JP2021035750A - 印刷物の製造方法、及び印刷物の製造装置 - Google Patents

印刷物の製造方法、及び印刷物の製造装置 Download PDF

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Takuma Nakamura
琢磨 中村
美樹子 ▲高▼田
美樹子 ▲高▼田
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祐馬 臼井
Yuma Usui
祐馬 臼井
由貴男 藤原
Yukio Fujiwara
由貴男 藤原
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Abstract

【課題】体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との高い密着性が得られる印刷物の製造方法の提供。【解決手段】基材を冷却する基材冷却工程と、体積膨張剤を含有する硬化型組成物を、冷却された前記基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成工程と、前記体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、前記体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、を含む印刷物の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、印刷物の製造方法、及び印刷物の製造装置に関する。
従来、屋内外の空間の装飾性の付与を目的として、中密度繊維板(MDF)、合板等の基材に木目や石目等の所望の画像を印刷した化粧パネルがあり、特に画像とともに表面に高い凹凸構造を付与した化粧パネルは、三次元的な立体感による豪華な装飾効果が得られるため広く普及している。
近年、消費者のニーズの多様化に伴いデジタル化が注目を集める中、化粧パネルをインクジェット方式により実現する試みがなされている。このような技術としては、押出し形成する工程を含む発泡壁紙の製造方法として、良好な発泡状態と、加熱発泡後の紙質基材の焼け防止を同時に達成する目的で、電子線硬化樹脂(EVA樹脂)を含む組成物を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との高い密着性が得られる印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の印刷物の製造方法は、基材を冷却する基材冷却工程と、体積膨張剤を含有する硬化型組成物を、冷却された基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成工程と、体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、を含む。
本発明によると、体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との高い密着性が得られる印刷物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明における体積膨張剤含有液層又は体積膨張剤含有層の温度変化を示す概略図である。 図2は、本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。
(印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置)
本発明の印刷物の製造方法は、基材を冷却する基材冷却工程と、体積膨張剤を含有する硬化型組成物を、冷却された基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成工程と、体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程とを含み、更に必要に応じて、色材層形成工程、体積膨張抑制液付与工程、体積膨張剤含有層形成工程、その他の工程を含む。
本発明の印刷物の製造装置は、基材を冷却する基材冷却手段と、体積膨張剤を含有する硬化型組成物を、冷却された基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成手段と、体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成手段とを有し、更に必要に応じて、色材層形成手段、体積膨張抑制液付与手段、体積膨張剤含有層形成手段、その他の手段を有する。
本発明の印刷物の製造方法は、本発明の印刷物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記基材冷却工程は前記基材冷却手段により好適に実施することができ、前記体積膨張剤含有液層形成工程は前記体積膨張剤含有液層形成手段により好適に実施することができ、前記体積膨張層形成工程は前記体積膨張層形成手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は前記その他の手段により好適に実施することができる。
従来技術では、体積膨張剤としてのマイクロスフェアが良好に体積膨張できる温度範囲は狭いため、例えば、温風方式などの表面から温度が伝わる加熱方法では体積膨張剤含有層内に温度勾配ができ、層の厚み方向の体積膨張が均一ではなくなるという課題がある。
また、基材と体積膨張層は、マイクロスフェアの周りの樹脂と基材の分子間力で接着しており、マイクロスフェアの体積膨張により樹脂と基材の接触面積が減ってしまうと、分子間力が低減するため、基材と体積膨張層との高い密着性の点から、基材近傍の体積膨張剤含有層中のマイクロスフェアは体積膨張させない方が好ましい。しかしながら、従来技術には、基材と体積膨張層の高い密着性については、開示されていない。
表面に凹凸構造を付与した化粧パネルをインクジェット方式により実現する方法のうち、マイクロスフェア等の体積膨張剤を体積膨張させて凹凸構造を形成する「発泡方式」においては、体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との密着性を向上させるために、体積膨張層の形成において、体積膨張剤含有層の基材と接する表面とは反対側の表面の温度(以下、Tと称することがある)と、体積膨張剤含有層の基材と接する表面の温度(以下、Tと称することがある)との温度差を生じさせることが重要である。
