JP2022015574A - 画像形成装置および制御方法 - Google Patents

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【課題】記録媒体に転写される画像の品質の低下を抑制することが可能な画像形成装置および制御方法を提供する。【解決手段】画像形成装置は、活性エネルギー線硬化性を有するインク液滴をインクジェットヘッドから吐出することによって転写体上に画像を形成し、転写ニップにおいて記録媒体に当該画像を転写する画像形成部と、転写体の移動方向における転写ニップの上流側の第1照射領域において、転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第1照射部と、転写ニップの第2照射領域において、転写体上のインク液滴に活性エネルギー線を照射する第2照射部と、第1照射領域に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、転写ニップの開始位置の変化に応じて、第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射態様を制御する制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置および制御方法に関する。
近年、紙、布帛等の種々の記録媒体に対して高精細な画像を形成(記録)する装置として、インクジェットヘッドからインク液滴を吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット方式による画像形成装置が広く普及している。
画像形成装置においては、インクジェットヘッドから吐出されるインク液滴を中間転写ベルトなどの転写体に画像として形成させ、形成された画像を転写ニップで記録媒体に転写する中間転写方式のものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この中間転写方式の画像形成装置により、予めインク液滴の量を抑制し、転写ニップの転写圧でインク液滴(インクドット)を潰し所望の大きさ(ドット径)に拡張することができる。言い換えると、少ないインク液滴量で画像カバレッジの高い画像を形成することができる。
中間転写方式の画像形成装置においては、記録媒体に対する画像の転写性を確保するため、活性エネルギー線(例えば、紫外線)で硬化(増粘)するインクを用い、活性エネルギー線透過性を有する転写体を使用する構成が挙げられる。この構成では、転写ニップの上流側における転写体上の画像(インク液滴)、および転写ニップにおいて挟持かつ押圧(ニップ)される画像(インク液滴)に対して、転写体の内周面側から活性エネルギー線を照射して当該インク液滴の粘度を調整する。これにより、記録媒体と接触するインク液滴の濡れ性を保ったまま、当該インク液滴が潰れない程度の粘度を確保して転写性を向上させることができる。
特開2012-91342号公報
上記画像形成装置においては、転写体上の画像(インク液滴)が転写ニップに突入する前に、適度なインク粘度となるように、活性エネルギー線を照射することが重要である。具体的に説明すると、活性エネルギー線の照射エネルギーが高すぎる場合(すなわち、記録媒体と接触するインク液滴のインク粘度が高くなりすぎる場合)、当該インク液滴の濡れ性を十分に保つことができず、記録媒体に対するインク液滴の転写性が低下する結果、記録媒体に転写される画像の品質が低下してしまう。また、活性エネルギー線の照射エネルギーが低すぎる場合(すなわち、記録媒体と接触するインク液滴のインク粘度が低くなりすぎる場合)、転写ニップの転写圧でインク液滴が過剰に潰されて拡大し、記録媒体に転写される画像の品質が低下してしまう。
本発明は、記録媒体に転写される画像の品質低下を抑制することが可能な画像形成装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、
活性エネルギー線硬化性を有するインク液滴をインクジェットヘッドから吐出することによって転写体上に画像を形成し、転写ニップにおいて記録媒体に当該画像を転写する画像形成部と、
前記転写体の移動方向における前記転写ニップの上流側の第1照射領域において、前記転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第1照射部と、
前記転写ニップの第2照射領域において、前記転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第2照射部と、
前記第1照射領域に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、前記転写ニップの開始位置の変化に応じて、前記第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射態様を制御する制御部と、
を備える。
本発明に係る制御方法は、
活性エネルギー線硬化性を有するインク液滴をインクジェットヘッドから吐出することによって転写体上に画像を形成し、転写ニップにおいて記録媒体に当該画像を転写する画像形成部と、
前記転写体の移動方向における前記転写ニップの上流側の第1照射領域において、前記転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第1照射部と、
前記転写ニップの第2照射領域において、前記転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第2照射部と、
を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記第1照射領域に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、前記転写ニップの開始位置の変化に応じて、前記第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射態様を制御する。
本発明によれば、記録媒体に転写される画像の品質低下を抑制することができる。
