JP2019138517A - 燃焼炉の灰着量制御条件決定装置、燃焼システム、および灰付着量制御条件決定方法 - Google Patents

燃焼炉の灰着量制御条件決定装置、燃焼システム、および灰付着量制御条件決定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019138517A
JP2019138517A JP2018020850A JP2018020850A JP2019138517A JP 2019138517 A JP2019138517 A JP 2019138517A JP 2018020850 A JP2018020850 A JP 2018020850A JP 2018020850 A JP2018020850 A JP 2018020850A JP 2019138517 A JP2019138517 A JP 2019138517A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ash
component
combustion
amount control
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018020850A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7064078B2 (ja
Inventor
杉山 友章
Tomoaki Sugiyama
友章 杉山
真島 浩
Hiroshi Majima
浩 真島
啓吾 松本
Keigo Matsumoto
啓吾 松本
裕太 橋本
Yuta Hashimoto
裕太 橋本
窪田 隆博
Takahiro Kubota
隆博 窪田
三紀 下郡
Miki Shimogoori
三紀 下郡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd filed Critical Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority to JP2018020850A priority Critical patent/JP7064078B2/ja
Publication of JP2019138517A publication Critical patent/JP2019138517A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7064078B2 publication Critical patent/JP7064078B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Regulation And Control Of Combustion (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

【課題】燃焼炉内や煙道における灰付着を制御する灰付着量制御手段の運転条件を適切に決定する灰着量制御条件決定装置を提供する。【解決手段】灰着量制御条件決定装置は、燃焼炉内または燃焼炉内に連通する煙道において付着する灰の付着量を制御するための灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータの指令値を決定する灰着量制御条件決定装置であって、燃焼炉内における燃料の燃焼により生じる灰の灰成分を取得する灰成分取得部と、灰成分取得部によって取得された灰成分に基づいて、灰の付着性を示す灰付着性指標値を算出する灰付着性指標値算出部と、灰付着性指標値に基づいて、前記指令値を決定する指令値決定部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、ボイラなどの燃焼炉が備える伝熱管(熱交換器)などへ付着する灰の除灰や灰付着を抑制する技術に関する。
例えば特許文献1〜2に記載されるように、石炭焚きボイラにおいては、燃料として使用される石炭に含まれる灰の硬化点や成分に応じて、ボイラの伝熱面への灰の付着の度合いが異なる。ボイラに設置される熱交換器に灰が付着すると、その汚れによる伝熱効率の低下や、火炉の熱吸収割合などのボイラの静特性の変化が生じる。このため、石炭焚きボイラでは、複数のスートブロワやウォールデスラッガ等の除灰装置を設置し、除灰装置より空気や蒸気を噴出させ、付着した灰を除去するようにしている。そして、例えば、特許文献1〜2には、スートブロワなどの除灰装置の運転方法が開示されており、運転員の判断により定めた起動間隔で除灰装置を起動させる手法や、ボイラの運転状態に応じて除灰装置を起動する手法が開示されている。
より具体的には、運転状態に応じて除灰装置を起動する方法として、特許文献1では、炉出口ガス温度の推定値と設計条件である火炉有効熱量との関係から現状の火炉有効面積を求め、これらの現状火炉有効面積と設計火炉有効面積との比から火炉部伝熱面の汚れ度を推定し、火炉部伝熱面の汚れ状況およびボイラの他の運転状態の状況を判断した指標である起動要求度を算出して、起動要求度が火炉に対するスートブロワを起動するための指標となる起動しきい値以上となった場合に、予め設定しておいた起動順序および起動ペア数にしたがってスートブロワを起動させる。特許文献2では、伝熱部の管内流体温度、ガス温度、ガス通過圧力損失、熱伝達状況のいずれかを検知して、スートブロワの作動(起動)を制御する。
なお、特許文献3〜4には、レーザ誘起ブレークダウン法(LIBS法)を用いて、微粉炭、フライアッシュ、灰中未燃分などの成分(組成)などをリアルタイムで計測する手法が開示されている。
特許第3809981号公報 特許第3055987号公報 特開2003−4634号公報 特許第4119624号公報
例えば、除灰装置の起動が過度になると、噴射媒体消費量の増加および伝熱面のエロージョンの発生が生じる可能性がある。逆に、除灰装置の起動が不足すると、ボイラの過熱度不足およびボイラ効率の低下といった事態が生じる可能性がある。よって、運転状態に応じて除灰装置の起動を制御する手法が望ましい。この点、本発明者らは、LIBS装置などのリアルタイムな計測手法を用いて、灰付着に影響する燃料または実際の灰の灰成分を取得することにより、灰成分に基づいて除灰装置の運転条件を決定する手法を考えた。また、灰付着を抑制する添加剤の供給条件や燃焼条件の調整による灰付着の抑制を組み合わせることで、除灰装置による除灰と灰付着の抑制とによる灰付着量の制御をより効果的に行う手法を考えた。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、燃焼炉内や煙道における灰付着を制御する灰付着量制御手段の運転条件を適切に決定する灰着量制御条件決定装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉の灰着量制御条件決定装置は、
燃焼炉内または前記燃焼炉内に連通する煙道において付着する灰の付着量を制御するための灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータの指令値を決定する灰着量制御条件決定装置であって、
前記燃焼炉内における燃料の燃焼により生じる灰の灰成分を取得する灰成分取得部と、
前記灰成分取得部によって取得された前記灰成分に基づいて、前記灰の付着性を示す灰付着性指標値を算出する灰付着性指標値算出部と、
前記灰付着性指標値に基づいて、前記指令値を決定する指令値決定部と、を備える。
上記(1)の構成によれば、燃焼炉での燃料を燃焼により生じる灰の灰成分の実測値または予測値に基づいて灰の付着力などの灰付着性指標の値(灰付着性指標値)を算出すると共に、算出した灰付着性指標値に基づいて、例えば除灰装置の噴射頻度、噴射圧力や、灰付着を抑制するための添加剤の供給量、燃焼条件を制御可能な空気量制御手段などの灰付着量制御手段に対する灰付着量制御パラメータの指令値を決定する。これによって、燃焼炉の運転中に燃料種類の変更などにより燃料性状が計画から変化するような場合があっても、実際に使用される燃料性状に基づいて、灰付着量制御パラメータの指令値を決定することができる。よって、灰が付着することにより生じる熱交換器の伝熱面の汚れを誘発するような低品位な石炭や、バイオマスを燃料として使用する場合においても、燃料性状に応じて除灰装置などの灰付着量制御手段の適正な運転を行うことができる。
したがって、除灰装置による除灰措置や、添加剤の投入、燃焼制御を必要以上に行うことによる噴射媒体や添加剤の消費量の増大によるコストの増加、燃焼制御による最適な運転の阻害、伝熱面のエロージョンの発生や、除灰または灰付着の抑制措置が不足することによるボイラ効率の低下などが生じるのを防止することができるので、燃焼炉の適切な運転を維持することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記灰成分取得部は、
前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃料成分の計測値である燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得部と、
前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼前燃料を燃焼させた場合に生じる前記灰の灰成分の予測結果である灰成分予測結果を算出する灰成分予測部と、を有する。
上記(2)の構成によれば、例えばレーザ誘起ブレークダウン法(LIBS法)などを用いて計測することにより得られる、バーナに供給される燃料(燃焼前燃料)の成分(燃焼前燃料成分)に基づいて、燃焼前燃料が実際に燃焼された場合に生じる灰の灰成分を予測する。これによって、灰成分の予測結果に基づいて、灰付着性指標値を算出することができ、灰付着量制御パラメータの指令値を決定することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記灰成分予測部は、前記燃焼前燃料の前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記灰である実灰を計測することにより得られる前記灰成分である実灰成分と、前記燃焼前燃料を燃焼した際の燃焼条件とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された灰成分予測モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分から前記灰成分予測結果を算出する。
上記(3)の構成によれば、機械学習を通して作成した予測モデルを用いて、燃焼前燃料成分から灰成分を予測する。これによって、燃焼前燃料から生じることになる灰の灰成分を迅速かつ精度よく予測することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の構成において、
前記灰付着量制御手段は、前記煙道に設置される熱交換器に付着する灰を噴射により除去するための除灰装置を含み、
前記灰付着量制御パラメータは、前記除灰装置の噴射頻度または噴射圧力の少なくとも一方を含む。
上記(4)の構成によれば、灰付着性指標値に基づいて除灰装置の噴射頻度や噴射圧力(灰付着量制御パラメータ)を決定することにより、除灰装置の適切な運転を行うことができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)の構成において、
前記灰付着量制御手段は、前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナから前記炉内に供給される前記空気の空気量を制御する空気量制御手段を含み、
前記灰付着量制御パラメータは、前記空気量制御手段から前記バーナに供給される空気量を制御するための空気比パラメータを含む。
