JP2021066132A - 印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置、並びに印刷物及び印刷物製造セット - Google Patents

印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置、並びに印刷物及び印刷物製造セット Download PDF

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Abstract

【課題】優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物が得られると共に、長期間に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持する堅牢性に優れる印刷物が得られる印刷物の製造方法を提供する。【解決手段】基材11上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層13を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層18を形成するフィラー含有層形成工程と、インク20を付与して画像を形成する画像形成工程と、を含む、印刷物23の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置、並びに印刷物及び印刷物製造セットに関する。
インクジェット方式によるデジタル印刷は、近年、紙以外に樹脂や金属、木材、ガラス、セラミック及びそれらの複合材料といった様々な基材への印刷に用いられている。これらは対象とするアプリケーションにより適宜選択され、例えば食品等の包装材では樹脂フィルムやフォイル(箔包装材)などに、壁や天井、床、家具等の表面装飾といった用途では樹脂フィルム、樹脂含浸紙、樹脂板(例えば、アクリル板)や、金属(例えば、スチールやアルミ等の複合材)、セラミックス(例えば、陶磁器、セメント、石膏ボードなど)、木材(例えば、MDF、HDF、パーティクルボード、合板)等への印刷が行われている。
このうち壁や天井、間仕切、床、家具、家電等の表面装飾印刷分野においては、三次元的な立体感による豪華な装飾効果の付与を目的として、木目や石目など単なる二次元的なパターンの印刷だけでなく、前記パターンに同調した高い凹凸構造を付与する印刷技術が着目されている。
近年、消費者ニーズの多様化に伴いデジタル化が注目を集める中、インクジェットによる凹凸形成方式は、紫外線硬化樹脂をインクジェットで積層し凹凸構造を形成する積層方式、各種発泡剤を添加した熱硬化型樹脂を用いて印刷物を製造し、その後で発泡剤を発泡させ凹凸構造を形成する発泡方式などが提案されてきている(例えば、特許文献1及び2参照)。
本発明は、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物が得られると共に、長期間に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持する堅牢性に優れる印刷物が得られる印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の印刷物の製造方法は、基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成工程と、インクを付与して画像を形成する画像形成工程と、を含む。
本発明によると、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物が得られると共に、長期間に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持する堅牢性に優れる印刷物が得られる印刷物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。
(印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置)
本発明の印刷物の製造方法は、基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成工程と、インクを付与して画像を形成する画像形成工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の印刷物の製造装置は、基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成手段と、フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成手段と、インクを付与して画像を形成する画像形成工程と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の印刷物の製造方法は、本発明の印刷物の製造装置を用いて好適に実施することができ、前記体積膨張剤含有層形成工程は前記体積膨張剤含有層形成手段により好適に実施することができ、前記フィラー含有層形成工程は前記フィラー含有層形成手段により好適に実施することができ、前記画像形成工程は前記画像形成手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は前記その他の手段により好適に実施することができる。
本発明者らは、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物が得られると共に、長期間に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持する堅牢性に優れる印刷物が得られる印刷物の製造方法について検討したところ以下の知見を得た。
発泡方式の従来技術は、積層方式の従来技術と比べて軽量化や材料使用量を削減することができる。しかし、発泡方式は発泡により内部に形成された空隙が内部欠陥となることで応力集中が引き起こされるため、発泡体の強度を向上させる必要があるという問題が残っている。強度向上のために、発泡体の表面にスキン層と呼ばれる未発砲層を設け発泡体の機械的強度を改善する方法や、発泡時の気泡径自体を10μm以下に微小化することで強度特性を改善する方法も提案されているが、製造工程が複雑となり結局コスト高となってしまう。
また、発泡方式及び積層方式の従来技術のいずれも凹凸構造上に印刷パターンを形成する方式であるため、建材用の装飾印刷用途においては表面の擦りや引っ掻きによる耐性は不十分であり、オーバーコート組成物を塗工する方法等により画像堅牢性を向上させる必要がある。
しかし、オーバーコート層を設けることで凹凸構造が埋められてしまうため、意匠性が低下してしまうという問題がある。
本発明においては、体積膨張剤を含有する層の他にフィラーを含有する層を設けることによって、凹凸構造による高い意匠性を維持したまま、体積膨張層の強度を向上させ、かつ、印刷物の耐摩耗性などの堅牢性を向上させた印刷物を得ることができることを見出した。
<体積膨張剤含有層形成工程及び体積膨張剤含有層形成手段>
前記体積膨張剤含有層形成工程は、基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する工程である。
前記体積膨張剤含有層形成手段は、基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する手段である。
前記体積膨張剤含有層形成工程は、前記体積膨張剤含有層形成手段により好適に実施することができる。
なお、本発明において、体積膨張(発泡)前の層を体積膨張剤含有層と称し、体積膨張(発泡)後の層を体積膨張層と称する。
<<基材>>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂フィルム、樹脂含浸紙、合成繊維からなる合成紙、天然紙、不織布等のシート、布、レザー、木材、建築用材料、金属、ガラス、セラミックス及びそれらの複合材料などが挙げられる。
前記樹脂フィルム(又はシート)としては、例えば、ポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム;ポリエチレンフィルム;ナイロン、ビニロン、アクリル、メラミン等のプラスチックフィルム(又はシート)、又は前記フィルムの貼り合わせたものなどが挙げられる。
前記樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強度の点から、一軸又は二軸延伸されていることが好ましい。
前記金属としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガルバリウム鋼板(登録商標)やアルミシート、熱可塑性の樹脂等をアルミニウムシートで挟んだアルミニウム複合材料などが挙げられる。
前記セラミックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不燃建材の代表的な素材として石膏ボードやケイカル板などが挙げられる。
前記不織布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン繊維をシート状に散布し、熱圧着させてシート状に形成したものなどが挙げられる。
前記木材としては、例えば、MDF(medium density fiberboard、中密度繊維板)、HDF(High Density Fiberboard、高密度繊維板)、パーティクルボード、合板などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記建築用材料としては、例えば、床材、壁紙、内装材、壁板材、巾木材、天井材、柱などで使用される熱硬化性樹脂、繊維版、パーティクルボード、または上記素材の表面に、熱硬化性樹脂、オレフィン、ポリエステル、PVC等の化粧板を設けたものが挙げられる。
