JPH0611295A - 耐食性に優れたアルミニウム合金製積層型熱交換器 - Google Patents
耐食性に優れたアルミニウム合金製積層型熱交換器Info
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- JPH0611295A JPH0611295A JP14679192A JP14679192A JPH0611295A JP H0611295 A JPH0611295 A JP H0611295A JP 14679192 A JP14679192 A JP 14679192A JP 14679192 A JP14679192 A JP 14679192A JP H0611295 A JPH0611295 A JP H0611295A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28D—HEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
- F28D1/00—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators
- F28D1/02—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid
- F28D1/03—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid with plate-like or laminated conduits
- F28D1/0308—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid with plate-like or laminated conduits the conduits being formed by paired plates touching each other
- F28D1/0325—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid with plate-like or laminated conduits the conduits being formed by paired plates touching each other the plates having lateral openings therein for circulation of the heat-exchange medium from one conduit to another
- F28D1/0333—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid with plate-like or laminated conduits the conduits being formed by paired plates touching each other the plates having lateral openings therein for circulation of the heat-exchange medium from one conduit to another the plates having integrated connecting members
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルミニウム合金ブレージングシート8を接
合した熱交換器において外皮、内皮、接合部、芯材の耐
食性を高める。 【構成】 内皮材を貴、外皮材を卑、芯材をこれらの中
間電位とし、ろう付け時に内皮材12と外皮材11のろ
うが接触する多角形の穴18をコアプレートを貫通して
設ける。
合した熱交換器において外皮、内皮、接合部、芯材の耐
食性を高める。 【構成】 内皮材を貴、外皮材を卑、芯材をこれらの中
間電位とし、ろう付け時に内皮材12と外皮材11のろ
うが接触する多角形の穴18をコアプレートを貫通して
設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性及びろう付け性に
優れたアルミニウム合金製積層型熱交換器に関する。
優れたアルミニウム合金製積層型熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金のブレージングシート
は近年特に自動車用の熱交換器に多用されるようになっ
てきている。これら熱交換器の内アルミニウム合金製積
層型熱交換器は優れた熱交換性能によりエバポレーター
に専ら用いられている。アルミニウム合金製積層型熱交
換器の構造は例えば特開昭63−99496号公報に示
されている。この構造においては、図3に示すようにア
ルミニウム板を波形にプレス成形した対称形の一対のコ
アプレート8,8′を相互に接合してタンク部20及び
このタンク部20に連通する冷媒通路部22を形成して
なるコアプレート接合体30、即ち偏平管を構成し、こ
のようなコアプレート接合体30とフィン23とをそれ
ぞれ多数個積層している。
は近年特に自動車用の熱交換器に多用されるようになっ
てきている。これら熱交換器の内アルミニウム合金製積
層型熱交換器は優れた熱交換性能によりエバポレーター
に専ら用いられている。アルミニウム合金製積層型熱交
換器の構造は例えば特開昭63−99496号公報に示
されている。この構造においては、図3に示すようにア
ルミニウム板を波形にプレス成形した対称形の一対のコ
アプレート8,8′を相互に接合してタンク部20及び
このタンク部20に連通する冷媒通路部22を形成して
なるコアプレート接合体30、即ち偏平管を構成し、こ
のようなコアプレート接合体30とフィン23とをそれ
