JP5209952B2 - 高ダスト排ガス熱回収処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば石炭焚きボイラからの高ダスト排ガスの排熱を有効利用する高ダスト雰囲気における排ガス熱回収処理装置に関する。
図10−1に石炭焚ボイラの排ガス処理装置の概略図を示す。図10−1に示すように、石炭焚ボイラ100中で燃焼ガス101は、火炉102内の蒸発管で蒸気を発生させ(発生した蒸気は蒸気ドラム103で気液分離され、蒸気はスーパーヒータ104に導かれ、過熱水蒸気となり、蒸気タービンの駆動に使用された後、凝縮した水は火炉102内の水管に還流し再蒸発される)、スーパーヒータ104により蒸気を過熱した後、エコノマイザ105で石炭ボイラ100への供給水を加熱し、エコノマイザ105出口から排ガス106として排出される。その後エコノマイザ105から排出された排ガス106は、脱硝装置107に供給され、その後空気予熱器(AH)108で熱交換により空気109を加熱した後、集塵装置(乾式EP)110に供給され、更に、脱硫装置111に供給された後、浄化ガス112として、煙突115から大気に排出される(特許文献1)。
また、石炭焚ボイラからの排ガス中の排熱を有効利用する技術として、ボイラ排ガスの熱を回収し、外部に排出する排ガスを加熱することの提案がなされている。前記システムにおいては、図10−1に示すように、石炭焚ボイラ100から出る未処理の排ガス106を脱硝装置107で脱硝した後、この脱硝排ガス106A1は、まず空気予熱器108に導かれ、この排ガス106A1の熱でボイラ100に供給される空気109を加熱する。ここで、排ガス106A2は110℃〜160℃まで冷却される。
次いで、冷却された排ガス106A2は、乾式の集塵装置(乾式EP)110に導かれ、排ガス106A2中から相当量の粉塵が除去されて粉塵濃度が低減され、除塵された排ガス106A3が排出される。
除塵された排ガス106A3は、ガスガスヒータ(GGH)の熱回収部113に導入され、ここで熱回収された冷却排ガス106A4となり、その後脱硫装置111で脱硫される。
そして、脱硫装置111を出た排ガス106A5は、ガスガスヒータ(GGH)の再加熱部114において熱回収部113で熱回収した熱媒により加熱され、大気放出に好ましい温度(例えば90℃〜100℃)の浄化ガス112とされ、その後煙突115より大気放出される。
また、一般的には図10−2に示すように、既存の発電所では熱回収していないプラントが中小型の発電プラントでは数多くある。また、熱回収する場合においても、図10−3に示すようにガスガスヒータ(GGH)の熱回収部113を集塵装置(乾式EP)110の前段に持ってきている事例もあるが、この場合は、高ダスト雰囲気による磨耗対策を考え、熱交換器内の排ガスの通過速度を十分低減した構造となっており、このため集塵装置(乾式EP)110の前段にも大きな設置スペースが必要となる。
そして、このようなすでに熱回収をおこなっているようなプラントにおいても、既存のプラントでは上流側の熱交換機能が経年的な汚れにより劣化することにより低下し、新たに熱回収のニーズがあるケースもあるが、同じ方式の熱回収装置の増設は、設置スペース上の制約があり、実現できていない。
特開平08−152127号公報
ところで、排熱からの熱回収によるボイラシステムの燃料費低減及びCO2の排出削減のためには、空気予熱器(AH)108と集塵装置110との間において、更なる排熱回収を行うことで達成可能であるが、集塵装置110での除塵前であるので、石炭焚ボイラからの排ガス106A1中には、フライアッシュ粒子等のダスト成分が高濃度となっているので、流速を遅く(例えば8.5m/s)すると共に、例えば図9に示すようなフィン&チューブ方式の熱交換部120を用いることで表面積を確保する必要がある。
しかしながら、排ガスの流速を遅くする結果、従来の方式では熱回収器のチューブ121の周囲にはダストの堆積が発生することとなり、このダストを落とすために、スーツブロワ装置を設置することが必須となる。また、煙道中における排ガスの流速を遅くすると共に、伝熱面積を確保するために、熱交換器の設置エリアが非常に大きくなるという問題もある。
既設のシステムにおいて、更に排熱回収対策を施す場合には、熱交換器のエリアの制限があり、熱回収装置のコンパクト化の要望があり、高いダスト雰囲気の煙道内にコンパクトに設置できると共に、高い流速で熱交換することが可能な高ダスト排ガス熱回収処理装置の出現が切望されている。
