JP6078149B2 - ボイラの腐食抑制剤、ボイラ及びボイラの腐食抑制方法 - Google Patents

ボイラの腐食抑制剤、ボイラ及びボイラの腐食抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボイラの特に過熱器管の腐食を防止するためのボイラの腐食抑制剤、これを使用するボイラ及びボイラの腐食抑制方法に関する。
従来、燃料を燃焼する燃焼炉と、燃焼炉で発生する燃焼排ガスが通る煙道と、燃焼排ガスが有する熱で蒸気を過熱して、高温・高圧の過熱蒸気を発生させる過熱器とを備えたボイラが知られている。過熱器は、煙道内に配置された過熱器管を備えており、過熱器管を通る水蒸気が煙道を通る燃焼排ガスの熱で過熱される。ボイラで生成された過熱蒸気は、発電に利用することができる。
近年にあっては、CO削減や廃棄物の熱利用の観点から、バイオマス燃料や廃棄物燃料をボイラの燃料として活用することが進められている。バイオマス燃料は、例えば建設廃材系木質等のバイオマスを用いた燃料である。廃棄物燃料は、家庭から出る一般廃棄物、廃タイヤ及び廃プラスチック等の廃棄物を用いた燃料である。
バイオマス燃料や廃棄物燃料は、燃料中に、例えばNaCl、KCl等の塩類や、鉛及び亜鉛等の重金属を含んでいる。従って、燃焼炉でバイオマス燃料や廃棄物燃料を燃焼すると、例えば、KCl、NaCl、ZnCl、KSO、NaSO等から成る低融点(300°C程度)の溶融塩が生成し、生成した溶融塩が燃焼灰と共に煙道内の過熱器管の周囲へ流れる。過熱器は発電に利用可能な程度の高温・高圧の蒸気を生成するものであるから、過熱器管の周囲のガス温度は、過熱器管内の蒸気温度より高い温度に設定されている。よって、過熱器管の周囲へ流れて来たKCl、NaCl、ZnCl、KSO、NaSO等から成る溶融塩が、300°C以上の高温の過熱器管の表面に付着することによって、過熱器管が腐食するという問題を生じている。
上記問題を解決するための従来のボイラの腐食防止方法の一例が特許文献1に示されている。
このボイラの腐食防止方法は、所定量の所定の粒子(石炭燃焼灰)を燃焼炉内に供給して、当該所定の粒子を、この燃焼炉内で生成される溶融塩の粒子(溶融塩粒子)に混合させるものである。この混合によって溶融塩粒子が所定の粒子へ十分に分散して、この溶融塩粒子の表面が腐食防止粒子によって取り囲まれた状態となり、溶融塩粒子の表面の溶融塩成分が所定の粒子によって希釈される。そして、この溶融塩粒子が、下流側の過熱器管の表面に付着することになるので、過熱器管の表面に付着する溶融塩粒子の濃度及び接触面積を、所定の粒子によって低減することができる。これによって、過熱器管の腐食を抑制しようとするものである。
なお、所定の粒子は、その融点が燃焼炉の燃焼温度より高く、燃焼炉及び過熱器付近では溶融しないものであり、かつ、塩素分濃度、Na濃度、K濃度、重金属濃度が各々1000ppm以下であって、溶融塩成分を殆ど含まないものである。
特開2006−308179号公報
しかし、上記従来のボイラの腐食防止方法では、ボイラで生成される溶融塩粒子の量に応じて多量の所定の粒子を燃焼炉内に供給する必要があり、所定の粒子のコストが嵩むと共に、この所定の粒子を含む燃焼灰の処理のためのコストも嵩む。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、過熱器管の腐食を抑制するために使用される腐食抑制粒子の量が少なくて済み、これによって、回収処理が必要とされる飛灰(腐食抑制粒子を含む)の量を低減することができるボイラの腐食抑制剤、ボイラ及びボイラの腐食抑制方法を提供することを目的としている。
本発明に係るボイラの腐食抑制剤は、ボイラの燃焼排ガスが通る排ガス通路内に設けられた過熱器管の腐食を抑制するために前記排ガス通路内に供給されるボイラの腐食抑制剤であって、
前記排ガス通路内で浮遊する燃焼灰と共に前記過熱器管に付着し、前記燃焼灰中の腐食性粒子を引き付ける腐食抑制粒子を含有し、前記腐食抑制粒子の粒子径は0.1μm以上10μm未満であって、前記腐食抑制粒子が、ゼオライト及びカオリンの少なくとも1つ又はそれを主成分とする化合物、又は、ゼオライト及びカオリンの混合物であることを特徴としている。
本発明に係るボイラの腐食抑制剤によると、ボイラの燃焼排ガスが通る排ガス通路内に供給されて飛散する腐食抑制粒子は、排ガス通路内に飛散する燃焼灰に含まれる腐食性粒子と接触した際、その一部又は全部を引き付けることができ、これによって、これら腐食性粒子は、腐食抑制粒子に付着する。