ぞれ多数個積層している。
【0003】この構造においては図3に示す如くコアプ
レート8,8′はコアプレートを積層した時にその形状
が対称的になるように成形されておりかつ両面にろう材
をクラッドしたブレージングシートを用いている。この
ため完成した熱交換器の外面のブレージングシート接合
部にはろう付後の残留ろう材が位置することになり、こ
のろう材層で局部的に存在する共晶Siとマトリックス
のα−Alとの電食が避けられないので、ろう付後のろ
う材面は本質的には耐食性は劣っている。
レート8,8′はコアプレートを積層した時にその形状
が対称的になるように成形されておりかつ両面にろう材
をクラッドしたブレージングシートを用いている。この
ため完成した熱交換器の外面のブレージングシート接合
部にはろう付後の残留ろう材が位置することになり、こ
のろう材層で局部的に存在する共晶Siとマトリックス
のα−Alとの電食が避けられないので、ろう付後のろ
う材面は本質的には耐食性は劣っている。
【0004】熱交換器の外側は道路凍結防止用の塩その
他の腐食性媒体にさらされるので、外部からの腐食に対
する耐食性の要求レベルはかなり厳しいものがある。し
かし、従来のアルミニウム合金製積層型熱交換器が腐食
性媒体に最もさらされるタンク部外部ではこの外部耐食
性の要求に応えることが難しいものであった。
他の腐食性媒体にさらされるので、外部からの腐食に対
する耐食性の要求レベルはかなり厳しいものがある。し
かし、従来のアルミニウム合金製積層型熱交換器が腐食
性媒体に最もさらされるタンク部外部ではこの外部耐食
性の要求に応えることが難しいものであった。
【0005】この対策として(1)ろう付後防食のため
の表面処理を行う、(2)ブレージングシートの芯材の
電位をろう材に対し50〜100mV貴にしてろう材を
犠牲腐食材として作用させ芯材を防食する、(3)上記
(1)と(2)とを組み合わせる等の手法が提案ないし
実施されている。
の表面処理を行う、(2)ブレージングシートの芯材の
電位をろう材に対し50〜100mV貴にしてろう材を
犠牲腐食材として作用させ芯材を防食する、(3)上記
(1)と(2)とを組み合わせる等の手法が提案ないし
実施されている。
【0006】しかしこれら手法のうち(1)及び(3)
では耐食性は向上するが表面処理のためのコストが高
く、(2)及び(3)では耐食性は多少向上するものの
耐食性そのものにいま一つ確実性に欠け特にろう継手部
でろうが優先的に腐食されるという問題があった。
では耐食性は向上するが表面処理のためのコストが高
く、(2)及び(3)では耐食性は多少向上するものの
耐食性そのものにいま一つ確実性に欠け特にろう継手部
でろうが優先的に腐食されるという問題があった。
【0007】特にこのろう付部が優先的に腐食される問
題に対しては、(4)片面または両面にCu,Mnを含
有したろう材のブレージングシートを使用することが特
開昭63−281795号及び特開平1−148489
号に提案されており、(5)芯材のCu量を規制するこ
とが特開平1−215945号に提案されている。
題に対しては、(4)片面または両面にCu,Mnを含
有したろう材のブレージングシートを使用することが特
開昭63−281795号及び特開平1−148489
号に提案されており、(5)芯材のCu量を規制するこ
とが特開平1−215945号に提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】(4)の方法では片面
にCu入りろう材を用い、反対面に無Cuろう材を用い
る場合図4に示すように、内皮材12がCu入りろう
材、外皮材11が無Cuろう材であると、内皮材12同
士が接合した継手15では確かにこのろう継手が優先的
に腐食される問題は低減できるが、もう一方の外皮材1
1同士が接合した継手14では継手の腐食が問題にな
る。すなわち、Cu無しの従来公知のろう材(例えばJ
ISA4004)を接合した継手ではろう継手が優先的
に腐食させる問題は解決されない。
にCu入りろう材を用い、反対面に無Cuろう材を用い
る場合図4に示すように、内皮材12がCu入りろう
材、外皮材11が無Cuろう材であると、内皮材12同
士が接合した継手15では確かにこのろう継手が優先的
に腐食される問題は低減できるが、もう一方の外皮材1
1同士が接合した継手14では継手の腐食が問題にな
る。すなわち、Cu無しの従来公知のろう材(例えばJ
ISA4004)を接合した継手ではろう継手が優先的
に腐食させる問題は解決されない。
【0009】両面にCu入りろう材を用いる場合には確
かに全てのろう継手が優先的に腐食される問題は低減で
きるが、ろう継手以外のブレーシングシート自体の耐食
性については電位の貴卑が上記(2)とは逆の組合わせ
になるのでブレージングシートが犠牲陽極となり外部か
ら腐食され易い。また(5)の方法でも芯材の電位が卑
になって外部から腐食される状況が懸念される。更には
こうした腐食の問題からコストダウンのためにブレージ
ングシートの板厚を薄くすることが規制されていた。
かに全てのろう継手が優先的に腐食される問題は低減で
きるが、ろう継手以外のブレーシングシート自体の耐食
性については電位の貴卑が上記(2)とは逆の組合わせ
になるのでブレージングシートが犠牲陽極となり外部か
ら腐食され易い。また(5)の方法でも芯材の電位が卑
になって外部から腐食される状況が懸念される。更には
こうした腐食の問題からコストダウンのためにブレージ
ングシートの板厚を薄くすることが規制されていた。
【0010】また真空ろう付けが行われる場合環境が半
密閉構造となるため、真空ろう付け中に内皮材からのM
gの蒸発分が排除され難く、その蒸発は十分ではない。
このためMgによる真空ろう付け性促進機構が十分働か
