JP2021188859A - ボイラ管群付着灰除去システム - Google Patents

ボイラ管群付着灰除去システム Download PDF

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Abstract

【課題】経済性を担保しつつ早期かつ適切に管群の付着灰を除去するボイラ管群付着灰除去システムを提供する。【解決手段】ボイラ管群付着灰除去システムは、複数の管群の間に配置されたスートブロワと、管群の下流で排ガスを誘引する誘引送風機と、スートブロアを制御し、ボイラの熱貫流率を演算する制御装置とを有する。制御装置は、熱貫流率Kが所定値以上の場合に所定のインターバルを置いてスートブロワを1回起動させ、熱貫流率が所定値未満の場合に付着灰判定処理を実行し、その結果に応じてスートブロワを連続起動させる。付着灰判定処理は、管群の主蒸気量、排ガスの圧力差、誘引送風機の回転数、炉に供給される燃焼空気総量の4つの条件のうちの少なくとも1つの条件を含んで実行される。【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラ管群付着灰除去システムに関する。
石炭炊きボイラを備えた火力発電所、または、発電を行うために廃熱ボイラを備えたごみ焼却炉やガス化溶融炉などのプラントにおいては、石炭やごみの燃焼により発生した排ガスに含まれる焼却灰が管群(ボイラのスクリーン管、過熱管、蒸発管、エコノマイザの水管等で構成される管群)に付着して堆積しやすい。焼却灰が管群に堆積すると、管群が腐食する恐れがあるほか、発電効率の悪化を招くこととなる。このため、一般的に、所定の時間間隔(一定周期)で、蒸気式やショックパルス式のスートブロワを起動し、管群に堆積した灰(以下、「付着灰」という)を除去、すなわち、「付着灰除去」している。
しかし、付着灰の管群への堆積量が少ない場合、スートブロワを起動しても除去される付着灰の量が少ないため、スートブロワで消費または利用する電力、蒸気、またはガスの費用に対する付着灰除去の効果が少ない。一方、付着灰の管群への堆積量が多い場合、上記一定周期ごとのスートブロワの起動では十分に付着灰除去ができず、除去されずに管群に残置された付着灰が、次回のスートブロワの起動までに固化してしまい、スートブロワによる付着灰除去が困難となる恐れがある。
そこで、スートブロワを用いて管群の付着灰を適切に除去すべく、種々のボイラ管群付着灰除去システムが開発されてきた。
例えば、特許文献1には、管群の汚れの度合い、すなわち管群への付着灰の堆積の度合いに応じて、上記周期を変えるシステムが開示されている。また、特許文献2には、管群の汚れの度合い以外の条件も加味してスートブロワを起動するシステムが開示されている。また、特許文献3には、管群を流れる排ガスの上流及び下流の圧力をそれぞれ測定し、これらの圧力の差が所定値以上となった場合にスートブロワを起動するシステムが開示されている。
なお、スートブロワは、蒸気式が主に使用されてきたが、近年、蒸気を使用しないショックパルス式が開発され、市場導入されている。
蒸気式スートブロワは、起動されると所定時間だけ蒸気を噴射し続け、当該所定時間が経過すると蒸気の噴射を停止する。
一方、ショックパルス式スートブロワは、圧力波式または衝撃波式スートブロワや、ショックパルスジェネレータ(SPG:Shock Pulse Generator)とも呼ばれ、起動されると、スートブロワ内部に充填した可燃性ガスが爆発し、ショックパルス(「衝撃波」または「圧力波」ともいう)が発射される。なお、ショックパルス式スートブロワは、一度起動すると、次回の起動のために当該ガスを再度充填する必要がある。当該充填には、一般的に1分間から10分間程度の時間を要する。
特開昭62−210316号公報 特開昭63−286609号公報 特開2017−181007号公報
特許文献1乃至3に開示の技術はいずれも、上記周期の到来など、所定条件の成立後に、スートブロワを1回だけ起動している。
しかし、上述したように、付着灰の堆積量によっては、スートブロワを1回起動しただけで十分に付着灰除去ができるとは限らない。このため、スートブロワを起動したにもかかわらず効果的に付着灰が除去されない場合、特許文献1乃至3に開示の技術では、次回の周期の到来など、改めて所定条件が成立した後のスートブロワの再度の起動を待つ必要がある。従って、これらの技術では、1回のスートブロワの起動で付着灰除去が十分になされない場合、ボイラの熱交換性能を早期に回復することができない。
そこで、スートブロワを起動する際に、1回だけではなく連続的に複数回起動することが考えられる。
しかしながら、1回のスートブロワの起動で付着灰除去が十分になされる場合があるにもかかわらず、上記所定条件が成立した際、毎回、スートブロワを複数回起動することは不経済である。
そこで、本発明は、経済性を担保しつつ、早期かつ適切に付着灰除去を行うボイラ管群付着灰除去システムを提供することを目的とする。
本発明のボイラ管群付着灰除去システムは、炉で発生する排ガスから熱回収するボイラの複数の管群の付着灰を除去するボイラ管群付着灰除去システムであって、前記複数の管群の間に配置されたスートブロワと、前記複数の管群の下流に配置され、前記排ガスを誘引する誘引送風機と、前記スートブロワの起動を制御する制御装置とを有する。
前記制御装置は、前記ボイラの熱貫流率を演算し、演算した前記熱貫流率が所定値以上の場合、所定のインターバルを置いて前記スートブロワを1回だけ起動し、その後再び前記所定のインターバル又はこれと異なるインターバルを置く1回起動を実行し、演算した前記熱貫流率が前記所定値未満の場合、第一判定及び第二判定のいずれか一方を択一的に判定する付着灰判定処理を実行し、前記付着灰判定処理で前記第一判定が得られた場合、前記所定のインターバルを置かずに前記スートブロワを連続的に複数回起動する連続起動を実行し、前記付着灰判定処理で前記第二判定が得られた場合、前記1回起動を実行する。
前記付着灰判定処理は、前記複数の管群の主蒸気量が第一閾値以上であるという第一条件、前記複数の管群の入口と出口における前記排ガスの圧力差が第二閾値以上であるという第二条件、前記誘引送風機の回転数が第三閾値以上であるという第三条件、及び前記炉に供給される燃焼空気総量が第四閾値以上であるという第四条件のうちの少なくとも1つの条件を含んで実行される。
前記付着灰判定処理が4つの前記条件のうちのいずれか1つの条件のみに基づいて実行される場合、前記1つの条件が成立したときに前記第一判定が得られ、前記1つの条件が不成立のときに前記第二判定が得られ、前記付着灰判定処理が前記4つの条件のうちのいずれか2つ、3つ、または4つの条件を含んで実行される場合、前記2つ、3つ、または4つの条件を含むすべての条件が共に成立したときに前記第一判定が得られ、前記2つ、3つ、または4つの条件を含むいずれかの条件が不成立のときに前記第二判定が得られることを特徴とする。
本発明のボイラ管群付着灰除去システムによれば、熱貫流率に基づいて1回起動と連続起動とを使い分ける。さらに、熱貫流率が所定値未満である場合には付着灰判定処理を実行し、スートブロワを連続起動とするか否かを適切に判定できるため、経済性を担保しつつ早期かつ適切に付着灰除去を行うことができる。
実施形態及び第一変形例に係るボイラ管群付着灰除去システムの概略構成図である。 ボイラ管群付着灰除去システムがスートブロワを起動する制御を説明するフローチャート例である。 (a)〜(d)は、図2におけるステップS16(付着灰判定処理)の具体的な処理フローの例である。 (a)〜(c)は第二変形例に係るボイラ管群付着灰除去システムの一部を示す概略構成図である。 第三変形例に係るボイラ管群付着灰除去システムの概略構成図である。 第四変形例に係るボイラ管群付着灰除去システムの概略構成図である。
以下、図面を参照して、実施形態並びに変形例としてのボイラ管群付着灰除去システムについて説明する。以下に示す構成等はあくまでも例示に過ぎず、明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下に示す構成等は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.ボイラ管群付着灰除去システムの概要]
図1は、本実施形態のボイラ管群付着灰除去システム1(以下「除去システム1」という)の概略構成図である。なお、図1は、後述する第一変形例(除去システム1′)を示す図も兼ねる。
図1及び後述する図4〜図6では、X軸、Y軸からなる直交座標系を図示して説明する。X軸は水平方向であり、Y軸は鉛直方向である。また、Y軸の矢印方向は、鉛直方向且つ上方に向かう方向である。
本実施形態では、一例として、発電を行うためのボイラを備えたごみ焼却炉のプラントに適用された除去システム1を説明する。もちろん、火力発電所、ガス化溶融炉など、他のプラントに、本発明のボイラ管群付着灰除去システムを適用することもできる。
ボイラは、蒸気ドラム及び水ドラムを備えた2ドラム式(two drum type)と、蒸気ドラムを備えた1ドラム式(one drum type)とに大別されるが、除去システム1は、いずれのボイラを用いてもよい。なお、図1では、蒸気ドラムの図示を省略しているが、1ドラム式のボイラを備えたごみ焼却炉のプラントを例示する。
除去システム1は、炉で発生する排ガスから熱回収するボイラの複数の管群2の付着灰を除去するシステムであって、複数の管群2の間に配置されたスートブロワ3と、複数の管群2の下流に配置され、排ガスを誘引する誘引送風機13と、スートブロワ3の起動を制御する制御装置4とを有する。
後で詳述するが、制御装置4は、ボイラの熱貫流率Kを演算し、この熱貫流率Kが所定値α1以上の場合、所定のインターバルを置いてスートブロワ3を1回だけ起動し、再び当該所定のインターバル又はこれと異なるインターバルを置く「1回起動」を実行する。
