JP2021187021A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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貴司 相羽
Takashi Aiba
圭司 蔵
Keiji Kura
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Abstract

【課題】反りによる複数のアクチュエータ部間における変形特性のばらつきを抑制できるようにする。【解決手段】第3電極層73は、圧電層41の端部を除く領域に配置された複数の駆動電極51と、圧電層41のX方向(圧電アクチュエータ22の長手方向)の端部に配置された、電位が付与されない浮き電極61とを含む。浮き電極61のY方向の長さL1は、長さL2(Y方向に互いに隣接する2つの駆動電極列51Rを含む領域のY方向の長さ)以上である。【選択図】図7

Description

本発明は、第3電極毎に第1〜第3活性部を含むアクチュエータ部が設けられた圧電アクチュエータに関する。
特許文献1には、個別電極(第3電極)毎に1つの活性部R1と2つの活性部R2とを含むアクチュエータ部が設けられた圧電アクチュエータが示されている。このような構成の圧電アクチュエータを流路部材に固定し駆動させることで、所謂クロストークを抑制しつつ、安定した吐出を実現できる。
特開2018−157079号公報(図6、段落0029)
上記構成の圧電アクチュエータにおいて、変形効率を高めるために圧電層の厚みを小さくすると、電極層の厚みが一定という条件では、圧電層の厚みに対する電極層の厚みの比率が大きくなる。この場合、圧電アクチュエータの焼成工程で生じる電極層の熱収縮量が大きくなり、圧電アクチュエータに反りが生じ易くなる。圧電アクチュエータに反りが生じると、反りがある部分とない部分とでアクチュエータ部の変形特性が異なり、複数のアクチュエータ部間において変形特性にばらつきが生じ得る。
本発明の目的は、反りによる複数のアクチュエータ部間における変形特性のばらつきを抑制できる圧電アクチュエータを提供することにある。
本発明に係る圧電アクチュエータは、第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層の前記第1圧電層と反対側の面に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、前記第1電極層は、第1電位に保持される第1電極を含み、前記第2電極層は、前記第1電位と異なる第2電位に保持される第2電極を含み、前記第3電極層は、それぞれ前記第1電位及び前記第2電位のいずれかが選択的に付与される複数の第3電極を含み、前記圧電アクチュエータは、前記第1方向と直交する第2方向の長さが、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向の長さよりも長く、前記複数の第3電極は、前記第1圧電層における前記第2方向の端部を除く領域において、前記第2方向に配列され、かつ、前記第3方向に並ぶ複数の第3電極列を構成し、前記第1電極層は、前記第3圧電層の前記端部に配置され、かつ、前記第3方向の長さが、前記複数の第3電極列のうちの前記第3方向に互いに隣接する2つを含む領域の前記第3方向の長さ以上である、電位が付与されない浮き電極をさらに含むことを特徴とする。
本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータを含むプリンタ1の全体構成図である。 図1のヘッド3の平面図である。 図2の領域IIIの拡大図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図3のV−V線に沿った断面図である。 図5の断面におけるアクチュエータ部90の動作を示す図である。 図2の圧電アクチュエータ22を構成する3つの圧電層41〜43のうち、最も上方の圧電層41の上面を示す平面図である。 図2の圧電アクチュエータ22を構成する3つの圧電層41〜43のうち、中間の圧電層42の上面を示す平面図である。 図2の圧電アクチュエータ22を構成する3つの圧電層41〜43のうち、最も下方の圧電層43の上面を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧電アクチュエータ222を示す図7相当の図である。
以下の説明において、Z方向は鉛直方向であり、X方向及びY方向は水平方向である。X方向及びY方向は共にZ方向と直交する。X方向はY方向と直交する。Z方向が本発明の「第1方向」に該当し、X方向が本発明の「第2方向」に該当し、Y方向が本発明の「第3方向」に該当する。
<プリンタの全体構成>
先ず、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータを含むプリンタ1の全体構成について説明する。
プリンタ1は、ヘッド3と、キャリッジ2と、2つの搬送ローラ対4とを備えている。
キャリッジ2は、Y方向に延びる2本のガイドレール5に支持され、ガイドレール5に沿ってY方向に移動可能である。
ヘッド3は、シリアル式であって、キャリッジ2に搭載され、キャリッジ2と共にY方向に移動可能である。ヘッド3の下面(Z方向において下方を向く面)には、複数のノズル15が形成されている。
2つの搬送ローラ対4は、X方向にキャリッジ2を挟んで配置されている。搬送ローラ対4が用紙Pを挟持した状態で回転することで、用紙PがX方向に沿った搬送方向に搬送される。
プリンタ1の制御部(図示略)は、キャリッジ2と共にヘッド3をY方向に移動させながらノズル15からインクを吐出させる吐出動作と、搬送ローラ対4によって用紙Pを搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。これにより、用紙Pに画像が記録される。
<ヘッドの構成>
ヘッド3は、図2に示すように、流路ユニット21と、圧電アクチュエータ22とを有する。流路ユニット21及び圧電アクチュエータ22は、共に、Z方向から見て、X方向の長さがY方向の長さよりも長い、矩形状である。
<流路ユニットの構成>
流路ユニット21は、図4に示すように、Z方向に積層された4枚のプレート31〜34で構成されている。