そして、腐食抑制粒子に付着した腐食性粒子は、分散した状態の腐食性粒子よりも表面積が小さくなるので、過熱器管の金属界面やその外表面に形成される腐食層の表面(以下、単に「過熱器管の金属界面等」と言うこともある。)に付着したときの、当該腐食性粒子の金属界面等に対する接触面積を、分散した状態の腐食性粒子の金属界面等に対する接触面積よりも小さくすることができる。その結果、過熱器管の腐食を抑制することができる。
また、排ガス通路内で腐食抑制粒子に付着せずに分散した状態で飛散する腐食性粒子及び腐食抑制粒子が、過熱器管の金属界面等に付着した後も、腐食抑制粒子が腐食性粒子を引き付ける力が働いており、これによって、これら腐食性粒子及び腐食抑制粒子が互いに付着し合ったり、互いに接近した状態で金属界面等に付着する。
そして、このように腐食性粒子が腐食抑制粒子に付着したり、腐食性粒子が腐食抑制粒子に接近した状態で、金属界面等に付着すると、腐食抑制粒子及び腐食性粒子のうちの腐食性粒子の金属界面等に対する接触面積は、分散した状態の腐食性粒子の金属界面等に対する接触面積よりも小さくなる。その結果、過熱器管の腐食を抑制することができる。
このように、粒子径が0.1μm以上10μm未満の腐食抑制粒子を、排ガス通路内に供給することによって、この供給した腐食抑制粒子を過熱器管の金属界面等に対して熱泳動や慣性衝突によって付着させることができる。これによって、排ガス通路内に飛散する粒子径が0.1〜10μmの腐食性の強い腐食性粒子が、過熱器管の金属界面等に付着する付着重量及び付着面積を減少させることができ、過熱器管の腐食の進行を抑制することができる。
つまり、本願の発明者らは、排ガス通路内に飛散する粒子径が0.1〜10μmであるNaやKの塩化物を含む腐食性の強い腐食性粒子が、過熱器管の金属界面やその外表面に形成される腐食層の表面(以下、単に「過熱器管の金属界面等」と言うこともある。)に付着することによって、過熱器管の腐食が進行することを究明した。従って、当該腐食性粒子と同程度の粒子径が0.1μm以上10μm未満の腐食抑制粒子を、排ガス通路内に供給して過熱器管の金属界面等に付着させることによって、0.1〜10μmの腐食性粒子が過熱器管の金属界面等に付着する付着重量及び付着面積を小さくして、過熱器管の腐食の進行を抑制することができる。
上記ボイラの腐食抑制剤が、液体に前記腐食抑制粒子を混合して得られたスラリー状の混合物質であってよい。或いは、上記ボイラの腐食抑制剤が、前記腐食抑制粒子よりも粒子径が大きい粉体に前記腐食抑制粒子を混合して得られた粉状の混合物質であってよい。
上記ボイラの腐食抑制剤によれば、排ガス通路に供給しようとする腐食抑制粒子の重量が小さい場合でも、所望の重量の腐食抑制粒子を精度よく排ガス通路に供給することが可能である。そして、腐食抑制粒子が混合される液体は、入手が容易であり安価であるものを使用することによって、当該液体のコストの低減を図ることができる。また、腐食抑制粒子が混合される粉体として、腐食抑制粒子よりも粒子径の大きくて安価なもの、例えば焼却灰を使用することによって、腐食抑制剤のコストの低減を図ることができる。
本発明に係るボイラは、
燃焼炉と、
前記燃焼炉からの燃焼排ガスが通る排ガス通路と、
前記排ガス通路内に設けられた過熱器管と、
上記のボイラの腐食抑制剤を前記排ガス通路内に供給する腐食抑制装置とを備えることを特徴としている。
本発明に係る腐食抑制装置付きボイラによると、上述の本発明に係るボイラの腐食抑制剤について説明した作用と同様の作用を奏する。
上記ボイラにおいて、前記腐食抑制装置が、前記排ガス通路内のガス温度が前記腐食抑制粒子の融点よりも低い領域へ前記ボイラの腐食抑制剤を供給するように構成されていることが望ましい。
このように、腐食抑制剤(腐食抑制粒子)を、排ガス通路内のガス温度がその腐食抑制粒子の融点よりも低い領域に供給することによって、腐食抑制粒子が溶融して互いに結合することや、ガス中の成分の一部が腐食抑制粒子を核にして凝縮することで粒子径が大きくならないようにすることができる。これによって、排ガス通路内に供給された腐食抑制粒子を、その粒子径が大きくならないように飛散させることができるので、腐食抑制粒子は、排ガス通路内に飛散する腐食性粒子を効率よく引き付けることができ、これら腐食性粒子は、腐食抑制粒子に効果的に付着する。よって、過熱器管の表面全体の腐食の進行を効果的に抑制することができる。
また、腐食抑制粒子を、その粒子径が元の小さい状態で、過熱器管の金属界面やその外表面に形成される腐食層の表面全体に付着させることができる。よって、排ガス通路内に設けられている過熱器管の金属界面に腐食性粒子が付着する量を低減させることができる。
