JP2022090339A - 圧電アクチュエータ - Google Patents

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安朗 加藤
Yasuro Kato
貴司 相羽
Takashi Aiba
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Abstract

【課題】圧電アクチュエータにおいて、圧電層の表面に配置される電極の、配線部材との接続を行うための接続部を、当該電極の他の部分よりも突出したものとしつつも、圧電層の焼成時の反りを抑える。【解決手段】振動板41、第2圧電層42及び第1圧電層43がZ方向に積層されている。第1圧電層43の上面に、圧力室10とZ方向に重なる主部51aと、主部51aからY方向に突出した、COF87との接続を行うための接続部51bとを有する。振動板41の上面に配置された低電位電極53は、その全体にわたって延びた第1部分81と、第1部分81の上面の接続部51bとZ方向に重なる部分に配置された第2部分82とを有する。第1部分81と第2部分82とが重なることで形成される凸部80が設けられていることで、第1圧電層43の上面は、接続部51bとZ方向に重なる部分が、主部51aとZ方向に重なる部分よりも上方に位置している。【選択図】図7

Description

本発明は、圧電アクチュエータに関する。
圧電アクチュエータの一例として、特許文献1には、液体吐出ヘッドにおいてノズルに連通する圧力室内の液体に圧力を付与してノズルから液体を吐出させる圧電アクチュエータが記載されている。特許文献1に記載の圧電アクチュエータでは、最も上側の圧電層の上面の圧力室と重なる部分に、個別電極が配置されている。個別電極は、圧力室と重ならない位置まで延び、その先端部に、個別電極の他の部分よりも厚みの大きいランドが設けられている。これにより、ランドが個別電極の他の部分よりも上方に突出している。また、個別電極が配置された圧電層の上面に、圧電層、及び、個別電極のランド以外の部分を覆う低誘電層が配置されている。ランドは、低誘電層から露出している。また、ランドの上面には、バンプが形成されている。そして、ランドはバンプを介してFPCの端子と接続されている。
特開2012-25089号公報
ここで、特許文献1では、上述したように、ランドが個別電極の他の部分よりも上方に突出しているため、低誘電層を、圧電層、及び、個別電極のランドが設けられた部分以外の部分を覆うものとし、ランドを低誘電層から露出させることができる。
一方で、特許文献1では、最も上側の圧電層の上面が、圧電アクチュエータの中立面よりも上方に位置する。そのため、この面に厚みの大きいランドを有する個別電極が配置されていると、圧電アクチュエータを製造するときの圧電層の焼成時に、個別電極と圧電層との線膨張係数の差によって、圧電アクチュエータに生じる反りが大きくなってしまう。
本発明の目的は、圧電層の表面に配置される電極の、配線部材との接続を行うための接続部を、当該電極の他の部分よりも突出したものとしつつも、圧電層の焼成時の反りを抑えることが可能な圧電アクチュエータを提供することである。
本発明の圧電アクチュエータは、第1圧電層を含む複数の層が積層された積層体と、前記複数の層の積層方向における、前記第1圧電層の一方側の面に配置され、前記積層方向の長さが一定の第1電極と、前記第1電極が配置された前記第1圧電層の前記一方側の面に配置され、前記第1圧電層及び前記第1電極を覆う保護膜と、を備え、前記第1電極は、配線部材との接続を行うための接続部、を有し、前記複数の層のうち前記第1圧電層よりも前記積層方向における他方側に位置するいずれかの層の、前記接続部と前記積層方向に重なる部分に、前記積層方向の前記一方側に突出した凸部が設けられていることによって、前記第1圧電層の前記積層方向における前記一方側の面の、前記接続部と前記積層方向に重なる部分が、前記第1電極の前記接続部以外の部分と前記積層方向に重なる部分よりも、前記積層方向の前記一方側に位置し、前記接続部の少なくとも一部分が、前記保護膜から露出している。
本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータを含むプリンタ1の全体構成図である。 図1のヘッド3の平面図である。 第1圧電層43の上面を示す平面図である。 第2圧電層42の上面を示す平面図である。 振動板42の上面を示す平面図である。 図5のVI部拡大図である。 ヘッド3の図6のVII-VII線での断面図である。 アクチュエータ部90を説明するための図である。 変形例1の図6に対応する平面図である。 変形例2の第2圧電層42の上面を示す平面図である。 変形例2の振動板41の上面を示す断面図である。 図11のXII部拡大図である。 変形例2のヘッドの、図12のXIII-XIII線での断面図である。 変形例3の第2圧電層42の上面を示す平面図である。 変形例3の振動板41の上面を示す平面図である。図5に対応する平面図である。 図15のXVI部拡大図である。 変形例3のヘッドの、図16のXVII-XVII線での断面図である。 変形例4のヘッド200の平面図である。 変形例4の図7に対応する断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、X方向及びY方向は、Z方向と直交し、X方向とY方向とは直交する。例えば、Z方向は鉛直方向であり、X方向及びY方向は水平方向である。なお、Z方向が本発明の「積層方向」に該当し、Z方向における上側が本発明の「積層方向の一方側」に該当し、Z方向における下側が本発明の「積層方向の他方側」に該当する。
<プリンタ1の全体構成>
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1は、キャリッジ2と、ヘッド3と、2つの搬送ローラ対4とを備えている。
キャリッジ2は、Y方向に延びる2本のガイドレール5に支持され、ガイドレール5に沿ってY方向に移動可能である。
ヘッド3は、シリアル式のものであって、キャリッジ2に搭載され、キャリッジ2と共にY方向に移動可能である。ヘッド3の下面には、複数のノズル15(図7参照)が形成されている。
2つの搬送ローラ対4は、X方向にキャリッジ2を挟んで配置されている。搬送ローラ対4が用紙Pを挟持した状態で回転することで、用紙PがX方向に沿った搬送方向に搬送される。
