JP7484638B2 - 印刷物の製造方法、及び印刷物の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷物の製造方法、及び印刷物の製造装置に関する。
従来、建築物の内壁、床、及び天井などには、壁紙、及び床材などの建築用内装材が使用されている。このような建築用内装材としては、所望の画像を印刷した印刷層を作製し、該印刷層にエンボス加工等により凹凸模様を形成し、意匠性を付与したものが知られている。
前記凹凸模様を有する建築用内装材の製造方法としては、例えば、前記建築用内装材の一部に発泡剤を含む発泡層を有し、該発泡層を発泡させることにより凹凸模様を得ること(例えば、特許文献1参照)、発泡層に対し、更にエンボス加工を施すこと(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
また、例えば、発泡層上にインクジェット方式により所望の画像を印刷し、前記発泡層を発泡させてなる壁紙が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、高硬度でありかつ耐溶剤性に優れた凹凸形状を有する印刷物を効率よく製造できる印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の印刷物の製造方法は、被印刷物に、発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物を付与して発泡液層を形成する発泡液層形成工程と、前記発泡液層上に選択的に重合性化合物を含有する発泡抑制剤を付与する発泡抑制剤付与工程と、付与した前記発泡抑制剤を硬化させる発泡抑制剤硬化工程と、前記発泡抑制剤硬化工程の後に、前記発泡液層を加熱して、前記発泡液層を発泡させる発泡工程と、前記発泡工程後に電子線を照射して硬化させる発泡液層硬化工程と、を含む。
本発明によると、高硬度でありかつ耐溶剤性に優れた凹凸形状を有する印刷物を効率よく製造できる印刷物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の印刷物の製造方法において用いる本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。 図2は、実施例2における本発明の印刷物の製造方法において用いる本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。 図3は、比較例1における印刷物の製造方法において用いる印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。 図4は、実施例などにおいて用いた電子線照射装置の一例を示す概略図である。
(印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置)
本発明の印刷物の製造方法は、被印刷物に、発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物を付与して発泡液層を形成する発泡液層形成工程と、前記発泡液層上に選択的に重合性化合物を含有する発泡抑制剤を付与する発泡抑制剤付与工程と、付与した前記発泡抑制剤を硬化させる発泡抑制剤硬化工程と、前記発泡抑制剤硬化工程の後に、前記発泡液層を加熱して、前記発泡液層を発泡させる発泡工程と、前記発泡工程後に電子線を照射して硬化させる発泡液層硬化工程と、を含み、色材液層形成工程を更に含むことが好ましく、先塗液層形成工程を更に含むことがより好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の印刷物の製造装置は、被印刷物に、発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物を付与して発泡液層を形成する発泡液層形成手段と、前記発泡液層の任意の箇所に重合性化合物を含有する発泡抑制剤を付与する発泡抑制剤付与手段と、付与した前記発泡抑制剤を硬化させる発泡抑制剤硬化手段と、前記発泡液層を加熱して、前記発泡液層を発泡させる発泡手段と、前記発泡工程後に電子線を照射して硬化させる発泡液層硬化手段と、を有し、色材液層形成手段を更に有することが好ましく、先塗液層形成手段を更に有することがより好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の印刷物の製造方法は、本発明の印刷物の製造装置により好適に実施することができ、発泡液層形成工程は発泡液層形成手段により行うことができ、発泡抑制剤付与工程は発泡抑制剤付与手段により行うことができ、発泡抑制剤硬化工程は発泡抑制剤硬化手段により行うことができ、発泡工程は発泡手段により行うことができ、発泡液層硬化工程は発泡液層硬化手段により行うことができ、色材液層形成工程は色材液層形成手段により行うことができ、先塗液層形成工程は先塗液層形成手段により行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
従来技術では、発泡層を発泡させることにより形成された凹凸形状を有する建築用内装材(印刷物)において、この凹凸形状部分の硬度及び耐溶剤性が不十分であるという問題があった。
そこで、本発明においては、発泡抑制剤により発泡させたくない箇所の発泡を抑制した発泡液層を発泡させた後、前記発泡工程後に電子線を照射して発泡液層を硬化させて発泡層を形成させる製造方法により、高硬度でありかつ耐溶剤性に優れた凹凸形状を有する印刷物を効率よく製造することができる。
本発明の一態様においては、発泡剤含有組成物が、実質的に重合開始剤を含有しない。この態様によると、従来に比べて、発泡剤含有組成物に使用可能な材料の種類が増え、凹凸形状部分の硬度及び耐溶剤性がより向上する。
また、本発明の別の一態様においては、発泡剤含有組成物中の多官能モノマーの含有量が、発泡剤含有組成物に含まれる重合性化合物の全量に対して、50質量%以上である。
この態様によると、電子線照射により、発泡液層が三次元架橋されるため、凹凸形状部分の硬度及び耐溶剤性が更に向上する。
<発泡液層形成工程及び発泡液層形成手段>
前記発泡液層形成工程は、被印刷物に、発泡剤、及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物を付与して、発泡液層を形成する工程であり、発泡液層形成手段により実施される。なお、前記発泡液層は、「アンダー層」などと称することもある。
前記発泡液層とは、液体である発泡剤含有組成物を付与して、後述する硬化工程により硬化される前の状態を指す。前記発泡剤含有組成物は、液体ではあるが、ある程度の粘度を有するため、前記発泡剤含有組成物を付与して、層の状態とすることができる。
前記発泡液層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm以上300μm以下が好ましい。
前記発泡液層の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<被印刷物>>
前記発泡剤含有組成物は、被印刷物に付与する。
前記被印刷物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する基材そのもの、後述する先塗液層などが挙げられる。
<<基材>>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチックフィルム、樹脂含侵紙、天然紙、合成繊維からなる合成紙、不織布等のシート、布、木質繊維板、金属板、ガラス板、セラミック板などが挙げられる。これらの中でも、耐水性を有する基材が好ましい。
