に硫酸イオンを吸着させ、固液分離する方法、より難溶な硫酸塩を形成する塩を添加してイオン交換させた後に吸着させ固液分離する方法などが挙げられる。
<合成繊維用処理剤の組成比>
本発明の合成繊維用処理剤は、平滑剤(A)を20〜94質量%、非イオン性界面活性剤(B)を5〜60質量%及びイオン性界面活性剤(C)を1〜20質量%(合計100質量%の割合)で含有するものが好ましい。
<合成繊維>
本発明の合成繊維は、本発明の合成繊維用処理剤が付着している合成繊維である。本発明の合成繊維用処理剤を付着させる合成繊維としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸エステル等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリアクリル、モダアクリル等のポリアクリル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維が挙げられる。これらの中でもポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維に付着させた場合に、本発明の効果をより発揮するため好適である。
本発明の合成繊維用処理剤を付着させた合成繊維は、延伸糸若しくは半延伸糸として得ることができる。中でも、本発明の合成繊維用処理剤は、延伸糸を製造するために適している。
本発明の合成繊維用処理剤(溶媒を含まない)を合成繊維に付着させる割合は、特に制限はないが、本発明の合成繊維用処理剤を合成繊維に対し0.1〜3質量%の割合となるよう付着させることが好ましい。
<処理方法>
本発明の合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させる工程としては、紡糸工程、紡糸と延伸とを同時に行う工程等が挙げられる。また本発明の処理剤を合成繊維に付着させる方法としては、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等が挙げられる。更に本発明の処理剤を合成繊維に付着させる際の形態としては、ニート、有機溶剤溶液、水性液等が挙げられるが、水性液が好ましい。本発明の処理剤の水性液を付着させる場合も、本発明の合成繊維用処理剤を合成繊維に対し0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜1.2質量%となるよう付着させることが好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤を用いた水性液に使用する水としては、例えば、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられるが、なかでもイオン交換水、蒸留水が好ましい。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
<ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)の製造>
具体的な有機スルホン酸塩の合成方法を、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(製造例1)と、ジブチルスルホコハク酸ナトリウム塩(製造例2)を例に説明する。
・製造例1
ジ(2−エチルヘキシル)マレート74.1部、イソプロピルアルコール8部、イオン交換水18.4部、無水重亜硫酸ナトリウム21.5部、20%水酸化ナトリウム水溶液0.4部を混合し、105℃で5時間反応させた。その後70℃に冷却し、硫酸ナトリウムを析出させ、析出した硫酸ナトリウムをろ過により分離して、粗精製品C1−2の水溶液を得た。
得られた粗精製品C1−2の水溶液に対して吸着剤(キョーワード600S、協和化学工業社製)を0.7部加え、80℃で2時間撹拌処理した。その後、ステアリン酸バリウムを2部加え、80℃で1時間撹拌処理したのち、24時間静置後、吸着剤と析出してきた硫酸塩をフィルターろ過により除去し、高精製品C1−1の水溶液(濃度78%)を得た。
・製造例2
上記製造例1において、ジ(2−エチルヘキシル)マレート74.1部をジブチルマレート49.7部に、無水重亜硫酸ナトリウム21.5部を無水重亜硫酸カリウム25.1部に、20%水酸化ナトリウム水溶液0.4部を20%水酸化カリウム水溶液0.4部に変更した以外は同様の操作を行い、ジブチルスルホコハク酸カリウム塩の粗精製品C1−4、及び高精製品C1−3を得た。
<合成繊維用処理剤の調製>
・実施例1
平滑剤(A)としてデシルオクテート(A1−1)を70部、非イオン性界面活性剤(B)としてポリオキシエチレン(20モル)ポリエチレングリコール(B1−1)を1部、ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油エーテルトリラウレート(B2−1)を6部、ジエタノールアミンオレイン酸アミド(B2−3)を4部、イオン性界面活性剤としてジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(C1−1)を10部(C1−1水溶液として12.8部)、ポリオキシエチレン(2モル)オクチルエーテルリン酸エステルカリウム塩(C2−1)を2部、ラウリルリン酸エステルナトリウム塩(C2−2)を7部の割合で均一配合して、実施例1の合成繊維用処理剤を調製した。
・実施例2〜14及び比較例1〜5
実施例1の合成繊維用処理剤と同様にして、実施例2〜14及び比較例1〜5の合成繊維用処理剤を調製した。実施例1〜14及び比較例1〜5の合成繊維用処理剤の各配合を、下記表1にまとめて示す。
Figure 2021193220
表1中の各記号は、下記成分を表す。
<平滑剤:脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)>
A1−1:デシルオクテート
A1−2:オクチルパルミテート
A1−3:ラウリルオレート
A1−4:イソトリデシルミリステート
A1−5:トリメチロールプロパントリラウレート
<(A1)以外の平滑剤>
a2−4:鉱物油(30℃、47mm/s)
<非イオン性界面活性剤(B1)>
B1−1:ポリオキシエチレン(20モル)ポリエチレングリコール
B1−2:ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)直鎖ランダムポリエーテル
B1−3:ポリオキシエチレン(15モル)ポリオキシプロピレン(15モル)直鎖ランダムポリエーテル
B1−4:ポリオキシエチレン(20モル)ポリオキシプロピレン(15モル)直鎖ブロックポリエーテル
B1−5:ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(40モル)直鎖ランダムポリエーテル
<(B1)以外の非イオン性界面活性剤(B2)>
B2−1:ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油エーテルトリラウレート
B2−2:ポリオキシエチレン(3モル)オクチルエーテルパルミテート
B2−3:ジエタノールアミンオレイン酸アミド
B2−4:ソルビタンモノオレート
B2−5:以下の均一配合物(合計100%)
・ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(3モル)ラウリルエーテル 75%
・ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(3モル)テトラデシルエーテル 25%
B2−6:ポリオキシエチレン(5モル)パルミチルエーテル
B2−7:ポリオキシエチレン(3モル)オレイン酸エステル
B2−8:ビスポリオキシエチレン(3モル)オクチルエーテルアジペート
B2−9:ポリオキシエチレン(7モル)ラウリン酸エステル
<ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)>
C1−1:ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(高精製品)
C1−2:ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(粗精製品)
C1−3:ジブチルスルホコハク酸ナトリウム塩(高精製品)
C1−4:ジブチルスルホコハク酸ナトリウム塩(粗精製品)
<(C1)以外のイオン性界面活性剤(C2)>
C2−1:ポリオキシエチレン(2モル)オクチルエーテルリン酸エステルカリウム塩
C2−2:ラウリルリン酸エステルナトリウム塩
C2−3:以下の均一配合物(合計100%)
