JP3196910B2 - ガラス扉及びガラス扉付き家具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、框にガラス板を固定し
たガラス扉、及びこのガラス扉を備えた、システムキッ
チン、システム洗面化粧台、システム収納家具等の家具
に関する。

【０００２】

【従来の技術】システムキッチン等の各種家具では、内
部に収納された食器などの収納物を外部から容易に確認
することができるように、ガラス扉が使用されている。

【０００３】図６は従来のガラス扉を備えたウォールキ
ャビネットの斜視図、図７は図６に示すウォールキャビ
ネットのガラス扉のみを示す断面図である。

【０００４】同図に示すように、ウォールキャビネット
２０の前面には、観音開き式の一対のガラス扉２１が取
付けられている。このガラス扉２１は、図７に示すよう
に、框２２の内周全周に亘って框２２の略半分の厚みの
突出部２３を形成し、この突出部２３に突き当てるよう
にガラス板２４が嵌め込まれている。そして、この上か
らガラス押え２５を取付け、さらにこのガラス押え２５
をタッカー（図示せず）によって框２２に固定した構造
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このガラス
扉では、ガラス扉表面側にガラス板２４と框２２の段差
が生じ、この段差あるいはガラス板２４と框２２の境目
に汚れが溜りやすい。また、このガラス扉を備えた家具
と、表面がフラットな扉を備えた家具とを備えたシステ
ム家具においては、ガラス扉とフラットな扉との意匠が
合い難いという問題がある。

【０００６】一方、ガラス板固定用の框を設けずに、強
度に優れたガラス板そのものを扉とした構造のものもあ
るが、開閉用の蝶番がガラス板を通して見えてしまい、
このため、ガラス扉の意匠性を損なうばかりか、装飾性
の高い収納物を鑑賞できるというガラス扉式キャビネッ
トの長所を侵しかねない。

【０００７】そこで本発明は、表面をフラットに形成す
ることによって、框とガラス板との間等への埃の付着を
防止し、且つ他の家具との調和のとれた意匠性の高いガ
ラス扉及びこのガラス扉を有する家具を提供することを
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、家具のガラス扉であって、フラットなガ
ラス板の裏面の周縁に塗装を施し、該塗装面にガラス板
と同色の塗装を施した框材を接着し、扉の表面側をフラ
ットな面にし、該表面側に把手を設けたことを特徴とす
る。

【０００９】また、本発明は、前記記載のガラス扉を有
する家具を特徴とする。

【００１０】

【作用】ガラス板の裏面に框材を接着することによっ
て、扉の表面側に段差が付かずフラットな面になり、さ
らに、ガラス板に施された塗装面によって框材を接着す
る際に生じる気泡やムラが隠蔽される。また、框と塗装
面を同色にすることによって、框材と塗装面の違和感を
無くすことが可能となる。

【００１１】

【実施例】図１は、本発明の一実施例であるガラス扉の
分解斜視図、図２は同正面図、図３はガラス扉の要部を
示す一部切欠斜視図、図４は図２に示すガラス扉のＡ−
Ａ線矢視断面図である。

【００１２】同図に示すように、本実施例のガラス扉１
０は、透明なガラス板１とこのガラス板１の裏面側に取
付けられた框としての四方枠２とで主に構成されてい
る。

【００１３】縁を面取りされた四角形のガラス板１の裏
面の周縁には、図１の斜視図及び図２の正面図にハッチ
ングで示す部分に、多くの色との色合わせが容易なブル
ーグレーの塗装面３が四方枠２の幅よりも若干広めに施
されている。これによって、後述する接着剤がはみ出た
場合にもこれを隠蔽し美観を損ねることもない。

【００１４】四方枠２はガラス板１と略同じ外形を有
し、四方枠２の前面に塗布されたシリコン系接着剤４に
よって、ガラス板１と接着されている。また、四方枠２
は、塗装面３と同じブルーグレーに着色されており、こ
れによって、ガラス板１を通して見た塗装面３と四方枠
２との違和感を解消できることとなる。

【００１５】四方枠２及びガラス板１のそれぞれ対応す
る位置には、貫通孔１ａ，２ａが形成され、この貫通孔
１ａ，２ａに、四方枠２の縦方向の全長にわたる長さの
把手５が取付けられている。６は把手５固定用のナット
である。また、四方枠２には蝶番取付け用の穴（図示せ
ず）が設けられ、ガラス扉１０をキャビネット等に取り
付ける際は蝶番をその穴に取り付ける。

【００１６】図５は、上記構成のガラス扉１０を備えた
ウォールキャビネットの斜視図であり、その前面に観音
開き式のガラス扉１０が設けられている。

【００１７】なお、このウォールキャビネットでは、左
右のガラス扉１０は、把手５の位置が左右逆位置に設け
てあるが、先に説明したガラス扉１０を回転させること
によって、右用或いは左用を共用することができる。

【００１８】このように、本実施例のガラス扉及びこれ
を備えた家具は、ガラス扉の表面側に従来の様な段差が
生じることがなく、埃の付着を完全に防止することがで
き、また、表面がフラットな他の家具との意匠合わせが
容易に行える。さらに、四方枠に当接するガラス板の裏
面部分に塗装を施しているため、接着が確実に行えると
共に、接着剤の気泡やムラが表面から見えることがなく
意匠的にも優れたものとなる。特に、四方枠とガラス板
とを同色とすることによって、違和感を無くした意匠と
なる。なお、ガラス板１への塗装はガラス板表面に施し
ても良い。

【００１９】

【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。

【００２０】（１）高い意匠性を有するガラス扉を提供
することができ、且つ内部が見通せるというガラス扉を
有する家具の機能を持つことができる。

【００２１】（２）特にシステム式の家具においては、
他の扉との意匠合わせが容易となり、キャビネットを組
み合わせるレイアウトの自由度を向上させることができ
る。

【００２２】（３）表面がフラットになるので清掃性が
向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるガラス扉の分解斜視図
である。

【図２】図１に示すガラス扉の正面図である。

【図３】図１に示すガラス扉の要部を示す一部切欠斜視
図である。

【図４】図２に示すガラス扉のＡ−Ａ線矢視断面図であ
る。

【図５】図１に示すガラス扉を有するウォールキャビネ
ットの斜視図である。

【図６】従来のガラス扉を備えたウォールキャビネット
の斜視図である。

【図７】図６に示すウォールキャビネットのガラス扉の
断面図である。

【符号の説明】 １ ガラス板 ２ 四方枠（框） ３ 塗装面 ４ 接着剤 ５ 把手 ６ ナット １０ ガラス扉

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E06B 3/70 - 3/88 E06B 3/02 E06B 3/54 - 3/56

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家具のガラス扉であって、フラットなガ
   ラス板の裏面の周縁に塗装を施し、該塗装面にガラス板
   と同色の塗装を施した框材を接着し、扉の表面側をフラ
   ットな面にし、該表面側に把手を設けたことを特徴とす
   るガラス扉。
2. 【請求項２】 請求項１記載のガラス扉を有する家具。