JP2021147766A - 上部構造物の支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】上部構造物の過大な浮き上がりや損傷を抑制し、かつ浮き上がった上部構造物が降下する際の衝撃を緩和する。【解決手段】杭頭2202に上方に開放された空間部24を有する杭18を介して上部構造物12を支持する上部構造物の支持構造10Dであって、上部構造物12と空間部24とにわたり、上部構造物12の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、上部構造物12の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構20Dが設けられている。抵抗機構20Dは、上部構造物12の下面1402から下方に突設される上部小径部4004と、上部小径部4004よりも断面積の大きい大径部4006とを有し空間部24に挿入されるロッド40と、上部小径部4004が貫通されて杭18の内周面1802にその外周部が取着された弾性部材42とを含んで構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、上部構造物の支持構造に関する。
地盤に打設された杭によって建物(上部構造物)を支持する構造として、上端に上方に開放された空間部を有する杭と、建物の下面に取着されその下部が空間部にはめ込まれる截頭円錐形の杭頭キャップとを備え、杭頭キャップの下部に抜け止め部材を垂下させたものが提案されている(特許文献1参照)。
上記構造では、地震発生時に建物および杭頭キャップが杭に対して傾動することで建物に作用するモーメントが低減される。
特許第4863982号公報
しかしながら、上記従来技術では、地震や台風あるいは津波などの災害により水平方向の力が建物に作用して建物が浮き上がるロッキングと呼ばれる現象が生じた場合、建物の浮き上がり量が過大となり建物が損傷することが懸念され、また、建物の浮き上がり後の降下により、杭頭キャップが杭の上部に勢いよくぶつかることで発生した衝撃力が建物に加わり建物が損傷することが懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上部構造物の過大な浮き上がりを抑制し、かつ、浮き上がった上部構造物が降下する際の衝撃を緩和する上で有利な上部構造物の支持構造を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため本発明は、杭頭に上方に開放された空間部を有する杭を介して上部構造物を支持する上部構造物の支持構造であって、前記上部構造物と前記空間部とにわたり、前記上部構造物の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、前記上部構造物の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられ、前記抵抗機構は、前記上部構造物の下面から下方に突設される上部小径部と、前記上部小径部の下部に設けられ前記上部小径部よりも断面積の大きい大径部とを有し前記空間部に挿入されるロッドと、前記上部小径部が貫通されて前記大径部よりも上方の前記空間部の箇所に位置し前記空間部を構成する前記杭の内周面にその外周部が取着された弾性部材と、を含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記大径部は前記ロッドの長さ方向に沿った長さを有し、前記大径部の断面積は、前記大径部の前記長さ方向の中央が最も大きく形成されると共に前記長さ方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記大径部の下端に、前記大径部よりも外径の小さい下部小径部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記弾性部材は、その上部がその下部よりも弾性係数の大きな部材で形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記上部構造物と前記杭頭との間に、前記杭頭に対して前記上部構造物の上方への変位を許容しつつ前記上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、前記抵抗機構は、前記位置決め部の内側に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記位置決め部は、前記上部構造物の下面に取着され、その下部が前記空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の杭頭キャップを含んで構成され、前記抵抗機構は、前記杭頭キャップの内側を通って設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記上部構造物と前記杭頭との間に、前記杭頭に対して前記上部構造物の上方への変位を許容しつつ前記上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、前記抵抗機構は、前記位置決め部と前記空間部とにわたって設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記位置決め部は、前記上部構造物の下面に取着されその下部が前記空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の杭頭キャップを含んで構成され、前記抵抗機構は、前記杭頭キャップの下面と前記空間部とにわたって設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、上部構造物と杭の空間部とにわたり、上部構造物の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、上部構造物の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられているため、例えば地震などが発生し建物に水平方向の力が作用した場合、上部構造物の過大な浮き上がりを抑制し、かつ、浮き上がった上部構造物が降下する際の衝撃を緩和する上で有利となる。