JP7363375B2 - 印刷物の製造方法、印刷物の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷物の製造方法、印刷物の製造装置に関する。
建築物の床、内壁、天井等には、所望の画像を印刷し、エンボス加工等により意匠性を付与した床材や壁紙などの部材が使用されている。また、床材や壁紙に対して、紫外線(UV)硬化材料によるコーティング、電子線硬化材料によるコーティング等を行うことにより、耐久性を向上させる試みがなされている。
さらに、近年、エンボス加工が施された床材や壁紙などに対して、インクジェット方式により所望の画像を印刷する技術の開発が進められている。このような技術としては、例えば、発泡層、画像形成層、及び表面保護層を有し、発泡層は熱可塑性樹脂及び発泡剤を含有し、画像形成層及び表面保護層が電子線照射により架橋又は硬化可能な発泡壁紙の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来の技術においては、エンボス加工等により凹凸形状を形成する際の精度が十分でない場合があった。
本発明は、第1の層(発泡層)を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が高い印刷物を製造できる印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するための手段としての本発明の印刷物の製造方法は、発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成工程と、
第1の層上に、
重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、
第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B、
を満たす第2の層を形成する第2の層形成工程と、
第1の層を加熱して発泡させる発泡工程と、を含む。
本発明によると、第1の層(発泡層)を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が高い印刷物を製造できる印刷物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。
(印刷物の製造方法、印刷物の製造装置)
本発明の印刷物の製造方法は、発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成工程と、第1の層上に、重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B〕、を満たす第2の層を形成する第2の層形成工程と、第1の層を加熱して発泡させる発泡工程と、を含み、第3の層形成工程、保護層形成工程、発泡抑制剤付与工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の印刷物の製造装置は、発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成手段と、第1の層上に、重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B〕、を満たす第2の層を形成する第2の層形成手段と、第1の層を加熱して発泡させる発泡手段と、を有し、第3の層形成手段、保護層形成手段、発泡抑制剤付与手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の印刷物の製造方法は、本発明の印刷物の製造装置により好適に行うことができ、第1の層形成工程は第1の層形成手段により好適に行うことができ、第2の層形成工程は第2の層形成手段により好適に行うことができ、発泡工程は発泡手段により好適に行うことができ、第3の層形成工程は第3の層形成手段により好適に行うことができ、保護層形成工程は保護層形成手段により好適に行うことができ、発泡抑制剤付与工程は発泡抑制剤付与手段により好適に行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
また、本発明の印刷物の製造方法は、従来技術の印刷物の製造方法では、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が低くなってしまい、製造した印刷物の意匠性が十分でない場合があるという知見に基づくものである。
従来技術の印刷物の製造方法では、例えば、発泡層上に画像を作像するための層や、印刷物へ外力が加わった際に発泡層への応力集中を抑制するための層を設ける場合、発泡層を発泡させたときに、これらの層と発泡層との粘弾性特性のバランスが崩れ、発泡層を発泡させる領域と発泡させない領域とを形成する際に、その領域どうしの境界が不鮮明となる場合があった。言い換えると、従来技術の印刷物の製造方法では、例えば、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界がなだらかになってしまい、その領域どうしの境界の鮮鋭性が低くなってしまい、製造した印刷物の意匠性が十分でない場合があった。
そこで、本発明者らは、第1の層(発泡層)を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が高い印刷物を製造できる印刷物の製造方法等について鋭意検討を重ね、本発明を想到した。すなわち、本発明者らは、発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成工程と、第1の層上に、重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B〕、を満たす第2の層(中間層)を形成する第2の層形成工程と、第1の層を加熱して発泡させる発泡工程とを含む印刷物の製造方法により、第1の層(発泡層)を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が高い印刷物を製造できることを見出した。
ここで、本発明の印刷物の製造方法においては、第1の層(発泡層)上に、重合性化合物bの重合体を含む第2の層(中間層)を形成する工程を含む。本発明の印刷物の製造方法は、一つの側面では、第1の層(発泡層)上に第2の層(中間層)を設けることにより、第2の層(中間層)が、第3の層(色材層)との親和性が高い色材受容層としての機能と、印刷物に外力が加わった際の発泡層における応力集中を抑制する機能とを有するため、高画質かつ高堅牢な印刷物を得ることができる。
さらに、本発明の印刷物の製造方法では、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、第1の層(発泡層)における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B〕、を満たす第2の層(中間層)を形成する。本発明の印刷物の製造方法は、一つの側面では、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B〕を満たすように第2の層(中間層)を形成することにより、例えば、発泡層を発泡させる際に粘弾性特性のバランスが崩れ、発泡層を発泡させない領域(発泡抑制部、印刷物における凹部)が、発泡抑制剤を付与した領域以上に広がってしまうことを抑制でき、鮮鋭な凹凸形状を形成することができる。
このように、本発明の印刷物の製造方法は、第1の層形成工程、第2の層形成工程、発泡工程を含むことにより、第1の層(発泡層)を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が高い印刷物を製造できる。
<第1の層形成工程、第1の層形成手段>
第1の層形成工程は、発泡剤と重合性化合物aの重合体を含む第1の層を形成する工程である。
第1の層形成手段は、発泡剤と重合性化合物aの重合体を含む第1の層を形成する手段である。
第1の層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー手段工程、活性エネルギー線照射手段等)の組み合わせなどとすることができる。なお、以下では、第1の層を発泡層と称することがある。
第1の層形成工程においては、例えば、材料付与手段により、発泡剤と重合性化合物aを含む硬化型組成物を基材上に付与して成膜した後、エネルギー付与手段により硬化することで、発泡層を形成することができる。言い換えると、第1の層形成工程においては、例えば、発泡剤と重合性化合物aを含む膜を作成し、当該膜を硬化することにより、発泡剤と当該重合性化合物aの重合体を含む発泡層を形成する。なお、以下では、発泡剤と重合性化合物aとを含む組成物(材料)を、硬化型組成物と称することがある。
また、成膜した膜にエネルギーを付与して硬化するタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する中間層や色材層を硬化する際に、中間層及び色材層の少なくともいずれかと発泡層とを一括して硬化してもよい。
基材上に、硬化型組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などが挙げられる。
硬化型組成物を付与する基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチックフィルム、合成繊維からなる合成紙、天然紙、不織布等のシート、木材、金属薄膜、建築用材料などが挙げられる。これらの中でも、耐久性を有する基材が好ましく、建築用材料がより好ましい。
プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム;ポリエチレンフィルム;ナイロン、ビニロン、アクリル等のプラスチックフィルム、又はフィルムの貼り合わせたものなどが挙げられる。
プラスチックフィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度の点から、一軸又は二軸延伸されていることが好ましい。
不織布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン繊維をシート状に散布し、熱圧着させてシート状に形成したものなどが挙げられる。
建築用材料としては、例えば、床材、壁紙、内装材、壁板材、巾木材、天井材、柱などで使用される熱硬化性樹脂、繊維版、パーティクルボード、または上記素材の表面に、熱硬化性樹脂、オレフィン、ポリエステル、PVC等の化粧板を設けたものなどが挙げられる。
