JP2021137719A - 凹凸表面物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた凹凸形状による意匠性及び堅牢性を有する凹凸表面物を得ることができる凹凸表面物の製造方法の提供。【解決手段】基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、所定の領域における前記体積膨張剤含有層上に、前記体積膨張剤の膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与工程と、前記体積膨張剤含有層における前記体積膨張剤を膨張させて前記所定の領域以外の他の領域において体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、前記所定の領域における平均厚みが前記他の領域における平均厚み以下となるように前記所定の領域における前記体積膨張剤含有層上及び前記他の領域の前記体積膨張層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程と、を含む凹凸表面物の製造方法である。【選択図】図2B

Description

本発明は、凹凸表面物の製造方法に関する。
建築物の床、内壁や天井には、所望の画像を印字し、エンボス加工等により意匠性を付与した床材、壁紙などの部材が使用されている。また、床材や壁紙に紫外線(UV)硬化材料によるコーティング、電子線硬化材料によるコーティング等を行うことにより、耐久性を向上させる試みがなされている。
近年、インクジェット方式により所望の画像を印刷し、床材や壁紙などに展開することが試みられている。特に、画像と共に、表面に凹凸構造を付与した印刷物が3次元的な立体感による豪華な装飾効果が得られることから普及してきている。
表面に凹凸構造を形成する方式としては、例えば、発泡層、画像形成層、及び表面保護層(オーバーコート層)を有し、オーバーコート層の厚みを形成する凸部の高さよりも薄く形成する加飾構造体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、凹凸形状による意匠性及び堅牢性に優れる凹凸表面物を得ることができ、生産性に優れる凹凸表面物の製造方法を提供すること目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の凹凸表面物の製造方法は、基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、所定の領域における前記体積膨張剤含有層上に、前記体積膨張剤の膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与工程と、前記体積膨張剤含有層における前記体積膨張剤を膨張させて前記所定の領域以外の他の領域において体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、前記所定の領域における平均厚みが前記他の領域における平均厚み以下となるように前記所定の領域における前記体積膨張剤含有層上及び前記他の領域の前記体積膨張層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程と、を含む。
本発明によると、凹凸形状による意匠性及び堅牢性に優れる凹凸表面物を得ることができ、生産性に優れる凹凸表面物の製造方法を提供することができる。
図1Aは、本発明の凹凸表面物の製造方法における体積膨張剤含有層形成工程後の製造物の一例を示す模式図である。 図1Bは、本発明の凹凸表面物の製造方法における抑制剤付与工程後の製造物の一例を示す模式図である。 図1Cは、本発明の凹凸表面物の製造方法における体積膨張層形成工程後の製造物の一例を示す模式図である。 図2Aは、従来の凹凸表面物の製造方法を用いて製造した凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図2Bは、本発明の凹凸表面物の製造方法を用いて製造した凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図2Cは、本発明の凹凸表面物の製造方法を用いて製造した凹凸表面物の他の一例を示す断面図である。 図3Aは、オーバーコート層を有していない凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図3Bは、発明の凹凸表面物の製造方法を用いてオーバーコート層を形成した凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図4は、本発明の凹凸表面物の製造方法に係る凹凸表面物の製造装置の一例を示す模式図である。 図5は、実施例1に係る凹凸表面物の断面画像の一例を示す図である。
(凹凸表面物の製造方法)
本発明の凹凸表面物の製造方法は、基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
所定の領域における前記体積膨張剤含有層上に、前記体積膨張剤の膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与工程と、
前記体積膨張剤含有層における前記体積膨張剤を膨張させて前記所定の領域以外の他の領域において体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、
前記所定の領域における平均厚みが前記他の領域における平均厚み以下となるように前記所定の領域における前記体積膨張剤含有層上及び前記他の領域の前記体積膨張層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
従来技術では、紫外線硬化型樹脂をインクジェット方式で複数回積層する積層方式を用いているために、凹凸表面による高い意匠性を付与するためには、積層と硬化を複数回重ねて行う必要があり、生産性を向上させることが難しい場合があるという問題がある。
また、従来技術では、オーバーコート層を形成する場合、一定の量でオーバーコート層形成用組成物を凹凸形状の表面に付与しており、凹部へオーバーコート層形成用組成物が流れ込んでしまい、結果として、凹部に形成したオーバーコート層の平均厚みが、凸部に形成したオーバーコート層の平均厚みに比べて厚くなってしまい、形成した凹凸表面の意匠性が低下してしまう場合があるという問題がある。
本発明者らが鋭意検討したところ、基材上に体積膨張剤含有層を形成し、抑制剤を体積膨張させない領域へ付与した後、前記体積膨張剤含有層を体積膨張させることにより体積膨張層を形成し、前記抑制剤が付与された領域における前記体積膨張層の表面よりも、前記抑制剤が付与されていない領域における前記体積膨張層の表面における平均厚みが薄くなるようにオーバーコート層を形成することによって、凹凸形状を低減による意匠性の低下を引き起こすことなく堅牢性を向上させ、かつ生産性にも優れる凹凸表面物の製造方法を提供することができることを見出した。
本発明において、凹凸表面物の「凸部」とは、基準面に対して鉛直方向上向きに突出している(出っ張っている)領域、及び基準面に対して鉛直方向下向きに突出している(へこんでいる)領域ではない領域の少なくともいずれかを意味する。なお、基準面とは、凹凸表面物を含む面であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、基板を含む面と平行であり且つ抑制剤を付与した体積膨張剤含有層を含む面、基板を含む面と平行であり且つ抑制剤を付与していない体積膨張層を含む面、などを選択することができる。