上記(5)の構成によれば、灰付着性指標値に基づいて、空気比パラメータ(灰付着量制御パラメータP)を決定する。これによって、燃焼前燃料成分における灰成分や実灰成分におけるNa、K等の灰形成元素の量が多く、灰付着(スラッギング)が厳しいと判定される場合などには、空気比を上げることにより灰の融点を上げることによって、灰付着を抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記灰付着量制御手段は、灰付着抑制用の添加剤を供給する添加剤供給装置を含み、
前記灰付着量制御パラメータは、前記添加剤供給装置から前記燃焼炉内に供給される添加剤量を含む。
上記(6)の構成によれば、灰付着性指標値に基づいて、添加剤量(灰付着量制御パラメータP)を決定する。これによって、燃焼前燃料成分における灰成分や実灰成分における灰形成元素の量に適した添加剤量を適切に決定することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の構成において、
前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃焼により生じた前記煙道の前記灰である実灰を計測することにより得られる前記灰成分である実灰成分であって、前記煙道における第1位置における第1実灰成分、および前記第1位置よりも下流側に位置する第2位置における第2実灰成分との各々における少なくとも一部の灰形成元素の濃度に基づいて、前記灰形成元素の揮発量を算出する揮発量算出部と、
前記灰形成元素の揮発量に基づいて、前記指令値を調整する揮発量調整部と、をさらに備える。
灰形成元素は、灰の付着性への影響が大きい元素であり、液体の灰形成元素の濃度が高いと灰の付着性が高くなる。そして、燃料中の灰形成元素は燃焼により生じた高温状態において揮発して気体として存在する分があり、揮発した灰形成元素は煙道を流れるにしたがって冷却されることにより液体となる結果、灰の付着性が大きくなる原因となる。
上記(7)の構成によれば、燃焼前燃料成分の測定値に基づく灰成分予測結果と、燃料の燃焼後に得られる燃焼後灰成分との各々におけるNa、K等の灰形成元素の濃度差に基づいて、既に決定された灰付着量制御パラメータの指令値を燃焼炉の運転中に調整する。具体的には、濃度差が大きい場合は揮発量が多く、熱交換器等への付着性が高まるので、除灰装置の稼働頻度を上げることや、除灰装置から噴射される空気の圧力を高めることにより、除灰力を高める。このように、灰付着量制御パラメータの指令値を実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の構成において、
前記煙道に設置される熱交換器によって生成される蒸気の蒸気温度、または、前記煙道を流れる排ガスの排ガス温度の少なくとも一方を含む運転状態の監視結果を取得する運転状態取得部と、
前記運転状態の監視結果に基づいて、前記指令値を調整する運転状態調整部と、をさらに備える。
熱交換器の伝熱管群に灰が多く付着することにより、排ガスと伝熱管群を流れる流体との熱交換がしにくくなると、蒸気温度は想定(目標値)よりも低下する。同時に、熱交換がしにくくなるため、排ガスの排ガス温度は上昇する。
上記(8)の構成によれば、蒸気温度の低下または排ガス温度の上昇の少なくとも一方の変化に基づいて、既に決定された灰付着量制御パラメータの指令値を燃焼炉の運転中に調整する。具体的には、蒸気温度が低い場合や排ガス温度が高い場合は灰の付着性が高いことが推測されることから、除灰装置の稼働頻度を上げることや、除灰装置から噴射される空気の圧力を高めることにより、除灰力を高める。これによって、灰付着量制御パラメータの指令値を実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(8)の構成において、
前記灰の硬さを取得する灰硬度取得部と、
前記灰の硬さに基づいて、前記指令値を調整する灰硬度調整部と、をさらに備える。
灰は除灰時において、除灰装置から噴射される噴射媒体によって灰が伝熱管などの付着部からはがされるが、噴射装置による噴射圧力が高くなると、付着灰が付着部からはがれる際に研磨剤の役割を果たすことにより、付着部が摩耗することが懸念される場合がある。
上記(9)の構成によれば、灰付着性指標値および灰の硬さに基づいて、灰付着量制御パラメータが決定される。これによって、灰の付着部における除灰時の摩耗を抑制することができる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼システムは、
燃焼炉内または前記燃焼炉内に連通する煙道において付着する灰の付着量を制御するための灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータの指令値を決定する請求項1〜9のいずれか1項に記載の灰着量制御条件決定装置と、
前記灰成分をリアルタイムに計測可能な計測装置と、
前記灰着量制御条件決定装置によって決定された前記灰付着量制御パラメータの指令値に基づいて制御される運転される灰付着量制御手段と、を備える。
上記(10)の構成によれば、上記(1)〜(9)と同様の効果を奏する。LIBS法を用いて得られる灰成分は、燃焼炉の運転中にリアルタイムに計測することが可能であり、燃焼炉の運用開始後において燃焼炉の運転中に燃料性状が計画から変化するような場合が生じても、実際に使用される燃料性状に基づいて、灰付着量制御パラメータの指令値を決定することができる。よって、灰付着による熱交換器の伝熱面などの汚れを誘発する低品位な石炭や、バイオマス使用時においても、燃料性状に応じて、除灰装置の適正な運転を行うことができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃焼炉の灰着量制御条件決定方法は、
燃焼炉内または前記燃焼炉内に連通する煙道において付着する灰の付着量を制御するための灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータの指令値を決定する灰着量制御条件決定方法であって、
前記燃焼炉内における燃料の燃焼により生じる灰の灰成分を取得する灰成分取得ステップと、
前記灰成分取得ステップによって取得された前記灰成分に基づいて、前記灰の付着性を示す灰付着性指標値を算出する灰付着性指標値算出ステップと、
前記灰付着性指標値に基づいて、前記指令値を決定する指令値決定ステップと、を備える。
上記(11)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)の構成において、
前記灰成分取得ステップは、
前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃料成分の計測値である燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得ステップと、
前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼前燃料を燃焼させた場合に生じる前記灰の灰成分の予測結果である灰成分予測結果を算出する灰成分予測ステップと、を含む。
上記(12)の構成によれば、上記(2)と同様の効果を奏する。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、
前記灰成分予測ステップは、前記燃焼前燃料の前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記灰である実灰を計測することにより得られる前記灰成分である実灰成分と、前記燃焼前燃料を燃焼した際の燃焼条件とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された灰成分予測モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分から前記灰成分予測結果を算出する。
上記(13)の構成によれば、上記(3)と同様の効果を奏する。
(14)幾つかの実施形態では、上記(11)〜(13)の構成において、
前記灰付着量制御手段は、前記煙道に設置される熱交換器に付着する灰を噴射により除去するための除灰装置を含み、
前記灰付着量制御パラメータは、前記除灰装置の噴射頻度または噴射圧力の少なくとも一方を含む。
上記(14)の構成によれば、上記(4)と同様の効果を奏する。
(15)幾つかの実施形態では、上記(11)〜(14)の構成において、
前記灰付着量制御手段は、前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナから前記炉内に供給される前記空気の空気量を制御する空気量制御手段を含み、
前記灰付着量制御パラメータは、前記空気量制御手段から前記バーナに供給される空気量を制御するための空気比パラメータを含む。
上記(15)の構成によれば、上記(5)と同様の効果を奏する。
(16)幾つかの実施形態では、上記(11)〜(15)の構成において、
前記灰付着量制御手段は、灰付着抑制用の添加剤を供給する添加剤供給装置を含み、
前記灰付着量制御パラメータは、前記添加剤供給装置から前記燃焼炉内に供給される添加剤量を含む。
上記(16)の構成によれば、上記(6)と同様の効果を奏する。
(17)幾つかの実施形態では、上記(11)〜(16)の構成において、
前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃焼により生じた前記煙道の前記灰である実灰を計測することにより得られる前記灰成分である実灰成分であって、前記煙道における第1位置における第1実灰成分、および前記第1位置よりも下流側に位置する第2位置における第2実灰成分との各々における少なくとも一部の灰形成元素の濃度に基づいて、前記灰形成元素の揮発量を算出する揮発量算出ステップと、
前記灰形成元素の揮発量に基づいて、前記指令値を調整する揮発量調整ステップと、をさらに備える。
上記(17)の構成によれば、上記(7)と同様の効果を奏する。
(18)幾つかの実施形態では、上記(11)〜(17)の構成において、
前記煙道に設置される熱交換器によって生成される蒸気の蒸気温度、または、前記煙道を流れる排ガスの排ガス温度の少なくとも一方を含む運転状態の監視結果を取得する運転状態取得ステップと、
前記運転状態の監視結果に基づいて、前記指令値を調整する運転状態調整ステップと、をさらに備える。
上記(18)の構成によれば、上記(8)と同様の効果を奏する。
(19)幾つかの実施形態では、上記(11)〜(18)の構成において、
前記灰の硬さを取得する灰硬度取得ステップと、
前記灰の硬さに基づいて、前記指令値を調整する灰硬度調整ステップと、をさらに備える。
上記(19)の構成によれば、上記(9)と同様の効果を奏する。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、燃焼炉内や煙道における灰付着を制御する灰付着量制御手段の運転条件を適切に決定する灰着量制御条件決定装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る燃焼炉の灰着量制御条件決定装置を備える燃焼システムを概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るある灰成分を有する灰の付着力を温度との関係で示した図である。 本発明の一実施形態に係る灰成分予測モデルの再学習判定ステップを示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る調整値決定部を詳細化して示す図である。 本発明の一実施形態に係る灰形成元素の揮発量に基づく灰付着量制御パラメータの指令値の決定フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る灰付着の速度に基づく灰付着量制御パラメータの指令値の決定フローを示す図である。 本発明の一実施形態に係る燃焼炉の灰着量制御条件決定方法を示すフロー図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃焼炉の灰着量制御条件決定装置1を備える燃焼システム7を概略的に示す図である。図1に示す燃焼システム7は、微粉炭炊きボイラシステムである。より具体的には、図1に示すように、燃焼システム7は、燃焼炉8であるボイラの内部に形成された燃焼室8f(炉内。以下同様。)にバーナ81(通常、複数本)を介して微粉化された石炭燃料及び空気を供給し、燃焼室8fで燃料(燃焼前燃料F)を燃焼させることで、熱交換器が有する伝熱管群82の内部を流れる水などの流体を加熱するように構成される。一般に、ボイラは、設置された状態において水平方向に切った断面が四角形状を有しており、バーナ81はその四隅の各々をそれぞれ含む所定の部分(コーナ部)もしくは4つの各壁面部に、ボイラの上下(水平方向に対して垂直な方向)に複数段配置される。例えば、燃焼システム7は、伝熱管群82の流体を加熱してお湯を供給する給湯システムであっても良いし、伝熱管群82の流体の加熱により発生させた蒸気によってタービン(不図示)を駆動して発電を行う発電システムであっても良い。
