JP7379023B2 - 腐食検出装置および腐食検出方法 - Google Patents

腐食検出装置および腐食検出方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 発行日:2018年12月20日 刊行物:第40回全国都市清掃研究・事例発表会 講演論文集 〔刊行物等〕 発表日:2019年1月23日 発表会:第40回全国都市清掃研究・事例発表会 開催場所:宮崎市民プラザ(宮崎県宮崎市橘通西1丁目1番2号)
本発明は、ボイラの過熱器管等の腐食を検出するための腐食検出装置および腐食検出方法に関する。
従来から、燃料を燃焼炉で燃焼させて、その燃焼により発生する燃焼熱や燃焼排ガスが有する熱によって過熱器内の蒸気を過熱して、高温・高圧の過熱蒸気を発生するボイラが知られている。この過熱蒸気は、発電に利用することができる。
近年、CO削減や廃棄物の熱利用の観点から、例えば建設廃材系木質等のバイオマスや、廃タイヤ及び廃プラスチック等の廃棄物をボイラの燃料として活用することが進められている。
このようなバイオマス燃料や廃棄物燃料にあっては、燃料中に、例えばNa、K、Cl等の塩類や、鉛および亜鉛等の重金属を含んでいる。したがって、燃焼炉での燃焼により、例えば、KCl、NaCl、ZnCl、KSO、NaSO等のうちのいくつかが合わさって、低融点(300℃程度)の溶融塩(共晶塩)が生成され、このような溶融塩は、燃焼灰とともに下流側の過熱器に流れていく。この過熱器は、上記発電に利用される高温・高圧の蒸気を生成するものであるから、その周囲のガス温度は、上記溶融塩の融点より高い温度に設定されている。したがって、KCl、NaCl、ZnCl、KSO、NaSO等のうちのいくつかが合わさって生成された溶融塩が、300℃以上の高温の過熱器を構成する過熱器管の表面に付着するため、過熱器管は腐食していく。
このため、過熱器管の腐食環境(腐食速度等)をモニタリングすることはボイラの安定運転および設備維持の観点から重要である。下記特許文献1には、過熱器管が設置される排ガス通路内に一対の電極を備えた腐食センサ(電極プローブ)を導入することで上記溶融塩の付着環境における腐食の程度を計測することが開示されている。
一方、過熱器管の腐食を防止するという観点から、排ガス通路内に腐食抑制材(腐食抑制粒子)を散布することも提案されている。下記特許文献2には、腐食抑制粒子を散布すると、燃焼灰に含まれる溶融塩粒子と腐食抑制粒子とが混合され、過熱器管に付着することにより、溶融塩粒子が過熱器管に付着する面積が低減し、腐食が抑制されることが開示されている。
特許第3485908号公報 特許第6309709号公報
このように、腐食抑制材の導入は、過熱器管の腐食抑制に有効であるが、上記特許文献1のような腐食環境のモニタリングにも影響を与えてしまう。すなわち、腐食抑制材の導入により上記特許文献1における腐食センサにも溶融塩粒子と腐食抑制粒子との混合物が付着し、一対の電極間の導通が妨げられる。したがって、腐食抑制材の導入後の排ガス通路に新たな燃焼灰が流通してきても、このような混合物が付着した腐食センサでは、適正な腐食環境の検出を行うことができない問題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において燃焼排ガスによる腐食環境の検出を適正に行うことができる腐食検出装置および腐食検出方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る腐食検出装置は、燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において前記燃焼排ガスによる腐食の程度を検出するための腐食検出装置であって、中空の腐食センサ本体と、前記腐食センサ本体の外表面に設けられた電極部と、を備えた腐食センサと、前記電極部に付着した前記燃焼排ガスに含まれる灰の厚さを計測する灰厚さ計測器と、前記電極部に付着した前記灰を除去する灰除去器と、前記灰除去器の動作を制御する制御器と、を備え、前記制御器は、前記電極部に付着した前記灰の厚さが0より大きい所定のしきい値以上となった場合に、前記灰除去器を作動させるよう構成される。
上記構成によれば、腐食センサの電極部に付着した灰の厚さが0より大きい所定のしきい値以上となった場合に、灰除去器により電極部に付着した灰が除去される。付着した灰の厚さがしきい値以上となってから灰除去を行うことにより、腐食センサの電極部に付着した灰の厚さを薄くしつつそのときの腐食環境における計測が可能な程度に付着した灰を残すことができる。これにより、腐食センサを用いて適正な腐食環境の検出を行うことができる。
前記制御器は、所定のタイミングから所定時間経過した場合にも、前記灰除去器を作動させてもよい。これにより、これにより、電極部に付着した灰の厚さが所定のしきい値以上になることを予め防止することができる。
前記制御器は、前記排ガス通路内に配設される配管の腐食を抑制する腐食抑制材が前記排ガス通路内に導入されたことを検出し、前記腐食抑制材が前記排ガス通路内に導入されたことを検出した場合にも、前記灰除去器を作動させてもよい。これにより、腐食抑制材が含まれる灰が電極部に付着することを予め抑制することができる。
前記腐食センサは、前記腐食センサ本体の内部に冷却空気を導入する冷却用ブロアを備え、前記灰厚さ計測器は、前記腐食センサ本体内部への前記冷却空気の流量を検出する流量検出部と、前記腐食センサ本体内部への前記冷却空気の入口温度を検出する入口温度検出部と、前記腐食センサ本体内部からの前記冷却空気の出口温度を検出する出口温度検出部と、前記電極部近傍における前記排ガス通路内のガス温度を検出するガス温度検出部と、前記冷却空気の入口温度、出口温度、および流量と、前記ガス温度とから前記電極部に付着した前記灰の厚さを算出する灰厚さ算出部と、を備えてもよい。上記構成によれば、灰の厚さが演算により算出されるため、簡単な構成で灰の厚さに基づく灰除去器の制御を実現することができる。