また、本発明において、凹凸表面物の「凹部」とは、基準面に対して鉛直方向下向きに突出している(へこんでいる)領域、及び基準面に対して鉛直方向上向きに突出している(出っ張っている)領域ではない領域の少なくともいずれかを意味する。
本発明において凹凸表面物とは、基準面と同一平面上にない領域を含むもの、即ち、前記凸部及び凹部を有するものを意味する。
<体積膨張剤含有層形成工程>
前記体積膨張剤含有層形成工程は、基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する工程である。
前記体積膨張剤含有層形成工程は、基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤組成物を付与することにより前記体積膨張剤含有層を形成する。
<基材>
前記基材の形状及び構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム、シート、板などが挙げられる。なお、前記フィルムとは、平均厚みが200μm未満の軟質製のものを意味する。前記シートとは、平均厚みが200μm以上で軟質製のもの、又は平均厚みが500μm未満で硬質製のものを意味する。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチック、天然紙、合成繊維からなる合成紙、不織布、布、レザー、木材、金属、ガラス、建築用材料、セラミックス及びそれらの複合材料などが挙げられる。これらの中でも、耐久性を有する基材が好ましく、建築用材料がより好ましい。
前記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル;ポリプロピレン;ポリエチレン;ナイロン、ビニロン、アクリル等のプラスチック、又は前記フィルムの貼り合わせたものなどが挙げられる。
前記プラスチックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度の点から、一軸又は二軸延伸されていることが好ましい。
前記天然紙としては、例えば、和紙、パルプ紙、木綿紙、藁紙、板紙などが挙げられる。
前記合成紙としては、例えば、合成パルプ紙、合成フィルム紙、合成プラスチック板紙などが挙げられる。
前記不織布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン繊維をシート状に散布し、熱圧着させてシート状に形成したものなどが挙げられる。
前記布としては、例えば、天然繊維、再生繊維、合成繊維及びそれらの繊維を組み合わせた繊維を用いた織物などが挙げられる。
前記木材としては、例えば、MDF、HDF、パーティクルボード、ベニヤなどの合材、表面にシートを貼り合わせた化粧板などが挙げられる。前記木材の平均厚みとしては、2mm以上30mm以下が好ましい。
前記金属としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合金、アルミニウム、アルミニウム複合材料などが挙げられる。前記合金としては、例えば、ガルバリウム鋼板(登録商標)などが挙げられる。前記アルミニウム複合材料としては、例えば、熱可塑性の樹脂等をアルミニウムシートで挟んだ複合材料などが挙げられる。
前記ガラスとしては、例えば、フロートガラス、色ガラス、強化ガラス、網入りガラス、すりガラス、フロストガラス、ミラーガラスなどが挙げられる。前記ガラスとしては、ガラス板の形態が好ましい。前記ガラス板の平均厚みとしては、0.3mm以上20mm以下が好ましい。
前記セラミックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不燃建材の代表的な素材として石膏ボードやケイカル板などが挙げられる。
前記建築用材料としては、例えば、床材、壁紙、内装材、壁板材、巾木材、天井材、柱などで使用される熱硬化型樹脂、繊維版、パーティクルボード、及びこれらの材料の表面に、熱硬化型樹脂、オレフィン、ポリエステル、PVCの化粧板を設けた材料などが挙げられる。
前記基材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記体積膨張剤組成物を、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などにより基材上に付与する方法が挙げられる。
前記体積膨張剤含有層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、250μm以上が更に好ましく、300μm以上500μm以下が特に好ましい。
前記体積膨張剤含有層の平均厚みが25μm以上であると、凹凸差のある体積膨張層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
前記体積膨張剤含有層が体積膨張した後の体積膨張層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以上が好ましく、310μm以上がより好ましく、400μm以上が更に好ましく、400μm以上2,000μm以下が特に好ましい。
前記体積膨張層の平均厚みが100μm以上であると、体積膨張抑制剤による凹凸差のある体積膨張層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
なお、前記平均厚みは、異なる10点における前記体積膨張剤含有層の厚みの平均値であっても、前記体積膨張剤組成物の付与量から算出する値であってもよい。
<<体積膨張剤組成物>>
前記体積膨張剤組成物は、前記体積膨張剤を含有し、重合性化合物、重合開始剤、表面張力調整剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−体積膨張剤−
前記体積膨張剤としては、例えば、熱膨張性マイクロカプセル、熱分解性体積膨張剤などが挙げられる。これらの中でも、高体積膨張倍率を有し、均一で小さい独立気泡を形成できる点から、熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。なお、体積膨張剤は「発泡剤」と称することもある。
前記熱膨張性マイクロカプセルは、前記体積膨張剤を熱可塑性樹脂で包み込んだコアシェル構造の粒子であり、加熱により外殻の熱可塑性樹脂が軟化を始めると共に、内包された体積膨張化合物の蒸気圧が上昇して粒子を変形させるのに十分な圧力となり、外殻の熱可塑性樹脂が引き伸ばされて膨張する。前記体積膨張化合物としては、例えば、低沸点の脂肪族炭化水素などが挙げられる。
前記低沸点の脂肪族炭化水素としては、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン、イソオクタン、イソドデカンなどが挙げられる。