・ポリオキシエチレン(3モル)デシルエーテルリン酸エステル=ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルアミン 50%
・ポリオキシエチレン(3モル)デシルエーテルリン酸エステル=ポリオキシエチレン(2モル)テトラデシルアミン 20%
・ポリオキシエチレン(3モル)デシルエーテルリン酸エステル=ポリオキシエチレン(2モル)パルミチルアミン 20%
・ポリオキシエチレン(3モル)デシルエーテルリン酸エステル=ポリオキシエチレン(2モル)オレイルアミン 10%
C2−4:カプリル酸カリウム
<合成繊維用処理剤の長期安定性評価>
処理剤長期安定性評価方法:上記方法で調製した合成繊維用処理剤を、40℃のインキュベーターで1週間保管して、保管する前と後の変化を目視にて次の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
[評価基準]
◎:変化なし
○:わずかに分離が見られるが、実用上問題ない
×:分離が発生し、実用上問題がある
<合成繊維への合成繊維用処理剤の浸透性評価>
合成繊維用処理剤1部とイオン交換水99部を均一配合して、濃度1%合成繊維用処理剤水性液を調製した。調製した水性液0.1mlが洗浄済みポリエステルタフタに浸透するまでの時間について次の基準で評価した。
[評価基準]
◎:30秒以内
○:30〜60秒以内
×:60秒以上
<合成繊維用処理剤の水性液の付着及び紡糸延伸工程での毛羽評価>
・合成繊維用処理剤の水性液の付着
固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタレートを定法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、濃度10%に調製した合成繊維用処理剤の水性液を、計量ポンプを用いたガイド給油法により、合成繊維用処理剤としての付着量が1.0%となるように付着させた後、ガイドで集束させ、表面速度1400m/分で表面温度90℃の第1ゴデットローラーと、表面速度4800m/分で表面温度150℃の第2ゴデットローラーとで延伸後、4800m/分の速度で巻き取り、83デシテックス36フィラメントの延伸糸を得た。
・紡糸毛羽の評価
延伸糸を550000m製造したときの巻き取り直前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製のDT−105)にて1時間当たりの毛羽数を測定し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
◎:測定された毛羽数が0個
○:測定された毛羽数が1〜5個
×:測定された毛羽数が6個以上
<染色性の評価>
前記の紡糸毛羽を評価した延伸糸を用い、筒編機で直径70mm、長さ1.2mの編地を作製した。作製した編地を分散染料(日本化薬社製の商品名カヤロンポリエステルブルーEBL−E)を用い、高圧染色法により染色した。染色した編地を、情報に従い水洗、還元洗浄、および乾燥した後、直径70mm、長さ1mの鉄製の筒に装着して、編地表面の濃染部分を肉眼で数え、以下の基準で染色性を評価した。
[評価基準]
◎:濃染部分がない
○:濃染部分が1〜7点ある
×:濃染部分が8点以上ある
上記の長期安定性評価、浸透性評価、毛羽評価、染色性評価の結果を、下記表2にまとめて示す。
Figure 2021193220
表2の結果からも明らかなように、本発明によれば合成繊維用処理剤の長期安定性が良好で、浸透性が良好、さらに紡糸毛羽の発生、染色斑の発生という問題を十分に抑止することができる。
本発明は合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法に関する。詳しくは、合成繊維用処理剤の長期安定性が良好で、かつ合成繊維用処理剤水性液の合成繊維への浸透性を向上させ、紡糸延伸工程での毛羽を十分に防止でき、得られる糸の染色性を向上できる合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法に関する。
従来、紡糸延伸工程に供する合成繊維用処理剤として一般に、潤滑剤及び機能性向上剤を含有するものが使用されている。かかる合成繊維用処理剤には、紡糸延伸工程及び後加工工程における静電気の発生を防止するために静電気防止剤が広く使用されており、静電気防止剤としてスルホン酸塩を含有するものが提案されている(例えば、特許文献1等)。しかし、これら従来のスルホン酸塩を含有する合成繊維用処理剤は、スルホン酸塩中に含まれる硫酸イオンによって、該処理剤の長期安定性が不十分になる問題がある。また、かかる合成繊維用処理剤には、紡糸毛羽や糸切れの発生を防止するための、機能性向上剤を含有するものも各種提案されている(例えば、特許文献2等)。しかし、これら従来の合成繊維用処理剤を水性液とし、合成繊維に付与する際、合成繊維への浸透性が不足して、糸の集束性が不良となり、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽、及び染色斑が発生するという問題があった。
特許第5967852号公報 特開平01−298281号公報
本発明が解決しようとする課題は、合成繊維用処理剤の長期安定性が良好であり、合成繊維用処理剤を水性液とし、合成繊維に付着させる際の合成繊維への浸透性が良好で、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽、及び染色斑の問題を十分に抑止することができる合成繊維用処理剤、合成繊維及び合成繊維の処理方法を提供することを課題としている。
本発明者らは上記の課題を解決するべく検討した結果、脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル、非イオン性界面活性剤及び、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩を含有する合成繊維用処理剤において、合成繊維用処理剤中の硫酸イオン濃度が、長期安定性に大きく関与していることを見出し、上記課題を解決するに至ったものである。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を含む平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及び、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を含むイオン性界面活性剤(C)を含有し、かつ、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオンが200ppm以下であることを特徴とする合成繊維用処理剤(ただし、アルコール又はカルボン酸から誘導された親油性部分を有するポリオキシアルキレン縮合生成物から成る群から選ばれたノニオン性乳化剤を60〜98.9質量%含有する潤滑仕上組成物を除く)
2.前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を1質量%超15質量%以下の割合で含有する、1.に記載の合成繊維用処理剤。
3.前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を3質量%超15質量%以下の割合で含有する.に記載の合成繊維用処理剤。
4.前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記非イオン性界面活性剤(B)として、下記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を0.1〜15質量%の割合で含有する1.〜.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
Figure 2021193220
(式(1)中において、
X:オキシエチレン基
Y:オキシプロピレン基
X、Yの繰り返しはブロック又はランダムのいずれの方法で繰り返されていてもよい
a、b:aは0〜35の整数であり、bは0〜25の整数であって、a+bが1以上となる整数)
5.イオンクロマトグラフ法により合成繊維用処理剤から検出される硫酸イオンが100ppm以下である1.〜.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