しかしながら、体積膨張剤を含む体積膨張剤含有層の厚みは薄いため、加熱しても体積膨張剤含有層のTとTとの温度差が生じにくく、体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との密着性を向上させることができない。体積膨張層全体の温度が、体積膨張層の厚みが最大となる温度(以下、Tと称することがある)に近ければ、体積膨張層の平均厚みは厚くなるが、基材近傍の体積膨張剤も体積膨張してしまい、体積膨張層と基材の密着性が低下し、体積膨張層が基材から剥がれ易くなる。また体積膨張層全体の温度が、体積膨張剤の体積膨張が開始する温度(以下、Tと称することがある)に近ければ、体積膨張層が基材には密着しているものの、体積膨張している体積膨張剤の割合が少なくなるため、体積膨張層の平均厚みが低下する。
そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、基材上に体積膨張剤含有液層を形成する前に基材が冷却されていることで、体積膨張剤含有層を加熱すると、体積膨張剤含有層のTとTとの温度差を生じさせることができることを知見した。
したがって、本発明においては、基材を冷却する基材冷却工程と、体積膨張剤を含有する硬化型組成物を、冷却された基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成工程と、体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、前記体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程を含むことにより、体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との高い密着性が得られる。
<基材冷却工程及び基材冷却手段>
前記基材冷却工程は、基材を冷却する工程であり、基材冷却手段により実施される。
図1は、本発明における体積膨張剤含有液層又は体積膨張剤含有層の温度変化を示す概略図である。
体積膨張剤含有層は、特定の温度(以下、Tと称することがある)まで加熱されると、体積膨張剤が体積膨張を開始する。さらに加熱され、特定の温度(以下、Tと称することがある)まで加熱されると、体積膨張剤の体積膨張により、体積膨張剤含有層の平均厚みが最大となる。さらに加熱され、体積膨張剤含有層の温度がTを超えると、体積膨張した体積膨張剤の割れや異形の発生が生じ、体積膨張層の平均厚みが低下する。
基材の冷却を行わない場合は、加熱を行うと、体積膨張剤含有層の基材と接する表面とは反対側の表面から体積膨張剤含有層の基材と接する表面に熱が伝導していくため、体積膨張剤含有層の基材と接する表面とは反対側の表面の温度(以下、Tと称することがある)の方が、体積膨張剤含有層の基材と接する表面の温度(以下、Tと称することがある)よりも少し温度が高くなる。この差は、基材の種類により変わるが、体積膨張層は数百μmと薄く、体積膨張剤含有層のTとTとの温度差は生じにくいため、体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との高い密着性を得ることができない。
本発明は、基材を、予め冷却しておいてから、冷却された基材上に体積膨張剤含有液層を形成し、加熱により体積膨張層の形成を行う。基材が冷却された状態で、体積膨張剤含有液層を形成すると、体積膨張剤含有液層は、厚みが薄くて基材よりも熱伝導率が高いため、体積膨張剤含有液層の温度は、基材と同じ温度となる。ゆえに、体積膨張剤含有液層のTとTは、冷却された基材と同じ温度が加熱の開始温度となる。この状態から加熱を行うと、Tは上昇するが、Tは、体積膨張剤含有層の基材と接する表面が、冷却された基材と接しているため上昇しにくく、基材の冷却を行わない場合よりも加熱後のTとTの温度差が大きくなる。このため、体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との高い密着性が得られる。
基材冷却手段としては、冷却により基材の温度を降下させることができる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、強制空冷方式、チラーによる冷却方式、ペルチェ素子による冷却方式などが挙げられる。これらの中でも、冷却効果が高い点から、強制空冷方式が好ましい。
前記強制空冷方式としては、例えば、冷凍や冷蔵などに使用される方法であり、冷媒の気化熱を利用するものなどが挙げられる。
前記基材冷却工程としては、基材が5℃以下に冷却されることが好ましく、基材が0℃以上5℃以下に冷却されることがより好ましい。基材が0℃以上に冷却されることで、MDFなどの木材由来の基材が、水分の膨張により、亀裂が生じるのを防ぐことができ、基材が5℃以下に冷却されることで、体積膨張層形成工程における加熱後の体積膨張層のTとTとの温度差をより生じさせることができる。
<体積膨張剤含有液層形成工程及び体積膨張剤含有液層形成手段>
前記体積膨張剤含有液層形成工程は、体積膨張剤を含有する硬化型組成物を、冷却された前記基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する工程であり、体積膨張剤含有液層形成手段により実施される。
前記体積膨張剤を含有する硬化型組成物は、基材上に付与することが好ましい。
<<基材>>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材、樹脂フィルム、樹脂含浸紙、合成繊維からなる合成紙、天然紙、不織布等のシート、建築用材料、布、レザー、金属シート、ガラス板、セラミック板、これらが2層以上に積層されてなる積層体などが挙げられる。これらの中でも、熱伝導率が低い、木材がより好ましい。
前記木材としては、例えば、MDF、HDF、パーティクルボード、ベニヤなどの合板、表面にシートを貼り合わせた化粧板などが挙げられる。基材として木材を用いることで、体積膨張層形成工程における加熱に伴う、体積膨張剤含有層の基材と接する表面の温度Tの温度上層を緩やかにできるため、体積膨張剤含有液層又は体積膨張剤含有層の基材と接する表面とは反対側の表面の温度Tと、体積膨張剤含有層の基材と接する表面の温度Tの温度差をより生じさせることができる。
前記木材の平均厚みとしては、2mm以上30mm以下が好ましい。
前記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム;ポリエチレンフィルム;ナイロン、ビニロン、アクリル等のプラスチックフィルム、又は前記フィルムの貼り合わせたものなどが挙げられる。