<<体積膨張剤含有液>>
前記体積膨張剤含有液は、体積膨張剤を含有し、更に必要に応じて重合性化合物、重合開始剤、その他の成分を含有する。
−体積膨張剤−
前記体積膨張剤としては、例えば、熱膨張性マイクロカプセル、熱分解性体積膨張剤などが挙げられる。これらの中でも、高体積膨張倍率を有し、均一で小さい独立気泡を形成できる点から、熱膨張性マイクロカプセルが好ましい。なお、前記体積膨張剤は発泡剤と称することもある。
前記熱膨張性マイクロカプセルは、体積膨張剤を熱可塑性樹脂で包み込んだコアシェル構造の粒子であり、加熱により外殻の熱可塑性樹脂が軟化を始めると共に、内包された前記体積膨張剤の蒸気圧が上昇して粒子を変形させるのに十分な圧力となり、外殻の熱可塑性樹脂が引き伸ばされて膨張する。前記体積膨張剤としては、例えば、低沸点の脂肪族炭化水素などが挙げられる。
前記低沸点の脂肪族炭化水素としては、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン、イソオクタン、イソドデカンなどが挙げられる。
前記熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、積水化学工業株式会社製のアドバンセルEMシリーズ、AkzoNovel社製のExpancellDU、WU、MB、SL、FGシリーズ(日本国内では日本フィライト株式会社が販売)、松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアーF、FNシリーズ、株式会社クレハ製のクレハマイクロスフェアーH750、H850、H1100などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱分解性体積膨張剤としては、例えば、有機系体積膨張剤、無機系体積膨張剤などが挙げられる。
前記有機系体積膨張剤としては、例えば、アゾジカルボン酸アミド(ADCA)、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機系体積膨張剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩と有機酸塩の組合せなどが挙げられる。
前記体積膨張剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積膨張剤含有液の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、熱硬化型化合物、活性エネルギー線硬化型化合物などが挙げられる。これらの中でも、前記熱硬化型化合物に比べ前記活性エネルギー線硬化型化合物は架橋密度が向上し、強度特性に有利である点から、活性エネルギー線硬化型化合物がより好ましい。前記活性エネルギー線硬化型化合物としては、アクリル樹脂が好ましい。
前記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線などが挙げられる。
前記重合性化合物としては、単官能モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
−−単官能モノマー−−
前記単官能モノマーは、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に1つ有する。
前記単官能モノマーとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ホルマール化トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(メタ)アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジシクロペンタジエンビニルエーテル、トリシクロデカンビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルオキセタンメチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エトキシ(4)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ガラス転移温度(Tg)が高く、堅牢性が良好な点から、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記単官能モノマーの含有量は、体積膨張剤含有液の全量に対して、80質量%以上99.5質量%以下が好ましく、90質量%以上95質量%以下がより好ましい。
−−多官能モノマー−−
前記多官能モノマーは、ビニル基、アクリロイル基、又はメタクリロイル基を分子構造中に2つ以上有する化合物である。
前記多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート〔CH=CH−CO−(OC)n−OCOCH=CH(n≒9)、同(n≒14)、同(n≒23)〕、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクレート〔CH=C(CH)−CO−(OC−OCOC(CH)=CH(n≒7)〕、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、エトキシ化(4)ビスフェノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多官能モノマーの[分子量/官能数量]は250以上であることが、体積膨張性と堅牢性を両立できる点から好ましい。
前記体積膨張剤含有液における前記多官能モノマーの含有量は、前記重合性化合物の全量に対して、10質量%以下であり、1質量%以下が好ましい。また、前記多官能モノマーの含有量は、前記重合性化合物の全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。前記多官能モノマーの含有量が、重合性化合物の全量に対して、10質量%以下であると、意匠性(体積膨張性)と堅牢性を両立できる。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられる。これらの中でも、凹凸形状による意匠性及び画像品質の耐久性の点から、光重合開始剤がより好ましい。
前記光重合開始剤としては、前記活性エネルギー線のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、前記重合性化合物の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤、塩基発生剤等を、1種単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、これらの中でも、ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
前記重合開始剤の含有量は、十分な硬化速度を得るために、体積膨張剤含有液の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、アシルフォスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(例えば、チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物などが挙げられる。
また、上記重合開始剤に加え、重合促進剤(増感剤)を併用することもできる。
前記重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルベンジルアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン化合物などが挙げられる。
前記重合促進剤の含有量は、特に制限はなく、使用する重合開始剤やその量に応じて適宜設定すればよい。
−その他の成分−
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、充填剤、体積膨張促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤などが挙げられる。
−−充填剤−−
前記充填剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。
−−体積膨張促進剤−−
前記体積膨張促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナフテン酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、2−エチルペンタン酸亜鉛、2−エチル−4−メチルペンタン酸亜鉛、2−メチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、イソオクチル酸亜鉛、n−オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、イソデカン酸亜鉛、n−デカン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、リノ一ル酸亜鉛、リノレイン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、安息香酸亜鉛、o、m又はp−トルイル酸亜鉛、p−t−ブチル安息香酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フタル酸亜鉛、フタル酸モノアルキル(炭素数4〜18)エステルの亜鉛塩、デヒドロ酢酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、アミノクロトン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、ジンクピリチオン、尿素又はジフェニル尿素の亜鉛錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−増粘剤−−
