JP2003027920A - 排気ガス処理方法および装置 - Google Patents

排気ガス処理方法および装置

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香津雄 堤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で排気ガスに含まれる固体炭素の
ような微粒子を効率的に処理でき、装置のコンパクト化
を図ることができる排気ガス処理方法と装置を提供す
る。 【解決手段】 エンジンの排気ガスに含まれる微粒子を
捕捉する捕捉粒子5が堆積した捕集体6に、その下方か
ら前記排気ガスを導入して上方に排出して処理する捕捉
粒子としてかさ密度1.5〜4の粒子を用い、前記排気
ガスの圧力と捕集体6にかかる重力とのバランスによっ
て捕集体6を固定層としたり、流動化させて流動層と
し、流動化時に流動層内で微粒子を燃焼させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン、ガソリンエンジン、ガスタービン、ボイラ、または
焼却炉などの燃焼装置から排出される排気ガスに多く含
まれている固体炭素(すす)のような微粒子を効率的に
処理でき、かつ、装置のコンパクト化を図ることができ
る処理方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ディーゼルエンジンでは、負荷
の変動時などに固体炭素からなる1μm以下の微粒子が
多量に発生して、排気ガスとともに大気に排出される。
そこで、従来では、フィルタを用いて微粒子を捕集し、
これを燃焼させて処理している(実公平5ー13934
号公報)。
【0003】しかし、フィルタを用いる捕集手段では、
次のような不都合があった。微粒子はフィルタとの衝突
によって捕集されるため、微粒子はフィルタの排気ガス
の入口側のみで捕集される。このため、フィルタとして
膜状の大きな面積のものが必要となり、しかもフィルタ
は目詰りを起し易い。また、捕集された微粒子は高温で
燃焼されるが、このときフィルタは断熱層を形成してい
るので、フィルタは1000℃程度の高温となる。した
がって、フィルタにはセラミック繊維などの温度に強い
材料が使用されているが、この種のフィルタは耐久性が
低く、しかも高価格のため、ランニングコストが高くな
る。
【0004】さらに、フィルタで捕集した微粒子を燃焼
させる場合、その燃焼方法は通常のバーナー燃焼の場合
と同じく、高温状態で高速燃焼させる必要がある。した
がって、フィルタには加熱した空気を供給しながら捕集
微粒子の燃焼を行う必要があるので、この間は集塵操作
を一旦停止させて、微粒子の集塵は別のフィルタで行う
必要がある。このため、2つ以上のフィルタを用意し
て、これらを切り換えながら運転するバッチ式の操作が
必要となる。
【0005】また、フィルタに捕集した微粒子を高温で
燃焼させる場合、微粒子は炭化して結晶化していく。こ
のため、微粒子を完全に燃焼させようとして温度を上げ
ると、800℃程度からSP2結合(黒鉛化)が進行
し、炭素同士が緻密に結合してグラファイト化する。グ
ラファイト化すると、燃焼速度が遅くなり、完全燃焼に
必要な時間が長くなってしまう。
【0006】そこで、本発明者等は、以上のような各種
の不都合を解決できる遠心流動層方式による排気ガス処
理装置を以前に提案した(WO93−24207号公
報)。この処理装置は、排気ガスの導入管を有する外ケ
ーシングと、これの内部に設けられた円筒形の流動触媒
層反応器とからなり、この反応器は、その内部に排気ガ
スを導入するための多孔状円筒からなる分散板を有する
とともに、この分散板の中心軸線回りで回転可能とさ
れ、内部には粉粒状触媒が装填されており、前記反応器
には、その中心軸線と同軸的に排気ガスの排気管が接続
され、これが前記外ケーシングの外部に突出している。
【0007】上記処理装置は、流動触媒層反応器が回転
され、反応器内の粉粒状触媒が遠心力によって分散板の
内面に張り付くように流動する。一方、排気ガスは、導
入管から外ケーシング内に導入され、ガス圧力によって
分散板を通って反応器の内部に入り、流動状態の触媒と
接触して燃焼処理される。処理により清浄化された排気
ガスは、外ケーシングから排気管を介して外部に排出さ
れる。この処理装置によれば、燃焼時にグラファイト化
が起りにくいので、燃焼速度が速くなって燃焼時間が短
くなり、しかもランニングコストも低くなり、またバッ
チ式とすることなく、連続した処理運転が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上の排気ガ
ス処理装置は、流動触媒層反応器を回転駆動させる必要
があるので、構造が複雑化して高価となる。また、高出
力時だけではなく、低出力時にも常に反応器を回転させ
る必要があるため、エネルギーの無駄が多くなって効率
が悪い。
【0009】そこで、本発明の目的は、従来より、例え
ば燃焼器、集塵器、消音器、反応器などとして用いられ
ている流動層に改良を加えて、簡単な構造で、排気ガス
に含まれる炭素を含んだ固体の微粒子を効率的に処理で
き、かつ、装置のコンパクト化を図ることができる排気
ガスの処理方法と装置を安価に提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る排気ガス処理方法は、エンジンの排気
ガスに含まれる微粒子を捕捉する捕捉粒子が堆積した捕
集体に、その下方から前記排気ガスを導入して上方に排
出することにより排気ガスを処理する処理方法であっ
て、前記捕捉粒子としてかさ密度1.5〜5の粒子を用
い前記排気ガスの圧力と捕集体にかかる重力とのバラン
スによって捕集体を固定層としたり、流動化させて流動
層とし、流動化時に流動層内で前記微粒子を燃焼させ
る。かさ密度が上記の範囲を超える場合は流動化不良と
なり、一方、上記の範囲未満の場合は装置が大きくな
る。
【0011】上記処理方法においてエンジンからの排気
ガスは、捕集体の下方から導入されて、排気ガスに含ま
れる微粒子が捕集体の捕捉粒子により捕捉される。この
状態で、前記排気ガスの圧力と捕集体にかかる重力との
バランスによって捕捉粒子が固定層となったり、流動層
となったりする。つまり前記圧力が前記重力よりも大き
くなったときに捕捉粒子が流動化して、その流動層の全
域で、捕捉粒子に捕捉された微粒子が排気ガス中の残存
酸素との接触により燃焼(酸化)して効率的に処理され
る。すなわち、炭素を含む微粒子(固体炭素)が、燃焼
により二酸化炭素および水となって無害化され、清浄化
された排気ガスが大気に排出される。前記流動層での燃
焼は、微粒子が燃え尽きるまで流動しながら継続される
ので、微粒子の高い除去効率が得られる。
【0012】さらに詳述すると、エンジンの起動時やア
イドリング時など排ガス温度が200℃程度以下の運転
時には、排気ガスの圧力が小さいため、捕捉粒子は流動
化することなく固定層となって微粒子を捕捉する。しか
し、エンジンの回転数が上がって排ガス温度が200℃
程度を超え排気ガスの圧力が高くなると、捕捉粒子が流
動化し、つまり、捕捉粒子が浮遊分散された流動層の状
態となり、排気ガスに対し新たな捕捉粒子が循環しなが
ら順次接触し、排気ガス中の微粒子を効率的に捕捉す
る。また、エンジンの回転数が上がることにより排気ガ
スの温度も上昇するので、前記捕捉粒子に捕捉された微
粒子が流動層の全域において速やかに燃焼される。
【0013】また、流動層は、熱容量が大きくて熱伝達
速度も速いため、流動層が高温に発熱したり急激な温度
上昇を伴うことはない。このため、温度が上がれば燃焼
速度が速くなり、また燃焼速度が速くなれば温度が上昇
するような暴走は発生しない。しかも、従来のフィルタ
で微粒子を捕捉して燃焼させる場合のように、ホットス
ポットの発生は起らず、また微粒子が溶融して固まり流
動化不良を起すということもない。また、以前に提案し
た回転流動層方式による排気ガス処理装置のように反応
器を回転駆動させる必要がないので、構造が簡略化され
て低価格となる。また、分散板を通過するガスの流速分
布を均一化するには、捕集体の下側の風箱入口部の排ガ
ス平均流速を30m /s 以下とし、動圧を小さくするこ
とが好ましい。
【0014】本発明の好ましい実施形態における処理方
法では、前記排気ガスの流動層内空塔速度(流動対象物
(この場合は捕集体)が存在しない場合の速度で、以
下、単に「排気ガスの速度」という。)が、排気ガスに
よる捕集体の流動化に必要な所定値よりも低い場合には
前記微粒子を捕捉粒子に捕捉させ、前記所定値以上の場
合は排気ガスにより捕集体を流動化して、その流動層内
で微粒子を燃焼させる。前記所定値は、例えば0.1m
/s〜0.5m/sの範囲に設定される。これによれ
ば、前記排気ガスの速度が前記所定値よりも低い場合、
捕捉粒子は流動化することなく、捕捉粒子が固定層とな
って排気ガス中の微粒子を捕捉する。排気ガスの速度が
前記所定値よりも大きくなったとき、捕捉粒子は流動化
して、排気ガス中の微粒子を捕捉する。このように流動
層や固定層の捕捉粒子で捕捉された微粒子は流動層にお
いて燃焼処理される。
【0015】ここで、捕捉粒子を流動化させると、これ
を収納するケーシングが摩耗し、また捕捉粒子自身も摩
耗してしまう。しかし、以上のように、前記所定値に基
づき捕捉粒子を固定層としたり流動層とすることによ
り、例えばエンジンの起動時やアイドリング時など排気
ガス中の微粒子の発生量が比較的少ないときには固定層
とし、エンジンの高出力運転時など微粒子の発生量が多
いときのみ流動層として、捕捉粒子が流動化している時
間をできるだけ少なくすることにより、ケーシングおよ
び捕捉粒子の早期摩耗が防止される。なお、前記所定値
は、上記した範囲を越えると流動層による燃焼の利点が
少なくなり、上記した範囲未満であると固定層による磨
耗抑制効果が少なくなる。
【0016】また、本発明の好ましい実施形態における
処理方法は、前記捕捉粒子に脱硝触媒と脱硫剤の少なく
とも一方を担持または混合させて、排気ガス中の窒素酸
化物と硫黄酸化物の少なくとも一方を除去する。脱硝触
媒としては、例えば銅ゼオライトを使用でき、脱硫剤と
しては、例えば硫化鉄、生石灰などを使用できる。これ
によれば、前記捕捉粒子によりエンジンからの排気ガス
