JP2018132279A - 排熱回収ボイラ及びその飛散物回収方法 - Google Patents

排熱回収ボイラ及びその飛散物回収方法 Download PDF

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強 中原
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隆之 須藤
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【課題】排ガス流れの圧力損失に与える影響を可及的に少なくして飛散物を回収することができる排熱回収ボイラを提供する。【解決手段】排ガスが流入する排ガス入口ダクト5と、排ガス入口ダクト5に対して排ガス流れの下流側に設けられた本体部3と、本体部3に対して排ガス流れの下流側に設けられた排ガス出口ダクト7とを備え、本体部3は、複数の伝熱管の長手軸方向が排ガスの流れに対して直交して配列された伝熱管群10を有し、排ガス出口ダクト7は、本体部3よりも小さい流路断面積を有して系外に接続された出口開口7aを有し、伝熱管群10と出口開口7aの間にターゲットプレート15が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、排熱回収ボイラ内から脱離して飛散する飛散物を回収する排熱回収ボイラ及びその飛散物回収方法に関するものである。
燃焼ガスなどの排ガスから熱回収する排熱回収ボイラ(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)が知られている(特許文献1)。排熱回収ボイラは、多数の伝熱管で構成された伝熱管群を備えており、伝熱管群の伝熱管の長手軸方向は、排熱回収ボイラ内を流れる排ガス流れ方向に対して直交して配置されている。排熱回収ボイラの出口部は、煙突などの系外に接続され、熱回収されて温度が低下した排ガスを排出する。
排熱回収ボイラを排ガスが通過する際に、脱硝装置でNOxを除去するために注入されたアンモニアと排ガス中の硫黄酸化物(以下「SOx」という。)との化学反応により硫酸水素アンモニウムが生成される。この硫酸水素アンモニウムが排熱回収ボイラの伝熱管群に付着・堆積し、伝熱管表面に錆が発生する。伝熱管群に付着・堆積した硫酸水素アンモニウムや錆、腐食により剥離した伝熱管の塗膜片、或いは排ガス中に含まれる煤塵等が飛散物となって、排ガスとともに煙突から外部へ放出される恐れがあった。
特に、排熱回収ボイラの起動時には、機器と排ガスの温度差により伝熱管群からの剥離が容易となり、飛散物が多く発生する可能性があった。
これを防止するため、特許文献1では煙突内部にダンパを設置し、ダンパ上部に金網を設置することで、煙突内部に飛散してきた飛散物を金網で収集し適宜清掃作業を行うことが開示されている。
特許第4868924号公報
排熱回収ボイラに対して系外に接続される出口開口は相対的に狭く設計されている。したがって、出口開口付近では局所的に流速が速い領域となり、排熱回収ボイラ内に飛散物があるとこれを巻き込んで煙突へ排出される。また、上記特許文献1のように煙突内部に金網などのフィルタ類を設置した場合、これらフィルタ類を定期的に清掃又は交換する必要があるが、高所作業が必要となり、また定検時に実施するしかない。煙突内部を流れる排ガスの流速は排熱回収ボイラ内の流速に対して速いため、フィルタ類が閉塞すると圧力損失が高くなり、上流側に接続される発電設備の効率低下に繋がる。