JP2021075042A - 印刷物の製造方法、印刷装置、及び印刷物 - Google Patents

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祐馬 臼井
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Yukio Fujiwara
由貴男 藤原
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美樹子 ▲高▼田
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Abstract

【課題】優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物を製造できる印刷物の製造方法の提供。【解決手段】発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成工程と、前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、前記発泡抑制剤が付与された発泡層上にインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成工程と、前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡工程と、を含む印刷物の製造方法である。【選択図】図2

Description

本発明は、印刷物の製造方法、印刷装置、及び印刷物に関する。
建築物の床、内壁、天井等には、所望の画像を印刷し、エンボス加工等により意匠性を付与した床材や壁紙などの部材が使用されている。また、床材や壁紙に対して、紫外線(UV)硬化材料によるコーティング、電子線硬化材料によるコーティング等を行うことにより、耐久性を向上させる試みがなされている。
さらに、近年、エンボス加工が施された床材や壁紙などに対して、インクジェット方式により所望の画像を印刷する技術の開発が進められている。このような技術としては、例えば、発泡層、画像形成層、及び表面保護層を有し、発泡層は熱可塑性樹脂及び発泡剤を含有し、画像形成層及び表面保護層が電子線照射により架橋又は硬化可能な発泡壁紙の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、凸部と凹部とを有する凹凸領域において、凹部の底面における、該底面と凸部の凸面とを結ぶ壁面に連続する段差領域の画質を向上させるために、該段差領域と、凸部及び凹部との明度が略同一となるように補正する画像処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物を製造できる印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するための手段としての本発明の印刷物の製造方法は、発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成工程と、前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、前記発泡抑制剤が付与された発泡層上にインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成工程と、前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡工程とを含む。
本発明によると、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物を製造できる印刷物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の印刷装置の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の印刷装置の他の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の発泡層の凹凸領域の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の印刷物の製造方法の一例のいくつかの工程における印刷物の断面を表す概略図である。 図5は、本発明の印刷物の製造方法の印刷データ生成工程の一例を表すフローチャートである。
(印刷物の製造方法、印刷装置)
本発明の印刷物の製造方法は、発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成工程と、前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、前記発泡抑制剤が付与された発泡層上にインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成工程と、前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡工程と、を含み、透明層形成工程、基材表面改質工程、発泡層表面改質工程を更に含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。本発明の印刷物の製造方法は、発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成工程と、前記発泡層における所定の領域に、多官能モノマーを含む発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、前記発泡抑制剤が付与された発泡層上に、重合性化合物aの重合体を含むインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、前記印刷データに基づいて、前記インク受容層上に、色材及び重合性化合物bを含むインクを付与して画像を形成する画像形成工程と、前記発泡層に熱エネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡工程とを含むことが好ましい。
本発明の印刷装置は、発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成手段と、前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与手段と、前記発泡抑制剤が付与された発泡層上に、インク受容層を形成するインク受容層形成手段と、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成手段と、前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡手段と、を有し、透明層形成手段、基材表面改質手段、発泡層表面改質手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。本発明の印刷装置は、発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成手段と、前記発泡層における所定の領域に、多官能モノマーを含む発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与手段と、前記発泡抑制剤が付与された発泡層上に、重合性化合物aの重合体を含むインク受容層を形成するインク受容層形成手段と、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記印刷データに基づいて、前記インク受容層上に、色材及び重合性化合物bを含むインクを付与して画像を形成する画像形成手段と、前記発泡層に熱エネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡手段と、を有することが好ましい。
本発明の印刷物の製造方法は、本発明の印刷装置により好適に行うことができ、発泡層形成工程は発泡層形成手段により好適に行うことができ、発泡抑制剤付与工程は発泡抑制剤付与手段により好適に行うことができ、インク受容層形成工程はインク受容層形成手段により好適に行うことができ、画像形成工程は画像形成手段により好適に行うことができ、発泡工程は発泡手段により好適に行うことができ、印刷データ生成工程は印刷データ生成手段により好適に行うことができ、透明層形成工程は透明層形成手段により好適に行うことができ、基材表面改質工程は基材表面改質手段により好適に行うことができ、発泡層表面改質工程は発泡層表面改質手段により好適に行うことができ、その他の工程はその他の手段により行うことができる。
また、本発明の印刷物の製造方法は、従来技術の印刷物の製造方法では、印刷物に十分な凹凸形状を付与することができない場合があり、更には、凹凸形状による意匠性や凹凸上に形成した画像の品質(発色性)が十分でない場合があるという、本発明者らの知見に基づくものである。
従来技術の印刷物の製造方法では、例えば、凹凸形状を付与するために、型を用いたエンボス加工が必要となり、少数の製造(小ロット生産)が難しく、製造コストが高くなってしまうという問題があった。
さらに、従来技術の印刷物の製造方法では、発泡層を発泡させて凹凸形状を形成する場合であっても、凹凸上に画像を形成する際に、画像の発色性が十分でなく濃度ムラが生じてしまうという問題があった。図3を用いて具体的に説明する。図3は、本発明の発泡層の凹凸領域の一例を示す概略図である。凹凸が形成されると、基材と発泡層の表面とのなす角Xが、0<X<180°となる傾斜部と、X=0(又は180°)となる平坦部が形成される。例えば、図3において、エッジa−エッジb間が傾斜部であり、エッジb−エッジc間が平坦部である。凹凸が形成されることより、発泡層の表面積が変化し、エッジa−エッジb間などの傾斜部は表面が延伸する。それによって、傾斜部と平坦部とでは、画像の発色に差異が生じてしまう場合があるということを本発明者らは知見した。なお、エッジとは、傾斜部と平坦部との接続点を意味する。
そこで、本発明者らは、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物を製造できる印刷物の製造方法等について鋭意検討を重ね、本発明を想到した。すなわち、本発明者らは、発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成工程と、前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、前記発泡抑制剤が付与された発泡層上にインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成工程と、前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡工程とを含む印刷物の製造方法により、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物を製造できることを見出した。
ここで、本発明の印刷物の製造方法では、発泡剤を含む発泡層を形成し、当該発泡層を発泡させる。こうすることにより、優れた凹凸形状による意匠性を容易に印刷物に付与することができる。
また、本発明の印刷物の製造方法においては、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成工程とを有する。こうすることにより、本発明の印刷物の製造方法では、発泡後の発泡層の延伸した傾斜部におけるインクの吐出量を増やすことができ、より優れた画像の発色性が得られ、優れた画像品質を容易に印刷物に付与することができる。
また、本発明の印刷物の製造方法の好ましい態様においては、発泡層上に、重合性化合物aの重合体を含むインク受容層を形成し、インク受容層上に、色材及び重合性化合物bを含むインクを付与して画像を形成する。こうすることにより、本発明の印刷物の製造方法では、インク受容層の材料とインクが互いに重合性化合物を含むため、インク受容層とインクとの親和性が高くなる。このため、インクで形成された画像の発色性を向上させることができるとともに、外部からの衝撃等に対する画像の耐久性も向上させることができる。
このように、本発明の印刷物の製造方法は、発泡層形成工程、発泡抑制剤付与工程、インク受容層形成工程、画像形成工程、及び発泡工程、及び印刷データ生成工程を含むことにより、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物を製造できる。
<発泡層形成工程、発泡層形成手段>
発泡層形成工程は、発泡剤を含む発泡層を形成する工程である。
発泡層形成手段は、発泡剤を含む発泡層を形成する手段である。
発泡層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー手段工程、活性エネルギー線照射手段等)の組み合わせとすることができる。
発泡層形成工程としては、発泡層を形成することができれば特に制限はないが、例えば、材料付与手段により、発泡剤を含む発泡層形成液を基材上に付与して成膜した後、エネルギー付与手段により硬化することで、発泡層を形成することが好ましい。言い換えると、発泡層形成工程において、基材上に、発泡剤を含む発泡層形成液を付与した後、発泡層形成液を硬化することにより発泡層を形成することが好ましい。
また、発泡層形成液を硬化するタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述するインク受容層や画像を形成するインクを硬化する際に、インク受容層及び画像を形成するインクの少なくともいずれかと発泡層とを一括して硬化してもよい。
<<基材>>
発泡層形成液を付与する基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂フィルム、樹脂含浸紙、合成繊維で形成される合成紙、天然紙、不織布等のシート、布、木材板、金属板、ガラス板、セラミック板、建築用材料などが挙げられる。
樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルフイルム;ポリプロピレンフイルム;ポリエチレンフイルム;ナイロン、ビニロン、アクリル等のプラスチックフイルム、又はこれらのフィルムを貼り合わせたものなどが挙げられる。