に含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物が吸着され、これら
が固定炭素とともに燃焼して処理される。例えば、窒素
酸化物は燃焼により窒素と二酸化炭素となって無害化さ
れ、また硫黄酸化物も固定化されて無害化される。
【0017】本発明に係る排気ガス処理装置は、エンジ
ンの排気ガスに含まれる微粒子を捕捉するための、かさ
密度1.5〜5、望ましくは2〜3の捕捉粒子が堆積し
た捕集体と、前記捕集体の下方に前記排気ガスを導入す
る排気導入路と、この導入された排気ガスを多数の貫通
したノズル孔から捕集体内に噴射する分散板と、前記捕
集体を通過した排気ガスを捕集体の上方から排出する排
気導出路とを備え、前記排気ガスの速度と捕集体にかか
る重力とのバランスによって捕集体を固定層としたり、
流動化させて流動層とし、流動化時の流動層内で微粒子
を燃焼させるように構成される。
【0018】上記構成によれば、上記した本発明の処理
方法を実行する簡略な処理装置が容易に得られる。
【0019】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記排気ガスの速度が、排気ガスによる
捕集体の流動化に必要な所定値よりも低い場合には前記
微粒子を捕捉粒子に捕捉させ、前記所定値以上の場合は
排気ガスにより捕集体を流動化して、その流動層内で微
粒子を燃焼させる。
【0020】また、本発明の好ましい実施形態における
排気ガス処理装置は、前記捕捉粒子をアルミナ、シリ
カ、ゼオライト、ジルコニア、及び焼結金属の少なくと
もいずれかを主成分とする粒子または表面粗度が粗い粒
子で形成する。この粒子または表面粗度の粗い粒子によ
り、微粒子の確実な捕捉効果が得られ、脱硝触媒や脱硫
剤の担持も容易となる。この場合は、表面粗度の粗い粒
子を用いることが好ましい。
【0021】さらに、本発明の好ましい実施形態におけ
る排気ガス処理装置は、前記捕捉粒子の径を200μm
〜1mmとする。この粒径範囲では、捕捉粒子が流動化
し易くなって、流動層から捕捉粒子が飛び出したりする
ことなく、流動層内において捕捉粒子で捕捉された微粒
子が確実に燃焼される。つまり、微粒子を捕捉した捕捉
粒子が流動化された場合、排気ガスが捕捉粒子から微粒
子を剥奪しようとするが、一般的に粉粒体に付与される
気体の抗力は、粒子径が小さくなるほど小さくなるのに
対し、粒子径が小さくなっても捕捉粒子と微粒子の付着
力は、ファンデルワールス力によりそれほど小さくはな
らない。したがって、以上のように、前記捕捉粒子の平
均径を200μm〜1mmとすれば、この捕捉粒子は流
動層から飛び出すことなく滞留して、流動層内で捕捉粒
子で捕捉された微粒子が確実に燃焼される。
【0022】また、本発明の好ましい実施形態における
排気ガス処理装置は、前記捕捉粒子に、排気ガス中の窒
素酸化物を除去する脱硝触媒と、排気ガス中の硫黄酸化
物を除去する脱硫剤の少なくとも一方を担持または混合
させている。
【0023】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記捕集体に排気ガスを導く上流側排気
通路に酸化触媒(脱硝触媒)を充填した箱を設けるか、
または前記分散板の下面及び排気導入路の内面に酸化触
媒(脱硝触媒)を塗布して、排気ガス中のNOをNO2
に変えて、前記流動層内で燃焼促進剤として活用する。
これによれば、流動層内でNO2による微粒子の燃焼が
支配的となって、排気ガス中のO2の支配下で燃焼させ
る場合よりも前記流動層の燃焼温度が下がるので、低温
での燃焼処理が容易となる。また、酸化触媒を流動層の
入口に設けた箱に充填させると、流動層内の捕捉粒子に
酸化触媒を担持させる場合と異なり、酸化触媒の機械的
摩耗を防げる。
【0024】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記流動層を複数の区画に分割する金属
板または金網からなる仕切りを設ける。特に、好ましく
は前記流動層を前記仕切りにより2または3の区画層に
区画する。そして、排気ガス処理装置が傾斜したとき、
流動層の高さが片側端部で低くなり過ぎてガスの吹き抜
けが起こるのを抑制する。これによれば、排気ガス処理
装置を搭載した移動用車両が傾斜地を走行するような場
合で前記処理装置が傾いたとき、その一方側に捕捉粒子
が偏ってしまうのが前記仕切りにより抑制されて、この
仕切り板の間に捕捉粒子が常に滞留するので、流動層の
高さが片側端部で低くなり過ぎることによるガスの吹き
抜けが起こらない。このため、前記排気ガス中の微粒子
が捕捉粒子と接触することなく流動層を吹き抜けるのが
阻止され、微粒子は捕捉粒子に確実に捕捉されて、この
微粒子が効果的に燃焼する。また、仕切りがあると、流
動層が安定して、ガスの吹き抜けが起こりにくくなる。
さらに、仕切りに酸化触媒機能を付与すると、流動層内
での微粒子の酸化反応が促進される。
【0025】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記捕捉粒子の粒子径200μm〜1m
mよりも目の細かい例えば40〜150メッシュ程度の
金網をフィルタとし、これを前記流動層の上方に設置し
て、流動層での気泡の破裂や排気ガス処理装置の揺れの
影響では捕捉粒子の通過を阻止する。これによれば、前
記流動層で気泡(バブル)が破裂したり移動用車両が揺
れることが原因でフィルタに向かって強く飛び出す捕捉
粒子は、フィルタの金網と衝突して、フィルタを通過す
ることなく、流動層へと戻されるので、捕捉粒子の量が
減少せず、流動層内で捕捉粒子に捕捉された微粒子の確
実な燃焼処理が行える。
【0026】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、移動用車両に搭載するとき、排気ガス処
理装置の長手方向を傾斜角度の小さな、進行方向と直角
方向に設定する。これによれば、移動用車両が一般道路
を走行する場合、傾斜地で走行する場合のように、進行
方向(前後方向)に傾斜して連続的に長時間走行する場
合が多いのに対し、これと直角方向(左右方向)に傾斜
して連続的に走行する時間は短いので、排気ガス処理装
置の長手方向を車両の進行方向と直角方向に設定するこ
とにより、この処理装置の長手方向に配設される分散板
の傾き、すなわち分散板の一方側への捕捉粒子の偏りを
少なくして、前記微粒子を効果的に燃焼させることがで
きる。
【0027】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、エンジンの負荷が低く排気ガス温度が低
くて、前記捕捉粒子に捕捉された微粒子が前記流動層で
燃えにくい場合、エンジンの燃焼膨張過程での燃料2次
噴射を促進し、後燃え現象により排気ガスの温度を上げ
るか、またはエンジン出口と排気ガス処理装置の入口と
の間に燃焼器を設けて、間歇的に短時間排気ガスを再燃
焼させることにより、排気ガスの温度を上げて前記捕捉
粒子に付着した微粒子の燃焼を促進させる。つまり、排
気ガス温度が低いときには、前記捕捉粒子に捕捉された
微粒子が前記流動層で燃焼されにくいのに対し、燃料供
給のタイミングをずらすことによって排気ガスの温度を
上げてやるか、前記燃焼器で燃焼させて排気ガスの温度
を上げることにより、前記微粒子を確実に燃焼させるこ
とができる。排気ガス温度をステンレスの耐久性がある
500〜550℃に3〜30分程度、数百時間の運転毎
に昇温してやれば、蓄積された微粒子は燃焼し尽くして
しまう。
【0028】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板が孔径0.3〜1.0mmの
孔を複数個有し、この分散板に40〜150メッシュの
隙間の金網を付設し、分散板からのジェット流を妨げな
いよう設置した多孔板でこれを固定するか、あるいは前
記捕捉粒子の径を前記分散板の孔径よりも大きくする
か、あるいは分散板板厚を孔径の3倍以上にしてブリッ
ヂ効果により落下を防止することにより、前記捕捉粒子
が分散板の孔から落下するのを防止する。これによれ
ば、前記捕捉粒子が分散板から落下することなく、流動
層内に保持されるので、微粒子を前記流動層において確
実に燃焼させることができる。
【0029】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板の下部に設ける排気導入路の
内部に火花を飛ばす装置を設け、この排気導入路内に溜
った微粒子を火移りにより燃焼させる。これによれば、
前記排気導入路内に溜った微粒子の量が減り、排気ガス
の処理が容易に行える。
【0030】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板の上流側に孔径5〜15mm
の孔を複数個設けた多孔板を配置するか、あるいは前記
分散板の下部に設ける排気導入路の内部に多孔板で構成
される円筒または楕円状の管を挿入するか、あるいは拡
大角を片側で3〜15度にしたディフューザを前記排気
導入路に挿入し、前記流動層内における排気ガスの偏流
を抑制する。これによれば、前記多孔板あるいはディフ
ューザにより、その下流側の流動層において排気ガスの
偏流が阻止されて、流動層内に排気ガスが均一に拡散さ
れるので、この排気ガスに含まれる微粒子が前記捕捉粒
子によって効果的に捕捉される。
【0031】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板として平板ではなく円筒形の
散気管を用いる。この散気管を用いれば、前記排気ガス
処理装置のケーシングに対する散気管の溶接部長さが短
くてすみ、あるいは溶接部が不要となり、製作コストが
安くなる。
【0032】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板は、平板状の分散板または円
筒状の散気管からなり、この分散板に分散板と同じ面積
の開口部をもつ平板、または前記散気管に散気管と同じ
面積の開口部をもつ円筒状の板を重ね合せ、この平板と
分散板の一方を移動または散気管と円筒状の板の一方を
回転させることにより、分散板または散気管のノズル開
口部面積を制御する。このようにすれば、負荷変動があ
っても常に分散板の圧力損失を所定値以上に保持し、排