前記樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度の点から、一軸又は二軸延伸されていることが好ましい。
前記不織布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン繊維をシート状に散布し、熱圧着させてシート状に形成したものなどが挙げられる。
前記ガラス板としては、例えば、フロートガラス、色ガラス、強化ガラス、網入りガラス、すりガラス、フロストガラス、ミラーガラスなどが挙げられる。これらの平均厚みとしては、0.3mm以上20mm以下が好ましい。
前記建築用材料としては、例えば、床材、壁紙、内装材、壁板材、巾木材、天井材、柱などで使用される熱硬化性樹脂、繊維版、パーティクルボード、または上記素材の表面に、熱硬化性樹脂、オレフィン、ポリエステル、PVC等の化粧板を設けたものが挙げられる。
前記基材上に、硬化型組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などが挙げられる。
前記体積膨張剤含有液層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましく、100μm以上が更に好ましく、100μm以上450μm以下が特に好ましい。
前記体積膨張剤含有液層の平均厚みが50μm以上であると、凹凸差のある体積膨張層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
<<硬化型組成物>>
前記硬化型組成物は、体積膨張剤を含有し、必要があれば重合性化合物、熱伝導性向上化合物、重合開始剤、界面活性剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記硬化型組成物としては、活性エネルギー線硬化型組成物などが挙げられるが、凹凸形状による意匠性の耐久性の点から、活性エネルギー線硬化型組成物がより好適である。
−体積膨張剤−
前記体積膨張剤としては、加熱されることにより体積が膨張する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱膨張性マイクロカプセル、熱分解性体積膨張剤などが挙げられる。これらの中でも、高体積膨張倍率を有し、均一で小さい独立気泡を形成できる点から、熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。なお、体積膨張剤は発泡剤と称することもある。
前記熱膨張性マイクロカプセルは、体積膨張化合物を熱可塑性樹脂で包み込んだコアシェル構造の粒子であり、加熱により外殻の熱可塑性樹脂が軟化を始めると共に、内包された体積膨張化合物の蒸気圧が上昇して粒子を変形させるのに十分な圧力となり、外殻の熱可塑性樹脂が引き伸ばされて膨張する。体積膨張化合物としては、例えば、低沸点の脂肪族炭化水素などが挙げられる。
前記熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社製のアドバンセルEMシリーズ、AkzoNovel社製のExpancellDU、WU、MB、SL、FGシリーズ(日本国内では日本フィライト株式会社が販売)、松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアーF、FNシリーズ、株式会社クレハ製のクレハマイクロスフェアーH750、H850、H1100などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱分解性体積膨張剤としては、例えば、有機系体積膨張剤、無機系体積膨張剤などが挙げられる。
前記有機系体積膨張剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機系体積膨張剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組合せなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記体積膨張剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、硬化型組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
<<重合性化合物>>
前記重合性化合物としては、エネルギーが付与されることなどにより重合可能な化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能モノマー、多官能モノマー、単官能モノマーと多官能モノマーとの組み合わせなどが挙げられる。
−単官能モノマー−
前記単官能モノマーは、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に1つ有する。
前記単官能モノマーとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エトキシ(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が高く、堅牢性が良好な点から、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記単官能モノマーの含有量は、硬化型組成物の全量に対して、80質量%以上99.5質量%以下が好ましく、90質量%以上95質量%以下がより好ましい。
−多官能モノマー−
前記多官能モノマーは、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に2つ以上有する化合物である。
前記多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート〔CH=CH−CO−(OC)n−OCOCH=CH(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)−CO−(OC−OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、エトキシ化(4)ビスフェノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーの[分子量/官能数量]は250以上であることが好ましい。前記多官能モノマーにおける[分子量/官能数量]が、250以上であると、得られる印刷物の意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できる。