このため、上部構造物の損傷を抑制し、上部構造物に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、抵抗機構は、上部構造物の下面から下方に突設される上部小径部と、上部小径部の下部に設けられ小径部よりも断面積の大きい大径部とを有するロッドと、上部小径部が貫通されて大径部よりも上方の空間部の箇所に位置し杭の内周面にその外周部が取着された弾性部材とを含んで構成されている。
このため、上部構造物の一側が大きく浮き上がる方向に変位しようとする場合、また、上部構造物の浮き上がり後に降下する場合、ロッドの外周面と弾性部材の内周面との摩擦抵抗と、大径部が弾性部材を押圧する際の抵抗とにより、上部構造物の上方への変位、または下方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、上部構造物の浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となるとともに、上部構造物の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、上部構造物の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、大径部はロッドの長さ方向に沿った長さを有し、大径部の断面積は、大径部の長さ方向の中央が最も大きく形成されると共に長さ方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成されているので、簡単な構造により上部構造物の浮き上がり時および浮き上がり後の降下時の双方に確実に抵抗を生じさせる上で有利となる。
また、本発明によれば、大径部の下端に、大径部よりも外径の小さい下部小径部が設けられているので、大径部が弾性部材の上面の上方に浮き上がった後、上部構造体が降下する際に大径部を弾性部材の内部に円滑に戻す上で有利となる。
また、本発明によれば、弾性部材はその上部がその下部よりも弾性係数の大きな部材で形成されているため、上部構造物の上方への僅かな変位に対しては、ロッドの外周部と摩擦部材の内周面との摩擦抵抗と、大径部が弾性部材を押圧する際の抵抗とにより、上部構造物の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗を生じ、上部構造物の上方への大きな変位に対しては、ロッドの外周部と摩擦部材の内周面との摩擦抵抗と、大径部が弾性部材を押圧して上昇する際の抵抗とにより、上部構造物の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗よりも大きな第2の抵抗を生じ、上部構造物の過大な浮き上がりを抑制する。そのため、上部構造物の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となり、また、摩擦部材の杭頭からの抜落を阻止する上で有利となる。
また、本発明によれば、抵抗機構は、上部構造物の下面と、空間部の下部に設けられた底部とにわたって設けられたダンパーを含んで構成されているため、上部構造物の一側が大きく浮き上がる方向に変位しようとする場合、また、上部構造物の浮き上がり後に降下する場合、ダンパーによる抵抗により、上部構造物の上方への変位、または下方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、上部構造物の浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となるとともに、上部構造物の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、上部構造物の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、上部構造物と杭頭との間に、杭頭に対して上部構造物の上方への変位を許容しつつ上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部を設け、抵抗機構を位置決め部の内側に設けると、地震時、上部構造物に過大な水平力が加わることで一時的に上部構造物の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、位置決め部により上部構造物の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に上部構造物を水平に支持する上で有利となる。
