JP2021190302A - 固体電解質、全固体電池、固体電解質の製造方法、および全固体電池の製造方法 - Google Patents

固体電解質、全固体電池、固体電解質の製造方法、および全固体電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高いイオン伝導を発現するとともに低温焼成可能な固体電解質層、全固体電池、固体電解質の製造方法および全固体電池の製造方法を提供する。【解決手段】 固体電解質は、LiおよびTaを含むリン酸塩である第1固体電解質と、NASICON型固体電解質である第2固体電解質とを含み、断面において、前記第1固体電解質の面積比は10%を上回り、前記第2固体電解質の面積比は10%を上回ることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、固体電解質、全固体電池、固体電解質の製造方法、および全固体電池の製造方法に関する。
近年、二次電池が様々な分野で利用されている。電解液を用いた二次電池には、電解液の漏液等の問題がある。そこで、固体電解質を備え、他の構成要素も固体で構成した全固体電池の開発が行われている。
固体電解質には、室温で高いイオン伝導性を有する硫化物系、大気中でより安定性の高い酸化物系に加え、ポリマー系や水素化物系など種々知られている。酸化物系固体電解質は、大気中での高い安定性・安全性という点で他の化合物系に対して有利である。一方、酸化物系固体電解質は、機械的物性として硬く、イオン伝導を発現させるためには高温で焼成することで粒子同士を焼結して界面抵抗を下げる必要があることが求められている。
比較的高いイオン伝導性を有する酸化物系固体電解質として、Li−Al−Ti−P−O系やLi−Al−Ge−P−O系のNASICON型などが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。また、近年報告されているLiTaPO(例えば、非特許文献1参照)は、さらに高いイオン伝導性を示すことが報告されている。
特開2000−26135号公報 特開2019−46559号公報
J. Mater. Chem. A, 2018,6, 22478-22482.
LiTaPOは、室温で2.5×10−4S/cmと高いイオン伝導率を示す一方で、高い焼結温度(例えば1050℃)が求められている。したがって、全固体電池を形成しようとすると焼成時にほとんどの活物質と相互拡散反応を起こしてしまうことから、非常に使用しづらい。NASICON型固体電解質は、比較的低温での焼成が可能である一方、LiTaPOほど高いイオン伝導が得られないおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高いイオン伝導を発現するとともに低温焼成可能な固体電解質層、全固体電池、固体電解質の製造方法および全固体電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る固体電解質は、LiおよびTaを含むリン酸塩である第1固体電解質と、NASICON型固体電解質である第2固体電解質とを含み、断面において、前記第1固体電解質の面積比は10%を上回り、前記第2固体電解質の面積比は10%を上回ることを特徴とする。
上記固体電解質において、前記第1固体電解質は、Li1+2x+yTa2−x−y−zPOの組成式で表され、Aは3価の金属元素Al、Sc、Y、Laから選ばれる1つ以上の元素、Bは4価の金属元素Ge、Hf、Sn、Zrから選ばれる1つ以上の元素、Cは5価の金属元素Nb、As、Sb、Biから選ばれる1つ以上の元素であり、0≦x+y+z≦0.5を満たしていてもよい。
上記固体電解質において、前記第2固体電解質は、少なくともLi,Ge,Pを含んでいてもよい。
上記固体電解質において、前記第2固体電解質は、少なくともLi,Zr,Pを含んでいてもよい。
上記固体電解質において、前記第1固体電解質の平均結晶粒子径は、0.1μm以上、10μm以下としてもよい。
上記固体電解質において、焼成前の前記第2固体電解質は、非晶質としてもよい。
本発明に係る全固体電池は、上記いずれかの固体電解質を含む複数の固体電解質層と、電極活物質を含む複数の内部電極とが交互に積層されていることを特徴とする。
本発明に係る固体電解質の製造方法は、LiおよびTaを含むリン酸塩の粉末と、非晶質のNASICON型固体電解質粉末とを混合し、焼成することを特徴とする。
