JP2016205681A - ボイラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイラ内における灰の付着量の局所的な増大を抑制可能なボイラシステムを提供する。
【解決手段】火炉部および対流伝熱部を含むボイラと、バーナの燃焼状態を調節するための燃焼調節システムと、を備えるボイラシステムであって、燃焼調節システムは、対流伝熱部の少なくとも一部の領域の上流側と下流側の差圧を検知するための差圧検知ユニットと、過熱器の蒸気温度を検知するための蒸気温度検知ユニットと、バーナの燃焼状態を調節するための調節ユニットと、調節ユニットを制御可能なコントローラと、を含み、コントローラは、差圧検知ユニット及び蒸気温度検知ユニットの検知結果に基づいて、火炉部灰付着抑制モードと、対流伝熱部灰付着抑制モードと、を選択可能なモード選択部と、モード選択部の選択したモードに応じて調節ユニットを制御するよう構成された制御部と、有する。
【選択図】 図3

Description

本開示は、ボイラシステムに関する。
粗悪燃料を用いたボイラにおいて、粗悪燃料が低融点化合物を生成するバナジウム等を含んでいる場合(例えば石油コークス等の石油系残渣燃料を用いる場合)に、該低融点化合物がバインダ作用を呈し、ボイラ内の伝熱管への灰付着現象を誘発することがある。
特許文献1では、粗悪燃料を用いて燃焼処理する際の灰付着を低減するために、ボイラの排ガス中の煤塵を除去する電気集塵器の後側で灰の剪断力を計測し、該剪断力に基づいてボイラへの空気供給量を調整するよう構成されたボイラシステム旨が開示されている。
特開2009−192100号公報
ところで、ボイラ内部における灰の付着位置や、該位置毎の付着量の増大速度は、バーナの燃焼状態によって変化する。このため、ボイラ内において灰の付着量が特定の部位(例えば火炉部、あるいは対流伝熱部)で局所的に増大すると、ボイラ全体での灰の総付着量が少ない場合であっても、運転を停止してメンテナンス等を行う必要性が生じる恐れがあった。
この点、特許文献1に記載のボイラシステムは、ボイラ全体での灰の総付着量の低減を図るものであり、ボイラ内における灰の付着量の局所的な増大を抑制するための構成について開示するものではない。
本発明は、上述したような従来の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ボイラ内における灰の付着量の局所的な増大を抑制可能なボイラシステムを提供することである。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るボイラシステムは、微粉燃料を燃焼させるためのバーナが配置される火炉部、および前記火炉部の下流側に位置し、燃焼ガスによって過熱される蒸気が流れる過熱器が配置される対流伝熱部、を含むボイラと、前記バーナの燃焼状態を調節するための燃焼調節システムと、を備えるボイラシステムであって、前記燃焼調節システムは、前記対流伝熱部の少なくとも一部の領域の上流側と下流側の差圧を検知するための差圧検知ユニットと、前記過熱器の蒸気温度を検知するための蒸気温度検知ユニットと、前記バーナの燃焼状態を調節するための調節ユニットと、前記調節ユニットを制御可能なコントローラと、を含み、前記コントローラは、前記差圧検知ユニット及び前記蒸気温度検知ユニットの検知結果に基づいて、前記対流伝熱部での灰の付着よりも前記火炉部での灰の付着を優先的に抑制する火炉部灰付着抑制モードと、前記火炉部での灰の付着よりも前記対流伝熱部での灰の付着を優先的に抑制する対流伝熱部灰付着抑制モードと、を選択可能なモード選択部と、前記モード選択部の選択したモードに応じて前記調節ユニットを制御するよう構成された制御部と、を有する。
本発明者の知見によれば、差圧検知ユニットによって検知した対流伝熱部の少なくとも一部の領域の上流側と下流側の差圧(該領域の前後差圧を意味し、例えば、対流伝熱部内の二つの位置における差圧であってもよいし、火炉部とボイラ出口の差圧であってもよい)は、対流伝熱部での灰の付着量(堆積量)を示す指標として用いることができる。すなわち、燃料量や空気量等の運転条件を一定とした場合には、上記差圧が大きいほど、対流伝熱部での灰の付着量が多いと推定することができる。なぜなら、対流伝熱部の伝熱管群(例えば、過熱器や蒸発管群等)への灰の付着量が多くなるにつれて、対流伝熱部における燃焼ガスの通路面積が狭くなり、対流伝熱部が閉塞状態に近づいてドラフトが上昇するからである。
また、本発明者の知見によれば、蒸気温度検知ユニットによって検知した過熱器の蒸気温度は、火炉部での灰の付着量(堆積量)を示す指標として用いることができる。すなわち、燃料量や空気量等の運転条件を一定とした場合には、過熱器の蒸気温度が高いほど、火炉部での灰の付着量が多いと推定することができる。なぜなら、火炉部の炉壁への灰の付着量が多くなるにつれて、燃焼ガスの熱エネルギーが火炉部の炉壁へ吸収されにくくなり、過熱器を通過する燃焼ガスの温度が上昇するからである。