前記硬化型組成物における多官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性化合物の全量に対して、10質量%以下であり、1質量%以下が好ましい。また、多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、10質量%以下であると、意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できるという利点がある。
−熱伝導性向上化合物−
前記熱伝導性向上化合物としては、窒化ホウ素、アルミナなどが挙げられる。
前記熱伝導性向上化合物の含有量は、硬化型組成物の全量に対して、40質量%以上60質量%以下が好ましく、50質量%以上60質量%以下がより好ましい。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、光重合開始剤がより好ましい。
前記光重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、これらの中でも、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
前記重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、硬化型組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(例えば、チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、前記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。
前記重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物などが挙げられる。
前記重合促進剤の含有量は、特に制限はなく、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、充填剤、体積膨張促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤などが挙げられる。
−−充填剤−−
前記充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
−−体積膨張促進剤−−
前記体積膨張促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナフテン酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、2−エチルペンタン酸亜鉛、2−エチル−4−メチルペンタン酸亜鉛、2−メチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、イソオクチル酸亜鉛、n−オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、イソデカン酸亜鉛、n−デカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、リノ一ル酸亜鉛、リノレイン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、o、m又はp−トルイル酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フタル酸亜鉛、フタル酸モノアルキル(C4〜18)エステルの亜鉛塩、デヒドロ酢酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、アミノクロトン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジンクピリチオン、尿素又はジフェニル尿素の亜鉛錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−増粘剤−−
前記増粘剤としては、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
−−防腐剤−−
前記防腐剤は、従来から使用されモノマーの重合を開始させないもの、例えば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾールなどが挙げられる。
−−安定剤−−
前記安定剤は、貯蔵中のモノマーの重合を抑制する目的を果たし、アニオン性安定剤、フリーラジカル安定剤などが挙げられる。
アニオン性安定剤としては、例えば、メタリン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アルキルスルホン酸、五酸化リン、塩化鉄(III)、酸化アンチモン、2,4,6−トリニトロフェノール、チオール、アルキルスルホニル、アルキルスルホン、アルキルスルホキシド、亜硫酸アルキル、スルトン、二酸化硫黄、三酸化硫黄などが挙げられる。
フリーラジカル安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、カテコール、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
<硬化型組成物の調製>
本発明に用いられる硬化型組成物は、上述した各種成分を用いて調製することができ、その調製手段や条件については特に限定されない。
<体積膨張抑制液付与工程及び体積膨張抑制液付与手段>
前記体積膨張抑制液付与工程は、体積膨張剤含有液層の体積膨張させたくない箇所に体積膨張抑制液を付与する工程であり、体積膨張抑制液付与手段により実施される。
前記体積膨張抑制液としては、多官能重合性化合物、重合開始剤などを含む。
前記多官能重合性化合物としては、体積膨張剤含有液層の硬化型組成物における多官能モノマーと同様のものを用いることができ、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ−ト、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレンクリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。また、異なる多官能モノマーの混合物、多官能モノマーと単官能モノマーを混合物や、多官能を有するオリゴマーと単官能モノマーの混合物、単官能モノマー、多官能モノマー、多官能を有するオリゴマーとの混合物を用いることができる。