本発明に係る全固体電池の製造方法は、LiおよびTaを含むリン酸塩の粉末と非晶質のNASICON型固体電解質粉末とを含むグリーンシートと、前記グリーンシートの第1主面上に形成された第1電極層用ペースト塗布物と、前記グリーンシートの第2主面上に形成された第2電極層用ペースト塗布物と、を有する積層体を用意する工程と、前記積層体を焼成する焼成工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、高いイオン伝導を発現するとともに低温焼成可能な固体電解質、全固体電池、固体電解質の製造方法、および全固体電池の製造方法を提供することができる。
(a)は全固体電池の基本構造を示す模式的断面図であり、(b)は固体電解質層の模式的断面図である。 実施形態に係る全固体電池の模式的断面図である。 他の全固体電池の模式的断面図である。 全固体電池の製造方法のフローを例示する図である。 (a)および(b)は積層工程を例示する図である。 全固体電池の他の製造方法のフローを例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(実施形態)
図1(a)は、全固体電池100の基本構造を示す模式的断面図である。図1(a)で例示するように、全固体電池100は、第1電極10と第2電極20とによって、固体電解質層30が挟持された構造を有する。第1電極10は、固体電解質層30の第1主面上に形成されており、第1電極層11および第1集電体層12が積層された構造を有し、固体電解質層30側に第1電極層11を備える。第2電極20は、固体電解質層30の第2主面上に形成されており、第2電極層21および第2集電体層22が積層された構造を有し、固体電解質層30側に第2電極層21を備える。
全固体電池100を二次電池として用いる場合には、第1電極10および第2電極20の一方を正極として用い、他方を負極として用いる。本実施形態においては、一例として、第1電極10を正極として用い、第2電極20を負極として用いるものとする。
固体電解質層30は、イオン伝導性を有する固体電解質を主成分とする。固体電解質層30の固体電解質は、LiおよびTaを含むリン酸塩と、NASICON型固体電解質とを含む。LiおよびTaを含むリン酸塩は、例えば、LiTaPOである。図1(b)は、固体電解質層30の模式的断面図である。図1(b)で例示するように、固体電解質層30は、LiTaPO粒子31と、NASICON型固体電解質粒子32とを含む。固体電解質層30は、例えば、複数のLiTaPO粒子31と、複数のNASICON型固体電解質粒子32とが混在する構造を有している。
LiおよびTaを含むリン酸塩は、高いイオン伝導性を有しており、大気中で安定している。LiTaPOは、Li1+2x+yTa2−x−y−zPOのように、所定の組成範囲を有していてもよい。ここでAは3価の金属元素Al、Sc、Y、Laから選ばれる1つ以上の元素、Bは4価の金属元素Ge、Hf、Sn、Zrから選ばれる1つ以上の元素、Cは5価の金属元素Nb、As、Sb、Biから選ばれる1つ以上の元素であり、0≦x+y+z≦0.5を満たす。
NASICON型固体電解質は、比較的高いイオン伝導性を有するとともに、大気中で安定しており、比較的低温で焼成可能という性質を有している。NASICON型固体電解質は、例えば、NASICON構造を有するリン酸塩系固体電解質である。リン酸塩系固体電解質は、例えば、リチウムを含んだリン酸塩である。当該リン酸塩は、特に限定されるものではないが、例えば、Tiとの複合リン酸リチウム塩(例えば、LiTi(PO)などが挙げられる。または、TiをGe,Sn,Hf,Zrなどといった4価の遷移金属に一部あるいは全部置換することもできる。また、Li含有量を増加させるために、Al,Ga,In,Y,Laなどの3価の遷移金属に一部置換してもよい。より具体的には、例えば、Li−Al−Ge−PO系であるLi1+xAlGe2−x(POや、Li−Al−Zr−PO系であるLi1+xAlZr2−x(PO、Li−Al−Ti−PO系であるLi1+xAlTi2−x(POなどが挙げられる。例えば、第1電極層11および第2電極層21に含有されるオリビン型結晶構造をもつリン酸塩が含む遷移金属と同じ遷移金属を予め添加させたLi−Al−Ge−PO系材料が好ましい。例えば、第1電極層11および第2電極層21にCoおよびLiを含むリン酸塩が含有される場合には、Coを予め添加したLi−Al−Ge−PO系材料が固体電解質層30に含まれることが好ましい。この場合、電極活物質が含む遷移金属の電解質への溶出を抑制する効果が得られる。第1電極層11および第2電極層21にCo以外の遷移元素およびLiを含むリン酸塩が含有される場合には、当該遷移金属を予め添加したLi−Al−Ge−PO系材料が固体電解質層30に含まれることが好ましい。