また、位置決め部を、上部構造物の下面に取着され、その下部が空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の杭頭キャップを含んで構成し、抵抗機構を、杭頭キャップの内側を通って設けると、杭頭キャップが杭頭の空間部に対しあらゆる方向に傾動可能となるため、仮に杭が傾斜していても上部構造物を水平に支持する上で有利となる。
また、本発明によれば、上部構造物と杭頭との間に、杭頭に対して上部構造物の上方への変位を許容しつつ上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部を設け、抵抗機構を位置決め部と空間部とにわたって設けると、地震時、上部構造物に過大な水平力が加わることで一時的に上部構造物の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、位置決め部により上部構造物の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に上部構造物を水平に支持する上で有利となる。
また、位置決め部を、上部構造物の下面に取着されその下部が空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の杭頭キャップを含んで構成し、抵抗機構を、杭頭キャップの下面と空間部とにわたって設けると、杭頭キャップが杭頭の空間部に対しあらゆる方向に傾動可能となるため、仮に杭が傾斜していても上部構造物を水平に支持する上で有利となる。
第1の実施の形態の上部構造物の支持構造の構成を示す説明図である。 第1の実施の形態の上部構造物の支持構造において上部構造物の浮き上がりが発生した場合を示す説明図である。 第2の実施の形態の上部構造物の支持構造の構成を示す説明図である。 第2の実施の形態の上部構造物の支持構造において上部構造物の浮き上がりが発生した場合を示す説明図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態の上部構造物の支持構造10Dは、上部構造物12を支持するものであり、杭18と、抵抗機構20Dとを備えている。
上部構造物12は、体育館、倉庫、鉄塔などの構造物であり、水平方向に延在する基礎梁14と、基礎梁14から立設された複数の柱16とを含んで構成されている。
基礎梁14として、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)のもの、あるいは、木製の基礎梁など従来公知の様々なものが使用可能である。
杭18は、杭本体22と、空間部24とを含んで構成されている。なお、杭18として、RC杭などのコンクリート杭、鋼管杭、あるいは、木製杭など従来公知の様々な杭が使用可能であり、本実施の形態では、鋼管杭である。
杭本体22は地盤Gに打設され、杭頭2202の上面は地盤G上に露出されている。
空間部24は、杭頭2202に上方に開放状に形成されている。
本実施の形態では、杭本体22は鋼管杭であるため、空間部24は杭本体22の内部で杭本体22の全長にわたって形成され、空間部24は杭本体22の内周面で円柱状に形成されている。なお、杭本体22がコンクリート杭などのように空間部を有していない杭の場合には、空間部24を杭頭2202に予め形成しておく。
また、図中符号25は、杭本体22の上部の外周面の全周に沿って設けられた補強用のリングであり、リング25は溶接によって杭本体22に接合されている。
更に本実施の形態では、位置決め部26が設けられている。
位置決め部26は、上部構造物12と杭頭2202との間に設けられ、杭頭2202に対して上部構造物12の上方への変位を許容しつつ上部構造物12の水平方向の位置決めを行なうものである。
本実施の形態では、位置決め部26は杭頭キャップ28と杭頭2202とを含んで構成されている。
杭頭キャップ28は、鋼製であり、キャップ本体2802と、蓋板部2804とを備えている。
キャップ本体2802は、上部構造物基礎梁14の下面1402から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状を呈し、本実施の形態では、截頭円錐形の中空の枠状を呈し、キャップ本体2802の下部は空間部24にはめ込まれ、言い換えると杭頭2202の上端にはめ込まれている。
蓋板部2804は、キャップ本体2802の上縁よりも大きな輪郭を有する正方形の鋼板で構成され、蓋板部2804の中心には、後述するロッド30Aのフランジ3002を収容する孔部2805が形成されている。
蓋板部2804は、キャップ本体2802の軸心と蓋板部2804の中心とを合致させた状態でキャップ本体2802の上縁と蓋板部2804の下面とが溶接で接合されている。
蓋板部2804は、基礎梁14の下面1402にボルトB1とナットN1を介して締結されている。
キャップ本体2802の下部が空間部24にはめ込まれた状態でキャップ本体2802の下部は杭18の内周面1802の上縁1804に摩擦接触している。
なお、本明細書において、杭頭キャップ28を形成する截頭円錐形には、部分球形状、球面形状などの形状を広く含む。
本発明において杭頭キャップ28は省略可能であるが、杭頭キャップ28を用いることにより以下の効果が奏される。
1)杭頭2202の空間部24にキャップ本体2802をはめ込むことで、キャップ本体2802が杭頭2202の空間部24に対しあらゆる方向に傾動可能となるため、杭頭2202の損傷が避けられる。
