JP2020040887A - 包接化合物の製造方法 - Google Patents

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小野 和男
Kazuo Ono
和男 小野
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Abstract

【課題】準安定な包接化合物の結晶を得ることができ、また、原料に不純物が存在した場合でも高純度の準安定結晶を得ることのできる、新規で工業的に有利な包接化合物の製造方法の提供。【解決手段】1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンで代表される化合物Iと、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールで代表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、化合物Iと化合物II、又は、原料である包接化合物を溶媒に溶解し、化合物I、化合物II、及び該包接化合物のいずれをも固体として含有しない溶液を得る工程、該溶液の条件を変化させることにより、前記包接化合物の準安定結晶を析出させる工程、及び該結晶を回収する工程を含む方法。【選択図】なし

Description

本発明は、包接化合物の新規な製造方法に関する。
イミダゾール化合物は、医薬や農薬原料として、又は金属表面処理剤、エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤として広く用いられている。
エポキシ樹脂の硬化剤、硬化促進剤としてイミダゾール化合物を用いた場合、低温かつ短時間で硬化でき、硬化物の機械特性、電気特性等がよい利点がある一方で、室温から硬化反応が開始してしまって保存安定性が低下する問題があった。そこでこれまでに、イミダゾール化合物を包接化することにより潜在性を持たせる試みがなされており、イミダゾール化合物を含む包接化合物の製造方法として以下のような方法が知られている。
特許文献1には、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(以下、TEPともいう)と、2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、2E4MZともいう)とを含む包接化合物の製造方法として、TEPと加熱溶融させた2E4MZ、若しくはTEPと2E4MZと貧溶媒である水とを、混合し、ゲスト化合物の放出温度以下の温度に加温する方法が記載されている。
特許文献2には、平均粒径を1.6μm以下にあらかじめ粉砕した固体ホスト化合物であるTEPと、固体ゲスト化合物である2E4MZとを、貧溶媒である水に分散させ、ゲスト化合物の放出温度以下の温度に加温する、包接化合物の製造方法が記載されている。
特許文献3には、TEPと、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(以下、2P4MHZともいう)とを含む包接化合物の製造方法として、貧溶媒である酢酸エチルにTEPと2P4MHZを懸濁させ、3時間加熱還流した後、室温まで冷却すると、包接化合物の結晶が得られることが記載されている。
特許文献4には、TEPと2P4MHZ、若しくはTEPと2P4MHZとを含む包接化合物を、メタノールに完全に溶解し、メタノールを室温でゆっくりと蒸発させ結晶を析出させることで、当該包接化合物の新規な結晶形が得られることが記載されている。
特許文献5には、水、メタノール等のプロトン性溶媒を含む混合溶媒に、TEPと2P4MHZ、若しくはTEPと2P4MHZとを含む包接化合物を加えた混合物を、3時間加熱還流した後、室温まで冷却すると、熱力学的に安定な包接化合物の結晶が得られることが記載されている。ただし具体的に記載された例では、包接化合物に対して難溶性である混合溶媒中に包接化合物又はその原料を高濃度で含有する混合物を用いており、包接化合物の原料が完全に溶解した状態を経てはいない。
特開2002−179597号公報 特開2002−316953号公報 特開2007−191450号公報 WO2016/038827パンフレット WO2016/117295パンフレット
特許文献3に記載されたTEPと2P4MHZとを含む包接化合物の結晶形は、特許文献4及び特許文献5に記載された、熱力学的に安定な包接化合物の結晶形とは異なる。しかし前者の結晶形も準安定状態であるため、エポキシ樹脂の硬化剤又は硬化促進剤としての実用性に必ずしも問題はない。とはいえ、特許文献3に記載された包接化合物の製造方法は、TEP及び2P4MHZを完全な溶解状態としないことを特徴としているため、不純物の除去が困難である。またこれまで、一旦得られた包接化合物について、結晶形を変換して準安定結晶形を得ることはできなかった。