第1電極層11および第2電極層21のうち、少なくとも、正極として用いられる第1電極層11は、オリビン型結晶構造をもつ物質を電極活物質として含有する。第2電極層21も、当該電極活物質を含有していることが好ましい。このような電極活物質として、遷移金属とリチウムとを含むリン酸塩が挙げられる。オリビン型結晶構造は、天然のカンラン石(olivine)が有する結晶であり、X線回折において判別することができる。
オリビン型結晶構造をもつ電極活物質の典型例として、Coを含むLiCoPOなどを用いることができる。この化学式において遷移金属のCoが置き換わったリン酸塩などを用いることもできる。ここで、価数に応じてLiやPOの比率は変動し得る。なお、遷移金属として、Co,Mn,Fe,Niなどを用いることが好ましい。
オリビン型結晶構造をもつ電極活物質は、正極として作用する第1電極層11においては、正極活物質として作用する。例えば、第1電極層11にのみオリビン型結晶構造をもつ電極活物質が含まれる場合には、当該電極活物質が正極活物質として作用する。第2電極層21にもオリビン型結晶構造をもつ電極活物質が含まれる場合に、負極として作用する第2電極層21においては、その作用メカニズムは完全には判明してはいないものの、負極活物質との部分的な固溶状態の形成に基づくと推察される、放電容量の増大、ならびに、放電に伴う動作電位の上昇という効果が発揮される。
第1電極層11および第2電極層21の両方ともオリビン型結晶構造をもつ電極活物質を含有する場合に、それぞれの電極活物質には、好ましくは、互いに同一であっても異なっていてもよい遷移金属が含まれる。「互いに同一であっても異なっていてもよい」ということは、第1電極層11および第2電極層21が含有する電極活物質が同種の遷移金属を含んでいてもよいし、互いに異なる種類の遷移金属が含まれていてもよい、ということである。第1電極層11および第2電極層21には一種だけの遷移金属が含まれていてもよいし、二種以上の遷移金属が含まれていてもよい。好ましくは、第1電極層11および第2電極層21には同種の遷移金属が含まれる。より好ましくは、両電極層が含有する電極活物質は化学組成が同一である。第1電極層11および第2電極層21に同種の遷移金属が含まれていたり、同組成の電極活物質が含まれていたりすることにより、両電極層の組成の類似性が高まるので、全固体電池100の端子の取り付けを正負逆にしてしまった場合であっても、用途によっては誤作動せずに実使用に耐えられるという効果を有する。
第1電極層11および第2電極層21のうち第2電極層21に、負極活物質として公知である物質をさらに含有させてもよい。一方の電極層だけに負極活物質を含有させることによって、当該一方の電極層は負極として作用し、他方の電極層が正極として作用することが明確になる。一方の電極層だけに負極活物質を含有させる場合には、当該一方の電極層は第2電極層21であることが好ましい。なお、両方の電極層に負極活物質として公知である物質を含有させてもよい。電極の負極活物質については、二次電池における従来技術を適宜参照することができ、例えば、チタン酸化物、リチウムチタン複合酸化物、リチウムチタン複合リン酸塩、カーボン、リン酸バナジウムリチウムなどの化合物が挙げられる。
第1電極層11および第2電極層21の作製においては、これら電極活物質に加えて、イオン伝導性を有する固体電解質や、カーボンや金属といった導電性材料(導電助剤)などをさらに添加してもよい。これらの部材については、バインダと可塑剤を水あるいは有機溶剤に均一分散させることで電極層用ペーストを得ることができる。導電助剤の金属としては、Pd、Ni、Cu、Fe、これらを含む合金などが挙げられる。
第1集電体層12および第2集電体層22は、導電性材料を主成分とする。例えば、第1集電体層12および第2集電体層22の導電性材料として、金属、カーボンなどを用いることができる。
以上のように、本実施形態によれば、固体電解質層30がLiTaPOを備えている。LiTaPOは、高いイオン伝導性を有することから、良好な電池特性を実現することができる。また、固体電解質層30が、比較的低温で焼成可能なNASICON型固体電解質を備えている。それにより、比較的低温で固体電解質層30を焼成できるようになる。その結果、固体電解質層30と活物質との相互拡散反応を抑制することができる。
固体電解質層30におけるLiTaPOの比率が高いと、十分に低い温度での固体電解質層30の焼成が困難となるおそれがある。そこで、固体電解質層30におけるLiTaPOの比率に上限を設ける。本実施形態においては、固体電解質層30の断面において、LiTaPOの面積比率を90%未満とする。また、固体電解質層30の断面において、NASICON型固体電解質の面積比率を、10%よりも大きくする。