前記熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社製のアドバンセルEMシリーズ、AkzoNovel社製のExpancellDU、WU、MB、SL、FGシリーズ(日本国内では日本フィライト株式会社が販売)、松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアーF、FNシリーズ、株式会社クレハ製のクレハマイクロスフェアーH750、H850、H1100などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱分解性体積膨張剤としては、例えば、有機系体積膨張剤、無機系体積膨張剤などが挙げられる。
前記有機系体積膨張剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ナフテン酸亜鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機系体積膨張剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組合せなどが挙げられる。
前記体積膨張剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積膨張剤組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、エネルギーが付与されることなどにより重合可能な化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
−−単官能モノマー−−
前記単官能モノマーとしては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に1つ有するモノマーなどが挙げられる。
前記単官能モノマーとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エトキシ(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が高く、堅牢性が良好な点から、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記単官能モノマーの含有量は、体積膨張剤組成物の全量に対して、80質量%以上99.5質量%以下が好ましく、90質量%以上95質量%以下がより好ましい。
−−多官能モノマー−−
前記多官能モノマーは、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に2つ以上有する化合物である。
前記多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート〔CH=CH−CO−(OC)n−OCOCH=CH(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)−CO−(OC−OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、エトキシ化(4)ビスフェノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーの[分子量/官能数量]は250以上であることが、体積膨張性と堅牢性を両立できる点から好ましい。
前記体積膨張剤組成物における前記多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。また、前記多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。前記多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、10質量%以下であると、意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できるという利点がある。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、光重合開始剤がより好ましい。
前記光重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、これらの中でも、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
前記重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、体積膨張剤組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(例えば、チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、前記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。
前記重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物などが挙げられる。
前記重合促進剤の含有量は、特に制限はなく、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
−表面張力調整剤−
前記表面張力調整剤としては、表面張力を調整可能であり、エネルギーに対して非反応性であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表面張力調整剤としては、市販品を用いることができ、例えば、BYK−UV3510(ビックケミー社製)、BYK−3550(ビックケミー社製)、BYK−3990(ビックケミー社製)、BYK35600(ビックケミー社製)などが挙げられる。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、充填剤、体積膨張促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤などが挙げられる。
−−充填剤−−
前記充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
−−体積膨張促進剤−−
前記体積膨張促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナフテン酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、2−エチルペンタン酸亜鉛、2−エチル−4−メチルペンタン酸亜鉛、2−メチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、イソオクチル酸亜鉛、n−オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、イソデカン酸亜鉛、n−デカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、リノール酸亜鉛、リノレイン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、o、m又はp−トルイル酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フタル酸亜鉛、フタル酸モノアルキル(C4〜18)エステルの亜鉛塩、デヒドロ酢酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、アミノクロトン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジンクピリチオン、尿素又はジフェニル尿素の亜鉛錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−増粘剤−−