前記灰除去器は、前記腐食センサ本体から離間した位置に設けられ、前記電極部に向けて圧縮空気または衝撃波を出射するよう構成されてもよい。上記構成によれば、腐食センサ本体から離間した位置から電極部に向けて圧縮空気または衝撃波が出射されることにより、電極部の灰除去が行われる。したがって、簡単な構成で適切な灰除去を行うことができる。
前記腐食センサは、前記電極部に流れる電流から前記電極部に前記灰が付着することにより生じる溶融塩と前記電極部との界面における分極抵抗を算出するよう構成されてもよい。上記構成によれば、電極部に付着した灰により生じる溶融塩と電極部との界面における分極抵抗が算出される。この分極抵抗は、腐食速度(腐食電流密度)に由来する抵抗値である。したがって、腐食センサにより、腐食の程度を適切に検出することができる。
前記制御器は、前記腐食センサが前記分極抵抗を算出可能な前記灰の厚さの最小値以上が前記電極部に残るように前記灰除去器を作動させてもよい。上記構成によれば、電極部に付着している灰の厚さを、電極部が灰に含まれる溶融塩により導通して分極抵抗の適切な算出が行える程度に薄くすることができる。したがって、腐食センサを用いて適正な腐食環境の検出を継続的に行うことができる。
本発明の他の態様に係る腐食検出方法は、燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において前記燃焼排ガスによる腐食の程度を検出するための腐食検出方法であって、前記排ガス通路内に、中空の腐食センサ本体と、前記腐食センサ本体の外表面に設けられた電極部と、を備えた腐食センサを導入するステップと、前記電極部に流れる電流から前記電極部に前記燃焼排ガスに含まれる灰が付着することにより生じる溶融塩と前記電極部との界面における分極抵抗を算出するステップと、前記電極部に付着した前記灰の厚さを算出するステップと、前記灰の厚さが0より大きい所定のしきい値以上となった場合に、前記電極部に付着した前記灰を除去するステップと、を含む。
上記方法によれば、腐食センサの電極部に付着した灰の厚さが0より大きい所定のしきい値以上となった場合に、電極部に付着した灰が除去される。付着した灰の厚さがしきい値以上となってから灰除去を行うことにより、腐食センサの電極部に付着した灰の厚さを薄くしつつそのときの腐食環境における計測が可能な程度に付着した灰を残すことができる。これにより、腐食センサを用いて適正な腐食環境の検出を行うことができる。
本発明によれば、燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において燃焼排ガスによる腐食環境の検出を適正に行うことができる。
図1は、本発明の一実施の形態における腐食検出装置が適用されたボイラの内部構造を示す概略断面図である。 図2は、本実施の形態における腐食検出装置の概略構造を示す図である。 図3は、付着灰層の厚さを考慮した有効温度の経時変化を、付着灰層の厚さを考慮しない場合と比較して示すグラフである。 図4は、本実施の形態における灰除去を定期的に行った場合の有効温度および分極抵抗のガス温度に対する追従性を示すグラフである。
以下、本発明の一実施の形態における腐食検出装置およびそれが適用されるボイラについて図面を参照して説明する。本実施の形態においては、ボイラを備えた焼却プラントを例示する。
図1は、本発明の一実施の形態における腐食検出装置が適用されたボイラを備えた焼却プラントの内部構造を示す概略断面図である。図1に示す焼却プラント1は、酸素含有ガスを用いて廃棄物を焼却するための火炉室3を有する焼却炉2と、焼却炉2から排出される燃焼排ガスから排熱を水蒸気として回収する蒸気回収装置であるボイラ4と、を含む。焼却炉2のボイラ4とは反対側(上流側)には、ホッパ5およびシュート6が配置されており、ボイラ4から(下流側)は、燃焼排ガスの排気経路7が煙突8まで延びている。排気経路7には、何れも図示しないが、上流側から順に、エコノマイザー、減温塔、集塵機およびブロワが設けられている。
焼却炉2は、火炉室3の下方に設けられたストーカを有している。ストーカは、廃棄物の搬送手段として機能する。ストーカは、シュート6に近い側から順に乾燥ストーカ11、燃焼ストーカ12および後燃焼ストーカ13を有する。すなわち、これらのストーカ11~13は、廃棄物の移動方向に配列されている。乾燥、燃焼および後燃焼ストーカ11~13の下方には、風箱14~16がそれぞれ設けられている。
さらに、焼却炉2は、火炉室3とボイラ4との間に火炉室3と連続する再燃焼室17を有する。なお、燃焼ストーカ12は、図例では1段であるが、2段以上設けられていてもよい。各ストーカ11~13は、例えば、互いに異なるインターバルで間欠的に作動する。
火炉室3では、廃棄物の熱分解および部分酸化反応により燃焼ガスが生成され、この燃焼ガスが廃棄物と共に燃焼される。再燃焼室17は、火炉室3から流出する燃焼ガスを完全燃焼させるためのものである。廃棄物の燃焼後の灰は、後燃焼ストーカ13に隣接して設けられた排出口18から排出される。
ボイラ4では、焼却炉2から排出される燃焼排ガス(廃熱)によって蒸気が生成される。より詳しくは、図1に示すように、ボイラ4は、燃焼排ガスが通過する排ガス通路9を備えている。排ガス通路9は、再燃焼室17の上方に配置された放射室19と、放射室19と上部同士が連通する第1煙道20と、第1煙道20と下部同士が連通する第2煙道21と、を含む。
