JP2021142684A - 凹凸表面物の製造方法 - Google Patents

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逸樹 菅
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美樹子 ▲高▼田
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祐馬 臼井
Yuma Usui
祐馬 臼井
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由貴男 藤原
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Abstract

【課題】優れた凹凸形状による意匠性を有する凹凸表面物を得ることができる凹凸表面物の製造方法の提供。【解決手段】基材11上に、体積膨張剤22を含有する平均厚みが125μm以下である体積膨張剤含有層21を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、体積膨張剤含有層21上の所定の領域に、体積膨張剤22の体積膨張を抑制する抑制剤23を付与する抑制剤付与工程と、体積膨張剤含有層21を加熱することにより、所定の領域以外の体積膨張剤含有層21に含有される体積膨張剤22を体積膨張させる体積膨張工程と、を含む凹凸表面物の製造方法。【選択図】図1B

Description

本発明は、凹凸表面物の製造方法に関する。
建築物の床、内壁や天井には、所望の画像を印字し、エンボス加工等により意匠性を付与した床材、壁紙などの部材が使用されている。床材や壁紙に紫外線(UV)硬化材料によるコーティング、電子線硬化材料によるコーティング等を行うことにより、耐久性を向上させる試みがなされている。
近年、インクジェット方式により所望の画像を印刷し、床材や壁紙などに展開することが試みられている。特に、画像と共に、表面に凹凸構造を付与した印刷物が3次元的な立体感による豪華な装飾効果が得られることから普及してきている。
表面に凹凸構造を形成する方式としては、例えば、発泡樹脂層及び表面保護層を有し、最表面に電離放射線硬化型樹脂層がパターン状に形成されており、電離放射線硬化型樹脂層が形成されていない領域に対して電離放射線硬化型樹脂層が形成されている領域が凹部になっている凹凸表面物の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、優れた凹凸形状による意匠性を有する凹凸表面物を得ることができる凹凸表面物の製造方法を提供すること目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の凹凸表面物の製造方法は、基材上に、体積膨張剤を含有する平均厚みが125μm以下である体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、前記体積膨張剤含有層上の所定の領域に、前記体積膨張剤の体積膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与工程と、前記体積膨張剤含有層を加熱することにより、前記所定の領域以外の前記体積膨張剤含有層に含有される前記体積膨張剤を体積膨張させる体積膨張工程と、を含む凹凸表面物の製造方法である。
本発明によると、優れた凹凸形状による意匠性を有する凹凸表面物を得ることができる凹凸表面物の製造方法を提供することができる。
図1Aは、本発明の凹凸表面物の製造方法における第一の体積膨張剤含有層形成工程後の製造物の一例を示す模式図である。 図1Bは、本発明の凹凸表面物の製造方法における第一の抑制剤付与工程後の製造物の一例を示す模式図である。 図1Cは、本発明の凹凸表面物の製造方法における第二の体積膨張剤含有層形成工程後の製造物の一例を示す模式図である。 図1Dは、本発明の凹凸表面物の製造方法における第二の抑制剤付与工程後の製造物の一例を示す模式図である。 図2Aは、従来の凹凸表面物の製造方法を用いて製造した凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図2Bは、本発明の凹凸表面物の製造方法を用いて製造した凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図2Cは、第二の抑制剤の付与領域が、第一の抑制剤の付与領域と異なる本発明の凹凸表面物の製造方法を用いて製造した凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図2Dは、第二の体積膨張剤の体積平均粒径が、第一の体積膨張剤の体積平均粒径よりも小さい場合の本発明の凹凸表面物の製造方法を用いて製造した凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図2Eは、第二の体積膨張剤の体積平均粒径が、第一の体積膨張剤の体積平均粒径と同じである場合の本発明の凹凸表面物の製造方法を用いて製造した凹凸表面物の一例を示す断面図である。 図3Aは、実施例1、3及び4における凹凸表面物の製造方法で用いる製造装置の一例を示す概略図である。 図3Bは、実施例2における凹凸表面物の製造方法で用いる製造装置の一例を示す概略図である。 図3Cは、実施例5における凹凸表面物の製造方法で用いる製造装置の一例を示す概略図である。 図3Dは、比較例1における凹凸表面物の製造方法で用いる製造装置の一例を示す概略図である。 図4Aは、レーザー顕微鏡を用いた、実施例1に係る凹凸表面物の上面画像と高さプロファイルとを示す図である。 図4Bは、レーザー顕微鏡を用いた、比較例1に係る凹凸表面物の上面画像と高さプロファイルとを示す図である。
(凹凸表面物の製造方法)
本発明の凹凸表面物の製造方法は、体積膨張剤含有層形成工程と、抑制剤付与工程と、体積膨張工程とを含み、硬化工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記体積膨張剤含有層形成工程としては、平均厚みが125μm以下である体積膨張剤含有層を形成する。
前記体積膨張剤含有層の平均厚みとしては、125μm以下であり、25μm以上125μm以下が好ましく、80μm以上125μm以下がより好ましく、100μm以上125μm以下が特に好ましい。前記平均厚みが125μm以下であると、抑制剤が体積膨張剤含有層の表面から入り込めなくなるのを防ぎ、体積膨張剤含有層の深層部まで抑制剤を付与する凹凸表面物の凹凸差をより生じさせることができる。前記平均厚みが25μm以上であると、凹凸差のある体積膨張層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。また、前記平均厚みが100μm以上であると、体積膨張剤の体積膨張に影響する上限量の抑制剤が体積膨張剤含有層から溢れるのを防ぐことができるため、溢れた抑制剤が凹凸表面物の表面に存在することで凹凸形状を損なうことを防ぐことができる。