前記増粘剤としては、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
−−防腐剤−−
前記防腐剤は、従来から使用されモノマーの重合を開始させないもの、例えば、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、クロロクレゾールなどが挙げられる。
−−安定剤−−
前記安定剤は、貯蔵中のモノマーの重合を抑制する目的を果たし、アニオン性安定剤、フリーラジカル安定剤などが挙げられる。
前記アニオン性安定剤としては、例えば、メタリン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アルキルスルホン酸、五酸化リン、塩化鉄(III)、酸化アンチモン、2,4,6−トリニトロフェノール、チオール、アルキルスルホニル、アルキルスルホン、アルキルスルホキシド、亜硫酸アルキル、スルトン、二酸化硫黄、三酸化硫黄などが挙げられる。
前記フリーラジカル安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、カテコール、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
[体積膨張剤含有液の調製]
本発明に用いられる体積膨張剤含有液は、上述した各種成分を用いて調製することができ、その調製手段や条件については特に限定されない。
前記基材上に、体積膨張剤含有液を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗工方法、インクジェット方式などが挙げられる。
前記体積膨張剤含有層(体積膨張前の領域)の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上が好ましく、プロセスの実用面から50μm以上150μm以下が特に好ましい。
また、前記体積膨張層(体積膨張後の領域)の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm以上が好ましく、400μm以上がより好ましい。前記体積膨張層(体積膨張後の領域)の平均厚みが、100μm以上であると、高低差のある凹凸構造を形成することができ、装飾効果(意匠性)の高い印刷物を提供することができる。
<フィラー含有層形成工程及びフィラー含有層形成手段>
前記フィラー含有層形成工程は、フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成する工程である。
前記フィラー含有層形成手段は、フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成する手段である。
前記フィラー含有層形成工程は、前記フィラー含有層形成手段により好適に実施することができる。
前記フィラー含有層は、前記体積膨張剤含有層上に形成することが好ましい。
<<フィラー含有液>>
前記フィラー含有液は、フィラーを含有し、重合性化合物、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−フィラー−
前記フィラーとしては、印刷物の耐摩耗性及び耐傷性などの堅牢性を向上させ、光透過性が高いものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記フィラーとしては、その屈折率が1.46以上1.58以下であることが好ましい。前記フィラーの屈折率が、1.46以上1.58以下であると、一般的なオレフィンやアクリル樹脂は屈折率がおよそこの範囲にあることから、透明性の高いフィラー含有層を形成することができる。即ち、1.46以上1.58以下であると、後述する画像を内包する重合性化合物とフィラーの屈折率差を小さくすることができ、フィラーの散乱を低減し画像の光透過性を向上させ、画像濃度の不均一性や画像解像度の低下を抑制した印刷物を提供することができる。
前記フィラーの屈折率の測定方法としては、例えば、フィラーをアクリル系の重合性化合物に分散してフィラー液とし、これをスピンコートによりシリコンウエハ上に成膜して屈折率測定用のサンプルとし、市販の分光エリプソメータにより測定することができる。
前記フィラーとしては、例えば、無機フィラーなどが挙げられる。
前記無機フィラーの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、シリカ、アルミナなどが好ましい。これらの中でもガラスが好ましい。前記無機フィラーの材質がガラスであると、ガラスの組成を調整するだけで様々な物性の制御を容易に行うことできる。一般にフィラーとして使用されている溶融シリカ(屈折率1.46)、結晶質シリカ(屈折率1.55)、水酸化アルミニウム(屈折率1.58)は物質固有の屈折率を有するため、透明性を得るためにはフィラー含有液の屈折率を調整する必要がある。しかし、例えば、フィラー含有液が重合性化合物としてアクリル系の紫外線硬化型樹脂を含有する場合、ガラスフィラーの特徴である屈折率調整の自由度を生かし、フィラーと重合性化合物からなる樹脂の屈折率を容易にあわせることが可能であることから、これによりフィラー含有層の光透過率(透明性)をコントロールできる。
前記ガラスとしては、例えば、Eガラスのような無アルカリ珪酸塩ガラス、Cガラスのような含アルカリ珪酸塩ガラスまたは通常のソーダライムガラスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フィラーは、樹脂に分散させるための表面処理がおこなわれているものが好ましい。このようなフィラーとしては、市販品を用いることができ、例えば日本無機株式会社製のフィラトミクタシリーズなどが挙げられる。
前記フィラーの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鱗片状、繊維状、粉末状、ビーズ状などの形態などが挙げられる。
前記フィラーの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記フィラーの大きさとしては、その形状が球形及び略球形並びに繊維状のフィラーが球形になったものである場合には、前記フィラーの平均一次粒径としては、0.1μm以上1.0μm以下が好ましい。前記フィラーの平均一次粒径が、0.1μm以上1.0μm以下であると、フィラー含有液におけるフィラーの沈降を抑制して良好な分散性を得ることができる。また、一次粒子が凝集した場合でも最大でほぼ5μm以下とすることができるため、前記体積膨張層との接着性を保つことが可能となり、印刷物の耐摩耗性を向上させることができる。
前記平均一次粒径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粒子径の測定には、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置MT3000II(マイクロトラック・ベル株式会社製)などが挙げられる。
前記印刷物の前記フィラー含有層に含まれる前記フィラーの平均一次粒径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記印刷物を採取し、クロロホルム中で撹拌後、電子顕微鏡でフィラーの直径を観察及び測定し、前記フィラーの平均一次粒径を確認することができる。
また、前記フィラーの大きさとしては、その形状が繊維状である場合には、その長辺の平均長さが0.6μm以上5μm以下であることが好ましい。
前記フィラー含有液中のフィラーの含有量として0.1質量%以上20質量%以下が好ましく0.1質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記フィラー含有液中のフィラーの含有量が、0.1質量%以上20質量%以下であると、印刷物の耐擦性を高めるとともに、体積膨張層との密着性を高め、良好な画像品質の印刷物を得ることができる。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、前記体積膨張剤含有液に用いたものと同様のものを用いることができる。
前記フィラー含有液における多官能モノマー及び多官能オリゴマーの含有量としては、前記フィラー含有液における前記重合性化合物全量に対して、50質量%以上が好ましい。前記フィラー含有液における多官能モノマー及び多官能オリゴマーの含有量が、前記フィラー含有液における前記重合性化合物全量に対して、50質量%以上であると、印刷物表面の耐擦過性及び耐傷性を向上させることができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、重合開始剤、充填剤、体積膨張促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤などが挙げられる。これらは前記体積膨張剤含有液に用いたものと同様のものを用いることができる。
また、前記フィラー含有液の静的表面張力を調整するために、界面活性剤を含有してもよい。
−色材−
前記色材としては、特に制限はなく、目的に応じてブラック、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、パープル、ホワイト、金や銀等の光沢色、などを付与する種々の顔料を用いることができる。
前記色材の含有量は、所望の色濃度やインク中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、インクの全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。
前記色材としては、無機顔料、有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
