JP2021188288A - 扉の取り付け構造及び開きドア - Google Patents

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憲二 神田
Kenji Kanda
克昭 白木
Katsuaki Shiraki
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Abstract

【課題】ヒンジの露出を極力低減することで、建具の高意匠化を図り、美観に優れる内装用開き扉の取り付け構造を提供する。【解決手段】扉3をトップヒンジとフロアヒンジにより中心吊りし、トップヒンジの支持部材51が、前記扉3の吊り元側の上端部に収納され、支持体52aと鍔部を有するトップヒンジの受け部材52が、前記トップヒンジの支持部材51に係合されるとともに、天井側に配設された上部下地枠22に取着された扉3の取り付け構造にする。【選択図】図11

Description

本発明は、扉の取り付け構造及び開きドアに関する。
近年、内装用の建具にはインテリアとしてのデザインや美観の良さ、さらには重厚感や高級感が重要視されるようになっている。内装用の建具の構造としては、以前より縦枠に取り付けた蝶番で扉を支持する建具がある。
特開2002−339640号公報 特開2019−11559号公報 特開2016−130399号公報
しかしながら、重量の重い扉になると強度のある大きな蝶番とそれを支持する十分な強度の縦枠が必要であり、蝶番は建具の正面に露出するものが多いことから、これらの存在が空間の美観やデザイン性を損なってしまうケースが多かった。
本発明は、かかる状況に鑑み検討された発明であり、扉を床及び天井で保持でき、かつ、正面からの見えがかりの小さい、扉厚方向中心吊りのフロアヒンジを採用し、縦枠なしでも扉の取り付けを可能にするとともに、フロアヒンジの露出を極力低減することで、建具の高意匠化を図ることを目的とする。
すなわち、本願は
扉(3)を備え、
前記扉(3)がトップヒンジとフロアヒンジにより中心吊りされた建具であって、
トップヒンジの支持部材(51)が、前記扉(3)の吊り元側(3a)の上端部に収納され、
支持体(52a)と軸受け部(52c)と鍔部(52b)を有するトップヒンジの受け部材(52)の前記軸受け部(52c)が、
前記トップヒンジの支持部材(51)から突出した軸部(51c)に係合されるとともに、
天井側に配設された上部下地枠(22)に取着されている、
ことを特徴とする扉の取り付け構造、
である。
本発明では以下の効果を有する。
(ア)縦枠には扉の荷重の負荷がかからないため、縦枠を用いなくても扉を開口部に取り付けることが可能となる。
(イ)縦枠を用いた場合でも、縦枠の見付け面が壁と扉と面一になる位置に固定することができ、段差がなく見栄えが良い。
(ウ)本発明の扉の取り付け構造を有する建具は金具の露見が少なく見栄えがし、周囲の天井や壁のデザインを適宜選定すればインテリアとして優れた美観を有するものとなる。
(エ)本発明の扉の取り付け構造を有する建具を用いた開きドアは、上部下地枠(22)は視認できないため見栄えが良い。
(オ)縦枠の見付面が見えない納まりが可能であり、縦のラインが減らせるため、意匠的にすっきりする。
本発明の扉の取り付け構造(実施例1)を有する開きドアの使用状態を示す正面図。 本発明の扉の取り付け構造を有する建具の正面図。 図2の平面図。 図3の要部拡大図。 上部下地枠の斜視図。 トップヒンジの受け部材の斜視図。 図2の透視正面図。 図7の点線円内の要部拡大図。 図7の戸先上部の要部拡大図。 図7のA−A‘線に沿う破断断面図。 図10の上部拡大図。 図7の破線円内の要部拡大図。 本発明の他の扉の取り付け構造(実施例2)を有する開きドア(82)の正面図。 本発明の他の扉の取り付け構造(実施例3)を有する開きドアの右側面図の上部拡大図。 従来の取り付け構造を示す平面図。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施例1の扉(3)の取り付け構造を有する開きドア(81)を開口部に適用した状態を示す正面図であり、上部がクロス(91)で被覆され、扉(3)の左右は壁であり、壁の仕上げ材として化粧パネル(4)が施工されている。
扉(3)の上部がクロス(91)で被覆され、左右の縦枠の見付け面も化粧パネル(4)で被覆されているため建具(81)を正面から見た場合、綺麗で整った印象を与え見栄えが良い。
図2は本発明の扉の取り付け構造を有する建具の正面図である。上部下地材(22)は天井材(21)の間に埋め込み状に配設され、天井材(21)と突き合わされて、上部下地材(22)の下面と天井材(21)の下面が同一平面状になっており天井面が平滑になっている。同一平面上にすることにより天井材(21)と上部下地材(22)をクロスで覆うと段差もなく見栄えが良い。
図3は図2中の平面図、図4は図3の要部拡大図である。壁には縦枠(1a、1b)が取り付けられ、壁の表面には芯材(42)と表面材(43)から成る化粧パネル(4)が壁面仕上げ材として用いられ、壁の裏面にはクロスが用いられている。芯材(42)としてMDF(中密度繊維板)、表面材(43)としてメラミン化粧板が用いられている。
扉(3)も化粧パネル(4)と同様に芯材(42)と表面材(43)とから成る。表面材は意匠性を有する材料であれば特に制約はなく、熱硬化性樹脂化粧板、熱可塑性樹脂化粧板、天然木化粧板などの各種化粧板が用いられる。
熱硬化性樹脂化粧板の中でも耐熱性、耐衝撃性、耐擦傷性などに優れるメラミン化粧板が好ましい。本発明では扉の表面材にメラミン化粧板、化粧パネル(4)の表面材(43)にもメラミン化粧板を用いている。
化粧パネル(4)の表面材(43)と、扉(3)の表面材との絵柄は異なっていても良いが、化粧パネル(4)の表面材(43)と、扉(3)の表面材と同じ絵柄のメラミン化粧板を採用することにより、建具(81)を正面から見た場合、あたかも1枚の幅広い壁のような印象を与えることができる。
図示はしないが扉(3)の開閉には戸先(3b)側にハンドルを取り付ける。ハンドルにはレバーハンドル、バーハンドル、フラットハンドルを採用することができ、フラットハンドルを採用すると出っ張りがなく好ましい。