6.前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の含有割合の合計を100質量%とすると、前記平滑剤(A)を20〜94質量%、前記非イオン性界面活性剤(B)を5〜60質量%及び前記イオン性界面活性剤(C)を1〜20質量%の割合で含有する1.〜.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
7.1.〜.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤が付着していることを特徴とする合成繊維。
8.1.〜.のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させる工程を経ることを特徴とする合成繊維の処理方法。
本発明の合成繊維用処理剤は、長期安定性が良好であり、この合成繊維用処理剤を水性液として合成繊維に付着させる際の、合成繊維への浸透性も非常に優れていることから、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽を十分に防止することができ、かつ、得られる糸の染色性を向上させることができ、非常に有用である。
本発明は、脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を含む平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及び、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を含むイオン性界面活性剤(C)を含有し、かつ、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオンが200ppm以下であることを特徴とする合成繊維用処理剤(ただし、アルコール又はカルボン酸から誘導された親油性部分を有するポリオキシアルキレン縮合生成物から成る群から選ばれたノニオン性乳化剤を60〜98.9質量%含有する潤滑仕上組成物を除く)や、この合成繊維用処理剤が付着した合成繊維、さらに、この合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させる処理方法に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
<平滑剤(A)>
本発明の合成繊維用処理剤は、平滑剤(A)を必須成分として含有するものであり、この平滑剤は、脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を含むものである。
<エステル(A1)>
本発明における脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)としては、その化学構造から、脂肪族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a1−1)、脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a1−2)、脂肪族モノアルコールと脂肪族多価カルボン酸とのエステル化合物(a1−3)、天然油脂等の脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(a1−4)の何れか1種以上が好適である。この(a1−1)〜(a1−4)の中でも、(a1−1)と(a1−2)が好適であり、さらに(a1−1)がより好適である。
脂肪族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a1−1)としては、炭素数8〜18の脂肪族モノアルコールと炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸とのエステルが好適であり、例えば、オクチルステアレート、オレイルラウレート、オレイルオレート、イソペンタコサニルイソステアレート、オクチルパルミテート、オクチルラウレート、デシルオクテート、イソトリデシルミリステート、ラウリルオレート等が挙げられる。
脂肪族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a1−2)としては、炭素数3〜8の脂肪族多価アルコールと炭素数8〜18の脂肪族モノカルボン酸とのエステルが好適であり、例えば、1,6−ヘキサンジオールジデカネート、トリメチロールプロパンモノオレートジラウレート、トリメチロールプロパントリラウレート、グリセリントリラウレート等が挙げられる。
脂肪族モノアルコールと脂肪族多価カルボン酸とのエステル化合物(a1−3)としては、炭素数8〜18の脂肪族モノアルコールと炭素数4〜10の脂肪族多価カルボン酸とのエステルが好適であり、例えば、ジオクチルアジペート、ジラウリルアジペート、ジオレイルアゼレート、ジイソセチルチオジプロピオナート等が挙げられる。
天然油脂等の脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(a1−4)としては、例えば、ヤシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、大豆油、ヒマシ油、ゴマ油、魚油及び牛脂等が挙げられる。
本発明の合成繊維用処理剤は、これらの脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を単独で含有することもできるし、また2種以上を混合して含有することもできる。
本発明の合成繊維用処理剤は、上記脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)以外にも、合成繊維用処理剤に採用されている公知の平滑剤(a2)を、単独若しくは2種以上を混合して併用することができる。具体的には、芳香族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a2−1)、芳香族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a2−2)、脂肪族モノアルコールと芳香族多価カルボン酸とのエステル化合物(a2−3)、鉱物油(a2−4)等が挙げられる。
芳香族モノアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a2−1)としては、例えば、ベンジルオレート、ベンジルラウレート等が挙げられる。
芳香族多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル化合物(a2−2)としては、例えば、ビスフェノールAジラウレートが挙げられる。
脂肪族モノアルコールと芳香族多価カルボン酸とのエステル化合物(a2−3)としては、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソステアリルイソフタレート、トリオクチルトリメリテート等が挙げられる。
<非イオン性界面活性剤(B)>
本発明の合成繊維用処理剤は、非イオン性界面活性剤(B)を必須成分として含有するものである。
この非イオン性界面活性剤(B)としては、合成繊維用処理剤に採用されている公知の非イオン性界面活性剤を採用することができ、具体的には、以下のものが挙げられる。
有機酸、有機アルコール、有機アミン及び/又は有機アミド分子に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加した化合物(b1)として、例えば、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレート、ポリオキシエチレンメチルエーテルラウレート、ポリオキシエチレンオクチルエーテルパルミテート、ビスポリオキシエチレンラウリルエーテルアジペート、ビスポリオキシエチレンオクチルエーテルアジペート、ポリオキシエチレンジオレート、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシブチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンラウリン酸アミドエーテル等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤(b2)として、例えば、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン硬化ヒマシ油トリオクタネート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテルトリラウレート等が挙げられる。
多価アルコール部分エステル型非イオン性界面活性剤(b3)として、例えば、ソルビタンモノオレート、グリセリンモノラウラート等が挙げられる。
