JP7495876B2 - ボイラ及びボイラの腐食抑制方法 - Google Patents
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Description
水平な第1方向に対峙する第1壁及び第2壁を有し、燃焼排ガスが流れる煙道と、
前記第1壁と前記第2壁の間に配置された伝熱管と、
前記第1壁に設置された圧力波ノズルを有し、当該圧力波ノズルから前記第2壁へ向けて前記煙道内に圧力波を放出するように構成された圧力波式スートブロワと、
前記煙道内の前記伝熱管よりも上流において前記第1方向に分散して配置された複数の吹出口を有し、前記複数の吹出口から前記煙道内へ前記伝熱管の腐食を抑制する腐食抑制材を吹き出すように構成された腐食抑制装置とを備え、
前記第1壁から前記第2壁までの間を前記第1方向に複数のエリアに分け、前記複数のエリアの各々について前記圧力波の作用により前記伝熱管に与えられる衝撃の大きさを表したものを衝撃指標とし、前記複数のエリアのうち前記衝撃指標が最も小さいエリアへの供給量が前記衝撃指標の最も大きいエリアへの供給量よりも多くなるように、前記複数のエリアへ前記腐食抑制材が供給されることを特徴としている。
水平な第1方向に対峙する第1壁及び第2壁とを有し、燃焼排ガスが流れる煙道と、前記第1壁と前記第2壁の間に配置された伝熱管と、前記第1壁に設置された圧力波ノズルを有し、当該圧力波ノズルから前記第2壁へ向けて前記煙道内に圧力波を放出するように構成された圧力波式スートブロワとを備えるボイラの腐食抑制方法であって、
前記第1壁から前記第2壁までの間を前記第1方向に複数のエリアに分け、前記複数のエリアの各々について前記圧力波の作用により前記伝熱管に与えられる衝撃の大きさを表したものを衝撃指標とし、前記複数のエリアのうち前記衝撃指標が最も小さいエリアへの供給量が前記衝撃指標の最も大きいエリアへの供給量よりも多くなるように、前記複数のエリアへ前記伝熱管の腐食を抑制する腐食抑制材を供給することを特徴としている。
本実施形態に係るバイオマス発電ボイラ100は、燃焼部1としてストーカ式焼却炉を備える。但し、燃焼部1はストーカ式焼却炉に限定されず公知の焼却炉で構成されていてよい。
燃焼部1の二次燃焼室19には第1煙道20、第2煙道21、及び第3煙道22が燃焼排ガスの流れに沿って順に接続されている。第1煙道20と第2煙道21の間、第2煙道21と第3煙道22の間は、燃焼排ガスに同伴する飛灰が落下するように、それぞれ燃焼排ガスの流路が約180°折れ曲がっている。
発電部8は、発電機85及びそれを駆動する蒸気タービン84を備える。ボイラ部2から送られた蒸気は蒸気タービン84に導入されて、蒸気タービン84を回転させる。蒸気タービン84の回転により、発電機85で発電が行われる。
上記構成のバイオマス発電ボイラ100では、燃焼部1で生じた飛灰が燃焼排ガスの流れに同伴してボイラ部2の伝熱管Pに付着又は堆積する。伝熱管Pの表面(伝熱面)に付着した灰は、伝熱管Pの伝熱効率を低下させたり、第3煙道22の流路を閉塞したりするだけではなく、塩化物を含むことから伝熱管Pの腐食環境を形成する。そこで、伝熱管Pの表面に付着した灰を取り除くために、ボイラ部2の第3煙道22には圧力波式スートブロワ7が設けられている。