プレート31には、複数の圧力室10が形成されている。プレート32には、圧力室10毎に、連通路12,13が形成されている。連通路12,13は、それぞれ、対応する圧力室10のY方向の一端及び他端とZ方向に重なっている。プレート33には、連通路13毎に、連通路14が形成されている。連通路14は、対応する連通路13とZ方向に重なっている。プレート33には、さらに、12本のマニホールド流路11が形成されている。マニホールド流路11は、X方向に配列された圧力室10の列10R(図2参照)毎に設けられている。各マニホールド流路11は、X方向に延び、対応する列10Rに属する複数の圧力室10と連通路12を介して連通している。プレート34には、複数のノズル15が形成されている。各ノズル15は、連通路14とZ方向に重なっている。
プレート31の上面において、圧電アクチュエータ22が配置されない領域に、4つのインク供給口8が形成されている(図2参照)。各インク供給口8は、インクカートリッジ(図示略)と連通し、かつ、3本のマニホールド流路11と連通している。インクカートリッジから各インク供給口8に供給されたインクは、3本のマニホールド流路11に供給される。各マニホールド流路11から、各列10Rに属する複数の圧力室10に、連通路12を介してインクが供給される。そして後述のように圧電アクチュエータ22が駆動することで、圧力室10内のインクに圧力が付与され、連通路13,14を通ってノズル15からインクが吐出される。
<圧電アクチュエータの構成>
圧電アクチュエータ22は、図4に示すように、流路ユニット21の上面に配置されている。圧電アクチュエータ22は、それぞれZ方向を厚み方向としてZ方向に積層された3つの圧電層41〜43及びインク分離層44と、複数の駆動電極51と、高電位電極52と、低電位電極53とを有する。
インク分離層44は、プレート31の上面に配置され、プレート31に形成された全ての圧力室10を覆っている。インク分離層44は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料、チタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電材料、又は、合成樹脂材料からなる。
圧電層43は、インク分離層44の上面に配置されている。圧電層42は、圧電層43の上面に配置されている。圧電層41は、圧電層42の上面に配置されている。圧電層41〜43は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電材料からなる。
3つの圧電層41〜43及びインク分離層44は、それぞれ、Z方向の厚みが15μm以下である。
圧電層41が本発明の「第1圧電層」に該当し、圧電層42が本発明の「第2圧電層」に該当する。
複数の駆動電極51は、図3に示すように、圧電層41の上面に、圧力室10のそれぞれに対応して配置されている。各駆動電極51は、主部51aと、突出部51bとを有する。主部51aは、対応する圧力室10の略全域とZ方向に重なっている。突出部51bは、主部51aからY方向に突出し、対応する圧力室10とZ方向に重なっていない。突出部51bには、COF(Chip On Film)(図示略)と電気的に接続される接点が設けられている。COFに実装されたドライバIC(図示略)は、制御部の制御により、COFの配線を介して各駆動電極51に対して個別に、高電位(VDD電位)及び低電位(GND電位)のいずれかを選択的に付与する。
複数の駆動電極51は、図7に示すように、圧電層41の上面の中央領域(圧電層41におけるX方向の両端及びY方向の両端を除く領域)において、X方向に配列されており、圧力室10の列10R(図2参照)のそれぞれに対応する、複数の駆動電極列51Rを形成している。複数の駆動電極列51Rは、Y方向に並んでいる。
各駆動電極列51Rに対し、X方向の一方(図7の上方)及び他方(図7の下方)のそれぞれに、ダミー電極59が設けられている。ダミー電極59は、対応する駆動電極列51Rに属する駆動電極51と、サイズ及び形状が同じであり、当該駆動電極51と共にX方向に等間隔で並んでいる。ダミー電極59は、COFと電気的に接続されず、電位が付与されない。ダミー電極59を設けることで、X方向に沿ったスクリーン印刷による電極形成時に、X方向の端部にあるダミー電極59の厚みが小さくなった場合でも、駆動電極51の厚みには影響が出ず、駆動電極51を適切に形成できる。また、各駆動電極列51RにおいてX方向の中央にある駆動電極51とX方向の端部にある駆動電極51とにおける電極形成による収縮量の差を抑制でき、ひいては各駆動電極列51Rに対応する複数のノズル15からの吐出量のばらつきを抑制できる。
圧電層41の上面には、駆動電極51及びダミー電極59に加え、浮き電極61、寸法測定用パターン62、接続電極54,55及び補強電極63が配置されている。これらのうち、接続電極54,55は、COF23と電気的に接続されている。ドライバICは、制御部の制御により、COF23の配線を介して、接続電極54に高電位(VDD電位)を付与し、かつ、接続電極55に低電位(GND電位)を付与する。一方、浮き電極61、寸法測定用パターン62及び補強電極63は、COFと電気的に接続されず、電位が付与されない。寸法測定用パターン62は、例えば、圧電アクチュエータ22の製造後に寸法精度を確認するのに用いられる。
浮き電極61及び寸法測定用パターン62は、駆動電極51の配置領域外である圧電層41のX方向の一端(図7の上端)及び他端(図7の下端)のそれぞれにおいて、Y方向に並んでいる。
圧電層41のX方向の一端(図7の上端)及び他端(図7の下端)のそれぞれにおいて、4つの浮き電極61と、3つの寸法測定用パターン62とが、Y方向に重なり、かつ、X方向に互いに離隔して配置されている。寸法測定用パターン62は、圧電層41のY方向の中央と、圧電層41のY方向の一方側(図7の左側)と、圧電層41のY方向の他方側(図7の右側)とに配置されている。Y方向において、上記中央の寸法測定用パターン62と一方側の寸法測定用パターン62との間に、2つの浮き電極61が配置され、かつ、上記中央の寸法測定用パターン62と他方側の寸法測定用パターン62との間に、2つの浮き電極61が配置されている。上記中央の寸法測定用パターン62は、Y方向において、圧電層41のY方向の一方側(図7の左側)にある2つの浮き電極61と、圧電層41のY方向の他方側(図7の右側)にある2つの浮き電極61との間に配置されている。
各浮き電極61は、Y方向の長さがX方向の長さよりも長い、矩形状である。各浮き電極61のY方向の長さL1は、長さL2(Y方向に互いに隣接する2つの駆動電極列51Rを含む領域のY方向の長さ)以上である。本実施形態において、長さL1は、長さL2よりも若干長く、長さL3(Y方向に互いに隣接する3つの駆動電極列51Rを含む領域のY方向の長さ)よりも短い。
各寸法測定用パターン62は、各浮き電極61の幅(X方向の長さ)よりも若干長い直径を有する円形である。