放射室19および第1煙道20を規定する壁の各々には、複数の水管23が設けられている。複数の水管23は、例えば炭素鋼(例えば、STB340)で形成される。ボイラ4は、複数の水管23に接続されたボイラドラム24を備えている。複数の水管23には、ボイラドラム24から送られてくる水が流れる。複数の水管23内の水は、放射室19および第1煙道20の廃熱を回収して、その一部が蒸発して汽水となりボイラドラム24へと戻される。ボイラドラム24に戻った汽水は、一部が気化して蒸気となっている。
第2煙道21には、過熱器25が設けられている。過熱器25は、ボイラドラム24内の蒸気を燃焼熱または燃焼排ガスの熱で過熱するための過熱器管26を備えている。過熱器25により過熱されて高温高圧となった過熱蒸気は、発電機27と連結されたタービン28に送られて発電に利用される。ボイラ4を通過した燃焼排ガスの大部分は、排気経路7を流れた後に、煙突8から大気中へ放出される。
上記構成のボイラ4によると、燃焼時に蒸発した成分や燃焼灰の一部が燃焼排ガスにより舞い上がったものが放射室19、第1煙道20、および第2煙道21に順に運ばれる。そして複数の水管23および過熱器25の過熱器管26に付着して堆積する。本実施の形態においては、燃焼灰は、高い腐食性を有している溶融塩を含むため、高温の過熱器25の過熱器管26を腐食させる要因となっている。
このような過熱器管26の腐食を監視するために、ボイラ4には、排ガス通路9内において燃焼排ガスによる腐食の程度を検出するための腐食検出装置40が取り付けられる。図2は、本実施の形態における腐食検出装置の概略構造を示す図である。
腐食検出装置40は、ボイラ4の排ガス通路9の側壁部から排ガス通路9内に導入される腐食センサ41を備えている。腐食センサ41は、中空の腐食センサ本体43と、腐食センサ本体43の外表面に設けられた電極部44と、を備えている。本実施の形態において、腐食センサ41は、ボイラ4の第2煙道21の側壁部であって、過熱器25よりも燃焼排ガスの流れ方向の上流側に設けられたセンサ取り付け部42に取り付けられる。このとき、腐食センサ41は、腐食センサ本体43の電極部44を含む先端部分が第2煙道21(排ガス通路9)内に位置している。
腐食センサ本体43は、電極部44が排ガス通路9内に位置した状態で、電極部44が排ガス通路9における燃焼排ガスの流通方向に対向するように(流通方向上流側を向くように)配置される。これにより、燃焼排ガスに含まれる灰が電極部44を含む腐食センサ本体43の外表面に付着して付着灰層ASを形成する。本実施の形態において、腐食センサ本体43が取り付けられる第2煙道21は、下方が燃焼排ガスの流通方向上流側となる。したがって、腐食センサ本体43は、電極部44が下方を向くように配置される。
電極部44は、試料電極45、対極46および参照電極47を含んでいる。対極46は、試料電極45と回路を構成するための電極である。腐食センサ41は、電極部44の表面に灰が付着した状態で、試料電極45と対極46との間に交流電圧を印加することにより、試料電極45と参照電極47との間に電流を発生させるように構成されている。参照電極47は、試料電極45との電位差を求めるための基準となる電極である。
本実施の形態において、腐食センサ本体43は、ステンレス鋼(SUS310J1)により形成される。試料電極45および参照電極47も同じステンレス鋼により形成される。対極46は、白金により形成される。
電極部44の表面に灰が付着することにより、電極部44と付着灰層ASとの界面には、付着灰層AS中の溶融塩が形成される。この溶融塩により、試料電極45と参照電極47とが導通する。試料電極45である金属と溶融塩とが接触すると、金属側では酸化反応が生じ、溶融塩側では還元反応が生じる。これらの反応によって流れる電流(腐食電流)は、互いに平衡状態である。このとき、金属と溶融塩との界面の分極抵抗をRとすると、腐食電流Icorrは、比例定数Kcorrを用いて以下のように表される。
Figure 0007379023000001
金属と溶融塩との界面のインピーダンスZは、界面の電荷移動抵抗(分極抵抗)Rおよび電気二重層容量Cdlの並列接続回路に、溶融塩の抵抗(溶液抵抗)Rsolを直列接続した回路を用いてモデル化することができる。
腐食検出装置40は、腐食センサ41の制御および検出値に基づく演算等を行う制御器50を備えている。制御器50は、CPU、ROM、およびRAM等で構成されたマイクロコントローラや集積回路を備えている。制御器50は、電気化学測定装置またはパソコン等の外部のコンピュータを含んでもよい。
制御器50は、腐食センサ41を制御するセンサ制御部51として機能する。腐食センサ41は、センサ制御部51からの制御信号に基づいて所定の周波数領域において低周波数域から高周波数域まで周波数を変えながら、試料電極45と対極46との間に交流電圧を印加して試料電極45と参照電極47との間の電流を測定する。制御器50は、得られた電流からインピーダンスZを測定し、その結果について周波数応答解析を行う。インピーダンスZの測定において、低周波数域で得られるインピーダンスZ1は、溶液抵抗Rsolと分極抵抗Rとの和となり、高周波数域で得られるインピーダンスZ2は、溶液抵抗Rsolとなる。制御器50は、低周波数域のインピーダンスZ1から高周波数域のインピーダンスZ2を差し引くことで、分極抵抗Rを算出する。