前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム;ポリエチレンフィルム;ナイロン、ビニロン、アクリル等のプラスチックフィルム、又は前記フィルムの貼り合わせたものなどが挙げられる。
前記プラスチックフィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度の点から、一軸又は二軸延伸されていることが好ましい。
前記不織布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン繊維をシート状に散布し、熱圧着させてシート状に形成したものなどが挙げられる。
前記木質繊維板としては、例えば、中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、パーティクルボード、ベニヤなどの合板、表面にシートを貼り合わせた化粧板などが挙げられる。
前記発泡剤含有組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などが挙げられる。
前記基材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
前記基材の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<発泡剤含有組成物>>
前記発泡剤含有組成物は、発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記発泡剤含有組成物は、以下に記載する重合開始剤を実質的に含有しないことが好ましい。この、「実質的に含有しない」とは、発泡剤含有組成物全体において、1質量%未満であることを指す。
前記重合開始剤を含有しない発泡剤含有組成物を用いることにより、以下に記載する発泡前に施す工程である発泡抑制剤硬化工程において、発泡液層全体が硬化することを防止でき、発泡液層の所望の部分を発泡させることができる。また、重合開始剤を含有しない発泡剤含有組成物を用いることで、後述する発泡工程を行う前にすべての発泡剤含有組成物が硬化し、凹凸形状が形成しないという不具合を防止できる。なお、後述する発泡液層硬化工程が、電子線を照射することにより行われるため、重合開始剤を含有しない発泡剤含有組成物を用いても、発泡液層を硬化できる。
-発泡剤-
前記発泡剤としては、加熱されることにより体積が膨張する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱膨張性マイクロカプセル、熱分解性発泡剤などが挙げられる。これらの中でも、前記発泡剤としては、高体積膨張倍率を有し、均一で小さい独立気泡を形成できる点から、熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。
前記熱膨張性マイクロカプセルは、体積膨張化合物を熱可塑性樹脂により包み込んだコアシェル構造の粒子であり、加熱により外殻の前記熱可塑性樹脂が軟化を始めると共に、内包された前記体積膨張化合物の蒸気圧が上昇して粒子を変形させるのに十分な圧力となり、外殻の前記熱可塑性樹脂が引き伸ばされて膨張する。前記体積膨張化合物としては、例えば、低沸点の脂肪族炭化水素などが挙げられる。
前記熱膨張性マイクロカプセルの平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、10μm~50μmが好ましい。
前記熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社製のアドバンセルEMシリーズ、EML101、EM306,EM403(平均粒径:12μm~35μm)、AkzoNovel社製(日本国内では日本フィライト株式会社が販売)のExpancelシリーズ、053-40DU、920-40DU、930-120DU(平均粒径:10μm~38μm)、松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアーF、FNシリーズ、F-48D、FN-100MD、FN-80GSD(平均粒径:9μm~20μm)、株式会社クレハ製のクレハマイクロスフェアーH750、H850、H1100(平均粒径:20μm~45μm)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱分解性発泡剤としては、例えば、有機系発泡剤、無機系発泡剤などが挙げられる。
前記有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機系発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組合せなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記発泡剤の含有量としては、発泡剤含有組成物の全量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましい。
<<重合性化合物>>
前記重合性化合物としては、多官能モノマーを含み、単官能モノマーを含んでいてもよい。
前記多官能モノマーは、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に2つ以上有する化合物である。
多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート〔CH=CH-CO-(OC)n-OCOCH=CH(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)-CO-(OC-OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、エトキシ化(4)ビスフェノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーの分子量と官能数量との比[分子量/官能数量]は250以上であることが、発泡性と堅牢性(硬さ及び耐溶剤性)を両立できる点から好ましい。
前記発泡剤含有組成物における多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、50質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。また、多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、100質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。多官能モノマーの含有量が、重合性化合物の全量に対して、50質量%以上であると、形成された凹凸形状の硬さ及び耐溶剤性に優れるという利点がある。
前記単官能モノマーは、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に1つ有する。
前記単官能モノマーとしては、例えば、γ-ブチロラクトン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エトキシ(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が高く、堅牢性が良好な点から、イソボロニル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記単官能モノマーの含有量は、発泡剤含有組成物の全量に対して、0質量%以上10質量%以下が好ましい。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、充填剤、発泡促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤などが挙げられる。
--充填剤--
前記充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
--発泡促進剤--
前記発泡促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナフテン酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、2-エチルペンタン酸亜鉛、2-エチル-4-メチルペンタン酸亜鉛、2-メチルヘキサン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛、イソオクチル酸亜鉛、n-オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、イソデカン酸亜鉛、n-デカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸亜鉛、12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、リノ一ル酸亜鉛、リノレイン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、o、m又はp-トルイル酸亜鉛、p-t-ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フタル酸亜鉛、フタル酸モノアルキル(C4~18)エステルの亜鉛塩、デヒドロ酢酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、アミノクロトン酸亜鉛、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジンクピリチオン、尿素又はジフェニル尿素の亜鉛錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
--増粘剤--
前記増粘剤としては、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
--防腐剤--
前記防腐剤は、従来から使用されモノマーの重合を開始させないもの、例えば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾールなどが挙げられる。
--安定剤--
前記安定剤は、貯蔵中のモノマーの重合を抑制する目的を果たし、アニオン性安定剤及びフリーラジカル安定剤が挙げられる。前者は、メタリン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アルキルスルホン酸、五酸化リン、塩化鉄(III)、酸化アンチモン、2,4,6-トリニトロフェノール、チオール、アルキルスルホニル、アルキルスルホン、アルキルスルホキシド、亜硫酸アルキル、スルトン、二酸化硫黄、三酸化硫黄等を含み、後者は、ヒドロキノン、カテコール、又はこれらの誘導体を含む。
<粘度>
本発明に用いられる発泡剤含有組成物の粘度は、用途、及び適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、25℃において、5,000mPa・s以上200,000mPa・s以下が好ましい。前記粘度が、上記の範囲内であると、発泡剤含有組成物を付与して発泡液層を形成する際に、液だれが生じにくくなり、所望の厚みの発泡液層が得られる。また、以下に記載する発泡抑制剤を付与する際に所望の位置に発泡抑制剤を付与できる程度の硬さを有することができる。
粘度の測定方法としては、一般的な回転式粘度計により測定することができる。例えば、粘度が5,000mPa・s~66,000mPa・sでは、ブルックフィールド回転式デジタル粘度計(高回転用KT-DV1401、コーテック社製)により測定できる。前記数値範囲以上の粘度の場合には、ブルックフィールド回転式デジタル粘度計(高回転用KT-DV1402、コーテック社製)により測定できる。
<発泡剤含有組成物の調製>
本発明に用いられる発泡剤含有組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されない。
<発泡抑制剤付与工程及び発泡抑制剤付与手段>
前記発泡抑制剤付与工程は、発泡抑制剤を上述の発泡液層上に選択的に付与する工程であり、発泡抑制剤付与手段により実施される。
前記発泡液層上に選択的に付与するとは、発泡液層上の発泡させる箇所と発泡させない箇所とを選択して、前期発泡させない箇所に付与するとのことである。これは、発泡液層の発泡させたくない箇所に付与することとも言える。
前記発泡抑制剤を付与する、発泡液層における所定の領域(即ち、発泡液層の発泡させたくない箇所)としては、例えば、製造する印刷物の凹凸形状のデータに基づいて特定することができる。前記発泡抑制剤付与工程においては、例えば、製造する印刷物における凹凸形状のデータで、凹部(発泡液層を発泡させない領域)となっている部分に、前記発泡抑制剤を付与して接触させ、後述する発泡工程における発泡液層の発泡を抑制して、任意の凹凸形状を形成することができる。
前記発泡抑制剤を発泡液層に付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、様々な発泡パターン(抑制パターン)に対してフレキシブルに対応できる点から好ましい。
前記インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
<<発泡抑制剤>>
前記発泡抑制剤は、重合性化合物を含有することが好ましく、重合開始剤を更に含有することがより好ましく、必要に応じてその他の成分を含有する。
前記発泡抑制剤が重合開始剤を含有することが、後述する電子線照射の前に所望の場所を硬化させることができ、凹凸形状を形成することができるため、好ましい。
-重合性化合物-
前記重合性化合物としては、上記の発泡剤含有組成物と同様のものを用いることができる。これらのうち、多官能モノマーが好ましい。
前記重合性化合物が多官能モノマーであることにより、多官能モノマーはエネルギー付与により3次元架橋するので、発泡液層の任意の場所に多官能モノマーを付与し、エネルギーを付与することで発泡剤による体積膨張のオンオフを制御でき、印刷物に優れた凹凸形状による意匠性を付与することができるという利点がある。
--重合開始剤--
重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物(モノマー又はオリゴマー)の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、これらの中でも、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、十分な硬化速度を得るために、発泡抑制剤の全量に対して、5質量%以上20質量%以下含まれることが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(例えば、チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。
重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルベンジルアミン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物などが挙げられる。
重合促進剤の含有量は、特に制限はなく、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、上記の発泡剤含有組成物を同様のものを用いることができる。
<発泡抑制剤硬化工程及び発泡抑制剤硬化手段>
前記発泡抑制剤硬化工程は、発泡抑制剤を硬化させる工程であり、発泡抑制剤硬化手段により実施される。
