JP2014043814A - 排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化システムを搭載した船舶 - Google Patents

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裕友 安藤
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一佳 春海
Hiroyuki Murata
裕幸 村田
Masaki Adachi
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Abstract

【課題】排ガス浄化システムにおける選択触媒還元装置への負担を軽減する。
【解決手段】内燃機関102から排出される排気ガスの通る排気経路104に設けられた脱硫剤を収納した乾式脱硫装置10と、乾式脱硫装置10の下流側の排気経路104に設けられた排気ガス中の窒素酸化物を還元する選択触媒還元装置12と、乾式脱硫装置10と選択触媒還元装置12の間の排気経路104に還元剤を注入する還元剤注入手段14を備え、乾式脱硫装置10は、排気ガスに含まれる硫黄酸化物及び粒子状物質の除去能力を有している排気ガス浄化システムとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化システムを搭載した船舶に関する。
近年、環境への影響の観点から、燃焼機関から排出される排ガスに含まれる硫黄成分を除去することが必要とされている。窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)及び粒子状物質(PM)の削減と温室効果ガス(GHG)の削減を両立するために、燃焼機関での改善のみならず、排ガスの後処理装置が導入されている。このとき、選択還元法(SCR)、排気ガス再循環装置(EGR)、排熱回収システム等を後処理装置として適用するには、排ガス中の硫黄分やスス等の粒子状物質(PM)を除去することが必要である。
例えば、船舶燃料は残渣油を使用しているため、燃料中の硫黄分濃度が高い。このため、船舶から排出される排ガスでは硫黄酸化物(SOx)濃度が高く、直接的に環境への影響が問題にされるだけでなく、選択還元法(SCR)や排気ガス再循環装置(EGR)等の排ガス処理技術や排熱回収機器の導入の障害となることがある。
排ガスの脱硝を行う装置として、加圧流動床ボイラの脱硝方法が開示されている。燃料と共に脱硝剤をボイラ内部に投入して排ガスの脱硝を行うと共に、サイクロンにより粗粒灰を取り除く構成が開示されている(特許文献1)。また、粗い粒子の還元脱硝触媒と細かい粒子の脱硫剤とよりなる流動層中に排ガスを流動化ガスとして還元剤と共に透過させて脱硝及び脱硫を行うと共に、サイクロン及びバグフィルタを用いて脱硫剤粒子等を取り除く構成が開示されている(特許文献2)。また、排ガスに対してまず脱硝処理を行い、その後、エアヒータで熱回収した上で脱塵処理と脱硫処理を行う燃焼システムが開示されている(特許文献3)。また、ボイラからの排気ガスの処理システムであって、排気ガスに対して脱硝装置により脱硝を行った後、アンモニア(NH3)を添加することによって硫化物の中和物を生成して電気集塵機によって除去するシステムが開示されている(特許文献4)。
特開2000−279751号公報 特開平06−170165号公報 特開2012−2421号公報 特開2010−286198号公報
上記のように、窒素酸化物(NOx)及び硫黄酸化物(SOx)並びに粒子状物質(PM)と温室効果ガス(GHG)の削減を両立するためには、内燃機関単体での改善は難しく、後処理装置の導入が不可欠となっている。
しかしながら、選択還元法(SCR)、排気ガス再循環装置(EGR)、排熱回収システム等を後処理装置として適用するには、排ガス中の硫黄分やスス等をさらに適切に除去することが必要である。特に、排気ガスの温度を下げずに比較的低温度(450℃以下)で硫黄成分やスス等を除去できるシステムを構築することが望まれている。
本発明は、上記の課題を鑑み、上記課題の少なくとも1つを解決することができる排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化システムを搭載した船舶を提供することを目的とする。
本発明の排気ガス浄化システムは、内燃機関から排出される排気ガスの通る排気経路に設けられた脱硫剤を収納した乾式脱硫手段と、前記乾式脱硫手段の下流側の前記排気経路に設けられた前記排気ガス中の窒素酸化物を還元する選択触媒還元手段と、前記乾式脱硫手段と前記選択触媒還元手段の間の前記排気経路に還元剤を注入する還元剤注入手段を備え、前記乾式脱硫手段は、前記排気ガスに含まれる硫黄酸化物及び粒子状物質の除去能力を有している。
ここで、前記脱硫剤は、前記窒素酸化物の酸化能力を有することが好ましい。前記脱硫剤は、前記窒素酸化物であるNOを酸化させてNO2とする酸化能力を有することが好ましい。
また、前記乾式脱硫手段と前記選択触媒還元手段の間に前記窒素酸化物を酸化する酸化触媒を含む酸化手段を備えることが好ましい。
前記乾式脱硫手段は、前記脱硫剤として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を主体とした焼成された粒子を層状に収納したものであることが好ましい。より好ましくは、前記脱硫剤は、アルカリ金属塩化物を含むことが好適である。