前記体積膨張剤含有層の平均厚みとは、2層以上の体積膨張剤含有層が形成されている場合では、1層あたりの体積膨張剤含有層の平均厚みを意味している。
従来から、体積膨張剤を付与した樹脂層に抑制剤をパターン状に付与して所望のエンボスパターンを形成する方法が行われていたが、抑制剤を付与した領域の凹凸表面物の厚さと、抑制剤を付与していない領域の凹凸表面物の厚さとの差(以下、凹凸差と称することがある)が不十分であるため、優れた凹凸形状による意匠性を有する印刷物を製造することができないという問題があった。
そこで、本発明者らが鋭意検討を行った結果、体積膨張剤含有層の平均厚みを125μm以下とすることで、体積膨張剤含有層の深層部まで抑制剤を付与することができ、凹凸表面物の凹凸差をより生じさせることができることを知見した。
本発明において、凹凸表面物の「凸部」とは、基準面に対して鉛直方向上向きに突出している(出っ張っている)領域、及び基準面に対して鉛直方向下向きに突出している(へこんでいる)領域ではない領域の少なくともいずれかを意味する。なお、基準面とは、凹凸表面物を含む面であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基板を含む面と平行であり抑制剤を付与した体積膨張剤含有層を含む面、基板を含む面と平行であり抑制剤を付与していない体積膨張層を含む面などを選択することができる。
また、本発明において、凹凸表面物の「凹部」とは、基準面に対して鉛直方向下向きに突出している(へこんでいる)領域、及び基準面に対して鉛直方向上向きに突出している(出っ張っている)領域ではない領域の少なくともいずれかを意味する。
本発明において凹凸表面物とは、基準面と同一平面上にない領域を含むもの、即ち、前記凸部及び凹部を有するものを意味する。
<体積膨張剤含有層形成工程>
前記体積膨張剤含有層形成工程は、基材上に、体積膨張剤を含有する平均厚みが125μm以下である体積膨張剤含有層を形成する工程である。前記体積膨張剤含有層形成工程は、基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤組成物を付与することにより前記体積膨張剤含有層を形成する。
前記体積膨張剤含有層形成工程としては、単層の体積膨張剤含有層を形成することもできるし、2層以上の体積膨張剤含有層を形成することもできる。
前記2層以上の体積膨張剤含有層を形成する場合、本発明の凹凸表面物の製造方法は、第一の体積膨張剤含有層形成工程と、第二の体積膨張剤含有層形成工程を含む。2層以上の体積膨張剤含有層を形成することで、積層された体積膨張剤含有層の深層部においても抑制剤を付与することができ、より優れた凹凸形状による意匠性を有する印刷物を製造することができる。
前記体積膨張剤含有層の平均厚みとしては、125μm以下であり、25μm以上125μm以下が好ましく、80μm以上125μm以下がより好ましく、100μm以上125μm以下が特に好ましい。前記平均厚みが125μm以下であると、体積膨張剤含有層の深層部まで抑制剤を付与する凹凸表面物の凹凸差をより生じさせることができる。前記平均厚みが25μm以上であると、凹凸差のある体積膨張層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。また、前記平均厚みが100μm以上であると、体積膨張剤の体積膨張に影響する上限量の抑制剤が、体積膨張剤含有層から溢れることなく抑制剤を付与することができる。
前記体積膨張剤含有層が体積膨張した後の体積膨張層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200μm以上が好ましく、400μm以上がより好ましく、400μm以上2,000μm以下が特に好ましい。
前記体積膨張層の平均厚みが200μm以上であると、体積膨張抑制剤による凹凸差のある体積膨張層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
なお、前記平均厚みは、異なる10点における前記体積膨張剤含有層の厚みの平均値であっても、前記体積膨張剤組成物の付与量から算出する値であってもよい。
<<基材>>
前記基材の形状及び構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム、シート、板などが挙げられる。なお、前記フィルムとは、平均厚みが200μm未満の軟質製のものを意味する。前記シートとは、平均厚みが200μm以上で軟質製のもの、又は平均厚みが500μm未満で硬質性のものを意味する。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プラスチック、天然紙、合成繊維からなる合成紙、不織布、布、レザー、木材、金属、ガラス、建築用材料、セラミックス及びそれらの複合材料などが挙げられる。これらの中でも、耐久性を有する基材が好ましく、建築用材料がより好ましい。
前記プラスチックとしては、例えば、ポリエステル;ポリプロピレン;ポリエチレン;ナイロン、ビニロン、アクリル等のプラスチック、又は前記フィルムの貼り合わせたものなどが挙げられる。
前記プラスチックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度の点から、一軸又は二軸延伸されていることが好ましい。
前記天然紙としては、例えば、和紙、パルプ紙、木綿紙、藁紙、板紙などが挙げられる。
前記合成紙としては、例えば、合成パルプ紙、合成フィルム紙、合成プラスチック板紙などが挙げられる。
前記不織布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン繊維をシート状に散布し、熱圧着させてシート状に形成したものなどが挙げられる。
前記布としては、例えば、天然繊維、再生繊維、合成繊維及びそれらの繊維を組み合わせた繊維を用いた織物などが挙げられる。
前記木材としては、例えば、MDF、HDF、パーティクルボード、ベニヤなどの合材、表面にシートを貼り合わせた化粧板などが挙げられる。前記木材の平均厚みとしては、2mm以上30mm以下が好ましい。
前記金属としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合金、アルミニウム、アルミニウム複合材料などが挙げられる。前記合金としては、例えば、ガルバリウム鋼板(登録商標)などが挙げられる。前記アルミニウム複合材料としては、例えば、熱可塑性の樹脂等をアルミニウムシートで挟んだ複合材料などが挙げられる。
前記ガラスとしては、例えば、フロートガラス、色ガラス、強化ガラス、網入りガラス、すりガラス、フロストガラス、ミラーガラスなどが挙げられる。前記ガラスとしては、ガラス板の形態が好ましい。前記ガラス板の平均厚みとしては、0.3mm以上20mm以下が好ましい。