図5に示すように、複数のエリアAの各々に同じ数の吹出口Nが設けられている。各吹出口Nは風箱93と接続されており、風箱93には送風機94と腐食抑制材添加装置95とが接続されている。送風機94の稼働により、腐食抑制材が搬送気体と供に風箱93に導入され、腐食抑制材が搬送気体に乗せられて吹出口Nから第3煙道22内へ吹き出す。なお、腐食抑制材として水蒸気が用いられる場合には、送風機94及び腐食抑制材添加装置95に代えて、風箱93には蒸気タービン84から抽気する管(図示略)が接続されてもよい。
図6に示すように、エリアAごとに所望の腐食抑制材の供給量が得られるように、各エリアAに設けられる吹出口Nの数が設計される。例えば、腐食抑制材の供給量の少ない第1エリアA1、多い第3エリアA3、中間の第2エリアA2を形成するために、第1エリアA1に一箇所、第2エリアA2に二箇所、第3エリアA3に三箇所の吹出口Nが設けられる。なお、各吹出口Nからの吹出量は同一である。
図7に示すように、各エリアAに同じ数の吹出口Nが設けられる。エリアAごとに風箱93、送風機94、及び腐食抑制材添加装置95が設けられており、各吹出口Nは自身の所属するエリアAの風箱93と接続されている。エリアAごとに所望の腐食抑制材の供給量が得られるように、エリアAごとに送風機94の送風量と腐食抑制材の添加量とが設定される。
図8に示すように、各エリアAに同じ数の吹出口Nが設けられている。各吹出口Nは一つの風箱93と接続されており、風箱93には一つの送風機94と一つの腐食抑制材添加装置95とが接続されている。各吹出口Nへ送られる腐食抑制材が可変となるように各吹出口Nに対しダンパ96(流量調整装置)が設けられる。エリアAごとに所望の腐食抑制材の供給量が得られるように、吹出口Nごとにダンパ96の開度が調整される。
圧力波の作用による伝熱管Pの第1方向X1の振動加速度分布(図4、参照)は、実験により得られる。振動加速度分布は実際には伝熱管Pへの灰の付着によって変化するが、実験により得られた振動加速度分布を各エリアAへの腐食抑制材の供給量を決定するために利用してよい。
衝撃指標が最大のエリアの供給量以上で最小のエリアの供給量以下の値とされる。例えば、図4に示す例において、第2エリアA2の腐食抑制材の供給量は、第1エリアA1の供給量よりも多く、第3エリアA3の供給量よりも少ない値であってよい(図9、参照)。或いは、第2エリアA2の腐食抑制材の供給量は、第1エリアA1の供給量及び第3エリアA3の供給量のいずれか一方と同じであってよい(図10、参照)。複数のエリアAが細かく設定される場合には、図11に示すように、図4に示す伝熱管Pの第1方向X1の振動加速度分布と対応づけて、衝撃指標の小さいエリアほど腐食抑制材の供給量が多くなるように、各エリアの腐食抑制材の供給量が決定されてよい。
圧力波の作用による伝熱管Pの第1方向X1の振動加速度分布(図4、参照)から明らかなように、圧力波ノズル71から遠いエリアほど衝撃指標が小さく、圧力波ノズル71から近いエリアほど衝撃指標が大きい。そこで、複数のエリアAの各々への腐食抑制材の供給量が、圧力波ノズル71からの距離が大きくなるほど多くなるように決定される。例えば、図4に示す例では、第1エリアA1、第2エリアA2、第3エリアA3の順に腐食抑制材の供給量が多くなる(図9、参照)。