前記体積膨張抑制液が多官能重合性化合物を含むことにより、多官能重合性化合物はエネルギー付与により3次元架橋するので、体積膨張剤含有液層の任意の場所に多官能重合性化合物を付与しエネルギーを付与することで体積膨張のオンオフを制御でき、印刷物に優れた凹凸形状による意匠性を付与することができるという利点がある。
前記重合開始剤としては、体積膨張剤含有液層の硬化型組成物における多官能モノマーと同様のものを用いることができ、例えば、光重合開始剤などが挙げられる。
前記体積膨張抑制液を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、様々な体積膨張パターン(体積膨張抑制パターン)に対してフレキシブルに対応できる点から好ましい。
インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
前記体積膨張抑制液の付与量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積膨張剤含有液層の表面積に対して0.04pL/μm〜2.8pL/μmが好ましい。
<体積膨張剤含有層形成工程及び体積膨張剤含有層形成手段>
前記体積膨張剤含有層形成工程は、体積膨張剤含有液層に対してエネルギーを付与して、体積膨張剤含有層を形成する工程であり、体積膨張剤含有層形成手段により実施される。
前記エネルギーとしては、例えば、活性エネルギー線などが挙げられる。
前記活性エネルギー線を体積膨張剤含有液層に照射することにより体積膨張剤含有液層が硬化する。
−活性エネルギー線−
前記活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
前記硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
前記電子線の場合には、硬化させたい電子線照射装置から最も遠い箇所に15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
前記体積膨張剤含有層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましく、100μm以上が更に好ましく、100μm以上150μm以下が特に好ましい。
体積膨張剤含有層の平均厚みが50μm以上であると、凹凸差のある体積膨張層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
<色材層形成工程及び色材層形成手段>
前記色材層形成工程は、色材を含有する色材組成物を付与して色材層を形成する工程であり、色材層形成手段により実施される。
<<色材組成物>>
前記色材組成物は、色材を含有し、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、重合性化合物及び重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−色材−
前記色材としては、本発明における色材組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
前記色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜設定すればよく、特に限定されないが、色材組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
前記分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
前記染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、体積膨張剤含有液層における硬化型組成物の重合性化合物と同様のものを用いることができる。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、体積膨張剤含有液層における硬化型組成物の重合開始剤と同様のものを用いることができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤などが挙げられる。
−−有機溶媒−−
本発明に用いられる色材組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
−色材組成物の調製−
本発明に用いられる色材組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、色材としての顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に、更に重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本発明に用いられる色材組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
前記体積膨張剤含有液層上に、上記色材組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、生産性や少ロット多品種へのフレキシブル対応が可能な点から好ましい。
前記インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
<体積膨張層形成工程及び体積膨張層形成手段>
前記体積膨張層形成工程は、体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、前記体積膨張剤含有層の体積を膨張させて、体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程であり、体積膨張層形成手段により実施される。
前記体積膨張層形成手段としては、加熱により体積膨張剤を体積膨張させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
前記加熱としては、体積膨張剤含有層の基材と接する表面とは反対側の表面から加熱することが好ましい。これにより、TがTよりも高くなるため、体積膨張剤含有層の基材と接する表面とは反対側の表面の体積膨張剤のみを体積膨張させることができる。
前記加熱の温度としては、体積膨張剤の体積膨張が開始する温度T以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、T以上T+10℃以下が好ましい。前記温度がT以上T+10℃以下であると、体積膨張剤含有層の基材と接する表面の温度Tが、体積膨張剤の体積膨張が開始する温度Tとなるときに、体積膨張剤含有層の基材と接する表面とは反対側の表面の温度Tが、体積膨張層の厚みが最大となる温度Tとなるため、体積膨張層の平均厚みをより厚く保ちつつ、体積膨張層と基材とのより高い密着性が得られる。
