JP2021139291A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置と該バルブタイミング制御装置の製造方法及び給電用ブラシの保持構造体 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置と該バルブタイミング制御装置の製造方法及び給電用ブラシの保持構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラシホルダに対する給電用ブラシなどの組付作業能率の向上を図り得る内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供する。【解決手段】ブラシホルダ29は、四角筒状に折曲形成されて、第1側壁部35と、第2側壁部36と、第3側壁部37と、第4側壁部38と、を有するガイド部33と、第1側壁部35の一端部に一体に設けられた蓋部34とを備えている。ガイド部は、第1開口部33bから内部に給電用ブラシ40と圧縮コイルばね41を収容保持する収容孔33aを有する一方、蓋部34は、第1開口部33bを覆うと、該蓋本体34aと、第1側壁部の一端縁とを連結する連結部34bと、を有している。この連結部は、剛性を低くするために蓋本体よりも狭幅に形成されて、ここを折り曲げ点としている。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関のバルブタイミング制御装置と該バルブタイミング制御装置の製造方法及び給電用ブラシの保持構造体に関する。
例えば、以下の特許文献1に記載されたバルブタイミング制御装置は、スプロケット側に設けられた電動モータと、該電動モータの前方位置に所定のクリアランスをもって配置されたカバー部材と、を備えている。前記電動モータの前端部には、内外二重の給電用スリップリングが設けられている。一方、前記カバー部材には、それぞれの先端部が前記各給電用スリップリングに摺接して前記電動モータへ給電する一対の給電用ブラシが設けられている。
各給電用ブラシは、後端部に可撓性を有するピグテールハーネスの一端部が接続されて、このピグテールハーネスを介してバッテリー電源から通電されるようになっている。
前記カバー部材は、有底円柱状に形成された一対の固定用孔に、前記給電用ブラシを内部に摺動可能に保持する一対の円筒状のブラシホルダが固定されている。また、前記固定用孔の底壁には、前記ピグテールハーネスが挿通される比較的小径な透孔が貫通形成されている。
特開2014−129729号公報
ところで、前記カバー部材に給電用ブラシなどの各構成部品を組み付ける際には、予めピグテールハーネスの一端部に給電用ブラシを接続すると共にコイルスプリングを装着しておく。この状態で前記ピグテールハーネスの他端部を、前記ブラシホルダの電動モータ側の前端側の開口から挿入しつつ前記透孔を通す必要がある。
したがって、これら構成部品の組み付け作業が煩雑であり、特に、ピグテールハーネスの他端部をブラシホルダの内部に挿通しつつ透孔を通す作業が煩雑になる。この結果、組み付け作業能率が低下するおそれがある。
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、ブラシホルダに対する給電用ブラシなどの組み付け作業能率の向上が図り得る内燃機関のバルブタイミング制御装置と、この製造方法などを提供することを一つの目的としている。
本願請求項1に記載の発明は、とりわけ、電動モータに対向して配置され、樹脂部を有する保持部材であって、
先端部が前記スリップリングに当接し、一側面から外側へ延びた導線を介して外部電源に接続される給電用ブラシと、外周が前記樹脂部に固定されて、内部に前記給電用ブラシを摺動可能に案内する筒状のガイド部と、該ガイド部の長手方向の一端部から前記スリップリング側の他端部方向に沿って設けられて前記導線が入り込むスリットと、前記ガイド部の一端部に設けられて、前記一端部の開口を覆う蓋部と、を有するブラシホルダと、前記ガイド部の内部に配置され、前記蓋部を介して前記給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する圧縮コイルばねと、を有する保持部材と、を備えたことを特徴としている。
本発明の好ましい態様によれば、ブラシホルダに対する給電用ブラシなどの組付作業能率の向上を図ることができる。
本発明に係るバルブタイミング制御装置の実施形態を示す縦断面図である。 本実施形態における主要な構成部材を示す分解斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB部拡大図である。 本実施形態に供されるカバー部材のキャップ部を外した背面図である。 図5のC−C線断面図である。 本実施形態に供されるブラシホルダの蓋部を折り曲げた状態を示す俯瞰図である。 本実施形態に供されるブラシホルダの蓋部を折り曲げない状態を示す俯瞰図である。 本実施形態における組付方法を示し、Aはブラシホルダを組立基台に載置保持した状態でガイド部の収容孔に給電用ブラシを挿入する状態を示す縦断面図、Bは給電用ブラシを収容孔に挿入した状態で圧縮コイルばねを挿入する状態を示す縦断面図、Cは圧縮コイルばねを押さえ治具によって押さえた状態を示す縦断面図、Dは圧縮コイルばねを押さえ治具によって押さえた状態で連結部を折り曲げようとする状態を示す縦断面図、Eは連結部を折り曲げた状態を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態のブラシホルダを示し、Aは第4側壁部から視た側面図、Bは平面図である。 本実施形態のブラシホルダ内に給電用ブラシと圧縮コイルばねを収容した状態を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に供されるガイド部を示す斜視図である。 本実施形態に供されるブラシホルダの蓋部をガイド部に嵌着した状態を示す斜視図である。 Aは本実施形態におけるブラシホルダの平面図、Bはブラシホルダの縦断面図である。 本発明の第4実施形態を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るバルブタイミング制御装置の第1実施形態を示す縦断面図、図2は本実施形態における主要な構成部材を示す分解斜視図、図3は図1のA−A線断面図、図4は図1のB部拡大図である。
このバルブタイミング制御装置(VTC)は、図1及び図2に示すように、駆動回転体であるタイミングスプロケット1(以下、スプロケット1という。)と、シリンダヘッド01上に軸受ブラケット02を介して回転自在に支持され、スプロケット1から伝達された回転力によって回転するカムシャフト2と、スプロケット1の前方位置まで配置されたチェーンケース6に固定された保持部材であるカバー部材3と、スプロケット1とカムシャフト2の間に配置されて、機関運転状態に応じて両者1、2の相対回転位相を変更する位相変更機構4と、を備えている。
スプロケット1は、内燃機関のクランクシャフトによってタイミングチェーンを介して回転駆動するようになっている。このスプロケット1は、全体が鉄系金属によって環状一体に形成され、内周面が段差径状のスプロケット本体1aと、該スプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、巻回された図外のタイミングチェーンを介してクランクシャフトからの回転力を受ける歯車部1bと、スプロケット本体1aの前端側に一体に設けられ、後述する減速機構13の一部を構成する内歯構成部5と、から構成されている。
また、このスプロケット1は、スプロケット本体1aとカムシャフト2の前端部に設けられた後述する従動部材9との間に、1つの大径ボールベアリング19が介装されている。この大径ボールベアリング19は、スプロケット1をカムシャフト2に対して相対回転自在に支持している。
内歯構成部5は、スプロケット本体1aの前端部外周側に一体に設けられている。この内歯構成部5は、位相変更機構4の前方へ延びた円筒状に形成されて、内周には波形状の複数の内歯5aが形成されている。
さらに、スプロケット本体1aの内歯構成部5と反対側の後端部には、円環状の保持プレート8が配置されている。この保持プレート8は、金属板材によって一体に形成され、内周部8aの内周縁所定位置に径方向内側、つまり中心軸方向に向かって突出したストッパ凸部8bが一体に設けられている。このストッパ凸部8bは、ほぼ扇状に形成されて、先端縁が後述するストッパ凹溝11aの円弧状内周面に沿った円弧状に形成されている。
スプロケット本体1a(内歯構成部5)及び保持プレート8のそれぞれの外周部には、周方向のほぼ等間隔位置に複数(本実施形態では8つ)のボルト挿通孔1c、8cが貫通形成されている。
また、内歯構成部5の前端側には、後述するモータハウジング14の後端部が対向配置されている。このモータハウジング14の後端部の周壁には、各ボルト挿通孔1c、8cと対応した位置に複数(本実施形態では8つ)の雌ねじ孔14dが形成されている。したがって、各孔1c、8c、14dに挿通、螺着した8本のボルト7によってスプロケット1と保持プレート8及びモータモータハウジング14が軸方向から共締め固定されている。
