以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施形態の内容に至る経緯)
扉等に設置された安全スイッチを複数有するスイッチシステムでは、安全スイッチが扉の開状態を検出すると、扉内部に配置された工作機械等の装置(内部装置)が動作を停止する。この内部装置は、定期的又は不定期にメンテナンスされ得る。メンテナンスの際には、扉が開けられ、作業者が扉から扉内部に侵入して内部装置のメンテナンス作業を行う。
従来のスイッチシステムは、複数の安全スイッチと、安全用PLCと、モード切替スイッチと、を備える。安全スイッチは、扉の開閉を検出する。安全用PLCは、内部装置の動作を制御する。モード切替スイッチは、スイッチシステムの動作モードを切り替える。この動作モードは、作業者が扉から進入してメンテナンスを行うためのメンテナンスモードと、メンテナンスモード以外の通常モードと、を有する。
通常モードでは、安全用PLCは、安全スイッチの出力(検出結果)に応じて内部装置の駆動を制御する。この場合、扉が開いていることを安全スイッチが検出した場合、安全用PLCは、内部装置の駆動を停止させる。一方、メンテナンスモードでは、安全用PLCは、安全スイッチの出力を無効化する。この場合、扉が開いていることを安全スイッチが検出した場合でも、安全用PLCは、内部装置の駆動を停止させない。
例えば作業者が、いずれかの扉を介して扉内部に進入し、内部装置をメンテナンスするとする。この場合、他の扉を介して作業者が扉内部に進入する場合、他の箇所でメンテナンス作業中であるか否かを認識することが困難である。
図22は、従来の作業者によるメンテナンス作業を説明するための図である。例えば、作業者P1が、モード切替スイッチを用いてメンテナンスモードに切り替え、各装置A〜Cの動作を停止させ、扉1を介して扉内部に進入し、装置Aのメンテナンス作業をしているとする。扉1は、扉3及び扉4の近辺の扉外部からは視認できない。また、扉3及び扉4の近辺の扉内部からは、装置Bにより視界を遮られ、装置Aの様子を視認できない。したがって、扉4の近傍に所在する他の作業者P2からは、作業者P1が装置Aのメンテナンス作業をしていることを認識できない。そのため、扉内部に進入すると、作業者P2に危険が及ぶ可能性がある。また、例えば装置Bの動作が停止している場合、作業者P2は、本来動作すべき装置Bが停止していると判断し、装置Bを稼働させることがあり得る。この場合、動作モードはメンテナンスモードに設定されており、安全用PLCは、装置Bの駆動を停止させない。よって、作業者P1は、突然に稼働した装置Bにより危険に陥る可能性がある。
以下の実施形態では、安全スイッチが取り付けられたドアの内部でのメンテナンス時の作業者の安全性を向上できる。安全スイッチ及びスイッチシステムについて説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態におけるドア付き装置10の構成例を示す図である。ドア付き装置10は、1つ以上のドア100と、1つ以上の安全スイッチ200と、を備える。ドア100は、扉、戸、等のドアに関連するものを広く含んでよく、窓を含んでもよい。また、ドア付き装置10の内部には、1つ以上の装置(例えば製造装置、その他の装置)が収容される。ドア付き装置10の内部に配置される装置を「内部装置」とも称する。
また、複数の安全スイッチ200を含んで、スイッチシステム5が形成されてよい。スイッチシステム5は、複数の安全スイッチ200で1つのグループを形成している。スイッチシステム5に含まれる各安全スイッチ200は、順番に連結されてよく、直列に接続されてよい。また、各安全スイッチ200は、特定の1つの安全スイッチ200(例えば後述するマスタスイッチ)に対して1対1に接続されてもよい。また、少なくとも1つの安全スイッチ200は、安全用PLCに接続される。なお、本実施形態の安全スイッチ200は、基本的にスイッチシステム5に含まれるものとしてよい。
図2は、ドア100の構成例を示す斜視図である。ドア100は、それぞれ、固定フレーム111と、可動フレーム112と、ドア本体113と、を含む。
固定フレーム111は、ドア付き装置10の外周を覆う部材の一部でよい。固定フレーム111は、例えばアルミフレームであり、他の材料で形成されたフレームでもよい。固定フレーム111は、透光性を有しない。
可動フレーム112は、固定フレーム111に対して移動自在である。この結果、ドア100が開閉自在である。可動フレーム112は、例えばアルミフレームであり、他の材料で形成されたフレームでもよい。可動フレーム112は、透光性を有しない。
ドア本体113は、ドア本体113の周囲が可動フレーム112により包囲される。ドア本体113は、例えば、透光性部材で形成される。透光性部材は、例えば透明なプラスチックやガラスで形成されてよく、以降の透光性部材の記載でも同様である。
なお、ドア100の開閉方式は、開き戸方式、引き戸方式、折れ戸方式、蛇腹方式、観音開き方式、ガルウィング方式、等を含んでよい。
安全スイッチ200は、ドア100の開閉を検出するドアセンサとして機能する。安全スイッチ200は、安全スイッチ200が取り付けられたドア100(自ドア)の開閉を検出するとともに、安全スイッチ200が取り付けられたドア以外のドア100(他ドア)の開閉も検出可能である。安全スイッチ200は、インターロック機能、EDM(External Device Monitoring)機能、等を有してよい。
安全スイッチ200は、センサ本体210とアクチュエータ250とを備える。センサ本体210は、ドア付き装置10の内部において固定フレーム111に設置される。アクチュエータ250は、ドア付き装置10の内部において可動フレーム112に設置される。よって、ドア付き装置10の外部から確認する確認者から見ると、安全スイッチ200は、固定フレーム111及び可動フレーム112の背面側に位置している。確認者は、透光性部材としてのドア本体113を介して、安全スイッチ200の表示を確認可能である。
複数の安全スイッチ200は、相互に任意の接続方法で接続可能である。例えば、複数の安全スイッチ200が直列に接続され、カスケード接続されることが可能である。この場合、直列接続の順番(位置)を段により説明することがある。例えば、直列接続の最初の安全スイッチ200を最前段の安全スイッチ200とし、直列接続の最後の安全スイッチ200を最後段の安全スイッチ200とすることがある。最後段の安全スイッチ200は、安全用PLC(Programmable Logic Controller)に接続される。
図3は、安全スイッチ200の構成例を示すブロック図である。安全スイッチ200は、センサ本体210とアクチュエータ250とを備える。センサ本体210は、プロセッサ211と、コイル212と、光源213と、メモリ218、入出力部219と、を備える。アクチュエータ250は、導光部270と、RFIDタグ(Radio Frequency Identifier)280と、を備える。なお、アクチュエータ250には2種類あり、メンテナンス用のアクチュエータ250mと通常用のアクチュエータ250nとがある。
プロセッサ211は、メモリ218と協働して、つまりメモリ218に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサ211は、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、等を含んでよい。プロセッサ211は、センサ本体210全体の動作を統括する。
プロセッサ211は、センサ本体210のコイル212とアクチュエータ250のRFIDタグ280との接近の状態に基づいて、自ドアが閉じているか(閉状態)又は開いているか(開状態)を検出する。
プロセッサ211は、安全スイッチ200の複数の動作モードのうち、任意の動作モードに設定する。動作モードは、作業者がメンテナンスを行うためのメンテナンスモードと、メンテナンスモード以外の通常モードと、を含む。また、安全スイッチ200の動作モードは、これ以外の動作モードに設定可能であってもよい。
コイル212は、入出力部219を介して外部から電力を受け、ワイヤレス電力伝送によって外部装置(例えばアクチュエータ250)に電力を伝送する。ワイヤレス電力伝送は、電磁誘導方式や磁界共鳴方式であってよい。コイル212は、外部装置から所定の信号を受けると、この所定の信号を受けた旨をプロセッサ211に通知する。外部装置は、例えばアクチュエータ250であり、より具体的にはアクチュエータ250のRFIDタグ280である。コイル212は、アクチュエータ250から所定の信号を受信することで閉状態(異常なしの一例)を検出し、所定の信号を受信しないことで開状態(異常ありの一例)を検出する。
光源213は、1つ存在しても複数存在してもよい。光源213は、プロセッサ211の制御により、発光(表示)する。光源213は、アクチュエータ250と対向するセンサ本体210の投光口214を介して、アクチュエータ250に光を投光してよい。アクチュエータ250は、投光された光を受けて、例えば透光性部材で形成された導光部270を介してセンサ本体210からの光を導光し、可視光を発光(出射)してよい。また、光源213は、アクチュエータ250に光を投光せずに、安全スイッチ200の外部へ直接に発光(出射)してもよい。いずれの場合でも、透光性部材で形成されたドア本体113を介して、ドア付き装置10の外部から安全スイッチ200が出射した光を確認できればよい。
光源213は、後述するスイッチシステム5の動作モードであるシステム動作モードに基づいて表示してよい。光源213は、この安全スイッチ200(自スイッチ)によるドア100(自ドア)の異常の有無の検出結果に基づいて表示してよい。光源213は、この安全スイッチ200とは異なる他の安全スイッチ200(他スイッチ)による他のドア100(他ドア)の異常の有無の検出結果に基づいて表示してよい。ドア100の異常の有無は、ドア100の開閉状態を含んでよい。安全スイッチ200により検出される異常の有無の検出結果を、単に「検出結果」とも称する。光源213は、様々な表示態様で表示可能である。表示態様は、表示色、表示パターン(例えば点灯、点滅、消灯)、光強度、等でよい。
メモリ218は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory))を含む。メモリ218は、他の記憶装置(例えばSDカード)を含んでよい。メモリ218は、各種データ、情報、プログラム等を記憶する。
メモリ218は、例えば、アクチュエータ250の識別情報(例えばRFIDタグ280のID)を記憶する。この場合、メモリ218は、メンテナンス用のアクチュエータ250mのRFIDタグ280のIDのみを記憶しておき、通常用のアクチュエータ250nのRFIDタグ280のIDを記憶していなくてよい。
入出力部219は、外部装置(例えば他スイッチ、安全用PLC)との間で、データや情報や信号の入出力を行う。入出力部219には、各種信号線が接続される。入出力部219は、信号線を介して、例えば、電源信号、異常検出信号、モード通知信号、表示制御信号、等の信号を入出力(入力及び出力の少なくとも一方)する。入出力部219は、各種信号線を含んでもよい。
電源信号は、安全スイッチ200が備える各種電気部品に供給される電力を含む。異常検出信号は、自スイッチよりも前段に接続された他スイッチの異常の有無(例えば他ドアの開閉状態)の検出結果を示す。異常検出信号では、自スイッチよりも前段に接続された他スイッチの少なくとも1つで異常有りが検出された場合、異常有りとして通知される。
モード通知信号は、自スイッチよりも前段に接続された他スイッチで設定された動作モードを示す。モード通知信号では、自スイッチよりも前段に接続された他スイッチの少なくとも1つでメンテナンスモードが設定されている場合、メンテナンスモードに設定されているとして通知される。表示制御信号は、光源213による表示を制御するための信号である。
表示制御信号は、システム動作モードに基づく。例えば、スイッチシステム5に含まれる安全スイッチ200のうちの少なくとも1つがメンテナンスモードに設定されている場合、システム動作モードはシステムメンテナンスモードとなる。例えば、スイッチシステム5に含まれる全安全スイッチ200がメンテナンスモードに設定されている場合、システム動作モードはシステム通常モードとなる。また、表示制御信号は、システム動作モードと、自スイッチ及び他スイッチによる異常の有無の検出結果と、に基づいてよい。
アクチュエータ250のRFIDタグ280は、ドア100が閉状態である場合、センサ本体210のコイル212と通信可能な範囲に配置される。RFIDタグ280は、例えば、ドア100が閉状態である場合に、アクチュエータ250においてセンサ本体210に対向する対向面側に配置される。RFIDタグ280は、所定の信号を発信する。RFIDタグ280は、例えばパッシブタグであり、外部(例えばセンサ本体210)から電力供給を受けて動作する。例えば、RFIDタグ280は、センサ本体210からコイル212を介して電力供給を受け、所定の信号をセンサ本体210に発信する。なお、所定の信号は、少なくともRFIDタグ280を識別する情報(RFIDタグ280のID)を含んでよい。