前記増粘剤としては、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
−−防腐剤−−
前記防腐剤は、従来から使用されモノマーの重合を開始させないもの、例えば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾールなどが挙げられる。
−−安定剤−−
前記安定剤は、貯蔵中のモノマーの重合を抑制する目的を果たし、アニオン性安定剤、フリーラジカル安定剤などが挙げられる。
前記アニオン性安定剤としては、例えば、メタリン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アルキルスルホン酸、五酸化リン、塩化鉄(III)、酸化アンチモン、2,4,6−トリニトロフェノール、チオール、アルキルスルホニル、アルキルスルホン酸、アルキルスルホキシド、亜硫酸アルキル、スルトン、二酸化硫黄、三酸化硫黄などが挙げられる。
前記フリーラジカル安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、カテコール、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
−体積膨張剤組成物の調製−
本発明に用いられる体積膨張剤組成物の調製方法としては、特に制限はなく、上述した各種成分を用いて調製することができ、その調製手段や条件については目的に応じて適宜選択することができる。
<抑制剤付与工程>
前記抑制剤付与工程は、所定の領域における前記体積膨張剤含有層上に、前記体積膨張剤の膨張を抑制する抑制剤を付与する工程である。なお、前記抑制剤は、抑制剤そのものだけでなくその他の成分を含有する抑制剤含有組成物を用いることができる。
前記抑制剤付与工程においては、後述する体積膨張層形成工程において前記体積膨張剤含有層の前記体積膨張剤の膨張を抑制したい箇所(領域)に前記抑制剤含有組成物を付与する。
前記所定の領域とは、前記抑制剤を付与したい所望の領域を意味する。
<<抑制剤含有組成物>>
前記抑制剤含有組成物は、多官能モノマーを含有し、表面張力調整剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−多官能モノマー−
前記多官能モノマーとしては、前記体積膨張剤組成物における多官能モノマーと同様のものを用いることができ、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ−ト、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンクリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、異なる多官能モノマーの混合物、多官能モノマーと単官能モノマーを混合物や、多官能を有するオリゴマーと単官能モノマーの混合物、単官能モノマー、多官能モノマー、多官能を有するオリゴマーとの混合物を用いることができる。
前記抑制剤含有組成物が前記多官能モノマーを含有することにより、前記多官能モノマーがエネルギー付与により3次元架橋するため、後述する硬化工程により、前記抑制剤含有組成物を付与していない前記体積膨張剤含有層に比べて前記抑制剤含有組成物を付与した前記体積膨張剤含有層を強固に硬化し、前記抑制剤含有組成物を付与した体積膨張剤含有層の体積膨張を抑制することができる。そのため、前記体積膨張剤含有層の任意の場所に前記抑制剤含有組成物を付与し、前記体積膨張剤含有層を体積膨張させる領域及び体積膨張させない領域を形成することにより、体積膨張させる領域を凸部、体積膨張させない領域を凹部として形成し、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
−表面張力調整剤−
前記表面張力調整剤としては、表面張力を調整可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、BYK−3550(ビックケミー社製)、BYK−3990(ビックケミー社製)、BYK35600(ビックケミー社製)などが挙げられる。
前記抑制剤含有組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、様々な体積膨張パターン(体積膨張抑制パターン)に対してフレキシブルに対応できる点から好ましい。
前記インクジェット方式を用いる前記抑制剤含有組成物を付与する手段としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
前記抑制剤含有組成物の付与量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記体積膨張剤含有層の表面積に対して、0.014μL/cm以上2.8μL/cm以下が好ましい。
前記活性エネルギーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものなどが挙げられる。特に、高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
前記電子線の場合には、硬化させたい対象を電子線照射装置から最も遠い箇所に置いたときに15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
<体積膨張層形成工程>
前記体積膨張層形成工程は、前記体積膨張剤含有層における前記体積膨張剤を膨張させて前記所定の領域以外の他の領域において体積膨張層を形成する工程である。
体積膨張層形成手段としては、加熱により前記体積膨張剤含有層の前記体積膨張剤を体積膨張させることができる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
前記加熱の温度としては、体積膨張剤が体積膨張を生じるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上200℃以下が好ましい。なお、加熱温度としては、ここでの温度は、加熱装置の設定温度でもよく、前記基材の測定温度でもよい。
<オーバーコート層形成工程>
前記オーバーコート層形成工程は、前記所定の領域における平均厚みが前記他の領域における平均厚み以下となるように前記所定の領域における前記体積膨張剤含有層上及び前記他の領域の前記体積膨張層上にオーバーコート層を形成する工程である。即ち、前記抑制剤が付与された領域における前記体積膨張剤含有層の表面における平均厚みTが、前記抑制剤が付与されていない領域における前記体積膨張層の表面における平均厚みTよりも薄くなるようにオーバーコート層を形成する工程である。
なお、説明の簡略化のため、「所定の領域(抑制剤が付与された領域)」を「凹部」、「他の領域(抑制剤が付与されていない領域)」を「凸部」と称することがある。なお、オーバーコート層は、保護層と称することもある。
前記オーバーコート層は、オーバーコート層形成用組成物を前記所定の領域における前記体積膨張剤含有層、及び他の領域における前記体積膨張層の上に付与し、硬化することにより形成される。
前記オーバーコート層形成用組成物としては、第一の重合性化合物を含有し、重合開始剤を含有することが好ましい。前記オーバーコート層形成用組成物が、前記第一の重合性化合物であると、全ての層を同じ硬化手段を用いて硬化することができる。