樹脂フィルムとしては、強度の点から、一軸若しくは二軸延伸されていることが好ましい。
不織布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン繊維をシート状に散布し、熱圧着させてシート状に形成したものなどが挙げられる。
木材板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、MDF、HDF、パーティクルボード、ベニヤなどの合板、表面にシートを貼り合わせた化粧板などが挙げられる。これらの厚みとしては、例えば、2mm〜30mmとすることができる。
ガラス板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フロートガラス、色ガラス、強化ガラス、網入りガラス、すりガラス、フロストガラス、ミラーガラスなどが挙げられる。これらの厚みとしては、例えば、0.3mm〜20mmとすることができる。
建築用材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、床材、壁紙、内装材、壁板材、巾木材、天井材、柱などで使用される熱硬化性樹脂、繊維版、パーティクルボード、または上記素材の表面に、熱硬化性樹脂、オレフィン、ポリエステル、PVC等の化粧板を設けたものなどが挙げられる。
<<発泡層形成液>>
発泡層形成液は、発泡剤を含み、液体組成物を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−発泡剤−
発泡剤としては、エネルギーが付与されることにより体積が膨張する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱されることにより体積が膨張する材料である、熱膨張性マイクロカプセル、熱分解性発泡剤や、加減圧エネルギーにより体積が変化する材料である溶解し発泡するガス、例えば二酸化炭素や窒素などが挙げられる。これらの中でも、高体積膨張倍率を有し、均一で小さい独立気泡を形成できる点から、熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。なお、以下では、発泡剤を体積膨張剤と称することもある。
熱膨張性マイクロカプセルは、発泡剤を熱可塑性樹脂で包み込んだコアシェル構造の粒子であり、加熱により外殻の熱可塑性樹脂が軟化を始めるとともに、内包された発泡化合物の蒸気圧が上昇して粒子を変形させるのに十分な圧力となり、外殻の熱可塑性樹脂が引き伸ばされて膨張する。発泡化合物としては、例えば、低沸点の脂肪族炭化水素などが挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社製のアドバンセルEMシリーズ、AkzoNovel社製のExpancellDU、WU、MB、SL、FGシリーズ(日本国内では日本フィライト株式会社が販売)、松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアーF、FNシリーズ、株式会社クレハ製のクレハマイクロスフェアーH750、H850、H1100などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱分解性発泡剤としては、例えば、有機系発泡剤、無機系発泡剤などが挙げられる。
有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機系発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組合せなどが挙げられる。
発泡層形成液中における発泡剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発泡層形成液の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−液体組成物−
液体組成物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水性有機溶剤、油性有機溶剤、重合性溶剤などが挙げられる。液体組成物としては、例えば、発泡剤に対する接液性(液体組成物により発泡剤が侵されるなど発泡機能を阻害するか否か)に応じて選択することができる。液体組成物における接液性の基準としては、SP値(溶解度パラメータ)を用いることができ、例えば、発泡剤と相溶しないようにSP値の離れた液体を選択することが好ましい。
ここで、液体組成物は、例えば、発泡剤の分散媒としての役割を持つものであるが、液体組成物が重合性溶剤(重合性化合物)である場合には、発泡層を形成する役割も持つことができる。また、液体組成物が重合性溶剤でない液体の場合は、液体組成物が発泡層を形成できるように、更に樹脂を添加することが好ましい。
水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3‐プロパンジオール、2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐へキサンジオール、グリセリン、1,2,6‐へキサントリオール、2‐エチル‐1,3‐ヘキサンジオール、1,2,4‐ブタントリオール、1,2,3‐ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、N‐メチル‐2‐ピロリドン、N‐ヒドロキシエチル‐2‐ピロリドン、2‐ピロリドン、1,3‐ジメチルイミダゾリジノン、ε‐カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N‐メチルホルムアミド、N,N‐ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ‐ブチロラクトン、アセトン等が挙げられる。
油性有機溶剤としては、例えば、炭化水素類としては、ドデカン、イソドデカン、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン等が挙げられる。
エステル油類としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸ジ−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸ジ−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピルなどが挙げられる。
高級脂肪酸類としては、例えば、イソステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、リノール酸、リノレン酸等で、特にオレイン酸など常温で液体状態のものが好ましい。高級アルコール類としては、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、コレステロール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、デシルテトラデカノール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、ミリスチルアルコール、バチルアルコール等で、特にオレイルアルコールなど常温で液体状態のものが好ましい。
シリコーン類としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、シクロメチコン、ジフェニルポリシロキサン、アルキルポリシロキサン、その他には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、ブタノール、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、エチルベンゼン、アセトフェノン、ベンジルアルコールなど、水性有機溶剤以外の化合物が挙げられる。
−重合性溶剤(重合性化合物)−
重合性溶剤(重合性化合物)としては、エネルギーが付与されることなどにより重合可能な化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単官能モノマー、多官能モノマー、単官能モノマーと多官能モノマーとの組み合わせなどが挙げられる。
−単官能モノマー−
単官能モノマーは、例えば、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に1つ有する。
単官能モノマーとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エトキシ(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が高く、堅牢性が良好な点から、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能モノマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、80質量%以上99.5質量%以下が好ましく、90質量%以上95質量%以下がより好ましい。
−多官能モノマー−
多官能モノマーは、例えば、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に2つ以上有する化合物である。
多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート〔CH=CH−CO−(OC)n−OCOCH=CH(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)−CO−(OC−OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、エトキシ化(4)ビスフェノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多官能モノマーにおける[分子量/官能数量]としては、例えば、250以上であることが、意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できる点から好ましい。
重合性化合物における多官能モノマー及びオリゴマーの含有量は、重合性化合物の全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上10質量%以下がより好ましい。10質量%以下であると、意匠性(発泡性)と堅牢性を両立できるという利点がある。
重合性化合物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発泡層形成液の全量に対して、60質量%以上90質量%以下が好ましく、70質量%以上85質量%以下がより好ましい。70質量%以下であると、発泡層中の発泡剤の接着性を高めることができる。
−その他の成分−
発泡層形成液におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バインダー樹脂、重合開始剤、充填剤、発泡促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤、界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、液体組成物が重合性溶剤(重合性化合物)である場合は、重合開始剤を含むことが好ましい。また、液体組成物が重合性化合物でない場合などには、バインダー樹脂を含むことが好ましい。
−−バインダー樹脂−−
バインダー樹脂としては、発泡剤を保持可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂、エマルジョン樹脂、それ以外の樹脂などが挙げられる。
水溶性樹脂としては、例えば、天然系のものとして、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子又はセラック等、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレン‐アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレン‐マレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレン‐アクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレン‐マレイン酸樹脂、βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩などが挙げられる。
エマルジョン樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル‐スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
また、バインダー樹脂として用いることができるその他の樹脂としては、例えば、油性有機溶剤に可溶なポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
−−重合開始剤−−
重合開始剤としては、例えば、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、光重合開始剤がより好ましい。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、重合性化合物の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、これらの中でも、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、発泡層形成液の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(例えば、チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。
重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物などが挙げられる。
重合促進剤の含有量は、特に制限はなく、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
−−界面活性剤−−