本発明に係るボイラの腐食抑制方法は、ボイラの燃焼排ガスが通る排ガス通路内に設けられた過熱器管の腐食を抑制するためのボイラの腐食抑制方法であって、上記のボイラの腐食抑制剤を前記排ガス通路の前記過熱器管より上流側へ供給することを特徴としている。ここで、前記ボイラの腐食抑制剤を供給することが、前記排ガス通路内のガス温度が前記腐食抑制粒子の融点よりも低い領域へ前記ボイラの腐食抑制剤を供給することを含むことが望ましい。
本発明に係るボイラの腐食抑制方法によると、ボイラの燃焼排ガスが通る排ガス通路内に腐食抑制粒子を供給し、この供給した腐食抑制粒子が、排ガス通路内に飛散する腐食性粒子を含む燃焼灰と共に過熱器管に付着し、燃焼灰中の腐食性粒子を引き付けることによって、腐食性粒子が過熱器管に接触したときのその接触面積を小さくすることができ、その結果、過熱器管の腐食を抑制することができる。
本発明に係るボイラの腐食抑制剤、ボイラ及びボイラの腐食抑制方法によれば、排ガス通路内に供給された腐食抑制粒子が、排ガス通路内で浮遊する腐食性粒子を含む燃焼灰と共に過熱器管に付着し、燃焼灰中の腐食性粒子を引き付けることによって、過熱器管の金属界面等に付着した腐食性粒子の接触面積を小さくすることができる。また、燃焼灰を伴わずに過熱器管の金属界面等に付着した腐食抑制粒子は、過熱器管の金属界面等に付着しようとしている腐食性粒子を引き付けることができる。よって、比較的少量の腐食抑制粒子でも効率的に腐食抑制効果を得ることができる。腐食抑制粒子の供給量が少なくなることによって、回収処理が必要とされる飛灰(腐食抑制粒子を含む)の重量が低減する。この結果、過熱器管の腐食を抑制するために掛かる費用を削減することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る腐食抑制装置付きボイラの内部構造を示す概略斜視図である。 図2は、同実施形態に係る同ボイラの制御構成を示すブロック図である。 図3は、同実施形態に係る同ボイラを説明するための図であり、所定の試験温度において、腐食抑制粒子の種類と模擬過熱器管の減肉量割合との関係を示す図である。 図4は、同実施形態に係る同ボイラを説明するための図であり、所定の他の試験温度において、腐食抑制粒子の種類と模擬過熱器管の減肉量割合との関係を示す図である。 同実施形態の引付け力を有する試料A層(同実施形態の腐食抑制粒子層)及びこの層の表面に付着する燃焼灰層の断面写真である。 図5Bは、図5Aに示す断面におけるカリウム(K)の分布を示す写真である。 図5Cは、図5Aに示す断面における塩素(Cl)の分布を示す写真である。
次に、本発明に係る腐食抑制剤、ボイラ19及びボイラの腐食抑制方法の一実施形態を、図1〜図5を参照して説明する。図1に示す腐食抑制装置付きボイラ(以下、単に「ボイラ」と言うこともある。)19は、燃料を燃焼する燃焼炉10と、燃焼炉10で生じた燃焼排ガスが通る排ガス通路28と、排ガス通路28内に配置された過熱器管27を有する過熱器25と、腐食検出装置30と、腐食抑制装置59と、制御装置100とを備えている。ボイラ19は、燃料の燃焼により発生する燃焼排ガスが有する熱によって過熱器管27を通る蒸気を過熱して、高温・高圧の過熱蒸気を発生することができる。ボイラ19で生成した高温・高圧の過熱蒸気は、発電機11のタービン26を回転するために用いられる。
ボイラ19には、過熱器管27の腐食を抑制するための腐食抑制装置59が設けられている。この腐食抑制装置59は、腐食抑制剤を排ガス通路28内(特に望ましくは、過熱器管27の上流側の第2煙道21内)に供給するように構成されている。
本実施形態に係るボイラ19は排熱回収ボイラであって、燃焼炉としてごみ焼却炉10を備えている。ごみ焼却炉10は、ごみを供給するホッパ12を備えている。ホッパ12は、シュート13を介して主燃焼室14と接続されている。ホッパ12から供給されたごみは、シュート13を通って主燃焼室14に送られる。主燃焼室14には、乾燥ストーカ15、燃焼ストーカ16及び後燃焼ストーカ17が設けられている。各ストーカ15,16,17の下方から主燃焼室14内へ一次空気が送られており、また主燃焼室14の天井14aから主燃焼室14内へ二次空気が送られている。