また、前記粒子は、焼成物を粉砕して形成された粒子であることが好ましい。より好ましくは、平均粒径が10μm以下の水酸化カルシウム粒子を1次粒子とし、複数個の1次粒子の集合体である2次粒子(粉砕物)として構成されていることが好ましい。また、脱硫剤の2次粒子は、その平均粒径が0.1mm以上50mm以下であることが好適である。また、脱硫剤の2次粒子は、1次粒子の間又は1次粒子内に多数の細孔を有することが好適である。細孔は、30nm以上の径を有する細孔の総面積が全細孔の総面積の20%以上であることが好適である。また、30nm以上の径を有する細孔の総面積が全細孔の総面積の40%以上であることがより好適である。また、細孔は、30nm以上の径を有する細孔の総体積が全細孔の総体積の50%以上であることが好適である。また、細孔は、30nm以上の径を有する細孔の総体積が全細孔の総体積の80%以上であることがより好適である。
また、前記粒子間に形成される間隙は平均10μm以下であることが好ましい。なお、この平均10μm以下の間隔は、粒子の一部が流動する形式のものにあっては、流動しない粒子間が平均10μm以下であることが好ましい。
また、前記粒子の少なくとも一部は、前記乾式脱硫手段が揺動することにより流動することが好ましい。例えば、前記乾式脱硫手段は、仕切板によって複数に分割された筐体内に前記粒子を収納していることが好ましい。また、前記粒子を交換するために前記仕切板には開口部が設けられていることが好ましい。
また、前記乾式脱硫手段は、前記排気経路に着脱自在に設けられていることが好ましい。このとき、前記乾式脱硫手段を前記排気経路に複数設けることがより好ましい。特に、前記乾式脱硫手段を複数個備え、前記内燃機関の運転中に前記複数個の前記乾式脱硫手段のうちの一部を交換可能とすることが好ましい。
また、前記還元剤は、尿素水であることが好ましい。
また、前記選択触媒還元手段の下流側の前記排気経路に前記排気ガスから熱回収を行う排熱回収手段を備えることが好ましい。
また、前記選択触媒還元手段の下流側の前記排気経路から前記内燃機関に前記排気ガスの一部を戻すバイパス経路を備えることが好ましい。
このような排気ガス浄化システムは船舶に搭載することができる。
本発明の排気ガス浄化システムは、内燃機関から排出される排気ガスの通る排気経路に設けられた脱硫剤を収納した乾式脱硫手段と、前記乾式脱硫手段の下流側の前記排気経路に設けられた前記排気ガス中の窒素酸化物を還元する選択触媒還元手段と、前記乾式脱硫手段と前記選択触媒還元手段の間の前記排気経路に還元剤を注入する還元剤注入手段を備え、前記乾式脱硫手段は、前記排気ガスに含まれる硫黄酸化物及び粒子状物質の除去能力を有することによって、前記選択触媒還元手段では硫黄成分及び粒子状物質(PM)の濃度が低減された排気ガスを処理すればよく、前記選択触媒還元手段に掛る負担を軽減することができ、前記選択触媒還元手段及び前記還元剤注入手段を簡素化及び小型化することができる。特に、選択触媒還元手段の上流側で硫黄酸化物と粒子状物質(PM)を除去することにより選択触媒還元手段の被毒や劣化が抑制できる。また、乾式脱硫手段を用いることにより、スクラバ等の複雑な装置を必要とせず、システムが簡素化できる。
ここで、前記脱硫剤は、前記窒素酸化物の酸化能力を有し、前記窒素酸化物であるNOを酸化させてNO2とする酸化能力を有することによって、排気ガス中の一酸化窒素(NO)の濃度が低下し、二酸化窒素(NO2)の濃度を増加させることができ、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)との濃度比を前記選択触媒還元手による脱硝に最適な1:1に近づけることができる。
また、前記乾式脱硫手段と前記選択触媒還元手段の間に前記窒素酸化物を酸化する酸化触媒を含む酸化手段を備えることによって、前記乾式脱硫手段に加えて、前記酸化手段によっても一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)との濃度比を前記選択触媒還元手による脱硝に最適な1:1により近づけることができる。
前記乾式脱硫手段は、前記脱硫剤として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を主体とした焼成された粒子を層状に収納したものとすることによって、前記乾式脱硫手段における脱硫効果を高めることができる。また、前記内燃機関の排気ガスの高温域においての使用が可能となり、湿式のように特別な温度管理や水質管理また排水処理が不要となる。
また、前記粒子は、焼成物を粉砕して形成された粒子であることによって、粉砕された破断部により前記排気ガス中の粒子状物質(PM)が捕捉し易くなる。
また、前記粒子間に形成される間隙は平均10μm以下であることによって、前記排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)の捕捉が容易となり効果的に除去することができる。
