JP2021143138A - 包接化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貧溶媒を用いずに、包接化合物の準安定結晶のみを確実にかつ高収率で得ることができる、新規で工業的に有利な包接化合物の製造方法の提供。
【解決手段】1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の化合物Iと、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等の化合物IIとを、又は、化合物Iと化合物IIとを含む包接化合物を、少なくとも1種の炭素数2以上の1価アルコールからなる溶媒と混合し懸濁液を得る工程、該懸濁液を、懸濁状態を維持しつつ、0℃以上、(溶媒の沸点−5℃)以下の範囲の温度に維持することにより、準安定結晶を生成させる工程、及び該結晶を回収する工程を含む方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、包接化合物の新規な製造方法に関する。
イミダゾール化合物は、医薬や農薬原料として、又は金属表面処理剤、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤として広く用いられている。
エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤としてイミダゾール化合物を用いた場合、低温かつ短時間で硬化でき、硬化物の機械特性、電気特性等がよい利点がある一方で、室温から硬化反応が開始してしまって保存安定性が低下する問題があった。そこでこれまでに、イミダゾール化合物を包接化することにより潜在性を持たせる試みがなされており、イミダゾール化合物を含む包接化合物の製造方法として以下のような方法が知られている。
特許文献1には、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以下、TEPともいう)と、2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、2E4MZともいう)とを含む包接化合物の製造方法として、TEPと加熱溶融させた2E4MZ、若しくはTEPと2E4MZと貧溶媒である水とを、混合し、ゲスト化合物の放出温度以下の温度に加温する方法が記載されている。
特許文献2には、平均粒径を1.6μm以下にあらかじめ粉砕した固体ホスト化合物であるTEPと、固体ゲスト化合物である2E4MZとを、貧溶媒である水に分散させ、ゲスト化合物の放出温度以下の温度に加温する、包接化合物の製造方法が記載されている。
特許文献3には、TEPと、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(以下、2P4MHZともいう)とを含む包接化合物の製造方法として、酢酸エチル等の貧溶媒にTEPと2P4MHZを懸濁させ、3時間加熱還流した後、室温まで冷却すると、包接化合物の結晶が得られることが記載されている。
特許文献4には、TEPと2P4MHZ、若しくはTEPと2P4MHZとを含む包接化合物を、メタノールに完全に溶解し、メタノールを室温でゆっくりと蒸発させ結晶を析出させることで、当該包接化合物の新規な結晶形が得られることが記載されている。
特許文献5には、水、メタノール等のプロトン性溶媒を含む混合溶媒に、TEPと2P4MHZ、若しくはTEPと2P4MHZとを含む包接化合物を加えた混合物を、3時間加熱還流した後、室温まで冷却すると、熱力学的に安定な包接化合物の結晶が得られることが記載されている。
また本発明者は、特許文献6として、メタノール等の溶媒に、TEPと2P4MHZ、若しくはTEPと2P4MHZとを含む包接化合物を、完全に溶解し、冷却あるいは貧溶媒の添加等の条件変化によって、包接化合物の準安定結晶が得られることを明らかにしている。
特開2002−179597号公報 特開2002−316953号公報 特開2007−191450号公報 WO2016/038827パンフレット WO2016/117295パンフレット 特願2018−167174号
特許文献3に記載されたTEPと2P4MHZとを含む包接化合物の結晶形は、特許文献4及び特許文献5に開示された、熱力学的に安定な包接化合物の結晶形とは異なり、準安定状態の結晶(特許文献4には結晶Aとして記載されている。)である。いずれの結晶形であっても、エポキシ樹脂の硬化剤又は硬化促進剤として利用可能である。とはいえ、工業製品としては結晶形がいずれかに確定している必要があり、さらに用途によってはいずれか一方の結晶形が要求されることも有り得る。
また、特許文献3の方法で用いることのできる溶媒は実質的に貧溶媒に限られており、溶媒の選択肢が制限されていた。一方でアルコール等の良溶媒を用いた場合には、特許文献6の方法で準安定結晶を得ることが可能となったものの、特許文献4及び特許文献5に記載されているように、類似の方法で安定結晶が得られる場合もあり、準安定結晶のみを再現性良く高収率で得るための条件の調整には困難が残されていた。