また、制御装置4は、演算した熱貫流率Kが所定値α1未満の場合、且つ、所定値α2未満の場合、第一判定及び第二判定のいずれか一方を択一的に判定する付着灰判定処理を実行する。付着灰判定処理で第一判定が得られた場合、制御装置4は、原則として、所定のインターバルを置かずにスートブロワ3を連続的に複数回起動する「連続起動」を実行し、付着灰判定処理で第二判定が得られた場合、「1回起動」を実行する。
付着灰判定処理は、下記の第一条件乃至第四条件のうちの少なくとも1つの条件を含んで実行される。
第一条件:管群2の主蒸気量Qsが第一閾値以上である
第二条件:管群2の入口と出口における排ガスの圧力差ΔPgが第二閾値以上である
第三条件:誘引送風機13の回転数Qrが第三閾値以上である
第四条件:炉に供給される燃焼空気総量Qcが第四閾値以上である
これら4つの条件の各々は、発明者の経験から、各条件が成立した場合、管群2に付着灰が多量に堆積している可能性が高いため、スートブロワ3の「連続起動」をするのが望ましいと考えられる条件である。
後で詳述する図3では、一例として、上記の4つの条件(第一条件、第二条件、第三条件、第四条件)のみを用いて説明するが、設計に応じて、これら4つの条件に他の条件(例えば、第五条件、第六条件、第七条件、第八条件、…など)が追加されてもよい。
当該他の条件、例えば第五条件としては、後述の出口蒸気温度測定装置24bで測定される「管群2の主蒸気の温度が第五閾値未満である」、例えば第六条件としては、「過熱低減器17(後述)の噴霧する水量が第六閾値未満である」、例えば第七条件としては、後述のガス温度測定装置15b(出口ガス温度測定装置)で測定される「管群2の出口における排ガスのガス温度が第七閾値以上である」がありうる。
また、図示はしないが、ごみ焼却炉のプラントでは、除塵装置11の下流の排ガスの一部をストーカ7近傍へ循環させる排ガス再循環技術(Exhaust Gas Recirculation(EGR))が採用される場合がありうる。この場合、当該他の条件として、例えば第八条件として、後述のガス流量測定装置16a、16bとは別個に、当該循環される排ガス(循環排ガス)のガス流量を測定するガス流量測定装置を設置し、当該ガス流量測定装置で測定される「循環排ガスのガス流量が第八閾値以上である」が追加されてもよい。
なお、これら他の条件も、第一条件乃至第四条件と同様、評価式に基づき、二分岐する。具体的には、これら他の条件は、評価式の条件が成立した場合、管群2に付着灰が多量に堆積している可能性が高いため、スートブロワ3の「連続起動」をするのが望ましく、評価式の条件が不成立の場合、スートブロワ3の「連続起動」は不用である(よって、「1回起動」でよい)といえる条件が選定される。
付着灰判定処理は、上記の第一条件乃至第四条件の4つの条件のうちのいずれか1つの条件のみに基づいて実行される場合、当該1つの条件が成立したときに第一判定が得られる。そして、当該1つの条件が不成立のときに第二判定が得られる。
また、付着灰判定処理は、上記4つの条件のうちのいずれか2つ、3つ、または4つの条件を含んで実行される場合(上記第五条件等が追加される場合がある)、当該2つ、3つ、または4つの条件を含むすべての条件が共に成立したときに第一判定が得られる。そして、当該2つ、3つ、または4つの条件を含むすべての条件のいずれかが不成立のときに第二判定が得られる。
以下、除去システム1が少なくとも有する上記構成に加え、他の構成について説明する。そして、構成の説明後に、スートブロワ3の起動に関する制御(付着灰判定処理を含む)について詳述する。
[2.システム構成]
図1に示すように、除去システム1は、ごみ等の被焼却物を貯留するホッパ5と、ホッパ5の下方(Y軸方向且つ下方)からホッパ5が貯留した被焼却物を押し出すフィーダ6と、フィーダ6に押し出された被焼却物を搬送しながら焼却するストーカ7と、ストーカ7で焼却された残渣が排出される灰シュート8とを備える。
また、除去システム1は、ストーカ7で被焼却物を焼却することで発生する飛灰を含んだ排ガスの熱を、各管群2及びその下流に配置されたエコノマイザ9(管群の一種であり、「節炭器」ともいわれる)で熱交換する。そして、除去システム1は、当該熱交換された排ガスを冷却する減温塔10、さらに、当該冷却された排ガスの煤塵を除塵する除塵装置11(例えば、バグフィルタ)を経由して、当該除塵された排ガスを煙突12から大気へ排出する。
ストーカ7から煙突12の開口までの排ガスの経路は、水冷壁やダクトなどで形成されて、実質的に密閉される。当該経路のうち、ストーカ7の直上からY軸方向且つ上方に延びる経路は「1パス」(「パス」は英語で「pass」を意味する)、1パスの上方の端部で折れ曲がり、1パスに隣接してY軸方向且つ下方に延びる経路は「2パス」、2パスの下方の端部で折れ曲がり、2パスに隣接してY軸方向且つ上方に延びる経路は「3パス」と呼ばれる。ストーカ7で発生した排ガスは、図1に矢印で流れを示す通り、1パスを上昇し、2パスを下降し、3パスを上昇するように流れる。なお、排ガスの流れを1パスから煙突12に向けて誘引するため、除塵装置11と煙突12の間の当該経路には、誘引送風機13が配置される。
除去システム1は、1パスに配置されて排ガスの圧力を測定する圧力測定装置14a(入口圧力測定装置)と、エコノマイザ9と減温塔10の間の排ガスの経路に配置されて排ガスの圧力を測定する圧力測定装置14b(出口圧力測定装置)とを備える。
なお、各圧力測定装置14a、14bの配置はこれらに限定されない。プラントの設計に応じて、入口圧力測定装置14aは、排ガスの経路中、付着灰除去の対象となる複数の管群2のうち最上流に配置された管群2の上流の任意の場所、すなわち「複数の管群2の入口」に配置されればよく、出口圧力測定装置14bは、排ガスの経路中、付着灰除去の対象となる複数の管群2のうち最下流に配置された管群2の下流の任意の場所、すなわち「複数の管群2の出口」に配置されればよい。ただし、これら任意の場所は、付着灰除去の対象となる複数の管群2にできるだけ近い場所が望ましい。
除去システム1は、3パスに配置されている付着灰除去の対象となる複数の管群2のうち最上流(下方)に位置する管群21の下方に配置されて排ガスの温度を測定するガス温度測定装置15a(入口ガス温度測定装置)と、3パスに配置されている当該複数の管群2のうち最下流(上方)に位置する管群22cとエコノマイザ9との間の排ガスの経路に配置されて排ガスの温度を測定するガス温度測定装置15b(出口ガス温度測定装置)とを備える。
なお、各ガス温度測定装置15a、15bの配置はこれらに限定されない。プラントの設計に応じて、入口ガス温度測定装置15aは、排ガスの経路中、付着灰除去の対象となる複数の管群2のうち最上流に配置された管群2の上流の任意の場所、すなわち「複数の管群2の入口」に配置されればよく、出口ガス温度測定装置15bは、排ガスの経路中、付着灰除去の対象となる複数の管群2のうち最下流に配置された管群2の下流の任意の場所、すなわち「複数の管群2の出口」に配置されればよい。ただし、これら任意の場所は、付着灰除去の対象となる複数の管群2にできるだけ近い場所が望ましい。
言い換えると、本実施形態および後述の変形例で、付着灰除去の対象となる「複数の管群2」とは、2つの圧力測定装置14a、14bの間、かつ、2つのガス温度測定装置15a、15bの間に配置されている管群を意味する。
図1では、一例として、複数の管群2が3パスに配置された構成を示す。なお、エコノマイザ9も管群(図6参照)を備えているが、図1の構成では複数の管群2の出口よりも下流、すなわち出口ガス温度測定装置15bよりも下流にエコノマイザ9が配置されているので、本実施形態ではエコノマイザ9が備える管群を付着灰除去の対象となる管群として考慮しない。なお、後述するが、エコノマイザ9が備える管群も「複数の管群2」として考慮する例は、本実施形態の第四変形例である。
3パスには、排ガスの流れの最上流(Y軸方向で最下方)に吊下管(スクリーン管)21で構成された管群2が配置され、当該管群21から下流(Y軸方向で上方)に向かって、順次、過熱管(スーパーヒータ)22a、22b、22cのそれぞれで構成された管群2が配置される。
図1では、一例として、スートブロワ3(3a)が同一種類の複数の管群2の間に配置された構成を示す。すなわち、過熱管で構成された管群のうち、最上流に位置する過熱管22aで構成された管群2と、当該管群2の下流に当該管群2と隣り合って配置された管群2(過熱管22bで構成された管群2)の間にスートブロワ3aが配置される。なお、スートブロワ3(3a)の配置はこれに限られず、異なる種類の管群2、例えば、ボイラのスクリーン管、過熱管、蒸発管、エコノマイザの水管等で構成される管群のうち、隣り合って配置された異なる種類の管群の間にスートブロワ3が配置されてもよい。スートブロワ3は、蒸気式でもショックパルス式でもよいが、ここでは、ショックパルス式スートブロワであるとして説明を進める。
除去システム1は、2パスに配置されて排ガスの流量を測定するガス流量測定装置16aと、除塵装置11と誘引送風機13の間の排ガスの経路に配置されて排ガスの流量を測定するガス流量測定装置16bのいずれか一方を少なくとも備える。上述したように、ストーカ7から煙突12の開口までの排ガスの経路は、実質的に密閉されているので、ガス流量測定装置が1つ設置されることで、後述の熱貫流率Kの演算に必要な排ガスのガス流量の情報を得ることができる。
なお、各ガス流量測定装置16a、16bの配置はこれらに限定されない。排ガスの経路において少なくとも1つ設置されればよい。ガス流量測定装置の清掃頻度を低減する観点からは、除塵装置11より下流にガス流量測定装置を配置するのが望ましい。すなわち、ガス流量測定装置16a、16bのいずれか一方を選択する場合、ガス流量測定装置16bを設置するのが望ましい。
また、ガス流量測定装置16aを設置する代わりに、2パスにおける排ガスのガス流量を演算で算出し、後述の熱貫流率Kの演算に使用してもよい。
除去システム1は、過熱管で構成される管群2の内部を通過する蒸気を適宜冷却するために、当該過熱管の内部に水を噴霧する過熱低減器(デスーパーヒータ)17を備える。図1では、3パスに配置された四つの管群2のうち、最下流に配置される過熱管22cで構成された管群2に過熱低減器17が配置される。過熱低減器17が噴霧する水の量は、噴霧水量測定装置18で測定される。
