JP2023018550A - 付着物除去システム、及び付着物除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スートブロワを適切に運転することができるとともに、熱交換器の伝熱面に付着した付着物を十分に除去することができる付着物除去システムを提供する。【解決手段】排ガスから熱回収する過熱器41~43の伝熱面に付着したダストをスートブロワ71によって除去する付着物除去システム70であって、ダストの除去量の予測範囲を設定する予測範囲設定部75aと、スートブロワ71によって除去されたダストの除去量を測定する除去量測定手段(73,75b)と、測定されるダストの除去量が予測範囲内となるように、スートブロワ71の運転を制御する運転制御手段(72,75c,75d)とを備えるものとする。【選択図】図1
Description
本発明は、排ガスから熱回収する熱交換器の伝熱面に付着した付着物をスートブロワによって除去する付着物除去システム、及び付着物除去方法に関する。
近年、発電設備が併設された廃棄物燃焼処理施設等での発電量向上が重要となっている。廃棄物燃焼処理施設等での発電は、燃焼炉での廃棄物の燃焼に伴い発生した高温の排ガスからボイラにて熱回収を行い、所定の温度、圧力の蒸気を生成してタービン発電機に導入することにより行われている。
ボイラは、放射室と対流伝熱室とを有している。放射室には、放射伝熱管が放射伝熱面として配設され、対流伝熱室には、例えば、過熱器が対流伝熱面として配設されている。過熱器は、水平方向に伝熱管(過熱管)が複数配設された伝熱管群が高さ方向に複数段配設されて構成されている。
燃焼炉からの排ガスには、腐食成分や、重金属類等を含む煤塵(ダスト)が含まれている。このため、運転経過に伴い、ボイラの放射伝熱面や、対流伝熱面に徐々にダストが付着、堆積し、熱回収性能の低下や、ガス流路の閉塞、伝熱管の腐食といった障害を招き、正常な運転の継続が困難な状態に陥ることがある。
そこで、運転中にダストを除去することができるダスト除去装置としてのスートブロワを設置することにより、正常な運転を継続的に行うことを可能としている。スートブロワとしては、例えば、蒸気式スートブロワ(例えば、特許文献1を参照)や、ショックパルス式スートブロワ(例えば、特許文献2を参照)等が挙げられる。
特許文献1に係る蒸気式スートブロワは、水蒸気を噴射するための噴射ノズルを備えたスートブロワ本体と、このスートブロワ本体をボイラの排ガス通路内へと送り込み、又はボイラの排ガス通路内から引き抜くように駆動する駆動装置とを備えている。この蒸気式スートブロワにおいては、駆動装置によりスートブロワ本体をボイラの排ガス通路内へと送り込み、スートブロワ本体に設けた噴射ノズルからボイラの伝熱管に向けて水蒸気を噴射することにより、伝熱管に付着したダストを除去するように構成されている。
特許文献2に係るショックパルス式スートブロワは、開口部を有する容器と、容器の開口部を塞ぐ封止体とを備え、容器内に可燃性物質を充填し、充填した可燃性物質を燃焼させて容器内の圧力を高めることにより、封止体を破壊して圧力波を発生させ、発生させた圧力波を利用してボイラの伝熱管に付着したダストを除去するように構成されている。
特許文献1に開示された蒸気式スートブロワにおいては、駆動装置によりスートブロワ本体をボイラの排ガス通路内へと送り込み、スートブロワ本体に設けた噴射ノズルから水蒸気を噴射するというダスト除去のための運転が、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行われる。
特許文献2に開示されたショックパルス式スートブロワにおいては、容器の開口部を封止体で塞ぎ、容器内に可燃性物質を充填し、充填した可燃性物質に点火して燃焼させ、容器内の圧力を高めることで封止体を破壊して圧力波を発生させるというダスト除去のための運転が、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行われる。
上記のように、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行うスートブロワの運転では、ダストを十分に除去できる場合もあるが、伝熱管に対するダストの付着状態によってはダストを十分に除去しきれない場合がある。そこで、一定時間をあけて周期的にスートブロワを連続的に複数回運転することが考えられる。しかしながら、1回のスートブロワの運転によってダストの除去が十分になされる場合があるにもかかわらず、スートブロワの連続運転を周期的に実施することは不経済である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、スートブロワを適切に運転することができるとともに、熱交換器の伝熱面に付着した付着物を十分に除去することができる付着物除去システム、及び付着物除去方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る付着物除去システムの特徴構成は、
排ガスから熱回収する熱交換器の伝熱面に付着した付着物をスートブロワによって除去する付着物除去システムであって、
前記付着物の除去量の予測範囲を設定する予測範囲設定手段と、
前記スートブロワによって除去された前記付着物の除去量を測定する除去量測定手段と、
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲内となるように、前記スートブロワの運転を制御する運転制御手段と、
を備えることにある。
排ガスから熱回収する熱交換器の伝熱面に付着した付着物をスートブロワによって除去する付着物除去システムであって、
前記付着物の除去量の予測範囲を設定する予測範囲設定手段と、
前記スートブロワによって除去された前記付着物の除去量を測定する除去量測定手段と、
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲内となるように、前記スートブロワの運転を制御する運転制御手段と、
を備えることにある。
本構成の付着物除去システムによれば、付着物の除去量の予測範囲が予測範囲設定手段によって設定される。また、スートブロワによって除去された付着物の除去量が除去量測定手段によって測定される。そして、測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲内となるように、スートブロワの運転が運転制御手段によって制御される。例えば、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行うスートブロワの運転によっても、測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲内であれば、そのような周期的に1回ずつ行うスートブロワの運転が実施される。一方、測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲を外れるようなことがあれば、予測範囲内となるようにすべく、例えば、スートブロワによる付着物除去動作の間隔を短くしたり、スートブロワによる付着物除去動作を複数回続けて行うようにしたりする、といった具合にスートブロワの運転が制御される。従って、スートブロワを適切に運転することができるとともに、予測範囲内の付着量の付着物を確実に除去することができ、付着物を十分に除去することができる。
本発明に係る付着物除去システムにおいて、
前記運転制御手段は、前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の上限より大きい場合、前記スートブロワによる付着物除去動作の間隔を短くすることが好ましい。