従って、本発明の課題は、貧溶媒を用いずに、包接化合物の準安定結晶のみを確実にかつ高収率で得ることができる、新規で工業的に有利な包接化合物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、TEPとイミダゾール化合物とを、少なくとも1種の炭素数2以上の1価アルコールからなる溶媒中、一定温度の範囲で懸濁状態に維持しつつ撹拌することにより、準安定な包接化合物結晶が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に関する。
(1)下記式(I)
Figure 2021143138
(式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、
下記式(II)
Figure 2021143138
[式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、
化合物I及び化合物IIを、少なくとも1種の炭素数2以上の1価アルコールからなる溶媒と混合し懸濁液を得る工程、
該懸濁液を、懸濁状態を維持しつつ、0℃以上、(溶媒の沸点−5℃)以下の範囲の温度に維持することにより、準安定結晶を生成させる工程、及び
該結晶を回収する工程
を含む方法。
(2)下記式(I)
Figure 2021143138
(式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、
下記式(II)
Figure 2021143138
[式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、
化合物I及び化合物IIを含む包接化合物を、少なくとも1種の炭素数2以上の1価アルコールからなる溶媒と混合し懸濁液を得る工程、
該懸濁液を、懸濁状態を維持しつつ、0℃以上、(溶媒の沸点−5℃)以下の範囲の温度に維持することにより、準安定結晶を生成させる工程、及び
該結晶を回収する工程
を含む方法。
(3)前記化合物Iは1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであり、前記化合物IIは2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールである、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)回収される準安定結晶は、CuKα線にて測定される粉末X線回折パターンにおいて、8.12°、10.12°、12.72°、13.68°、14.60°及び20.24°の回折角(2θ、±0.2°)に回析ピークを有することを特徴とする、(3)に記載の方法。
本発明の方法によれば、アルコール溶媒を用いて、包接化合物の準安定結晶を確実かつ高収率で得ることができる。
本発明は、下記式(I)
Figure 2021143138
(式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、下記式(II)
Figure 2021143138
[式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法である。
(1)原料
本発明の包接化合物の準安定結晶の原料としては、化合物Iと化合物II、若しくは化合物Iと化合物IIとを含む包接化合物を用いることができる。
1)化合物Iと化合物IIを原料とする場合
包接化合物の製造時における化合物Iと化合物IIとの混合割合は、得られる包接化合物の準安定結晶の化合物Iと化合物IIの組成に応じて異なるが、通常、化合物I1モルに対して、化合物IIが、0.1〜10モルの範囲である。
たとえば、化合物Iと化合物IIとのモル比1:2の包接化合物を得るためには、化合物Iと化合物IIとをモル比1:2前後で使用することが好ましい。
(化合物I)
化合物Iは、式(I)で表されるテトラキス(4−ヒドロキシフェニル)化合物である。
式(I)において、R〜Rの「C1〜C10のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、i−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
〜Rの「C1〜C10のアルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、アミルオキシ基、i−アミルオキシ基、t−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、i−ヘプチルオキシ基、t−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、i−オクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
〜Rの「ハロゲン原子」としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基等が挙げられる。
化合物Iは、n=0であることが好ましい。またR〜Rで表される基は、全て水素原子であることが好ましい。具体的な化合物としては、n=0であり、かつR〜Rで表される基が全て水素原子である、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
(化合物II)