硬化型組成物は、発泡剤及び重合性化合物aを含み、必要に応じて重合開始剤を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
硬化型組成物としては、熱硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型組成物などが挙げられるが、凹凸形状の耐久性の点から、活性エネルギー線硬化型組成物がより好適である。
<<発泡剤>>
発泡剤としては、加熱されることにより体積が膨張する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱膨張性マイクロカプセル、熱分解性発泡剤などが挙げられる。これらの中でも、高体積膨張倍率を有し、均一で小さい独立気泡を形成できる点から、熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。なお、以下では、発泡剤を体積膨張剤と称することもある。
熱膨張性マイクロカプセルは、発泡剤を熱可塑性樹脂で包み込んだコアシェル構造の粒子であり、加熱により外殻の熱可塑性樹脂が軟化を始めるとともに、内包された発泡化合物の蒸気圧が上昇して粒子を変形させるのに十分な圧力となり、外殻の熱可塑性樹脂が引き伸ばされて膨張する。発泡化合物としては、例えば、低沸点の脂肪族炭化水素などが挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社製のアドバンセルEMシリーズ、AkzoNovel社製のExpancellDU、WU、MB、SL、FGシリーズ(日本国内では日本フィライト株式会社が販売)、松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアーF、FNシリーズ、株式会社クレハ製のクレハマイクロスフェアーH750、H850、H1100などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱分解性発泡剤としては、例えば、有機系発泡剤、無機系発泡剤などが挙げられる。
有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機系発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組合せなどが挙げられる。
硬化型組成物中における発泡剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、硬化型組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
<<重合性化合物>>
重合性化合物aとしては、エネルギーが付与されることなどにより重合可能な化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能モノマー、多官能モノマー、単官能モノマーと多官能モノマーとの組み合わせなどが挙げられる。
-単官能モノマー-
単官能モノマーは、例えば、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に1つ有する。
単官能モノマーとしては、例えば、γ-ブチロラクトン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルフォリン、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エトキシ(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が高く、堅牢性が良好な点から、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能モノマーの含有量は、硬化型組成物の全量に対して、80質量%以上99.5質量%以下が好ましく、90質量%以上95質量%以下がより好ましい。
-多官能モノマー-
多官能モノマーは、例えば、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に2つ以上有する化合物である。
多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート〔CH=CH-CO-(OC)n-OCOCH=CH(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)-CO-(OC-OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、エトキシ化(4)ビスフェノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多官能モノマーにおける[分子量/官能数量]としては、例えば、250以上であることが、意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できる点から好ましい。
硬化型組成物における多官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性化合物aの全量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。加えて、多官能モノマーの含有量は、重合性化合物aの全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。多官能モノマーの含有量が、重合性化合物aの全量に対して、10質量%以下であると、意匠性(発泡性)と堅牢性を両立できるという利点がある。
言い換えると、本発明においては、重合性化合物aが多官能モノマーaを含有し、重合性化合物aの全量に対する、多官能モノマーaの含有量Aが、5質量%以下であることがより好ましい。こうすることにより、本発明は、一つの側面では、意匠性(体積膨張性)と堅牢性をより両立できる。なお、このように、本明細書中では、重合性化合物aが含む多官能モノマーを多官能モノマーaと称し、重合性化合物aの全量に対する、多官能モノマーaの含有量を、含有量Aと称することがある。
-重合開始剤-
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、光重合開始剤がより好ましい。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、これらの中でも、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、硬化型組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(例えば、チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。
重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルベンジルアミン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物などが挙げられる。
重合促進剤の含有量は、特に制限はなく、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
-その他の成分-
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、充填剤、発泡促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤などが挙げられる。
--充填剤--
充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
--発泡促進剤--
発泡促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナフテン酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、2-エチルペンタン酸亜鉛、2-エチル-4-メチルペンタン酸亜鉛、2-メチルヘキサン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛、イソオクチル酸亜鉛、n-オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、イソデカン酸亜鉛、n-デカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸亜鉛、12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、リノ一ル酸亜鉛、リノレイン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、o、m又はp-トルイル酸亜鉛、p-t-ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フタル酸亜鉛、フタル酸モノアルキル(C4~18)エステルの亜鉛塩、デヒドロ酢酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、アミノクロトン酸亜鉛、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジンクピリチオン、尿素又はジフェニル尿素の亜鉛錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
--増粘剤--
増粘剤としては、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
--防腐剤--
防腐剤としては、従来から使用されモノマーの重合を開始させないもの、例えば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾールなどが挙げられる。
--安定剤--
安定剤としては、例えば、貯蔵中のモノマーの重合を抑制する目的を果たし、アニオン性安定剤、フリーラジカル安定剤などが挙げられる。
アニオン性安定剤としては、例えば、メタリン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アルキルスルホン酸、五酸化リン、塩化鉄(III)、酸化アンチモン、2,4,6-トリニトロフェノール、チオール、アルキルスルホニル、アルキルスルホン、アルキルスルホキシド、亜硫酸アルキル、スルトン、二酸化硫黄、三酸化硫黄などが挙げられる。