第1の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る活性エネルギー線の照射構成を説明する図である。 転写ニップ幅制御テーブルを示す図である。 ステッピングモーターのパルス数と転写ニップ幅との関係を示す制御テーブルである。 第1の実施の形態に係る照射光量設定動作例を示すフローチャートである。 照射光量制御テーブルを示す図である。 第1の実施の形態に係る照射光量変更動作例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 第2の実施の形態に係る画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る活性エネルギー線の照射構成を説明する図である。 第2の実施の形態に係る照射角度設定動作例を示すフローチャートである。 照射時間制御テーブルを示す図である。 第2の実施の形態に係る照射角度変更動作例を示すフローチャートである。
まず、第1の実施の形態における画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。また、図2は、第1の実施の形態に係る画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、インクジェットヘッド102(図2を参照)が搭載されたヘッドユニット10と、転写ベルト20と、転写ベルト20を回転可能に張架する従動ローラー21,22および駆動ローラーとしての転写ローラー23と、記録媒体Pを搬送する搬送ドラム24と、装置全体の制御を行う制御部40(図2を参照)とを備える。
なお、ヘッドユニット10、転写ベルト20および転写ローラー23は、本発明の「画像形成部」として機能する。また、転写ベルト20は、本発明の「転写体」として機能する。また、制御部40は、本発明の「制御部」および「検知部」として機能する。
また、画像形成装置1は、転写ベルト20に吐出されたインク液滴の粘度を調整する第1照射部25と、記録媒体Pに転写されたインクを硬化させる第2照射部26と、転写ベルト20の表面をクリーニングするクリーニング部27と、転写ローラー23の周囲の温度を検出する温度検出部28(図2を参照)と、ステッピングモーター29(図2を参照)と、転写ローラー23および搬送ドラム24を駆動する搬送駆動部51(図2を参照)とを備える。
なお、図示しないが、画像形成装置1は、記録媒体Pを積載して搬送ドラム24に給送する給送部、画像が転写された記録媒体Pを搬送ドラム24の搬送方向下流側に排出する排出部、装置の状態を表示する表示部、等を備える。これらは公知の構成であるため、図示および説明を省略する。
記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった用紙の他、布帛またはシート状の樹脂等、転写ベルト20の表面に着弾したインク液滴を転写させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
転写ベルト20は、上方に配置された従動ローラー21,22と、下方に配置された転写ローラー23(駆動ローラー)とに架け渡されており、搬送駆動部51の転写モーター(図示せず)の駆動力が転写ローラー23に伝達されることにより、図1中の時計周り方向に回転(移動)する。
本実施の形態では、転写ベルト20は、活性エネルギー線透過性を有し、例えば透明なポリイミド(PI)の基材上に、シリコンゴムの弾性層と、ポリプロピレン(PP)の表層とが積層された無端ベルトが用いられる。
また、転写ローラー23は、転写ベルト20と同様に、活性エネルギー線透過性を有し、例えば直径が100mmで、表層のゴム厚が30mmであるゴムローラーが用いられる。なお、心金については、ステンレスなどの金属材料が使用される。
画像形成装置1において、転写ベルト20は、制御部40の制御信号に基づいて上記の転写モーターが駆動され転写ローラー23が図1中の時計周り方向に回転することによって、時計周り方向に回転駆動される。本実施の形態では、制御部40の制御の下、転写ベルト20が1000mm/secの速さ(印画速度)で回転するように、転写ローラー23の回転速度が制御される。
搬送ドラム24は、円柱面状の外周曲面(搬送面)上に記録媒体Pを保持した状態で図1の図面に垂直な方向(以下、「直交方向」と称する)に延びた回転軸の回りで回転することで、搬送面に沿った搬送方向に記録媒体Pを1000mm/secの速さ(搬送速度)で搬送する。
具体的には、搬送ドラム24は、搬送ドラムモーター(図示せず)を備え、制御部40の制御により搬送ドラムモーターが駆動されることにより、図1中の反時計周り方向に回転する。本実施の形態では、搬送ドラム24として、大型(例えば印刷機用3倍胴)の金属製ドラムが用いられる。
上述した転写ベルト20、転写ローラー23および搬送ドラム24は、800mmの幅すなわち軸方向の長さを有する。
転写ローラー23は、搬送ドラム24の上部に対向して配置され、転写ベルト20を介して搬送ドラム24を加圧する。また、転写ベルト20を挟んで、搬送ドラム24が転写ローラー23に圧接されることにより、転写ベルト20から記録媒体Pへ画像を転写する転写ニップNPが形成される。本実施の形態では、転写ニップNPにおける転写荷重の値は、300~1200Nに設定されている。
ヘッドユニット10は、転写ベルト20に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から転写ベルト20に対してインク液滴を吐出して転写ベルト20上に画像を形成する。搬送ドラム24は、転写ベルト20上に形成された画像が転写ニップNPで記録媒体Pの所定の位置に転写されるように、記録媒体Pを搬送する。
本実施の形態における画像形成装置1では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット10が転写ベルト20の回転方向(移動方向)の上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。
各ヘッドユニット10は、インクジェットヘッド102(図2を参照)を備える。インクジェットヘッド102には、インクを貯留する圧力室と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、ノズルとを各々有する複数の記録素子が設けられている。この記録素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズルからインク液滴を吐出する。
インクジェットヘッド102に含まれるノズルの直交方向についての配置範囲は、搬送ドラム24により搬送される記録媒体Pのうち画像が形成される領域の直交方向の幅をカバーしている。ヘッドユニット10は、画像の形成時には搬送ドラム24の回転軸に対して位置が固定されて用いられる。すなわち、画像形成装置1は、シングルパス形式の画像形成装置である。