アルキルアミド型非イオン界面活性剤(b4)として、例えば、ジエタノールアミンラウリン酸アミド、ジエタノールアミンオレイン酸アミド等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド型非イオン界面活性剤(b4)として、例えば、ポリオキシエチレンジエタノールアミンオレイン酸アミド等が挙げられる。
本発明の合成繊維用処理剤は、これらの非イオン性界面活性剤(B)を、単独で含有することもできるし、また2種以上を混合して含有することもできる。
本発明の合成繊維用処理剤は、非イオン性界面活性剤(B)として、下記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を含有することが好ましい、
Figure 2021193220
(式(1)中において、
X:オキシエチレン基
Y:オキシプロピレン基
X、Yの繰り返しはブロック又はランダムのいずれの方法で繰り返されていてもよい
a、b:aは0〜35の整数であり、bは0〜25の整数であって、a+bが1以上となる整数)
本発明の合成繊維用処理剤は、上記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を含有することにより、合成繊維用処理剤を水性液として合成繊維に付着させる際の、合成繊維への浸透性が向上し収束性が良好なものとなるため、紡糸延伸工程及び後加工工程における毛羽を低減するという優れた効果を発揮することができる。また、この化合物(B1)の質量平均分子量が2000を超えると、これを配合した合成繊維用処理剤の安定性が悪化する。このため、化合物(B1)の質量平均分子量は、1500以下であることがより好ましい。
さらに、本発明の合成繊維用処理剤は、上記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を、平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及びイオン性界面活性剤(C)の合計中に0.1〜15質量%の割合で含有することが、好ましい。
<イオン性界面活性剤(C)>
本発明の合成繊維用処理剤は、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を含むイオン性界面活性剤(C)を必須成分として含有するものである。アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩としては、合成繊維用処理剤に採用されている公知のものであれば特に限定はされないが、具体的には、例えば、ジブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジブチルスルホコハク酸カリウム、ジヘキシルスルホコハク酸カリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ジラウリルスルホコハク酸カリウム、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ジトリデシルスルホコハク酸カリウム、ジオレイルスルホコハク酸ナトリウム、ジオレイルスルホコハク酸カリウム等が参考例として挙げられる
本発明の合成繊維用処理剤が含有するジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)の含有量としては、平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及びイオン性界面活性剤(C)の合計量中に、1質量%超15質量%以下となる割合で含有することが好ましく、3質量%超15質量%以下の割合で含有することがより好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤は、上記ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)以外にも、合成繊維用処理剤に採用されている公知のイオン性界面活性剤(C2)を、単独若しくは2種以上を混合して併用することができる。
本発明の合成繊維用処理剤が併用できるイオン性界面活性剤(C2)としては、有機脂肪酸塩(c2−1)、有機スルホン酸塩(c2−2)、有機リン酸エステル塩(c2−3)、有機サルフェート塩(c2−4)、有機第四級アンモニウム塩(c2−5)、有機アミンオキサイド(c2−6)、有機アラニン化合物(c2−7)及び有機ベタイン化合物(c2−8)等が挙げられる。これらのイオン性界面活性剤は単独で含有することができるし、また2種以上を混合して含有することもできる。
なお、上記有機スルホン酸塩(c2−2)は、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)以外の有機スルホン酸塩を意味する。
有機脂肪酸塩(c2−1)としては、例えば、炭素数6〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩、炭素数6〜22の脂肪酸のアミン塩、炭素数6〜22の脂肪酸のホスホニウム塩等が挙げられる。炭素数6〜22の脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルシン酸、リノール酸、ドデセニルコハク酸等が挙げられる。
アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アミン塩を構成するアミンとしては、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、オクチルアミン等の脂肪族アミン類、アニリン、ピリジン、モルホリン、ピペラジン、これらの誘導体等の芳香族アミン類又は複素環アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン、オクチルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステリルアミノエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル類、アンモニア等が挙げられる。
ホスホニウム塩を構成するホスホニウム基としては、例えば、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリメチルエチルホスホニウム、トリメチルプロピルホスホニウム、トリメチルオクチルホスホニウム、トリメチルドデシルホスホニウム、トリメチルオクタデシルホスホニウム等のリン原子に結合する有機基が全て脂肪族炭化水素基であるホスホニウム基、トリメチルフェニルホスホニウム、トリエチルフェニルホスホニウム、トリブチルフェニルホスホニウム、ジメチルジフェニルホスホニウム、トリフェニルエチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム等のリン原子に結合する有機基のうちで少なくとも1つが芳香族炭化水素基であるホスホニウム基等が挙げられる。
有機スルホン酸塩(c2−2)としては、例えば、炭素数6〜22の有機スルホン酸アルカリ金属塩、炭素数6〜22の有機スルホン酸アミン塩、炭素数6〜22の有機スルホン酸ホスホニウム塩等が挙げられる。
有機スルホン酸塩を構成する炭素数6〜22の有機スルホン酸としては、例えば、デシルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、イソトリドデシルスルホン酸、テトラデシルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、ペンタデカンスルホン酸等のアルキルスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸等のアルキルアリールスルホン酸、ドデシルスルホ酢酸エステル、ノニルフェノキシポリエチレングリコールスルホ酢酸エステル等のエステルスルホン酸などが挙げられる。
有機スルホン酸アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属、有機スルホン酸アミン塩を構成するアミン、及び有機スルホン酸ホスホニウム塩を構成するホスホニウム基は、上記有機脂肪酸塩(c2−1)において説明したものと同様である。