本発明は、前記課題に鑑み、高ダスト濃度雰囲気の煙道内にコンパクトに設置できると共に、高流速で熱交換することが可能な高ダスト排ガス熱回収処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、石炭焚ボイラから排出される排ガスを空気予熱器で熱交換して空気を加熱した後、集塵装置に供給してダスト成分を除塵し、その後脱硫装置で脱硫し、浄化ガスとする排ガス処理装置であって、前記空気予熱器と集塵装置との間に、複数の薄肉熱交換部を排ガスの流れ方向に沿って配設してなる薄肉箱型熱回収装置を介装してなり、前記薄肉熱交換部の内壁面に、熱交換用液膜を流下してなると共に、前記薄肉箱型熱回収装置の上流側に設けられ、前記排ガスの流速が12m/s以上となる流速可変装置を有することを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記薄肉熱交換部が、熱交換用の液を供給する上部ヘッダ及び熱交換後の液を排出する下部ヘッダと、前記上部ヘッダと下部ヘッダとの間に相対向して設けられ、内面に熱交換用の液膜を形成してなる熱交側板と、前記上部ヘッダに形成され、液膜形成用の液を噴出するノズルとを有することを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置にある。
第3の発明は、第2の発明において、前記ノズルは、上部ヘッダの底面に形成され、管の中心軸より外側にオフセットされると共に、所定角度(θ)をもって熱交側板方向に向かって交互に穿孔してなることを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置にある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記薄肉熱交換部に複数のフィンを形成してなると共に、該フィンを介して前記薄肉熱交換部同士を連結してなることを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置にある。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記排ガスと当接する前記薄肉熱交換部の少なくとも上流側のガス接触部に、取替え自在なプロテクタを設けてなることを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置にある。
本発明によれば、複数の薄肉熱交換部を排ガスの流れ方向に沿って配設してなる薄肉箱型熱回収装置を、集塵装置で集塵する前の高いダスト雰囲気中の排ガス煙道内に設置することができ、効率よく熱回収が可能となる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
さらに、本発明では、熱交換の媒体として液という表現を用いているが、この液体としてはハンドリング上、実際には水を用いるケースがほとんどである。
なお、水の替わりに熱媒油を用いることも可能であるが、この場合にはボイラ給水の加温用として排熱回収する場合には、間接的な熱交換装置が別途必要であることは言うまでもない。
本発明による実施例に係る高ダスト排ガス熱回収処理装置について、図面を参照して説明する。
図1−1は、実施例に係る高ダスト排ガス熱回収処理装置の概略図である。図1−1に示すように、高ダスト排ガス熱回収処理装置10は、石炭焚ボイラ11から排出される排ガス23を空気予熱器(AH)12で熱交換して空気Bを加熱した後、集塵装置(乾式EP)14に供給してダスト成分を除塵し、その後脱硫装置15で脱硫し、浄化ガスとして外部に煙突18を介して排出する排ガス処理装置であって、前記空気予熱器12と集塵装置14との間に、複数の薄肉熱交換部(図2中、符号21)を排ガス23の流れ方向に沿って配設してなる薄肉箱型熱回収装置20を介装してなり、薄肉熱交換部21の内壁面に、熱交換用液膜(図4中、符号25参照)を流下してなるものである。
また、図1−2は、さらに熱回収するための第1のガスガスヒータ(GGH)16を設置した実施例に係る他の高ダスト排ガス熱回収処理装置の概略図である。なお、図1−2中、符号17は、排ガスを加熱する再加熱部を有する第2のガスガスヒータ(GGH)を図示する。
図2は薄肉箱型熱回収装置20の構成斜視図、図3はその要部構成図、図4は図3の要部X拡大図である。
前記薄肉熱交換部21は、図2及び図3に示すように、熱交換用の液体22を供給する上部ヘッダ31及び熱交換後の液体24を排出する下部ヘッダ33と、上部ヘッダ31と下部ヘッダ33との間に相対向して設けられ、内面に熱交換用の液膜25を形成してなる熱交側板32a、32bとを有するものである。
この熱交側板32a、32bを排ガス23のガス流れ方向に沿って複数配設し、当該部はガス流路を妨げない構造であるため、排ガスの流速を高流速とした状態でも圧力損失の上昇がほとんどなく、熱交換が可能となる。このため、既存の設備に追加設置する場合には、ファンの増設を必要としない。
