JP2021136779A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの回転運動を移動部材の直線運動に変換する機構を備える電動アクチュエータにおいて、移動部材が停止位置において正常に停止しているか否かを判定する。
【解決手段】電動アクチュエータは、モータと、移動部材と、変換機構と、停止部材と、制御装置とを備える。変換機構は、モータの回転運動を移動部材の直線運動に変換する。停止部材は、モータの回転運動の回転軸方向において移動部材と対向するように停止位置に固定されている。制御装置は、移動部材が停止位置に到達してから第1時間間隔TSが経過以降にモータへの電力供給を停止する。制御装置は、移動部材が停止位置に到達してから第1時間間隔TSの間において、モータを流れる電流の振幅に関する停止条件が成立しない場合、異常情報を報知する。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータの回転運動を移動部材の直線運動に変換する機構を備える電動アクチュエータに関する。
従来、モータの回転運動を移動部材の直線運動に変換する機構を備える電動アクチュエータが知られている。たとえば、特開2018−91379号公報(特許文献1)には、電動モータに流れるモータ電流が定常電流値よりも高いホールド閾値を越えたときに通知信号を出力する電動アクチュエータが開示されている。当該電動アクチュエータによれば、信号線を設けることなく、移動部材がストローク端に移動したことを検出することができる。
特開2018−91379号公報
電動アクチュエータの変換機構の異常によってストローク端(停止位置)において移動部材が微少な振動を繰り返す等、移動部材がストローク端において正常に停止されない場合がある。しかし、特許文献1に開示されている電動アクチュエータにおいては、停止位置において移動部材が正常に停止しているか否かについて考慮されていない。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、モータの回転運動を移動部材の直線運動に変換する機構を備える電動アクチュエータにおいて、移動部材が停止位置において正常に停止しているか否かを判定することである。
本発明に係る電動アクチュエータは、モータと、移動部材と、変換機構と、停止部材と、制御装置とを備える。モータは、回転運動をする。移動部材は、モータの回転運動の回転軸に沿って直線運動をする。変換機構は、モータの回転運動を移動部材の直線運動に変換する。停止部材は、モータの回転運動の回転軸方向において移動部材と対向するように停止位置に固定されている。制御装置は、モータを制御して移動部材を移動させる。制御装置は、移動部材が停止位置に到達してから第1時間間隔が経過以降にモータへの電力供給を停止する。制御装置は、移動部材が停止位置に到達してから第1時間間隔の間において、モータを流れる電流の振幅に関する停止条件が成立しない場合、異常情報を報知する。
本発明に係る電動アクチュエータによれば、移動部材が停止位置に到達してから第1時間間隔の間において、モータを流れる電流の振幅に関する停止条件が成立するか否かを判定することにより、移動部材が停止位置において正常に停止しているか否かを判定することができる。
実施の形態に係る電動アクチュエータの構成を示す機能ブロック図である。 図1のモータの起動からの経過時間とモータに流れる電流値との関係を示すグラフである。 図1の制御部によって行われる停止判定処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態に係る電動アクチュエータ100の構成を示す機能ブロック図である。図1においてX軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交している。
図1に示されるように、電動アクチュエータ100は、モータ10と、ボールねじ機構(変換機構)20と、停止部材24,25と、ガイド部材26と、制御装置30と、電流センサ40とを備える。ボールねじ機構20は、ねじ軸21と、ナット22と、移動部材23とを含む。
モータ10には、不図示の電源から電力が供給される。モータ10は、Y軸に平行な回転軸AX1を中心に回転運動をする。ガイド部材26は、回転軸AX1に沿って延在している。停止部材24,25は、ガイド部材26の両端においてそれぞれ固定されている。ねじ軸21は、回転軸AX1に沿って延在している。ねじ軸21の両端は、回転軸AX1を中心に回転可能なように停止部材24,25によってそれぞれ支持されている。
ねじ軸21は、ナット22のねじ穴に挿入されている。移動部材23は、ナット22に固定されているとともに、回転軸AX1方向に移動可能なようにガイド部材26に装着されている。モータ10の回転運動はねじ軸21に伝達される。ねじ軸21が回転する場合、ガイド部材26によって移動部材23の回転が抑制される。移動部材23に固定されているナット22はねじ軸21とともに回転しない。ナット22は、回転軸AX1に沿って直線運動をする。移動部材23はナット22ともに移動するため、移動部材23も回転軸AX1に沿って直線運動する。すなわち、ボールねじ機構20は、モータ10の回転運動を移動部材23の直線運動に変換する。