主燃焼室14へ投入されたごみは、まず乾燥ストーカ15に送られ、一次空気及び主燃焼室14の輻射熱により乾燥されて着火する。着火したごみは、燃焼ストーカ16に送られる。また、着火したごみからは、熱分解により可燃性ガスが発生する。この可燃性のガスは、一次空気により主燃焼室14の上部のガス層に送られ、このガス層において二次空気と共に炎燃焼する。この炎燃焼に伴う熱輻射により、ごみが更に昇温する。着火したごみの一部は、燃焼ストーカ16にて燃焼し、残りの未燃焼分は、後燃焼ストーカ17へと送られる。未燃焼分のごみは後燃焼ストーカ17で燃焼され、燃焼後に残った焼却灰はシュート18から外部へと排出される。
また、主燃焼室14は放射室20と接続されており、ごみの燃焼により生じた燃焼排ガスが、主燃焼室14から放射室20に送られてくる。この燃焼排ガスは、放射室20で再度燃焼した後に、第2煙道21を通って第3煙道22へと導かれ、その後、図示しない排ガス処理設備で無害化の処理が成されてから大気に放出される。なお、放射室20、第2煙道21、及び第3煙道22が、焼却炉10からの排ガスが通る排ガス通路28となっている。
放射室20及び第2煙道21を規定する壁の各々に、ボイラドラム24に接続された複数の水管23が設けられている。水管23は、例えば炭素鋼(例えば、STB340)で形成され、その中にボイラドラム24から送られてくる水が流れている。水管23内の水は、放射室20又は第2煙道21の廃熱を回収して、その一部が蒸発して汽水となりボイラドラム24へと戻される。ボイラドラム24に戻った汽水は、一部が気化して蒸気となっている。蒸気は、ボイラドラム24から第3煙道22に設けられた過熱器25へと送られる。過熱器25は、第3煙道22内に露出し燃焼排ガスに晒された過熱器管27を備えており、蒸気は過熱器管27を通過するうちに過熱される。このように過熱されて高温高圧となった過熱蒸気は、タービン26へと送られ、発電機11を駆動する。
上記のように構成されたボイラ19によると、燃焼時に揮発した物質及び焼却灰の一部(総称して「燃焼灰等」と言うこともある。)が燃焼排ガスの流れに同伴して放射室20、第2煙道21及び第3煙道22へと運ばれ、そして水管23及び過熱器25の過熱器管27に付着して堆積する。このような高い腐食性を有する燃焼灰等は、従来は、高温の過熱器25の過熱器管27を腐食させる要因となっていた。
次に、腐食抑制装置59について説明する。この腐食抑制装置59は、図1に示す過熱器管27の腐食を抑制するための装置であって、ボイラの腐食抑制剤(以下、単に「腐食抑制剤」という)を排ガス流路内の過熱器管27より上流側に供給するように構成されている。腐食抑制剤は、有効成分として腐食抑制粒子を含有している。この実施形態では、腐食抑制剤は、水等の液体に腐食抑制粒子を混合して得られたスラリー状の混合物質である。但し、腐食抑制剤は、腐食抑制粒子よりも粒子径が大きい粉体(例えば、焼却灰)に腐食抑制粒子を混合して得られた粉状の混合物質であってもよい。
腐食抑制剤がスラリー状の場合は、腐食抑制装置59は腐食抑制剤を第2煙道21内に供給する(滴下する又は噴出する)ことができる液体供給装置として構成されている。また、腐食抑制剤が粒子状の場合は、腐食抑制装置59は、腐食抑制剤を第2煙道21内に供給する(吹き込む)ことができる粒子供給装置として構成されている。図1には、ボイラ19の第2煙道21を形成する側壁部に、腐食抑制剤を第2煙道21内に供給するための供給口59aが表れている。
また、腐食抑制装置59によって第2煙道21内に腐食抑制剤が供給されることによって、腐食抑制粒子は、第2煙道21内を浮遊している(即ち、燃焼排ガスの流れに同伴して流れている)腐食性粒子を含む燃焼灰と共に過熱器管27の表面に付着し、燃焼灰中の腐食性粒子を引き付ける。これによって、腐食性粒子が過熱器管27に接触したときの、腐食性粒子と過熱器管27との接触面積を小さくすることができるものである。
腐食抑制粒子は、ゼオライト、ドロマイト、及びカオリンの少なくとも1つである。或いは、腐食抑制粒子は、ゼオライト、ドロマイト、及びカオリンのうち少なくとも1つを主成分とする化合物である。或いは、腐食抑制粒子は、ゼオライト、ドロマイト、及びカオリンのうちの2つ以上を含む混合物である。腐食抑制粒子が腐食性粒子を引き付ける作用は、腐食抑制粒子の吸着能及びイオン交換能の両方又はいずれか一方に基づくものである。そして、腐食抑制粒子の粒子径(動力学的球相当径)は、例えば0.1μm以上10μm未満である
更に、腐食抑制装置59により腐食抑制剤が供給される領域は、煙道(排ガス通路28)内の燃焼排ガス温度が腐食抑制粒子の融点よりも低い領域である。つまり、腐食抑制装置59により腐食抑制剤が供給される領域は、その領域の燃焼排ガスによって、腐食抑制粒子が溶融して互いに結合しないような、又は(及び)、ガス中の成分の一部が腐食抑制粒子を核にして凝縮して粒子径が大きくならないような領域である。