特に、上流側にガスタービンを接続した場合には、排熱回収ボイラを通過する排ガスの圧力損失が変動して圧力が上昇するとガスタービンがトリップしてしまう可能性もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、排熱回収ボイラを通過する排ガス流れの圧力損失の発生を少なくして、圧力損失に与える影響を可及的に少なくして飛散物を回収することができる排熱回収ボイラ及びその飛散物回収方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の排熱回収ボイラ及びその飛散物回収方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる排熱回収ボイラは、排ガスが流入する排ガス入口部と、該排ガス入口部に対して排ガス流れの下流側に設けられた本体部と、該本体部に対して排ガス流れの下流側に設けられた排ガス出口部とを備え、前記本体部は、複数の伝熱管の長手軸方向が前記排ガス流れに対して直交して配列された伝熱管群を有し、前記排ガス出口部は、前記本体部よりも小さい流路断面積を有して系外に接続された出口開口を有し、前記伝熱管群と前記出口開口との間に遮蔽体が設けられている。
伝熱管群と出口開口との間に遮蔽体を設置することにより、排熱回収ボイラ内での流路断面積が小さくされた出口開口に向けて排ガスの流速が局所的に大きくなる領域に、遮蔽体が設置されることになる。排ガスの流速が局所的に大きくなると飛散物が重力落下することなく流体力で飛散物が巻き上げられて飛散し易くなる。これにより、出口開口に向かう流速が大きい排ガス流れは遮蔽体によって遮られることになるため、排ガスに巻き上げられた飛散物は、遮蔽体に衝突して系外に排出されることが抑制される。
また、排ガス流れは遮蔽体を迂回して出口開口から系外に排出されるため、局所的に流速が大きい領域が抑制され、流体力が低下することで飛散物が重力落下するものが多くなり、巻き上げられて飛散しにくくなるので、飛散物が系外へ排出される量を可及的に少なくできる。
また、出口開口の領域に比べて流速が小さい領域、すなわち伝熱管群と出口開口との間に遮蔽体を設けることとしたので、排ガス流れの圧力損失の発生を少なくして、圧力損失に与える影響を可及的に少なくして飛散物を回収することができる。
さらに、本発明の排熱回収ボイラでは、前記遮蔽体は、前記出口開口側に頂点が配置され、前記伝熱管群側に開口を有する形状とされている。
遮蔽体は、出口開口側に頂点が配置され、本体部側に開口を有する形状とされているので、遮蔽体の開口から流入した飛散物は、開口と頂点との間の斜面に衝突し、開口から伝熱管群側に排出する方向に跳ね返される。これにより、飛散物を確実に出口開口側へと導かずに伝熱管群側へと向かわせることができる。
さらに、本発明の排熱回収ボイラでは、前記遮蔽体は、前記本体部の側方の壁部に対して所定の間隔を有して配置されている。
排熱回収ボイラの側方の壁部に対して所定の間隔を有して遮蔽体を配置することで、排ガスを遮蔽体と側壁との間から流すことができる。遮蔽体と側壁との間から流れる排ガスは、遮蔽体によって堰き止められた後に向かうので、流速が低下している。このため、流体力が低下することで飛散物が重力落下するものが多くなるので、排ガス流れに随伴する飛散物を可及的に減らすことができる。
遮蔽体が流路断面を遮蔽する幅をW、本体部の流路幅をW1とすると、W/W1は、例えば、0.2以上0.5以下とされる。W/W1をこの範囲とすることで、排ガス流れの圧力損失の発生を少なくして圧力損失を低減しつつ、飛散物の回収を効果的に行うことができる。
さらに、本発明の排熱回収ボイラでは、前記遮蔽体の排ガス流れに対する最下流位置は、前記出口開口との間に所定の距離を設けて設置されている。
遮蔽体と出口開口との間に所定の距離を設けることによって、遮蔽体によって流れを遮れた排ガス流れの圧力損失の発生を少なくして圧力損失を低減しつつ、飛散物の回収を効果的に行うことができる。
前記遮蔽体が流路断面を遮蔽する幅をW、前記本体部の流路幅をW1とした場合に、W/W1が、例えば、0.2以上0.5以下とされている。
前記遮蔽体の前記排ガス流れ最下流位置から前記出口開口までの距離をL、前記排ガス出口部の入口から前記出口開口までの距離をL1とした場合に、L/L1が、例えば0.2以上1.0未満とされている。