2)地震時、上部構造物12に過大な水平力が加わることで一時的に上部構造物12の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、キャップ本体2802が杭頭2202の空間部24にはめ込まれることで上部構造物12の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に基礎梁14を水平に支持する上で有利となる。
なお、杭頭2202に対して上部構造物12の上方への変位を許容しつつ上部構造物12の水平方向の位置決めを行なう位置決め部26は杭頭キャップ28に限定されず、従来公知の様々な構造が適用可能であるが、杭頭キャップ28を用いると上述の効果を奏する点で有利となる。
また、本実施の形態では、杭18が断面形状が円形の鋼管杭で構成されている場合について説明したが、杭は断面矩形であってもよく、その場合、杭頭キャップは、基礎梁14の下面1202から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状、あるいは、中実状を呈していればよく、具体的には截頭角錐形となる。
抵抗機構20Dは、上部構造物12と杭18の空間部24とにわたって設けられている。
抵抗機構20Dは、上部構造物12の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、上部構造物12の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じるものである。
本実施の形態の抵抗機構20Dは、ロッド40と、弾性部材42とを含んで構成されている。
ロッド40は、上部構造物12の基礎梁14の下面1402から杭頭キャップ28の内側を通り杭頭キャップ28の下方に突設され、空間部24に挿入されている。
ロッド40は、その上端フランジ3002が基礎梁14の下面1402にボルトB2、ナットN2を介して締結されることで配設されている。
したがって、抵抗機構20Dは、杭頭キャップ28の内側を通って設けられ、言い換えると、抵抗機構20Dは、位置決め部26の内側に設けられている。
なお、杭頭キャップ28が中実状の截頭円錐形を呈している場合には、杭頭キャップ28の下面は、上部構造物12の下面を構成するため、ロッド40は杭頭キャップ28の下面から突設されることになる。
その場合、抵抗機構20Dは、杭頭キャップ28の下面と空間部24とにわたって設けられ、言い換えると、抵抗機構20Dは、位置決め部26と空間部24とにわたって設けられることになる。
ロッド40は、上部小径部4004と、大径部4006と、下部小径部4008とを含んで構成されている。
上部小径部4004は、上部構造物12の基礎梁14の下面1402から下方に突設され、上部に上端フランジ3002が接続された棒状の部材である。
大径部4006は、上部小径部4004の下部に設けられ上部小径部4004よりも断面積が大きく、ロッド40の上部小径部4004の長さ方向に沿った長さを有している。
大径部4006の長さ方向に直交する断面積は、大径部4004の長さ方向の中央4006Aが最も大きく形成され、長さ方向の中央4006Aから離れるにつれて次第に小さくなるように形成されている。
なお、本実施の形態の大径部4006は、断面が円形となる球体に形成されているが、断面が楕円形となる長球や扁球などの楕円体でもよい。
下部小径部4008は、大径部4006の下端から下方に突設され、大径部4006よりも外径が小さく形成されている。
本実施の形態では、下部小径部4008は、上部小径部4004と同じ外径を有する棒状の部材である。
下部小径部4008の下端は、下方に向かって次第に半径が小さくなる円錐面4008Aで形成されている。これにより、弾性部材42の貫通孔4208にロッド40が円滑に貫通されるように図られている。
弾性部材42は、上部小径部4004が貫通されて大径部4006よりも上方の空間部24の箇所に位置し、空間部24を構成する杭18の内周面1802にその外周部が取着されている。
本実施の形態では、弾性部材42は、弾性変形可能なゴム材料で円板状に形成され、円形の上面4202と下面4204と、それら上面4202と下面4204を接続する外周面4206とを備えている。
弾性部材42を杭18の内周面1802に取着する方法としては、例えば、弾性部材42の外周面4206と杭18の内周面1802の全周にわたって接着剤により固定させたり、弾性部材42を配置した箇所の杭18の外周面からボルトを挿入して固定させたり、またその両方を用いて固定させてもよい。さらに、杭18の内部において、直角に屈曲したブラケットを、弾性部材42の上面4202と杭18の内周面1802、弾性部材42の下面4204と杭18の内周面1802にそれぞれボルトで固定し、弾性部材42を固定させてもよく、従来公知の様々の取り付け構造が採用可能である。これにより、弾性部材42は、杭18の長手方向に移動不能となっている。
また、ロッド40は弾性部材42の中心部の貫通孔4208に貫通されている。貫通孔4208の内径は上部小径部4004の外径より僅かに小さく形成されているため、上部小径部4004の外周面と貫通孔4208の内周面4210とは弾接している。
ロッド40は、上部構造物12が杭頭2202に対して浮き上がっていない上部構造物12の静止状態で、上部小径部4004が貫通され大径部4006の上方の空間部24に弾性部材42がある初期位置に位置し(図1参照)、上部構造物12の浮き上がりによりロッド40は初期位置から上昇し、大径部4006が弾性部材42の貫通孔4208を押し広げ弾性部材42を圧縮変形させながら上昇して内部に侵入していく(図2参照)。