また、本実施例においては、図3に示すように、熱交側板32a、32bの両側側面には熱交換用のフィン35が熱交側板32a、32bと直交するように設けられている。そして、図3及び図4に示すように、このフィン35、35同士をスペーサ36により外部スタッド37を介して連結するようにして、薄肉箱型熱回収装置20を構成するようにしている。
ここで、薄肉熱交換部21、21同士の連結間隔Wとしては、例えば100mm以上とすることが作業性の点から好ましい。
この相隣接するフィン35を介して、隣接する薄肉熱交換部21、21同士の位置決めをすることも可能であり、所定間隔をもって薄肉熱交換部21、21とフィン35とからなる井桁状の薄肉箱型熱回収装置20を構築するようにしている。
また、フィン35は熱交換の作用をなすと共に、薄肉箱型熱回収装置20の曲げ変形を防止する補強材をなすように機能している。
このために、フィン35に形成された外部スタッド37を用いてフィン35、35同士を連結するスペーサ36を設置する場合は、所定の熱伸びのクリアランスを有することで熱伸びと所定の補強機能の両立を可能なようにしている。
ここで、図4に示すように、相対向する熱交側板32a、32bの内側の距離DINとしては、例えば5〜10mm、好適には6〜9mmとするのが好ましい。
これは後述するように、熱交側板32a、32bの内面を液膜25が流下するので、この液膜25を良好に形成させるための一様な液膜を確保する必要があるからである。
また、この所定間隔を保持する内部スタッド34を配設するようにしている。
また、熱交側板32a、32bの外側の間隔Doutとしては、例えば10〜30mm、好適には12〜15mmとするのが好ましい。これは熱交側板32a、32bの各々の板厚を2〜3mmとした場合において、内部距離DINを確保する関係上、少なくとも10mmは必要であり、一方30mmを超えるとガス流路の面積を狭めることから、ガス速度の増大とガス通路に沿った断面の変化が大きくなることで排ガス23の圧力損失が増大するので好ましくないからである。
また、熱交側板32a、32bの内側の距離DINを所定厚さにするために、内部スタッド34が所定間隔をもって配設するようにしている。
この内部スタッド34は、熱交側板32a、32bのいずれか一方の片面のみ溶接し、スペーサの役目を果たしており、圧力差による曲応力や熱伸びによる断面形状保持のために設けるようにしている。これにより、熱交側板32a、32bが内部で当接して閉塞することが解消され、常に適切な液膜25を流下させることができる。
この薄肉箱型熱回収装置20は、例えばガス量40万m3N/hのガス排出量の場合には、奥行きが2m〜3mのダクトイン型の熱交換器を構成することができる。
また、図5−1に示すように、上部ヘッダ31には、液膜25の形成用水を噴出するノズル31aが複数穿孔されている。
なお、図5−1は熱交側板32a側に向かって(図中左側)穿孔したノズル31aのみを図示しているが、上部ヘッダ31の管の底面に軸方向に沿って、交互に向かって液膜形成用の液体を噴射するようにしている。
また、図5−1に示すように、ノズル31aは管の中心軸(α)より外側(図中右側)にオフセット(β)されると共に、所定角度(θ)をもって熱交側板32a方向(図中左側)に向かって穿孔されている。
ここで、管(丸管又は角管、または同等の形状の閉断面にて構成されるヘッダ管)に開口部を設けて、ノズル31aとして利用する場合には、その最小通過径(dn)は異物等を考慮すると、2mm以上とすることが望ましい。
このような場合において、熱交側板32a壁面とノズル31aの熱交側板32a壁面に最も近い距離(dl)は、最低1.5mm、望ましくは2mm以上を確保することが必要となる。
この結果、ノズル31aの位置は少なくとも中心軸αから熱交側板32a壁面までの距離が3mm程度必要となる。
このような状況において、図5−1に示すように、円管の場合にはノズル31aを軸心αからオフセットして取り付けることで最低限の距離(dl)を確保しつつ、内部距離DINの極小化が可能となるが、その場合においても、最小ノズル径を2mm以上確保するとなると、内部距離DINは製作誤差を考えない場合には4mmまで極小化することはできるが、少なくとも1mm程度の穿孔誤差を考えると、内部距離DINは最低5mm以上となる。
これに対し、図5−2のように上部ヘッダ31のように、管の底壁に管の中心軸に向かってノズル31aを穿孔する場合には、内部距離DINは拡がることとなり、最小化することができず、好ましくないものとなる。