発泡抑制剤硬化工程により、発泡液層の所定の箇所(即ち、発泡層における発泡させたくない箇所)の表面及び当該箇所の厚み方向に浸透した発泡抑制剤が硬化される。すなわち、発泡抑制剤硬化工程により、発泡液層の一部分が硬化され、発泡液層の発泡が抑制される。また、前記発泡抑制剤硬化工程により、後述の先塗液層の一部分を硬化させてもよい。
発泡抑制剤硬化手段としては、紫外線を照射して硬化させる手段が好ましい。
-紫外線照射-
紫外線照射は、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
前記紫外線照射条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
<発泡工程及び発泡手段>
前記発泡工程は、発泡液層を加熱して発泡液層を発泡させる工程であり、発泡手段により実施される。発泡液層全体を加熱することにより、発泡抑制剤が硬化した箇所以外の発泡液層が発泡する。発泡抑制剤硬化工程における紫外線照射では、発泡液層は硬化しないので、発泡工程により発泡液層は十分に硬化される。
前記発泡手段としては、加熱により発泡液層を発泡させる手段であり、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
前記加熱の温度としては、発泡剤の熱分解温度以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上200℃以下が好ましい。
<発泡液層硬化工程及び発泡液層硬化手段>
前記発泡液層硬化工程は、前記発泡工程後に電子線を照射して、前記発泡液層を硬化させる工程であり、発泡液層硬化手段により実施される。
前記発泡液層硬化手段とは、電子線照射を行う手段である。
発泡液層硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
加速電圧が、120keV~250keVが好ましく、線量が、15kGy~50kGyが好ましい。なお、前記線量は、硬化させたい物体において、電子線照射装置からの距離が最も長い箇所における値を指す。
<色材液層形成工程及び色材液層形成手段>
前記色材液層形成工程は、色材及び重合性化合物を含有する色材含有組成物を付与して色材液層を形成する工程であり、色材液層形成手段により実施される。なお、色材液層は、「印刷層」、「画像層」などど称することもある。
前記色材液層形成工程は、発泡液層硬化工程の後に有することが好ましい。
前記色材含有組成物は、発泡液層の硬化物である発泡層に付与することが好ましいが、発泡液層に付与してもよい。
前記色材含有組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、生産性、及び小ロット多品種へのフレキシブル対応が可能な点から好ましい。
前記インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
前記色材含有組成物は、色材及び重合性化合物を含有することが好ましく、必要に応じて重合開始剤などのその他の成分を含有する。
-重合性化合物―
前記重合性化合物としては、上記の発泡剤含有組成物と同様のものを用いることができる。
前記色材含有組成物における重合性化合物としては、単官能モノマーを含むことが好ましく、多官能モノマーを含んでいてもよい。
-色材-
本発明に用いられる色材含有組成物は、色材を含有していてもよい。なお、色材含有組成物は、色材を含まず無色透明であってもよく、その場合には、例えば、画像を保護するためのオーバーコート層として好適である。
色材としては、本発明における色材含有組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、色材含有組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、上記発泡剤含有組成物と同様のものを用いることができる。また、重合開始剤としては、上記発泡抑制剤と同様のものを用いることができる。
-色材含有組成物の調製-
本発明に用いられる色材含有組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、重合性モノマー、色材としての顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に、更に重合性モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
-色材含有組成物の粘度-
本発明に用いられる色材含有組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
<先塗液層形成工程及び先塗液層形成手段>
前記先塗液層形成工程は、前記基材上に、重合性化合物を含有する先塗層組成物を付与して先塗液層を形成する工程であり、先塗液層形成手段により実施される。
前記先塗液層形成工程は、前記発泡液層形成工程の前に行うことが好ましい。
前記先塗液層は、前記硬化工程を経て、先塗層になる。前記先塗層は、プライマー層とも称することがある。
前記先塗液層を形成することで、上述の発泡液層の基材に対する密着が向上する、硬化後の色材液層である色材層の色を鮮やかに表現できるという効果が得られる。
前記先塗液層の形状としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択できる。前記線塗液層は、前記基材表面全体に形成してもよく、前記基材表面の一部に形成してもよい。
前記先塗液層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm~50μmが好ましい。
前記先塗組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などが挙げられる。
<<先塗層組成物>>
前記先塗層組成物は、重合性化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
-重合性化合物-
前記重合性化合物としては、上記の発泡剤含有組成物と同様のものを用いることができる。
前記先塗層組成物における重合性化合物としては、紫外線又は活性エネルギー硬化性モノマーを含有することが好ましく、熱硬化性モノマーを含んでいてもよい。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、上記発泡剤含有組成物と同様のものを用いることができる。
-先塗層組成物の粘度-
本発明に用いられる先塗層組成物の粘度は、用途、及び適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、25℃において、5mPa・s以上50,000mPa・s以下が好ましい。前記粘度が、上記の範囲内であると、先塗層組成物を付与して先塗液層を形成する際に、液だれが生じにくくなり、所望の厚みの先塗液層が得られる。また、前記発泡液層を付与できる程度の硬さを有することができる。
前記粘度の測定方法としては、上述の一般的な回転式粘度計により測定することができる。
-先塗層組成物の調製-
本発明に用いられる先塗層組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段、及び条件は特に限定されない。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エンボス加工工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エンボス加工手段、制御手段などが挙げられる。
<<エンボス加工工程及びエンボス加工手段>>