プリンタ1の制御部(図示略)は、ヘッド3を搭載するキャリッジ2をY方向に移動させながらノズル15からインクを吐出させる吐出動作と、搬送ローラ対4によって用紙Pを搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。これにより、用紙Pに画像が記録される。
<ヘッド3の構成>
図2に示すように、ヘッド3は、流路ユニット21と、圧電アクチュエータ22とを有する。
<流路ユニット21>
図2~図7に示すように、流路ユニット21は、Z方向に積層された4枚のプレート31~34で構成されている。なお、図6では、個別電極51の位置を二点鎖線で示している。
プレート31には、複数の圧力室10が形成されている。プレート32には、圧力室10毎に、連通路12,13が形成されている。連通路12,13は、それぞれ、対応する圧力室10のY方向の一端部及び他端部とZ方向に重なっている。プレート33には、連通路13毎に、連通路14が形成されている。連通路14は、対応する連通路13とZ方向に重なっている。プレート33には、さらに、12本のマニホールド流路11が形成されている。マニホールド流路11は、X方向に配列された圧力室10の列10R毎に設けられている。各マニホールド流路11は、X方向に延び、対応する列10Rに属する複数の圧力室10と連通路12を介して連通している。プレート34には、複数のノズル15が形成されている。各ノズル15は、連通路14とZ方向に重なっている。
プレート31の上面において、圧電アクチュエータ22が配置されない領域に、4つのインク供給口8が形成されている。各インク供給口8は、チューブ(図示略)などを介してインクカートリッジ(図示略)と連通し、かつ、3本のマニホールド流路11と連通している。インクカートリッジから各インク供給口8に供給されたインクは、3本のマニホールド流路11に供給される。各マニホールド流路11から、各列10Rに属する複数の圧力室10に、連通路12を介してインクが供給される。
<圧電アクチュエータ22>
図2~図7に示すように、圧電アクチュエータ22は、流路ユニット21の上面に配置されている。圧電アクチュエータ22は、それぞれZ方向を厚み方向としてZ方向に積層された振動板41、第2圧電層42及び第1圧電層43と、複数の個別電極51(本発明の「第1電極」)と、高電位電極52(本発明の「第3電極」)と、低電位電極53(本発明の「第2電極」)とを有する。なお、本実施形態では、振動板41、第2圧電層42及び第1圧電層43が、それぞれ、本発明の「層」に相当し、振動板41と第2圧電層42と第1圧電層43との積層体が、本発明の「積層体」に相当する。
振動板41は、流路ユニット21(プレート31)の上面に配置されている。第2圧電層42は、振動板41の上面に配置されている。第1圧電層43は、第2圧電層42の上面に配置されている。
振動板41、第2圧電層42及び第1圧電層43は、チタン酸とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電材料からなる。ただし、振動板41は、圧電材料以外の絶縁材料からなるものであってもよい。また、振動板41、第2圧電層42及び第1圧電層43は、厚み(Z方向の長さ)が例えば10~30μm程度である。
図3に示すように、複数の個別電極51は、第1圧電層43の上面に、圧力室10のそれぞれに対応して配置されている。各個別電極51は、主部51aと、接続部51bとを有する。主部51aは、対応する圧力室10の略全域とZ方向に重なっている。接続部51bは、主部51aからY方向に突出し、対応する圧力室10とZ方向に重なっていない。接続部51bは、後述するように、COF(Chip On Film)87(本発明の「配線部材」)との接続を行うための部分である。COF87に実装されたドライバIC(図示略)は、制御部の制御により、COF87の配線を介して各個別電極51に対して個別に、高電位(VDD電位)及び低電位(GND電位)のいずれかを選択的に付与する。また、個別電極51の厚みは、ほぼ一定であり、例えば1~2μm程度である。
図3に示すように、複数の個別電極51は、第1圧電層43の上面の、第1圧電層43におけるX方向の両端部及びY方向の両端部を除く領域において、X方向に配列されており、圧力室10の列10R(図2参照)のそれぞれに対応する、12個の個別電極列51Rを形成している。12個の個別電極列51Rは、Y方向に並んでいる。
各個別電極列51Rに対し、X方向の一方側(図3の上側)及び他方側(図3の下側)のそれぞれに、ダミー電極59が設けられている。ダミー電極59は、対応する個別電極列51Rに属する個別電極51と、サイズ及び形状が同じであり、当該個別電極51と共にX方向に等間隔で並んでいる。ダミー電極59は、COF87と電気的に接続されず、電位が付与されない。ダミー電極59を設けることで、X方向に沿ったスクリーン印刷による電極形成時に、X方向の端部にあるダミー電極59の厚みが小さくなった場合でも、個別電極51の厚みには影響が出ず、個別電極51を適切に形成できる。また、各個別電極列51RにおいてX方向の中央にある個別電極51とX方向の端部にある個別電極51とにおける電極形成による収縮量の差を抑制でき、ひいては各個別電極列51Rに対応する複数のノズル15からの吐出量のばらつきを抑制できる。
第1圧電層43の上面には、個別電極51及びダミー電極59に加え、第1表面電極54a、54b、第2表面電極55a、55b、及び、複数の非導通電極63が配置されている。
図3に示すように、第1表面電極54aは、第1圧電層43の上面のY方向における一端部(図3の左端部)の領域のうち、X方向における他端部(図3の左下端部)に配置されている。第1表面電極54bは、第1圧電層43の上面のY方向における他端部(図3の右端部)の領域のうち、X方向における一端部(図3の右上端部)に配置されている。第1表面電極54a、54bは、X方向に延びている。
第2表面電極55aは、第1圧電層43の上面のY方向における一端部(図3の左端部)の領域のうち、X方向における一端部(図3の左上端部)に配置されている。第2表面電極55bは、第1圧電層43の上面のY方向における他端部(図3の右端部)の領域のうち、X方向における他端部(図3の右下端部)に配置されている。第2表面電極55a、55bは、X方向に延びている。