前記第一の重合性化合物としては、例えば、前記体積膨張剤組成物における重合性化合物と同じものを用いることができるし、前記体積膨張剤組成物における重合性化合物と異なるものを用いることもできる。
前記オーバーコート層を形成する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抑制剤を付与する方法と同様に、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、後述する硬化工程に用いられるものと同様の公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー付与手段、活性エネルギー線照射手段等)との組合せなどとすることができる。
前記材料付与手段としては、例えば、インクジェット法、スプレー法などが好ましい。前記材料付与手段が、インクジェット法又はスプレー法であると、前記体積膨張層に材料付与手段を接触させることなく前記オーバーコート層を形成することができる。これらの中でも、インクジェット法を用いることが好ましい。前記材料付与手段が、インクジェット法であると、前記オーバーコート層を前記体積膨張層の任意の位置に形成することができる。
前記凹部における前記平均厚みTが、前記凸部における前記平均厚みTよりも薄くなるように前記オーバーコート層を形成する方法としては、例えば、前記オーバーコート層形成用組成物の前記凹部への付与量を前記凸部への付与量に対して少なくする方法が挙げられる。前記オーバーコート層形成用組成物の前記凹部への付与量を前記凸部への付与量に対して少なくする方法としては、例えば、前記オーバーコート層形成用組成物を付与する液量を制御して付与する方法、前記オーバーコート層形成用組成物を付与する材料付与手段の走査(移動)速度を制御する方法、前記オーバーコート層形成用組成物を付与する回数を制御する方法などが挙げられる。
なお、前記オーバーコート層形成用組成物を付与する液量を制御して付与する方法としては、例えば、前記オーバーコート層形成用組成物の前記凹部への付与量を前記凸部への付与量に対して少なくすることにより、付与量を調節する制御などが挙げられる。
また、前記オーバーコート層形成用組成物を付与する材料付与手段の走査(移動)速度を制御する方法としては、例えば、一定量かつ所望のタイミングで吐出する前記オーバーコート層形成用組成物の前記凹部上における走査を速く、前記凸部上における走査を遅くすることにより、付与量を調節する制御などが挙げられる。
さらに、前記オーバーコート層形成用組成物を付与する回数を制御する方法は、一定量の前記オーバーコート層形成用組成物の前記凹部へ付与する回数を前記凸部へ付与する回数に対して少なくすることにより、付与量を調節する制御などが挙げられる。
前記オーバーコート層の平均厚みとしては、前記凹部における前記体積膨張剤含有層の表面の前記オーバーコート層の平均厚みTが、前記凸部における前記体積膨張層の表面の前記オーバーコート層の平均厚みTよりも薄ければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記平均厚みTとしては、10μm以上80μm以下が好ましく、20μm以上40μm以下がより好ましい。
前記平均厚みTとしては、10μm以上100μm以下が好ましく、20μm以上60μm以下がより好ましい。
なお、前記平均厚みT及びTは、異なる10点における前記オーバーコート層の厚みの平均値であっても、前記オーバーコート層形成用組成物の付与量から算出する値であってもよい。
ここで、オーバーコート層についてより詳細に説明を行うために、まず、本発明の凹凸表面物の製造方法について図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の凹凸表面物の製造方法における体積膨張剤含有層形成工程後の製造物の一例を示す模式図である。図1Aに示すように、本発明の凹凸表面物の製造方法では、まず基材11に体積膨張剤22を含有する体積膨張剤組成物を付与して体積膨張剤含有層21を形成する体積膨張剤含有層形成工程を実施する。
次に、図1Bは、本発明の凹凸表面物の製造方法における抑制剤付与工程後の製造物の一例を示す模式図である。図1Bに示すように、本発明の凹凸表面物の製造方法では、前記体積膨張剤含有層21に、前記体積膨張剤22の膨張を抑制する抑制剤23を付与する抑制剤付与工程を実施する。前記抑制剤付与工程は、後述する体積膨張層形成工程において前記体積膨張剤含有層21の前記体積膨張剤22の膨張を抑制したい箇所(所定の領域)に前記抑制剤23を付与することにより、体積膨張層形成工程において抑制剤23を付与した領域を凹部、抑制剤23を付与しなかった領域を凸部として形成することができる。
図1Cは、本発明の凹凸表面物の製造方法における体積膨張層形成工程後の製造物の一例を示す模式図である。図1Cでは、オーバーコート層を有していない凹凸表面を有する凹凸表面物の断面図の模式図の一例を示す。図1Cに示すように、凹凸表面物は、基材11上に、体積膨張剤含有層21における体積膨張を抑制された体積膨張剤22Bを有する凹部23Aと、前記抑制剤を付与されていない体積膨張層21’における体積膨張を生じた体積膨張剤22Aを有する凸部24Bを有する。凹凸表面物における凹凸の高低差Dは、オーバーコート層を有していない場合には、図1Cに示すように、凹部24Aの表面と凸部24Bの表面との差が反映される。
しかしながら、従来の凹凸表面を有する凹凸表面物においては、体積膨張層21’上にオーバーコート層31を形成する場合に、図2Aに示すように、凹部24A上のオーバーコート層31の平均厚みTが、凸部24B上のオーバーコート層31の平均厚みTより大きくなる場合がある。これにより、凹凸表面物における凹凸の高低差Dは、図2Aに示すように、図1Cに示すオーバーコート層を有していない場合における高低差Dよりも小さくなり、高低差Dを反映することができず、十分な意匠性を担保することができなくなる場合がある。
これに対して、本発明の凹凸表面物の製造方法においては、図2Bに示すように、凹部24Aにおけるオーバーコート層の平均厚みTが、前記凸部24Bにおけるオーバーコート層の平均厚みTよりも薄くなるように、オーバーコート層形成用組成物の付与量を凸部24Bよりも前記凹部において少なくしてオーバーコート層を形成する。これにより、凹凸表面物における凹凸の高低差Dは、図1Cに示すオーバーコート層を有していない場合における高低差Dの大きさを低減することなく、高低差Dを反映することができ、意匠性を担保しつつ堅牢性を付与することができる。
また、図3Aに示すように、凹凸表面物の凸部24Bにおいて体積膨張した体積膨張剤22Aによって、その表面が粗面化してしまうことがある。しかし、本発明の凹凸表面物の製造方法によって得られる凹凸表面物においては、図3Bに示すように、体積膨張した凸部においてオーバーコート層を厚く形成するため、粗面化した凸部24Bの表面を平滑化することができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硬化工程、画像形成工程、エンボス加工工程、制御工程などが挙げられる。
<<硬化工程>>
前記硬化工程は、前記体積膨張剤含有層及び前記抑制剤の少なくともいずれかを硬化する工程である。