また、前記粒子の少なくとも一部を前記乾式脱硫手段が揺動することにより流動させることによって、前記排気ガスの流れによる揺動が小さい場合であっても、前記乾式脱硫手段における脱硫作用を高めることができる。例えば、前記乾式脱硫手段は、仕切板によって複数に分割された筐体内に前記粒子を収納していることによって、前記脱硫剤が偏って脱硫作用が低下することを抑制することができる。また、前記仕切板には開口部が設けられていることによって、前記脱硫剤の交換処理が容易となる。
また、前記乾式脱硫手段は、前記排気経路に着脱自在に設けられていることによって、前記脱硫剤が劣化した際に前記乾式脱硫手段を交換することができる。また、前記乾式脱硫手段を前記排気経路に複数設けることによって、前記内燃機関の運転中に前記複数個の前記乾式脱硫手段のうちの一部を交換可能とすることが可能となる。
また、前記還元剤は、尿素水であることによって、前記選択触媒還元手段における脱硝作用が効果的となる。
また、前記選択触媒還元手段の下流側の前記排気経路に前記排気ガスから熱回収を行う排熱回収手段を備えることによって、前記排気ガスの排熱を回収して、熱エネルギーを効果的に利用することができる。このとき、前記乾式脱硫手段における脱硫及び粒子状物質(PM)の除去並びに前記選択触媒還元手段における脱硝を経た前記排気ガスから排熱を回収すればよいので、前記排熱回収手段の腐食や粒子状物質(PM)の堆積による効率低下を防止することができ、熱エネルギーの回収効率も高めることができる。
また、前記選択触媒還元手段の下流側の前記排気経路から前記内燃機関に前記排気ガスの一部を戻すバイパス経路を備えることによって、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)の更なる低減や燃費向上を図ることができる。
このような排気ガス浄化システムは、燃料中の硫黄分濃度が高い船舶の排気ガスの処理において効果を奏することができる。
本発明の実施の形態における排気ガス浄化システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態における乾式脱硫装置の構成を示す正面模式図である。 本発明の実施の形態における乾式脱硫装置の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施の形態における乾式脱硫装置の別例の構成を示す正面模式図である。 本発明の実施の形態における乾式脱硫装置の別例の構成を示す斜視模式図である。 本発明の実施の形態における排気ガス浄化システムの別例の構成を示す図である。 本発明の実施の形態における乾式脱硫装置の作用を示す図である。 本発明の実施の形態における乾式脱硫装置の作用を示す図である。 本発明の実施の形態における排気ガス浄化システムの別例の構成を示す図である。
本発明の実施の形態における排気ガス浄化システム100は、図1に示すように、乾式脱硫装置10、選択触媒還元装置(SCR)12、還元剤注入手段14、排熱回収装置16及びスクラバ18を含んで構成される。排気ガス浄化システム100は、ディーゼルエンジンやガスタービン等の内燃機関102の排気経路104に設けられ、排気がガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)及び粒子状物質(PM)を除去する。
乾式脱硫装置10は、内燃機関102より下流かつSCR12より上流の排気経路104に接続された筐体内に脱硫剤を充填した装置である。乾式脱硫装置10は、脱硫剤を排気ガスに一部を浮遊させるため上向きに排気ガスを流し流動させたり、脱硫剤の一部を揺動により流動させる流動床型としてもよいし、脱硫剤を固定させた固定床型としてもよい。
脱硫剤は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を主成分とすることが好適である。脱硫剤には、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の他に炭酸カルシウム(CaCO3)や酸化カルシウム(CaO)が含まれる場合があるが、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の含有量は炭酸カルシウム(CaCO3)や酸化カルシウム(CaO)よりも多いことが好ましい。特に、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の含有量は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)及び酸化カルシウム(CaO)の含有量総量に対して70%以上であることが好適である。
また、脱硫剤は、アルカリ金属塩化物を含むことが好適である。アルカリ金属塩化物は、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)が挙げられる。アルカリ金属塩化物は、脱硫剤との重量比で0.5%以上5%未満、より好ましくは1%以上3%以下とすることが好適である。また、アルカリ金属塩化物の平均粒径は、30nm以上5μm以下であることが好適である。
また、脱硫剤は、平均粒径が10μm以下の水酸化カルシウム粒子を1次粒子とし、複数個の1次粒子の集合体である2次粒子(粉砕物)として構成されていることが好ましい。