ず内面側のろう付け性は一般に外面に比べ劣るという問
題もあった。
密閉構造となるため、真空ろう付け中に内皮材からのM
gの蒸発分が排除され難く、その蒸発は十分ではない。
このためMgによる真空ろう付け性促進機構が十分働か
ず内面側のろう付け性は一般に外面に比べ劣るという問
題もあった。
【0011】この発明は上記の従来技術の欠点を解消
し、耐食性に優れたアルミニウム製積層型熱交換器を提
供する事を第一の目的とし、さらに真空ろう付けが行わ
れる場合ろう付け性に優れたアルミニウム製積層型熱交
換器を提供することを第二の目的とする。
し、耐食性に優れたアルミニウム製積層型熱交換器を提
供する事を第一の目的とし、さらに真空ろう付けが行わ
れる場合ろう付け性に優れたアルミニウム製積層型熱交
換器を提供することを第二の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、材料及
び熱交換器の構造の両面での組合わせによりコアプレー
ト外面からの腐食に対して従来のコアプレートの芯材と
外面のろう材との犠牲防食効果に加え、更に芯材と内面
ろう材との組合わせにおいても犠牲防食機能が働くよう
にし、ブレージングシートの板厚及びろう継手を貫通す
る腐食ピットを防止して第一の目的を達成するたことに
ある。さらに、皮材にBiを含有するAl合金ろう材を
用いて第二の目的を達成することにある。
び熱交換器の構造の両面での組合わせによりコアプレー
ト外面からの腐食に対して従来のコアプレートの芯材と
外面のろう材との犠牲防食効果に加え、更に芯材と内面
ろう材との組合わせにおいても犠牲防食機能が働くよう
にし、ブレージングシートの板厚及びろう継手を貫通す
る腐食ピットを防止して第一の目的を達成するたことに
ある。さらに、皮材にBiを含有するAl合金ろう材を
用いて第二の目的を達成することにある。
【0013】本発明の熱交換器は、一端に膨出部を形成
することによりタンクエレメントを形成しかつ残りの平
坦部分に熱交換器媒体通路を有するチューブエレメント
を形成した2枚のブレージングシートのコアプレートを
接合することによりタンク部及びこれに連通する熱交換
器媒体通路管を構成したコアプレート接合体と、このコ
アプレート接合体とフィンとを交互に多数個積層してな
るアルミニウム合金製積層型熱交換器において、タンク
部外側の第1の皮材はアルミニウム合金ろう材を、その
芯材には第1の皮材より電位的に貴なアルミニウム合金
を、またタンク部内側の第2の皮材には芯材と電位的に
同等かもしくはより貴なアルミニウム合金ろう材を各々
用いて構成した合わせ板コアプレートにより前記コアプ
レート接合体を構成し、コアプレートの外皮材同士が当
接する継手において接合部におけるブレージングシート
の少なくとも一方の板厚を貫通する微小の多角形の穴又
はスリットを有し、ろう付け時にこの多角形の穴又はス
リットを介して内皮材のろうと外皮材のろうが接触する
ようにし、フィン材にはコアプレートの芯材よりも卑な
電位を有するアルミニウム又はその合金を用いたことを
特徴する。
することによりタンクエレメントを形成しかつ残りの平
坦部分に熱交換器媒体通路を有するチューブエレメント
を形成した2枚のブレージングシートのコアプレートを
接合することによりタンク部及びこれに連通する熱交換
器媒体通路管を構成したコアプレート接合体と、このコ
アプレート接合体とフィンとを交互に多数個積層してな
るアルミニウム合金製積層型熱交換器において、タンク
部外側の第1の皮材はアルミニウム合金ろう材を、その
芯材には第1の皮材より電位的に貴なアルミニウム合金
を、またタンク部内側の第2の皮材には芯材と電位的に
同等かもしくはより貴なアルミニウム合金ろう材を各々
用いて構成した合わせ板コアプレートにより前記コアプ
レート接合体を構成し、コアプレートの外皮材同士が当
接する継手において接合部におけるブレージングシート
の少なくとも一方の板厚を貫通する微小の多角形の穴又
はスリットを有し、ろう付け時にこの多角形の穴又はス
リットを介して内皮材のろうと外皮材のろうが接触する
ようにし、フィン材にはコアプレートの芯材よりも卑な
電位を有するアルミニウム又はその合金を用いたことを
特徴する。
【0014】ここで本発明におけるコアプレートの芯材
の好ましい組成における成分の限定理由を示す。Cuは
強度を高めると同時に電位を高める。その添加量が0.
05%(百分率は特に断らない限り重量%を意味する)
未満ではこの効果が十分発揮されず、1.0%を越える
と逆に耐食性及び成形性が低下するため、Cu添加量は
0.05−1.0%とした。
の好ましい組成における成分の限定理由を示す。Cuは
強度を高めると同時に電位を高める。その添加量が0.
05%(百分率は特に断らない限り重量%を意味する)
未満ではこの効果が十分発揮されず、1.0%を越える
と逆に耐食性及び成形性が低下するため、Cu添加量は
0.05−1.0%とした。
【0015】MgはSiとMg2 Si化合物を形成して
ろう付後の自然又は人工時効により強度を高める。その
添加量が0.1%未満ではこの効果が十分発揮されず、
1.0%を越えると結晶粒界に偏析したMgがSiと反
応して低融点化合物が生成し、粒界が局部的に溶融する
現象(ろうのしみこみ感受性が低下する現象)が起こ
り、又非腐食性フラックスブレージングではフラックス
と反応してろう付性が劣化するためMgの添加量は0.
1−1.0%と制限した。
ろう付後の自然又は人工時効により強度を高める。その
添加量が0.1%未満ではこの効果が十分発揮されず、
1.0%を越えると結晶粒界に偏析したMgがSiと反
応して低融点化合物が生成し、粒界が局部的に溶融する
現象(ろうのしみこみ感受性が低下する現象)が起こ
り、又非腐食性フラックスブレージングではフラックス
と反応してろう付性が劣化するためMgの添加量は0.
