JP2021187013A - 画像形成装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写体の寿命が短くなることを防止するとともに、記録媒体に転写される画像の品質が低下することを防止可能な画像形成装置および制御方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、インクジェットヘッドから吐出されたインクを担持し、当該インクを記録媒体に転写する転写体と、転写体に当接してプレコート液を塗布する塗布ローラーと、塗布ローラー上にプレコート液を供給する供給ローラーと、供給ローラー上にプレコート液を供給する供給部と、インクが吐出されないタイミングにおいて、供給部による供給を停止し、塗布ローラーおよび供給ローラー上のプレコート液を転写体に塗布させた後、インクが吐出されるタイミングと比べて、転写体に対する塗布ローラーの当接圧を低下させる制御を行う制御部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置および制御方法に関する。
近年、紙、布帛等の種々の記録媒体に対して高精細な画像を記録する装置として、インクジェットヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット方式による画像形成装置(以下、「画像形成装置」という)が広く普及している。
画像形成装置において、インクジェットヘッドから吐出されるインクを中間転写ベルトなどの転写体に担持(形成)させ、担持されたインクを転写ニップでインク像として記録媒体に転写する中間転写方式のものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この方式によれば、中間転写ベルト上は非浸透かつ平滑であり、インクが滲まず当該インクを扁平化させる(濡れ広げる)ことができるため、きれいに広がったインク像を記録媒体に形成することができる。しかし、インクを扁平化させることができる一方、中間転写ベルトに対するインク像の付着力が増加するため、中間転写ベルト上から記録媒体に転写されるインク像の転写率が悪化する。
そこで、インクジェットヘッドからインクが吐出される前に、中間転写ベルト上にインクに不溶で表面張力が大きいプレコート液を塗布することによってコート層を形成する。これにより、中間転写ベルトに対するインクの着弾時には当該インクの濡れ広がりを確保でき、転写時にはコート層と当該インクとを泣き別れ(別れ別れ)させることでインク像の転写率を向上させることができる。
中間転写ベルト上にプレコート液を塗布する方式としては、塗布ローラー(コーティングローラーとも言う)および供給ローラー(アニロクスローラーとも言う)を使用し、比較的安価で安定的に高品質を確保することが可能なローラー塗布方式が採用されている。この方式において、塗布ローラーは、中間転写ベルトに当接して塗布ニップを形成し、当該塗布ニップにおいて当該中間転写ベルトの表面にプレコート液を塗布する。
特開2012−96546号公報
ところで、中間転写ベルトにプレコート液を塗布し続けるために、塗布ローラーおよび供給ローラー上は常にプレコート液が塗られた状態となっている。塗布ローラーおよび供給ローラー上において、プレコート液は数マイクロメートル程度と薄く塗られているため、乾燥に対して弱い系となっている。そのため、印刷ジョブの実行待機時においては、塗布ローラー上でプレコート液が乾燥し(つまり水分が揮発し)プレコート液の濃度が増大する。その結果、濃度が高いプレコート液が中間転写ベルトに塗布され、中間転写ベルト上に吐出されたインクの濡れ広がりの程度に変化が生じ、ひいては記録媒体に転写される画像(インク像)の品質が低下してしまうという問題があった。また、印刷ジョブの実行待機時において、塗布ローラーが中間転写ベルトに押し当てられ続けていると、中間転写ベルトの表面が摩耗し、中間転写ベルトの寿命が短くなるという問題があった。
本発明の目的は、転写体の寿命が短くなることを防止するとともに、記録媒体に転写される画像の品質が低下することを防止可能な画像形成装置および制御方法を提供することである。
本発明に係る画像形成装置は、
インクジェットヘッドから吐出されたインクを担持し、当該インクを記録媒体に転写する転写体と、
前記転写体に当接してプレコート液を塗布する塗布ローラーと、
前記塗布ローラー上に前記プレコート液を供給する供給ローラーと、
前記供給ローラー上に前記プレコート液を供給する供給部と、
前記インクが吐出されないタイミングにおいて、前記供給部による供給を停止し、前記塗布ローラーおよび前記供給ローラー上の前記プレコート液を前記転写体に塗布させた後、前記インクが吐出されるタイミングと比べて、前記転写体に対する前記塗布ローラーの当接圧を低下させる制御を行う制御部と、
を備える。
本発明に係る制御方法は、
インクジェットヘッドから吐出されたインクを担持し、当該インクを記録媒体に転写する転写体と、
前記転写体に当接してプレコート液を塗布する塗布ローラーと、
前記塗布ローラー上に前記プレコート液を供給する供給ローラーと、
前記供給ローラー上に前記プレコート液を供給する供給部と、
