JP5201729B2 - 石灰焼成プラントの廃熱回収発電プラント - Google Patents
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Description
しかし、近年、エネルギーコストを低減する必要が一段と強くなっていることから、上記グレートプレヒーターの廃熱についてもこれを利用して効率的に発電できるようにすることが求められている。
セメントプラントのサスペンションプレヒーターの排ガスの排ガス量は多量である(一般的には200,000〜500,000Nm3/H)。そしてこの排ガスにはより微細な微粉ダストが多量に含まれており(通常の場合は約100gr/Nm3 )、これがその廃熱ボイラーの蛇管型伝熱管に多量に付着してその熱貫流率(伝熱効率)を低下させてしまう。このため、微粉ダストを除去して伝熱効率の低下を防止するためにダスト除去装置が横型廃熱ボイラーに設けられている。このダスト除去装置はハンマリング装置を備えているもので、吊り下げられている蛇管型伝熱管の個々の直管部に強力な打撃を加えてこれを強力に振動させ、これによって付着したダストを振るい落とすものである。
セメントプラントの廃熱ボイラーは横型ボイラーであるので、上記ハンマリング装置を利用して能率的に微粉ダストを除去することができる(特開平5−106408号公報参照)。
また、縦型廃熱ボイラーについて微粉ダストを能率的に除去できるようにするには上記のハンマリング装置の基本技術を利用する他はなく、そのためには、その伝熱管の支持機構、支持機構とハンマリング装置との関連構造を特別に工夫しなければならない。
上記課題を解決するための手段1は、石灰焼成プラントのグレートプレヒーター廃熱回収発電プラントについて、次の(イ)〜(ハ)によるものである。
(イ)グレートプレヒーターの左右にそれぞれ縦型廃熱ボイラーが設けられていること、
(ロ)上記縦型廃熱ボイラーの上端にグレートプレヒーターの排ガス集合室が接続され、下部に集合ダクトが接続されていること、
(ハ)上記縦型廃熱ボイラーの上部に過熱器が配置され、過熱器の下方に蒸発器及び節炭器が配置されており、上記過熱器に蒸気タービンが接続されていること。
上記課題を解決するための手段2は、上記手段1に加えて、次の(ニ)〜(チ)によるものである。
(ニ)上記縦型廃熱ボイラーの蛇管型伝熱管が垂直平面内にあって直管部が水平でガス流れに対して直角であること、
(ホ)蛇管型伝熱管の多数の直管部がその両端を第1吊り下げ手段、第2吊り下げ手段によって下げられていること、
(ヘ)上記第1吊り下げ手段は、リンク部材をヒンジピンで連結した屈曲部を備えていること、
(ト)上記屈曲部のリンク部材にハンマリング装置の連結軸がヒンジピンを介して連結されていること、
(チ)上記屈曲部が上記連結軸の衝撃方向に屈曲可能であること。
上記手段1によれば、 水平方向の直管部を有する蛇管型伝熱管が垂直平面内に配置された縦型廃熱ボイラーは、その上方から下方に排ガスが流れる型式であって、縦長であるから、従来技術における左右のスタビライザーと同様の外形になるので支障はなくこれに置換することができ、また、グレートプレヒーターの排ガス集合室にその上端の排ガス流入口を接続し、下部の排ガス流出口を集合ダクトに接続することができるので、スタビライザーに替えて縦型廃熱ボイラーを簡単に設置することができ、そのために必要な構造変更はほとんどない。
そして、上下に所定間隔で配置された多数の連結軸は衝撃方向に互いに自由に振動(又は移動)することができ、これらはエアーノッカーなどで順次打撃されることで、干渉し合うことなく互いに自由に振動する。
そして、多数の連結軸を順次打撃することで、全ての直管部が強力に振動されるのでこれに付着している微粉ダストが順次除去される。したがって、蛇管型伝熱管の伝熱効率が低下することはない。それゆえ、廃熱ボイラーの廃熱回収性能が低下することは防止される。
以上のように、各連結軸の衝撃はこれに連結された直管部だけに伝わり、他の直管部には伝わらないので、複数の連結軸による衝撃力が蛇管型伝熱管又はその支持機構で互いに干渉することはない。したがって、この強力な衝撃で伝熱管やその支持機構に過大な負荷がかかることはなく、伝熱管やその支持機構が過大負荷によって損傷されることはない。
この実施例の全体システム(図2)は図1の従来例と違いはなく、上記従来の石灰焼成プラントのグレートプレヒーター2の左右の排ガス集合室3の下方に縦型廃熱ボイラー10がそれぞれ配置された構成になっている。そして、その上部の排ガス流入口11aが上記排ガス集合室3に接続され、下部の排ガス流出口11bが集合ダクト5に接続されている。