このようにして得られる分極抵抗Rは、腐食電流Icorrおよびそれに応じた腐食速度rcorrに相関する抵抗値である。すなわち、分極抵抗Rが大きくなると腐食速度rcorrが遅くなり、分極抵抗Rが小さくなると腐食速度rcorrが速くなる。このように、腐食センサ41は、電極部44に流れる電流(試料電極45と参照電極47との間に流れる電流)から電極部44に灰が付着する(付着灰層ASが形成される)ことにより生じる溶融塩と電極部44との界面における分極抵抗Rを算出するよう構成される。これにより、腐食検出装置40は、電極45,47間の電気抵抗(分極抵抗R)の変化に基づいて過熱器管26の腐食の程度を検出することができる。
さらに、電極部44には、腐食試験片48が設けられている。腐食試験片48は、腐食速度を質量変化により求めるものである。なお、腐食センサ41は、腐食試験片48を備えていなくてもよい。
腐食センサ41は、腐食センサ本体43の内部空間を構成する内管部43aに冷却空気を導入する冷却用ブロア49を備えている。腐食センサ本体43の先端部には、内管部43aと外部(排ガス通路9)との間で空気の流通が可能な貫通孔(図示せず)が設けられている。これにより、内管部43aの基端部から入った冷却空気は、内管部43aの先端部から出ていく。
腐食センサ本体43の内管部43aの上流側(基端部)には、内管部43aへの冷却空気の入口温度Taiを検出する入口温度検出部63が設けられ、腐食センサ本体43の内管部43aの下流側(先端部)には、内管部43aからの冷却空気の出口温度Taoを検出する出口温度検出部64が設けられる。これらの温度検出部63,64は、熱電対等の所定の温度センサにより構成される。
さらに、腐食検出装置40は、冷却用ブロア49から内管部43aへの冷却空気の流量qを検出する流量検出部65を備えている。流量検出部65は、冷却用ブロア49の風量に基づくブロア周波数(指令値)を検出する。なお、これに代えて、流量検出部65は、冷却用ブロア49から出力される冷却空気の流量を計測する熱式流量計または超音波式流量計等の所定の流量計により構成されてもよい。
制御器50は、腐食センサ本体43の温度を制御するセンサ温度制御部52として機能する。試料電極45の温度は、測定対象の過熱器管26と同じ温度条件とすることが望まれる。そのため、センサ温度制御部52は、出口温度検出部64により検出される冷却空気の出口温度Taoが所定の値になるように、冷却用ブロア49の動作(オンオフ、風量、またはオン時間)を制御する。
ここで、ボイラ4には、燃焼灰による過熱器管26の腐食を抑制するため、排ガス通路9(図1の例では第1煙道20)内に腐食抑制材(腐食抑制粒子)を供給するための複数の粒子供給口30が設けられている。
複数の粒子供給口30から排ガス経路内に導入される腐食抑制粒子は、Ca、Si、Al、MgおよびFeのうち少なくとも1つの元素を主成分とする化合物である。例えば、腐食抑制粒子は、CaO、SiOを含む。腐食抑制粒子の粒子径は、0.1μm以上10μm未満である、腐食抑制粒子として、例えば、けい砂、珪藻土、ドロマイト、ゼオライト等が例示できる。
この腐食抑制粒子は、融点が800℃以上である。複数の粒子供給口30により腐食抑制粒子を吹き込む領域は、この腐食抑制粒子が吹き込まれた領域の燃焼排ガスによって、腐食抑制粒子が溶融しないガス温度の領域である。本実施の形態では、複数の粒子供給口30が第1煙道20の上端部に設けられ、腐食抑制粒子を第1煙道20内に吹き込むようにしている。この第1煙道20は、その内側を流れる燃焼排ガスのガス温度が800℃よりも低い領域である。
さらに、本実施の形態では、水に腐食抑制粒子を混合して得られたスラリー状の混合物質、または腐食抑制粒子よりも粒子径が大きい粉体(例えば燃焼灰)に腐食抑制粒子を混合して得られた粉状の混合物質を、複数の粒子供給口30を介して第1煙道20内に吹き込むようにしている。
複数の粒子供給口30から腐食抑制粒子を散布すると、燃焼灰に含まれる溶融塩粒子と腐食抑制粒子とが混合され、その混合物が過熱器管26に付着することにより、溶融塩粒子が過熱器管26に付着する面積が低減し、腐食が抑制される。その一方、腐食センサ41の外表面にも溶融塩粒子と腐食抑制粒子との混合物が付着し、試料電極45と参照電極47との間の導通が妨げられる。したがって、腐食抑制材の導入後の排ガス通路9に新たな燃焼灰(飛灰)が流通してきても、このような混合物が付着した腐食センサ41では、適正な腐食環境の検出を行うことができない。
そこで、本実施の形態における腐食検出装置40は、腐食センサ41の電極部44に付着した灰を除去する灰除去器60を備えている。本実施の形態において、灰除去器60は、腐食センサ本体43から離間した位置に設けられ、電極部44に向けて圧縮空気を出射するよう構成される。灰除去器60は、中空の灰除去器本体61と、灰除去器本体61の外表面に設けられた噴射ノズル66と、を備えている。
本実施の形態において、灰除去器60は、ボイラ4の第2煙道21の側壁部であって、センサ取り付け部42の近傍に設けられた灰除去器取り付け部62に取り付けられる。このとき、灰除去器60は、灰除去器本体61の噴射ノズル66を含む先端部分が第2煙道21(排ガス通路9)内に位置している。噴射ノズル66は、腐食センサ41の電極部44に向くように配置される。
灰除去器取り付け部62は、排ガス通路9における燃焼排ガスの流通方向に関してセンサ取り付け部42より上流側に位置する。これにより、腐食センサ本体43の上流側の外表面に付着した付着灰層ASの灰除去を適切に行うことができる。さらに、灰除去器取り付け部62は、燃焼排ガスの流通方向に直交する方向に関してセンサ取り付け部42より偏位した位置に位置する。これにより、灰除去器本体61が腐食センサ本体43の電極部44近傍に灰が付着するのを妨げない位置に配置されるため、腐食センサ本体43の電極部44近傍を過熱器管26と同様の腐食環境にすることができる。