前記エンボス加工工程は、対象物の発泡したゲル層に凹凸模様を形成する工程であり、エンボス加工手段により実施される。
前記凹凸模様としては、通常、壁紙、化粧材等に凹凸を付与する目的で使用されるエンボス加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン加工、又は盛り上げ印刷等の方法を選択使用することができる。
前記エンボス加工工程としては、例えば、エンボス版を用いる加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン、又は盛り上げ印刷により凹凸を付与する方法などが挙げられる。
前記エンボス加工手段としては、加熱後冷却ローラーを用いてエンボスする手段、及び熱ローラエンボスを用いて一度にエンボスする手段のいずれであっても構わない。
前記エンボス加工によるエンボスの深さとしては、0.08mm以上0.50mm以下が好ましい。前記エンボスの深さが、0.08mm以上であると、立体感を出すことができ、0.50mm以下であると、表面の摩耗強さを向上できる。
ここで、本発明の印刷物の製造方法に用いられる本発明の印刷物の製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。この図1の印刷物の製造装置100は、基材19上に発泡剤含有組成物を塗布する塗布ローラー10と、その下流に発泡抑制剤用ヘッド11を有する吐出ヘッドと、紫外線照射装置27と、加熱装置18と、電子線照射装置17と、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15からなる吐出ヘッド16と、を有している。なお、図1中、20は搬送ベルト、21は塗布ローラー10と対向する送り出しローラーであり、22は巻取りローラーである。
基材19は巻取りローラー22により搬送ベルト20が巻き取られることにより、図1中矢印方向に搬送される。
まず、基材表面に、発泡剤含有組成物を塗布ローラー10により塗布して、発泡液層を形成する。
次に、発泡液層が形成された基材を所定の速度において走査させ、発泡抑制剤用ヘッド11から発泡抑制剤を発泡液層の発泡させたくない箇所に吐出する。次いで、紫外線照射装置27を用いて紫外線を照射して、発泡抑制剤を硬化させる。
次に、硬化された発泡抑制剤を有した発泡液層に対して、加熱装置18により加熱すると、発泡液層が発泡する。発泡後の発泡液層に対して、電子線照射装置17を用い、所定の照射条件において電子線を照射し、発泡液層を硬化させる
次いで、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15の各色用ヘッドから、ブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材含有組成物をインクジェット方式により吐出して、色材液層を形成する。その後、色材液層に対して、紫外線照射装置27を用いて紫外線を照射して、色材含有組成物を硬化させ、印刷物が得られる。
本発明の印刷物の製造方法及び本発明の印刷物の製造装置により製造される印刷物は、高硬度でありかつ耐溶剤性に優れた凹凸形状を有し、例えば、床材、壁紙、内装材、建築材料、壁材、巾木材、天井材等の建築用内装材などの用途に好適である。
(印刷用セット)
本発明の印刷用セットは、発泡剤含有組成物、色材含有組成物、及び発泡抑制剤を含む。
前記発泡剤含有組成物、及び発泡抑制剤は、上述の発泡剤含有組成物、及び発泡抑制剤と同様のものを使用できる。色材含有組成物は、色材を含有し、必要に応じてその他の成分を含有できる。色材、及びその他の成分については、上述の色材及びその他の成分と同様のものを使用できる。
本発明の別の態様の印刷用セットは、発泡剤含有組成物、色材含有組成物、及び発泡抑制剤を含む。
前記発泡剤含有組成物、及び発泡抑制剤は、上述の発泡剤含有組成物、及び発泡抑制剤と同様のものを使用できる。色材含有組成物は、色材及び重合性化合物を含有し、必要に応じてその他の成分を含有できる。色材、重合性化合物、及びその他の成分については、上述の色材、重合性化合物、及びその他の成分と同様のものを使用できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。ただし、「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。
(調製例1)
<発泡抑制剤の調製>
重合性化合物としての1,6-ヘキサンジオールジアクリレ-ト(巴工業株式会社製)100部、及び光重合開始剤(Omnirad TPO H、IGM Resins B.V.製)5部を撹拌することにより、発泡抑制剤を得た。
(調製例2)
<ブラック用色材含有組成物A1の調製>
重合性化合物としてのアクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60部、及びベンジルアクリレート(東京化成工業株式会社製)20部、並びに色材としてのSPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASFジャパン社製)40部を撹拌することにより、ブラック用色材含有組成物A1を調製した。
(調製例3)
<シアン用色材含有組成物A2の調製>
重合性化合物としてのアクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60部、及びベンジルアクリレート(東京化成工業株式会社製)20部、並びに色材としてのIRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)40部を撹拌することにより、シアン用色材含有組成物A2を調製した。
(調製例4)
<マゼンタ用色材含有組成物A3の調製>
重合性化合物としてのアクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60部、及びベンジルアクリレート(東京化成工業株式会社製)20部、並びに色材としてのCINQUASIA MAGENTA RT-355-D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)40部を撹拌することにより、マゼンタ用色材含有組成物A3を調製した。
(調製例5)
<イエロー用色材含有組成物A4の調製>
重合性化合物としてのアクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60部、及びベンジルアクリレート(東京化成工業株式会社製)20部、並びに色材としてのNOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)40部を撹拌することにより、イエロー用色材含有組成物A4を調製した。
(調製例6)
<発泡剤含有組成物Aの調製>
イソボルニルアクリレート(巴工業株式会社製)90質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(巴工業株式会社製)10質量部からなる重合性化合物94質量%に対して、発泡剤としてのアゾジカルボン酸アミド(永和化成工業株式会社製)3質量%及び発泡促進剤としてのナフテン酸亜鉛(東京化成工業株式会社製)3質量%を添加し、撹拌することにより、発泡剤含有組成物Aを調製した。
(調製例7)
<発泡抑制剤Aの調製>
エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート(巴工業株式会社製)30質量部、及び発泡抑制剤としての無水トリメリット酸(東京化成工業株式会社製)30質量部を撹拌することにより、発泡抑制剤Aを調製した。
(調整例8)
<先塗層組成物Aの調製>