なお、スプロケット本体1aと内歯構成部5が、後述する減速機構13のケーシングとして構成されている。
チェーンケース6は、内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの前端側にスプロケット1に巻回された図外のチェーンを覆うよう上下方向に沿って配置固定されている。また、このチェーンケース6は、前端部の外周縁にフランジ部6aを一体に有していると共に、前端部の内周に円環溝6bが形成されている。この円環溝6bは、チェーンケース6の前端縁から内側軸方向へ延びた軸方向幅がフランジ部6aの肉厚幅よりも大きく形成されている。
カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有している。また、カムシャフト2は、回転軸方向の一端部2aにフランジ部2bが一体に設けられている。また、一端部2aの内部軸方向には、カムボルト10が螺着する雌ねじ孔2cが形成されている。このカムシャフト2は、フランジ部2bと後述するストッパ部材11を介して従動部材9がカムボルト10によって軸方向から結合されている。
フランジ部2bは、図1に示すように、前端面の外周部が大径ボールベアリング19の内輪の軸方向外端面に当接配置されている。またフランジ部2bの位相変更機構4側の前端には、円盤状のストッパ部材11が設けられている。
このストッパ部材11は、外周に保持プレート8のストッパ凸部8bが係入するストッパ凹溝11aが円周方向に沿って形成されている。このストッパ凹溝11aは、円周方向へ所定長さの円弧状に形成されて、この長さ範囲で回動したストッパ凸部8bの両端縁が周方向の対向縁にそれぞれ当接し、これによって、スプロケット1に対するカムシャフト2の最大進角側あるいは最大遅角側の相対回転位置が規制されるようになっている。
カムボルト10は、頭部10a(フランジ部)の端面が小径ボールベアリング54の内輪を軸方向から支持していると共に、軸部10bの先端部外周にカムシャフト2の雌ねじ孔2cに螺着する雄ねじ10cが形成されている。
従動部材9は、例えば鉄系金属によって一体に形成され、図1に示すように、後端側(カムシャフト2側)に形成された円板状の固定端部9aと、該固定端部9aの内周前端面から軸方向へ突出した円筒部9bと、から構成されている。
固定端部9aは、後端面に形成された円盤状溝内にストッパ部材11の環状凸部11bが嵌合する嵌合溝9cが形成されている。また、固定端部9aは、カムシャフト2のフランジ部2bの前端面にストッパ部材11を介して当接配置され、カムボルト10の軸力によって、フランジ部2bにストッパ部材11を介して軸方向から圧接固定されている。
円筒部9bは、中央にカムボルト10の軸部10bが挿通される挿通孔9dが貫通形成されていると共に、外周側にはニードルベアリング55が設けられている。
位相変更機構4は、従動部材9の円筒部9bの前端側に配置された電動モータ12と、該電動モータ12の回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する減速機構13と、から主として構成されている。
電動モータ12は、図1及び図2に示すように、ブラシ付きのDCモータであって、スプロケット1と一体に回転するモータハウジング14と、該モータハウジング14の内部に回転自在に設けられたモータ出力軸15と、モータハウジング14の内周面に固定された円弧状の4つの永久磁石16と、モータハウジング14の前端部に設けられた封止プレート17と、を備えている。
モータハウジング14は、図1に示すように、鉄系金属材をプレス成形によって有底筒状に形成されたヨークとしては、ウジング本体14aを有している。こは、ウジング本体14aは、後端側に円板状の仕切壁14bが設けられている。この仕切壁14bは、ほぼ中央に後述する偏心軸部24を挿通する大径な軸部挿通孔14cが形成されている。この軸部挿通孔14cの孔縁には、カムシャフト2軸方向へ突出した円筒状の延出部が一体に設けられている。
モータ出力軸15は、段差円筒状に形成されてアーマチュアとして機能しており、軸方向のほぼ中央位置に形成された段差部を介してカムシャフト2側の大径部15aと、封止プレート17側の小径部15bと、から構成されている。
大径部15aは、外周に鉄心ロータ18が固定されていると共に、後端側には減速機構13の一部を構成する偏心軸部24が一体に形成されている。
小径部15bは、外周に非磁性材の円環部材20が圧入固定されていると共に、該円環部材20の外周面にコミュテータ21が軸方向から圧入固定されている。
また、小径部15bの内周面には、モータ出力軸15の回転位置を検出する回転検出機構の被検出部22が圧入固定されている。この被検出部22は、合成樹脂材によって有蓋円筒状に形成され、前端壁の前面に3葉状の被検出ロータ22aが固定されている。また、この被検出部22は、外周にモータ出力軸15の内周面との間をシールするオイルシール22bが設けられている。
鉄心ロータ18は、複数の磁極を持つ磁性材によって形成され、外周側がコイル18aのコイル線を巻回させるスロットを有するボビンとして構成されている。
コミュテータ21は、導電材によって円環状に形成されて、鉄心ロータ18の極数と同数に分割された各セグメントに、コイル18aから引き出されたコイル線の端末が電気的に接続されている。
各永久磁石16は、全体が円筒状に形成されて円周方向に複数の磁極を有していると共に、その軸方向の位置が鉄心ロータ18の固定位置よりも前方にオフセット配置されている。
封止プレート17は、全体が円盤状に形成されていると共に、中央位置にモータ出力軸15の一端部などが挿通される軸挿通孔17aが貫通形成されている。また、この封止プレート17は、円盤状の非磁性材である樹脂材17bと、該樹脂材17bの内部に埋設された円板状の芯金17cと、によって構成されている。
また、封止プレート17は、樹脂材17bに設けられた複数(本実施形態では4つ)のホルダ23a〜23dと、該各ホルダ23a〜23dの内部に径方向に沿って摺動自在に収容配置されて、コイルスプリングのばね力で各先端面がコミュテータ21の外周面に径方向から弾接する整流子である4つの切換用ブラシ25a〜25dと、樹脂材17bの前端面に、各外端面を露出した状態で埋設固定された2つの給電用のスリップリング26a、26bと、各ブラシ25a〜25dと各スリップリング26a、26bを電気的に接続する図外のピグテールハーネスと、を備えている。
各スリップリング26a、26bは、導電材である例えばプレート状の銅材によって内外二重の円環状に形成されている。また、各スリップリング26a、26bは、それぞれの内外周縁に一体に複数設けられた図外の突部が樹脂材17bにモールド固定されて、円環状の各通電面が露出している。
また、封止プレート17は、樹脂材17bの外周から露出した芯金17cの外周部がモータハウジング14の前端部内周に形成された凹状段差部にかしめによって位置決め固定されている。
図5は外側の蓋体を外したカバー部材の背面図、図6は図5のC−C線断面図である。
カバー部材3は、図1、図2及び図5に示すように、モータハウジング14の前端部(封止プレート17)全体を覆うように配置されて、合成樹脂材からなる樹脂部27と、該樹脂部27の内部に大部分が埋め込まれた金属プレート28とによってほぼ円盤状に一体に形成されている。つまり、カバー部材3は、全体を合成樹脂材によってモールド成形する際に、内部に補強用の金属プレート28が埋め込まれ(モールド固定)ている。このカバー部材3は、円盤状のカバー本体3aと、該カバー本体3aの開口側の外周縁に一体に形成された円環状の取付フランジ3bと、を有している。
カバー本体3aは、中央に被検出部22の先端部が挿入される挿入用孔3cが貫通形成されている。また、カバー本体3aは、図1及び図4に示すように、背面側に複数の電子部品が設けられている。すなわち、回転検出機構の検出部である受信回路や励磁回路を備えた検出回路52や集積回路53、及び電磁ノイズ抑制装置であるそれぞれ2つのインダクタンスコイル58とコンデンサ59などが設けられている。
さらに、前記各コンデンサ59,59の近傍には、各スリップリング26a、26bに当接して電流を供給する2つの給電用ブラシ40,40が2つのブラシホルダ29,29を介して設けられている。これら給電用ブラシ40,40やブラシホルダ29、29については、以下で具体的に説明する。
また、カバー本体3aの外側には、検出回路52や集積回路53などの電子部品を覆って保護するキャップ部30が着脱自在に取り付けられている。つまり、カバー本体3aは、図1及び図4に示すように、背面側の外周部に環状の固定用溝3fが形成されている。一方、キャップ部30は、合成樹脂材によってほぼ矩形状の薄肉一体に形成されて、外周部の環状の嵌着部30aが固定用溝3fに嵌着固定されて、検出回路52などを覆って保護している。
また、カバー部材3は、図1に示すように、カバー本体3aから下方向へ突出した給電用コネクタ31と、該給電用コネクタ31の側部に配置された信号用コネクタ32と、を一体に有している。