上記(1)に記載のボイラシステムは、これらの新規な知見に基づき構成されている。すなわち、差圧検知ユニット及び蒸気温度検知ユニットの検知結果に基づいて、対流伝熱部での灰の付着よりも火炉部での灰の付着を優先的に抑制する火炉部灰付着抑制モードと、火炉部での灰の付着よりも対流伝熱部での灰の付着を優先的に抑制する対流伝熱部灰付着抑制モードとを、選択可能なモード選択部と、モード選択部の選択したモードに応じて調節ユニットを制御するよう構成された制御部と、を有する。このため、火炉部での灰の付着量及び対流伝熱部での灰の付着量を考慮して、火炉部灰付着抑制モードと対流伝熱部灰付着抑制モードを適切に選択、実行することができる。例えば、火炉部と対流伝熱部のうち一方で灰の付着量が過度に増大している場合に、該一方の灰の付着を優先的に抑制するようにバーナの燃焼状態を調節することが可能となる。したがって、ボイラ内での局所的な灰の付着量の増大を抑制することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載のボイラシステムにおいて、前記モード選択部は、前記差圧検知ユニットによって検知した前記差圧が第1基準差圧を超えた場合に、前記対流伝熱部灰付着抑制モードを選択するよう構成される。
上述したように、差圧検知ユニットによって検知した対流伝熱部の少なくとも一部の領域の上流側と下流側の差圧は、対流伝熱部での灰の付着量を示す指標として用いることができる。このため、上記(2)に記載のボイラシステムによれば、対流伝熱部での灰の付着量が許容可能なレベルであるか否かを判断するための基準として、第1基準差圧を燃料量や空気量等の運転条件に応じて適切に設定することにより、ボイラ内における対流伝熱部での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載のボイラシステムにおいて、前記モード選択部は、前記蒸気温度検知ユニットによって検知した前記蒸気温度が基準温度を超えた場合に、前記火炉部灰付着抑制モードを選択するよう構成される。
上述したように、蒸気温度検知ユニットによって検知した過熱器の蒸気温度は、火炉部での灰の付着量を示す指標として用いることができる。このため、上記(3)に記載のボイラシステムによれば、火炉部での灰の付着量が許容可能なレベルであるか否かを判断するための基準として、基準温度を燃料量や空気量等の運転条件に応じて適切に設定することにより、ボイラ内における火炉部での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)に記載のボイラシステムにおいて、前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、通常運転モードを選択可能に構成され、前記調節ユニットは、前記微粉燃料の微粉度を調節するための微粉度調節装置を有し、前記制御部は、前記モード選択部が前記火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、前記通常運転モードを選択した場合よりも前記微粉燃料の微粉度を低下させるように前記微粉度調節装置を制御するよう構成される。
上記(4)に記載のボイラシステムにおいては、微粉度調節装置によって微粉燃料の微粉度を低下させるほど(微粉燃料の平均粒径を大きくするほど)、バーナ近傍領域での燃焼が抑制されるとともにバーナから下流側に離れた領域(対流伝熱部に近い領域)での燃焼が促進されるため、対流伝熱部での灰付着よりも火炉部での灰付着を優先的に抑制することができる。このため、上記(4)に記載のボイラシステムでは、制御部は、モード選択部が火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、通常運転モードを選択した場合よりも微粉燃料の微粉度を低下させるように微粉度調節装置を制御するよう構成されている。これにより、特段の追加構成を要することなく簡易な構成で、ボイラ内における火炉部での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。なお、通常運転モードは、例えばボイラ効率の最大化等を目的とする通常の運転モードであり、火炉部又は対流伝熱部での灰付着がある程度進行するまでは、基本的にこの通常運転モードが実行される。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載のボイラシステムにおいて、前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、前記対流伝熱部に付着した灰を除去する対流伝熱部灰除去モードを選択可能に構成され、前記モード選択部は、前記差圧検知ユニットによって検知した前記差圧が第1基準差圧を超えた場合に前記対流伝熱部灰付着抑制モードを選択し、前記差圧検知ユニットによって検知した前記差圧が前記第1基準差圧よりも大きな第2基準差圧を超えた場合に前記対流伝熱部灰除去モードを選択するよう構成され、前記制御部は、前記モード選択部が前記対流伝熱部灰除去モードを選択した場合に、前記火炉部灰付着抑制モードを選択した場合よりも前記微粉度を低下させるように前記微粉度調節装置を制御するよう構成される。