浮き電極61及び寸法測定用パターン62は、駆動電極51の配置領域から、X方向に離隔して配置されている。具体的には、各浮き電極61と、複数の駆動電極51のうちX方向に当該浮き電極61の最も近くに位置する駆動電極51との、X方向の間隔Dは、長さL4(X方向に互いに隣接する2つの駆動電極51を含む領域のX方向の長さ)以上である。間隔Dが小さいと、浮き電極61により生じる反りが駆動電極51の配置領域に影響し、アクチュエータ部90の変形特性が、反りがない場合に比べて変化し得る。これに対し、本実施形態では、間隔Dがある程度長いため、上記問題を抑制できる。なお、各浮き電極61とダミー電極59とのX方向の間隔は、間隔Dよりも小さいが、ダミー電極59は電位が付与されず、アクチュエータ部90(図6参照)の変形に寄与しないため、上記の効果には影響しない。
接続電極54,55及び補強電極63は、駆動電極51の配置領域外である圧電層41のY方向の一端(図7の左端)及び他端(図7の右端)のそれぞれにおいて、X方向に並んでいる。
圧電層41のY方向の一端(図7の左端)において、接続電極54は、圧電層41におけるX方向の一方側(図7の上側)に配置され、接続電極55は、圧電層41におけるX方向の他方側(図7の下側)に配置され、補強電極63は、X方向において接続電極54と接続電極55との間に配置されている。
圧電層41のY方向の他端(図7の右端)において、接続電極54は、圧電層41におけるX方向の他方側(図7の下側)に配置され、接続電極55は、圧電層41におけるX方向の一方側(図7の上側)に配置され、補強電極63は、X方向において接続電極54と接続電極55との間に配置されている。
接続電極54は、X方向に互いに離隔して配置された、複数の電極54aで構成されている。接続電極55は、X方向に互いに離隔して配置された、複数の電極55aで構成されている。補強電極63は、X方向に互いに離隔して配置された、複数の電極63aで構成されている。電極54a,55a,63aは、サイズ及び形状が互いに略同じであり、圧電層41のY方向の一端(図7の左端)及び他端(図7の右端)のそれぞれにおいて、X方向に等間隔で並んでいる。各電極54a,55a,63aのX方向の長さは、上記長さL4以下である。
高電位電極52は、図4に示すように、圧電層42の上面に配置され、Z方向において圧電層41と圧電層42との間に配置されている。
高電位電極52は、図8に示すように、Y方向に延びる2つの幹部521,522と、各幹部521,522から分岐してX方向に延びる複数の枝部523と、X方向に配列されかつ枝部523によって連結された複数の個別部52aと、それぞれ接続電極54(図7参照)とZ方向に重なる重複部524,525とを含む。各個別部52aは、各圧力室10に対応するものであり、各圧力室10のX方向の中央部分とZ方向に重なっている(図5参照)。各幹部521,522は、複数の枝部523を連結している。
圧電層42の、X方向の一端(図8の上端)かつY方向の一方側(図8の左側)に、幹部521が配置され、圧電層42の、X方向の他端(図8の下端)かつY方向の他方側(図8の右側)に、幹部522が配置されている。
幹部521は、圧電層42のX方向の一端(図8の上端)において、圧電層42のY方向の一端(図8の左端)から中央に向かって、Y方向に延びている。幹部522は、圧電層42のX方向の他端(図8の下端)において、圧電層42のY方向の他端(図8の右端)から中央に向かって、Y方向に延びている。
幹部521から、3つの枝部523が、圧電層42のX方向の一端(図8の上端)から他端(図8の下端)に向かって、X方向に延びている。幹部522から、4つの枝部523が、圧電層41のX方向の他端(図8の下端)から一端(図8の上端)に向かって、X方向に延びている。幹部521から枝部523が延びる方向と、幹部522から枝部523が延びる方向とは、互いに逆である。
重複部524は、圧電層42のY方向の一端(図8の左端)において、圧電層42のX方向の一端(図8の上端)から中央に向かって、X方向に延びている。重複部524は、幹部521におけるY方向の一端(図8の左端)に接続し、かつ、幹部521から分岐した複数の枝部523のうち最もY方向の一方(図8の左方)に位置する枝部523に接続している。
重複部525は、圧電層42のY方向の他端(図8の右端)において、圧電層42のX方向の他端(図8の下端)から中央に向かって、X方向に延びている。重複部525は、幹部522におけるY方向の他端(図8の右端)に接続し、かつ、幹部522から分岐した複数の枝部523のうち最もY方向の他方(図8の右方)に位置する枝部523に接続している。
重複部524,525は、それぞれ、圧電層41に形成された貫通孔(図示略)を介して、接続電極54の各電極54a(図7参照)と電気的に接続されている。
圧電層42の上面には、高電位電極52に加え、接続電極56及び補強電極64,65が配置されている。これらのうち、接続電極56は、圧電層41に形成された貫通孔(図示略)を介して、接続電極55(図7参照)と電気的に接続されている。一方、補強電極64,65は、接続電極54,55(図7参照)のいずれとも電気的に接続されず、電位が付与されない。
接続電極56及び補強電極64は、圧電層42のY方向の一端(図8の左端)及び他端(図8の右端)のそれぞれにおいて、重複部524,525と共に、X方向に並んでいる。
圧電層42のY方向の一端(図8の左端)において、接続電極56は、圧電層42におけるX方向の他方側(図8の下側)に配置され、補強電極64は、X方向において重複部524と接続電極56との間に配置されている。
圧電層42のY方向の他端(図8の右端)において、接続電極56は、圧電層42におけるX方向の一方側(図8の上側)に配置され、補強電極64は、X方向において接続電極56と重複部525との間に配置されている。
接続電極56は、X方向に互いに離隔して配置された、複数の電極56aで構成されている。補強電極64は、X方向に互いに離隔して配置された、複数の電極64aで構成されている。電極56a,64aは、サイズ及び形状が互いに略同じであり、圧電層42のY方向の一端(図8の左端)及び他端(図8の右端)のそれぞれにおいて、X方向に等間隔で並んでいる。
補強電極65は、Y方向に互いに離隔して配置された、複数の電極65aで構成されている。電極65aは、圧電層42のX方向の一端(図8の上端)及び他端(図8の下端)のそれぞれにおいて、幹部521,522とY方向に並び、Y方向に等間隔で配置されている。
低電位電極53は、図4に示すように、圧電層43の上面に配置され、Z方向において圧電層42と圧電層43との間に配置されている。