前記有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。
また、前記顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
前記分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
前記界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸プロピレングリコールなどのグリコール脂肪酸エステル、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、POE(4.2)ラウリルエーテル、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(10)セチルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、POE(15)セチルエーテル、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、POE(15)オレイルエーテル、POE(100)硬化ヒマシ油、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤の含有量としては、前記フィラー含有液の全量に対して、0.1質量%以上2質量%以下含まれることが好ましい
前記フィラー含有液の物性としては、25℃における静的表面張力が後述するインクよりも低いことが好ましい。前記フィラー含有液の25℃における静的表面張力が後述するインクよりも低いと、前記インクを前記フィラー含有層上に付与したときに形成される画像は、前記フィラー含有層の液内部に入り込みドットを形成することができる。
前記静的表面張力は、例えば、協和界面科学製自動表面張力計DY−300により、プレート法やリング法で測定することができる。
前記フィラー含有液の25℃における粘度としては、100mPa・s以上20,000mPa・s以下が好ましい。
前記粘度は、例えば、アントンパール製レオメーターMCR301により、コーンプレートCP25−1を使用して、シアレート10/sの条件で測定することができる。
前記フィラー含有液の物性が上記範囲内であると、前記フィラー含有層の内部に後述するインクによる画像を形成することができ、印刷物表面の耐擦性、耐傷性を向上することができる。さらに、前記フィラー含有液の物性が上記範囲内であると、前記フィラー含有層が体積膨張剤含有層を体積膨張させた体積膨張層のスキン層として機能するため、印刷物の機械強度も同時に向上させることができる。
前記フィラー含有層の硬化前の平均厚みとしては、2μm以上50μm以下であることが好ましい。前記フィラー含有層の硬化前の平均厚みが、2μm以上50μm以下であると、印刷物表面の耐擦過性及び耐傷性を向上させることができる。
前記フィラー含有層の硬化後の平均厚みとしては、2μm以上50μm以下であることが好ましい。
前記フィラー含有層を形成する方法としては、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、スプレーコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法、ロールコート法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコート法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等の塗布ローラ等を用いる塗工方法、インクジェット法などが挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。
<画像形成工程及び画像形成手段>
前記画像形成工程は、インクを付与して画像を形成する工程である。
前記画像形成手段は、インクを付与して画像を形成する手段である。
前記画像形成工程は前記画像形成手段により好適に実施することができる。
前記画像は、前記フィラー含有層上に形成することが好ましい。
<<インク>>
前記インクは、色材を含有し、高い架橋密度により印刷物表面の耐擦過性及び耐傷特性を向上させる点から、重合性化合物及び重合開始剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−色材−
前記色材としては、本発明における色材組成物の目的や要求特性に応じて、ブラック、ホワイト、マゼンタ、シアン、イエロー、グリーン、オレンジ、金や銀等の光沢色などを付与する種々の顔料や染料を用いることができる。
前記色材の含有量は、所望の色濃度や組成物中における分散性等を考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、色材組成物の全量に対して、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができ、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(例えば、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料などが挙げられる。
また、前記顔料の分散性をより良好なものとするため、分散剤を更に含んでもよい。
前記分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散物を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、上記体積膨張剤含有液における重合性化合物と同様のものを用いることができる。
−重合開始剤−
前記重合開始剤としては、上記体積膨張剤含有液における重合開始剤と同様のものを用いることができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合開始剤、充填剤、体積膨張促進剤、分散剤、色材、有機溶媒、ブロッキング防止剤、増粘剤、防腐剤、安定剤、脱臭剤、蛍光剤、紫外線遮断剤などが挙げられる。
−−有機溶媒−−
本発明に用いられるインクは、有機溶媒を含んでもよいが、可能であれば含まない方が好ましい。有機溶媒、特に揮発性の有機溶媒を含まない(VOC(Volatile Organic Compounds)フリー)組成物であれば、当該組成物を扱う場所の安全性がより高まり、環境汚染防止を図ることも可能となる。なお、「有機溶媒」とは、例えば、エーテル、ケトン、キシレン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、トルエンなどの一般的な非反応性の有機溶媒を意味するものであり、反応性モノマーとは区別すべきものである。また、有機溶媒を「含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、0.1質量%未満であることが好ましい。
[インクの調製]
本発明に用いられるインクは、上述した各種成分を用いて作製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、色材としての顔料、分散剤等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミルなどの分散機に投入し、分散させて顔料分散液を調製し、当該顔料分散液に、更に重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを混合させることにより調製することができる。
前記インクの粘度は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、当該インクをノズルから吐出させるような吐出手段を適用する場合には、20℃から65℃の範囲における粘度、望ましくは25℃における粘度が3mPa・s以上40mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましく、6mPa・s以上12mPa・s以下が特に好ましい。また当該粘度範囲を、上記有機溶媒を含まずに満たしていることが特に好ましい。なお、上記粘度は、東機産業株式会社製コーンプレート型回転粘度計VISCOMETER TVE−22Lにより、コーンロータ(1°34’×R24)を使用し、回転数50rpm、恒温循環水の温度を20℃〜65℃の範囲で適宜設定して測定することができる。循環水の温度調整にはVISCOMATE VM−150IIIを用いることができる。
前記インクの静的表面張力は、用途や適用手段に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、インクジェットヘッドのノズルから吐出させるのに適した表面張力であって、かつフィラーを有する液体材料内部でのドット形成が可能となるようフィラーを有する液体材料の25℃における静的表面張力以上で調整する必要ことが好ましい。
前記静的表面張力の測定方法としては、前記フィラー含有液における静的表面張力の測定方法と同様にして、協和界面科学製自動表面張力計DY−300により、プレート法やリング法で測定することができる。
前記画像を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、生産性や少ロット多品種へのフレキシブル対応が可能な点から好ましい。
インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、体積膨張抑制剤含有液付与工程、エネルギー付与工程、体積膨張工程、エンボス加工工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、体積膨張抑制剤含有液付与手段、エネルギー付与手段、体積膨張手段、エンボス加工手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程は前記その他の手段により好適に実施することができる。