本発明者の知見によれば、微粉度をある程度低下させることにより、対流伝熱部に付着している灰に粒径の大きな微粉燃料を衝突させて、該灰を除去することができる。そこで、上記(5)に記載のボイラシステムにおける制御部は、対流伝熱部の灰付着が大きく進行していることが推定される場合(上記差圧が第1基準差圧よりも大きな第2基準差圧を超えた場合)に、火炉部灰付着抑制モードよりも微粉度を低下させるように微粉度調節装置を制御する対流伝熱部灰除去モードを実行することにより、特段の追加構成を要することなく簡易な構成で、対流伝熱部に付着した灰を除去することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)に記載のボイラシステムにおいて、前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、通常運転モードを選択可能に構成され、前記調節ユニットは、前記微粉燃料の微粉度を調節するための微粉度調節装置を有し、前記制御部は、前記モード選択部が前記対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、前記通常運転モードを選択した場合よりも前記微粉燃料の微粉度を上昇させるように前記微粉度調節装置を制御するよう構成される。
上記(6)に記載のボイラシステムにおいては、微粉度調節装置によって微粉燃料の微粉度を上昇させるほど(微粉燃料の平均粒径を小さくするほど)、バーナ近傍領域での燃焼が促進されるとともにバーナから下流側に離れた領域(対流伝熱部に近い領域)での燃焼が抑制されるため、火炉部での灰付着よりも対流伝熱部での灰付着を優先的に抑制することができる。そこで、上記(6)に記載のボイラシステムの制御部は、モード選択部が対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、通常運転モードを選択した場合よりも微粉燃料の微粉度を上昇させるように微粉度調節装置を制御するよう構成されている。これにより、特段の追加構成を要することなく簡易な構成で、ボイラ内における対流伝熱部での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)に記載のボイラシステムにおいて、前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、通常運転モードを選択可能に構成され、前記調節ユニットは、前記バーナの空気比を調節するための空気比調節装置を有し、前記制御部は、前記モード選択部が前記火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、前記通常運転モードを選択した場合よりも前記空気比を低下させるように前記空気比調節装置を制御するよう構成される。
本発明者の知見によれば、バーナの空気比を少なくするほど、バーナ近傍領域での燃焼が抑制されるとともにバーナから下流側に離れた領域(対流伝熱部に近い領域)での燃焼が促進されるため、対流伝熱部での灰付着よりも火炉部での灰付着を優先的に抑制することができる。そこで、上記(7)に記載のボイラシステムの制御部は、モード選択部が火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、通常運転モードを選択した場合よりも空気比を低下させるように空気比調節装置を制御するよう構成されている。これにより、特段の追加構成を要することなく簡易な構成で、ボイラ内における火炉部での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
なお、空気比を低下させると、上述のように、対流伝熱部での灰付着よりも火炉部での灰付着を優先的に抑制することができるが、それとともに灰中の未燃C量が増大するため、灰中の溶融物の割合が低下し、灰の付着性自体を低下させることができる。このため、火炉部及び対流伝熱部の両方に対する灰の付着を抑制する効果も得ることができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)に記載のボイラシステムにおいて、前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、通常運転モードを選択可能に構成され、前記調節ユニットは、前記火炉部における前記バーナより下流位置に冷却剤を噴射するための冷却剤噴霧装置を有し、前記制御部は、前記モード選択部が前記対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、前記冷却剤を噴射するよう前記冷却剤噴霧装置を制御するよう構成される。
上記(8)に記載のボイラシステムにおいては、冷却剤噴霧装置によって火炉部おけるバーナより下流位置(好ましくは対流伝熱部に近い火炉上部)に冷却剤を噴霧することにより、火炉部におけるバーナより下流位置での燃焼を抑制し、該位置近傍の温度を低下させることができる。このため、冷却剤噴霧装置によって火炉部おけるバーナより下流位置に冷却剤を噴霧することにより、対流伝熱部での灰付着を抑制することができる。そこで、上記(8)に記載のボイラシステムの制御部は、モード選択部が対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、冷却剤を噴射するよう冷却剤噴霧装置を制御するよう構成されている。これにより、対流伝熱部での局所的な灰付着量の増大を簡易な構成で抑制することができる。
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、ボイラ内における灰の付着量の局所的な増大を抑制可能なボイラシステムが提供される。