1−1.0%と制限した。
【0016】SiはMgとMg2 Si化合物を形成して
又は一部単独でろう付後の自然又は人工時効により強度
を高める。その添加量が0.1%未満では上述のとおり
Mg添加を制限しているため時効性が十分発揮されず、
一方1.5%を越えるとろう付性が劣化するため添加量
は0.1−1.5%と制限した。
又は一部単独でろう付後の自然又は人工時効により強度
を高める。その添加量が0.1%未満では上述のとおり
Mg添加を制限しているため時効性が十分発揮されず、
一方1.5%を越えるとろう付性が劣化するため添加量
は0.1−1.5%と制限した。
【0017】Mnは固溶強化により強度を高める。その
添加量が0.1%未満ではこの効果が十分発揮されず、
一方、2.0%を越えるとMgとSiによる時効硬化特
性を劣化させ、さらにMnはCuとAl−Mn−Cu化
合物を形成し、この化合物を起点とする腐食をもたら
す。さらにはMnの固溶硬化に伴う欠点としての成形性
を劣化させるためその添加量は0.1−2.0%と制限
した。
添加量が0.1%未満ではこの効果が十分発揮されず、
一方、2.0%を越えるとMgとSiによる時効硬化特
性を劣化させ、さらにMnはCuとAl−Mn−Cu化
合物を形成し、この化合物を起点とする腐食をもたら
す。さらにはMnの固溶硬化に伴う欠点としての成形性
を劣化させるためその添加量は0.1−2.0%と制限
した。
【0018】Tiはピット状の腐食形態を層状(全面腐
食状)に変化させ従って最大腐食深さを低下させる。そ
の添加量が0.05%未満ではこの効果が十分発揮され
ず、一方0.3%を越えるとこの効果も飽和するため、
これ以上添加するのは経済的でない。従ってTiの添加
量は0.05−0.3%とした。以下、本発明における
ろう材の好ましい組成を説明する。
食状)に変化させ従って最大腐食深さを低下させる。そ
の添加量が0.05%未満ではこの効果が十分発揮され
ず、一方0.3%を越えるとこの効果も飽和するため、
これ以上添加するのは経済的でない。従ってTiの添加
量は0.05−0.3%とした。以下、本発明における
ろう材の好ましい組成を説明する。
【0019】外面のろう材(第1の皮材)はAl−Si
系合金、Al−Si−Mg系合金又はAl−Si−Mg
−Bi系合金が好ましく、例えば通常のろう材合金40
03,4004,4104,4005,4N04,40
45,4343,4145,4047等ならびにこれら
にBiを添加した合金が好ましく適用できるが、特にこ
れらに限定されるものではない。このクラッド率として
は通常5〜20%が用いられるがこれも又特に限定され
ない。
系合金、Al−Si−Mg系合金又はAl−Si−Mg
−Bi系合金が好ましく、例えば通常のろう材合金40
03,4004,4104,4005,4N04,40
45,4343,4145,4047等ならびにこれら
にBiを添加した合金が好ましく適用できるが、特にこ
れらに限定されるものではない。このクラッド率として
は通常5〜20%が用いられるがこれも又特に限定され
ない。
【0020】内面のろう材(第2の皮材)はAl−Si
−Cu系合金、Al−Si−Mg−Cu系合金又はAl
−Si−Mg−Cu−Bi系合金が好ましく、例えば通
常のろう材合金4003,4004,4104,400
5,4N04,4045,4343,4145,404
7等にCuを芯材の含有量の半分以上添加したものであ
ればよく、特に限定されない。
−Cu系合金、Al−Si−Mg−Cu系合金又はAl
−Si−Mg−Cu−Bi系合金が好ましく、例えば通
常のろう材合金4003,4004,4104,400
5,4N04,4045,4343,4145,404
7等にCuを芯材の含有量の半分以上添加したものであ
ればよく、特に限定されない。
【0021】また真空ろう付でAl−Si−Mg−Cu
系合金又はAl−Si−Mg−Cu−Bi系合金を使用
する場合にはMg含有量が0.3%未満ではMgによる
真空ろう付促進効果が不十分である。一方、Mg含有量
が1.3%を越えると、半密閉構造のろう付装置内部で
はMgの真空ろう付促進効果が過剰になるため、外面ろ
う材の融点が内面ろう材の融点との違いが大きくなるこ
とにより、ろう付温度の設定が困難になるとか、あるい
は蒸発し続いて酸化したMgOが合わせ板に再付着する
こと等によりろう付性が低下するなどの問題が生じるの
で、Mgの添加量は0.3〜1.3%が望ましい。この
ろう材のクラッド率としては通常5〜20%が用いられ
るが、特にこれに限定されるものではない。
系合金又はAl−Si−Mg−Cu−Bi系合金を使用
する場合にはMg含有量が0.3%未満ではMgによる
真空ろう付促進効果が不十分である。一方、Mg含有量
が1.3%を越えると、半密閉構造のろう付装置内部で
はMgの真空ろう付促進効果が過剰になるため、外面ろ
う材の融点が内面ろう材の融点との違いが大きくなるこ
とにより、ろう付温度の設定が困難になるとか、あるい
は蒸発し続いて酸化したMgOが合わせ板に再付着する
こと等によりろう付性が低下するなどの問題が生じるの
で、Mgの添加量は0.3〜1.3%が望ましい。この
ろう材のクラッド率としては通常5〜20%が用いられ
るが、特にこれに限定されるものではない。
【0022】Biはろう付け装置内の真空度が低下した
際のろうの流動性悪化を補う作用がある。Biの含有量
は0.002〜0.2%であることが好ましい。
際のろうの流動性悪化を補う作用がある。Biの含有量
は0.002〜0.2%であることが好ましい。
【0023】フィンはコアプレート材の熱放散性に加
え、コアプレートの熱交換器媒体通路管の外気からの腐
食を防止するための犠牲腐食機能を有している。このよ
うなフイン用合金としてはコアプレート材の芯材よりも
卑な電位を有するアルミニウム合金であること、熱伝導
性が良好であることが必要であり、通常1070,10
50,1200等の純Al、7072等のAl−Zn合
金,Al−In,Al−Sn合金及びこれら合金組み合
わせ、更にはAl−Mn合金にこれら成分を添加した合
金が好ましく使用できる。
え、コアプレートの熱交換器媒体通路管の外気からの腐
食を防止するための犠牲腐食機能を有している。このよ
うなフイン用合金としてはコアプレート材の芯材よりも
卑な電位を有するアルミニウム合金であること、熱伝導