図1に示す実施形態では、ミル装置74には、石炭貯蔵設備71に貯蔵された石炭燃料が、石炭ホッパ72、石炭供給装置73(スクリューフィーダなど)を経て供給されるようになっており、ミル装置74は供給された石炭燃料を所望の粒径(例えば数μm〜数百μm程度)に粉砕するようになっている。また、ミル装置74は、それぞれ、微粉燃料管Lfを介してボイラに設置されたバーナ81に接続されており、粉砕燃料(微粉炭)は、一次空気A1(搬送用空気)の力によって、ミル装置74からバーナ81に供給されるようになっている。そして、燃料は、バーナ81から空気と共にボイラの燃焼室8fに供給(投入)されて、燃焼される。この時、バーナ81による燃焼時に発生するガス(燃料領域)に、常温または空気予熱器77(後述)などより予熱されたアディショナルエア(AA)をAAポート85から供給(投入)することにより、二段燃焼を行うようになっている。このAAポート85はバーナ81の上方に設けられており(図1参照)、二段燃焼率によって定められるAA量をAA量調整バルブ93aによる流量制御の下で炉内に供給する。これによって、バーナ81側で発生しNOxの還元を行う。なお、二段燃焼率は、AAポート85から供給される燃焼用空気量(AA量)÷全燃焼用空気量で算出される。全燃焼用空気量からAA量を引いた分は、バーナ81側から供給される。例えば二段燃焼率が上がると、AAポート85から供給される燃焼用空気量が増え、バーナ81側から供給される燃焼用空気量が減るので、AAまでの空間が空気不足となり、燃焼により発生したNOxが還元される。
他方、ボイラにおける燃料の燃焼により生じる排ガスGは、上述したボイラの煙道75は排ガス配管部75pを有し、排ガス配管部75pを通って外部に排出されるようになっている。この排ガス配管部75pには、排ガスGから窒素酸化物を除去する脱硝装置76や、排ガスGの熱により、空気供給管L(後述)を通る外気Aを例えば200℃〜300℃の範囲に昇温する空気予熱器77(後述)、熱回収後の排ガスGに含まれる煤塵を除去する電気集塵器78、除塵後の排ガスG中の硫黄酸化物を除去するための脱硫装置(不図示)など、排ガスGを処理する装置が設置されており、排ガスGは、これらの装置による処理を経て煙突(不図示)から外部に排出される。また、上記の空気供給管Lは、空気予熱器77の下流において、ミル装置74に接続される搬送用空気供給管L1と、ボイラに接続される燃焼用空気供給管L2に分岐されている。これによって、外気Aは、一次空気A1として搬送用空気供給管L1からミル装置74に供給されると共に、二次空気A2(燃焼用空気)として風箱ダンパ92による流量調整の下で燃焼用空気供給管L2から風箱83に供給された後、バーナ81を介してボイラの内部(炉内)に供給される。
また、煙道75に設置された節炭器等の熱交換器や空気予熱器などの各種熱交換器において、ボイラの連続運転に伴い伝熱管の伝熱表面に灰や煤(以下、灰や煤を含めて灰と呼ぶ。)が付着(堆積)し、各種熱交換器の熱交換性能の低下などが生じる。このため、燃焼システム7は、スーツブロワやウォールデスラッガ等の除灰装置91を備えており、一定の間隔などで除灰装置91から高圧蒸気や圧縮空気などの噴射媒体を吹き付けることで灰を取り除く(吹き払う)。より具体的には、スーツブロワは、ボイラの炉壁内に往復動により出入するランスチューブの先端に設けられたノズル穴から除灰対象の伝熱管に向けて噴射媒体を噴出して、付着灰を吹き払う。ウォールデスラッガも同様に、除灰対象の伝熱管に向けて噴射媒体を噴出して、付着灰を吹き払う。また、灰付着を抑制が可能な添加剤(フライアッシュや、市販の添加剤)を供給するための装置や、その供給を可能とする設備などの添加剤供給装置93を備えている。そして、除灰装置91は、噴射媒体の噴射圧力や、噴射頻度(起動周期)などを定めた設定値(後述する灰付着量制御パラメータPやの指令値Pv)に従って運転が行われ、添加剤供給装置93は添加剤の供給量など条件(同上)に従って動作される。
なお、燃焼システム7は、バイオマス燃料などのリサイクル燃料および石炭燃料などの化石燃料を用いた運転を行うバイオマス・石炭混焼システムなど、2以上の複数種類の燃料を用いた運転が可能なボイラシステムであっても良い。バイオマス燃料は、例えば木材チップなどの木質バイオマスなど、再生可能な生物由来の有機性資源であって化石資源を除いたものを原料とする燃料である。リサイクル燃料は、上記の木質バイオマスや、廃タイヤ、スラッジ、RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)などを原料とする燃料である。複数種類の燃料には、上述したリサイクル燃料の少なくとも1つが含まれていても良いし、高品位炭、低品位炭などの石炭に関する複数種類の燃料が含まれていても良い。
そして、図1に示すように、燃焼システム7は、ボイラなどである燃焼炉8の灰着量制御条件決定装置1(以下、単に、灰着量制御条件決定装置1という。)を備える。灰着量制御条件決定装置1は、燃焼炉8の炉内に連通し、排ガスGが流れる煙道75において、煙道75に設置された熱交換器などに付着する灰を制御するための灰付着量制御手段9の設定値(灰付着量制御パラメータPの指令値Pv)を決定するための装置である。上記の灰付着量制御手段9は、例えば、除灰装置91、風箱ダンパ92などの燃焼炉8へ供給される空気量を調整可能な空気量制御手段、添加剤供給装置93などであり、灰着量制御条件決定装置1は、灰付着量制御手段9に対する少なくとも1つの灰付着量制御パラメータPの指令値Pv(以下、適宜、単に指令値Pvという。)を決定する。なお、空気量制御手段には、通常、搬送用空気供給管L1に設けられる不図示の一次空気送風機(PAF)や、空気予熱器77の上流に設けられる一次空気および二次空気の合計の流量を制御する押込送風機(FDF)などが含まれても良い。
以下、上述した灰着量制御条件決定装置1について、詳細に説明する。
図1に示すように、燃焼炉8の灰着量制御条件決定装置1は、灰成分取得部2と、灰付着性指標値算出部3と、指令値決定部4と、を備える。灰着量制御条件決定装置1はコンピュータで構成されており、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ、外部記憶装置などの記憶装置m、通信インタフェースなどを備えている。そして、主記憶装置にロードされたプログラム(灰付着量制御条件決定プログラム)の命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、上記の各機能部を実現する。灰着量制御条件決定装置1が備える上記の各機能部について、それぞれ説明する。
灰成分取得部2は、燃焼炉8(図1ではボイラ)における燃料(図1では石炭)の燃焼により生じる灰の灰成分C(灰組成)を取得する。例えば、灰成分Cは、SiO、Al、Feの濃度など、灰付着性(後述する灰付着性指標B)に寄与するNa、K、Ca、Fe、Si、Al等の物質の量や濃度である。幾つかの実施形態では、灰成分取得部2によって取得される灰成分Cは、燃焼炉8において実際が燃料されることにより生じた灰の灰成分C(実灰成分Cr)であっても良い。実灰成分Crは、例えば煙道75におけるエコノマイザ82e(節炭器)の出口(以下、エコノマイザ出口)などの脱硝装置76の上流側で計測しても良い。他の幾つかの実施形態では、灰成分取得部2によって取得される灰成分Cは、上述したバーナ81に供給される燃料である燃焼前燃料Fの燃料成分の計測値である燃焼前燃料成分Fcに基づいて予測した灰成分予測結果Ceであっても良い。つまり、燃焼前燃料Fは、燃焼炉8による燃焼がなされる前の燃料であり、具体的には、燃焼前燃料Fは、石炭貯蔵設備71、石炭ホッパ72、石炭供給装置73、ミル装置74、微粉燃料管Lfなどバーナ81の上流側にある燃料である。灰成分予測結果Ceの算出の詳細については、後述する。
図1に示す実施形態では、上記の実灰成分Crや燃焼前燃料成分Fcは、LIBS装置12によってリアルタイムな計測が可能となっており、このLIBS装置12による計測結果が灰成分取得部2に入力されるようになっている。このLIBS装置12は、レーザ誘起ブレークダウン法(LIBS法:Laser Induced Breakdown Spectroscopy)により、燃焼前燃料成分Fcの計測や、排ガスGに含まれる灰の灰成分Cの計測をリアルタイムに行うことが可能な装置である。LIBS法では、レーザ光を計測対象に照射してプラズマ化し、プラズマから発生するプラズマ光を分光器に入射し、分光器にて分光したスペクトル光の発光波長の違いから成分を同定するとともに、発光強度から灰成分Cを構成する各元素(分子)の量を求めるように構成される。例えば、微粉燃料管Lf、煙道75などの各種設備に計測窓を設け、計測窓を介して、LIBS装置がレーザ光の照射およびプラズマ光の受光を行うように構成しても良い。
灰付着性指標値算出部3は、上述した灰成分取得部2によって取得された灰成分Cに基づいて、灰の付着性を示す灰付着性指標Bの値(以下、灰付着性指標値Bv)を算出する。灰付着性指標Bは、灰の付着性を定量化して示すことが可能な指標であり、例えば灰の付着力や融点、灰形成元素の濃度や量などである。なお、灰形成元素は、例えば、Na、K、Ca、Feなど灰の付着性への影響が大きい元素であり、灰形成元素が多いと、灰の付着性は高くなる。例えば、図2は、本発明の一実施形態に係るある灰成分Cを有する灰の付着力を温度との関係(付着力温度特性)で示した図である。図2に示すように、灰の付着力は、灰の温度(排ガスGの温度)に応じて大きくなるが、このような付着力温度特性は灰成分Cによっても異なる。よって、付着力温度特性(図2)および灰成分Cが分かれば、灰の温度の計測値から灰の付着力を求めることができる。付着力特性(図2)は予め実験などを通して得ておく。図1に示すように、灰付着性指標値算出部3は、灰成分取得部2接続されることにより、灰成分Cが入力されるようになっている。
指令値決定部4は、灰付着量制御手段9に設定する灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを、灰付着性指標値Bvに基づいて決定する。例えば、幾つかの実施形態では、試運転時の燃焼調整時において、灰付着性指標Bの想定値(想定範囲。以下同様。)と、その想定値の下で決定した灰付着量制御パラメータPの指令値Pvとの関係を基準条件とし、灰付着性指標値算出部3によって算出された灰付着性指標Bが基準条件を逸脱した場合には、その逸脱の程度に応じるなどして、灰付着量がより少なくなるように上記の指令値Pvを修正しても良い。他の幾つかの実施形態では、灰付着性指標値算出部3は、灰付着性指標値算出部3から灰付着性指標値Bvが入力されると、灰付着性指標値Bv毎に灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを対応付けた指令値マップを用いて、灰付着性指標値Bvから上記の指令値Pvを決定しても良い。
なお、灰付着量制御手段9と灰付着量制御パラメータPの指令値Pvとの関係を運転モードとして予め規定しておくことにより、指令値決定部4は、灰付着性指標値Bvに基づいて灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを決定した結果として、適切な運転モードを決定(選択)するように構成しても良い。また、上記の指令値マップは、上記の想定範囲では一定にし、想定範囲を逸脱した場合に修正されるようなマップであっても良い。