また、第1表面電極54aと第2表面電極55aとは、Y方向の位置が同じである。そして、第1表面電極54aと第2表面電極55aとは、X方向に間隔をあけて配置されている。また、第1表面電極54bと第2表面電極55bとは、Y方向の位置が同じである。そして、第1表面電極54bと第2表面電極55bとは、X方向に間隔をあけて配置されている。
図3に示すように、複数の非導通電極63は、第1表面電極54aと第2表面電極55aとの間、及び、第1表面電極54bと第2表面電極55bとの間にそれぞれ配置され、X方向に並んでいる。
第1表面電極54a,54b及び第2表面電極55a,55bは、COF87と電気的に接続されている。ドライバIC(図示略)は、制御部の制御により、COF87の配線を介して、第1表面電極54a,54bに高電位(VDD電位)を付与し、かつ、第2表面電極55a,55bに低電位(GND電位)を付与する。一方、非導通電極63は、COF87と電気的に接続されていない。また、非導通電極63は、個別電極51、高電位電極52及び低電位電極53のいずれとも導通しておらず、電位が付与されない。
また、第1表面電極54a,54b、第2表面電極55a,55b、及び、非導通電極63の厚みは、個別電極51と同様、例えば、1~2μm程度である。
図4、図7に示すように、高電位電極52は、第2圧電層42の上面に配置されている。高電位電極52は厚みがほぼ一定であり、例えば1~2μm程度である。また、高電位電極52は、Y方向に延びる2つの幹部521,522と、各幹部521,522から分岐してX方向に延びる7つの枝部523と、X方向に配列されかつ枝部523によって連結された複数の個別部52aと、第2表面電極55a,55bとZ方向に重なる接続部524,525とを含む。各個別部52aは、各圧力室10に対応するものであり、各圧力室10のX方向の中央部分とZ方向に重なっている。各幹部521,522は、複数の枝部523を連結している。
第2圧電層42の、X方向における一端部(図4の上端部)の、Y方向における他方側(図4の右側)の部分に、幹部521が配置され、第2圧電層42の、X方向における他端部(図4の下端部)の、Y方向における一方側(図4の左側)の部分に、幹部522が配置されている。幹部521,522は、Y方向に延びている。
幹部521から、4つの枝部523が、第2圧電層42のX方向の一端(図4の上端)から他端(図4の下端)に向かって、X方向に延びている。幹部522から、3つの枝部523が、第2圧電層42のX方向の他端(図4の下端)から一端(図4の上端)に向かって、X方向に延びている。各幹部521,522から分岐した枝部523が、Y方向に並んでいる。
Y方向の最も一方側(図4の左側)の枝部523は、Y方向の最も一方側の個別電極列51Rに対応する複数の個別部52aと接続されている。Y方向の最も他方側(図4の右側)の枝部523は、Y方向の最も他方側の個別電極列51Rに対応する複数の個別部52aと接続されている。Y方向の一方側から数えて2~6番目の枝部523は、それぞれ、Y方向の一方側から数えて2,3番目、4,5番目、6,7番目、8,9番目及び10,11番目の個別電極列51Rに対応する複数の個別部52aと接続されている。
接続部524は、X方向に延び、第2表面電極54bとZ方向に重なっている。また、接続部524は、幹部521におけるY方向の他端(図4の右端)に接続し、かつ、幹部521から分岐した複数の枝部523のうち最もY方向の他方(図4の右方)に位置する枝部523に接続している。
接続部525は、X方向に延び、第2表面電極54aとZ方向に重なっている。また、接続部524は、幹部522におけるY方向の一端(図4の左端)に接続し、かつ、幹部522から分岐した複数の枝部523のうち最もY方向の一方(図4の左方)に位置する枝部523に接続している。
接続部524,525は、それぞれ、第1圧電層43に形成された貫通孔43xを介して、第1表面電極54b,54aと導通している。
第2圧電層42の上面には、高電位電極52に加え、接続電極56A,56B及び複数の非導通電極64が配置されている。
図4に示すように、接続電極56A,56Bは、それぞれ、L字状であり、Y方向に延びる部分561と、X方向に延びる部分562とを有する。接続電極56Aは、第2圧電層42のX方向の一方側(図4の上側)かつY方向の一方側(図4の左側)の角部に配置されている。接続電極56Bは、第2圧電層42のX方向の他方側(図4の下側)かつY方向の他方側(図4の右側)の角部に配置されている。
接続電極56A,56Bの部分562は、それぞれ、第1圧電層43に形成された貫通孔43yを介して、第2表面電極55a,55bと導通している。
複数の非導通電極64は、接続部524と、接続電極56Bの部分562との間、及び、接続部525と、接続電極56Aの部分562との間に配置され、Y方向に間隔をあけて並んでいる。複数の非導通電極64は、複数の非導通電極63に対して個別に設けられており、対応する非導通電極63とZ方向に重なる。非導通電極64は、非導通電極63とサイズ及び形状が同じ電極である。
非導通電極64は、個別電極51、高電位電極52及び低電位電極53のいずれとも導通しておらず、電位が付与されない。
また、接続電極56A,56B及び非導通電極64の厚みは、高電位電極52と同様、例えば1~2μm程度である。
図5~図7に示すように、低電位電極53は、振動板41の上面に配置されている。
低電位電極53は、Y方向に延びる2つの幹部531,532と、各幹部531,532から分岐してX方向に延びる複数の枝部533と、X方向に配列されかつ枝部533によって連結された複数の個別部53aと、第2表面電極55a,55b(図3参照)とそれぞれZ方向に重なる接続部534,535とを含む。X方向に配列された複数の個別部53aのうち、X方向の最も一方側及び他方側に位置する個別部53aを除き、各個別部53aは、X方向に互いに隣接する2つの圧力室10に跨り、当該2つの圧力室10のX方向の端部とZ方向に重なる部分を有する。上記X方向の最も一方側及び他方側に位置する個別部53aは、1つの圧力室10のX方向の端部とZ方向に重なる部分を有する。各幹部531,532は、複数の枝部533を連結している。
振動板41の、X方向における一端部(図5の上端部)の、Y方向における一方側(図5の左側)の部分に、幹部531が配置され、振動板41の、X方向における他端部(図5の下端部)の、Y方向における他方側(図5の右側)の部分に、幹部532が配置されている。幹部531,532は、Y方向に延びている。