を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記インクが吐出されないタイミングにおいて、前記供給部による供給を停止し、前記塗布ローラーおよび前記供給ローラー上の前記プレコート液を前記転写体に塗布させた後、前記インクが吐出されるタイミングと比べて、前記転写体に対する前記塗布ローラーの当接圧を低下させる制御を行う。
本発明によれば、転写体の寿命が短くなることを防止するとともに、記録媒体に転写される画像の品質が低下することを防止することができる。
本実施の形態における画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 本実施の形態における画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 本実施の形態における画像形成装置の制御動作を説明する図である。 本実施の形態における画像形成装置の制御動作例を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態における画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。また、図2は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
図1,2に示すように、画像形成装置1は、インクジェットヘッド102が搭載されたヘッドユニット10と、インクジェットヘッド102から吐出されたインクを担持し、当該インクを記録媒体Pに転写する転写ベルト20と、転写ベルト20を回転可能に張架する従動ローラー21,22および駆動ローラーとしての転写ローラー23と、記録媒体Pを搬送する搬送ドラム24と、装置全体の制御を行う制御部40とを備える。なお、転写ベルト20は、本発明の「転写体」として機能する。
また、画像形成装置1は、転写ベルト20に吐出されたインク液滴の粘度を調整する第1照射部25と、記録媒体Pに転写されたインクを硬化させる第2照射部26と、転写ベルト20の表面に付着した異物を除去する除去部27と、転写ベルト20の表面にプレコート液を塗布する塗布ローラー28と、塗布ローラー28上にプレコート液を供給する供給ローラー29と、プレコート液を貯留する貯留部31と、転写ローラー23および搬送ドラム24を駆動する搬送駆動部51(図2を参照)とを備える。
なお、図示しないが、画像形成装置1は、記録媒体Pを積載して搬送ドラム24に給送する給送部、画像(インク像)が転写された記録媒体Pを搬送ドラム24の搬送方向下流側に排出する排出部、装置の状態を表示する表示部、等を備える。これらは公知の構成であるため、図示および説明を省略する。
また、記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった用紙の他、布帛またはシート状の樹脂等、転写ベルト20の表面に着弾したインク液滴を転写させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
転写ベルト20は、上方に配置された従動ローラー21,22と、下方に配置された転写ローラー23(駆動ローラー)とに架け渡されており、搬送駆動部51の転写モーター(図示せず)の駆動力が転写ローラー23に伝達されることにより、図1中の時計周り方向に回転(移動)する。
本実施の形態では、従動ローラー22内に加熱源(例えば、ヒーター)が設けられている。加熱源の温度は、制御部40によって制御される。加熱源によって従動ローラー22が加熱され、その結果、転写ベルト20の温度が目標温度となるように加熱される。目標温度は、転写ベルト20に吐出されたインク液滴のドット径が所定径となるように設定された温度である。
本実施の形態では、転写ベルト20は、活性エネルギー線透過性を有し、ポリイミド(PI)の基材上に、シリコンゴムの弾性層と、アルミニウム(Al)が蒸着された反射層と、ポリプロピレン(PP)の表層と、が積層された積層透明ベルトが用いられる。
また、転写ローラー23としては例えば、SUS304から成る直径35mmの芯金と、ゴム厚が10mmである表層(透明ゴム層)とを含む直径100mmのゴムローラーが用いられる。なお、基材については、ポリイミド(PI)等の樹脂材料が使用されても良いし、ステンレス材料が使用されても良い。
画像形成装置1において、転写ベルト20は、制御部40の制御信号に基づいて上記の転写モーターが駆動され転写ローラー23が図1中の時計周り方向に回転することによって、時計周り方向に回転駆動される。本実施の形態では、制御部40の制御の下、転写ベルト20が600mm/秒の速さ(印画速度)で回転するように、転写ローラー23の回転速度が制御される。
搬送ドラム24は、円柱面状の外周曲面(搬送面)上に記録媒体Pを保持した状態で図1の図面に垂直な方向(以下、「直交方向」と称する)に延びた回転軸の回りで回転することで、搬送面に沿った搬送方向に記録媒体Pを搬送する。
具体的には、搬送ドラム24は、搬送ドラムモーター(図示せず)を備え、制御部40の制御により搬送ドラムモーターが駆動されることにより、図1中の反時計周り方向に回転する。本実施の形態では、搬送ドラム24として、大型(例えば印刷機用3倍胴)の金属製ドラムが用いられる。
上述した転写ベルト20、転写ローラー23および搬送ドラム24は、800mmの幅すなわち軸方向の長さを有する。