気ガスが通過する分散板の上方において良好な流動状態
を維持できる。
【0033】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板の下部に設ける排気導入路の
内部を複数の区画に分割し、分割された各区画の入口に
切換弁を設置して、エンジンの排気流量の変動に伴い分
割された各区画の使用区画数を変え、排気ガスが流入す
る区画における排気ガスの最大流量と最小流量の比率を
小さくする。あるいは排気ガスを流動層に導入する散気
管複数個を流動層内に設置し、この各散気管の入口に切
換弁を設置して、エンジンの排気流量の変動に伴い使用
散気管数を変え、排気ガスが流入する散気管における排
気ガスの最大流量と最小流量の比率を小さくする。一般
に流動層においては、前記分散板の圧力損失を十分にと
ることにより、前記捕捉粒子である流動媒体の流動層で
の挙動が不安定になっても、前記分散板における各ノズ
ル孔から流動層内に噴出される排気ガス流量の巾が小さ
くなるようにするが、流動層ボイラ、流動層ごみ焼却炉
など流動層の負荷変動幅は通常50%程度であり、最小
負荷時の前記分散板の圧力損失を適正に維持することは
難しくはない。しかし、移動用車両に用いるディーゼル
エンジンの最大負荷と最小負荷における排気ガス量の比
率は、6〜10:1程度と非常に大きくなる。そこで、
前記分散板の下部に設ける排気導入路の内部を複数の区
画に分割するか、あるいは排気ガスを流動層に導入する
散気管複数個を流動層内に設置して、排気ガスが流入す
る区画あるいは散気管において常に排気ガスの流入量が
最大負荷時に対し一定割合以上となるようにすることに
より、排気ガスが流入する区画あるいは散気管における
排気ガスの流量変化範囲を適正化することができて、前
記分散板あるいは散気管の適正な圧力損失を維持して、
良好な流動化状態を保持することができる。
【0034】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板の下部に設ける排気導入路の
内部を1対2から1対1の間の比率で2分割し、分割さ
れた各区画の入口に切換弁を設置して、エンジンの排気
量の変動が1対6から1対4の間の比率の範囲では、分
割された各区画を通過するガス量が常に設計値の1/2
以上となるように設定する。あるいは、排気ガスを流動
層に導入する散気管の2本を流動層内に設置し、この各
散気管の入口に切換弁を設置して、エンジンの排気量の
変動が1対6から1対4の間の比率の範囲では、散気管
におけるガス量が常に設計値の1/2以上となるように
設定する。2つの区画あるいは散気管のうち1つのみに
排気ガスを流入させる場合、ガスが流入されない他方の
区画あるいは散気管では流動化が起こらず固定層となる
が、運用上問題はない。また、前記排気導入路を1対2
から1対1の間の比率で2分割し、または流動層に2本
の散気管を設置する場合、通過する排気ガス量を設計値
の1/2以上にできるエンジンの排気流量の変動幅は、
1対6から1対4の比率となって狭くなるが、切換弁が
1個ですむので弁操作が簡単となる。
【0035】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板の圧力損失を最大負荷におい
て流動層における圧力損失の100〜2000%になる
ように設定する。このようにすれば、大きな負荷変動や
移動用車両の動揺があっても、排気ガスを流動層内に均
一に供給できる。
【0036】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記流動層の上方に直径数mmから数十
mmの孔をあけた管を40〜150メッシュの金網で覆
ったフィルタを設置する。これによれば、排気ガス処理
装置のケーシングに対するフィルタの溶接部長さが短く
てすみ、製作コストが安くなる。
【0037】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、同一垂直面内に直列に流動層を2段また
は3段にわたって設ける。流動層の集塵においては、分
散板のノズル孔から噴出する高速の排気ガスが捕捉粒子
に衝突したときに、排気ガス中の微粒子が慣性集塵によ
り前記捕捉粒子に捕捉され易いので、以上のように流動
層を2段または3段にわたって設けると、慣性集塵が2
度または3度繰り返して行われることとなって、集塵効
率が高くなる。とくに、排ガス中の微粒子(PM)の粒
径が0.1mm以上のものが多い時は、2段又は3段とす
ることが好ましい。
【0038】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記分散板として2枚の多孔板を用い、
これら多孔板をその孔径よりも小さな範囲でずらせて重
ね合わせ、分散板の開口面積、つまり開口方向から見た
1つの孔の断面積を小さくする。このようにすれば、分
散板のノズル孔から排気ガスがシャープなジェット流と
なって噴出されるので、分散板の上方において良好な流
動化状態を保持して効率の良い集塵効果が得られる。
【0039】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、2枚のうち1枚の前記多孔板を移動また
は回転させることにより、前記分散板のノズル開口部面
積を制御する。これによれば、負荷変動があっても常に
分散板の圧力損失を所定値以上に保持し、排気ガスが通
過する分散板の上方において良好な流動状態を維持でき
る。
【0040】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、流動層の界面近傍に1枚または2枚の多
孔板あるいは積層した金網を設ける。このようにすれ
ば、前記捕捉粒子である流動媒体が流動化したとき、こ
の流動媒体が前記多孔板あるいは金網に衝突し、または
前記多孔板あるいは金網を通過するときに互いに衝突し
て、流動化状態が緩慢となり、分散板のノズル孔出口に
は常に流動媒体が充満して微粒子の捕捉効率が高められ
る。また、一旦流動媒体の表面に捕捉された微粒子は、
流動媒体の流動化状態が緩慢なため、再飛散しにくく再
飛散する前に燃焼される。しかも、流動媒体は、流動層
の界面からの飛び出しが少なくなり、流動層の上方に設
けたフィルタでの詰りが少なくなる。つまり、アルミナ
などの微粒子の捕捉粒子として使用される流動媒体の場
合、最も流動化状態が良好で、微粒子の捕捉性能の高い
領域は0.1〜0.2mmの粒径であるが、流動媒体の
粒径が小さいほど流動層からの粒子の飛び出しを防止す
るため、流動層の空塔速度を小さく、すなわち装置を大
きくする必要がある。しかし、以上のように、流動層の
界面近傍に多孔板あるいは金網を設けて、流動媒体の流
動化状態を緩慢とする場合、装置を小さくし、また流動
媒体の粒径を例えば0.2mm程度としても、微粒子の
捕捉性能を高くできる。なお、多孔板を用いる場合は、
これの圧力損失をできるだけ小さくするため、開口率の
大きいものを使用する。
【0041】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、排気ガス処理装置の出口側に排気ガス中
の窒素酸化物を除去する脱硝触媒を組み込んだ反応器を
設ける。このようにすれば、装置と運転費用を共に低コ
ストとしながら、脱塵効果と脱硝効果が得られる。つま
り、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化
物を除去する脱硝触媒は、通常触媒としての活性が得ら
れる温度が200℃以上であり、それ以下の温度域で使
用すると、排気ガス中の煤塵が触媒表面に付着して触媒
活性を失い、燃焼しなくなって閉塞する。従って、排気
ガス温度はエンジンを調整して常に200℃以上に保持
する必要があるので、燃料消費量が増大する。しかし、
以上のように、排気ガス処理装置の出口側に脱硝触媒を
組み込んだ反応器を設けると、前記排気ガス処理装置は
低負荷時に特に煤塵除去率が高いので、排気ガス温度を
200℃以上に上げなくても、つまり余分な燃料をエン
ジンに供給しなくても触媒の閉塞は起こらない。また、
前記脱硝触媒としては白金などの高価なものが使用され
るので、この脱硝触媒だけで脱塵と脱硝を同時に高効率
で行おうとする場合、必要な触媒量が多くなって高価と
なる。これに対し、以上のように排気ガス処理装置を通
過させた後に脱硝触媒で排気ガス中の窒素酸化物を除去
する場合は、脱塵及び脱硝能が共に80%以上の処理装
置が小型としながら低価格で得られ、また運転コストも
低廉となる。
【0042】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、流動層の上方に前記捕捉粒子を捕獲する
フィルタを設置し、流動層の静止層高さを前記分散板か
ら前記フィルタまでの50%以上とし、流動媒体によっ
てフィルタを叩かせるようにしている。このようにすれ
ば、エンジン負荷が低く、付着性の強い煤塵がたとえフ
ィルタ部に付着しても、流動媒体により叩き落されて、
フィルタが閉塞するのが防止される。
【0043】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、流動層内、特に流動層上部に長さ、直径
が数mmから数十mmの円筒状で両端が開いた金網を多
数、固定しない状態で混入させる。このようにすれば、
金網の中に入り込んだ粒子群が一時的に大粒径の挙動を
し、流動層界面での流動層の動きが制限されて、飛散の
少ないおだやかな流動層となり、除塵効率が向上する。
【0044】本発明の好ましい実施形態における排気ガ
ス処理装置は、前記流動層の上方に40〜150メッシ
ュの金網製の一次フィルタと酸化触媒の機能を持った4
0〜150メッシュよりも目の粗い金網を積層させた二
次フィルタを設置する。このようにすれば流動層を飛び
出した小粒径の煤塵が金網製の一次フィルタを通りぬけ
たあと、酸化触媒の機能を持った二次フィルタで捕捉さ
れ、酸化されることにより除塵効率が向上する。酸化触
媒としては、例えばニッケルが使用される。
【0045】また、本発明の排気ガス処理装置では、ア
イドリング等排ガス温度が200℃程度以下の運転では
固定層となり、200℃程度を超えると流動層となるよ
うに、分散板の表面積、捕捉粒子(流動媒体)の粒径及