前記セラミックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不燃建材の代表的な素材として石膏ボードやケイカル板などが挙げられる。
前記建築用材料としては、例えば、床材、壁紙、内装材、壁板材、巾木材、天井材、柱などで使用される熱硬化型樹脂、繊維版、パーティクルボード、及びこれらの材料の表面に、熱硬化型樹脂、オレフィン、ポリエステル、PVCの化粧板を設けた材料などが挙げられる。
前記基材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材上に、体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記体積膨張剤組成物を、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などにより基材上に付与する方法が挙げられる。
<<体積膨張剤組成物>>
前記体積膨張剤組成物は、体積膨張剤を含有し、重合性化合物、重合開始剤、表面張力調整剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−体積膨張剤−
前記体積膨張剤としては、例えば、熱膨張性マイクロカプセル、熱分解性体積膨張剤などが挙げられる。これらの中でも、高体積膨張倍率を有し、均一で小さい独立気泡を形成できる点から、熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。なお、体積膨張剤は「発泡剤」と称することもある。
前記熱膨張性マイクロカプセルは、前記体積膨張剤を熱可塑性樹脂で包み込んだコアシェル構造の粒子であり、加熱により外殻の熱可塑性樹脂が軟化を始めると共に、内包された体積膨張化合物の蒸気圧が上昇して粒子を変形させるのに十分な圧力となり、外殻の熱可塑性樹脂が引き伸ばされて膨張する。前記体積膨張化合物としては、例えば、低沸点の脂肪族炭化水素などが挙げられる。
前記低沸点の脂肪族炭化水素としては、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン、イソオクタン、イソドデカンなどが挙げられる。
前記熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社製のアドバンセルEMシリーズ、AkzoNovel社製のExpancellDU、WU、MB、SL、FGシリーズ(日本国内では日本フィライト株式会社が販売)、松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアーF、FNシリーズ、株式会社クレハ製のクレハマイクロスフェアーH750、H850、H1100などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱分解性体積膨張剤としては、例えば、有機系体積膨張剤、無機系体積膨張剤などが挙げられる。
前記有機系体積膨張剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ナフテン酸亜鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機系体積膨張剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組合せなどが挙げられる。
前記体積膨張剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積膨張剤組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
前記体積膨張剤の体積膨張後の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以上200μm以下が好ましい。前記体積膨張剤の体積平均粒径が20μm以上であると、凹凸表面物の凹凸差をより生じさせることができ、200μm以下であると凹凸表面物の表面の粗さを改善できる。
前記2層以上の体積膨張剤含有層を形成する場合は、第二の体積膨張剤含有層形成工程における体積膨張剤(以下、第二の体積膨張剤と称することがある)の体積膨張後の体積平均粒径としては、第一の体積膨張剤含有層形成工程における体積膨張剤(以下、第一の体積膨張剤と称することがある)の体積膨張後の体積平均粒径よりも小さいことが好ましい。前記第二の体積膨張剤の体積平均粒径が、前記第一の体積膨張剤の体積平均粒径よりも小さいことで、凹凸表面物の表面の粗さを改善できる。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、エネルギーが付与されることなどにより重合可能な化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
−−単官能モノマー−−
前記単官能モノマーとしては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に1つ有するモノマーなどが挙げられる。
前記単官能モノマーとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エトキシ(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が高く、堅牢性が良好な点から、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記単官能モノマーの含有量は、体積膨張剤組成物の全量に対して、80質量%以上99.5質量%以下が好ましく、90質量%以上95質量%以下がより好ましい。
−−多官能モノマー−−
前記多官能モノマーは、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に2つ以上有する化合物である。
前記多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート〔CH=CH−CO−(OC)n−OCOCH=CH(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)−CO−(OC−OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、エトキシ化(4)ビスフェノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーの[分子量/官能数量]は250以上であることが、体積膨張性と堅牢性を両立できる点から好ましい。
前記体積膨張剤組成物における前記多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。また、前記多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。前記多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、10質量%以下であると、意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できるという利点がある。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、光重合開始剤がより好ましい。