フリーラジカル安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、カテコール、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
ここで、硬化型組成物を硬化する場合における硬化型組成物の硬化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エネルギー付与工程により行うことができる。
エネルギー付与工程は、対象とする層にエネルギーを付与する工程であり、例えば、エネルギー付与手段により行うことができる。
エネルギーとしては、例えば、熱エネルギー、活性エネルギー線などが挙げられる。
エネルギーが熱エネルギーである場合には、例えば、熱エネルギーを発泡層に付与することにより、発泡層を硬化するとともに発泡させてもよい。言い換えると、硬化型組成物に熱エネルギーを付与して硬化させる際に、発泡剤を発泡させる発泡工程を一括して行ってもよい。また、発泡層に発泡抑制剤を付与する場合においては、例えば、発泡抑制剤を付与された領域を3次元架橋することも可能である。
熱エネルギーを付与する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
また、熱エネルギーを付与して加熱する際の温度としては、発泡層の熱硬化が可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、発泡剤の熱分解温度以上であることが好ましく、例えば、100℃以上200℃以下が好ましい。
エネルギーが活性エネルギー線である場合には、例えば、活性エネルギー線を発泡層に照射することにより発泡層を硬化させる。
-活性エネルギー線-
活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザダイオード(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
電子線の場合には、硬化させたい電子線照射装置から最も遠い箇所に15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
発泡層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、250μm以上が更に好ましく、300μm以上500μm以下が特に好ましい。
発泡層の平均厚みが100μm以上であると、凹凸差のある発泡層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
発泡層の発泡後の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以上が好ましく、310μm以上がより好ましく、400μm以上が更に好ましく、400μm以上2,000μm以下が特に好ましい。
発泡後の平均厚みが100μm以上であると、発泡抑制剤による凹凸差のある発泡層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
また、本発明における発泡層としては、例えば、発泡前の平均厚みに対して、発泡層における発泡させる領域の発泡後の平均厚みが、1.3倍以上となることが好ましく、2倍以上となることがより好ましい。こうすることにより、凹凸差のある発泡層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
<<貯蔵弾性率の測定方法>>
発泡層における貯蔵弾性率Aは、例えば、以下のようにして測定することができる。
まず、製造した印刷物(発泡層を発泡させたもの)を、縦1cm×横1cmに切断して切断物を得る。続いて、ウルトラミクロトーム(LEICA社製、ULTRACUT UCT)及びダイヤモンドナイフ(HISTO製)を用いて、切削送り10μmで当該切断物を断面方向から層の状態を確認しながら所定の層に到達するまで厚み方向にスライスして、測定サンプルを作製する。
次に、作製した測定サンプルにおける各層について(ここでは、第1の層について)、温度が100℃から200℃での貯蔵弾性率を、ナノインデンター(ハイジトロン社製、TI950)を用いて測定する。測定に用いる圧子としてはバーコビッチ圧子を用い、バーコビッチ圧子の押込み量は、0.1μm(押込み時間:10秒)とする。バーコビッチ圧子を押し込む方向としては、測定サンプルにおける各層の断面に対して略垂直方向とする。
測定は、連続剛性測定法を用い、例えば、圧子アプローチ速度:100nm/秒、最大荷重:50mN、荷重印加速度:2.5mN/秒、最大荷重保持時間:2秒、除荷速度:2.5mN/秒、スティフネス計算:最大荷重から10%除荷時、ドリフト計測:最大荷重から90%除荷時の条件で行う。
また、測定サンプルの加熱は、加熱ステージ(ブルカー社製、Xsol 600)上に、作製した測定サンプルの断面が上方向(測定面)になるように直接載置して、温度を100℃から200℃の範囲で昇温させながら、貯蔵弾性率を測定する。貯蔵弾性率の測定間隔としては、例えば、100℃から200℃の範囲で、20℃毎とすることができる。なお、ここで、100℃から200℃の範囲とは、加熱ステージの設定温度を意味する。ここで、各温度での貯蔵弾性率の測定は、例えば、所定の温度に昇温させた後、当該所定の温度を3分間維持した後に測定を行う。
なお、発泡層における貯蔵弾性率Aの測定箇所は、発泡が抑制されていない、最も厚みのある場所で測定する。
<第2の層形成工程、第2の層形成手段>
第2の層形成工程は、第1の層上に、重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B〕、を満たす第2の層を形成する工程である。
第2の層形成手段は、第1の層上に、重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B〕、を満たす第2の層を形成する手段である。
第2の層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の層形成手段と同様に、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー付与手段、活性エネルギー線照射手段等)の組み合わせなどとすることができる。なお、以下では、第2の層を中間層と称することがある。
第2の層形成工程においては、例えば、材料付与手段により、重合性化合物bを含む中間組成物を基材上に付与して成膜した後、エネルギー付与手段により硬化することで、中間層を形成することができる。言い換えると、第2の層形成工程においては、例えば、重合性化合物bを含む膜を作成し、当該膜を硬化することにより、当該重合性化合物bの重合体を含む中間層を形成する。なお、以下では、中間層の形成に用いる重合性化合物bを含む組成物(材料)を、中間組成物と称することがある。
また、成膜した膜にエネルギーを付与して硬化するタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層や色材層を硬化する際に、発泡層及び色材層の少なくともいずれかと中間層とを一括して硬化してもよい。
中間組成物は、重合性化合物bを含み、重合開始剤を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
-重合性化合物-
重合性化合物bとしては、上述した発泡層における硬化型組成物の重合性化合物aと同様のものを用いることができる。
中間組成物における多官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性化合物bの全量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。加えて、多官能モノマーの含有量は、重合性化合物bの全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。多官能モノマーの含有量が、重合性化合物bの全量に対して、10質量%以下であると、意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できるという利点がある。また、中間組成物における多官能モノマーの含有量は、上記含有量を満たす範囲で、発泡層が含む多官能モノマー含有量より少ないことが更に好ましい。
言い換えると、本発明においては、重合性化合物bが多官能モノマーbを含有し、重合性化合物bの全量に対する、多官能モノマーbの含有量Bが、5質量%以下であることがより好ましい。こうすることにより、本発明は、一つの側面では、意匠性(体積膨張性)と堅牢性をより両立できる。なお、このように、本明細書中では、重合性化合物bが含む多官能モノマーを多官能モノマーbと称し、重合性化合物bの全量に対する、多官能モノマーbの含有量を、含有量Bと称することがある。
-重合開始剤-
重合開始剤としては、上述した発泡層における硬化型組成物の重合開始剤と同様のものを用いることができる。
ここで、色材組成物を硬化する場合における色材組成物の硬化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層と同様に、エネルギー付与工程により行うことができる。
エネルギーが熱エネルギーである場合には、熱エネルギーの付与により色材層を硬化することができる。
熱エネルギーを付与して加熱する際の温度としては、色材層の熱硬化が可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
エネルギーが活性エネルギー線である場合には、活性エネルギー線の照射により色材層を硬化することができる。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
電子線の場合には、硬化させたい電子線照射装置から最も遠い箇所に15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
<<中間層における貯蔵弾性率>>
本発明における第2の層形成工程においては、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B〕、を満たす第2の層(中間層)を形成する。
第2の層(中間層)における貯蔵弾性率Bは、例えば、発泡層における貯蔵弾性率Aの測定方法と同様にして測定することができる。なお、第2の層(中間層)における貯蔵弾性率Bを測定する際には、測定サンプルにおける第2の層(中間層)の部分に、バーコビッチ圧子を押し込み測定する。