性が良好であることが必要であり、通常1070,10
50,1200等の純Al、7072等のAl−Zn合
金,Al−In,Al−Sn合金及びこれら合金組み合
わせ、更にはAl−Mn合金にこれら成分を添加した合
金が好ましく使用できる。
【0024】ろう付方法としては真空ろう付、フラック
スろう付及び非腐食性フラックスろう付法等が好ましく
適用できるが、特に限定されるものでない。
スろう付及び非腐食性フラックスろう付法等が好ましく
適用できるが、特に限定されるものでない。
【0025】本発明において、コアプレートの外皮材
(第1の皮材)同士を接触させる構造は特に限定されな
いが、通常は単なる重ね継手でよい。なおかかるコアプ
レートの外皮材同士の接触部に貫通孔を設ける構造に加
えて、コアプレートの端部にバーリング部、舌片を設け
直接接触させる方式や係合片を別途設けてこれを介して
間接接触させる構造を採用することができる。この場合
一つのコアプレートで異なる構造を同時に採用すること
もでき、また一つのコアプレートでは異なる構造のいず
れかを採用し、別のコアプレートでは他方の構造を採用
することもできる。
(第1の皮材)同士を接触させる構造は特に限定されな
いが、通常は単なる重ね継手でよい。なおかかるコアプ
レートの外皮材同士の接触部に貫通孔を設ける構造に加
えて、コアプレートの端部にバーリング部、舌片を設け
直接接触させる方式や係合片を別途設けてこれを介して
間接接触させる構造を採用することができる。この場合
一つのコアプレートで異なる構造を同時に採用すること
もでき、また一つのコアプレートでは異なる構造のいず
れかを採用し、別のコアプレートでは他方の構造を採用
することもできる。
【0026】少なくとも一方のブレージングシートの板
厚を貫通する微小の多角形の穴又はスリットの大きさは
特に限定されるものではなくろう付け時にこの多角形の
穴又はスリットを介して内皮材のろうと外皮材のろうが
接触さえすれば良いが、通常はこの多角形の穴の大きさ
が小さすぎても大きすぎてもろう付け時に上外面のろう
がコアプレート重ね面の界面と接触し難くなるので、好
ましくは多角形の直径相当で0.1〜5.0mmが好ま
しい。スリットの幅としては0.1〜3mmが好まし
く、スリットの長片の長さは特に限定されない。多角形
の穴又はスリットの間の非加工部の幅は通常は2〜50
mmであることが好ましい。多角形穴又はスリットの形
状としては特に限定されないが□△☆の様に隣合う辺の
角度が90°以下の形状が望ましい。
厚を貫通する微小の多角形の穴又はスリットの大きさは
特に限定されるものではなくろう付け時にこの多角形の
穴又はスリットを介して内皮材のろうと外皮材のろうが
接触さえすれば良いが、通常はこの多角形の穴の大きさ
が小さすぎても大きすぎてもろう付け時に上外面のろう
がコアプレート重ね面の界面と接触し難くなるので、好
ましくは多角形の直径相当で0.1〜5.0mmが好ま
しい。スリットの幅としては0.1〜3mmが好まし
く、スリットの長片の長さは特に限定されない。多角形
の穴又はスリットの間の非加工部の幅は通常は2〜50
mmであることが好ましい。多角形穴又はスリットの形
状としては特に限定されないが□△☆の様に隣合う辺の
角度が90°以下の形状が望ましい。
【0027】上記重ね面で、上外面のろうが重ね界面の
ろうと接触する能力は、穴形状が図5の(a)に示す○
(円筒形)より本発明の実施態様に係る断面形状である
□△☆の方が高い。これは○形状では図5の(b)に示
すように表面張力の働きが二次元的であるに対し、図5
の(b)に例示する□形状などでは隅部では三次元の働
きになるためである。又相対する継手のコアプレートで
の多角形の穴又はスリットの相対的な位置関係は特に限
定されず少なくとも一方のコアプレートでの多角形の穴
又はスリット径、ピッチが上記条件を満たしておれば良
い。
ろうと接触する能力は、穴形状が図5の(a)に示す○
(円筒形)より本発明の実施態様に係る断面形状である
□△☆の方が高い。これは○形状では図5の(b)に示
すように表面張力の働きが二次元的であるに対し、図5
の(b)に例示する□形状などでは隅部では三次元の働
きになるためである。又相対する継手のコアプレートで
の多角形の穴又はスリットの相対的な位置関係は特に限
定されず少なくとも一方のコアプレートでの多角形の穴
又はスリット径、ピッチが上記条件を満たしておれば良
い。
【0028】
【作用】図6、7に基づいて本発明のタンク部板厚を貫
通する腐食に対する電位の作用効果を説明する。
通する腐食に対する電位の作用効果を説明する。
【0029】内面ろう材にCuを添加しないコアプレー
トにおいては、電位分布に大きな影響を与えるCu成分
のろう付後の板厚方向の濃度は製造途中及びろう付途中
の拡散により図6の(A)で示される様なものになる。
ここでCuは電位を貴にする。その結果板厚方向の電位
分布はCuの分布と対応して図6の(B)の曲線に示さ
れる様になり、板厚の内部位置Pで電位が貴の最大値を
示すようになる。このため薄板コアを作るためにコアプ
レート板厚を薄くした場合、外面からの腐食ピットがこ
の最大位置Pを越え易くなり、一旦この位置Pを越える
と腐食の速度は速まり貫通ピットに到るものと考えられ
る。以上Cuを例にとりその電位に対する影響を説明し
たが、Mnなどについても同様である。
トにおいては、電位分布に大きな影響を与えるCu成分
のろう付後の板厚方向の濃度は製造途中及びろう付途中
の拡散により図6の(A)で示される様なものになる。
ここでCuは電位を貴にする。その結果板厚方向の電位
分布はCuの分布と対応して図6の(B)の曲線に示さ
れる様になり、板厚の内部位置Pで電位が貴の最大値を
示すようになる。このため薄板コアを作るためにコアプ
レート板厚を薄くした場合、外面からの腐食ピットがこ
の最大位置Pを越え易くなり、一旦この位置Pを越える
と腐食の速度は速まり貫通ピットに到るものと考えられ
る。以上Cuを例にとりその電位に対する影響を説明し
たが、Mnなどについても同様である。
【0030】これに対し本発明では内面のろう材を貴に
しているためCuのろう付後の板厚方向の濃度分布は図
7の(A)の曲線で示される様になる。すなわち板厚方
向の電位分布は図7の(B)の曲線に示される様にな