表面張力を下げて基材への付与時のレベリング調整、発泡抑制剤の拡がり調整をするための界面活性剤を添加しても構わない。
界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸プロピレングリコールなどのグリコール脂肪酸エステル、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、POE(4.2)ラウリルエーテル、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(10)セチルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、POE(15)セチルエーテル、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、POE(15)オレイルエーテル、POE(100)硬化ヒマシ油、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、二種類以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤は、発泡層形成液の全量に対して、例えば、0.1質量%以上2質量%以下含まれることが好ましい。
−−充填剤−−
充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
−−発泡促進剤−−
発泡促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナフテン酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、2−エチルペンタン酸亜鉛、2−エチル−4−メチルペンタン酸亜鉛、2−メチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、イソオクチル酸亜鉛、n−オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、イソデカン酸亜鉛、n−デカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、リノ一ル酸亜鉛、リノレイン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、o、m又はp−トルイル酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フタル酸亜鉛、フタル酸モノアルキル(C4〜18)エステルの亜鉛塩、デヒドロ酢酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、アミノクロトン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジンクピリチオン、尿素又はジフェニル尿素の亜鉛錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−増粘剤−−
増粘剤としては、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
−−防腐剤−−
防腐剤としては、従来から使用されモノマーの重合を開始させないもの、例えば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾールなどが挙げられる。
−−安定剤−−
安定剤としては、例えば、貯蔵中のモノマーの重合を抑制する目的を果たし、アニオン性安定剤、フリーラジカル安定剤などが挙げられる。
アニオン性安定剤としては、例えば、メタリン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アルキルスルホン酸、五酸化リン、塩化鉄(III)、酸化アンチモン、2,4,6−トリニトロフェノール、チオール、アルキルスルホニル、アルキルスルホン、アルキルスルホキシド、亜硫酸アルキル、スルトン、二酸化硫黄、三酸化硫黄などが挙げられる。
フリーラジカル安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、カテコール、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
本発明に用いられる発泡層形成液は、上述したような各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、発泡剤と液体組成物等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて、重合開始剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
本発明に用いられる発泡層形成液の静的表面張力は、例えば、協和界面科学製自動表面張力計DY−300により、プレート法やリング法で測定することができる。その静的表面張力は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよいが、25℃において15mN/m以上50mN/m以下が好ましい。
また、発泡層形成液の粘度は、例えば、アントンパール製レオメーターMCR301により、コーンプレートCP25−1を使用して、シアレート10/s、20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。その粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよいが、25℃において10mPa・s以上20,000mPa・s以下が好ましい。
基材上に、発泡層形成液を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などが挙げられる。
また、本発明では、発泡層形成工程において、基材上に、発泡剤と液体組成物としての重合性溶剤(重合性化合物)を含む発泡層形成液を付与した後、発泡層形成液を硬化することにより発泡層を形成することが好ましい。
ここで、発泡層形成液を硬化する場合における発泡層形成液の硬化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エネルギー付与工程により行うことができる。
エネルギー付与工程は、対象とする層にエネルギーを付与する工程であり、例えば、エネルギー付与手段により行うことができる。
エネルギーとしては、例えば、熱、活性エネルギー線などが挙げられる。
エネルギーが熱エネルギーである場合には、例えば、熱エネルギーを発泡層に付与することにより、発泡層を硬化するとともに発泡させてもよい。言い換えると、発泡層形成液に熱エネルギーを付与して硬化させる際に、発泡剤を発泡させる発泡工程を一括して行ってもよい。また、発泡層に発泡抑制剤を付与する場合においては、例えば、発泡抑制剤を付与された領域を3次元架橋することも可能である。
熱エネルギーを付与する手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
また、熱エネルギーを付与して加熱する際の温度としては、発泡層の熱硬化が可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、発泡剤の熱分解温度以上、例えば、100℃以上200℃以下でもよいし、発泡剤の熱分解温度以下でもよく、発泡層形成液を硬化させると同時に発泡剤を発泡させるかどうかにより適宜選択することができる。
エネルギーが活性エネルギー線である場合には、例えば、活性エネルギー線を発泡層に照射することにより発泡層を硬化させる。
−活性エネルギー線−
活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
電子線の場合には、硬化させたい電子線照射装置から最も遠い箇所に15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
発泡層(発泡前)の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、250μm以上が更に好ましく、300μm以上500μm以下が特に好ましい。
発泡層(発泡前)の平均厚みが50μm以上であると、凹凸差のある発泡層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
発泡層の発泡後の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以上が好ましく、310μm以上がより好ましく、400μm以上が更に好ましく、400μm以上2,000μm以下が特に好ましい。
発泡後の平均厚みが100μm以上であると、発泡抑制剤による凹凸差のある発泡層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
平均厚みの平均値の求め方としては、異なる場所5点の発泡層を削り取り、その部分の基材から発泡層表面までの高さを、例えば、キーエンス製レーザー顕微鏡VK−X100で計測し、平均値を算出することで得ることができる。
また、本発明における発泡層としては、例えば、発泡前の平均厚みに対して、発泡後の平均厚みが、2倍以上となることが好ましく、4倍以上となることがより好ましい。こうすることにより、凹凸差のある発泡層を形成することができ、優れた凹凸形状による意匠性を付与することができる。
<発泡抑制剤付与工程、発泡抑制剤付与手段>
発泡抑制剤付与工程は、発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる工程である。発泡抑制剤は多官能モノマーを含むことが好ましい。
発泡抑制剤付与手段は、発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる手段である。
発泡抑制剤を付与して接触させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、様々な発泡パターン(発泡抑制パターン)に対してフレキシブルに対応できる点から好ましい。言い換えると、本発明では、発泡抑制剤付与工程において、インクジェット方式で発泡抑制剤を付与することにより、様々な発泡パターン(発泡抑制パターン)に対してフレキシブルに対応できる。
インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
発泡抑制剤の付与量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発泡層の表面に対して、3μL/cm以下が好ましい。
また、発泡抑制剤の吐出速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5m/s以上であることが好ましく、5m/s以上15m/s以下であることがより好ましい。こうすることにより、発泡抑制剤をより安定して吐出することができる。吐出される発泡抑制剤の液滴のドット密度(画像解像度)としては、240dpi×240dpi(dot per inch)以上が好ましい。
発泡抑制剤は、発泡剤の発泡を抑制するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多官能モノマーを含み、更に必要に応じてその他の成分を含むことが発泡剤の発泡を良好に抑制できることから好ましい。
多官能モノマーとしては、上記発泡層の発泡層形成液における多官能モノマーと同様のものを用いることができ、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ−ト、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレンクリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。また、異なる多官能モノマーの混合物、多官能モノマーと単官能モノマーの混合物や、多官能を有するオリゴマーと単官能モノマーの混合物、単官能モノマー、多官能モノマー、多官能を有するオリゴマーとの混合物を用いることができる。
多官能モノマーは、例えば、エネルギーを付与されることにより3次元架橋するため、発泡抑制剤が多官能モノマーを含むことにより、発泡層の所定の領域に発泡抑制剤を付与しエネルギーを付与することで、発泡のオンオフ(その領域を発泡させるか否か)を正確に制御でき、印刷物に優れた凹凸形状による意匠性を付与することができるという利点がある。
発泡抑制剤には、発泡層形成液と同様に、重合開始剤や界面活性剤などのその他の成分を添加してもよい。
また、発泡抑制剤の静的表面張力は、用途や適用手段に応じて適宜調整することができるが、25℃において20mN/m以上55mN/m以下が好ましい。
また、発泡抑制剤の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整することができるが、25℃において1mPa・s以上100mPa・s以下が好ましい。
ここで、発泡抑制剤を付与して接触させる、発泡層における所定の領域としては、例えば、製造する印刷物において形成されるよう求められている凸凹パターン(製造する印刷物の凸凹パターン)に基づいて特定することができる。発泡抑制剤付与工程においては、例えば、製造する印刷物の凸凹パターンの、凹部(発泡層を発泡させない領域)となっている部分に、発泡抑制剤を付与して接触させ、発泡工程における発泡層の発泡を抑制して、任意の凹凸形状を形成することができる。また、発泡抑制剤の面積当たりの付与量、濃度、種類を変えることにより、発泡の高さを制御することができる。例えば、発泡抑制剤の面積当たりの付与量を2段階に変えて、発泡層を2段階の高さに発泡させることができる。
<インク受容層形成工程、インク受容層形成手段>
インク受容層形成工程は、発泡抑制剤が付与された発泡層上にインク受容層を形成する工程である。インク受容層は、インクとの親和性が高くインクにより画像形成可能な材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述するインクとして色材及び重合性化合物bを含むインクを使用し、インク受容層は重合性化合物aの重合体を含むことが、インクとの親和性が高く、インクで形成された画像の発色性を向上させるとともに、外部からの衝撃等に対する画像の耐久性も向上させる観点から好ましい。