ここで、発泡層における貯蔵弾性率Aと中間層における貯蔵弾性率Bとを調整(制御)する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、発泡層を形成する材料(硬化型組成物)と中間層を形成する材料(中間組成物)の組成を調整する方法などが挙げられる。より具体的には、例えば、硬化型組成物に含まれる重合性化合物aの全量に対する多官能モノマーaの含有量Aと、中間組成物に含まれる重合性化合物bの全量に対する多官能モノマーbの含有量Bとを調整することにより、貯蔵弾性率Aと貯蔵弾性率Bを調整することができる。
多官能モノマーは、3次元架橋可能であるため、例えば、層を形成する組成物における多官能モノマーの含有量を高くすることにより、当該層における貯蔵弾性率を高くすることができる。
本発明においては、例えば、重合性化合物aが多官能モノマーaを含有し、重合性化合物bが多官能モノマーbを含有する場合において、重合性化合物aの全量に対する、多官能モノマーaの含有量Aと、重合性化合物bの全量に対する、多官能モノマーbの含有量Bとが、それぞれ5質量%以下であることが好ましい。こうすることにより、本発明では、意匠性(発泡性)と堅牢性をより両立できるという利点がある。
さらに、本発明においては、第1の層形成工程及び第2の層形成工程において、多官能モノマーaの含有量Aと、多官能モノマーbの含有量Bとの間で、次の不等式、〔含有量A ≧ 含有量B〕、を満たす発泡層及び中間層を形成することが好ましい。言い換えると、重合性化合物aの全量に対する、多官能モノマーaの含有量Aが、重合性化合物bの全量に対する、多官能モノマーbの含有量B以上であることが好ましい。
こうすることにより、本発明においては、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性をより向上させることができる。
中間層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、20μmとすることができる。
<第3の層形成工程、第3の層形成手段>
第3の層形成工程は、第2の層上に、色材及び重合性化合物cの重合体を含む第3の層を形成する工程である。
第3の層形成手段は、第2の層上に、色材及び重合性化合物cの重合体を含む第3の層を形成する手段である。
第3の層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の層形成手段と同様に、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー付与手段、活性エネルギー線照射手段等)の組み合わせなどとすることができる。なお、以下では、第3の層を色材層と称することがある。
第3の層形成工程においては、例えば、材料付与手段により、色材と重合性化合物cを含む色材組成物を中間層上に付与して成膜した後、エネルギー付与手段により硬化することで、色材層を形成することができる。言い換えると、第3の層形成工程においては、例えば、色材と重合性化合物cを含む膜を作成し、当該膜を硬化することにより、色材と当該重合性化合物cの重合体を含む色材層を形成する。なお、以下では、色材と重合性化合物cとを含む組成物(材料)を、色材組成物と称することがある。
第2の層(中間層)上に、色材組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、生産性や少ロット多品種へのフレキシブル対応が可能な点から好ましい。
インクジェット方式においては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
ここで、色材層の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、吐出ヘッドなどを用いて、製造する印刷物における画像のデータに基づいて色材組成物を吐出し、任意の画像(色材層)を形成することができる。
色材組成物は、色材及び重合性化合物を含み、重合開始剤を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
-色材-
色材としては、本発明における色材組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、色材組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
-重合性化合物-
重合性化合物cとしては、上述した発泡層における硬化型組成物の重合性化合物aと同様のものを用いることができる。
色材組成物における多官能モノマーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性化合物cの全量に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。加えて、多官能モノマーの含有量は、重合性化合物cの全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。多官能モノマーの含有量が、重合性化合物cの全量に対して、10質量%以下であると、意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できるという利点がある。また、色材組成物における多官能モノマーの含有量は、上記含有量を満たす範囲で、発泡層が含む多官能モノマー含有量より少ないことが更に好ましい。
言い換えると、本発明においては、重合性化合物cが多官能モノマーcを含有し、重合性化合物cの全量に対する、多官能モノマーcの含有量Cが、5質量%以下であることがより好ましい。こうすることにより、本発明は、一つの側面では、意匠性(体積膨張性)と堅牢性をより両立できる。なお、このように、本明細書中では、重合性化合物cが含む多官能モノマーを多官能モノマーcと称し、重合性化合物cの全量に対する、多官能モノマーcの含有量を、含有量Cと称することがある。
-重合開始剤-
重合開始剤としては、上述した発泡層における硬化型組成物の重合開始剤と同様のものを用いることができる。
<その他の成分>
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤などが挙げられる。
--有機溶媒--
本発明に用いられる色材組成物は、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
-色材組成物の調製-
本発明に用いられる色材組成物は、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、色材としての顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に、更に重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
<粘度>
本発明に用いられる色材組成物の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE-22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃~65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM-150IIIを用いることができる。
ここで、色材組成物を硬化する場合における色材組成物の硬化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層と同様に、エネルギー付与工程により行うことができる。
エネルギーが熱エネルギーである場合には、熱エネルギーの付与により色材層を硬化することができる。
熱エネルギーを付与して加熱する際の温度としては、色材層の熱硬化が可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
エネルギーが活性エネルギー線である場合には、活性エネルギー線の照射により色材層を硬化することができる。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
電子線の場合には、硬化させたい電子線照射装置から最も遠い箇所に15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
<<第3の層における貯蔵弾性率>>
本発明における第3の層形成工程においては、第2の層上に、色材と重合性化合物cの重合体とを含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Cが、貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率C〕、を満たす第3の層を形成することが好ましい。こうすることにより、本発明においては、第3の層(色材層)を設ける場合であっても、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性をより向上させることができる。
また、色材層における貯蔵弾性率Cは、上述した貯蔵弾性率A及び貯蔵弾性率Bの測定方法と同様にして測定することができる。
さらに、本発明においては、第1の層形成工程、第2の層形成工程、及び第3の層形成工程において、貯蔵弾性率Aと、貯蔵弾性率Bと、貯蔵弾性率Cとの間で、次の不等式、〔貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B≧ 貯蔵弾性率C〕、を満たす第1の層、第2の層、及び第3の層を形成することが好ましい。こうすることにより、本発明においては、色材層を設ける場合であっても、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性を特に向上させることができる。
また、上述したように、本発明における第3の層形成工程では、重合性化合物cが多官能モノマーcを含有することが好ましく、更に、重合性化合物cの全量に対する、多官能モノマーcの含有量Cが、含有量Aと含有量Bとの間で、次の不等式、〔含有量A ≧ 含有量B ≧ 含有量C〕、を満たす第3の層(色材層)を形成することが好ましい。こうすることにより、本発明においては、色材層を設ける場合であっても、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性を特に向上させることができる。