一実施形態に係るボイラシステムの全体構成を模式的に示した図である。 一実施形態に係るコントローラの構成を示す図である。 一実施形態に係るコントローラの制御フローを示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るボイラシステム100の全体構成を模式的に示した図である。図1に示すボイラシステム100は、ボイラ2と、ボイラ2が備えるバーナ4の燃焼状態を調節するための燃焼調節システム6とを備える。
ボイラ2は、微粉燃料を燃焼させるためのバーナ4が配置される火炉部8と、火炉部8に対して燃焼ガス流れ方向の下流側に位置し、燃焼ガスの熱エネルギーを回収して蒸気を生成するための対流伝熱部10とを含む。微粉燃料としては、例えば石油コークス等の石油系残渣燃料を微粉化した微粉燃料が用いられる。
火炉部8の炉壁は、水が通過する水冷壁20によって構成されている。対流伝熱部10には、1次過熱器12a及び2次過熱器12bを含む過熱器12と、蒸気ドラム14と、水ドラム16と、蒸発管群17とが配置される。1次過熱器12a及び2次過熱器12bの各々は、複数の伝熱管が互いに隙間を有して配列されてなる伝熱管群によって構成されている。
バーナ4による微粉燃料の燃焼で生じた燃焼ガスは、矢印Fに示すように火炉部8から対流伝熱部10へ流れてボイラ出口18から流出する。すなわち、燃焼ガスは、まず火炉部8の水冷壁20との熱交換を行い、次に、1次過熱器12a及び2次過熱器12bとの熱交換を行い、そして、蒸発管群17との熱交換を行った後にボイラ出口18から流出する。
水冷壁20及び蒸発管群17にて燃焼ガスとの熱交換によって生じた蒸気は、蒸気ドラム14にて水と分離された後、1次過熱器12aへ供給される。1次過熱器12aへ供給された蒸気は、1次過熱器12a及び2次過熱器12bを通過する間に燃焼ガスによって過熱され、過熱蒸気となる。
燃焼調節システム6は、対流伝熱部10の少なくとも一部の領域の上流側と下流側の差圧ΔPを検知するための差圧検知ユニット22と、過熱器12の蒸気温度を検知するための蒸気温度検知ユニット24と、ボイラ2内の燃焼ガス温度を検知するための燃焼ガス温度検知ユニット25と、バーナ4の燃焼状態を調節するための調節ユニット26と、調節ユニット26を制御可能なコントローラ28と、を含む。
差圧検知ユニット22は、燃焼ガス流れ方向Fにおいて対流伝熱部10の少なくとも一部の領域よりも上流側の位置での圧力P1を検知するための圧力センサ22aと、該領域よりも下流側の位置での圧力P2を検知するための圧力センサ22bと、圧力センサ22aによって検知した圧力P1と圧力センサ22bによって検知した圧力P2との差圧ΔP(=P1−P2)を算出する差分器22cとを有する。
ここで、上記差圧ΔPは、例えば燃焼ガス流れ方向Fにおける対流伝熱部10の上流側と下流側の差圧であってもよい。この場合、図1に示すように、圧力センサ22aは火炉部8(好ましくは対流伝熱部10に近い火炉上部8a)の圧力を検知するよう構成され、圧力センサ22bは、ボイラ出口18(対流伝熱部10の直後)の圧力を検知するよう構成してもよい。また、上記差圧ΔPは、例えば燃焼ガス流れ方向Fにおける過熱器12の上流側と下流側の差圧であってもよい。この場合、圧力センサ22aは火炉部8(好ましくは対流伝熱部10に近い火炉上部8a)の圧力を検知するよう構成され、圧力センサ22bは、過熱器12直後(過熱器12と蒸発管群17の間の位置J)の圧力を検知してもよい。
蒸気温度検知ユニット24は、過熱器12の蒸気温度を検知するよう構成された温度センサであってもよい。蒸気温度の検知位置は、過熱器12の入口位置(図1に示す形態では1次過熱器12aの入口位置)より蒸気流れ方向の下流側であればよく、好ましくは過熱器12の出口位置(図1に示す形態では2次過熱器12bの出口位置)である。
燃焼ガス温度検知ユニット25は、ボイラ2内の燃焼ガス温度を検知するよう構成された温度センサであってもよい。燃焼ガス温度の検知位置は、図1に示すように火炉部8であってもよいし、対流伝熱部10であってもよい。
調節ユニット26は、バーナ4の燃焼状態を調節するための装置として、微粉燃料の微粉度を調節するための微粉度調節装置30と、バーナ4の空気比を調節するための空気比調節装置32と、火炉部8におけるバーナ4より下流位置に冷却剤を噴霧するための冷却剤噴霧装置34とを有する。
微粉度調節装置30としては、例えば微粉炭機を用いることができる。この場合、微粉炭機の粉砕ローラ30aの加圧力や回転分級器30bを駆動するモータ30cの回転数を調節することにより、微粉燃料の微粉度を調節することができる。例えば、粉砕ローラ30aの加圧力やモータ30cの回転数を上昇させれば微粉度は上昇し(微粉燃料の平均粒径が小さくなり)、粉砕ローラ30aの加圧力やモータ30cの回転数を低下させれば微粉度は低下する(微粉燃料の平均粒径が大きくなる)。
空気比調節装置32は、燃焼用空気を供給するための押込ファン36と、押込ファン36における燃焼用空気の流量を調整するための流量調整弁38と、微粉度調節装置30から供給される微粉燃料と押込ファン36から供給される燃焼用空気とを混合するとともに該混合によって得られる混合気をバーナ4に供給するための給炭機40とを有する。例えば、流量調整弁38の流量を増大させれば空気比が増大し、流量調整弁38の流量を減少させれば空気比が減少する。
冷却剤噴霧装置34は、燃焼ガス流れ方向Fにおいて火炉部8におけるバーナ4より下流位置(好ましくは対流伝熱部10に近い火炉上部8a)に冷却剤として水を噴霧するよう構成されている。