インク受容層形成手段は、発泡抑制剤が付与された発泡層上に、インク受容層を形成する手段である。
インク受容層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層形成手段と同様に、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー付与手段、活性エネルギー線照射手段等)の組み合わせなどとすることができる。
インク受容層形成工程としては、インク受容層を形成できれば特に制限はないが、例えば、材料付与手段により、重合性化合物aを含むインク受容層形成液を基材上に付与して成膜した後、エネルギー付与手段により硬化することで、インク受容層を形成することが好ましい。言い換えると、インク受容層形成工程において、発泡層上に、重合性化合物aを含むインク受容層形成液を付与した後、インク受容層形成液を硬化することによりインク受容層を形成することが好ましい。
また、インク受容層形成液を硬化するタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層や画像を形成するインクを硬化する際に、発泡層及び画像を形成するインクの少なくともいずれかとインク受容層とを一括して硬化してもよく、インク受容層と画像を形成するインクとを一括して硬化することが好ましい。
<<インク受容層形成液>>
インク受容層形成液は、重合性化合物aを含むことが好ましく、重合開始剤を含むことが更に好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−重合性化合物a−
重合性化合物aとしては、上述した発泡層における発泡層形成液の重合性溶剤(重合性化合物)と同様のものを用いることができ、2種以上含まれていてもよい。重合性化合物aは速乾性の観点から、インク受容層形成液の全量に対して、50質量%以上99質量%以下が好ましく、80質量%以上95質量%以下がより好ましい。
−重合開始剤−
重合開始剤としては、上述した発泡層における発泡層形成液の重合開始剤と同様のものを用いることができる。重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、インク受容層形成液の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の成分−
インク受容層形成液におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、発泡層形成液におけるその他の成分と同様のものを選択することができる。
インク受容層形成液の静的表面張力は、用途や適用手段に応じて適宜調整することができるが、25℃において15mN/m以上50mN/m以下が好ましい。
また、インク受容層形成液の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整することができるが、25℃において10mPa・s以上20,000mPa・s以下が好ましい。
発泡層上に、インク受容層形成液を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などが挙げられる。
インク受容層形成液の付与量(インク受容層の平均膜厚)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上が好ましく、2μm以上50μm以下がより好ましい。インク受容層の平均膜厚が、1μm以上であることにより、より優れた画像品質を得ることができる。また、ここでいう膜厚とは、インク受容層形成液の硬化後(インク受容層の形成後)の膜厚である。平均膜厚の平均値の求め方としては、発泡層とインク受容層からなる塗膜断面を顕微鏡観察し、色材受容層の厚みを異なる場所5点で計測し、平均値を算出することで得ることができる。
ここで、インク受容層形成液を硬化する場合におけるインク受容層形成液の硬化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層と同様に、エネルギー付与工程により行うことができる。
エネルギーが熱エネルギーである場合には、熱エネルギーの付与によりインク受容層を硬化することができる。
熱エネルギーを付与して加熱する際の温度としては、インク受容層の熱硬化が可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
エネルギーが活性エネルギー線である場合には、活性エネルギー線の照射によりインク受容層を硬化することができる。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
電子線の場合には、硬化させたい電子線照射装置から最も遠い箇所に15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
<画像形成工程、画像形成手段>
画像形成工程は、印刷データに基づいてインクをインク受容層上に付与して画像を形成する工程である。インクはインク受容層上に画像を形成できるものであれば特に制限はなく、目的に合わせて適宜選択できるが、インク受容層を重合性化合物aの重合体を含むものとし、そのインク受容層上に色材及び重合性化合物bを含むインクで画像を形成することが、インク受容層とインクとの親和性が高く、インクで形成された画像の発色性を向上させるとともに、外部からの衝撃等に対する画像の耐久性も向上させる観点から好ましい。
画像形成手段は、印刷データに基づいてインク受容層上に、インクを付与して画像を形成する手段である。
画像形成工程及び画像形成手段においては、後述する印刷データに基づき前記インクを吐出する。
画像形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層形成手段と同様に、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー付与手段、活性エネルギー線照射手段等)の組み合わせなどとすることができる。
画像形成工程としては、画像を形成できれば特に制限はないが、例えば、材料付与手段により、色材及び重合性化合物bを含むインクをインク受容層上に付与して成膜した後、エネルギー付与手段により硬化することで、画像を形成することが好ましい。言い換えると、画像形成工程において、インク受容層上に、インクを付与した後、インクを硬化することにより画像を形成することが好ましい。こうすることにより、外部からの衝撃等に対する画像の耐久性をより向上させることができる。
また、インクを硬化するタイミングとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層やインク受容層を硬化する際に、発泡層及びインク受容層の少なくともいずれかと、画像を形成するインクとを一括して硬化してもよく、インク受容層と画像を形成するインクとを一括して硬化することが好ましい。
言い換えると、本発明においては、インク受容層形成工程におけるインク受容層形成液の硬化と、画像形成工程におけるインクの硬化とを一括して行うことが好ましい。こうすることにより、本発明では、インク受容層とインクにより形成される画像とを、より一体化することができ、インクで形成された画像の発色性をより向上させることができるとともに、外部からの衝撃等に対する画像の耐久性もより向上させることができる。
インク受容層上に、インクを付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、生産性や少ロット多品種へのフレキシブル対応が可能な点から好ましい。言い換えると、本発明では、画像形成工程において、インク受容層上に、インクジェット方式でインクを付与することにより、生産性を向上できるとともに、少ロット多品種の印刷物の製造にフレキシブルに対応でできる。
インクジェット方式においては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
画像形成工程において付与するインクは、インクが含有する色材(顔料)によって三種類や四種類、又はそれ以上の種類のインクとすることができ、例えば、それぞれを個別のインクジェットヘッドによって付与する。また、1つのヘッドが複数のノズル列を有し、各ノズル列から、異なる種類のインクを吐出するヘッドを用いてもよい。画像形成工程において形成する画像の画像解像度やヘッドの走査回数に応じて、それぞれのインクを吐出するためのヘッドノズル密度を変更することが好ましく、例えば、240npi(nozzle per inch)、300npi、600npi、1,200npiなどとすることができる。
また、インクの付与量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク受容層の表面に対して、3μL/cm以下が好ましい。インクの付与量が、インク受容層の表面に対して、3μL/cm以下であることにより、インクどうしの不要な合一や、インクの混色・色域低下をより抑制することができ、より優れた画像品質を得ることができる。
また、インクの吐出速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5m/s以上であることが好ましく、5m/s以上15m/s以下であることがより好ましい。こうすることにより、インクをより安定して吐出することができる。吐出されるインクの液滴のドット密度(画像解像度)としては、240dpi×240dpi(dot per inch)以上が好ましい。
ここで、画像の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェットヘッドなどを用いて、製造する印刷物における画像のデータに基づいてインクを吐出し、任意の画像(色材層)を形成することができる。
<<インク>>
インクは、色材及び重合性化合物bを含み、重合開始剤を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−色材−
色材としては、本発明におけるインクの目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、パープル、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、インクの全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
−重合性化合物b−
重合性化合物bとしては、上述した発泡層における発泡層形成液の重合性溶剤(重合性化合物)と同様のものを用いることができる。
また、インクにおける重合性化合物bの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの全量に対して、70質量%以上95質量%以下が好ましい。
−重合開始剤−
重合開始剤としては、上述した発泡層における発泡層形成液の重合開始剤と同様のものを用いることができる。
また、インクは、顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
−その他の成分−
インクにおけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶媒、界面活性剤、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、蛍光増白剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、粘度安定化剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤などが挙げられる。
−−有機溶媒−−
本発明におけるインクは、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
−色材組成物の調製−
本発明に用いられるインクは、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、色材としての顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に、更に重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
本発明に用いられるインクの粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該組成物をノズルから吐出させるようなインク付与手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
また、インクの静的表面張力は、用途や適用手段に応じて適宜調整することができるが、25℃において20mN/m以上55mN/m以下が好ましい。
ここで、インクを硬化する場合におけるインクの硬化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層と同様に、エネルギー付与工程により行うことができる。
エネルギーが熱エネルギーである場合には、熱エネルギーの付与により色材層を硬化することができる。
熱エネルギーを付与して加熱する際の温度としては、色材層の熱硬化が可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
エネルギーが活性エネルギー線である場合には、活性エネルギー線の照射により色材層を硬化することができる。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
電子線の場合には、硬化させたい電子線照射装置から最も遠い箇所に15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
<発泡工程、発泡手段>
発泡工程は、前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる工程、好ましくは発泡層を加熱して発泡(体積膨張)させる工程である。
発泡手段は、前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる手段、好ましくは発泡層を加熱して発泡(体積膨張)させる手段である。
