JP2021182839A - ロータ、モータ、及び、ロータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
即ち、本発明に係るモータは、ステータの磁界を受けて回転するロータであって、回転軸と、前記回転軸が同軸に固定されたロータコアと、前記ロータコアの外周部に配置された複数の永久磁石と、前記ロータコアと複数の前記永久磁石の外側を覆い、前記回転軸の回転軸線に沿う軸方向の端部に径方向内側に屈曲したフランジ部を有する略筒状のマグネットカバーと、前記ロータコアの軸方向の端面と前記フランジ部の間に配置されて、前記フランジ部と前記ロータコアに当接する荷重受けブロックと、を備え、前記フランジ部の径方向内側の縁部は、径方向内側の端部を前記荷重受けブロックの軸方向外側の端面から離間させる形状とされていることを特徴とする。
また、本発明に係るロータは、フランジ部の径方向内側の縁部が、径方向内側の端部を荷重受けブロックの軸方向外側の端面から離間させる形状とされている。このため、マグネットカバーの組付け時に、マグネットカバーのフランジ部が荷重受けブロックの端面方向に傾斜し、その状態でフランジ部に荷重受けブロック方向の押し付け荷重が入力されても、フランジ部の径方向内側の端部が荷重受けブロックの端面に当接するのを回避することができる。したがって、本発明に係るロータを採用した場合には、マグネットカバーの組付け時に、荷重受けブロックの損傷や摩耗粉の発生を抑制することができる。
図1は、車両に用いられる駆動装置1の斜視図である。図2は、駆動装置1の図1のII−II線に沿う断面図である。
駆動装置1は、例えば、車両のワイパー装置の駆動源として用いられる。図1,図2に示すように、駆動装置1は、モータ2と、モータ2の回転を減速して出力する減速部3と、モータ2の駆動制御を行うコントローラ4と、を備えている。
なお、以下の説明において、単に「軸方向」と言う場合は、モータ2の回転軸31の回転軸線Cの方向に沿う方向を意味し、単に「周方向」と言う場合は、回転軸31の周方向を意味するものとする。また、単に「径方向」と言う場合は、回転軸31の径方向を意味するものとする。
モータ2は、モータケース5と、モータケース5内に収納された略円筒状のステータ8と、ステータ8の径方向内側に配置され、ステータ8に対して回転可能に設けられたロータ9と、を備えている。本実施形態のモータ2は、ステータ8に電力を供給する際にブラシを必要としない、いわゆるブラシレスモータである。
モータケース5は、アルミニウム合金等の放熱性に優れた材料によって形成されている。モータケース5は、軸方向で分割可能に構成された第1モータケース6と、第2モータケース7と、からなる。第1モータケース6と第2モータケース7は、それぞれ有底円筒状に形成されている。
第1モータケース6は、底部10が減速部3のギヤケース40と接続されるように、当該ギヤケース40と一体成形されている。底部10の径方向略中央には、モータ2の回転軸31を挿通可能な貫通孔が形成されている。なお、本実施形態では、モータケース5とギヤケース40が駆動装置1のケーシングを構成している。
ステータ8は、積層した鋼板(電磁鋼板)から成るステータコア20と、ステータコア20に巻回される複数のコイル24と、を備えている。ステータコア20は、円環状のコア本体部21と、コア本体部21の内周部から径方向内側に向かって突出する複数(例えば、6つ)のティース22と、を有している。コア本体部21の内周面と各ティース22は、樹脂製のインシュレータ23によって覆われている。コイル24は、インシュレータ23の上から対応する所定のティース22に巻回されている。各コイル24は、コントローラ4からの給電により、ロータ9を回転させるための磁界を生成する。