一方、固体電解質層30におけるNASICON型固体電解質の比率が高いと、固体電解質層30に十分高いイオン伝導が得られないおそれがある。そこで、固体電解質層30におけるNASICON型固体電解質の比率に上限を設ける。本実施形態においては、固体電解質層30の断面において、NASICON型固体電解質の面積比率を90%未満とする。また、固体電解質層30の断面において、LiTaPOの面積比率を10%よりも大きくする。
固体電解質層30の断面において、LiTaPOとNASICON型固体電解質との面積比は、80:20〜20:80であることが好ましく、70:30〜30:70であることがより好ましく、60:40〜40:60であることがさらに好ましい。
固体電解質層30の断面におけるLiTaPOとNASICON型固体電解質との面積比は、例えば、断面についてSEM観察を行い、EDS元素マッピング分析を行うことによって測定することができる。EDS元素マッピングにてTaが検出される箇所がLiTaPO、検出されない箇所をNASICON型固体電解質と判断することができる。
NASICON型固体電解質にTiが含まれていると、充電時にTiが還元され、電子伝導性が高まるとショートパスが形成されるおそれがある。そこで、NASICON型固体電解質は、Tiを含まないことが好ましい。例えば、NASICON型固体電解質に、少なくともLi,Ge,Pを含むLi−Al−Ge−PO系固体電解質、少なくともLi,Zr,Pを含むi−Al−Zr−PO系固体電解質またはLi−Zr−PO系固体電解質、などを用いることが好ましい。
NASICON型固体電解質としてLi−Al−Ge−PO系固体電解質を用いる場合には、Li−Al−Ge−PO系固体電解質が多すぎると、イオン伝導率が10−5S/cmオーダーまで低下するおそれがあり、Geの使用量が多くなってコストが増加するおそれがある。Li−Al−Ge−PO系固体電解質が少なすぎると低温焼結が困難となる。そこで、固体電解質層30の断面において、LiTaPOとLi−Al−Ge−PO系固体電解質との面積比は、80:20〜20:80であることが好ましく、70:30〜30:70であることがより好ましく、60:40〜40:60であることがさらに好ましい。
NASICON型固体電解質としてLi−Al−Zr−PO系固体電解質またはLi−Zr−PO系固体電解質を用いる場合には、Li−Al−Ge−PO系固体電解質を用いる場合と比較してコストを抑えることができる一方で、イオン伝導性が低くなるおそれがある。そこで、NASICON型固体電解質としてLi−Al−Zr−PO系固体電解質またはLi−Zr−PO系固体電解質を用いる場合には、固体電解質層30の断面において、LiTaPOと、Li−Al−Zr−PO系固体電解質またはLi−Zr−PO系固体電解質との面積比は、80:20〜30:70であることが好ましく、70:30〜40:60であることがより好ましく、60:40〜50:50であることがさらに好ましい。
固体電解質層30において、LiTaPO粒子31の平均結晶粒子径が大きすぎると、固体電解質層30を薄くかつ平滑にすることが困難となるおそれがある。そこで、固体電解質層30において、LiTaPO粒子31の平均結晶粒子径に上限を設けることが好ましい。一方、固体電解質層30において、LiTaPO粒子31の平均結晶粒子径が小さすぎると、焼成時に固体電解質と活物質との間での相互拡散反応が起きやすくなるおそれがある。そこで、固体電解質層30において、LiTaPO粒子31の平均結晶粒子径に下限を設けることが好ましい。具体的には、固体電解質層30において、LiTaPO粒子31の平均結晶粒子径は、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上、3μm以下であることがさらに好ましい。平均結晶粒子径は、例えば、固体電解質層30の断面におけるEDSマッピングで特性されるLiTaPO粒子50個について、水平あるいは垂直フェレ―径(Ferret Diameter)を測長し、平均値を出すというように測定することができる。また、固体電解質層30において、NASICON型固体電解質粒子32の平均結晶粒子径は、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上、3μm以下であることがさらに好ましい。
なお、固体電解質層30の厚みは、例えば、1μm〜100μmの範囲であり、5μm〜50μmの範囲であり、10μm〜30μmの範囲である。