発泡手段としては、発泡層の発泡剤を発泡させることができる手段であれば、熱エネルギー等、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、加熱による発泡手段としては、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
加熱工程において加熱する際の温度としては、発泡剤の熱分解温度以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100℃以上200℃以下が好ましい。
発泡工程を行うタイミングとしては、発泡層形成工程の実施以降であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。より具体的には、例えば、上述したように、発泡層形成工程において、発泡層形成液に熱エネルギーを付与して硬化させる際に、発泡工程を一括して行ってもよいし、発泡層形成液を硬化した後に発泡工程を行ってもよい。さらに、本発明では、発泡工程を、インク受容層形成工程の後、かつ画像形成工程の前に行ってもよいし、各層(例えば、発泡層、インク受容層)及び画像の形成が終了した後(画像形成工程の後)に行ってもよい。
本発明では、画像形成工程の後に発泡工程を行うことが好ましい(図4)。こうすることにより、本発明においては、インク受容層形成工程と画像形成工程を、発泡していない状態の発泡層(凹凸のない平らな発泡層)について行うことになるため、インクジェットヘッド等によりインクを吐出して画像を形成する際に、インク受容層に対してインクを安定して着弾させることができ、形成した画像における画像の発色性をより向上させることができる。例えば、図4に沿って説明すれば、まず、発泡層に発泡抑制剤がパターニングされて付与され(図4上段)、後述のように傾斜部に該当する部分のインク付着量を平坦部に該当する部分のインク付着量より増加させてインクジェットで印字することによりインクを付与し(図4中段)その後、発泡層を発泡させる発泡工程を行っている(図4下段)。
また、発泡層を発泡させる際において、発泡させる領域と発泡させない領域を形成する方法としては、発泡抑制剤を付与することにより行うことに限られるわけではなく、目的に応じて適宜選択することができる。発泡層における、発泡させる領域と発泡させない領域の形成は、例えば、発泡層における発泡させる領域を、選択的に加熱することにより行ってもよい。この場合、発泡手段としては、例えば、レーザー照射手段などを用いることができる。
<印刷データ生成工程>
印刷データ生成工程は、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する前記画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する工程である。説明の都合上、データ取得工程と、加工用データ生成工程と、加工用データからの印刷データ生成工程とに分けて記載するが、これらは一連の工程であって、これらの工程を明確に区分するものではない。なお、本発明の印刷物の製造方法の一態様としては、発泡後の前記発泡層の凹凸領域の形状データと、前記凹凸領域上に形成する画像データとを取得するデータ取得工程と、前記形状データを用い、前記画像データにおける前記凹凸領域の傾斜部に該当するデータを加工するための加工用データを生成する加工用データ生成工程と、前記加工用データを用いて前記画像データを加工して印刷データを生成する印刷データ生成工程と、を含み、前記画像形成工程において、前記印刷データに基づき前記インクを吐出する。
<データ取得工程、データ取得手段>
データ取得工程は、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データと、前記凹凸領域上に形成する画像データとを取得する工程である。
データ取得手段は、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データと、前記凹凸領域上に形成する画像データとを取得する手段である。
前記形状データは、発泡後の発泡層の凹凸領域の表面の形状を示すデータである。具体的には、凸凹の位置、凹凸のシャープさ、最大凹凸高さ、諧調数などのデータである。
前記凹凸のシャープさは、発泡抑制剤の発泡層への浸透分布で、前記諧調数は浸透深さで決まる。発泡抑制剤の浸透深さを変化させたい場合には発泡抑制剤の単位面積当たりの付与量を変化させてもよいし、濃度又は種類の異なる複数の発泡抑制剤を用意して、異なるノズルから吐出させる等の方法を用いることができる。例えば、図3は、製造する印刷物において形成されるよう求められている凸凹パターン(製造する印刷物の凸凹パターン)に基づき、発泡抑制剤をストライプ状に、面積当たりの発泡抑制剤の付与量又は濃度を変化させて付与し、その後発泡させた発泡層の形状を、レーザー顕微鏡による形状プロファイル計測により測定した断面図の一例である。図3上段は製造する印刷物の凸凹パターンを濃淡パターンとして表しており、同時に発泡抑制剤の付与パターンであって、面積当たりの付与量を濃淡で表現したものである。図3に例示された実施態様の場合は、図3の2段目に示す発泡後の発泡層の凹凸領域の表面形状が示すように、発泡層のエッジのシャープさは高さによらず概ね45度で一定であった。即ち傾斜部であるエッジa−エッジb間、エッジc−エッジd間、エッジe−エッジf間、エッジg−エッジh間の傾斜角度は一定で約45度であった。ここで、エッジとは、凹凸領域の傾斜部と平坦部との接続点を意味する。エッジの検出には、特に制限なく、公知技術を目的に応じて適宜選択して用いることができ、微分フィルタ等を用いることもできる。また、凹凸領域の最も深い部分であるエッジf・エッジgから、凹凸領域の最も高い部分であるエッジa・エッジhの高低差(400μm)が、最大凹凸高さである。
前記形状データの取得方法としては、例えば、発泡後の発泡層の形状から直接得る方法と、前記発泡抑制剤を付与するパターンにより予測される凹凸形状から形状データを得る方法などが挙げられる。発泡後の発泡層の形状から直接得る方法においては、発泡後の発泡層をレーザー顕微鏡による形状プロファイル計測などの周知の方法により計測して形状データを取得することができる。また、発泡抑制剤の付与パターンから予測する方法においては、予め発泡層に発泡抑制剤をテストパターンとして付与し、前記テストパターンの発泡後の発泡層をレーザー顕微鏡による形状プロファイル測定等により測定し、凸凹のエッジの位置、凹凸のシャープさ、最大凹凸高さ、諧調数などのデータをデータ見本として取得しておき、実際の発泡抑制剤の付与パターンを前記発泡抑制剤のテストパターンと照合して発泡後の発泡層の凸凹領域の形状データを取得することができる。前記発泡抑制剤のテストパターンとの照合には、特に制限なく、コンピューター等の公知の技術を目的に応じて適宜選択して用いることができる。図5のフローチャートは前記発泡抑制剤の付与パターンから発泡後の発泡層の凸凹領域の形状データを予測して取得する場合の印刷データ生成工程の一例を表している。発泡抑制剤付与工程に用いられる発泡抑制剤の付与パターンを印刷データ生成工程でも用いて、発泡抑制剤のテストパターンと照合して、テストパターンのデータ見本から発泡後の発泡層の凸凹領域の形状データを取得する。
一方、前記画像データは、凹凸領域上に形成する画像の画像データである。前記画像データは、平面に画像を形成する場合のデータである。具体的には、画素位置毎に、画素の色情報、画素の諧調数などを示すデータである。
<加工用データ生成工程、加工用データ生成手段>
加工用データは、凹凸の形成により、発泡層の表面積が変化し、表面が延伸した傾斜部の延伸した面積に応じて、傾斜部へのインクの吐出量を増やすためのデータである。
加工用データ生成工程は、形状データを用い、画像データにおける凹凸領域の傾斜部に該当するデータを加工するための加工用データを生成する工程である。
加工用データ生成手段は、形状データを用い、画像データにおける凹凸領域の傾斜部に該当するデータを加工するための加工用データを生成する手段である。
加工用データ生成工程は、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する前記画像データのインク量を増加させた印刷データを生成するための加工用のデータを生成する工程である。図5で示すように前記データ取得工程で取得された発泡後の発泡層の凸凹領域の形状データから、傾斜部の位置情報を特定し、前記傾斜部に該当する画像データを特定し、その画像データに、発泡による表面積の増加に見合うように増量させるインク量を特定する。これにより、例えば、傾斜部に該当する画素毎の位置情報と濃度情報が特定される。形状データの凹凸領域の傾斜部の位置情報の特定は、前記形状データのエッジを検出して特定することもできるし、発泡抑制剤の付与パターンから前記発泡抑制剤のテストパターンとの照合により特定することもできる。前記発泡抑制剤のテストパターンとの照合にはコンピューター等の公知技術を特に制限なく、目的に応じて適宜選択して用いることができる。傾斜部に該当する画像データの特定は、前記特定された形状データの傾斜部の位置情報等から該当する画像データを特定することができる。
また、増量するインク量は前記データ取得工程で得られた形状データにおける凸凹のシャープさ即ち傾斜部の傾斜角度に基づき決定する。増量するインク量は、発泡による表面積の増加に比例して増量させることが好ましく、増量は一定であってもよいし、傾斜部の形状に合わせて変更してもよい。図3に示す一例の場合は、傾斜部の傾斜角度が概ね一定であることから、インクの増量も一定とし、45度の傾斜による表面積の増加に比例してインク量も√2倍に設定することが好ましい。また、インクの増量は各色において同様に設定することが好ましい。
また、前記形状データは図3上段のような濃淡パターンとして表すこともでき、形状データの濃淡パターンの濃度差分から凸凹の高さを取得し、凹凸形状から検出したエッジの情報と合わせて、凹凸のシャープさを濃淡差分として取得することもできる。また、凸凹形状のエッジを検出して濃淡パターンに反映して加工範囲を取得することもできる。濃淡差分と加工範囲による加工用データを三段目の加算データのような加工用データの濃淡パターンとして表すこともでき、この加工用データにより画像データを加工して印刷データを生成する。
<加工用データからの印刷データ生成工程、加工用データからの印刷データ生成手段>
加工用データからの印刷データ生成工程は、加工用データを用いて画像データを加工して印刷データを生成する工程である。例えば、加工用データとして特定された傾斜部に該当する画素毎の位置情報と濃度情報に基づき、画像形成方式に合わせた印刷データが生成される。
加工用データからの印刷データ生成手段は、加工用データを用いて画像データを加工して印刷データを生成する手段である。
例えば、シングルパス(1回走査)方式のインクジェット方式の場合は、加工用データに基づきインクジェットヘッドから吐出される液滴量を調整した印刷データにする等があげられる。
具体的には、与える吐出波形等を変えるようにする。例えば、画像形成時のインクジェットの小滴吐出波形、中滴吐出波形、大滴吐出波形に、それぞれ+α波形、即ち小滴、中滴、大滴にそれぞれ一定量のインクを追加した液滴を吐出する波形を用意しておき、平面での画像形成には4階調を使用するが、凹凸用にはプラス3階調で7階調を用いる。加工用データに基づき+α波形にするかを判定する、という処理である。
マルチパス方式のインクジェット方式の場合は、一度全面に平面である場合と同じ液適量を付与して、加工用データに基づき、別途付与させる傾斜部の増加分を規定して印刷データにする等の処理がある。
加工用データを用いて画像データを加工することにより、傾斜部により多くのインクを吐出するためのデータを得ることができる。
<透明層形成工程、透明層形成手段>
透明層形成工程は、インク受容層及び画像の少なくともいずれかの上に、重合性化合物cの重合体を含む透明層を形成する工程である。
透明層形成手段は、インク受容層及び画像の少なくともいずれかの上に、重合性化合物cの重合体を含む透明層を形成する手段である。
本発明においては、透明層形成工程を含むことにより、形成した凹凸形状及び画像の耐久性をより向上させることができ、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保つことができる。
また、透明層形成手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡層形成手段と同様に、公知の材料付与手段(例えば、塗工手段、吐出手段等)と、公知のエネルギー付与手段(例えば、熱エネルギー付与手段、活性エネルギー線照射手段等)の組み合わせなどとすることができる。
ここで、本発明において、透明層とは、haze−gard i(ヘイズメーター、BYK社製)を用いて、光学特性試験を行うことにより測定した曇り度(ヘイズ)〔散乱光/全光線透過光×100(%)〕が、8%以下となる層を意味する。
本発明において、透明層形成工程は、インク受容層形成工程の後、又は画像形成工程の後に行う。こうすることにより、インク受容層及び画像の少なくともいずれかの上に、透明層を形成することができる。つまり、本発明においては、透明層は、インク受容層と画像の間に形成されてもよいし、インク受容層及び画像の上に形成されてもよい。また、インク受容層上の全面に画像(ベタ画像)を形成する場合には、画像上のみに透明層が形成されていてもよい。
本発明では、透明層形成工程において、少なくとも画像上に透明層を形成することが好ましい。つまり、言い換えると、本発明では、画像形成工程の後に透明層形成工程を行い、画像上に透明層を形成することが好ましい。こうすることにより、本発明においては、形成した凹凸形状及び画像の耐久性を特に向上させることができ、更に優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保つことができる。
透明層形成工程においては、例えば、材料付与手段により、重合性化合物cを含む透明層形成液(クリアインク)を上に付与して成膜した後、エネルギー付与手段により硬化することで、透明層を形成することができる。言い換えると、透明層形成工程においては、例えば、重合性化合物cを含む膜を作製し、当該膜を硬化することにより、当該重合性化合物cの重合体を含む透明層を形成する。