ロータ9は、ステータ8の径方向内側に微小隙間を介して回転自在に配置されている。ロータ9は、回転軸31と、回転軸31が同軸に固定される略筒状のロータコア32と、ロータコア32の外周部に組付けられた4つの永久磁石33(図4,図5等参照。)と、を備えている。回転軸31は、減速部3を構成するウォーム軸44と一体に形成されている。回転軸31とウォーム軸44は、ギヤケース40(ケーシング)に軸受46,47を介して回転自在に支持されている。なお、永久磁石33としては、例えば、フェライト磁石が用いられる。しかしながら、永久磁石33は、これに限るものではなく、ネオジムボンド磁石やネオジム焼結磁石等を適用することも可能である。
ロータ9の詳細構造については後に説明する。
減速部3は、モータケース5と一体化されたギヤケース40と、ギヤケース40内に収納された減速機構41と、を備えている。ギヤケース40は、アルミニウム合金等の放熱性に優れた金属材料によって形成されている。ギヤケース40は、一面に開口部40aを有する箱状に形成されている。ギヤケース40は、減速機構41を内部に収容するギヤ収容部42を有する。また、ギヤケース40の側壁40bは、第1モータケース6が一体形成されている箇所に、第1モータケース6の貫通孔とギヤ収容部42を連通する開口部43が形成されている。
コントローラ4は、磁気検出素子61が実装されたコントローラ基板62を有している。コントローラ基板62は、磁気検出素子61がウォームホイール45のセンサマグネットに対向するように、ギヤケース40の開口部40a内に配置されている。ギヤケース40の開口部40aはカバー63によって閉塞されている。
図3は、ロータ9の斜視図であり、図4は、ロータ9の図3のIV−IV線に沿う断面図である。また、図5は、ロータ9の分解斜視図である。図6、図7は、後述するマグネットカバー71を取り去ったロータ9の斜視図と平面図である。
ロータ9は、回転軸31(図3〜図7では図示省略)と、回転軸31が同軸に固定されたロータコア32と、ロータコア32の外周部に配置された4つの永久磁石33と、ロータコア32の軸方向の一端側と他端側にそれぞれ配置された一対の荷重受けブロック70A,70Bと、ロータコア32及び永久磁石33と一対の荷重受けブロック70A,70Bを軸方向及び径方向の外側から覆う金属製のマグネットカバー71と、を備えている。
なお、各荷重受けブロック70A,70Bについて軸方向外側とは、軸方向のうちのロータコア32の配置される側と逆側を意味するものとする。
一方の荷重受けブロック70Aと他方の荷重受けブロック70Bは同形状に形成されている。両者は、表裏を反転させた状態でロータコア32の軸方向の一端側と他端側とに組付けられている。
図9,図10に示す状態では、周壁部71aの軸方向の一端側にフランジ部71bが曲げ形成されている。フランジ部71bの径方向外側の縁部55は、周壁部71aの外周面に対して略直交するように径方向内側にストレートに延びている。これに対し、フランジ部71bの径方向内側の縁部には湾曲形状部35が形成されている。湾曲形状部35は、フランジ部71bの径方向内側の端部71b−1(内周端部)が、荷重受けブロック70A(端部壁70c)の軸方向外側の端面から離間する方向に反るように形成されている。換言すると、フランジ部71bの径方向内側の縁部は、荷重受けブロック70A(端部壁70c)の軸方向外側の端面に臨む側の面が湾曲面となるように形成されている。
なお、本実施形態では、フランジ部71bの径方向内側の縁部に湾曲形状部35が形成されているが、径方向内側の縁部の形状は、フランジ部71bの径方向内側の端部71b−1を荷重受けブロック70A(端部壁70c)の軸方向外側の端面から離間させることができる形状であれば、一部に直線部がある形状等の他の形状であっても良い。
マグネットカバー71の周壁部71aの内側にロータコア32と荷重受けブロック70A,70Bが圧入されるときには、フランジ部71bの径方向外側の縁部55が圧入荷重によって図12に示すように軸方向外側に膨出変形する。このため、マグネットカバー71の周壁部71aの内側にロータコア32と荷重受けブロック70A,70Bを圧入した後には、フランジ部71bの径方向外側の縁部55の膨出変形を矯正するために、押さえ治具91がフランジ部71bの径方向外側の縁部55に軸方向外側から押し当てられる。