なお、前記硬化工程としては、それぞれの層を形成するごとに硬化を行ってもよく、それぞれの層を形成するごとに半硬化させ全ての工程が終了した後に各層を完全に反応させる硬化を行ってもよいし、抑制剤付与工程、オーバーコート層形成工程、及び画像形成工程の後に一度行ってもよい。
前記抑制剤が付与された前記体積膨張剤含有層を硬化させる方法としては、前記体積膨張剤含有層及び前記抑制剤の少なくともいずれかを硬化することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性エネルギー線を付与する方法などが挙げられる。
前記活性エネルギーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものなどが挙げられる。特に、高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
前記電子線の場合には、硬化させたい対象を電子線照射装置から最も遠い箇所に置いたときに15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
<<画像形成工程>>
前記画像形成工程は、前記体積膨張層上に、インクを付与して画像を形成する工程である。
<<インク>>
前記インクは、色材を含有し、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、第2の重合性化合物及び重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−色材−
前記色材としては、本発明における色材組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
前記色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、色材組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
前記分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
前記染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−第2の重合性化合物−
前記第2の重合性化合物としては、例えば、前記体積膨張剤組成物における重合性化合物と同じものを用いることができるし、体積膨張剤組成物における重合性化合物と異なるものを用いることもできる。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、前記体積膨張剤含有層における体積膨張剤組成物の重合開始剤と同様のものを用いることができる。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤などが挙げられる。
−−有機溶媒−−
本発明に用いられるインクは、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
−インクの調製−
本発明に用いられるインクは、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、色材としての顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に、更に重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本発明に用いられるインクの粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
前記体積膨張層上に、前記インクを付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、生産性や少ロット多品種へのフレキシブル対応が可能な点から好ましい。
前記インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
<<エンボス加工工程>>
前記エンボス加工工程は、前記体積膨張層及び前記画像に凹凸模様を形成する工程であり、エンボス加工手段により実施される。
前記凹凸模様としては、通常、壁紙、化粧板等に凹凸を付与する目的で使用されるエンボス加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン加工、又は盛り上げ印刷等の方法を選択使用することができる。
前記エンボス加工工程としては、例えば、エンボス版を用いる加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン、又は盛り上げ印刷により凹凸を付与する方法などが挙げられる。
前記エンボス加工手段としては、加熱後冷却ローラーでエンボス加工する手段、及び熱ローラエンボスを用いて一度にエンボス加工する手段のいずれであっても構わない。
前記エンボス加工によるエンボスの深さとしては、0.08mm以上0.50mm以下が好ましい。前記エンボスの深さが、0.08mm以上であると、立体感を出すことができ、0.50mm以下であると、表面の摩耗強さを向上できる。
エンボス加工により形成される凹凸模様の形状としては、例えば、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などが挙げられる。
ここで、本発明の凹凸表面物の製造方法に用いられる本発明の凹凸表面物の製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明の凹凸表面物の製造装置の一例を示す概略図である。この図4の凹凸表面物の製造装置100は、基材111上に体積膨張剤組成物を付与するカーテンコーター121と、その下流に抑制剤をインクジェット法で付与するためのヘッド130a、活性エネルギー線照射装置131a、複数のインクをインクジェット法で付与するためのヘッドとして、ブラック用ヘッド132a、マゼンタ用ヘッド132b、シアン用ヘッド132c、イエロー用ヘッド132dからなる吐出ヘッドユニット、二つ目の活性エネルギー線照射装置131b、加熱装置133、オーバーコート層形成用のインクジェットヘッド130bを有している。なお、図4中、134は搬送ベルト、135a送り出しローラーであり、135bは巻取りローラーである。基材111は、図1中矢印方向に搬送される。
まず、基材111表面に、体積膨張剤組成物をカーテンコーター121により塗布して、体積膨張剤含有層を形成する。
次に、体積膨張剤含有層が形成された基材111を所定の速度で搬送させ、抑制剤用ヘッド130aから抑制剤を体積膨張剤含有層の体積膨張させない領域に吐出する。
次に、体積膨張剤含有層及び抑制剤に対して活性エネルギー線照射装置131aを用い、所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し、硬化する。
次いで、ブラック用ヘッド132a、マゼンタ用ヘッド132b、シアン用ヘッド132c、及びイエロー用ヘッド132dの各色用ヘッドから、ブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材組成物をインクジェット方式で吐出して、画像を形成する。
次に、体積膨張剤含有層及び画像に対して活性エネルギー線照射装置131bを用い、所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し、硬化する。