一例として、この実施形態では、融点が800℃以上の腐食抑制粒子を含む腐食抑制剤が、第2煙道21内に供給される。この第2煙道21内は、流れる燃焼排ガスのガス温度が800℃よりも低い領域である。
次に、図1及び図2に示す腐食検出装置30、制御装置100及び腐食抑制装置59について説明する。
腐食検出装置30は、図1に示すように、ボイラ19の第3煙道22の側壁部であって、過熱器25よりも燃焼排ガスの流れ方向の上流側に設けられ、先端の検出部が第3煙道22内に位置している。この腐食検出装置30は、第3煙道22内に設けられた一対の電極を有している。腐食検出装置30は、一対の電極間の電気抵抗の変化に基づいて過熱器管27の腐食の程度を検出して、その腐食の程度と対応する腐食検出信号を生成するように構成されている。
制御装置100は、腐食検出装置30が生成する腐食検出信号に基づいて、腐食抑制装置59を制御して、腐食抑制粒子の供給重量を調整するように構成されている。例えば、制御装置100は、腐食の程度の経時変化を算出して監視し、過熱器管27の腐食の進行(例えば、腐食速度又は腐食量)が所定の許容範囲を上回るときは、腐食抑制剤の供給量を所定の基準量より多くするように、腐食抑制装置59を制御する。逆に、制御装置100は、過熱器管27の腐食の進行が所定の許容範囲を下回るときは、腐食抑制剤の供給量を所定の基準量より少なくするように、腐食抑制装置59を制御する。
上記のように構成された腐食検出装置30、制御装置100及び腐食抑制装置59によると、過熱器管27の腐食の進行が速いときは、腐食抑制粒子の供給重量を多くすることができ、そして、過熱器管27の腐食の進行が遅いときは、腐食抑制粒子の供給重量を少なくすることができる。このようにして、過熱器管27の腐食の程度(例えば腐食量、腐食速度)に応じた腐食の抑制措置をとることができ、しかも経済的に有利となる重量の腐食抑制粒子を第2煙道21内に供給することができ、過熱器管27の腐食を確実に抑制することができる。
次に、上記のように構成された腐食抑制装置付きボイラ19、それに使用する腐食抑制剤及びボイラの腐食抑制方法の作用について説明する。
この実施形態に係る腐食抑制剤によると、ボイラ19の燃焼排ガスが通る第2煙道21内に腐食抑制剤が供給されると、腐食抑制粒子が燃焼排ガスの流れに同伴して第2煙道21内及び第3煙道22内を流れる。第2煙道21内において、腐食抑制粒子は燃焼灰と接触して、その燃焼灰に含まれる腐食性粒子と接触する。すると、その腐食性粒子の一部又は全部が腐食抑制粒子に引き付けられる。これによって、腐食性粒子が、腐食抑制粒子に付着する。そして、腐食抑制粒子に付着した腐食性粒子は、分散した状態(即ち、腐食抑制粒子に引き付けられていない状態)の腐食性粒子よりも表面積が小さくなるので、腐食性粒子が過熱器管27の金属界面やその外表面に形成される腐食層の表面(以下、単に「過熱器管の金属界面等」と言うこともある。)に付着したときの、当該腐食性粒子の金属界面等に対する接触面積を、分散した状態の腐食性粒子の金属界面等に対する接触面積よりも小さくすることができる。その結果、過熱器管27の腐食を抑制することができる。
また、第2煙道21及び第3煙道22内で腐食抑制粒子に付着せずに分散した状態で飛散する腐食性粒子及び腐食抑制粒子が、過熱器管27の金属界面等に付着した後も、腐食抑制粒子が腐食性粒子を引き付ける力が働いており、これによって、これら腐食性粒子及び腐食抑制粒子が互いに付着し合ったり、互いに接近した状態で金属界面等に付着する。
そして、腐食性粒子が付着した腐食抑制粒子や腐食性粒子が接近している腐食抑制粒子が金属界面等に付着すると、腐食性粒子の金属界面等との接触面積は、分散した状態の腐食性粒子の金属界面等との接触面積よりも小さくなる。さらに、燃焼灰を伴わずに過熱器管27の金属界面等に付着した腐食抑制粒子は、過熱器管27の金属界面等に付着しようとしている腐食性粒子を引き付けることができる。その結果、過熱器管27の腐食を抑制することができる。加えて、腐食防止対象である過熱器管27の周辺で腐食抑制剤(腐食抑制粒子)が供給されることにより、過熱器管27に付着しようとする腐食性粒子に狙いを定めて腐食抑制粒子が腐食性粒子を引き付けるので、他の場所(例えば、燃焼炉10)へ腐食抑制粒子が供給される場合と比較して効率的に過熱器管27の腐食抑制効果が期待される。
従って、この実施形態に係る腐食抑制粒子、腐食抑制装置付きボイラ19及びボイラの腐食抑制方法は、腐食を抑制するための粒子を燃焼炉10へ供給する従来の手法と比較して、排ガス通路28内への腐食抑制粒子の供給重量を少なくしても、従来と同程度の腐食抑制効果を奏することができる。これによって、腐食抑制粒子に掛かる費用を低減することができる。