脂肪族アクリレート(CN966J75、巴工業株式会社製)95部、及び光重合開始剤(Omnirad TPO H、IGM Resins B.V.社製)5部を撹拌することにより、先塗層組成物Aを調製した。
(製造例1)
<発泡剤含有組成物1の調製>
単官能モノマーであるイソボルニルアクリレート(巴工業株式会社製)50部、及び多官能モノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレート(巴工業株式会社製)50部からなる重合性化合物に、発泡剤としてのマイクロスフィア(H750、平均粒子径:20μm、株式会社クレハ製)15部を添加し、撹拌することにより、発泡剤含有組成物1を得た。
前記発泡剤含有組成物1の粘度は、ブルックフィールド回転式デジタル粘度計(高回転用 KT-DV1401、コーテック社製)により測定したところ、25℃において30mPa・sであった。
(製造例2)
<発泡剤含有組成物2の調製>
イソボルニルアクリレート(巴工業株式会社製)5部、及び多官能モノマーであるウレタンアクリレート(CN975、サートマー社製)95部からなる重合性化合物に、発泡剤としてのマイクロスフィア(H750、株式会社クレハ製)15部を添加し、撹拌することにより、発泡剤含有組成物2を得た。
発泡剤含有組成物2の粘度は、25℃において、上記と同様にして測定したところ、25℃において、9,000mPa・sであった。
(製造例3)
<発泡剤含有組成物3の調製>
イソボルニルアクリレート(巴工業株式会社製)10部、及び多官能モノマーであるウレタンアクリレート(CN975、サートマー社製)90部からなる重合性化合物に、発泡剤としてのマイクロスフィア(H750、株式会社クレハ製)15部を添加し、撹拌することにより、発泡剤含有組成物3を得た。
発泡剤含有組成物3の粘度は、上記と同様にして測定したところ、25℃において、5,000mPa・sであった。
(製造例4)
<発泡剤含有組成物4の調製>
多官能モノマーであるウレタンアクリレート(CN975、サートマー社製)100部からなる重合性化合物に、発泡剤としてのマイクロスフィア(H750、株式会社クレハ製)10部を添加し、撹拌することにより、発泡剤含有組成物4を得た。
発泡剤含有組成物4の粘度は、上記と同様にして測定したところ、25℃において、180,000mPa・sだった。
(製造例5)
<発泡剤含有組成物5の調製>
イソボルニルアクリレート(巴工業株式会社製)5部、及び多官能モノマーであるウレタンアクリレート(CN959、サートマー社製)95部からなる重合性化合物に、発泡剤としてのマイクロスフィア(H750、株式会社クレハ製)10部を添加し、撹拌することにより、発泡剤含有組成物5を得た。
発泡剤含有組成物5の粘度は、上記と同様にして測定したところ、25℃において、150,000mPa・sであった。
(製造例6)
<発泡剤含有組成物6の調製>
多官能モノマーであるウレタンアクリレート(東亜合成株式会社製 アロニックス M-1200)90質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(巴工業株式会社製)10質量部からなる重合性化合物からなる重合性化合物94質量%に対して、発泡剤としてのマイクロスフィア(H750、株式会社クレハ製)10部を添加し、撹拌することにより、発泡剤含有組成物6を得た。発泡剤含有組成物6の粘度は、上記と同様にして測定したところ、25℃において、250,000mPa・sだった。
(製造例7)
<発泡剤含有組成物7の調製>
単官能モノマーであるイソボルニルアクリレート(巴工業株式会社製)50部、及び多官能モノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレート(巴工業株式会社製)50部からなる重合性化合物に、発泡剤としてのマイクロスフィア(FN-80GSD、平均粒径:6-10μm、松本油脂製薬株式会社製)15部を添加し、撹拌することにより、発泡剤含有組成物7を得た。
前記発泡剤含有組成物7の粘度は、ブルックフィールド回転式デジタル粘度計(高回転用 KT-DV1401、コーテック社製)により測定したところ、25℃において40mPa・sであった。
(実施例1)
図1は、実施例1において用いる本発明の印刷物の製造装置を示す概略図である。この図1の印刷物の製造装置100は、基材19上に発泡剤含有組成物を塗布する塗布ローラー10と、その下流に発泡抑制剤用吐出ヘッド11と、紫外線照射装置27と、加熱装置18と、電子線照射装置17と、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15からなる吐出ヘッド16と、を有している。なお、図1中、20は搬送ベルト、21は塗布ローラー10と対向する送り出しローラーであり、22は巻取りローラーである。基材19は巻取りローラー22により搬送ベルト20が巻き取られることにより、図1中矢印方向に搬送される。
紫外線照射装置27としては、光源としてピーク波長385nmのLED光源ユニット(LEDZero Solidcure、Integration Technolohy社製)を用いた。
加熱装置18としては、日立産機システム株式会社製のルテックスブロアGシリーズ、株式会社関西電熱製の高温熱風発生用電気式ヒーターXS-2、株式会社関西電熱製ハイブローノズル50ALを組み合わせて作製した加熱装置をノズル先端からの風速30m/secとなるように調整したものを用いた。
電子線照射装置17としては、岩崎電気株式会社製のEC300/30/30mAを用い、不活性ガスブランケット内は、不活性ガス源として、コンプレッサー付きNガス発生装置(Maxi-Flow30、Inhouse Gas社製)を0.2MPa・sの圧力において接続し、2L/分間~10L/分間の流量においてNをフローさせ、酸素濃度が500ppm以下となるように設定した。
吐出ヘッド16としては、株式会社リコープリンティングシステムズ製のGEN4ヘッド(MH2420)を用い、発泡抑制剤用ヘッド11と、ブラック用ヘッド12と、シアン用ヘッド13と、マゼンタ用ヘッド14と、イエロー用ヘッドの各色用ヘッドとを4つずつ並列に配置し、吐出ヘッド16を45℃に加温して、20pLの液滴サイズにおいて描画できるよう、周波数をコントロールした。
まず、基材19として、質量80g/mの用紙(オストリッチダイヤ ハイグレード普通紙RJPH-03)の表面に、発泡剤含有組成物1を塗布ローラー10により平均厚みが100μmとなるように塗布し、発泡液層を形成した。
次に、発泡液層が形成された基材を15m/minの速度において走査させ、発泡抑制剤用ヘッド11から発泡抑制剤を発泡液層の発泡させたくない箇所に吐出した。次いで、紫外線照射装置27を用い、発泡抑制剤を硬化させた。
次に、得られた発泡液層に対して、加熱装置18により170℃において10秒間加熱すると、発泡液層が発泡した。
次に、発泡液層に対して電子線照射装置17を用い、加速電圧30kV、30線量kGyの照射条件において電子線を照射し、硬化させた。
なお電子線照射装置17においては、図4に示すように、基材19、発泡液層191、発泡抑制剤192を全て包含させるように電子線171を当てた。
次いで、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15から、ブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材含有組成物A1~A4をインクジェット方式により25%画像(各色フィルムの4分1の幅)を描画し、色材液層を形成した。色材液層を形成した後、紫外線照射装置27を用い、色材液層を硬化させた。以上により、実施例1の印刷物が得られた。
(実施例2)
実施例1において、図2に示すように、紫外線照射装置27を発泡抑制剤用ヘッド11、及び各色用ヘッド12~15間に設置した以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