ここで、具体的な安全スイッチ200の動作モードの設定方法及び安全スイッチ200による開閉検出方法について説明する。
センサ本体210は、アクチュエータ250がセンサ本体210に対して所定位置に配置された場合、アクチュエータ250を検出する。具体的には、アクチュエータ250のRFIDタグ280がセンサ本体210のコイル212からのワイヤレス電力伝送が可能な範囲に位置する場合に、センサ本体210がアクチュエータ250に電力を供給し、アクチュエータ250が所定の信号(RFIDタグ280のIDを含む信号)をセンサ本体210に送信する。コイル212は、アクチュエータ250からの所定の信号を受信したことを検出すると、RFIDタグ280のIDをプロセッサ211に通知する。プロセッサ211は、この通知を受けることで、アクチュエータ250を認識する。
プロセッサ211は、メモリ218が保持する1つ以上のRFIDタグ280のIDに、コイル212から通知されたRFIDタグ280のIDが含まれる場合、メンテナンス用のアクチュエータ250mが検出されたことを認識する。この場合、プロセッサ211は、安全スイッチ200の動作モードを、メンテナンスモードに設定する。
プロセッサ211は、メモリ218が保持する1つ以上のRFIDタグ280のIDに、コイル212から通知されたRFIDタグ280のIDが含まれない場合、通常用のアクチュエータ250nが検出されたことを認識する。この場合、プロセッサ211は、安全スイッチ200の動作モードを、通常モードに設定する。
これにより、安全スイッチ200は、安全スイッチ200の動作モードを設定するためのモード切替スイッチを設けることなく、モード切替スイッチの操作をすることなく、安全スイッチ200の動作モードを設定できる。
また、プロセッサ211は、センサ本体210がアクチュエータ250(メンテナンス用のアクチュエータ250m又は通常用のアクチュエータ250n)を検出した場合、
センサ本体210が設置された固定フレーム111にアクチュエータ250が設置された可動フレーム112が所定の状態で対向し、ドア100が閉状態であると判定する。センサ本体210がアクチュエータ250(メンテナンス用のアクチュエータ250m又は通常用のアクチュエータ250n)を検出しなかった場合、センサ本体210が設置された固定フレーム111にアクチュエータ250が設置された可動フレーム112が所定の状態で対向しておらず、ドア100が開状態であると判定する。
次に、内部装置及び安全用PLCについて説明する。
ドア付き装置10の内部にある装置(内部装置)は、例えば、各種製造物(例えば、電気的、機械的な物、化学的な物質)を製造する製造装置や製造を補助する装置である。内部装置又は製造物は、任意であるが、例えば取り扱いを留意すべき内部装置又は製造物である。内部装置の動作は、安全用PLCにより制御される。
安全用PLCは、内部装置の動作を制御する制御装置の一例である。安全用PLCは、安全スイッチ200と内部装置との間に接続される。安全用PLCは、特に図示していないが、プロセッサ、メモリ、入出力部、等を有する。プロセッサは、安全用PLCが備えるメモリと協働して、各種機能を実現する。プロセッサは、MPU、CPU、DSP、等を含んでよい。プロセッサは、安全用PLC全体の動作を統括する。入出力部は、外部装置(例えば、安全スイッチ200、内部装置)との間で、データや情報や信号の入出力を行う。入出力部には、各種信号線が接続される。入出力部は、信号線を介して、例えば、電源信号、異常検出信号、モード通知信号、表示制御信号、安全用PLCを制御するためのPLC制御信号、内部装置を制御する装置制御信号、等の信号を入出力(入力及び出力の少なくとも一方)が可能である。なお、安全用PLCは、スイッチシステム5に含まれてもよい。
安全用PLCは、例えば、少なくとも1つの安全スイッチ200からPLC制御信号を取得し、PLC制御信号に基づいて内部装置の動作の制御を指示してよい。PLC制御信号は、システム動作モードに基づいてよい。また、PLC制御信号は、システム動作モードと、スイッチシステム5に含まれる各安全スイッチ200の異常の検出結果と、に基づく。
例えば、安全用PLCは、システム動作モードに基づいて、内部装置の動作の制御を指示してよい。例えば、安全用PLCは、システム動作モードがシステムメンテナンスモードである場合、内部装置にシステムメンテナンスモード用の動作(例えば一部の動作を制限、動作速度を低速化)を行わせてよい。これにより、安全用PLCは、システムメンテナンスモードにおいては、システム通常モードのような通常の動作と異なる動作を行わせることができ、作業者の安全を配慮できる。
また、安全用PLCは、システム動作モード及び安全スイッチ200の状態に応じて、内部装置の動作の制御を指示してよい。例えば、安全用PLCは、システム動作モードがシステム通常モードであり、安全スイッチ200により全てのドア100の閉状態が検出された場合に、内部装置を動作可能にしてよい。例えば、安全用PLCは、システム動作モードがシステム通常モードであり、安全スイッチ200により少なくとも1つのドア100の開状態が検出された場合に、内部装置の動作を停止させてよい。これにより、安全用PLCは、システム通常モードにおいて、作業者の安全に配慮して内部装置を動作又は停止させることができる。
なお、図1では、内部装置を囲むように複数のドア100が設けられ、ドア付き装置10が平面視で矩形に形成されているが、これに限られない。例えば、ドア100が一方向に複数配列されてもよい。この場合、複数のドア100は、ドア本体113の面に平行な方向に直線状に配列されてもよいし、ドア100の面と垂直な方向に直線状に配列されてもよい。
次に、安全スイッチ200の分類について説明する。
安全スイッチ200は、複数設けられ、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200Sに分類される。マスタスイッチ200Mは、複数の安全スイッチ200の中では最後段に配置され、安全用PLC400の直前段に配置される。スレーブスイッチ200Sは、複数の安全スイッチ200のうちマスタスイッチ200M以外の安全スイッチであり、他の安全スイッチ200に隣り合うが安全用PLCには隣り合わない安全スイッチである。
マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、スイッチシステム5の動作モードであるシステム動作モードを、任意のシステム動作モードに設定する。システム動作モードは、作業者がメンテナンスを行うためのシステムメンテナンスモードと、システムメンテナンスモード以外のシステム通常モードと、を含む。また、システム動作モードは、これ以外のシステム動作モードに設定可能であってもよい。
図4は、安全スイッチ200の入出力部219に接続される各信号線の一例を示す図である。図4では、マスタスイッチ200Mとスレーブスイッチ200Sとが接続されている例を示している。
マスタスイッチ200Mの入出力部219には、電源信号線(+V、0V)、OSSD信号線(OSSD1、OSSD2)、チェック信号線(CHECK_IN、CHECK_OUT)、等が接続される。電源信号線は、電源信号を伝送する。チェック信号線は、スレーブスイッチ200Sとの間でモード通知信号、異常検出信号及び表示制御信号の少なくとも1つを伝送する。CHECK_INが入力用の信号線であり、CHECK_OUTが出力用の信号線である。
OSSD信号線は、マスタスイッチ200Mから安全用PLC400へPLC制御信号を伝送する。OSSD信号線は、二重化されている。OSSD1,OSSD2は、通常モードでは同じ信号を伝送し、メンテナンスモードでは基本的には異なる信号を伝送する。例えば、システム通常モードにおいて、スイッチシステム5に含まれる全ての安全スイッチ200が閉状態であることを検出した場合、OSSD1,OSSD2のいずれもON信号が伝送される。例えば、システム通常モードにおいて、スイッチシステム5に含まれる少なくとも1つの安全スイッチ200が開状態であることを検出した場合、OSSD1,OSSD2のいずれもOFF信号が伝送される。例えば、メンテナンスモードでは、OSSD1によってON信号が伝送され且つOSSD2によってOFF信号が伝送され、又は、OSSD1によってOFF信号が伝送され且つOSSD2によってON信号が伝送されてよい。これにより、安全用PLCは、OSSD1及びOSSD2により伝送される信号を取得することで、スイッチシステム5がメンテナンスモードで動作していることを認識できる。
スレーブスイッチ200Sの入出力部219には、電源信号線(+V、0V)、チェック信号線(CHECK_IN、CHECK_OUT)、等が接続される。電源信号線は、電源信号を伝送する。チェック信号線は、他のスレーブスイッチ200S又はマスタスイッチ200Mとの間でモード通知信号、異常検出信号及び表示制御信号の少なくとも1つを伝送する。CHECK_INが入力用の信号線であり、CHECK_OUTが出力用の信号線である。
このように、マスタスイッチ200Mは、PLC制御信号を二重化された信号線(OSSD1,OSSD2)を介して出力する。スレーブスイッチ200Sは、モード通知信号及び異常検出信号を単一の信号線(CHECK_OUT)を介して出力する。よって、スレーブスイッチ200Sは、安全出力において支障の少ない安全スイッチとして、スイッチの構成を簡略化できる。また、マスタスイッチ200Mは、安全出力において重要度の高い安全スイッチとして、スイッチの構成を簡略化せずに安全出力性能を維持できる。
なお、マスタスイッチ200Mの主回路及びスレーブスイッチ200Sの主回路は、例えばプロセッサ211を含む。また、モード通知信号と異常検出信号と表示制御信号とが物理的に異なる信号線で伝送されてもよい。つまり、チェック信号線が、入力用と出力用とでそれぞれ複数設けられてもよい。また、各信号線の色は、図4の例に限られない。
次に、安全スイッチ200の表示例について説明する。ここでは、一例として、マスタスイッチ200Mの表示例を示す。
図5Aは、マスタスイッチ200Mの第1表示例及び第1信号出力例を示す模式図である。図5Aでは、マスタスイッチ200Mは、例えば、システム動作モードがシステム通常モードであり、スイッチシステム5に含まれる全安全スイッチ200が閉状態を検出した場合に、表示態様DM1(例えば緑点灯)で表示することを示している。この場合、マスタスイッチ200Mは、異常無しを示すPLC制御信号を出力する。例えば、マスタスイッチ200Mは、OSSD1をON信号とし、OSSD2をON信号として、PLC制御信号を出力する。
図5Bは、マスタスイッチ200Mの第2表示例及び第2信号出力例を示す模式図である。図5Bでは、マスタスイッチ200Mは、例えば、システム動作モードがシステム通常モードであり、自スイッチが開状態を検出した場合に、表示態様DM2(例えば赤点灯)で表示することを示している。この場合、マスタスイッチ200Mは、異常有りを示すPLC制御信号を出力する。例えば、マスタスイッチ200Mは、OSSD1をOFF信号とし、OSSD2をOFF信号として、PLC制御信号を出力する。
図5Cは、マスタスイッチ200Mの第3表示例及び第3信号出力例を示す模式図である。図5Cでは、マスタスイッチ200Mは、例えば、システム動作モードがメンテナンスモードであり、自スイッチが閉状態を検出した場合に、表示態様DM3(例えば黄点灯)で表示することを示している。また、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードがメンテナンスモードである場合、自スイッチの検出結果に依存せずに、表示態様DM3(例えば黄点灯)で表示してもよい。この場合、マスタスイッチ200Mは、システムメンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を出力する。例えば、マスタスイッチ200Mは、OSSD1をON信号とし、OSSD2をOFF信号として、PLC制御信号を出力する。
次に、スイッチシステム5の動作例について説明する。
図6は、スイッチシステム5の動作例を示すシーケンス図である。
各安全スイッチ200(マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S)のプロセッサ211は、メンテナンス用のアクチュエータ250mの接近を検出した場合、自スイッチの動作モードをメンテナンスモードに設定する(S11)。一方、各安全スイッチ200のプロセッサ211は、メンテナンス用のアクチュエータ250mの接近を検出しなかった場合、又は、通常用のアクチュエータ250の接近を検出した場合、自スイッチの動作モードを通常モードに設定する(S11)。