従って、本発明の課題は、準安定な包接化合物の結晶を得ることができ、また、原料に不純物が存在した場合でも高純度の準安定結晶を得ることのできる、新規で工業的に有利な包接化合物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、TEPとイミダゾール化合物とをプロトン性溶媒に完全に溶解し、該溶液の条件を変化させ、包接化合物の結晶を析出させることにより、準安定な包接化合物結晶が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に関する。
(1)下記式(I)
Figure 2020040887
(式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、
下記式(II)
Figure 2020040887
[式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、
原料である包接化合物を溶媒に溶解し、化合物I、化合物II、及び該包接化合物のいずれをも固体として含有しない溶液を得る工程、
該溶液の条件を変化させることにより、前記包接化合物の準安定結晶を析出させる工程、及び
該結晶を回収する工程
を含む方法。
(2)下記式(I)
Figure 2020040887
(式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、
下記式(II)
Figure 2020040887
[式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のアリール基、C1〜C10のアラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、C1〜C10のアリール基、C1〜C10のアラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、
化合物I及び化合物IIを溶媒に溶解し、化合物I、化合物II、及び該包接化合物のいずれをも固体として含有しない溶液を得る工程、
該溶液の条件を変化させることにより、前記包接化合物の準安定結晶を析出させる工程、及び
該結晶を回収する工程
を含む方法。
(3)前記溶媒はプロトン性溶媒を含む、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記溶媒はアルコール系溶媒の少なくとも1種を含む、(3)に記載の方法。
(5)前記溶液の条件を変化させる方法として、冷却を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記溶液の条件を変化させる方法として、前記化合物I及び化合物IIに対する貧溶媒の添加を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(7)前記貧溶媒は水である、(6)に記載の方法。
(8)前記化合物Iは1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであり、前記化合物IIは2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールである、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)回収される準安定結晶は、CuKα線にて測定される粉末X線回折パターンにおいて、8.12°、10.12°、12.72°、13.68°、14.60°及び20.24°の回折角(2θ、±0.2°)に回析ピークを有することを特徴とする、(8)に記載の方法。
本発明の方法によれば、準安定な包接化合物の結晶を得ることができる。また、原料に不純物が存在した場合でも高純度の準安定結晶を得ることも可能である。そのため、工業的に有利な包接化合物の製造方法を提供することができる。
本発明は、下記式(I)
Figure 2020040887
(式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、下記式(II)
Figure 2020040887
[式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法である。
(1)原料
本発明の包接化合物の準安定結晶の原料としては、化合物Iと化合物II、若しくは化合物Iと化合物IIとを含む包接化合物を用いることができる。
1)化合物Iと化合物IIを原料とする場合
包接化合物の製造時における化合物Iと化合物IIとの混合割合は、得られる包接化合物準安定結晶の化合物Iと化合物IIの組成に応じて異なるが、通常、化合物I1モルに対して、化合物IIが、0.1〜10モルの範囲である。