低電位電極53は、図9に示すように、Y方向に延びる2つの幹部531,532と、各幹部531,532から分岐してX方向に延びる複数の枝部533と、X方向に配列されかつ枝部533によって連結された複数の個別部53aと、それぞれ接続電極55(図7参照)とZ方向に重なる重複部534,535とを含む。X方向に配列された複数の個別部53aのうち、X方向の一端及び他端に位置する個別部53aを除き、各個別部53aは、X方向に互いに隣接する2つの圧力室10に跨り、当該2つの圧力室10とZ方向に重なる部分を有する(図5参照)。上記X方向の一端及び他端に位置する個別部53aは、1つの圧力室10とZ方向に重なる部分を有する。各幹部531,532は、複数の枝部533を連結している。
圧電層43の、X方向の一端(図9の上端)かつY方向の他方側(図9の右側)に、幹部531が配置され、圧電層43の、X方向の他端(図9の下端)かつY方向の一方側(図8の右側)に、幹部532が配置されている。
幹部531は、圧電層43のX方向の一端(図9の上端)において、圧電層43のY方向の他端(図9の右端)から中央に向かって、Y方向に延びている。幹部532は、圧電層43のX方向の他端(図9の下端)において、圧電層43のY方向の一端(図9の左端)から中央に向かって、Y方向に延びている。
幹部531から、4つの枝部533が、圧電層43のX方向の一端(図9の上端)から他端(図9の下端)に向かって、X方向に延びている。幹部532から、3つの枝部533が、圧電層43のX方向の他端(図9の下端)から一端(図9の上端)に向かって、X方向に延びている。幹部531から枝部533が延びる方向と、幹部532から枝部533が延びる方向とは、互いに逆である。
なお、幹部531から分岐した複数の枝部533のうち、最もY方向の一方側(図9の左側)に位置する枝部533は、幹部532に接続している。換言すると、幹部531から分岐した4つの枝部533のうち、最もY方向の一方側(図9の左側)に位置する枝部533と、幹部532から分岐した3つの枝部533のうち、最もY方向の他方側(図9の右側)に位置する枝部533とは、同じである。当該枝部533は、X方向の一端が幹部531に接続し、X方向の他端が幹部532に接続している。
重複部534は、圧電層43のY方向の他端(図9の右端)において、圧電層43のX方向の一端(図9の上端)から中央に向かって、X方向に延びている。重複部534は、幹部531におけるY方向の他端(図9の右端)に接続している。
重複部535は、圧電層43のY方向の一端(図9の左端)において、圧電層43のX方向の他端(図9の下端)から中央に向かって、X方向に延びている。重複部535は、幹部532におけるY方向の一端(図9の左端)に接続している。
重複部534,535は、それぞれ、圧電層42に形成された貫通孔(図示略)を介して、接続電極56の各電極56a(図8参照)と電気的に接続されている。接続電極56は、上述のように、圧電層41に形成された貫通孔(図示略)を介して、接続電極55(図7参照)と電気的に接続されている。したがって、重複部534,535は、接続電極56(図8参照)を介して接続電極55(図7参照)と電気的に接続されている。
圧電層43の上面には、低電位電極53に加え、L字電極57,58及び補強電極66が配置されている。これらのうち、L字電極57,58は、それぞれ、圧電層42に形成された貫通孔(図示略)を介して、高電位電極52の重複部524,525(図8参照)と電気的に接続されている。重複部524,525は、上述のように、圧電層41に形成された貫通孔(図示略)を介して、接続電極54(図7参照)と電気的に接続されている。したがって、L字電極57,58は、重複部524,525を介して接続電極54(図7参照)と電気的に接続されている。一方、補強電極66は、接続電極54,55(図7参照)のいずれとも電気的に接続されず、電位が付与されない。
高電位電極52の下方に高電位電極52と電気的に接続されるL字電極57,58を設けたことで、高電位電極52に大電圧が付与された場合に接続電極54(図7参照)に対してY方向に近い個別部52aと遠い個別部52aとの間で起こる電圧降下を抑制することができる。
L字電極57は、圧電層43のX方向の一端(図9の上端)において圧電層43のY方向の一端(図9の左端)から中央に向かってY方向に延びる部分57aと、圧電層43のY方向の一端(図9の左端)において圧電層43のX方向の一端(図9の上端)から中央に向かってX方向に延びる部分57bとを有する。L字電極58は、圧電層43のX方向の他端(図9の下端)において圧電層43のY方向の他端(図9の右端)から中央に向かってY方向に延びる部分58aと、圧電層43のY方向の他端(図9の右端)において圧電層43のX方向の他端(図9の下端)から中央に向かってX方向に延びる部分58bとを有する。
補強電極66は、圧電層43のY方向の一端(図9の左端)及び他端(図9の右端)のそれぞれにおいて、重複部534,535とX方向に並んでいる。
圧電層43のY方向の一端(図9の左端)において、補強電極66は、X方向においてL字電極57の部分57bと重複部535との間に配置されている。圧電層43のY方向の他端(図9の右端)において、補強電極66は、X方向においてL字電極58の部分58bと重複部534との間に配置されている。補強電極66は、X方向に互いに等間隔で離隔して配置された、複数の電極66aで構成されている。
圧電層42の上面(Z方向において圧電層41と圧電層42との間)に配置された、高電位電極52、接続電極56及び補強電極64,65が、第1電極層71を構成する(図8参照)。圧電層43の上面(Z方向において圧電層42の圧電層41と反対側の面)に配置された、低電位電極53、L字電極57,58及び補強電極66が、第2電極層72を構成する(図9参照)。圧電層41の上面(Z方向において圧電層41の圧電層42と反対側の面)に配置された、駆動電極51、ダミー電極59、接続電極54,55、補強電極63、浮き電極61及び寸法測定用パターン62が、第3電極層73を構成する(図7参照)。第1電極層71、第2電極層72及び第3電極層73を構成する各電極のZ方向の厚みは、0.5〜1.5μmである。
高電位が本発明の「第1電位」に該当し、高電位電極52が本発明の「第1電極」に該当する。幹部521,522が本発明の「第1幹部」に該当し、枝部523が本発明の「第1枝部」に該当し、重複部524,525が本発明の「第1重複部」に該当する。
低電位が本発明の「第2電位」に該当し、低電位電極53が本発明の「第2電極」に該当する。幹部531,532が本発明の「第2幹部」に該当し、枝部533が本発明の「第2枝部」に該当し、重複部534,535が本発明の「第2重複部」に該当する。