幹部531から、3つの枝部533が、第1圧電層43のX方向の一端(図5の上端)から他端(図5の下端)に向かって、X方向に延びている。幹部532から、3つの枝部533が、第1圧電層43のX方向の他端(図5の下端)から一端(図5の上端)に向かって、X方向に延びている。これにより、各幹部531,532から分岐した枝部533が、Y方向に並んでいる。
Y方向の一方側(図5の左側)から数えて1~6番目の枝部523は、それぞれ、Y方向の一方側から数えて1,2番目、3,4番目、5,6番目、7,8番、目9,10番目及び11,12番目の個別電極列51Rに対応する複数の個別部53aと接続されている。また、Y方向の一方側から数えて1~6番目の枝部523は、それぞれ、Y方向の一方側から数えて1,2番目、3,4番目、5,6番目、7,8番、目9,10番目及び11,12番目の個別電極列51Rを構成する複数の個別電極51の接続部51bとZ方向に重なっている。
接続部534は、第1圧電層43のY方向の一端部(図5の左端部)において、X方向に延びている。接続部534は、幹部531におけるY方向の一端(図5の左端)に接続している。接続部535は、第1圧電層43のY方向の他端部(図5の右端部)において、X方向に延びている。接続部535は、幹部532におけるY方向の他端(図5の右端)に接続している。
接続部534,535は、それぞれ、第2圧電層42に形成された貫通孔42yを介して、接続電極56A,56Bの部分562と導通している。接続電極56A,56Bの部分562は、上述のように、第1圧電層43に形成された貫通孔43yを介して、第2表面電極55a、55b、さらにCOF87と導通している。したがって、接続部534,535は、接続電極56A,56Bの部分562を介して第2表面電極55a,55b、さらにCOF87と導通している。
また、上述したような低電位電極53は、第1部分81と、第2部分82とによって形成されている。第1部分81は、低電位電極53の全体(幹部531,532、複数の枝部533、複数の個別部53a、及び、接続部534,535)にわたって延びている。第2部分82は、第1部分81の各枝部533の上面のうち、Y方向の両側の端部除いた部分に配置されており、対応する2列の個別電極列51Rを構成する複数の個別電極51の接続部51bにわたってX方向に延びている。
これにより、低電位電極53は、第1部分81と第2部分82とがZ方向に重なる部分の厚み(Z方向の長さが)が、第1部分81によってのみ形成されている部分の厚みよりも大きくなっている。例えば、低電位電極53は、第1部分81によってのみ形成されている部分の厚みが1~2μm程度であり、第1部分81と第2部分82とがZ方向に重なる部分の厚みが、2~4μm程度である。そして、本実施形態では、低電位電極53の第1部分81と第2部分82とがZ方向に重なっている部分によって、振動板41の上面に、上方に突出した凸部80が形成されている。
ここで、このような第1部分81と第2部分82とを有する低電位電極53は、例えば、振動板41の上面にスクリーン印刷によって第1部分81を形成し、その後、第1部分81が形成された振動板41の上面に、スクリーン印刷によって第2部分82を形成することによって形成することができる。
また、圧電アクチュエータ22では、振動板41の上面に凸部80が形成されていることにより、図7に示すように、第1圧電層43の上面のうち、個別電極51の接続部51bとZ方向に重なる部分が、個別電極51の主部51a(接続部51b以外の部分)とZ方向に重なる部分よりも上方に位置している。これにより、第1圧電層43の上面に配置された個別電極51は、接続部51bにおいて主部51aよりも上方に位置している。
また、図7に示すように、複数の個別電極51が配置された第1圧電層43の上面には、複数の個別電極51及び第1圧電層43を覆う保護膜44が配置されている。保護膜44は、例えば、炭化水素系溶剤に防錆油を混合した揮発性の処理剤によって形成されている。ここで、保護膜44は、後述する圧電アクチュエータ22の変形を阻害しないようにするために、厚みが薄く(例えば、0.02~0.1μm程度)なっている。また、上述したように、接続部51bが、主部51aよりも上方に位置している。これらのことから、個別電極51は、保護膜44によって完全には覆われておらず、少なくとも接続部51bの一部分が露出している。
例えば、個別電極51は、主部51aがほぼ完全に保護膜44に覆われ、接続部51bの少なくとも一部分が保護膜44から露出している。あるいは、個別電極51は、主部51a及び接続部51bの両方においてその一部分が保護膜44から露出しているが、接続部51bにおいて、主部51aよりも、全体の面積に対する保護膜44から露出している部分の面積の割合(以下、露出率とする)が大きくなっていてもよい。例えば、主部51aの露出率が10%以下であり、接続部51bの露出率が50%以上である。また、接続部51bの上面にはバンプ86が配置されており、接続部51bがバンプ86を介してCOF87と接続されている。
振動板41の上面には、低電位電極53に加え、接続電極57A,57B及び複数の非導通電極65,66が配置されている。
接続電極57A,57Bは、それぞれ、L字状であり、Y方向に延びる部分571と、X方向に延びる部分572とを有する。接続電極57Aは、振動板41のX方向の一方側(図5の上側)かつY方向の他方側(図5の右側)の角部に配置されている。接続電極57Bは、振動板41のX方向の他方側(図5の下側)かつY方向の一方側(図5の左側)の角部に配置されている。
接続電極57A,57Bの部分572は、それぞれ、第2圧電層42に形成された貫通孔42xを介して、高電位電極52の接続部524,525と導通している。高電位電極52の接続部524,525は、上述のように、第1圧電層43に形成された貫通孔43xを介して、第1表面電極54b,54aと導通している。したがって、接続電極57A,57Bは、高電位電極52の接続部524,525を介して第1表面電極54b,54aと導通している。
接続電極57Aの部分571は、図5の右左から1つ目及び2つ目の枝部533とX方向に重なり、また、複数の個別電極列51Rのうち図5の左側の3つの個別電極列51RとX方向に重なっている。接続電極57Bの部分571は、図5の左から1つ目及び2つ目の枝部533とX方向に重なり、また、複数の個別電極列51Rのうち図5の右側の3つの列とX方向に重なっている。