例えば、灰付着性指標Bが付着力の場合を例に具体的に説明する。灰付着量制御手段9がスートブロワのような除灰装置91の場合には、灰付着性指標値算出部3によって算出された付着力などの灰付着性指標値Bvが、上記の想定範囲内にある値(例えば上限値など)を有するなどの所定値(付着性閾値)以上の場合には、灰付着量制御パラメータPである噴射媒体の噴射頻度の指令値Pvを現在値よりも大きい値にする(噴射頻度を高くする)ことにより、所定期間における噴射回数を多く(起動周期を短く)しても良い。あるいは、灰付着量制御パラメータPである噴射媒体の噴射圧力の指令値Pvを現在値よりも大きい値にすることにより、噴射圧力を高くしても良い。これらの両方を実行しても良い。この際、灰付着性指標値算出部3によって算出された付着力と付着性閾値との差が大きいほど、現在値からの変更幅を大きくしても良い。また、除灰装置91の噴射頻度や噴射圧力は、伝熱管群82における温度の異なる部位毎に決定しても良い。
同様に、灰付着量制御手段9が添加剤供給装置93の場合には、灰付着性指標値算出部3によって算出された灰付着性指標値Bvが付着性閾値以上の場合には、添加剤の供給量(以下、添加剤量)を増やしても良い。添加剤量は0以上であっても良く、0の場合は添加剤の供給をしない。また、添加剤量は、所定期間における量であっても良く、1回の供給時に供給される供給量および供給回数(供給周期)を決定することにより、添加剤量を決定しても良い。この際、灰付着性指標値算出部3によって算出された付着力と付着性閾値との差が大きいほど、灰付着量制御パラメータPである添加剤の投入量の基準条件(現在値)からの変更幅を変えても良い。より具体的には、上記の付着力と付着性閾値との差が所定値までは一定で、所定値を超える場合にはその差に応じて添加剤の投入量を増やしても良い。
また、灰付着量制御手段9が風箱ダンパ92(空気量制御手段)の場合には、灰付着性指標値算出部3によって算出された灰付着性指標値Bvが付着性閾値以上の場合には、灰付着量制御パラメータPである風箱ダンパ92の開度の指令値Pvを現在値よりも大きな値にすることにより、バーナ81から燃焼炉8に供給される空気量を大きくし、空気比を上げても良い。空気比を上げると、灰の融点を上げることができるので、液体や気体の状態にある灰の量を少なくすることができ、灰の付着を抑制することができる。なお、空気比を増大させるとNOx濃度が増大することが予測されるが、NOx濃度が増大した分を低減またはキャンセルするために、指令値決定部4は、風箱ダンパ92の開度の指令値Pvと共に、AAポート85の角度などのAAの投入角度(AA角度)を上げる、または、バーナ81のバーナノズル角度などの燃料等の噴射角度をより下げることの少なくとも一方を実行するための指令値を一緒に決定しても良い。
図1に示す実施形態では、指令値決定部4は、上述した灰付着性指標値算出部3に接続されることにより、灰付着性指標Bが入力されるようになっている。また、指令値決定部4(灰着量制御条件決定装置1)は、燃焼システム7が備える灰付着量制御装置7cに接続されており、灰付着量制御装置7cに対して決定した指令値Pvを入力するようになっている。この灰付着量制御装置7cは、灰着量制御条件決定装置1によって決定された灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを灰付着量制御手段9に送信(指令)することにより、この指令値Pvに応じた動作を灰付着量制御手段9に実行させるよう構成された装置である。
上記の構成によれば、燃焼炉8での燃料を燃焼により生じる灰の灰成分Cの実測値または予測値に基づいて灰の付着力などの灰付着性指標値Bvを算出すると共に、算出した灰付着性指標値Bvに基づいて、例えば除灰装置91の噴射頻度、噴射圧力や、灰付着を抑制するための添加剤の供給量、燃焼条件を制御可能な空気量制御手段などの灰付着量制御手段9に対する灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを決定する。これによって、燃焼炉8の運転中に燃料種類の変更などにより燃料性状が計画から変化するような場合があっても、実際に使用される燃料性状に基づいて、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを決定することができる。よって、煙道に設置される熱交換器の伝熱面などへの灰付着による汚れを誘発する低品位な石炭や、バイオマスを燃料として使用する場合においても、燃料性状に応じて、除灰装置などの灰付着量制御手段の適正な運転を行うことができる。
したがって、除灰装置91による除灰措置や、添加剤の投入、燃焼制御を必要以上に行うことによる噴射媒体や添加剤の消費量の増大によるコストの増加、燃焼制御による最適な運転の阻害、伝熱面のエロージョンの発生や、除灰または灰付着の抑制措置が不足することによるボイラ効率の低下などが生じるのを防止することができるので、燃焼炉8の適切な運転を維持することができる。
次に、灰成分取得部2が取得する灰成分が予測値である場合の実施形態を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る灰成分予測モデルMの再学習判定ステップを示すフロー図である。
幾つかの実施形態では、図1に示すように、灰成分取得部2は、上述した燃焼前燃料成分Fcを取得する燃焼前燃料成分取得部21と、燃焼前燃料成分Fcに基づいて、燃焼前燃料Fを燃焼させた場合に生じる灰の灰成分の予測結果である灰成分予測結果Ceを算出する灰成分予測部22と、を有する。つまり、灰成分取得部2は、灰成分予測結果Ceを灰成分Cとして取得する。図1に示す実施形態では、LIBS装置12によって計測値が得られる度に、計測された燃焼前燃料成分Fcが燃焼前燃料成分取得部21に入力されるようになっている。
より具体的には、幾つかの実施形態では、灰成分予測部22は、燃焼前燃料Fの燃焼前燃料成分Fcと、この燃焼前燃料Fの燃焼により生じた灰である実灰を計測することにより得られる灰成分Cである実灰成分Crと、この燃焼前燃料Fを燃焼した際の燃焼条件とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された灰成分予測モデルMを用いて、燃焼前燃料成分Fcから灰成分予測結果Ceを算出しても良い。より詳細には、灰成分予測モデルMは、例えばニューラルネットワークなどの周知な機械学習の手法(アルゴリズム)により作成すれば良い。このような灰成分予測モデルMを用いることにより、燃焼前燃料Fから生じることになる灰の灰成分C(灰成分予測結果Ce)を迅速かつ精度よく予測することができる。
また、図1に示すように、LIBS装置12を用いることにより、燃焼前燃料Fの燃焼前燃料成分Fcと実灰の実灰成分Crとをそれぞれリアルタイムに計測するようにすれば、その燃焼条件(運転条件)における燃焼前燃料成分Fcを有する燃焼前燃料Fから生成された実灰の実灰成分Crが精度良く対応付けることが可能である。よって、適切な教師データを用いた機械学習により、精度の良い灰成分予測モデルMを作成することが可能となる。例えば、燃焼前燃料Fが燃焼炉8に供給されるタイミングから所定時間経過後に計測される実灰の実灰成分Crがその燃焼前燃料Fの実灰成分Crとして、教師データを作成しても良い。
また、図3に示すように、灰成分予測モデルMを用いて算出された灰成分予測結果Ceと、この灰成分予測結果Ceが得られた燃焼前燃料Fが実際に燃焼炉8で燃焼されることにより生じた実灰の実灰成分Crとをそれぞれ取得し(ステップS31〜S32)、取得した灰成分予測結果Ceとの実灰成分Crとの差異(差など)が所定値を超える場合に、灰成分予測モデルMの再学習を行うようにしても良い(ステップS33〜S34)。
上記の構成によれば、例えばレーザ誘起ブレークダウン法(LIBS法)などを用いて計測することにより得られる、バーナ81に供給される燃料(燃焼前燃料F)の成分(燃焼前燃料成分Fc)に基づいて、燃焼前燃料Fが実際に燃焼された場合に生じる灰の灰成分Cを予測する。これによって、灰成分Cの予測結果(灰成分予測結果Ce)に基づいて、灰付着性指標Bを算出することができ、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを決定することができる。
次に、灰付着量制御手段9の種類に応じた、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvの決定について、説明する。
幾つかの実施形態では、上述したように、灰付着量制御手段9は、煙道75に設置される熱交換器(伝熱管群82)に付着する灰を噴射により除去するための、スートブロワやウォールデスラッガなどの除灰装置91を含んでも良い。この場合、灰付着量制御パラメータPは、除灰装置91の噴射頻度または噴射圧力の少なくとも一方を含む。
上記の噴射頻度については、噴射頻度が高いほど除灰装置91による除灰措置の実行間隔が短くなり、除灰力(灰の除去能力)が高められる。よって、灰付着量の低減や、その増大の抑制が可能となるので、伝熱阻害等が発生するリスクの低減が図れる。逆に、噴射頻度が低いほど除灰装置91による除灰措置の実行間隔(起動周期)が長くなり、噴射媒体の消費量や除灰装置91を駆動するための電力などの節約が図れる。また、噴射圧力については、噴射圧力が高いほど除灰力が高くなり、伝熱阻害等が発生するリスクを低減が図れる。逆に、噴射圧力が低いほど、付着灰が付着部(伝熱管面など)から引きはがされる際の摩擦による付着部の摩耗などのリスクの低減が図れる。
上記の構成によれば、灰付着性指標値Bvに基づいて除灰装置の噴射頻度や噴射圧力(灰付着量制御パラメータP)を決定することにより、除灰装置91の適切な運転を行うことができる。
また、幾つかの実施形態では、上述した灰付着量制御手段9は、バーナ81から炉内に供給される空気の空気量を制御する空気量制御手段(例えば、風箱ダンパ92)を含んでも良い。この場合、上述した灰付着量制御パラメータPは、空気量制御手段からバーナ81に供給される空気量を制御するための空気比パラメータを含む。ここで、空気比パラメータは、ボイラの内部の空気比(理論空気量に対する実際の燃焼空気量の比)を制御するためのパラメータであり、一例では、空気比パラメータの値を大きくするほど、空気比(空気量)が増大されるようにしても良い。上述したように、空気比を上げると、灰の融点を上昇させることができ、灰付着を抑制することが可能となる。なお、空気比パラメータの値が基準条件と異なる値となった場合において、これに伴ってNOx濃度が増加する場合があるが、そのような場合や、そのような場合に備えて、NOx濃度が増大した分を低減またはキャンセルするために、AAの投入角度を上げたり、バーナノズル角度など噴射角度をより下げることの少なくとも一方を決定しても良い。
よって、例えば灰成分予測結果Ceや実灰成分Crにおける灰の付着性への影響が大きい元素である灰形成元素(例えば、Na、K、Ca、Feなど)が多いなど、灰付着(スラッギング)が厳しいと判定される場合には、空気比パラメータの指令値Pvをより大きくすることにより、空気比を上げても良い。具体的には、灰形成元素の少なくとも1つにおいて、それらの元素ごとに規定された所定の閾値以上の場合には、空気比を増大させても良い。
上記の構成によれば、灰付着性指標値Bvに基づいて、空気比パラメータ(灰付着量制御パラメータP)を決定する。これによって、燃焼前燃料成分Fcにおける灰成分(灰成分予測結果Ce)や実灰成分におけるNa、K等の灰形成元素の量が多く、灰付着(スラッギング)が厳しいと判定される場合などには、空気比を上げることにより灰の融点を上げることによって、灰付着を抑制することができる。
また、幾つかの実施形態では、灰付着量制御手段9は、灰付着抑制用の添加剤を供給する添加剤供給装置93を含んでも良い。この場合、上述した灰付着量制御パラメータPは、添加剤供給装置93から炉内に供給される添加剤量を含む。添加剤量を増やせば灰付着が抑制されるので、灰付着性指標値Bvが基準条件より高い場合には、添加剤量を基準条件における量よりも増大するように、添加剤量を決定する。