本実施の形態では、インクジェットヘッド102から転写ベルト20に吐出されるインクとして、紫外線の照射を受けて硬化する紫外線硬化性を有するインクが使用される。より具体的には、転写ベルト20に供給される活性エネルギー線の量(第1照射部25から出力される紫外線(UV:ultra violet)の光量)に応じて粘度が変化するインクが用いられる。第1照射部25から照射される活性エネルギー線の光量が多いほど、粘度が高くなる性質のインクが用いられる。すなわち、画像形成装置1の画像形成部は、UV硬化型インクジェット方式を採用している。
第1照射部25は、転写ベルト20の内周面側に配置され、制御部40の制御の下、転写ニップNPの上流側における転写ベルト20上のインク液滴、および、転写ニップNPにおける転写ベルト20上のインク液滴に対して活性エネルギー線を照射して当該インク液滴を硬化させる。本実施の形態では、第1照射部25は、波長395nmのUV光を出力するUV光源を備え、通常の印刷ジョブにおける照射強度のデフォルト値が2.0W/cmに設定されている。なお、第1の実施の形態において、第1照射部25は、本発明の「第1照射部」および「第2照射部」として機能する。
図3Aに示すように、第1照射部25は、転写ニップNPの上流側の第1照射領域L1における転写ベルト20上のインク液滴、および、転写ニップNPの第2照射領域L2における転写ベルト20上のインク液滴に対して、活性エネルギー線を照射して当該インク液滴を硬化させる。なお、転写ベルト20の移動方向において、第1照射領域L1と第2照射領域L2とは連続している。
第2照射部26は、転写ニップNPの下流側に搬送される記録媒体Pに活性エネルギー線を照射するように配置されており、制御部40の制御の下、転写ニップNPにより転写された画像(インク液滴)を本硬化させる。本実施の形態では、第2照射部26は、波長395nmのUV光を出力するUV光源を備え、通常の印刷ジョブにおける照射強度のデフォルト値が5.0W/cmに設定されている。
クリーニング部27は、転写ベルト20の移動方向(回転方向)において従動ローラー21と転写ローラー23との間における転写ベルト20の表面に対向配置され、転写ベルト20の表面をクリーニングするドライウェブ(ウェブローラー)を備える。
クリーニング部27のドライウェブは、転写ベルト20に対して接触離間可能、かつ、回転可能に構成されており、制御部40の制御により転写ベルト20に対して接触して回転することにより、転写ベルト20の表面をクリーニングして当該表面に付着した異物(転写残やミストによる不要なインクや紙粉)を除去する。これにより、転写ベルト20を透過する活性エネルギー線の光量を一定量確保して、画像形成時に転写ベルト20に吐出されたインクを所望の状態にすることができる。言い換えると、転写ベルト20の表面に異物が付着(固着)している場合に、インクに対して適切な量の活性エネルギー線が照射されず、当該インクを所望の硬化状態にすることができない事態を回避することができる。
温度検出部28は、例えば温度センサーであり、転写ローラー23の周囲の温度を検出する。ここで、転写ローラー23の周囲の温度とは、転写ローラー23の表面温度や、画像形成装置1内の温度(機内温度)を指している。温度検出部28は、転写ローラー23の周囲の温度を検出した場合、検出した温度を制御部40に出力する。
ステッピングモーター29は、図3Bに示すように、制御部40の制御の下、ステッピングモーター29に接続された偏心カム29Aを回転駆動し、転写ローラー23の回転軸23Aひいては転写ローラー23の上下方向(図中矢印方向)の位置を制御することが可能に構成されている。ステッピングモーター29(より具体的にはローター)には、エンコーダー29Bが設けられている。制御部40は、エンコーダー29Bの出力パルス数に基づいて、ステッピングモーター29の回転角度ひいては転写ローラー23の上下方向の位置を検知する。
制御部40は、記録媒体Pの種類(紙種)に応じて転写ニップNPにおける転写荷重ひいては転写ニップ幅を制御するため、図4に示す転写ニップ幅制御テーブルを参照し、ステッピングモーター29ひいては偏心カム29Aの回転量を制御して、転写ローラー23の上下方向の位置を制御する。
図4に示すように、転写ニップ幅制御テーブルにおいては、紙種(記録媒体Pの種類)と、転写荷重と、転写ニップ幅との関係を規定している。例えば、紙種が薄紙である場合、制御部40は、転写ニップNPにおける転写荷重を360Nに制御し、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの幅が12mmとなる。薄紙において普通紙より転写荷重を小さくしているのは、転写荷重が大き過ぎると、紙皺が発生するおそれがあるためである。
また、紙種が普通紙である場合、制御部40は、転写ニップNPにおける転写荷重を700Nに制御し、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの幅が15mmとなる。また、紙種が凹凸紙(例えば、エンボス紙)である場合、制御部40は、転写ニップNPにおける転写荷重を1150Nに制御し、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの幅が18mmとなる。凹凸紙において普通紙より転写荷重を大きくしているのは、凹み部のインク液滴に対して確実に転写荷重を作用させるためである。
制御部40は、エンコーダー29Bの出力パルス数を転写ニップ幅に換算して検知する。転写ニップNPの幅は、位置が固定されている搬送ドラム24に対する転写ローラー23の食い込み量で規定される。そして、転写ローラー23の食い込み量(つまり、転写ニップ幅)は、転写ローラー23の上下方向の移動量ひいてはエンコーダー29Bの出力パルス数で定義することができる。本実施の形態では、転写ローラー23の回転軸23Aをステッピングモーター29の回転で上下方向に精度良く移動させる構成としている。そのため、図5に示すように、エンコーダー29Bの出力パルス数と転写ニップ幅との関係(比例関係)を表す制御テーブルを予め作成しておき、制御部40は、当該制御テーブルを参照し、エンコーダー29Bの出力パルス数から転写ニップ幅を検知することができる。図5に示す制御テーブルでは、エンコーダー29Bの出力パルス数が増大するにつれて、転写ニップ幅が増大している。