このような脱硫剤は、水等の溶媒にアルカリ金属塩化物を溶解させてアルカリ金属塩化物溶液に水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粒子を混ぜて得られた混合物を混練及び焼成し、焼成物を粉砕して生成することができる。アルカリ金属塩化物は、塩化ナトリウム(NaCl)及び塩化カリウム(KCl)の少なくとも一方とすることが好適である。また、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粒子は、一次粒子として、平均粒径が10μm以下のものとすることが好適である。このとき、塩化ナトリウム(NaCl)及び塩化カリウム(KCl)の混合比は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粒子との重量比で2%程度とすることが好適である。焼成は、250℃以上350℃以下の温度で行うことが好適である。なお、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)粒子をバインダに混ぜた上でアルカリ金属塩化物溶液の混合物を生成してもよい。バインダとしては、セメントや樹脂等とすることができる。
この脱硫剤は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を主成分とすることによって低温(450℃以下)において高い脱硫効果を発揮する。これは、脱硫剤の製造中の焼成工程において、従来に比べて比較的低温(250℃以上350℃以下)で焼成することによって水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が炭酸カルシウム(CaCO3)や酸化カルシウム(CaO)に変化することを抑制することによって得られる。熱処理温度が350℃以下では、熱処理を行わなかった場合と組成は略変わらないが、熱処理温度が400℃以上になると酸化カルシウム(CaO)が急激に増加する。これに伴って、熱処理温度が400℃以上では低温(450℃以下)での脱硫作用が低下する。
また、熱処理温度が250℃から400℃へと上昇すると、小さい径の細孔が減少し、僅かに大きな径の細孔が増加する。熱処理温度400℃では、細孔分布が大きく変化したが、電子顕微鏡観察(SEM)では脱硫剤の2次粒子にクラックが発生しており、その影響のためと考えられる。
これらの結果から、熱処理温度は350℃以下が好適であり、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の含有量は、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)及び酸化カルシウム(CaO)の含有量総量に対して70%以上である場合に低温(450℃以下)での脱硫作用が顕著となる。また、熱処理温度が300℃近傍とすることが脱硫剤の細孔もより大きくできる点でより好適である。なお、脱硫剤の機械的な強度を考慮すると、焼成を十分に行うために熱処理温度は250℃以上とすることが好適である。
また、脱硫剤を焼成物とすることによって、内燃機関の排気ガスの高温域においての使用が可能となり、湿式のように特別な温度管理が不要となる。
ここで、脱硫剤の2次粒子は、その平均粒径が0.1mm以上50mm以下であることが好適である。また、脱硫剤の2次粒子は、1次粒子の間又は1次粒子内に多数の細孔を有することが好適である。細孔は、30nm以上の径を有する細孔の総面積が全細孔の総面積の20%以上であることが好適である。また、30nm以上の径を有する細孔の総面積が全細孔の総面積の40%以上であることがより好適である。また、細孔は、30nm以上の径を有する細孔の総体積が全細孔の総体積の50%以上であることが好適である。また、細孔は、30nm以上の径を有する細孔の総体積が全細孔の総体積の80%以上であることが好適である。比表面積、全細孔容積及び細孔径分布は、窒素吸着法を用いて測定することができる。測定には、例えば、BELSORP−miniII(日本ベル株式会社製)を用いることができる。細孔の比表面積測定は、日本工業規格JIS Z 8830に準拠して行うことができる。また、細孔径分布及び細孔特性については日本工業規格JIS Z 8831に準拠して行うものとする。
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の1次粒子が複数集合した2次粒子を含む脱硫剤とすることにより、微粉末を扱うよりもハンドリングを容易とし、脱硫装置から下流側装置への脱硫剤の流出を抑制できる。したがって、下流側装置への悪影響を低減すると共に、バグフィルター等の設置を不要とすることができる。特に、脱硫剤の2次粒子の平均粒径を0.1mm以上50mm以下とすることによって、排ガス等を2次粒子の深部まで浸透させて脱硫剤の利用効率を向上させると共に、脱硫剤のハンドリングが容易となる。
また、1次粒子の粒径を10μm以下とすることによって、1次粒子の比表面積が大きくなり、硫黄酸化物(SOx)との反応率が高くなる。特に、本発明では、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の1次粒子の集合体である2次粒子に成形しているので、1次粒子の粒径を小さくしてもハンドリングの問題はなく、下流側装置への流出も抑制される。