接続電極57Aの部分571は、高電位電極52の幹部521(図4参照)とZ方向に重なっている。接続電極57Bの部分571は、高電位電極52の幹部522(図4参照)とZ方向に重なっている。
複数の非導通電極65は、接続部534と接続電極57Bの部分572との間、及び、接続部535と接続電極57Aの部分572との間に配置され、X方向に並んでいる。複数の非導通電極65は、複数の非導通電極64に対して個別に設けられており、対応する非導通電極64とZ方向に重なる。非導通電極65は、非導通電極64とサイズ及び形状が同じ電極である。
複数の非導通電極66は、幹部531と接続電極57Aの部分571との間、及び、幹部532と接続電極57Bの部分571との間に、それぞれ配置され、Y方向に並んでいる。
非導通電極65,66は、個別電極51、高電位電極52及び低電位電極53のいずれとも導通しておらず、電位が付与されない。また、接続電極57A,57B及び非導通電極65,66の厚みは、低電位電極53の第1部分81と同様、例えば1~2μm程度である。
また、以上に説明した、第1圧電層43、第2圧電層42及び振動板41の上面に配置された各電極は、例えば、銀が70%程度でパラジウムが30%程度の合金によって形成されている。
<アクチュエータ部>
圧電アクチュエータ22では、図8に示すように、第1圧電層43のうち、Z方向において個別電極51と高電位電極52の個別部52aとに挟まれた部分が、主に上向きに分極された第1活性部91となっている。また、第2圧電層42及び第1圧電層43のうち、Z方向において個別電極51と低電位電極53の個別部53aとに挟まれた部分が、主に下向きに分極された第2活性部92となっている。圧電アクチュエータ22は、圧力室10毎に、1つの第1活性部91と、X方向に第1活性部91を挟む2つの第2活性部92とから構成される、アクチュエータ部90を有する。
ここで、あるノズル15からインクを吐出させる際の、当該ノズル15に対応するアクチュエータ部90の動作について説明する。
ヘッド3においてノズル15からのインクの吐出が行われる前には、各個別電極51に低電位(GND電位)が付与されている。このとき、個別電極51と高電位電極52との電位差によって、第1活性部91にその分極方向に等しい上向きの電界が生じ、第1活性部91が面方向(X方向及びY方向に沿った方向)に収縮している。これにより、振動板41、第2圧電層42及び第1圧電層43の圧力室10とZ方向に重なる部分が、圧力室10に向かって(下向きに)凸となるように撓んでいる。このとき圧力室10は、第2圧電層42及び第1圧電層43がフラットな場合と比べ、容積が小さくなっている。
あるノズル15からインクが吐出させる際には、先ず、当該ノズル15に対応する個別電極51の電位が、低電位(GND電位)から高電位(VDD電位)に切り換えられる。このとき、個別電極51と高電位電極52との電位差がなくなることで、第1活性部91の収縮が解消される。一方、個別電極51と低電位電極53との電位差が生じることで、第2活性部92にその分極方向に等しい下向きの電界が生じ、第2活性部92が面方向に収縮する。ただし、第2活性部92は、クロストーク(ある圧力室10におけるアクチュエータ部90の変形に伴う圧力変動が、当該圧力室10にX方向に隣接する別の圧力室10に伝わる現象)を抑制するためのものであり、アクチュエータ部90の変形にほとんど寄与しない。つまり、このとき第2圧電層42及び第1圧電層43は、圧力室10とZ方向に重なる部分が圧力室10から離れる方向に(上向きに)凸となるように撓まず、フラットな状態となる。これにより、圧力室10の容積が大きくなる。
その後、当該ノズル15に対応する個別電極51の電位が高電位(VDD電位)から低電位(GND電位)に切り換えられる。すると、上述したのと同様に、第2圧電層42及び第1圧電層43の圧力室10とZ方向に重なる部分が、圧力室10に向かって(下向きに)凸となるように撓む。このとき、圧力室10の容積が大きく減少することで、圧力室10内のインクに大きな圧力が付与され、ノズル15からインクが吐出される。
<効果>
本実施形態では、第1圧電層43の上面のうち、接続部51bとZ方向に重なる部分が、個別電極51の主部51aとZ方向に重なる部分よりも上方に位置している。これにより、個別電極51において、接続部51bを主部51aよりも上方に突出したものとすることができる。したがって、個別電極51が形成された第1圧電層43の上面に、上記処理剤を塗布して保護膜44を形成する際に、接続部51bの上面に付着した処理剤が重力によって下方に流れ、上述したように、接続部51bの少なくとも一部分を露出したものとすることができる。その結果、接続部51bを、バンプ86を介して確実に、COF87の配線と接続させることができる。
ここで、振動板41及び圧電層42,43の積層体では、個別電極51及び高電位電極52が、中立面よりも上方に位置し、低電位電極52が中立面よりも下方に位置している。そのため、圧電層42,43の焼成時には、この積層体に、複数の個別電極51と第2圧電層43との線膨張係数の差、及び、高電位電極52と圧電層42,43との線膨張係数の差によって下側に凸となるように反ろうとする力が生じる。また、圧電層42,43の焼成時には、この積層体に、低電位電極53と振動板41及び第2圧電層42との線膨張係数の差によって上側に凸となるように反ろうとする力が生じる。
また、本実施形態と異なり、個別電極51を、接続部51bにおいて主部51aよりも厚みの大きいものとすることによって、個別電極51において、接続部51bを主部51aよりも上方に突出したものとする場合を考える。この構成では、振動板41と第2圧電層42と第1圧電層43との積層体の中立面が、例えば第2圧電層42のZ方向の中央部に位置するのに対して、この中立面から上方に離れた部分に、厚みの大きい接続部51bが配置されることになる。そのため、この場合には、圧電アクチュエータ22の製造時の圧電層42,43の焼成時に、上述の、個別電極51(接続部51b)と第1圧電層43との線膨張係数の差によって生じる下側に凸となるように反ろうとする力が大きくなり、圧電アクチュエータ22に生じる反りが大きくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、個別電極51の厚みが一定であり、第1圧電層43よりも下方に位置する振動板41の上面に凸部80を設けることによって、個別電極51において、接続部51bを主部51aよりも上方に突出したものとしている。これにより、上述の上側に凸となるように反ろうとする力が大きくなり、上述の下側に凸となるように反ろうとする力を効果的に相殺することができる。その結果、本実施形態では、上述の個別電極51において接続部51bの厚みを大きくする場合と比較して、圧電層42,43の焼成時に個別電極51と第1圧電層43との線膨張係数の差によって生じる反りを抑えることができる。