本実施の形態において、灰除去器取り付け部62が形成される第2煙道21は、下方が燃焼排ガスの流通方向上流側となる。したがって、灰除去器取り付け部62は、センサ取り付け部42の側方かつ下方側に位置する。これにより、灰除去器本体61は、噴射ノズル66が斜め上方(に位置する腐食センサ41の電極部44)を向くように配置される。
なお、これに代えて、灰除去器取り付け部62は、排ガス通路9における燃焼排ガスの流通方向に関してセンサ取り付け部42と実質的に同じ位置に位置してもよい。本実施の形態と同様に、腐食センサ本体43および灰除去器本体61を第2煙道21に設ける場合には、灰除去器取り付け部62は、センサ取り付け部42の側方に位置する。これにより、灰除去器本体61は、噴射ノズル66が側方(に位置する腐食センサ41の電極部44)を向くように配置される。
灰除去器60は、空気を圧縮して圧縮空気を生成するコンプレッサ67と、生成された圧縮空気を貯留するタンク68と、圧縮空気を灰除去器本体61に送り込むブロア69とを備えている。タンク68と灰除去器本体61の中空部との間には第1制御弁71が設けられる。ブロア69と灰除去器本体61の中空部との間には第2制御弁72が設けられる。
制御器50は、灰除去器60の動作を制御する灰除去器制御部53として機能する。灰除去器制御部53は、電極部44に付着した灰(付着灰層AS)の厚さδashが0より大きい所定のしきい値δth以上となった場合に、灰除去器60を作動させる。灰除去器制御部53は、制御弁71,72を開閉制御することにより、灰除去器60の作動および非作動を切り替える。さらに、灰除去器制御部53は、ブロア69に対してブロア69の出力を調整することにより風量を制御してもよい。
腐食検出装置40は、電極部44に付着した燃焼排ガスに含まれる灰(付着灰層AS)の厚さを計測する灰厚さ計測器を備えている。本実施の形態において、腐食検出装置40は、電極部44の近傍における排ガス通路9内のガス温度Tを検出するガス温度検出部73を備えている。ガス温度検出部73は、腐食センサ本体43に平行な棒状の本体を備えている。棒状の本体の先端部に熱電対等の所定の温度センサが設けられている。ガス温度検出部73の本体および腐食センサ本体43は、1つのユニットとして構成されている。
本実施の形態において、灰の厚さδashは、上記冷却空気の入口温度Tai、出口温度Tao、流量q、およびガス温度Tを用いて演算により求められる。そのため、灰厚さ計測器は、上記流量検出部65と、入口温度検出部63と、出口温度検出部64と、制御器50と、ガス温度検出部73と、で構成される。灰厚さ計測器としての制御器50は、冷却空気の入口温度Tai、出口温度Tao、および流量qと、ガス温度Tとから電極部44に付着した灰の厚さδashを算出する灰厚さ算出部54として機能する。
以下、上記各値から灰の厚さδashを算出する方法について説明する。まず、排ガス通路9における燃焼排ガスから腐食センサ本体43(試料電極45)への入熱量Qinは、以下の式で表される。
Figure 0007379023000002
ここで、Kは燃焼排ガスから腐食センサ本体43の内管部43a内の冷却空気に熱が伝達する際の総括熱伝達係数を示し、Aは伝熱面積を示し、ΔTは、燃焼排ガスと腐食センサ本体43の内管部43a内の冷却空気の対数温度差を示す。伝熱面積Aは、予め与えられる。
この対数温度差ΔTは、入口温度Tai、出口温度Taoおよびガス温度Tを用いて、以下の式で表される。
Figure 0007379023000003
一方、腐食センサ本体43から冷却空気への入熱量Qoutは、入口温度Tai、出口温度Tao、冷却空気の流量q、および冷却空気の比熱γを用いて以下の式で表される。なお、比熱γは、予め与えられる。
Figure 0007379023000004
上述のように、センサ温度制御部52は、出口温度検出部64により検出される冷却空気の出口温度Taoが所定の値になるように、冷却用ブロア49の動作を制御する。したがって、腐食センサ本体43の温度は、実質的に一定に保たれる。この場合、上記入熱量QinおよびQoutは等しくなる(Qin=Qout)。したがって、式(2)および式(4)より、総括熱伝達係数Kは、以下の式で表される。
Figure 0007379023000005
また、総括熱伝達係数Kは、灰の厚さδash、腐食センサ本体43と冷却空気との間の熱伝達係数hma、燃焼排ガスと付着灰層ASとの間の熱伝達係数hga、腐食センサ本体43の熱伝導率λ、付着灰層ASの熱伝導率λash、および、腐食センサ本体43の管厚δを用いた以下の式でも表すことができる。
Figure 0007379023000006
この式(6)より、灰の厚さδashは、以下の式で表される。
Figure 0007379023000007
上記式(7)のうち、式(5)で示される総括熱伝達係数K以外の各値は、予め与えられる。したがって、灰の厚さδashは、係数(定数)a,aを用いて以下のように書き直せる。
Figure 0007379023000008
以上より、灰(付着灰層AS)の厚さδashは、総括熱伝達係数Kに含まれる冷却空気の入口温度Tai、出口温度Tao、流量q、およびガス温度Tを用いて演算により推定することができる。
このようにして、灰厚さ算出部54は、灰の厚さδashを算出する。灰除去器制御部53は、電極部44に付着した灰(付着灰層AS)の厚さδashが0より大きい所定のしきい値δth以上となった場合に、灰除去器60を作動させる。これにより、電極部44に付着した灰が除去される。付着した灰の厚さδashがしきい値δth以上となってから灰除去を行うことにより、腐食センサ41の電極部44に付着した灰の厚さを薄くしつつそのときの腐食環境における計測が可能な程度(電極45,47間が導通する程度)に、付着した灰を残すことができる。