ロータ9の製造時(組立時)には、最初に、ロータコア32の外周部に永久磁石33を配置し、その状態でロータコア32の軸方向の一端側と他端側とに荷重受けブロック70A,70Bを組付ける。
次に、そのアッセンブリをマグネットカバー71の周壁部71aに圧入する。このとき、マグネットカバー71の一方のフランジ部71bは、径方向外側の縁部55が周壁部71aに対して略直角となるように予め屈曲させておく。
この後、マグネットカバー71のフランジ部71bの径方向外側の縁部55を、押さえ治具91によって軸方向に押圧する。これにより、フランジ部71bの径方向内側の縁部(湾曲形状部35)が荷重受けブロック70Aの軸方向外側の端面に押圧され、フランジ部71bの径方向外側の縁部55(膨出部分)が荷重受けブロック70Aの端面に沿うように形状を矯正される。
次に、マグネットカバー71の軸方向の他方の端縁にかしめ治具によってかしめを行い、塑性変形によってフランジ部71cを造形するとともに、フランジ部71cを荷重受けブロック70Bの端部壁70cの端面に圧接させる。この結果、ロータコア32と永久磁石33は、荷重受けブロック70A,70Bとともにマグネットカバー71の内部に固定される。
本実施形態のロータ9は、ロータコア32の軸方向の各端面とマグネットカバー71のフランジ部71b,71cの間に荷重受けブロック70A,70Bが配置されている。このため、ロータ9の製造時に、マグネットカバー71のフランジ部71b,71cをかしめる際に、大きな荷重が永久磁石33に直接入力されて、永久磁石33に損傷や劣化が生じるのを未然に防止することができる。
したがって、本実施形態のロータ9を採用した場合には、マグネットカバー71の組付け時に、荷重受けブロック70Aに損傷が生じたり、摩耗粉が発生したりするのを抑制することができる。
したがって、本実施形態のロータ9を採用した場合には、フランジ部71bの径方向外側の縁部55の膨出部分をスムーズに矯正することができるとともに、矯正作業に伴う荷重受けブロック70Aの損傷や摩耗をより抑制することができる。
つづいて、第2実施形態のロータの詳細構造について説明する。
図13は、ロータ109の斜視図であり、図14は、ロータ109の分解斜視図である。
本実施形態のロータ109は、基本的な構成は第1実施形態のものとほぼ同様であるが、マグネットカバー71の一部の形状が第1実施形態のものと異なっている。
図15,図16に示すように、本実施形態のマグネットカバー71は、周壁部71aと一端側のフランジ部71bの間の角部に、軸方向外側に突出する凸形状部53が形成されている。凸形状部53は、フランジ部71bの外周に沿うように環状に形成されている。マグネットカバー71の周壁部71a内にロータコア32と荷重受けブロック70A,70Bを圧入すると、図15,図16に示すように、フランジ部71bの径方向外側の縁部55が軸方向外側に膨出する。このため、周壁部71a内にロータコア32と荷重受けブロック70A,70Bを圧入した後には、フランジ部71bの径方向外側の縁部55の膨出部分を矯正するために、図16に示すように、膨出部分が押さえ治具91によって押圧される。このとき、周壁部71aとフランジ部71bの間の角部に予め凸形状部53が形成されているため、フランジ部71bの径方向外側の縁部55は、押さえ治具91から軸方向の押圧荷重を受けても径方向外側に拡径変形しにくい。
なお、本実施形態のマグネットカバー71の場合も、第1実施形態と同様に、フランジ部71bの径方向内側の縁部には湾曲形状部35が形成されている。また、フランジ部71bの径方向内側の端部71b−1は、荷重受けブロック70Aの軸方向外側の端面に対し離間している。
本実施形態のロータ109は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の基本的な効果を得ることができる。
次に、第3実施形態のロータの詳細構造について説明する。
図17は、本実施形態のロータ209の斜視図である。