有機リン酸エステル塩(c2−3)としては、例えば、アルコキシ基の炭素数が4〜22である有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)、アルコキシ基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜10個である(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)、アルコキシ基の炭素数が4〜22である有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−3)、アルコキシ基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜10個である(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−4)等が挙げられる。
アルコキシ基の炭素数が4〜22である有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)としては、例えば、ブチルリン酸エステルアルカリ金属塩、ペンチルリン酸エステルアルカリ金属塩、ヘキシルリン酸エステルアルカリ金属塩、ヘプチルリン酸エステルアルカリ金属塩、オクチルリン酸エステルアルカリ金属塩、イソオクチルリン酸エステルアルカリ金属塩、2−エチルヘキシルリン酸エステルアルカリ金属塩、デシルリン酸エステルアルカリ金属塩、ラウリルリン酸エステルアルカリ金属塩、トリデシルリン酸エステルアルカリ金属塩、ミリスチルリン酸エステルアルカリ金属塩、セチルリン酸エステルアルカリ金属塩、オレイルリン酸エステルアルカリ金属塩、ステアリルリン酸エステルアルカリ金属塩、エイコシルリン酸エステルアルカリ金属塩、ベヘニルリン酸エステルアルカリ金属塩等が挙げられる。
有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)には、モノエステル体の単独物、ジエステル体の単独物、モノエステル体とジエステル体との混合物が含まれ、ジエステル体には、同一のアルコキシ基を有するジエステル体(対称形のジエステル)と、異なるアルコキシ基を有するジエステル体(非対称形のジエステル)が含まれる。
有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)を構成するアルカリ金属は、上記有機脂肪酸塩(c2−1)において説明したものと同様である。
アルコキシ基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜10個である(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)としては、例えば、ポリオキシアルキレンブチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンペンチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンヘキシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンヘプチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンオクチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンイソオクチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレン−2−エチルヘキシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンデシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンラウリルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレントリデシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンミリスチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンセチルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンオレイルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンステアリルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンエイコシルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩、ポリオキシアルキレンベヘニルエーテルリン酸エステルアルカリ金属塩等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)において、(ポリ)オキシアルキレン基としては、(ポリ)オキシエチレン基、(ポリ)オキシプロピレン基、(ポリ)オキシエチレンオキシプロピレン基等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)には、モノエステル体の単独物、ジエステル体の単独物、モノエステル体とジエステル体との混合物が含まれ、ジエステル体には、同一のアルコキシ基を有するジエステル体(対称形のジエステル)と、異なるアルコキシ基を有するジエステル体(非対称形のジエステル)とがある。
ポリオキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)を構成するアルカリ金属は、上記有機脂肪酸塩(c2−1)において説明したものと同様である。
アルコキシ基の炭素数が4〜22である有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−3)、及びアルコキシ基の炭素数が4〜22であり且つ(ポリ)オキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の数が1〜10個である(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−4)に用いるアミンに関しては、上記有機脂肪酸塩(c2−1)において説明したものと同様である。また、アミン以外の構造については有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)、及び(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)の金属塩を除いた部分の構造と同様である。
本発明に供する有機リン酸エステル塩(c2−3)には、前記した有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−1)、(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアルカリ金属塩(c2−3−2)、有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−3)、及び(ポリ)オキシアルキレン基含有有機リン酸エステルアミン塩(c2−3−4)以外に例えば、モノオクチルピロリン酸アルカリ金属塩、ジオクチルピロリン酸アルカリ金属塩、ピロリン酸アルカリ金属塩、トリポリリン酸等の成分を含有していてもよいが、これらの成分は可及的に少ない方が好ましい。
有機サルフェート塩(c2−4)としては、例えば、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸リチウム、ヘキサデシル硫酸カリウム等のアルキル硫酸アルカリ金属塩、牛脂硫酸化油、ひまし油硫酸化油等の天然油脂の硫酸化物のアルカリ金属塩等が挙げられる。
有機第四級アンモニウム塩(c2−5)は、一般的に第4級アンモニウムカチオン基とアニオン基とから構成される化合物を意味する。第4級アンモニウムカチオン基としては、例えば、窒素原子に結合する有機基がいずれも炭素数1〜25のアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基がいずれも炭素数2〜25のアルケニル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基がいずれも炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数2〜25のアルケニル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数2〜25のアルケニル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、他の一部が炭素数2〜25のアルケニル基であって、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基が挙げられる。