また、本実施形態では、低電位電極53を、その全域にわたって延びた第1部分81と、第1部分81の各枝部533となる部分の上面に、対応する複数の個別電極51の接続部51bにわたって延びた第2部分82とを有するものとすることにより、低電位電極53を利用して凸部80を形成することができる。
また、本実施形態では、凸部80が、対応する複数の個別電極51の接続部51bにわたって延びている。これにより、複数の個別電極51の接続部51bに対応する凸部を簡単に形成することができる。
また、本実施形態では、振動板41、第2圧電層42及び第1圧電層43の積層体の中立面よりも下方に位置する振動板41の上面に配置される低電位電極53を、第1部分81と第2部分82とがZ方向に重なることで部分的に厚みの大きくなったものとすることによって凸部80を形成している。これにより、低電位電極53によって凸部80を形成することによる、圧電層42,43の焼成時の反りを抑えることができる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態には限られず、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
上述の実施形態では、低電位電極53の第2部分82が、各枝部533に対応する複数の個別電極51の接続部51bにわたってX方向に延びたものであったが、これには限られない。
変形例1では、図9に示すように、第2部分101が、各枝部533の上面のうち、複数の個別電極51の接続部51bの各々とZ方向に重なる部分にのみ設けられている。
変形例1では、第1圧電層43の上面を、各接続部51bとZ方向に重なる部分においてのみ上方に突出させることができる。
なお、変形例1では、第2部分101を、接続部51bの外形に沿った形状としたが、これには限られない。第2部分101を、例えば、円形や多角形等別の形状としてもよい。
また、上述の実施形態では、低電位電極53を、Z方向に重なる第1部分81と第2部分82とを有するものとすることによって凸部80を形成し、凸部80を設けることによって、第1圧電層43の上面を、接続部51bとZ方向に重なる部分において、主部51aとZ方向に重なる部分よりも上方に位置するものとしたが、これには限られない。
変形例2では、図10~図13に示すように、高電位電極52及び低電位電極53のいずれもが、厚みが一定のものであり、第2圧電層42の上面の、各枝部533とZ方向に重なる部分に、対応する複数の個別電極51の接続部51bにわたってX方向に延びた浮き電極111が配置されている。浮き電極111は、個別電極51、高電位電極52及び低電位電極53のいずれとも導通していない。また、浮き電極111の厚みは、高電位電極52と同様、例えば1~2μm程度である。
なお、図12では、浮き電極111及び個別電極51の位置を二点鎖線で示すとともに、枝部533と浮き電極111とが重なっている部分をわかりやすくするために、浮き電極111が配置される領域にもハッチングを付している。
そして、この場合には、低電位電極53が配置された振動板41と、高電位電極52及び浮き電極111が配置された第2圧電層42との積層体において、枝部533と浮き電極111とがZ方向に重なる部分の厚みが、他の部分の厚みよりも大きい。これにより、図13に示すように、第2圧電層42の上面に配置された第1圧電層43の上面は、枝部533及び浮き電極111の両方とZ方向に重なる部分、すなわち、複数の接続部51bとZ方向に重なる部分において、主部51aとZ方向に重なる部分よりも上方に位置している。なお、この場合には、枝部533の浮き電極111とZ方向に重なる部分、及び、浮き電極111が、それぞれ、本発明の凸部となっている。
上述の実施形態のように、低電位電極53を第1部分81と第2部分82とを有するものとする場合、低電位電極53を形成するには、第1部分81を形成する工程と、第2部分82を形成する工程の2つ工程が必要となる。これに対して、変形例2では、低電位電極53の接続部51bとZ方向に重なる部分、及び、浮き電極111が、それぞれ、凸部となっている。そして、この場合には、振動板41の上面に1つの工程で低電位電極53を形成することができ、第2圧電層42の上面に1つの工程で、高電位電極52と浮き電極111とを形成することができる。その結果、電極を簡単に形成することができる。
変形例3では、図14~図17に示すように、高電位電極121及び低電位電極131のいずれもが、厚みが一定のものである。また、変形例3では、上述の実施形態と異なり、高電位電極121がY方向に並ぶ6つの枝部122を有し、Y方向の一方側から数えて1~6番目の枝部122が、それぞれ、Y方向の一方側から数えて1,2番目、3,4番目、5,6番目、7,8番目、9,10番目及び11,12番目の個別電極列51Rに対応する複数の個別部52aと接続されている。また、Y方向の一方側から数えて1~6番目の枝部122が、それぞれ、Y方向の一方側から数えて1,2番目、3,4番目、5,6番目、7,8番目、9,10番目及び11,12番目の個別電極列51Rを構成する複数の個別電極51の接続部51bとZ方向に重なっている。
また、低電位電極131が、Y方向に並んだ7つの枝部132を有する。Y方向において最も一方側(図15の左側)の枝部132は、Y方向において最も一方側の個別電極列51Rに対応する複数の個別部52aの、Y方向における一方側の端部と接続されている。Y方向において最も他方側(図15の右側)の枝部132は、Y方向において最も他方側の個別電極列51Rに対応する複数の個別部52aの、Y方向における他方側の端部と接続されている。Y方向の一方側から数えて2~6番目の枝部132は、それぞれ、Y方向の一方側から数えて2,3番目、4,5番目、6,7番目、8,9番目、及び10,11番目の個別電極列51Rに対応する個別部52aと接続されている。なお、枝部132は、個別電極51の接続部51bとはZ方向に重なっていない。