たとえば、化合物Iと化合物IIとのモル比1:2の包接化合物を得るためには、化合物Iと化合物IIとをモル比1:2前後で使用することが好ましい。
これらの原料に不純物が含まれている場合には、以下に説明する通り、原料を完全溶解するための溶媒として、当該不純物をも溶解する溶媒を用い、かつ、包接化合物の結晶を析出させる工程では不純物が析出しない条件を用いるか、あるいは、原料を溶媒に完全溶解した後に、不純物除去工程を設けることにより、包接化合物結晶に含まれる不純物を除去する目的で、本発明を利用することができる。本発明はこのような不純物除去が容易に実施できる点で優れている。
(化合物I)
化合物Iは、式(I)で表されるテトラキス(4−ヒドロキシフェニル)化合物である。
式(I)において、R〜Rの「C1〜C10のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
〜Rの「C1〜C10のアルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、アミルオキシ基、イソアミルオキシ基、t−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、t−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、t−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
〜Rの「ハロゲン原子」としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基等が挙げられる。
化合物Iは、n=0であることが好ましい。またR〜Rで表される基は、全て水素原子であることが好ましい。具体的な化合物としては、n=0であり、かつR〜Rで表される基が全て水素原子である、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
(化合物II)
化合物IIは、式(II)で表されるイミダゾール化合物である。
式(II)において、Rの「C1〜C10のアルキル基」としては、式(I)における「C1〜C10のアルキル基」と同じものを例示することができる。
の「アリール基」は、単環又は多環のアリール基を意味する。ここで、多環アリール基の場合は、完全不飽和に加え、部分飽和の基も包含する。Rの「アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等のC6−10アリール基等が挙げられる。
の「アラルキル基」は上記アリール基とアルキル基の結合した基であるが、Rの「アラルキル基」としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、1−フェニル−n−へキシル基、ナフタレン−1−イル−メチル基、ナフタレン−2−イル−エチル基、1−ナフタレン−2−イル−n−プロピル基、インデン−1−イル−メチル基等C6−10アリールC1−6アルキル基等が挙げられる。
10〜R12の「ハロゲン原子」、「C1〜C10のアルキル基」としては、、式(I)における「ハロゲン原子」及び「C1〜C10のアルキル基」と同じものを例示することができる。
10〜R12の「アリール基」、「アラルキル基」としては、Rの「アリール基」、「アラルキル基」と同じものを例示することができる。
10〜R12の「C1〜C10のアシル基」は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等がカルボニル基と結合した基である。R10〜R12の「C1〜C10のアシル基」としては、ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、へプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、3−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、3−エチルオクタノイル基等のアルキルカルボニル基;アクリロイル基、メタクリロイル基等のアルケニルカルボニル基;エチニルカルボニル基、プロピニルカルボニル基等のアルキニルカルボニル基;ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基等のアリールカルボニル基等が挙げられる。