図2は、複数の電池単位が積層された積層型の全固体電池100aの模式的断面図である。全固体電池100aは、略直方体形状を有する積層チップ60を備える。積層チップ60において、積層方向端の上面および下面以外の4面のうちの2面である2側面に接するように、第1外部電極40aおよび第2外部電極40bが設けられている。当該2側面は、隣接する2側面であってもよく、互いに対向する2側面であってもよい。本実施形態においては、互いに対向する2側面(以下、2端面と称する)に接するように第1外部電極40aおよび第2外部電極40bが設けられているものとする。
以下の説明において、全固体電池100と同一の組成範囲、同一の厚み範囲、および同一の粒度分布範囲を有するものについては、同一符号を付すことで詳細な説明を省略する。
全固体電池100aにおいては、複数の第1集電体層12と複数の第2集電体層22とが、交互に積層されている。複数の第1集電体層12の端縁は、積層チップ60の第1端面に露出し、第2端面には露出していない。複数の第2集電体層22の端縁は、積層チップ60の第2端面に露出し、第1端面には露出していない。それにより、第1集電体層12および第2集電体層22は、第1外部電極40aと第2外部電極40bとに、交互に導通している。
第1集電体層12上には、第1電極層11が積層されている。第1電極層11上には、固体電解質層30が積層されている。固体電解質層30は、第1外部電極40aから第2外部電極40bにかけて延在している。固体電解質層30上には、第2電極層21が積層されている。第2電極層21上には、第2集電体層22が積層されている。第2集電体層22上には、別の第2電極層21が積層されている。当該第2電極層21上には、別の固体電解質層30が積層されている。当該固体電解質層30は、第1外部電極40aから第2外部電極40bにかけて延在している。当該固体電解質層30上には、第1電極層11が積層されている。全固体電池100aにおいては、これらの積層単位が繰り返されている。それにより、全固体電池100aは、複数の電池単位が積層された構造を有している。
なお、第1集電体層12と、それを挟む2層の第1電極層11を1つの電極と捉え、第2集電体層22と、それを挟む2層の第2電極層21を1つの電極と捉えると、積層チップ60は、複数の内部電極と複数の固体電解質層とが、交互に積層された構造を有していると言える。
全固体電池100aは、集電体層を備えていなくてもよい。例えば、図3で例示するように、第1集電体層12および第2集電体層22は設けられていなくてもよい。この場合、第1電極層11だけで第1電極10が構成され、第2電極層21だけで第2電極20が構成される。
続いて、図2で例示した全固体電池100aの製造方法について説明する。図4は、全固体電池100aの製造方法のフローを例示する図である。
(セラミック原料粉末作製工程)
まず、上述の固体電解質層30を構成する固体電解質の粉末を作製する。固体電解質層30を構成する固体電解質は、LiTaPOおよびNASICON型固体電解質である。LiTaPO粉末には、結晶性LiTaPOを用いる。例えば、LiTaPO粉末は、LiCO、Ta、Pなどの原料から固相合成法などによって作製することができる。NASICON型固体電解質には、非晶質(ガラス状)のものを用いる。例えば、NASICON型固体電解質粉末は、原料から溶融急冷法などによって作製することができる。LiTaPO粉末およびNASICON型固体電解質粉末を乾式粉砕することで、所望の平均粒径に調整することができる。例えば、5mmφのZrOボールを用いた遊星ボールミルで、所望の平均粒径に調整する。
添加物には、焼結助剤が含まれていてもよい。焼結助剤として、例えば、Li−B−O系化合物、Li−Si−O系化合物、Li−C−O系化合物、Li−S−O系化合物,Li−P−O系化合物などのガラス成分のどれか1つあるいは複数などのガラス成分が含まれていてもよい。
(固体電解質グリーンシート作製工程)
次に、得られた粉末を、結着材、分散剤、可塑剤などとともに、水性溶媒あるいは有機溶媒に均一に分散させて、湿式粉砕を行うことで、所望の平均粒径を有する固体電解質スラリを得る。このとき、ビーズミル、湿式ジェットミル、各種混錬機、高圧ホモジナイザーなどを用いることができ、粒度分布の調整と分散とを同時に行うことができる観点からビーズミルを用いることが好ましい。得られた固体電解質スラリにバインダを添加して固体電解質ペーストを得る。得られた固体電解質ペーストを塗工することで、固体電解質グリーンシートを作製することができる。塗工方法は、特に限定されるものではなく、スロットダイ方式、リバースコート方式、グラビアコート方式、バーコート方式、ドクターブレード方式などを用いることができる。湿式粉砕後の粒度分布は、例えば、レーザ回折散乱法を用いたレーザ回折測定装置を用いて測定することができる。