(実施例3)
実施例1において、発泡剤含有組成物1を上記の組成の発泡剤含有組成物2に変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
(実施例4)
実施例1において、発泡剤含有組成物1を上記の組成の発泡剤含有組成物3に変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
(実施例5)
実施例1において、発泡剤含有組成物1を上記の組成の発泡剤含有組成物4に変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
(実施例6)
実施例1において、発泡剤含有組成物1を上記の組成の発泡剤含有組成物5に変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
(実施例7)
実施例1において、発泡剤含有組成物1を上記の組成の発泡剤含有組成物6に変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
(実施例8)
実施例1において、発泡剤含有組成物1を上記の組成の発泡剤含有組成物7に変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷物を得た。
(実施例9)
実施例1において、基材を鋼板(電気亜鉛メッキ鋼板 厚さ5mm、縦225mm、横300mm、株式会社久宝金属製作所製)に変更し、基材上に先塗層組成物Aを30μm塗布し、紫外線で硬化する工程を追加した以外は、実施例1と同様にして印刷物を得た。
(比較例1)
図3に示すような装置を用い、印刷物を製造した。
基材として、質量80g/mの用紙(オストリッチダイヤ ハイグレード普通紙RJPH-03)の表面に、上記の発泡剤含有組成物Aを実施例1と同様にして塗布し、発泡液層を形成した。
次に、発泡液層が形成された基材を15m/minの速度において走査させ、発泡抑制剤用ヘッド11から上記の発泡抑制剤Aを発泡液層の発泡させたくない箇所に吐出した。次いで、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15から、実施例1と同じ組成のブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材含有組成物A1~A4をインクジェット方式により25%画像(各色フィルムの4分1の幅)を描画し、色材液層を形成した。
次に、発泡液層及び色材液層に対して紫外線照射装置27を用い、紫外線を照射し、硬化させた。
次に、得られた硬化物に対して、加熱装置18により170℃において10秒間加熱すると、発泡液層の加熱した箇所が発泡した(発泡工程を行った)。以上により、比較例1の印刷物が得られた。
(比較例2)
実施例1において、発泡工程を発泡液層硬化工程の後に行ったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の印刷物を得た。
得られた実施例1~9、及び比較例1~2の印刷物について、下記の方法により硬さ及び耐溶剤性を評価した。評価結果を下記の表1に示した。
<硬さ>
実施例1~9、及び比較例1~2の印刷物に対し、TQC スプリング荷重式ひっかき硬度試験器(KT-SP0010、コーテック社製を用い、チップ径が1mm、スプリング荷重が3Nの条件にて試験を行った。硬さを下記評価基準において評価した。凹み量は、レーザー顕微鏡(VKX100、株式会社キーエンス製)にて測定を行った。
[評価基準]
〇:凹みが発生していない
△:0μm以上50μm未満の凹みが発生している
×:50μm以上の凹みが発生している
<耐溶剤性>
実施例1~9、及び比較例1~2の印刷物に、エタノール(純度99.5%)を吹き付けて12時間放置して、耐溶剤性を下記評価基準において評価した。
[評価基準]
〇:接液による発色濃度の低下が見られない、基材からの剥離も確認できない
△:接液による発色濃度の低下がわずかに見られる、基材からの剥離は確認できない
×:接液による発色濃度の低下が見られる、又は基材からの剥離が確認できる
<凹凸>
実施例1~9、及び比較例1~2の印刷物を目視により観察し、凹凸を下記評価基準において評価した。
[評価基準]
〇:はっきりとした凹凸が観察できた
△:凹凸形状は観察できるが、はっきりとした凹凸ではない
×:凹凸が形成されていない
Figure 0007484638000001
実施例1~9は、高硬度でありかつ耐溶剤性に優れた凹凸形状を有する印刷物であった。
なお、実施例7は、実施例1~6と比較して、凸部分の形状が高いため、実施例1~6などと比較して、はっきりとした凹凸形状とはならなかった。比較例1、2は、発泡抑制剤だけでなく発泡液層も加熱前に硬化したため発泡することができず、凹凸形状が得られなかった。また、比較例2については、凹凸形状が全く得られなかったため、硬さ及び耐溶剤性についての評価はできなかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物を付与して発泡液層を形成する発泡液層形成工程と、
前記発泡液層上にに重合性化合物を含有する発泡抑制剤を選択的に付与する発泡抑制剤付与工程と、
付与した前記発泡抑制剤を硬化させる発泡抑制剤硬化工程と、
前記発泡抑制剤硬化工程の後に、前記発泡液層を加熱して、前記発泡液層を発泡させる発泡工程と、
前記発泡工程後に電子線を照射して硬化させる発泡液層硬化工程と、を含むことを特徴とする印刷物の製造方法である。
<2> 色材及び重合性化合物を含有する色材含有組成物を付与して色材液層を形成する、色材液層形成工程を更に含む前記<1>に記載の印刷物の製造方法である。
<3> 基材上に重合性化合物を含有する先塗層用組成物を付与して先塗液層を形成する先塗液層形成工程を更に含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<4> 前記発泡抑制剤硬化工程において、紫外線を照射して前記発泡抑制剤を硬化させる前記<1>から<3>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<5> 前記発泡剤含有組成物が実質的に重合開始剤を含有しない前記<1>から<4>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<6> 前記発泡剤含有組成物中の多官能モノマーの含有量が、前記重合性化合物の全量に対して、50質量%以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<7> 前記発泡抑制剤が重合開始剤を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<8> 前記発泡抑制剤及び前記色材含有組成物が、インクジェット方式で付与される前記<1>から<7>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<9> 前記発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルを含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<10> 前記発泡剤含有組成物の25℃における粘度が、5,000mPa・s以上200,000mPa・s以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<11> 発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物を付与して発泡液層を形成する発泡液層形成手段と、