り、電位の貴の最大位置P′は内面のろう材部12にな
る。このためコアプレート板厚を薄くした場合でも、外
面からの腐食ピットがこの最大値位置P′に到達するま
での時間は長くなり、従って貫通ピットが発生し難しく
なるものと考えられる。本発明の最大の特徴であるろう
継手を貫通する腐食に対する防食作用を図1を参照して
説明する。
しているためCuのろう付後の板厚方向の濃度分布は図
7の(A)の曲線で示される様になる。すなわち板厚方
向の電位分布は図7の(B)の曲線に示される様にな
り、電位の貴の最大位置P′は内面のろう材部12にな
る。このためコアプレート板厚を薄くした場合でも、外
面からの腐食ピットがこの最大値位置P′に到達するま
での時間は長くなり、従って貫通ピットが発生し難しく
なるものと考えられる。本発明の最大の特徴であるろう
継手を貫通する腐食に対する防食作用を図1を参照して
説明する。
【0031】本発明の原理を説明する図1において内皮
材12が接合したもの15と外皮材11が接合したもの
14の2種類のろう継手のうち、前者は内面の貴なろう
材12が集積したものであり、従って図6の(B)に示
されるようにその電位は芯材10のそれより貴であるた
め、ろう継手15におけるろう材12は芯材10に対し
犠牲腐食的に保護され貫通に到る腐食は発生ない。他方
のろう継手14においてはろう材24の電位は外面ろう
材11と内面ろう材12にの両方の影響を受け、芯材1
0の電位とほぼ同等レベルとなる。即ちろう継手14は
大半は外面の卑なろう材11が集積したものであり、従
ってこのろう材24はろう材11の影響を受ける。
材12が接合したもの15と外皮材11が接合したもの
14の2種類のろう継手のうち、前者は内面の貴なろう
材12が集積したものであり、従って図6の(B)に示
されるようにその電位は芯材10のそれより貴であるた
め、ろう継手15におけるろう材12は芯材10に対し
犠牲腐食的に保護され貫通に到る腐食は発生ない。他方
のろう継手14においてはろう材24の電位は外面ろう
材11と内面ろう材12にの両方の影響を受け、芯材1
0の電位とほぼ同等レベルとなる。即ちろう継手14は
大半は外面の卑なろう材11が集積したものであり、従
ってこのろう材24はろう材11の影響を受ける。
【0032】又、一方この継手14におけるブレージン
グシートの少なくとも一方の板厚を貫通する微少な多角
形の穴又はスリット18ではろう付け時に内面の貴な溶
融ろう材12が毛管作用により侵入し、微少な多角形の
穴又はスリット18の底部周辺18bでは外面の溶融ろ
う材11と混ざり合う。この結果底部周辺18bにおい
ては貴な内面ろう材の成分、例えばCuが液体拡散によ
り容易にろう継手14のろう材まで広がるためそのろう
材は芯材10と電位的にほぼ同等レベルになり、従って
そのろう材が芯材10に対して優先的に腐食し易くなる
事はなくなる。かつろう継手14はその厚みがタンク部
板厚に比べて2倍以上厚い。このためろう継手14は腐
食により貫通に至る事はなくなり耐食性の向上が図られ
る。
グシートの少なくとも一方の板厚を貫通する微少な多角
形の穴又はスリット18ではろう付け時に内面の貴な溶
融ろう材12が毛管作用により侵入し、微少な多角形の
穴又はスリット18の底部周辺18bでは外面の溶融ろ
う材11と混ざり合う。この結果底部周辺18bにおい
ては貴な内面ろう材の成分、例えばCuが液体拡散によ
り容易にろう継手14のろう材まで広がるためそのろう
材は芯材10と電位的にほぼ同等レベルになり、従って
そのろう材が芯材10に対して優先的に腐食し易くなる
事はなくなる。かつろう継手14はその厚みがタンク部
板厚に比べて2倍以上厚い。このためろう継手14は腐
食により貫通に至る事はなくなり耐食性の向上が図られ
る。
【0033】ろう材に加えられるBiはMgと親和力が
高く、Mgの蒸発性能を高めるので、真空ろう付け装置
の真空度が低下したときのろう付け性能向上に有益であ
る。以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明す
る。
高く、Mgの蒸発性能を高めるので、真空ろう付け装置
の真空度が低下したときのろう付け性能向上に有益であ
る。以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明す
る。
【0034】
実施例1 表1に示す組成の合金4種類を芯材用とし、内皮のろう
材として表2に示す組成の合金2種類を、外皮のろう材
にはJISA4004を各々溶解鋳造して鋳塊を得た。
これら鋳塊を面削、均質化処理を行なった後、芯材用合
金は板厚40mmに、ろう材は板厚5mmに各々熱間圧
延した。次に上記の芯材用合金の板の一方の面に内皮の
ろう材合金をもう一方の面に外皮のろう材を各々重ね合
わせ表3に示すように組み合わせ、熱間圧延にてクラッ
ドした後、冷間圧延を行ない板厚0.6mmにした後焼
鈍して本発明合金を製造した。
材として表2に示す組成の合金2種類を、外皮のろう材
にはJISA4004を各々溶解鋳造して鋳塊を得た。
これら鋳塊を面削、均質化処理を行なった後、芯材用合
金は板厚40mmに、ろう材は板厚5mmに各々熱間圧
延した。次に上記の芯材用合金の板の一方の面に内皮の
ろう材合金をもう一方の面に外皮のろう材を各々重ね合
わせ表3に示すように組み合わせ、熱間圧延にてクラッ
ドした後、冷間圧延を行ない板厚0.6mmにした後焼
鈍して本発明合金を製造した。
【0035】このクラッド板を用いて図1、2に示す積
層型熱交換器を製作した。図2は積層型熱交換器の全体
を示す斜視図である。図2に於て8,8′はコアプレー
トであり、20はそのタンク部であり、21はそのタン
ク部を貫通する通路管であり、23はフィンである。積
層型熱交換器はコアプレート8とコアプレート8′とを
組み合わせセットにした接合体30をフィン23(材質
JISA3203 板厚0.16mm)と交互に積層し
てつくる。
層型熱交換器を製作した。図2は積層型熱交換器の全体
を示す斜視図である。図2に於て8,8′はコアプレー
トであり、20はそのタンク部であり、21はそのタン
ク部を貫通する通路管であり、23はフィンである。積
層型熱交換器はコアプレート8とコアプレート8′とを
組み合わせセットにした接合体30をフィン23(材質