前記運転制御手段は、前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の上限より大きい場合、前記スートブロワによる付着物除去動作の間隔を短くすることが好ましい。
例えば、熱交換器の伝熱面に付着物が予測を超えて過剰に付着・堆積している場合において、過剰に付着・堆積した付着物がスートブロワの運転によって除去されると、除去量測定手段によって測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲の上限より大きくなることがある。このような場合、本構成の付着物除去システムによれば、スートブロワによる付着物除去動作の間隔が短くされるので、言い換えれば所定時間内におけるスートブロワの運転回数が増えるので、付着物が予測を超えて過剰に付着・堆積していたとしても、付着物を速やかに除去することができ、熱回収性能を速やかに回復することができる。
本発明に係る付着物除去システムにおいて、
前記運転制御手段は、前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の下限より小さい場合、前記スートブロワによる付着物除去動作を複数回続けて行うようにすることが好ましい。
前記運転制御手段は、前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の下限より小さい場合、前記スートブロワによる付着物除去動作を複数回続けて行うようにすることが好ましい。
例えば、熱交換器の伝熱面に付着物が強固に付着・堆積している場合において、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行うようなスートブロワの運転によっては、付着物が十分に除去されずに、除去量測定手段によって測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲の下限より小さくなることがある。このような場合、本構成の付着物除去システムによれば、スートブロワによる付着物除去動作が複数回続けて行われるので、付着物が強固に付着・堆積していたとしても、付着物を速やかに除去することができ、熱回収性能を速やかに回復することができる。
次に、上記課題を解決するための本発明に係る付着物除去方法の特徴構成は、
排ガスから熱回収する熱交換器の伝熱面に付着した付着物をスートブロワによって除去する付着物除去方法であって、
前記付着物の除去量の予測範囲を設定する予測範囲設定工程と、
前記スートブロワによって除去された前記付着物の除去量を測定する除去量測定工程と、
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲内となるように、前記スートブロワの運転を制御する運転制御工程と、
を包含することにある。
排ガスから熱回収する熱交換器の伝熱面に付着した付着物をスートブロワによって除去する付着物除去方法であって、
前記付着物の除去量の予測範囲を設定する予測範囲設定工程と、
前記スートブロワによって除去された前記付着物の除去量を測定する除去量測定工程と、
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲内となるように、前記スートブロワの運転を制御する運転制御工程と、
を包含することにある。
本構成の付着物除去方法によれば、付着物の除去量の予測範囲が予測範囲設定工程において設定される。また、スートブロワによって除去された付着物の除去量が除去量測定工程において測定される。そして、運転制御工程においては、測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲内となるように、スートブロワの運転が制御される。例えば、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行うスートブロワの運転によっても、測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲内であれば、そのような周期的に1回ずつ行うスートブロワの運転が実施される。一方、測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲を外れるようなことがあれば、予測範囲内となるようにすべく、例えば、スートブロワによる付着物除去動作の間隔を短くしたり、スートブロワによる付着物除去動作を複数回続けて行うようにしたりする、といった具合にスートブロワの運転が制御される。従って、スートブロワを適切に運転することができるとともに、予測範囲内の付着量の付着物を確実に除去することができ、付着物を十分に除去することができる。
本発明に係る付着物除去方法において、
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の上限より大きい場合、前記運転制御工程において、前記スートブロワによる付着物除去動作の間隔を短くするように前記スートブロワの運転を制御することが好ましい。
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の上限より大きい場合、前記運転制御工程において、前記スートブロワによる付着物除去動作の間隔を短くするように前記スートブロワの運転を制御することが好ましい。
例えば、熱交換器の伝熱面に付着物が予測を超えて過剰に付着・堆積している場合においては、過剰に付着・堆積した付着物がスートブロワの運転によって除去されると、除去量測定工程において測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲の上限より大きくなることがある。このような場合、本構成の付着物除去方法によれば、運転制御工程において、スートブロワによる付着物除去動作の間隔が短くされるので、言い換えれば所定時間内におけるスートブロワの運転回数が増えるので、付着物が予測を超えて過剰に付着・堆積していたとしても、付着物を速やかに除去することができ、熱回収性能を速やかに回復することができる。
本発明に係る付着物除去方法において、
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の下限より小さい場合、前記運転制御工程において、前記スートブロワによる付着物除去動作を複数回続けて行うように前記スートブロワの運転を制御することが好ましい。
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の下限より小さい場合、前記運転制御工程において、前記スートブロワによる付着物除去動作を複数回続けて行うように前記スートブロワの運転を制御することが好ましい。
例えば、熱交換器の伝熱面に付着物が強固に付着・堆積している場合において、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行うようなスートブロワの運転によっては、付着物が十分に除去されずに、除去量測定工程において測定される付着物の除去量が、付着物の除去量の予測範囲の下限より小さくなることがある。このような場合、本構成の付着物除去方法によれば、運転制御工程において、スートブロワによる付着物除去動作が複数回続けて行われるので、付着物が強固に付着・堆積していたとしても、付着物を速やかに除去することができ、熱回収性能を速やかに回復することができる。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、廃棄物燃焼処理施設の燃焼炉に並設されたボイラに適用された付着物除去システム、及び付着物除去方法を例に挙げて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