前記光重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、これらの中でも、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
前記重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、体積膨張剤組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(例えば、チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、前記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。
前記重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物などが挙げられる。
前記重合促進剤の含有量は、特に制限はなく、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
−表面張力調整剤−
前記表面張力調整剤としては、表面張力を調整可能であり、エネルギーに対して非反応性であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表面張力調整剤としては、市販品を用いることができ、例えば、BYK−UV3510(ビックケミー社製)、BYK−3550(ビックケミー社製)、BYK−3990(ビックケミー社製)、BYK35600(ビックケミー社製)などが挙げられる。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、充填剤、体積膨張促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤などが挙げられる。
−−充填剤−−
前記充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
−−体積膨張促進剤−−
前記体積膨張促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナフテン酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、2−エチルペンタン酸亜鉛、2−エチル−4−メチルペンタン酸亜鉛、2−メチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、イソオクチル酸亜鉛、n−オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、イソデカン酸亜鉛、n−デカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、リノール酸亜鉛、リノレイン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、o、m又はp−トルイル酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フタル酸亜鉛、フタル酸モノアルキル(C4〜18)エステルの亜鉛塩、デヒドロ酢酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、アミノクロトン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジンクピリチオン、尿素又はジフェニル尿素の亜鉛錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−増粘剤−−
前記増粘剤としては、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
−−防腐剤−−
前記防腐剤は、従来から使用されモノマーの重合を開始させないもの、例えば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾールなどが挙げられる。
−−安定剤−−
前記安定剤は、貯蔵中のモノマーの重合を抑制する目的を果たし、アニオン性安定剤、フリーラジカル安定剤などが挙げられる。
前記アニオン性安定剤としては、例えば、メタリン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アルキルスルホン酸、五酸化リン、塩化鉄(III)、酸化アンチモン、2,4,6−トリニトロフェノール、チオール、アルキルスルホニル、アルキルスルホン酸、アルキルスルホキシド、亜硫酸アルキル、スルトン、二酸化硫黄、三酸化硫黄などが挙げられる。
前記フリーラジカル安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、カテコール、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
−体積膨張剤組成物の調製−
本発明に用いられる体積膨張剤組成物の調製方法としては、特に制限はなく、上述した各種成分を用いて調製することができ、その調製手段や条件については目的に応じて適宜選択することができる。
<抑制剤付与工程>
前記抑制剤付与工程は、前記体積膨張剤含有層上に、前記体積膨張剤の体積膨張を抑制する抑制剤を付与する工程である。なお、前記抑制剤は、抑制剤そのものだけでなくその他の成分を含有する抑制剤含有組成物を用いることができる。
前記抑制剤付与工程においては、前記体積膨張剤含有層の前記体積膨張剤の膨張を抑制したい箇所(領域)に前記抑制剤含有組成物を付与する。
前記抑制剤は、体積膨張剤含有層の表面側から付与される。
前記2層以上の体積膨張剤含有層を形成する場合、本発明の凹凸表面物の製造方法は、第一の抑制剤付与工程と、第二の抑制剤付与工程を含む。第一の抑制剤付与工程は、第一の体積膨張剤含有層形成工程の後に行われ、第二の抑制剤付与工程は、第二の体積膨張剤含有層形成工程の後に行われる。
<<抑制剤含有組成物>>
前記抑制剤含有組成物は、多官能モノマーを含有し、表面張力調整剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−多官能モノマー−
前記多官能モノマーとしては、前記体積膨張剤組成物における多官能モノマーと同じものを用いることができるし、体積膨張剤組成物における多官能モノマーと異なるものを用いることもできる。