JISA3203 板厚0.16mm)と交互に積層し
てつくる。
【0036】この際コアプレート8、8′(図8参照)
の当接部19に微少な正三角形の穴18(三角形の1辺
2mm、ピッチ10mm)をあけ、かつ内面のろう材は
前述の表2に示すろう材が位置するようにした。図8に
微小な三角形の穴16の模式配置を示す。その後真空ろ
う付(加熱605℃×180秒、真空度5×10-3P
a)にてろう付を行い積層型熱交換器を完成させた。さ
らにこの様にして得た熱交換器を耐食性試験(塩水噴霧
35℃、7.2×106 S)を行いその耐食性を調べ
た。耐食性の評価は最大の腐食ピット深さを測定して行
った。試験の結果を表3に示す。
の当接部19に微少な正三角形の穴18(三角形の1辺
2mm、ピッチ10mm)をあけ、かつ内面のろう材は
前述の表2に示すろう材が位置するようにした。図8に
微小な三角形の穴16の模式配置を示す。その後真空ろ
う付(加熱605℃×180秒、真空度5×10-3P
a)にてろう付を行い積層型熱交換器を完成させた。さ
らにこの様にして得た熱交換器を耐食性試験(塩水噴霧
35℃、7.2×106 S)を行いその耐食性を調べ
た。耐食性の評価は最大の腐食ピット深さを測定して行
った。試験の結果を表3に示す。
【0037】比較用として製作した3種類の熱交換器
は:内外面共ろう材を同じ4004ろうとしかつ当接
部19での微少な三角形の穴18及び18′を省略した
以外は実施例と同じにした熱交換器;内外面共ろう材
を同じCu含有4004にした以外はと同じ熱交換
器;内面のろう材を同じCu含有4004にし、外面
ろう材は4004にした以外はに同じ熱交換器を各々
製作して、実施例と同様に耐食試験を行った。その結果
を同じ表3に示す。この結果より本発明の熱交換器はす
ぐれた耐食性を示すことが明らかである。
は:内外面共ろう材を同じ4004ろうとしかつ当接
部19での微少な三角形の穴18及び18′を省略した
以外は実施例と同じにした熱交換器;内外面共ろう材
を同じCu含有4004にした以外はと同じ熱交換
器;内面のろう材を同じCu含有4004にし、外面
ろう材は4004にした以外はに同じ熱交換器を各々
製作して、実施例と同様に耐食試験を行った。その結果
を同じ表3に示す。この結果より本発明の熱交換器はす
ぐれた耐食性を示すことが明らかである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】実施例2 表3の最上欄の材料組み合わせとし、但し芯材にはBi
を0.1%添加し、さらにろう付けの際の真空度を5×
10-2Paとした他は上記実施例と同一の方法で熱交換
器を製作したところ、表3に示したところと同じ性能を
得ることができた。
を0.1%添加し、さらにろう付けの際の真空度を5×
10-2Paとした他は上記実施例と同一の方法で熱交換
器を製作したところ、表3に示したところと同じ性能を
得ることができた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る熱交
換器は継手部、内面、外面のあらゆる場所で耐食性がす
ぐれているので、厳しい環境に適合でき、さらにブレー
ジングシートの板厚を薄くして熱交換器の軽量化を計る
ことができる。また芯材にBiを添加することによりろ
う付け性を向上することができる。
換器は継手部、内面、外面のあらゆる場所で耐食性がす
ぐれているので、厳しい環境に適合でき、さらにブレー
ジングシートの板厚を薄くして熱交換器の軽量化を計る
ことができる。また芯材にBiを添加することによりろ
う付け性を向上することができる。
【図1】本発明に係る熱交換器の要部を示す図である。
【図2】熱交換器の斜視図である。
【図3】従来の熱交換器の要部を示す図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】ブレージングシートに設ける貫通孔の説明図で
ある。
ある。
【図6】従来のブレージングシートのCu量と電位を示
す模式的グラフである。
す模式的グラフである。
【図7】本発明について図6と同様のグラフである。
【図8】本発明の熱交換器のコアプレートの外皮材どう
しが接触する部分に設けられた貫通孔の図である。
しが接触する部分に設けられた貫通孔の図である。
8 コアプレート 10 芯材 11 外側ろう材(第1の皮材) 12 内側ろう材(第2の皮材) 14 継手 15 継手 16 外側ろう材(第1の皮材)と内側ろう材(第2の
皮材)の接触位置 17 流出したCuなどの先端位置 18 貫通孔 20 タンク部 21 通路管 30 コアプレート接合体
皮材)の接触位置 17 流出したCuなどの先端位置 18 貫通孔 20 タンク部 21 通路管 30 コアプレート接合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F28F 3/08 311 9141−3L // B23K 101:14
Claims (3)
- 【請求項1】 一端に膨出部を形成することによりタン
クエレメントを形成しかつ残りの平坦部分に熱交換器媒
体通路を有するチューブエレメントを形成した2枚のブ
レージングシートのコアプレートを接合することにより
タンク部およびこれに連通する熱交換器媒体通路管を構
成したコアプレート接合体と、このコアプレート接合体
とフィンとを交互に多数個積層してなるアルミニウム合
金製積層型熱交換器において、 コアプレートの材料は合わせ板のアルミニウム合金と
し、そのタンク部の外側に当たる第1の皮材はアルミニ
ウム合金ろう材を、その芯材には第1の皮材より電位的
に貴なアルミニウム合金を、またタンク部内側の第2の
皮材には芯材と電位的に同等かもしくはより貴なアルミ
ニウム合金ろう材を各々用いて構成した合わせ板コアプ
レートにより前記コアプレート接合体を構成し、コアプ
レートの外皮材同士が当接する継手において接合部にお
けるブレージングシートの少なくとも一方の板厚を貫通
する微小の多角形の穴又はスリットを有し、ろう付け時
にこの多角形の穴又はスリットを介して内皮材のろうと
外皮材のろうが接触するようにし、フィン材にはコアプ
レートの芯材よりも卑な電位を有するアルミニウム又は
その合金を用いたことを特徴する耐食性にすぐれたアル