<廃棄物燃焼処理施設の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る付着物除去システム70を具備する燃焼処理施設1の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、燃焼処理施設1は、主として、被燃焼物受入部2、燃焼炉3、ボイラ4、及び別置エコノマイザ5を備えている。この燃焼処理施設1において、被燃焼物受入部2で受け入れられた被燃焼物(例えば、都市ごみ等の廃棄物)は、燃焼炉3で燃焼される。燃焼炉3での燃焼に伴い発生した排ガスは、図示されない誘引ファンの誘引作用により、ボイラ4、及び別置エコノマイザ5に順次導入されて熱回収される。その後、排ガスは、減温塔(図示省略)で減温され、中和薬剤等と共にバグフィルタ(図示省略)に導入され、バグフィルタにおいて酸性ガス成分や煤塵(ダスト)等が除去された後、脱硝装置(図示省略)に導入され、脱硝処理後に煙突(図示省略)を介して外部へと放出される。なお、燃焼処理施設1には、図示されない発電設備が併設されており、ボイラ4で生成した蒸気が発電設備に導入されることにより発電が行われる。
図1は、本発明の一実施形態に係る付着物除去システム70を具備する燃焼処理施設1の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、燃焼処理施設1は、主として、被燃焼物受入部2、燃焼炉3、ボイラ4、及び別置エコノマイザ5を備えている。この燃焼処理施設1において、被燃焼物受入部2で受け入れられた被燃焼物(例えば、都市ごみ等の廃棄物)は、燃焼炉3で燃焼される。燃焼炉3での燃焼に伴い発生した排ガスは、図示されない誘引ファンの誘引作用により、ボイラ4、及び別置エコノマイザ5に順次導入されて熱回収される。その後、排ガスは、減温塔(図示省略)で減温され、中和薬剤等と共にバグフィルタ(図示省略)に導入され、バグフィルタにおいて酸性ガス成分や煤塵(ダスト)等が除去された後、脱硝装置(図示省略)に導入され、脱硝処理後に煙突(図示省略)を介して外部へと放出される。なお、燃焼処理施設1には、図示されない発電設備が併設されており、ボイラ4で生成した蒸気が発電設備に導入されることにより発電が行われる。
<ボイラ>
ボイラ4は、排ガス流れ方向の上流側から下流側に順に区画形成される、第一放射室21、第二放射室22、及び対流伝熱室23を備えている。
ボイラ4は、排ガス流れ方向の上流側から下流側に順に区画形成される、第一放射室21、第二放射室22、及び対流伝熱室23を備えている。
第一放射室21は、燃焼炉3の燃焼室に繋がるように鉛直方向に延設されている。第一放射室21と第二放射室22とは、第一変向部31を介して接続されている。第二放射室22は、第一放射室21と隣接するように鉛直方向に延設されている。第二放射室22と対流伝熱室23とは、第二変向部32を介して接続されている。対流伝熱室23は、第二放射室22と隣接するように鉛直方向に延設されている。
ボイラ4において、燃焼炉3から導入される排ガスは、第一放射室21の下方から上方へと流れ、第一変向部31を経て第二放射室22の上方から下方へと更に流れ、そして、第二変向部32を経て対流伝熱室23の下方から上方へ流れる。
第一放射室21、及び第二放射室22には、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させるための放射伝熱面を構成する多数の放射伝熱管が配設されている。
対流伝熱室23には、同一種類の熱交換部よりなる複数の過熱器41,42,43が互いに所定間隔を存して配設されている。本例では、三次過熱器41、二次過熱器42、及び一次過熱器43が排ガス流れ方向の上流側から下流側に向けて順に配設されている。過熱器41,42,43は、水平方向に配列した複数の伝熱管を高さ方向に多段に設けた伝熱管群を備え、伝熱管が対流伝熱面を構成しており、排ガスとの熱交換により蒸気を発生して更に過熱するように構成されている。なお、ここでは、同一種類の熱交換部よりなる複数の過熱器41,42,43を対流伝熱室23に配設する例を示したが、これに限定されるものではなく、異なる種類の熱交換部、例えば、スクリーン管、過熱器、蒸発管、エコノマイザ等をこの記載の並びに限定されることなく適宜の配置で、互いに所定間隔を存して、排ガス流れ方向の上流側から下流側に向けて対流伝熱室23に配設してもよい。
<別置エコノマイザ>
ボイラ4と別置エコノマイザ5とは、第三変向部33を介して接続されている。別置エコノマイザ5は、対流伝熱室23と隣り合うように鉛直方向に延設される対流伝熱室24を備えている。対流伝熱室24には、複数のエコノマイザ部51,52,53が互いに所定間隔を存して配設されている。本例では、第一エコノマイザ部51、第二エコノマイザ部52、及び第三エコノマイザ部53が排ガス流れ方向の上流側から下流側に向けて順に配設されている。エコノマイザ部51,52,53は、水平方向に配列した複数のエコノマイザ水管を高さ方向に多段に設けたエコノマイザ水管群を備えてなるものである。
ボイラ4と別置エコノマイザ5とは、第三変向部33を介して接続されている。別置エコノマイザ5は、対流伝熱室23と隣り合うように鉛直方向に延設される対流伝熱室24を備えている。対流伝熱室24には、複数のエコノマイザ部51,52,53が互いに所定間隔を存して配設されている。本例では、第一エコノマイザ部51、第二エコノマイザ部52、及び第三エコノマイザ部53が排ガス流れ方向の上流側から下流側に向けて順に配設されている。エコノマイザ部51,52,53は、水平方向に配列した複数のエコノマイザ水管を高さ方向に多段に設けたエコノマイザ水管群を備えてなるものである。
<搬送装置>
ボイラ4における対流伝熱室23の下方で、且つ第二変向部32の下方には、搬送装置60が配設されている。搬送装置60は、ケーシング61と、ケーシング61内に配設される搬送機構62とを備えて構成されている。対流伝熱室23から落下されるダストは、第二変向部32、及びケーシング61を通って搬送機構62上に落下・載置される。また、別置エコノマイザ5における対流伝熱室24の下方で、且つ別置エコノマイザ5の底部の下方にも、同様に搬送装置60が配設されている。対流伝熱室24から落下されるダストは、別置エコノマイザ5の底部、及びケーシング61を通って搬送機構62上に落下・載置される。搬送機構62上に載置されたダストは、搬送ライン63を介して飛灰処理設備64へと搬送される。
ボイラ4における対流伝熱室23の下方で、且つ第二変向部32の下方には、搬送装置60が配設されている。搬送装置60は、ケーシング61と、ケーシング61内に配設される搬送機構62とを備えて構成されている。対流伝熱室23から落下されるダストは、第二変向部32、及びケーシング61を通って搬送機構62上に落下・載置される。また、別置エコノマイザ5における対流伝熱室24の下方で、且つ別置エコノマイザ5の底部の下方にも、同様に搬送装置60が配設されている。対流伝熱室24から落下されるダストは、別置エコノマイザ5の底部、及びケーシング61を通って搬送機構62上に落下・載置される。搬送機構62上に載置されたダストは、搬送ライン63を介して飛灰処理設備64へと搬送される。
<付着物除去システム>