除去システム1は、付着灰除去の対象となる複数の管群2に含まれる過熱管のうち、最上流に位置する過熱管22aの内部に配置されて蒸気の温度を測定する蒸気温度測定装置24a(入口蒸気温度測定装置)と、最下流に位置する過熱管22cの内部に配置されて蒸気の温度を測定する蒸気温度測定装置24b(出口蒸気温度測定装置)とを備える。蒸気温度測定装置24a、24bは、複数の管群2のうち、過熱管に設置される。
除去システム1は、過熱管の内部を流れる主蒸気量を測定する主蒸気量測定装置25を備える。ここでは、主蒸気量測定装置25は、複数の管群2に含まれる過熱管のうち、最上流に位置する過熱管22aの内部に配置される。
除去システム1は、ストーカ7の下方に位置する一次空気供給装置26と、ストーカ7の上方の1パスに位置する二次空気供給装置27と、これらの空気供給装置26、27から排ガスの経路に供給される一次空気及び二次空気の総量(燃焼空気総量)を測定する燃焼空気量測定装置28とを備える。
各圧力測定装置14a、14b、各ガス温度測定装置15a、15b、ガス流量測定装置16a、16b、噴霧水量測定装置18、各蒸気温度測定装置24a、24b、主蒸気量測定装置25、燃焼空気量測定装置28で測定された各種情報は、制御装置4に入力される。制御装置4は、除去システム1が有する電子制御装置(コンピューター)であり、クロックで動作するプロセッサやタイマー、並びに記憶装置(いずれも図示略)を搭載している。
[3.制御構成(フローチャート)]
上述したように、制御装置4は、ボイラの熱貫流率Kを演算し、この熱貫流率Kに応じて、適宜に付着灰判定処理を実行しつつ、スートブロワ3を「1回起動」または「連続起動」させる。
以下、図2及び図3(a)〜(d)に示すフローチャートを用いて、スートブロワ3の起動に関する制御(付着灰判定処理を含む)について詳述する。なお、ここでは除塵装置11はバグフィルタであるとして説明を進める。
まず、オペレータが、起動スイッチや制御盤など(図示せず)を操作することにより、焼却炉などのプラントの運転が開始されると共に、除去システム1も起動し、図2に示すフローチャートの「開始」以降の各処理が、制御装置4によって実行される。
なお、本フローチャートに登場する時間t1、Tmin、Tmax、並びにΔtの初期値、ダーティ熱貫流率Kdの初期値、フラグFの初期値、各所定値α1、α2、及び回復閾値Rは次のよう設定され、本フローチャートの「開始」以前に、記憶装置に予め記憶される。
クリーン熱貫流率Kcは、除去システム1が起動して最初に演算される熱貫流率の値が初期値となるので、本フローチャートの「開始」以前に予め設定する必要はない。
時間t1は、タイマーをカウントダウンさせるときの最初の時間(タイマーの残り時間)であり、スートブロワ3を「1回起動」させるときのインターバルに相当する。時間t1の初期値は、「0<Tmin<t1≦Tmax」の関係を満たす所定値である。Tminはスートブロワ3の起動させるインターバルの最小値(最短インターバル)であり、例えば1時間に設定される。また、Tmaxはスートブロワ3を起動させるインターバルの最大値(最長インターバル)であり、例えば3時間に設定される。
時間t1の初期値は、例えば「2/3×Tmax−Δt(例えば、Δtは0.5時間)」で求められる時間に設定される。なお、説明の簡便のため、ここでは、Tmin、Tmaxの値は、それぞれΔtの整数倍に設定される。また、時間t1は、その後、後述のステップS7、S19により、初期値から変更される。
ダーティ熱貫流率Kdは、付着灰除去の対象となる管群2に付着灰が堆積等して汚れた状態であると考えられる場合の熱貫流率である。
ダーティ熱貫流率Kdの初期値は、「0<Kd<α2」の関係を満たす所定の値(例えば、Kd=0.5)に設定される。なお、ダーティ熱貫流率Kdは、その後、後述のステップS3により、初期値から変更される。
フラグFの初期値はF=0(第一の値)に設定される。なお、フラグFは、その後、後述のステップS9、S20、S14により、F=0(第一の値)、F=1(第二の値)、F=2(第三の値)のいずれかに変更される。
第一所定値α1及び第二所定値α2は、それぞれ後述のステップS5、ステップS15の各々において、熱貫流率K(クリーン熱貫流率Kc)と比較して、スートブロワ3を「1回起動」とするか否かの判定閾値である。また、第二所定値α2は、後述のステップS15において、熱貫流率K(クリーン熱貫流率Kc)と比較して、付着灰判定処理を実行するか否かの判定閾値でもある。「0<α2<α1」の関係を満たす。ここでは、説明の簡便のため、「0<α2<1<α1」の関係を満たすとして説明を続ける。
なお、クリーン熱貫流率Kcは、スートブロワ3の起動直後に演算された熱貫流率である。言い換えれば、クリーン熱貫流率Kcは、スートブロワ3が起動された直後であるので管群2の付着灰は幾分除去され、熱交換率が改善した状態であると考えられる場合の熱貫流率である。
第一所定値α1は、α1以上のクリーン熱貫流率Kcであれば管群2の熱交換が明らかに良好で、付着灰の堆積はない又は付着灰の堆積が極めて少ないといえる値に設定される。ここでは、説明の簡便のため、第一所定値α1は、後述のステップS20でフラグFがF=2に変更された直後においては、スートブロワの「1回起動」のみ、すなわちスートブロワの単発の起動だけでは、クリーン熱貫流率Kcがα1以上となることはなく、「連続起動」として少なくとも2回以上連続のスートブロワ3の起動をすることで初めて達成されうる値に設定される。例えば、第一所定値α1は、α1=1.2(W/mK)に設定される。
また、第二所定値α2は、α2以上α1未満のクリーン熱貫流率Kcであれば、管群2の熱交換が明らかに良好とはいえないまでも、付着灰の堆積はプラントの運転にまだ大きな影響を及ぼすものではないので、スートブロワの「1回起動」が実行されれば十分であるといえる値に設定される。言い換えれば、α2未満のクリーン熱貫流率Kcであれば後述の付着灰判定処理が必要となる値に設定される。第二所定値α2も、ここでは説明の簡便のため、後述のステップS20でフラグFがF=2に変更された直後、スートブロワ3の「1回起動」のみ、すなわちスートブロワの単発の起動だけでは、クリーン熱貫流率Kcがα2以上となることはなく、「連続起動」として少なくとも2回以上連続のスートブロワ3の起動をすることで初めて達成される値に設定される。例えば、第二所定値α2は、α2=0.8(W/mK)に設定される。
このため、後述する図2のフローチャートでは、フラグFが、一旦、後述のステップS20でF=2に変更された場合、後述の付着灰判定処理で第二判定とならない限り、原則として、制御装置4により、スートブロワ3は少なくとも2回連続の「連続起動」がなされる。
ここでは説明の簡便のため、「0<α2<1<α1」の関係を満たすとしてα1、α2の値を上述のように設定するが、「0<α2<α1」の関係を満たす限り、設計に応じて、α1、α2の値を適宜設定してよい。この場合には、後述のステップS20でフラグFがF=2に変更された直後、スートブロワ3は原則的に「連続起動」されるが、必ず「連続起動」されるとは限らず、「1回起動」される場合もありうる。
回復閾値Rは、回復率(Kc/Kd)と比較して、付着灰除去の効果(熱貫流率Kの改善の度合い)を判定する閾値であり、その初期値は「1≦R」の関係を満たす所定の値(例えば、R=1)に設定される。ここで、回復率は、スートブロワ3の起動前後で熱貫流率Kがどの程度回復(改善)したのかを示す変数であり、クリーン熱貫流率Kcをダーティ熱貫流率Kdで除した値である。
なお、第一所定値α1、第二所定値α2、及び、回復閾値Rの各々は、設計に応じて適宜設定されたそれぞれの初期値から変更されることのない定数である。また、先述のTmin、Tmax、並びにΔtの各々も、設計に応じて適宜設定されたそれぞれの初期値から変更されることのない定数である。
制御装置4は、ステップS1において、プラント(例えば焼却炉)の運転開始後に所定時間が経過したか否かを判定する。これは、プラントの運転が開始されてから所定時間が経過しなければ、プラント内の環境に関する条件(例えば、温度、圧力など)が安定しないからである。制御装置4は、プラントの運転が開始されてから当該所定時間が経過するまではステップS1の処理を繰り返し実行し、当該所定時間が経過したときにステップS2の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS2において、温度情報及び流量情報に基づき、熱貫流率Kを演算する。そして、熱貫流率Kを演算した後、制御装置4は、ステップS3の処理を実行する。
熱貫流率Kは、以下の(式1)で表される。
Figure 2021188859
温度情報及び流量情報は次のように測定されて制御装置4に送信される。すなわち、過熱器入口ガス温度Tginは入口ガス温度測定装置15aで測定され、過熱器出口ガス温度Tgoutは出口ガス温度測定装置15bで測定される。過熱器入口蒸気温度Tsinは入口蒸気温度測定装置24aで測定され、過熱器出口蒸気温度Tsoutは出口蒸気温度測定装置24bで測定される。また、ガス流量Wgはガス流量測定装置16a、16bのいずれか一方で測定され、または演算により取得される。なお、ガス比熱Cpgは、排ガスの比熱であって、排ガスの成分に対応した定数である。また、伝熱面積Aは、複数の管群2のうち、過熱器の伝熱面積の総和である。
制御装置4は、ステップS3において、ステップS2で演算した熱貫流率Kを、ステップS3の処理の時点でのフラグFの値に応じて、クリーン熱貫流率Kcまたはダーティ熱貫流率Kdのいずれか一方として記憶装置(図示略)に記憶する。
具体的には、制御装置4は、フラグFが第一の値、ここではF=0の場合はKc=Kとし、フラグFが第二の値、ここではF=1の場合はKd=Kとし、フラグFが第三の値、ここではF=2の場合はKd=Kとして、記憶装置に記憶する。