蒸気タービン57の下流の復水器59からの復水は復水ポンプ60、脱気器61からボイラー給水ポンプ62を経て節炭器53に流入し、節炭器53で加熱されてから汽水胴55に流入し、その後、第2の蒸発器52を経て再び汽水胴55に戻り、その後、過熱器51に流入し、過熱器51で過熱されてからタービン57に供給される。過熱器51からの過熱蒸気で蒸気タービン57が駆動され、発電機Gが駆動される。
ボイラー本体10Aは断面四角形の縦長の筐体であり、その上端に流入口11aがあり、下端に流出口11bがある。ボイラー本体10Aに配置されている過熱器51、蒸発器52、節炭器53は、垂直平面内で水平方向(図3において左右方向)に蛇行した伝熱管14によるものであり、この伝熱管(蛇管型伝熱管ともいう)14を所定の間隔で多数配置して構成されている。
なお、ボイラー本体10Aの側壁に開口があり、伝熱管14の左右両端14e1,14e2が上記開口を貫通して側壁外に突出しており(図3)、この突出部はボイラー本体10Aの外側の外壁10Bでカバーされている。
また、上記開口は伝熱管14の左右両端部が余裕をもって貫通する程度に大きな開口である。
なお、両吊り下げ手段H1,H2は支持構造物Fに支持されており、ボイラー本体10Aの外側に外壁10Bがある。
上記第1吊り下げ手段H1、第2吊り下げ手段H2はボイラー本体10Aの外側にあるので、高温の排ガスに晒されることはなく、また排ガスに含まれている微粉ダストが付着することもない。したがって、これらの吊り下げ手段H1,H2は高温排ガス、微粉ダストから防護されている。
まず、右端の第2吊り下げ手段H2を説明し、その後に第1吊り下げ手段H1について説明する。
右端の第2吊り下げ手段H2は単純な棒材によるもので、密に配置された伝熱管14の2つおきに配置されており、その長い第2吊り棒(直径16mmの鋼製)31でその前後の伝熱管14,14を支持している。第2吊り棒31には前後方向(図3の前後方向、図5の左右方向)に支持板32が突設されており(図5)、当該支持板32によって伝熱管14の直管部14aの他端部14e2が摺動自在に支承されている。この実施例では熱交換器が3段に設けられているので、これら熱交換器の伝熱管を第2吊り棒31が貫いて支持している。
なお、第2吊り棒31は縦型廃熱ボイラーのフレーム等から吊り下げられている。
連結軸25は伝熱管14の直管部14aの4つを一管群として各管群の間に配置されている(図4)。
縦型廃熱ボイラーの支持構造物にエアーノッカー42が固定されている。このエアーノッカー42は打撃力約4Kgの空気圧式ハンマーであり、例えば2.5回/1分で打撃がなされるなど、適宜の間隔で繰り返し打撃される。このエアーノッカー42の運転制御は種々であり、ボイラー出力の変化等をみながら経験的に制御することもあり、例えばボイラー内温度分布等を基準にして所定のプログラムによって自動的に制御することもある。
連結軸25には上記吊り金26の他に多数のアーム29が所定間隔で溶接されて、各アーム29に伝熱管の直管部14aが溶接されている。
2:グレートプレヒーター
3:排ガス集合室
4:スタビライザー
5:集合ダクト
7:ガスクーラー
8:バグフィルター
10:縦型廃熱ボイラー
10A:ボイラー本体
10B:外壁
11a:排ガス流入口
11b:排ガス流出口
14:伝熱管(蛇管型伝熱管)
14a:直管部
14e:伝熱管の左右端部
21:第1吊り棒
25:連結軸(ハンマリング装置の連結軸)
26:吊り金
27:ヒンジ部材
28:ヒンジピン
29:アーム
31:第2吊り棒
32:支持板
42:エアーノッカー
51:過熱器
52:蒸発器
53:節炭器
55:汽水胴
57:蒸気タービン
59:復水器
60:復水ポンプ
61:脱気器
62:ボイラー給水ポンプ
100:煙突
H1:第1吊り下げ手段
H2:第2吊り下げ手段
F:廃熱ボイラーの支持構造物
Claims (1)
- 石灰焼成プラント用グレートプレヒーターの左右の下部にそれぞれ縦型廃熱ボイラーが設けられており、上記縦型廃熱ボイラーの上端にグレートプレヒーターの排ガス集合室が接続され、下部に集合ダクトが接続されており、上記縦型廃熱ボイラーの上端に過熱器が配置され、過熱器の下方に蒸発器及び節炭器が配置されており、上記過熱器に蒸気タービンが接続されている石灰焼成プラントの廃熱回収発電プラントであって、
上記縦型廃熱ボイラーの蛇管型伝熱管が垂直面内にあって、その直管部が水平でガス流れに対して直角であり、
上記蛇管型伝熱管の多数の直管部が、その両端を第1吊り下げ手段と第2吊り下げ手段によって吊り下げられており、
上記第1吊り下げ手段は、リンク部材とヒンジピンによる屈曲部を備えており、
上記屈曲部のリンク部材にハンマリング装置の連結軸がヒンジピンを介して連結されており、
上記屈曲部が上記連結軸の衝撃方向に屈曲可能であることを特徴とする石灰焼成プラントの廃熱回収発電プラント。
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