<発泡抑制剤付与工程、発泡抑制剤付与手段>
発泡抑制剤付与工程は、第1の層における所定の領域に、多官能モノマーdを含む発泡抑制剤を付与して接触させる工程である。
発泡抑制剤付与手段は、第1の層における所定の領域に、多官能モノマーdを含む発泡抑制剤を付与して接触させる手段である。
発泡抑制剤を付与して接触させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、様々な発泡パターン(発泡抑制パターン)に対してフレキシブルに対応できる点から好ましい。
インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
発泡抑制剤の付与量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発泡層の表面に対して、0.04pL/μm~2.8pL/μmが好ましい。
発泡抑制剤は、多官能モノマーdを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
多官能モノマーdとしては、上記発泡層の硬化型組成物における多官能モノマーaと同様のものを用いることができ、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ-ト、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ジエチレンクリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。また、異なる多官能モノマーの混合物、多官能モノマーと単官能モノマーを混合物や、多官能を有するオリゴマーと単官能モノマーの混合物、単官能モノマー、多官能モノマー、多官能を有するオリゴマーとの混合物を用いることができる。
多官能モノマーdは、例えば、エネルギーを付与されるにより3次元架橋するため、発泡抑制剤が多官能モノマーdを含むことにより、発泡層の所定の領域に発泡抑制剤を付与しエネルギーを付与することで、発泡のオンオフ(その領域を発泡させるか否か)を正確に制御でき、印刷物に優れた凹凸形状による意匠性を付与することができるという利点がある。
なお、本発明においては、多官能モノマーaと多官能モノマーbと多官能モノマーcと多官能モノマーdとは、同種の多官能モノマーであってもよいし、異なる多官能モノマーであってもよい。
ここで、発泡抑制剤を付与して接触させる、発泡層における所定の領域としては、例えば、製造する印刷物における凹凸のデータに基づいて特定することができる。発泡抑制剤付与工程においては、例えば、製造する印刷物における凹凸のデータで、凹部(発泡層を発泡させない領域)となっている部分に、発泡抑制剤を付与して接触させ、発泡工程における発泡層の発泡を抑制して、任意の凹凸形状を形成することができる。
<発泡工程、発泡手段>
発泡工程は、第1の層を加熱して発泡(体積膨張)させる工程である。
発泡手段は、第1の層を加熱して発泡(体積膨張)させる手段である。
発泡手段としては、加熱により第1の層(発泡層)の発泡剤を発泡させることができる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
加熱工程において加熱する際の温度としては、発泡剤の熱分解温度以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100℃以上200℃以下が好ましい。
発泡工程を行うタイミングとしては、第1の層形成工程の実施以降であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。より具体的には、例えば、上述したように、第1の層形成工程において、硬化型組成物に熱エネルギーを付与して硬化させる際に、発泡工程を一括して行ってもよいし、各層(例えば、発泡層、中間層、色材層)の形成が終了した後に行ってもよい。
また、発泡層を発泡させる際において、発泡させる領域と発泡させない領域を形成する方法としては、後述する発泡抑制剤を付与することにより行うことに限られるわけではなく、目的に応じて適宜選択することができる。発泡層における、発泡させる領域と発泡させない領域の形成は、例えば、発泡層における発泡させる領域を、選択的に加熱することにより行ってもよい。この場合、発泡手段としては、例えば、レーザー照射手段などを用いることができる。
<保護層形成工程、保護層形成手段>
保護層形成工程は、色材層上に、重合性化合物eの重合体を含む保護層を形成する工程である。
保護層形成手段は、色材層上に、重合性化合物eの重合体を含む保護層を形成する手段である。
保護層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の層形成手段と同様に、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー付与手段、活性エネルギー線照射手段等)の組み合わせなどとすることができる。
保護層形成工程においては、例えば、材料付与手段により、重合性化合物eを含む保護組成物を色材層上に付与して成膜した後、エネルギー付与手段により硬化することで、保護層を形成することができる。言い換えると、保護層形成工程においては、例えば、重合性化合物eを含む膜を作成し、当該膜を硬化することにより、当該重合性化合物eの重合体を含む保護層を形成する。
保護層組成物における重合性化合物eとしては、上述した発泡層における硬化型組成物の重合性化合物aと同様のものを用いることができる。なお、本発明においては、重合性化合物aと重合性化合物bと重合性化合物cと重合性化合物eは、同種の重合性化合物であってもよいし、異なる重合性化合物であってもよい。
<その他の工程、その他の手段>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エンボス加工工程、制御工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エンボス加工手段、制御手段などが挙げられる。
<<エンボス加工工程、エンボス加工手段>>
エンボス加工工程は、印刷物に凹凸模様を形成する工程である。
エンボス加工手段は、印刷物に凹凸模様を形成する手段である。
エンボス加工工程においては、通常、壁紙、化粧材等に凹凸を付与する目的で使用されるエンボス加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン加工、又は盛り上げ印刷等の方法を、適宜選択して使用することができる。
エンボス加工手段としては、例えば、加熱後冷却ローラーでエンボス加工する手段、及び熱ローラエンボスを用いて一度にエンボス加工する手段などが挙げられる。
エンボス加工によるエンボスの深さとしては、0.08mm以上0.50mm以下が好ましい。エンボスの深さが、0.08mm以上であると、立体感を出すことができ、0.50mm以下であると、表面の摩耗強さを向上できる。
エンボス加工により形成される凹凸模様の形状としては、例えば、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などが挙げられる。
<印刷物>
本発明の印刷物の製造方法又は本発明の印刷物の製造装置により製造される印刷物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上述したように、本発明における印刷物は、色材層を有することは必須ではなく、発泡層における発泡させた領域と発泡させていない領域により形成された凹凸形状が印刷された印刷物であってもよい。また、この場合、第2の層(中間層)として、第3の層(色材層)における色材を予め含有させたものを用いてもよい。
ここで、本発明の印刷物の製造方法に用いられる本発明の印刷物の製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。この図1の印刷物の製造装置100は、基材19上に硬化型組成物を塗布する塗布ローラー10と、その下流に発泡抑制剤用ヘッド11と、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15を有する吐出ヘッド16と、活性エネルギー線照射装置17、27と、加熱装置18と、硬化型組成物が塗布された基材19上に、中間組成物を塗布する塗布ローラー28を有している。なお、図1中、20は搬送ベルト、21は塗布ローラー10と対向する送り出しローラーであり、22は巻取りローラーである。
基材19は巻取りローラー22で搬送ベルト20が巻き取られることにより、図1中矢印方向に搬送される。
まず、基材19の表面に、硬化型組成物を塗布ローラー10により塗布し、硬化型組成物を塗布した基材19に対して、活性エネルギー線照射装置27を用いて所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し硬化型組成物を硬化して、発泡層を形成する。つまり、この例においては、塗布ローラー10と活性エネルギー線照射装置27とが、第1の層形成手段の一例となる。
次に、基材19を所定の速度で走査させ、発泡抑制剤用ヘッド11から発泡抑制剤を発泡層における所定の領域に吐出して、発泡層に接触させる。つまり、この例においては、発泡抑制剤用ヘッド11が、発泡抑制剤付与手段の一例となる。なお、発泡抑制剤を付与する発泡層における所定の領域は、上述したように、製造する印刷物における凹凸のデータ等から特定することができる。
次に、発泡層上に、中間組成物を塗布ローラー28にて塗布する。
次いで、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15の各色用ヘッドから、ブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材組成物をインクジェット方式で吐出する。続いて、色材組成物を塗布した基材19に対して、活性エネルギー線照射装置17を用いて所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し、中間組成物及び色材を硬化して、中間層及び色材層を形成する。つまり、この例においては、塗布ローラー28と活性エネルギー線照射装置17とが、第2の層形成手段の一例となり、吐出ヘッド16と活性エネルギー線照射装置17とが、第3の層形成手段の一例となる。