本フローチャートを開始した直後は、フラグFは初期値、すなわちF=0であるため、制御装置4は、直前に演算した熱貫流率Kをクリーン熱貫流率Kcとして記憶装置に記憶する(すなわち、Kc=K)。
そして、制御装置4は、ステップS4の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS4において、フラグFがF=0であるか否かを判定する。フラグFがF=0の場合、すなわち、本フローチャートの「開始」直後である場合、または、後述のステップS13のスートブロワ3の起動直後である場合、制御装置4はステップS5の処理を実行する。
フラグFがF=0でない場合(F=1、F=2の場合)、後述のステップS13のスートブロワ3の起動に向けて処理フローを進めるため、制御装置4はステップS10の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS5において、上記記憶装置に記憶されたクリーン熱貫流率Kcの値が第一所定値α1以上であるか否かを判定する。
クリーン熱貫流率Kcの値が第一所定値α1以上の場合、管群2の熱交換が明らかに良好で、付着灰の堆積はない又は極めて少ないと考えられる。従って、制御装置4は、スートブロワ3の起動のインターバルを長く変更する処理に向けて処理フローを進めるため、ステップS6の処理を実行する。
クリーン熱貫流率Kcの値がα1未満の場合、管群2の熱交換が必ずしも良好とはいえないため、制御装置4は、ステップS15の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS6において、時間t1が最長インターバルであるTmax未満であるか否かを判定する。
時間t1の値がTmax(ここでは、3時間)未満の場合、制御装置4は、時間t1の値を大きく(時間t1を長く)変更するため、ステップS7の処理を実行する。
時間t1の値がTmaxである場合、時間t1をこれ以上大きく変更できないため、制御装置4は、時間t1の値を変更せずに(ステップS7をスキップして)、ステップS8の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS7において、時間t1の値を「t1+Δt」の値に変更する。言い換えれば、制御装置4は、t1=t1+Δtとして、上記の記憶装置のt1の値を変更し、当該記憶装置に再記憶する。すなわち、制御装置4は、インターバルを直前に設定されていた値よりも長く再設定する。
クリーン熱貫流率Kcが第一所定値α1以上の場合、現時点のインターバルでは過度にスートブロワ3を起動することになり、費用対効果の観点から望ましくないことから、従前よりも長いインターバルでスートブロワ3の「1回起動」を行うためである。
そして、制御装置4は、ステップS8の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS8において、タイマー(カウンター)をスタートする。スタートされたタイマーは、カウント値が時間t1から0に向かって、制御装置4が備えるクロックに応じてカウントダウンする。例えば、スタートした時点の時間t1が2時間であった場合、2時間(7200秒)をカウントし、カウント値が0になったところで、タイマーが停止する。タイマーが停止した後、制御装置4は、ステップS9の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS9において、上記の記憶装置に記憶されたフラグFの値を、F=1に変更し、当該記憶装置に再記憶する。そして、制御装置4は、ステップS2に処理フローを戻し、ステップS2の処理を再び実行する。
ステップS2、ステップS3、ステップS4の処理は既に説明したので、ステップS4から次のステップとしてステップS10の処理に至るまで、簡略化して以下に説明する。
つまり、制御装置4は、タイマーによりインターバルを置いたのちの熱貫流率Kを演算し(ステップS2)、次のステップS3では、フラグFがF=1のため、直前に演算した熱貫流率Kをダーティ熱貫流率Kdとして上記記憶装置に記憶する(すなわち、Kd=K)。そして、制御装置4は、現時点でフラグFがF=1のため、ステップS4でフラグFがF=0でないと判定し、次の処理としてステップS10の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS10において、除塵装置11であるバグフィルタが逆洗中か否かを判定する。制御装置4は、バグフィルタの「逆洗」の実行を制御するため、バグフィルタが逆洗中であるか否かを判定することができる。
制御装置4は、バグフィルタの逆洗中であると判定した場合にはステップS10の処理を繰り返し実行し、バグフィルタが逆洗中でないと判定した場合にステップS11の処理を実行する。これにより、制御装置4は、バグフィルタの逆洗が実行されている間はスートブロワ3を起動せず、逆洗の終了を待ってスートブロワ3を起動することができる。
なお、バグフィルタが逆洗中であると判定した場合に、制御装置4がステップS10の処理を繰り返す理由は次の通りである。
バグフィルタの逆洗は、通常、排ガスの流れを止めて行われる。従って、バグフィルタの逆洗中にショックパルス式のスートブロワ3を起動すると、排ガスが流れる煙道となるダクトの内部の圧力が著しく上昇し、プラントに故障が発生するおそれがある。しかしながら、除去システム1においては、制御装置4が、バグフィルタの逆洗中にスートブロワ3を起動せず、逆洗の終了を待ってスートブロワ3を起動するため、上記故障の発生を防止できる。
ここでは、スートブロワ3がショックパルス式であるとして説明をしているため、ステップS10を設けているが、スートブロワ3が蒸気式の場合は、ステップS10を省略することができる。従って、この場合、ステップS4の次のステップはステップS11となる。
制御装置4は、ステップS11において、上記の記憶装置に記憶されたフラグFの値が、F=1であるか否かを判定する。フラグFがF=1の場合、制御装置4は、ステップS12の処理を実行する。また、フラグFがF=1でない場合、すなわち、F=2の場合、制御装置4は、ステップS13の処理を実行する。
ここでは、現時点でフラグFがF=1であることから、制御装置4はステップS12の処理を実行する。制御装置4は、ステップS12において、タイマーのカウント値を時間t1に復帰、すなわちリセットする。次いで、制御装置4は、ステップS13の処理を実行する。
制御装置4は、ステップ13において、スートブロワ3を1回だけ起動する。
そして、制御装置4は、ステップS14の処理を実行する。
なお、ステップS11において、フラグFがF=1でない場合、すなわち、F=2の場合、制御装置4は、ステップS12をスキップしてステップS13の処理を実行するので、タイマーのカウント値はリセットされない。F=2の場合は、制御装置4は、クリーン熱貫流率Kcが第二所定値α2以上になるまで、原則としてスートブロワ3の「連続起動」を実行するが、このとき、処理を1つでも省いて、スートブロワ3をより高速に連続的に起動するためである。
制御装置4は、ステップS14において、上記の記憶装置に記憶されたフラグFの値を、F=0に変更し、当該記憶装置に再記憶する。これは、次のステップS2の処理で演算する熱貫流率Kが、スートブロワ3の起動直後の値であるため、この値を、さらに次のステップS3の処理において、クリーン熱貫流率Kcとして上記の記憶装置に記憶するためである。
そして、制御装置4は、ステップS2に処理フローを戻し、ステップS2の処理を実行する。ステップS2、ステップS3、ステップS4、ステップS5の処理は既に説明したので、再度の説明は省略する。
これより、ステップS5の次のステップとしてステップS15の処理が制御装置4に実行される場合(ステップS5においてクリーン熱貫流率Kcの値がα1未満の場合)の説明を行う。
制御装置4は、ステップS15において、上記の記憶装置に記憶されたクリーン熱貫流率Kcの値が、第二所定値α2未満であるか否かを判定する。
クリーン熱貫流率Kcの値が第二所定値α2未満でない、すなわち、α2≦Kc<α1の場合、管群2の熱伝導が明らかに良好とはいえないまでも、付着灰の堆積はプラントの運転にまだ大きな影響を及ぼすものではないと考えられるため、インターバルを置いてスートブロワ3を起動する処理フローに進めるべく、制御装置4は、先述のステップS8の処理を実行する。
クリーン熱貫流率Kcの値が第二所定値α2未満の場合、付着灰が原因でクリーン熱貫流率Kcの値が低くなったか否かを判定すべく、制御装置4は、ステップS16の処理、すなわち付着灰判定処理を実行する。
制御装置4は、ステップS16において、付着灰判定処理を実行する。付着灰判定処理における具体的な処理の例については、図3を用いて後述する。
付着灰判定処理は、「複数の管群2に堆積した付着灰の量が多く、排ガスとボイラとの熱交換が十分に行われていない状況である」(第一判定)、または「付着灰の量は少なく、熱交換に悪影響を及ぼすものではないにもかかわらず、プラントの運転環境または運転の諸条件によってクリーン熱貫流率Kcが第二所定値α2未満に算出されている状況である」(第二判定)のいずれか一方を択一的に選択し判定する処理である。
付着灰判定処理で第一判定が得られた場合は、回復率(Kc/Kd)に応じてスートブロワ3を連続起動すべく、制御装置4は、ステップS17の処理を実行する。
付着灰判定処理で第二判定が得られた場合は、プラントの状態確認またはプラント停止要否の判断を行うべく、制御装置4は、ステップS21の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS17において、上記の記憶装置に記憶されたクリーン熱貫流率Kcとダーティ熱貫流率Kdとから回復率(Kc/Kd)を演算し、この回復率が、上記の記憶装置に記憶された回復閾値R以上であるか否かを判定する。
回復率が回復閾値R未満の場合は、スートブロワ3をこれ以上起動しても熱貫流率Kが改善する可能性が低いため、制御装置4は、ステップS21の処理を実行する。