化合物IIは、特に限定されるものではないが、例としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、3−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、5−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、3−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、5−エチルイミダゾール、1−n−プロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−n−ブチルイミダゾール、2−n−ブチルイミダゾール、1−イソブチルイミダゾール、2−イソブチルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,3−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール等が挙げられる。
化合物IIは、R10がフェニル基であることが好ましい。またRが水素原子であるであることが好ましい。特に下記式(III)
Figure 2020040887
[式(III)中、R13及びR14は、互いに独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C6のアルキル基、又はC1〜C6のアシル基を表す。]で表される2−フェニルイミダゾール化合物が好ましい。この範囲の化合物としては、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
中でも、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。
2)包接化合物を原料とする場合
a)包接化合物の準安定結晶と同じ組成比を有する包接化合物を用いる場合
本発明の製造方法の原料としては、化合物Iと化合物IIとを含み、目的とする包接化合物の準安定結晶と同じ組成比を有する包接化合物を用いることができる。
a−1)包接化合物の準安定結晶と同じ組成比、かつ同じ結晶形を有する包接化合物結晶を原料とする場合
目的とする包接化合物の準安定結晶と同じ組成比かつ同じ結晶形を有する包接化合物結晶を用いてもよい。この場合には、以下に説明するとおり、原料を完全溶解するための溶媒として、原料に含まれていた不純物をも溶解する溶媒を用い、かつ、包接化合物の結晶を析出させる工程では不純物が析出しない条件を用いるか、あるいは、原料を溶媒に完全溶解した後に、不純物除去工程を設けることにより、包接化合物結晶に含まれていた不純物を除去する目的で、本発明を利用することができる。本発明はこのような不純物除去が容易に実施できる点で優れている。
a−2)包接化合物の準安定結晶と同じ組成比、かつ異なる結晶形を有する包接化合物結晶を原料とする場合
原料である包接化合物としては、また、目的とする包接化合物の準安定結晶と異なる結晶形を有する包接化合物結晶、たとえば、安定結晶を用いることもできる。この場合には、結晶形を変換する目的で、本発明を利用することができる。
本発明で原料として用いる包接化合物の化合物Iと化合物IIとのモル比は、特に制限はないが、1:2の包接化合物が好ましい。
b)包接化合物の準安定結晶と異なる組成比を有する包接化合物を用いる場合
原料である包接化合物としては、また、目的とする包接化合物の準安定結晶と異なるモル組成比を有する包接化合物、あるいは化合物I及び化合物II以外の成分(例えば製造時の溶媒として用いた成分)をさらに含有する包接化合物を用いることもできる。この場合には、化合物Iと化合物IIとを特定の組成比で含む包接化合物の準安定結晶形を得る目的で、本発明を利用することができる。
(2)溶解工程
本発明の製造方法は、第1の工程として、化合物Iと化合物IIとを、若しくは化合物Iと化合物IIとを含む包接化合物を、溶媒に溶解して、化合物I、化合物II、及び該包接化合物のいずれをも固体として含有しない溶液を得る工程(以下、溶解工程という。)を含む。
化合物Iと化合物IIを原料とする場合は、溶解工程は、溶媒中、化合物Iと化合物IIを溶解かつ混合することができれば、特に制限はなく、例えば、以下のような方法を例示できる。
(a)溶媒に、化合物Iと化合物IIとを加えて溶解する
(a’)化合物IとIIの混合物に溶媒を加えて溶解する
(b)溶媒に化合物Iを加えて溶解した後、化合物IIを加えて溶解する
(b’)溶媒に化合物IIを加えて溶解した後、化合物Iを加えて溶解する
(c)溶媒に化合物Iを加えて溶解した後、溶媒に溶解させた化合物IIを加える
(c’)溶媒に化合物IIを加えて溶解した後、溶媒に溶解させた化合物Iを加える
(d)溶媒に化合物Iを加えて溶解した後、加熱溶融させた化合物IIを加えて溶解する(ただし、化合物IIが固体の場合)
(d’)溶媒に化合物IIを加えて溶解した後、加熱溶融させた化合物Iを加えて溶解する(ただし、化合物Iが固体の場合)
(e)溶媒と化合物Iを混合して溶解した後、該混合物を加熱しながら化合物IIを加えて溶解する
(e’)溶媒と化合物IIを混合して溶解した後、該混合物を加熱しながら化合物Iを加えて溶解する
(f)化合物IIに、溶媒に溶解した化合物Iを加えて、化合物IIを溶解する