また、振動板41の上面には、高電位電極121の各枝部122とZ方向に重なる部分に、それぞれ、対応する複数の個別電極51の接続部51bにわたってX方向に延びた浮き電極133が配置されている。浮き電極133は、個別電極51、高電位電極121及び低電位電極131のいずれとも導通していない。
なお、図16では、浮き電極133及び個別電極51の位置を二点鎖線で示すとともに、枝部132と浮き電極133とが重なっている部分をわかりやすくするために、浮き電極133が配置される領域にもハッチングを付している。
そして、この場合には、低電位電極131及び浮き電極133が配置された振動板41と、高電位電極121が配置された第2圧電層42との積層体において、枝部122と浮き電極133とがZ方向に重なる部分の厚みが、他の部分の厚みよりも大きい。これにより、図17に示すように、第2圧電層42の上面に配置された第1圧電層43の上面は、枝部533及び浮き電極111の両方とZ方向に重なる部分、すなわち、複数の接続部51bとZ方向に重なる部分において、主部51aとZ方向に重なる部分よりも上方に位置している。なお、この場合には、枝部122の浮き電極133とZ方向に重なる部分、及び、浮き電極133が、それぞれ、本発明の凸部となっている。
変形例3では、低電位電極131の枝部132の、接続部51bとZ方向に重なる部分、及び、浮き電極133が、それぞれ、凸部となっている。そして、この場合には、振動板41の上面に低電位電極131と浮き電極133とを1つの工程で形成することができ、第2圧電層42の上面に、高電位電極121を1つの工程で形成することができる。その結果、電極を簡単に形成することができる。
また、変形例3のように、高電位電極121の枝部122が対応する複数の個別電極51の接続部51bとZ方向に重なる場合には、高電位電極121を、高電位電極121の全域にわたって延びた第1部分と、第1部分の上面の各枝部122の上面に配置され、個別電極51の接続部51bとZ方向に重なる第2部分とを有するものとしてもよい。この場合、第2部分は、上述の実施形態の第2部分82や、変形例1の第2部分101と同様の形状のものとしてもよい。
また、以上の例では、圧電アクチュエータ22が、振動板41と第2圧電層42と第1圧電層43とが積層され、第1圧電層43、第2圧電層42及び振動板41の上面にそれぞれ、複数の個別電極、高電位電極及び低電位電極が配置されたものであったが、これには限られない。
変形例4では、図18、図19に示すように、インクジェットヘッド200が、流路ユニット201と圧電アクチュエータ202とを備えている。流路ユニット201は、上述の実施形態の流路ユニット21と同様のものである。
圧電アクチュエータ202は、振動板211と圧電層212(本発明の「第1圧電層」)とを備えている。振動板211は、振動板41と同様、流路ユニット201(プレート31)の上面に配置され、複数の圧力室10を覆う。圧電層212は、振動板211の上面に配置されている。
圧電層212の上面には、複数の個別電極213が配置されている。複数の個別電極213は、複数の圧力室10に対して個別に設けられており、主部213aと接続部213bとを有する。主部213aは、対応する圧力室10のX方向の中央部とZ方向に重なっている。接続部213bは、主部213aからY方向に突出しており、圧力室10とZ方向に重ならない。また、接続部213bの上面にはバンプ217が配置され、接続部213bは、バンプ217を介してCOF218の配線と接続されている。
また、複数の個別電極213は、上述の実施形態と同様、X方向に配列されており、圧力室10の列10Rのそれぞれに対応する、12個の個別電極列213Rを形成している。12個の個別電極列213Rは、Y方向に並んでいる。
振動板211の上面には、複数の個別電極213にわたって連続的に延びた共通電極214が配置されている。また、共通電極214は、第1部分214aと6つの第2部分214bとによって形成されている。
第1部分214aは、共通電極214の全域にわたって延びている。6つの第2部分214bは、第1部分214aの上面に配置されており、Y方向に並んでいる。また、6つの第2部分214bは、Y方向の一方側(図18の左側)に配置されたものから、それぞれ、Y方向の一方側から数えて1,2番目、3,4番目、5,6番目、7,8番目、9,10番目、11,12番目の個別電極列213Rを構成する複数の個別電極213の接続部213bにわたってX方向に延び、これらの接続部213bとZ方向に重なっている。これにより、振動板41の上面には、共通電極214のうち、第1部分214aと第2部分214bとがZ方向に重なる部分によって、上側に突出した凸部215が形成されている。
これにより、変形例4では、圧電層212の上面のうち、個別電極213の接続部213bとZ方向に重なる部分が、個別電極213の主部213a(接続部213b以外の部分)とZ方向に重なる部分よりも上方に位置している。その結果、第1圧電層43の上面に配置された個別電極213は、接続部213bにおいて主部213aよりも上方に位置している。
また、図19に示すように、複数の個別電極213が配置された圧電層212の上面には、複数の個別電極213及び圧電層212を覆う保護膜216が配置されている。また、上述したように、接続部213bが、主部213aよりも上方に位置している。これにより、上述の実施形態で説明したのと同様、個別電極213は、保護膜216によって完全には覆われておらず、少なくとも接続部213bの一部分が露出している。
また、変形例4では、共通電極214の第2部分214bが複数の接続部213bにわたって延びていたが、これには限られない。例えば、変形例4でも、変形例1で説明したのと同様に、複数の第2部分が複数の接続部213bに対して個別に設けられていてもよい。
また、以上の例では、第1圧電層よりも下側の層の上面に配置された、圧電アクチュエータの駆動のための電極や、浮き電極によって凸部を形成したが、これには限られない。例えば、上述の実施形態の振動板41や第2圧電層42、変形例4の振動板211など、第1圧電層よりも下側の層の、接続部51bとZ方向に重なる部分の厚みを他の部分の厚みよりも大きくすることによって凸部を形成してもよい。