透明層形成液(クリアインク)は、重合性化合物cを含み、重合開始剤を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−重合性化合物c−
重合性化合物cとしては、上述した発泡層における発泡層形成液の重合性溶剤(重合性化合物)と同様のものを用いることができ、2種以上含まれていてもよい。重合性化合物cは速乾性の観点から、透明層形成液の全量に対して、50質量%以上99質量%以下が好ましく、80質量%以上95質量%以下がより好ましい。なお、本発明においては、重合性化合物aと重合性化合物bと重合性化合物cとは、同一の重合性化合物であってもよいし、異なる重合性化合物であってもよい。
−重合開始剤−
重合開始剤としては、上述した発泡層における発泡層形成液の重合開始剤と同様のものを用いることができる。重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、透明層形成液の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の成分−
透明層形成液におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、発泡層形成液におけるその他の成分と同様のものを選択することができる。
また、透明層形成液(クリアインク)としては、例えば、画像形成工程で用いるインクにおいて、色材を含まないものを用いることができる。なお、色材を含まないとは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
ここで、透明層を形成することにより、より優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持するという観点では、透明層形成液(クリアインク)としては、像形成工程で用いるインクにおいて、色材を含まず、更に重合性化合物bにおける多官能モノマー・オリゴマーの含有率を高めたものが好ましい。
透明層形成液(クリアインク)の静的表面張力は、用途や適用手段に応じて適宜調整することができるが、25℃において20mN/m以上55mN/m以下が好ましい。
また、透明層形成液(クリアインク)の粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整するこができるが、25℃において1mPa・s以上100mPa・s以下が好ましい。なお、透明層形成液(クリアインク)をインクジェット方式で付与する場合は、5mPa・s以上20mPa・s以下が好ましい。
インク受容層及び画像の少なくともいずれかの上に、透明層形成液(クリアインク)を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、インク受容層や画像に対して非接触に透明層形成液(クリアインク)を付与できるため好ましい。
透明層形成液(クリアインク)の付与量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク受容層の表面に対して、3μL/cm以下が好ましい。
透明層形成液(クリアインク)の吐出速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5m/s以上であることが好ましく、5m/s以上15m/s以下であることがより好ましい。こうすることにより、透明層形成液(クリアインク)をより安定して吐出することができる。
<基材表面改質工程、基材表面改質手段>
基材表面改質工程は、発泡層を形成する基材にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する工程である。
基材表面改質手段は、発泡層を形成する基材にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する手段である。
基材表面改質手段としては、基材にコロナ放電処理を行うことができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のコロナ放電処理装置を用いることができる。コロナ放電処理装置としては、例えば、TEC−4AX(春日電機株式会社製)を用いることができる。
本発明では、基材表面改質工程を発泡層形成工程の前に行う。つまり、本発明では、発泡層形成工程の前に、発泡層を形成する基材にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する基材表面改質工程を行うことが好ましい。こうすることにより、本発明では、基材に対する発泡層形成液の濡れ性及び密着性を向上させることができ、硬化後・発泡後の発泡層と基材との密着力が向上するため、外部からの衝撃等に対する画像の耐久性をより向上させることができる。
ここで、基材表面改質工程においては、例えば、上記のTEC−4AX(春日電機株式会社製)を用いて、電極―基材表面のギャップ1mm、2m/分、100Wでコロナ放電処理することにより、基材を表面改質することができる。
<発泡層表面改質工程、発泡層表面改質手段>
発泡層表面改質工程は、発泡層にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する工程である。
発泡層表面改質手段は、発泡層にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する手段である。
発泡層表面改質手段としては、発泡層にコロナ放電処理を行うことができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、基材表面改質手段と同様に、公知のコロナ放電処理装置を用いることができる。コロナ放電処理装置としては、例えば、基材表面改質手段と同様に、TEC−4AX(春日電機株式会社製)を用いることができる。
本発明では、発泡層表面改質工程を発泡層形成工程の後に行う。つまり、本発明では、発泡層形成工程の後に、発泡層にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する発泡層表面改質工程を行うことが好ましい。こうすることにより、本発明では、発泡層に対するインク受容層形成液の濡れ性及び密着性を向上させることができ、硬化後・発泡後のインク受容層と発泡層との密着力が向上するため、外部からの衝撃等に対する画像の耐久性をより向上させることができる。
ここで、発泡層表面改質工程においては、例えば、上記のTEC−4AX(春日電機株式会社製)を用いて、電極−基材表面のギャップ1mm、2m/分、100Wでコロナ放電処理することにより、基材を表面改質することができる。
<その他の工程、その他の手段>
その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明層とは異なる保護層を形成する保護層形成工程、エンボス加工工程、曲げ工程、カット工程、制御工程などが挙げられる。
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明層とは異なる保護層を形成する保護層形成手段、エンボス加工手段、曲げ手段、カット手段、制御手段などが挙げられる。
<<エンボス加工工程、エンボス加工手段>>
エンボス加工工程は、印刷物に凹凸模様を形成する工程である。
エンボス加工手段は、印刷物に凹凸模様を形成する手段である。
エンボス加工工程においては、通常、壁紙、化粧材等に凹凸を付与する目的で使用されるエンボス加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン加工、又は盛り上げ印刷等の方法を、適宜選択して使用することができる。
エンボス加工手段としては、例えば、加熱後冷却ローラーでエンボス加工する手段、及び熱ローラエンボスを用いて一度にエンボス加工する手段などが挙げられる。
エンボス加工によるエンボスの深さとしては、0.08mm以上0.50mm以下が好ましい。エンボスの深さが、0.08mm以上であると、立体感を出すことができ、0.50mm以下であると、表面の摩耗強さを向上できる。
エンボス加工により形成される凹凸模様の形状としては、例えば、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などが挙げられる。
<印刷物>
本発明の印刷物は、基材と、前記基材上に位置する気泡を含有する気泡含有層と、気泡含有層上に位置し、重合体Aを含むインク受容層と、インク受容層上に位置し、色材及び重合体Bを含むインクの硬化物で形成された画像と、を有し、前記画像の同一階調の画像に対応する基材面積当たりのインク量が前記気泡含有層の傾斜部で平坦部より多い。また、透明層を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の層を有する。
本発明の印刷物は、本発明の印刷物の製造方法及び印刷装置により好適に製造することができる。本発明の印刷物の好ましい形態は、本発明の印刷物の製造方法における印刷物の好ましい形態と同様とすることができる。
<<気泡含有層>>
気泡含有層としては、気泡を含有する層であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発泡した発泡剤を含む層であることが好ましい。気泡含有層は、例えば、多孔質な部分を含む層であることが好ましい。
つまり、本発明の印刷物における気泡含有層は、本発明の印刷物の製造方法における発泡層形成工程及び発泡工程により、好適に形成することができる。このため、本発明の印刷物における気泡含有層の好ましい形態は、本発明の印刷物の製造方法における発泡層の好ましい形態と同様とすることができる。
<<インク受容層>>
インク受容層は、気泡含有層上に位置し、重合体Aを含む。
本発明の印刷物におけるインク受容層は、本発明の印刷物の製造方法におけるインク受容層形成工程により、好適に形成することができる。このため、本発明の印刷物におけるインク受容層の好ましい形態は、本発明の印刷物の製造方法におけるインク受容層の好ましい形態と同様とすることができる。
ここで、本発明の印刷物におけるインク受容層が含む重合体Aとしては、重合体(ポリマー)であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した重合性化合物aの重合体とすることができる。
<<画像>>
本発明の印刷物における画像は、インク受容層上に位置し、色材及び重合体Bを含むインクの硬化物で形成される。
本発明の印刷物における画像は、本発明の印刷物の製造方法における画像形成工程により、好適に形成することができる。このため、本発明の印刷物における画像の好ましい形態は、本発明の印刷物の製造方法における画像の好ましい形態と同様とすることができる。
ここで、本発明の印刷物における画像が含むインクとしては、例えば、上述した画像形成工程で用いるインクと同様のものを用いることができる。また、本発明の印刷物における画像を形成するインクが含む重合体Bとしては、重合体(ポリマー)であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述した重合性化合物bの重合体とすることができる。
<<インクの厚さ>>
本発明の印刷物におけるインクの厚さは、気泡含有層の平坦部と傾斜部とで略同一になるように形成される。
本発明の印刷物におけるインクの厚さは、本発明の印刷物の製造方法におけるデータ取得工程と、加工用データ生成工程と、印刷データ生成工程により、好適に決めることができる。
即ち、本発明の印刷物における前記画像は、気泡含有層の凹凸領域の形状データに基づいて傾斜部に該当する画像データのインク量が増加された印刷データに基づいて画像形成されている。言い換えれば、本発明の印刷物における画像を、基材面積当たりのインク量でみた場合には、同一階調の画像に対応するインク量が前記気泡含有層の傾斜部で平坦部より多くなるよう補正されている。
<<透明層>>
本発明の印刷物は、インク受容層及び画像の少なくともいずれかの上に位置する透明層を有することが好ましい。
本発明の印刷物における透明層は、本発明の印刷物の製造方法における透明層形成工程により、好適に形成することができる。このため、本発明の印刷物における透明層の好ましい形態は、本発明の印刷物の製造方法における透明層の好ましい形態と同様とすることができる。
<<その他の層>>
本発明の印刷物は基材を有し、前記基材上に、前記気泡含有層を有することができる。基材としては、本発明の印刷物の製造方法において記載した基材と同様のものが挙げられる。
本発明の印刷物におけるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、本発明の印刷物の製造方法に用いられる本発明の印刷装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の印刷装置の一例を示す概略図である。この図1の印刷装置100は、基材19上に発泡層形成液を塗布する塗布ローラー10と、その下流に発泡抑制剤用ヘッド11と、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15を有する吐出ヘッド16と、活性エネルギー線照射装置17、27と、加熱装置18と、発泡層形成液が塗布された基材19上に、インク受容層形成液を塗布する塗布ローラー28を有している。なお、図1中、20は搬送ベルト、21は塗布ローラー10と対向する送り出しローラーであり、22は巻取りローラーである。
基材19は巻取りローラー22で搬送ベルト20が巻き取られることにより、図1中矢印方向に搬送される。
まず、基材19の表面に、発泡層形成液を塗布ローラー10により塗布し、発泡層形成液を塗布した基材19に対して、活性エネルギー線照射装置27を用いて所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し発泡層形成液を硬化して、発泡層を形成する。つまり、この例においては、塗布ローラー10と活性エネルギー線照射装置27とが、発泡層形成手段の一例となる。