転写ローラー23は、搬送ドラム24の上部に対向して配置され、転写ベルト20を介して搬送ドラム24を加圧する。また、転写ベルト20を挟んで、搬送ドラム24が転写ローラー23に圧接されることにより、転写ベルト20から記録媒体Pへ画像を転写する転写ニップNPが形成される。本実施の形態では、転写ニップNPにおける転写荷重ないし圧接力の値は、500kPaに設定されている。
ヘッドユニット10は、転写ベルト20に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から転写ベルト20に対してインク液滴を吐出して転写ベルト20上に画像を形成する。搬送ドラム24は、転写ベルト20上に形成された画像が転写ニップNPで記録媒体Pの所定の位置に転写されるように、記録媒体Pを搬送する。
本実施の形態における画像形成装置1では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット10が転写ベルト20の回転方向(移動方向)の上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。
各ヘッドユニット10は、インクジェットヘッド102(図2を参照)を備える。インクジェットヘッド102には、インクを貯留する圧力室と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、ノズルとを各々有する複数の記録素子が設けられている。この記録素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズルからインク液滴を吐出する。
インクジェットヘッド102に含まれるノズルの直交方向についての配置範囲は、搬送ドラム24により搬送される記録媒体Pのうち画像が形成される領域の直交方向の幅をカバーしている。ヘッドユニット10は、画像の形成時には搬送ドラム24の回転軸に対して位置が固定されて用いられる。すなわち、画像形成装置1は、シングルパス形式の画像形成装置である。
本実施の形態では、インクジェットヘッド102から転写ベルト20に吐出されるインクとして、紫外線の照射を受けて硬化する紫外線硬化性を有するインクが使用される。より具体的には、転写ベルト20に供給される活性エネルギー線の量(第1照射部25から出力される紫外線(UV:ultra violet)の光量)に応じて粘度が変化するインクが用いられる。第1照射部25から照射される活性エネルギー線の光量が多いほど、粘度が高くなる性質のインクが用いられる。すなわち、この画像形成装置1の画像形成部は、UV硬化型インクジェット方式を採用している。
第1照射部25は、転写ベルト20の内周面側に配置され、制御部40の制御の下、転写ベルト20上に吐出されたインク液滴が転写ニップNPに到達する直前に活性エネルギー線を照射して当該インク液滴の粘度を増大させる(半硬化させる)。
図1において、第1照射部25から伸びる矢印は、転写ベルト20上に吐出されたインク液滴に対して転写ベルト20の裏面側から照射された活性エネルギー線を示している。本実施の形態では、第1照射部25は、波長420nmのUV光を出力するUV光源を備え、通常の印刷ジョブにおける照射強度のデフォルト値が3W/cmに設定されている。
第2照射部26は、転写ニップNPの下流側に搬送される記録媒体Pに活性エネルギー線を照射するように配置されており、制御部40の制御の下、転写ニップNPにより転写された画像(インク液滴)を本硬化させる。本実施の形態では、第2照射部26は、波長395nmのUV光を出力するUV光源を備え、通常の印刷ジョブにおける照射強度のデフォルト値が10W/cmに設定されている。
除去部27は、転写ベルト20の移動方向(回転方向)において従動ローラー21と転写ローラー23(駆動ローラー)との間における転写ベルト20の表面に対向配置され、転写ベルト20の表面をクリーニングするドライウェブ(ウェブローラー)を備える。
除去部27のドライウェブは、転写ベルト20に対して接触離間可能、かつ、回転可能に構成されており、制御部40の制御により転写ベルト20に対して接触して回転することにより、転写ベルト20の表面をクリーニングして当該表面に付着した異物(転写残やミストによる不要なインクや紙粉)やプレコート液を除去する。これにより、転写ベルト20を透過する活性エネルギー線の光量を一定量確保して、画像形成時に転写ベルト20に吐出されたインクを所望の状態にすることができる。言い換えると、転写ベルト20の表面に異物が付着(固着)している場合に、インクに対して適切に活性エネルギー線が照射されず、当該インクを所望の硬化状態にすることができない事態を回避することができる。
塗布ローラー28(コーティングローラー)は、転写ベルト20の移動方向における従動ローラー21とヘッドユニット10との間に、転写ベルト20に対して当接離間可能に設けられる。塗布ローラー28は、制御部40の制御により図1中の反時計周り方向に回転しながら転写ベルト20に当接して塗布ニップを形成する。そして、塗布ローラー28は、インクジェットヘッド102からインクが吐出される前に、塗布ニップにおいて転写ベルト20の表面にプレコート液を塗布する。なお、プレコート液は、水系であり、グリセリンに対してポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.01重量%添加して作製される。塗布ローラー28は、直径が30mm、硬度が70度である。