駆動電極51が本発明の「第3電極」該当し、駆動電極列51Rが本発明の「第3電極列」に該当する。
各浮き電極61(図7参照)は、高電位電極52の幹部521,522(図8参照)及び低電位電極53の幹部531,532(図9参照)のいずれかと、Z方向に重なっている。
接続電極54が本発明の「第1接続電極」に該当し、接続電極55が本発明の「第2接続電極」に該当する。
補強電極63が本発明の「第1補強電極」に該当し、補強電極64が本発明の「第2補強電極」に該当し、補強電極66が本発明の「第3補強電極」に該当する。
<アクチュエータ部>
図5に示すように、圧電層41のうち、Z方向において駆動電極51と高電位電極52の個別部52aとに挟まれた部分を、第1活性部91という。圧電層42,43のうち、Z方向において駆動電極51と低電位電極53の個別部53aとに挟まれた部分を、第2活性部92という。第1活性部91は主に上向きに分極され、第2活性部92は主に下向きに分極されている。圧電アクチュエータ22は、圧力室10毎に、1つの第1活性部91と、X方向に第1活性部91を挟む2つの第2活性部92とから構成される、アクチュエータ部90を有する。
ここで、図6を参照し、あるノズル15からインクを吐出させる際の、当該ノズル15に対応するアクチュエータ部90の動作について説明する。
プリンタ1が記録動作を開始する前は、図6(a)に示すように、各駆動電極51に低電位(GND電位)が付与されている。このとき、駆動電極51と高電位電極52との電位差によって、第1活性部91にその分極方向に等しい上向きの電界が生じ、第1活性部91が面方向(X方向及びY方向に沿った方向)に収縮している。これにより、圧電層41〜43及びインク分離層44からなる積層体における圧力室10とZ方向に重なる部分が、圧力室10に向かって(下向きに)凸となるように撓んでいる。このとき圧力室10は、上記積層体がフラットな場合と比べ、容積が小さくなっている。
プリンタ1が記録動作を開始し、あるノズル15からインクが吐出させる際には、先ず、図6(b)に示すように、当該ノズル15に対応する駆動電極51の電位が低電位(GND電位)から高電位(VDD電位)に切り替えられる。このとき、駆動電極51と高電位電極52との電位差がなくなることで、第1活性部91の収縮が解消される。一方、駆動電極51と低電位電極53との電位差が生じることで、第2活性部92にその分極方向に等しい下向きの電界が生じ、第2活性部92が面方向に収縮する。ただし、第2活性部92は、クロストーク(ある圧力室10におけるアクチュエータ部90の変形に伴う圧力変動が、当該圧力室10にX方向に隣接する別の圧力室10に伝わる現象)を抑制する機能を有するものであり、アクチュエータ部90の変形にほとんど寄与しない。つまり、このとき上記積層体は、圧力室10とZ方向に重なる部分が圧力室10から離れる方向に(上向きに)凸となるように撓まず、フラットな状態となる。これにより、圧力室10の容積は、図6(a)に比べて大きくなる。
その後、図6(a)に示すように、当該ノズル15に対応する駆動電極51の電位が高電位(VDD電位)から低電位(GND電位)に切り替えられる。このとき、駆動電極51と低電位電極53との電位差がなくなることで、第2活性部92の収縮が解消される。一方、駆動電極51と高電位電極52との電位差が生じることで、第1活性部91にその分極方向に等しい上向きの電界が生じ、第1活性部91が面方向に収縮する。これにより、上記積層体における圧力室10とZ方向に重なる部分が、圧力室10に向かって(下向きに)凸となるように撓む。このとき、圧力室10の容積が大きく減少することで、圧力室10内のインクに大きな圧力が付与され、ノズル15からインクが吐出される。
以上に述べたように、本実施形態によれば、第3電極層73は、圧電層41のX方向(圧電アクチュエータ22の長手方向)の端部に配置された、電位が付与されない浮き電極61を含む(図7参照)。浮き電極61のY方向の長さL1は、長さL2(Y方向に互いに隣接する2つの駆動電極列51Rを含む領域のY方向の長さ)以上である。第3電極層73が設けられた面は、中立面(圧電アクチュエータ22内で引張も圧縮も生じない面)に対してZ方向の一方(上方)にある。当該面に、Y方向に比較的長い浮き電極61を配置し、浮き電極61によりY方向の熱収縮を生じさせることで、圧電アクチュエータ22のX方向の端部が、Z方向の一方(上方)に反る構成となる。この場合、電極層71〜73の熱収縮による反りをX方向の端部に集中させることで、当該端部以外にある駆動電極51の配置領域の反りを抑制でき、ひいては、反りによる複数のアクチュエータ部90における変形特性のばらつきを抑制できる。
また、圧電層41〜43を互いに接着する接着剤が、圧電層41〜43の縁からはみ出て圧電層41の上面に流れ込み、駆動電極51に付着することが考えられる。この点、本実施形態では、圧電層41のX方向の端部から侵入した接着剤を、浮き電極61により堰き止めることができ、接着剤が駆動電極51に付着する問題を抑制できる。
また、圧電層41のX方向の端部に、電位が付与される電極を配置すると、位置ズレにより電極が圧電層41からはみ出た場合に、圧電層42,43上に配置された電極層71,72を構成する電極と接触し、短絡が生じることが考えられる。この点、本実施形態では、浮き電極61は電位が付与されない電極であり、位置ズレにより浮き電極61が圧電層41からはみ出た場合でも、上記のような短絡が生じない。
圧電層のX方向の端部において、複数の浮き電極61が、Y方向に互いに離隔して配置されている(図7参照)。浮き電極61がY方向に長すぎると、Y方向の反りが生じ易くなる。これに対し、本実施形態では、Y方向に長い1つの浮き電極61が配置されるのではなく、複数の浮き電極61がY方向に互いに離隔して配置されているため、各浮き電極61がY方向に長くなりすぎず、Y方向の反りが生じ難い。
浮き電極61と、複数の駆動電極51のうちX方向に当該浮き電極61の最も近くに位置する駆動電極51との、X方向の間隔Dは、長さL4(X方向に互いに隣接する2つの駆動電極51を含む領域のX方向の長さ)以上である(図7参照)。間隔Dが小さいと、浮き電極61により生じる反りが駆動電極51の配置領域に影響し、アクチュエータ部90の変形特性が、反りがない場合に比べて変化し得る。これに対し、本実施形態では、間隔Dがある程度長いため、上記問題を抑制できる。
浮き電極61は、Y方向の長さがX方向の長さよりも長い、矩形状である(図7参照)。この場合、浮き電極61の形状が簡素であるため電極形成が容易であると共に、浮き電極61のX方向の長さが短いため圧電アクチュエータ22のX方向の小型化を実現できる。