次に、得られた硬化物に対して、加熱装置133により加熱すると、体積膨張剤含有層における抑制剤を付与しなかった領域においては体積膨張が生じ体積膨張層を得ることができる。なお、抑制剤を付与した領域においては体積膨張が生じない。このようにして凹凸表面を有する凹凸表面物を得ることができる。
次に、得られた凹凸表面物上に、オーバーコート層形成用のインクジェットヘッド130bを用いて、第一の活性エネルギー線硬化型組成物を、前記抑制剤が付与された領域における前記体積膨張層の表面における平均厚みTが、前記抑制剤が付与されていない領域における前記体積膨張層の表面における平均厚みTよりも薄くなるように付与し、活性エネルギー線照射装置131cを用いて第一の活性エネルギー線硬化型組成物を硬化することによってオーバーコート層を形成する。これにより、堅牢性を向上させつつ、意匠性に優れる凹凸表面物を得ることができる。
本発明の凹凸表面物の製造方法により製造される凹凸表面物は、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有すると共に、長期間に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持することができるので、例えば、床材、壁紙、内装材、壁材、巾木材、天井材、柱等の建築用材料などの用途に好適である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下の材料及び図4に示す凹凸表面物の製造装置を用いて、下記形成条件で凹凸表面物1を製造した。
<材料>
−基材−
・ガラス板(アズワン株式会社製)
−体積膨張剤組成物−
・2−アクリロイルオキシプロピルフタル酸(ACB−21、新中村工業株式会社製)
:50質量部
・イソボニルアクリレート(SR506、アルケマ株式会社製) :50質量部
・マイクロスフィア(H750、株式会社クレハ製) :15質量部
・2,4,6−trimethylbenzoyl−diphenyl phosphine oxide(Omnirad TPO、Irgacure製) :5質量部
・1,6−ヘキサンジオールアクリレート(SR238、アルケマ株式会社製) :0.1質量部
−抑制剤−
・1,6−ヘキサンジオールアクリレート(SR238、アルケマ株式会社製) :100質量部
・2,4,6−trimethylbenzoyl−diphenyl phosphine oxide(Omnirad TPO、Irgacure製) :5質量部
−オーバーコート層形成用組成物−
・1,6−ヘキサンジオールアクリレート(SR238、アルケマ株式会社製) :100質量部
・2,4,6−trimethylbenzoyl−diphenyl phosphine oxide(Omnirad TPO、Irgacure製) :5質量部
<形成条件>
−体積膨張層形成工程−
・カーテンコーター(ラボ用フローコーター、チェフラ社製)
・平均厚み :50μm
−抑制剤付与工程−
・インクジェット方式
ヘッド :GEN5ヘッド(MH5420、150npi×4列、リコーインダストリー株式会社製)
パターン:ベタ、28pl/nozzle
吐出速度:7m/sec
周波数 :2.4KHz
−硬化工程−
・照射装置 :リニア照射型UV−LED光源GJ−75(浜松ホトニクス株式会社)
・照射強度 :4W/cm
・基材−照射装置間の距離:10mm
・照射時間 :1s
なお、後述するオーバーコート層形成工程の後も同様の条件で硬化工程を行った。
−体積膨張層形成工程−
・加熱装置
ルテックスブロアGシリーズ(日立産機システム株式会社製)
高温熱風発生用電気式ヒーターXS−2(関西電熱株式会社製)
ハイブローノズル50AL(関西電熱株式会社製)
・ノズル先端からの風速:30m/s
・ノズル先端の温度 :200℃
・搬送速度 :100mm/s
−オーバーコート層形成工程−
・抑制剤が付与された体積膨張層の表面(凹部)にはオーバーコート層形成用組成物を付与しない
・抑制剤が付与されていない体積膨張層の表面(凸部)にのみ下記条件でオーバーコート層形成用組成物を付与する
・インクジェット方式
ヘッド :GEN5ヘッド(MH5420、150dpi×4列、リコーインダストリー株式会社製)を4つ
パターン:ベタ
吐出量 :18pl/nozzle
吐出速度:7m/sec
周波数 :4.8KHz
平均厚みT:約80μm(1200dpi×2400dpi×18pl/nozzle)
(実施例2)
実施例1において、オーバーコート層形成工程の前に、下記条件により画像形成工程を行った以外は、実施例1と同様にして、凹凸表面物2を製造した。
<形成条件>
−画像形成工程−
・抑制剤が付与された体積膨張層の表面(凹部)、及び抑制剤が付与されていない体積膨張層の表面(凸部)に、下記組成の材料を撹拌することにより得られたマゼンタインクを用いて画像を形成した。
・マゼンタインク
フェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製) :25質量部
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製) :26質量部
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製) :35質量部
Omnirad TPO(IGM Resins社製) :5質量部
Solsperse32000(Lubrizol社製) :2質量部
CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(BASFジャパン社製) :7質量部
・インクジェット方式
ヘッド :GEN5ヘッド(MH5420、150dpi×4列、リコーインダストリー株式会社製)
パターン:ベタ
吐出量 :14pl/nozzle
吐出速度:7m/sec
周波数 :2.4KHz
なお、画像を形成した直後に、硬化条件と同様の条件で画像の硬化を行った。
(実施例3)
実施例1において、オーバーコート層を下記条件で形成した以外は、実施例1と同様にして凹凸表面物3を製造した。
<形成条件>
−オーバーコート層形成工程−
・抑制剤が付与された体積膨張層の表面(凹部)、及び抑制剤が付与されていない体積膨張層の表面(凸部)に下記条件でオーバーコート層形成用組成物を付与する
・インクジェット方式
ヘッド :GEN5ヘッド(MH5420、150npi×4列、リコーインダストリー株式会社製)を4つ
パターン:ベタ
吐出量 :9pl
吐出速度:7m/sec
周波数 :2.4KHz
平均厚みT:凹部 約20μm(600dpi×2400dpi×9pl/nozzle)
平均厚みT:凸部 約40μm(1200dpi×2400dpi×9pl/nozzle)
(比較例1)
実施例1において、オーバーコート層を下記条件で形成した以外は、実施例1と同様にして凹凸表面物4を製造した。
<形成条件>
−オーバーコート層形成工程−
・抑制剤が付与された体積膨張層の表面(凹部)、及び抑制剤が付与されていない体積膨張層の表面(凸部)に下記条件でオーバーコート層形成用組成物を付与する
・インクジェット方式
ヘッド :GEN5ヘッド(MH5420、150npi×4列、リコーインダストリー株式会社製)を4つ
パターン:ベタ
吐出量 :18pl/nozzle
吐出速度:7m/sec
周波数 :2.4KHz