給電用コネクタ31は、一部がカバー本体3aの内部に配設された細長い導電性の一対の端子片を有している。この各端子片は、カバー本体3a内でクランク状に折曲されて、内部の一端部が後述する2本のピグテールハーネス42、42を介して2つの給電用ブラシ40,40に接続されている。一方、他端部は、カバー本体3aからコネクタ部で露出して図外のコントロールユニットに別のコネクタを介して電気的に接続されている。
信号用コネクタ32は、図1に示すように、一部がカバー本体3aの内部に配設された細長い導電性の一対の端子片32aを有し、この各端子片32aの一端部がハーネスを介して集積回路53に電気的に接続されている。また、各他端部32cは、コネクタ部内で露出してコントロールユニットに接続されている。
このコントロールユニットは、検出回路52で検出されたモータ出力軸25の回転位置信号を入力して電動モータ12を回転制御するようになっている。なお、集積回路53は、被検出部22から入力された信号を入力する検出回路52から情報信号が入力されるようになっている。
取付フランジ3bは、樹脂材によって円環状に形成されていると共に、外周面のほぼ等間隔位置に複数(本実施形態では4つ)のボス部3dが一体に設けられている。この各ボス部3dには、ボルト挿入孔3eが貫通形成されており、この各ボルト挿入孔3eの内周面に金属製のスリーブがそれぞれ固定されている。
また、この取付フランジ3bは、各ボルト挿入孔3eに挿入される図外の取付ボルトによってチェーンケース6のフランジ部6aに締結固定されるようになっている。
さらに、取付フランジ3bのモータハウジング14側の内端面と、該内端面に対向するチェーンケース6のフランジ部6aの前端面と、の間には、両者間をシールするゴム製のシールリング50が配置されている。
また、チェーンケース6の円環溝6bの内周面とモータハウジング14の外周面との間には、大径なオイルシール51が介装されている。
図7は本実施形態に供されるブラシホルダ29の俯瞰図であり、図8ブラシホルダ29の蓋部34を折り曲げる前の俯瞰図である。
カバー本体3aは、カバー部材3の樹脂部27における金属プレート28の一部切り欠かれた箇所で、かつ、各スリップリング26a、26bと対応した位置に、2つのブラシホルダ29、29が固定されている。つまり、各ブラシホルダ29、29は、後述する各給電用ブラシ40,40等を収容保持するもので、カバー部材3の樹脂モールド成形時に該カバー部材3に対して一体的に固定されている。
2つのブラシホルダ29、29は、同一構造であるから、以下では、便宜上、一つのブラシホルダ29について説明する。
具体的に説明すれば、各ブラシホルダ29は、図7及び図8に示すように、導電材である銅材によってプレス成形によって角筒状に折曲形成されて、内部に給電用ブラシ40を摺動案内するガイド部33と、このガイド部33の長手方向の一端部(図7中、上端部)に一体に設けられた蓋部34と、を有している。
ガイド部33は、長手方向に対して直角方向から断面した横断面形状が長方形状に形成された4つの第1〜第4側壁部35〜38によって構成されている。
すなわち、このガイド部33は、第1側壁部35と、該第1側壁部35の周方向一側縁からほぼ直角に折り曲げられた第2側壁部36と、第1側壁部35の周方向他側縁からほぼ直角に折り曲げられた第3側壁部37と、第2側壁部36と第3側壁部37のそれぞれの周方向一側縁からほぼ直角に折り曲げられた第4側壁部38と、を有している。
ガイド部33は、第1側壁部35〜第4側壁部38によって仕切られた内部に収容孔33aが貫通形成されている。また、ガイド部33は、収容孔33aの長手方向の一端部に第1開口部33bが形成されている一方、他端部にも第2開口部33cが形成されている。
第2側壁部36と第3側壁部37は、各角部を含むその幅方向の長さWが第1側壁部35と第4側壁部38の幅方向の長さW1よりも長く形成されている。これによって、ガイド部33は、前述したように横断面長方形に形成されて、第1側壁部35〜第4側壁部38によって仕切られた内部には、横断面が長方形状の前記収容孔33aが貫通形成されている。
さらに、第2側壁部36と第3側壁部37は、幅方向の中央部が外方向へ湾曲状に膨出変形されて各内壁面に凹状の円弧面36a、37aがそれぞれ形成されている。この各円弧面36a、37aは、第2、第3側壁部36、37の各内面の図中、上端から下端までの上下方向全体に渡って形成されて、後述する圧縮コイルばね41の外周面を摺動可能に案内するようになっている。
第4側壁部38は、平板状の銅材をプレス成形によって角筒状に折り曲げてガイド部33を成形する際に、両端部を互いに突き合わせて形成されている。また、この第4側壁部38は、突き合わされた対向端末部の間(幅方向の中央位置)に、後述するピグテールハーネス42の一端部42a側を給電用ブラシ40と一緒に案内するスリット39が上方向に沿って形成されている。このスリット39は、図7、図8に示す上端縁から下方に向かってほぼ均一幅に形成されて、下端部にはU字形状の底面39aを有している。
また、ガイド部33は、外面の各スリップリング26a、26b側の他端部に周方向に沿った複数(本実施形態ではそれぞれ一対)の第1、第2溝部43、44がそれぞれ設けられている。
第1、第2溝部43は、44は、ガイド部33の他端部側であって、第1側壁部35〜第4側壁部38の全周に渡って並行に形成されている。この各溝部43,44は、後述するプレス成形機のパンチによってそれぞれ同形の横断面ほぼV字形状に形成されているが、それぞれの深さはパンチによる各側壁部35〜38の内壁面に影響を与えない深さに設定されている。つまり、パンチ力によって各側壁部35〜38の内壁面が内方へ塑性変形しない程度の深さとなるように設定されている。
各第1溝部43と第2溝部44は、カバー部材3の樹脂モールド成形時に、樹脂部27の溶融樹脂が流れ込んで充填されることにより、溶融樹脂の硬化後に樹脂部27と結合するようになっている。
また、第1、第2溝部43,44の離間幅Sは、ガイド部33と樹脂部27との結合力を効果的に高める幅長さに設定されている。
前記蓋部34は、ガイド部33のプレス成形時に一緒に形成されるものであって、図7及び図8に示すように、ガイド部33と同じ銅材からなる板状の蓋本体34aと、該蓋本体34aと第1側壁部35の一端部(図7中、上端縁)とを結合する連結部34bと、を有している。
蓋本体34aは、収容孔33aの第1開口部33bと相似形のほぼ長方形状に形成されているが、その外形が第1開口部33bの投影面積よりも小さく形成されている。つまり、蓋本体34aは、横方向の幅W2と縦方向の幅W3が第1開口部33bのそれ対応する幅W3,W4よりも小さく形成されている。
連結部34bは、図7及び図8に示すように、の一端縁のほぼ中央位置と第1側壁部35の一端部の端縁のほぼ中央位置との間に配置されている。また、連結部34bは、その幅W6がの幅W2や第1側壁部35の幅W1よりも約半分程度の狭幅に設定されてくびれ状に形成されている。これによって、連結部34bは、よりも曲げ剛性が十分に低くなって第1開口部33b側へほぼ水平に折り曲げる際の折曲点になっている。
また、この連結部34bは、図7に示す第1開口部33b側へ湾曲状に折り曲げられ状態では、の下面とガイド部33の上端面との間に治具導入用の隙間S1を形成するようになっている。
各ガイド部33の収容孔33a内には、各先端面が各スリップリング26a、26bに軸方向からそれぞれ当接する一対の給電用ブラシ40、40が軸方向へ摺動可能に保持されている。この各給電用ブラシ40は、各収容孔33aの内壁面形状に合わせてそれぞれ棒状の角柱状に形成されて長手方向に対して直角な横断面形状が長方形状に形成れていると共に、所定の軸方向長さに設定されている。
また、この一対の給電用ブラシ40、40は、収容孔33aの第1開口部33b側に設けられた付勢部材である一対の圧縮コイルばね41、41のばね力によってそれぞれ各スリップリング26a、26b方向へ付勢されている。つまり、この両圧縮コイルばね41は、外方へ突出した各一端部41aが蓋本体34aの内面に弾接している。一方、各他端部41bは、各給電用ブラシ40の後端面40aに弾接して各給電用ブラシ40の各先端部40bが各スリップリング26a、26bに当接する方向へ付勢している。
また、各給電用ブラシ40は、図4及び図6に示すように、後端部の一側面に小孔40cが形成されており、この小孔40cに導線であるピグテールハーネス42の一端部42aが挿入されて例えば接着剤によって固定されている。この各ピグテールハーネス42は、可撓性を有し、各給電用ブラシ40が各圧縮コイルばね41のばね力によって最大に進出した際に、一端部42a側がスリット39の底面39aに当接規制されてガイド部33の第2開口部34cから脱落しないようになっている。
一方、ピグテールハーネス42の各他端部42bは、図5、図6に示すように、給電用コネクタ31の各端子片の他端部31aに例えば半田付けによって固定されて電気的に接続されている。