L/L1をこの範囲とすることで、排ガス流れの圧力損失の発生を少なくして圧力損失を低減しつつ、排熱回収ボイラの大型化を抑制することができる。
さらに、本発明の排熱回収ボイラでは、前記遮蔽体は、錘形状、または略半球形状である。
遮蔽体を錐形状や略半球形状とすることで、開口から流入した飛散物を好適に開口から伝熱管群側に排出する方向に跳ね返すことができる。
錐形状としては、四角錐等の多角錐や、円錐が挙げられる。略半球形状としては、同一の半径を有する半球形状に限らず、お椀形状であっても良い。
さらに、本発明の排熱回収ボイラでは、前記遮蔽体は、衝突した飛散物が該遮蔽体の前記排ガス流れ方向に直交する断面中心を前記排ガス流れ方向に延びる中心軸線に向けて反射する形状とされている。
遮蔽体を、衝突した飛散物が遮蔽体の断面中心を前記排ガス流れ方向に延びる中心軸線に向けて反射する形状とすることで、飛散物を中心軸線に向けて集めることができ、飛散物の捕集効率を上げることができる。
さらに、本発明の排熱回収ボイラでは、前記遮蔽体は、前記出口開口の面積よりも遮蔽面積が大きくされ、前記排ガス出口ダクトの前記排ガス流れに対して直交する方向の幅方向における中央を通る鉛直線と前記遮蔽体の前記出口開口側の頂点とを通る鉛直線が略一致している。
出口開口の面積よりも遮蔽体の遮蔽面積を大きくすることで、遮蔽体に衝突せずに直接出口開口に向かう排ガス流れを無くすことができる。これにより、出口開口に向かう排ガスの局所的な流速上昇を抑えるとともに、飛散物が出口開口に向かうことを抑制することができる。
また、本発明の排熱回収ボイラの飛散物回収方法は、複数の伝熱管の長手軸方向が排ガス流れに対して直交して配列された伝熱管群と、排ガス入口部に対して排ガス流れの下流側に設けられた本体部よりも小さい流路断面積を有して系外に接続された出口開口とを有する排熱回収ボイラの飛散物回収方法であって、前記伝熱管群と該伝熱管群よりも排ガス流れ下流側に位置する出口開口との間に遮蔽板を設置し、該遮蔽板に対して排ガス流れに随伴する飛散物を衝突させて、衝突した該飛散物が該遮蔽板の排ガス流れ方向に直交する断面中心を排ガス流れ方向に延びる中心軸線に向けて落下させることで該飛散物を回収する。
伝熱管群と出口開口との間の流速が比較的小さい領域に遮蔽体を設けることとしたので、排ガス流れの圧力損失の発生を少なくして、圧力損失に与える影響を可及的に少なくして飛散物を回収することができる。
本発明の一実施形態に係る排熱回収ボイラの概略構成を示した縦断面図である。 ターゲットプレート(遮蔽体)を示した斜視図である。 排熱回収ボイラ内の流れを示した縦断面図である。 比較例の排熱回収ボイラを示した縦断面図である。
以下に、本発明のいくつかの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、排熱回収ボイラ(HRSG:heat recovery steam generator)1が示されている。排熱回収ボイラ1の排ガス流れの上流側には、図示しない燃焼器で燃焼された燃焼ガスが導かれる図示しないガスタービンが設けられている。ガスタービンには、図示しない発電機が接続されている。
排熱回収ボイラ1は、本実施形態の例では、縦型配置の構造であり、本体部3では排ガスは鉛直方向下側から上側へと流通する。なお、以降の説明では、「上」、「下」は鉛直方向で上側、下側を示すものとする。本体部3と、本体部3の下方に接続された排ガス入口ダクト(排ガス入口部)5と、本体部3の上方に接続された排ガス出口ダクト(排ガス出口部)7とを備えている。
本体部3には、排ガス流れ上流側から順に、脱硝装置9と、伝熱管群10とが設けられている。
脱硝装置9は、ガスタービン等から排出された排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を処理し、還元脱硝反応でアンモニアを用いて脱硝する方式が採用されている。