このように大径部4006が弾性部材42の貫通孔4208を押し広げ弾性部材42を圧縮変形させながら上昇していくと、弾性部材42から大径部4006に作用する反力により大径部4006に抵抗が生じる。
次に作用効果について説明する。
図1に示すように、地震や台風などが発生していない上部構造物12の静止状態では、杭頭キャップ28の下部は杭頭2202の空間部24にはめ込まれ、ロッド40は初期位置に位置した状態となっている。
小規模、中規模な地震が発生し、あるいは、台風による横風を受け、上部構造物12に水平力が作用し、そのモーメントにより上部構造物12が傾動し、上部構造物12の一側が浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、ロッド40の外周面4010と弾性部材42の貫通孔4208の内周面4210との摩擦抵抗と、大径部4006が弾性部材42を押圧して貫通孔4208を押し広げる際の抵抗とにより、上部構造物12の上方への変位に対しての抵抗を生じる。したがって、上部構造物12の浮き上がりを抑制し、上部構造物12の損傷を抑制する上で有利となり、さらに上部構造物12に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、大規模の地震が発生し、あるいは、大型の台風による横風を受け、上部構造物12に大きな水平力が作用し、そのモーメントにより上部構造物12が傾動し、上部構造物12の一側が大きく浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、ロッド40の外周面4010と弾性部材42の貫通孔4208の内周面4210との摩擦抵抗と、大径部4006が弾性部材42を押圧して貫通孔4208を押し広げ弾性部材42を圧縮変形さながら上昇する際の抵抗とにより、上部構造物12の上方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、上部構造物12の浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物12の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となる。そのため、上部構造物12の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物12に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、上部構造物12の浮き上がり後の降下時には、ロッド40の外周面4010と弾性部材42の貫通孔4208の内周面4210との摩擦抵抗と、大径部4006が弾性部材42を押圧して貫通孔4208を押し広げ弾性部材42を圧縮変形さながら下降する際の抵抗とにより、上部構造物12の下方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、上部構造物12の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物12の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、上部構造物12の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物12に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
(第2の実施の形態)
次に図3、図4を参照して、第2の実施の形態の上部構造物の支持構造10Eについて説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。
本実施の形態の抵抗機構20Eの弾性部材44は、上部に位置する弾性部材(上部弾性部材4402)と、下部に位置する弾性部材(下部弾性部材4404)とで弾性係数を異ならせて形成されている。
詳細には、弾性部材44を、上部弾性部材4402が下部弾性部材4404よりも弾性係数の大きな部材で構成したものである。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
大規模の地震が発生し、あるいは、大型の台風による横風を受け、上部構造物12に大きな水平力が作用し、そのモーメントにより上部構造物12が傾動し、上部構造物12の一側が浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、上部構造物12の上方への僅かな変位に対しては、ロッド40の外周部4010と弾性部材44の貫通孔4208の内周面4210との摩擦抵抗と、大径部4006が下部弾性部材4404を押圧して貫通孔4208を押し広げる際の抵抗とにより、上部構造物12の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗を生じ、上部構造物12の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物12に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、上部構造物12の上方への大きな変位に対しては、ロッド40の外周部4010と弾性部材44の貫通孔4208の内周面4210との摩擦抵抗と、大径部4006が上部弾性部材4402を押圧して貫通孔4208を押し広げて上昇する際の抵抗とにより、上部構造物12の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗よりも大きな第2の抵抗を生じ、上部構造物12の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物12に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となり、また、弾性部材44の杭頭からの抜落を阻止する上で有利となる。
