JP2021138279A - ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)は、運転者がサイドブレーキレバーを引くことでワイヤ・ピストンを介して直接ブレーキロータへパッドを押さえつけることで、駐車時等に車輪をロックさせる仕組み等がある。
上記のようなフットブレーキは、ブレーキ液配管内部に満たされているブレーキ液圧を利用して制動力を確保している。この為、例えば、下り坂や急加減速が続いてフットブレーキの使用が続くと、ブレーキロータが過熱されてブレーキ液が気化することで液圧を確保できなくなり、フットブレーキを踏んでも制動力を得られないことが起きる(ベーパーロック現象)。またブレーキブースターが故障したりエンジン負圧が確保できなくなったりすると十分な制動力を得ることができなくなる。
このような場合に制動できるようにすることが求められるが、例えば下記特許文献1には液圧式ブレーキがフェードした場合に制動力低下量に応じて例えば電動パーキングブレーキ機構などの電動式ブレーキによる制動を得る技術が開示されている。
しかし、走行中でもEPB強制駆動可能であることは一般的に認知されておらず、運転者は通常のブレーキ(フットブレーキ)が何らかの理由で機能しなくなった時に、EPBを用いて緊急で車両に制動をかけることができないことが多いと考えられる。
また、EPBにより緊急で制動力を確保できることを運転者が認知していたとしても、走行中にフットブレーキが機能しない状況下で、咄嗟の判断によりEPBを操作(ボタンを長押し)して緊急制動力をかけることは難しい。加えて、EPBによる緊急制動制御は一般的には通常のフットブレーキよりも制動性能が劣る為、運転者が早期に修理することが望ましい。
そこで本発明は、EPBを利用した制動が適切に実現できるようにするとともにEPBによる緊急制動が異常状態であることを運転者に通知し早期修理を促すことを目的とする。
即ち電動パーキングブレーキ機構の制御において、油圧機構によるフットブレーキ異常が検知されたときに、ブレーキペダルのストロークセンサの検出値、即ち要求制動力に応じて電動パーキングブレーキ(EPB)を動作させる。
即ち、単純に要求制動力に応じた制動力がかかるようにEPB制御を行うのではなく、要求制動力に応じていながら例えば周期的に制動力が変化するような制動がかけられるようにする。
例えば運転者が周期的な脈動を感じるような制動がかけられるようにする。
即ち制動力パターンを切り替える場合の閾値としては制動力の上昇時と低下時とで異なる閾値が用いられるようにする。
例えば運転者がブレーキペダルを強く踏み込んだ急制動のときは、第2ロジック部による制動力パターンで急制動がかけられるようにし、それ以外では、第1ロジック部による制動力パターンが用いられるようにする。
EPBにより制動がかけられている状態では、停車していれば音は発生させないが、車両が走行することで異音(例えば通常のパッドの摩擦による音とは異なる音)を発生させる機構を備えるようにする。
実施の形態のブレーキ装置について以下説明していく。
実施の形態のブレーキ装置は、EPBシステムが採用されている車両に適用できるものであり、フットブレーキが効かない事象の発生時にフェールセーフ(F/S)としてブレーキペダル操作に応じてEPBモータを駆動させて緊急で制動力を確保するものである。
図1にはブレーキペダル1、ストロークセンサ2、ブレーキブースター3、ブレーキ配管4、液室5、ブレーキパッド機構6、EPBモータ7、EPBパッド機構部8、ブレーキロータ9、EPBボタン10、EPB制御ユニット11、センサ12を示している。
このフットブレーキ機構では、ブレーキペダル1による踏み込み量に応じた液圧がブレーキパッド機構部6に与えられ、これによりパッド6aがブレーキディスク9に押しつけられることで制動力が与えられる。ブレーキブースター3はブレーキフルードの液圧を高める作用をなす。
なお本実施の形態のフットブレーキ機構は、ブレーキペダル1の踏み込み量に直接対応して液圧を印加する機械的な構成でもよいし、ストロークセンサ2で検出したブレーキペダル1のストローク量に応じてコントローラが液圧制御を行って制動力を調整するタイプのものでもよい。
但しいずれであっても、本実施の形態ではブレーキペダル1についてのストロークセンサ2は備えるものとする。後述するEPB制御に用いるためである。
EPB制御ユニット11は例えばマイクロコンピュータにより構成され、ソフトウエアに基づく処理として、自動EPB制御を実現する。このEPB制御ユニット11は、基本的には、運転者によるEPBボタン10の操作を検知することに応じて、EPBモータ7を駆動し、EPBパッド機構部8による制動を実行させるコントローラである。