図2は、図1に示したコントローラ28の構成例を示す図である。図2に示すように、コントローラ28は、モード選択部42、制御部44及び異常報知部46を有する。コントローラ28は、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、およびI/Oインターフェイスなどからなるマイクロコンピュータとして構成されている。
幾つかの実施形態では、図2に示すように、制御部44は、対流伝熱部10での灰の付着よりも火炉部8での灰の付着を優先的に抑制する火炉部灰付着抑制モードを実行可能な火炉部灰付着抑制モード実行部50と、火炉部8での灰の付着よりも対流伝熱部10での灰の付着を優先的に抑制する対流伝熱部灰付着抑制モードを実行可能な対流伝熱部灰付着抑制モード実行部52とを有する。そして、モード選択部42は、差圧検知ユニット22及び蒸気温度検知ユニット24の検知結果に基づいて、火炉部灰付着抑制モードと対流伝熱部灰付着抑制モードとを選択可能に構成されている。また、制御部44は、モード選択部42の選択したモードに応じて調節ユニット26を制御するよう構成される。
本発明者の知見によれば、差圧検知ユニット22によって検知した対流伝熱部10の少なくとも一部の領域の上流側と下流側の差圧ΔPは、対流伝熱部10での灰の付着量(堆積量)を示す指標として用いることができる。すなわち、燃料量や空気量等の運転条件を一定とした場合には、差圧ΔPが大きいほど、対流伝熱部10の灰の付着量が多いと推定することができる。なぜなら、対流伝熱部10の伝熱管群(例えば、過熱器12や蒸発管群17等)への灰の付着量が多くなるにつれて、対流伝熱部10における燃焼ガスの通路面積が狭くなり、対流伝熱部10が閉塞状態に近づいてドラフトが上昇するからである。
また、本発明者の知見によれば、蒸気温度検知ユニットに24よって検知した過熱器12の蒸気温度は、火炉部8での灰の付着量(堆積量)を示す指標として用いることができる。すなわち、燃料量や空気量等の運転条件を一定とした場合には、過熱器12の蒸気温度が高いほど、火炉部8の灰の付着量が多いと推定することができる。なぜなら、火炉部8の水冷壁20への灰の付着量が多くなるにつれて、燃焼ガスの熱エネルギーが火炉部8の水冷壁20へ吸収されにくくなり、過熱器12を通過する燃焼ガスの温度が上昇するからである。
そこで、ボイラシステム100のコントローラ28は、これらの新規な知見に基づき構成されている。すなわち、差圧検知ユニット22及び蒸気温度検知ユニット24の検知結果に基づいて、火炉部灰付着抑制モードと対流伝熱部灰付着抑制モードとを選択可能なモード選択部42と、モード選択部42の選択したモードに応じて調節ユニット26を制御するよう構成された制御部44と、を有する。このため、火炉部8での灰の付着量及び対流伝熱部10での灰の付着量を考慮して、火炉部8と対流伝熱部10のうち一方で灰の付着量が過度に増大している場合に、該一方の灰の付着を優先的に抑制するようにバーナ4の燃焼状態を調節することが可能となる。したがって、ボイラ2内での局所的な灰の付着量の増大を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、図2に示すモード選択部42は、差圧検知ユニット22によって検知した上記差圧ΔPが第1基準差圧を超えた場合に、対流伝熱部灰付着抑制モードを選択するよう構成される。
上述したように、差圧検知ユニット22によって検知した対流伝熱部10の少なくとも一部の領域の上流側と下流側の差圧は、対流伝熱部10での灰の付着量を示す指標として用いることができる。このため、対流伝熱部10での灰の付着量が許容可能なレベルであるか否かを判断するための基準として、上記第1基準差圧を燃料量や空気量等の運転条件に応じて適切に設定することにより、ボイラ2内における対流伝熱部10での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、図2に示すモード選択部42は、蒸気温度検知ユニット24によって検知した蒸気温度が基準温度を超えた場合に、火炉部灰付着抑制モードを選択するよう構成される。
上述したように、蒸気温度検知ユニット24によって検知した過熱器12の蒸気温度は、火炉部8での灰の付着量を示す指標として用いることができる。このため、火炉部8での灰の付着量が許容可能なレベルであるか否かを判断するための基準として上記基準温度を燃料量や空気量等の運転条件に応じて適切に設定すれば、ボイラ2内における火炉部8での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、図2に示すように、制御部44は、ボイラ効率を最大化するための通常運転モードを実行可能な通常運転モード実行部48を有する。そして、火炉部灰付着抑制モード実行部50は、モード選択部42が火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、通常運転モードよりも微粉燃料の微粉度を低下させるように微粉度調節装置30を制御する火炉部灰付着抑制モードを実行するよう構成される。