次に、基材19を所定の速度で走査させ、発泡抑制剤用ヘッド11から発泡抑制剤を発泡層における所定の領域に吐出して、発泡層に接触させる。つまり、この例においては、発泡抑制剤用ヘッド11が、発泡抑制剤付与手段の一例となる。なお、発泡抑制剤を付与する発泡層における所定の領域は、上述したように、製造する印刷物における凹凸のデータ(製造する印刷物の凸凹パターン)等から特定することができる。
次に、発泡層上に、インク受容層形成液を塗布ローラー28にて塗布する。
次いで、ブラック用ヘッド12、シアン用ヘッド13、マゼンタ用ヘッド14、及びイエロー用ヘッド15の各色用ヘッドから、ブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用のインクをインクジェット方式で吐出する。このとき、インクヘッドは、記載されていない印刷データ生成手段により生成された印刷データに基づきインクを吐出するように制御されている。印刷データ生成手段は、例えば、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成するコンピューター処理手段である。
続いて、インクを塗布した基材19に対して、活性エネルギー線照射装置17を用いて所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し、インク受容層形成液及びインクを硬化して、インク受容層及び画像を形成する。つまり、この例においては、塗布ローラー28と活性エネルギー線照射装置17とが、インク受容層形成手段の一例となり、吐出ヘッド16と活性エネルギー線照射装置17とが、画像形成手段の一例となる。
次に、形成した発泡層を加熱装置18により加熱して、発泡層を発泡させる。つまり、この例においては、加熱装置18が、発泡手段の一例となる。
このようにして、印刷装置100が製造した印刷物は、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有することができるものとなる。
また、図1には、印刷装置100として、印刷する基材の幅よりインクジェットヘッドで印刷できる幅のほうが大きく、走査回数が1回のシングルパスの方式の場合について示したが、本発明の印刷装置としては、基材の幅よりヘッドの幅が小さく、走査回数が複数できるような駆動機構(ヘッドユニット又は基材搬送)を設けたマルチパスの方式であってもよい。
図2は、本発明の印刷装置の他の一例を示す概略図である。
図2に示す印刷装置101は、印刷装置100に対して、カーテンコーター30により、基材19に発泡層形成液を付与する点と、透明層形成液(クリアインク)をインクジェット方式で付与する透明層形成液(クリアインク)用ヘッド31を有する点が異なる。このため、印刷装置101においては、カーテンコーター30と活性エネルギー線照射装置27とが、発泡層形成手段の一例となる。
さらに、印刷装置101においては、印刷装置100で行う動作に加えて、透明層形成液(クリアインク)用ヘッド31によりクリアインクを塗布した基材19に対して、活性エネルギー線照射装置17を用いて所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し、クリアインクを硬化して、透明層を形成する。つまり、この例においては、塗透明層形成液(クリアインク)用ヘッド31と活性エネルギー線照射装置17とが、透明層形成手段の一例となる。
このように、印刷装置101においては、印刷物に透明層を形成することができるため、形成した凹凸形状及び画像の耐久性をより向上させることができ、長期に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保つことができる印刷物を製造できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<発泡層形成液A1の調製>
発泡剤としてクレハマイクロスフェアー(株式会社クレハ製、H750)15質量部、重合性溶剤(重合性化合物)としてイソボルニルアクリレート(巴工業株式会社製)40質量部、2−アクリロイルオキシエチルフタレート(新中村化学株式会社製)40質量部、重合開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部を撹拌することにより、発泡層形成液A1を調製した。
発泡層形成液A1の25℃における静的表面張力を、表面張力計DCAT(英弘精機株式会社製)を用いて、白金プレートを用いたプレート法で25℃にて測定したところ33mN/mであった。また、発泡層形成液A1の25℃における粘度を、レオメーターMCR302(Anton−Paar(アントンパール)社製)を用いて、CP50−1(50mm、1°のコーンプレートを用いて25℃にて測定したところ130mPa・sであった。
<インク受容層形成液A2の調製>
重合性化合物aとして2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)94質量部、重合開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)1質量部を撹拌することにより、インク受容液層形成液A2を調製した。
発泡層形成液A1における測定方法と同様にして静的表面張力及び粘度測定したところ、インク受容層形成液A2の25℃における静的表面張力は20mN/m、25℃における粘度は190mPa・sであった。
<ブラックインクA−Bkの調製>
重合性化合物bとしてフェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)25質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)26質量部、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製)35質量部、重合開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤/分散剤としてSolsperse32000(Lubrizol社製)2質量部、色材としてのSPECIAL BLACK 350(ブラック顔料、BASFジャパン社製)7質量部を撹拌することにより、ブラックインクA−Bkを調製した。
発泡層形成液A1における測定方法と同様にして静的表面張力及び粘度を測定したところ、ブラックインクA−Bkの25℃における静的表面張力は24mN/m、25℃における粘度は25mPa・sであった。
<マゼンタインクA−Mの調製>
重合性化合物bとしてフェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)25質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)26質量部、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製)35質量部、重合開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤/分散剤としてSolsperse32000(Lubrizol社製)2質量部、色材としてのCINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)7質量部を撹拌することにより、マゼンタインクA−Mを調製した。
発泡層形成液A1における測定方法と同様にして静的表面張力及び粘度を測定したところ、マゼンタインクA−Mの25℃における静的表面張力は24mN/m、25℃における粘度は25mPa・sであった。
<シアンインクA−Cの調製>
重合性化合物bとしてフェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)25質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)26質量部、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製)35質量部、重合開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤/分散剤としてSolsperse32000(Lubrizol社製)2質量部、色材としてのIRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、シアンインクA−Cを調製した。
発泡層形成液A1における測定方法と同様にして静的表面張力及び粘度を測定したところ、シアンインクA−Cの25℃における静的表面張力は24mN/m、25℃における粘度は25mPa・sであった。
<イエローインクA−Yの調製>
重合性化合物bとしてフェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)25質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)26質量部、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製)35質量部、重合開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤/分散剤としてSolsperse32000(Lubrizol社製)2質量部、色材としてのNOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)40質量部を撹拌することにより、イエローインクA−Yを調製した。
発泡層形成液A1における測定方法と同様にして静的表面張力及び粘度を測定したところ、イエローインクA−Yの25℃における静的表面張力は24mN/m、25℃における粘度は25mPa・sであった。
次に、図2に示す印刷装置101と、調製した発泡層形成液A1、インク受容層形成液A2、ブラックインクA−Bk、マゼンタインクA−M、シアンインクA−C、及びイエローインクA−Yとを用いて、以下の通りにして印刷物を得た。
厚み9mmのMDF(中密度繊維板、住友林業株式会社製N.P.ウッド)基材19の上に、カーテンコーター30(チェフラ社製、ラボ用フローコーター)を用いて、発泡層形成液A1を100μmの平均厚みとなるように塗布した。その後、下記のように調製した発泡抑制剤Iをヘッド11から、30pLの液滴量、7m/sの液滴速度で吐出し、ヘッド幅方向に75dpi、搬送方向に600dpiのドット密度でストライプ状の(縞模様の)発泡抑制パターンを発泡層に付与した。
<<発泡抑制剤Iの調製>>
多官能モノマーとして1,6−ヘキサンジオールジアクリレ−ト(巴工業株式会社製)95質量部、重合開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部を撹拌することにより、発泡抑制剤Iを調製した。
発泡層形成液A1における測定方法と同様にして静的表面張力及び粘度測定したところ、発泡抑制剤Iの25℃における静的表面張力は24mN/m、25℃における粘度は20mPa・sであった。
発泡抑制剤Iの付与後、活性エネルギー線照射装置27(浜松ホトニクス製、リニア照射型UV−LED光源GJ−75)を用い、基材表面から10mm離れた位置からUV照射を行い、発泡層形成液A1、及び発泡抑制剤Iを硬化させ、発泡層を形成した。
発泡層の凹凸領域の形状データを取得するため、予め、発泡抑制剤Iを同一条件、同一パターンで発泡層に付与し、同様に硬化、印刷物の場合と同じ後述の条件で加熱発泡させた。これにより形成される発泡後の発泡層の凸凹パターンをレーザー顕微鏡による形状プロファイル計測により取得し、データ見本とした。ストライプ状の発泡抑制パターンにおいて、発泡層の凹凸領域の傾斜部は高さによらず、約45度で一定の傾斜となった。前記印刷物に付与された発泡抑制剤によるストライプ状の発泡抑制パターンと前記データ見本から、発泡層の凸凹領域の形状データを取得した。
次いで、発泡層上に、ローラーコーター28(松尾産業株式会社製、イージープルーフ)を用いて、インク受容層形成液A2を6μmの平均厚みとなるように塗布した。
次に、この基材を15m/minの速度で走査させ、インク用の吐出ヘッド16としてリコーインダストリー株式会社製のGEN5ヘッド(MH5420、150npi×4列)を用いて、ブラックインク用ヘッド12、シアンインク用ヘッド13、マゼンタインク用ヘッド14、イエローインク用ヘッド15を40℃に加温して、ブラックインクA−Bk、マゼンタインクA−M、シアンインクA−C、イエローインクA−Yを、それぞれ7pLの液滴量、7m/sの液滴速度で吐出し、各色600dpi×600dpiの25%のドット密度のベタ画像を形成できるようにした。このとき、ベタ画像について、取得した形状データに基づき傾斜部に該当する画像データのインク量を平坦部に該当する画像データのインク量より増加させる画像データへの加工を行って印刷データを作成した。即ち、インク量は平坦部に該当する部分で各色それぞれ7pLの液滴量に対して傾斜部に該当する部分では√2倍の液適量である9.9pLとした。このようにインク付与量が調整された印刷データを用いて画像を形成した。面積当たりのインク付着量としては平坦部で3.9mg/mm、傾斜部で5.5mg/mmであった。なお、以下では、ブラックインクA−Bk、マゼンタインクA−M、シアンインクA−C、及びイエローインクA−Yを、まとめて「カラーインク」と称する場合がある。
次に、活性エネルギー線照射装置17(浜松ホトニクス製、リニア照射型UV−LED光源GJ−75)を用い、基材表面から10mm離れた位置からUV照射を行い、インク受容層形成液A2及びインク(A−Bk,A−M,A−C,A−Y)を硬化させ、インク受容層及び画像を形成した。ここで、イエローインク吐出から硬化までの時間を6秒とした。
次いで、加熱装置18で加熱発泡させた。加熱装置としては、日立産機システム株式会社製のルテックスブロアGシリーズ、関西電熱株式会社製の高温熱風発生用電気式ヒーターXS−2、関西電熱株式会社ハイブローノズル50ALを組み合わせて作製した加熱装置を、ノズル先端からの風速30m/sec、ノズル先端の温度200℃となるように調整したものを用いた。以上により、印刷物を得た。
(比較例1)
実施例1において、取得した形状データに基づき傾斜部に該当する画像データのインク量を平坦部に該当する画像データのインク量より増加させる画像データへの加工を行わず、傾斜部に該当する部分も7pLの液滴量で印字した以外は、実施例1と同様にして印刷物を得た。
<評価>