また、転写ローラー23の押圧荷重について、ばねとステッピングモーター29とを組み合わせて例えばステッピングモーター29の回転に応じてばねで転写ローラー23を押圧する制御を行ったり、圧縮空気により転写ローラー23を押圧したりしても良い。これにより、紙種に応じて転写ローラー23の押圧荷重を変更することによって、最適な押圧条件で転写させることができる。この際、転写ニップNPの幅は、転写ローラー23と、対向する搬送ドラム24との軸間距離を測定することで算出することができる。また、レーザー変位計など、転写ローラー23の軸位置を測定できる手段を設け、測定された当該軸位置から転写ニップNPの幅を算出してもよい。
なお、耐久による転写ローラー23の硬度や外径の変化、転写ローラー23の熱膨張等の要因により、転写ローラー23の回転軸23Aの上下方向の位置ひいては転写ニップNPの幅は、経時的に変化する。特に、この経時的な転写ニップNPの幅の変化は、定荷重を転写ローラー23に付与する形式で顕著となる。
次に、主として図2を参照して、画像形成装置1における他の主要な機能構成を説明する。画像形成装置1は、ヘッドユニット10が有するヘッド駆動部101およびインクジェットヘッド102と、制御部40と、搬送駆動部51と、入出力インターフェース52とを備える。
ヘッド駆動部101は、制御部40の制御に基づいてインクジェットヘッド102の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じて圧電素子を変形動作させる駆動信号を出力することにより、インクジェットヘッド102のノズルから画像データの画素値に応じた量のインク液滴を吐出させる。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)および記憶部44を有する。
CPU41は、ROM43に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM42に記憶させ、当該プログラムを実行して各種の演算処理を行う。また、CPU41は、画像形成装置1の全体動作を統括制御する。
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。なお、RAM42は、不揮発性メモリーを含んでも良い。
ROM43は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM43に代えて、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
記憶部44には、入出力インターフェース52を介して外部装置2から入力された印刷ジョブ(具体的には、印刷枚数などの種々のユーザー設定情報を含む画像形成指示)および当該印刷ジョブに係る画像データが記憶される。記憶部44としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されても良い。
搬送駆動部51は、制御部40から供給される制御信号に基づいて搬送ドラム24の搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム24を所定の速度およびタイミングで回転させる。また、搬送駆動部51は、制御部40から供給される制御信号に基づいて転写ローラー23のモーターに駆動信号を供給して、転写ベルト20を所定の速度およびタイミングで回転させる。
入出力インターフェース52は、外部装置2と制御部40との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース52は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか、または、これらの組み合わせで構成される。
外部装置2は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース52を介して印刷ジョブおよび画像データ等を制御部40に供給する。
ところで、画像形成装置1においては、転写ベルト20上の画像(インク液滴)が転写ニップNPに突入する前に、適度なインク粘度となるように、第1照射領域L1において活性エネルギー線を照射することが重要である。具体的に説明すると、活性エネルギー線の照射エネルギーが高すぎる場合(すなわち、記録媒体Pと接触するインク液滴のインク粘度が高くなりすぎる場合)、当該インク液滴の濡れ性を十分に保つことができず、記録媒体Pに対するインク液滴の転写性が低下する結果、記録媒体Pに転写される画像の品質が低下してしまう。また、活性エネルギー線の照射エネルギーが低すぎる場合(すなわち、記録媒体Pと接触するインク液滴のインク粘度が低くなりすぎる場合)、転写ニップNPの転写圧でインク液滴が過剰に潰されて拡大し、記録媒体Pに転写される画像の品質が低下してしまう。
上述したように本実施の形態では、制御部40は、記録媒体Pの種類に応じて、転写ニップNPにおける転写荷重を制御し、ひいては転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの幅を制御する。そのため、図3Aに示すように、記録媒体Pの種類に応じて、転写ニップNPすなわち第2照射領域L2の幅が変化する結果、第2照射領域L1と連続している第1照射領域L1の幅が変化する。例えば、第2照射領域L2の幅が小さくなった場合、その分、第1照射領域L1の幅が大きくなり、第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギーが高くなりすぎる場合がある。一方、第2照射領域L2の幅が大きくなった場合、その分、第1照射領域L1の幅が小さくなり、第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギーが低くなりすぎる場合がある。
そこで、画像形成装置1は、第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、転写ニップNPの幅(より具体的には、転写ニップNPの開始位置)の変化に応じて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射態様(照射光量)を制御する。
次に、図6のフローチャートを参照して、画像形成装置1の照射光量設定動作の例について説明する。なお、図6に示す処理は、印刷ジョブに係る画像データが制御部40に供給されてインクジェットヘッド102のノズルから画像データの画素値に応じた量のインク液滴が吐出される前(すなわち印刷ジョブの実行前)に実行される。