モータ出力軸15と偏心軸部24は、カムボルト10の頭部10a側の軸部10bの外周面に設けられた小径ボールベアリング54と、従動部材9の円筒部9bの外周面に設けられて小径ボールベアリング54の軸方向側部に配置されたニードルベアリング55と、によって回転自在に支持されている。
また、モータ出力軸15(偏心軸部24)の外周面とモータハウジング14の延出部の内周面との間には、減速機構13の内部から電動モータ12内への潤滑油のリークを阻止する小径なオイルシール46が設けられている。
コントロールユニットは、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、アクセル開度センサなど各種のセンサ類から情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出して機関制御を行う。さらに、コントロールユニットは、外部電源から給電用コネクタ31及び各給電用ブラシ40、40、各スリップリング26a、26b、切換用ブラシ25a〜25d、コミュテータ21を介してコイル18aに通電してモータ出力軸15の回転制御を行い、減速機構13を介してカムシャフト2のスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。
減速機構13は、図1及び図3に示すように、偏心回転運動を行う偏心軸部24と、偏心軸部24の外周に設けられた中径ボールベアリング47と、中径ボールベアリング47の外周に設けられたローラ48と、固定端部9aの外周部に一体に設けられて、複数のローラ48を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する円筒状の保持器45と、該保持器45と一体の従動部材9と、から主として構成されている。
偏心軸部24は、外周面に形成されたカム面24aの軸心Yがモータ出力軸15の軸心Xから径方向へ僅かに偏心している。
保持器45は、図1に示すように、固定端部9aの外周部前端から前方へ断面ほぼL字形状に折曲されて、円筒部9bと同方向へ突出した円筒状に形成されている。
この保持器45は、筒状先端部45aが雌ねじ孔14dと延出部との間に形成された円環凹状の収容空間を介してモータハウジング14の仕切壁14b方向へ延出している。また、筒状先端部45aの周方向のほぼ等間隔位置には、ほぼ長方形状の複数のローラ保持孔45bが周方向の等間隔位置に形成されている。このローラ保持孔45b(ローラ48)は、複数のローラ48をそれぞれ転動可能に保持し、その全体の数が内歯構成部5の内歯5aの全体の歯数よりも1つ少なくなっている。
中径ボールベアリング47は、ニードルベアリング55に対して径方向からほぼオーバーラップする状態で配置され、内輪47aと外輪47b及び両輪47a、47bとの間に介装されたボール47cとから構成されている。内輪47aは、偏心軸部24の外周面に圧入固定されているのに対して、外輪47bは、軸方向で固定されることなくフリーな状態になっている。つまり、この外輪47bは、回転軸方向の一端面がどの部位にも接触せず、また軸方向の他端面がこれに対向する保持器45の内側面との間に微小な隙間が形成されてフリーな状態になっている。また、外輪47bの外周面には、各ローラ48の外周面が転動自在に当接している。この外輪47bの外周側には、円環状の隙間が形成されている。この隙間によって、中径ボールベアリング47全体が偏心軸部24の偏心回転に伴って径方向へ移動可能、つまり偏心動可能になっている。
各ローラ48は、例えば鉄系金属によって形成され、中径ボールベアリング47の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ内歯構成部5の内歯5aに嵌入されている。また、各ローラ48は、保持器45のローラ保持孔45bの両側縁によって周方向にガイドされつつ径方向に揺動運動させるようになっている。
減速機構13の内部には、潤滑油供給手段によって潤滑油が供給されるようになっている。この潤滑油供給手段は、軸受ブラケット02の内部に形成されて、図外のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される油供給通路と、図1に示すように、カムシャフト2の内部軸方向とストッパ部材11内に形成されて、油供給通路に連通した油供給孔56と、従動部材9の内部軸方向に貫通形成されて、一端が油供給孔56に開口し、他端がニードルベアリング55と中径ボールベアリング47の付近に開口したオイル孔57と、同じく従動部材9に貫通形成された図外のオイル排出孔と、から構成されている。
〔ブラシホルダの成形方法〕
以下、ブラシホルダの成形方法を簡単に説明する。
まず、導電性の銅板を、プレス成形機によって所定長さ及び所定幅に打ち抜いてブラシホルダの母材を成形する。このとき、第1側壁部35が中央の位置として、その両側に第2側壁部36と第3側壁部37が配置される形になる。また、この該両側壁部36,37の各外側縁に、第4側壁部38となる2つの部位(端末部)がそれぞれ配置される形になる。
さらに、同時に、第1側壁部35の幅方向の中央位置に、蓋本体34aと連結部34bがプレス成形によって一緒に形成される。
また、展開された状態で第4側壁部38となる2つの端末部の各外側縁に、スリット39となる細長い溝が打ち抜きによってそれぞれ形成される。
また、このブラシホルダ母材の打ち抜き加工と同時または打ち抜き加工後において、各第1溝部43と各第2溝部44をパンチによって成形加工する。
次に、この平板状のブラシホルダ母材を、例えばベンディングマシンによって、図8に示す第1〜第4各側壁部35〜38の各側部の角部を折り曲げ代として内側に折り曲げ成形する。このとき、第4側壁部38は、端末部38a、38bを対向当接させることによって形成されると同時に、スリット39も一緒に形成されることになる。これによって、角筒状のガイド部33と板状の蓋部34を有するブラシホルダ29が完成する。
〔カバー部材の樹脂モールド成形〕
前述した成形方法によって成形されたブラシホルダ29は、カバー部材3の樹脂モールド成形時に、外周面が樹脂部27に結合固定される。
すなわち、カバー部材3を樹脂モールド成形するには、予め各ブラシホルダ29を成形型内に位置決め保持しておく。続いて、成形型内に溶融樹脂を注入すると、溶融樹脂がブラシホルダ29の外周面のほぼ全体を包囲しつつ付着すると共に、各溝部43,44内に流れ込んでここに充填される。これによって、溶融樹脂は、ブラシホルダ29の外周面への付着の他に、断面積の広い各溝部43,44のV字形内面に付着し、その後に硬化した樹脂部27と強固に結合される。
なお、前述のように、成形型内に注入されてブラシホルダ29の外周面に回り込んだ溶融樹脂は、例えば中子などによってスリット39には入り込まないようになっている。
また、前述のように、ブラシホルダ29(ガイド部33)を、成形金型内で樹脂部27によりモールド固定した後は、成形金型をガイド部33の図8中、上方へ引き離していわゆる離型する。このとき、蓋本体34aは、外形が予めガイド部33の外形よりも小さく形成されていることから、アンダーカット部にならずに金型を容易に引き離すことができる。
〔ブラシホルダの組立方法〕
図9A〜Eはブラシホルダ29を介して給電用ブラシ40と圧縮コイルばね41を組み立てる方法を示している。
まず、前述のように、ブラシホルダ29を、カバー部材3の樹脂部27にモールド固定した(第1工程)後に、図9Aに示すように、ブラシホルダ29が組付基台60の凹部60aの位置に来るように、カバー部材3を組付基台60上に載置する。その後、給電用ブラシ40を、先端部40b側から蓋本体34aの開かれた第1開口部33bの上方から収容孔33a内に挿入する。このとき、給電用ブラシ40の後端部の側部には、ピグテールハーネス42の一端部42aが予め接続されている。したがって、給電用ブラシ40を収容孔33aに挿入する際には、ピグテールハーネス42の一端部42a側を、スリット39の一端開口に位置決めしておく。
次に、図9Bに示すように、給電用ブラシ40を、収容孔33aに挿入して、給電用ブラシ40の先端部40bが凹部60aの底面に突き当たるまで挿入移動させる。このとき、ピグテールハーネス42は、一端部42aがスリット39の底面39aに当接して給電用ブラシ40もそれ以上の移動が規制される。
また、給電用ブラシ40の収容孔33aへの挿入が完了した後は、圧縮コイルばね41を、第1開口部33bから収容孔33a内に挿入して、一端部41aを給電用ブラシ40の後端面40aに当接させる。
次に、図9Cに示すように、圧縮コイルばね41の他端部を、板状の押さえ治具61の先端部61aによって図中下方へばね反力に抗して押し下げる(第2工程)。
続いて、図9Dに示すように、圧縮コイルばね41を、収容孔33a内で押さえ治具61により上方から押し付けた状態で、蓋本体34aを、連結部34bを折曲点として第1開口部33b方向へ折り曲げる(第3工程)。このとき、蓋本体34aは、押さえ治具61の上面に当接するまで折り曲げられてほぼ水平の状態になる。
その後、図9Eに示すように、押さえ治具61を、圧縮コイルばね41の上端部と蓋本体34aの下面との間から引き抜く(第4工程)。