前記多官能モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ−ト、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンクリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、異なる多官能モノマーの混合物、多官能モノマーと単官能モノマーを混合物や、多官能を有するオリゴマーと単官能モノマーの混合物、単官能モノマー、多官能モノマー、多官能を有するオリゴマーとの混合物を用いることができる。
前記抑制剤含有組成物が前記多官能モノマーを含有することにより、前記多官能モノマーがエネルギー付与により3次元架橋するため、後述する硬化工程により、前記抑制剤含有組成物を付与していない前記体積膨張剤含有層に比べて前記抑制剤含有組成物を付与した前記体積膨張剤含有層を強固に硬化し、前記抑制剤含有組成物を付与した体積膨張剤含有層の体積膨張を抑制することができる。そのため、前記体積膨張剤含有層の任意の場所に前記抑制剤含有組成物を付与し、前記体積膨張剤含有層を体積膨張させる領域及び体積膨張させない領域を形成することにより、体積膨張させる領域を凸部、体積膨張させない領域を凹部として形成し、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
−表面張力調整剤−
前記表面張力調整剤としては、表面張力を調整可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、BYK−3550(ビックケミー社製)、BYK−3990(ビックケミー社製)、BYK35600(ビックケミー社製)などが挙げられる。
前記抑制剤含有組成物を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、様々な体積膨張パターン(体積膨張抑制パターン)に対してフレキシブルに対応できる点から好ましい。
前記インクジェット方式を用いる前記抑制剤含有組成物を付与する手段としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
前記抑制剤含有組成物の付与量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記体積膨張剤含有層の表面積に対して、0.014μL/cm以上2.8μL/cm以下が好ましい。
<体積膨張工程>
前記体積膨張工程は、体積膨張剤含有層を加熱することにより、所定の領域以外の体積膨張剤含有層に含有される体積膨張剤を体積膨張させる工程である。
前記体積膨張工程は、後述する硬化工程の後に行うことが好ましい。
体積膨張手段としては、体積膨張剤含有層を加熱することにより、体積膨張剤を体積膨張させることができる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
前記加熱の温度としては、体積膨張剤の熱分解温度以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上200℃以下が好ましい。なお、加熱温度としては、なお、ここでの温度は、加熱装置の設定温度でもよく、前記基材の測定温度でもよい。
<その他の工程>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硬化工程、画像層形成工程、エンボス加工工程、制御工程などが挙げられる。
<硬化工程>
前記硬化工程は、前記体積膨張剤含有層及び前記抑制剤の少なくともいずれかを硬化する工程である。
なお、前記硬化工程としては、それぞれの層を形成するごとに硬化を行ってもよく、それぞれの層を形成するごとに半硬化させ全ての工程が終了した後に各層を完全に反応させる硬化を行ってもよいし、抑制剤付与工程、オーバーコート層形成工程、及び画像層形成工程の後に一度行ってもよい。
前記抑制剤が付与された前記体積膨張剤含有層を硬化させる方法としては、前記抑制剤を硬化することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性エネルギー線を付与する方法などが挙げられる。
前記活性エネルギー線を付与する方法において、エネルギーを付与する領域としては、例えば、前記抑制剤を付与した前記体積膨張剤含有層の領域だけでもよく、前記体積膨張剤含有層の全面でもよい。
前記活性エネルギーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、紫外線、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものなどが挙げられる。特に、高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
前記電子線の場合には、硬化させたい対象を電子線照射装置から最も遠い箇所に置いたときに15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
<<画像層形成工程>>
前記画像層形成工程は、前記体積膨張層上に、色材を含有するインクを付与して画像を形成する工程である。
−インク−
前記インクは、色材を含有し、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、重合性化合物及び重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−−色材−−
前記色材としては、本発明における色材組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
前記色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜設定すればよく、特に限定されないが、色材組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
前記分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
前記染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−−重合性化合物−−
前記重合性化合物としては、前記体積膨張剤組成物における重合性化合物と同じものを用いることができるし、体積膨張剤組成物における重合性化合物と異なるものを用いることもできる。
−−重合開始剤−−
前記重合開始剤としては、前記体積膨張剤組成物における重合開始剤と同じものを用いることができるし、体積膨張剤組成物における重合開始剤と異なるものを用いることもできる。
−−その他の成分−−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、レべリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤などが挙げられる。
−−−有機溶媒−−−
本発明に用いられるインクは、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