微粉度調節装置30によって微粉燃料の微粉度を低下させるほど、火炉部8におけるバーナ4の近傍領域8bでの燃焼が抑制されるとともにバーナ4から下流側に離れた領域(対流伝熱部10に近い火炉上部)8aでの燃焼が促進されるため、対流伝熱部10での灰付着よりも火炉部8での灰付着を優先的に抑制することができる。このため、上述のように、火炉部灰付着抑制モードとして、通常運転モードよりも微粉燃料の微粉度を低下させるように微粉度調節装置30を制御すれば、特段の追加構成を要することなく簡易な構成で、ボイラ2内における火炉部8での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、図2に示すように、制御部44は、対流伝熱部10に付着した灰を除去する対流伝熱部灰除去モードを実行可能な対流伝熱部灰除去モード実行部54を有する。そして、モード選択部42は、差圧検知ユニット22によって検知した差圧ΔPが上記第1基準差圧よりも大きな第2基準差圧を超えた場合に、対流伝熱部灰除去モードを選択するよう構成される。また、対流伝熱部灰除去モード実行部54は、モード選択部42が対流伝熱部灰除去モードを選択した場合に、火炉部灰付着抑制モードよりも微粉度を低下させるように微粉度調節装置30を制御する対流伝熱部灰除去モードを実行するよう構成される。
本発明者の知見によれば、微粉度をある程度低下させることにより、対流伝熱部10に付着している灰を粒径の大きな微粉燃料を衝突させて除去することができる。したがって、対流伝熱部の灰付着が大きく進行していることが推定される場合(差圧ΔPが上記第1基準差圧よりも大きな第2基準差圧を超えた場合)に、火炉部灰付着抑制モードよりも微粉度を低下させるように微粉度調節装置30を制御する対流伝熱部灰除去モードを実行することにより、特段の追加構成を要することなく簡易な構成で、対流伝熱部10に付着した灰を除去することができる。
幾つかの実施形態では、図2に示す対流伝熱部灰付着抑制モード実行部52は、モード選択部42が対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、通常運転モードよりも微粉燃料の微粉度を上昇させるように微粉度調節装置30を制御する対流伝熱部灰付着抑制モードを実行するよう構成される。
微粉度調節装置30によって微粉燃料の微粉度を上昇させるほど、火炉部8におけるバーナ4の近傍領域8bでの燃焼が促進されるとともにバーナ4から下流側に離れた領域8a(対流伝熱部10に近い火炉上部)での燃焼が抑制されるため、火炉部8での灰付着よりも対流伝熱部10での灰付着を優先的に抑制することができる。このため、上述のように、モード選択部42が対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、通常運転モードを選択した場合よりも微粉燃料の微粉度を上昇させるように微粉度調節装置30を制御すれば、特段の追加構成を要することなく簡易な構成で、ボイラ2内における対流伝熱部10での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
なお、微粉燃料の粒径は、燃料の性状によっても異なるが、例えば通常運転モードにおける微粉燃料の粒径については、目開き75μmの篩通過率が80%以上90%未満であってもよい。また、火炉部灰付着抑制モードにおける微粉燃料の粒径については、目開き75μmの篩通過率が70%以上80%未満であってもよい。また、対流伝熱部灰付着抑制モードにおける微粉燃料の粒径については、目開き75μmの篩通過率が90%以上であってもよい。また、対流伝熱部灰除去モードにおける微粉燃料の粒径については、目開き75μmの篩通過率が70%未満であってもよい。
幾つかの実施形態では、図2に示す火炉部灰付着抑制モード実行部50は、モード選択部42が火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、通常運転モードよりも空気比を低下させるように空気比調節装置32を制御する火炉部灰付着抑制モードを実行するよう構成される。
本発明者の知見によれば、空気比調節装置32によってバーナ4の空気比を低下させるほど、バーナ4の近傍領域8bでの燃焼が抑制されるとともにバーナ4から下流側に離れた領域8a(対流伝熱部10に近い火炉上部)での燃焼が促進されるため、対流伝熱部10での灰付着よりも火炉部8での灰付着を優先的に抑制することができる。したがって、上述のように、モード選択部42が火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、通常運転モードを選択した場合よりも空気比を低下させるように空気比調節装置32を制御すれば、特段の追加構成を要することなく簡易な構成で、ボイラ2内における火炉部8での局所的な灰付着量の増大を抑制することができる。
なお、空気比を低下させると、上述のように、対流伝熱部10での灰付着よりも火炉部8での灰付着を優先的に抑制することができるが、それとともに灰中の未燃C量が増大するため、灰中の溶融物の割合が低下し、灰の付着性自体を低下させることができる。このため、火炉部8及び対流伝熱部10の両方に対する灰の付着を抑制する効果を得ることができる。したがって一実施形態では、上述した差圧ΔPが上記第1基準差圧を超えた場合(対流伝熱部10への灰の付着量が多い場合)において、空気比を低下させる制御をおこなってもよい。