そうすると、圧縮コイルばね41は、一端部41aが蓋本体34aの下面に弾性的に当接しつつ給電用ブラシ40を凹部60a底面方向へ付勢する。この状態で、カバー部材3を、組付基台60から取り外すと、給電用ブラシ40は、後端面40a側がピグテールハーネス42を介して収容孔33a内に収容された状態になる。
つまり、ピグテールハーネス42の一端部42aが、圧縮コイルばね41の付勢力によってスリット39の底面39aに当接規制されている。このため、給電用ブラシ40は、収容孔33aの第2開口部33cから外部へ脱落することなく、そのまま収容孔33a内に保持されている。
なお、他の給電用ブラシ40も前記各工程によって同じように組み立てられる。
〔VTCの作動〕
以下、本実施形態に係るVTCの作動について簡単に説明すると、まず、機関のクランクシャフトの回転駆動に伴いスプロケット1が回転して、その回転力が内歯構成部5を介してモータハウジング14、つまり電動モータ12が同期回転する。一方、内歯構成部5の回転力が、各ローラ48から保持器45及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。
そして、機関始動後の所定の機関運転時には、コントロールユニットから各給電用ブラシ40、40や各スリップリング26a、26bなどを介して電動モータ12のコイル18aに通電される。これによって、モータ出力軸15が回転駆動され、この回転力が減速機構13を介してカムシャフト2に減速された回転力が伝達される。
すなわち、モータ出力軸15の回転に伴い偏心軸部24が偏心回転すると、各ローラ48がモータ出力軸15の1回転毎に保持器45の各ローラ保持孔45bで径方向へガイドされながら内歯構成部5の一つの内歯5aを乗り越えて隣接する他の内歯5aに転動しながら移動する。各ローラ48は、これを順次繰り返しながら円周方向へ転接する。この各ローラ48の転接によってモータ出力軸15の回転が減速されつつ従動部材9に回転力が伝達される。このときの減速比は、ローラ48の個数などによって任意に設定することが可能である。
これにより、カムシャフト2がスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換されて、吸気弁の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御するのである。
そして、本実施形態では、前述したように、各構成部品の組立時に、各給電用ブラシ40を、各先端部40b側から各ガイド部33の第1開口部33bから収容孔33aに挿入することができる。したがって、各給電用ブラシ40の挿入作業が極めて容易になり、この作業能率の向上が図れる。
すなわち、前記従来技術のように、各給電用ブラシをブラシホルダの先端開口(本実施形態の第2開口部33c)からピグテールハーネスの他端部を先に入れて、これを後端開口(透孔)から引き出しながら挿入する場合は、挿入作業が困難になる。
しかし、本実施形態では、各給電用ブラシ40を、第1開口部33bから収容孔33a内に挿入すると共に、ピグテールハーネス42を、スリット39を利用して一緒に移動させることができる。このため、斯かる挿入作業が容易になる。
特に、圧縮コイルばね41は、従来のように、ピグテールハーネス42に予め通しておくのではなく、給電用ブラシ40を収容孔33aに挿入した後に第1開口部33bから収容孔33a内に挿入する。このため、圧縮コイルばね41の組付性の煩雑化が解消されることから、この点でも組付作業が容易になる。
さらに、前述した従来の技術にあっては、組付作業において、まず、ブラシホルダの先端開口が鉛直方向上側になるように設置し、各給電用ブラシをブラシホルダの先端開口(本実施形態の第2開口部33c)から入れたピグテールハーネスの他端部を先に入れて、これを後端開口(透孔)から引き出しながら挿入する。その後、裏返してブラシホルダの後端開口が鉛直方向上側になるように設置し、ピグテールハーネスの各他端部を給電用コネクタの各端子片の他端部に例えば半田付けによって固定して電気的に接続する必要がある。
しかし、本実施形態では、カバー部材3を、ブラシホルダ29の第1開口部33bが鉛直方向上側になるように設置し、各給電用ブラシ40を、第1開口部33bから収容孔33a内に挿入した後、ピグテールハーネス42の各他端部42bを給電用コネクタ31の各端子片の他端部31aに例えば半田付けによって固定して電気的に接続できるようになっている。
つまり、ピグテールハーネス42の給電用コネクタ31の各端子片の他端部31aへの固定する側面に各給電用ブラシ40のブラシホルダ29への挿入部を構成したことによって、各給電用ブラシ40の挿入とピグテールハーネス42の接続が同一面で行うことが可能となる。これによって、樹脂部27にブラシホルダ29がモールド固定されたカバー部材3であってもカバー部材3を裏返す手間が不要となり、組付作業が容易になる。
また、前述のように、給電用ブラシ40などを収容孔33a内に収容保持した後は、ピグテールハーネス42によって給電用ブラシ40の収容孔33aからの脱落を抑制できる。このため、給電用ブラシ40は、この組立工程のみならず、組立完了後にバルブタイミング制御装置を内燃機関に取り付けるまでの間でも収容孔33aから不用意に脱落することがない。したがって、一連の組付、取り付け作業が容易になる。
さらに、ガイド部33の一端部に折り曲げ可能な蓋部34を設けるだけであるから、部品点数の削減ができると共に、全体の構造が簡素化できる。したがって、加工作業や全体の製造作業が容易になりコストの大幅な低減化が図れる。
さらには、圧縮コイルばね41を、押さえ治具61によって上から押さえ付けた状態で蓋本体34aを折り曲げて給電用ブラシ40と圧縮コイルばね41を一緒に収容孔33a内に収容保持するようになっている。このため、給電用ブラシ40と圧縮コイルばね41を、これらの一連の簡単な作業で組み立てることが可能になるので、作業能率をさらに促進できる。
また、蓋本体34aは、剛性の低い連結部34bを折曲点としていることから、この折り曲げ作業も容易になる。さらに、この連結部34bは、折り曲げの応力が集中するので、この折り曲げ時に発生する応力によって蓋本体34aやガイド部33の変形を抑制できる。
また、連結部34bは、くびれた形状に形成されていることから、第1側壁部35の一端部から折れ曲げ易い。
蓋本体34aを第1開口部33b方向へ折り曲げた後には、押さえ治具61を、隙間S1を利用して引き抜くことができるので、この引き抜き作業が容易になる。
各圧縮コイルばね41は、装置の作動中に収容孔33a内において、第2側壁部36と第3側壁部37の各内壁面に形成された各円弧面36a、37aによって摺動案内される。このため、各圧縮コイルばね41は、伸縮変形時における滑らかな摺動性が得られる。
スリット39は、第4側壁部38の端末部38a、38bの合わせ面の間に設けられている。このため、スリット39を、プレス成形時にガイド部33と一緒に成形できるので、例えば事後的に切削加工などによって形成する場合に比べてこの形成作業が容易になる。
また、ブラシホルダ29は、ガイド部33の外周面に第1、第2溝部43,44がそれぞれ形成されている。したがって、カバー部材3を樹脂モールド成形した後における樹脂部27とブラシホルダ29(ガイド部33)の外周面との結合力が大きくなる。
すなわち、樹脂部27は、ブラシホルダ29の外周面の他に、表面積が大きくなった各溝部43,44のV字形内面と樹脂部27との接触面積が大きくなる。このため、ブラシホルダ29との結合力が高くなる。特に、溶融樹脂が、各溝部43、44の鋭角なV字状底部に入り込んで楔状態で硬化することから、硬化した樹脂部27と各溝部43,44のV字形内面との間の摩擦抵抗が大きくなって結合強度(結合力)が大きくなる。
よって、カバー部材3に各ブラシホルダ29を結合した後に、各給電用ブラシ40などから伝達された振動や摺動摩擦抵抗などがあっても、樹脂部27内での各ブラシホルダ29,29のガタツキの発生や、樹脂部27から脱落するおそれがなくなる。よって、バルブタイミング制御装置の故障の発生を抑制することができる。
また、各溝部43,44は、部分的ではなく、ガイド部33のスリット39を除く全周にそれぞれに形成され、しかも、それぞれ並行かつ二連状に形成されていることから、溶融樹脂の充填量が多くなる。このため、カバー部材3の樹脂部27に対するブラシホルダ29の結合力が一層高くなる。
また、本実施形態では、各溝部43,44を、横断面V字形状に形成したことから、各溝部43,44をパンチによって成形した際に、各溝部43、44の周囲への肉逃げが少ない。したがって、各溝部43,44周りの剛性変化が少なくなる。このため、ブラシホルダ母材を、角筒状に折り曲げた際における各溝部43,44周囲の応力の発生を抑制できることから、この部位での亀裂などの発生も抑制できる。
また、本実施形態では、各給電用ブラシ40を付勢する手段として、捩りばねではなく、圧縮コイルばね41を用いたことから、ヒステリシスが捩りばねに比較して小さい。つまり、圧縮コイルばね41は、ヒステリシスが小さいことによって平均荷重が低くなることから、給電用ブラシ40の先端部の摩耗量が小さくなる。この結果、耐久性が向上する。