びかさ密度が設定されている。
【0046】また、本発明の装置は、分散導入体の孔径
は0.3mm〜1.0mmで、排気導入路への入口ダクトは
動圧の影響が少なくなるようにするため、拡大角度が片
側で3〜15度程度のディフューザとし、風箱入口部の
平均流速が30m /s 以下となるように構成されてい
る。また、分散導入体の圧力損失が流動化開始速度で流
動層部の圧力損失の10〜15%以上であるように構成
されている。
【0047】また、本発明の装置において、分散板の設
置位置の側面を垂直に形成することが好ましい。分散板
の端部においても、できるだけ孔のあいていない部分が
存在しないようにする。また燃焼時の流動層の最高温度
は550℃前後であるので、分散板をステンレススチー
ルで形成することができる。
【0048】また、本発明の装置において、分散板の上
側、及び流動層の上方の多孔板の下側又は多孔管の上側
に目開き280ミクロン程度の金網を設けた構成とした
り、または、流動層上方の多孔板又は多孔管の代りに、
ニッケルの多重金網を設け、飛散した未燃分の捕捉、酸
化を行うようにした構成とする場合もある。
【0049】また、本発明の装置において、捕捉粒子と
して、酸化触媒としての機能を持つステンレススチール
からなる焼結金属の粒子を用いたり、または、捕捉粒子
として、表面に銅等の酸化触媒としての機能を持つ材料
を塗装してなる粒子を用いたりすることがある。
【0050】捕捉粒子(流動媒体)としては、粒子のか
さ密度に応じて粒径0.3〜0.7mm(平均0.5m
m)、あるいは粒径0.3〜0.5mm(平均0.4mm)
のものが用いられる。0.7mmを超えると流動化不良と
なり、0.3mm未満であると装置が大きくなる。また、
捕捉粒子としては表面粗度の粗い粒子がよい。これは、
流動化し易くなり、微粒子の捕捉率が上がり、再飛散し
難くなるからである。表面粗度が粗い粒子であれば、や
わらかく摩耗に弱い銅のような酸化触媒を塗装しても損
耗が少ない。
【0051】捕捉粒子として焼結金属を用いる場合は、
例えば、100ミクロン以下の金属粉末とポリビニルア
ルコールのようなバインダーとを混ぜてハイスピードミ
キサーで造粒し、篩った後、1100〜1200℃程度
で酸素のない雰囲気下で焼結した粒子を用いる。また、
流動層は消音効果があるので、マフラーは不要である。
流動層で2〜5デシベル下がるので、騒音規制強化にも
対応できる。
【0052】本発明の装置において、運転時間数百時間
おきにエンジンの燃料噴射のタイミングをずらすか、あ
るいはディフューザ部に補助バーナを設け、ガス温度を
3分から30分程度500〜550℃にすることが好ま
しい。
【0053】なお、400℃以上となる運転時間が半分
程度以上ある場合は、前記の間歇的な排ガス温度の上昇
操作は不要となる。
【0054】本発明の排気ガス処理装置の圧力損失は、
既存のマフラー+500mmAQ以下とすることが好まし
い。また、本発明の排気ガス処理装置は、2サイクルデ
ィーゼル排ガスの炭化水素(HC)及びCO低減用にも
使用することができる。
【0055】本発明の排気ガス処理装置においては、約
10度の傾斜時に最も流動層の浅いところで約30mmを
確保するためには、流動層の一辺の長さが1mのとき層
高は約120mm以上とし、それ以上になるときは流動層
部を分割するようにすることが好ましい。また、振動を
加えると、流動化状態はむしろ良好になる。
【0056】本発明の装置のメンテナンスにおいては、
1年に一回流動媒体を取り替える。平均粒径が小さくな
り、量が減るため掃除機で吸引し、側面上部の穴から一
定量供給するようにする。また、排気ガス処理装置と別
個に排ガス温度が60〜200℃程度の低温部にアイア
ンカーバイドを全部あるいは一部用いた固定層又は流動
層からなる排ガス処理器を設けた構成とする場合もあ
る。すなわち、流動媒体、装置内に設置した触媒の触媒
効果により80%程度あるいは別途60〜200℃程度
の低温部に設置したアイアンカーバイドを全部あるいは
一部用いた固定層あるいは流動層の中をとおすことによ
り90%以上の脱硝を行う。また同時にこのアイアンカ
ーバイドの固定層あるいは流動層の中をとおすことによ
り90%以上の脱硫を行う。
【0057】例えば10トントラックのマフラーは約3
50mm、2トントラックのマフラーは230mm、これに
合うよう出入り口ダクト部の高さを各約4cmとし、流動
層およびその空塔部高さは10トントラックで約270
mm、流動層高は約100mm以下、2トントラックで約1
50mm/60mm以下とする。また、エンジン容量100
0cc当たり0.08m2程度とし、断面積が約0.25m2
以下(1辺の長さが500mm以下)のときはできるだけ
幅と長さを同じ程度にすることが好ましい。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明
の排気ガス処理装置1をディーゼルエンジンEに取り付
けた例を示す第1実施形態の側面図である。排気ガス処
理装置1はディーゼルエンジンEに排気管10を介して
接続されている。この排気ガス処理装置1の長手方向
は、ディーゼルエンジンEが搭載された車両の進行方向
Xに対し直交する方向Yに設定されている。
【0059】図2は、排気ガス処理装置1の全体構造を
示す縦断面図である。この処理装置1は、円筒形の本体
21と、これの長さ方向両端に設けられた端板22から
なるケーシング2を備え、これの内部の下部側には、本
体21の内面21aとの間に、分散板として、所定間隔
をおいて多数の貫通したノズル孔31を有する平坦な分
散板3が、上部側には前記内面21aとの間に所定間隔
をおいて平坦なフィルタ4が、分散板3と平行に配置さ
れている。前記ケーシング2の内部で分散板3とフィル
タ4で囲まれる空間には、前記エンジンEからの排気ガ
スGに含まれる炭素を含んだ微粒子(固体炭素)を捕捉
するための、かさ密度1.5〜4、望ましくは2〜3の
多数の捕捉粒子5からなる捕集体6が収納されている。
【0060】前記分散板3のノズル孔31の孔径は、捕
捉粒子5よりも小さくても大きくてもよいが、ここで
は、0.3〜1mm程度に設定されており、これらノズ
ル孔31が2〜10mm程度のピッチ間隔で形成されて
いる。ノズル孔径が捕捉粒子5の外径より大きいとき
は、捕捉粒子5がノズル孔31から落下しないように、
図2の仮想線で示すように、前記分散板3の下面に沿っ
て、または上面に沿って、40〜150メッシュ(孔径
100〜400μm程度)の隙間を有する金網32を設
ける。これにより、前記捕捉粒子5を分散板3の上方に
常に滞留させる。前記分散板3は、平坦な板のほか、横
断面円弧形や三角形など種々の公知の形状とすることが
できる。また、分散導入体として、分散板3に代えて、
後述する円筒形の散気管を用いてもよい(図14参
照)。この散気管を用いる場合は、分散板3の前記ケー
シング2に対する溶接部長さが短くてすみ、あるいは溶
接部が不要となり、熱応力の問題がなくなり、製作コス
トも安くなる。
【0061】前記捕捉粒子5は、好ましくはアルミナ、
シリカ、ゼオライト、ジルコニア、またはステンレスな
どの金属粉を焼結した多孔質粒子または表面粗度の粗い
粒子で形成され、その粒径は200μm〜1mmとす
る。この多孔質粒子または表面粗度の粗い粒子からなる
捕捉粒子5は、排気ガスG中の窒素酸化物を除去する銅
ゼオライトなどの脱硝触媒や、排気ガスG中の硫黄酸化
物を除去する硫化鉄または生石灰などの脱硫剤を担持さ
せ易い。これらの触媒等を前記捕捉粒子5に担持させる
ことにより、排気ガスGの脱硝能や脱硫能が得られる。
また、以上の粒径範囲とすれば、捕捉粒子5が流動化し
易くなって、流動層F(図4)から捕捉粒子5が飛び出
すのが抑制され、流動層F内において捕捉粒子5で捕捉
された微粒子が確実に燃焼される。一般に、大きな粒子
に微粒子が付着して流動化している流動層Fは粉粒流動
層と呼ばれ、特性が報告されており、1μm以下の微粒
子は殆ど飛び出さずに流動層F内に滞留することが知ら
れている。
【0062】また、前記フィルタ4としては、前記捕捉
粒子5の粒子径200μm〜1mmよりも目の細かい4
0〜150メッシュ(100〜400μm程度の目開き
に相当)を有する金網を用いて、前記流動層Fの上方、
つまり捕捉体6の下流側(ガス出口側)に設置する。そ
して、前記流動層Fを経た気体は通過させ、流動層F内
で気泡が破裂したり移動用車両が揺れることが原因で前
記フィルタ4に向かって直線的な軌道で高速で飛び出す
捕捉粒子5は、前記金網の網目に当てることにより、フ
ィルタ4を通過させることなく、前記流動層Fへ戻し
て、捕捉粒子5に捕捉された微粒子を効果的に燃焼させ
る。前記フィルタ4としては、捕捉粒子5の平均粒径よ
りも小さな貫通孔を多数有する多孔板を用いてもよい。
また、前記フィルタ4としては、直径数mmから数十m
mの孔をあけた管を40〜150メッシュの金網で覆っ
たものを用いてもよい(図16参照)。これによれば、
前記フィルタ4のケーシング2に対する溶接部長さが短
くてすみ、あるいは溶接部が不要となり、熱応力の問題
がなくなり、製作コストも安くなる。
【0063】また、前記ケーシング2の内方下部側で本
体21の内面21aと分散板3の間には、ケーシング2
の前方(図2の左側)から前記捕集体6の下方に排気ガ
スGを導入する排気導入路7が形成され、ケーシング2
の内方上部側でケーシング内面21aとフィルタ4の間
には、前記捕集体6を通過した排気ガスGを上方から後
方(図2の右側)へ排出する排気導出路8が形成されて
いる。このとき、前記ケーシング2の分散板3の下部側
に箱を設けて、これの内部を前記排気導入路7とするこ
ともできる。
【0064】また、前記排気導入路7には、図2に示す
ように、この排気導入路7に溜った微粒子に火花を飛ば
す装置として点火プラグ41を設けている。この点火プ
ラグ41を設ければ、前記排気導入路7内面にたまった
微粒子を燃焼させることができる。
【0065】図3に示すように、この処理装置1は、デ
ィーゼルエンジンの一般的な消音器と同様に、そのケー
シング2の全体が円筒形状に形成されていて、消音器と
取り替えて装着できるようになっている。前記ケーシン
グ2は、円筒形以外にも偏平な楕円形や角型とすること
もできる。
【0066】図2に示すケーシング1の一方の端板22