幾つかの実施形態では、図2に示す対流伝熱部灰付着抑制モード実行部52は、モード選択部42が対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、冷却剤を噴射するよう冷却剤噴霧装置34を制御する対流伝熱部灰付着抑制モードを実行するよう構成される。
冷却剤噴霧装置34によって火炉部8おけるバーナ4より下流位置(好ましくは対流伝熱部10に近い火炉上部8a)に冷却剤を噴霧することにより、火炉部8におけるバーナ4より下流位置での燃焼を抑制し、該位置近傍の温度を低下させることができる。このため、冷却剤噴霧装置34によって火炉部8おけるバーナ4より下流位置に冷却剤を噴霧することにより、対流伝熱部10での灰付着を抑制することができる。そこで、上述のように、モード選択部42が対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、冷却剤を噴射するよう冷却剤噴霧装置34を制御すれば、対流伝熱部10での局所的な灰付着量の増大を簡易な構成で抑制することができる。
幾つかの実施形態では、図2に示すモード選択部42は、燃焼ガス温度検知ユニット25の検知結果に基づいて通常運転モード、火炉部灰付着抑制モード及び対流伝熱部灰付着抑制モードを選択するよう構成されてもよい。
例えば、図1に示すように火炉部8におけるバーナ4の近傍領域8bの燃焼ガス温度を検知するよう燃焼ガス温度検知ユニット25が構成されている場合において、燃焼ガス温度検知ユニットによって検知した燃焼ガス温度が基準温度より高い場合には、火炉部8(バーナ4の近傍領域8b)での灰付着量が多いことが推定されるため、火炉部灰付着抑制モードを選択してもよい。あるいは、対流伝熱部10(例えば燃焼ガス流れ方向Fにおける過熱器12と蒸発管群17の間の位置J)の燃焼ガス温度を検知するよう燃焼ガス温度検知ユニット25が構成されている場合において、燃焼ガス温度検知ユニットによって検知した燃焼ガス温度が基準温度より高い場合には、対流伝熱部10での灰付着量が多いことが推定されるため、対流伝熱部灰付着抑制モードを選択してもよい。
幾つかの実施形態では、図2に示す異常報知部46は、差圧検知ユニット22によって検知した差圧ΔPが第1基準差圧を超えている場合であって、且つ蒸気温度検知ユニット24によって検知した蒸気温度が基準温度を超えている場合に、メンテナンスを要求するための異常報知を行っても良い。
差圧検知ユニット22によって検知した差圧ΔPが第1基準差圧を超えている場合であって、且つ蒸気温度検知ユニット24によって検知した蒸気温度が基準温度を超えている場合には、火炉部8及び対流伝熱部10の両方における灰付着が進行していることが推定される。このような場合に、メンテナンスを要求するための異常報知を行うことにより、適切なタイミングでのメンテナンスを行うことができる。
図3は、図2に示したコントローラ28における制御フローの一例を示す図である。
まず、S11で、蒸気温度検知ユニット24によって検知された過熱器12の蒸気温度が基準温度以下であるか否かをモード選択部42が判定する。S11で過熱器12の蒸気温度が基準温度以下であると判定された場合に、S12で、差圧検知ユニット22によって検知された差圧ΔPが第1基準差圧以下であるか否かをモード選択部42が判定する。
S12で差圧ΔPが第1基準差圧以下であると判定された場合に、S13で通常運転モード実行部48が通常運転モードを実行し、S11に戻る。S12で差圧ΔPが第1基準差圧を超えていると判定された場合に、S14で、差圧ΔPが第2基準差圧以下であるか否かをモード選択部42が判定する。
S14で差圧ΔPが第2基準差圧以下であると判定された場合には、S15で対流伝熱部灰付着抑制モード実行部52が対流伝熱部灰付着抑制モードを実行し、S11に戻る。S14で差圧ΔPが第2基準差圧を超えていると判定された場合には、S16で、対流伝熱部灰除去モード実行部54が対流伝熱部灰除去モードを実行し、S11に戻る。
S11で過熱器12の蒸気温度が基準温度を超えていると判定された場合に、S17で、差圧検知ユニット22によって検知された差圧ΔPが第1基準差圧以下であるか否かをモード選択部42が判定する。S17で差圧ΔPが第1基準差圧以下であると判定された場合に、S18で、火炉部灰付着抑制モード実行部50が火炉部灰付着抑制モードを実行し、S11に戻る。S17で差圧ΔPが第1基準差圧を超えていると判定された場合に、S19で、異常報知部46が異常報知を行い、S11に戻る。
以上に示したボイラシステム100によれば、差圧検知ユニット22及び蒸気温度検知ユニット24の検知結果に基づいて通常運転モード、火炉部灰付着抑制モード及び対流伝熱部灰付着抑制モード及び対流伝熱部灰除去モードを選択するようモード選択部42がj構成されているため、火炉部8での灰の付着量及び対流伝熱部10での灰の付着量を適切に考慮して各モードを実行することができる。これにより、ボイラ2内での局所的な灰の付着量の増大を抑制することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
2 ボイラ
4 バーナ
6 燃焼調節システム
8 火炉部
10 対流伝熱部
12 過熱器
14 蒸気ドラム
16 水ドラム
17 蒸発管群
18 ボイラ出口
20 水冷壁
22 差圧検知ユニット
24 蒸気温度検知ユニット
25 燃焼ガス温度検知ユニット
26 調節ユニット
28 コントローラ
30 微粉度調節装置
32 空気比調節装置
34 冷却剤噴霧装置
36 押込ファン