図12に示すように、腐食抑制装置9は、複数の吹出口Nの各々の吹出量を調整する調整装置73と、第1方向X1に分散して配置されて伝熱管Pの振動加速度を検出する複数の振動センサ74と、調整装置73を制御する制御装置75とを有する。調整装置73は、前述の複数のエリアAの各々への腐食抑制材の供給量の調整方法の第3例では送風機94及び腐食抑制材添加装置95が該当し、第4例では送風機94、腐食抑制材添加装置95、及びダンパ96が該当する。振動センサ74は全ての伝熱管Pに設けられる必要はないが、伝熱管Pの第1方向X1の振動加速度分布を測定するために、複数の振動センサ74が第1方向X1に分散して配置されている必要がある。制御装置75は、複数の振動センサ74で検出された振動加速度を取得し、圧力波の作用による伝熱管Pの第1方向X1の振動加速度分布を測定する。制御装置75は、測定された振動加速度分布に基づいて複数のエリアAの各々の衝撃指標を求め、求めた衝撃指標に基づいて腐食抑制材の供給量を決定する。更に、制御装置75は、複数のエリアAの各々に決定された供給量の腐食抑制材が供給されるように調整装置73を動作させる。ここで、制御装置75は第1例又は第2例と同様に、衝撃指標に基づいて複数のエリアAの各々への腐食抑制材の供給量を決定してよい。また、衝撃指標として振幅に関する値が用いられる場合には、上記の振動センサ74として伝熱管Pの振幅を検出するものが採用されて、上記の「振動加速度」を「振幅」に読み替えて、同様の方法で複数のエリアAの各々への腐食抑制材の供給量を決定することができる。
水平な第1方向X1に対峙する第1壁61及び第2壁62を有し、燃焼排ガスが流れる煙道(第3煙道22)と、
第1壁61と第2壁62の間に配置された伝熱管Pと、
第1壁61に設置された圧力波ノズル71を有し、当該圧力波ノズル71から第2壁62へ向けて煙道22内に圧力波を放出するように構成された圧力波式スートブロワ7と、
煙道22内の伝熱管Pよりも上流において第1方向X1に分散して配置された複数の吹出口Nを有し、複数の吹出口Nから煙道22内へ伝熱管Pの腐食を抑制する腐食抑制材を吹き出すように構成された腐食抑制装置9とを備え、
複数のエリアAの各々について圧力波の作用により伝熱管Pに与えられる衝撃の大きさを表したものを衝撃指標とし、複数のエリアAのうち衝撃指標が最も小さいエリアへの供給量が衝撃指標の最も大きいエリアへの供給量よりも多くなるように、複数のエリアAへ腐食抑制材が供給されることを特徴としている。
第1壁61から第2壁62までの間を第1方向X1に複数のエリアAに分け、複数のエリアAの各々について圧力波の作用により伝熱管Pに与えられる衝撃の大きさを表したものを衝撃指標とし、複数のエリアAのうち衝撃指標が最も小さいエリアへの供給量が衝撃指標の最も大きいエリアへの供給量よりも多くなるように、複数のエリアAへ伝熱管Pの腐食を抑制する腐食抑制材を供給することを特徴としている。
2 :ボイラ部
7 :圧力波式スートブロワ
8 :発電部
9 :腐食抑制装置
20,21,22 :煙道
61 :第1壁
62 :第2壁
71 :圧力波ノズル
73 :調整装置
74 :振動センサ
75 :制御装置
100 :ボイラ
N :吹出口
P :伝熱管
X1 :第1方向
Claims (10)
- 水平な第1方向に対峙する第1壁及び第2壁を有し、燃焼排ガスが流れる煙道と、
前記第1壁と前記第2壁の間に配置された伝熱管と、
前記第1壁に設置された圧力波ノズルを有し、当該圧力波ノズルから前記第2壁へ向けて前記煙道内に圧力波を放出するように構成された圧力波式スートブロワと、
前記煙道内の前記伝熱管よりも上流において前記第1方向に分散して配置された複数の吹出口を有し、前記複数の吹出口から前記煙道内へ前記伝熱管の腐食を抑制する腐食抑制材を吹き出すように構成された腐食抑制装置とを備え、
前記第1壁から前記第2壁までの間を前記第1方向に複数のエリアに分け、前記複数のエリアの各々について前記圧力波の作用により前記伝熱管に与えられる衝撃の大きさを表したものを衝撃指標とし、前記複数のエリアのうち前記衝撃指標が最も小さいエリアへの供給量が前記衝撃指標の最も大きいエリアへの供給量よりも多くなるように、前記複数のエリアへ前記腐食抑制材が供給される、