前記加熱としては、体積膨張剤含有層のTとTとが、T−T<10℃となるときに開始されることが好ましい。これにより、TがTとなるときに、TがTとなるため、体積膨張層の平均厚みをより厚く保ちつつ、体積膨張層と基材とのより高い密着性が得られる。
前記加熱としては、基材と接する体積膨張剤含有層の面の温度Tと、前記体積膨張剤の体積膨張が開始する温度Tとが、|T−T|≦5℃となるように体積膨張剤含有層を加熱することが好ましい。これにより、体積膨張剤含有層の基材と接する部分の体積膨張剤が体積膨張するのを防ぎ、体積膨張層と基材とのより高い密着性が得られる。
前記体積膨張層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以上が好ましく、310μm以上がより好ましく、400μm以上が更に好ましく、400μm以上2,000μm以下が特に好ましい。
前記体積膨張層の平均厚みが100μm以上であると、体積膨張抑制液による凹凸差のある体積膨張層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エンボス加工工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エンボス加工手段、制御手段などが挙げられる。
<<エンボス加工工程及びエンボス加工手段>>
前記エンボス加工工程は、体積膨張層及び色材層に凹凸模様を形成する工程であり、エンボス加工手段により実施される。
前記凹凸模様としては、通常、壁紙、化粧材等に凹凸を付与する目的で使用されるエンボス加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン加工、又は盛り上げ印刷等の方法を選択使用することができる。
前記エンボス加工工程としては、例えば、エンボス版を用いる加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン、又は盛り上げ印刷により凹凸を付与する方法などが挙げられる。
前記エンボス加工手段としては、加熱後冷却ローラーでエンボス加工する手段、及び熱ローラエンボスを用いて一度にエンボス加工する手段のいずれであっても構わない。
前記エンボス加工によるエンボスの深さとしては、0.08mm以上0.50mm以下が好ましい。前記エンボスの深さが、0.08mm以上であると、立体感を出すことができ、0.50mm以下であると、表面の摩耗強さを向上できる。
前記エンボス加工により形成される凹凸模様の形状としては、例えば、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などが挙げられる。
ここで、本発明の印刷物の製造方法に用いられる本発明の印刷物の製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。この図2の印刷物の製造装置100は、冷却装置18と、その下流に基材19上に硬化型組成物を塗布する塗布ローラー10と、体積膨張抑制液用ヘッド11と、活性エネルギー線照射装置27と、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15からなる吐出ヘッド16と、体積膨張層を形成する加熱装置28とを有している。なお、図2中、20は搬送ベルト、21は塗布ローラー10と対向する送り出しローラーであり、22は巻取りローラーである。
基材19は巻取りローラー22で搬送ベルト20が巻き取られることにより、図2中矢印方向に搬送される。
まず、基材19を冷却装置18により5℃で20分間冷却し、基材の冷却を行う。
次に、基材19の表面に、硬化型組成物を塗布ローラー10により塗布して、体積膨張剤含有液層を形成する。
次に、体積膨張剤含有液層が形成された基材19を所定の速度で走査させ、体積膨張抑制液用ヘッド11から体積膨張抑制液を体積膨張剤含有液層の体積膨張させたくない箇所に吐出する。
次に、体積膨張剤含有液層に対して活性エネルギー線照射装置27を用い、所定の照射条件で活性エネルギー線を照射することによって、体積膨張剤含有液層を硬化させて、体積膨張剤含有層を形成する。
次に、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15の各色用ヘッドから、ブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材組成物をインクジェット方式で吐出して、色材層を形成する。
次に、得られた体積膨張剤含有層を、加熱装置28により加熱すると、加熱した箇所の体積膨張剤含有層が体積膨張し、体積膨張層の平均厚みを厚く保ちつつ、体積膨張層と基材との高い密着性が得られた印刷物が得られる。
本発明の印刷物の製造方法及び本発明の印刷物の製造装置により製造される印刷物は、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物が得られると共に、長期間に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持することができるので、例えば、床材、壁紙、内装材、壁材、巾木材、天井材、柱等の建築用材料などの用途に好適である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すような印刷物の製造装置を用いて、印刷物の製造を行った。
冷却装置18としては株式会社アピステ製の空冷チラーを用いて、冷却温度が5℃となるように設定した。
吐出ヘッド16としては、株式会社リコープリンティングシステムズ製のGEN4ヘッド(MH2420)を用い、体積膨張抑制液用ヘッド11と、ブラック用ヘッド12と、シアン用ヘッド13と、マゼンタ用ヘッド14と、イエロー用ヘッド15とを5つずつ並列に配置し、吐出ヘッド16を45℃に加温して、20pLの液滴サイズで描画できるよう、周波数をコントロールした。
活性エネルギー線照射装置17としては、岩崎電気株式会社製のEC300/30/30mAを用い、不活性ガスブランケット内は、不活性ガス源として、コンプレッサー付きNガス発生装置(Maxi−Flow30、Inhouse Gas社製)を0.2MPa・sの圧力で接続し、2L/分〜10L/分の流量でNをフローさせ、酸素濃度が500ppm以下となるように設定した。