寸法測定用パターン62は、浮き電極61とY方向に重なっている(図7参照)。寸法測定用パターン62が浮き電極61とY方向に重ならない場合、圧電アクチュエータ22がX方向に大型化し得る。これに対し、本実施形態では、寸法測定用パターン62が浮き電極61とY方向に重なっているため、圧電アクチュエータ22のX方向の大型化を抑制できる。
複数の寸法測定用パターン62の少なくとも1つ(図7においてY方向の中央の寸法測定用パターン62)が、Y方向において複数の浮き電極61の間に配置されている。このように浮き電極61及び寸法測定用パターン62を配置することで、Y方向のスペースの有効化、圧電アクチュエータ22のY方向の小型化を実現できる。
浮き電極61が、Y方向において複数の寸法測定用パターン62の間に配置されている(図7参照)。このように浮き電極61及び寸法測定用パターン62を配置することで、Y方向のスペースの有効化、圧電アクチュエータ22のY方向の小型化を実現できる。
浮き電極61(図7参照)は、高電位電極52の幹部521,522(図8参照)及び低電位電極53の幹部531,532(図9参照)のいずれかと、Z方向に重なっている。このように、浮き電極61専用のスペースを設けるのではなく、幹部521,522,531,532の配置に必要なスペースに浮き電極61を設けたことで、圧電アクチュエータ22の大型化を回避できる。
接続電極54,55は、それぞれ、X方向に互いに離隔して配置された、複数の電極54a,55aで構成されている(図7参照)。接続電極54,55がそれぞれX方向に長い1つの電極で構成された場合、圧電アクチュエータ22のY方向の端部に反りが生じ、駆動電極51の配置領域に、当該反りの影響が生じ得る。これに対し、本実施形態では、接続電極54,55がそれぞれX方向に互いに離隔して配置された複数の電極54a,55aで構成されているため、上記問題を抑制できる。
接続電極54,55を構成する各電極54a,55aのX方向の長さは、長さL4(X方向に互いに隣接する2つの駆動電極51を含む領域のX方向の長さ)以下である(図7参照)。各電極54a,55aがX方向に長すぎると、圧電アクチュエータ22のY方向の端部に反りが生じ易くなる。これに対し、本実施形態では、各電極54a,55aがX方向にある程度短いことで、上記問題を抑制できる。
第3電極層73は、圧電層41におけるY方向の端部において、X方向において接続電極54と接続電極55との間に配置された、補強電極63をさらに含む(図7参照)。補強電極63がない場合、COFと圧電アクチュエータ22との接合時に、圧電層41におけるY方向の端部において、接続電極54,55が設けられたX方向の一方側及び他方側に外力が作用し、X方向の中央部分が曲げ応力によって破損し得る。これに対し、本実施形態では、COFと圧電アクチュエータ22との接合時に、圧電層41におけるY方向の端部において、接続電極54,55が設けられたX方向の一方側及び他方側だけでなく、補強電極63が設けられたX方向の中央にも外力が作用する。これにより、X方向の中央部分に曲げ応力が集中せず、当該部分の破損を抑制できる。
補強電極63は、X方向に互いに離隔して配置された、複数の電極63aで構成されている。補強電極63がX方向に長い1つの電極で構成された場合、X方向の反りが生じ易くなる。これに対し、本実施形態では、補強電極63がX方向に互いに離隔して配置された複数の電極63aで構成されているため、上記問題を抑制できる。
第1電極層71は、圧電層42におけるY方向の端部において、X方向に重複部524,525と並ぶ、複数の電極64aで構成される補強電極64をさらに含む(図8参照)。当該補強電極64を設けたことで、圧電アクチュエータ22のY方向の端部に反りが生じるのを抑制できる。また、COFと圧電アクチュエータ22との接合時に作用する外力を分散でき、圧電アクチュエータ22の破損を抑制できる。
第2電極層72は、圧電層43(圧電層42の下面)におけるY方向の端部において、X方向に重複部534,535と並ぶ、複数の電極66aで構成される補強電極66をさらに含む(図9参照)。当該補強電極66を設けたことで、圧電アクチュエータ22のY方向の端部に反りが生じるのを抑制できる。また、COFと圧電アクチュエータ22との接合時に作用する外力を分散でき、圧電アクチュエータ22の破損を抑制できる。
圧電層41,42は、それぞれ、Z方向の厚みが15μm以下である。この場合、アクチュエータ部90の変形効率を高めるのに有効である。また、圧電層41,42の厚みが15μm以下と小さいと、圧電層41,42の厚みに対する電極層71〜73の厚みの比率が大きくなり、圧電アクチュエータ22に反りが生じ易くなり得るが、本実施形態では当該問題を抑制できる。
第1電極層71、第2電極層72及び第3電極層73は、それぞれ、Z方向の厚みが0.5〜1.5μmである。電極層71〜73の厚みが0.5μm未満であると、電流が流れ難く、電位を適切に付与できない問題が生じ得る。また、電極層71〜73の厚みが1.5μmを超えると、剛性が高くなり、アクチュエータ部90の変形が阻害され得る。本実施形態では、これらの問題を抑制できる。
圧電層41におけるX方向の両端に、浮き電極61が設けられている(図7参照)。圧電アクチュエータ22のX方向の一端のみでなく両端に反りを生じさせることで、これら両端の間にある駆動電極51の配置領域の平坦性が向上し、複数のアクチュエータ部90における変形特性のばらつきをより確実に抑制できる。
<第2実施形態>
続いて、図10を参照し、本発明の第2実施形態に係る圧電アクチュエータ222について説明する。
本実施形態に係る圧電アクチュエータ222は、浮き電極の形状が、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ22と異なる。具体的には、第1実施形態(図7)では、浮き電極61がY方向に長い矩形状であるが、第2実施形態(図10)では、浮き電極261がX方向の長さが異なる2つの矩形状の部分261a,261bを結合した形状を有する。
第1部分261aのX方向の長さは、第1実施形態の浮き電極61のX方向の長さと略同じである。第2部分261bのX方向の長さは、第1部分261aのX方向の長さよりも長い。第1部分261aは、1つの駆動電極列51Rに属する駆動電極51と、X方向に重なっている。第2部分261bは、別の1つの駆動電極列51R(第1部分261aに対応する駆動電極列とY方向に隣接する駆動電極列)に属する駆動電極51と、X方向に重なっている。