38 流量調整弁
40 給炭機
42 モード選択部
44 制御部
46 異常報知部
48 通常運転モード実行部
50 火炉部灰付着抑制モード実行部
52 対流伝熱部灰付着抑制モード実行部
54 対流伝熱部灰除去モード実行部
100 ボイラシステム

Claims (8)

  1. 微粉燃料を燃焼させるためのバーナが配置される火炉部、および前記火炉部の下流側に位置し、燃焼ガスによって過熱される蒸気が流れる過熱器が配置される対流伝熱部、を含むボイラと、
    前記バーナの燃焼状態を調節するための燃焼調節システムと、を備えるボイラシステムであって、
    前記燃焼調節システムは、
    前記対流伝熱部の少なくとも一部の領域の上流側と下流側の差圧を検知するための差圧検知ユニットと、
    前記過熱器の蒸気温度を検知するための蒸気温度検知ユニットと、
    前記バーナの燃焼状態を調節するための調節ユニットと、
    前記調節ユニットを制御可能なコントローラと、を含み、
    前記コントローラは、
    前記差圧検知ユニット及び前記蒸気温度検知ユニットの検知結果に基づいて、前記対流伝熱部での灰の付着よりも前記火炉部での灰の付着を優先的に抑制する火炉部灰付着抑制モードと、前記火炉部での灰の付着よりも前記対流伝熱部での灰の付着を優先的に抑制する対流伝熱部灰付着抑制モードと、を選択可能なモード選択部と、
    前記モード選択部の選択したモードに応じて前記調節ユニットを制御するよう構成された制御部と、有するボイラシステム。
  2. 前記モード選択部は、前記差圧検知ユニットによって検知した前記差圧が第1基準差圧を超えた場合に、前記対流伝熱部灰付着抑制モードを選択するよう構成された請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記モード選択部は、前記蒸気温度検知ユニットによって検知した前記蒸気温度が基準温度を超えた場合に、前記火炉部灰付着抑制モードを選択するよう構成された請求項1又は2に記載のボイラシステム。
  4. 前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、通常運転モードを選択可能に構成され、
    前記調節ユニットは、前記微粉燃料の微粉度を調節するための微粉度調節装置を有し、
    前記制御部は、前記モード選択部が前記火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、前記通常運転モードを選択した場合よりも前記微粉燃料の微粉度を低下させるように前記微粉度調節装置を制御するよう構成された請求項1乃至3の何れか1項に記載のボイラシステム。
  5. 前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、前記対流伝熱部に付着した灰を除去する対流伝熱部灰除去モードを選択可能に構成され、
    前記モード選択部は、前記差圧検知ユニットによって検知した前記差圧が第1基準差圧を超えた場合に前記対流伝熱部灰付着抑制モードを選択し、前記差圧検知ユニットによって検知した前記差圧が前記第1基準差圧よりも大きな第2基準差圧を超えた場合に前記対流伝熱部灰除去モードを選択するよう構成され、
    前記制御部は、前記モード選択部が前記対流伝熱部灰除去モードを選択した場合に、前記火炉部灰付着抑制モードを選択した場合よりも前記微粉度を低下させるように前記微粉度調節装置を制御するよう構成された請求項4に記載のボイラシステム。
  6. 前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、通常運転モードを選択可能に構成され、
    前記調節ユニットは、前記微粉燃料の微粉度を調節するための微粉度調節装置を有し、
    前記制御部は、前記モード選択部が前記対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、前記通常運転モードを選択した場合よりも前記微粉燃料の微粉度を上昇させるように前記微粉度調節装置を制御するよう構成された請求項1乃至5の何れか1項に記載のボイラシステム。
  7. 前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、通常運転モードを選択可能に構成され、
    前記調節ユニットは、前記バーナの空気比を調節するための空気比調節装置を有し、
    前記制御部は、前記モード選択部が前記火炉部灰付着抑制モードを選択した場合に、前記通常運転モードを選択した場合よりも前記空気比を低下させるように前記空気比調節装置を制御するよう構成された請求項1乃至6の何れか1項に記載のボイラシステム。
  8. 前記モード選択部は、前記火炉部灰付着抑制モード及び前記対流伝熱部灰付着抑制モードの他に、通常運転モードを選択可能に構成され、
    前記調節ユニットは、前記火炉部における前記バーナより下流位置に冷却剤を噴霧するための冷却剤噴霧装置を有し、
    前記制御部は、前記モード選択部が前記対流伝熱部灰付着抑制モードを選択した場合に、前記冷却剤を噴霧するよう前記冷却剤噴霧装置を制御するよう構成された請求項1乃至7の何れか1項に記載のボイラシステム。
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