<<体積膨張抑制剤含有液付与工程及び体積膨張抑制剤含有液付与手段>>
前記体積膨張抑制剤含有液付与工程は体積膨張抑制剤を含有する体積膨張抑制剤含有液を、前記体積膨張剤含有層における所定の領域に付与する工程である。
前記体積膨張抑制剤含有液付与手段は、体積膨張抑制剤を含有する体積膨張抑制剤含有液を、前記体積膨張剤含有層における所定の領域に付与する手段である。
前記体積膨張抑制剤含有液付与工程は前記体積膨張抑制剤含有液付与手段により好適に実施することができる。
ここで、前記体積膨張剤含有層における所定の領域としては、例えば、製造する印刷物における凹凸のデータに基づいて特定することができる。前記体積膨張抑制剤含有液付与工程においては、例えば、製造する印刷物における凹凸のデータで、凹部(前記体積膨張剤含有層を体積膨張させない領域)となっている前記体積膨張剤含有層の領域に、前記体積膨張抑制剤含有液を付与して接触させ、後述する体積膨張工程における前記体積膨張剤含有層の体積膨張を抑制して、任意の凹凸形状を形成することができる。
前記体積膨張抑制剤含有液としては、多官能重合性化合物が用いられる。
前記多官能重合性化合物としては、前記体積膨張剤含有液における多官能モノマーと同様のものを用いることができ、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ−ト、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレンクリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。また、異なる多官能モノマーの混合物、多官能モノマーと単官能モノマーを混合物や、多官能を有するオリゴマーと単官能モノマーの混合物、単官能モノマー、多官能モノマー、多官能を有するオリゴマーとの混合物を用いることができる。
前記体積膨張抑制剤含有液が多官能重合性化合物であることにより、前記多官能重合性化合物はエネルギー付与により3次元架橋するので、前記体積膨張剤含有層の任意の場所に多官能重合性化合物を付与しエネルギーを付与することで体積膨張のオンオフを制御でき、印刷物に優れた凹凸形状による意匠性を付与することができるという利点がある。
前記体積膨張抑制剤含有液を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が、様々な体積膨張パターン(体積膨張抑制パターン)に対してフレキシブルに対応できる点から好ましい。
前記インクジェット方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンデマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
前記体積膨張抑制剤含有液の付与量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記体積膨張剤含有層の表面積に対して0.01pL/μm以上3pL/μm以下が好ましい。
<<エネルギー付与工程及びエネルギー付与手段>>
前記エネルギー付与工程は、前記基材上の各層へエネルギーを付与する工程である。
前記エネルギー付与手段は、前記基材上の各層へエネルギーを付与する手段である。
前記エネルギー付与工程は前記エネルギー付与手段により好適に実施することができる。
前記エネルギーとしては、例えば、熱、活性エネルギー線などが挙げられる。
前記エネルギーが熱エネルギーである場合には、熱エネルギーを前記体積膨張剤含有層に付与することにより、前記体積膨張剤含有層は硬化すると共に、体積膨張する。また、前記体積膨張剤含有層に前記体積膨張抑制剤含有液が付与された箇所も3次元架橋する。また、前記画像が重合性化合物を含有している場合には、熱エネルギーの付与により前記画像が硬化する。前記画像が重合性化合物を含有していない場合には、熱エネルギーの付与により前記画像が乾燥する。
前記熱エネルギーの付与は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
前記加熱の温度としては、体積膨張剤含有層及び硬化前の画像の熱硬化が可能であり、かつ体積膨張剤の熱分解温度以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上200℃以下が好ましい。
前記エネルギーが活性エネルギー線である場合には、前記活性エネルギー線を前記体積膨張剤含有層に照射することにより前記体積膨張剤含有層が硬化する。また、前記画像が重合性化合物を含む場合には、前記活性エネルギー線の照射により前記画像が硬化する。前記画像が重合性化合物を含まない場合には、前記活性エネルギー線の照射により前記画像は変化しない。前記エネルギーが前記活性エネルギー線である場合には、更に前記体積膨張剤含有層を加熱して体積膨張させる体積膨張工程を含むことが好ましい。
−活性エネルギー線−
前記活性エネルギー線としては、紫外線の他、電子線、α線、β線、γ線、X線等の、組成物中の重合性成分の重合反応を進める上で必要なエネルギーを付与できるものであればよく、特に限定されない。特に高エネルギーな光源を使用する場合には、重合開始剤を使用しなくても重合反応を進めることができる。また、紫外線照射の場合、環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、紫外線発光ダイオード(UV−LED)及び紫外線レーザダイオード(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、紫外線光源として好ましい。
硬化条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線の場合には、照射距離2mmにおいて6W/cm以上の強度で照射できる照射装置を用いることが好ましい。
電子線の場合には、硬化させたい電子線照射装置から最も遠い箇所に15kGy以上の線量となる加速電圧であることが好ましい。
<<体積膨張工程及び体積膨張手段>>
前記体積膨張工程は、前記体積膨張剤含有層を加熱して体積膨張層を形成する工程である。
前記体積膨張手段は、前記体積膨張剤含有層を加熱して体積膨張層を形成する手段である。
前記体積膨張工程は前記体積膨張手段により好適に実施することができる。
前記体積膨張工程としては、前記エネルギー付与工程の後に行うことが好ましい。
前記体積膨張手段としては、加熱により体積膨張剤含有層の体積膨張剤を体積膨張させて体積膨張層を形成することができる手段であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラーなどが挙げられる。
前記加熱の温度としては、体積膨張剤の熱分解温度以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上200℃以下が好ましい。
<<エンボス加工工程及びエンボス加工手段>>
前記エンボス加工工程は、体積膨張層及び画像に凹凸模様を形成する工程であり、エンボス加工手段により実施される。
前記凹凸模様としては、通常、壁紙、化粧材等に凹凸を付与する目的で使用されるエンボス加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン加工、又は盛り上げ印刷等の方法を選択使用することができる。
前記エンボス加工工程としては、例えば、エンボス版を用いる加工、ケミカルエンボス加工、ロータリースクリーン、又は盛り上げ印刷により凹凸を付与する方法などが挙げられる。
前記エンボス加工によるエンボスの深さとしては、0.025mm以上0.50mm以下が好ましい。前記エンボスの深さが、0.025mm以上であれば立体感を向上することができる。
エンボス加工により形成される凹凸模様の形状としては、例えば、木目版導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝などが挙げられる。
ここで、本発明の印刷物の製造方法に用いられる本発明の印刷物の製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の印刷物の製造装置の一例を示す概略図である。この図1の印刷物の製造装置は、基材11上に体積膨張剤及び重合性化合物を含有する体積膨張剤含有液を付与する付与装置12と、インクジェット法で体積膨張抑制剤含有液15を付与するためのヘッドユニット14と、体積膨張剤含有液13及び体積膨張抑制剤含有液15を同時に硬化するための活性エネルギー線照射装置16と、フィラー及び重合性化合物を含有するフィラー含有液を付与するための付与装置17と、色材及び重合性化合物を含有するインク20をインクジェット法で付与するためのヘッドユニット19と、フィラー含有液及びインク20を同時に硬化するための活性エネルギー線照射装置21と、加熱装置22を有している。
まず、基材11の表面に、体積膨張剤含有液を塗布ローラー12により塗布して、体積膨張剤含有層13を形成する。
次に、体積膨張剤含有層13が形成された基材11を所定の速度で走査させ、体積膨張抑制剤含有液用ヘッド14から体積膨張抑制剤含有液を体積膨張剤含有層13の体積膨張させたくない領域に吐出する。
次に、体積膨張剤含有層13上にフィラー含有液を塗布ローラー17により塗布して、フィラー含有層18を形成する。
次いで、ブラック用ヘッドK、シアン用ヘッドC、マゼンタ用ヘッドM、及びイエロー用ヘッドYの各色用ヘッドから、ブラック用、シアン用、マゼンタ用、及びイエロー用のインク20をインクジェット方式で吐出して、硬化前の画像を形成する。
次に、体積膨張剤含有層13に対して活性エネルギー線照射装置21を用い、所定の照射条件で活性エネルギー線を照射し、フィラー含有層18及び画像を硬化する。