には、その下部側に前記排気導入路7に連通する排気ガ
スGの導入口23が形成され、この導入口23の外部側
には前記排気管10を連結するための連結フランジ24
が取り付けられ、図3に示す端板22の中央部には前記
捕捉粒子5の充填および保守・点検を行うための充填孔
25が形成されて、この充填孔25には、これを閉鎖す
る蓋体26を装着するためのフランジ27が取り付けら
れている。また、図2に示す他方側の端板22には、そ
の上部に前記排気導出路8に連通する排気ガスGの導出
口28が形成され、この導出口28の外部側には排出パ
イプ29(図1)を連結する連結具30が取り付けられ
ている。
【0067】前記捕集体6は、その重力と排気ガスGの
圧力とのバランスによって固定状態であったり、または
流動化したりする。つまり排気ガスGの速度が、排気ガ
スGによる捕集体6の流動化に必要な所定値よりも低い
場合、図2のように捕集体6は、前記分散板3上に捕捉
粒子5が堆積した状態の固定層Sとなる。また、排気ガ
スGの速度が前記所定値以上になった場合には、排気ガ
スGの速度により捕集体6を流動化させて、図4のよう
に捕捉粒子5がケーシング2の内部に浮遊分散された状
態の流動層Fとなる。このとき前記所定値は、0.1〜
0.5m/sの範囲に設定される。また、図2に示す分
散板3からフィルタ4までの高さ、詳しくは分散板3の
ノズル出口(分散板上面)からフィルタ4までの高さを
Hとした場合、前記固定層Sの高さ,つまり流動層Fの
静止高さは1/2H程度とし、前記流動層Fは、図4に
示すように3/4H程度に設定される。
【0068】次に、以上の処理装置1を用いた排気ガス
の処理方法について説明する。図5は、排気ガスGに含
まれる固体炭素の微粒子gを除去処理する場合の模式図
を示している。この微粒子gは、1μm以下の粒径のも
のが多い。図1のディーゼルエンジンEから排出された
排気ガスGは、排気管10から、図2の先ずケーシング
2の排気導入路7に送られ、これより分散板3のノズル
孔31から内部の捕捉粒子5に向かって噴射される。こ
のとき、排気ガスGが保有している速度エネルギーの一
部がノズル孔31によって運動エネルギーに変換され、
ノズル孔31から排気ガスGは捕捉粒子5に向かって2
0〜250m・ s-1程度の速度で噴射される。また分散
板3は、排気ガスGを内部に均一に供給するために、通
常流動層部での圧力損失に対して分散板3で約10〜2
0%の圧力損失を取るようにしているが、本発明の装置
では、流動層Fの高さが数十mm程度と低く、負荷変動
が激しくて流動層Fが安定しにくいので、前記分散板3
で約100〜2000%の圧力損失を取るようにしてい
る。このようにすれば、圧力損失により排気ガスGが加
速されて、捕捉粒子5に向かって均一な速度で噴射され
る。よって、大きな負荷変動や移動用車両の動揺があっ
ても、排気ガスを流動層F内に均一に供給できる。
【0069】エンジンEの起動時やアイドリング時など
排気ガスGの発生量が少なく、排気ガスGの微粒子gの
発生量も少ないとき、前記捕捉粒子5は、その重力の方
が排気ガスGの圧力に基づく捕捉粒子5の押上げ力より
も大きくなって、図2のように分散板3上に堆積した固
定層Sとなり、図5のノズル孔31から噴射された排気
ガスG中の微粒子gは、分散板3上の各捕捉粒子5に衝
突して捕捉される。このとき、捕捉粒子5が付着性の高
いものや多孔質または表面粗度が粗い粒子であれば、微
粒子gをより確実に捕捉できる。
【0070】エンジンEの回転数が上がって排気ガスG
の圧力が高くなると、この圧力により捕集体6の捕捉粒
子5は図4のように流動化し、つまり捕捉粒子5が浮遊
分散された状態となって、ノズル孔31の近くに新たな
捕捉粒子5が循環されながら順次供給され、排気ガスG
中の微粒子gが効率的に捕捉される。また、エンジンE
の回転数が上がり、かつ高負荷になると、排気ガスGの
温度も上昇するので、前記固定層Sや流動層Fの状態で
捕捉粒子5に捕捉された微粒子gが、流動層Fの全域に
おいて排気ガスG中の残存酸素により速やかに燃焼され
る。この燃焼により微粒子gが除去された捕捉粒子5
は、流動化により再びノズル孔31に至って新たな微粒
子gの捕捉に寄与する。このとき、流動層Fの温度が2
40℃〜450℃付近の範囲では、排気ガスGに含まれ
たNO2による微粒子gの燃焼が支配的であり、450
℃付近以上では、排気ガスGに含まれた酸素O2による
微粒子gの燃焼が支配的となる。
【0071】以上のように、捕捉粒子5を固定層Sとし
たり流動層Fとして、捕捉粒子5が流動化している時間
をできるだけ少なくすることにより、捕捉粒子5とケー
シング2との接触によるケーシング2の磨耗、および捕
捉粒子5同士の接触による捕捉粒子5の摩耗が抑制され
る。
【0072】また、排気ガスGは振動音を有している
が、この振動音は排気ガスGの圧力振動により流動層F
内の捕捉粒子5に運動量を与えることで消音される。つ
まり、運動エネルギーを受け取った捕捉粒子5は、流動
層F内を移動するとき振動が減衰されて熱に変換され
る。これにより排気ガスGの騒音は、流動層F内で熱と
なって消音される。
【0073】こうして微粒子gが除去された洗浄な排気
ガスGは、捕集体6の流動層Fから離れて、フィルタ4
と排気導出路8を通って排出パイプ29から外部に排出
される。
【0074】また、前記排気ガス処理装置1の長手方向
が車両の進行方向Xに対し直角方向Yに設定されてお
り、移動車両が一般道路を走行する場合、この直角方向
Y(左右方向)に傾斜して連続的に走行する場合は少な
いので、処理装置1の長手方向に沿った前記分散板3の
傾き、すなわち分散板3の一方側への捕捉粒子5の偏り
が防止される。その結果、捕捉粒子5に前記微粒子gが
確実に捕捉されて、この微粒子gをより効果的に燃焼さ
せることができる。
【0075】図6の第2実施形態では、捕捉体6に排気
ガスGを導く上流側排気通路、この例では前記エンジン
Eの排気管10(流動層Fの入口)に、酸化触媒(脱硝
触媒)が充填された箱9を取り付けて、その酸化触媒で
排気ガス中のNOをNO2に変えて燃焼促進剤として活
用し、このNO2の存在下で微粒子gの燃焼を行うよう
にしている。このようにNO2の存在下で燃焼を行え
ば、前述のとおり、排気ガスG中の酸素O2の支配下で
燃焼する場合よりも前記流動層Fの燃焼が促進されるの
で、前記微粒子gの低温による燃焼処理が可能となる。
また、以上のように前記流動層Fの入口に設けた箱9に
酸化触媒を充填させれば、流動する捕捉粒子に酸化触媒
を担持させる場合と異なり、酸化触媒の機械的摩耗を防
ぐことができる。以上の低温による燃焼処理を行うため
には、前記分散板3の下面に前記酸化触媒を塗布しても
よい。
【0076】図7の第3実施形態では、前記流動層Fの
内部で分散板3とフィルタ4の間に、流動層Fを円筒形
のケーシング2の長手方向Aのような一定方向に沿って
複数の区画層F1〜F4に区画するために、上下方向に
延びる複数の仕切り11を、長手方向Aに沿って等間隔
に取り付けている。この仕切り11としては、金属板ま
たは金網が好適に用いられる。このようにすれば、前記
長手方向Aを車両の前後方向に合致させることで、移動
用車両が傾斜地を走行するような場合に、二点鎖線で示
すように排気ガス処理装置1が長手方向Aに傾いたと
き、その長手方向一方側に捕捉粒子5が偏在して、流動
層Fの高さが他方側で低くなり過ぎるのが、前記仕切り
11によって阻止され、この仕切り板11の間に捕捉粒
子5が常に滞留する。このため、排気ガスG中の微粒子
gが捕捉粒子5と局部的に接触することなく流動層Fを
吹き抜けるのが阻止され、微粒子gは捕捉粒子5に確実
に捕捉されて、この微粒子gが効果的に燃焼する。な
お、仕切り11の長さを短くし、仕切り11を分散板3
に取り付け、仕切り11の上端とフィルタ4との間に隙
間を設けてもよい。
【0077】このとき、特に好適には、図8の実施形態
で示すように、前記流動層Fの内部を前記仕切り11に
より2つの区画層F1,F2に区画する。また、前記流
動層Fは、図示しないが、仕切り11により3つの区画
層に区画してもよい。
【0078】図9の第4実施形態では、前記エンジンE
の負荷が所定時間にわたって低く、排気ガスGの温度が
低いとき、これを検出して、エンジンEの燃焼膨張過程
での燃料2次噴射を促進し、後燃え現象により、排気ガ
スGの温度を上げて捕捉粒子5に付着した微粒子gを燃
やすようにしている。具体的には、前記エンジンEを制
御するコントローラ12にエンジンEの回転数を入力
し、この回転数が一定値以下の状態を継続した時間をコ
ントローラ12内のタイマにより検出し、この継続時間
が所定時間に達したとき、前記コントローラ12からの
出力で燃料弁13を制御してエンジンEの燃焼膨張過程
での燃料2次噴射を一定時間促進させる。ここで、前記
エンジンEの負荷は、急激な加減速時や坂道での走行時
を除いて、通常の定速走行時には、言いかえれば長い時
間スパンで見たときには、エンジンEの回転数と比例す
るので、この回転数を検出することによってエンジンE
の負荷を容易に検出できる。エンジンEの回転数は、車
両に通常備わっているエンジン回転計から変換器を介し
て検出する。
【0079】以上のようにすれば、排気ガスGの温度が
低いときは、捕捉粒子に捕捉された微粒子が流動層Fで
燃焼されにくいのに対し、エンジンEの燃焼膨張過程で
の燃料2次噴射を促進させて排気ガスGの温度を上げる
ことにより、前記微粒子の燃焼を促進させることができ
る。また、このように燃焼供給量を増大させるのに代え
て、図9に二点鎖線で示すように、前記エンジンEと排
気ガス処理装置1との間に別の燃焼器14を設けて、前
記エンジンEの低負荷時に排気ガスGを燃焼させて排気
ガスGの温度を上げるようにしてもよい。つまり、前記
流動層F内では前記微粒子が捕捉粒子5の表面に薄く分
散して付着し、粒子間の衝突により境膜が形成されるこ
となく、低温下での燃焼が起こる。例えば500℃に5
〜10分間維持すれば、捕捉粒子5の表面に付着した厚
み1μの微粒子は燃焼してしまう。
【0080】図10の第5実施形態では、前記排気ガス
処理装置1を分散板3の断面積が異なる1A,2Aの2
つに分割し、各処理装置1A,2Aの入口側に三方切換
弁15を取り付けて、前記エンジンEの排気流量の変動
に伴い使用する処理装置を変え、処理装置1A,2Aに