スレーブスイッチ200Sの入出力部219は、自スイッチの動作モードの設定に基づくモード通知信号を後段の安全スイッチ200(スレーブスイッチ200S又はマスタスイッチ200M)に出力する(S12)。なお、マスタスイッチ200Mに対しては後段の安全スイッチ200が不在であるので、マスタスイッチ200Mの入出力部219は、モード通知信号を出力しない。
マスタスイッチ200Mの入出力部219は、前段の安全スイッチ200(スレーブスイッチ200S)からモード通知信号を入力する。マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、自スイッチの動作モード及びモード通知信号により、いずれかの安全スイッチ200がメンテナンスモードに設定されたことを認識すると、システム動作モードをシステムメンテナンスモードに設定する(S13)。この場合、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、システム動作モードがシステムメンテナンスモードであることを示す表示制御信号を生成し、入出力部219を介して表示制御信号を出力する(S14)。
一方、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、自スイッチの動作モード及びモード通知信号により、いずれの安全スイッチ200もメンテナンスモードに設定されていないことを認識すると、システム動作モードをシステム通常モードに設定する(S13)。この場合、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、異常検出信号及び自スイッチの検出結果に基づいて表示制御信号を生成する(S14)。マスタスイッチ200Mの入出力部219は、この表示制御信号を出力する(S15)。
各スレーブスイッチ200Sの入出力部219は、前段の安全スイッチ200(他のスレーブスイッチ200S又はマスタスイッチ200M)から表示制御信号を入力する(S16)。
各安全スイッチ200のプロセッサ211は、表示制御信号が、システム動作モードがシステムメンテナンスモードであることを示す場合、システム動作モードがシステムメンテナンスモードであることを示す表示を行う(S17)。具体的には、光源213は、表示態様DM3(例えば黄点灯)で表示する。この表示は、スイッチシステム5に含まれる全安全スイッチ200によって行われてよい。
なお、システム動作モードがメンテナンスモードであっても、自スイッチの検出結果として開状態を検出した安全スイッチ200のプロセッサ211は、表示制御信号と自スイッチの検出結果とに基づく表示を行ってよい。この場合、自スイッチが開状態を検出したことを示す表示を行ってもよい。この場合、光源213は、表示態様DM2(例えば赤点灯)で表示してよい。
一方、各安全スイッチ200のプロセッサ211は、表示制御信号が、システム動作モードがシステム通常モードであることを示す場合、各安全スイッチ200の異常の検出結果に基づく表示を行う(S17)。具体的には、光源213は、例えば表示態様DM1(例えば緑点灯)又は表示態様DM2(例えば赤点灯)で表示する。この表示は、スイッチシステム5に含まれる全安全スイッチ200によって行われてよい。
このようなスイッチシステム5の動作例によれば、いずれかの安全スイッチ200においてメンテナンスモードに設定された場合、システム動作モードとしてシステムメンテナンスモードに設定する。そして、スイッチシステム5に含まれる各安全スイッチ200は、システムメンテナンスモードを示す表示を行う。つまり、例えば作業者がメンテナンス用のアクチュエータ250mを接近させたセンサ本体210を有する安全スイッチ200に限らず、他の安全スイッチ200もメンテナンス中であることを表示できる。よって、安全スイッチ200が設置されたどのドア100の近傍に位置する作業者に対しても、ドア100の内部においてメンテナンス作業中であることを知らせることができる。
また、スイッチシステム5は、システム動作モードとしてシステム通常モードに設定した場合、通常通りに、各安全スイッチ200による異常の検出結果に基づいた表示を実施できる。
図7は、スイッチシステム5に含まれる全安全スイッチ200がシステムメンテナンスモードであることを示す表示例を示す図である。このように、全安全スイッチ200がメンテナンスモードであることを示す表示を行うことで、各安全スイッチ200が設置された各ドアのうちいずれのドア100の近傍に作業者が所在しても、作業者は、ドア100の内部(ドア付き装置10の内部)においてメンテナンス作業中であることを認識できる。
次に、システムメンテナンスモードの種類について説明する。
システムメンテナンスモードの種類は、上述のように一種類であってもよい。また、システムメンテナンスモードは、複数の種類、存在してもよい。例えば、システムメンテナンスモードには、全体メンテナンスモードと個別メンテナンスモードとがある。全体メンテナンスモードは、スイッチシステム5に含まれる各安全スイッチ200による異常の検出結果に依存せずに、システムメンテナンスモードであることを安全用PLCに通知する動作モードである。個別メンテナンスモードは、スイッチシステム5に含まれる各安全スイッチ200による異常の検出結果に依存して、システムメンテナンスモードであること又は異常の検出結果を安全用PLCに通知する動作モードである。
マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、システムメンテナンスモードとして、全体メンテナンスモードを設定するか個別メンテナンスモードを設定するかを設定してよい。このシステムメンテナンスの種類の設定は、例えば、予め実施されてメモリ218に設定情報が保持されていてもよいし、マスタスイッチ200Mがモード切替スイッチを備えてこの切替スイッチにより実施されてもよいし、マスタスイッチ200Mに接続される操作装置を介した入力操作により実施されてもよい。
まず、全体メンテナンスモードの概要について説明する。
全体メンテナンスモードでは、マスタスイッチ200Mは、マスタスイッチ200Mの動作モードがメンテナンスモードとなった場合に限り、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定する。よって、マスタスイッチ200Mは、スレーブスイッチ200Sの少なくとも1つの動作モードがメンテナンスモードに設定されているか否か、つまりモード通知信号がメンテナンスモードを示すか否かに関わらず、システム動作モードを決定する。
マスタスイッチ200Mは、センサ本体210がメンテナンス用のアクチュエータ250mを検出すると、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定し、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。この場合、スイッチシステム5における他の安全スイッチ200(スレーブスイッチ200S)が通常用のアクチュエータ250mを検出した場合、他の安全スイッチ200は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。また、この場合、マスタスイッチ200Mは、全体メンテナンスモードを示すPLC制御信号を出力する。全体メンテナンスモードを示すPLC制御信号は、OSSD1で伝送される信号がON信号であり、OSSD2で伝送される信号がOFF信号である。
一方、システム動作モードが全体メンテナンスモードであり、スレーブスイッチ200Sが通常用のアクチュエータ250mを検出しなかった場合、検出しなかったスレーブスイッチ200Sは、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。この場合でも、マスタスイッチ200Mは、全体メンテナンスモードを示すPLC制御信号を出力する。
また、マスタスイッチ200Mは、センサ本体210がメンテナンス用のアクチュエータ250mの検出を終了すると、全体メンテナンスモードを終了し、システム動作モードをシステム通常モードに設定する。
したがって、例えば、作業者が、メンテナンス用のアクチュエータ250mをマスタスイッチ200Mのセンサ本体210に近づけることで、容易に全体メンテナンスモードに移行させることができる。また、作業者が、メンテナンス用のアクチュエータ250mをそのマスタスイッチ200Mのセンサ本体から遠ざけることで、容易に全体メンテナンスモードを終了させることができる。なお、メンテナンス用のアクチュエータ250mを操作する作業者は、メンテナンスを行う作業者と同じでも異なってよい。
また、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、全体メンテナンスモードの継続可能時間(例えば12時間)を設定しておいてよい。この場合、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、全体メンテナンスモードに設定されてからの時間を計時し、全体メンテナンスモードに設定されてから継続可能時間が経過すると、全体メンテナンスモードを終了する。また、この場合、マスタスイッチ200Mは、OSSD1で伝送される信号をOFF信号とし、表示態様DM4(黄色/赤点滅)としてよい。黄色/赤点滅とは、黄と赤とを交互に表示することを示す。これにより、作業者は、継続可能時間を経過し、全体メンテナンスモードが終了したことを認識できる。なお、全体メンテナンスモードに設定されてから継続可能時間が経過した後には、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードをシステム通常モードに移行させてよい。マスタスイッチ200Mは、センサ本体210がメンテナンス用のアクチュエータ250mを再度検出すると、システム動作モードを全体メンテナンスモードに再度設定する。
さらに、全体メンテナンスモードの概要について、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の作業者によるメンテナンス作業を説明するための図である。図8では、ドア100として、ドア100A〜100Dが設けられている。安全スイッチ200として、安全スイッチ200A〜200Dが設けられている。内部装置500として、内部装置500A,500B,500Cが設けられている。
例えば、作業者PA1が、メンテナンス対象の内部装置500Aをメンテナンスするとする。内部装置500Aは、エアーを供給する装置であるとする。まず、作業者PA1と異なる作業者PA2がメンテナンス用のアクチュエータ250mを安全スイッチ200A(マスタスイッチ200Mの一例)に接近させる。すると、安全スイッチ200Aは、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定し、メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を安全用PLCに出力する。よって、安全用PLCは、全体メンテナンスモードの動作として設定された動作を行うよう、各内部装置500を制御する。内部装置500は、全体メンテナンスモード用の動作を行う。ここでは、全体メンテナンスモード用の動作は、内部装置500の一部の動作が制限されるが、内部装置500Aによるエアーを供給可能な動作であるとする。
システム動作モードが全体メンテナンスモードに移行後、作業者PA1が、ドア100Aを通って内部装置500Aに接近し、内部装置500Aをメンテナンスする。この際、例えば作業者PA1がドア100Aを開け、安全スイッチ200Aが開状態を検出する。これに対し、安全用PLCは、内部装置500Aの動作を停止させないので、内部装置500Aがエアーの供給を継続できる。よって、スイッチシステム5は、ドア付き装置10内で作業者PA1が危険な状態になることを回避できる。
また、システム動作モードが全体メンテナンスモードに移行後、別の作業者PA3が、他のドア100Cを開けたとする。この場合でも、ドア100Aを開けた際と同様に、安全用PLCは、内部装置500Aの動作を停止させないので、内部装置500Aがエアーの供給を継続できる。よって、スイッチシステム5は、ドア付き装置10内で作業者PA1が危険な状態になることを回避できる。
また、各安全スイッチ200A〜200Dが、表示制御信号に基づいて全体メンテナンスモードであることを示す表示を一律に行うことで、どのドア100A〜100Dの近傍に所在する作業者も、ドア100の内部でメンテナンス中であることを認識できる。よって、例えば、作業者PA3が、メンテナンス中であることを知らずに内部装置500Cを稼働させることで、作業者PA1に危険が及ぶことを抑制できる。
図9は、全体メンテナンスモードにおいて複数の安全スイッチ200の全てが閉状態を検出した場合の複数の安全スイッチ200の表示例と、PLC制御信号の出力例と、を示す模式図である。