上記の構成によれば、灰付着性指標値Bvに基づいて、添加剤量(灰付着量制御パラメータP)を決定する。これによって、燃焼前燃料成分Fcにおける灰成分(灰成分予測結果Ce)や実灰成分における灰形成元素の量に適した添加剤量を適切に決定することができる。
以上、灰付着量制御手段9が、除灰装置91、空気量制御手段(風箱ダンパ92など)、添加剤供給装置93の場合を説明したが、灰付着性指標値Bvが基準条件を逸脱するなどした場合に、設定された優先度に従って灰付着量制御パラメータPの指令値Pvの変更の対象となる灰付着量制御手段9を決定しても良い。例えば、空気比の変更は燃焼性への影響が比較的大きく、燃焼炉8の効率的な運転への影響が比較的大きいので、指令値決定部4は、空気量制御手段よりも、除灰装置91や添加剤供給装置93を優先的に制御対象としても良い。また、添加剤量の増大による運転コストの増大を回避するために、添加剤供給装置93よりも除灰装置91や空気量制御手段を優先的に制御対象としても良い。また、後述するような灰の硬さHが予め定めた閾値を超えるなど、灰が付着する付着部の摩耗が懸念される場合いは、除灰装置91よりも、空気量制御手段(風箱ダンパ92など)、添加剤供給装置93を優先的に制御対象としても良い。
次に、上述した灰着量制御条件決定装置1が、指令値決定部4が決定した灰付着量制御パラメータPを実際の運転状態に応じて調整(変更)する幾つかの実施形態について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る調整値決定部5を詳細化して示す図である。図5は、本発明の一実施形態に係る灰形成元素の揮発量Sに基づく灰付着量制御パラメータPの指令値Pvの決定フローを示す図である。図6は、本発明の一実施形態に係る灰付着の速度に基づく灰付着量制御パラメータPの指令値Pvの決定フローを示す図である。
幾つかの実施形態では、図1に示すように、灰着量制御条件決定装置1は、指令値決定部4によって決定された灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整するための調整値Paを決定する調整値決定部5をさらに備えても良い。図1に示す実施形態では、調整値決定部5は、指令値決定部4に接続されている。そして、調整値決定部5は、調整値決定部5により決定された灰付着量制御パラメータPの指令値Pvが入力されると、新たな調整値Paを決定して、灰付着量制御装置7cに送信するように構成されている。換言すれば、指令値決定部4および調整値決定部5によって、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvが決定される。
そして、調整値決定部5は、幾つかの実施形態では、灰形成元素(例えば、Na、K、Ca、Feなど)の揮発量Sに基づいて、灰付着量制御パラメータPを調整しても良い。灰形成元素は灰の付着性への影響が大きい元素であり、液相状態の灰形成元素の濃度が高いと灰の付着性が高くなる。そして、燃料中の灰形成元素は燃焼により生じた高温状態において揮発して気体として存在する分があり、揮発した灰形成元素は煙道75を流れるにしたがって冷却されることにより液相状態となる結果、灰の付着性が大きくなる原因となる。よって、揮発量Sが多い場合には、その分だけ、付着力が高く、灰付着が促進されると予想されるので、灰形成元素の揮発量Sを考慮して、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整する。
このため、図4に示すように、灰着量制御条件決定装置1(調整値決定部5)は、燃焼前燃料Fの燃焼により生じた煙道75の灰である実灰を計測することにより得られる灰成分Cである実灰成分Crであって、煙道75における第1位置における第1実灰成分Cra、および第1位置よりも下流側に位置する第2位置における第2実灰成分Crbとの各々における少なくとも一部の灰形成元素の濃度に基づいて、灰形成元素の揮発量Sを算出する揮発量算出部51と、揮発量に基づいて、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整する揮発量調整部52と、をさらに備えていても良い。実灰は、フライアッシュであっても良い。また、第1位置は、例えば燃焼室8fの出口など高温側であり、第2位置は、例えばエコノマイザ出口などの低温側である。そして、第1位置と第2位置のフライアッシュにおける灰形成元素の量の差分が揮発量Sとなる。
そして、例えば、灰形成元素の揮発量Sが所定値以上である場合には、除灰装置91に関する灰付着量制御パラメータP(噴射頻度、噴射圧力)の指令値Pvを、揮発量Sを考慮せずに決定した指令値Pvよりも、除灰力が強くなるような値としても良い。つまり、噴射頻度をより高くするか、噴射圧力をより高くするかの少なくとも一方を行っても良い。
図5に示す実施形態では、ステップS51において、燃焼室8fの出口(伝熱管群82の上流側)におけるフライアッシュの灰形成元素の濃度を取得し、ステップS52においてエコノマイザ82eの出口(脱硝装置76の上流側)におけるフライアッシュの灰形成元素の濃度を取得する。ステップS53において、ステップS51で取得した上流側の灰形成元素の濃度とステップS52で取得した下流側の灰形成元素の濃度の元素ごとの差分(揮発量S)を算出する。ステップS54において、上述したように除灰装置91に関する灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを算出する。なお、ステップS51とS52の順序は逆であっても良いし、同時であっても良い。ただし、本実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、他の灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを、揮発量Sに基づいて算出しても良い。
また、灰形成元素の濃度の計測は、上述したLIBS装置12で計測しても良い。あるいは、燃焼室8fで燃料が燃焼している際の火炎中のNa原子およびK原子などの各灰形成元素の発光スペクトルの計測データを使用しても良い。Na原子の発光スペクトル波長は、NaのD線と呼ばれる589.592nmまたは588.995nmが使用可能である。K原子の発光スペクトル波長は、766.490nmである。このように、原子に応じた発光スペクトルの波長に基づいた計測が可能である。また、煙道75における過熱器、節炭器(エコノマイザ)の灰付着はNaやK以外にもCa、Fe等の影響も受ける。また、煙道75における過熱器上流の吊下げ部の高温腐食(灰付着)にはNa、Kの濃縮が影響する。よって、揮発量算出部51は、煙道75における下流側の第2位置に応じて影響の強い灰形成元素の揮発量を算出しても良い。図1〜図4に示す実施形態では、灰着量制御条件決定装置1の記憶装置mに燃焼前燃料成分Fcや実灰成分Crが記憶されており、揮発量算出部51は、これらに基づいて揮発量を算出するようになっている。
上記の構成によれば、燃焼前燃料成分Fcの測定値に基づく灰成分予測結果Ceと、燃料の燃焼後に得られる燃焼後灰成分との各々におけるNa、K等の灰形成元素の濃度差に基づいて、既に決定された灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを燃焼炉8の運転中に調整する。具体的には、濃度差が大きい場合は揮発量が多く、熱交換器等への付着性が高まるので、除灰装置91の稼働頻度を上げることや、除灰装置91から噴射される空気の圧力を高めることにより、除灰力を高める。このように、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
他の幾つかの実施形態では、図4に示すように、蒸気温度Tsや排ガス温度Teなどの燃焼炉8の運転データに応じて、指令値決定部4が決定した灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整しても良い。例えば、熱交換器の伝熱管群82に灰が多く付着することにより、排ガスGと伝熱管群82を流れる流体との熱交換がしにくくなると、蒸気温度Tsは想定(目標値)よりも低下する。同時に、熱交換がしにくくなるため、排ガスGの排ガス温度Teは上昇する。つまり、蒸気温度Tsや排ガス温度Teなどの運転データから灰付着の程度が推測可能であり、その時間的な推移から灰付着の速度が推測可能である。
このため、灰着量制御条件決定装置1(調整値決定部5)は、熱交換器(82)によって生成される蒸気の蒸気温度Ts、または、煙道75を流れる排ガスGの排ガス温度Teの少なくとも一方を含む運転状態の監視結果を取得する運転状態取得部53と、運転状態の監視結果に基づいて、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整する運転状態調整部54と、を有していても良い。図1〜図4に示す実施形態では、灰着量制御条件決定装置1は、燃焼炉8を備えるプラントの管理装置で取得された運転状態を取得し、記憶装置mに保存するようになっている。
そして、蒸気温度Tsの低下や排ガス温度Teの上昇を監視することによって灰付着の程度や速度を推測し、灰の付着量が想定(標準)よりも多いと推測される場合や、灰付着の速度が想定(標準)よりも速いと推測される場合など汚れ状態が標準よりも進んでいると推測される場合には、除灰装置91の噴射頻度を高くするか、噴射圧力を高くするかの少なくとも一方を行うなどして、除灰装置91に関する灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整する。より具体的には、蒸気温度Tsがその目標温度などの閾値よりも低い場合や、排ガス温度Teがその目標温度などの閾値よりも高い場合には、上述したような灰付着量制御パラメータPの指令値Pvの調整を実行する。
なお、灰の付着状態(汚れ具体)の推測は、上述した運転データに基づくものに加えて、運転員の目視観察等の結果が考慮されても良い。この場合には、例えば運転状態調整部54が、運転員などから入力される目視観察結果を取得するように構成されても良い。また、同型の燃焼炉8を有する他のプラントにおける蒸気温度Tsあるいは排ガス温度Teの少なくとも一方と、その際の除灰装置91などの灰付着量制御手段9の運転条件(除灰装置91の噴射頻度、噴射圧力など)との関係を教師データとした機械学習により作成したモデルを用いて、本プラントにおける蒸気温度Tsあるいは排ガス温度Teの少なくとも一方から得られる運転条件を、灰付着量制御パラメータPの新たな指令値Pvとしても良い。
図6に示す実施形態では、ステップS61において、燃焼炉8の所定期間分の運転データ(蒸気温度Tsまたは排ガス温度Teの少なくとも一方)を取得する。ステップS62において、取得した運転データに基づいて灰付着の速度を見積もる(算出)する。ステップS62では、運転員の目視観察等の結果で灰付着の速度を考慮して、灰付着の速度を見積もっても良い。そして、ステップS63において、灰付着の速度が標準よりも速いと判定される場合(灰付着速度>標準速度)には、ステップS64において、上述したように除灰装置91に関する灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを算出する。逆に、ステップS63において、灰付着の速度が標準よりも速いと判定されない場合(灰付着速度≦標準速度)には、上述したステップS64を実行することなく、フローを終了する。ただし、本実施形態に本発明は限定されない。他の幾つかの実施形態では、他の灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを、揮発量Sに基づいて算出しても良い。