(内部電極用ペースト作製工程)
次に、上述の第1電極層11および第2電極層21の作製用の内部電極用ペーストを作製する。例えば、導電助剤、電極活物質、固体電解質材料、バインダ、可塑剤などを水あるいは有機溶剤に均一分散させることで内部電極用ペーストを得ることができる。固体電解質材料として、上述した固体電解質ペーストを用いてもよい。導電助剤として、Pd、Ni、Cu、Fe、これらを含む合金や各種カーボン材料などをさらに用いてもよい。第1電極層11と第2電極層21とで組成が異なる場合には、それぞれの内部電極用ペーストを個別に作製すればよい。
(集電体用ペースト作製工程)
次に、上述の第1集電体層12および第2集電体層22の作製用の集電体用ペーストを作製する。例えば、Pdの粉末、カーボンブラック、板状グラファイトカーボン、バインダ、分散剤、可塑剤などを水あるいは有機溶剤に均一分散させることで、集電体用ペーストを得ることができる。
(外部電極用ペースト作製工程)
次に、上述の第1外部電極40aおよび第2外部電極40bの作製用の外部電極用ペーストを作製する。例えば、導電性材料、電極活物質、固体電解質、バインダ、可塑剤などを水あるいは有機溶剤に均一分散させることで外部電極用ペーストを得ることができる。
(積層工程)
図5(a)で例示するように、固体電解質グリーンシート51の一面に、内部電極用ペースト52を印刷し、さらに集電体用ペースト53を印刷し、さらに内部電極用ペースト52を印刷する。固体電解質グリーンシート51上で内部電極用ペースト52および集電体用ペースト53が印刷されていない領域には、逆パターン54を印刷する。逆パターン54として、固体電解質グリーンシート51と同様のものを用いることができる。印刷後の複数の固体電解質グリーンシート51を、交互にずらして積層し、積層方向の上下から、複数枚の固体電解質グリーンシートを貼り合わせたカバーシート55を圧着することで、積層体を得る。この場合、当該積層体において、2端面に交互に、内部電極用ペースト52および集電体用ペースト53のペアが露出するように、略直方体形状の積層体を得る。次に、図5(b)で例示するように、2端面のそれぞれに、ディップ法等で外部電極用ペースト56を塗布して乾燥させる。これにより、全固体電池100aを形成するための成型体が得られる。
(焼成工程)
次に、得られた積層体を焼成する。焼成によって、固体電解質グリーンシートに含まれている非晶質のNASICON型固体電解質は結晶化する。焼成の条件は酸化性雰囲気下あるいは非酸化性雰囲気下で、最高温度を好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは500℃〜900℃などとすることが特に限定なく挙げられる。最高温度に達するまでにバインダを十分に除去するために酸化性雰囲気において最高温度より低い温度で保持する工程を設けてもよい。プロセスコストを低減するためにはできるだけ低温で焼成することが望ましい。焼成後に、再酸化処理を施してもよい。以上の工程により、全固体電池100aが生成される。
図2で例示した全固体電池100aについては、図5(a)の工程において集電体用ペースト53を塗布する工程を省略すればよい。
なお、第1外部電極40aおよび第2外部電極40bは、焼成工程後に焼き付けてもよい。図6は、この場合の製造方法を例示するフロー図である。例えば、積層工程で外部電極用ペースト56を塗布せず、焼成工程で得られた積層チップ60の2端面に外部電極用ペースト56を塗布し、焼き付ける。それにより、第1外部電極40aおよび第2外部電極40bを形成することができる。
本実施形態によれば、固体電解質グリーンシートがLiTaPOを含んでいることから、焼成によって得られる固体電解質層30に高いイオン伝導性が得られるようになり、良好な電池特性を実現することができる。また、固体電解質グリーンシートが非晶質のNASICON型固体電解質を含んでいることから、比較的低温での焼成によって固体電解質層30を得ることができる。その結果、固体電解質層30と活物質との相互拡散反応を抑制することができる。
固体電解質グリーンシートにおいて、LiTaPO粉末の平均粒子径が大きすぎると、固体電解質グリーンシートを薄くかつ平滑にすることが困難となるおそれがある。そこで、固体電解質グリーンシートにおいて、LiTaPO粉末の平均粒子径に上限を設けることが好ましい。一方、固体電解質グリーンシートにおいて、LiTaPO粉末の平均粒子径が小さすぎると、焼成時の固体電解質材料間での相互拡散反応が起きやすくなるおそれがある。そこで、固体電解質グリーンシートにおいて、LiTaPO粉末の平均粒子径に下限を設けることが好ましい。具体的には、固体電解質グリーンシートにおいて、LiTaPO粉末の平均粒子径は、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上、3μm以下であることがさらに好ましい。