圧電層41のX方向の一端(図10の上端)に配置された各浮き電極261において、第1部分261aに対応する駆動電極列51Rを「第1列R1」、第2部分261bに対応する駆動電極列51Rを「第2列R2」と称す。当該各浮き電極261は、列R1,R2に属する複数の駆動電極51に対し、X方向の一方(図10の上方)に位置する。第1列R1は、第2列R2に対し、X方向の一方(図10の上方)にずれて配置されている。第1列R1に属する複数の駆動電極51のうち、X方向に浮き電極261の最も近くに位置する駆動電極51(最近接電極E1)は、第2列R2に属する複数の駆動電極51のうち、X方向に浮き電極261の最も近くに位置する駆動電極51(最近接電極E2)に対し、X方向の一方(図10の上方)に位置する。第1部分261aと第1列R1の最近接電極E1とのX方向の間隔Dと、第2部分261bと第2列R2の最近接電極E2とのX方向の間隔Dとは、互いに同じである。当該間隔Dは、第1実施形態と同様、長さL4(X方向に互いに隣接する2つの駆動電極51を含む領域のX方向の長さ)以上である。
圧電層41のX方向の他端(図10の下端)に配置された各浮き電極261は、駆動電極51との間隔Dが上記と同様となるよう、圧電層41のX方向の一端(図10の上端)に配置された浮き電極261と、圧電層41の原点対称(XY平面の中心に対して対称)に配置されている。
以上に述べたように、本実施形態によれば、浮き電極261の少なくとも一部(第2部分261b)においてX方向の長さを長くすることで、圧電アクチュエータ222のX方向の端部を、Z方向の一方(上方)により反らせることができる。したがって、電極層71〜73の熱収縮による反りをX方向の端部により一層集中させることで、当該端部以外にある駆動電極51の配置領域の反りをより確実に抑制でき、ひいては、反りによる複数のアクチュエータ部90における変形特性のばらつきをより一層抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
浮き電極の形状は、矩形状(図7参照)等に限定されず、例えば台形状、楕円状等であってもよい。例えば、第2実施形態(図10)において、浮き電極261は、第1部分261aから第2部分261bに向かってX方向の長さが漸進的に大きくなるような台形状であってもよい。
浮き電極と駆動電極との間隔D(図7参照)は、複数の浮き電極において互いに異なってもよい。また、第2実施形態(図10)において、浮き電極261の第1部分261aと第2部分261bとにおいて、間隔Dが互いに異なってもよい。
圧電層41のX方向の両端ではなく一端(図7の上端)又は他端(図7の下端)のみに、浮き電極61を設けてもよい。
複数の浮き電極61をY方向に互いに離隔して配置するのではなく、Y方向に長い1つの浮き電極61を配置してもよい。
寸法測定用パターン62(図7参照)の数や配置を任意に変更してもよい。また、寸法測定用パターン62を省略してもよい。
接続電極54,55や補強電極63〜66を、X方向に長い1つの電極で構成してもよい。また、補強電極63〜66を省略してもよい。
上述の実施形態(図8参照)では、高電位電極52が2つの幹部521,522を有し、各幹部521,522から枝部523が延びているが、これに限定されない。例えば、高電位電極52が1つの幹部を有し、当該幹部から複数の枝部が延びてもよい。或いは、高電位電極52が3つ以上の幹部を有し、各幹部から複数の枝部が延びてもよい。
上述の実施形態(図9参照)では、低電位電極53が2つの幹部531,532を有し、各幹部531,532から枝部533が延びているが、これに限定されない。例えば、低電位電極53が1つの幹部を有し、当該幹部から複数の枝部が延びてもよい。或いは、低電位電極53が3つ以上の幹部を有し、各幹部から複数の枝部が延びてもよい。
また、複数の幹部がある場合において、各幹部から枝部が延びる方向は、当該幹部にY方向に隣接する幹部から枝部が延びる方向と、逆であることに限定されず、同じであってもよい。
圧電アクチュエータを構成する圧電層の数は、上述の実施形態では3つであるが、2以上であればよい。
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。また、本発明は、画像の記録以外の用途で使用される液体吐出装置(例えば、基板に導電性の液体を吐出して導電パターンを形成する液体吐出装置)にも適用可能である。さらに、本発明に係る圧電アクチュエータは、液体吐出装置以外の任意の装置に適用可能である。
22;222 圧電アクチュエータ
41 圧電層(第1圧電層)
42 圧電層(第2圧電層)
51 駆動電極(第3電極)
51R 駆動電極列(第3電極列)
52 高電位電極(第1電極)
521,522 幹部(第1幹部)
523 枝部(第1枝部)
524,525 重複部(第1重複部)
53 低電位電極(第2電極)
531,532 幹部(第2幹部)
533 枝部(第2枝部)
534,535 重複部(第2重複部)
54 接続電極(第1接続電極)
55 接続電極(第2接続電極)
54a,55a 電極
61 浮き電極
62 寸法測定用パターン
63 補強電極(第1補強電極)
63a 電極
64 補強電極(第2補強電極)
66 補強電極(第3補強電極)
71 第1電極層
72 第2電極層
73 第3電極層
261 浮き電極
261a 第1部分
261b 第2部分
E1,E2 最近接電極
R1 第1列
R2 第2列

Claims (19)

  1. 第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層の前記第1圧電層と反対側の面に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、
    前記第1電極層は、第1電位に保持される第1電極を含み、
    前記第2電極層は、前記第1電位と異なる第2電位に保持される第2電極を含み、
    前記第3電極層は、それぞれ前記第1電位及び前記第2電位のいずれかが選択的に付与される複数の第3電極を含み、
    前記圧電アクチュエータは、前記第1方向と直交する第2方向の長さが、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向の長さよりも長く、
    前記複数の第3電極は、前記第1圧電層における前記第2方向の端部を除く領域において、前記第2方向に配列され、かつ、前記第3方向に並ぶ複数の第3電極列を構成し、
    前記第3電極層は、前記第1圧電層の前記端部に配置され、かつ、前記第3方向の長さが、前記複数の第3電極列のうちの前記第3方向に互いに隣接する2つを含む領域の前記第3方向の長さ以上である、電位が付与されない浮き電極をさらに含むことを特徴とする、圧電アクチュエータ。