上記の構成によれば、蒸気温度Tsの低下または排ガス温度Teの上昇の少なくとも一方の変化に基づいて、既に決定された灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを燃焼炉8の運転中に調整する。具体的には、蒸気温度Tsが低い場合や排ガス温度Teが高い場合は、灰の付着性が高いことが推測されることから、除灰装置91の稼働頻度を上げることや、除灰装置91から噴射される空気の圧力を高めることにより、除灰力を高める。これによって、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを実際の状況に応じて、より適切な値に調整することができる。
その他の幾つかの実施形態では、図4に示すように、灰着量制御条件決定装置1(調整値決定部5)は、上述した実灰成分Cr(灰付着性指標値Bv)を取得する実灰成分取得部55と、実灰成分Cr(灰付着性指標値Bv)に基づいて、添加剤量を調整する添加剤量調整部56と、をさらに備えても良い。図1〜図4に示す実施形態では、灰着量制御条件決定装置1の記憶装置mに燃焼前燃料成分Fcや実灰成分Crが記憶されており、実灰成分取得部55は、記憶装置mから実灰成分Crを取得するようになっている。
上記の構成によれば、フライアッシュなどの灰成分の予測値あるいは実測値に基づいて、添加剤量を調整することにより、添加剤量をより適切な値に調整することができる。
また、その他の幾つかの実施形態では、除灰装置91による灰の除灰時に生じる可能性がある灰の付着部の摩耗性を考慮して、指令値決定部4が決定した灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整しても良い。除灰装置91から噴射される噴射媒体によって灰が伝熱管などの付着部からはがされるが、除灰装置91による噴射圧力が高くなると、付着灰が付着部からはがれる際に研磨剤の役割を果たすことにより、付着部が摩耗することが懸念される場合がある。
具体的には、図4に示すように、熱交換器(82)などの付着部に付着する灰の硬さHを取得する灰硬度取得部57と、灰の硬さHに基づいて、灰付着量制御パラメータPを調整する灰硬度調整部58と、を有する。つまり、除灰装置91による除灰力を強化することによって、逆に摩耗が懸念される場合には、灰成分予測結果Ceまたは実灰成分Crに基づいて、灰組成と関連する摩耗性(灰の除去性)を把握したうえで、灰付着量制御パラメータPの最適な指令値Pvを調整する。例えば、除灰装置91の灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを、摩擦力が許容範囲となるような値の中で決定しても良い。これに加えて、あるいは、これとは別に、バイオマスと石炭とを混焼する場合や、例えば低品位炭と高品位炭との混焼などの複数種類の石炭を混焼する場合におけるその混焼割合などの混焼条件の調整による灰の灰付着性指標B(燃料性状)の調整や、添加剤の供給のパラメータの調整の少なくとも一方を行うことにより、除灰装置91による除灰力を下げた分を補償しても良い。なお、摩耗が懸念される場合には、硬度の低い灰を含む燃料の割合を増やすと良い。灰の硬度は、石英濃度と相関が強く、例えばX線回折(XRD)で定量が可能である。
上記の構成によれば、灰付着性指標Bおよび灰の硬さHに基づいて、灰付着量制御パラメータPが決定される。これによって、伝熱管などの灰の付着部における除灰時の摩耗を抑制することができる。
なお、上述したような灰付着量制御パラメータPの指令値Pvの調整の実行は、幾つかの実施形態では、上述した指令値決定部4による決定時に行っても良い(図1参照)。つまり、揮発量調整部52、運転状態調整部54、添加剤量調整部56、灰硬度調整部58による上記の調整が行われた結果として得られる指令値Pv(Pa)が、灰付着量制御手段9に設定されても良い。あるいは、他の幾つかの実施形態では、上述したような灰付着量制御パラメータPの指令値Pvの調整の実行は、指令値決定部4によって決定され指令値Pvが灰付着量制御手段9に設定された後の任意のタイミングで行っても良い。つまり、指令値決定部4によって決定され指令値Pvに従った灰付着量制御手段9の運転中に、指令値Pvと異なる値を有する新たな指令値Paが灰付着量制御手段9に対して設定される場合があることになる。その他の幾つかの実施形態では、上述した少なくとも2つの実施形態を組みわせても良い。また、灰の硬さHと、蒸気温度Ts、排ガス温度Teなどの運転データに基づいて、除灰装置91の噴射頻度、噴射圧力や、空気比、添加剤量、混焼条件を決定するなど、各種の灰付着量制御手段9の1種類または複数種類が、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvの調整を受けても良い。
以下、上述した灰着量制御条件決定装置1が実行する処理に対応した燃焼炉の灰着量制御条件決定方法について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る燃焼炉の灰着量制御条件決定方法を示すフロー図である。
燃焼炉8の灰着量制御条件決定方法(以下、単に、灰着量制御条件決定方法)は、燃焼炉内に連通し、排ガスGが流れる煙道75において、煙道75に設置された熱交換器などに付着する灰を制御するための上述した灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを決定する方法である。図7に示すように、灰着量制御条件決定方法は、灰成分取得ステップ(S1)と、灰付着性指標値算出ステップ(S2)と、指令値決定ステップ(S3)と、を備える。灰着量制御条件決定方法は、上述した灰着量制御条件決定装置1が実行しても良いし、LIBS装置12などの計測結果を取得しつつ、人手で実行しても良い。なお、本法の実行タイミングは、燃焼炉8の試運転時の他、運転時における石炭変更時などの燃料変更時や、定期的、リアルタイムであっても良い。
図7のステップ順に、灰着量制御条件決定方法を説明する。
図7のステップS0において、燃焼前燃料成分Fcまたは実灰成分Crの少なくとも一方を、LIBS装置12などを用いて取得する計測ステップを実行する。図7に示す実施形態では、灰成分計測ステップは、後述するステップS1のために、燃焼前燃料成分FcをLIBS装置12により計測している。
図7のステップS1において、灰成分取得ステップを実行する。灰成分取得ステップ(S1)は、ボイラなどの燃焼炉8における燃料の燃焼により生じる灰の灰成分C(灰組成)を取得するステップである。図7に示す実施形態では、灰成分取得ステップ(S1)は、上述した燃焼前燃料成分Fcを取得する燃焼前燃料成分取得ステップ(S11)と、燃焼前燃料成分Fcに基づいて、燃焼前燃料Fを燃焼させた場合に生じる灰の灰成分Cの予測結果である灰成分予測結果Ceを算出する灰成分予測ステップ(S12)と、を含む。つまり、灰成分取得ステップ(S1)は、灰成分予測結果Ceを灰成分Cとして取得する。この際、灰成分予測ステップ(S12)は、上述した灰成分予測モデルMを用いて、燃焼前燃料成分Fcから灰成分予測結果Ceを算出しても良い。これらの灰成分取得ステップ(S1)や、燃焼前燃料成分取得ステップ(S11)、灰成分予測ステップ(S12)は、既に説明した灰成分取得部2や、燃焼前燃料成分取得部21、灰成分予測部22が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS2において、灰付着性指標値算出ステップを実行する。灰付着性指標値算出ステップ(S2)は、上述した灰成分取得ステップ(S1)によって取得された灰成分Cに基づいて、灰の付着性を示す灰付着性指標値Bvを算出するステップである。灰付着性指標値算出ステップ(S2)は、既に説明した灰付着性指標値算出部3が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図7に示す実施形態では、灰成分予測結果Ceに基づいて灰付着性指標値Bvを算出している。
ステップS3において、指令値決定ステップを実行する。指令値決定ステップ(S3)は、上述した灰付着量制御手段9に設定する灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを、灰付着性指標値Bvに基づいて決定するステップである。指令値決定ステップ(S3)は、既に説明した指令値決定部4が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略するが、幾つかの実施形態では、上述した指令値決ステップ(S3)は、上述した除灰装置91の灰付着量制御パラメータPである噴射頻度または噴射圧力の少なくとも一方の指令値Pvを決定しても良い。他の幾つかの実施形態では、灰付着量制御パラメータPは、空気量制御手段からバーナ81に供給される空気量を制御するための上述した空気比パラメータであっても良い。その他の幾つかの実施形態では、灰付着量制御パラメータPは、添加剤供給装置93から炉内に供給される上述した添加剤量を含む。
上記の構成によれば、燃焼炉8の運転中に燃料種類の変更などにより燃料性状が計画から変化するような場合があっても、実際に使用される燃料性状に基づいて、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを決定することができる。よって、煙道に設置される熱交換器の伝熱面などへの灰付着による汚れを誘発する低品位な石炭や、バイオマスを燃料として使用する場合においても、燃料性状に応じて、除灰装置などの灰付着量制御手段の適正な運転を行うことができる。
また、幾つかの実施形態では、図7に示すように、灰着量制御条件決定方法は、指令値決定部4が決定した灰付着量制御パラメータPを実際の運転状態に応じて調整(変更)するための指令値調整ステップ(S4)を、さらに備えていても良い。
具体的には、幾つかの実施形態では、指令値調整ステップ(S4)は、上述した実灰成分Crであって、煙道75における第1位置における第1実灰成分Cra、および第1位置よりも下流側に位置する第2位置における第2実灰成分Crbとの各々における少なくとも一部の灰形成元素(例えば、Na、K、Ca、Feなど)の濃度に基づいて、灰形成元素の揮発量Sを算出する揮発量算出ステップ(図5のS51〜S53参照)と、揮発量Sに基づいて、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整する揮発量調整ステップ(図5のS54参照)と、を含んでいても良い。
他の幾つかの実施形態では、指令値調整ステップ(S4)は、上述した蒸気温度Tsまたは排ガス温度Teの少なくとも一方を含む運転状態の監視結果を取得する運転状態取得ステップ(図6のS61参照)と、運転状態の監視結果に基づいて、灰付着量制御パラメータPの指令値Pvを調整する運転状態調整ステップ(図6のS62〜S64参照)と、を有していても良い。
その他の幾つかの実施形態では、指令値調整ステップ(S4)は、上述した実灰成分Crを取得する実灰成分取得ステップと、灰成分予測結果Ceまたは実灰成分Crの少なくとも一方に基づいて、添加剤量を調整する添加剤量調整ステップと、を有していても良い。その他の幾つかの実施形態では、付着部に付着する灰の硬さHを取得する灰硬度取得ステップと、灰の硬さHに基づいて、灰付着量制御パラメータPを調整する灰硬度調整ステップと、を有していても良い。
上述した揮発量算出ステップ、揮発量調整ステップ、運転状態取得ステップ、運転状態調整ステップ、実灰成分取得ステップ、添加剤量調整ステップ、灰硬度取得ステップ、灰硬度調整ステップは、それぞれ、揮発量算出部51、揮発量調整部52、運転状態取得部53、運転状態調整部54、実灰成分取得部55、添加剤量調整部56、灰硬度取得部57、灰硬度調整部58が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 灰着量制御条件決定装置
m 記憶装置
12 LIBS装置
2 灰成分取得部
21 前燃料成分取得部
22 灰成分予測部
3 灰付着性指標値算出部
4 指令値決定部
42 空気比指令値決定部
5 調整値決定部
51 揮発量算出部
52 揮発量調整部
53 運転状態取得部
54 運転状態調整部
55 実灰成分取得部
56 添加剤量決定部
57 灰硬度取得部
58 決定部
7 燃焼システム
7c 灰付着量制御装置
71 石炭貯蔵設備
72 石炭ホッパ
73 石炭供給装置
74 ミル装置
75 煙道
75p 排ガス配管部