EPBパッド機構部8は、EPBモータ7によってパッド8aをブレーキディスク9に押しつける動作を行う機構である。
またEPB制御ユニット11には、センサ12として各種のセンサの検出値が入力される。センサ12としては、例えば車両に設けられる勾配センサ、速度センサ、加速度センサなどが想定される。またEPB制御ユニット11にはEPBモータ7に取り付けられたモータ角度センサの検出値が入力される。
図1では運転者のブレーキペダル1の踏み込み量(矢印BK0)に応じた液圧機構の作用により、ブレーキパッド機構部6のパッド6aがブレーキディスク9に押しつけられる状態(矢印BK1)を模式的に示している。
これに対して図2は、フットブレーキ機構にベーパーロック現象やブレーキブースターの故障などの異常で、十分な制動力を得ることができなくなったときに、運転者のブレーキペダル1の踏み込み量(矢印BK0)に応じて、EPB制御ユニット11によるEPBモータ7の駆動制御により、EPBパッド機構部8のパッド8aがブレーキディスク9に押しつけられる状態(矢印BK2)を模式的に示している。
図2のような動作を実現するために、EPB制御ユニット11は図3に示す機能を備える。即ちフットブレーキ異常検知部21、要求制動力算出部22、F/S遷移認知ロジック部23、急制動ロジック部24、モータトルク算出部25である。これらの機能はマイクロコンピュータであるEPB制御ユニット11内でソフトウエア処理により実現される。
フットブレーキ機構により制動をかけることができない事象の検知手段は、ブレーキペダル1の角度、勾配値・減速度・EPBモータ角度などから判断することが考えられる。
・ベーパーロック発生時
この場合、車輪軸付近のブレーキフルードの配管4の内部に気泡が発生する為、少ない踏力で深い角度までブレーキペダル1を踏み込めるようになる。従って通常時よりもブレーキペダル1の踏み込み速度が速くなること、踏み込む最大ペダル角度が通常使用範囲を脱することで、ベーパーロックによる異常が検知可能である。
負圧系統やブレーキブースター3の故障が原因となる場合、ブレーキペダル1の角度が変化している(ブレーキペダルが踏まれている)にもかかわらず、負圧センサやブレーキブースター3の内部のストロークセンサの値が変化しないことにより、異常を検出可能である。
例えば勾配センサによる勾配値により下り坂であることを検出できる場合、現在のブレーキペダル1の操作が下り坂にふさわしい状態であるか否かの判定が可能である。緩やかな下りにも関わらずブレーキペダル1のストローク量が大きい場合は、フットブレーキ機構の異常と考えることができる。
また減速度を参照する場合、ブレーキペダル1のストローク量に応じたほどの減速度が生じていない場合もフットブレーキ機構の異常と考えることができる。
急制動ロジック部24は、急制動が必要とされたときに制動力パターンを設定する。例えば急制動ロジック部24は、ABS(Anti-lock Braking System)と同様に断続的な制動印加を行うブレーキ制御を行うように制動力パターンを設定する。
本実施の形態では、フットブレーキ機構の異常時に自動的にEPBによる制動がかけられることで安全性を向上させるが、この状況を運転者に認知させることが望ましい。
図2のような状況でのEPBによる制動は、フットブレーキ機構と同様に運転者のブレーキペダル1の操作に応じて発動される。
このようにフットブレーキ機構の代わりにEPBシステムの介入により制動力を確保した場合、運転者はフットブレーキ機構の故障に気付かずにそのまま走行を続けてしまい、急ブレーキが必要な状況下で適切に制動をかけられなかったり、コーナリング中に不安定な制動がかかり危険な状態となったりする恐れがある。
ここでは、制動に強弱をつける手法について説明していく。
ここで、運転者の要求制動力通りにそのままEPBモータを駆動させるのではなく、一定の周期で制動力に強弱をつけることで、要求制動力を確保しつつF/Sに移行していることを運転者に認知させる。
例えば走行中に、少し先の信号機が赤であり、運転者が浅くブレーキを踏んでゆっくり減速、停車していく時などが想定される。
このような場合で要求制動力が小さい時は、車両の減速度はあまり出ていない(車速変化が小さい)ので、制動力パターンPAは、図示のように、制動力を大きくする瞬間が周期的に発生するようにする。例えば周期T毎に、制動力を変動量Δfだけ上昇させる。
例えば走行路として直線が続いた後に、急カーブに侵入していく時(急ブレーキではない)時などを想定する。
このような場合で要求制動力が大きい時は、制動力パターンPBは、図示のように、制動力を小さくする瞬間が周期的に発生するようにする。例えば周期T毎に、制動力を変動量Δfだけ低下させる。