  2. 前記第1圧電層の前記端部において、複数の前記浮き電極が、前記第3方向に互いに離隔して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記浮き電極と、前記複数の第3電極のうち前記第2方向に前記浮き電極の最も近くに位置する第3電極との、前記第2方向の間隔は、前記複数の第3電極のうちの前記第2方向に互いに隣接する2つを含む領域の前記第2方向の長さ以上であることを特徴とする、請求項1項に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記浮き電極は、前記第3方向の長さが前記第2方向の長さよりも長い、矩形状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記複数の第3電極列は、第1列と、前記第1列と前記第3方向に隣接する第2列と、を含み、
    前記浮き電極は、前記第1列に属する前記複数の第3電極、及び、前記第2列に属する前記複数の第3電極に対し、前記第2方向の一方に位置し、
    前記第1列に属する前記複数の第3電極のうち、前記第2方向に前記浮き電極の最も近くに位置する最近接電極は、前記第2列に属する前記複数の第3電極のうち、前記第2方向に前記浮き電極の最も近くに位置する最近接電極に対し、前記第2方向の一方に位置し、
    前記浮き電極は、前記第1列の前記最近接電極と前記第2方向に重なる第1部分と、前記第2列の前記最近接電極と前記第2方向に重なる第2部分であって、前記第1部分よりも前記第2方向の長さが長い第2部分と、を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記第3電極層は、前記第1圧電層の前記端部に配置された、複数の寸法測定用パターンをさらに含み、
    前記複数の寸法測定用パターンは、前記浮き電極と前記第3方向に重なっていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  7. 前記複数の寸法測定用パターンの少なくとも1つが、前記第3方向において複数の前記浮き電極の間に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の圧電アクチュエータ。
  8. 前記浮き電極が、前記第3方向において前記複数の寸法測定用パターンの間に配置されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載の圧電アクチュエータ。
  9. 前記第1電極は、前記第2圧電層における前記第2方向の端部において前記第3方向に延びる第1幹部と、前記第1幹部から分岐し、前記第2方向に延びる複数の第1枝部と、を含み、
    前記浮き電極は、前記第1幹部と前記第1方向に重なっていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  10. 前記第2電極は、前記第2圧電層における前記第2方向の端部において前記第3方向に延びる第2幹部と、前記第2幹部から分岐し、前記第2方向に延びる複数の第2枝部と、を含み、
    前記浮き電極は、前記第2幹部と前記第1方向に重なっていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  11. 前記第3電極層は、前記第1圧電層における前記第3方向の端部であって、前記複数の第3電極の配置領域外に配置された、前記第1電極及び前記第2電極のいずれかと電気的に接続される接続電極をさらに含み、
    前記接続電極は、前記第2方向に互いに離隔して配置された、複数の電極で構成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  12. 前記接続電極を構成する前記複数の電極それぞれの前記第2方向の長さは、前記複数の第3電極のうちの前記第2方向に互いに隣接する2つを含む領域の前記第2方向の長さ以下であることを特徴とする、請求項11に記載の圧電アクチュエータ。
  13. 前記接続電極は、前記第1電極及び前記第2電極の一方と電気的に接続される第1接続電極と、前記第1電極及び前記第2電極の他方と電気的に接続される第2接続電極とを含み、
    前記第1接続電極は、前記第1圧電層における前記第2方向の一方側に配置され、
    前記第2接続電極は、前記第1圧電層における前記第2方向の他方側に配置され、
    前記第3電極層は、前記第1圧電層における前記第3方向の端部において、前記第2方向において前記第1接続電極と前記第2接続電極との間に配置された、第1補強電極をさらに含むことを特徴とする、請求項11又は12に記載の圧電アクチュエータ。
  14. 前記第1補強電極は、前記第2方向に互いに離隔して配置された、複数の電極で構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の圧電アクチュエータ。
  15. 前記第1電極は、前記接続電極と電気的に接続されかつ前記接続電極と前記第1方向に重なる第1重複部を含み、
    前記第1電極層は、前記第2圧電層における前記第3方向の端部において、前記第2方向に前記第1重複部と並ぶ、複数の電極で構成される第2補強電極をさらに含むことを特徴とする、請求項11〜14のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  16. 前記第2電極は、前記接続電極と電気的に接続されかつ前記接続電極と前記第1方向に重なる第2重複部を含み、
    前記第2電極層は、前記第2圧電層における前記第3方向の端部において、前記第2方向に前記第2重複部と並ぶ、複数の電極で構成される第3補強電極をさらに含むことを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  17. 前記第1圧電層及び前記第2圧電層は、それぞれ、前記第1方向の厚みが15μm以下であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  18. 前記第1電極層、前記第2電極層及び前記第3電極層は、それぞれ、前記第1方向の厚みが0.5〜1.5μmであることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
  19. 前記第1圧電層における前記第2方向の両端に、前記浮き電極が設けられていることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
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