次に、得られた硬化物に対して、加熱装置22により加熱すると、加熱した箇所の体積膨張剤含有層13が体積膨張し、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物を得ることができる。
本発明の印刷物の製造方法及び本発明の印刷物の製造装置により製造される印刷物は、優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を有する印刷物が得られると共に、長期間に亘って優れた凹凸形状による意匠性及び画像品質を保持することができるので、例えば、床材、壁紙、内装材、壁材、巾木材、天井材、柱等の建築用材料などの用途に好適である。
(印刷物)
本発明の印刷物は、基材と、体積膨張層と、平均一次粒径が0.1μm以上1.0μm以下のフィラーを含有するフィラー含有層と、画像を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記基材、前記体積膨張層、前記フィラー含有層、及び前記画像としては、本発明の印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置にて説明したものと同様のものである。
(印刷物製造セット)
本発明の印刷物の製造方法に用いられる印刷物製造セットであって、前記体積膨張剤を含有する前記体積膨張剤含有液と、前記フィラーを含有する前記フィラー含有液、前記色材を含むインクと、を有し、更に必要に応じてその他の材料を有する。
前記体積膨張剤含有液、前記フィラー含有液、及び前記インクとしては、本発明の印刷物の製造方法及び印刷物の製造装置にて説明したものと同様のものである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<体積膨張剤含有液の調製>
重合性化合物としてメトキシトリエチレングリコール#400アクリレート(新中村化学工業株式会社製)90質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(巴工業株式会社製)10質量部、及び体積膨張剤としてクレハマイクロスフェアー(株式会社クレハ製、H750)15質量部を混合撹拌することにより体積膨張剤含有液を調製した。
<フィラー含有液1の調製>
重合性化合物として2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)84.9質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)0.1質量部、フィラーとしてシリカ(平均一次粒径:0.6μm、屈折率:1.46)を10質量部となるように混合撹拌することにより、フィラー含有液1を調製した。上記フィラー含有液の25℃における静的表面張力は29mN/m、25℃における粘度は160mPa・sであった。
<インクの調製>
<<ブラックインクの調製>>
重合性化合物としてフェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)25質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)27質量部、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製)35質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5.0質量部、界面活性剤/分散剤としてSolsperse32000(Lubrizol社製)1質量部、色材としてのSPECIAL BLACK 350(ブラック顔料、BASFジャパン社製)7質量部を撹拌することにより、ブラックインクを調製した。上記ブラックインクの25℃における静的表面張力は35mN/m、40℃における粘度は10mPa・sであった。
<<マゼンタインクの調製>>
重合性化合物としてフェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)25質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)27質量部、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製)35質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤/分散剤としてSolsperse32000(Lubrizol社製)1質量部、色材としてのCINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)7質量部を撹拌することにより、マゼンタインクを調製した。上記マゼンタインクの25℃における静的表面張力は35mN/m、40℃における粘度は10mPa・sであった。
<<シアンインクの調製>>
重合性化合物として、フェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)25質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)27質量部、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製)35質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤/分散剤としてSolsperse32000(Lubrizol社製)1質量部、色材としてのIRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)40質量部を撹拌することにより、シアンインクを調製した。上記シアンインクの25℃における静的表面張力は35mN/m、40℃における粘度は10mPa・sであった。
<<イエローインクの調製>>
重合性化合物としてフェノキシエチルアクリレート(東京化成工業株式会社製)25質量部、アクリロイルモルフォリン(東京化成工業株式会社製)27質量部、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社製)35質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤/分散剤としてSolsperse32000(Lubrizol社製)1質量部、色材としてのNOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)40質量部を撹拌することにより、イエローインクを調製した。上記イエローインクの25℃における静的表面張力は35mN/m、40℃における粘度は10mPa・sであった。
調製した体積膨張剤含有液、フィラー含有液1、インクと、体積膨張抑制剤含有液として多官能モノマー(1,6−ヘキサンジオールジアクリレ−ト)を用いて、図1に示す印刷物の製造装置を用いて印刷物1を得た。図1に示す印刷物の製造装置の詳細は以下の通りである。
<印刷物の製造装置>
<<インクジェットヘッド>>
吐出ヘッドとしては、株式会社リコープリンティングシステムズ製のGEN4ヘッド(MH2420)を用い、体積膨張抑制剤含有液用ヘッドと、画像印字用ヘッド(ブラック用ヘッドと、シアン用ヘッドと、マゼンタ用ヘッドと、イエロー用ヘッド)をそれぞれ並列に配置し、いずれも45℃に加温して、20pLの液滴サイズで描画できるよう、周波数をコントロールした。
<<活性エネルギー線照射装置>>
活性エネルギー線照射装置として、浜松ホトニクス製のリニア照射型UV−LED光源GJ−75を用いた。
<<加熱装置>>
また加熱装置としては、日立産機システム株式会社製のルテックスブロアGシリーズ、株式会社関西電熱製の高温熱風発生用電気式ヒーターXS−2、株式会社関西電熱製ハイブローノズル50ALを組み合わせて作製した加熱装置をノズル先端からの風速30m/secとなるように調整したものを用いた。
図1において基材11を図の左側から右側に向かって一定の速度で搬送し、搬送速度は15m/minと設定した。基材11として市販のアクリル板(100mm×100mm×2mmt)を用意し、前記体積膨張剤含有液を塗布ローラーにより平均厚みが100μmとなるよう塗布し、体積膨張剤含有層を形成した。
次いで、吐出ヘッド(14)から、前記体積膨張抑制剤含有液を体積膨張させたくない領域に吐出後、前記性エネルギー線照射装置を用い、前記体積膨張抑制剤含有液の吐出後3秒以内に、基材から10mmの照射距離で紫外線を照射し、前記体積膨張剤含有層と、前記体積膨張抑制剤含有液を同時に硬化した。
続いて、ローラーコーターを用いて前記フィラー含有液を硬化後の前記体積膨張剤含有層上に平均厚みが20μmとなるように塗布し、塗布後の前記フィラー含有液上に、吐出ヘッドユニット19から前記インクを画像パターンに従って吐出後、基材に対し10mmの照射距離から前記活性エネルギー線照射装置21を用いて紫外線を照射することで、前記フィラー含有液、及びインクを同時に硬化した。
最後に、前記加熱装置22により、体積膨張剤含有層を体積膨張させて体積膨張層を形成し、実施例1の印刷物1を製造した。
(実施例2)
実施例1において、フィラー含有液1を下記に示すフィラー含有液2に変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷物2を得た。
<フィラー含有液2の調製>
重合性化合物として2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)94.9質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)0.1質量部、フィラーとして平均一次粒径0.6μm、平均繊維長3μmであるAlを含む繊維状粒子(屈折率1.58)を10質量部となるように配合/撹拌することにより、フィラー含有液2を調製した。
(実施例3)