次に、形成した発泡層を加熱装置18により加熱して、発泡層を発泡させる。つまり、この例においては、加熱装置18が、発泡手段の一例となる。
このようにして、印刷物の製造装置100が製造した印刷物は、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が高いものとなる。
また、図1には、印刷物の製造装置100として、印刷する基材の幅よりインクジェットヘッドで印刷できる幅のほうが大きく、走査回数が1回のシングルパスの方式の場合について示したが、本発明の印刷物の製造装置としては、基材の幅よりヘッドの幅が小さく、走査回数が複数できるような駆動機構(ヘッドユニット又は基材搬送)を設けたマルチパスの方式であってもよい。
本発明の印刷物の製造方法及び本発明の印刷物の製造装置は、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が高い印刷物を製造できるので、例えば、床材、壁紙、内装材、壁材、巾木材、天井材、柱等の建築用材料などの用途に好適である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すような印刷物の製造装置を用いて、印刷物の製造を行った。
発泡抑制剤用ヘッド11及び吐出ヘッド16としては、株式会社リコープリンティングシステムズ製のGEN4ヘッド(MH2420)を用い、発泡抑制剤用ヘッド11と、ブラック用ヘッド12と、シアン用ヘッド13と、マゼンタ用ヘッド14と、イエロー用ヘッド15とを、4つずつ並列に配置し、発泡抑制剤用ヘッド11及び吐出ヘッド16を45℃に加温して、20pLの液滴サイズで描画できるよう、周波数をコントロールした。
活性エネルギー線照射装置17、27としては、岩崎電気株式会社製のEC300/30/30mAを用い、不活性ガスブランケット内は、不活性ガス源として、コンプレッサー付きNガス発生装置(Maxi-Flow30、Inhouse Gas社製)を0.2MPa・sの圧力で接続し、2L/分~10L/分の流量でNをフローさせ、酸素濃度が500ppm以下となるように設定した。
加熱装置18としては、日立産機システム株式会社製のルテックスブロアGシリーズ、株式会社関西電熱製の高温熱風発生用電気式ヒーターXS-2、株式会社関西電熱製ハイブローノズル50ALを組み合わせて作製した加熱装置をノズル先端からの風速30m/secとなるように調整したものを用いた。
まず、基材19として、質量80g/mの用紙(オストリッチダイヤ ハイグレード普通紙RJPH-03)の表面に、下記の硬化型組成物1を塗布ローラー10により平均厚みが100μmとなるように塗布した。
次に、第1の層(発泡層)が形成された基材を15m/minの速度で走査させ、発泡抑制剤用ヘッド11から、下記の発砲抑制剤1を、基材19に対して1,000μm間隔、1,000μm幅で描画した。そして、塗布した硬化型組成物に対して活性エネルギー線照射装置27を用い、加速電圧30kV、線量30kGyの照射条件で活性エネルギー線を照射し硬化させて、発泡層を形成した。
続いて、形成した発泡層上に、下記の中間組成物1を塗布ローラー28により平均厚みが20μmとなるように塗布した。
次いで、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15から、下記のブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材組成物1~4をインクジェット方式により1,000μm間隔、1,000μm幅で全ベタの画像を描画した。
次に、中間組成物1及び色材組成物1~4に対して活性エネルギー線照射装置17を用い、加速電圧30kV、30線量kGyの照射条件で活性エネルギー線を照射し硬化させて、第2の層(中間層)及び第3の層(色材層)を形成した。
次に、得られた硬化物に対して、加熱装置18により170℃で10秒間加熱することにより、第1の層(発泡層)を発泡させた。以上により、実施例1の印刷物1が得られた。
<硬化型組成物1の調製>
イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)50質量部、2-アクリロイルオキシプロピルフタル酸(ACB-21、新中村化学工業株式会社製)50質量部、及び発泡剤としてのクレハマイクロスフェアー(株式会社クレハ製、H750)15質量部を撹拌することにより、硬化型組成物1を調製した。
<発砲抑制剤1>
発砲抑制剤1として、多官能モノマー(1,6-ヘキサンジオールジアクリレ-ト、SR238、巴工業株式会社製)からなる液を用いた。
<中間組成物1の調整>
イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)40質量部と、2-アクリロイルオキシプロピルフタル酸(ACB-21、新中村化学工業株式会社製)60質量部とを撹拌することにより、中間組成物1を調製した。
<ブラック用色材組成物1の調製>
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのSPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、ブラック用色材組成物1を調製した。
<シアン用色材組成物2の調製>
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのIRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、シアン用色材組成物2を調製した。
<マゼンタ用色材組成物3の調製>
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのCINQUASIA MAGENTA RT-355-D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、マゼンタ用色材組成物3を調製した。
<イエロー用色材組成物4の調製>
アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのNOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)40質量部を撹拌することにより、イエロー用色材組成物4を調製した。
作製した印刷物1について、下記の方法を用いて、第1の層(発泡層)、第2の層(中間層)、及び第3の層(色材層)における貯蔵弾性率A、B、及びCを測定した。結果を表1に示す。
[貯蔵弾性率の測定方法]
まず、製造した印刷物(発泡層を発泡させたもの)を、縦1cm×横1cmに切断して切断物を得た。続いて、ウルトラミクロトーム(LEICA社製、ULTRACUT UCT)及びダイヤモンドナイフ(HISTO社製)を用いて、切削送り10μmで当該切断物を断面方向から層の状態を確認しながら所定の層に到達するまで厚み方向にスライスして、測定サンプルを作製した。
次に、作製した測定サンプルにおける各層について、温度が100℃から200℃での貯蔵弾性率を、ナノインデンター(ハイジトロン社製、TI950)を用いて測定した。測定に用いる圧子としてはバーコビッチ圧子を用い、バーコビッチ圧子の押込み量は、0.1μm(押込み時間:10秒)とした。バーコビッチ圧子を押し込む方向としては、測定サンプルにおける各層の断面に対して略垂直方向とした。
測定は、連続剛性測定法を用い、圧子アプローチ速度:100nm/秒、最大荷重:50mN、荷重印加速度:2.5mN/秒、最大荷重保持時間:2秒、除荷速度:2.5mN/秒、スティフネス計算:最大荷重から10%除荷時、ドリフト計測:最大荷重から90%除荷時の条件で行った。
また、測定サンプルの加熱は、加熱ステージ(ブルカー社製、Xsol 600)上に、作製した測定サンプルの断面が上方向(測定面)になるように直接載置して、温度を100℃から200℃の範囲で昇温させながら、貯蔵弾性率を測定した。貯蔵弾性率の測定間隔としては、例えば、100℃から200℃の範囲で、20℃毎とした。なお、ここで、100℃から200℃の範囲とは、加熱ステージの設定温度を意味する。ここで、各温度での貯蔵弾性率の測定は、例えば、所定の温度に昇温させた後、当該所定の温度を3分間維持した後に測定を行った。
なお、発泡層における貯蔵弾性率Aの測定箇所は、発泡が抑制されていない、最も厚みのある場所で測定した。
Figure 0007363375000001
(実施例2)
実施例1において、中間組成物1を、以下の中間組成物2に代えた以外は、実施例1と同様にして、印刷物2を作製した。
<中間組成物2の調製>
イソオクチルアクリレート(SR440、巴工業株式会社製)20質量部と、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)40質量部と、2-アクリロイルオキシプロピルフタル酸(ACB-21、新中村化学工業株式会社製)40質量部とを撹拌することにより、中間組成物2を調製した。
印刷物2について、実施例1と同様にして、第1の層(発泡層)、第2の層(中間層)、及び第3の層(色材層)における貯蔵弾性率A、B、及びCを測定した。結果を表2に示す。
Figure 0007363375000002
(実施例3)
実施例1において、硬化型組成物1を、以下の硬化型組成物2に代えた以外は、実施例1と同様にして、印刷物3を作製した。
<硬化型組成物2の調製>
トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、巴工業株式会社製)2.5質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)50質量部、2-アクリロイルオキシプロピルフタル酸(ACB-21、新中村化学工業株式会社製)50質量部、及び発泡剤としてのクレハマイクロスフェアー(株式会社クレハ製、H750)15質量部を撹拌することにより、硬化型組成物2を調製した。
印刷物3について、実施例1と同様にして、第1の層(発泡層)、第2の層(中間層)、及び第3の層(色材層)における貯蔵弾性率A、B、及びCを測定した。結果を表3に示す。
Figure 0007363375000003
(実施例4)
実施例1において、中間組成物1を、以下の中間組成物3に代えた以外は、実施例1と同様にして、印刷物4を作製した。
<中間組成物3の調製>
トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、巴工業株式会社製)0.52質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)49質量部、及び2-アクリロイルオキシプロピルフタル酸(ACB-21、新中村化学工業株式会社製)49質量部を撹拌することにより、中間組成物3を調製した。