停止部材24,25は、回転軸AX1方向において移動部材23と対向するように配置されている。停止部材24は、移動部材23が停止位置SP1を超えて移動することを抑制する。停止部材25は、移動部材23が停止位置SP2を超えて移動することを抑制する。
制御装置30は、制御部31と、メモリ32と、報知部33とを含む。制御部31は、CPU(Central Processing Unit)のようなコンピュータおよび揮発性メモリを含む。制御部31は、サンプリングタイム(たとえば200μs)毎に電流センサ40からモータ10を流れる電流の検出値(電流値)を受け、モータ10を制御する。メモリ32には、制御部31に読み出されて実行されるOS(Operating System)、各種アプリケーションのプログラム、および当該プログラムによって使用される各種データが保存される。メモリ32は、たとえば、不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリ、または記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)を含んでもよい。報知部33は、ディスプレイ、およびスピーカを含む。制御部31は、報知部33を制御して、ユーザにメッセージを報知する。
図2は、図1のモータ10の起動からの経過時間とモータ10に流れる電流値との関係を示すグラフである。図2において、経過時間t10において移動部材23が停止部材25に接触して停止位置SP2に達したとする。制御部31は、測定時間間隔(たとえば10ms)毎に移動部材23が停止位置において停止したか否かの停止判定処理を行う。図2には、測定時間間隔TS〜TSが示されている。図2において測定時間間隔TS〜TSは一定である。測定時間間隔TS〜TSは一定でなくてもよい。
図2に示されるように、測定時間間隔TSは、モータ10の起動から経過時間t1(>0)までの時間間隔である。測定時間間隔TSは、経過時間t1〜t2(>t1)までの時間間隔である。測定時間間隔TSは、経過時間t2〜t3(>t2)までの時間間隔である。測定時間間隔TSは、経過時間t3〜t4(>t3)までの時間間隔である。測定時間間隔TSは、経過時間t4〜t5(>t4)までの時間間隔である。経過時間t10は、測定時間間隔TSに含まれる。
停止しているモータ10を回転させるためには、モータ10の回転を継続する場合よりも大きなトルクを発生させる必要がある。そのため、モータ10の起動直後の測定時間間隔TS(第2時間間隔)の電流平均値Iave(TS)は、モータ10の回転が継続している測定時間間隔TS,TSの電流平均値よりも大きい。
移動部材23が停止部材に接触すると、ねじ軸21の回転が抑制されるため、モータ10に流れる電流値は増加する。そこで、電動アクチュエータ100においては、或る測定時間間隔のモータ10に流れる電流平均値がIave(TS)より大きい場合に、制御部31は、当該時間間隔において移動部材23が停止部材に接触して停止位置に到達したと判定する。図2においては、測定時間間隔TSの電流平均値Iave(TS)がIave(TS)より大きいため、制御部31は、測定時間間隔TSにおいて移動部材が停止部材に接触して停止したと判定する。
移動部材23が停止部材に接触して停止位置において正常に停止する場合、ねじ軸21の回転がほぼ停止することに伴い、モータ10の回転もほぼ停止する。そのため、経過時間t10以降において、モータ10を流れる電流値は、点線で示されるようにほぼ一定となる。しかし、ボールねじ機構20、停止部材24,25、あるいはガイド部材26の設計上の誤差、または経年劣化による変形あるいは破損等により、移動部材23が停止位置において停止せず、微小な振動を繰り返す場合がある。ねじ軸21およびモータ10の回転も停止されないため、モータ10を流れる電流値が増加および減少を繰り返す。すなわち、移動部材23が停止位置に到達した後にモータ10を流れる電流の振幅に関して、電動アクチュエータ100に異常がある場合の当該振幅は、移動部材23が正常に停止する場合の当該振幅よりも大きい。
そこで、電動アクチュエータ100においては、移動部材23が停止位置に到達したと判定された以降も或る時間間隔の間、モータ10への電力供給を継続する。当該時間間隔の間にモータ10を流れる電流の最大値と最小値との差が閾値より小さい場合に、移動部材23が停止位置において正常に停止したと判定し、当該差が閾値以上である場合に電動アクチュエータ100に異常があることを報知する。電動アクチュエータ100によれば、移動部材23の停止後におけるモータ10の電流値を観測することにより、移動部材23が停止位置において正常に停止しているか否かを判定することができる。
測定時間間隔TSに続くTS(第1時間間隔)において当該時間間隔の間にモータ10を流れる電流の最大値Imax(TS)と最小値Imin(TS)との差は、Aである。制御部31は、経過時間t5においてモータ10への電力供給を停止する。差Aは閾値Ath(第1閾値)より大きいため、制御部31は、電動アクチュエータ100に異常があることを示すメッセージ(異常情報)をユーザに報知する。なお、閾値Athは、実機実験あるいはシミュレーションによって適宜決定することができる。