伝熱管群10は、複数の伝熱管の長手軸方向が排ガス流れに対して直交して配列されて形成されており、必要に応じて所定のブロックに分かれている。各伝熱管の内部には、例えばボイラや蒸気タービンに供給される水や蒸気が流されて、排ガスとの間で熱交換を行う。なお、脱硝装置9の上流側(下側)に別の伝熱管群を設けても良い。
伝熱管群10の上方には、伝熱管群10を吊り下げるための複数の支持ビーム11が設けられている。支持ビーム11は、例えばI字形状断面を有する構造部材であり、紙面において垂直方向に延在している。各支持ビーム11は、本体部3に固定されており、各支持ビーム11から図示しない吊具が下方へ吊り下げられている。吊具は、伝熱管群10の各伝熱管が挿通される図示しない多孔板を支持しており、これにより、伝熱管群10は支持ビーム11から吊り下げられて固定されるようになっている。多孔板は伝熱管と直交する面方向に広がり、所定間隔を有して平行に配列されている。
排ガス入口ダクト5は、ガスタービン等から排ガスを導くための流路を形成し、本体部3の下端に接続されている。
排ガス出口ダクト7は、本体部3を通過した排ガスが流される流路を形成し、下流側となる上方には煙突12が出口開口7aにて接続されている。煙突12の流路断面積は、本体部3の流路断面積よりも小さくなっている。そのため、排ガス出口ダクト7は、上流側から下流側(下方から上方に向けて)流路断面積が漸次縮小される形状となっている。
また、排熱回収ボイラ1では、排ガス中のNOxを除去するために脱硝装置9で注入されたアンモニアと排ガス中のSOxとの化学反応で生成された硫酸水素アンモニウムが伝熱管群10などに付着・堆積しており、伝熱管群10の錆や剥離塗膜片などとともに起動時などの温度変化などで伝熱管群10から剥離して離脱するものがある。この脱落したものの一部は重力落下して排熱回収ボイラ1の内部で堆積し、他部のなかには飛散物となって、排ガスとともに飛散する場合がある。
排ガス出口ダクト7には、ターゲットプレート(遮蔽体)15が設けられている。ターゲットプレート15は、本実施形態では、図2に示すように、四角錐形状とされている。ターゲットプレート15は、4枚の三角形状の鋼板を接合して形成されている。ターゲットプレート15は、頂点15aが上方とされ、開口15bが下方とされた姿勢で配置されている。ターゲットプレート15は、頂点15aが出口開口7aの排ガス流れに対して直交する方向の幅方向における中央に位置され、頂点15aを通る鉛直線に対して対称形状となるように設けられている。また、排ガス出口ダクト7の排ガス流れ方向に直交する断面中心を排ガス流れ方向に延びる中心軸線(本実施形態では、排ガス流れに対して直交する方向の幅方向における中央を通り、鉛直方向に延びる中心軸線)と頂点15aを通る鉛直線は略一致することが好ましい。排ガス出口ダクト7の中で排ガス流れが、幅方向に略対称になり、局所的に圧力損失の増加を抑制することができる。
排ガス流れに対して直交する面方向に延びる流路断面において、ターゲットプレート15が流路を遮る面積(上方への投影面積)は、出口開口7aの面積よりも大きく設定されている。
ターゲットプレート15の頂点15aにおける開き角αは、ターゲットプレート15の内側面に衝突した飛散物が頂点15aを通る鉛直線上に向かうように設定されている。
図3に示すように、排ガス流れに対して直交する方向において、ターゲットプレート15が流路断面を遮蔽する幅、すなわち下端の幅をW、ターゲットプレート15と伝熱管群10との間の最大流路幅、すなわち本体部3における流路幅をW1とすると、W/W1は、例えば、0.2以上0.5以下の範囲で設定されている。シミュレーションを用いた試験により、W/W1は0.2より小さいと出口開口7aに向かう局所的に速い流れの多くをターゲットプレート15により遮蔽することが出来ない。またW/W1は0.5より大きいと出口開口7aに向かう排ガスの流路を遮蔽する面積割合が大きくなり、排ガス流れの圧力損失の発生が増加し始める。