また、塩化ナトリウム(NaCl)を添加した脱硫剤では2次粒子深部まで硫黄が浸入し、脱硫処理の効果が向上する。塩化ナトリウム(NaCl)を添加した脱硫剤では2次粒子深部まで硫黄が浸入することにより、2次粒子全体に亘って脱硫に関与することができ、脱硫効果が向上するものと推察される。また、アルカリ金属塩化物(塩化ナトリウム)を添加することによって、比表面積は小さくなり、全細孔容量及び平均細孔径は大きくすることができる。さらに、アルカリ金属酸化物(塩化ナトリウム)を添加した場合、細孔の総面積が増加し、脱硫効果の向上がより顕著である。また、走査電子顕微鏡観察(SEM観察)において、アルカリ金属塩化物の平均粒径が30nm以上5μm以下である場合に脱硫効果の向上が顕著である。なお、脱硫剤との重量比としてアルカリ金属塩化物を0.5%以上5%未満で添加した場合には同様の脱硫効果が得られる。特に、脱硫剤との重量比としてアルカリ金属塩化物を1%以上3%以下添加した場合に脱硫効果が顕著となる。
また、バインダを添加し、混練及び焼成を行うことにより、脱硫剤に形成される細孔の全細孔容積及び平均細孔径を向上させる効果があると推察される。また、バインダを添加することによって、脱硫剤内の1次粒子の結合が強くなり、2次粒子の機械的な強度が向上する。また、一旦焼成した焼成物を粉砕して脱硫剤を形成することにより、粉砕された破断面が鋭利となり、排気ガス中の粒子状物質(PM)の捕捉が良好に行われるようになる。
また、乾式脱硫装置10に装填された脱硫剤の2次粒子間に形成される間隙は平均10μm以下であることが好ましい。このように、2次粒子間の間隙を狭くすることによって、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を効果的に除去することができる。なお、この平均10μm以下の間隔は、乾式脱硫装置10を流動床型とした場合、流動しない2次粒子間に形成される隙間が平均10μm以下であることが好ましい。
乾式脱硫装置10は、例えば、図2に示すように、筐体20内に脱硫剤の粒子22を層状に収納した構成とすればよい。図2(a)は、排気ガス浄化システム100が搭載された船舶が水平な状態の正面模式図である。図2(b)は船舶が傾いた状態の正面模式図である。図3は、乾式脱硫装置10を側面斜め方向から見た斜視模式図である。なお、筐体20内の仕切板24を明確に示すために図3では粒子22を省略して示している。
筐体20の下部には開口20aが設けられ、内燃機関からの排気ガスは開口20aを通じて筐体20内に導入される。開口20aには、脱硫剤の粒子22が下に落下しないようにしながら排気ガスなどの気体を筐体20内に送り込むことを可能とするように分散板26を設けることが好適である。分散板26は、適切な大きさの孔を有する多孔板とすればよい。また、筐体20の内部には、船舶の動揺に伴う筐体20の揺動によって脱硫剤の粒子22が過剰に流動することを抑制する過剰流動抑制手段としての仕切板24が設けられている。筐体20の内部は、船舶の幅方向Wに一定の間隔で、上部に空間を残すように配置された仕切板24により複数の室に仕切られている。このような構成とすることによって、乾式脱硫装置10の使用時に脱硫剤の粒子22を流動させる際に、船舶の揺動の影響を受けて粒子22の充填部の厚みTの変化ΔTを抑制することがきる。仕切板24は、粒子22の過剰な流動を抑制することができるものであればよく、例えば、熱交換機能のような他の機能を備えてもよい。
さらに、乾式脱硫装置10は、脱硫剤の粒子22の排出・供給を容易にした構成としてもよい。図4は、乾式脱硫装置10の別例の構成を示す。図4(a)は、乾式脱硫装置10が搭載された船舶が水平な状態の正面模式図である。図4(b)は、筐体20を傾けて粒子22を取り出す状態の正面模式図である。図5は、乾式脱硫装置10の側面方向から見た斜視模式図である。なお、筐体20内の仕切板24を明確に示すために図3では粒子22を省略して示している。
図4及び図5に示すように、脱硫剤の粒子22は、その上端h1が仕切板24の上端の高さh2以下であり、下端の高さh3以上となるように筐体20内に充填される。また、仕切板24の上端の高さh2は、船舶の動揺があっても粒子22が仕切板24を越えて隣の部屋に移動しない高さに設定することが好ましい。船舶の動揺は、乾式脱硫装置10が使用される状況において通常想定される動揺であり、具体的には水平線に対しておよそ±10°の動揺をいう。
また、仕切板24は、分散板26との間に開口部24aを残して筐体20内部を仕切り構成することが好ましい。開口部24aを設けることにより、筐体20への粒子22の供給および排出が可能となる。すなわち、仕切板24はその下端が分散板26から離れた状態で設けられており、筐体20内部の各室はその下部において開口部24aにより相互に連通されている。したがって、図4(b)に示すように、傾斜可能に構成された筐体20の一端を傾斜手段等により持ち上げることにより、その反対の端に設けられた取出口20bから容易に粒子22を排出することができる。したがって、粒子22の交換を容易に行うことができる。
また、図6に示すように、乾式脱硫装置10を経路開閉手段110を介して複数個備える構成としてもよい。乾式脱硫装置10は、それぞれ排気経路104に対して着脱自在に設けられる。これにより、内燃機関102の運転中に複数個の乾式脱硫装置10のうちの一部を経路開閉手段110で排気経路104を閉じて交換することができる。したがって、内燃機関102を連続運転しつつ、新しい脱硫剤に交換することが可能となる。