実施例2において、フィラー含有層の平均厚みを10μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、印刷物3を得た。
(実施例4)
実施例2において、フィラー含有液2を下記に示すフィラー含有液3に変更した以外は、実施例2と同様にして、印刷物4を得た。
<フィラー含有液3の調製>
重合性化合物として2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)94.9質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)0.1質量部、フィラーとしてSiO、Al、B、CaO、ZnOを含む平均一次粒径0.6μm、平均繊維長3μmのガラスフィラー(屈折率1.52)を10質量部となるように配合/撹拌することにより、フィラー含有液3を調製した。
(実施例5)
実施例3において、活性エネルギー線照射装置21の活性エネルギー線の照射条件を以下のように変更した以外は、実施例3と同様にして、印刷物5を得た。
<活性エネルギー線照射装置>
活性エネルギー線照射装置としては、電子線照射装置として岩崎電気株式会社製のEC300/30/30mAを用い、不活性ガスブランケット内は、不活性ガス源として、コンプレッサー付きN2ガス発生装置(Maxi−Flow30、Inhouse Gas社製)を0.2MPa・sの圧力で接続し、2L/分〜10L/分の流量でN2をフローさせ、酸素濃度が500ppm以下となるように設定した。
(実施例6)
実施例4において、フィラーをSiO、Al、B、CaO、ZnOを含む平均一次粒径0.5μm、平均繊維長2.5μmのガラスフィラー(屈折率1.52)に変更(フィラー含有液4)した以外は、実施例4と同様にして、印刷物6を得た。
(実施例7)
実施例4において、フィラーをSiO、Al、B、CaO、ZnOを含む平均一次粒径1μm、平均繊維長20μmのガラスフィラー(屈折率1.52)に変更(フィラー含有液5)した以外は、実施例4と同様にして、印刷物7を得た。
(実施例8)
実施例4において、フィラー含有液3を下記に示すフィラー含有液6に変更した以外は、実施例4と同様にして、印刷物8を得た。
<フィラー含有液6の調製>
重合性化合物として2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)84.9質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)0.1質量部、フィラーとしてSiO、Al、B、CaO、ZnOを含む平均一次粒径0.6μm、平均繊維長3μmのガラスフィラー(屈折率1.52)を20質量部となるように配合/撹拌することにより、フィラー含有液6を調製した。
(実施例9)
実施例4において、フィラー含有液3を下記に示すフィラー含有液7に変更した以外は、実施例4と同様にして、印刷物9を得た。
<フィラー含有液7調製>
重合性化合物として2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)84.9質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)0.1質量部、フィラーとしてSiO、Al、B、CaO、ZnOを含む平均一次粒径0.6μm、平均繊維長3μmのガラスフィラー(屈折率1.52)を40質量部となるように配合/撹拌することにより、フィラー含有液7を調製した。
(実施例10)
実施例4において、フィラー含有液3を下記に示すフィラー含有液8に変更した以外は、実施例4と同様にして、印刷物10を得た。
<フィラー含有液8の調製>
重合性化合物として2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)94.8質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)0.1質量部、フィラーとしてSiO、Al、B、CaO、ZnOを含む平均一次粒径0.1μm、平均繊維長2.5μmのガラスフィラー(屈折率1.52)を0.1質量部となるように配合/撹拌することにより、フィラー含有液8を調製した。
(実施例11)
実施例2において、フィラー含有層の平均厚みを50μmに変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物11を得た。
(実施例12)
実施例2において、フィラー含有液を市販のグラビアコーターを用い平均厚みが2μmとなるように塗布することに変更した以外は、実施例2と同様にして印刷物12を得た。
(実施例13)
実施例4において、フィラー含有液3を下記に示すフィラー含有液9に変更した以外は、実施例4と同様にして、印刷物13を得た。
<フィラー含有液9の調製>
重合性化合物として2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)94.8質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)0.1質量部、フィラーとしてSiO、Al、B、CaO、ZnOを含む平均一次粒径0.6μm、平均繊維長3μmのガラスフィラー(屈折率1.52)を0.1質量部となるように配合/撹拌することにより、フィラー含有液9を調製した。
(比較例1)
実施例4において、フィラー含有液3を下記に示すフィラー非含有液に変更した以外は、実施例4と同様にして、印刷物10を得た。
<フィラー非含有液の調製>
重合性化合物として2−アクリロイルオキシエチルサクシネート(新中村化学株式会社製)94.9質量部、開始剤としてOmnirad TPO(IGM Resins社製)5質量部、界面活性剤としてBYK−UV−3510(BYK社製)0.1質量部となるように配合及び撹拌することにより、フィラーを含まない液を調製した。
Figure 2021066132
実施例及び比較例において、優れた凹凸形状による意匠性有する印刷物が得られた。
次に、得られた実施例及び比較例の各印刷物について、以下のように堅牢性の評価として「耐摩耗性」を、画像品質の評価として「密着性」及び「光沢度」を評価した。
<耐摩耗性>
得られた印刷物をJIS K 7204に従いテーバー摩耗法により評価した。
[条件]
摩耗輪としてCS−5摩耗輪を使用し、得られた印刷物の表面を荷重1kg、3,000回転の条件で行った。
磨耗試験後の印刷物において、eXact(X−rite製)によりブラックのベタ画像部分について任意5か所を計測し、その発色濃度の平均値により耐摩耗性を評価した。なお、評価が「△」以上であれば、実使用に問題のないレベルである。
[評価基準]
◎:発色濃度の平均値が1.5超
〇:発色濃度の平均値が1.3超1.5以下
△:発色濃度の平均値が1.1超1.3以下
×:発色濃度の平均値が1.1以下
<密着性>
得られた印刷物をJIS K 5600−5−6に従い密着性を評価した。
[条件]
得られた印刷物に対しフィラー層まで達するようカッターで切り込みをいれ碁盤目状のマス目を作り、その上から粘着テープを貼って勢いよくはがし、作成した100マス目のうち粘着テープ側に移行せず残存したマス目を計数することで判定した。
[評価基準]
◎:残存したマス目が100
〇:残存したマス目が95以上
△:残存したマス目が90以上
×:残存したマス目が90未満
<光沢度>
フィラー含有による、画質への影響を評価するため、得られた印刷物の光沢度を評価した。
[条件]
得られた印刷物の画像ベタ部に対し、任意5か所で60°光沢(光沢度)をマイクロ−グロス光沢計(BYK−Gardner社製)を用いて計測し、その平均値算出した。対象試験として比較例1を用い同様に任意5か所で60°光沢(光沢度)をマイクロ−グロス光沢計(BYK−Gardner社製)を用いて計測し、その平均値算出した。
各実施例で得た印刷物のベタ画像の60°光沢(光沢度)の各平均値を比較例1のベタ画像の60°光沢(光沢度)の平均値で除して百分率で表した値を下記基準で判定した。なお、評価が「△」(5%未満)は従来と同等又は改善が認められないものと判断した。
[評価基準]
◎:値(光沢度)が20%以上
〇:値(光沢度)が10%以上20%未満
△:値(光沢度)が5%以上10%未満
×:値(光沢度)が5%未満
耐摩耗性評価及び密着性評価を行った結果、比較例の印刷物以外は摩耗輪による磨耗痕は見られず、フィラー含有層の効果により実施例1〜9において表面摩耗特性及び密着性に優れる印刷物が得られることを確認した。
Figure 2021066132
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成工程と、
インクを付与して画像を形成する画像形成工程と、を含むことを特徴とする印刷物の製造方法である。
<2> 前記フィラーの屈折率が、1.46以上1.58以下である、前記<1>に記載の印刷物の製造方法である。
<3> 前記フィラーが、ガラス繊維である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<4> 前記フィラーの平均一次粒径が、0.1μm以上1.0μm以下である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<5> 前記体積膨張剤含有液及び前記フィラー含有液の少なくともいずれかかが、重合性化合物を含有する、前記<1>から<4>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<6> 前記重合性化合物が、活性エネルギー線硬化型化合物である、前記<5>に記載の印刷物の製造方法である。
<7> 前記活性エネルギー線硬化型化合物が、アクリル樹脂を含有する、前記<6>に記載の印刷物の製造方法である。