排ガス流れ方向(本実施形態では鉛直方向)に対してターゲットプレート15の排ガス流れ最下流位置、すなわち頂点15aから出口開口7aまでの距離をL、排ガス出口ダクト7の入口から出口開口7aまでの距離をL1とすると、L/L1は、例えば、0.2以上1.0未満の範囲に設定されている。シミュレーションを用いた試験により、L/L1は0.2より小さいと排ガス出口ダクト7とターゲットプレート15との間の排ガスの流路が狭くなり、排ガス流れの圧力損失の発生が増加し始める。L/L1は1.0より大きくなると、ターゲットプレート15の設置位置が排ガス出口ダクト7よりも本体部3における流路に設置することになり、伝熱管群10と排ガス出口ダクト7との間に大きなスペースが必要となることから、排熱回収ボイラ1が大型化するため好ましくない。
上記構成の排熱回収ボイラ1は、以下のように動作する。
ガスタービンで仕事を終えた高温の排ガスが、図1の矢印A1に示すように排ガス入口ダクト5へ導かれる。排ガス入口ダクト5から流入した排ガスは本体部3の下方から流れ込み、脱硝装置9を通過した後に伝熱管群10を鉛直方向下方から上方に通過する。伝熱管群10を構成する各伝熱管の周囲を高温の排ガスが流れることにより、伝熱管の内部を流れる流体(水や蒸気など)が排ガスと熱交換して加熱される。こうして排ガスの保有する熱量が効率良く回収されて有効に利用される。
伝熱管群10を通過した排ガスは、上方へと向かい、排ガス出口ダクト7を通り煙突12から系外へと排出される。
排ガスの性状により、伝熱管群10を構成する各伝熱管の外周には、付着物が生じる。付着物としては、典型的には、硫酸水素アンモニウム(NHHSO)が挙げられる。硫酸水素アンモニウムは、還元脱硝反応にアンモニアを用いる脱硝装置9が伝熱管群10の排ガス流れ上流側に設置され、かつ燃料が高炉ガス等や油類、石炭のように硫黄分を比較的多く含む燃料を用いた場合の燃焼排ガスに顕著に生成される。
硫酸水素アンモニウムは、脱硝触媒の還元剤として排ガス中に噴霧されるアンモニア(NH)のうち還元脱硝反応に使用されずに回収が出来なかったものと、排ガス中のSOxとの化学反応(NH+HSO)によって発生する。硫酸水素アンモニウムは排ガス中の濃度にもよるが、約100℃〜250℃で析出が発生し易い。
このような伝熱管群10などに付着した硫酸水素アンモニウムやこれを混在した錆や塗膜片などが排熱回収ボイラ1の起動時など温度変化による熱膨張差が生じるなどで脱離して、一部は重力落下し、他部のうち飛散物となり排ガスとともに巻き上げられるものがある。特に、排ガスの流速が局所的に大きくなると飛散物が重力落下することなく流体力で巻き上げられて飛散し易くなる。
これに対して、本実施形態では、ターゲットプレート15によって飛散物を回収するようになっている。また、ターゲットプレート15頂点15aを通る鉛直線は、排ガス出口ダクト7の排ガス流れに対して直交する方向の幅方向における中央を通る鉛直線と略一致することが好ましい。排ガス出口ダクト7の中で排ガス流れが、幅方向に略対称になり、局所的に圧力損失の増加を抑制することができる。具体的には、図3に示したように、伝熱管群10の各伝熱管から脱離した飛散物は排ガスとともに上方に流れて、ターゲットプレート15の開口15bからターゲットプレート15内に流入する。排ガス及び飛散物(図3の符号20参照)は、ターゲットプレート15にて堰き止められ、下方へと向きを変更する。この際に、各飛散物は、四角錐形状とされたターゲットプレート15によって中央側に向きを変えることになる。ここで、中央側とは、排ガス流れに対して直交する方向の幅方向における中央のことであり、炉内中心側と略一致する。これにより、各飛散物は、炉内中心側に向かって重力落下する。炉内中心側に向かって落下した飛散物は、ターゲットプレート15の周囲へと散乱することなく中央に集められて適宜回収される。
ターゲットプレート15で堰き止められて流れの向きを変えられた排ガスは、ターゲットプレート15の周囲より外側を通って上昇し、出口開口7aを通って煙突12へと導かれる。このとき、落下した飛散物がターゲットプレート15の周囲を通過しようとする排ガス流れにより、再度搬送されることを効果的に抑制することができる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