また、図6−1に示すように、熱交側板32a壁面とノズル31aの熱交側板32a壁面に最も近い距離(dl)は、最低でも1.5mm必要となる。これは、図6−3に示すように、前記距離(dl)が1.5mm未満の場合には、熱交側板32a壁面に近づき過ぎるために、良好な液膜25とならずに、複数の液膜25a、25b…となり、熱交換効率が低下することとなる。
また、ノズル31aの穿孔角度θは20〜45度とするのが好ましい。これは、前記距離(dl)と相まって良好な液膜25形成に必要となるからである。
また図7は、薄肉熱交換部21にプロテクタ41を設けた構成図である。
図7に示すように、排ガス23と最初に当接する薄肉熱交換部21の少なくとも上流側の鉛直軸方向の壁面32cに、取替え自在なプロテクタ41を設けるようにしている。
これは、高ダスト雰囲気状態では、石炭焚ボイラからの排ガス23中に含まれるダスト成分であるフライアッシュ粒子25により摩耗することとなるのを防止する必要があるからである。なお、このプロテクタ41は、薄肉熱交換部21を構成する鋼材と同一の材料であってもよいが、例えばセラミックスを被覆したものであってもよい。
ここで、本発明における高ダスト排ガスの流速とは、12m/s以上とするのが好ましい。
これは、図8−2の従来のシェル&チューブ形式の熱交換の場合には、流速を遅く(8.5m/sに低下)した場合においても、チューブ121に付着するダスト51の堆積物であるフライアッシュ層54をスーツブロワ装置で間欠的に剥離する必要があったが、本発明によれば、図8−1に示すように、薄肉熱交換部21とすることで圧力損失がなく、また、排ガス23中のダスト51によるセルフクリーニングによる清浄作用も発揮され、フライアッシュ層の形成がないので、スーツブロワで間欠的に剥離する必要がなくなるものとなる。
また、排ガス23中の硫酸ミスト52による酸露点以下の領域となる場合の低温腐食に対しては、伝熱温度を70度以上(水露点温度+α)に確保することでこれを防止することができる。
すなわち、伝熱面表面温度を少なくとも排ガスの水露点以上の余裕を持った温度(T>70℃)とすることで、水分付着による装置の腐食、灰付着を防止すると共に、高いダスト領域の運転によるダスト中和作用により、硫酸腐食領域においても安定して、熱交換を可能とすることができる。
また、ボイラの低負荷の際に、排ガス23の流速が低下するような場合には、薄肉箱型熱回収装置20の上流側に、前記排ガスの流速が12m/s以上となる流速可変装置(例えばダンパなど:図示せず)を設置することで、常に高い流速の排ガスを供給することができる。
これにより、常に高流速を確保することとなり、加熱蒸気や圧縮空気によるスーツブロワを不要とすることができる。
また、ダンパ等を設置できないような場合には、低流速の際に付着するダストを除去するために、薄肉箱型熱回収装置20の熱交側板32a、32bを槌打する槌打装置を設け、機械的な衝撃力を付与するようにしてもよい。
本発明によれば、石炭焚ボイラからの高いダスト領域で、且つ排ガスの高い流速域の煙道中に排ガス熱交換器である薄肉箱型熱回収装置20を設置しており、排ガス23のガス流れに沿って伝熱部の平板である熱交側板32a、32bを対向して極力薄肉状態で配することで、その磨耗量を最小にすると共に、排ガス23中のダストによるセルフクリーニング作用で汚れを防止することができる。
この結果、従来のシェル&チューブ方式の熱交換器のような、スーツブロワ装置等の除塵除去手段が不要となり、設備が簡略化される。
また、薄肉箱型熱回収装置20の薄肉熱交換部21内面に形成される液膜25は自重による自由落下により形成される薄い膜状であり、かつ自由落下による一様な流速が確保できることで伝熱性能の大幅な向上を図ることができる。
また、薄肉熱交換部21の最上流側のガスが接触する部分には、磨耗が不可避のため、着脱自在のプロテクタ41を設置している。これにより、薄肉熱交換部21の最上流側のガス接触部分の磨耗を防止すると共に、排ガス23を整流させることができる。
プロテクタ41は薄肉熱交換部21の上流側と下流側の交換可能な場所に設置するようにすればよい。
なお、ガスの偏流があるような場合には、同じダクトの上流側に、偏流防止のための整流板、たとえば格子状でガス流れ方向にある程度の長さを有する板材を別途に設けることで、該部を消耗品として取替え可能とすることで対応が可能である。
以上により、石炭焚ボイラ排ガスにおいても排熱回収によりシステムの燃料費低減及びCO2の削減を図ることができる。
すなわち、例えば10〜15℃/40万m3N/hの熱回収を図ることで、CO2の大幅な削減(4000t/年)を図ることができる。