76 脱硝装置
77 空気予熱器
78 電気集塵器
8 燃焼炉
8f 燃焼室
81 バーナ
82 伝熱管群
82e エコノマイザ
83 風箱
85 AAポート
9 灰付着量制御手段
91 除灰装置
92 風箱ダンパ(空気量制御手段)
93 添加剤供給装置
93a AA量調整バルブ

B 灰付着性指標
Bv 灰付着性指標値
C 灰成分(灰組成)
Ce 灰成分予測結果
Cr 実灰成分
Cra 第1実灰成分
Crb 第2実灰成分
M 灰成分予測モデル
P 灰付着量制御パラメータ
Pv 灰付着量制御パラメータの指令値

A 外気
A1 一次空気
A2 二次空気
G 排ガス
F 燃焼前燃料
Fc 燃焼前燃料成分
L 空気供給管
L1 搬送用空気供給管
L2 燃焼用空気供給管
Lf 微粉燃料管

Claims (19)

  1. 燃焼炉内または前記燃焼炉内に連通する煙道において付着する灰の付着量を制御するための灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータの指令値を決定する灰着量制御条件決定装置であって、
    前記燃焼炉内における燃料の燃焼により生じる灰の灰成分を取得する灰成分取得部と、
    前記灰成分取得部によって取得された前記灰成分に基づいて、前記灰の付着性を示す灰付着性指標値を算出する灰付着性指標値算出部と、
    前記灰付着性指標値に基づいて、前記指令値を決定する指令値決定部と、を備えることを特徴とする燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  2. 前記灰成分取得部は、
    前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃料成分の計測値である燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得部と、
    前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼前燃料を燃焼させた場合に生じる前記灰の灰成分の予測結果である灰成分予測結果を算出する灰成分予測部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  3. 前記灰成分予測部は、前記燃焼前燃料の前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記灰である実灰を計測することにより得られる前記灰成分である実灰成分と、前記燃焼前燃料を燃焼した際の燃焼条件とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された灰成分予測モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分から前記灰成分予測結果を算出することを特徴とする請求項2に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  4. 前記灰付着量制御手段は、前記煙道に設置される熱交換器に付着する灰を噴射により除去するための除灰装置を含み、
    前記灰付着量制御パラメータは、前記除灰装置の噴射頻度または噴射圧力の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  5. 前記灰付着量制御手段は、前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナから前記炉内に供給される前記空気の空気量を制御する空気量制御手段を含み、
    前記灰付着量制御パラメータは、前記空気量制御手段から前記バーナに供給される空気量を制御するための空気比パラメータを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  6. 前記灰付着量制御手段は、灰付着抑制用の添加剤を供給する添加剤供給装置を含み、
    前記灰付着量制御パラメータは、前記添加剤供給装置から前記燃焼炉内に供給される添加剤量を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  7. 前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃焼により生じた前記煙道の前記灰である実灰を計測することにより得られる前記灰成分である実灰成分であって、前記煙道における第1位置における第1実灰成分、および前記第1位置よりも下流側に位置する第2位置における第2実灰成分との各々における少なくとも一部の灰形成元素の濃度に基づいて、前記灰形成元素の揮発量を算出する揮発量算出部と、
    前記灰形成元素の揮発量に基づいて、前記指令値を調整する揮発量調整部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  8. 前記煙道に設置される熱交換器によって生成される蒸気の蒸気温度、または、前記煙道を流れる排ガスの排ガス温度の少なくとも一方を含む運転状態の監視結果を取得する運転状態取得部と、
    前記運転状態の監視結果に基づいて、前記指令値を調整する運転状態調整部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  9. 前記灰の硬さを取得する灰硬度取得部と、
    前記灰の硬さに基づいて、前記指令値を調整する灰硬度調整部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定装置。
  10. 燃焼炉内または前記燃焼炉内に連通する煙道において付着する灰の付着量を制御するための灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータの指令値を決定する請求項1〜9のいずれか1項に記載の灰着量制御条件決定装置と、
    前記灰成分をリアルタイムに計測可能な計測装置と、
    前記灰着量制御条件決定装置によって決定された前記灰付着量制御パラメータの指令値に基づいて制御される運転される灰付着量制御手段と、を備えることを特徴とする燃焼システム。
  11. 燃焼炉内または前記燃焼炉内に連通する煙道において付着する灰の付着量を制御するための灰付着量制御手段の灰付着量制御パラメータの指令値を決定する灰着量制御条件決定方法であって、
    前記燃焼炉内における燃料の燃焼により生じる灰の灰成分を取得する灰成分取得ステップと、
    前記灰成分取得ステップによって取得された前記灰成分に基づいて、前記灰の付着性を示す灰付着性指標値を算出する灰付着性指標値算出ステップと、
    前記灰付着性指標値に基づいて、前記指令値を決定する指令値決定ステップと、を備えることを特徴とする燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
  12. 前記灰成分取得ステップは、
    前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃料成分の計測値である燃焼前燃料成分を取得する燃焼前燃料成分取得ステップと、
    前記燃焼前燃料成分に基づいて、前記燃焼前燃料を燃焼させた場合に生じる前記灰の灰成分の予測結果である灰成分予測結果を算出する灰成分予測ステップと、を含むことを特徴とする請求項11に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
  13. 前記灰成分予測ステップは、前記燃焼前燃料の前記燃焼前燃料成分と、前記燃焼前燃料成分を有する前記燃焼前燃料の燃焼により生じた前記灰である実灰を計測することにより得られる前記灰成分である実灰成分と、前記燃焼前燃料を燃焼した際の燃焼条件とを対応付けた複数のデータで構成される教師データを機械学習することにより作成された灰成分予測モデルを用いて、前記燃焼前燃料成分から前記灰成分予測結果を算出することを特徴とする請求項12に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
  14. 前記灰付着量制御手段は、前記煙道に設置される熱交換器に付着する灰を噴射により除去するための除灰装置を含み、
    前記灰付着量制御パラメータは、前記除灰装置の噴射頻度または噴射圧力の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
  15. 前記灰付着量制御手段は、前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナから前記炉内に供給される前記空気の空気量を制御する空気量制御手段を含み、
    前記灰付着量制御パラメータは、前記空気量制御手段から前記バーナに供給される空気量を制御するための空気比パラメータを含むことを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
  16. 前記灰付着量制御手段は、灰付着抑制用の添加剤を供給する添加剤供給装置を含み、
    前記灰付着量制御パラメータは、前記添加剤供給装置から前記燃焼炉内に供給される添加剤量を含むことを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
  17. 前記燃焼炉内に前記燃料及び空気を供給するバーナに供給される前記燃料である燃焼前燃料の燃焼により生じた前記煙道の前記灰である実灰を計測することにより得られる前記灰成分である実灰成分であって、前記煙道における第1位置における第1実灰成分、および前記第1位置よりも下流側に位置する第2位置における第2実灰成分との各々における少なくとも一部の灰形成元素の濃度に基づいて、前記灰形成元素の揮発量を算出する揮発量算出ステップと、
    前記灰形成元素の揮発量に基づいて、前記指令値を調整する揮発量調整ステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
  18. 前記煙道に設置される熱交換器によって生成される蒸気の蒸気温度、または、前記煙道を流れる排ガスの排ガス温度の少なくとも一方を含む運転状態の監視結果を取得する運転状態取得ステップと、
    前記運転状態の監視結果に基づいて、前記指令値を調整する運転状態調整ステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
  19. 前記灰の硬さを取得する灰硬度取得ステップと、
    前記灰の硬さに基づいて、前記指令値を調整する灰硬度調整ステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の燃焼炉の灰着量制御条件決定方法。
JP2018020850A 2018-02-08 2018-02-08 燃焼炉の灰着量制御条件決定装置、燃焼システム、および灰付着量制御条件決定方法 Active JP7064078B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018020850A JP7064078B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 燃焼炉の灰着量制御条件決定装置、燃焼システム、および灰付着量制御条件決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018020850A JP7064078B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 燃焼炉の灰着量制御条件決定装置、燃焼システム、および灰付着量制御条件決定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019138517A true JP2019138517A (ja) 2019-08-22
JP7064078B2 JP7064078B2 (ja) 2022-05-10

Family