回復率が回復閾値R以上の場合は、スートブロワ3の起動により付着灰除去の効果が期待できることから、早期に付着灰を除去すべく、スートブロワ3の「連続起動」を行う処理に向けて処理フローを進めるために、制御装置4は、ステップS18の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS18において、時間t1が最短インターバルであるTminよりも大きいか否かを判定する。
時間t1がTminよりも大きい場合、スートブロワ3を「1回起動」する際のインターバルを短縮すべく、制御装置4は、ステップS19の処理を実行する。灰の性状により当初の「1回起動」のインターバルでは付着灰を効果的に除去できなかったため、付着灰判定処理で第一判定が得られたことを鑑み、「連続起動」が終了した後に、制御装置4がスートブロワ3を「1回起動」する際、従前よりも短いインターバルで(言い換えれば、従前よりも早いタイミングで)、スートブロワ3の「1回起動」を行うためである。
制御装置4は、ステップS19において、時間t1の値を「t1−Δt」の値に変更する。言い換えれば、制御装置4は、t1=t1−Δtとして、上記の記憶装置のt1の値を変更し、当該記憶装置に再記憶する。そして、制御装置4は、ステップS20の処理を実行する。
時間t1がTminの場合、時間t1をこれ以上小さく変更できないため、制御装置4は、時間t1の値を変更せずに(ステップS19をスキップして)、ステップS20の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS20において、上記の記憶装置に記憶されたフラグFの値を、F=2に変更し、当該記憶装置に再記憶する。そして、制御装置4は、ステップS2に処理フローを戻して、ステップS2の処理を実行する。
ステップS2、ステップS3、ステップS4の処理は既に説明したので、ステップS4から次のステップとしてステップS10の処理に至るまで、簡略化して以下に説明する。
つまり、制御装置4は、回復率が回復閾値R以上のときの熱貫流率Kを演算し(ステップS2)、次のステップS3では、フラグFがF=2のため、直前に演算した熱貫流率Kをダーティ熱貫流率Kdとして上記の記憶装置に記憶する(すなわち、Kd=K)。そして、次のステップS4では、現時点においてフラグFがF=2であることから、制御装置4は、フラグFがF=0でないと判定し、次のステップS10を実行する。そして、ステップS10において、制御装置4は、バグフィルタが逆洗中でないと判定した場合にステップS11の処理を実行する。ステップS11において、現時点でフラグFがF=2のため、制御装置4は、ステップS12をスキップしてステップS13の処理を実行する。
すなわち、フラグFがF=2の場合、タイマーをリセットすることなく、直ちにスートブロワ3を起動すべく、制御装置4は、ステップS13の処理を実行する。
ステップS13でスートブロワ3を起動したのち、先述のとおり、制御装置4は、ステップS14においてフラグFをF=0に変更し、再びステップS2に処理フローを戻す。
ここで、次の処理フローにおいて、再び、ステップS2、ステップS3、ステップS4、ステップS5、ステップS15、ステップS16、ステップS17、ステップS18、ステップS19(場合によってはスキップされる)、ステップS20と、順次、制御装置4が処理を進めた場合は、その後、制御装置4は、ステップS2、ステップS3、ステップS4、ステップS10、ステップS11、ステップS13と処理を進める。
従って、この場合は、ステップS8のタイマースタートを経由せずにステップS13を実行する処理フローとなるため、スートブロワ3の「連続起動」となる。
では、図2のフローチャートの説明として、最後に、ステップS16の付着灰判定処理で第二判定が得られた場合、または、ステップS17で回復率が回復閾値R未満の場合に、制御装置4が実行するステップS21について説明する。
制御装置4は、ステップS21において、オペレータまたは作業員によって、プラントの状態確認またはプラントの運転を停止するための作業(例えば、制御盤の操作)が開始されたか否かを判定する。制御装置4は、プラントに配置された種々の装置の動作を制御するので、当該作業が開始されたか否かを判定することができる。
制御装置4は、当該作業は開始されていないと判定した場合、ステップS8の処理を実行する。すなわち、この場合は、ステップS17においてスートブロワ3を起動しても効果的な付着灰除去はできないことが判明しているため、費用対効果の観点からスートブロワ3の「連続起動」は行わないが、管群2へのこれ以上の灰の堆積を低減すべくスートブロワ3の「1回起動」を実行する処理フローを進める。
一方、制御装置4は、当該作業が開始されたと判定した場合、その後、ステップS1〜S20のいずれの処理も実行せず、別途の当該作業に必要な処理を実行する。その後、制御装置4を含む除去システム1全体の動作が終了、すなわちプラントの運転が休止する。
本フローチャートによれば、タイマーによるインターバルを置くスートブロワ3の「1回起動」の際は、クリーン熱貫流率Kcが第一所定値α1以上の場合は、従前のインターバルよりもインターバルを長くし、クリーン熱貫流率Kcが第一所定値α1未満の場合は、インターバルを従前のインターバルから変更しないか、または、従前のインターバルからインターバルを短く変更する。
さらに、本フローチャートによれば、タイマーによるインターバルを置かないスートブロワ3の「連続起動」の場合であっても、スートブロワ3を起動する度に、熱貫流率Kの演算を行う。そして、制御装置4は、演算された熱貫流率K(クリーン熱貫流率Kc、ダーティ熱貫流率Kd)に基づく回復率Rの値が上昇する限り、クリーン熱貫流率Kcが第二所定値α2以上となるまで、スートブロワ3の「連続起動」を実行する。
すなわち、「連続起動」におけるスートブロワ3の起動の回数は可変であり、回復率Rの値の上昇速度の値が大きければ(上昇速度が速ければ)、自動的に当該回数が少なくなり、当該上昇速度の値が小さければ(上昇速度が遅ければ)、自動的に当該回数が多くなる。
当該上昇速度は、制御装置4が、ステップS17を実行する度に演算する回復率の値と演算した時点の時間情報を、上記の記憶装置に順次記憶し、現時点で演算した回復率の値と直近の回復率の値と、両者の2つの時間情報の差(時間的間隔または時間差)の値を用いて、演算して得ることができる。具体的には、制御装置4は、式 [{(現時点で演算した回復率)−(直近の回復率)}/(当該時間差)]により、当該上昇速度を演算する。ショックパルス式スートブロワのガスの再充填時間が例えば3分間(3 min)未満とすると、当該上昇速度が速い場合とは、例えば、「連続起動」の回数が2回(6 min未満)または3回 (9 min未満)で終了する上昇速度が0.04(/min)以上の場合であり、当該上昇速度が遅い場合とは、例えば、当該回数が、4回以上(12 min 以上)を要する上昇速度が0.04(/min)未満の場合である。
次に、付着灰判定処理、すなわちステップS16の詳細について、図3(a)〜(d)を用いて処理流れを説明する。
ここでは、発明者の経験に基づいて、上述した4つの条件のみを対象とし、これらのうちいくつの条件を使用するかで以下の4つのパターンに分けて説明する。しかし、先述のとおり、上述した4つの条件に加え、設計に応じて、他の条件を追加してもよい。
なお、以下の説明では、図2のステップS15の次の処理として、制御装置4は、ステップS161の処理を実行するとして、説明を行う。
では、図3(a)から、順次、説明を行う。
図3(a)は、付着灰判定処理が上述した4つの条件すべてに基づいて実行される処理フロー(パターン1)である。制御装置4は、ステップS161において、主蒸気量測定装置25により測定された主蒸気量Qsが、プラントの運転で許容される下限の主蒸気量qsmin(第一閾値)以上であるか否かを判定する。主蒸気量Qsがqsmin未満の場合、制御装置4は、「第二判定」が得られたとして、次に図2のステップS21の処理を実行する。主蒸気量Qsがqsmin以上の場合、制御装置4は、次のステップ、ここではステップS162の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS162において、圧力測定装置14a、14bにより測定された圧力の情報を用いて、複数の管群2の入口と出口における排ガスの圧力差、すなわち炉内ガス差圧ΔPgを算出し、炉内ガス差圧ΔPgが、プラントの運転で許容される下限の炉内ガス差圧pgmin(第二閾値)以上であるか否かを判定する。炉内ガス差圧ΔPgがpgmin未満の場合、制御装置4は、「第二判定」が得られたとして、次に図2のステップS21の処理を実行する。炉内ガス差圧ΔPgがpgmin以上の場合、制御装置4は、次のステップ、ここではステップS163の処理を実行する。
制御装置4は、ステップS163において、誘引送風機13の回転数Qrが、プラントの運転で許容される下限の回転数qrmin(第三閾値)以上であるか否かを判定する。回転数Qrがqrmin未満の場合、制御装置4は、「第二判定」が得られたとして、次に図2のステップS21の処理を実行する。回転数Qrがqrmin以上の場合、制御装置4は、次のステップ、ここではステップS164の処理を実行する。なお、制御装置4は、誘引送風機13の回転数Qrを制御しているので、回転数Qrを把握している。
制御装置4は、ステップS164において、燃焼空気量測定装置28により測定された燃焼空気総量Qcが、プラントの運転で許容される下限の燃焼空気総量qcmin(第四閾値)以上であるか否かを判定する。燃焼空気総量Qcがqcmin未満の場合、制御装置4は、「第二判定」が得られたとして、次に図2のステップS21の処理を実行する。燃焼空気総量Qcがqcmin以上の場合、制御装置4は、次のステップの処理を実行する。ここでは、「第一判定」が得られたとして、次の図2のステップS17の処理を実行する。
なお、ステップS161〜S164の四つの処理の処理フローの順番はこれに限らず、適宜、入れ替えてもよい。