図9では、マスタスイッチ200Mは、そのセンサ本体210へのメンテナンス用のアクチュエータ250mの接近を検出して、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定している。よって、マスタスイッチ200Mは、自ドアの閉状態を検出する。また、スレーブスイッチ200S1,200S2は、そのセンサ本体210への通常用のアクチュエータ250nの接近を検出している。よって、スレーブスイッチ200S1,200S2は、自ドアの閉状態を検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、表示制御信号及び自ドアの閉状態の検出に基づいて、全体メンテナンスモードであることを示す表示を行う。この場合、マスタスイッチ200Mは、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。また、スレーブスイッチ200S1,200S2は、表示制御信号及び自ドアの閉状態の検出に基づいて、システム動作モードが全体メンテナンスモードであることを示す表示を行う。この場合、スレーブスイッチ200S1,200S2は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。
また、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードが全体メンテナンスモードであるので、全体メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を出力する。具体的には、PLC制御信号を伝送するOSSD1及びOSSD2のうち、OSSD1を介してON信号を出力し、OSSD2を介してOFF信号を出力する。
このように、スイッチシステム5は、システム動作モードが全体メンテナンスモードであり、図9に示すスイッチシステム5に含まれる全安全スイッチ200が閉状態を検出した場合、全安全スイッチ200が全体メンテナンスモードであることを表示する。作業者は、いずれの安全スイッチ200を確認しても、ドア付き装置10内でメンテナンス作業中であることを理解できる。また、スイッチシステム5は、全体メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を出力することで、安全用PLCが全体メンテナンスモードに特有の動作(例えば一部の動作を制限、動作速度を低速化)を実施できる。
図10は、全体メンテナンスモードにおいて複数の安全スイッチ200の一部が開状態を検出した場合の複数の安全スイッチ200の表示例と、PLC制御信号の出力例と、を示す模式図である。図10では、図9と異なる点について主に説明し、同様の点についてはその説明を省略又は簡略化する。
図9と異なる点は、スレーブスイッチ200S2が、そのセンサ本体210への通常用のアクチュエータ250nの接近を検出しない点である。よって、スレーブスイッチ200S2は、自ドアの開状態を検出する。
この場合、スレーブスイッチ200S2は、表示制御信号及び自ドアの開状態の検出に基づいて、異常有り(自ドアの開状態を検出したこと)を示す表示を行う。この場合、スレーブスイッチ200S2は、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。
また、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードが全体メンテナンスモードである場合、スイッチシステム5内に自ドアの開状態を検出した安全スイッチ200が存在するか否かに関わらず、図9と同様に、全体メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を出力する。
このように、スイッチシステム5は、システム動作モードが全体メンテナンスモードであり、図10に示すスイッチシステム5に含まれる安全スイッチ200の一部が開状態を検出している。この場合、閉状態が検出された安全スイッチ200は全体メンテナンスモードであることを表示し、開状態が検出された安全スイッチ200は異常有りを示す表示を行う。
作業者は、メンテンテナンス表示(表示態様DM3)を行う安全スイッチ200を確認することで、ドア付き装置10内でメンテナンス作業中であることを理解できる。また、作業者は、異常有りを示す表示(表示態様DM2)を行う安全スイッチ200を確認することで、その安全スイッチ200が設置されたドア100が開かれ、危険がある可能性があることを認識できる。
また、スイッチシステム5は、全体メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を出力することで、安全用PLCが全体メンテナンスモードに特有の動作を実施できる。よって、作業者は、メンテナンス表示と自ドアの開状態の検出とを示す表示との双方を確認することで、全体メンテナンスモードでは安全用PLCの動作が停止されないので、メンテナンス中であって危険が発生している可能性があることを認識できる。
図11は、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定可能な場合における各安全スイッチ200の詳細な表示例を示す図である。図11では、スイッチシステム5が1つのマスタスイッチ200M(単にマスタとも記載する)と2つのスレーブスイッチ200S1,200S2(単にスレーブ1、スレーブ2とも記載する)を含むことを想定する。図11では、設定されるシステム動作モード(単にモードとも記載する)各安全スイッチ200に接近するアクチュエータ250の種類(単にアクチュエータとも記載する)と、その安全スイッチ200(自スイッチ)の検出結果(単に検出とも記載する)と、光源213による表示態様(単にLEDとも記載する)と、OSSD1及びOSSD2の内容と、を示している。図11では、全体メンテナンスモードに設定可能な場合の第1ケース〜第7ケースについて例示する。これらのケースをテーブルT1にまとめて示している。
第1ケースでは、マスタスイッチ200Mに対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードをシステム通常モードに設定する。また、全安全スイッチ200が閉状態を検出するので、マスタスイッチ200Mは、OSSD1及びOSSD2を介して共にON信号を出力し、異常無しを通知する。また、全安全スイッチ200(マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1,200S2)は、表示態様DM1(緑点灯)で表示する。
第1ケースでは、いずれの安全スイッチ200を確認した作業者も、システム通常モードであり、確認した安全スイッチ200が異常無し(対応するドア100の閉状態)を検出し、確認していない他の安全スイッチ200も異常無しを検出したことを認識できる。
第2ケースでは、マスタスイッチ200Mに対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出しない。また、スレーブスイッチ200S2に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードをシステム通常モードに設定する。また、複数の安全スイッチ200の一部が開状態を検出するので、マスタスイッチ200Mは、OSSD1及びOSSD2を介して共にOFF信号を出力し、異常有りを通知する。また、閉状態を検出したマスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2は、表示態様DM5(緑点滅)で表示する。また、開状態を検出したマスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2は、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。
第2ケースでは、スレーブスイッチ200S1を確認した作業者が、異常有り(対応するドア100の開状態)を認識できる。また、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2を確認した作業者が、システム通常モードであり、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2が異常無しを検出したが、他の安全スイッチ200が異常有りを検出したことを認識できる。
第3ケースでは、マスタスイッチ200Mに対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定する。また、マスタスイッチ200Mは、OSSD1を介してON信号を出力し、OSSD2を介してOFF信号を出力し、全体メンテナンスモードであることを通知する。また、全安全スイッチ200が閉状態を検出するので、全安全スイッチ200(マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1,200S2)は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。
第3ケースでは、いずれの安全スイッチ200を確認した作業者も、確認した安全スイッチ200が異常無しを検出したこと、メンテナンス中であること、を認識できる。
第4ケースでは、マスタスイッチ200Mに対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出しない。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定する。また、マスタスイッチ200Mは、OSSD1を介してON信号を出力し、OSSD2を介してOFF信号を出力し、全体メンテナンスモードであることを通知する。また、閉状態を検出したマスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。また、開状態を検出したスレーブスイッチ200S2は、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。
第4ケースでは、スレーブスイッチ200S2を確認した作業者が、異常有りを認識できる。また、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1を確認した作業者が、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1が異常無しを検出したこと、メンテナンス中であること、を認識できる。
第5ケースでは、マスタスイッチ200Mに対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出しない。また、スレーブスイッチ200S2に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定する。また、マスタスイッチ200Mは、OSSD1を介してON信号を出力し、OSSD2を介してOFF信号を出力し、全体メンテナンスモードであることを通知する。また、閉状態を検出したマスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。また、開状態を検出したスレーブスイッチ200S1は、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。
第5ケースでは、スレーブスイッチ200S1を確認した作業者が、異常有りを認識できる。また、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2を確認した作業者が、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2が異常無しを検出したこと、メンテナンス中であること、を認識できる。
第6ケースでは、マスタスイッチ200Mに対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出しない。また、スレーブスイッチ200S1に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードをシステム通常モードに設定する。また、複数の安全スイッチ200の一部が開状態を検出するので、マスタスイッチ200Mは、OSSD1及びOSSD2を介して共にOFF信号を出力し、異常有りを通知する。また、開状態を検出したマスタスイッチ200Mは、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。閉状態を検出したスレーブスイッチ200S1,200S2は、表示態様DM5(緑点滅)で表示する。
第6ケースでは、マスタスイッチ200Mを確認した作業者が、異常有りを認識できる。また、スレーブスイッチ200S1,200S2を確認した作業者が、システム通常モードであり、スレーブスイッチ200S1,200S2が異常無しを検出したが、他の安全スイッチ200が異常有りを検出したことを認識できる。