扉(3)は吊り元側(3a)でフロアヒンジにより中心吊りされている。中心吊りとは、扉厚さの中心位置で回転軸として吊り金具で回転自在に扉を支持する方法をいい、本発明ではピボットヒンジのように縦枠への負荷がかからないフロアヒンジを用いている。フロアヒンジは上側フロアヒンジ(以下、トップヒンジという。)と下側フロアヒンジ(以下、フロアヒンジという。)を備えている。
本発明では壁の正面の表面を化粧パネル(4)で仕上げるために縦枠(1a、1b)を用いた例で説明しているが、クロスを巻き込んで仕上げる場合は特に縦枠を用いる必要はない。本願の壁面の仕上げ材はクロス、化粧パネル、メラミン化粧板、或いはこれらの組み合わせなどが挙げられる。これらの組み合わせとしては、建具の上部はクロス、左右は化粧パネルが例示されるが特に限定はされない。
図3、図4に示すように扉(3)は壁の仕上げ面を構成する化粧パネル(4)と平面視面一になっている。クロスを用いた場合であっても扉と壁の仕上げ面が平面視面一になるように施工されている。面一にすることにより、見栄えが良い上、出っ張りがないため手足をぶつけることがない。
化粧パネル(4)は、壁仕上げ面として接着されていると同時に左右の縦枠(1a、1b)の見付け面(11)が視認されないように見付け面(11)を被覆している。クロスを用いた場合であっても見付け面(11)が視認されないように被覆されている。
図5は上部下地枠(22)の斜視図であり、上部下地枠(22)の一方の端部の裏面にはトップヒンジの受け部材(52)の支持体(52a)を埋設することが可能な大きさの第一の凹所(22a)が形成され吊元側になる。他方の端部にはダンパー(7b)の本体を埋設する第二の凹所(22b)が形成され戸先側となる。
図6はトップヒンジの受け部材(52)の斜視図である。トップヒンジの受け部材(52)は支持体(52a)、鍔部(52b)、軸受け部(52c)等を備えている。
図7は図2の透視正面図、図8は図7の点線円内の要部拡大図であり、前記トップヒンジ(5)は前述の如くトップヒンジの支持部材(51)とトップヒンジの受け部材(52)から成り、トップヒンジの受け部材(52)は、支持体(52a)を上部下地枠(22)の前記第一の凹所(22a)に収納されている。収納することにより上部下地枠(22)からのトップヒンジの受け部材(52)の突出が小さく美観を損なわない。トップヒンジの受け部材(52)は、トップヒンジの支持部材(51)の軸部(51c)に軸受け部(52c)が係合されて枢支されている。
図9は扉の戸先(3b)側上部の要部拡大図であり、上部下地枠(22)の第二の凹所(22b)にダンパー受け部材(7b)が収納され、扉の戸先(3b)側の上端部にダンパー本体(7b)が収納されている。
図10は図7のA−A‘線に沿う破断断面図、図11は図10の上部拡大図である。トップヒンジの支持部材(51)は扉(3)の上端部に、トップヒンジの受け部材(52)は上部下地枠(22)に収納され、トップヒンジの受け部材(52)とトップヒンジの支持部材(51)が正面からみてほとんど認識されることがない。上部下地枠(22)の下面と前記天井材(21)の下面は同一平面状であり、平滑である。
図12は図7の破線円内の要部拡大図である。フロアヒンジ(6)の受け部材(62)の軸受け部(62c)が、フロアヒンジの支持部材(61)の軸部(61c)に係合されている。フロアヒンジの受け部材(62)は、扉(3)の下端部に収納されている。従ってフロアヒンジの受け部材の本体(62a)が正面からみてほとんど認識されることがない。
図13は本発明の実施例2の扉(3)の取り付け構造を有する他の開きドアの正面図であり、扉(3)の左右には壁の仕上げ材として化粧パネルの代わりにクロス(92)が施工されている。扉(3)の上部に位置する上部下地枠(22)及び天井材(21)もクロス(91)で被覆されているため正面から見た場合、見栄えが良い。側面のクロス(92)と上部のクロス(91)が同一であれば見栄えが更に良くなる。
図14は更に実施例3の扉(3)の取り付け構造を有する他の開きドアの右側面図の上部拡大図である。上部下地材(22)が補強下地(26)にビスで固着され、より撓み、変形を抑制している。
図15は従来の建具の平面図を示す。縦枠(1’)が開口部から壁厚方向に飛び出た状態であり、縦枠の見付け面(1a’)と扉(3)との段差(T)は7mm、縦枠の見付け面(1a’)と壁との段差(t)は10mmと大きく見栄えがしない。
一方、本願によれば図4で示す扉と壁との段差(T)を0〜±2mm以内にすることが可能である。扉と壁との段差(T)が小さい程、壁と扉の表面の絵柄を同一にすれば巾の広い内装面としても綺麗な印象を与え、特に前記の範囲であれば面一の印象を与え、壁と扉の一体感があるものとなる。
勿論、縦枠を用いず直接壁に本願の構造を有する建具を開口部に適用した際にも扉と壁との段差を0〜±2mm以内にして面一の状態にすることができる。特に好ましいのは0〜±1mm以内である。
1 縦枠
1a 吊り元側の縦枠
1b 戸先側の縦枠
11 見付け面
12 縦枠の芯材
13 縦枠の表面材
17a 上部用戸当り
17b 縦枠用の戸当り
21 天井材
22 上部下地枠
22a 上枠の第一の凹所
22b 上枠の第二の凹所
26 補強下地
3 扉
3‘ 扉
3a 扉の吊元側
3b 扉の戸先
4 化粧パネル
42 化粧パネルの芯材
43 化粧パネルの表面材
5 トップヒンジ
51 トップヒンジの支持部材
51a トップヒンジの支持部材の支持体
51c トップヒンジの支持部材の軸部
52 トップヒンジの受け部材
52a トップヒンジの受け部材の支持体
52b トップヒンジの受け部材の鍔部
52c トップヒンジの受け部材の軸受け部
61 フロアヒンジの支持部材
61a フロアヒンジの支持部材の支持体
61c フロアヒンジの支持部材の軸部
62 フロアヒンジの受け部材
62a フロアヒンジの受け部材の本体
62c フロアヒンジの受け部材の軸受け部
7a ダンパー受け部材
7b ダンパー本体
81 建具
82 建具
91 上部クロス
92 側面クロス
200 床
1‘ 従来の縦枠
1a‘ 見付け面
t 縦枠の見付け面と壁との段差
T 縦枠の見付け面と扉の表面との段差