また、上記の実施の形態にかかる上部構造物の支持構造は、杭頭キャップの強度を杭の強度よりも弱く設計してもよい。そうすると、上部構造物が浮き上がり後に降下することで杭頭キャップが杭に落下して衝撃を受けた場合に、杭頭キャップを主に損傷させることができるため、構造物の修繕時に杭頭キャップのみを交換すれば足りる。
また、第1、第2の実施の形態にかかる上部構造物の支持構造では、1つの杭に対して1つのロッドを設けた構成としていたが、空間部の大きさが許せば2つ以上のロッドを設けた構成としてもよい。これにより、さらに大きな抵抗を生じさせることができるが、1つのロッドを設けた構成の場合はコストを抑えて支持構造を提供することができる。
また、同じ震度や横風であっても建物の構造やアスペクト比によってそれぞれの上部構造物の変位は異なるため、個々の上部構造物に合わせて上部構造物の変位に対する抵抗を生じさせるよう設計することで、上述した効果を発揮させる上で有利となる。
10D、10E 上部構造物の支持構造
12 上部構造物
14 基礎梁
1402 下面
16 柱
18 杭
1802 内周面
1804 上縁
20D、20E 抵抗機構
22 杭本体
2202 杭頭
24 空間部
26 位置決め部
28 杭頭キャップ
2802 キャップ本体
2804 フランジ部
40 ロッド
3002 上端フランジ
4004 上部小径部
4006 大径部
4008 下部小径部
4010 外周面
42、44 弾性部材
4206 外周面
4208 貫通孔
4210 内周面
4402 上部弾性部材
4404 下部弾性部材

Claims (8)

  1. 杭頭に上方に開放された空間部を有する杭を介して上部構造物を支持する上部構造物の支持構造であって、
    前記上部構造物と前記空間部とにわたり、前記上部構造物の浮き上がり時および浮き上がり後の降下時に抵抗を生じる抵抗機構が設けられ、
    前記抵抗機構は、前記上部構造物の下面から下方に突設される上部小径部と、前記上部小径部の下部に設けられ前記上部小径部よりも断面積の大きい大径部とを有し前記空間部に挿入されるロッドと、
    前記上部小径部が貫通されて前記大径部よりも上方の前記空間部の箇所に位置し前記空間部を構成する前記杭の内周面にその外周部が取着された弾性部材と、
    を含んで構成されていることを特徴とする上部構造物の支持構造。
  2. 前記大径部は前記ロッドの長さ方向に沿った長さを有し、
    前記大径部の断面積は、前記大径部の前記長さ方向の中央が最も大きく形成されると共に前記長さ方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の上部構造物の支持構造。
  3. 前記大径部の下端に、前記大径部よりも外径の小さい下部小径部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2記載の上部構造物の支持構造。
  4. 前記弾性部材は、その上部がその下部よりも弾性係数の大きな部材で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の上部構造物の支持構造。
  5. 前記上部構造物と前記杭頭との間に、前記杭頭に対して前記上部構造物の上方への変位を許容しつつ前記上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、
    前記抵抗機構は、前記位置決め部の内側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の上部構造物の支持構造。
  6. 前記位置決め部は、前記上部構造物の下面に取着され、その下部が前記空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の杭頭キャップを含んで構成され、
    前記抵抗機構は、前記杭頭キャップの内側を通って設けられている、
    ことを特徴とする請求項5記載の上部構造物の支持構造。
  7. 前記上部構造物と前記杭頭との間に、前記杭頭に対して前記上部構造物の上方への変位を許容しつつ前記上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、
    前記抵抗機構は、前記位置決め部と前記空間部とにわたって設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の上部構造物の支持構造。
  8. 前記位置決め部は、前記上部構造物の下面に取着されその下部が前記空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の杭頭キャップを含んで構成され、
    前記抵抗機構は、前記杭頭キャップの下面と前記空間部とにわたって設けられている、
    ことを特徴とする請求項7記載の上部構造物の支持構造。
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