更に、第2煙道21内への腐食抑制粒子の供給重量を少なくすることができるので、回収処理が必要とされる飛灰(腐食抑制粒子を含む)の重量を低減することができる。これによって、飛灰の回収処理に掛かる費用も低減することができる。
よって、過熱器管27の腐食に対する保守、点検費用の低減を図ることができるし、ボイラ19を安定して長期間継続して使用できるようにすることができる。
そして、図1に示す腐食抑制装置59を使用して、粒子径が0.1μm以上10μm未満の腐食抑制粒子(例えばゼオライト、ドロマイト若しくはカオリン、又はそれを主成分とする化合物)を、第2煙道21内に供給することによって、この供給した腐食抑制粒子を過熱器管27の金属界面やその外表面に形成される腐食層の表面(過熱器管27の金属界面等)に対して熱泳動や慣性衝突によって付着させることができる。これによって、第3煙道22内で飛散する粒子径が0.1〜10μmの腐食性粒子(例えばKCl、NaCl)が、過熱器管27の金属界面等に付着する付着重量及び付着面積を減少させることができ、過熱器管27の腐食の進行を抑制することができる。
従って、従来よりも効果的に過熱器管27の腐食の進行を抑制することができる。よって、過熱器管27の保守、点検費用の低減を図ることができ、ボイラ19を安定して長期間継続して使用できるようにすることができる。
また、水等の液体に腐食抑制粒子を混合して得られたスラリー状の混合物質、又は腐食抑制粒子よりも粒子径が大きい粉体(例えば焼却灰)に腐食抑制粒子を混合して得られた粉状の混合物質を、腐食抑制剤として腐食抑制装置59を使用して第2煙道21内に供給するようにしているので、第2煙道21内に供給しようとする腐食抑制粒子の重量が小さい場合でも、腐食抑制装置59を使用して、所望の重量の腐食抑制粒子を精度よく第2煙道21内に供給することができる。そして、腐食抑制粒子が混合される液体として水を採用すると、水は、入手が容易であり安価であるので経済的である。また、腐食抑制粒子が混合される粉体として、腐食抑制粒子よりも粒子径の大きい安価なもの、例えば焼却灰を使用することによって、当該粉体のコストの低減を図ることができる。
更に、腐食抑制剤を、排ガス通路28内のガス温度が腐食抑制粒子の融点(例えば800℃以上)よりも低い領域(ガス温度が例えば800℃よりも低い第2煙道21内)に供給することによって、腐食抑制粒子が溶融して互いに結合することや、ガス中の成分の一部が腐食抑制粒子を核にして凝縮することで粒子径が大きくならないようにすることができる。
これによって、第2煙道21内に供給された腐食抑制粒子を、その粒子径が大きくならないように飛散させることができるので、腐食抑制粒子は、第2煙道21内に飛散する腐食性粒子を効率よく引き付けることができ、腐食性粒子が腐食抑制粒子に効果的に付着することができる。よって、過熱器管27の表面全体の腐食の進行を効果的に抑制することができる。
また、腐食抑制粒子を、その粒子径が元の小さい状態で、過熱器管27の金属界面やその外表面に形成される腐食層の表面全体に付着させることができる。よって、第3煙道22内に設けられている過熱器管27の金属界面等に腐食性粒子が付着する量を低減させることができる。
次に、図3及び図4の説明をする。この図3及び図4は、腐食抑制剤(腐食抑制粒子)の模擬過熱器管に対する腐食抑制効果を調査するために、下記の条件で腐食抑制試験を行ったときの試験結果を示す図である。
試験方法は、燃焼灰と試料とを混合したものを模擬過熱器管の表面に塗布した試験片を作成し、この試験片を所定の試験温度雰囲気の試験室内に設置し、試験室内に所定組成の試験ガス(燃焼排ガス)を所定流量で所定時間だけ供給する、というものである。試験時間は、100時間、試験温度は、450℃(図3)、550℃(図4)である。燃焼排ガス条件は、COが10%、Oが8%、HClが1000ppm、SOが50ppm、HOが5%、Nがbal.である。
燃焼灰と試料A、B、C(腐食抑制粒子)との混合条件は、燃焼灰と試料とが1対1の重量割合となるように混合した。試料Aは、本実施形態の引付け力(吸着能、イオン交換能)を有するゼオライトである。試料Bは、二酸化ケイ素(SiO)、試料Cは、珪藻土であり、試料B、Cは、引付け力(吸着能)が試料Aと比較して弱い腐食抑制粒子である。そして、これら試料A、B、Cは、それぞれほぼ同等の粒子径である。図3及び図4に示す参考条件は、腐食抑制粒子を燃焼灰に混合していない条件であり、参考条件における模擬過熱器管の減肉量割合を100%とする。