また、ブラシホルダ29に対する給電用ブラシ40や圧縮コイルばね41の組立作業が容易になることから、この点でもコストの低減化が図れる。
また、ピグテールハーネス42は、一端部41aを給電用ブラシ40の一側面に接続したことから、スリット39への挿通性(取り回し)が良好になると共に、装置の軸方向の長さを短くできる。
つまり、ピグテールハーネス42の一端部41aを、給電用ブラシ40の後端面40a側に接続することも可能である。しかし、このようにすると、ピグテールハーネス42の取り回しを考慮する必要があることから煩雑になる。また、装置の軸方向の長さが僅かながら長く形成しなければならない、といった不都合が生じるおそれがある。
〔第2実施形態〕
図10A,B及び図11は第2実施形態を示し、ガイド部33の基本構造は第1実施形態と同じであるが、蓋部34を第2側壁部36と第3側壁部37の各一端部に対向して2つ設けたものである。
すなわち、各蓋部34,34は、それぞれほぼT字形状に形成され、第1開口部33bを覆う一対の蓋本体34aと、該各蓋本体34aと第2、第3側壁部36,37の一端部端縁とを連結する一対の連結部34b、34bと、を有している。
各蓋本体34aは、第1側壁部35と第4側壁部38の方向に延びた長方形状に形成されて、先端縁が互いに所定隙間S2をもって対向配置されている。
各連結部34b、34bは、それぞれの幅W6、W6が、蓋本体34aの各幅W2,W2よりも狭幅に形成されて、剛性が低くなっている。
したがって、この実施形態では、給電用ブラシ40や圧縮コイルばね41を、ガイド部33の収容孔33a内に組み付けるには、以下の方法で行う。まず、給電用ブラシ40を、予め互いに立ち上がった2つの蓋本体34a,34間から第1開口部33bを介して収容孔33a内に挿入する。その後、圧縮コイルばね41を同じ方向から収容孔33a内に収容する。
次に、図外の長方板状の押さえ治具を、両方の蓋本体34a,34aの間に配置しながら圧縮コイルばね41の一端部41aをばね反力に抗して給電用ブラシ40方向へ押し付ける。
次に、各蓋本体34a、34aを、各連結部34b、34bを折曲点として互いに第1開口部33b方向へ水平に折曲する。
その後、押さえ治具を引き抜けば、各圧縮コイルばね41によって各給電用ブラシ40が前方に付勢される。なお、このとき、図外のピグテールハーネスの一端部が、スリット39の底面39aに当接して給電用ブラシ40の収容孔33aからの脱落が抑制されることは、第1実施形態と同じである。
したがって、この第2実施形態も第1実施形態と同じく組付作業能率の向上などの作用効果が得られる。
〔第3実施形態〕
図12〜図14は第3実施形態を示し、ガイド部33の基本構造は第1実施形態と同じであるが、異なるところは、ガイド部33と蓋部34を別体に設けたところにある。
すなわち、ガイド部33は、図12に示すように、蓋部34を一体に有することなく単独で形成され、第1〜第4側壁部35〜37やスリット39などを有している。また、このガイド部33は、第2側壁部36と第3側壁部37の各一端部(図12中、各上端部)に係り止め孔36b、37bがそれぞれ設けられている。この各係り止め孔36b、37bは、各側壁部36、37の膨出壁に対して幅方向に沿って長方形状に形成され、外壁面から内壁面を貫通形成されている。
一方、蓋部34は、例えば合成樹脂材あるいは金属材によって一体に形成され、図13及び図14に示すように、第1開口部33bを覆う形で第2、第3側壁部36,37方向に延びた長方形状に形成された平板状の蓋本体34a、34aと、該蓋本体34a、34aから第2、第3側壁部36、37方向へ湾曲状に折曲形成された一対の連結部34b、34bと、を有している。
各蓋本体34a、34aは、各連結部34b、34bと連続して形成されて、その幅W2が第2、第3側壁部36,37の幅W、Wよりも小さく設定されている。
各連結部34bは、各蓋本体34aとの連結部位を支点として開閉方向へ変形可能に形成されている。また、各連結部34bは、それぞれの対向する下部内端縁に各係り止め孔36b、37bに外側から係り止めする爪部34d、34dが一体に設けられている。この各爪部34d、34dは、側面視ほぼ三角形状にそれぞれ形成されて、各係り止め孔36b、37bの内端壁に外側から弾性クリップ状に係り止めされるようになっている。各爪部34dは、それぞれの下面34eが外側から内側に向かって下り傾斜状に形成されている。
そして、各ブラシホルダ29内に各給電用ブラシ40を保持するには、図14に示すようになっている。まず、各給電用ブラシ40を、ピグテールハーネスの一端部42aをスリット39に挿通しつつガイド部33の第1開口部33bから収容孔33a内に挿入する。その後、ガイド部33や給電用ブラシ40を、図外の組立基台の所定上面に載置保持する。この状態で、圧縮コイルばね41の他端部41bを、給電用ブラシ40の後端面40aに当接させながら第1開口部33bから収容孔33a内に挿入する。
次に、蓋部34を持って、蓋本体34aの下面を圧縮コイルばね41の一端部41aに当接させながらそのまま押し下げて圧縮コイルばね41を圧縮変形させる。と同時に、各連結部34b、34bの傾斜状下面34e、34dを、第2、第3側壁部36,37の上端縁に当接させながら蓋部34をさらに押し込む。そうすると、両連結部34b、34bは、各連結部位を中心に互いに開く方向へ変形しつつ各爪部34d、34dが各係り止め孔37b、37bに位置すると、自身の弾性復帰力によって閉じ方向へ変形する。これによって、各爪部34d、34dは、各上面が各係り止め孔37b、37b内上壁下面に係り止めされる。つまり、蓋部34は、図14Bに示すように、圧縮コイルばね41のばね力によって図中上方向へ付勢されることにより、各爪部34d、34dの上面が各係り止め孔37b、37bの上壁下面に弾性的に係り止めされる。
これによって、ガイド部33に対する蓋部34の取り付け作業がワンタッチで完了する。その後、ブラシホルダ29を組立基台から取り外すと、給電用ブラシ40は、圧縮コイルばね41のばね力によって前方へ押し出されるがピグテールハーネス42の一端部42aがスリット39の底面39aに当接してそれ以上の移動が規制される。
したがって、各給電用ブラシ40は、収容孔33a内に保持された状態が維持されて、ブラシホルダ29からの不用意な脱落を抑制できる。
他の構成は、第1実施形態と同じであるから、該第1実施形態と同様な作用効果が得られる。
〔第4実施形態〕
図15は請求項13に対応する第4実施形態を示し、この実施形態では、蓋部34として前述したカバー部材3のキャップ部30を用いたものである。
具体的に説明すれば、ブラシホルダ29は、ガイド部33とキャップ部30と、によって構成されている。
ガイド部33は、第1実施形態と同じ構成であり、第1側壁部35〜第4側壁部38を有し、収容孔33a内には、給電用ブラシ40と圧縮コイルばね41が収容保持されるようになっている。
キャップ部30は、ガイド部33に対応した位置に外方へ膨出した膨出部30bが一体に設けられている。この膨出部30bは、ほぼ深皿状に形成されて、底面30cが圧縮コイルばね41の一端部41aに弾性的に当接している。
したがって、各ブラシホルダ29内に各給電用ブラシ40を保持するには、予めカバー部材3に樹脂モールド固定された各ガイド部33に各給電用ブラシ40を組み付けるようになっている。
すなわち、まず、各給電用ブラシ40を、ピグテールハーネスの一端部42aをスリット39に挿通しつつガイド部33の第1開口部33bから収容孔33a内に挿入する。その後、この状態で、圧縮コイルばね41の他端部41bを、給電用ブラシ40の後端面40aに当接させながら第1開口部33bから収容孔33a内に挿入する。
次に、キャップ部30を持って、膨出部30bをガイド部33に位置決めしつつ該膨出部30bの底面30cを、圧縮コイルばね41の一端部41aに当接させつつばね反力に抗して押し込む。これと同時に、カバー部材3の固定用溝3fにキャップ部30の嵌着部30aを軸方向から押し込み嵌合させる。これによって、給電用ブラシ40と圧縮コイルばね41の他端部41b側は、収容孔33a内に簡単に収容保持される。
このように、本実施形態では、蓋部34としてキャップ部30を利用したことから、部品点数の削減が図れ、製造作業が容易になる。しかも、キャップ部30を、カバー部材3に対してワンタッチで取り付けられ、かつ同時に給電用ブラシ40などの収容保持することができるので、給電用ブラシ40などの組付作業も容易になる。
他の構成は、第1実施形態と同じであるから、同様な作用効果が得られる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、ブラシホルダ29のガイド部33の形状を、角筒状ではなく円筒状や、さらに異なる多角形に形成することも可能である。
また、各溝部43,44を設けることによって樹脂部27との十分な結合強度を確保できるが、必ずしも、溝部43,44を設ける必要はない。
また、第1実施形態におけるブラシホルダ29の連結部34bの剛性を低くする手段として、狭幅ではなく幅は同じくして肉厚を小さくすることも可能である。また、連結部34b自体を部分的に剛性の低い例えばアルミ合金材などによって形成することも可能である。