第7ケースでは、マスタスイッチ200Mに対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを全体メンテナンスモードに設定する。さらに、第7ケースでは、全体メンテナンスモードの設定から全体メンテナンスモードの継続可能時間が経過したことを想定する。この場合、マスタスイッチ200Mは、全体メンテナンスモードを終了させる。この場合、マスタスイッチ200Mは、OSSD1及びOSSD2を介して共にOFF信号を出力し、異常有りを通知する。また、全安全スイッチ200(マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1,200S2)は、全体メンテナンスモードの継続可能時間の超過を示す表示制御信号に基づいて、表示態様DM4(黄色/赤点滅)で表示する。
第7ケースでは、いずれの安全スイッチ200を確認した作業者も、確認した安全スイッチ200が異常無しを検出したこと、メンテナンスモードが継続可能時間を超過して通常モードに移行したこと、を認識できる。
次に、個別メンテナンスモードの概要について説明する。
個別メンテナンスモードでは、マスタスイッチ200Mは、いずれかの安全スイッチ200の動作モードがメンテナンスモードとなった場合に、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。よって、マスタスイッチ200Mは、マスタスイッチ200Mの動作モードに限らず、スレーブスイッチ200Sの動作モードがメンテナンスモードに設定された場合にも、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。
安全スイッチ200(マスタスイッチ200M又はスレーブスイッチ200S)は、そのセンサ本体210がメンテナンス用のアクチュエータ250mを検出すると、自スイッチの動作モードをメンテナンスモードに設定する。スレーブスイッチ200Sは、メンテナンスモードを示すモード通知信号をマスタスイッチ200Mに通知する。マスタスイッチ200Mは、モード通知信号又は自スイッチの検出結果により、いずれかの安全スイッチ200の動作モードがメンテナンスモードとなったことを認識すると、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。この場合、スイッチシステム5における安全スイッチ200の全てがアクチュエータ250(通常用のアクチュエータ250m又はメンテナンス用のアクチュエータ250n)を検出した場合、各安全スイッチ200は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。また、この場合、マスタスイッチ200Mは、個別メンテナンスモードを示すPLC制御信号を出力する。個別メンテナンスモードを示すPLC制御信号は、OSSD1で伝送される信号がOFF信号であり、OSSD2で伝送される信号がON信号である。
一方、システム動作モードが個別メンテナンスモードであり、スイッチシステム5における安全スイッチ200の一部がアクチュエータ250を検出しなかった場合、アクチュエータ250を検出しなかった安全スイッチ200は、表示態様DM2(赤点灯)で表示し、アクチュエータ250を検出した他の安全スイッチ200は、表示態様DM6(黄色/赤点滅)で表示する。また、この場合、マスタスイッチ200Mは、異常有りを示すPLC制御信号を出力する。異常有りを示すPLC制御信号は、OSSD1及びOSSD2で伝送される信号が共にOFF信号である。
なお、表示態様DM4(黄色/赤点滅)と表示態様DM6とは、同様の表示色となるが、例えば、点滅の際の黄色の表示時間と赤色の表示時間との割合が異なることで、視覚的に識別可能である。
また、メンテナンス用のアクチュエータ250が検出された安全スイッチ200は、そのセンサ本体210がメンテナンス用のアクチュエータ250mの検出を終了すると、個別メンテナンスモードを終了し、システム動作モードを通常モードに設定する。
したがって、例えば、作業者が、メンテナンス用のアクチュエータ250mをいずれかの安全スイッチ200のセンサ本体210に近づけることで、容易に個別メンテナンスモードに移行させることができる。また、作業者が、メンテナンス用のアクチュエータ250mをその安全スイッチ200のセンサ本体210から遠ざけることで、容易に個別メンテナンスモードを終了させることができる。
また、マスタスイッチ200Mは、個別メンテナンスモードの継続可能時間(例えば12時間)を設定しておいてよい。この場合、マスタスイッチ200Mは、個別メンテナンスモードが設定されてからの時間を計時し、個別メンテナンスモードが設定されてから継続可能時間が経過すると、個別メンテナンスモードを終了する。また、この場合、マスタスイッチ200Mは、OSSD2で伝送される信号をOFF信号とし、表示態様DM4(黄色/赤点滅)としてもよい。これにより、作業者は、継続可能時間を経過し、個別メンテナンスモードが終了したことを認識できる。なお、個別メンテナンスモードに設定されてから継続可能時間が経過した後には、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードをシステム通常モードに移行させてよい。マスタスイッチ200Mは、センサ本体210がメンテナンス用のアクチュエータ250mを再度検出すると、システム動作モードを個別メンテナンスモードに再度設定する。
さらに、個別メンテナンスモードの概要についても、図8を用いて説明する。
例えば、作業者PB1が、メンテナンス対象の内部装置500Aをメンテナンスするとする。まず、作業者PB1と異なる作業者PB2がメンテナンス用のアクチュエータ250mを安全スイッチ200Aに接近させると、安全スイッチ200Aの動作モードがメンテナンスモードになる。そのため、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定し、個別メンテナンスモードと各安全スイッチ200の異常の検出結果に基づくPLC制御信号を安全用PLCに出力する。
この場合、安全スイッチ200Aの全てが異常無し(閉状態)を検出した場合、メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を出力する。一方、安全スイッチ200Aの少なくとも1つが異常有り(開状態)を検出した場合、異常有りを示すPLC制御信号を出力する。この異常有りを示すPLC制御信号は、システム通常モードでの異常有りを示すPLC制御信号と同じでよい。
安全用PLCは、メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を入力した場合、個別メンテナンスモードの動作として設定された動作を行うよう、各内部装置500を制御する。内部装置500は、個別メンテナンスモード用の動作を行う。一方、安全用PLCは、異常有りを示すPLC制御信号を入力した場合、各内部装置500の動作を停止させる。
システム動作モードが個別メンテナンスモードに移行後、作業者PB1が、ドア100Aを通って内部装置500Aに接近し、内部装置500Aをメンテナンスする。この際、例えば作業者PB2がドア100Aを開け、安全スイッチ200Aが開状態を検出する。この場合、安全用PLCは、異常有りを示すPLC制御信号を入力するので、内部装置500Aの動作を停止させる。また、個別メンテナンスモードに移行後、別の作業者PB3が、他のドア100Cを開けたとする。この場合でも、ドア100Aを開けた際と同様に、安全用PLCは、内部装置の動作を停止させる。
よって、スイッチシステム5は、作業者PB1が内部装置500Aのメンテナンス中であり、メンテナンス中であることを視認困難な別の作業者PB3が他のドア100Cを開けてドア付き装置10内に進入しても、各内部装置を停止させる。これにより、スイッチシステム5は、ドア付き装置10内の視認困難な場所で作業者PB1がメンテナンス作業していても、別の作業者PB3が危険な状態になることを回避できる。
また、各安全スイッチ200A〜200Dが、表示制御信号及び各安全スイッチ200の異常の検出結果に基づいて表示することで、表示を確認する作業者は、メンテナンス中であったり異常有りの状態であったりすることを認識できる。よって、例えば、作業者PA3が、メンテナンス中であることを知らずにドア100Cから内部に進入し、危険な状態となることを抑制できる。
図12は、個別メンテナンスモードにおいて複数の安全スイッチ200の全てが閉状態を検出した場合の複数の安全スイッチ200の第1表示例と、PLC制御信号の第1出力例と、を示す模式図である。
図12では、スレーブスイッチ200S1は、そのセンサ本体210へのメンテナンス用のアクチュエータ250mの接近を検出して、自スイッチの動作モードをメンテナンスモードに設定し、メンテナンスモードを示すモード通知信号を出力する。マスタスイッチ200Mは、モード通知信号を入力し、モード通知信号に基づいて、システム動作モードに個別メンテナンスモードに設定する。
スレーブスイッチ200S1は、メンテナンス用のアクチュエータ250mの接近を検出するので、自ドアの閉状態を検出する。また、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2は、そのセンサ本体210への通常用のアクチュエータ250nの接近を検出している。よって、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2は、自ドアの閉状態を検出する。
この場合、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1,200S2は、表示制御信号及び自ドアの閉状態の検出に基づいて、個別メンテナンスモードであることを示す表示を行う。この場合、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1,200S2は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。
また、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードが個別メンテナンスモードであり、全安全スイッチ200が閉状態を検出するので、個別メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を出力する。具体的には、PLC制御信号を伝送するOSSD1及びOSSD2のうち、OSSD1を介してOFF信号を出力し、OSSD2を介してON信号を出力する。
このように、スイッチシステム5は、システム動作モードが個別メンテナンスモードであり、図12に示すスイッチシステム5に含まれる全安全スイッチ200が閉状態を検出した場合、全安全スイッチ200が個別メンテナンスモードであることを表示する。作業者は、いずれの安全スイッチ200を確認しても、ドア付き装置10内でメンテナンス作業中であることを理解できる。また、スイッチシステム5は、個別メンテナンスモードであることを示すPLC制御信号を出力することで、安全用PLCが個別メンテナンスモードに特有の動作(例えば一部の動作を制限、動作速度を低速化)を実施できる。
図13は、個別メンテナンスモードにおいて複数の安全スイッチ200の一部が開状態を検出した場合の複数の安全スイッチ200の第1表示例と、PLC制御信号の第1出力例と、を示す模式図である。図13では、図12と異なる点について主に説明し、同様の点についてはその説明を省略又は簡略化する。
図12と異なる点は、スレーブスイッチ200S2が、そのセンサ本体210への通常用のアクチュエータ250nの接近を検出しない点である。よって、スレーブスイッチ200S2は、自ドアの開状態を検出する。
この場合、スレーブスイッチ200S2は、表示制御信号及び自ドアの開状態の検出に基づいて、自ドアの開状態を検出したことを示す表示を行う。この場合、スレーブスイッチ200S2は、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。
また、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1は、表示制御信号及び自ドアの閉状態の検出に基づいて、個別メンテナンスモードであり、自ドアの開状態を検出し、他の安全スイッチ200が対応する他ドアの開状態を検出したことを示す表示を行う。この場合、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1は、表示態様DM6(黄色/赤点滅)で表示する。
また、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードが個別メンテナンスモードであり、スイッチシステム5内に自ドアの開状態を検出した安全スイッチ200が存在することを認識する。この場合、マスタスイッチ200Mは、図12と異なり、異常有りを示すPLC制御信号を出力する。