上記のような構成の燃焼処理施設1に具備される付着物除去システム70は、対流伝熱室23において、三次過熱器41と第二変向部32との間に圧力波放出口が位置するようにボイラ4に配置されたショックパルス式のスートブロワ71と、スートブロワ71の動作を制御する制御盤72と、第二変向部32の下方に配設された搬送装置60に設置される距離計73と、制御盤72と通信可能に接続される制御器75とを備えている。
上記のような構成の燃焼処理施設1に具備される付着物除去システム70は、対流伝熱室23において、三次過熱器41と第二変向部32との間に圧力波放出口が位置するようにボイラ4に配置されたショックパルス式のスートブロワ71と、スートブロワ71の動作を制御する制御盤72と、第二変向部32の下方に配設された搬送装置60に設置される距離計73と、制御盤72と通信可能に接続される制御器75とを備えている。
<スートブロワ>
スートブロワ71としては、例えば、国際公開第2020/225984号に開示された付着物除去装置が用いられる。スートブロワ71は、図示による詳細説明は省略するが、簡単に説明すると、開口部を有する容器と、容器の開口部を塞ぐ封止体とを備え、容器内に可燃性物質を充填し、充填した可燃性物質を燃焼させて容器内の圧力を高めることにより、封止体を破壊して圧力波を発生させ、発生させた圧力波を利用して伝熱管に付着した付着物(ダスト)を除去する付着物除去動作(圧力波の打ち込み動作)を行うことができるように構成されている。さらに、スートブロワ71は、容器の開口部に対する封止体の押付状態と非押付状態とを切り換える切換機構と、容器の開口部に対し封止体が非押付状態のときに、封止体を容器の開口部へと供給する封止体供給機構とを備えており、切換機構と封止体供給機構との協働により、一定時間をあけて周期的に1回ずつ付着物除去動作を行う単発運転や、付着物除去動作を複数回続けて行う連続運転(連射)ができるように構成されている。なお、スートブロワ71としては、ショックパルス式スートブロワに代えて、例えば、実開昭60-196132号公報に開示されているような蒸気式スートブロワを採用してもよい。
スートブロワ71としては、例えば、国際公開第2020/225984号に開示された付着物除去装置が用いられる。スートブロワ71は、図示による詳細説明は省略するが、簡単に説明すると、開口部を有する容器と、容器の開口部を塞ぐ封止体とを備え、容器内に可燃性物質を充填し、充填した可燃性物質を燃焼させて容器内の圧力を高めることにより、封止体を破壊して圧力波を発生させ、発生させた圧力波を利用して伝熱管に付着した付着物(ダスト)を除去する付着物除去動作(圧力波の打ち込み動作)を行うことができるように構成されている。さらに、スートブロワ71は、容器の開口部に対する封止体の押付状態と非押付状態とを切り換える切換機構と、容器の開口部に対し封止体が非押付状態のときに、封止体を容器の開口部へと供給する封止体供給機構とを備えており、切換機構と封止体供給機構との協働により、一定時間をあけて周期的に1回ずつ付着物除去動作を行う単発運転や、付着物除去動作を複数回続けて行う連続運転(連射)ができるように構成されている。なお、スートブロワ71としては、ショックパルス式スートブロワに代えて、例えば、実開昭60-196132号公報に開示されているような蒸気式スートブロワを採用してもよい。
ここで、「連続運転」とは、前回の運転(前回の付着物除去動作)と次回の運転(次回の付着物除去動作)とが実質的に途切れることなく継続的に行われる連続運転(圧力波を連射する運転)という意味の他に、準備時間を含む連続運転(圧力波を間歇的に打ち込む運転)という意味を含む。「準備時間を含む連続運転」とは、前回の運転と次回の運転との間に、例えば、先の圧力波の発生の後に破壊された封止体に代えて破壊されていない新しい封止体を容器の開口部へと供給したり、容器に可燃性物質を充填したりするといったような次の圧力波の発生のための準備に必要な準備時間(例えば、1~10分程度)を含むものの、前回の運転と次回の運転との間に意図的に一定時間をあけることなく、所定時間内において複数回の運転が全体として連続的に行われるような運転のことである。
<制御盤>
制御盤72は、CPU、メモリ、ストレージ、I/Oポート、周辺機器等を具備するコンピュータを主体に構成されている。制御盤72は、スートブロワ71の動作、例えば、切換機構による押付状態と非押付状態との切換動作や、封止体供給機構による封止体供給動作、容器内への可燃性物質の充填動作、充填した可燃性物質に対する点火動作等を制御する。
制御盤72は、CPU、メモリ、ストレージ、I/Oポート、周辺機器等を具備するコンピュータを主体に構成されている。制御盤72は、スートブロワ71の動作、例えば、切換機構による押付状態と非押付状態との切換動作や、封止体供給機構による封止体供給動作、容器内への可燃性物質の充填動作、充填した可燃性物質に対する点火動作等を制御する。
<距離計>
距離計73は、搬送機構62によって搬送されるダストを測定対象として測定可能に搬送機構62の上方に位置するようにケーシング61に設置されている。距離計73としては、例えば、変調したレーザー光の位相を測定することで距離を測るようにしたレーザー距離計を採用することができる。搬送機構62によって搬送されるダストの搬送機構62上での積載高さH(X)は、距離計73によって測定されるダストとの鉛直方向の距離L(A)と、距離計73によって測定される搬送機構62の搬送面との鉛直方向の距離L(B)との差分から求めることができる。なお、距離L(B)は、ケーシング61に対して距離計73を設置した時点で定まり、距離計73によって1度測定すれば変化することのない固定値である。
距離計73は、搬送機構62によって搬送されるダストを測定対象として測定可能に搬送機構62の上方に位置するようにケーシング61に設置されている。距離計73としては、例えば、変調したレーザー光の位相を測定することで距離を測るようにしたレーザー距離計を採用することができる。搬送機構62によって搬送されるダストの搬送機構62上での積載高さH(X)は、距離計73によって測定されるダストとの鉛直方向の距離L(A)と、距離計73によって測定される搬送機構62の搬送面との鉛直方向の距離L(B)との差分から求めることができる。なお、距離L(B)は、ケーシング61に対して距離計73を設置した時点で定まり、距離計73によって1度測定すれば変化することのない固定値である。
<制御器>
制御器75は、CPU、メモリ、ストレージ、I/Oポート、周辺機器等を具備するコンピュータを主体に構成されている。制御器75は、メモリに格納されている所定プログラムをCPUが読み込んで実行することにより、予測範囲設定部75a、除去量算出部75b、比較演算部75c、及び運転制御部75dの機能が発揮される。なお、制御器75としては、例えば、分散制御システム(DCS)や、プログラマブルロジックコントローラ、サーバー、ワークステーション、その他のコンピュータ装置等が挙げられる。予測範囲設定部75a、除去量算出部75b、比較演算部75c、及び運転制御部75dのそれぞれの機能については、後述するスートブロワ71の運転制御の手順を示すフローチャート(図2参照)の説明と併せて説明することとする。なお、予測範囲設定部75aが、本発明の「予測範囲設定手段」に相当する。距離計73、及び除去量算出部75bを含む構成が、本発明の「除去量測定手段」に相当する。制御盤72、比較演算部75c、及び運転制御部75dを含む構成が、本発明の「運転制御手段」に相当する。