図3(b)の処理フロー(パターン2)は、図3(a)の処理フローに含まれる四つの判定要素のうち、ステップS161〜S163の3つの判定要素を実行するものである。図3(b)は、付着灰判定処理が上述した4つの条件のうちのいずれか3つに基づいて実行されるフローチャートの一例であり、ステップS161〜S164の4つの判定要素のいずれの3つを使用してもよいし、処理の順番はいずれが先であってもよい。
図3(c)の処理フロー(パターン3)は、図3(a)の処理フローに含まれる四つの判定要素のうち、ステップS161及びS162の2つの判定要素を実行するものである。図3(c)は、付着灰判定処理が上述した4つの条件のうちのいずれか2つに基づいて実行される処理フローの一例であり、ステップS161〜S164の4つの判定要素のいずれの2つを使用してもよいし、判定の順番はいずれが先であってもよい。
図3(d)の処理フロー(パターン4)は、図3(a)の処理フローに含まれる四つの判定要素のうち、ステップS161の判定要素のみを実行するものである。図3(d)は、付着灰判定処理が上述した4つの条件のうちのいずれか1つに基づいて実行されるフローチャートの一例であり、ステップS161〜S164の四つの判定要素のいずれの1つを使用してもよい。
なお、上記のパターン1〜パターン4のいずれの場合でも、熱貫流率Kの演算に使用しない主蒸気量Qsの情報を用いるステップS161を含めることが好ましい。
[4.効果]
以上のとおり、除去システム1においては、制御装置4が、演算した熱貫流率Kに基づいてスートブロワ3の「1回起動」と「連続起動」とを使い分けるため、経済性を担保しつつ早期かつ適切に付着灰除去を行うことができる。
付着灰判定処理は、発明者の経験に基づく条件、すなわち主蒸気量Qc、炉内ガス差圧ΔPg、誘引送風機13の回転数Qr、及び燃焼空気総量Qcの少なくとも1つに基づく条件を含んで実行されるので、管群2に対する付着灰の堆積の状態を適切に判定することができる。
除去システム1では、付着灰判定処理で第一判定が得られた場合、ダーティ熱貫流率Kdとクリーン熱貫流率Kcとから回復率を演算し、回復率が回復閾値R以上である場合はスートブロワ3を「連続起動」することで、早期に付着灰を除去することができる。
また、除去システム1では、制御装置4は、回復率の上昇速度が大きい場合、「連続起動」におけるスートブロワ3の起動の回数を自動的に減少し、回復率の上昇速度が小さい場合、当該回数を自動的に増加する。従って、付着灰の状況に応じて、制御装置4は「連続起動」におけるスートブロワ3の起動の回数を適切に増減して制御するので、当該回数が固定値の場合に比べ、付着灰を効果的に除去できるとともに、経済性も担保できる。
除去システム1によれば、クリーン熱貫流率Kcが第一所定値α以上の場合、管群2の熱伝導が極めて良好(付着灰の堆積はない又は極めて少ない)と制御装置4が判断し、「1回起動」のインターバルを長く再設定するため、スートブロワ3の過度な起動を回避することができ、結果として経済性をより担保できる。一方、回復率が回復閾値R以上の場合には、「連続起動」が終了した後に続く「1回起動」のインターバルを短く再設定するため、「連続起動」が必要となるほど付着性の強い灰の性状であっても、短いインターバルでスートブロワ3を「1回起動」するので、管群2に灰が分厚く堆積する前に付着灰を除去できる。従って、「連続起動」を頻繁に行う必要がなくなるので、結果として経済性をより担保できる。
除去システム1によれば、制御装置4は、除塵装置11としてのバグフィルタの逆洗が実行されている間はスートブロワ3を起動せず、逆洗の終了を待ってスートブロワ3を起動することから、プラントに故障が発生することを回避できる。
スートブロワ3は、蒸気式、ショックパルス式のいずれであってもよい。ただし、蒸気式スートブロワは、排ガスとボイラとが熱交換して生成した蒸気を使用するため、ボイラが発電のためにタービンへ供給する蒸気の量が減少し、結果として、プラントにおける発電量が減少しうる。このため、プラントの発電量を重視する場合には、蒸気を使用しないショックパルス式スートブロワを配置するのが望ましい。
スートブロワ3は、通常、排ガスの経路を形成するダクトなどの壁面に設置される。従って、図1のスートブロワ3が蒸気式である場合、スートブロワ3の噴射ノズルが伸縮する方向は、X軸を含み、Y軸に直交する平面上の方向であり、当該噴射ノズルからY軸方向へ蒸気を噴射する。
一方、スートブロワ3がショックパルス式である場合、ショックパルスの射出方向は、X軸を含み、Y軸に直交する平面上の方向である。
従って、ショックパルス式スートブロワ3を備えた除去システム1の場合、図1において、3パスと2パスの間の壁面に向けてショックパルスを射出すれば、当該壁面を振動させて、管群2の付着灰だけでなく、当該壁面に付着した灰も除去することができる。
[5.変形例]
以下、複数のスートブロワ3を有する除去システム1の変形例について説明する。第一変形例は、図1において、点線で示す符号3′、符号3″で示すスートブロワを使用した例である。第二変形例は、図4(a)〜(c)で示すように、図1の3パスに配置する管群2の数が図1より多い場合の例である。第三変形例は、図5で示すように、プラントのボイラ構造がテールエンド型の例である。第四変形例は、図6で示すように、プラントのボイラ構造が、2ドラム式のボイラの例である。
以下の説明では、上述した図1の除去システム1と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、図5及び図6では、図1に示した制御装置4と、制御装置4に入力され又は制御装置4から出力される信号線(細い実線)の図示を省略している。
[5−1.第一変形例]
図1では、実施形態としてスートブロワ3が1つだけ配置された除去システム1を説明したが、管群2の数またはプラントの設計に応じて、複数のスートブロワ3が配置された除去システム1′とすることも可能である。
スートブロワ3は、一般的に、それに近接して配置された管群2の付着灰を効果的に除去する。このため、除去システム1の構成では、スートブロワ3aに近接して2つの管群2(過熱管22a、22bのそれぞれで構成された管群2)の付着灰が効果的に除去されることになる。しかし、最下流に位置する過熱管22cで構成された管群2がスートブロワ3aから離れた位置に配置されるため、この管群2(22c)の付着灰の除去が不十分となる可能性がある。
そこで、図1中に点線で示すように、除去システム1′では、スートブロワ3aに加え、管群2(22c)の後流の位置〔この管群2(22c)の隣、且つ、Y軸方向直上〕に、スートブロワ3′を別個に配置することで、管群2(22c)の付着灰を効果的に除去することができる。
なお、このとき、スートブロワ3aと別個に配置するスートブロワがショックパルス式スートブロワである場合は、符号3′で示すスートブロワに代わり、または符号3′で示すスートブロワと共に、符号3″で示す位置にスートブロワを配置してもよい。図1中に破線で示すスートブロワ3″は、3パスの天井の壁面近傍に設置されるスートブロワを示しており、Y軸方向かつ下方へショックパルスを射出するように配置すれば、管群2(22c)のみならず、その上流に配置された管群2(22b)の付着灰もより効果的に除去することが可能となる。
除去システム1′に、複数のスートブロワ3、3′、3″を配置した場合であっても、1つのスートブロワ3のみを配置した上述した構成と同様に、制御装置4は、各スートブロワに対して、図2の処理を実行する。
ただし、ステップS13の処理において、制御装置4は、各スートブロワ3、3′、3″の配置に応じて、それぞれの起動のタイミングをずらし、1つずつ順番に起動する。すなわち、制御装置4は、当該複数のスートブロワ3、3′、3″を同時に起動しない。
蒸気式スートブロワが複数配置され、これらが同時に起動された場合、ボイラからタービンに供給される蒸気が大幅に減少するので、発電量が大幅に減少し、安定的な送電が困難となる。また、ショックパルス式スートブロワが複数配置され、これらが同時に起動された場合、炉内の圧力やダクト内部の圧力が著しく上昇し、プラントに故障が発生するおそれがある。
そこで、除去システム1′では、これらのスートブロワ3の起動を時間的にずらして順次起動する。
制御装置4が、複数のスートブロワ3を順次起動する順番は、後述の図4で示す第二変形例と同様であるので、説明を省略する。
[5−2.第二変形例]
図4(a)〜(c)に示す第二変形例の除去システム1A〜1Cは、除去システム1に対し、管群2の数とスートブロワ3の数と出口蒸気温度測定装置24bの配置とが異なる。第二変形例では、Y軸方向、すなわち鉛直方向に複数の管群2が配置され、且つ、複数のスートブロワ3が配置される。図4(a)は、図1の3パスに、過熱管22で構成された管群2が4つ配置された除去システム1Aである。図4(b)は、図1の3パスに、過熱管22で構成された管群2が5つ配置された除去システム1Bである。図4(c)は、図1の3パスに、過熱管22で構成された管群2が6つ配置された除去システム1Cである。
第二変形例においても、第一変形例と同様に、制御装置4は、複数の各スートブロワに対して、図2の処理を実行する。
図4(a)に示す除去システム1Aにおいては、図1の構成に加え、過熱管22cで構成された管群2の下流(Y軸方向かつ上方)にこれに隣り合って配置され、過熱管22dで構成された管群2が配置される。また、過熱管22cで構成された管群2と過熱管22dで構成された管群2との間に、スートブロワ3bが配置される。
図4(c)に示す除去システム1Cにおいては、図4(a)の構成に加え、過熱管22dで構成された管群2の下流にこれに隣り合って配置され、過熱管22eで構成された管群2と、この下流(Y軸方向かつ上方)にこれに隣り合って配置され、過熱管22fで構成された管群2とがさらに配置される。また、過熱管22eで構成された管群2と過熱管22fで構成された管群2との間にスートブロワ3dが配置される。