乾式脱硫装置10によって排気ガスを処理することによって、排気ガスに含まれる硫黄成分が除去されると共に、粒子状物質(PM)も取り除かれる。このように、低硫黄成分及び低粒子状物質とされた排気ガスがSCR12に導入される。なお、乾式脱硫装置10は、スクラバ等の湿式脱硫装置と比較して、特別な温度管理や排水処理を必要とせずに簡素にシステムを構成できる利点を有している。例えば、スクラバを使用して脱硫を行おうとすると、内燃機関102からの排気ガスの全量を処理する必要があり、また給水処理や排水処理が必要なため装置が複雑で大掛かりになる。また、使用する原水の温度管理、pH管理や使用水量管理等も必要な上、排水の処理が大変面倒である。例えば、現在のIMOの排水基準では温度、pH、濁度、PAHs(芳香族炭化水素)の常時監視が要求されており、これらの値の計測に加え排水を希釈して基準値を維持する必要がある。なによりもスクラバを使用して脱硫を行った場合、排気ガスの温度が低下してしまい、所定の温度を必要とする選択触媒脱硝装置(SCR)12の性能に影響を及ぼすため、対策として再加熱装置等を必要とする。乾式脱硫装置10の場合、湿式脱硫装置のこれらの欠点を克服し、取扱いのし易い簡素なシステムとして構成できる。
図7は、乾式脱硫装置10による処理時間に対する排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)及び窒素酸化物(NOx)の濃度の変化を示す。図7は、硫黄酸化物(SOx)の初期濃度350ppm及び窒素酸化物(NOx)の初期濃度1620ppmの排気ガスに対して、温度200℃の条件下において上記の脱硫剤で処理したときの濃度変化を計測したものである。図7に示されるように、処理時間が経過するにつれて排気ガス中の硫黄酸化物(SO2)の濃度は低下した。さらに、処理時間が経過するにつれて、窒素酸化物である一酸化窒素(NO)の濃度が低下し、二酸化窒素(NO2)の濃度が増加した。これは、一酸化窒素(NO)の酸化反応による二酸化窒素(NO2)が生成されたものと推察できる。後述するように、SCR12による脱硝は一酸化窒素(NO)よりも二酸化窒素(NO2)のほうが進行し易い。したがって、乾式脱硫装置10をSCR12の上流側に設けることによって、SCR12における脱硝処理の効率を高めることができる。
なお、二酸化硫黄(SO2)の濃度が高いほど、一酸化窒素(NO)の酸化反応は促進され、脱硝率は高くなった。さらに、図8に示すように、排気ガス中に窒素酸化物(NOx)が存在すると脱硫率が高くなる傾向を示した。
SCR12は、内燃機関の排気ガス中に含まれる窒素化合物を除去する脱硝装置である。脱硝方法として、排気ガス通路に設けたチタン・バナジウム系の触媒に還元剤となるアンモニアを供給することによって窒素酸化物(NOx)と反応させ、化学式(1)のように、水と窒素に分解する。また、排気ガス通路に尿素を噴射し、化学式(2)のように尿素を分解することによってアンモニアを触媒へ供給する方法が採られている。
<化学式(1)>
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2
6NO2+8NH3→7N2+12H2
<化学式(2)>
(NH22CO+H2O→2NH3+CO2
SCR12は、乾式脱硫装置10より下流の排気経路104に接続された筐体内に脱硝触媒を充填した構成とすることができる。脱硝触媒は、排気ガス中に含まれる窒素化合物(NOx)をアンモニアと反応させて分解するための触媒である。脱硝触媒には、チタン・バナジウム系の金属を適用することができる。例えば、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)を活性成分にした酸化チタンTiO2系触媒が使用される。脱硝触媒は、化学式(1)で表されるアンモニア等の還元剤と排気ガス中の窒化化合物(NOx)との反応を促進する。脱硝触媒は、その反応面積を広くするために平板や触媒の細管を束ねた構造とすることが好ましい。例えば、ハニカム構造とすることが好適である。
還元剤注入手段14は、尿素タンク、ポンプ、尿素バルブ、コンプレッサ及び空気バルブを含んで構成することができる。還元剤注入手段14は、噴射ノズルを介して尿素(尿素水)と空気とを乾式脱硫装置10より下流かつSCR12より上流の排気経路104へ供給するために設けられる。なお、本実施の形態では、尿素(尿素水((NH22CO+H2O))を還元剤として排気経路104内へ噴射し、化学式(2)で表される分解反応により生ずるアンモニアをSCR12の脱硝触媒の表面に供給する構成としている。ただし、還元剤は尿素(尿素水)に限定されるものではなく、例えば、アンモニアを直接用いてもよい。
尿素タンクは、尿素水を蓄えるタンクである。尿素タンクに蓄えられた尿素水は、ポンプによって配管を介して噴射ノズルへ供給される。尿素バルブは、ポンプの下流に設けられ、ポンプによって加圧された尿素水の噴射ノズルへの供給・遮断を行う。コンプレッサは、噴射ノズルに繋がる配管の途中に設けられ、空気を加圧して配管を介して噴射ノズルへ供給する。なお、排気ガス浄化システム100を船舶に搭載する場合には、コンプレッサの代わりに船舶に設けられている空気配管の空気を利用してもよい。空気バルブは、配管のコンプレッサの下流に設けられ、コンプレッサによって加圧された空気の噴射ノズルへの供給・遮断を行う。そして、ポンプ及びコンプレッサの回転数や尿素バルブ及び空気バルブの開閉・開度を制御することによって、所望のタイミングで噴射ノズルから尿素が排気経路104へ噴射される。