制御器75は、CPU、メモリ、ストレージ、I/Oポート、周辺機器等を具備するコンピュータを主体に構成されている。制御器75は、メモリに格納されている所定プログラムをCPUが読み込んで実行することにより、予測範囲設定部75a、除去量算出部75b、比較演算部75c、及び運転制御部75dの機能が発揮される。なお、制御器75としては、例えば、分散制御システム(DCS)や、プログラマブルロジックコントローラ、サーバー、ワークステーション、その他のコンピュータ装置等が挙げられる。予測範囲設定部75a、除去量算出部75b、比較演算部75c、及び運転制御部75dのそれぞれの機能については、後述するスートブロワ71の運転制御の手順を示すフローチャート(図2参照)の説明と併せて説明することとする。なお、予測範囲設定部75aが、本発明の「予測範囲設定手段」に相当する。距離計73、及び除去量算出部75bを含む構成が、本発明の「除去量測定手段」に相当する。制御盤72、比較演算部75c、及び運転制御部75dを含む構成が、本発明の「運転制御手段」に相当する。
図2は、本発明の一実施形態に係るダスト除去方法において実施されるスートブロワ71の運転制御の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートに示すスートブロワ71の運転制御の手順について、図1を参照しつつ以下に説明する。なお、図2において、記号「S」はステップを表わす(図4においても同様)。図2のフローチャートの開始段階では、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行うスートブロワ71の運転を行っているものとする。
図3は、ダスト除去量の予測範囲に対するスートブロワ71の運転毎のダスト除去量を示すグラフである。図1に示す制御器75の予測範囲設定部75aは、ボイラ4においてスートブロワ71により除去したダストの除去量の過去データ等に基づいて、図3(a)及び(b)に示すように、ダスト除去量の予測範囲を設定する。図3(a)及び(b)において、縦軸は、スートブロワ71によるダスト除去量を示し、横軸は、時間を示す。図3(a)及び(b)においては、所定時刻でスートブロワ71の運転を行う場合に、予測範囲設定部75aがダスト除去量の予測範囲として、予測範囲の上限を示す予測範囲上限ラインLaと、予測範囲の下限を示す予測範囲下限ラインLbとを設定した状態を示す。予測範囲上限ラインLaと予測範囲下限ラインLbとの間の領域が予測範囲である。
また、図3(a)は、時刻t3において実施したスートブロワ71の運転の直後において、除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)が、予測範囲設定部75aによって設定された予測範囲の上限より大きい場合のダスト除去量と運転実施タイミングとの関係を示している。一方、図3(b)は、時刻t3において実施したスートブロワ71の運転の直後において、除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)が、予測範囲設定部75aによって設定された予測範囲の下限より小さい場合のダスト除去量と運転実施タイミングとの関係を示している。
<S1:予測範囲設定工程>
図2に示すフローチャートにおけるステップS1において、予測範囲設定部75aは、ボイラ4においてスートブロワ71により除去したダスト除去量の過去データ等に基づいて、ダスト除去量の予測範囲として、図3(a)に示すように、予測範囲上限ラインLaと予測範囲下限ラインLbとを設定する。
図2に示すフローチャートにおけるステップS1において、予測範囲設定部75aは、ボイラ4においてスートブロワ71により除去したダスト除去量の過去データ等に基づいて、ダスト除去量の予測範囲として、図3(a)に示すように、予測範囲上限ラインLaと予測範囲下限ラインLbとを設定する。
図3(a)において、時刻t1~t3では、スートブロワ71の運転間隔が比較的長いのに対し、時刻t3以降では、スートブロワ71の運転間隔が比較的短い。また、時刻t1~t3では、スートブロワ71の運転間隔が比較的長いことから、スートブロワ71による1回あたりのダスト除去動作で除去されるダスト除去量は比較的大きくなる。このため、ダスト除去量の予測範囲は全体的に高い水準に設定される。これに対し、時刻t3以降では、スートブロワ71の運転間隔が比較的短いことから、スートブロワ71による1回あたりのダスト除去動作で除去されるダスト除去量は比較的小さくなる。このため、ダスト除去量の予測範囲は全体的に低い水準に設定される。なお、「運転間隔」とは、スートブロワ71の運転について時間を単位にした間隔で定められ、スートブロワ71の前回運転の時刻と次回運転の時刻との間の時間間隔である。
<S2~S3>
図2のフローチャートにおいて、スートブロワ71の運転を行う時刻である、例えば、時刻t2(図3(a)参照)に到達すると(S2において「YES」)、運転制御部75dは、運転指令信号を制御盤72に向けて送信する(S3)。制御盤72は、運転制御部75dからの運転指令信号をトリガーとして、スートブロワ71がダスト除去動作を行うべくスートブロワ71を制御する。すなわち、容器の開口部を封止体で塞ぎ、容器内に可燃性物質を充填し、充填した可燃性物質に点火して燃焼させ、容器内の圧力を高めることで封止体を破壊して圧力波を発生させる。これにより、圧力波放出口から圧力波がボイラ4の対流伝熱室23内に放出され、圧力波による風圧、振動により、主として、三次過熱器41の伝熱管に付着・堆積しているダストが除去される。こうして、伝熱管を損傷することなく、伝熱管に付着したダストを広範囲に除去することができる。
図2のフローチャートにおいて、スートブロワ71の運転を行う時刻である、例えば、時刻t2(図3(a)参照)に到達すると(S2において「YES」)、運転制御部75dは、運転指令信号を制御盤72に向けて送信する(S3)。制御盤72は、運転制御部75dからの運転指令信号をトリガーとして、スートブロワ71がダスト除去動作を行うべくスートブロワ71を制御する。すなわち、容器の開口部を封止体で塞ぎ、容器内に可燃性物質を充填し、充填した可燃性物質に点火して燃焼させ、容器内の圧力を高めることで封止体を破壊して圧力波を発生させる。これにより、圧力波放出口から圧力波がボイラ4の対流伝熱室23内に放出され、圧力波による風圧、振動により、主として、三次過熱器41の伝熱管に付着・堆積しているダストが除去される。こうして、伝熱管を損傷することなく、伝熱管に付着したダストを広範囲に除去することができる。
<S4>
ステップS4では、時刻t2において実施したスートブロワ71の運転によって除去されたダストの量が、予測範囲設定部75aによって設定された図3(a)に示す予測範囲内であるか否かを判断する。
ステップS4では、時刻t2において実施したスートブロワ71の運転によって除去されたダストの量が、予測範囲設定部75aによって設定された図3(a)に示す予測範囲内であるか否かを判断する。
<除去量測定工程>
すなわち、図1に示す除去量算出部75bは、時刻t2において行ったスートブロワ71の運転の直後において、搬送機構62によって搬送されるダストとの距離L(A)が距離計73によりある時間(T)の間において測定された場合、測定された距離L(A)と固定値である距離L(B)とから搬送機構62によって搬送されるダストの積載高さH(X)を算出し、算出したダストの積載高さH(X)と、実質的にダストが載置可能な搬送機構62の有効幅Wと、前記時間(T)の間における搬送機構62によるダストの搬送速度Vとに基づいて、必要であれば、搬送機構62上でダストが均一に載置されないこと等を考慮して適宜に補正係数αを乗じて、スートブロワ71の運転によって除去されたダストの除去量Q(X)を、以下の式(1)より算出する。そして、比較演算部75cは、除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)と、予測範囲設定部75aによって設定された予測範囲(図3(a)参照)とを比較する。