(f’)化合物Iに、溶媒に溶解した化合物IIを加えて、化合物Iを溶解する
(溶媒)
溶解工程に用いる溶媒は、溶解時の温度・圧力条件において、少なくとも化合物I及び化合物IIを溶解し得るものであれば特に限定されず、単一成分からなる溶媒でも、複数成分からなる混合溶媒でもよく、さらに性能を改善するために溶媒以外の溶質(溶解時の温度・圧力条件において単独で存在するならば固体又は気体である成分。)を含有する溶媒であってもよいが、溶解時の温度・圧力条件における目的とする包接化合物の飽和濃度が0.1質量%以上である溶媒が好ましい。
原料に不純物が含まれている場合には、溶解工程に用いる溶媒として、当該不純物をも溶解する溶媒を用い、かつ、包接化合物の結晶を析出させる工程では不純物が析出しない条件を用いることにより、不純物を含有しない包接化合物を得ることができる。また、溶解工程の後に後述のような不純物除去工程を設けてもよい。
溶媒に含有される溶媒成分としては、特に限定はされないが、プロトン性溶媒が好ましく、アルコール系溶媒の少なくとも1種であることがより好ましい。さらにC1〜C3アルコールが好ましく、中でもメタノールが好ましい。溶媒中におけるこれらプロトン性溶媒の合計量は、10質量%以上であることが好ましい。このような溶媒を用いることにより、化合物I、化合物II、及び化合物Iと化合物IIとを含む包接化合物の溶解度は高くなる。
また溶媒には、アルコール系溶媒に加えて、水が含有されていてもよい。水は下述のように化合物I及び化合物IIに対する貧溶媒であるが、アルコール系溶媒との混合溶媒として用いれば、冷却による準安定結晶の析出が容易である。
溶媒は、10〜100質量%のアルコール系溶媒(合計量)と、0〜90質量%の水とからなることが特に好ましい。
(溶解時の条件)
溶解時の温度は、溶解時の圧力において、溶媒の凝固点を超え溶媒の沸点付近までであれば特に限定されないが、室温以上であることが好ましい。特に、化合物I、化合物II、及び包接化合物を完全に溶解させるために、温度を室温以上に上昇させることにより、これらの化合物の溶解度を高めることが好ましい。特に以下で説明する、準安定結晶を析出させるために溶液の条件を変化させる方法として冷却を含む場合は、溶解時の温度を25℃以上とすることが好ましい。
溶媒が揮発すると、環境に悪影響を与えるのみでなく、特許文献4に記載されているように、包接化合物の目的以外の結晶形が生じることもあるので、溶解工程は閉鎖系又は還流下で行うことが好ましい。特に溶解時の温度を溶媒の沸点付近とする場合には、加熱還流を用いることが好ましい。
溶解時の圧力は限定されないが、特に加圧せず常圧で行うことが好ましい。
本発明では、溶解により、化合物I、化合物II、及び化合物I及び化合物IIを含む包接化合物のいずれをも固体として含有しない溶液を得る必要がある。
また溶液中にそれ以外の成分が含有される場合には、当該成分も固体として含有されない(すなわち溶液中に固体が存在しない。)ことが好ましい。
溶解の手段としては、撹拌、振盪、超音波処理等の、通常の方法を用いることができる。
以上により、溶解前に存在した固体が、生成する包接化合物の結晶形に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
化合物I、化合物II、及び化合物I及び化合物IIを含む包接化合物のいずれをも固体として含有しない溶液を得る方法としては、これらの化合物に対する溶解度が高い溶媒を選択して使用する方法、及び/又は、室温下よりも溶解度が高くなるように温度を上昇させる方法が好ましい。また、もし必要であれば、これらの化合物を溶媒中に過剰に加えて溶解させ、ろ過、遠心等の通常の方法により不溶物を除去し、液を回収する方法を用いてもよい。
(3)不純物除去工程
溶解工程の後であって、次の包接化合物の結晶を析出させる工程の前に、上記溶液から不純物を除去する工程を設けてもよい。本発明はこの不純物除去工程が容易に実施できる点で優れている。
不純物除去の方法としては、例えば、化合物I、化合物II、及び化合物I及び化合物IIを含む包接化合物に対する溶解度が高く、それに比較して不純物に対する溶解度が低い溶媒を選択して使用する方法が挙げられる。このような溶媒は、溶解工程で使用した溶媒と共通であってもよい(これにより溶解工程において不純物が選択的に不溶物として残る。)。また溶解工程後に、化合物I、化合物II、及び化合物I及び化合物IIを含む包接化合物の溶解度には影響を与えず、かつ不純物の溶解度が低くなるように、新たな溶媒成分を添加し混合するか、あるいは温度等の条件を、化合物I、化合物II、及び化合物I及び化合物IIを含む包接化合物の溶解度には影響を与えず、かつ不純物の溶解度が低くなるように変化させる方法も可能である。その後、ろ過等の通常の方法により不純物を除去し、液を回収すればよい。