ID=67695260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018020850A Active JP7064078B2 (ja) 2018-02-08 2018-02-08 燃焼炉の灰着量制御条件決定装置、燃焼システム、および灰付着量制御条件決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7064078B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020134093A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 三菱日立パワーシステムズ株式会社 灰付着性評価装置および灰付着性評価算定方法
JP6761558B1 (ja) * 2020-06-03 2020-09-23 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 ボイラ管群付着灰除去システム
CN112465668A (zh) * 2020-11-27 2021-03-09 新奥数能科技有限公司 一种正压气力输灰时间的设定方法、装置及终端设备
JPWO2021176525A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10
CN114814076A (zh) * 2022-04-12 2022-07-29 华中科技大学 一种飞灰颗粒沾污平均界面能的计算方法及其测量方法
WO2022254970A1 (ja) * 2021-05-31 2022-12-08 株式会社Ihi ボイラシステム、および、ボイラシステムの運転方法
JP7467160B2 (ja) 2020-02-21 2024-04-15 三菱重工業株式会社 減肉監視システム及び発電プラント、並びに減肉監視方法、並びに減肉監視プログラム
WO2024080212A1 (ja) * 2022-10-11 2024-04-18 三菱重工業株式会社 バイオマスガス化装置の運転方法およびバイオマスガス化装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2654385B2 (ja) * 1987-11-11 1997-09-17 バブコツク日立株式会社 伝熱管表面付着生成物除去装置
JP2000320998A (ja) * 1999-05-06 2000-11-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 除塵方法
JP2003004634A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Tohoku Electric Power Co Inc 灰中未燃分計測システム
JP2009204198A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボイラ伝熱管の腐食速度推定方法
JP2012242126A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Kobe Steel Ltd 加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置
JP2015213885A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 株式会社日水コン 焼却炉閉塞危険性評価方法及び焼却炉閉塞防止方法
JP2016080286A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 三菱日立パワーシステムズ株式会社 熱交換器の監視装置及び熱交換器の監視方法
JP2016205681A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ボイラシステム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2654385B2 (ja) * 1987-11-11 1997-09-17 バブコツク日立株式会社 伝熱管表面付着生成物除去装置
JP2000320998A (ja) * 1999-05-06 2000-11-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 除塵方法
JP2003004634A (ja) * 2001-06-19 2003-01-08 Tohoku Electric Power Co Inc 灰中未燃分計測システム
JP2009204198A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボイラ伝熱管の腐食速度推定方法
JP2012242126A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Kobe Steel Ltd 加熱炉の灰付着抑制方法及び灰付着抑制装置
JP2015213885A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 株式会社日水コン 焼却炉閉塞危険性評価方法及び焼却炉閉塞防止方法
JP2016080286A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 三菱日立パワーシステムズ株式会社 熱交換器の監視装置及び熱交換器の監視方法
JP2016205681A (ja) * 2015-04-20 2016-12-08 三菱日立パワーシステムズ株式会社 ボイラシステム

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020134093A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 三菱日立パワーシステムズ株式会社 灰付着性評価装置および灰付着性評価算定方法
JP7272817B2 (ja) 2019-02-25 2023-05-12 三菱重工業株式会社 灰付着性評価装置および灰付着性評価算定方法
JP7467160B2 (ja) 2020-02-21 2024-04-15 三菱重工業株式会社 減肉監視システム及び発電プラント、並びに減肉監視方法、並びに減肉監視プログラム
JPWO2021176525A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10
WO2021176525A1 (ja) * 2020-03-02 2021-09-10 株式会社Ihi 相関関係導出方法、および、相関関係導出装置
JP7286871B2 (ja) 2020-03-02 2023-06-05 株式会社Ihi 相関関係導出方法、および、相関関係導出装置
JP2021188859A (ja) * 2020-06-03 2021-12-13 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 ボイラ管群付着灰除去システム
TWI774366B (zh) * 2020-06-03 2022-08-11 日商三菱重工環境 化學工程股份有限公司 鍋爐管群附著灰除去系統
JP6761558B1 (ja) * 2020-06-03 2020-09-23 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 ボイラ管群付着灰除去システム
CN112465668A (zh) * 2020-11-27 2021-03-09 新奥数能科技有限公司 一种正压气力输灰时间的设定方法、装置及终端设备
CN112465668B (zh) * 2020-11-27 2024-04-16 新奥数能科技有限公司 一种正压气力输灰时间的设定方法、装置及终端设备
WO2022254970A1 (ja) * 2021-05-31 2022-12-08 株式会社Ihi ボイラシステム、および、ボイラシステムの運転方法
CN114814076A (zh) * 2022-04-12 2022-07-29 华中科技大学 一种飞灰颗粒沾污平均界面能的计算方法及其测量方法
WO2024080212A1 (ja) * 2022-10-11 2024-04-18 三菱重工業株式会社 バイオマスガス化装置の運転方法およびバイオマスガス化装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7064078B2 (ja) 2022-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019138517A (ja) 燃焼炉の灰着量制御条件決定装置、燃焼システム、および灰付着量制御条件決定方法
CA2733107C (en) Process temperature control in oxy/fuel combustion system
US7756591B2 (en) System for optimizing oxygen in a boiler
JP6087226B2 (ja) ボイラ制御装置
JP7053244B2 (ja) 燃焼炉の燃焼条件決定装置、燃焼条件決定方法、および燃焼システム
JP7486684B2 (ja) 燃焼制御方法、燃焼制御装置及び燃焼制御プログラム
WO2015083253A1 (ja) ボイラ
JP5498434B2 (ja) バイオマス燃焼ボイラ
JP2013156012A (ja) 汽力発電設備におけるスートブロワの流量制御装置及び流量制御方法
Wiatros-Motyka Power plant design and management for unit cycling
JP6263492B2 (ja) ボイラ及びボイラの燃焼制御方法
JP5268259B2 (ja) 汽力発電設備におけるスートブロワの流量制御装置及び流量制御方法
CN101535912B (zh) 用于用矿物的固体燃料运行的燃烧系统的空气量调节的方法和装置
JP6655947B2 (ja) バーナユニットの改造方法、バーナユニット及びボイラ
JP7272817B2 (ja) 灰付着性評価装置および灰付着性評価算定方法
JP2020190364A (ja) 燃焼制御方法、ごみ焼却炉発電設備
JP5995379B2 (ja) 廃棄物焼却炉ボイラの制御方法
JP5144447B2 (ja) ボイラ装置
JP7042112B2 (ja) 発電プラント
TW201821917A (zh) 智慧型吹灰裝置及方法
JP2022144706A (ja) ボイラ制御システム及び発電プラント、並びにボイラ制御方法
CN104748129A (zh) 炉排式焚烧炉
Shemyakin et al. Experience gained from mastering practical use of the fluidized bed technology in boilers for industrial and municipal power systems
Lee et al. Leveraging natural gas: technical considerations for the conversion of existing coal-fired boilers
TW202417781A (zh) 煤氨混燒鍋爐控制裝置、煤氨混燒鍋爐控制方法、煤氨混燒鍋爐控制程式

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20201120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220104

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20220118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7064078

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150