この場合、運転者は大きく速度を落としたいので、車両には大きな減速度が発生している。大きな制動力を要求(あるいは発生)している最中に突然制動が抜ける(減速感が一瞬だけ抜ける)と、運転者は急な制動力抜けに危機感を覚え、即座に違和感が生じる。
この使い分けのための閾値f1について説明する。
但し、運転者がブレーキペダル1の操作を行った当初は、この閾値f1を用いた選択でよいが、運転者はブレーキペダル1を踏んでいる間、途中でブレーキを踏み増したり、逆に弱めたりすることもある。そのため、制動力パターンPA、PBの切り替えが必要になることもある。
そこで、要求制動力が変化する場合は、切替判定に用いる閾値(切替閾値)として図5Aに示す閾値f2や図5Bに示す閾値f3を用いるようにし、急な挙動変化を避ける。
まず周期Tについて述べる。
制動力の強弱の周期(図4A、図4Bの周期T)は、運転者が減速度の変化を体感できる程度の時間を設定する。
周期が短すぎると運転者は感知しにくくなると想定される。
逆に周期が長すぎても、例えば前に車が割り込んできた時に数秒だけブレーキを踏んでも、その間に制動力の強弱が感じられないということが想定される。
そこで周期Tは、強弱を体感できるとともに長すぎない範囲とすることやよい。具体的には0.5秒から2秒程度の間が考えられる。但し、この範囲に限られるものではない。
制動力に周期的な強弱(脈動)を持たせると、平均制動力と運転者の要求制動力が一致しない。即ち、運転者が思っていた以上にブレーキがかかり過ぎることや、予想よりもブレーキがかからないといったことが起こり得る。 その為、図6A、図6Bのように、平均した制動力が運転者のブレーキペダル1の操作による要求制動力と一致するよう、オフセット量OFを決定する。
要求制動力RQBが閾値f1より低く、制動力パターンPAを適用する場合、その制動力パターンPAは図6Aのように、制動力が、要求制動力RQBよりオフセット量OFだけ低い状態から周期的に要求制動力RQBを越えるパターンとされる。
要求制動力RQBが閾値f1より高く、制動力パターンPBを適用する場合、その制動力パターンPBは図6Bのように、制動力が、要求制動力RQBよりオフセット量OFだけ高い状態から周期的に要求制動力RQBを下回るパターンとされる。
このようにすることで、脈動するパターンでありながら、要求制動力に応じた制動制御を行うことができるようになる。
運転者がブレーキペダル1の操作で急制動をかけるような場合、制動力パターンPA、PBによるEPBモータ7の制御では制動力は不十分と考えられる。
そのような場合は、急制動ロジック部24により強い制動力の制動力パターンが設定され、モータトルク算出部25によって急制動のためのEPBモータ7の駆動が行われる。
そこで、急制動が必要な状況下では、F/S遷移ロジック部24によるロジックを入れず、急制動ロジック25を介入させてABSと同様の制御を入れることでタイヤロック・スリップを防ぎ乗員の安全を確保するようにする。
以上のような動作のためのEPB制御ユニット11の処理例を図7に示す。
図7は、EPB制御ユニット11がフットブレーキ機構の異常を検知した時に実行される処理例である。
この処理は、EPB制御ユニット11がストロークセンサ2の検出値のサンプリング周期毎に、運転者によってブレーキペダル1が操作されている限り、繰り返し行われるものとなる。
この場合、例えば急激かつ大きなストローク量の変化であるか否かを判定することになる。ストロークセンサ2の検出値だけでなく、例えばGセンサ、ステアリング角度センサ、など、他のセンサやそれらを併用した判定で、急制動のためのブレーキ操作であるか否かを判定してもよい。
この場合、まずEPB制御ユニット11はステップS103で、前回の要求制動力=0であるか否かを判定する。即ち、現在、ブレーキペダル1の踏み込みを検知してステップS103に進んだ最初の時点であるか否かを判定する。
そしてEPB制御ユニット11は、要求制動力<閾値f1であればステップS108に進み、制動力パターンPAを適用する。
また要求制動力<閾値f1でなければEPB制御ユニット11はステップS109に進み、制動力パターンPBを適用する。
制動力パターンPA又は制動力パターンPBが適用されることで、EPB制御ユニット11ではそれに応じたモータトルクが算出され、EPBモータ7が駆動されて制動がかけられる。
制動力パターンPAの適用中であれば、EPB制御ユニット11はステップS106に進み、今回の要求制動力と閾値f2を比較し、要求制動力<閾値f2であればステップS108に進んで、引き続き制動力パターンPAを適用する。