このように、スイッチシステム5は、システム動作モードが個別メンテナンスモードであり、図13に示すスイッチシステム5に含まれる安全スイッチ200の一部が閉状態を検出している。この場合、閉状態が検出された安全スイッチ200は、個別メンテナンスモードであり、他の安全スイッチ200が対応する他ドアの開状態を検出したことを示す表示を行う。また、開状態が検出された安全スイッチ200は、自ドアの開状態の検出を示す表示を行う。
したがって、作業者は、メンテナンスモードであり他の安全スイッチ200が他ドアの開状態を検出したことを示す表示(表示態様DM6)を行う安全スイッチ200を確認することで、ドア付き装置10内でメンテナンス作業中であることを理解できる。また、作業者は、自ドアの開状態の検出を示す表示(表示態様DM2)を行う安全スイッチ200を確認することで、その安全スイッチ200が設置されたドア100が開かれ、危険がある可能性があることを認識できる。
また、スイッチシステム5が異常有りを示すPLC制御信号を出力することで、安全用PLCは、内部装置を停止させることができる。よって、個別メンテナンスモード設定中であっても、ドア付き装置10において開いているドア100が存在する場合には、メンテナンス作業中の作業者の安全性を向上できる。
図14は、個別メンテナンスモードにおいて複数の安全スイッチ200の全てが閉状態を検出した場合の複数の安全スイッチ200の第2表示例と、PLC制御信号の第2出力例と、を示す模式図である。図14では、図12と異なる点について主に説明し、同様の点についてはその説明を省略又は簡略化する。
図12と異なる点は、スイッチシステム5に含まれる複数の安全スイッチ200のセンサ本体210に対して、メンテナンス用のアクチュエータ250が検出されることである。図14では、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1が、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。
図14では、スレーブスイッチ200S1は、そのセンサ本体210へのメンテナンス用のアクチュエータ250mの接近を検出して、自スイッチの動作モードをメンテナンスモードに設定し、メンテナンスモードを示すモード通知信号を出力する。また、マスタスイッチ200Mは、そのセンサ本体210へのメンテナンス用のアクチュエータ250mの接近を検出して、自スイッチの動作モードをメンテナンスモードに設定する。マスタスイッチ200Mは、自スイッチの動作モード及びモード通知信号のいずれに基づいても、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。スイッチシステム5によるシステム動作モードが個別メンテナンスモード設定された後の動作については、図12において示した動作と同様であるので、その説明を省略する。
図15は、個別メンテナンスモードにおいて複数の安全スイッチ200の一部が開状態を検出した場合の複数の安全スイッチ200の第2表示例と、PLC制御信号の第2出力例と、を示す模式図である。図15では、図13と異なる点について主に説明し、同様の点についてはその説明を省略又は簡略化する。
図13と異なる点は、スイッチシステム5に含まれる複数の安全スイッチ200のセンサ本体210に対して、メンテナンス用のアクチュエータ250mが検出されることである。図15では、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1が、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、図14と異なる点は、スレーブスイッチ200S2が、そのセンサ本体210への通常用のアクチュエータ250nの接近を検出しない点である。
図15では、図14の場合と同様に、マスタスイッチ200Mは、自スイッチの動作モード及びモード通知信号のいずれに基づいても、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。スイッチシステム5によるシステム動作モードが個別メンテナンスモード設定された後の動作については、図13において示した動作と同様であるので、その説明を省略する。
図16は、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定可能な場合における各安全スイッチ200の詳細な表示例を示す図である。図16において、図11と同様の事項については、その説明を省略又は簡略化する。図16では、個別メンテナンスモードに設定可能な場合の第1ケース〜第8ケースについて例示する。これらのケースをテーブルT2にまとめて示している。なお、図16では、図11に示した全体メンテナンスモードに設定可能な場合の第1ケース〜第7ケースと同様の表示や出力の場合には、その説明を省略又は簡略化する。
第1ケースは、図11に示した全体メンテナンスに設定可能な場合の第1ケースと同じである。第2ケースは、図11に示した全体メンテナンスに設定可能な場合の第2ケースと同じである。
第3ケースでは、マスタスイッチ200Mに対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。また、マスタスイッチ200Mは、OSSD1を介してOFF信号を出力し、OSSD2を介してON信号を出力し、個別メンテナンスモードであることを通知する。また、全安全スイッチ200が閉状態を検出するので、全安全スイッチ200(マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1,200S2)は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。
第3ケースでは、いずれの安全スイッチ200を確認した作業者も、確認した安全スイッチ200が異常無しを検出したこと、メンテナンス中であること、を認識できる。
第4ケースでは、マスタスイッチ200Mに対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。また、マスタスイッチ200Mは、OSSD1を介してOFF信号を出力し、OSSD2を介してON信号を出力し、個別メンテナンスモードであることを通知する。また、全安全スイッチ200が閉状態を検出するので、全安全スイッチ200(マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1,200S2)は、表示態様DM3(黄点灯)で表示する。
第4ケースでは、いずれの安全スイッチ200を確認した作業者も、確認した安全スイッチ200が異常無しを検出したこと、メンテナンス中であること、を認識できる。
第5ケースでは、マスタスイッチ200Mに対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出しない。また、スレーブスイッチ200S1に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。また、マスタスイッチ200Mは、スイッチシステム5における複数の安全スイッチ200の一部が開状態を検出するので、OSSD1及びOSSD2を介して共にOFF信号を出力し、異常有りを通知する。また、開状態を検出したマスタスイッチ200Mは、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。また、閉状態を検出したマスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1は、表示態様DM6(黄色/赤点滅)で表示する。
第5ケースでは、マスタスイッチ200Mを確認した作業者が、異常有りを認識できる。また、スレーブスイッチ200S1,200S2を確認した作業者が、スレーブスイッチ200S1,200S2が異常無しを検出したこと、メンテナンス中であること、他の安全スイッチ200に対応するドア100の少なくとも1つが開いていることを認識できる。
第6ケースでは、マスタスイッチ200Mに対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出しない。また、スレーブスイッチ200S2に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。また、マスタスイッチ200Mは、スイッチシステム5における複数の安全スイッチ200の一部が開状態を検出するので、OSSD1及びOSSD2を介して共にOFF信号を出力し、異常有りを通知する。また、開状態を検出したスレーブスイッチ200S1は、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。また、閉状態を検出したマスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2は、表示態様DM6(黄色/赤点滅)で表示する。
第6ケースでは、スレーブスイッチ200S1を確認した作業者が、異常有りを認識できる。また、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2を確認した作業者が、マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S2が異常無しを検出したこと、メンテナンス中であること、他の安全スイッチ200に対応するドア100の少なくとも1つが開いていることを認識できる。
第7ケースでは、マスタスイッチ200Mに対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出しない。また、スレーブスイッチ200S2に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出しない。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードをシステム通常モードに設定する。また、複数の安全スイッチ200の一部が開状態を検出するので、マスタスイッチ200Mは、OSSD1及びOSSD2を介して共にOFF信号を出力し、異常有りを通知する。また、開状態を検出したスレーブスイッチ200S1,200S2は、表示態様DM2(赤点灯)で表示する。閉状態を検出したマスタスイッチ200Mは、表示態様DM5(緑点滅)で表示する。
第7ケースでは、スレーブスイッチ200S1,200S2を確認した作業者が、異常有りを認識できる。また、マスタスイッチ200Mを確認した作業者が、システム通常モードであり、スレーブスイッチ200S1,200S2が異常無しを検出したが、他の安全スイッチ200が異常有りを検出したことを認識できる。
第8ケースでは、マスタスイッチ200Mに対して通常用のアクチュエータ250nを用いる。マスタスイッチ200Mのセンサ本体210は、通常用のアクチュエータ250nを検出する。また、スレーブスイッチ200S1に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S1のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。また、スレーブスイッチ200S2に対してメンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる。スレーブスイッチ200S2のセンサ本体210は、メンテナンス用のアクチュエータ250mを検出する。
この場合、マスタスイッチ200Mは、システム動作モードを個別メンテナンスモードに設定する。さらに、第8ケースでは、個別メンテナンスモードの設定から個別メンテナンスモードの継続可能時間が経過したことを想定する。この場合、マスタスイッチ200Mは、個別メンテナンスモードを終了させる。この場合、マスタスイッチ200Mは、OSSD1及びOSSD2を介して共にOFF信号を出力し、異常有りを通知する。また、全安全スイッチ200(マスタスイッチ200M及びスレーブスイッチ200S1,200S2)は、個別メンテナンスの継続可能時間の超過を示す表示制御信号に基づいて、表示態様DM4(黄色/赤点滅)で表示する。
第8ケースでは、いずれの安全スイッチ200を確認した作業者も、確認した安全スイッチ200が異常無しを検出したこと、メンテナンスモードが継続可能時間を超過して通常モードに移行したこと、を認識できる。
次に、複数の安全スイッチ200と安全用PLC400との接続関係について説明する。図17は、複数の安全スイッチ200と安全用PLC400との接続関係の一例を示す図である。
図17では、各安全スイッチ200が環状且つ直列に接続されており、つまりループ状に接続されている。そして、最後段の安全スイッチ200、つまりマスタスイッチ200Mが、安全用PLC400に接続される。図17では、システム動作モードの設定及び表示制御信号の生成は、マスタスイッチ200Mにより行われる。