本実施の形態では、乾式脱硫装置10はSCR12より上流側に設けられており、乾式脱硫装置10によって硫黄成分及び粒子状物質(PM)が低減された排気ガスがSCR12へ導入される。これにより、SCR12では硫黄成分及び粒子状物質(PM)の濃度が低減された排気ガスを処理すればよく、SCR12に掛る負担を軽減することができ、SCR12及び還元剤注入手段14を簡素化及び小型化することができる。これに伴って、排気ガス浄化システム100を導入するスペースを確保し易くなる。また、SCR12の上流側で硫黄成分と粒子状物質(PM)が除去できるので、SCR12の被毒や劣化が抑制される。
さらに、乾式脱硫装置10において、脱硫剤が窒素酸化物の酸化機能を有しているため、一酸化窒素(NO)の濃度が低下し、二酸化窒素(NO2)の濃度を増加させることができ、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)との濃度比をSCR12による脱硝に最適な1:1に近づけることができる。これにより、SCR12に掛る負担を軽減することができ、SCR12及び還元剤注入手段14を簡素化及び小型化することができる。これに伴って、排気ガス浄化システム100を導入するスペースを確保し易くなる。
排熱回収装置16は、排気ガスとの熱交換を行い、それによって発生させた蒸気を有効利用する装置である。筐体内部に熱媒入口及び熱媒出口の間を繋ぐ熱交換用配管が配置され、筐体内に排気ガスを導入することによって熱交換用配管内を循環する熱媒と排気ガスとの間で熱交換が行われる。熱交換用配管を循環する熱媒は、蒸気タービンやボイラ等に供給されて、排気ガスから回収された熱エネルギーが再利用される。熱媒には、例えば、水(蒸気)を用いることが好適である。
本実施の形態では、乾式脱硫装置10において排気ガスの温度を大きく低下させず、SCR12では発熱反応によって排気ガスの温度を上昇させることで、排熱回収装置16における排熱の回収の効率を向上させることができる。
さらに、排熱回収装置16の上流側にSCR12を設け、更にその上流側に乾式脱硫装置10を配置しているため、排熱回収装置16には硫黄酸化物や粒子状物質(PM)、また窒素酸化物の濃度を低減した排気ガスが流入する。このため排熱回収装置16に粒子状物質(PM)が堆積したり、硫黄酸化物や窒素酸化物の影響で排熱回収装置16が腐食、損傷されて熱交換効率が低下することを防止できる。また、排気ガス中の硫黄酸化物や窒素酸化物の濃度が低くできるところから、排熱回収装置16の排熱回収量を高めて排気ガスを結露限界まで温度低下させても、万が一の結露時にも排熱回収装置16を損傷するような酸性の結露を生じることを防止でき、排熱回収装置16の腐食や損傷の防止とともに排熱回収効率の向上が図れる。例えば、排熱回収装置16における排熱回収温度を現状より20℃程度下げることが可能となり、現状より排熱の回収効率を大幅に高めることができる。また、堆積した粒子状物質(PM)の除去機構や耐腐食コーティングを必要とせず、排熱回収量も高くできるところから排熱回収装置16の簡素化及び小型化をすることができる。これに伴って、排気ガス浄化システム100を導入するスペースを確保しやすくなる。
スクラバ18は、水などの液体を洗浄液として、排気ガス中の粒子を洗浄液の液滴や液膜中に捕集して分離をする装置である。スクラバ18は、洗浄集じん装置ともいう。スクラバ18としては、溜水中に排ガスをくぐらせることにより集じんする方法(溜水式)、排ガスの流れに加圧水を噴射する方法(加圧水式)、プラスチック・磁器などの充てん物に噴霧した洗浄液の水膜に排ガスを接触させて集じんする方法(充てん層式)、洗浄液を回転体で分散させて排ガスを接触させる方法(回転式)等が適用できる。
スクラバ18には、乾式脱硫装置10及びSCR12において脱硫、脱硝及び粒子状物質(PM)の除去がなされ、排熱回収装置16において低温下された排気ガスが導入される。このように、スクラバ18は、低温かつクリーンな排気ガスを処理すればよく、従来の排気ガス浄化システムに比べて小型化することができる。
また、スクラバ18から出力される排気ガスは内燃機関102に再循環させることができる。このように排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)を適用することにより、さらに窒素酸化物(NOx)が低減され、SCR12の負荷低減がさらに顕著となる。
なお、乾式脱硫装置10における一酸化窒素(NO)の酸化による二酸化窒素(NO2)の増加分では一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)との濃度比をSCR12による脱硝に最適な1:1に十分に近づけることができない場合がある。このような場合、図9に示すように、乾式脱硫装置10とSCR12との間の排気経路104に酸化手段30を設けてもよい。酸化手段30は、筐体内に酸化触媒を収納した構造を有し、筐体内に乾式脱硫装置10で処理された排気ガスを導入することによって排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を酸化する。触媒は、白金・パラジウム等の貴金属系やマンガン・鉄等の卑金属系を適用することができる。また、触媒の形状は、ハニカムタイプ、ペレットタイプ、金属発泡体等を適用することができる。