一方、排ガスから回収した熱の有効利用方法としては、たとえばボイラ給水を加温することで有効な熱回収が可能であるが、熱媒として水を使用する場合は、給水を直接的に加温することも可能である。また、熱媒として熱媒油を使用する場合には、間接的に水を加温する間接熱交換器を介し、間接的にボイラ給水を加温することが可能である。
また、排ガス温度が低下するので、後流側に設置する除塵装置への流入排ガス温度が下がり、乾式EPの除塵効率が向上する。また、その後に設置される脱硫装置での蒸発水の低減を図ることができる。
また、排ガス熱回収処理装置の実ガス低減に伴うシステム全体の運転費の低減(例えば圧力損失の低減など)を図ることができるものとなる。
煙道内にコンパクトに設置できるので、設置エリアの制限がなくなり、既存の設備に適用が可能となる。
また、回収熱は、ボイラ給水の加温の他に、例えば空気予熱器入り口エアの加温などに用いることができる。
以上のように、本発明に係る高ダスト排ガス熱回収処理装置によれば、除塵装置で除塵する前の高ダスト濃度雰囲気の煙道内にコンパクトに設置できると共に、高流速で熱交換することが可能な装置を提供でき、石炭焚ボイラからの排ガス中の熱回収設備に用いて適している。
実施例に係る高ダスト排ガス熱回収処理装置を示す図である。 実施例に係る他の高ダスト排ガス熱回収処理装置を示す図である。 薄肉箱型熱回収装置の構成斜視図である。 その要部構成図である。 図3の要部X拡大図である。 本実施例に係る上部ヘッダの構成図である。 比較例に係る上部ヘッダの構成図である。 液膜の形成の概念を示す模式図である。 本実施例に係る液膜の形成の状態を示す模式図である。 比較例に係る液膜の形成の状態を示す模式図である。 薄肉熱交換部にプロテクタを設けた構成図である。 本実施例に係る薄肉熱交換部のダスト及び硫酸ミストの雰囲気状態を示す模式図である。 従来のシェル&チューブ形式の熱交換器に係るダスト及び硫酸ミストの雰囲気状態を示す模式図である。 従来のシェル&チューブ形式の熱交換器の斜視図である。 石炭焚ボイラの排ガス処理装置(GGHあり)の概略図である。 石炭焚ボイラ中小型発電プラントの排ガス処理装置(GGHなし)の概略図である。 石炭焚ボイラの他の排ガス処理装置(GGHあり)の概略図である。
符号の説明
10 高ダスト排ガス熱回収処理装置
11 石炭焚ボイラ
12 空気予熱器(AH)
14 集塵装置(乾式EP)
15 脱硫装置
20 薄肉箱型熱回収装置
21 薄肉熱交換部
22 熱交換用の液体
24 熱交換後の液体
25 液膜
31上部ヘッダ
31a ノズル
32a、32b 熱交側板
33 下部ヘッダ
34 内部スタッド
35 フィン
36 スペーサ
37 外部スタッド
41 プロテクタ

Claims (5)

  1. 石炭焚ボイラから排出される排ガスを空気予熱器で熱交換して空気を加熱した後、集塵装置に供給してダスト成分を除塵し、その後脱硫装置で脱硫し、浄化ガスとする排ガス処理装置であって、
    前記空気予熱器と集塵装置との間に、複数の薄肉熱交換部を排ガスの流れ方向に沿って配設してなる薄肉箱型熱回収装置を介装してなり、
    前記薄肉熱交換部の内壁面に、熱交換用液膜を流下してなると共に、
    前記薄肉箱型熱回収装置の上流側に設けられ、前記排ガスの流速が12m/s以上となる流速可変装置を有することを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記薄肉熱交換部が、熱交換用の液を供給する上部ヘッダ及び熱交換後の液を排出する下部ヘッダと、
    前記上部ヘッダと下部ヘッダとの間に相対向して設けられ、内面に熱交換用の液膜を形成してなる熱交側板と、
    前記上部ヘッダに形成され、液膜形成用の液を噴出するノズルとを有することを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置。
  3. 請求項2において、
    前記ノズルは、上部ヘッダの底面に形成され、管の中心軸より外側にオフセットされると共に、所定角度(θ)をもって熱交側板方向に向かって交互に穿孔してなることを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    前記薄肉熱交換部に複数のフィンを形成してなると共に、該フィンを介して前記薄肉熱交換部同士を連結してなることを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    前記排ガスと当接する前記薄肉熱交換部の少なくとも上流側のガス接触部に、取替え自在なプロテクタを設けてなることを特徴とする高ダスト排ガス熱回収処理装置。
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