流入する最大流量と最小流量の比率を小さくするように
している。具体的には、排気流量に比例するエンジン回
転数を検出し、エンジン回転数が一定値未満のとき一方
の排気ガス処理装置1Aのみに排気ガスGを供給し、一
定値以上のときには、分散板3の断面積が1Aよりも広
い処理装置2Aに切り換えて使用し、さらに排気ガス量
が増大したときには、両方の排気ガス処理装置1A,2
Aに排気ガスGを供給する。つまり、排気流量の増大に
応じて処理装置1A,2Aの使用個数を増やす。これに
より、各排気ガス処理装置1A,2Aに流入する排気ガ
スGの分散板3の断面積当りの流量変化範囲が小さくな
って適正化されるので、微粒子の燃焼を効果的に行うこ
とができる。排気ガス処理装置は3つ以上設けてもよ
い。
【0081】図11の第6実施形態では、排気ガス処理
装置1の流動層F内における排気ガスGの偏流を阻止す
るために、分散板3の上流側の排気導入路7内に孔径5
〜15mmの孔を多数設けた円筒または楕円状の管16
を挿入している。すなわち、前記処理装置1のケーシン
グ2の下部中央に排気ガスGの排気管10が接続される
導入口23を設けて、この導入口23から排気導入路7
内に前記管16を挿入させている。このようにすれば、
前記管16により排気ガスGの偏流が阻止されて、前記
流動層Fには排気ガスGが均一に拡散されるので、この
排気ガスGに含まれる微粒子が前記捕捉粒子5に確実に
捕捉される。このとき、前記管16に変えて、孔径5〜
15mmの孔を多数設けた多孔板を前記排気導入路7に
配置してもよい。
【0082】図12の第7実施形態では、前記分散板3
に、そのノズル孔31と同じ面積の開口孔33を有する
平板34を重ね合せ、この平板34と分散板3の一方を
平行移動させることにより、分散板3のノズル孔31の
開口面積、つまり分散板3の表裏面に直交する開口方向
から見た1つの孔の断面積を制御するようにしている。
このようにすれば、負荷変動があっても常に分散板3の
圧力損失を所定値以上に保持し、排気ガスGが通過する
分散板3の上方において良好な流動状態を維持できる。
また、分散導入体として、前記分散板3に代えて、後述
する図14に示すような散気管35を用いることもでき
るが、この場合は円筒状の板を用い、この円筒状の板を
前記散気管35の周囲で回転させることにより、散気管
35の開口面積を制御するようにする。
【0083】図13の第8実施形態では、前記分散板3
の下部に設ける排気導入路7の内部を仕切り板51によ
り1対1の比率で2つの区画7A,7Bに分割し、この
分割された区画7A,7Bの入口側に切換弁71を設け
て、エンジンの排気量の変動が1対4の比率では、分割
された各区画7A,7Bを通過するガス量が常に設計値
の1/2以上となるように設定している。前記区画7
A,7Bは、1対2の比率で分割し、エンジンの排気量
の変動が1対6の範囲では、前記区画7A,7Bを通過
するガス量が常に設計値の1/2以上となるように設定
してもよい。
【0084】そして、以上のように前記分散板3の下部
に設ける排気導入路7の内部を2つの区画7A,7Bに
分割し、エンジンの排気流量の変動に伴い分割された各
区画7A,7Bの使用域を前記切換弁71で変えること
により、排気ガスが流入する区画7A,7Bにおける排
気ガスの最大流量と最小流量の比率を小さくする。つま
り、一般に前記流動層Fにおいては、前記分散板3の圧
力損失を十分にとることにより、前記捕捉粒子5である
流動媒体の流動層Fでの挙動が不安定になっても、前記
分散板3における各ノズル孔31からの排気ガス流量の
変動量が小さくなるようにするが、通常の流動層装置の
負荷変動幅は通常最小負荷で最大負荷の60%程度であ
り、最小負荷時の前記分散板3の圧力損失を適正に維持
することは難しくはない。しかしながら、移動用車両に
用いるディーゼルエンジンの最大負荷と最小負荷におけ
る排気ガス量の比率は、6〜10:1程度と非常に大き
くなる。そこで、前記分散板3の下部に設ける排気導入
路7の内部を2つの区画7A,7Bに分割して、排気ガ
スが流入する区画7A,7Bにおいて常に排気ガスの流
入量が最大負荷時に対し一定割合以上となるようにする
ことにより、排気ガスが流入する区画7A,7Bにおけ
る排気ガスの流量変化範囲を適正化することができて、
前記分散板3の適正な圧力損失を維持して、良好な流動
化状態を保持することができる。
【0085】また、図示しないが、前記排気導入路7の
内部は、1対2対6から1対1対1の間の比率で3分割
し、分割された各区画の入口に切換弁を設置して、エン
ジンの排気量の変動が1対18から1対6の間の比率の
範囲では、分割された各区画において通過するガス量が
常に設計値の1/2〜3/5以上となるように設定して
もよい。さらに、前記排気導入路7の内部は、1対2対
6対12から1対1対1対1の間の比率で4分割し、分
割された各区画の入口に切換弁を設置して、エンジンの
排気量の変動が1対42から1対8の間の比率の範囲で
は、分割された各区画において通過するガス量が常に設
計値の1/2〜3/5以上となるように設定してもよ
い。
【0086】図14および図15の第9実施形態では、
分散導入体として、前記分散板3に代えて、排気ガスG
を流動層Fに導入する周面に多数の開口孔(ノズル孔)
35aが形成された散気管35を用いている。この散気
管35の複数、例えば2本をケーシング2の側壁から対
面まで水平方向に流動層F内の下部を貫通するように取
り付け、この散気管35の2本の内の一本の入口側に弁
36を設けて、エンジンの排気流量の変動に伴い開閉さ
せてやることにより、排気ガスが流入する散気管35に
おける排気ガスの最大流量と最小流量の比率を小さくし
ている。この場合も、排気ガスが流入する各散気管35
における排気ガスの流量変化範囲を適正化することがで
き、各散気管35の適正な圧力損失を維持して良好な流
動化状態を保持することができる。このとき、図13に
示した排気導入路7の内部を仕切り板51で3または4
つに区画する場合のように、前記散気管35の3または
4本をケーシング2の側壁から対面まで水平方向に流動
層F内を貫通するように取り付けてもよい。また、前記
散気管の各入口あるいは管群毎に入口弁を設けてもよ
い。さらに、入口弁36を割愛してもよいし、散気管3
5は1本でもよい。
【0087】図16の第10実施形態では、前記フィル
タ4として、直径数mmから数十mmの孔40が開設さ
れた管53と、これの周囲を覆う40〜150メッシュ
の金網42とからなるフィルタ4を用い、このフィルタ
4を前記流動層Fの上方に排気導出路8としてケーシン
グ2の側壁から対面まで水平方向に流動層の上方空間を
貫通するように取り付けている。このようにすれば、排
気ガス処理装置1のケーシング2に対する前記フィルタ
4の溶接部長さが短くてすみ、あるいは溶接部が無くて
すみ、熱応力の問題が無くなり、製作コストが安くな
る。
【0088】図17の第11実施形態では、前記分散板
3(または散気管)の上方の同一垂直面内(つまり真
上)に別の分散板3(または散気管)を配置し、分散板
3上(または散気管の周り)に流動層F5を設け,この
上方の同一垂直面内に設けられた別の分散板3により流
動層F6を設けている。また、同一垂直面内の更に上方
に分散板3をもう一枚配置し、同一垂直面内に3つの流
動層を設けてもよい。このようにすれば、分散板3のノ
ズル孔31から噴出する高速の排気ガスGが捕捉粒子5
に衝突したときに、排気ガスG中の微粒子gが慣性集塵
により前記捕捉粒子5に捕捉され易いので、流動層を2
段または3段設けると、慣性集塵が2度または3度繰り
返して行われることとなって、集塵効率が高くなる。
【0089】図18の第12実施形態では、前記分散板
3として、パンチ加工で製造できる0.5〜1mm程度
の孔をあけた2枚の多孔板37,38を使用し、これら
多孔板37,38を、その孔37a,38aの径よりも
小さな範囲でづらして重ね合わせることにより、分散板
3のノズル孔31の断面積を小さくすることができるよ
うに構成している。このようにすれば、分散板3のノズ
ル孔31から排気ガスGがシャープなジェット流となっ
て噴出されるので、分散板3の上方において良好な流動
化状態を保持して効率の良い集塵効果が得られる。
【0090】図19の第13実施形態では、前記流動層
Fの界面近傍に1枚または2枚の多孔板17を配置して
いる。この多孔板17としては、複数枚積層された金網
を配置してもよい。このようにすれば、前記捕捉粒子5
である流動媒体が流動化したとき、この流動媒体が前記
金網あるいは多孔板17に衝突し、または各者を通過す
るときに互いに衝突して流動化状態が緩慢となり、分散
板3のノズル孔31の出口には常に流動媒体が充満して
微粒子の捕捉効率が高められる。また、一旦流動媒体の
表面に捕捉された微粒子は、流動媒体の流動化状態が緩
慢なため、再飛散しにくくて再飛散する前に燃焼され
る。しかも、流動媒体は、流動層Fの界面からの飛び出
しが少なくなり、流動層Fの上方に設けたフィルタ4で
の詰りが少なくなる。つまり、アルミナなどの微粒子の
捕捉粒子として使用される流動媒体の場合、最も流動化
状態が良好で、微粒子の捕捉性能の高い領域は0.1〜
0.2mmの粒径であるが、流動媒体の粒径が小さいほ
ど流動層Fからの粒子の飛び出しを防止するため、流動
層の空塔速度を小さく、すなわち装置を大きくする必要
がある。しかし、以上のように流動層Fの界面近傍に金
網あるいは多孔板17を配置して、流動媒体の流動化状
態を緩慢とする場合、装置を小さくし、また流動媒体の
粒径を例えば0.2mm程度としても、微粒子の捕捉性
能を高くすることができる。なお、多孔板17を用いる
場合は、これの圧力損失をできるだけ小さくするため、
開口率の大きいものを使用する。
【0091】図20の第14実施形態では、前記排気ガ
ス処理装置1の出口側に排気ガスG中の窒素酸化物を除
去する脱硝触媒を組み込んだ反応器18を設けている。
このようにすれば、装置と運転費用を共に低コストとし
ながら、脱塵効果と脱硝効果が得られる。すなわち、デ
ィーゼルエンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物を除
去する脱硝触媒は、通常触媒としての活性が得られる温
度が200℃以上であり、それ以下の温度域で使用する