まず、制御部40は、図4に示す転写ニップ幅制御テーブルを参照し、記録媒体Pの種類に応じて、転写ローラー23に付与する荷重(転写荷重)の大きさ、ひいては転写ニップNPの幅を設定する(ステップS100)。具体的には、制御部40は、記録媒体Pの種類に応じて、ステッピングモーター29ひいては偏心カム29Aの回転量を制御し、転写ローラー23の上下方向の位置を制御する。次に、制御部40は、搬送ドラム24による記録媒体Pの搬送速度(例えば、1000mm/sec)を設定する(ステップS120)。
最後に、制御部40は、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの上流側の第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、図7に示す照射光量制御テーブルを参照し、転写ニップNPの幅(より具体的には、転写ニップNPの開始位置)に応じて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射光量を制御する(ステップS140)。ステップS140の処理が完了することによって、画像形成装置1は、図6における処理を終了する。
図7に示すように、照射光量制御テーブルにおいては、紙種と、転写ニップNPの幅(転写ニップ幅)と、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射幅(第1照射領域L1に活性エネルギー線が照射され始めた位置から転写ニップNPの開始位置までの幅)と、活性エネルギー線の照射時間と、活性エネルギー線の照射光量と、活性エネルギー線の照射エネルギー量との関係を規定している。なお、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射エネルギー量は、活性エネルギー線の照射時間と、活性エネルギー線の照射光量とを乗算することによって算出される。
例えば、紙種が薄紙である場合、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が普通紙と比べて長くなるため、制御部40は、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射光量が1.8W/cmとなる(つまり普通紙と比べて小さくなる)ように第1照射部25を制御する。また、紙種が普通紙である場合、制御部40は、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射光量が2.0W/cmとなるように第1照射部25を制御する。また、紙種が凹凸紙である場合、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が普通紙と比べて短くなるため、制御部40は、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射光量が2.2W/cmとなる(つまり普通紙と比べて大きくなる)ように第1照射部25を制御する。このように、紙種が薄紙、普通紙、凹凸紙の何れであっても第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制され、転写ベルト20上の画像(インク液滴)が転写ニップNPに突入する前に適度なインク粘度となる。すなわち記録媒体Pと接触するインク液滴のインク粘度が高くなりすぎたり低くなりすぎたりすることなく、記録媒体Pに転写される画像の品質低下を抑制することができる。
次に、図8のフローチャートを参照して、画像形成装置1の照射光量変更動作の例について説明する。なお、図8に示す処理は例えば、図6におけるステップS140の設定が行われた後、温度検出部28により転写ローラー23の周囲の温度が検出される毎に実行される。
まず、制御部40は、転写ローラー23の周囲の温度が所定温度(例えば、5℃)以上変化したか否かについて判定する(ステップS200)。判定の結果、所定温度以上変化していない場合(ステップS200、NO)、画像形成装置1は、図8における処理を終了する。
一方、所定温度以上変化した場合(ステップS200、YES)、制御部40は、転写ニップNPの幅を検知する(ステップS220)。次に、制御部40は、転写ニップNPの幅が変化したか否かについて判定する(ステップS240)。判定の結果、転写ニップNPの幅が変化していない場合(ステップS240、NO)、画像形成装置1は、図8における処理を終了する。
一方、転写ニップNPの幅が変化した場合(ステップS240、YES)、制御部40は、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの上流側の第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、転写ニップNPの幅変化に応じて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射光量を変更する(ステップS260)。例えば、転写ニップNPの幅が前回の検知時より増大した場合、制御部40は、転写ニップNPの幅が変化する前と比べて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射光量を大きくする。一方、転写ニップNPの幅が前回の検知時より減少した場合、制御部40は、転写ニップNPの幅が変化する前と比べて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射光量を小さくする。ステップS260の処理が完了することによって、画像形成装置1は、図8における処理を終了する。
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、画像形成装置1は、活性エネルギー線硬化性を有するインク液滴をインクジェットヘッド102から吐出することによって転写体(転写ベルト20)上に画像を形成し、転写ニップNPにおいて記録媒体Pに当該画像を転写する画像形成部(ヘッドユニット10、転写ベルト20および転写ローラー23)と、転写体の移動方向における転写ニップNPの上流側の第1照射領域L1において、転写体上のインク液滴に活性エネルギー線を照射する第1照射部25と、転写ニップNPの第2照射領域L2において、転写体上のインク液滴に活性エネルギー線を照射する第2照射部(第1照射部25)と、第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、転写ニップNPの開始位置に応じて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射態様(照射光量)を制御する制御部40と、を備える。