−インクの調製−
本発明に用いられるインクは、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、色材としての顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に、更に重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
−粘度−
本発明に用いられるインクの粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
前記体積膨張剤含有層上に、前記インクを付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、生産性や少ロット多品種へのフレキシブル対応が可能な点から好ましい。
前記インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
<<エンボス加工工程>>
前記エンボス加工工程は、前記体積膨張層及び前記画像に凹凸模様を形成する工程であり、エンボス加工手段により実施される。
前記凹凸模様としては、通常、壁紙、化粧板等に凹凸を付与する目的で使用されるエンボス加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン加工、又は盛り上げ印刷等の方法を選択使用することができる。
前記エンボス加工工程としては、例えば、エンボス版を用いる加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン、又は盛り上げ印刷により凹凸を付与する方法などが挙げられる。
前記エンボス加工手段としては、加熱後冷却ローラーでエンボス加工する手段、及び熱ローラエンボスを用いて一度にエンボス加工する手段のいずれであっても構わない。
前記エンボス加工によるエンボスの深さとしては、0.08mm以上0.50mm以下が好ましい。前記エンボスの深さが、0.08mm以上であると、立体感を出すことができ、0.50mm以下であると、表面の摩耗強さを向上できる。
エンボス加工により形成される凹凸模様の形状としては、例えば、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などが挙げられる。
<<オーバーコート層形成工程>>
前記オーバーコート層形成工程は、前記体積膨張層の表面にオーバーコート層を形成する工程である。
前記オーバーコート層は、オーバーコート層形成用組成物を前記体積膨張層の上に付与し、硬化することにより形成される。
前記オーバーコート層形成用組成物としては、重合性化合物含有し、重合開始剤を含有することが好ましい。前記オーバーコート層形成用組成物が、前記重合性化合物であると、全ての層を一度の硬化工程により硬化することができる。
前記重合性化合物としては、例えば、前記体積膨張剤組成物における重合性化合物と同じものを用いることができるし、体積膨張剤組成物における重合性化合物と異なるものを用いることもできる。
ここで、本発明の凹凸表面物の製造方法について図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の凹凸表面物の製造方法における第一の体積膨張剤含有層形成工程後の製造物の一例を示す模式図である。図1Aに示すように、本発明の凹凸表面物の製造方法では、まず基材11に第一の体積膨張剤22を含有する体積膨張剤組成物を付与して第一の体積膨張剤含有層21を形成する体積膨張剤含有層形成工程を実施する。
次に、図1Bは、本発明の凹凸表面物の製造方法における第一の抑制剤付与工程後の製造物の一例を示す模式図である。図1Bに示すように、本発明の凹凸表面物の製造方法では、前記第一の体積膨張剤含有層21に、前記体積膨張剤の膨張を抑制する第一の抑制剤23を付与する第一の抑制剤付与工程を実施する。前記第一の抑制剤付与工程は、体積膨張層形成工程において前記第一の体積膨張剤含有層21の前記第一の体積膨張剤22の膨張を抑制したい箇所(領域)に前記第一の抑制剤23を付与することにより、体積膨張層形成工程において抑制剤を付与した領域を凹部、抑制剤を付与しなかった領域を凸部として形成することができる。
図1Cは、本発明の凹凸表面物の製造方法における第二の体積膨張剤含有層形成工程後の製造物の一例を示す模式図である。図1Cに示すように、本発明の凹凸表面物の製造方法では、前記第一の体積膨張剤含有層21上に第二の体積膨張剤25を含有する体積膨張剤組成物を付与して第二の体積膨張剤含有層24を形成する体積膨張剤含有層形成工程を実施する。
次に、図1Dは、本発明の凹凸表面物の製造方法における第二の抑制剤付与工程後の製造物の一例を示す模式図である。図1Dに示すように、本発明の凹凸表面物の製造方法では、前記第二の体積膨張剤含有層24に、前記第二の体積膨張剤25の膨張を抑制する第二の抑制剤26を付与する第二の抑制剤付与工程を実施する。前記第二の抑制剤付与工程は、体積膨張層形成工程において前記第二の体積膨張剤含有層24の前記第二の体積膨張剤25の膨張を抑制したい箇所(領域)に前記第二の抑制剤26を付与することにより、体積膨張層形成工程において抑制剤を付与した領域を凹部、抑制剤を付与しなかった領域を凸部として形成することができる。
図2Aは、従来の凹凸表面を有する凹凸表面物である、第二の体積膨張剤含有層を有していない凹凸表面を有する凹凸表面物の断面図の模式図の一例を示す。図2Aに示すように、凹凸表面物は、基材11上に、第一の体積膨張剤含有層21における体積膨張していない第一の体積膨張剤22Bを有する凹部27Aと、前記第一の抑制剤を付与されていない第一の体積膨張層21’における体積膨張した第一の体積膨張剤22Aを有する凸部27Bを有する。凹凸表面物における凹凸の高低差をDと示す。
しかしながら、従来の凹凸表面を有する凹凸表面物においては、凹凸の高低差Dが小さいため、十分な意匠性を担保することができなくなる。
これに対して、本発明の凹凸表面物の製造方法においては、図2Bのように、第一の体積膨張剤含有層上に第二の体積膨張剤含有層を設けることで、第一の体積膨張層21’上に、第二の体積膨張剤含有層24における体積膨張していない第二の体積膨張剤25Bを有する凹部27Aと、前記第二の抑制剤を付与されていない第二の体積膨張層24’における体積膨張した第二の体積膨張剤25Aを有する凸部27Bを有する。これにより、凹凸の高低差Dが、従来の凹凸表面を有する凹凸表面物よりも大きくなるため、十分な意匠性を付与することができる。
また、本発明の凹凸表面物の製造方法としては、第一の抑制剤の付与領域と、前記第二の抑制剤の付与領域が異なることが好ましい。これにより、図2Cに示すように、凹凸表面物の表面の構造を3以上の階段構造とすることができ、より優れた意匠性を付与することができる。