図3は、図1の制御部31によって行われる停止判定処理の流れを示すフローチャートである。図3に示される処理は、電動アクチュエータ100を統合的に制御する不図示のメインルーチンによって各測定時間間隔終了時に呼び出される。図2において当該処理は、経過時間t1,t2,t3,t4,t5において呼び出される。図3においてTS(n≧1)は、モータ10が起動してからのn番目の測定時間間隔を意味する。電流平均値Iave(TS)は、測定時間間隔TSにおいてサンプリングタイム毎に電流センサ40によって測定されたモータ10に流れる電流値の平均値である。電流最大値Imax(TS)および電流最小値Imin(TS)は、それぞれ、測定時間間隔TSにおいてサンプリングタイム毎に電流センサ40によって測定されたモータ10に流れる電流値の最大値および最小値である。以下ではステップを単にSと記載する。
図3に示されるように、制御部31は、S101において測定時間間隔TSの順番が1より大きいか否か(nが1より大きいか否か)を判定する。測定時間間隔TSの順番が1番目の場合(S101においてNO)、制御部31は、処理をS102において測定時間間隔TSの電流平均値Iave(TS)をメモリ32に保存し、処理をメインルーチンに返す。
測定時間間隔TSの順番が1より大きい場合(S101においてYES)、制御部31は、S103において測定時間間隔TSn−1の電流平均値Iave(TSn−1)が測定時間間隔TSの電流平均値Iave(TS)(第2閾値)より大きいか否かを判定する。電流平均値Iave(TSn−1)がIave(TS)以下である場合(S103においてNO)、制御部31は、S102において測定時間間隔TSの電流平均値Iave(TS)をメモリ32に保存し、処理をメインルーチンに返す。電流平均値Iave(TSn−1)がIave(TS)より大きい場合(S103においてYES)、制御部31は、S104においてモータ10への電力供給を停止して、処理をS105に進める。
制御部31は、S105において測定時間間隔TSの電流最大値Imax(TS)と電流最小値Imin(TS)との差が閾値Ath(第1閾値)より小さいという停止条件が成立するか否かを判定する。当該差が閾値Athより小さい場合(S105においてYES)、制御部31は、S106において移動部材23が停止位置において正常に停止していることをユーザに報知して処理をメインルーチンに返す。当該差が閾値Ath以上である場合(S105においてNO)、制御部31は、S107において報知部33を制御して異常情報をユーザに報知して処理をメインルーチンに返す。
以上、実施の形態に係る電動アクチュエータによれば、移動部材が停止位置において正常に停止しているか否かを判定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 モータ、20 ボールねじ機構、21 ねじ軸、22 ナット、23 移動部材、24,25 停止部材、26 ガイド部材、30 制御装置、31 制御部、32 メモリ、33 報知部、40 電流センサ、100 電動アクチュエータ。

Claims (6)

  1. 回転運動をするモータと、
    前記回転運動の回転軸に沿って直線運動をする移動部材と、
    前記回転運動を前記直線運動に変換する変換機構と、
    前記回転軸方向において前記移動部材と対向するように停止位置に固定された停止部材と、
    前記モータを制御して前記移動部材を移動させる制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記移動部材が前記停止位置に到達してから第1時間間隔が経過以降に前記モータへの電力供給を停止し、
    前記移動部材が前記停止位置に到達してから前記第1時間間隔の間において、前記モータを流れる電流の振幅に関する停止条件が成立しない場合、異常情報を報知する、電動アクチュエータ。
  2. 前記停止条件が成立する場合、前記制御装置は、前記移動部材が前記停止位置において正常に停止していることを報知する、請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記停止条件は、前記移動部材が前記停止位置に到達してから前記第1時間間隔の間において、前記モータを流れる電流の最大値と最小値との差が第1閾値より小さいという条件を含む、請求項1または2に記載の電動アクチュエータ。
  4. 前記制御装置は、前記モータを起動してから第2時間間隔が経過以降であって、かつ、前記モータを流れる電流が第2閾値よりも大きい場合に前記移動部材が前記停止位置において停止したと判定する、請求項2または3に記載の電動アクチュエータ。
  5. 前記第2閾値は、前記モータを起動してから前記第2時間間隔の間の前記モータを流れる電流の平均値である、請求項4に記載の電動アクチュエータ。
  6. 前記変換機構は、ボールねじ機構を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023119686A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 株式会社日立産機システム 動力伝達機構の管理装置、動力伝達機構の管理方法及び管理システム

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