Q(X) = α・H(X)・W・V・T ・・・(1)
すなわち、図1に示す除去量算出部75bは、時刻t2において行ったスートブロワ71の運転の直後において、搬送機構62によって搬送されるダストとの距離L(A)が距離計73によりある時間(T)の間において測定された場合、測定された距離L(A)と固定値である距離L(B)とから搬送機構62によって搬送されるダストの積載高さH(X)を算出し、算出したダストの積載高さH(X)と、実質的にダストが載置可能な搬送機構62の有効幅Wと、前記時間(T)の間における搬送機構62によるダストの搬送速度Vとに基づいて、必要であれば、搬送機構62上でダストが均一に載置されないこと等を考慮して適宜に補正係数αを乗じて、スートブロワ71の運転によって除去されたダストの除去量Q(X)を、以下の式(1)より算出する。そして、比較演算部75cは、除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)と、予測範囲設定部75aによって設定された予測範囲(図3(a)参照)とを比較する。
Q(X) = α・H(X)・W・V・T ・・・(1)
図3(a)に示す例では、時刻t2直後に測定されたダスト除去量Q(X)が、予測範囲内であるので(S4において「YES」)、ステップS1に戻り、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行うスートブロワ71の運転を継続して実施する。
ステップS1を経てステップS2において、スートブロワ71の運転を行う時刻である、例えば、時刻t3(図3(a)参照)に到達すると(S2において「YES」)、運転制御部75dは、運転指令信号を制御盤72に向けて送信する(S3)。制御盤72は、運転制御部75dからの運転指令信号をトリガーとして、前述したように、スートブロワ71がダスト除去動作を行うべくスートブロワ71を制御し、圧力波を発生させる。これにより、主として、三次過熱器41の伝熱管に付着・堆積しているダストが除去される。
<S4~S5>
比較演算部75cは、時刻t3において実施したスートブロワ71の運転の直後において、除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)が、予測範囲設定部75aによって設定された図3(a)に示す予測範囲内であるか否かを判断する(S4)。図3(a)に示す例では、時刻t3直後に測定されたダスト除去量Q(X)が予測範囲外であるので(S4において「NO」)、ステップS5に進む。ステップS5において、比較演算部75cは、時刻t3直後に測定されたダスト除去量Q(X)が図3(a)に示す予測範囲の上限より大きいか否かを判断する(S5)。
比較演算部75cは、時刻t3において実施したスートブロワ71の運転の直後において、除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)が、予測範囲設定部75aによって設定された図3(a)に示す予測範囲内であるか否かを判断する(S4)。図3(a)に示す例では、時刻t3直後に測定されたダスト除去量Q(X)が予測範囲外であるので(S4において「NO」)、ステップS5に進む。ステップS5において、比較演算部75cは、時刻t3直後に測定されたダスト除去量Q(X)が図3(a)に示す予測範囲の上限より大きいか否かを判断する(S5)。
<S6:予測範囲設定工程>
図3(a)に示す例では、時刻t3直後に測定されたダスト除去量Q(X)が図3(a)に示す予測範囲の上限より大きいので(S5において「YES」)、予測範囲設定部75aは、時刻t3の直後から程なくしてそれ以降におけるダスト除去量の予測範囲として、比較的短いスートブロワ71の運転間隔に対し、1回のスートブロワ71によるダスト除去動作で除去されるダスト除去量が比較的小さく、ダスト除去量が全体的に低い水準の予測範囲を設定する(S6)。
図3(a)に示す例では、時刻t3直後に測定されたダスト除去量Q(X)が図3(a)に示す予測範囲の上限より大きいので(S5において「YES」)、予測範囲設定部75aは、時刻t3の直後から程なくしてそれ以降におけるダスト除去量の予測範囲として、比較的短いスートブロワ71の運転間隔に対し、1回のスートブロワ71によるダスト除去動作で除去されるダスト除去量が比較的小さく、ダスト除去量が全体的に低い水準の予測範囲を設定する(S6)。
<S7:運転間隔縮小(運転制御工程)>
そして、運転制御部75dは、時刻t3より後の運転間隔を、時刻t1~t3における運転間隔よりも短くする。すなわち、運転制御部75dは、時刻t1~t3の時間間隔よりも短い時間間隔で時刻t4及びt5のタイミングで運転指令信号を制御盤72に向けて送信する。
そして、運転制御部75dは、時刻t3より後の運転間隔を、時刻t1~t3における運転間隔よりも短くする。すなわち、運転制御部75dは、時刻t1~t3の時間間隔よりも短い時間間隔で時刻t4及びt5のタイミングで運転指令信号を制御盤72に向けて送信する。
除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)が図3(a)に示す予測範囲の上限より大きい場合、三次過熱器41等の伝熱面にダストが予測を超えて過剰に付着・堆積していると考えられる。このような場合、上記のように、スートブロワ71によるダスト除去動作の間隔が短くされるので、言い換えれば所定時間内におけるスートブロワ71の運転回数が増えるので、ダストが予測を超えて過剰に付着・堆積していたとしても、ダストを速やかに除去することができ、熱回収性能を速やかに回復することができる。
<S4~S5,S8~S9>
図3(b)に示すように、時刻t3において実施したスートブロワ71の運転の直後におけるダスト除去量Q(X)が予測範囲外であり(S4において「NO」)、且つダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の上限より大きくない場合(S5において「NO」)、ダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の下限より小さいことが確定する。この場合、時刻t1~t3の時間間隔よりも短い時間間隔のタイミングで運転制御部75dから運転指令信号が制御盤72へと送信されていれば、時刻t1~t3の時間間隔と同じ時間間隔で運転指令信号を送信するよう運転制御部75dから制御盤72への運転指令信号の送信タイミングを戻す(S8~S9)。
図3(b)に示すように、時刻t3において実施したスートブロワ71の運転の直後におけるダスト除去量Q(X)が予測範囲外であり(S4において「NO」)、且つダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の上限より大きくない場合(S5において「NO」)、ダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の下限より小さいことが確定する。この場合、時刻t1~t3の時間間隔よりも短い時間間隔のタイミングで運転制御部75dから運転指令信号が制御盤72へと送信されていれば、時刻t1~t3の時間間隔と同じ時間間隔で運転指令信号を送信するよう運転制御部75dから制御盤72への運転指令信号の送信タイミングを戻す(S8~S9)。