次に、得られた実施例1及び比較例1の印刷物について、以下のようにして、画像品質(発色性)及び意匠性を評価した。評価結果を表1に示す。
<<画像品質の評価>>
カラーインクにより形成したベタ画像の発色均一性を目視で確認して、下記の基準に従って評価を行った。なお、評価が「〇」以上であれば、実使用に問題のないレベルである。
[発色性の評価基準]
◎:ベタ画像の面内で、凹凸によるスジムラが確認できない
〇:ベタ画像の面内で、凹凸によるスジムラが確認できるが、目立たない
×:ベタ画像の面内で、凹凸によるスジムラが目立つ
<<意匠性の評価>>
作製した印刷物における意匠性について、下記の基準に従って判定した。なお、評価が「〇」以上であれば、実使用に問題のないレベルである。
[意匠性の評価基準]
◎:ストライプ状の凹凸形状における段差が、目視だけで確認できる
○:ストライプ状の凹凸形状における段差が、目視ではわからないが、触った感覚によって確認できる
×:ストライプ状の凹凸形状における段差が、触った感覚でも確認できない
Figure 2021075042
表1に示した結果から、実施例1の印刷物の画像品質及び意匠性が優れることがわかった。
以上、説明したように、本発明の印刷物の製造方法は、発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成工程と、前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、前記発泡抑制剤が付与された発泡層上にインク受容層を形成するインク受容層形成工程と、画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成工程と、前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡工程と、を含む。
これにより、本発明の印刷物の製造方法は、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物を製造できる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成工程と、
前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、
前記発泡抑制剤が付与された発泡層上に、インク受容層を形成するインク受容層形成工程と、
画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、
前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成工程と、
前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡工程と、
を含むことを特徴とする印刷物の製造方法である。
<2> 前記発泡抑制剤が多官能モノマーを含む前記<1>に記載の印刷物の製造方法である。
<3> 前記インク受容層が重合性化合物aの重合体を含み、前記インクが色材及び重合性化合物bを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<4> 発泡工程において前記発泡層を加熱して凸凹を形成させる前記<1>から<3>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<5> 前記発泡層形成工程において、
基材上に、前記発泡剤を含む発泡層形成液を付与した後、前記発泡層形成液を硬化することにより前記発泡層を形成する、前記<1>から<4>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<6> 前記インク受容層形成工程において、
前記発泡層上に、前記重合性化合物aを含むインク受容層形成液を付与した後、前記インク受容層形成液を硬化することにより前記インク受容層を形成する、前記<3>から<5>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<7> 前記画像形成工程において、
前記インク受容層上に、前記インクを付与した後、前記インクを硬化することにより前記画像を形成する、前記<6>に記載の印刷物の製造方法である。
<8> 前記インク受容層形成工程における前記インク受容層形成液の硬化と、前記画像形成工程における前記インクの硬化とを一括して行う、前記<7>に記載の印刷物の製造方法である。
<9> 前記画像形成工程において、
前記インク受容層上に、インクジェット方式で前記インクを付与する、前記<1>から<8>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<10> 前記画像形成工程の後に前記発泡工程を行う、前記<1>から<9>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<11> 前記発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルである、前記<4>から<10>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<12> 前記インク受容層及び前記画像の少なくともいずれかの上に、重合性化合物cの重合体を含む透明層を形成する透明層形成工程を更に含む、前記<1>から<11>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<13> 前記透明層形成工程において、
少なくとも前記画像上に前記透明層を形成する、前記<12>に記載の印刷物の製造方法である。
<14> 前記発泡抑制剤付与工程において、インクジェット方式で前記発泡抑制剤を付与する、前記<1>から<13>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<15> 前記発泡層形成工程のに、前記発泡層を形成する基材にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する基材表面改質工程を更に含む、前記<1>から<14>に記載の印刷物の製造方法である。
<16> 前記発泡層形成工程のに、前記発泡層にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する発泡層表面改質工程を更に含む、前記<1>から<15>に記載の印刷物の製造方法である。
<17> 発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成手段と、
前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与手段と、
前記発泡抑制剤が付与された発泡層上に、インク受容層を形成するインク受容層形成手段と、
画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成手段と、
前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。
<18> 画像形成手段がインクジェット方式による前記<17>に記載の印刷装置である。
<19> 基材と、
前記基材上に位置し、気泡を含有する気泡含有層と、
前記気泡含有層上に位置し、重合体Aを含むインク受容層と、
前記インク受容層上に位置し、色材及び重合体Bを含むインクの硬化物で形成された画像と、を有し、
前記画像の同一階調の画像に対応する基材面積当たりのインク量が前記気泡含有層の傾斜部で平坦部より多いことを特徴とする印刷物である。
前記<1>から<16>のいずれかに記載の印刷物の製造方法、前記<17>から<18>のいずれかに記載の印刷装置、前記<19>に記載の印刷物によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 塗布ローラー
11 発泡抑制剤用ヘッド
12 ブラック用ヘッド
13 シアン用ヘッド
14 マゼンタ用ヘッド
15 イエロー用ヘッド
16 吐出ヘッド
17 活性エネルギー線照射装置
18 加熱装置
19 基材
20 搬送ベルト
21 送り出しローラー
22 巻取りローラー
27 活性エネルギー線照射装置
28 活性エネルギー線照射装置
30 カーテンコーター
31 透明層形成液(クリアインク)用ヘッド
100 印刷装置
101 印刷装置
特許第5195999号公報 特許第6287352号公報

Claims (19)

  1. 発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成工程と、
    前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与工程と、
    前記発泡抑制剤が付与された発泡層上に、インク受容層を形成するインク受容層形成工程と、
    画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成工程と、
    前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成工程と、
    前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡工程と、
    を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
  2. 前記発泡抑制剤が多官能モノマーを含む請求項1に記載の印刷物の製造方法。
  3. 前記インク受容層が重合性化合物aの重合体を含み、前記インクが色材及び重合性化合物bを含む請求項1及び2のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  4. 発泡工程において前記発泡層を加熱して凸凹を形成させる請求項1から3のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  5. 前記発泡層形成工程において、
    基材上に、前記発泡剤を含む発泡層形成液を付与した後、前記発泡層形成液を硬化することにより前記発泡層を形成する、請求項1から4のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  6. 前記インク受容層形成工程において、
    前記発泡層上に、前記重合性化合物aを含むインク受容層形成液を付与した後、前記インク受容層形成液を硬化することにより前記インク受容層を形成する、請求項3から5のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  7. 前記画像形成工程において、
    前記インク受容層上に、前記インクを付与した後、前記インクを硬化することにより前記画像を形成する、請求項6に記載の印刷物の製造方法。
  8. 前記インク受容層形成工程における前記インク受容層形成液の硬化と、前記画像形成工程における前記インクの硬化とを一括して行う、請求項7に記載の印刷物の製造方法。
  9. 前記画像形成工程において、
    前記インク受容層上に、インクジェット方式で前記インクを付与する、請求項1から8のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  10. 前記画像形成工程の後に前記発泡工程を行う、請求項1から9のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  11. 前記発泡剤が熱膨張性マイクロカプセルである、請求項4から10のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  12. 前記インク受容層及び前記画像の少なくともいずれかの上に、重合性化合物cの重合体を含む透明層を形成する透明層形成工程を更に含む、請求項1から11のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  13. 前記透明層形成工程において、
    少なくとも前記画像上に前記透明層を形成する、請求項12に記載の印刷物の製造方法。
  14. 前記発泡抑制剤付与工程において、インクジェット方式で前記発泡抑制剤を付与する、請求項1から13に記載の印刷物の製造方法。
  15. 前記発泡層形成工程の前に、前記発泡層を形成する基材にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する基材表面改質工程を更に含む、請求項1から14に記載の印刷物の製造方法。
  16. 前記発泡層形成工程の後に、前記発泡層にコロナ放電処理を行うことにより表面改質する発泡層表面改質工程を更に含む、請求項1から15に記載の印刷物の製造方法。
  17. 発泡剤を含む発泡層を形成する発泡層形成手段と、
    前記発泡層における所定の領域に、発泡抑制剤を付与して接触させる発泡抑制剤付与手段と、
    前記発泡抑制剤が付与された発泡層上に、インク受容層を形成するインク受容層形成手段と、
    画像データと、発泡後の発泡層の凹凸領域の形状データとを取得し、前記形状データに基づいて凹凸領域の傾斜部に該当する画像データのインク量を増加させた印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
    前記印刷データに基づいて、インクを前記インク受容層上に付与して画像を形成する画像形成手段と、
    前記発泡層にエネルギーを付与して凹凸を形成させる発泡手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  18. 画像形成手段がインクジェット方式による請求項17に記載の印刷装置。
  19. 基材と、
    前記基材上に位置し、気泡を含有する気泡含有層と、
    前記気泡含有層上に位置し、重合体Aを含むインク受容層と、
    前記インク受容層上に位置し、色材及び重合体Bを含むインクの硬化物で形成された画像と、を有し、
    前記画像の同一階調の画像に対応する基材面積当たりのインク量が前記気泡含有層の傾斜部で平坦部より多いことを特徴とする印刷物。

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