と、排気ガス中の煤塵が触媒表面に付着して触媒活性を
失い、燃焼しなくなって閉塞する。従って、排気ガス温
度はエンジンを調整して常に200℃以上に保持する必
要があるので、燃料消費量が増大する。しかし、以上の
ように排気ガス処理装置1の出口側に脱硝触媒を組み込
んだ反応器18を設けると、前記排気ガス処理装置1は
低負荷時に特に煤塵除去率が高いので、排気ガス温度を
200℃以上に上げなくても、つまり余分な燃料をエン
ジンに供給しなくても触媒の閉塞は起こらない。また、
前記脱硝触媒としては白金などの高価なものが使用され
るので、この脱硝触媒だけで脱塵と脱硝を同時に高効率
で行おうとする場合、必要な触媒量が多くなって高価と
なる。これに対し、以上のように排気ガス処理装置1を
通過させた後に反応器18内の脱硝触媒で排気ガス中の
窒素酸化物を除去する場合は、脱塵及び脱硝能が共に8
0%以上の処理装置が小型としながら低価格で得られ、
また運転コストも低廉で長時間の運転に対しても信頼性
が高くなる。
【0092】図21に示す第15実施形態では、流動層
内、特に流動層上方に長さ、直径が数mmから数十mm
の円筒状で両端が開いた金網52を多数、固定しない状
態で混入させる。このようにすれば、金網52の中に入
り込んだ粒子群が一時的に大粒径の挙動をし、流動層F
界面での流動層の動きが制限されて、飛散の少ないおだ
やかな流動層となり、除塵効率が向上する。
【0093】図22に示す第16実施形態における排気
ガス処理装置は、前記流動層の上方に40〜150メッ
シュの金網製の一次フィルタ4Aを設置し、その上に、
酸化触媒の機能を持った40〜150メッシュよりも目
の粗い金網を積層させた二次フィルタ4Bを設置する。
このようにすれば流動層を飛び出した小粒径の煤塵が4
0〜150メッシュの金網製の一次フィルタを通りぬけ
たあと、酸化触媒の機能を持った二次フィルタ4Bで捕
捉され、酸化されることにより除塵効率が向上する。酸
化触媒としては、例えばニッケルが使用され、これが金
網にコーティングされる。
【0094】また、さらに別の実施形態では、図2に示
した分散板3の上面からフィルタ4までの高さH、また
は図14に示した散気管35の上面(頂部)からフィル
タ4までの高さHに対し、流動層Fの静止高さ(固定層
の高さ)を50%以上で、70%以下、好ましくは60
%以下とし、流動層Fとなったとき、流動媒体によって
フィルタ4を叩いてフィルタ4の煤塵による目詰まりを
抑制するように構成する。
【0095】図23は本発明の実施の第17形態による
排気ガス処理装置を示している。本実施形態は分散板3
の設置位置の本体側面が鉛直になるようにしたものであ
る。このようにすることにより、ガスが円滑に流れてデ
ッドスペースができ難くなる。また、分散板3の端部に
おいても、できるだけ孔のあいていない部分がないよう
にすることが好ましい。4は多孔板等のフィルタ(又は
フィルタ+金網)、23は導入口、28は導出口であ
る。
【0096】図24は本発明の実施の第18形態による
排気ガス処理装置を示している。本実施形態は、流動層
を複数段(図面では一例として2段)設け、分散板3の
設置位置の本体壁面が鉛直になるようにしたものであ
る。この効果は実施の第17形態の場合と同様である。
35は散気管、54は排気管で、多孔管、又は多孔管及
び金網で構成される。
【0097】図25は本発明の実施の第19形態による
排気ガス処理装置を示している。本実施形態は、排気導
入路7にディフューザ55を取り付けたものである。こ
のディフューザ55は拡大角度を片側3〜15度程度と
することが好ましい。このようにすることにより、排気
導入路への入口ダクトの動圧の影響を少なくすることが
できる。
【0098】図26は本発明の実施の第20形態による
排気ガス処理装置を示している。本実施形態は、ディフ
ューザ55の近傍に燃焼器56を設け、ガス温度を3分
〜30分程度500〜550℃に加熱するように構成し
たものである。他の構成は実施の第19形態の場合と同
様である。
【0099】図27は本発明の実施の第21形態による
排気ガス処理装置を示している。本実施形態は、排気ガ
ス処理装置と別個に60〜200℃程度の低温部に、ア
イアンカーバイド(Fe3 C)を全部又は一部用いた固
定層又は流動層からなる排ガス処理器57を設けたもの
で、脱硝及び脱硫を行うことができるように構成したも
のである。
【0100】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 排気ガスに含まれる固形炭素のような微粒子を
効率的、かつ容易で安価に処理することができる。 (2) 捕捉粒子のかさ密度が1.5〜4、望ましくは
2〜3であるので、流動化不良を起すことなく、かつ装
置をコンパクトにすることができる。 (3) 流動層は消音効果を有しているので、マフラー
は不要となる。また、2〜5デシベル下がるので、騒音
規制強化にも対応することができる。 (4) 4サイクルディーゼルエンジン以外にも、2サ
イクルディーゼルエンジンの排ガス中の炭化水素(H
C)低減用およびCO低減用に使用することができる。 (5) アイアンカーバイド(Fe3 C)の固定層また
は流動層を有する排ガス処理器を用いる場合は、脱塵以
外に脱硝および脱硫を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気ガス処理装置をディーゼルエ
ンジンに取り付けた第1実施形態例を示す側面説明図で
ある。
【図2】図1に示す排気ガス処理装置の全体構造を示す
縦断面図である。
【図3】図1に示す排気ガス処理装置の正面図である。
【図4】図2に示す装置において、捕捉粒子が流動層と
なったときの状態を示す処理装置一部の縦断面図であ
る。
【図5】図4に示す装置において、排気ガス中の微粒子
が捕捉される状態を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る排気ガス処理装置
を示す側面図である。
【図7】第3実施形態を示す排気ガス処理装置の一部切
欠いた側面図である。
【図8】第3実施形態の別の例を示す排気ガス処理装置
の一部切欠いた側面図である。
【図9】第4実施形態を示すエンジンまわりの部分のブ
ロック図である。
【図10】第5実施形態を示す排気ガス処理装置の部分
のブロック図である。
【図11】第6実施形態を示す排気ガス処理装置の一部
切欠いた側面図である。
【図12】第7実施形態を示す排気ガス処理装置におけ
る分散板の断面図である。
【図13】第8実施形態を示す排気ガス処理装置の一部
切欠いた側面図である。
【図14】第9実施形態を示す排気ガス処理装置の一部
を切り欠いた水平断面図である。
【図15】図14に示す装置の平断面説明図である。
【図16】第10実施形態を示す排気ガス処理装置の一
部を切り欠いた縦断面図である。
【図17】第11実施形態を示す排気ガス処理装置の一
部を切り欠いた側面図である。
【図18】第12実施形態を示す排気ガス処理装置にお
ける分散板の断面図である。
【図19】第13実施形態を示す排気ガス処理装置の一
部を切り欠いた縦断面図である。
【図20】第14実施形態を示す排気ガス処理装置まわ
りの部分のブロック図である。
【図21】第15実施形態を示す排気ガス処理装置の一
部を切り欠いた縦断面図である。
【図22】第16実施形態を示す排気ガス処理装置の一
部を切り欠いた縦断面図である。
【図23】第17実施形態に係る排気ガス処理装置を示
す正面図である。
【図24】第18実施形態に係る排気ガス処理装置を示
す正面断面図である。
【図25】第19実施形態に係る排気ガス処理装置を示
す側面図である。
【図26】第20実施形態に係る排気ガス処理装置を示
す側面図である。
【図27】第21実施形態に係る排気ガス処理装置を示
す側面図である。
【符号の説明】
1…排気ガス処理装置、2…ケーシング、3…分散板、
4…フィルタ、5…捕捉粒子、6…捕集体、7…排気導
入路、7A,7B…排気導入路の区画、8…排気導出
路、9…酸化触媒を充填した箱、11…仕切り、14…
燃焼器、16…管、17…多孔板、18…反応器、3
1,35a…ノズル孔、32…金網、34…平板、35
…散気管、36…切換弁、37,38…多孔板、41…
火花を飛ばす装置(点火プラグ)、52…円筒状の金
網、54…排気管、55…ディフューザ、56…燃焼
器、57…排ガス処理器、71…切換弁、E…エンジ
ン、F…流動層、F1〜F6…区画層、G…排気ガス、
g…微粒子、X…進行方向、Y…直角方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/94 B01D 46/42 B 4D048 F01N 3/20 53/36 101A 4D058 3/28 301 53/34 124Z F23C 10/20 ZAB F23G 5/30 F23J 15/00 A F23J 15/00 F23C 11/02 312 // B01D 46/42 (72)発明者 伊藤 浩 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 木野内 総介 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 Fターム(参考) 3G090 AA02 AA04 BA01 EA02 EA03 3G091 AA18 AB04 AB11 BA11 BA14 CA27 GB06W GB09W HA22 HA23 3K064 AA01 AA02 AB01 AB03 AB07 AE11 BA09 3K070 DA07 DA16 DA81 4D002 AA02 AC10 BA03 BA14 CA07 CA09 DA05 DA11 DA15 DA22 4D048 AA06 AB01 BB01 BB07 BB17 CA07 CB03 CC32 CC41 CC44 CD05 4D058 JA58 JA60 JB02 JB03 JB34 MA41 MA44 SA06 TA02 TA06

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガスに含まれる微粒子を捕捉する捕
    捉粒子が堆積した捕集体に、その下方から前記排気ガス
    を導入して上方に排出することにより排気ガスを処理す