化合物IIは、式(II)で表されるイミダゾール化合物である。
式(II)において、Rの「C1〜C10のアルキル基」としては、式(I)における「C1〜C10のアルキル基」と同じものを例示することができる。
の「アリール基」は、単環又は多環のアリール基を意味する。ここで、多環アリール基の場合は、完全不飽和に加え、部分飽和の基も包含する。Rの「アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等のC6−10アリール基等が挙げられる。
の「アラルキル基」は上記アリール基とアルキル基の結合した基であるが、Rの「アラルキル基」としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、1−フェニル−n−へキシル基、ナフタレン−1−イル−メチル基、ナフタレン−2−イル−エチル基、1−(ナフタレン−2−イル)−n−プロピル基、インデン−1−イル−メチル基等C6−10アリールC1−6アルキル基等が挙げられる。
10〜R12の「ハロゲン原子」、「C1〜C10のアルキル基」としては、式(I)における「ハロゲン原子」及び「C1〜C10のアルキル基」と同じものを例示することができる。
10〜R12の「アリール基」、「アラルキル基」としては、Rの「アリール基」、「アラルキル基」と同じものを例示することができる。
10〜R12の「C1〜C10のアシル基」は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等がカルボニル基と結合した基である。R10〜R12の「C1〜C10のアシル基」としては、ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、へプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、3−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、3−エチルオクタノイル基等のアルキルカルボニル基;アクリロイル基、メタクリロイル基等のアルケニルカルボニル基;エチニルカルボニル基、プロピニルカルボニル基等のアルキニルカルボニル基;ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基等のアリールカルボニル基等が挙げられる。
化合物IIは、特に限定されるものではないが、例としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、3−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、5−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、3−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、5−エチルイミダゾール、1−n−プロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−n−ブチルイミダゾール、2−n−ブチルイミダゾール、1−イソブチルイミダゾール、2−イソブチルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,3−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ビス[(2−シアノエトキシ)メチル]イミダゾール等が挙げられる。
化合物IIは、R10がフェニル基であることが好ましい。またRが水素原子であるであることが好ましい。特に下記式(III)
Figure 2021143138
[式(III)中、R13及びR14は、互いに独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C6のアルキル基、又はC1〜C6のアシル基を表す。]で表される2−フェニルイミダゾール化合物が好ましい。この範囲の化合物としては、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
中でも、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。
2)包接化合物を原料とする場合
a)包接化合物の準安定結晶と同じ組成比を有する包接化合物を用いる場合
本発明の製造方法の原料としては、化合物Iと化合物IIとを含み、目的とする包接化合物の準安定結晶と同じ組成比、かつ異なる結晶形を有する包接化合物を用いることができる。たとえば、安定結晶を用いることができ、この場合には、結晶形を変換する目的で、本発明を利用することができる。
なお、原料として、包接化合物の準安定結晶と同じ組成比、かつ同じ結晶形を有する包接化合物を用いることも可能である。この方法では、直ちに顕著な効果が得られるとは言えないが、条件によってはたとえば、包接化合物中の不純物を低減するなどの効果が得られる可能性もある。
本発明で原料として用いる包接化合物の化合物Iと化合物IIとのモル比は、特に制限はないが、1:2の包接化合物が好ましい。
b)包接化合物の準安定結晶と異なる組成比を有する包接化合物を用いる場合