また、以上では、ノズルから液体を吐出するヘッドにおいて、圧力室内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。例えば、ヘッド以外の装置を構成する圧電アクチュエータに本発明を適用することも可能である。
22 圧電アクチュエータ
41 振動板
42 第2圧電層
43 第1圧電層
44 保護膜
51 個別電極
51b 接続部
80 凸部
81 第1部分
82 第2部分
87 COF
101 第2部分
111 浮き電極
121 高電位電極
122 枝部
131 低電位電極
132 枝部
133 浮き電極
202 圧電アクチュエータ
211 振動板
212 圧電層
213 個別電極
213a 主部
213b 接続部
214 共通電極
214a 第1部分
214b 第2部分
215 凸部
216 保護膜
218 COF

Claims (8)

  1. 第1圧電層を含む複数の層が積層された積層体と、
    前記複数の層の積層方向における、前記第1圧電層の一方側の面に配置され、前記積層方向の長さが一定の第1電極と、
    前記第1電極が配置された前記第1圧電層の前記一方側の面に配置され、前記第1圧電層及び前記第1電極を覆う保護膜と、を備え、
    前記第1電極は、配線部材との接続を行うための接続部、を有し、
    前記複数の層のうち前記第1圧電層よりも前記積層方向における他方側に位置するいずれかの層の、前記接続部と前記積層方向に重なる部分に、前記積層方向の前記一方側に突出した凸部が設けられていることによって、
    前記第1圧電層の前記積層方向における前記一方側の面の、前記接続部と前記積層方向に重なる部分が、前記第1電極の前記接続部以外の部分と前記積層方向に重なる部分よりも、前記積層方向の前記一方側に位置し、
    前記接続部の少なくとも一部分が、前記保護膜から露出していることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記複数の層のうち前記第1圧電層よりも前記積層方向における前記他方側に位置するいずれかの層の、前記積層方向における前記一方側の面に配置され、前記第1電極の前記接続部を含む部分と前記積層方向に重なる第2電極、を備え、
    前記第2電極の前記接続部と前記積層方向に重なる部分によって、前記凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記第2電極は、
    前記第2電極の、前記接続部と前記積層方向に重なる部分と、前記接続部と前記積層方向に重ならない部分とにわたって延びた第1部分と、
    前記第1部分の前記積層方向における前記一方側の面の、前記接続部と前記積層方向に重なる部分に配置された第2部分と、を有し、
    前記第2電極の前記第1部分と前記第2部分とが前記積層方向に重なった部分が前記凸部となっていることを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記第2部分が、前記第1部分のうち、前記接続部と前記鉛直方向に重なる部分にのみ配置されていることを特徴とする請求項3に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 複数の前記第1電極と、
    これら複数の前記第1電極にわたって延びた前記第2電極と、を備え、
    前記第2部分が、複数の前記第1電極の前記接続部にわたって延びていることを特徴とする請求項3に記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記積層体が、
    前記第1圧電層の前記積層方向における前記他方側の面に配置された第2圧電層と、
    前記第2圧電層の前記積層方向における前記他方側の面に配置された振動板と、を有し、
    前記振動板の前記積層方向における前記一方側の面に配置され、前記第1電極と前記積層方向に重なる前記第2電極と、
    前記第2圧電層の前記積層方向における前記一方側の面に配置され、前記第1電極と前記積層方向に重なり、前記積層方向の長さが一定の第3電極と、を備えていることを特徴とする請求項3~5のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  7. 前記積層体が、
    前記第1圧電層の前記積層方向における前記他方側の面に配置された第2圧電層と、
    前記第2圧電層の前記積層方向における前記他方側の面に配置された振動板と、を有し、
    前記振動板の前記積層方向における前記一方側の面に配置された前記第2電極と、
    前記第2圧電層の前記積層方向における前記一方側の面に配置され、前記第1電極のうち前記接続部以外の部分のみと前記積層方向に重なる第3電極と、
    前記第2圧電層の前記積層方向における前記一方側の面に配置され、前記接続部と前記鉛直方向に重なり、且つ、前記第3電極と接続されていない浮き電極と、を備え、
    前記第2電極の前記接続部と前記積層方向に重なる部分、及び、前記浮き電極が、前記凸部となっていることを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  8. 前記積層体が、
    前記第1圧電層の前記積層方向における前記他方側の面に配置された第2圧電層と、
    前記第2圧電層の前記積層方向における前記他方側の面に配置された振動板と、を有し、
    前記振動板の前記積層方向における前記一方側の面に配置され、前記第1電極の前記接続部以外の部分のみと前記積層方向に重なる第2電極と、
    前記第2圧電層の前記積層方向における前記一方側の面に配置され、前記第1電極の前記接続部を含む部分と前記積層方向に重なる第3電極と、
    前記振動板の前記積層方向における前記一方側の面に配置され、前記接続部と前記鉛直方向に重なり、且つ、前記第2電極と接続されていない浮き電極と、を備え、
    前記第3電極の前記接続部と前記積層方向に重なる部分、及び、前記浮き電極が、前記凸部となっていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
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