本発明の凹凸表面物の製造方法としては、第二の体積膨張剤の体積平均粒径が、第一の体積膨張剤の体積平均粒径よりも小さいことが好ましい。これにより、図2Dに示すように、凹凸表面物の表面(凸部27B)の粗さを改善することができる。第二の体積膨張剤の体積平均粒径が、第一の体積膨張剤の体積平均粒径よりも大きい場合又は第一の体積膨張剤の体積平均粒径と同じである場合は、図2Eに示すように、凹凸表面物の表面(凸部27B)が粗くなってしまう。
ここで、本発明の凹凸表面物の製造方法に用いられる本発明の凹凸表面物の製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図3Aは、本発明の凹凸表面物の製造装置の一例を示す概略図である。この図3Aの凹凸表面物の製造装置100は、基材111上に第一の体積膨張剤組成物を付与するフローコーター121aと、その下流に第一の抑制剤をインクジェット法で付与するための抑制剤用ヘッド130aと、第一の体積膨張剤組成物上に第二の体積膨張剤組成物を付与するフローコーター121bと、その下流に第二の抑制剤をインクジェット法で付与するための抑制剤用ヘッド130bと、活性エネルギー線照射装置131、加熱装置133を有している。なお、図3A中、134は搬送ベルト、135a送り出しローラーであり、135bは巻取りローラーである。基材111は、図3A中矢印方向に搬送される。
まず、基材111表面に、第一の体積膨張剤組成物をフローコーター121aにより塗布して、第一の体積膨張剤含有層を形成する。次いで、第一の体積膨張剤含有層が形成された基材111を所定の速度で搬送させ、抑制剤用ヘッド130aから第一の抑制剤を第一の体積膨張剤含有層の体積膨張させない領域に吐出する。
次に、第一の体積膨張剤含有層の表面に、第二の体積膨張剤組成物をフローコーター121bにより塗布して、第二の体積膨張剤含有層を形成する。次いで、第二の体積膨張剤含有層が形成された基材111を所定の速度で搬送させ、抑制剤用ヘッド130bから第二の抑制剤を第二の体積膨張剤含有層の体積膨張させない領域に吐出する。
次に、第一の体積膨張剤含有層及び第二の体積膨張剤含有層に対して活性エネルギー線照射装置131を用い、所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し、硬化する。
次に、得られた硬化物に対して、加熱装置133により加熱すると、第一の体積膨張剤含有層及び第二の体積膨張剤含有層における抑制剤を付与しなかった領域においては体積膨張が生じ体積膨張層を得ることができる。なお、抑制剤を付与した領域においては体積膨張が生じない。このようにして凹凸表面を有する凹凸表面物を得ることができる。
本発明の凹凸表面物の製造方法により製造される凹凸表面物は、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有すると共に、長期間に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持することができるので、例えば、床材、壁紙、内装材、壁材、巾木材、天井材、柱等の建築用材料などの用途に好適である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下の材料及び図3Aに示す凹凸表面物の製造装置を用いて、下記形成条件で凹凸表面物を製造した。
<材料>
−基材−
・ガラス板(アズワン株式会社製)
−体積膨張剤組成物−
・2−アクリロイルオキシプロピルフタル酸(ACB−21、新中村工業株式会社製)
:50質量部
・イソボニルアクリレート(SR506、アルケマ株式会社製) :50質量部
・マイクロスフェアー(H750、株式会社クレハ製) :15質量部
・2,4,6−trimethylbenzoyl−diphenyl phosphine oxide(Omnirad TPO、Irgacure製) :5質量部
・1,6−ヘキサンジオールアクリレート(SR238、アルケマ株式会社製) :0.1質量部
−抑制剤−
・1,6−ヘキサンジオールアクリレート(SR238、アルケマ株式会社製) :100質量部
・2,4,6−trimethylbenzoyl−diphenyl phosphine oxide(Omnirad TPO、Irgacure製) :5質量部
<形成条件>
−体積膨張層形成工程−
・フローコーター(ラボ用フローコーター、チェフラ社製)
・体積膨張剤含有層の平均厚み :100μm
−抑制剤付与工程−
・インクジェット方式
ヘッド :GEN5ヘッド(MH5420、150npi×4列、リコーインダストリー株式会社製)
パターン:ベタ、28pl/nozzle
吐出速度:7m/sec
周波数 :2.4KHz
−硬化工程−
・照射装置 :リニア照射型UV−LED光源GJ−75(浜松ホトニクス株式会社)
・照射強度 :4W/cm
・基材−照射装置間の距離:10mm
・照射時間 :1s
−体積膨張層形成工程−
・加熱装置
ルテックスブロアGシリーズ(日立産機システム株式会社製)
高温熱風発生用電気式ヒーターXS−2(関西電熱株式会社製)
ハイブローノズル50AL(関西電熱株式会社製)
・ノズル先端からの風速:30m/s
・ノズル先端の温度 :200℃
・搬送速度 :100mm/s
(実施例2)
図3Bに示すように、実施例1において、抑制剤用ヘッド130bの下流に、第三の体積膨張剤組成物を吐出し第三の体積膨張剤含有層を形成するフローコーター121cと、第三の抑制剤を吐出する抑制剤用ヘッド130cを配置した以外は、実施例1と同様にして、凹凸表面物の製造を行った。
(実施例3)
実施例1において、第二の抑制剤を、第一の抑制剤の付与領域とは異なる領域に吐出した以外は、実施例1と同様にして、凹凸表面物の製造を行った。実施例3では、図2Cに示すように、表面が3段の階段構造を有する凹凸表面物を得ることができた。
(実施例4)
実施例1において、第二の体積膨張剤含有層に含まれるマイクロスフェアーを、H750(体積膨張後の体積平均粒径:75nm、株式会社クレハ製)から、M430(体積膨張後の体積平均粒径:55nm、株式会社クレハ製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷物の製造を行った。実施例4では、図2Dに示すように、表面の粗さが改善された凹凸表面物を得ることができた。
(実施例5)
図3Cに示すように、実施例1において、加熱装置133の下流に、ブラック用ヘッド132a、マゼンタ用ヘッド132b、シアン用ヘッド132c、及びイエロー用ヘッド132dの各色用ヘッドを配置し、ブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用の色材組成物をインクジェット方式で吐出して、第二の体積膨張層上に画像層を形成した以外は、実施例1と同様にして、凹凸表面物の製造を行った。
(実施例6)
図3Dに示すように、実施例1において、フローコーター121bと、抑制剤用ヘッド130bを配置しなかった以外は、実施例1と同様にして、印刷物の製造を行った。
(比較例1)