このように構成した本実施の形態によれば、例えば記録媒体Pの種類(紙種)に応じて転写ニップNPの幅ひいては転写ニップNPの開始位置が変化した場合、第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、転写ニップNPの開始位置に応じて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射光量が適切に調整される。そのため、転写ベルト20上の画像(インク液滴)が転写ニップNPに突入する前に適度なインク粘度となり、すなわち記録媒体Pと接触するインク液滴のインク粘度が高くなりすぎたり低くなりすぎたりすることなく、記録媒体Pに転写される画像の品質低下を抑制することができる。
次に、第2の実施の形態における画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。図9は、第2の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。また、図10は、第2の実施の形態に係る画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。本実施の形態では、画像形成装置1は、第1の実施の形態と比べて、第3照射部30および照射角度変更部31を更に備える。
第1照射部25は、転写ベルト20の内周面側に配置され、制御部40の制御の下、転写ニップNPの上流側における転写ベルト20上のインク液滴に対して活性エネルギー線を照射して当該インク液滴を硬化させる。なお、第2の実施の形態において、第1照射部25は、本発明の「第1照射部」として機能する。
第3照射部30は、転写ベルト20の内周面側に配置され、制御部40の制御の下、転写ニップNPにおける転写ベルト20上のインク液滴に対して活性エネルギー線を照射して当該インク液滴を硬化させる。なお、第2の実施の形態において、第3照射部30は、本発明の「第2照射部」として機能する。
図11に示すように、第1照射部25は、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの上流側から、当該上流側の第1照射領域L1における転写ベルト20上のインク液滴に対して活性エネルギー線を照射して当該インク液滴を硬化させる。また、第3照射部30は、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの下流側から、転写ニップNPの第2照射領域L2における転写ベルト20上のインク液滴に対して活性エネルギー線を照射して当該インク液滴を硬化させる。なお、転写ベルト20の移動方向において、第1照射領域L1と第2照射領域L2とは連続している。
照射角度変更部31は、公知の機構を用いて第1照射部25の位置を図11中の両矢印方向に変更させることによって、第1照射部25による活性エネルギー線の照射角度を変更する。第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射角度が変更されると、転写ベルト20の移動方向における当該活性エネルギー線の照射範囲(照射開始位置~照射終了位置)が変化する。
本実施の形態においても、画像形成装置1は、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの上流側の第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、転写ニップNPの幅(より具体的には、転写ニップNPの開始位置)の変化に応じて、第1照射部25による活性エネルギー線の照射角度を制御し、ひいては第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間を制御する。
次に、図12のフローチャートを参照して、画像形成装置1の照射角度設定動作の例について説明する。なお、図12に示す処理は、印刷ジョブに係る画像データが制御部40に供給されてインクジェットヘッド102のノズルから画像データの画素値に応じた量のインク液滴が吐出される前(すなわち印刷ジョブの実行前)に実行される。
まず、制御部40は、図4に示す転写ニップ幅制御テーブルを参照し、記録媒体Pの種類に応じて、転写ローラー23に付与する荷重(転写荷重)の大きさ、ひいては転写ニップNPの幅を設定する(ステップS300)。具体的には、制御部40は、記録媒体Pの種類に応じて、ステッピングモーター29ひいては偏心カム29Aの回転量を制御し、転写ローラー23の上下方向の位置を制御する。次に、制御部40は、搬送ドラム24による記録媒体Pの搬送速度(例えば、1000mm/sec)を設定する(ステップS320)。
最後に、制御部40は、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの上流側の第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、図13に示す照射時間制御テーブルを参照し、転写ニップNPの幅(より具体的には、転写ニップNPの開始位置)の変化に応じて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間(照射態様)を制御する(ステップS340)。ステップS340の処理が完了することによって、画像形成装置1は、図12における処理を終了する。
図13に示すように、照射時間制御テーブルにおいては、紙種と、転写ニップNPの幅(転写ニップ幅)と、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射幅と、活性エネルギー線の照射時間と、活性エネルギー線の照射光量と、活性エネルギー線の照射エネルギー量との関係を規定している。なお、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射エネルギー量は、活性エネルギー線の照射時間と、活性エネルギー線の照射光量とを乗算することによって算出される。