以下、実施形態に従って全固体電池を作製し、特性について調べた。
(実施例1)
結晶性LiTaPOを固相合成法にて合成した。具体的には、LiCOとTaとPとを1:2:1のモル比で混合し、大気中600℃で熱処理し、さらに粉砕混合後、再度1050℃で熱処理することにより合成した。合成粉は、XRDによって単相であることを確認した。
Li−Al−Ge−PO系ガラス状前駆物質(以下、LAGP−g)を溶融急冷法により合成した。原料のLiCO、Al、GeO、およびPを混合し、1400℃でガラス融液とした後、キャストすることでガラスを作製し、乾式ボールミルでD50=2μmになるまで粉砕処理した。このとき、ガラス状物質でのモル組成は、LiO:Al:GeO:P=0.73:0.27:1.4:1.5であった。
LiTaPOとLAGP−gとを、重量比で64:36となるように擂潰混合し、Φ15mm、厚み0.5mmとなるように一軸プレス機でペレット化し、トップ温度650℃で焼結した。LAGP−gは結晶化した(以下、LAGP)。焼結体を破断し、断面についてSEM観察を行い、EDS元素マッピング分析を行ったところ、LiTaPOとLAGPとの面積比率は、おおよそ50:50であった。
(実施例2)
LiTaPOとLAGP−gとを重量比で50:50とし、640℃で焼結した。その他の条件は、実施例1と同様とした。LiTaPOとLAGPとの面積比率は、おおよそ36:64であった。
(実施例3)
LiTaPOとLAGP−gとを重量比で30:70とし、620℃で焼結した。その他の条件は、実施例1と同様とした。LiTaPOとLAGPとの面積比率は、おおよそ20:80であった。
(実施例4)
LiTaPOとLAGP−gとを重量比で80.4:19.6とし、700℃で焼結した。その他の条件は、実施例1と同様とした。LiTaPOとLAGPとの面積比率は、おおよそ70:30であった。
(実施例5)
LiTaPOとLAGP−gとを重量比で87.5:12.5とし、720℃で焼結した。その他の条件は、実施例1と同様とした。LiTaPOとLAGPとの面積比率は、おおよそ80:20であった。
(実施例6)
ガラス材料として、LAGP−gではなく、LAZP(Li−Al−Zr−PO系)ガラスを用いた。その他条件は、実施例4と同様とした。LiTaPOとLAZPとの面積比率は、おおよそ60:40であった。
(比較例1)
LiTaPOとLAGP−gとを重量比で16:84とし、610℃で焼結した。その他の条件は、実施例1と同様とした。LiTaPOとLAGPとの面積比率は、おおよそ10:90であった。
(比較例2)
LiTaPOとLAGP−gとを重量比で94:6とし、770℃で焼結した。その他の条件は、実施例1と同様とした。LiTaPOとLAGPとの面積比率は、おおよそ90:10であった。770℃より低温で焼成すると焼結緻密化不足が顕著となり、770℃より高温で焼成すると材料同士の相互拡散反応が顕著となり、元素マッピングの境界が不明瞭となった。
(比較例3)
ガラス材料をLAGP−gではなく、Li−B−O系ガラスとし、LiTaPOとLi−B−O系ガラスとを重量比で75:25とし、700℃で焼結した。その他の条件は、実施例1と同様とした。LiTaPOとLi−B−O系ガラスとの面積比率は、おおよそ50:50であった。
(分析)
実施例1〜6および比較例1〜3の各焼結体について、イオン伝導率を測定した。結果を表1に示す。実施例1の焼結体のイオン伝導率は、1.8×10−4S/cmであった。実施例2の焼結体のイオン伝導率は、1.5×10−4S/cmであった。実施例3の焼結体のイオン伝導率は、1.2×10−4S/cmであった。実施例4の焼結体のイオン伝導率は、1.6×10−4S/cmであった。実施例5の焼結体のイオン伝導率は、1.4×10−4S/cmであった。実施例6の焼結体のイオン伝導率は、1.1×10−4S/cmであった。比較例1の焼結体のイオン伝導率は、7.0×10−5S/cmであった。比較例2の焼結体のイオン伝導率は、5.2×10−6S/cmであった。比較例3の焼結体のイオン伝導率は8.3×10−5S/cmであった。10−4S/cm以上の伝導率が得られた場合には合格「〇」と判定し、10−4S/cm以上の伝導率が得られなかった場合には不合格「×」と判定した。
Figure 2021190302