これにより、転写ベルト20上にインクに不溶で表面張力が大きいコート層が形成される。そのため、転写ベルト20に対するインクの着弾時には当該インクの濡れ広がりを確保でき、転写時にはコート層と当該インクとを泣き別れさせることでインク像の転写率を向上させることができる。
供給ローラー29(アニロクスローラー)は、制御部40の制御により図1中の時計周り方向に回転しながら塗布ローラー28に当接し、塗布ローラー28上にプレコート液を供給する。なお、供給ローラー29は、直径が30mm、線数が50L/inchである。
供給部30は、制御部40の制御により、供給ローラー29上にプレコート液を供給する。本実施の形態では、供給部30は、貯留部31に貯留されるプレコート液に供給ローラー29を浸漬させることによって供給ローラー29上にプレコート液を供給する。
貯留部31は、図1中の上下方向に移動可能に構成され、プレコート液を一定量、貯留する貯留皿である。貯留部31に接続される供給ポンプ(図示せず)は、貯留部31に貯留されるプレコート液の量が一定となるように、当該プレコート液の量の減少に応じて、プレコート液タンク(図示せず)からプレコート液を汲み出して貯留部31に供給する。
次に、主として図2を参照して、画像形成装置1における他の主要な機能構成を説明する。画像形成装置1は、ヘッドユニット10が有するヘッド駆動部101およびインクジェットヘッド102と、制御部40と、搬送駆動部51と、入出力インターフェース52とを備える。
ヘッド駆動部101は、制御部40の制御に基づいてインクジェットヘッド102の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じて圧電素子を変形動作させる駆動信号を出力することにより、インクジェットヘッド102のノズルから画像データの画素値に応じた量のインク液滴を吐出させる。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)および記憶部44を有する。
CPU41は、ROM43に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM42に記憶させ、当該プログラムを実行して各種の演算処理を行う。また、CPU41は、画像形成装置1の全体動作を統括制御する。
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。なお、RAM42は、不揮発性メモリーを含んでも良い。
ROM43は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM43に代えて、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
記憶部44には、入出力インターフェース52を介して外部装置2から入力された印刷ジョブ(具体的には、印刷枚数などの種々のユーザー設定情報を含む画像形成指示)および当該印刷ジョブに係る画像データが記憶される。記憶部44としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されても良い。
搬送駆動部51は、制御部40から供給される制御信号に基づいて搬送ドラム24の搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム24を所定の速度およびタイミングで回転させる。また、搬送駆動部51は、制御部40から供給される制御信号に基づいて転写ローラー23のモーターに駆動信号を供給して、転写ベルト20を所定の速度およびタイミングで回転させる。
入出力インターフェース52は、外部装置2と制御部40との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース52は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか、または、これらの組み合わせで構成される。
外部装置2は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース52を介して印刷ジョブおよび画像データ等を制御部40に供給する。
ところで、転写ベルト20にプレコート液を塗布し続けるために、塗布ローラー28および供給ローラー29上は常にプレコート液が塗られた状態となっている。塗布ローラー28および供給ローラー29上において、プレコート液は数マイクロメートル程度と薄く塗られているため、乾燥に対して弱い系となっている。
そのため、印刷ジョブの実行待機時(インクジェットヘッド102からインクが吐出されないタイミング)においては、塗布ローラー28上でプレコート液が乾燥し(つまり水分が揮発し)プレコート液の濃度が増大する。その結果、濃度が高いプレコート液が転写ベルト20に塗布され、転写ベルト20上に吐出されたインクの濡れ広がりの程度に変化が生じ、ひいては記録媒体Pに転写される画像(インク像)の品質が低下してしまうという問題があった。