本実施の形態においては、上記のような灰除去を適宜行いながら、電極部44に付着した灰により生じる溶融塩と電極部44との界面における分極抵抗Rが算出される。この分極抵抗Rは、上述したように、腐食速度rcorr(腐食電流Icorr)に由来する抵抗値である。これにより、腐食センサ41を用いて腐食環境の検出を適正に行うことができる。
特に、複数の粒子供給口30から腐食抑制粒子が排ガス通路9内に導入された後、新たな燃焼灰が排ガス通路9内に流通してきた場合でも、灰除去器60により、電極部44に付着した腐食抑制粒子と灰との混合層が除去される。このため、新たな燃焼灰が電極部44に付着することにより、最新の腐食環境の検出を適正に行うことができる。
また、灰除去器60を作動させる契機となる灰の厚さδashが演算により算出されるため、簡単な構成で灰の厚さδashに基づく灰除去器60の制御を実現することができる。
また、本実施の形態においては、腐食センサ本体43から離間した位置から電極部44に向けて圧縮空気が出射されることにより、腐食センサ41に強い衝撃を与えることなく、電極部44の灰除去が行われる。したがって、簡単な構成で適切な灰除去を行うことができる。
なお、ボイラ4は、過熱器管26に付着した灰を除去するための過熱器管用スートブロア(図示せず)を備えている。灰除去器60は、この過熱器管用スートブロアとは別に設けられる。すなわち、灰除去器60は、腐食センサ41専用に設けられる。過熱器管用スートブロアは、過熱器管26の全域における灰の除去を行うために、大サイズかつ大出力の装置として構成される。一方、灰除去器60は、腐食センサ本体43の電極部44近傍の灰除去が行える程度のサイズおよび出力でよい。すなわち、灰除去器60は、過熱器管用スートブロアより小サイズかつ小出力でよい。これにより、腐食センサ41の電極部44に対して省電力かつ適切な灰除去を行うことができる。
また、灰除去器60の灰除去器本体61は、過熱器管用スートブロアより腐食センサ本体43に近接する位置に配置される。これにより、より直接的かつ局所的に腐食センサ本体43の電極部44近傍における灰除去を行うことができる。
灰除去器制御部53は、腐食センサ41が分極抵抗Rを算出可能な灰の厚さの最小値δmin以上が電極部44に残るように灰除去器60を作動させる。この灰の厚さの最小値δminと、しきい値δthと、灰除去能力(所定の作動時間、圧縮空気の噴射圧力等)との関係が予め実験等により取得される。所定の灰除去能力で灰除去器60を作動させたときに、その作動後の灰の厚さδashが最小値δminとなるようなしきい値δthが設定される。
これによれば、灰の厚さδashがしきい値δth以上となった場合に、灰除去器60が所定の灰除去能力で作動することにより、灰の厚さδashを、電極部44が灰に含まれる溶融塩により導通して分極抵抗Rの適切な算出が行える程度に薄くすることができる。これにより、過去に散布された腐食抑制粒子による腐食環境の検出への影響を抑制することができ、排ガス通路9内の飛灰の状況変化に即した腐食環境の検出を行うことができる。したがって、腐食センサ41を用いて適正な腐食環境の検出を継続的に行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、灰の厚さδashを考慮した分極抵抗Rの算出も可能である。分極抵抗Rは、腐食センサ本体43(電極部44)と付着灰層ASとの界面の温度(有効温度)Teffを用いて以下の式で表される。なお、R は実験から予め求められる定数を示し、kはボルツマン定数を示し、εは、試料電極45の電極温度Tとガス温度Tとが等しい場合における腐食反応の活性化エネルギーを示す。
Figure 0007379023000009
有効温度Teffは、試料電極45の電極温度T、上記腐食反応の活性化エネルギーε、ガス温度Tが試料電極45の電極温度Tに比べて高い場合における腐食反応の活性化エネルギーεを用いて以下の式で表される。なお、電極温度Tは、例えば試料電極45に熱電対を設けること等により検出可能である。
Figure 0007379023000010
腐食反応の活性化エネルギーεは、分極抵抗の逆数ln(1/R)を温度の逆数1/Tに対してプロットした際の傾きから求められる。付着灰層ASの厚さδashが厚くなるほど腐食反応の活性化エネルギーεは小さくなる。この結果、ε/εは、付着灰層ASの厚さδashの逆数に比例する(付着灰層ASの厚さδashが厚くなるほどε/εが0に近づく)と近似される。
したがって、付着灰層ASの厚さδashに応じて変化する有効温度Teffを用いて分極抵抗Rを算出する、すなわち、付着灰層ASの厚さδashに応じて分極抵抗Rを算出するための有効温度Teffを補正することにより、付着灰層ASの厚さδashを考慮した分極抵抗Rの算出が可能となる。
図3は、付着灰層の厚さを考慮した有効温度の経時変化を、付着灰層の厚さを考慮しない場合と比較して示すグラフである。図3において、グラフTeff_δは、付着灰層ASの厚さδashを考慮した場合の有効温度の経時変化を示すグラフであり、グラフTeff_0は、付着灰層ASの厚さδashを考慮しない場合の有効温度の経時変化を示すグラフである。すなわち、グラフTeff_0は、付着灰層ASの厚さδashを固定値とした場合の有効温度の経時変化を示すグラフである。
図3に示されるように、付着灰層ASの厚さδashを考慮した場合の有効温度Teff_δの経時変化は、付着灰層ASの厚さδashを考慮しない場合の有効温度Teff_0の経時変化に比べて、有効温度の変化量(振幅)が大きくなる。このことから、付着灰層ASの厚さδashを考慮することにより、有効温度Teffのガス温度Tに対する追従性がよくなることが理解できる。したがって、付着灰層ASの厚さδashを考慮することにより、排ガス通路9内の腐食環境の変化を高感度に検出可能となることが分かる。