<S10~S11:連続運転(運転制御工程)>
そして、運転制御部75dは、時刻t3の直後において、除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)が、予測範囲設定部75aによって設定された図3(b)に示す予測範囲内となるように、制御盤72に向けて運転指令信号を複数回続けて送信する。これにより、スートブロワ71の連続運転が行われる。ここでの連続運転は、前述したような準備時間を含む連続運転であり、次の圧力波の発生のための準備に必要な準備時間を含むものの、前回の運転と次回の運転との間に意図的に一定時間をあけることなく、所定時間内において複数回の運転が全体として連続的に行われる。
そして、運転制御部75dは、時刻t3の直後において、除去量算出部75bによって算出されるダスト除去量Q(X)が、予測範囲設定部75aによって設定された図3(b)に示す予測範囲内となるように、制御盤72に向けて運転指令信号を複数回続けて送信する。これにより、スートブロワ71の連続運転が行われる。ここでの連続運転は、前述したような準備時間を含む連続運転であり、次の圧力波の発生のための準備に必要な準備時間を含むものの、前回の運転と次回の運転との間に意図的に一定時間をあけることなく、所定時間内において複数回の運転が全体として連続的に行われる。
除去量算出部75bによって測定されるダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の下限より小さい場合、三次過熱器41等の伝熱面にダストが強固に付着・堆積していると考えられる。このような場合、上記のように、スートブロワ71による付着物除去動作が複数回続けて行われるので、ダストが強固に付着・堆積していたとしても、ダストを速やかに除去することができ、熱回収性能を速やかに回復することができる。
上記の付着物除去方法においては、一定時間をあけて周期的に1回ずつ行うスートブロワ71の運転によっても、測定されるダスト除去量Q(X)が、ダスト除去量の予測範囲内であれば、そのような周期的に1回ずつ行うスートブロワ71の運転が実施される。一方、測定されるダスト除去量Q(X)が、ダスト除去量の予測範囲を外れるようなことがあれば、予測範囲内となるようにすべく、スートブロワ71によるダスト除去動作の間隔を短くしたり、スートブロワ71によるダスト除去動作を複数回続けて行うようにしたりする、といった具合にスートブロワ71の運転が制御される。従って、スートブロワ71を経済的に適切に運転することができるとともに、予測範囲内の付着量のダストを確実に除去することができ、ダストを十分に除去することができる。
以上、本発明の付着物除去システム、及び付着物除去方法について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
(別実施形態1)
図4は、本発明の別実施形態1に係るダスト除去方法において実施されるスートブロワ71の運転制御の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートに示すように、上記実施形態では行っていたスートブロワ71によるダスト除去動作の間隔を短くするような運転(S4~S7:図2参照)を行うことなく、測定されるダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の下限より小さい場合、ダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の下限以上となるように、スートブロワ71による付着物除去動作を複数回続けて行うようにしてもよい(S24~S26)。
図4は、本発明の別実施形態1に係るダスト除去方法において実施されるスートブロワ71の運転制御の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートに示すように、上記実施形態では行っていたスートブロワ71によるダスト除去動作の間隔を短くするような運転(S4~S7:図2参照)を行うことなく、測定されるダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の下限より小さい場合、ダスト除去量Q(X)が図3(b)に示す予測範囲の下限以上となるように、スートブロワ71による付着物除去動作を複数回続けて行うようにしてもよい(S24~S26)。
(別実施形態2)
図5は、本発明の別実施形態2に係る付着物除去システム70を具備する燃焼処理施設1の概略構成を示す模式図である。上記実施形態では、スートブロワ71をボイラ4に配置する例を示したが、これに限定されるものではなく、図5(a)に示すように、例えば、対流伝熱室24において、第二エコノマイザ部52と第三エコノマイザ部53と間に圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71を別置エコノマイザ5に配置してもよい。また、図5(b)に示すように、スートブロワ71を、ボイラ4、及び別置エコノマイザ5の両方に配置してもよい。
図5は、本発明の別実施形態2に係る付着物除去システム70を具備する燃焼処理施設1の概略構成を示す模式図である。上記実施形態では、スートブロワ71をボイラ4に配置する例を示したが、これに限定されるものではなく、図5(a)に示すように、例えば、対流伝熱室24において、第二エコノマイザ部52と第三エコノマイザ部53と間に圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71を別置エコノマイザ5に配置してもよい。また、図5(b)に示すように、スートブロワ71を、ボイラ4、及び別置エコノマイザ5の両方に配置してもよい。
(別実施形態3)
上記実施形態、及び図5(b)に示す別実施形態2では、対流伝熱室23において、三次過熱器41と第二変向部32との間に圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71をボイラ4に配置する例を示したが、これに限定されるものではなく、三次過熱器41と二次過熱器42との間、二次過熱器42と一次過熱器43との間、又は一次過熱器43と第三変向部33との間に、圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71をボイラ4に配置してもよい。
上記実施形態、及び図5(b)に示す別実施形態2では、対流伝熱室23において、三次過熱器41と第二変向部32との間に圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71をボイラ4に配置する例を示したが、これに限定されるものではなく、三次過熱器41と二次過熱器42との間、二次過熱器42と一次過熱器43との間、又は一次過熱器43と第三変向部33との間に、圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71をボイラ4に配置してもよい。
(別実施形態4)
図5(a)及び(b)に示す別実施形態2では、対流伝熱室24において、第二エコノマイザ部52と第三エコノマイザ部53との間に圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71を別置エコノマイザ5に配置する例を示したが、これに限定されるものではなく、第三エコノマイザ部53と別置エコノマイザ5の底部との間、第一エコノマイザ部51と第二エコノマイザ部52との間、又は第一エコノマイザ部51と第三変向部33との間に、圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71を別置エコノマイザ5に配置してもよい。