以上の溶解度差を利用した方法のほかに、不純物も含む溶液から、吸着、相分離等の方法を用いて不純物を選択的に除去してもよい。
(4)晶出工程
本発明の製造方法は、第2の工程として、前記溶液の条件を変化させることにより、前記包接化合物の準安定結晶を析出させる工程(以下、晶出工程という。)を含む。
溶液の条件を変化させる方法は、目的とする包接化合物の溶解度を低下させるように条件を変化させる方法、若しくは目的とする包接化合物の濃度を上昇させる方法であれば、特に限定されない。具体的には、(i)目的とする包接化合物の溶解度を減少させるために冷却する方法、(ii)化合物I及び化合物IIに対する貧溶媒を添加する方法、(iii)溶液中の貧溶媒濃度を相対的に増加させるために富溶媒を除去する方法、(iv)目的とする包接化合物の濃度を上昇させるために溶媒を除去する方法、等が挙げられる。ただし、本発明の目的は、準安定状態の包接化合物結晶を得ることにあるから、これらの操作は一般には急速に行う必要がある。この点で、実施が容易であり、かつ必要に応じて容易に条件の調整ができるのは、(i)及び(ii)の方法である。また(i)及び(ii)の方法を併用、又は同時に行ってもよい。
原料に不純物が含まれていた場合には、当該不純物を除去するために、溶解工程で当該不純物をも溶解する溶媒を用い、かつ、晶出工程では不純物が析出しない条件を用いることができる。これにより、次の回収工程で、不純物を含まない包接化合物と、不純物を溶解した溶媒とを分離することができる。
(冷却)
(i)の方法は、溶解工程により得られた溶液を、冷却することにより、目的とする包接化合物の溶解度を低下させる方法である。
冷却の方法は特に限定されず、溶媒の種類、溶液における化合物I及び化合物IIの濃度、また溶液の初期温度に応じて、適切に選択することができる。
目的の包接化合物に対する溶媒の溶解度曲線における温度勾配が大きい場合は、温度低下速度が小さくても急速に過飽和状態に移行し、目的とする包接化合物結晶の析出に至るので、冷却は自然放冷によるものでもよい。一方、該温度勾配が小さい場合は、温度低下速度を大きくするために、冷却は冷却材や冷媒を用いる積極的冷却によるのが好ましい。
溶液における化合物I及び化合物IIの濃度が高い(すなわち飽和濃度に近い)場合には、冷却は自然放冷によるものでよい。一方、該濃度が低い場合には、積極的冷却によるのが好ましい。
溶液の初期温度が高い場合には、冷却は自然放冷によるものでよい。一方、初期温度が低い場合には、積極的冷却によるのが好ましい。
以上のうち、冷却速度が5℃/分以上である方法が好ましい。
(貧溶媒の添加)
(ii)の化合物I及び化合物IIに対する貧溶媒を添加する方法では、化合物I及び化合物IIに対する富溶媒を用いた溶解工程(又はさらに不純物除去工程)と、その後、貧溶媒を添加することにより、目的とする包接化合物の飽和濃度を低下させ、結晶を析出させる晶出工程と、を行う。
この方法では、目的の包接化合物結晶を急速に析出させるために、貧溶媒との混合を急速に行うことが好ましい。より具体的には、溶解工程を含む方法により得られた富溶媒溶液を貧溶媒中へ急速に添加し混合する方法か、貧溶媒を当該富溶媒溶液中へ急速に添加し混合する方法が挙げられる。
富溶媒としては、アルコール系溶媒、好ましくはC1〜C6アルコール、特に好ましくはメタノールを、90質量%以上含有する溶媒、特にアルコール系溶媒のみからなる溶媒が好ましく、中でも富溶媒としてメタノールのみを用いることが好ましい。また貧溶媒としては水が好ましく、水の添加混合により前記アルコール系溶媒の最終濃度を90質量%以下とするのが好ましい。
なお、この方法による晶出工程では、さらに、富溶媒溶液と貧溶媒との混合前、若しくは混合中に、溶液の冷却を併用してもよい。特に、溶媒の混合に伴って発熱がある場合には、目的の包接化合物の溶解度が上昇するおそれがあり、それを防ぐためにこのような溶液の冷却を行うことが好ましい。
(5)回収工程
本発明は、以上の晶出工程に続き、生成した、目的とする包接化合物結晶を、液中から回収する工程を含む。
この回収は、ろ過、遠心等の通常の方法により行うことができる。
回収後に、さらに、結晶中に含まれる溶媒を完全に除去するために、乾燥工程を設けることが好ましい。
さらに必要であれば、以上の回収工程若しくは乾燥工程により得られた包接化合物結晶を、それを溶解しない溶媒により洗浄する工程や、粉砕等の加工を設けることができる。
(6)目的とする包接化合物の準安定結晶
本発明で得られる目的の包接化合物結晶は、化合物Iと化合物IIとを含む、準安定結晶である。該結晶は、化合物Iと化合物IIとからなる結晶であることが好ましく、さらに化合物Iと化合物IIとのモル比1:2の結晶であることが好ましい。