原料である包接化合物としては、目的とする包接化合物の準安定結晶と異なるモル組成比を有する包接化合物、あるいは化合物I及び化合物II以外の成分(例えば製造時の溶媒として用いた成分)をさらに含有する包接化合物を用いることもできる。この場合には、化合物Iと化合物IIとを特定の組成比で含む包接化合物の準安定結晶形を得る目的で、本発明を利用することができる。
(2)混合工程
本発明の製造方法は、第1の工程として、化合物Iと化合物IIとを、若しくは化合物Iと化合物IIとを含む包接化合物を、溶媒と混合して、懸濁液を得る工程(以下、混合工程という。)を含む。
当該懸濁液として、具体的には、以下のものが有り得る。
1)化合物Iと化合物IIを原料とする場合
化合物Iと化合物IIの少なくともいずれか1種の少なくとも一部を固体として含有する。特に、化合物Iと化合物IIの両化合物の、各少なくとも一部を固体として含有することが好ましく、化合物Iと化合物IIの両化合物の全部が固体であることがより好ましい。
化合物Iと化合物IIを原料とする場合は、混合工程は、溶媒中、化合物Iと化合物IIを混合することができれば、特に制限はなく、例えば、以下のような方法を例示できる。
(a)溶媒に、化合物Iと化合物IIとを加えて混合し懸濁させる
(a’)化合物IとIIの混合物に溶媒を加えて混合し懸濁させる
(b)溶媒に化合物Iを加えて混合し懸濁させた後、化合物IIを加えて混合し懸濁させる
(b’)溶媒に化合物IIを加えて混合し懸濁させた後、化合物Iを加えて混合し懸濁させる
(c)溶媒に化合物Iを加えて混合し懸濁させた後、溶媒に懸濁させた化合物IIを加えて混合する
(c’)溶媒に化合物IIを加えて混合し懸濁させた後、溶媒に懸濁させた化合物Iを加えて混合する
(d)溶媒と化合物Iを混合し懸濁させた後、該懸濁液を、続く反応工程における最高温度以下の温度に維持しながら化合物IIを加えて混合する
(d’)溶媒と化合物IIを混合し懸濁させた後、該懸濁液を、続く反応工程における最高温度以下の温度に維持しながら化合物Iを加えて混合する
(e)化合物IIに、溶媒に懸濁させた化合物Iを加えて、化合物IIを懸濁させる
(e’)化合物Iに、溶媒に懸濁させた化合物IIを加えて、化合物Iを懸濁させる
2)包接化合物を原料する場合
原料である包接化合物の少なくとも一部を固体として含有する。
(溶媒)
混合工程に用いる溶媒は、少なくとも1種の炭素数2以上の1価アルコールからなる溶媒であって、混合工程及び反応工程における最低温度より低い凝固点を有するものであれば特に限定されず、単一成分からなる溶媒でも、複数成分からなる混合溶媒でもよいが、混合工程及び後述の反応工程における温度・圧力条件での目的とする包接化合物の飽和濃度が0.1質量%以上である溶媒が好ましく、該飽和濃度が1質量%以上である溶媒がより好ましい、また該飽和濃度が5質量%以下である溶媒が好ましい。
溶媒に含有される溶媒成分としては、上記範囲であれば限定されないが、炭素数4以下の1価アルコールが好ましく、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール又はイソブタノールがより好ましい。
溶媒の凝固点は、0℃未満であることが好ましい。また溶媒の沸点は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、一方120℃以下であることが好ましく、110℃以下であることがより好ましい。
(混合工程の条件)
混合工程における温度は、溶媒の凝固点を超え、続く反応工程における最高温度以下であれば、特に限定されず、もし必要であればこの範囲内で変動させてもよい。特に室温で混合工程を行う方法が容易であり好ましい。
溶解時の圧力は限定されないが、特に加圧する必要はなく、常圧で行うことが好ましい。
混合の手段としては、撹拌、振盪、超音波処理等の、通常の方法を用いることができる。
混合工程で、化合物I、化合物II、及び化合物I及び化合物IIを含む包接化合物の少なくともいずれかの少なくとも一部を固体として含有する懸濁液を得る方法としては、前記各成分の少なくともいずれかが、その溶解度を超える比率で溶媒中に存在する条件とする必要がある。また混合工程中で温度を変動させる場合には、少なくともその温度範囲内全域でこの条件を満たす必要がある。
以上に加え、次の反応工程の項で述べるように、温度維持のための加温によって懸濁状態が維持されず完全に溶解すると好ましくないため、加温しても懸濁状態が維持されるよう、原料濃度を高くすることが好ましい。
また、特に反応温度が低温である場合には、原料濃度を高くした方が、反応速度が高くなり好ましい。
一方で、原料濃度が高過ぎて混合が困難になると反応が均一に進まず好ましくないため、混合工程及び反応工程において、懸濁液は流動性であることが好ましい。
以上の点から、懸濁液における原料濃度は、10〜60質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましい。
(3)反応工程
本発明の製造方法は、第2の工程として、前記懸濁液を、懸濁状態を維持しつつ、0℃以上、(溶媒の沸点−5℃)以下の範囲の温度に維持することにより、準安定結晶を生成させる工程(以下、反応工程という。)を含む。