図17では、各スレーブスイッチ200Sの入出力部219は、隣り合う後段の他の安全スイッチ200へ、モード通知信号及び異常検出信号を出力する。マスタスイッチ200Mの入出力部219は、モード通知信号及び異常検出信号を取得する。マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、モード通知信号及び自スイッチの動作モードに基づいて、システム動作モードを設定する。
マスタスイッチ200Mは、システム動作モード並びに各安全スイッチ200の異常検出信号及び自スイッチの異常検出結果に基づいて、表示制御信号を生成する。マスタスイッチ200Mは、表示制御信号を最前段のスレーブスイッチ200Sに出力する。最前段のスレーブスイッチ200Sは、マスタスイッチ200Mからの表示制御信号を取得し、隣り合う後段の安全スイッチ200に出力する。最前段以外のスレーブスイッチ200Sは、隣り合う前段のスレーブスイッチ200Sからの表示制御信号を取得し、隣り合う後段の安全スイッチ200に出力してよい。
マスタスイッチ200Mは、設定されたシステム動作モードに基づいて、PLC制御信号を生成してよい。また、マスタスイッチ200Mは、設定されたシステム動作モードと取得された異常検出信号と、自スイッチの異常検出結果に基づいて、PLC制御信号を生成してよい。マスタスイッチ200Mは、PLC制御信号を安全用PLC400へ出力する。安全用PLC400は、PLC制御信号をマスタスイッチ200Mから取得する。安全用PLC400は、PLC制御信号に基づいて、内部装置の動作の制御を指示してよい。
図17に示した接続関係によれば、マスタスイッチ200Mが、全てのスレーブスイッチ200Sとの間で個別にモード通知信号、異常検出信号及び表示制御信号の通信を実施することが不要である。具体的には、各スレーブスイッチ200Sは、隣り合う前段に配置されたスレーブスイッチ200Sから、モード通知信号、異常検出信号及び表示制御信号を取得すればよい。
図18は、図17に示した複数の安全スイッチ200と安全用PLC400との接続関係の一例に対応する表示制御信号の第1伝送例を示す図である。図18では、モード通知信号及び異常検出信号は、図17と同様に伝送される。つまり、モード通知信号及び異常検出信号は、後段の安全スイッチ200へ一方向に伝送される。
一方、表示制御信号は、生成元であるマスタスイッチ200Mから最前段のスレーブスイッチ200Sへ伝送され、続いて隣り合う後段の安全スイッチ200へ順番に伝送される。つまり、最前段のスレーブスイッチ200Sは、マスタスイッチ200Mから表示制御信号を取得し、隣り合う後段の安全スイッチ(スレーブスイッチ200S又はマスタスイッチ200M)へ表示制御信号を出力する。最前段以外の各スレーブスイッチ200Sは、隣り合う前段のスレーブスイッチ200Sから表示制御信号を取得し、隣接する後段の安全スイッチ200(スレーブスイッチ200S又はマスタスイッチ200M)へ表示制御信号を出力する。よって、表示制御信号の伝送経路は、図18に示すようにループ経路となる。
なお、マスタスイッチ200Mは、二重化された信号線(OSSD1,OSSD2)を介して、PLC制御信号を安全用PLC400へ出力する。
図18に示した表示制御信号の伝送によれば、マスタスイッチ200Mは、最前段のスレーブスイッチ200Sへ表示制御信号を出力すればよい。したがって、マスタスイッチ200Mが表示制御を指示する場合におけるマスタスイッチ200Mの負荷を低減できる。
図19は、図17に示した複数の安全スイッチ200と安全用PLC400との接続関係の一例に対応する表示制御信号の第2伝送例を示す図である。図19では、モード通知信号及び異常検出信号は、図17と同様に伝送される。つまり、モード通知信号及び異常検出信号は、後段の安全スイッチ200へ一方向に伝送される。
一方、表示制御信号は、生成元であるマスタスイッチ200Mから各スレーブスイッチ200Sへ直接に伝送される。つまり、マスタスイッチ200Mは、表示制御信号を各スレーブスイッチ200Sに出力する。各スレーブスイッチ200Sは、マスタスイッチ200Mからの表示制御信号を取得する。よって、表示制御信号の伝送経路は、ループ経路とならない。
なお、マスタスイッチ200Mは、二重化された信号線(OSSD1,OSSD2)を介して、PLC制御信号を安全用PLC400へ出力する。
図19に示した表示制御信号の伝送によれば、各スレーブスイッチ200Sへ表示制御信号が迅速に到達し、各スレーブスイッチ200Sの表示のリアルタイム性が向上する。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
上記実施形態では、表示態様DM1〜DM6の具体的な表示態様は、一例を示したものであり、他の表示態様であってもよい。例えば、他の色で示されたり、他の点灯や点滅の態様で示されたりしてよい。
上記実施形態では、安全スイッチ200のメモリ218は、メンテナンス用のアクチュエータ250mのRFIDタグ280のIDと、通常用のアクチュエータ250nのRFIDタグ280のIDとを、区別可能に記憶しておいてもよい。この場合、プロセッサ211は、メモリ218が保持する1つ以上のメンテナンス用のアクチュエータ250mのRFIDタグ280のIDに、アクチュエータ250から通知されたRFIDタグ280のIDが含まれる場合、メンテナンス用のアクチュエータ250mが検出されたことを認識してよい。この場合、プロセッサ211は、スイッチ動作モードを、メンテナンスモードに設定する。一方、プロセッサ211は、メモリ218が保持する1つ以上の通常用のアクチュエータ250nのRFIDタグ280のIDに、アクチュエータ250から通知されたRFIDタグ280のIDが含まれない場合、通常用のアクチュエータ250nが検出されたことを認識する。この場合、プロセッサ211は、スイッチ動作モードを、通常モードに設定する。
上記実施形態では、メンテナンス用のアクチュエータ250mを用いて安全スイッチの動作モードを設定することを例示したが、これに限られない。例えば、安全スイッチ200が、例えば作業者により操作されるモード切替スイッチを備えてもよい。この場合、モード切替スイッチが作業者による動作モード(メンテナンスモード又は通常モード)を設定するための操作を受け付け、プロセッサ211がこの操作に基づいて、安全スイッチの動作モードを設定してもよい。また、安全スイッチ200に対してモード切替スイッチが設けられるのではなく、スイッチシステム5に対して1つのモード切替スイッチが設けられてもよい。この場合、モード切替スイッチが作業者による動作モードを設定するための操作を受け付け、プロセッサ211がこの操作に基づいて、システム動作モードを設定してもよい。
上記実施形態では、図17を用いて複数の安全スイッチ200と安全用PLC400との接続関係を例示したが、これに限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
図20は、複数の安全スイッチ200と安全用PLC400との接続関係の第1変形例を示す図である。図20では、安全用PLC400に各安全スイッチ200が接続されている。図20の場合、表示制御信号の生成及びシステム動作モードの設定は、安全用PLC400により行われる。また、各安全スイッチ200は、いずれも安全用PLC400の直前段に位置する安全スイッチである。図20では、複数の安全スイッチ200のそれぞれが前段及び後段の関係にないので、安全スイッチ200は、マスタスイッチであるかスレーブスイッチであるかの区別がなくてよい。
図20では、各安全スイッチ200の入出力部219は、モード通知信号及び異常検出信号を安全用PLC400に出力する。安全用PLC400の入出力部は、各安全スイッチ200からモード通知信号及び異常検出信号を取得する。安全用PLC400のプロセッサは、各安全スイッチ200からのモード通知信号に基づいて、システム動作モードを設定する。安全用PLC400のプロセッサは、システム動作モード及び各安全スイッチ200からの異常検出信号に基づいて、表示制御信号を生成する。安全用PLC400の入出力部は、表示制御信号を各安全スイッチ200に出力する。各安全スイッチ200の入出力部219は、安全用PLC400からの表示制御信号を取得する。
また、安全用PLC400は、設定されたシステム動作モードに基づいて、PLC制御信号を生成してよい。また、安全用PLC400は、設定されたシステム動作モードと取得された各異常検出信号に基づいて、PLC制御信号を生成してよい。安全用PLC400は、PLC制御信号に基づいて、内部装置の動作の制御を指示してよい。
図20に示した接続関係によれば、安全用PLC400から各安全スイッチ200へ表示制御信号が迅速に到達可能であり、各安全スイッチ200の表示のリアルタイム性が向上する。
図21は、複数の安全スイッチ200と安全用PLC400との接続関係の第2変形例を示す図である。図21では、各安全スイッチ200及び安全用PLC400が環状且つ直列に接続されており、つまりループ状に接続されている。この場合、表示制御信号の生成及びシステム動作モードの設定は、安全用PLC400により行われる。図21では、なお、最後段の安全スイッチ200がマスタスイッチ200Mとなり、その他の安全スイッチ200がスレーブスイッチ200Sとなる。
図21では、最後段以外の各安全スイッチ200の入出力部219は、隣り合う後段の安全スイッチ200又は安全用PLC400へ、モード通知信号及び異常検出信号を出力する。安全用PLC400の入出力部219は、最後段の安全スイッチ200からモード通知信号及び異常検出信号をマスタスイッチ200Mから取得する。安全用PLC400のプロセッサは、取得されたモード通知信号に基づいて、システム動作モードを設定する。安全用PLC400のプロセッサは、最後段の安全スイッチ200からのモード通知信号及び異常検出信号に基づいて、表示制御信号を生成する。安全用PLC400の入出力部は、表示制御信号を最前段の安全スイッチ200に出力する。最前段の安全スイッチ200の入出力部219は、安全用PLC400からの表示制御信号を取得し、隣り合う後段の他の安全スイッチ200へ表示制御信号を出力する。最前段以外の各安全スイッチ200の入出力部219は、隣り合う前段の安全スイッチ200から表示制御信号を取得し、隣り合う後段の他の安全スイッチ200へ表示制御信号を出力する。
また、安全用PLC400は、設定されたシステム動作モードに基づいて、PLC制御信号を生成してよい。また、安全用PLC400は、設定されたシステム動作モードと取得された各異常検出信号に基づいて、PLC制御信号を生成してよい。安全用PLC400は、PLC制御信号に基づいて、内部装置の動作の制御を指示してよい。
図21に示した接続関係によれば、安全用PLC400が、全ての安全スイッチ200との間で個別にモード通知信号、異常検出信号及び表示制御信号の通信を実施することが不要である。具体的には、安全用PLC400が、最後段の安全スイッチ200からモード通知信号及び異常検出信号を取得し、最前段の安全スイッチ200へ表示制御信号を出力すればよい。したがって、安全用PLC400が表示制御を指示する場合における安全用PLC400の負荷を低減できる。
上記実施形態では、メンテナンス用のアクチュエータ250mを用いて、メンテナンスモードに設定することを例示したが、これに限られない。マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、様々な用途のアクチュエータを用いて、様々なモードに設定してよい。この場合、全体メンテナンスモード、個別メンテナンスモードと同様の手順が実施されてよい。
例えば、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、テスト用のアクチュエータ250を用いて、テストモードに設定してよい。例えば、メンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる場合と同様に、マスタスイッチ200Mは、センサ本体210のメモリ218に予めテスト用のアクチュエータ250の識別情報(例えばRFIDタグ280のID)を保持させておく。そして、マスタスイッチ200Mは、センサ本体210がテスト用のアクチュエータ250の接近を検出すると、システム動作モードをテストモードに設定する。
マスタスイッチ200Mは、テストモードを示す表示制御信号を出力し、各スレーブスイッチ200Sに順次伝達されるようにしてよい。これにより、各安全スイッチ200の表示を確認した作業者は、スイッチシステム5の安全スイッチ200又はドア付き装置10の内部の内部装置が運転等のテスト中であることを認識できる。また、マスタスイッチ200Mは、テストモードを示すPLC制御信号を安全用PLCに出力してよい。これにより、安全用PLCは、内部装置にテストモード特有の動作をさせることができる。このように、テスト用のアクチュエータ250を用いることで、テストモードに設定するために、センサ本体210に外部入力信号線を設け、テスト時に外部入力信号(例えば0Vの信号)を入力することが不要となる。