さらに、溝孔として記載した第3実施形態の各係り止め孔36b、37bは、貫通孔ではなく、有底状の溝部によって形成することも可能である。
各実施形態では、駆動回転体としてスプロケット1に適用したものを示したが、タイミングプーリに適用することも可能である。
以上説明した実施形態に基づく内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
その一つの態様において、クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトと一体に回転する従動回転体と、前記駆動回転体に設けられ、出力軸を回転させることによって前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を変更する電動モータと、前記電動モータに配置されたスリップリングと、
前記電動モータに対向して配置され、樹脂部を有する保持部材であって、
先端部が前記スリップリングに当接し、一側面から延びた導線を介して外部電源に接続される給電用ブラシと、外周が前記樹脂部に固定されて、内部に前記給電用ブラシを摺動可能に案内する筒状のガイド部と、該ガイド部の長手方向の前記スリップリングと反対側の一端部から他端部へ向けた方向に設けられて前記導線が入り込むスリットと、前記ガイド部の一端部に設けられて、前記一端部の開口を覆う蓋部と、を有するブラシホルダと、前記ガイド部の内部に配置され、前記蓋部を介して前記給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する圧縮コイルばねと、を有する保持部材と、
を備えている。
さらに好ましくは、前記蓋部は、前記圧縮コイルばねの軸方向の一端部が当接する板状の本体と、該本体とガイド部の一端部とを結合し前記本体よりも曲げ剛性の低い連結部と、を有している。
この発明の態様によれば、連結部が折り曲げの折曲点となるので、折り曲げ加工が容易になる。また、この連結部は、折り曲げの応力が集中するので、折り曲げ時においてガイド部や本体の変形が抑制できる。
さらに好ましくは、前記連結部は、前記本体よりも幅が狭く形成されている。
さらに好ましくは、前記ガイド部は、角筒状に形成されて、内面に前記給電用ブラシが摺動する摺動面を有し、前記連結部が結合される第1側壁部を含み、前記連結部の幅は、前記第1側壁部の幅よりも狭くなっている。
この発明の態様によれば、連結部がくびれている形状であるから、第1側壁部の外端縁から折り曲げやすい。
さらに好ましくは、前記本体の幅は、前記第1側壁部の幅よりも狭くなっている。
この発明の態様によれば、本体の幅を狭くしたことによって、ブラシホルダをカバー部材の樹脂部にモールド固定した後に、成形金型を離型する際に該成形金型が本体に引っ掛からずに外すことが可能になる。
さらに好ましくは、前記本体は、前記ガイド部の前記第1側壁部以外の側壁部との間に、隙間を有している。
したがって、蓋本体を連結部からガイド部の開口側へ折り曲げた後に、圧縮コイルばねを予め押さえ付ける治具を前記隙間から引き抜くことができる。このため、折り曲げ作業が容易になる。
さらに好ましくは、前記スリットは、前記ガイド部の前記一端部の開口端から前記他端部に渡って直線状に形成されていると共に、前記他端部側に前記導線の最大移動位置を規制する底面を有している。
さらに好ましくは、前記給電用ブラシは、この給電用ブラシの長手方向に対する直角断面が四角状に折曲形成され、前記ガイド部は、内面に前記給電用ブラシが摺動する摺動面を有し、前記連結部が一体に形成されている第1側壁部と、該第1側壁部と周方向の両端縁に連結している第2側壁部及び第3側壁部と、該第2側壁部と第3側壁部の各側端縁に連結されて、この第2、第3側壁部から突出した2つの壁部を突き合わせて形成され、前記第1側壁部と対向する第4側壁部とを有し、前記スリットは、第4側壁部の突き合わせ部に形成されている。
この発明の態様によれば、第4側壁部は、四角形に折り曲げられた板部材の周方向から突き合わせた端末部よって形成されており、この対向端末部の合わせ面の間にスリットを形成したことから、プレス成形によってガイド部と一緒に成形することが可能になる。
さらに好ましくは、前記第2、第3側壁部は、それぞれの対向する内壁面に前記圧縮コイルばねを摺動可能に案内する円弧面を有している。
この発明の態様によれば、圧縮コイルばねが、両円弧面によって案内されることによって、圧縮コイルばねの倒れを抑制することが可能になる。
さらに好ましくは、前記給電用ブラシは、この給電用ブラシの長手方向に対する直角方向の横断面形状が四角形に形成され、前記ガイド部は、長手方向に対する直角方向の横断面形状が前記給電用ブラシの外形に沿って四角形の筒状に形成されて第1〜第4の4つの側壁部を有し、
前記ガイド部の一端部に設けられた蓋本体は、前記第1〜第4側壁部のうち、第2側壁部と該第2側壁部に対向する第3側壁部のそれぞれの端縁に一つずつ設けられ、該2つの蓋本体が互いに対向配置されている。
さらに好ましくは、前記2つの蓋本体は、対向する先端縁の間に隙間が形成されている。
さらに好ましくは、前記蓋本体は、前記ガイド部と別体に設けられ、前記ガイド部の一端部に形成された溝あるいは孔に係り止めされる爪部を有し、前記爪部と前記溝あるいは孔を介して前記ガイド部に固定されている。
別の好ましい態様としては、クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトと一体に回転する従動回転体と、前記駆動回転体に設けられ、出力軸を回転させることによって前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を変更する電動モータと、前記電動モータに配置されたスリップリングと、
前記電動モータに対向して配置され、樹脂部を有する保持部材であって、先端部が前記スリップリングに当接し、一側面から外側へ延びた導線を介して外部電源に接続される給電用ブラシと、外周が前記樹脂部に固定されて、内部に前記給電用ブラシを摺動可能に案内する筒状のガイド部と、該ガイド部の長手方向の一端部から前記スリップリング側の他端部方向に沿って設けられて前記導線が入り込むスリットと、を有するブラシホルダと、
前記樹脂部に着脱可能に設けられ、前記ブラシホルダを含む電子部品を覆うと共に前記ガイド部の一端部開口を覆うキャップ部と
前記ガイド部の内部に配置され、前記キャップ部を介して前記給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する圧縮コイルばねと、
を有する保持部材と、を備えている。
さらに、バルブタイミング制御装置の製造方法の好ましい態様としては、クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトと一体に回転する従動回転体と、前記駆動回転体に設けられ、出力軸を回転させることによって前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を変更する電動モータと、前記電動モータに配置されたスリップリングと、前記電動モータに対向して配置される保持部材と、を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法であって、
筒状のガイド部と前記ガイド部の長手方向の一端部から延びた蓋本体とを有するブラシホルダを、前記保持部材の樹脂部にモールド固定する第1工程と、 先端部が前記スリップリングに当接する給電用ブラシ及び前記給電用ブラシの後端部に当接して付勢力を付与する圧縮コイルばねを、前記ガイド部の前記一端部開口から内部に挿入する第2工程と、前記圧縮コイルばねを前記ガイド部内に押し込みながら前記蓋本体を前記ガイド部の前記一端部開口を覆うように折り曲げる第3工程と、を備えている。
さらに、別の好ましい態様として、外周が樹脂材によって固定されて、内部に先端部がスリップリングに当接する給電用ブラシを摺動可能に案内する筒状のガイド部と、前記ガイド部に設けられて、前記給電用ブラシの一側面から伸びた導線が通るスリットと、前記ガイド部の長手方向の一端部に設けられ、該一端部の端縁から該一端部の開口を閉じるように折り曲げられた蓋本体と、を有するブラシホルダと、前記ガイド部の内部に配置され、前記蓋本体を介して前記給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する圧縮コイルばねと、を備えている。
1…タイミングスプロケット(駆動回転体)、1a…スプロケット本体、2…カムシャフト、3…カバー部材(保持部材)、4…位相変更機構、9…従動部材(従動回転体)、12…電動モータ、15…モータ出力軸、25a・25b…切換用ブラシ、26a・26b…給電用スリップリング、29…ブラシホルダ、30…キャップ部、33…ガイド部、33a…収容孔、33b…第1開口部(一端部開口)、33c…第2開口部(他端部開口)、34…蓋部、34a…蓋本体、34b…連結部、34c…爪部、35〜38…第1側壁部〜第4側壁部、37a・38a…内壁面の円弧面、39…スリット、39a…底面、40・40…第1、第2給電用ブラシ、41…圧縮コイルばね、41a…一端部、41b…他端部、42…ピグテールハーネス(導線)、42a…一端部、S1…隙間、S2…所定隙間。