本発明において、準安定結晶とは、同じ組成からなる包接化合物の結晶形が複数種存在する場合に、熱力学的に安定な結晶形(安定結晶)とは異なる結晶形であり、熱力学的には安定結晶に比較して不安定であるが、常温で溶媒等、結晶形に影響を与える他の物質が存在しない状態では安定結晶に自然に移行することはない結晶形である。各結晶形は粉末X線回折(XRD)等により異なるパターンが得られることにより区別できる。また、熱重量測定・示差走査熱量測定(TG−DSC)を用いて、化合物I(ホスト化合物)から化合物II(ゲスト化合物)が放出される温度を測定することにより、最も高い放出温度を有する結晶を安定結晶として、それに比較して低い放出温度を有する結晶を準安定結晶として、同定することができる。
特に、化合物Iが1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであり、化合物IIが2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールである場合には、本発明で得られる目的の包接化合物結晶は、CuKα線にて測定される粉末X線回折パターンにおいて、8.12°、10.12°、12.72°、13.68°、14.60°及び20.24°の回折角(2θ、±0.2°)に回析ピークを有することを特徴とする結晶であることが好ましい。この結晶は、組成がモル比1:2である化合物Iと化合物IIとからなり、TG−DSCにおける放出温度が223℃付近である、準安定結晶である。
一方、同じ組成を有する安定結晶は、CuKα線にて測定される粉末X線回折パターンにおいて、11.20°、13.36°、14.36°、18.16°、19.20°、19.68°、20.84°、21.48°、22.56°、23.76°及び24.08°の回折角(2θ、±0.2°)に回析ピークを有することを特徴とする。この結晶形は、TG−DSCにおける放出温度は231℃付近であることから、熱力学的にはより安定であることが判る。以上の両結晶形は特許文献4及び5により公知である。
次に、本発明の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
(粉末X線回折(XRD))
結晶をガラス試験板の試料充填部に充填し、粉末X線回折装置(Ultima IV、株式会社リガク製)を用いて、以下の条件で測定を行った。
X線源 :Cu、40kV−40mA
測定方法:集中法
フィルター:Kβフィルター
スキャン速度:5°/分
(参考例1)
フラスコに、TEP(製品名:TEP−DF、旭有機材工業(株)製)4.95g、2P4MHZ(製品名:2P4MHZ−PW、四国化成工業(株)製)4.45g、及び水15gとメタノール28gとからなる混合溶媒を加え、攪拌しながら約65℃で加熱還流を3時間行った。この液は完全には溶解せず懸濁液であった。室温で放冷後、ろ過、乾燥を行い、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物8.62g(収率91.7%)を得た。
参考例1で得られた包接化合物結晶につき粉末X線回折測定(XRD)を行った結果、回折角(2θ):11.20°、13.36°、14.36°、18.16°、19.20°、19.68°、20.84°、21.48°、22.56°、23.76°及び24.08°に特徴的な回折ピークを有する結晶多形であり、特許文献4に記載の結晶Bに当たるものであった。
(実施例1)
フラスコに、参考例1の方法で得られた包接化合物(結晶B)4.7g、及び水120gとメタノール95gとからなる混合溶媒を加え、攪拌しながら約79℃で加熱還流を3時間行い、完全に溶解していることを確認した。氷水中で急冷した後、ろ過、乾燥を行い、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物3.43g(収率73.0%)を得た。
実施例1で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、回折角(2θ):8.12°、10.12°、12.72°、13.68°、14.60°及び20.24°に特徴的な回折ピークを有する結晶多形であり、特許文献4に記載の結晶Aに当たるものであった。
(実施例2)
水120gとメタノール88gとからなる混合溶媒を用い、加熱還流で完全に溶解していることを確認した後に、室温で放冷した以外は、実施例1と同じ方法により、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物3.43g(収率73.0%)を得た。
実施例2で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、実施例1と同様(特許文献4に記載の結晶A)であった。
(実施例3)
フラスコに、参考例1の方法で得られた包接化合物(結晶B)4.7g、及びメタノール45gを加え、攪拌しながら約65℃で加熱還流を3時間行い、完全に溶解していることを確認した。35℃まで放冷後、水45gを添加し、ろ過、乾燥を行い、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物3.89g(収率82.8%)を得た。