図3及び図4に示す試験結果から、試料Aを使用すると、試料B、Cを使用した場合と比較して、模擬過熱器管に対して極めて高い減肉抑制効果があることがわかる。
これによって、試料Aの引付け力(吸着能、イオン交換能)が、模擬過熱器管の減肉量割合を低減する役割を果たしていると判断することができる。
なお、図3の試料A、B、Cのそれぞれの減肉量割合は、約20%、約50%、約70%である。図4の試料A、Bのそれぞれの減肉量割合は、約20%、約50%である。
次に、試料Aの腐食抑制粒子(ゼオライト)の引付け力(吸着能、イオン交換能)を調査するために、模擬過熱器管の表面に試料A(引付け力を有する腐食抑制粒子層)と燃焼灰を2層にして、試料A層と燃焼灰層とが接している領域における各元素K(カリウム)、Cl(塩素)の分布を調べた。このK、Clは、飛散する燃焼灰に分散した状態で含まれていたものであり、腐食性成分である。
つまり、この調査のための実験方法は、まず、模擬過熱器管の表面に試料Aの腐食抑制粒子を塗布して試料A層を形成する。次に、K、Clを含む燃焼灰をその上層に塗布して、試料A層の表面に燃焼灰層を形成する。このようにして形成された試料A層及び燃焼灰層を模擬過熱器管から取り外してその断面を顕微鏡及びEPMA分析によって調べた。
図5Aは、試料A層(ゼオライト)及び燃焼灰層とが接している領域の断面写真である。図5Bは、図5Aに示す断面におけるカリウム(K)の分布を示す断面写真である。この図5Bに示す写真は、図5Aの写真に示された断面のKをカラーマッピングしたものであり、Kの濃度が色で表されている。この図5Bに現れているように、写真の上端付近を燃焼灰層のKの標準濃度とすると、試料A層の表面及びその近傍のKの濃度が標準濃度よりも著しく高く、試料A層の表面から離れたところのKの濃度が標準濃度よりも低い。このことから、腐食性成分であるKが試料A層(ゼオライト)の表面に付着し及び接近して分布していることが分かる。従って、試料A層(ゼオライト)は、腐食性成分であるKを含有する粒子を引き付けていることが分かる。
図5Cは、図5Aに示す断面における塩素(Cl)の分布を示す断面写真である。この図5Cに示す写真は、図5Aの写真に示された断面のClをカラーマッピングしたものであり、Clの濃度が色で表されている。この図5Cに現れているように、写真の上端付近を燃焼灰層のClの標準濃度とすると、試料A層の表面及びその近傍のClの濃度が標準濃度よりも著しく高く、試料A層の表面から離れたところのClの濃度が標準濃度よりも低い。このことから、腐食性成分であるClが試料A層(ゼオライト)の表面に付着し及び接近して分布していることが分かる。従って、試料A層(ゼオライト)は、腐食性成分であるClを含有する粒子を引き付けていることが分かる。
従って、試料A(ゼオライト)を腐食抑制粒子として使用することによって、上記のように、過熱器管27に対する腐食抑制効果を奏することが分かる。
そして、ゼオライトと同様に、ドロマイト及びカオリンも、カリウム(K)及び塩素(Cl)等の腐食性成分を引き付ける作用を有することが考えられる。よって、ドロマイト及びカオリンを腐食抑制粒子として使用することによって、ゼオライトと同様に、過熱器管27の腐食の進行を抑制することができる。
次に、腐食抑制粒子の粒子径を0.1μm以上10μm未満と規定した理由を説明する。腐食抑制装置59を使用して、例えば粒子径が10μm以上の腐食抑制粒子を、第2煙道21内に供給することによって、この供給した腐食抑制粒子を過熱器管27の金属界面等に付着させた場合は、粒子径が10μm以上の腐食抑制粒子どうしの隙間から腐食性が強い粒子径が0.1〜10μmの腐食性粒子が入り込んで、過熱器管27の金属界面等に付着してしまう可能性が大きい。よって、粒子径が10μm以上の腐食抑制粒子を使用すると、過熱器管27の腐食を殆ど抑制することはできない。