図5(a)及び(b)に示す別実施形態2では、対流伝熱室24において、第二エコノマイザ部52と第三エコノマイザ部53との間に圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71を別置エコノマイザ5に配置する例を示したが、これに限定されるものではなく、第三エコノマイザ部53と別置エコノマイザ5の底部との間、第一エコノマイザ部51と第二エコノマイザ部52との間、又は第一エコノマイザ部51と第三変向部33との間に、圧力波放出口が位置するようにスートブロワ71を別置エコノマイザ5に配置してもよい。
(別実施形態5)
上記実施形態では、搬送機構62によって搬送されるダストとの距離L(A)を距離計73を用いて測定し、その測定結果等に基づいて、スートブロワ71の運転によって除去されたダスト除去量Q(X)を算出する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、搬送装置60の全体、又は搬送機構62の全体の重量を測定するロードセル等の重量計を配設し、スートブロワ71の運転の直後における重量計の測定値の変化に基づいて、除去量算出部75bによりダスト除去量Q(X)を算出する態様例もある。この場合、ロードセル等の重量計、及び除去量算出部75bを含む構成が、本発明の「除去量測定手段」に相当する。
上記実施形態では、搬送機構62によって搬送されるダストとの距離L(A)を距離計73を用いて測定し、その測定結果等に基づいて、スートブロワ71の運転によって除去されたダスト除去量Q(X)を算出する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、搬送装置60の全体、又は搬送機構62の全体の重量を測定するロードセル等の重量計を配設し、スートブロワ71の運転の直後における重量計の測定値の変化に基づいて、除去量算出部75bによりダスト除去量Q(X)を算出する態様例もある。この場合、ロードセル等の重量計、及び除去量算出部75bを含む構成が、本発明の「除去量測定手段」に相当する。
(別実施形態6)
また、例えば、第二変向部32や別置エコノマイザ5の底部から搬送装置60へと落下するダストの流量を測定するマイクロ波式粉体流量計を配設し、スートブロワ71の運転の直後におけるマイクロ波式粉体流量計の測定値に基づいて、除去量算出部75bによりダスト除去量Q(X)を算出する態様例もある。この場合、マイクロ波式粉体流量計、及び除去量算出部75bを含む構成が、本発明の「除去量測定手段」に相当する。
また、例えば、第二変向部32や別置エコノマイザ5の底部から搬送装置60へと落下するダストの流量を測定するマイクロ波式粉体流量計を配設し、スートブロワ71の運転の直後におけるマイクロ波式粉体流量計の測定値に基づいて、除去量算出部75bによりダスト除去量Q(X)を算出する態様例もある。この場合、マイクロ波式粉体流量計、及び除去量算出部75bを含む構成が、本発明の「除去量測定手段」に相当する。
本発明の付着物除去システム、及び付着物除去方法は、例えば、火力発電施設、製鉄所、石油精製施設等において、化石燃料の燃焼によって発生した排ガスや、廃棄物燃焼施設において、廃棄物の燃焼によって発生した排ガス、バイオマス発電施設において、バイオマス燃料の燃焼によって発生した排ガスから熱回収するボイラ、エコノマイザ、空気予熱器等の熱交換器の伝熱面に付着した煤塵等の付着物を除去する用途において利用可能である。
1 燃焼処理施設
41~43 過熱器(熱交換器)
51~53 エコノマイザ部(熱交換器)
70 付着物除去システム
71 スートブロワ
72 制御盤(運転制御手段)
73 距離計(除去量測定手段)
75 制御器
75a 予測範囲設定部(予測範囲設定手段)
75b 除去量算出部(除去量測定手段)
75c 比較演算部(運転制御手段)
75d 運転制御部(運転制御手段)
41~43 過熱器(熱交換器)
51~53 エコノマイザ部(熱交換器)
70 付着物除去システム
71 スートブロワ
72 制御盤(運転制御手段)
73 距離計(除去量測定手段)
75 制御器
75a 予測範囲設定部(予測範囲設定手段)
75b 除去量算出部(除去量測定手段)
75c 比較演算部(運転制御手段)
75d 運転制御部(運転制御手段)
Claims (6)
- 排ガスから熱回収する熱交換器の伝熱面に付着した付着物をスートブロワによって除去する付着物除去システムであって、
前記付着物の除去量の予測範囲を設定する予測範囲設定手段と、
前記スートブロワによって除去された前記付着物の除去量を測定する除去量測定手段と、
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲内となるように、前記スートブロワの運転を制御する運転制御手段と、
を備える付着物除去システム。 - 前記運転制御手段は、前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の上限より大きい場合、前記スートブロワによる付着物除去動作の間隔を短くする請求項1に記載の付着物除去システム。
- 前記運転制御手段は、前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の下限より小さい場合、前記スートブロワによる付着物除去動作を複数回続けて行うようにする請求項1又は2に記載の付着物除去システム。
- 排ガスから熱回収する熱交換器の伝熱面に付着した付着物をスートブロワによって除去する付着物除去方法であって、
前記付着物の除去量の予測範囲を設定する予測範囲設定工程と、
前記スートブロワによって除去された前記付着物の除去量を測定する除去量測定工程と、
前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲内となるように、前記スートブロワの運転を制御する運転制御工程と、
を包含する付着物除去方法。 - 前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の上限より大きい場合、前記運転制御工程において、前記スートブロワによる付着物除去動作の間隔を短くするように前記スートブロワの運転を制御する請求項4に記載の付着物除去方法。
- 前記測定される前記付着物の除去量が前記予測範囲の下限より小さい場合、前記運転制御工程において、前記スートブロワによる付着物除去動作を複数回続けて行うように前記スートブロワの運転を制御する請求項4に記載の付着物除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021122759A JP2023018550A (ja) | 2021-07-27 | 2021-07-27 | 付着物除去システム、及び付着物除去方法 |
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Family Applications (1)
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-
2021
- 2021-07-27 JP JP2021122759A patent/JP2023018550A/ja active Pending
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