反応速度は高温の方が大きいため、反応時間を短縮するためには、上記温度範囲内で高い温度を採用することが好ましい。一方で、沸点の低い溶媒を用いる場合には、高温での溶媒の揮発を防ぐために、上記温度範囲内で低い温度を採用することが好ましい。
反応工程における温度範囲の下限温度は、10℃であることが好ましい。またその上限温度は、溶媒の沸点を基準として(溶媒の沸点−10℃)であることが好ましく、(溶媒の沸点−20℃)であることがより好ましい。また上限の絶対的温度は、65℃が好ましく、60℃がより好ましい。
反応工程では上記の温度範囲に維持することが必須であり、そのために加温及び/又は冷却を行ってよい。混合工程が室温で行われ、反応工程がそれより高い温度(例えば30℃以上)で行われる場合には、反応工程では加温することが好ましい。
なお、混合等の操作に支障がない限り、前記混合工程において、予め溶媒及び/又は原料を前記温度範囲に維持するか、混合と同時に前記温度範囲になるよう加温又は冷却する、すなわち混合工程と反応工程を並行して実施することも可能である。
目的とする準安定結晶の飽和濃度は、特に反応工程で加温を要する場合に、室温よりも反応工程の温度において高い可能性がある。従って、原料濃度が低すぎると、加温によって懸濁状態が維持されず完全に溶解するおそれがある。このような条件では安定結晶が生成するおそれがあるため、加温しても懸濁状態が維持されるように原料濃度を選択する必要がある。
冷却及び加温の方法は特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。また温度及び懸濁液中の各成分濃度を均一に維持するために、撹拌することが好ましい。
ただし、沸点に近い温度、特に加熱還流を要するほど高温にすると、安定結晶が生成しやすく、準安定結晶を高効率で得ることができないので好ましくない。
反応工程に要する時間は特に限定されないが、1時間以上であることが好ましく、3時間以上であることがより好ましい。温度の上昇とともに反応速度は増加すると考えられ、高温にすれば短時間でも高収率で準安定結晶が得られる傾向がある。例えば、反応温度が50℃であれば3時間で十分に高収率とすることができ、特にこれ以上長時間とする必要はない。一方、低温の場合、例えば30℃以下である場合には、高収率とするためにはより長時間が必要となる場合があり、この場合には5時間以上であることが好ましく、7時間以上であることがより好ましい。
以上の条件により準安定結晶が一旦高率で生成すれば、反応時間をさらに延長しても、安定結晶が生じるおそれはないものの、収率が特に向上することもない。エネルギー消費や費用を勘案して、反応時間の上限は12時間とすることが好ましい。
(4)冷却工程
本発明では、実用的な製造を行うために反応工程で加温を要することがあり、その場合にはその後、生成した目的の準安定結晶を室温程度まで冷却する工程(自然放冷も含む。以下、冷却工程という。)が必要となる。
もっとも、既述のように、目的の準安定結晶は反応工程で生成するものであることから、準安定結晶を回収する目的で冷却する必要はない。従って、冷却せずに直ちに次の回収工程に移り、回収された準安定結晶、若しくはさらに乾燥後の準安定結晶に対して、冷却工程を採用してもよい。
目的とする準安定結晶の飽和濃度は、室温よりも加温による反応工程の温度において高い可能性がある。この場合には、反応工程から冷却工程を経て回収工程に移る方が、収率が向上することも有り得る。一方で、溶解していた化合物I及び化合物IIが、冷却により包接化合物を形成する際には、特許文献4に記載されているように、安定結晶を形成することも考えられ、この場合には準安定結晶の純度が低下するおそれが否定できない。このように、冷却工程をどの段階でどのように行うかは、必要とされる収率及び純度を考慮して決定することができる。
(5)回収工程
本発明は、以上の反応工程(又は必要であれば冷却工程)に続き、生成した、目的とする包接化合物の準安定結晶を、液中から回収する工程を含む。
この回収は、ろ過、遠心等の通常の方法により行うことができる。
回収後に、さらに、結晶中に含まれる溶媒を除去するために、乾燥工程を設けることが好ましい。
さらに必要であれば、以上の回収工程若しくは乾燥工程により得られた包接化合物結晶を、それを溶解しない溶媒により洗浄する工程や、粉砕等の加工を設けることができる。
(6)目的とする包接化合物の準安定結晶
本発明で得られる目的の包接化合物結晶は、化合物Iと化合物IIとを含む、準安定結晶である。該結晶は、化合物Iと化合物IIとからなる結晶であることが好ましく、さらに化合物Iと化合物IIとのモル比1:2の結晶であることが好ましい。
本発明において、準安定結晶とは、同じ組成からなる包接化合物の結晶形が複数種存在する場合に、熱力学的に安定な結晶形(安定結晶)とは異なる結晶形であり、熱力学的には安定結晶に比較して不安定であるが、常温で溶媒等、結晶形に影響を与える他の物質が存在しない状態では安定結晶に自然に移行することはない結晶形である。各結晶形は粉末X線回折(XRD)等により異なるパターンが得られることにより区別できる。また、熱重量測定・示差走査熱量測定(TG−DSC)を用いて、化合物I(ホスト化合物)から化合物II(ゲスト化合物)が放出される温度を測定することにより、最も高い放出温度を有する結晶を安定結晶として、それに比較して低い放出温度を有する結晶を準安定結晶として、同定することができる。