図4は、本実施の形態における灰除去を行った場合の有効温度のガス温度に対する追従性を示すグラフである。図4のグラフにおいては、一周期(例えば1日)の間に5回灰除去が行われている。
図4に示すように、灰除去は行うが付着灰層ASの厚さδashを考慮しない場合の有効温度Teff_0でも、ガス温度Tに追従して変動する。さらに、付着灰層ASの厚さδashを考慮した場合の有効温度Teff_δは、付着灰層ASの厚さδashを考慮しない場合の有効温度Teff_0に比べて変動幅が大きく、ガス温度Tにより追従する。
したがって、付着灰層ASの厚さδashを考慮した場合の有効温度Teff_δを用いて算出された分極抵抗Rp_δは、付着灰層ASの厚さδashを考慮しない場合の分極抵抗Rp_0に比べてガス温度Tの変動により追従したものとなる。このような結果からも、付着灰層ASの厚さδashを考慮することにより、排ガス通路9内の腐食環境の変化を高感度に検出可能となることが分かる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施の形態において、腐食センサ41が過熱器25の上流側に1つ設けられる例を示したが、腐食センサ41(腐食センサ本体43および電極部44)の取り付け場所およびその数は種々採用可能である。なお、腐食センサ41は、過熱器25のうち腐食が激しい(蒸気温度が高い)過熱器管26群の近傍に設けることが好ましい。
例えば、腐食センサ41は、過熱器25の上流側において排ガス流通方向に交差する方向に2つ以上並べて設けられてもよい。このように複数の腐食センサ41を分散配置することにより、排ガス通路9の複数個所において腐食の程度を検出して、排ガス通路9における腐食速度の分布を取得することができる。また、腐食センサ41は、過熱器25の上流側に1または複数個設けられ、さらに、それより下流側(例えば、過熱器25の排ガス流通方向中間位置)に1または複数個設けられてもよい。また、腐食センサ41は、第2煙道21以外の排ガス通路9(放射室19または第1煙道20)に設けられてもよい。
また、腐食センサ41が複数設けられる場合、灰除去器60(灰除去器本体61)は複数の腐食センサ41に対応して複数の灰除去器60が設けられてもよい。また、1つの灰除去器60に対して複数の腐食センサ41が設けられてもよい。あるいは、1つの腐食センサ41に対して複数の灰除去器60が設けられてもよい。
また、上記実施の形態において、灰除去器60は、圧縮空気を出射するよう構成された例を示したが、これに代えて、腐食センサ本体43から離間した位置に設けられ、電極部44に向けて衝撃波(ショックパルス)を出射するよう構成されてもよい。また、灰除去器60は、腐食センサ本体43に直接または間接的に打撃を加えるハンマリング装置として構成されてもよい。
上記実施の形態において、制御器50は、1つの構成要素として説明したが、制御器50は、一または複数の制御器、電気回路、計測装置等を組み合わせて構成されてもよい。例えば、制御器50は、センサ制御部51として機能するポテンショスタットと、センサ温度制御部52として機能する温度制御装置と、灰除去器制御部53として機能する灰除去器60の制御装置と、灰厚さ算出部54として機能する電気化学計測装置の演算装置または上位のシステムコンピュータと、を含んでもよい。
また、上記実施の形態において、ボイラ4に設置される過熱器25における腐食の程度を検出する態様を例示したが、燃焼排ガスが通過する排ガス通路9内において燃焼排ガスによる腐食が懸念される環境である限り、検出対象は、これに限定されない。
また、上記実施の形態において、制御器50が、電極部44に付着した灰の厚さδashが0より大きい所定のしきい値δth以上となった場合に、灰除去器60を作動させることを説明したが、灰除去器60の作動タイミングはこれに限られない。
例えば、制御器50は、所定のタイミングから所定時間経過した場合にも、灰除去器60を作動させてもよい。例えば、制御器50は、計時を行うタイマ(図示せず)を備えており、所定のタイミングから計時を行う。所定のタイミングは、例えば、腐食検出装置40および/または焼却炉2の稼働開始時、前回の灰除去器60の作動終了時、所定時刻等、種々設定可能である。制御器50はタイマで計測した時間が所定時間に達すると灰除去器60を作動させる。これにより、電極部44に付着した灰の厚さδashが所定のしきい値δth以上になることを予め防止することができる。
これに加えて、または、これに代えて、例えば、制御器50は、排ガス通路9内に配設される配管(過熱器管26)の腐食を抑制する腐食抑制材が排ガス通路9内に導入されたことを検出し、腐食抑制材が排ガス通路9内に導入されたことを検出した場合にも、灰除去器60を作動させてもよい。腐食抑制材の排ガス通路9内への導入は、例えば、腐食抑制材の導入装置(図示せず)からの導入実行信号を制御器50が受信することで検出する。また、これに代えて、腐食抑制材の排ガス通路9内への導入が、例えば、排ガス通路9内に設置された腐食抑制材の主成分を検出するためのセンサの検出信号を制御器50が受信することで検出してもよい。制御器50は、これらの信号を検出した場合に、腐食抑制材が排ガス通路9内に導入されたと判定し、灰除去器60を作動させる。これにより、腐食抑制材が含まれる灰が電極部44および排ガス通路9内の配管(過熱器管26)に付着することを予め抑制することができる。
燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において燃焼排ガスによる腐食環境の検出を適正に行うために有用である。
9 排ガス通路
40 腐食検出装置
41 腐食センサ
43 腐食センサ本体
44 電極部
49 冷却用ブロア
50 制御器
53 灰除去器制御部
54 灰厚さ算出部(灰厚さ計測器)
60 灰除去器
63 入口温度検出部(灰厚さ計測器)
64 出口温度検出部(灰厚さ計測器)
65 流量検出部(灰厚さ計測器)
73 ガス温度検出部(灰厚さ計測器)

Claims (7)

  1. 燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において前記燃焼排ガスによる腐食の程度を検出するための腐食検出装置であって、
    中空の腐食センサ本体と、前記腐食センサ本体の外表面に設けられた電極部と、を備えた腐食センサと、
    前記電極部に付着した前記燃焼排ガスに含まれる灰の厚さを計測する灰厚さ計測器と、
    前記電極部に付着した前記灰を除去する灰除去器と、
    前記灰除去器の動作を制御する制御器と、を備え、
    前記腐食センサは、前記電極部に流れる電流から前記電極部に前記灰が付着することにより生じる溶融塩と前記電極部との界面における分極抵抗を算出するよう構成され、
    前記制御器は、前記電極部に付着した前記灰の厚さが0より大きい所定のしきい値以上となった場合に、前記腐食センサが前記分極抵抗を算出可能な前記灰の厚さの最小値以上が前記電極部に残るように前記灰除去器を作動させる、腐食検出装置。
  2. 燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において前記燃焼排ガスによる腐食の程度を検出するための腐食検出装置であって、
    中空の腐食センサ本体と、前記腐食センサ本体の外表面に設けられた電極部と、を備えた腐食センサと、
    前記電極部に付着した前記燃焼排ガスに含まれる灰の厚さを計測する灰厚さ計測器と、
    前記電極部に付着した前記灰を除去する灰除去器と、
    前記灰除去器の動作を制御する制御器と、を備え、
    前記制御器は、
    前記電極部に付着した前記灰の厚さが0より大きい所定のしきい値以上となった場合に、前記灰除去器を作動させ、
    前記排ガス通路内に配設される配管の腐食を抑制する腐食抑制材が前記排ガス通路内に導入されたことを検出し、前記腐食抑制材が前記排ガス通路内に導入されたことを検出した場合にも、前記灰除去器を作動させる、腐食検出装置。
  3. 前記制御器は、所定のタイミングから所定時間経過した場合にも、前記灰除去器を作動させる、請求項1または2に記載の腐食検出装置。
  4. 前記腐食センサは、前記腐食センサ本体の内部に冷却空気を導入する冷却用ブロアを備え、
    前記灰厚さ計測器は、
    前記腐食センサ本体内部への前記冷却空気の流量を検出する流量検出部と、
    前記腐食センサ本体内部への前記冷却空気の入口温度を検出する入口温度検出部と、
    前記腐食センサ本体内部からの前記冷却空気の出口温度を検出する出口温度検出部と、
    前記電極部近傍における前記排ガス通路内のガス温度を検出するガス温度検出部と、
    前記冷却空気の入口温度、出口温度、および流量と、前記ガス温度とから前記電極部に付着した前記灰の厚さを算出する灰厚さ算出部と、を備えた、請求項1から3の何れかに記載の腐食検出装置。
  5. 前記灰除去器は、前記腐食センサ本体から離間した位置に設けられ、前記電極部に向けて圧縮空気または衝撃波を出射するよう構成される、請求項1から4の何れかに記載の腐食検出装置。
  6. 燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において前記燃焼排ガスによる腐食の程度を検出するための腐食検出方法であって、
    前記排ガス通路内に、中空の腐食センサ本体と、前記腐食センサ本体の外表面に設けられた電極部と、を備えた腐食センサを導入するステップと、
    前記電極部に流れる電流から前記電極部に前記燃焼排ガスに含まれる灰が付着することにより生じる溶融塩と前記電極部との界面における分極抵抗を算出するステップと、
    前記電極部に付着した前記灰の厚さを算出するステップと、
    前記灰の厚さが0より大きい所定のしきい値以上となった場合に、前記分極抵抗を算出可能な前記灰の厚さの最小値以上が前記電極部に残るように前記電極部に付着した前記灰を除去するステップと、を含む、腐食検出方法。
  7. 燃焼排ガスが通過する排ガス通路内において前記燃焼排ガスによる腐食の程度を検出するための腐食検出方法であって、
    前記排ガス通路内に、中空の腐食センサ本体と、前記腐食センサ本体の外表面に設けられた電極部と、を備えた腐食センサを導入するステップと、
    前記電極部に流れる電流から前記電極部に前記燃焼排ガスに含まれる灰が付着することにより生じる溶融塩と前記電極部との界面における分極抵抗を算出するステップと、
    前記電極部に付着した前記灰の厚さを算出するステップと、
    前記灰の厚さが0より大きい所定のしきい値以上となった場合に、前記電極部に付着した前記灰を除去するステップと、
    前記排ガス通路内に配設される配管の腐食を抑制する腐食抑制材が前記排ガス通路内に導入されたことを検出し、前記腐食抑制材が前記排ガス通路内に導入されたことを検出した場合にも、前記電極部に付着した前記灰を除去するステップと、を含む、腐食検出方法。
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