上記第4級アンモニウムカチオン基としては、例えば、テトラメチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、トリプロピルメチルアンモニウム、トリブチルメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリエチルイソオクチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルラウリルアンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウム等の、窒素原子に結合する有機基がいずれも炭素数1〜25のアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、ジブテニルジエチルアンモニウム、ジメチルジオレイルアンモニウム、トリメチルオレイルアンモニウム、トリエチルエイコセニルアンモニウム等の、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数2〜25のアルケニル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基、トリブチルヒドロキシエチルアンモニウム、ジ(ヒドロキシエチル)ジプロピルアンモニウム、トリ(ヒドロキシエチル)オクチルアンモニウム、トリ(ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウム等の、窒素原子に結合する有機基のうちで一部が炭素数1〜25のアルキル基であり、残部が炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である場合の第4級アンモニウムカチオン基等が挙げられる。
上記アニオン基としては、例えば、有機リン酸エステル、有機硫酸エステル、有機スルホン酸エステル、有機カルボン酸等の1〜3価の有機酸から水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基が挙げられる。例えば、メチルリン酸エステル、ジエチルリン酸エステル、ジオクチルリン酸エステル、メチルオレイルリン酸エステル、ノニルフェニルオキシエトキシエチル・メチルリン酸エステル等の炭素数1〜30の有機リン酸エステルから水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基、メチルサルフェート、エチルサルフェート、ラウリルサルフェート、オクチルフェニルオキシポリエトキシエチルサルフェート等の炭素数1〜30の有機硫酸エステルから水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基、ブチルスルホネート、ラウリルスルホネート、ステアリルスルホネート、オレイルスルホネート、p−トルエンスルホネート、ドデシルフェニルスルホネート、オレイルフェニルスルホネート、ナフチルスルホネート、ジイソプロピルナフチルスルホネート等の炭素数1〜30の有機スルホン酸エステルから水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基、酢酸、カプロン酸、ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、ペンタデセニルコハク酸等の炭素数1〜30の脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸等の炭素数7〜30の芳香族カルボン酸、乳酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の炭素数3〜30の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、チオジプロピオン酸等の炭素数3〜30の含硫黄脂肪族カルボン酸等の炭素数1〜30の有機カルボン酸から水素イオンを一部又は全部除いたアニオン基が挙げられる。
有機アミンオキサイド(c2−6)としては、例えば、ジメチルエチルアミンオキサイド、ジメチルプロピルアミンオキサイド、ジメチルヘキシルアミンオキサイド、ジメチルオクチルアミンオキサイド、ジメチルノニルアミンオキサイド、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルミリスチルアミンオキサイド、ジメチルセチルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジメチルエイコシルアミンオキサイド、ジヘキシルメチルアミンオキサイド、ジオクチルメチルアミンオキサイド、ジノニルメチルアミンオキサイド、ジラウリルメチルアミンオキサイド、ジミリスチルメチルアミンオキサイド、ジセチルメチルアミンオキサイド、ジステアリルメチルアミンオキサイド、ジエイコシルメチルアミンオキサイド等の窒素原子に結合している脂肪族炭化水素基が全て炭素数1〜24の飽和脂肪族炭化水素基である有機アミンオキサイド、2−テトラデセニルアミンオキサイド、2−ペンタデセニルアミンオキサイド、2−オクタデセニルアミンオキサイド、15−ヘキサデセニルアミンオキサイド、オレイルアミンオキサイド、リノレイルアミンオキサイド、エレオステアリルアミンオキサイド、ジ(2−テトラデセニル)アミンオキサイド、ジ(2−ペンタデセニル)アミンオキサイド、ジ(2−オクタデセニル)アミンオキサイド、ジ(15−ヘキサデセニル)アミンオキサイド、ジオレイルアミンオキサイド、ジリノレイルアミンオキサイド、ジエレオステアリルアミンオキサイド等の窒素原子に結合している脂肪族炭化水素基のうちで少なくとも1つが炭素数14〜24の不飽和脂肪族炭化水素基である有機アミンオキサイド等が挙げられる。
有機アラニン化合物(c2−7)としては、例えば、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−オクチルアミンナトリウム、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−ドデシルアミンナトリウム、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−テトラデシルアミンカリウム、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−ヘキサデシルアミンナトリウム、N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−オクタデシルアミンナトリウム、N−(2−カルボキシエチル)−ドデシルアミン、N−(2−カルボキシエチル)−オクタデシルアミンナトリウム、N−オレオイル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられる。
有機ベタイン化合物(c2−8)としては、例えば、オクチルジメチルアンモニオアセタート、デシルジメチルアンモニオアセタート、ドデシルジメチルアンモニオアセタート、ヘキサデシルジメチルアンモニオアセタート、オクタデシルジメチルアンモニオアセタート、ノナデシルジメチルアンモニオアセタート、オクタデセニルジメチルアンモニオアセタート、ドデシルアミノプロピルジメチルアンモニオアセタート、オクタデシルアミノプロピルジメチルアンモニオアセタート、オクタデセニルアミノプロピルジメチルアンモニオアセタート等が挙げられる。
<硫酸イオン>
本発明の合成繊維用処理剤は、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオンが200ppm以下であることを特徴とするものである。
本発明の合成繊維用処理剤の必須成分である、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)をはじめ、含有し得る有機スルホン酸塩(c2−2)は一般に、その原料に由来する硫酸ナトリウム等の硫酸塩が含まれていることが多い。
有機スルホン酸塩中に含まれる硫酸塩の含有量は、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオン量から求めることができる。
本発明の合成繊維用処理剤は、イオンクロマトグラフ法により求められる硫酸イオンの濃度が200ppm以下のものであるが、100ppm以下のものがより好ましい。