加熱装置28としては、日立産機システム株式会社製のルテックスブロアGシリーズ、株式会社関西電熱製の高温熱風発生用電気式ヒーターXS−2、株式会社関西電熱製ハイブローノズル50ALを組み合わせて作製した加熱装置をノズル先端からの風速30m/secとなるように調整したものを用いた。
まず、基材19として、質量80g/mの用紙(オストリッチダイヤ ハイグレード普通紙RJPH−03)を冷却装置18により5℃で20分間冷却し、基材の冷却を行った。
次に、基材19の表面に、下記の硬化型組成物Aを塗布ローラー10により平均厚みが150μmとなるように塗布し、体積膨張剤含有液層を形成した。
次に、体積膨張剤含有液層が形成された基材を15m/minの速度で走査させ、体積膨張抑制液用ヘッド11から下記の体積膨張抑制液Aを体積膨張剤含有液層の体積膨張させたくない箇所に吐出した。
次に、体積膨張剤含有液層に対して活性エネルギー線照射装置27を用い、加速電圧30kV、30線量kGyの照射条件で活性エネルギー線を照射することによって、硬化させて、体積膨張剤含有層を形成した。
次に、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15から、下記のブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材組成物A1〜A4をインクジェット方式により25%画像(各色フィルムの4分1の幅)を描画し、色材層を形成した。
次に、加熱装置28により180℃で5秒間〜10秒間加熱し、体積膨張剤含有層の加熱した箇所を体積膨張させ、体積膨張層を形成した。以上により、実施例1の印刷物が得られた。得られた印刷物の体積膨張層の平均厚みは、480μmであり、光学顕微鏡を用いて、体積膨張層と基材との接する表面を観察したところ、体積膨張層の基材との接する表面の体積膨張剤は、体積膨張していなかった。
<硬化型組成物Aの調製>
メトキシトリエチレングリコール#400アクリレート(新中村化学工業株式会社製)90質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(巴工業株式会社製)10質量部からなる重合性化合物94質量%に対して、体積膨張剤としてのアゾジカルボン酸アミド(永和化成工業株式会社製)3質量%及び体積膨張促進剤としてのナフテン酸亜鉛(東京化成工業株式会社製)3質量%を添加し、撹拌することにより、硬化型組成物Aを調製した。
<体積膨張抑制液A>
体積膨張抑制液Aとして、多官能モノマー(1,6−ヘキサンジオールジアクリレ−ト)からなる液を用いた。
<ブラック用色材組成物A1の調製>
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、ベンジルアクリレート(東京化成工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのSPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、ブラック用色材組成物A1を調製した。
<シアン用色材組成物A2の調製>
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、ベンジルアクリレート(東京化成工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのIRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、シアン用色材組成物A2を調製した。
<マゼンタ用色材組成物A3の調製>
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、ベンジルアクリレート(東京化成工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのCINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、マゼンタ用色材組成物A3を調製した。
<イエロー用色材組成物A4の調製>
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、ベンジルアクリレート(東京化成工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのNOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)40質量部を撹拌することにより、イエロー用色材組成物A4を調製した。
(比較例1)
実施例1において、基材の冷却を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、印刷物を作製した。得られた印刷物の体積膨張層の平均厚みは、560μmであり、光学顕微鏡を用いて、体積膨張層と基材との接する表面を観察したところ、体積膨張層の基材との接する表面の体積膨張剤は、体積膨張していた。
次に、得られた実施例1及び比較例1の各印刷物について、以下のようにして、画像品質の耐久性を評価した。結果を表1に示した。
<画像品質の耐久性の評価方法>
得られた印刷物表面をカッターにより傷をつけた後、水、エタノール、アセトン、トルエンを吹き付け12時間放置した後、紙で印刷物表面を10回擦り、摩擦後の画像部、体積膨張状態の程度を顕微鏡及び目視観察し、下記基準で画像品質の耐久性を判定した。
[評価基準]
A:体積膨張層の基材からの剥離が発生せず非常に良好なレベル
B:体積膨張層の基材からの剥離がほとんど発生せず良好なレベル
C:体積膨張層の基材からの剥離がやや発生したが、実施可能なレベル
D:体積膨張層の剥離が擦過部位全体に広がっており、実施不可能なレベル
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 基材を冷却する基材冷却工程と、
体積膨張剤を含有する硬化型組成物を、冷却された前記基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成工程と、
前記体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、前記体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、
を含むことを特徴とする印刷物の製造方法である。
<2> 前記基材冷却工程において、前記基材が5℃以下に冷却される前記<1>に記載の印刷物の製造方法である。
<3> 前記基材冷却工程において、前記基材が0℃以上5℃以下に冷却される前記<2>に記載の印刷物の製造方法である。