実施例1〜実施例6のいずれにおいても、10−4S/cm以上のイオン伝導率が得られた。これは、高いイオン伝導率を有するLiTaPOの面積比が10%を上回っていたからであると考えられる。これに対して、比較例1および比較例2においてイオン伝導率が10−4S/cmに到達しなかったのは、LiTaPOの面積比が10%以下であったからであると考えられる。比較例3でイオン伝導率が10−4S/cmに到達しなかったのはLi−B−O系ガラス自体のイオン伝導性低いためと考えられる。
次に、実施例1〜6のいずれにおいても、焼結温度を720℃以下とすることができたため、焼結温度について合格「〇」と判定した。これは、NASICON型固体電解質の面積比が10%を上回って焼結温度を低下させることができたからであると考えられる。これに対して、比較例2では、焼結温度が770℃と高温となり、不合格「×」と判定した。これは、NASICON型固体電解質の面積比が10%であり、焼結温度を十分に低下させることができなかったからであると考えられる。
イオン伝導率および焼結温度について、いずれにも不合格「×」と判定されていなければ、総合判定で合格「〇」と判定した。イオン伝導率および焼結温度について、少なくともいずれか一方で不合格「×」と判定されていれば、総合判定で不合格「×」と判定した。実施例1〜6のいずれにおいても総合判定は合格「〇」であった。比較例1〜3のいずれにおいても、総合判定は不合格「×」であった。
なお、Ge使用量については、LAGPの面積比率が90%以上となった比較例1に対して不合格「×」と判定した。実施例1〜6のいずれにおいても、Ge使用量についてLAGPの面積比率が90%未満であったため合格「〇」と判定した。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 第1電極
11 第1電極層
12 第1集電体層
20 第2電極
21 第2電極層
22 第2集電体層
30 固体電解質層
40a 第1外部電極
40b 第2外部電極
51 固体電解質グリーンシート
52 内部電極用ペースト
53 集電体用ペースト
54 逆パターン
55 カバーシート
56 外部電極用ペースト
100,100a 全固体電池

Claims (9)

  1. LiおよびTaを含むリン酸塩である第1固体電解質と、
    NASICON型固体電解質である第2固体電解質とを含み、
    断面において、前記第1固体電解質の面積比は10%を上回り、前記第2固体電解質の面積比は10%を上回ることを特徴とする固体電解質。
  2. 前記第1固体電解質は、Li1+2x+yTa2−x−y−zPOの組成式で表され、Aは3価の金属元素Al、Sc、Y、Laから選ばれる1つ以上の元素、Bは4価の金属元素Ge、Hf、Sn、Zrから選ばれる1つ以上の元素、Cは5価の金属元素Nb、As、Sb、Biから選ばれる1つ以上の元素であり、0≦x+y+z≦0.5を満たすことを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. 前記第2固体電解質は、少なくともLi,Ge,Pを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体電解質。
  4. 前記第2固体電解質は、少なくともLi,Zr,Pを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体電解質。
  5. 前記第1固体電解質の平均結晶粒子径は、0.1μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の固体電解質。
  6. 焼成前の前記第2固体電解質は、非晶質であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の固体電解質。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の固体電解質を含む複数の固体電解質層と、電極活物質を含む複数の内部電極とが交互に積層されていることを特徴とする全固体電池。
  8. LiおよびTaを含むリン酸塩の粉末と、非晶質のNASICON型固体電解質粉末とを混合し、焼成することを特徴とする固体電解質の製造方法。
  9. LiおよびTaを含むリン酸塩の粉末と非晶質のNASICON型固体電解質粉末とを含むグリーンシートと、前記グリーンシートの第1主面上に形成された第1電極層用ペースト塗布物と、前記グリーンシートの第2主面上に形成された第2電極層用ペースト塗布物と、を有する積層体を用意する工程と、
    前記積層体を焼成する焼成工程と、を含むことを特徴とする全固体電池の製造方法。
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