硫酸イオンの濃度は、イオンクロマトグラフ法による分析で得られる硫酸イオンの測定により定量することができる。具体的に、硫酸イオンの濃度は次のように求めることができる。
共栓付試験管に試料0.1g(合成繊維用処理剤として)を正確に量りとり、ヘキサン10mLに溶解させた。次いで、純水5mLを加え、撹拌した後、静置して水層と油層に分離した。水層をODS(シリカゲルにオクタデシル基を化学結合させた)前処理カートリッジに通し、イオンクロマトグラフ分析に使用した。以下のイオンクロマトグラフ条件により検出を行った。濃度既知の標準液に対するピーク面積比にて検出量を測定し、硫酸イオンの濃度に換算した。
<イオンクロマトグラフ条件>
装置:東ソー社製 IC2001 サプレッサ使用、
分析カラム:東ソー社製 TSKgel SuperIC−AZ 内径4.6mm×長さ75mm、
ガードカラム:東ソー社製 TSKgel guardcolumn SuperIC−AZ、内径4.0mm×長さ10mm、
溶離液:4.8mmolのNa2CO3、2.8mmolのNaHCO3の23容量%メタノール水溶液、
流量:0.6mL/min。
本発明の合成繊維用処理剤中の硫酸イオンの濃度を200ppm以下にするには、処理剤に使用するジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)及び有機スルホン酸塩(c2−2)に含まれる硫酸塩、ひいては硫酸イオンの濃度を管理する必要がある。その方法については特に限定はなく、公知の手法を採用することができる。例えば、有機スルホン酸ナトリウム塩を含む原料から硫酸イオンを除去する方法として、該原料に対してメタノール、水等の溶媒を加えることにより、無機物である硫酸ナトリウムを析出させ分離する方法、吸着剤に硫酸イオンを吸着させ、固液分離する方法、より難溶な硫酸塩を形成する塩を添加してイオン交換させた後に吸着させ固液分離する方法などが挙げられる。
<合成繊維用処理剤の組成比>
本発明の合成繊維用処理剤は、平滑剤(A)を20〜94質量%、非イオン性界面活性剤(B)を5〜60質量%及びイオン性界面活性剤(C)を1〜20質量%(合計100質量%の割合)で含有するものが好ましい。
<合成繊維>
本発明の合成繊維は、本発明の合成繊維用処理剤が付着している合成繊維である。本発明の合成繊維用処理剤を付着させる合成繊維としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸エステル等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリアクリル、モダアクリル等のポリアクリル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維が挙げられる。これらの中でもポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維に付着させた場合に、本発明の効果をより発揮するため好適である。
本発明の合成繊維用処理剤を付着させた合成繊維は、延伸糸若しくは半延伸糸として得ることができる。中でも、本発明の合成繊維用処理剤は、延伸糸を製造するために適している。
本発明の合成繊維用処理剤(溶媒を含まない)を合成繊維に付着させる割合は、特に制限はないが、本発明の合成繊維用処理剤を合成繊維に対し0.1〜3質量%の割合となるよう付着させることが好ましい。
<処理方法>
本発明の合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させる工程としては、紡糸工程、紡糸と延伸とを同時に行う工程等が挙げられる。また本発明の処理剤を合成繊維に付着させる方法としては、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等が挙げられる。更に本発明の処理剤を合成繊維に付着させる際の形態としては、ニート、有機溶剤溶液、水性液等が挙げられるが、水性液が好ましい。本発明の処理剤の水性液を付着させる場合も、本発明の合成繊維用処理剤を合成繊維に対し0.1〜3質量%、好ましくは0.3〜1.2質量%となるよう付着させることが好ましい。
本発明の合成繊維用処理剤を用いた水性液に使用する水としては、例えば、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられるが、なかでもイオン交換水、蒸留水が好ましい。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、部は質量部を、また%は質量%を意味する。
<ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)の製造>
具体的な有機スルホン酸塩の合成方法を、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(製造例1)と、ジブチルスルホコハク酸ナトリウム塩(製造例2)を例に説明する。
・製造例1
ジ(2−エチルヘキシル)マレート74.1部、イソプロピルアルコール8部、イオン交換水18.4部、無水重亜硫酸ナトリウム21.5部、20%水酸化ナトリウム水溶液0.4部を混合し、105℃で5時間反応させた。その後70℃に冷却し、硫酸ナトリウムを析出させ、析出した硫酸ナトリウムをろ過により分離して、粗精製品C1−2の水溶液を得た。
得られた粗精製品C1−2の水溶液に対して吸着剤(キョーワード600S、協和化学工業社製)を0.7部加え、80℃で2時間撹拌処理した。その後、ステアリン酸バリウムを2部加え、80℃で1時間撹拌処理したのち、24時間静置後、吸着剤と析出してきた硫酸塩をフィルターろ過により除去し、高精製品C1−1の水溶液(濃度78%)を得た。
・製造例2
上記製造例1において、ジ(2−エチルヘキシル)マレート74.1部をジブチルマレート49.7部に、無水重亜硫酸ナトリウム21.5部を無水重亜硫酸カリウム25.1部に、20%水酸化ナトリウム水溶液0.4部を20%水酸化カリウム水溶液0.4部に変更した以外は同様の操作を行い、ジブチルスルホコハク酸カリウム塩の粗精製品C1−4、及び高精製品C1−3を得た。
<合成繊維用処理剤の調製>
・実施例1
平滑剤(A)としてデシルオクテート(A1−1)を70部、非イオン性界面活性剤(B)としてポリオキシエチレン(20モル)ポリエチレングリコール(B1−1)を1部、ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油エーテルトリラウレート(B2−1)を6部、ジエタノールアミンオレイン酸アミド(B2−3)を4部、イオン性界面活性剤としてジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(C1−1)を10部(C1−1水溶液として12.8部)、ポリオキシエチレン(2モル)オクチルエーテルリン酸エステルカリウム塩(C2−1)を2部、ラウリルリン酸エステルナトリウム塩(C2−2)を7部の割合で均一配合して、実施例1の合成繊維用処理剤を調製した。
・実施例2〜8、10、11、参考例9、12〜14及び比較例1〜5
実施例1の合成繊維用処理剤と同様にして、実施例2〜8、10、11、参考例9、12〜14及び比較例1〜5の合成繊維用処理剤を調製した。実施例1〜8、10、11、参考例9、12〜14及び比較例1〜5の合成繊維用処理剤の各配合を、下記表1にまとめて示す。
Figure 2021193220
表1中の各記号は、下記成分を表す。
<平滑剤:脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)>
A1−1:デシルオクテート
A1−2:オクチルパルミテート
A1−3:ラウリルオレート
A1−4:イソトリデシルミリステート
A1−5:トリメチロールプロパントリラウレート
<(A1)以外の平滑剤>
a2−4:鉱物油(30℃、47mm2/s)
<非イオン性界面活性剤(B1)>
B1−1:ポリオキシエチレン(20モル)ポリエチレングリコール
B1−2:ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)直鎖ランダムポリエーテル
B1−3:ポリオキシエチレン(15モル)ポリオキシプロピレン(15モル)直鎖ランダムポリエーテル
B1−4:ポリオキシエチレン(20モル)ポリオキシプロピレン(15モル)直鎖ブロックポリエーテル
B1−5:ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(40モル)直鎖ランダムポリエーテル
<(B1)以外の非イオン性界面活性剤(B2)>
B2−1:ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油エーテルトリラウレート