また、例えば、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、ロック解除用のアクチュエータを用いて、異常の検出状態の解除(ロック解除とも称する)を許可してよい。つまり、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、スイッチシステム5における少なくとも1つの安全スイッチ200が開状態を検出した場合に、異常有りを検出し、異常有りを示す表示制御信号を出力し、異常有りを示すPLC制御信号を安全用PLCに出力するとする。この場合に、マスタスイッチ200Mのプロセッサ211は、ロック解除が許可された場合に限り、異常の検出状態を解除可能にしてよい。つまり、マスタスイッチ200Mは、ロック解除が許可された状態で、スイッチシステム5における全安全スイッチ200の閉状態が検出された場合に、異常無しを検出し、異常無しを示す表示制御信号を出力し、異常無しを示すPLC制御信号を安全用PLCに出力する。
ロック解除用のアクチュエータ250を用いる場合、例えば、メンテナンス用のアクチュエータ250mを用いる場合と同様に、マスタスイッチ200Mは、センサ本体210のメモリ218に予めロック解除用のアクチュエータ250の識別情報(例えばRFIDタグ280のID)を保持させておく。そして、マスタスイッチ200Mは、センサ本体210がロック解除用のアクチュエータ250の接近を検出すると、ロック解除を許可する。
ロック解除用のアクチュエータ250を用いることで、ロック解除するために、センサ本体210に外部入力信号線を設け、ロック解除時に外部入力信号(例えば0Vの信号)を入力することが不要となる。また、例えばマスタスイッチ200Mが、少なくとも1つの安全スイッチ200により開状態を検出した後に全安全スイッチ200により閉状態を検出されたことを認識しても、ロック解除されない限り、異常無しと判断して自動復帰することを阻止できる。
上記実施形態では、ドア付き装置10が、ドア100により内部装置を包囲することを例示したが、これに限られない。例えば、内部装置の代わりに、ロッカー(例えば宅配ロッカー)、が配置されてもよい。また、ドア100が単に所定空間を包囲するだけでもよい。つまり、ドア付き装置10が単に空間を仕切るものであってもよい。
上記実施形態では、安全スイッチ200が異常の有無の検出としてドア100の開閉状態を検出することを例示したが、これに限られない。ドア100の開閉状態以外の異常を検出してもよい。
上記実施形態では、センサ本体210がドア100の裏側に設置されることを例示したが、これに限られず、センサ本体210がドア100の表側に設置されてもよい。また、ドア本体113が透光性部材により形成されることを例示したが、ドア本体113が非透光性部材で形成されてもよい。
上記実施形態では、プロセッサは、物理的にどのように構成してもよい。また、プログラム可能なプロセッサを用いれば、プログラムの変更により処理内容を変更できるので、プロセッサの設計の自由度を高めることができる。プロセッサは、1つの半導体チップで構成してもよいし、物理的に複数の半導体チップで構成してもよい。複数の半導体チップで構成する場合、上記実施形態の各制御をそれぞれ別の半導体チップで実現してもよい。この場合、それらの複数の半導体チップで1つのプロセッサを構成すると考えることができる。また、プロセッサは、半導体チップと別の機能を有する部材(コンデンサ等)で構成してもよい。また、プロセッサが有する機能とそれ以外の機能とを実現するように、1つの半導体チップを構成してもよい。また、複数のプロセッサが1つのプロセッサで構成されてもよい。
以上のように、上記実施形態の安全スイッチ200は、安全スイッチ200の動作モードを設定する設定部(例えばプロセッサ211)と、安全スイッチ200の動作モードがメンテナンスモードか否かを通知するモード通知信号を出力する出力部(例えば入出力部219)と、安全スイッチ200及び他の安全スイッチ200を含むスイッチシステム5の動作モードであるシステム動作モードに基づく表示制御信号を入力する入力部(例えば入出力部219)と、表示制御信号に基づいて表示する表示部(例えば光源213)と、を備える。表示部は、システム動作モードが、安全スイッチ200及び他の安全スイッチ200の動作モードの少なくとも1つがメンテナンスモードに設定されたことを示すシステムメンテナンスモードであることに基づく表示制御信号が入力された場合、システム動作モードがシステムメンテナンスモードであることを表示する。
これにより、安全スイッチ200は、システムメンテナンスモードか否かが反映された表示制御信号に基づいて表示することで、動作モードがシステムメンテナンスモードに設定されたことを表現できる。よって、作業者は、表示部の表示を確認することで、メンテナンス中であるか否かを認識できる。仮に自スイッチ(安全スイッチ200)ではなく他スイッチ(他の安全スイッチ200)がメンテナンスモードに設定された場合でも、システム全体でシステムメンテナンスモードに切り替わる。したがって、安全スイッチ200は、安全スイッチ200が取り付けられたドア100の内部でのメンテナンス時の作業者の安全性を向上できる。
また、安全スイッチ200は、異常の有無を検出する第1の検出部(例えばコイル212)、を更に備えてよい。表示部は、表示制御信号と、第1の検出部により検出された異常の有無の検出結果と、に基づいて表示してよい。
これにより、安全スイッチ200は、表示制御信号とともに、自スイッチの異常の有無の検出結果も加味して表示できる。例えば、安全スイッチ200は、システム動作モードが全体メンテナンスモード(システムメンテナンスモードの一例)であり、自スイッチが異常無しを検出した場合、全体メンテナンスモードに設定中であることを表示でき、自スイッチが異常有りを検出した場合、異常有りを表示できる。よって、作業者は、メンテナンス中であることや危険の状態を認識できる。
また、出力部は、異常の有無の検出結果を示す異常検出信号を出力してよい。入力部は、安全スイッチ及び他の安全スイッチの各々による異常の検出結果に基づく表示制御信号を入力してよい。
これにより、安全スイッチ200は、システムメンテナンスモードであることと、各安全スイッチ200の異常の有無の検出結果と、に基づく表示制御信号とともに、自スイッチの異常の有無の検出結果も加味して表示できる。よって、例えば、安全スイッチ200は、システム動作モードが個別メンテナンスモード(システムメンテナンスモードの一例)であり、自スイッチが異常無しを検出したが、他の安全スイッチが異常有りを検出した場合、その旨を表示できる。よって、作業者は、この表示を確認することで、メンテナンス中であり、自スイッチは危険を察知していないが、他スイッチが危険を察知していると認識できる。
また、入力部は、システム動作モードがシステムメンテナンスモードに設定されてから所定時間以上経過したことに基づく表示制御信号を入力してよい。表示部は、システムメンテナンスモードに設定されてから所定時間以上経過したことを表示してよい。
これにより、安全スイッチ200は、経過時間の超過によりシステムメンテナンスモードの設定が終了していることを表示できる。よって、作業者は、メンテナンスの期間が終了して危険が発生している可能性があることを認識できる。
また、安全スイッチ200は、センサ本体210、を更に備えてよい。センサ本体210は、設定部と、出力部と、入力部と、表示部と、アクチュエータ250の識別情報を検出する第2の検出部(例えばコイル212)と、第1の識別情報を記憶する記憶部(例えばメモリ218)と、を備えてよい。センサ本体210の設定部は、第2の検出部により検出されたアクチュエータ250が保持する第2の識別情報(例えばRFIDタグ280のID)が第1の識別情報と一致した場合、安全スイッチ200の動作モードをメンテナンスモードに設定してよい。
これにより、作業者等が、特定のアクチュエータ250(例えばメンテナンス用のアクチュエータ250m)をセンサ本体210に接近させるだけで、特別なスイッチの操作等を行うことなく、安全スイッチ200の動作モードを容易に切り替えできる。
また、安全スイッチ200は、ドア100に設置されてよい。第1の検出部は、ドア100の開閉状態を検出してよい。
これにより、安全スイッチ200は、自スイッチが設置された自ドアの開閉状態に基づく表示を実施できる。
また、上記実施形態のスイッチシステム5は、上記の複数の安全スイッチ200を有する。複数の安全スイッチ200は、第1の安全スイッチ(例えばマスタスイッチ200M)と、第2の安全スイッチ(例えばスレーブスイッチ200S)と、を含んでよい。第2の安全スイッチの出力部は、モード通知信号を第1の安全スイッチに出力してよい。第1の安全スイッチは、第1の安全スイッチの設定部により設定された動作モードと、モード通知信号と、に基づいて、システム動作モードを設定し、システム動作モードに基づく表示制御信号を第2の安全スイッチに出力してよい。
これにより、第1の安全スイッチは、各安全スイッチ200により設定された動作モードに基づいて、システム動作モードを設定できる。そして、システム動作モードが例えばシステムメンテナンスモードに設定された場合、第2の安全スイッチは、システムメンテナンスモードであることに基づく表示制御信号を入力できる。よって、各安全スイッチ200は、表示制御信号に基づいて表示することで、システムメンテナンスモードであることを表示できる。よって、どの安全スイッチ200の表示を確認した作業者も、メンテナンス中であることを認識できる。したがって、スイッチシステム5は、安全スイッチ200が取り付けられたドア100の内部でのメンテナンス時の作業者の安全性を向上できる。
また、第2の安全スイッチの出力部は、システム動作モードがシステムメンテナンスモードに設定されている場合、システムメンテナンスモードに設定されていることに基づく制御信号(例えばPLC制御信号)を、メンテナンスされる装置(例えば内部装置)の動作を制御する制御装置(例えば安全用PLC)に出力してよい。
これにより、スイッチシステム5は、各安全スイッチ200による異常の有無の検出結果に基づく動作とは異なる、システムメンテナンスモードに設定されている場合に特有の動作を、メンテナンスされる装置にさせることができる。
また、第2の安全スイッチの出力部は、システム動作モードがシステムメンテナンスモードに設定されており、スイッチシステム5に含まれる安全スイッチ200の少なくとも1つが異常有りを検出した場合、異常有りを検出したことに基づく制御信号を、制御装置に出力してよい。
これにより、スイッチシステム5は、システムメンテナンスモードに設定された場合でも、いずれかの安全スイッチ200により異常有りが検出された場合には、メンテナンスされる装置に、異常有りに対応した動作をさせることができる。
また、システム動作モードとして設定可能なシステムメンテナンスモードは、複数の種類のシステムメンテナンスモードを含んでよい。第2の安全スイッチの出力部は、システムメンテナンスモードの種類に基づいて、異なる制御信号を出力してよい。
これにより、制御装置は、上記の異なる制御信号を取得することで、どのシステムメンテナンスモードであるかによって、異なる動作をさせることができる。この異なる動作は、例えば、制御装置において適宜設定可能である。
また、第1の安全スイッチの出力部は、二重化された信号線を介して、制御信号を出力してよい。第2の安全スイッチの出力部は、単一の信号線を介して、モード通知信号を出力してよい。
これにより、スイッチシステム5は、スレーブスイッチ200Sの構成を簡素化しつつ、マスタスイッチ200Mによる安全出力の性能を維持できる。また、例えば、システム動作モードがシステム通常モードである場合には、二重化された信号線(例えばOSSD1、OSSD2)で同じ信号(例えばON信号とON信号、又はOFF信号とOFF信号)を送信することで、異常の有無の検出結果を通知できる。また、システム動作モードがシステムメンテナンスモードである場合には、二重化された信号線で異なる信号(例えばON信号とOFF信号、又はOFF信号とON信号)を送信することで、システムメンテナンスモードであることを制御装置に通知できる。よって、スイッチシステム5は、メンテナンスモード特有の動作を、メンテナンスされる装置にさせることができる。
また、複数の安全スイッチ200は、環状且つ直列に接続されてよい。
これにより、複数の安全スイッチ200がループ接続される。よって、第1の安全スイッチが第2の安全スイッチの各々と通信することが不要となる。例えば、第1の安全スイッチは、最前段の第2の安全スイッチに対して出力し、最後段の第2の安全スイッチから入力すればよい。よって、スイッチシステム5は、マスタスイッチ200Mの入出力の負担を軽減できる。