酸化手段30を設けることによって、乾式脱硫装置10に加えて一酸化窒素(NO)の酸化がより進行し、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)との濃度比をSCR12による脱硝に最適な1:1に近づけることができる。したがって、SCR12に掛る負担を軽減することができ、SCR12及び還元剤注入手段14を簡素化及び小型化することができる。これに伴って、排気ガス浄化システム100を導入するスペースを確保し易くなる。
本発明は、低温での脱硫処理、脱硝処理及び粒子状物質除去処理に適用可能である。特に、大型船舶及び小型船舶に限らず、造船業、海運業をはじめとした海事産業全般、さらには陸上の内燃機関を使用した設備や輸送手段を含め、環境面においても広く社会全般に対して大きな有益性をもたらすものである。
10 乾式脱硫装置、12 選択触媒還元装置(SCR)、14 還元剤注入手段、16 排熱回収装置、18 スクラバ、30 酸化手段、100 排気ガス浄化システム、102 内燃機関、104 排気経路。

Claims (14)

  1. 内燃機関から排出される排気ガスの通る排気経路に設けられた脱硫剤を収納した乾式脱硫手段と、
    前記乾式脱硫手段の下流側の前記排気経路に設けられた前記排気ガス中の窒素酸化物を還元する選択触媒還元手段と、
    前記乾式脱硫手段と前記選択触媒還元手段の間の前記排気経路に還元剤を注入する還元剤注入手段を備え、
    前記乾式脱硫手段は、前記排気ガスに含まれる硫黄酸化物及び粒子状物質の除去能力を有していることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  2. 請求項1に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記脱硫剤は、前記窒素酸化物の酸化能力を有することを特徴とする排気ガス浄化システム。
  3. 請求項2に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記脱硫剤は、前記窒素酸化物であるNOを酸化させてNO2とする酸化能力を有することを特徴とする排気ガス浄化システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記乾式脱硫手段と前記選択触媒還元手段の間に前記窒素酸化物を酸化する酸化触媒を含む酸化手段を備えることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記乾式脱硫手段は、前記脱硫剤として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を主体とした焼成された粒子を層状に収納したことを特徴とする排気ガス浄化システム。
  6. 請求項5に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記粒子は、焼成物を粉砕して形成された粒子であることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  7. 請求項5又は6に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記粒子間に形成される間隙が平均10μm以下であることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記粒子の少なくとも一部は、前記乾式脱硫手段が揺動することにより流動することを特徴とする排気ガス浄化システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記乾式脱硫手段は、前記排気経路に着脱自在に設けられていることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記還元剤は、尿素水であることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記選択触媒還元手段の下流側の前記排気経路に前記排気ガスから熱回収を行う排熱回収手段を備えることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システムであって、
    前記選択触媒還元手段の下流側の前記排気経路から前記内燃機関に前記排気ガスの一部を戻すバイパス経路を備えることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の排気ガス浄化システムを搭載したことを特徴とする船舶。
  14. 請求項13に記載の船舶であって、
    前記乾式脱硫手段を複数個備え、
    前記内燃機関の運転中に前記複数個の前記乾式脱硫手段のうちの一部を交換可能としたことを特徴とする船舶。
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