印刷物4について、実施例1と同様にして、第1の層(発泡層)、第2の層(中間層)、及び第3の層(色材層)における貯蔵弾性率A、B、及びCを測定した。結果を表4に示す。
Figure 0007363375000004
(実施例5)
実施例1において、色材組成物1~4を、以下の色材組成物5~8に代えた以外は、実施例1と同様にして、印刷物5を作製した。
<ブラック用色材組成物5の調製>
トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、巴工業株式会社製)2質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製))20質量部、及び色材としてのSPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、ブラック用色材組成物5を調製した。
<シアン用色材組成物6の調製>
トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、巴工業株式会社製)2質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製))20質量部、及び色材としてのIRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、シアン用色材組成物6を調製した。
<マゼンタ用色材組成物7の調製>
トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、巴工業株式会社製)2質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのCINQUASIA MAGENTA RT-355-D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、マゼンタ用色材組成物7を調製した。
<イエロー用色材組成物8の調製>
トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、巴工業株式会社製)2質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)60質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)20質量部、及び色材としてのNOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)40質量部を撹拌することにより、イエロー用色材組成物8を調製した。
印刷物5について、実施例1と同様にして、第1の層(発泡層)、第2の層(中間層)、及び第3の層(色材層)における貯蔵弾性率A、B、及びCを測定した。結果を表5に示す。
Figure 0007363375000005
(比較例1)
実施例1において、硬化型組成物1を、以下の硬化型組成物3に代えた以外は、実施例1と同様にして、印刷物6を作製した。
<硬化型組成物3の調製>
イソオクチルアクリレート(SR499、巴工業株式会社製)20質量部、イソボロニルアクリレート(SR506、巴工業株式会社製)40質量部、2-アクリロイルオキシプロピルフタル酸(ACB-21、新中村化学工業株式会社製)40質量部、及び発泡剤としてのクレハマイクロスフェアー(株式会社クレハ製、H750)15質量部を撹拌することにより、硬化型組成物3を調製した。
印刷物6について、実施例1と同様にして、第1の層(発泡層)、第2の層(中間層)、及び第3の層(色材層)における貯蔵弾性率A、B、及びCを測定した。結果を表6に示す。
Figure 0007363375000006
次に、得られた実施例1~5及び比較例1の各印刷物について、以下のようにして、発泡層を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性を評価した。結果を表7に示した。
<凹凸形状の鮮鋭性>
作製した印刷物について、発泡抑制剤の塗布パターン対して、第1の層(発泡層)を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界(凹凸形状における凹凸の境目)における鮮鋭性(境界がどの程度くっきりと明確に形成されているか)を、目視により下記基準で評価した。
[評価基準]
○:印刷物を1.5m離れた水平な場所に置き、印刷物の水平方向(厚み方向と垂直な方向)に対する角度が60度となる位置で印刷物を観察したときに、凹凸形状における凹凸の境目が確認できる
△:印刷物を1.5m離れた水平な場所に置き、印刷物の水平方向(厚み方向と垂直な方向)に対する角度が45度となる位置で印刷物を観察したときに、凹凸形状における凹凸の境目が確認できるが、角度が60度となる位置で印刷物を観察したときには、凹凸形状における凹凸の境目が確認できない
×:印刷物を1.5m離れた水平な場所に置き、印刷物の水平方向(厚み方向と垂直な方向)に対する角度が30度となる位置で印刷物を観察したときに、凹凸形状における凹凸の境目が確認できるが、角度が45度となる位置で印刷物を観察したときには、凹凸形状における凹凸の境目が確認できない
Figure 0007363375000007
以上、説明したように、本発明の印刷物の製造方法は、発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む発泡層を形成する第1の層形成工程と、第1の層上に、重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、発泡層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、貯蔵弾性率A ≧ 貯蔵弾性率B、を満たす第2の層を形成する第2の層形成工程と、第1の層を加熱して発泡させる発泡工程と、を含む。
これにより、本発明の印刷物の製造方法は、第1の層(発泡層)を発泡させた領域と発泡させていない領域との境界における鮮鋭性が高い印刷物を製造できる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成工程と、
前記第1の層上に、
重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、
前記第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B、
を満たす第2の層を形成する第2の層形成工程と、
前記第1の層を加熱して発泡させる発泡工程と、
を含むことを特徴とする印刷物の製造方法である。
<2> 前記第2の層上に、
色材と重合性化合物cの重合体とを含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Cが、前記貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率C、
を満たす第3の層を形成する第3の層形成工程を更に含む、前記<1>に記載の印刷物の製造方法である。
<3> 前記第1の層形成工程、前記第2の層形成工程、及び前記第3の層形成工程において、
前記貯蔵弾性率Aと、前記貯蔵弾性率Bと、前記貯蔵弾性率Cとの間で、次の不等式、
前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B≧ 前記貯蔵弾性率C、
を満たす前記第1の層、前記第2の層、及び前記第3の層を形成する、前記<2>に記載の印刷物の製造方法である。
<4> 前記重合性化合物aが多官能モノマーaを含有し、前記重合性化合物bが多官能モノマーbを含有し、
前記重合性化合物aの全量に対する、前記多官能モノマーaの含有量Aと、前記重合性化合物bの全量に対する、前記多官能モノマーbの含有量Bとが、それぞれ5質量%以下である、前記<2>から<3>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<5> 前記第1の層形成工程及び前記第2の層形成工程において、
前記多官能モノマーaの含有量Aと、前記多官能モノマーbの含有量Bとの間で、
次の不等式、
前記含有量A ≧ 前記含有量B
を満たす前記第1の層及び前記第2の層を形成する、前記<4>に記載の印刷物の製造方法である。
<6> 前記第3の層形成工程において、
前記重合性化合物cが多官能モノマーcを含有し、
前記重合性化合物cの全量に対する、前記多官能モノマーcの含有量Cが、
前記含有量Aと前記含有量Bとの間で、次の不等式
前記含有量A ≧ 前記含有量B≧ 前記含有量C
を満たす前記第3の層を形成する、前記<5>に記載の印刷物の製造方法である。
<7> 前記発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルである、前記<1>から<6>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<8> 前記第1の層における所定の領域に、多官能モノマーdを含む発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程を更に含む、前記<1>から<7>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<9> インクジェット方式で、前記発泡抑制剤を付与する前記<8>に記載の印刷物の製造方法である。
<10> 発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む発泡層を形成する第1の層形成手段と、
前記第1の層上に、
重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、
前記第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B、
を満たす第2の層を形成する第2の層形成手段と、
前記第1の層を加熱して発泡させる発泡手段と、
を有することを特徴とする印刷物の製造装置である。
<11> 前記第2の層上に、
色材と重合性化合物cの重合体とを含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Cが、前記貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率C、