特に、化合物Iが1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであり、化合物IIが2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールである場合には、本発明で得られる目的の包接化合物結晶は、CuKα線にて測定される粉末X線回折パターンにおいて、8.12°、10.12°、12.72°、13.68°、14.60°及び20.24°の回折角(2θ、±0.2°)に回析ピークを有することを特徴とする結晶であることが好ましい。この結晶は、組成がモル比1:2である化合物Iと化合物IIとからなり、TG−DSCにおける放出温度が223℃付近である、準安定結晶である。
一方、同じ組成を有する安定結晶は、CuKα線にて測定される粉末X線回折パターンにおいて、11.20°、13.36°、14.36°、18.16°、19.20°、19.68°、20.84°、21.48°、22.56°、23.76°及び24.08°の回折角(2θ、±0.2°)に回析ピークを有することを特徴とする。この結晶形は、TG−DSCにおける放出温度は231℃付近であることから、熱力学的にはより安定であることが判る。以上の両結晶形は特許文献4及び5により公知である。
次に、本発明の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
(粉末X線回折(XRD))
結晶をガラス試験板の試料充填部に充填し、粉末X線回折装置(SmartLab、株式会社リガク製)を用いて、以下の条件で測定を行った。
X線源 :Cu、45kV−200mA
測定方法:集中法
フィルター:Kβフィルター
スキャン速度:10°/分
(参考例1)
フラスコに、TEP(製品名:TEP−DF、旭有機材工業(株)製)4.95g、2P4MHZ(製品名:2P4MHZ−PW、四国化成工業(株)製)4.45g、及び水15gとメタノール28gとからなる混合溶媒を加え、攪拌しながら約65℃で加熱還流を3時間行った。この液は完全には溶解せず懸濁液であった。室温で放冷後、ろ過、乾燥を行い、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物8.62g(収率91.7%)を得た。
参考例1で得られた包接化合物結晶につき粉末X線回折測定(XRD)を行った結果、回折角(2θ):11.20°、13.36°、14.36°、18.16°、19.20°、19.68°、20.84°、21.48°、22.56°、23.76°及び24.08°に特徴的な回折ピークを有する結晶多形であり、特許文献4に記載の結晶Bに当たるものであった。
(実施例1)
フラスコに、室温で、TEP10g、2P4MHZ 9.45g、及び溶媒としてイソプロパノール70gを加えて混合した後、50℃で3時間撹拌(反応工程)した。混合及び反応工程を通じて懸濁状態が維持されていた。その後室温に放冷し、ろ過、乾燥を行い、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物17.91g(収率92.1%)を得た。
実施例1で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、回折角(2θ):8.12°、10.12°、12.72°、13.68°、14.60°及び20.24°に特徴的な回折ピークを有する結晶多形であり、特許文献4に記載の結晶Aに当たるもの(準安定結晶)であった。
(実施例2)
実施例1と同じ方法により、反応工程の開始までを行った。反応工程においては、懸濁液から、開始3時間後に包接化合物0.9g相当量、5時間後に包接化合物0.83g相当量、及び7時間後に包接化合物1.09g相当量を経時的にサンプリングし、各サンプルについてろ過、乾燥を行った。その後撹拌を継続しながら、室温に放冷し、48時間撹拌を継続し、さらに撹拌を止めて室温に26時間静置した後、全量のろ過、乾燥を行い、包接化合物14.9gを得た。以上の、3時間後、5時間後、7時間後、及び最終時に得られた包接化合物は、いずれも同じく、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物であり、その結晶のXRD結果は、実施例1と同様(特許文献4に記載の結晶A)であった。
(実施例3)
溶媒としてイソプロパノール70gに代えてエタノール40gを用い、20℃で7時間撹拌した以外は、実施例1と同じ方法により、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物17.44g(収率89.7%)を得た。
実施例3で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、実施例1と同様であった。
(実施例4)
イソプロパノールの量を70gに代えて50gとし、20℃で4日間撹拌した以外は、実施例1と同じ方法により、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物18.48g(収率95.0%)を得た。
実施例4で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、実施例1と同様であった。