Claims (10)

  1. 扉(3)を備え、
    前記扉(3)がトップヒンジとフロアヒンジにより中心吊りされた建具であって、
    トップヒンジの支持部材(51)が、前記扉(3)の吊り元側(3a)の上端部に収納され、
    支持体(52a)と軸受け部(52c)と鍔部(52b)を有するトップヒンジの受け部材(52)の前記軸受け部(52c)が、
    前記トップヒンジの支持部材(51)から突出した軸部(51c)に係合されるとともに、
    天井側に配設された上部下地枠(22)に取着されている、
    ことを特徴とする扉の取り付け構造。
  2. 前記上部下地枠(22)は、
    天井材(21)の間に埋め込み状に配設されるとともに、
    前記天井材(21)と突き合わされ、
    前記上部下地枠(22)の下面と前記天井材(21)の下面が同一平面状である、
    ことを特徴とする請求項1記載の扉の取り付け構造。
  3. 前記上部下地枠(22)は補強下地材(26)に固着されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の扉の取り付け構造。
  4. 前記上部下地枠(22)は、
    前記トップヒンジの受け部材(52)の支持体(52a)を収納することが可能な第一の凹所(22a)が形成され、
    前記トップヒンジの受け部材(52)は、支持体(52a)を前記第一の凹所(22a)に収納されている、
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の扉の取り付け構造。
  5. 前記扉(3)の戸先側の上端部にはダンパー受け部材(7a)が収納され、前記上部下地枠(22)の第二の凹所(22b)に取着されたダンパー本体(7b)と係合していることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の扉の取り付け構造。
  6. 前記扉の取り付け構造を有する建具は、壁の開口部に取り付けられ、
    前記扉(3)の正面部は、壁の仕上げ材の表面と平面視面一であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の扉の取り付け構造。
  7. 前記建具が左右の縦枠(1a、1b)を備えていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の扉の取り付け構造。
  8. 前記扉の取り付け構造を有する建具は、壁の開口部に取り付けられ、
    前記扉(3)の正面部は、前記縦枠(1a、1b)の見付け面と平面視面一であることを特徴とする請求項6記載の扉の取り付け構造。
  9. 前記扉の取り付け構造を有する建具は、壁の開口部に取り付けられ、
    前記扉(3)の正面部は、壁の仕上げ材の表面と平面視面一であることを特徴とする請求項7又は8記載の扉の取り付け構造。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載の扉の取り付け構造を内装用に適用した開きドア。
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