伝熱管群10と出口開口7aとの間にターゲットプレート15を設置することにより、流路断面積が小さくされた出口開口7aに向けて排ガスの流速が局所的に大きくなる領域に、ターゲットプレート15が設置されることになる。これにより、出口開口7aに向かう流速が大きい排ガス流れはターゲットプレート15によって遮られることになるため、排ガスに巻き上げられた飛散物は、流速が速い領域の流体力により排ガス流れに随伴してターゲットプレート15に衝突するため、系外に排出されることが抑制される。
図4には、比較例として、ターゲットプレート15が設置されていない構成が示されている。同図に示されているように、ターゲットプレート15が設けられていないと、飛散物20は排ガスに巻き上げられて煙突に直接流入して系外へと放出されることになる。
出口開口7aに向かう流速が大きい排ガス流れはターゲットプレート15に堰き止められた後に迂回して出口開口7aから系外に排出されるため、流速が低下して局所的に流速が大きい領域が抑制され、排ガス流れの流体力が低下することで飛散物が重力落下するものが多くなるので、飛散物が系外へ排出される量を可及的に少なくできる。
また、出口開口7aの領域に比べて流速が小さい領域、すなわち伝熱管群10と出口開口7aとの間にターゲットプレート15を設けることとしたので、排ガス流れの圧力損失の発生を少なくして圧力損失に与える影響を可及的に少なくして飛散物を回収することができる。
ターゲットプレート15は、出口開口7a側に頂点15aが配置され、本体部3側に開口15bを有する形状とされているので、ターゲットプレート15の開口15bから流入した飛散物は、開口15bと頂点15aとの間の斜面に衝突し、開口15bから伝熱管群10側に排出する方向に跳ね返される。これにより、飛散物を確実に出口開口7a側へと導かずに伝熱管群10側へと向かわせることができる。
ターゲットプレート15は、排熱回収ボイラ1の側方の壁部に対して所定の間隔を有してターゲットプレート15を配置することで、排ガスをターゲットプレート15の周囲より外側から流すことができる。ターゲットプレート15の周囲より外側を流れる排ガスは、ターゲットプレート15によって堰き止められた後に向かうので、流速が低下している。このため、排ガスの流体力が低下することで飛散物が重力落下するものが多くなるので、排ガス流れに随伴する飛散物を可及的に減らすことができる。
ターゲットプレート15と出口開口7aとの間に所定の距離Lを設けることによって、ターゲットプレート15によって流れを遮れた排ガス流れの圧力損失の発生を少なくして圧力損失を低減しつつ、飛散物の回収を効果的に行うことができる。
ターゲットプレート15を四角錐形状とすることで、開口15bから流入した飛散物を好適に開口15bから伝熱管群10側に排出する方向に跳ね返すことができる。
また、飛散物は、ターゲットプレート15の排ガス流れ方向に直交する断面中心を排ガス流れ方向に延びる中心軸線に向かい跳ね返す(本実施形態では炉内中心側に向かって落下)するので、跳ね返された飛散物がターゲットプレート15の周囲を通過しようとする排ガス流れにより、再度搬送されることを効果的に抑制することができる。
なお、四角錐形状に代えて他の多角錐形状や円錐形状、略半球形状としてもよい。略半球形状としては、同一の半径を有する半球形状に限らず、お椀形状であっても良い。
ターゲットプレート15を四角錐形状として、衝突した飛散物がターゲットプレート15の中心軸線側に向けて反射する形状とすることで、飛散物を中心軸線側に集めることができ、飛散物の捕集効率を上げることができる。
ターゲットプレート15が流路を遮蔽する面積を、出口開口7aの面積よりも大きくすることで、ターゲットプレート15に衝突せずに直接出口開口7aに向かう排ガス流れを無くすことができる。これにより、排ガスの出口開口7aに向かう局所的な流速上昇を抑えるとともに、飛散物が出口開口7aに向かうことを抑制することができる。