<4> 前記硬化型組成物が、熱伝導性向上化合物を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<5> 前記硬化型組成物が重合性化合物を含有し、前記体積膨張剤含有液層に対して活性エネルギー線を照射して、前記体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<6> 前記体積膨張剤含有層の平均厚みが、50μm以上150μm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<7> 前記体積膨張層形成工程は、前記体積膨張剤含有層の前記基材と接する表面とは反対側の表面の温度Tと、前記体積膨張剤含有層の前記基材と接する表面の温度Tとが、T−T<10℃となるときに開始される前記<1>から<6>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<8> 前記体積膨張層形成工程は、前記体積膨張剤含有層の前記基材と接する表面の温度Tと、前記体積膨張剤の体積膨張が開始する温度Tとが、|T−T|≦5℃となるように前記体積膨張剤含有層を加熱する前記<1>から<7>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<9> 前記体積膨張剤が、熱膨張性マイクロカプセルである前記<1>から<8>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<10> 前記基材が、木材である前記<1>から<9>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<11> 基材を冷却する基材冷却手段と、
体積膨張剤を含有する硬化型組成物を冷却された前記基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成手段と、
前記体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、前記体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成手段と、
を有することを特徴とする印刷物の製造装置である。
<12> 前記硬化型組成物が重合性化合物を含有し、前記体積膨張剤含有液層に対して活性エネルギー線を照射して、前記体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成手段を有する前記<11>に記載の印刷物の製造装置である。
前記<1>から<10>のいずれかに記載の印刷物の製造方法、及び前記<11>から<12>のいずれかに記載の印刷物の製造装置によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 塗布ローラー
11 体積膨張抑制液用ヘッド
12 ブラック用ヘッド
13 シアン用ヘッド
14 マゼンタ用ヘッド
15 イエロー用ヘッド
16 吐出ヘッド
18 冷却装置
19 基材
20 搬送ベルト
21 送り出しローラー
22 巻取りローラー
27 活性エネルギー線照射装置
28 加熱装置
100 印刷物の製造装置
特開2006−97161号公報

Claims (10)

  1. 基材を冷却する基材冷却工程と、
    体積膨張剤を含有する硬化型組成物を、冷却された前記基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成工程と、
    前記体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、前記体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成工程と、
    を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
  2. 前記基材冷却工程において、前記基材が5℃以下に冷却される請求項1に記載の印刷物の製造方法。
  3. 前記基材冷却工程において、前記基材が0℃以上5℃以下に冷却される請求項2に記載の印刷物の製造方法。
  4. 前記硬化型組成物が、熱伝導性向上化合物を含有する請求項1から3のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  5. 前記硬化型組成物が重合性化合物を含有し、前記体積膨張剤含有液層に対して活性エネルギー線を照射して、前記体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程を含む請求項1から4のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  6. 前記体積膨張剤含有層の平均厚みが、50μm以上150μm以下である請求項1から5のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  7. 前記体積膨張層形成工程は、前記体積膨張剤含有層の前記基材と接する表面とは反対側の表面の温度Tと、前記体積膨張剤含有層の前記基材と接する表面の温度Tとが、T−T<10℃となるときに開始される請求項1から6のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  8. 前記体積膨張層形成工程は、前記体積膨張剤含有層の前記基材と接する表面の温度Tと、前記体積膨張剤の体積膨張が開始する温度Tとが、|T−T|≦5℃となるように前記体積膨張剤含有層を加熱する請求項1から7のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  9. 基材を冷却する基材冷却手段と、
    体積膨張剤を含有する硬化型組成物を冷却された前記基材に付与して体積膨張剤含有液層を形成する体積膨張剤含有液層形成手段と、
    前記体積膨張剤含有液層を硬化させた体積膨張剤含有層を加熱し、前記体積膨張剤含有層の体積を膨張させて体積膨張層を形成する体積膨張層形成手段と、
    を有することを特徴とする印刷物の製造装置。
  10. 前記硬化型組成物が重合性化合物を含有し、前記体積膨張剤含有液層に対して活性エネルギー線を照射して、前記体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成手段を有する請求項9に記載の印刷物の製造装置。
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