本実施形態のロータ209は、基本的な構成は第1実施形態のものとほぼ同様であるが、軸方向の一端側に配置される荷重受けブロック270Aの構造が第1実施形態のものと異なっている。
荷重受けブロック270Aは、ロータコア32のコア本体部の軸方向の端面に重ねて配置される環状部70aと、環状部70aの外周面から放射方向に突出して、ロータコア32の各突極の軸方向の端面に重ねて配置される4つの脚部70bと、環状部70a及び脚部70bの軸方向外側に一体に連結された孔開き円板状の端部壁70cと、を有している。4つの脚部70bは、回転軸31の回転軸線Cを中心とした放射方向に延びている。
また、フランジ部71bが押さえ治具91からの押圧荷重を受け、湾曲形状部35が当接姿勢を変化させつつ荷重受けリブ38a上を摺動する際には、湾曲形状部35から荷重受けリブ38aの径方向内側に伝達された荷重は環状リブ38bと環状部70aによって受け止められる。
本実施形態のロータ209は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の基本的な効果を得ることができる。
Claims (7)
- ステータの磁界を受けて回転するロータであって、
回転軸と、
前記回転軸が同軸に固定されたロータコアと、
前記ロータコアの外周部に配置された複数の永久磁石と、
前記ロータコアと複数の前記永久磁石の外側を覆い、前記回転軸の回転軸線に沿う軸方向の端部に径方向内側に屈曲したフランジ部を有する略筒状のマグネットカバーと、
前記ロータコアの軸方向の端面と前記フランジ部の間に配置されて、前記フランジ部と前記ロータコアに当接する荷重受けブロックと、を備え、
前記フランジ部の径方向内側の縁部は、径方向内側の端部を前記荷重受けブロックの軸方向外側の端面から離間させる形状とされていることを特徴とするロータ。 - 前記フランジ部の径方向内側の縁部には、径方向の内側端が前記荷重受けブロックの軸方向外側の端面から離間する方向に反る湾曲形状部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
- 前記荷重受けブロックは、
前記回転軸の回転軸線を中心とした放射方向に延び、前記ロータコアの軸方向の端面に当接する複数の脚部と、
複数の前記脚部の前記ロータコアと逆側の軸方向の端部に連結された略円板状の端部壁と、を有し、
前記端部壁の軸方向外側の端面のうちの前記脚部と軸方向で重なる位置には、前記回転軸線を中心とした放射方向に延び、前記フランジ部が当接する複数の荷重受けリブが配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロータ。 - 前記端部壁の軸方向外側の端面のうちの隣接する前記荷重受けリブの間には、前記フランジ部が当接しない非接触部が配置されていることを特徴とする請求項3に記載のロータ。
- 前記マグネットカバーは、
前記ロータコアと前記荷重受けブロックの外周を覆う周壁部と、
前記周壁部の軸方向の端部から径方向内側に屈曲して延びる前記フランジ部と、を備え、
前記周壁部と前記フランジ部の間の角部には、軸方向外側に突出する凸形状部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のロータ。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のロータと、
前記ロータの外周側に配置されて、磁界を発生するステータと、を備えていることを特徴とするモータ。 - 請求項1に記載のロータの製造方法であって、
前記ロータコアの外周部に複数の前記永久磁石を配置するとともに、前記ロータコアの軸方向の端部に前記荷重受けブロックを組付ける工程と、
前記荷重受けブロック、前記ロータコア、及び、複数の前記永久磁石を前記マグネットカバーの周壁部内に圧入する工程と、
前記フランジ部を前記荷重受けブロックの軸方向外側の端面に押圧する工程と、
を有ることを特徴とするロータの製造方法。
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