<8> 更に、体積膨張抑制剤を含有する体積膨張抑制剤含有液を、前記体積膨張剤含有層における所定の領域に付与する体積膨張抑制剤含有液付与工程を含む、前記<1>から<7>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<9> 前記インクが、色材を含有する、前記<1>から<8>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<10> 更に、エネルギーを付与して前記重合性化合物を硬化させるエネルギー付与工程を含む、前記<5>から<9>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<11> 前記フィラー含有層を前記体積膨張剤含有層上に形成し、
前記画像を前記フィラー含有層上に形成する、前記<1>から<10>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<12> 前記フィラーの含有液中のフィラーの含有量が、0.1質量%以上10質量%以下である、前記<1>から<11>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<13> 前記フィラーが繊維状であり、前記フィラーの長辺の長さが0.6μm以上5μm以下である、前記<1>から<12>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<14> 基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を塗布ローラーを用いて付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
前記体積膨張剤含有層上にフィラーを含有するフィラー含有液を塗布ローラーを用いて付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成工程と、
前記フィラー含有層上にインクジェット法でインクを付与して画像を形成する画像形成工程と、を含む、前記<1>から<13>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<15> 前記体積膨張剤含有層形成工程後、インクジェット法で体積膨張抑制剤を含有する体積膨張抑制剤含有液を付与する工程と、を含む、前記<14>に記載の印刷物の製造方法である。
<16> 前記体積膨張剤含有液及び前記フィラー含有液の少なくともいずれかかが、重合性化合物を含有し、
前記画像形成工程後、エネルギーを付与して前記重合性化合物を硬化させるエネルギー付与工程を含む、前記<12>から<15>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<17> 前記エネルギー付与工程後、前記体積膨張剤含有層を加熱して体積膨張層を形成する体積膨張工程を含む、前記<1>から<16>のいずれかに記載の印刷物の製造方法である。
<18> 基材と、体積膨張層と、平均一次粒径が0.1μm以上1.0μm以下のフィラーを含有するフィラー含有層と、画像を有する、ことを特徴とする印刷物である。
<19> 前記フィラー含有層の平均厚みが、2μm以上50μm以下である、前記<18>に記載の印刷物である。
<20> 前記フィラー含有層が、色材を含有する、前記<18>から<19>のいずれかに記載の印刷物である。
<21> 基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成手段と、
フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成手段と、
インクを付与して画像を形成する画像形成手段と、を有することを特徴とする印刷物の製造装置である。
<22> 前記<1>から<17>のいずれかに記載の印刷物の製造方法に用いられる印刷物製造セットであって、
前記体積膨張剤を含有する前記体積膨張剤含有液と、
前記フィラーを含有する前記フィラー含有液、
前記色材を含む前記インクと、を有することを特徴とする印刷物製造セット。
前記<1>から<17>のいずれかに記載の印刷物の製造方法、前記<18>から<20>のいずれかに記載の印刷物、前記<21>に記載の印刷物の製造装置、及び前記<22>に記載の印刷物製造セットによると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
11 基材
12 塗布ローラー
13 体積膨張剤含有層
14 体積膨張抑制剤含有液を吐出するインクジェットヘッドユニット
15 体積膨張抑制剤含有液
16 活性エネルギー線照射装置
17 塗布ローラー
18 フィラー含有層
19 インクを吐出するインクジェットヘッドユニット
20 インク
21 活性エネルギー線照射装置
22 加熱装置
23 印刷物
特許第4420685号公報 特許第6447546号公報

Claims (20)

  1. 基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
    フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成工程と、
    インクを付与して画像を形成する画像形成工程と、を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
  2. 前記フィラーの屈折率が、1.46以上1.58以下である、請求項1に記載の印刷物の製造方法。
  3. 前記フィラーが、ガラス繊維である、請求項1から2のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  4. 前記フィラーの平均一次粒径が、0.1μm以上0.6μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  5. 前記体積膨張剤含有液及び前記フィラー含有液の少なくともいずれかかが、重合性化合物を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  6. 前記重合性化合物が、活性エネルギー線硬化型化合物である、請求項5に記載の印刷物の製造方法。
  7. 前記活性エネルギー線硬化型化合物が、アクリル樹脂を含有する、請求項6に記載の印刷物の製造方法。
  8. 更に、体積膨張抑制剤を含有する体積膨張抑制剤含有液を、前記体積膨張剤含有層における所定の領域に付与する体積膨張抑制剤含有液付与工程を含む、請求項1から7のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  9. 前記インクが、色材を含有する、請求項1から8のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  10. 更に、エネルギーを付与して前記重合性化合物を硬化させるエネルギー付与工程を含む、請求項5から9のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  11. 前記フィラー含有層を前記体積膨張剤含有層上に形成し、
    前記画像を前記フィラー含有層上に形成する、請求項1から10のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  12. 基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を塗布ローラーを用いて付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成工程と、
    前記体積膨張剤含有層上にフィラーを含有するフィラー含有液を塗布ローラーを用いて付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成工程と、
    前記フィラー含有層上にインクジェット法でインクを付与して画像を形成する画像形成工程と、を含む、請求項1から11のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  13. 前記体積膨張剤含有層形成工程後、インクジェット法で体積膨張抑制剤を含有する体積膨張抑制剤含有液を付与する工程と、を含む、請求項12に記載の印刷物の製造方法。
  14. 前記体積膨張剤含有液及び前記フィラー含有液の少なくともいずれかかが、重合性化合物を含有し、
    前記画像形成工程後、エネルギーを付与して前記重合性化合物を硬化させるエネルギー付与工程を含む、請求項12から13のいずれかに記載の印刷物の製造方法。
  15. 前記エネルギー付与工程後、前記体積膨張剤含有層を加熱して体積膨張層を形成する体積膨張工程を含む、請求項14に記載の印刷物の製造方法。
  16. 基材と、体積膨張層と、平均一次粒径が0.1μm以上1μm以下のフィラーを含有するフィラー含有層と、画像を有する、ことを特徴とする印刷物。
  17. 前記フィラー含有層の硬化後の平均厚みが、2μm以上50μm以下である、請求項16に記載の印刷物。
  18. 前記フィラー含有層が、色材を含有する、請求項16から17のいずれかに記載の印刷物。
  19. 基材上に体積膨張剤を含有する体積膨張剤含有液を付与して体積膨張剤含有層を形成する体積膨張剤含有層形成手段と、
    フィラーを含有するフィラー含有液を付与してフィラー含有層を形成するフィラー含有層形成手段と、
    インクを付与して画像を形成する画像形成手段と、を有することを特徴とする印刷物の製造装置。
  20. 請求項1から15のいずれかに記載の印刷物の製造方法に用いられる印刷物製造セットであって、
    前記体積膨張剤を含有する前記体積膨張剤含有液と、
    前記フィラーを含有する前記フィラー含有液、
    前記色材を含む前記インクと、を有することを特徴とする印刷物製造セット。

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