前記発泡液層上にの任意の箇所に重合性化合物を含有する発泡抑制剤を選択的に付与する発泡抑制剤付与手段と、
付与した前記発泡抑制剤を硬化させる発泡抑制剤硬化手段と、
前記発泡液層を加熱して、前記発泡液層を発泡させる発泡手段と、
発泡後に電子線を照射して硬化させる発泡液層硬化手段と、を有することを特徴とする印刷物の製造装置である。
<12> 色材及び重合性化合物を含有する色材含有組成物を付与して色材液層を形成する、色材液層形成手段を更に有する前記<11>に記載の印刷物の製造装置である。
<13> 前記発泡抑制剤硬化手段が、紫外線を照射して前記発泡抑制剤を硬化させる手段である前記<11>から<12>のいずれかに記載の印刷物の製造装置である。
<14> 前記発泡剤含有組成物中の多官能モノマーの含有量が、前記重合性化合物の全量に対して、50質量%以上である前記<11>から<13>のいずれかに記載の印刷物の製造装置である。
<15> 前記発泡抑制剤が重合開始剤を含有する前記<11>から<14>のいずれかに記載の印刷物の製造装置である。
<16> 前記発泡抑制剤及び前記色材含有組成物を付与する手段が、インクジェット方式で付与する手段である前記<11>から<15>のいずれかに記載の印刷物の製造装置である。
<17> 前記発泡剤含有組成物の25℃における粘度が、5,000mPa・s以上200,000mPa・s以下である前記<11>から<16>のいずれかに記載の印刷物の製造装置である。
<18> 前記発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルを含有する前記<11>から<17>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<19> 発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物、色材を含有する色材含有組成物、並びに重合性化合物を含有する発泡抑制剤を含むことを特徴とする印刷用セットである。
<20> 発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物、色材及び重合性化合物を含有する色材含有組成物、並びに重合性化合物を含有する発泡抑制剤を含むことを特徴とする印刷用セットである。
前記<1>から<10>のいずれかに記載の印刷物の製造方法、前記<11>から<18>のいずれかに記載の印刷物の製造装置、及び前記<19>から<20>のいずれかに記載の印刷用セットは、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
10 塗布ローラー
11 発泡抑制剤用ヘッド
12 ブラック用ヘッド
13 シアン用ヘッド
14 マゼンタ用ヘッド
15 イエロー用ヘッド
16 吐出ヘッド
17 電子線照射装置
18 加熱装置
19 基材
20 搬送ベルト
21 送り出しローラー
22 巻取りローラー
27 紫外線照射装置
100 印刷物の製造装置
特開2007-308869号公報 特許第5195999号公報 特開2017-105162号公報

Claims (14)

  1. 被印刷物に、発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物を付与して発泡液層を形成する発泡液層形成工程と、
    前記発泡液層上前記発泡液層を発泡させない箇所多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡抑制剤を付与する発泡抑制剤付与工程と、
    付与した前記発泡抑制剤を硬化させる発泡抑制剤硬化工程と、
    前記発泡抑制剤硬化工程の後に、前記発泡液層を加熱して、前記発泡液層を発泡させる発泡工程と、
    前記発泡工程後に電子線を照射して硬化させる発泡液層硬化工程と、を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
  2. 色材及び重合性化合物を含有する色材含有組成物を付与して色材液層を形成する、色材液層形成工程を更に含む請求項1に記載の印刷物の製造方法。
  3. 基材上に重合性化合物を含有する先塗層組成物を付与して先塗液層を形成する先塗液層形成工程を更に含む請求項1から2のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  4. 前記発泡抑制剤硬化工程において、紫外線を照射して前記発泡抑制剤を硬化させる請求項1から3のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  5. 前記発泡剤含有組成物が実質的に重合開始剤を含有しない請求項1から4のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  6. 前記発泡剤含有組成物中の多官能モノマーの含有量が、前記重合性化合物の全量に対して、50質量%以上である請求項1から5のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  7. 前記発泡抑制剤が重合開始剤を含有する請求項1から6のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  8. 前記発泡抑制剤並びに色材及び重合性化合物を含有する色材含有組成物が、インクジェット方式で付与される請求項1から7のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  9. 前記発泡剤が、熱膨張性マイクロカプセルを含有する請求項1から8のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  10. 前記発泡剤含有組成物の25℃における粘度が、5,000mPa・s以上200,000mPa・s以下である請求項1から9のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  11. 被印刷物に、発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物を付与して発泡液層を形成する発泡液層形成手段と、
    前記発泡液層上の前記発泡液層を発泡させない箇所に多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡抑制剤を付与する発泡抑制剤付与手段と、
    付与した前記発泡抑制剤を硬化させる発泡抑制剤硬化手段と、
    前記発泡液層を加熱して、前記発泡液層を発泡させる発泡手段と、
    発泡後に電子線を照射して硬化させる発泡液層硬化手段と、を有することを特徴とする印刷物の製造装置。
  12. 色材及び重合性化合物を含有する色材含有組成物を付与して色材液層を形成する、色材液層形成手段を更に有する請求項11に記載の印刷物の製造装置。
  13. 発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物、色材を含有する色材含有組成物、並びに多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡抑制剤を含むことを特徴とする印刷用セット。
  14. 発泡剤及び多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡剤含有組成物、色材及び重合性化合物を含有する色材含有組成物、並びに多官能モノマーを含む重合性化合物を含有する発泡抑制剤を含むことを特徴とする印刷用セット。
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