実施例3で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、実施例1と同様(特許文献4に記載の結晶A)であった。
(比較例1)
加熱還流で完全に溶解していることを確認した後に、室温で放冷した以外は、実施例1と同じ方法により、包接比(TEP:2P4MHZ)=1:2の包接化合物4.07g(収率86.6%)を得た。
比較例1で得られた包接化合物結晶のXRD結果は、参考例1と同様(特許文献4に記載の結晶B)であった。
以上の結果から、TEPと2P4MHZからなる包接化合物の安定結晶を原料として、準安定結晶を高収率で得られることが明らかになった。TEPと2P4MHZとを原料とした場合にも、同様に準安定結晶が得られることは容易に推測される。

Claims (9)

  1. 下記式(I)
    Figure 2020040887
    (式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、
    下記式(II)
    Figure 2020040887
    [式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、アリール基、アラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、
    原料である包接化合物を溶媒に溶解し、化合物I、化合物II、及び該包接化合物のいずれをも固体として含有しない溶液を得る工程、
    該溶液の条件を変化させることにより、前記包接化合物の準安定結晶を析出させる工程、及び
    該結晶を回収する工程
    を含む方法。
  2. 下記式(I)
    Figure 2020040887
    (式(I)中、Xは(CHを表し、ここでnは0、1、2又は3であり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子又はC1〜C10のアルコキシ基を示す。)で表される化合物Iと、
    下記式(II)
    Figure 2020040887
    [式(II)中、Rは、水素原子、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のアリール基、C1〜C10のアラルキル基又はシアノエチル基を表し、R10〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C10のアルキル基、C1〜C10のアリール基、C1〜C10のアラルキル基又はC1〜C10のアシル基を表す。]で表される化合物IIとを含む包接化合物の準安定結晶の製造方法であって、
    化合物I及び化合物IIを溶媒に溶解し、化合物I、化合物II、及び該包接化合物のいずれをも固体として含有しない溶液を得る工程、
    該溶液の条件を変化させることにより、前記包接化合物の準安定結晶を析出させる工程、及び
    該結晶を回収する工程
    を含む方法。
  3. 前記溶媒はプロトン性溶媒を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記溶媒はアルコール系溶媒の少なくとも1種を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記溶液の条件を変化させる方法として、冷却を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記溶液の条件を変化させる方法として、前記化合物I及び化合物IIに対する貧溶媒の添加を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 前記貧溶媒は水である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記化合物Iは1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンであり、前記化合物IIは2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 回収される準安定結晶は、CuKα線にて測定される粉末X線回折パターンにおいて、8.12°、10.12°、12.72°、13.68°、14.60°及び20.24°の回折角(2θ、±0.2°)に回析ピークを有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
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