例えば、紙種が薄紙である場合、転写ニップ幅が普通紙と比べて短くなる、つまり第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射幅が長くなる。そのため、制御部40は、照射角度変更部31を制御し、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が0.015secとなる(つまり普通紙と同じになる)ように第1照射部25の照射角度を変更する。また、紙種が普通紙である場合、制御部40は、照射角度変更部31を制御し、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が0.015secとなるように第1照射部25の照射角度を変更する。また、紙種が凹凸紙である場合、転写ニップNPの幅が普通紙と比べて長くなる、つまり第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射幅が短くなる。そのため、制御部40は、照射角度変更部31を制御し、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が0.015secとなる(つまり普通紙と同じになる)ように第1照射部25の照射角度を変更する。このように、紙種が薄紙、普通紙、凹凸紙の何れであっても第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間ひいては当該活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制され、転写ベルト20上の画像(インク液滴)が転写ニップNPに突入する前に適度なインク粘度となる。すなわち記録媒体Pと接触するインク液滴のインク粘度が高くなりすぎたり低くなりすぎたりすることなく、記録媒体Pに転写される画像の品質低下を抑制することができる。
次に、図14のフローチャートを参照して、画像形成装置1の照射角度変更動作の例について説明する。なお、図14に示す処理は例えば、図12におけるステップS340の設定が行われた後、温度検出部28により転写ローラー23の周囲の温度が検出される毎に実行される。
まず、制御部40は、転写ローラー23の周囲の温度が所定温度(例えば、5℃)以上変化したか否かについて判定する(ステップS400)。判定の結果、所定温度以上変化していない場合(ステップS400、NO)、画像形成装置1は、図14における処理を終了する。
一方、所定温度以上変化した場合(ステップS400、YES)、制御部40は、転写ニップNPの幅を検知する(ステップS420)。次に、制御部40は、転写ニップNPの幅が変化したか否かについて判定する(ステップS440)。判定の結果、転写ニップNPの幅が変化していない場合(ステップS440、NO)、画像形成装置1は、図14における処理を終了する。
一方、転写ニップNPの幅が変化した場合(ステップS440、YES)、制御部40は、転写ベルト20の移動方向における転写ニップNPの上流側の第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、転写ニップNPの幅変化に応じて、第1照射部25による活性エネルギー線の照射角度ひいては照射時間を変更する(ステップS460)。例えば、転写ニップNPの幅が増大した場合、制御部40は、転写ニップNPの幅が変化する前と比べて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が変化しないように第1照射部25の照射角度を変更する。一方、転写ニップNPの幅が減少した場合、制御部40は、転写ニップNPの幅が変化する前と比べて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が変化しないように第1照射部25の照射角度を変更する。ステップS460の処理が完了することによって、画像形成装置1は、図14における処理を終了する。
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、画像形成装置1は、活性エネルギー線硬化性を有するインク液滴をインクジェットヘッド102から吐出することによって転写体(転写ベルト20)上に画像を形成し、転写ニップNPにおいて記録媒体Pに当該画像を転写する画像形成部(ヘッドユニット10、転写ベルト20および転写ローラー23)と、転写体の移動方向における転写ニップNPの上流側の第1照射領域L1において、転写体上のインク液滴に活性エネルギー線を照射する第1照射部25と、転写ニップNPの第2照射領域L2において、転写体上のインク液滴に活性エネルギー線を照射する第2照射部(第3照射部30)と、第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、転写ニップNPの開始位置に応じて、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射態様(照射時間)を制御する制御部40と、を備える。
このように構成した本実施の形態によれば、例えば記録媒体Pの種類(紙種)に応じて転写ニップNPの幅ひいては転写ニップNPの開始位置が変化した場合、第1照射領域L1に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が一定に調整される。そのため、転写ベルト20上の画像(インク液滴)が転写ニップNPに突入する前に適度なインク粘度となり、すなわち記録媒体Pと接触するインク液滴のインク粘度が高くなりすぎたり低くなりすぎたりすることなく、記録媒体Pに転写される画像の品質低下を抑制することができる。
なお、上記第2の実施の形態では、第1照射部25による活性エネルギー線の照射角度を制御することによって、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間を制御する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、記録媒体Pの搬送速度を制御することによって、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間を制御しても良い。具体的には、紙種が薄紙である場合、転写ニップNPの幅が普通紙と比べて短くなる、つまり第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射幅(照射時間)が長くなる。そのため、制御部40は、搬送ドラム24を制御し、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が短くなる(普通紙と比べて同じになる)ように記録媒体Pの搬送速度を速くする。また、紙種が凹凸紙である場合、転写ニップNPの幅が普通紙と比べて長くなる、つまり第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射幅(照射時間)が短くなる。そのため、制御部40は、搬送ドラム24を制御し、第1照射領域L1に対する活性エネルギー線の照射時間が長くなる(普通紙と比べて同じになる)ように記録媒体Pの搬送速度を遅くする。