を満たす第3の層を形成する第3の層形成手段を更に有する、前記<10>に記載の印刷物の製造装置である。
<12> 前記第1の層形成手段、前記第2の層形成手段、及び前記第3の層形成手段が、
前記貯蔵弾性率Aと、前記貯蔵弾性率Bと、前記貯蔵弾性率Cとの間で、次の不等式、
前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B≧ 前記貯蔵弾性率C、
を満たす前記第1の層、前記第2の層、及び前記第3の層を形成する、前記<11>に記載の印刷物の製造装置である。
<13> 前記重合性化合物aが多官能モノマーaを含有し、前記重合性化合物bが多官能モノマーbを含有し、
前記重合性化合物aの全量に対する、前記多官能モノマーaの含有量Aと、前記重合性化合物bの全量に対する、前記多官能モノマーbの含有量Bとが、それぞれ5質量%以下である、前記<11>から<12>のいずれかに記載の印刷物の製造装置である。
<14> 前記第1の層形成手段及び前記第2の層形成手段が、
前記多官能モノマーaの含有量Aと、前記多官能モノマーbの含有量Bとの間で、
次の不等式、
前記含有量A ≧ 前記含有量B
を満たす前記第1の層及び前記第2の層を形成する、前記<13>に記載の印刷物の製造装置である。
<15> 前記第3の層形成手段が、
前記重合性化合物cが多官能モノマーcを含有し、
前記重合性化合物cの全量に対する、前記多官能モノマーcの含有量Cが、
前記含有量Aと前記含有量Bとの間で、次の不等式
前記含有量A ≧ 前記含有量B≧ 前記含有量C
を満たす前記第3の層を形成する、前記<14>に記載の印刷物の製造装置である。
<16> 前記発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルである、前記<10>から<15>のいずれかに記載の印刷物の製造装置である。
<17> 前記第1の層における所定の領域に、多官能モノマーdを含む発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与手段を更に有する、前記<10>から<16>のいずれかに記載の印刷物の製造装置である。
<18> 前記発泡抑制剤付与手段がインクジェット方式である、前記<17>に記載の印刷物の製造方法である。
前記<1>から<9>のいずれかに記載の印刷物の製造方法及び前記<10>から<18>のいずれかに記載の印刷物の製造装置によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 塗布ローラー
11 発泡抑制剤用ヘッド
12 ブラック用ヘッド
13 シアン用ヘッド
14 マゼンタ用ヘッド
15 イエロー用ヘッド
16 吐出ヘッド
17 活性エネルギー線照射装置
18 加熱装置
19 基材
20 搬送ベルト
21 送り出しローラー
22 巻取りローラー
27 活性エネルギー線照射装置
28 活性エネルギー線照射装置
100 印刷物の製造装置
特許第5195999号公報

Claims (12)

  1. 発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成工程と、
    前記第1の層上に、
    重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、
    前記第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
    前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B、
    を満たす第2の層を形成する第2の層形成工程と、
    前記第1の層を加熱して発泡させる発泡工程と、
    を含み、
    前記重合性化合物aが多官能モノマーa を含有し、前記重合性化合物bが多官能モノマーb を含有し、
    前記重合性化合物aの全量に対する、前記多官能モノマーa の含有量A と、前記重合性化合物bの全量に対する、前記多官能モノマーb の含有量B とが、それぞれ5質量%以下であることを特徴とする印刷物の製造方法。
  2. 前記第1の層形成工程及び前記第2の層形成工程において、
    前記多官能モノマーaの含有量Aと、前記多官能モノマーbの含有量Bとの間で、
    次の不等式、
    前記含有量A ≧ 前記含有量B
    を満たす前記第1の層及び前記第2の層を形成する、請求項1に記載の印刷物の製造方法。
  3. 発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成工程と、
    前記第1の層上に、
    重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、
    前記第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
    前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B、
    を満たす第2の層を形成する第2の層形成工程と、
    前記第1の層を加熱して発泡させる発泡工程と、
    前記第1の層における所定の領域に、多官能モノマーd を含む発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、
    を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
  4. 前記重合性化合物aが多官能モノマーa を含有し、前記重合性化合物bが多官能モノマーb を含有し、
    前記重合性化合物aの全量に対する、前記多官能モノマーa の含有量A と、前記重合性化合物bの全量に対する、前記多官能モノマーb の含有量B とが、それぞれ5質量%以下である、請求項3に記載の印刷物の製造方法。
  5. 前記第1の層形成工程及び前記第2の層形成工程において、
    前記多官能モノマーa の含有量A と、前記多官能モノマーb の含有量B との間で、
    次の不等式、
    前記含有量A ≧ 前記含有量B
    を満たす前記第1の層及び前記第2の層を形成する、請求項4に記載の印刷物の製造方法。
  6. 前記第2の層上に、
    色材と重合性化合物cの重合体とを含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Cが、前記貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
    前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率C、
    を満たす第3の層を形成する第3の層形成工程を更に含む、請求項1から5のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  7. 前記第1の層形成工程、前記第2の層形成工程、及び前記第3の層形成工程において、
    前記貯蔵弾性率Aと、前記貯蔵弾性率Bと、前記貯蔵弾性率Cとの間で、次の不等式、
    前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B≧ 前記貯蔵弾性率C、
    を満たす前記第1の層、前記第2の層、及び前記第3の層を形成する、請求項に記載の印刷物の製造方法。
  8. 前記第3の層形成工程において、
    前記重合性化合物cが多官能モノマーcを含有し、
    前記重合性化合物cの全量に対する、前記多官能モノマーcの含有量Cが、
    前記含有量Aと前記含有量Bとの間で、次の不等式
    前記含有量A ≧ 前記含有量B ≧ 前記含有量C
    を満たす前記第3の層を形成する、請求項6又は7に記載の印刷物の製造方法。
  9. 前記発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルである、請求項1からのいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  10. インクジェット方式で、前記発泡抑制剤を付与する請求項3から9のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  11. 発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成手段と、
    前記第1の層上に、
    重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、
    前記第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
    前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B、
    を満たす第2の層を形成する第2の層形成手段と、
    前記第1の層を加熱して発泡させる発泡手段と、を有し、
    前記重合性化合物aが多官能モノマーa を含有し、前記重合性化合物bが多官能モノマーb を含有し、
    前記重合性化合物aの全量に対する、前記多官能モノマーa の含有量A と、前記重合性化合物bの全量に対する、前記多官能モノマーb の含有量B とが、それぞれ5質量%以下であることを特徴とする印刷物の製造装置。
  12. 発泡剤と重合性化合物aの重合体とを含む第1の層を形成する第1の層形成手段と、
    前記第1の層上に、
    重合性化合物bの重合体を含み、120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Bが、
    前記第1の層における120℃以上200℃以下での貯蔵弾性率Aとの間で、次の不等式、
    前記貯蔵弾性率A ≧ 前記貯蔵弾性率B、
    を満たす第2の層を形成する第2の層形成手段と、
    前記第1の層を加熱して発泡させる発泡手段と、
    前記第1の層における所定の領域に、多官能モノマーd を含む発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与手段と、
    を有することを特徴とする印刷物の製造装置。
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