要求制動力は運転者のブレーキペダル1の操作に応じたものであり、刻々と変化する。ステップS108では、ステップS101で検知した直近の要求制動力を基準に、図6Aで説明したオフセット量OFを設定して制動力を指定するものとする。
つまり図6Aの波形で示す制動力パターンPAは、要求制動力の変化に応じて上下にシフトすることになる。
ところで、制動の強弱パターン以外に、異音を発生させることにより、運転者にフェールセーフ状態を認識させるようにしても良いと述べた。
例えばこのためには、EPBパッド機構部8のパッド8aによって異音を発生させる手法が考えられる。
公知のとおりパッドウエアインジケータは、ブレーキパッド内に埋め込まれ、パッドが消耗することで表出し、ブレーキディスクと接触して異音を発生させる。
EPBは本来停車中に制動力を印加するものであるため、パッドウエアインジケータが表出し、ブレーキディスク9に接触していても、ブレーキディスク9は回転しないため異音は発生しない。
一方で、F/SとしてEPB制御が自動的に行われる場合は、走行中であるため、パッドウエアインジケータとブレーキディスク9が擦れ合って、異音(金属音)を発生させることになる。
これにより運転者は、ブレーキペダル1の操作時にEPB制御によって制動がかけられている状態(フットブレーキ機構が異常な状態)を認識できるようになる。
以上の実施の形態の効果を述べる。
実施の形態のブレーキ装置は、フットブレーキ用のブレーキペダルの踏み込み量を検出するストロークセンサ2と、EPB機構による制動を行わせるEPBモータ7と、フットブレーキ機構の異常を検知するフットブレーキ異常検知部21と、フットブレーキ異常検知部21によって異常が検知された場合に、ストロークセンサ2の検出値に応じて要求制動力を算出する要求制動力算出部22と、EPBモータ7のトルクを要求制動力算出部22で算出された要求制動力に応じて算出するモータトルク算出部25を備える。
フットブレーキ機構の異常時に自動的にEPBを作動させることで、緊急で車両の制動力を確保でき、衝突等の危険を回避することができ、安全性を格段に向上させることができる。
またストロークセンサ2の検出値、つまり運転者のブレーキペダル1の操作による要求制動力に応じた制動力で制動をかけるようにEPBを動作させるものであるため、均一な制動力ではなく、状況、即ち運転者のブレーキペダル1の踏み込み量に応じた適切な制動力を発生させることができる。
F/S遷移認知ロジック23により設定される制動力パターンPA,PBにより、運転者にとっては、ブレーキペダル1を踏み込んでいるときにブレーキの懸かり具合が変化するような違和感が生じるようになる。これは運転者に、フェールセーフ状態に遷移したことを感知させるものとなる。運転者はフェールセーフ遷移の感知によりフットブレーキ機構の異常を認識し、対処を行うことができる。
つまりフットブレーキ機構が機能しない状態のまま運転者が走行を続けることを避ける(退避走行を促す)ことができ、乗員の安全を確保できる。
特にフットブレーキ機構の異常時に自動的にEPBで制動がかけられたことは、例えば運転席前面表示パネルなどに表示させるようにしてもよいが、運転中に運転者が常に表示パネルを見ているわけではないし、殆ど見ない運転者もいる。そのため体感的に違和感を与えることはフェールセーフ遷移を認識させることに有用となる。
なお、制動力が変化しつつも、要求制動力に応じた制動力が得られるようにするには、例えば0.5秒から2秒程度の周期で、制動力を変化させ、1周期で積分的に要求制動力と同等の制動力が与えられるような制御を行うことで実現できる。例えば図6A、図6Bのように制動力パターンPA,PBを設定すればよい。もちろんこれ以外のパターンであってもよい。
要求制動力が低いときは制動力パターンPAを用いることで、運転者は軽くブレーキペダル1を踏んでいる状態で周期的に大きな制動力を感じることになる。
また要求制動力が低いときは制動力パターンPBを用いることで、運転者は強めにブレーキペダル1を踏んでいる状態で周期的に制動力が抜けるように感じることになる。
いずれの場合も違和感を生じさせやすくなり、F/S遷移をより認知させやすくなる。
同様に要求制動力が比較的高いときの制動力パターンPBは、要求制動力より高い制動力から周期的に要求制動力より低い制動力になるようにすることで、要求制動力と同等の制動力を得ることができる。
これらの制動力パターンPA、PBでは、脈動周期、オフセット量、ピーク/ボトムレベル、傾き(制動力の変化率)が適切に設定されればよい。
これにより制動力パターンPA、PBの切り替えにヒステリシス制御が行われることになり、運転中のブレーキ操作上で不必要な急なブレーキ挙動の変化を運転者に感じさせないようにすることができる。