また、上記第1および第2の実施の形態では、制御部40が、転写ローラー23の周囲の温度が所定温度以上変化した場合、転写ニップNPの幅を検知する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、制御部4は、所定時間ごとに、転写ニップNPの幅を検知しても良い。
また、上記第1および第2の実施の形態では、第1照射部25により照射される活性エネルギー線は、紫外線である例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、活性エネルギー線は、電子線であっても良い。この場合、電子線に応じて粘度が変化するインクが用いられることが好ましい。
また、上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
2 外部装置
10 ヘッドユニット
20 転写ベルト
21,22 従動ローラー
23 転写ローラー
24 搬送ドラム
25 第1照射部
26 第2照射部
27 クリーニング部
28 温度検出部
29 ステッピングモーター
30 第3照射部
31 照射角度変更部
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
44 記憶部
51 搬送駆動部
52 入出力インターフェース
101 ヘッド駆動部
102 インクジェットヘッド
NP 転写ニップ
P 記録媒体

Claims (12)

  1. 活性エネルギー線硬化性を有するインク液滴をインクジェットヘッドから吐出することによって転写体上に画像を形成し、転写ニップにおいて記録媒体に当該画像を転写する画像形成部と、
    前記転写体の移動方向における前記転写ニップの上流側の第1照射領域において、前記転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第1照射部と、
    前記転写ニップの第2照射領域において、前記転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第2照射部と、
    前記第1照射領域に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、前記転写ニップの開始位置の変化に応じて、前記第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射態様を制御する制御部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 前記転写体の移動方向において、前記第1照射領域と前記第2照射領域とは連続している、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記照射態様として、前記第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射光量を制御する、
    請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記照射態様として、前記第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射時間を制御する、
    請求項1または2に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記第1照射部による活性エネルギー線の照射角度を制御することによって、前記第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射時間を制御する、
    請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記記録媒体の搬送速度を制御することによって、前記第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射時間を制御する、
    請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記記録媒体の種類に応じて、前記転写ニップの開始位置を設定する、
    請求項1~6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記転写ニップの開始位置を検知する検知部を備える、
    請求項1~7の何れか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記検知部は、前記転写体と共に前記転写ニップを形成する転写ローラーの位置に基づいて、前記転写ニップの開始位置を検知する、
    請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記検知部は、前記転写体と共に前記転写ニップを形成する転写ローラーの周囲の温度が所定温度以上変化した場合、前記転写ニップの開始位置を検知する、
    請求項8または9に記載の画像形成装置。
  11. 前記検知部は、所定時間ごとに、前記転写ニップの開始位置を検知する、
    請求項8または9に記載の画像形成装置。
  12. 活性エネルギー線硬化性を有するインク液滴をインクジェットヘッドから吐出することによって転写体上に画像を形成し、転写ニップにおいて記録媒体に当該画像を転写する画像形成部と、
    前記転写体の移動方向における前記転写ニップの上流側の第1照射領域において、前記転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第1照射部と、
    前記転写ニップの第2照射領域において、前記転写体上の前記インク液滴に活性エネルギー線を照射する第2照射部と、
    を備える画像形成装置の制御方法であって、
    前記第1照射領域に照射される活性エネルギー線の照射エネルギー量の変動が抑制されるように、前記転写ニップの開始位置の変化に応じて、前記第1照射領域に対する活性エネルギー線の照射態様を制御する、
    制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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