実施例6において、体積膨張剤含有層の平均厚みが150μmとなるように体積膨張剤含有層を形成した以外は、実施例1と同様にして、印刷物の製造を行った。
次に、得られた実施例1〜5及び比較例1の各凹凸表面物について、以下のようにして、凹部と凸部の高低差D、及び表面粗さを評価した。結果を表1に示した。
[測定及び解析条件]
・使用装置:レーザー顕微鏡VK−X110(株式会社キーエンス社製)
・使用ソフトウェア:VK−H1XA
・対物レンズ倍率:10倍
測定においては、各凹凸表面物の断面を図2A及び図2Bに示すように、凸部27Bの最表面における最も基材に近い点P1から基材に降ろした垂線と、凹部27Aの最表面における最も基材に近い点P2を含む基材と平行な線との交点をQとすると、点P1と点Qとの距離を高低差Dとして測定した。実施例1における凹凸表面物1のレーザー顕微鏡を用いた測定結果を図5に示す。図5中上部がレーザー顕微鏡画像、下部のグラフは画像中に記載のx軸の対応する位置における凹部の最表面を基準面とした高さ(z)を示す。
<表面粗さ>
各凹凸表面物の表面の粗さRa(μm)をJIS B0601−1994に準拠したサーフコム株式会社製の接触表面粗さ計を用いて測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2021142684
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 基材上に、体積膨張剤を含有する平均厚みが125μm以下である体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
前記体積膨張剤含有層上の所定の領域に、前記体積膨張剤の体積膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与工程と、
前記体積膨張剤含有層を加熱することにより、前記所定の領域以外の前記体積膨張剤含有層に含有される前記体積膨張剤を体積膨張させる体積膨張工程と、
を含むことを特徴とする凹凸表面物の製造方法である。
<2> 基材上に、第一の体積膨張剤を含有する平均厚みが125μm以下である第一の体積膨張剤含有層を形成する第一の体積膨張剤含有層形成工程と、
前記第一の体積膨張剤含有層上の所定の領域に、前記第一の体積膨張剤の体積膨張を抑制する第一の抑制剤を付与する第一の抑制剤付与工程と、
前記第一の抑制剤が付与された前記第一の体積膨張剤含有層上に、第二の体積膨張剤を含有する平均厚みが125μm以下である第二の体積膨張剤含有層を形成する第二の体積膨張剤含有層形成工程と、
前記第二の体積膨張剤含有層上の所定の領域に、前記第二の体積膨張剤の体積膨張を抑制する第二の抑制剤を付与する第二の抑制剤付与工程と、
前記第一の体積膨張剤含有層と前記第二の体積膨張剤含有層とを体積膨張させる体積膨張工程とを含むことを特徴とする凹凸表面物の製造方法である。
<3> 前記第一の抑制剤の付与領域と、前記第二の抑制剤の付与領域が異なる、前記<2>に記載の凹凸表面物の製造方法である。
<4> 前記第二の体積膨張剤の体積平均粒径が、前記第一の体積膨張剤の体積平均粒径よりも小さい、前記<2>から<3>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法である。
<5> さらに、前記第二の体積膨張剤含有層上に、画像層を形成する画像層形成工程を含む、前記<2>から<4>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法である。
<6> 前記第一の体積膨張剤含有層及び前記第二の体積膨張剤含有層の少なくともいずれかが、体積膨張剤及び重合性化合物を含有する、前記<2>から<5>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法である。
前記<1>から<6>のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
100 凹凸表面物の製造装置
11、111 基材
21 第一の体積膨張剤含有層
21’ 第一の体積膨張層
22 第一の体積膨張剤
22A 体積膨張した第一の体積膨張剤
22B 体積膨張していない第一の体積膨張剤
23 第一の抑制剤
24 第二の体積膨張剤含有層
24’ 第二の体積膨張層
25 第二の体積膨張剤
25A 体積膨張した第二の体積膨張剤
25B 体積膨張していない第二の体積膨張剤
26 第二の抑制剤
27A 凹部
27B 凸部
121a、121b、121c フローコーター
130a、130b、130c 抑制剤用ヘッド
131 活性エネルギー線照射装置
133 加熱装置
134 搬送ベルト
135a 送り出しローラー
135b 巻取りローラー
特許第5742972号公報

Claims (5)

  1. 基材上に、体積膨張剤を含有する平均厚みが125μm以下である体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
    前記体積膨張剤含有層上の所定の領域に、前記体積膨張剤の体積膨張を抑制する抑制剤を付与する抑制剤付与工程と、
    前記体積膨張剤含有層を加熱することにより、前記所定の領域以外の前記体積膨張剤含有層に含有される前記体積膨張剤を体積膨張させる体積膨張工程と、
    を含むことを特徴とする凹凸表面物の製造方法。
  2. 基材上に、第一の体積膨張剤を含有する平均厚みが125μm以下である第一の体積膨張剤含有層を形成する第一の体積膨張剤含有層形成工程と、
    前記第一の体積膨張剤含有層上の所定の領域に、前記第一の体積膨張剤の体積膨張を抑制する第一の抑制剤を付与する第一の抑制剤付与工程と、
    前記第一の抑制剤が付与された前記第一の体積膨張剤含有層上に、第二の体積膨張剤を含有する平均厚みが125μm以下である第二の体積膨張剤含有層を形成する第二の体積膨張剤含有層形成工程と、
    前記第二の体積膨張剤含有層上の所定の領域に、前記第二の体積膨張剤の体積膨張を抑制する第二の抑制剤を付与する第二の抑制剤付与工程と、
    前記抑制剤を付与された第一の体積膨張剤含有層と前記第二の体積膨張剤含有層とを体積膨張させることにより、前記所定の領域を除く体積膨張剤含有層のみの体積を膨張させる体積膨張工程とを含むことを特徴とする凹凸表面物の製造方法。
  3. 前記第一の抑制剤の付与領域と、前記第二の抑制剤の付与領域が異なる、請求項2に記載の凹凸表面物の製造方法。
  4. 前記第二の体積膨張剤の体積膨張後の体積平均粒径が、前記第一の体積膨張剤の体積膨張後の体積平均粒径よりも小さい、請求項2から3のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法。
  5. さらに、前記第二の体積膨張剤含有層上に、画像層を形成する画像層形成工程を含む、請求項2から4のいずれかに記載の凹凸表面物の製造方法。
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