B2−2:ポリオキシエチレン(3モル)オクチルエーテルパルミテート
B2−3:ジエタノールアミンオレイン酸アミド
B2−4:ソルビタンモノオレート
B2−5:以下の均一配合物(合計100%)
・ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(3モル)ラウリルエーテル 75%
・ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(3モル)テトラデシルエーテル 25%
B2−6:ポリオキシエチレン(5モル)パルミチルエーテル
B2−7:ポリオキシエチレン(3モル)オレイン酸エステル
B2−8:ビスポリオキシエチレン(3モル)オクチルエーテルアジペート
B2−9:ポリオキシエチレン(7モル)ラウリン酸エステル
<ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)>
C1−1:ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(高精製品)
C1−2:ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩(粗精製品
(C1)以外のイオン性界面活性剤(C2)>
C2−1:ポリオキシエチレン(2モル)オクチルエーテルリン酸エステルカリウム塩
C2−2:ラウリルリン酸エステルナトリウム塩
C2−3:以下の均一配合物(合計100%)
・ポリオキシエチレン(3モル)デシルエーテルリン酸エステル=ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルアミン 50%
・ポリオキシエチレン(3モル)デシルエーテルリン酸エステル=ポリオキシエチレン(2モル)テトラデシルアミン 20%
・ポリオキシエチレン(3モル)デシルエーテルリン酸エステル=ポリオキシエチレン(2モル)パルミチルアミン 20%
・ポリオキシエチレン(3モル)デシルエーテルリン酸エステル=ポリオキシエチレン(2モル)オレイルアミン 10%
C2−4:カプリル酸カリウム
C1−3:ジブチルスルホコハク酸ナトリウム塩(高精製品)
C1−4:ジブチルスルホコハク酸ナトリウム塩(粗精製品)
<合成繊維用処理剤の長期安定性評価>
処理剤長期安定性評価方法:上記方法で調製した合成繊維用処理剤を、40℃のインキュベーターで1週間保管して、保管する前と後の変化を目視にて次の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
[評価基準]
◎:変化なし
○:わずかに分離が見られるが、実用上問題ない
×:分離が発生し、実用上問題がある
<合成繊維への合成繊維用処理剤の浸透性評価>
合成繊維用処理剤1部とイオン交換水99部を均一配合して、濃度1%合成繊維用処理剤水性液を調製した。調製した水性液0.1mlが洗浄済みポリエステルタフタに浸透するまでの時間について次の基準で評価した。
[評価基準]
◎:30秒以内
○:30〜60秒以内
×:60秒以上
<合成繊維用処理剤の水性液の付着及び紡糸延伸工程での毛羽評価>
・合成繊維用処理剤の水性液の付着
固有粘度0.64、酸化チタン含有量0.2%のポリエチレンテレフタレートを定法により乾燥した後、エクストルーダーを用いて295℃で紡糸し、口金から吐出して冷却固化した後の走行糸条に、濃度10%に調製した合成繊維用処理剤の水性液を、計量ポンプを用いたガイド給油法により、合成繊維用処理剤としての付着量が1.0%となるように付着させた後、ガイドで集束させ、表面速度1400m/分で表面温度90℃の第1ゴデットローラーと、表面速度4800m/分で表面温度150℃の第2ゴデットローラーとで延伸後、4800m/分の速度で巻き取り、83デシテックス36フィラメントの延伸糸を得た。
・紡糸毛羽の評価
延伸糸を550000m製造したときの巻き取り直前に、毛羽計数装置(東レエンジニアリング社製のDT−105)にて1時間当たりの毛羽数を測定し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
◎:測定された毛羽数が0個
○:測定された毛羽数が1〜5個
×:測定された毛羽数が6個以上
<染色性の評価>
前記の紡糸毛羽を評価した延伸糸を用い、筒編機で直径70mm、長さ1.2mの編地を作製した。作製した編地を分散染料(日本化薬社製の商品名カヤロンポリエステルブルーEBL−E)を用い、高圧染色法により染色した。染色した編地を、情報に従い水洗、還元洗浄、および乾燥した後、直径70mm、長さ1mの鉄製の筒に装着して、編地表面の濃染部分を肉眼で数え、以下の基準で染色性を評価した。
[評価基準]
◎:濃染部分がない
○:濃染部分が1〜7点ある
×:濃染部分が8点以上ある
上記の長期安定性評価、浸透性評価、毛羽評価、染色性評価の結果を、下記表2にまとめて示す。
Figure 2021193220
表2の結果からも明らかなように、本発明によれば合成繊維用処理剤の長期安定性が良好で、浸透性が良好、さらに紡糸毛羽の発生、染色斑の発生という問題を十分に抑止することができる。

Claims (10)

  1. 脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル(A1)を含む平滑剤(A)、非イオン性界面活性剤(B)及び、ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を含むイオン性界面活性剤(C)を含有し、かつ、イオンクロマトグラフ法により検出される硫酸イオンが200ppm以下であることを特徴とする合成繊維用処理剤。
  2. 前記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)が、アルキル基の炭素数が4〜12のものである、請求項1に記載の合成繊維用処理剤。
  3. 前記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)が、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸アルカリ金属塩である、請求項2に記載の合成繊維用処理剤。
  4. 前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を1質量%超15質量%以下の割合で含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  5. 前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記ジアルキルスルホコハク酸アルカリ金属塩(C1)を3質量%超15質量%以下の割合で含有する請求項4に記載の合成繊維用処理剤。
  6. 前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の合計中に、前記非イオン性界面活性剤(B)として、下記式(1)で示される質量平均分子量2000以下の化合物(B1)を0.1〜15質量%の割合で含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
    Figure 2021193220
    (式(1)中において、
    X:オキシエチレン基
    Y:オキシプロピレン基
    X、Yの繰り返しはブロック又はランダムのいずれの方法で繰り返されていてもよい
    a、b:aは0〜35の整数であり、bは0〜25の整数であって、a+bが1以上となる整数)
  7. イオンクロマトグラフ法により合成繊維用処理剤から検出される硫酸イオンが100ppm以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  8. 前記平滑剤(A)、前記非イオン性界面活性剤(B)及び前記イオン性界面活性剤(C)の含有割合の合計を100質量%とすると、前記平滑剤(A)を20〜94質量%、前記非イオン性界面活性剤(B)を5〜60質量%及び前記イオン性界面活性剤(C)を1〜20質量%の割合で含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤が付着していることを特徴とする合成繊維。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させる工程を経ることを特徴とする合成繊維の処理方法。
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