平均厚みT:凹部 約40μm(600dpi×2400dpi×18pl/nozzle)
平均厚みT:凸物 約40μm
次に、実施例1〜3及び比較例1において製造した凹凸表面物1〜4の凹部と凸部について、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製)を用いて画像取得及び高低差Dを測定した。測定及び解析条件を以下に示す。結果を表1に示す。
[測定及び解析条件]
・使用装置:レーザー顕微鏡VK−X110(株式会社キーエンス製)
・使用ソフトウェア:VK−H1XA
・対物レンズ倍率:10倍
測定においては、凹凸表面物1〜4の断面を図2A及び図2Bに示すように、凸部24Bの最表面における最も基材に近い点P1から基材に降ろした垂線と、凹部24Aの最表面における最も基材に近い点P2を含む基材と平行な線との交点をQとすると、点P1と点Qとの距離を高低差Dとして測定した。実施例1における凹凸表面物1のレーザー顕微鏡を用いた測定結果を図5に示す。図5中上部がレーザー顕微鏡画像、下部のグラフは画像中に記載のx軸の対応する位置における凹部の最表面を基準面とした高さ(z)を示す。
Figure 2021137719
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
所定の領域における前記体積膨張剤含有層上に、前記体積膨張剤の膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与工程と、
前記体積膨張剤含有層における前記体積膨張剤を膨張させて前記所定の領域以外の他の領域において体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、
前記所定の領域における平均厚みが前記他の領域における平均厚み以下となるように前記所定の領域における前記体積膨張剤含有層上及び前記他の領域の前記体積膨張層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程と、を含むことを特徴とする凹凸表面物の製造方法である。
<2> 前記オーバーコート層形成工程が、第1の重合性化合物を付与することを含む、前記<1>に記載の凹凸表面物の製造方法である。
<3> 前記第1の重合性化合物の付与が、インクジェット法により吐出することである、前記<2>に記載の凹凸表面物の製造方法である。
<4> 前記所定の領域における前記オーバーコート層の平均厚みが、20μm以上40μm以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法である。
<5> 前記他の領域における前記オーバーコート層の平均厚みが、20μm以上60μm以下である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法である。
<6> 前記体積膨張層上に、インクを付与して画像を形成する画像形成工程を更に含む、前記<1>から<5>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法である。
<7> 前記インクが、第2の重合性化合物を含有する、前記<6>に記載の凹凸表面物の製造方法である。
<8> 前記体積膨張剤含有層及び前記抑制剤の少なくともいずれかを硬化する硬化工程を更に含む、前記<1>から<7>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法である。
<9> 基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成手段と、
所定の領域における前記体積膨張剤含有層上に、前記体積膨張剤の膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与手段と、
前記体積膨張剤含有層における前記体積膨張剤を膨張させて前記所定の領域以外の他の領域において体積膨張層を形成する体積膨張層形成手段と、
前記所定の領域における平均厚みが前記他の領域における平均厚み以下となるように前記所定の領域における前記体積膨張剤含有層上及び前記他の領域の前記体積膨張層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成手段と、を含むことを特徴とする凹凸表面物の製造装置である。
前記<1>から<7>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法、及び前記<8>に記載の凹凸表面物の製造装置によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
100 凹凸表面物の製造装置
11、111 基材
21 体積膨張剤含有層
21’ 体積膨張層
22 体積膨張剤
22A 体積膨張した体積膨張剤
22B 体積膨張していない体積膨張剤
23 抑制剤
24A 凹部
24B 凸部
31 オーバーコート層
特許第6090744号公報

Claims (8)

  1. 基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
    所定の領域における前記体積膨張剤含有層上に、前記体積膨張剤の膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与工程と、
    前記体積膨張剤含有層における前記体積膨張剤を膨張させて前記所定の領域以外の他の領域において体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、
    前記所定の領域における平均厚みが前記他の領域における平均厚み以下となるように前記所定の領域における前記体積膨張剤含有層上及び前記他の領域の前記体積膨張層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程と、を含むことを特徴とする凹凸表面物の製造方法。
  2. 前記オーバーコート層形成工程が、第1の重合性化合物を体積膨張層に付与することを含む、請求項1に記載の凹凸表面物の製造方法。
  3. 前記第1の重合性化合物の付与が、インクジェット法により吐出することである、請求項2に記載の凹凸表面物の製造方法。
  4. 前記所定の領域における前記オーバーコート層の平均厚みが、20μm以上40μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法。
  5. 前記他の領域における前記オーバーコート層の平均厚みが、20μm以上60μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法。
  6. 前記体積膨張層上に、インクを付与して画像を形成する画像形成工程を更に含む、請求項1から5のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法。
  7. 前記インクが、第2の重合性化合物を含有する、請求項6に記載の凹凸表面物の製造方法。
  8. 前記体積膨張剤含有層及び前記抑制剤の少なくともいずれかを硬化する硬化工程を更に含む、請求項1から7のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法。

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