ボイラ。 - 前記衝撃指標が、前記複数のエリアの各々において該当エリアに属する前記伝熱管の振動加速度の平均値、最大値、最大値の平均値及び積算値、並びに、前記伝熱管の振幅の平均値、最大値、最大値の平均値及び積算値のうちいずれか一つである、
請求項1に記載のボイラ。 - 前記衝撃指標の小さいエリアほど供給量が多くなるように、前記複数のエリアの各々への前記腐食抑制材が供給される、
請求項1又は2に記載のボイラ。 - 前記圧力波ノズルから離れたエリアほど供給量が多くなるように、前記複数のエリアの各々への前記腐食抑制材が供給される、
請求項1又は2に記載のボイラ。 - 前記腐食抑制装置は、前記複数の吹出口の各々の吹出量を調整する調整装置と、前記第1方向に分散して配置されて前記伝熱管の振動加速度を検出する複数の振動センサと、前記調整装置を制御する制御装置とを有し、
前記制御装置は、前記複数の振動センサの検出結果に基づいて前記第1方向の振動加速度分布を測定し、前記振動加速度分布に基づいて前記複数のエリアの各々の前記衝撃指標を求め、前記衝撃指標に基づいて前記複数のエリアの各々への前記腐食抑制材の供給量を決定し、前記複数のエリアの各々に決定された供給量の前記腐食抑制材が供給されるように前記調整装置を動作させる、
請求項1~3のいずれか一項に記載のボイラ。 - 水平な第1方向に対峙する第1壁及び第2壁とを有し、燃焼排ガスが流れる煙道と、前記第1壁と前記第2壁の間に配置された伝熱管と、前記第1壁に設置された圧力波ノズルを有し、当該圧力波ノズルから前記第2壁へ向けて前記煙道内に圧力波を放出するように構成された圧力波式スートブロワとを備えるボイラの腐食抑制方法であって、
前記第1壁から前記第2壁までの間を前記第1方向に複数のエリアに分け、前記複数のエリアの各々について前記圧力波の作用により前記伝熱管に与えられる衝撃の大きさを表したものを衝撃指標とし、前記複数のエリアのうち前記衝撃指標が最も小さいエリアへの供給量が前記衝撃指標の最も大きいエリアへの供給量よりも多くなるように、前記複数のエリアへ前記伝熱管の腐食を抑制する腐食抑制材を供給する、
ボイラの腐食抑制方法。 - 前記衝撃指標が、前記複数のエリアの各々において該当エリアに属する前記伝熱管の振動加速度の平均値、最大値、最大値の平均値、及び積算値、並びに、前記伝熱管の振幅の平均値、最大値、最大値の平均値及び積算値のうちいずれか一つである、
請求項6に記載のボイラの腐食抑制方法。 - 前記複数のエリアの各々への前記腐食抑制材の供給量は、前記衝撃指標の小さいエリアほど多い、
請求項6に記載のボイラの腐食抑制方法。 - 前記複数のエリアの各々への前記腐食抑制材の供給量は、前記圧力波ノズルから離れたエリアほど多い、
請求項6に記載のボイラの腐食抑制方法。 - 前記第1方向に分散した複数箇所で前記伝熱管の振動加速度を検出すること、
前記検出された前記振動加速度に基づいて前記第1方向の振動加速度分布を測定すること、
前記振動加速度分布に基づいて前記複数のエリアの各々の前記衝撃指標を求めること、
前記衝撃指標に基づいて前記複数のエリアの各々への前記腐食抑制材の供給量を決定すること、及び、
前記複数のエリアの各々に決定された供給量の前記腐食抑制材を供給すること、を含む、
請求項6~8のいずれか一項に記載のボイラの腐食抑制方法。
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