なお実施の形態では閾値f3<f1<f2とした。閾値f1より高い閾値f2と、閾値f1より低い閾値f3を用いることで、制動力パターンPA、PBの最初の設定後に、即座に制動力パターンが切り替わってしまうようなことを発生しにくくできる。
急制動が必要なときは、急制動ロジック部24により例えばABSと同様の制動力パターンにより制動制御を行うようにすることで、急ブレーキにも対応できるようにし、安全性を向上させることができる。
例えばパッドウエアインジケータのような部品が、当初からブレーキディスク9と接触している状態とすることで、EPBで制動がかけられた状態で走行すると異音(例えば金属音)が発生する。これにより通常の停車時のEPB使用では異音は発生しないが、本実施の形態のようにフットブレーキ機構の異常時に自動的にEPBで制動がかけられた場合は、運転者は異音により、その状態を認知できることになる。これも表示パネルを見ない運転者に、フェールセーフ遷移を認知させることに好適となる。
もちろん上述の制動力パターンPA、PBによる違和感を生じさせることと、異音を発生させることの両方が用いられてもよい。
フットブレーキ機構のパッド6a、EPB機構の8aはブレーキディスク9を両側から押さえつける構造のものを図示したが、片側から押さえつけるタイプのものでもよい。
また、EPBはディスクブレーキ構造以外の制動構造のものでもよい。
本発明のブレーキ装置が適用できる車両は限定されない。例えばガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車の別に関わらず、本発明のブレーキ装置が適用できる。少なくともEPBを搭載し、またブレーキペダル1の操作量を検知するストロークセンサ2が配置される車両であれば本発明を適用できる。
2 ストロークセンサ
3 ブレーキブースター
4 ブレーキ配管
5 液室
6 ブレーキパッド機構部
6a パッド
7 EPBモータ
8 EPBパッド機構部
8a パッド
9 ブレーキロータ
10 EPBボタン
11 EPB制御ユニット
12 センサ
21 フットブレーキ異常検知部
22 要求制動力算出部
23 F/S遷移認知ロジック部
24 急制動ロジック部
25 モータトルク算出部
Claims (6)
- フットブレーキ用のブレーキペダルの踏み込み量を検出するストロークセンサと、
電動パーキングブレーキ機構による制動を行わせるパーキングブレーキモータと、
フットブレーキ機構の異常を検知するフットブレーキ異常検知部と、
前記フットブレーキ異常検知部によって異常が検知された場合に、前記ストロークセンサの検出値に応じて要求制動力を算出する要求制動力算出部と、
前記パーキングブレーキモータのトルクを、前記要求制動力算出部で算出された要求制動力に応じて算出するモータトルク算出部と、
を備える、
ブレーキ装置。 - 前記要求制動力算出部が算出した要求制動力に応じつつ制動力が変動する制動力パターンを設定する第1ロジック部を備え、
前記モータトルク算出部は、前記第1ロジック部で設定された制動力パターンに応じたトルクを算出する
請求項1に記載のブレーキ装置。 - 前記第1ロジック部は、
前記要求制動力算出部が算出した要求制動力を閾値と比較した結果に応じて、
要求制動力より低い制動力から周期的に要求制動力より高い制動力になる第1制動力パターンと、
要求制動力より高い制動力から周期的に要求制動力より低い制動力になる第2制動力パターンと、
のいずれかを設定する
請求項2に記載のブレーキ装置。 - 前記第1ロジック部は、
要求制動力の上昇に応じた前記第1制動力パターンから前記第2制動力パターンへの切り替えは、第1切替閾値を用いて判定し、
要求制動力の低下に応じた前記第2制動力パターンから前記第1制動力パターンへの切り替えは、前記第1切替閾値より低い制動力に相当する第2切替閾値を用いて判定する
請求項3に記載のブレーキ装置。 - 前記要求制動力算出部が算出した要求制動力に応じつつ、制動力が変動する制動力パターンを設定する第1ロジック部と、
急制動のための制動力パターンを設定する第2ロジック部と、
を備え、
前記モータトルク算出部は、前記第1ロジック部と前記第2ロジック部のいずれかで設定された制動力パターンに応じたトルクを算出する
請求項1から請求項4のいずれかに記載のブレーキ装置。 - 前記電動パーキングブレーキ機構は、車両走行中に制動を行うことで異音を発生させる構造とされている
請求項1から請求項5のいずれかに記載のブレーキ装置。
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