(実施例5)
溶媒としてイソプロパノール70gに代えて1−プロパノール70gを用いた以外は、実施例1と同じ方法により、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物17.5g(収率90.0%)を得た。
実施例5で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、実施例1と同様であった。
(実施例6)
溶媒としてイソプロパノール70gに代えて1−ブタノール40gを用いた以外は、実施例1と同じ方法により、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物18.68g(収率96.0%)を得た。
実施例6で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、実施例1と同様であった。
(実施例7)
溶媒としてイソプロパノール70gに代えて2−ブタノール40gを用いた以外は、実施例1と同じ方法により、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物18.66g(収率95.9%)を得た。
実施例7で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、実施例1と同様であった。
(実施例8)
溶媒としてイソプロパノール70gに代えてイソブタノール40gを用いた以外は、実施例1と同じ方法により、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物18.96g(収率97.5%)を得た。
実施例8で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、実施例1と同様であった。
(比較例1)
50℃で撹拌する代わりに約82℃で加熱還流した以外は、実施例2と同じ方法により、包接化合物を得た。
比較例1で得られた包接化合物は、XRDによると、特許文献4に記載の結晶Aと結晶B(熱力学的に安定な結晶)とを共に含むものであった。
(比較例2)
溶媒としてイソプロパノールに代えてエタノールを用い、約78℃で加熱還流した以外は、比較例1と同じ方法により、包接化合物を得た。
比較例2で得られた包接化合物は、XRDによると、特許文献4に記載の結晶Bからなるものであった。
以上から、沸点に近い温度で加熱還流した場合には、熱力学的に安定な結晶が生じる場合があるが、溶媒として炭素数2以上の1価アルコールを用い、20〜50℃の付近の温度範囲で撹拌を行うと、準安定結晶のみが高収率で得られることが明らかにされた。なお、この結果から、TEPと2P4MHZからなる包接化合物の安定結晶を原料とした場合にも、同様に準安定結晶が高収率で得られることは容易に推測される。

Claims (4)

  1. 下記式(I)
    Figure 2021143138
    (式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、
    下記式(II)
    Figure 2021143138
    [式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、
    化合物I及び化合物IIを、少なくとも1種の炭素数2以上の1価アルコールからなる溶媒と混合し懸濁液を得る工程、
    該懸濁液を、懸濁状態を維持しつつ、0℃以上、(溶媒の沸点−5℃)以下の範囲の温度に維持することにより、準安定結晶を生成させる工程、及び
    該結晶を回収する工程
    を含む方法。
  2. 下記式(I)
    Figure 2021143138
    (式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、
    下記式(II)
    Figure 2021143138
    [式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、
    化合物I及び化合物IIを含む包接化合物を、少なくとも1種の炭素数2以上の1価アルコールからなる溶媒と混合し懸濁液を得る工程、
    該懸濁液を、懸濁状態を維持しつつ、0℃以上、(溶媒の沸点−5℃)以下の範囲の温度に維持することにより、準安定結晶を生成させる工程、及び
    該結晶を回収する工程
    を含む方法。
  3. 前記化合物Iは1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであり、前記化合物IIは2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 回収される準安定結晶は、CuKα線にて測定される粉末X線回折パターンにおいて、8.12°、10.12°、12.72°、13.68°、14.60°及び20.24°の回折角(2θ、±0.2°)に回析ピークを有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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