従って、本実施形態は、腐食性が強い粒子径が0.1〜10μmの腐食性粒子と同程度の粒子径(0.1μm以上10μm未満)の腐食抑制粒子を、第2煙道21内に供給して過熱器管27の表面に付着させることによって、0.1〜10μmの腐食性粒子が過熱器管27の表面に付着する付着重量及び付着面積を小さくして、過熱器管27の腐食の進行を抑制するようにした。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記のボイラ19の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、図1に示すように、ボイラ19の燃焼炉10として、例えばごみ焼却炉10を例として挙げたが、本発明をこれ以外の燃焼炉を備えたボイラ19に適用することができる。例えば、重油を燃料とする燃焼炉を備えたボイラ19に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、図1に示すように、ボイラ19の燃焼炉10として、例えばストーカ式の燃焼炉を例に挙げたが、本発明をこれ以外の形式の燃焼炉を備えたボイラ19に適用することができる。例えば、燃料を流動層で流動させながら燃焼させる流動層炉を備えたボイラ19に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、図1に示す腐食検出装置30を使用して、過熱器管27の腐食の程度を検出したが、これ以外の腐食検出装置を使用してもよい。
更に、上記実施形態では、粒子径が0.1μm以上10μm未満の腐食抑制粒子を含む腐食抑制剤を、過熱器管27よりも上流側の第2煙道21内に供給したが、腐食抑制剤の供給領域は上記に限定されない。例えば、過熱器管27が設けられている第3煙道22内や放射室20内に腐食抑制剤を供給するようにしてもよい。
そして、上記実施形態では、粒子径が0.1μm以上10μm未満の腐食抑制粒子を使用したが、これに代えて、その粒子径が2μmを超えて10μm未満の腐食抑制粒子を使用してもよい。このようにしても、過熱器管27の腐食の進行を抑制することができるのは、このような粒子径の腐食抑制粒子であっても、腐食性粒子を引き付けることができ、上記実施形態で説明したように、過熱器管27の腐食の進行を抑制することができるからである。
以上のように、本発明に係る腐食抑制粒子、腐食抑制装置付きボイラ及びボイラの腐食抑制方法は、過熱器管の腐食を抑制するために使用される腐食抑制粒子の量が少なくて済み、これによって、回収処理が必要とされる飛灰(腐食抑制粒子を含む)の量を低減することができる優れた効果を有し、ごみ焼却ボイラのような過熱器管の腐食が懸念されるボイラに適用するのに適している。
10 燃焼炉(ごみ焼却炉)
11 発電機
12 ホッパ
13 シュート
14 主燃焼室
14a 天井
15 乾燥ストーカ
16 燃焼ストーカ
17 後燃焼ストーカ
18 シュート
19 ボイラ
20 放射室
21 第2煙道
22 第3煙道
23 水管
24 ボイラドラム
25 過熱器
26 タービン
27 過熱器管
28 排ガス通路
30 腐食検出装置
59 腐食抑制装置
59a 供給口
100 制御装置

Claims (7)

  1. ボイラの燃焼排ガスが通る排ガス通路内に設けられた過熱器管の腐食を抑制するために前記排ガス通路内に供給されるボイラの腐食抑制剤であって、
    前記排ガス通路内で浮遊する燃焼灰と共に前記過熱器管に付着し、前記燃焼灰中の腐食性粒子を引き付ける腐食抑制粒子を含有し、
    前記腐食抑制粒子の粒子径は0.1μm以上10μm未満であって、
    前記腐食抑制粒子が、ゼオライト及びカオリンの少なくとも1つ又はそれを主成分とする化合物、又は、ゼオライト及びカオリンの混合物である、ボイラの腐食抑制剤。
  2. 液体に前記腐食抑制粒子を混合して得られたスラリー状の混合物質である、請求項に記載のボイラの腐食抑制剤。
  3. 前記腐食抑制粒子よりも粒子径が大きい粉体に前記腐食抑制粒子を混合して得られた粉状の混合物質である、請求項に記載のボイラの腐食抑制剤。
  4. 燃焼炉と、
    前記燃焼炉からの燃焼排ガスが通る排ガス通路と、
    前記排ガス通路内に設けられた過熱器管と、
    請求項1〜のいずれか一項に記載のボイラの腐食抑制剤を前記排ガス通路内に供給する腐食抑制装置とを
    備える、ボイラ。
  5. 前記腐食抑制装置が、前記排ガス通路内のガス温度が前記腐食抑制粒子の融点よりも低い領域へ前記ボイラの腐食抑制剤を供給するように構成されている、請求項に記載のボイラ。
  6. ボイラの燃焼排ガスが通る排ガス通路内に設けられた過熱器管の腐食を抑制するためのボイラの腐食抑制方法であって、
    請求項1〜のいずれか一項に記載のボイラの腐食抑制剤を、前記排ガス通路の前記過熱器管より上流側へ供給する、ボイラの腐食抑制方法。
  7. 前記ボイラの腐食抑制剤を供給することが、前記排ガス通路内のガス温度が前記腐食抑制粒子の融点よりも低い領域へ前記ボイラの腐食抑制剤を供給することを含む、請求項に記載のボイラの腐食抑制方法。
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