また、印刷ジョブの実行待機時において、塗布ローラー28が転写ベルト20に押し当てられ続けていると、転写ベルト20の表面が摩耗し、転写ベルト20の寿命が短くなるという問題があった。
そこで本実施の形態では、画像形成装置1の制御部40は、インクジェットヘッド102からインクが吐出されないタイミングにおいて、供給部30によるプレコート液の供給を停止し、塗布ローラー28および供給ローラー29上のプレコート液を転写ベルト20に塗布させた後、インクが吐出されるタイミング(印刷ジョブの実行時)と比べて、転写ベルト20に対する塗布ローラー28の当接圧を低下させる制御を行う。
図3は、制御部40による制御動作を説明する図である。図3Aは、インクジェットヘッド102からインクが吐出されないタイミングにおいて、貯留部31に貯留されるプレコート液と供給ローラー29とを離間させることによって、供給部30によるプレコート液の供給を停止する様子を示している。供給部30は、図3中の下方向に貯留部31を移動させることによって、貯留部31に貯留されるプレコート液と供給ローラー29とを離間させる。なお、供給部30は、供給ポンプを制御して貯留部31に貯留されるプレコート液をプレコート液タンクに戻すことによって貯留部31に貯留されるプレコート液の液面高さを変更して(下げて)、貯留部31に貯留されるプレコート液と供給ローラー29とを離間させても良い。
図3Bは、供給部30によるプレコート液の供給を停止した後、塗布ローラー28および供給ローラー29を所定回転数(例えば、1回転)以上回転させることによって、塗布ローラー28および供給ローラー29上のプレコート液を転写ベルト20に塗布させる様子を示している。これにより、塗布ローラー28および供給ローラー29上において、プレコート液は塗られていない状態、つまりプレコート液の乾燥がない状態となる。
転写ベルト20に塗布されたプレコート液は、転写ベルト20に接触している除去部27のドライウェブによって除去される。なお、転写ベルト20に塗布されたプレコート液は、制御部40の制御により、転写ニップNPにおいて記録媒体Pに転写されて除去されても良い。
図3Cは、塗布ローラー28および供給ローラー29上のプレコート液を転写ベルト20に塗布させた後、転写ベルト20と塗布ローラー28とを離間させることによって、転写ベルト20に対する塗布ローラー28の当接圧を低下させる様子を示している。これにより、転写ベルト20の表面の摩耗が抑制される。なお、転写ベルト20と塗布ローラー28とを離間させずに、インクが吐出されるタイミング(印刷ジョブの実行時)と比べて、転写ベルト20に対する塗布ローラー28の当接圧を低下させて転写ベルト20の表面の摩耗を抑制しても良い。転写ベルト20と離間した後の塗布ローラー28および供給ローラー29は、回転駆動させても、または回転停止させても良い。
次に、図4のフローチャートを参照して、画像形成装置1の制御動作(本発明の「制御方法」に対応)の例について説明する。なお、図4に示す処理は、インクジェットヘッド102からインクが吐出されないタイミング(印刷ジョブの実行待機タイミング)に実行される。
まず、供給部30は、図3中の下方向に貯留部31を移動させることによって、貯留部31に貯留されるプレコート液と供給ローラー29とを離間させる(ステップS100)。
次に、制御部40は、ステップS100の離間後に、塗布ローラー28および供給ローラー29が所定回転数(例えば、1回転)以上回転したか否かについて判定する(ステップS120)。判定の結果、塗布ローラー28および供給ローラー29が所定回転数以上回転していない場合(ステップS120、NO)、処理はステップS120の前に戻る。
一方、塗布ローラー28および供給ローラー29が所定回転数以上回転した場合(ステップS120、YES)、制御部40は、転写ベルト20と塗布ローラー28(および供給ローラー29)とを離間させることによって、転写ベルト20に対する塗布ローラー28の当接圧を低下させる(ステップS140)。
最後に、制御部40は、転写ベルト20に接触している除去部27のドライウェブによって、転写ベルト20に塗布されたプレコート液を除去させる(ステップS160)。ステップS160の処理が完了することによって、画像形成装置1は、図4に示す処理を終了する。
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、画像形成装置1は、インクジェットヘッド102から吐出されたインクを担持し、当該インクを記録媒体Pに転写する転写ベルト20(転写体)と、転写ベルト20に当接してプレコート液を塗布する塗布ローラー28と、塗布ローラー28上にプレコート液を供給する供給ローラー29と、供給ローラー29上にプレコート液を供給する供給部30と、インクが吐出されないタイミングにおいて、供給部30による供給を停止し、塗布ローラー28および供給ローラー29上のプレコート液を転写ベルト20に塗布させた後、インクが吐出されるタイミングと比べて、転写ベルト20に対する塗布ローラー28の当接圧を低下させる制御を行う制御部40とを備える。