Claims (15)

  1. クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、
    カムシャフトと一体に回転する従動回転体と、
    前記駆動回転体に設けられ、出力軸を回転させることによって前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を変更する電動モータと、
    前記電動モータに配置されたスリップリングと、
    前記電動モータに対向して配置され、樹脂部を有する保持部材であって、
    先端部が前記スリップリングに当接し、一側面から延びた導線を介して外部電源に接続される給電用ブラシと、
    外周が前記樹脂部に固定されて、内部に前記給電用ブラシを摺動可能に案内する筒状のガイド部と、該ガイド部の長手方向の前記スリップリングと反対側の一端部から他端部へ向けた方向に設けられて前記導線が入り込むスリットと、前記ガイド部の前記一端部に設けられて、前記一端部の開口を覆う蓋部と、を有するブラシホルダと、
    前記ガイド部の内部に配置され、前記蓋部を介して前記給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する圧縮コイルばねと、
    を有する保持部材と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記蓋部は、前記圧縮コイルばねの軸方向の一端部が当接する板状の本体と、該本体とガイド部の一端部とを結合し前記本体よりも曲げ剛性の低い連結部と、を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記連結部は、前記本体よりも幅が狭いことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ガイド部は、角筒状に形成されて、内面に前記給電用ブラシが摺動する摺動面を有し、前記連結部が結合される第1側壁部を含み、
    前記連結部の幅は、前記第1側壁部の幅よりも狭いことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記本体の幅は、前記第1側壁部の幅よりも狭いことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記本体は、前記ガイド部の前記第1側壁部以外の側壁部との間に、隙間を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  7. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記スリットは、前記ガイド部の前記一端部の開口端から前記他端部に渡って直線状に形成されていると共に、前記他端部側に前記導線の最大移動位置を規制する底面を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記給電用ブラシは、この給電用ブラシの長手方向に対する直角断面が四角状に折曲形成され、
    前記ガイド部は、内面に前記給電用ブラシが摺動する摺動面を有し、前記連結部が一体に形成されている第1側壁部と、該第1側壁部と周方向の両端縁に連結している第2側壁部及び第3側壁部と、該第2側壁部と第3側壁部の各側端縁に連結されて、この第2、第3側壁部から突出した2つの壁部を突き合わせて形成され、前記第1側壁部と対向する第4側壁部とを有し、
    前記スリットは、第4側壁部の突き合わせ部に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記第2、第3側壁部は、それぞれの対向する内壁面に前記圧縮コイルばねを摺動可能に案内する円弧面を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  10. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記給電用ブラシは、この給電用ブラシの長手方向に対する直角方向の横断面形状が四角形に形成され、
    前記ガイド部は、長手方向に対する直角方向の横断面形状が前記給電用ブラシの外形に沿って四角形の筒状に形成されて第1〜第4の4つの側壁部を有し、
    前記ガイド部の一端部に設けられた蓋部は、前記第1〜第4側壁部のうち、第2側壁部と該第2側壁部に対向する第3側壁部のそれぞれの端縁に一つずつ設けられ、該2つの蓋部が互いに対向配置されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  11. 請求項10に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記2つの蓋部は、対向する先端縁の間に隙間が形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  12. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記蓋部は、前記ガイド部と別体に設けられ、前記ガイド部の一端部に形成された溝あるいは孔に係り止めされる爪部を有し、前記爪部と前記溝あるいは孔を介して前記ガイド部に固定されることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  13. クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、
    カムシャフトと一体に回転する従動回転体と、
    前記駆動回転体に設けられ、出力軸を回転させることによって前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を変更する電動モータと、
    前記電動モータに配置されたスリップリングと、
    前記電動モータに対向して配置され、樹脂部を有する保持部材であって、
    先端部が前記スリップリングに当接し、一側面から外側へ延びた導線を介して外部電源に接続される給電用ブラシと、
    外周が前記樹脂部に固定されて、内部に前記給電用ブラシを摺動可能に案内する筒状のガイド部と、該ガイド部の長手方向の一端部から前記スリップリング側の他端部方向に沿って設けられて前記導線が入り込むスリットと、を有するブラシホルダと、
    前記樹脂部に着脱可能に設けられ、前記ブラシホルダを含む電子部品を覆うと共に前記ガイド部の一端部開口を覆うキャップ部と
    前記ガイド部の内部に配置され、前記キャップ部を介して前記給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する圧縮コイルばねと、
    を有する保持部材と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  14. クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトと一体に回転する従動回転体と、前記駆動回転体に設けられ、出力軸を回転させることによって前記駆動回転体と従動回転体の相対回転位相を変更する電動モータと、前記電動モータに配置されたスリップリングと、前記電動モータに対向して配置される保持部材と、を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法であって、
    筒状のガイド部と前記ガイド部の長手方向の一端部から延びた蓋部とを有するブラシホルダを、前記保持部材の樹脂部にモールド固定する第1工程と、
    先端部が前記スリップリングに当接する給電用ブラシ及び前記給電用ブラシの後端部に当接して付勢力を付与する圧縮コイルばねを、前記ガイド部の前記一端部開口から内部に挿入する第2工程と、
    前記圧縮コイルばねを前記ガイド部内に押し込みながら前記蓋部を前記ガイド部の前記一端部開口を覆うように折り曲げる第3工程と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置の製造方法。
  15. 外周が樹脂材によって固定されて、内部に先端部がスリップリングに当接する給電用ブラシを摺動可能に案内する筒状のガイド部と、前記ガイド部に設けられて、前記給電用ブラシの一側面から伸びた導線が通るスリットと、前記ガイド部の長手方向の一端部に設けられ、該一端部の端縁から該一端部の開口を閉じるように折り曲げられた蓋部と、を有するブラシホルダと、
    前記ガイド部の内部に配置され、前記蓋部を介して前記給電用ブラシを前記スリップリング方向へ付勢する圧縮コイルばねと、
    を備えたことを特徴とする給電用ブラシの保持構造体。
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