ミニウム合金製積層型熱交換器。 - 【請求項2】 コアプレートの芯材がCu:0.05−
1.0%(「重量%」、以下同じ)と、Mn:0.1−
2.0%、Mg:0.1−1.0%,Si:0.1−
1.5%及びTi:0.05−0.3%の一種以上(但
し、Mg及びSiの何れか一種が含有されるときは他方
も含有される)を含有し、残部がAl及び不可避不純物
よりなるアルミニウム合金からなり、タンク部内側に当
たる第1の皮材は芯材中のCu含有量の半分以上のCu
を含有するAl−Si−Cu系合金、Al−Si−Mg
−Cu系合金又はAl−Si−Mg−Cu−Bi系合金
のろう材からなり、タンク部の外側に当る第1の皮材は
Al−Si系合金、Al−Si−Mg系合金又はAl−
Si−Mg−Bi系合金のろう材を、各々両面にクラッ
ドしたブレージングシートを用いることを特徴とする請
求項1記載の耐食性に優れたアルミニウム合金製積層型
熱交換器。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のAl−Si−Mg
−Cu系合金あるいはAl−Si−Mg−Cu−Bi系
合金がタンク部の内側に当たる部分のMg含有量を外面
部のMg含有量未満とすることを特徴とする耐食性に優
れたアルミニウム合金製積層型熱交換器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14679192A JPH0611295A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 耐食性に優れたアルミニウム合金製積層型熱交換器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14679192A JPH0611295A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 耐食性に優れたアルミニウム合金製積層型熱交換器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0611295A true JPH0611295A (ja) | 1994-01-21 |
Family
ID=15415622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14679192A Pending JPH0611295A (ja) | 1992-05-14 | 1992-05-14 | 耐食性に優れたアルミニウム合金製積層型熱交換器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0611295A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5720340A (en) * | 1995-07-20 | 1998-02-24 | Denso Corporation | Laminated type heat exchanger |
US7485374B2 (en) | 2005-01-26 | 2009-02-03 | Furukawa-Sky Aluminum Corp. | Heat exchanger and fin material for the heat exchanger |
JP2009150584A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-09 | Mhi Environment Engineering Co Ltd | 高ダスト排ガス熱回収処理装置 |
JP2011000594A (ja) * | 2009-06-16 | 2011-01-06 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージングシート |
JP2022121018A (ja) * | 2021-02-08 | 2022-08-19 | 株式会社日阪製作所 | プレート式熱交換器 |
WO2023079909A1 (ja) * | 2021-11-04 | 2023-05-11 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金ブレージングシート及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-05-14 JP JP14679192A patent/JPH0611295A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5720340A (en) * | 1995-07-20 | 1998-02-24 | Denso Corporation | Laminated type heat exchanger |
US7485374B2 (en) | 2005-01-26 | 2009-02-03 | Furukawa-Sky Aluminum Corp. | Heat exchanger and fin material for the heat exchanger |
JP2009150584A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-09 | Mhi Environment Engineering Co Ltd | 高ダスト排ガス熱回収処理装置 |
JP2011000594A (ja) * | 2009-06-16 | 2011-01-06 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 真空ろう付け用アルミニウム合金ブレージングシート |
JP2022121018A (ja) * | 2021-02-08 | 2022-08-19 | 株式会社日阪製作所 | プレート式熱交換器 |
WO2023079909A1 (ja) * | 2021-11-04 | 2023-05-11 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金ブレージングシート及びその製造方法 |
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