このように構成した本実施の形態によれば、供給部30によるプレコート液の供給が停止され、塗布ローラー28および供給ローラー29上のプレコート液が転写ベルト20に塗布される。これにより、塗布ローラー28および供給ローラー29上において、プレコート液は塗られていない状態、つまりプレコート液の乾燥がない状態となる。そのため、塗布ローラー28および供給ローラー29上においてプレコート液の濃度が増大することはない。よって、濃度が高いプレコート液が転写ベルト20に塗布され、転写ベルト20上に吐出されたインクの濡れ広がりの程度に変化が生じ、ひいては記録媒体Pに転写される画像(インク像)の品質が低下してしまうことを防止することができる。
また、インクジェットヘッド102からインクが吐出されるタイミングと比べて、転写ベルト20に対する塗布ローラー28の当接圧を低下させられるため、転写ベルト20の表面の摩耗が抑制され、転写ベルト20の寿命が短くなることを防止することができる。
なお、上記実施の形態では、第1照射部25により照射される活性エネルギー線は、紫外線である例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、活性エネルギー線は、電子線であっても良い。この場合、電子線に応じて粘度が変化するインクが用いられることが好ましい。
また、上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
2 外部装置
10 ヘッドユニット
20 転写ベルト
21,22 従動ローラー
23 転写ローラー
24 搬送ドラム
25 第1照射部
26 第2照射部
27 除去部
28 塗布ローラー
29 供給ローラー
30 供給部
31 貯留部
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
44 記憶部
51 搬送駆動部
52 入出力インターフェース
101 ヘッド駆動部
102 インクジェットヘッド
NP 転写ニップ
P 記録媒体

Claims (9)

  1. インクジェットヘッドから吐出されたインクを担持し、当該インクを記録媒体に転写する転写体と、
    前記転写体に当接してプレコート液を塗布する塗布ローラーと、
    前記塗布ローラー上に前記プレコート液を供給する供給ローラーと、
    前記供給ローラー上に前記プレコート液を供給する供給部と、
    前記インクが吐出されないタイミングにおいて、前記供給部による供給を停止し、前記塗布ローラーおよび前記供給ローラー上の前記プレコート液を前記転写体に塗布させた後、前記インクが吐出されるタイミングと比べて、前記転写体に対する前記塗布ローラーの当接圧を低下させる制御を行う制御部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記供給部による供給を停止した後、前記塗布ローラーおよび前記供給ローラーを回転させることによって、前記塗布ローラーおよび前記供給ローラー上の前記プレコート液を前記転写体に塗布させる、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記転写体と前記塗布ローラーとを離間させることによって、前記転写体に対する前記塗布ローラーの当接圧を低下させる、
    請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記供給部は、貯留部に貯留される前記プレコート液に前記供給ローラーを浸漬させることによって前記供給ローラー上に前記プレコート液を供給する一方、前記貯留部に貯留される前記プレコート液と前記供給ローラーとを離間させることによって前記供給部による供給を停止する、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記供給部は、貯留部に貯留される前記プレコート液の液面高さを変更し、前記貯留部に貯留される前記プレコート液と前記供給ローラーとを離間させることによって前記供給部による供給を停止する、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記転写体は、転写ベルトである、
    請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記転写体に塗布された前記プレコート液を除去する除去部を備える、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記転写体に塗布された前記プレコート液を記録媒体に転写させる、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  9. インクジェットヘッドから吐出されたインクを担持し、当該インクを記録媒体に転写する転写体と、
    前記転写体に当接してプレコート液を塗布する塗布ローラーと、
    前記塗布ローラー上に前記プレコート液を供給する供給ローラーと、
    前記供給ローラー上に前記プレコート液を供給する供給部と、
    を備える画像形成装置の制御方法であって、
    前記インクが吐出されないタイミングにおいて、前記供給部による供給を停止し、前記塗布ローラーおよび前記供給ローラー上の前記プレコート液を前記転写体に塗布させた後、前記インクが吐出されるタイミングと比べて、前記転写体に対する前記塗布ローラーの当接圧を低下させる制御を行う、
    制御方法。
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