1 排熱回収ボイラ
3 本体部
5 排ガス入口ダクト(排ガス入口部)
7 排ガス出口ダクト(排ガス出口部)
9 脱硝装置
10 伝熱管群
11 支持ビーム
12 煙突
15 ターゲットプレート(遮蔽体)
15a 頂点
15b 開口
20 飛散物

Claims (10)

  1. 排ガスが流入する排ガス入口部と、該排ガス入口部に対して排ガス流れの下流側に設けられた本体部と、該本体部に対して排ガス流れの下流側に設けられた排ガス出口部とを備え、
    前記本体部は、複数の伝熱管の長手軸方向が前記排ガス流れに対して直交して配列された伝熱管群を有し、
    前記排ガス出口部は、前記本体部よりも小さい流路断面積を有して系外に接続された出口開口を有し、
    前記伝熱管群と前記出口開口との間に遮蔽体が設けられていることを特徴とする排熱回収ボイラ。
  2. 前記遮蔽体は、前記出口開口側に頂点が配置され、前記伝熱管群側に開口を有する形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の排熱回収ボイラ。
  3. 前記遮蔽体は、前記本体部の側方の壁部に対して所定の間隔を有して配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排熱回収ボイラ。
  4. 前記遮蔽体の前記排ガス流れに対する最下流位置は、前記出口開口との間に所定の距離を設けて設置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排熱回収ボイラ。
  5. 前記遮蔽体が流路断面を遮蔽する幅をW、前記本体部の流路幅をW1とした場合に、W/W1が0.2以上0.5以下とされていることを特徴とする請求項3に記載の排熱回収ボイラ。
  6. 前記遮蔽体の前記排ガス流れ最下流位置から前記出口開口までの距離をL、前記排ガス出口部の入口から前記出口開口までの距離をL1とした場合に、L/L1が0.2以上1.0未満とされていることを特徴とする請求項4に記載の排熱回収ボイラ。
  7. 前記遮蔽体は、錘形状、または略半球形状であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の排熱回収ボイラ。
  8. 前記遮蔽体は、衝突した飛散物が該遮蔽体の前記排ガス流れ方向に直交する断面中心を前記排ガス流れ方向に延びる中心軸線に向けて反射する形状とされていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の排熱回収ボイラ。
  9. 前記遮蔽体は、前記出口開口の面積よりも遮蔽面積が大きくされ、
    前記排ガス出口部の前記排ガス流れに対して直交する方向の幅方向における中央を通る鉛直線と前記遮蔽体の前記出口開口側の頂点とを通る鉛直線が略一致していることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の排熱回収ボイラ。
  10. 複数の伝熱管の長手軸方向が排ガス流れに対して直交して配列された伝熱管群と、排ガス入口部に対して排ガス流れの下流側に設けられた本体部よりも小さい流路断面積を有して系外に接続された出口開口とを有する排熱回収ボイラの飛散物回収方法であって、
    前記伝熱管群と該伝熱管群よりも前記排ガス流れ下流側に位置する出口開口との間に遮蔽板を設置し、該遮蔽板に対して前記排ガス流れに随伴する飛散物を衝突させて、衝突した該飛散物が該遮蔽板の前記排ガス流れ方向に直交する断面中心を前記排ガス流れ方向に延びる中心軸線に向けて落下させることで該飛散物を回収することを特徴とする排熱回収ボイラの飛散物回収方法。
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