図4(a)及び図4(c)に示すように、スートブロワ3で付着灰除去する管群2(ここでは、過熱管22で構成された管群2)の数が、複数かつ偶数の場合、当該対象の管群2の間の全てにスートブロワ3を配置することはしない。付着灰除去の費用対効果を鑑みて、当該対象の管群2のうち、上流の管群2から順に2つの管群2で一組のユニットを構成し、1つのユニットに1つのスートブロワ3を配置する。従って、配置される複数のスートブロワ3の数は、当該対象の管群2の数の半数となる。
一方、図4(b)に示す除去システム1Bにおいては、図4(c)と異なり、過熱管22dで構成された管群2の下流(Y軸方向かつ上方)にこれに隣り合って配置され、過熱管22eで構成された管群2だけが、図4(a)の構成に追加される。従って、図4(b)においては、スートブロワ3で付着灰除去する管群2(過熱管22で構成された管群2)の数が、複数かつ奇数となる。この場合、上述の「ユニット」を作ることができない管群2が生じる。図4(b)では、過熱管22eで構成された管群2については、上述の「ユニット」を作ることができない。
しかしながら、過熱管22eで構成された管群2の付着灰も看過できない場合、当該管群2の下流にスートブロワ3cを配置する。
以上の第二変形例においては、鉛直方向(Y軸方向)に付着灰除去の対象となる管群2が整列して配置されている。そして、最下流に位置する管群2を構成する過熱管22の内部に、出口蒸気温度測定装置24bが配置される。
あるスートブロワ3を起動して付着灰が除去された場合、除去された付着灰の移動については、[1]重力で鉛直方向かつ下方に落下する場合と、[2]排ガスの流れが強く、排ガスの流れに乗って後流に移動する場合の2つの状況が考えられる。
そこで、[1]の場合、制御装置4は、スートブロア3を「1回起動」または「連続起動」する際、最下流に配置されたスートブロワ3から上流に配置されたスートブロワ3に向かって、タイミングをずらして順番に起動する。すなわち、図4(a)の場合には、スートブロワ3bを起動した後、スートブロワ3aを起動する。また、図4(b)の場合には、スートブロワ3cを起動した後、スートブロワ3bを起動し、スートブロワ3bを起動した後、スートブロワ3aを起動する。同様に、図4(c)の場合には、スートブロワ3dを起動した後、スートブロワ3bを起動し、スートブロワ3bを起動した後、スートブロワ3aを起動する。
この順序で各スートブロワ3を起動することにより、ある管群2においてスートブロワ3で除去された付着灰が重力で下方に落下しつつ、上流に配置された別の管群に再付着した場合においても、再付着した付着灰を含め、確実に除去することができる。
一方、[2]の場合、制御装置4は、スートブロア3を「1回起動」または「連続起動」する際、最上流に配置されたスートブロワ3から下流に配置されたスートブロワ3に向かって、タイミングをずらして順番に起動する。すなわち、図4(a)の場合には、スートブロワ3aを起動した後、スートブロワ3bを起動する。また、図4(b)の場合には、スートブロワ3aを起動した後、スートブロワ3bを起動し、スートブロワ3bを起動した後、スートブロワ3cを起動する。同様に、図4(c)の場合には、スートブロワ3aを起動した後、スートブロワ3bを起動し、スートブロワ3bを起動した後、スートブロワ3dを起動する。
この順序で各スートブロワ3を起動することにより、ある管群2においてスートブロワ3で除去された付着灰が排ガスの流れに乗って下流に移動しつつ、下流に配置された別の管群に再付着した場合においても、再付着した付着灰も含め、確実に除去することができる。
なお、第二変形例において、本願の請求項6における第一管群、第二管群、第三管群、第四管群、第一スートブロワ、第二スートブロワに相当する構成は、次のとおりである。
すなわち、図4(a)および図4(b)では、過熱管22aで構成された管群2が第一管群、過熱管22bで構成された管群2が第二管群、過熱管22cで構成された管群2が第三管群、過熱管22dで構成された管群2が第四管群に相当する。また、スートブロワ3aが第一スートブロワ、スートブロワ3bが第二スートブロワに相当する。図4(c)では、図4(a)および図4(b)と同じ場合のほか、過熱管22cで構成された管群2が第一管群、過熱管22dで構成された管群2が第二管群、過熱管22eで構成された管群2が第三管群、過熱管22fで構成された管群2が第四管群、スートブロワ3bが第一スートブロワ、スートブロワ3dが第二スートブロワに相当する場合もある。
[5−3.第三変形例]
次に、第三変形例につき、図5を用いて説明する。
第三変形例の除去システム1Dでは、図1の3パスとエコノマイザ9との間に、水平方向(X軸方向)に延びる排ガスの流路が追加され、当該水平方向の流路にも、複数の管群2が配置され、且つ、複数のスートブロワ3が配置される。第三変形例のプラントのボイラ構造は、テールエンド型といわれる。そして、最下流に位置する管群2を構成する過熱管22fの内部に、出口蒸気温度測定装置24bが配置される。
第三変形例は、第二変形例の一つである図4(c)の構成において、過熱管22cで構成された管群2から過熱管22fで構成された管群2までを、スートブロワ3b、3dを含んで、これらの上流から下流までの順序を変更することなく、水平方向に配置した構成である。なお、ここでは、過熱管22bで構成された管群2と過熱管22cで構成された管群2とが、第二変形例と同様に、互いに隣り合って配置されていると考える。
従って、第三変形例には、鉛直方向で上流(Y軸方向且つ下方)から下流(Y軸方向且つ上方)に向かって順次配置された複数の管群2と、水平方向で一方向(X軸方向)に向かって順次配置された複数の管群2とが存在する。
なお、第三変形例においても、第一変形例及び第二変形例と同様に、制御装置4は、複数の各スートブロワに対して、図2の処理を実行する。
ここで、水平方向で一方向(X軸方向)に向かって順次配置された複数の管群2、すなわち、図5における過熱管22cで構成された管群2、過熱管22dで構成された管群2、過熱管22eで構成された管群2、過熱管22fで構成された管群2に着目した場合、スートブロワ3b又は3dを起動して付着灰が除去されると、除去された付着灰は、排ガスの流れに乗って後流に移動する可能性が高い。
そこで、制御装置4は、スートブロア3を「1回起動」または「連続起動」する際、最上流に配置されたスートブロワ3から下流に配置されたスートブロワ3に向かって、タイミングをずらして順番に起動する。すなわち、制御装置4は、スートブロワ3bを起動した後、スートブロワ3dを起動する。
この順序で各スートブロワ3を起動することにより、ある管群2においてスートブロワ3で除去された付着灰が排ガスの流れに乗って下流に移動しつつ、下流に配置された別の管群に再付着した場合においても、再付着した付着灰も含め、確実に除去することができる。
また、図5において、水平方向に配置された複数の管群2と鉛直方向に配置された複数の管群2とを総合的に鑑みた場合、第二変形例で説明した[2]の場合がありうることから、制御装置4は、スートブロア3を「1回起動」または「連続起動」する際、最上流に配置されたスートブロワ3から下流に配置されたスートブロワ3に向かって、タイミングをずらして順番に起動する。すなわち、制御装置4は、スートブロワ3aを起動した後、スートブロワ3bを起動し、スートブロワ3bを起動した後、スートブロワ3dを起動する。
この順序で各スートブロワ3を起動することにより、ある管群2においてスートブロワ3で除去された付着灰が排ガスの流れに乗って下流に移動しつつ、下流に配置された別の管群に再付着した場合においても、再付着した付着灰も含め、確実に除去することができる。
なお、第三変形例において、本願の請求項6における第一管群、第二管群、第三管群、第四管群、第一スートブロワ、第二スートブロワに相当する構成は、次のとおりである。
すなわち、水平方向に配置された複数の管群2に着目した場合は、過熱管22cで構成された管群2が第一管群、過熱管22dで構成された管群2が第二管群、過熱管22eで構成された管群2が第三管群、過熱管22fで構成された管群2が第四管群、スートブロワ3bが第一スートブロワ、スートブロワ3dが第二スートブロワに相当する。
また、水平方向に配置された複数の管群2と鉛直方向に配置された複数の管群2とを総合的に鑑みた場合は、図5では、過熱管22aで構成された管群2が第一管群、過熱管22bで構成された管群2が第二管群、過熱管22cで構成された管群2が第三管群、過熱管22dで構成された管群2が第四管群、スートブロワ3aが第一スートブロワ、スートブロワ3bが第二スートブロワに相当する。
第三変形例の除去システム1Dによれば、上記実施形態で得られる効果に加え、再付着した付着灰を含め、確実に付着灰を除去することができる。
[5−4.第四変形例]
次に、第四変形例につき、図6を用いて説明する。
第四変形例の除去システム1Eは、第三変形例において、3パスとエコノマイザ9との間の水平方向に延びる排ガスの流路を取り除いた代わりに、3パスとエコノマイザ9との間に蒸気ドラム19及び水ドラム20を備えた2ドラム式のボイラを設置した構成である。当該流路を取り除くので、第三変形例で当該流路内に配置された管群2(22c〜22f)及びスートブロワ3(3b、3d)も取り除かれる。
また、第四変形例では、第三変形例の吊下管21及びスートブロワ3aを取り除き、過熱管22a、22bを3パスの天井に吊り下げて配置した上、過熱管22aの上流に過熱管22aと隣り合ってスートブロワ3(3e)を配置する。
さらに、図1では、エコノマイザ9の管群2を付着灰除去の対象となる管群として考慮していなかったが、第四変形例では、エコノマイザ9の複数の管群2も付着灰除去の対象とする。従って、エコノマイザ9の内部で鉛直方向(Y軸方向)に配置された複数の管群2、すなわち、水管23aで構成された管群2と、当該管群2に隣り合ってその下流に配置され且つ水管23bで構成された管群2との間にスートブロワ3fを設置している。