    る処理方法であって、 前記捕捉粒子としてかさ密度1.5〜5の粒子を用い、
    前記排気ガスの圧力と捕集体にかかる重力とのバランス
    によって捕集体を固定層としたり、流動化させて流動層
    とし、前記微粒子を流動層内で燃焼させることを特徴と
    する排気ガス処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記排気ガスの速度
    が、排気ガスによる捕集体の流動化に必要な所定値より
    も低い場合には前記微粒子を捕捉粒子に捕捉させ、前記
    所定値以上の場合は排気ガスにより捕集体を流動化させ
    て、その流動層内で微粒子を燃焼させる排気ガス処理方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記捕捉粒
    子に脱硝触媒と脱硫剤の少なくとも一方を担持または混
    合させて、排気ガス中の窒素酸化物と硫黄酸化物の少な
    くとも一方を除去する排気ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 排気ガスに含まれる微粒子を捕捉するた
    めの、かさ密度1.5〜5の捕捉粒子が堆積した捕集体
    と、 前記捕集体の下方に前記排気ガスを導入する排気導入路
    と、 この導入された排気ガスを多数の貫通したノズル孔から
    捕集体内に噴射する分散板と、 前記捕集体を通過した排気ガスを捕集体の上方から排出
    する排気導出路とを備え、 前記排気ガスの圧力と捕集体にかかる重力とのバランス
    によって捕集体を固定層としたり、流動化させて流動層
    とし、捕集体の層内で微粒子を燃焼させるようにしたこ
    とを特徴とする排気ガス処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記排気ガスの速度
    が、排気ガスによる捕集体の流動化に必要な所定値より
    も低い場合には前記微粒子を捕捉粒子に捕捉させ、前記
    所定値以上の場合は排気ガスにより捕集体を流動化し
    て、その流動層内で微粒子を燃焼させるようにした排気
    ガス処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記捕捉粒
    子は、アルミナ、シリカ、ゼオライト、ジルコニア及び
    焼結金属の少なくともいずれかを主成分とする粒子また
    は表面粗度の粗い粒子である排気ガス処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項4、5または6において、前記捕
    捉粒子の径が200μm〜1mmである排気ガス処理装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4から7のいずれかにおいて、前
    記捕捉粒子に、排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝
    触媒と、排気ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫剤の少
    なくとも一方を担持又は混合させた排気ガス処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項4から7のいずれかにおいて、前
    記捕集体に排気ガスを導く上流側排気通路に酸化触媒を
    充填した箱を設けるか、あるいは排気導入路の内面及び
    分散板下面に酸化触媒を塗布し、排気ガス中のNOをN
    2に変えて、前記流動層内で燃焼促進剤として活用す
    るようにした排気ガス処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記流動層を複数の区画層に区画する金属板または金網
    からなる仕切りを設けた排気ガス処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記捕捉粒子の粒子径よりも目の細かい金網をフィルタ
    とし、これを前記流動層の上方に設置して、捕捉粒子の
    通過を阻止するようにした排気ガス処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記捕捉粒子の
    粒子径が200μm〜1mmであり、前記フィルタを形
    成する金網が40〜150メッシュである排気ガス処理
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    エンジン、ガスタービン、ボイラまたは焼却炉等のエン
    ジンの燃焼膨張過程での燃料2次噴射を促進し、後燃え
    現象により排気ガスの温度を上げるか、またはエンジン
    出口と排気ガス処理装置の入口との間に燃焼器を設け
    て、間歇的に短時間排気ガスを再燃焼させることによ
    り、排気ガスの温度を上げて前記捕捉粒子に付着した微
    粒子の燃焼を促進させるようにした排気ガス処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記分散板は孔径0.3〜1.0mmの孔を複数個有
    し、この分散板に40〜150メッシュの金網を付設す
    るか、あるいは前記捕捉粒子の径を前記分散板の孔径よ
    りも大きくするか、あるいは分散板板厚を孔径の3倍以
    上にしてブリッヂ効果により落下を防止することによ
    り、前記捕捉粒子が分散板の孔から落下するのを防止す
    るようにした排気ガス処理装置。
  15. 【請求項15】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記分散板の上流側に孔径5〜15mmの孔を複数個設
    けた多孔板を配置するか、あるいは前記排気導入路の内
    部に多孔板で構成される円筒または楕円状の管を挿入す
    るか、あるいは拡大角を片側で3〜15度にしたディフ
    ューザを前記排気導入路に挿入し、前記流動層内におけ
    る排気ガスの偏流を抑制するようにした排気ガス処理装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記分散板の下部に設ける排気導入路の内部を複数の区
    画に分割するか、あるいは排気ガスを流動層に導入する
    散気管の複数個を流動層内に設置し、分割された各区画
    あるいは各散気管の入口に切換弁を設置して、排気流量
    の変動に伴い分割された各区画の使用区画あるいは使用
    散気管を変え、排気ガスが流入する区画あるいは散気管
    における排気ガスの最大流量と最小流量の比率を小さく
    した排気ガス処理装置。
  17. 【請求項17】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記分散板の下部に設ける排気導入路の内部を1対2か
    ら1対1の間の比率で2分割するか、あるいは排気ガス
    を流動層に導入する散気管2本を流動層内に設置し、分
    割された各区画あるいは各散気管の入口に切換弁を設置
    して、排気量の変動が1対6から1対4の間の比率の範
    囲では、分割された区画あるいは散気管におけるガス量
    が常に設計値の1/2以上となるように設定した排気ガ
    ス処理装置。
  18. 【請求項18】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記分散板の圧力損失を最大負荷において流動層におけ
    る圧力損失の100〜2000%になるように設定した
    排気ガス処理装置。
  19. 【請求項19】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記流動層の上方に直径数mmから数十mmの孔をあけ
    た管を40〜150メッシュの金網で覆ったフィルタを
    設置した排気ガス処理装置。
  20. 【請求項20】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    同一垂直面内に直列に流動層を2段または3段にわたっ
    て設けた排気ガス処理装置。
  21. 【請求項21】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    排気ガス処理装置の出口側に排気ガス中の窒素酸化物を
    除去する脱硝触媒を組み込んだ反応器を設けた排気ガス
    処理装置。
  22. 【請求項22】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    流動層内、特に流動層上部に長さ、直径が数mmから数
    十mmの円筒状で両端が開いた金網を多数、固定しない
    状態で混入させた排気ガス処理装置
  23. 【請求項23】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    前記流動層の上部に40〜150メッシュの金網製の一
    次フィルタと酸化触媒の機能を持った40〜150メッ
    シュよりも目の粗い金網を積層させた二次フィルタとを
    設置した排気ガス処理装置。
  24. 【請求項24】 請求項15において、分散板の上側又
    は外側、及び流動層の上方の多孔板の下側又は多孔管の
    外側に目開き280ミクロン程度の金網を設けた排気ガ
    ス処理装置。
  25. 【請求項25】 請求項15において、流動層上方の多
    孔板又は多孔管の代りに、ニッケルの多重金網を設け、
    飛散した未燃分の捕捉、酸化を行うようにした排気ガス
    処理装置。
  26. 【請求項26】 請求項4から7のいずれかにおいて、
    排気ガス処理装置と別個に排ガス温度が60〜200℃
    程度の低温部にアイアンカーバイドを全部又は一部用い
    た固定層又は流動層からなる排ガス処理器を設けた排気
    ガス処理装置。
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