なお、この場合においても、上述したとおり、付着灰除去の対象となる「複数の管群2」は、2つの圧力測定装置14a、14bの間、かつ、2つのガス温度測定装置15a、15bの間に配置されている。
図6では、付着灰除去の対象となる管群2は、異なる種類の管群2、すなわち、過熱管22で構成された管群2と、水管23で構成された管群2とを含む。なお、過熱管22(22b)で構成された管群2と水管23(23a)で構成された管群2との間には、排ガスの流れの抵抗となる別の管群2は配置されていない。
そして、図1と異なり、複数の管群2の「出口」の排ガスの温度を測定する温度測定装置15bは、付着灰除去の対象である複数の管群2の中で最も下流に配置された水管23bで構成された管群2の下流に配置される。図6では、温度測定装置15bは、図1の圧力測定装置14bと実質的に同一の位置に配置される。そして、過熱管22のうち、最下流に位置する過熱管22bの内部に、出口蒸気温度測定装置24bが配置される。
なお、第四変形例においても、第一変形例乃至第三変形例と同様に、制御装置4は、複数の各スートブロワに対して、図2の処理を実行する。
第四変形例では、制御装置4は、スートブロア3を「1回起動」または「連続起動」する際、最上流に配置されたスートブロワ3から下流に配置されたスートブロワ3に向かって、時間的にタイミングをずらして順番に起動する。すなわち、制御装置4は、スートブロワ3eを起動した後、スートブロワ3fを起動する。
この順序で各スートブロワ3を起動することにより、上流に配置された管群2においてスートブロワ3で除去された付着灰が排ガスの流れに乗って下流に移動しつつ、下流に配置された別の管群に再付着した場合においても、再付着した付着灰も含め、確実に除去することができる。
なお、第四変形例において、本願の請求項7における第一管群、第二管群、第三管群、第四管群、第一スートブロワ、第二スートブロワに相当する構成は、次のとおりである。
すなわち、過熱管22aで構成された管群2が第一管群、過熱管22bで構成された管群2が第二管群、水管23aで構成された管群2が第三管群、水管23bで構成された管群2が第四管群、スートブロワ3eが第一スートブロワ、スートブロワ3fが第二スートブロワに相当する。
第四変形例の除去システム1Eによれば、上記実施形態で得られる効果に加え、再付着した付着灰を含め、確実に付着灰を除去することができる。
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、本発明の技術範囲は実施形態または変形例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1、1′、1A〜1E ボイラ管群付着灰除去システム(除去システム)
2 管群
3、3′、3″、3a〜3f スートブロワ
4 制御装置
5 ホッパ
6 フィーダ
7 ストーカ
8 灰シュート
9 エコノマイザ(管群の一種)
10 減温塔
11 除塵装置(バグフィルタ)
12 煙突
13 誘引送風機
14a、14b 圧力測定装置
15a、15b ガス温度測定装置
16a、16b ガス流量測定装置
17 過熱低減器
18 噴霧水量測定装置
19 蒸気ドラム
20 水ドラム
21 吊下管(スクリーン管)
22a〜22f 過熱管(スーパーヒータ)
23a、23b 水管
24a、24b 蒸気温度測定装置
25 主蒸気量測定装置
26 一次空気供給装置
27 二次空気供給装置
28 燃焼空気量測定装置
K 熱貫流率
Kc クリーン熱貫流率
Kd ダーティ熱貫流率
Kc/Kd 回復率
ΔPg 差圧
pgmin 第二閾値
Qc 燃焼空気総量
qcmin 第四閾値
Qr 誘引送風機の回転数
qrrmin 第三閾値
Qs 主蒸気量
qsmin 第一閾値
R 回復閾値
α1 第一所定値
α2 第二所定値

Claims (8)

  1. 炉で発生する排ガスから熱回収するボイラの複数の管群の付着灰を除去するボイラ管群付着灰除去システムであって、
    前記複数の管群の間に配置されたスートブロワと、
    前記複数の管群の下流に配置され、前記排ガスを誘引する誘引送風機と、
    前記スートブロワの起動を制御する制御装置と
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記ボイラの熱貫流率を演算し、
    演算した前記熱貫流率が所定値以上の場合、所定のインターバルを置いて前記スートブロワを1回だけ起動し、その後再び前記所定のインターバル又はこれと異なるインターバルを置く1回起動を実行し、
    演算した前記熱貫流率が前記所定値未満の場合、第一判定及び第二判定のいずれか一方を択一的に判定する付着灰判定処理を実行し、
    前記付着灰判定処理で前記第一判定が得られた場合、前記インターバルを置かずに前記スートブロワを連続的に複数回起動する連続起動を実行し、
    前記付着灰判定処理で前記第二判定が得られた場合、前記1回起動を実行するものであり、
    前記付着灰判定処理は、前記複数の管群の主蒸気量が第一閾値以上であるという第一条件、前記複数の管群の入口と出口における前記排ガスの圧力差が第二閾値以上であるという第二条件、前記誘引送風機の回転数が第三閾値以上であるという第三条件、及び前記炉に供給される燃焼空気総量が第四閾値以上であるという第四条件のうちの少なくとも1つの条件を含んで実行されるものであり、
    前記付着灰判定処理が4つの前記条件のうちのいずれか1つの条件のみに基づいて実行される場合、前記1つの条件が成立したときに前記第一判定が得られ、前記1つの条件が不成立のときに前記第二判定が得られ、
    前記付着灰判定処理が前記4つの条件のうちのいずれか2つ、3つ、または4つの条件を含んで実行される場合、前記2つ、3つ、または4つの条件を含むすべての条件が共に成立したときに前記第一判定が得られ、前記2つ、3つ、または4つの条件を含むいずれかの条件が不成立のときに前記第二判定が得られること
    を特徴とするボイラ管群付着灰除去システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記付着灰判定処理で前記第一判定が得られた場合、前記スートブロワを起動する前に演算した前記熱貫流率を示すダーティ熱貫流率と、前記スートブロワを起動した後に演算した前記熱貫流率を示すクリーン熱貫流率とから回復率を演算し、
    前記回復率が回復閾値以上の場合、前記連続起動を実行し、
    前記回復率が前記回復閾値未満の場合、前記1回起動を実行すること
    を特徴とする請求項1に記載のボイラ管群付着灰除去システム。
  3. 前記制御装置は、前記クリーン熱貫流率が前記所定値以上の場合、前記所定のインターバルを直前に設定されていた値よりも長く再設定し、前記回復率が回復閾値以上の場合、前記所定のインターバルを直前に設定されていた値よりも短く再設定すること
    を特徴とする請求項2に記載のボイラ管群付着灰除去システム。
  4. 前記制御装置は、前記連続起動の際、前記回復率の上昇速度が大きい場合には前記連続起動における起動の回数を少なくし、前記回復率の上昇速度が小さい場合には前記連続起動の回数を多くすること
    を特徴とする請求項3に記載のボイラ管群付着灰除去システム。
  5. 前記複数の管群の下流に配置されて前記排ガスの煤塵を除去するバグフィルタをさらに有し、
    前記制御装置は、前記バグフィルタの逆洗が実行されている間は、前記スートブロワを起動せず、前記逆洗の終了を待って前記スートブロワを起動すること
    を特徴とする請求項4に記載のボイラ管群付着灰除去システム。
  6. 前記複数の管群は、第一管群と、前記第一管群の下流に前記第一管群と隣り合って配置された第二管群と、前記第二管群の下流に前記第二管群と隣り合って配置された第三管群と、前記第三管群の下流に前記第三管群と隣り合って配置された第四管群とを備え、
    前記スートブロワは、前記第一管群と前記第二管群との間に配置された第一スートブロワと、前記第三管群と前記第四管群との間に配置された第二スートブロワとを備え、
    前記制御装置は、前記第一スートブロワ及び前記第二スートブロワを前記1回起動または前記連続起動する際、
    鉛直方向で下方から上方に向かって前記第一管群乃至前記第四管群が順次配置される場合には、前記第二スートブロワを起動した後、前記第一スートブロワを起動し、または、前記第一スートブロワを起動した後、前記第二スートブロワを起動し、
    水平方向で一方向に向かって前記第一管群乃至前記第四管群が順次配置される場合には、前記第一スートブロワを起動した後、前記第二スートブロワを起動し、
    鉛直方向で下方から上方に向かって前記第一管群及び前記第二管群が順次配置され、かつ、水平方向で一方向に向かって前記第三管群及び前記第四管群が順次配置される場合には、前記第一スートブロワを起動した後、前記第二スートブロワを起動すること
    を特徴とする請求項5に記載のボイラ管群付着灰除去システム。
  7. 前記複数の管群は、第一管群と、前記第一管群の下流に前記第一管群と隣り合って配置された第二管群と、前記第二管群の下流に配置された第三管群と、前記第三管群の下流に前記第三管群と隣り合って配置された第四管群とを備え、
    前記スートブロワは、前記第一管群の上流に前記第一管群と隣り合って配置された第一スートブロワと、前記第三管群と前記第四管群との間に配置された第二スートブロワとを備え、
    前記制御装置は、前記第一スートブロワ及び前記第二スートブロワを前記1回起動または前記連続起動する際、前記第一スートブロワを起動した後、前記第二スートブロワを起動すること
    を特徴とする請求項5に記載のボイラ管群付着灰除去システム。
  8. 前記スートブロワは、ガスを爆発させることで圧力波を発生する圧力波式スートブロワであること
    を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のボイラ管群付着灰除去システム。
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