JP5301412B2 - 測定力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真円度測定装置、輪郭形状測定機、粗さ測定機などの表面性状測定装置において、接触式のスタイラスが被測定物を押すことにより被測定物表面に作用する測定力を制御する測定力制御機能の改良に関する。
一般的な真円度測定装置においては、回転テーブル上に被測定物を載置し、被測定物の表面位置を接触式スタイラスで検出しつつ、回転テーブルを回転させることで、被測定物の表面位置データを集積し、真円度を測定・算出するようになっている。
例えば特許文献1には、接触式スタイラスを用いて被測定物の表面形状を測定する装置における測定力を一定に制御する装置が開示されている。
特許文献1記載の測定力制御装置は、図10に示すように、先端に被測定物Wと接触する接触部101を有したスタイラス102と、支点部材103を支点としてスタイラス102を回転自在に支持するスタイラスホルダ104と、スタイラス102とスタイラスホルダ104とを連結するばね105と、スタイラス102の回転角度を検出することにより被測定物Wの表面位置を検出する差動トランス106と、通電量に応じてスタイラス102に支点中心の回転力を付与するボイスコイルモータ107と、ボイスコイルモータ107への通電量を制御する制御手段108を備えている。
なお図示は省かれているが、測定力制御装置を真円度測定機に利用する際は、被測定物Wを回転させる回転テーブルと、この回転テーブル上の被測定物Wに向かってスタイラスホルダ104を進退させるスライダ装置と、スタイラスホルダ104と被測定物との相対的な位置を検出する相対位置検出手段が備えられる。
測定の際に、まず、スライダ装置を作動させて、スタイラスホルダ104を被測定物Wに接近させて、接触部101が被測定物Wに押し付けられる状態にする。接触部101の押し付け量に応じてスタイラス102は支点中心に回転するので、スタイラス102には回転量に比例したばね105の反力が加わり、これによって接触部101が被測定物Wを押す力が生じる。この力を被測定物表面に作用する測定力Fと呼んでいる。
そして、回転テーブルを作動させて、被測定物Wをスタイラスホルダ104に対して相対的に移動させると、接触部101が被測定物表面に沿って案内される。接触部101が表面形状に応じて変位するとスタイラス102が支点を中心に揺動するので、差動トランス106により被測定物Wの表面位置が検出される。なお、回転テーブルやスライダ装置は、被測定物Wとスタイラスホルダ104とを相対的に移動させる手段であり、他の移動テーブルやスライダ装置を用いて構成される場合もある。
スタイラス102の回転量に比例したばね105の反力を利用して測定力Fを生じさせる方式では、スタイラス102が支点中心に揺動するのに応じて、ばね105の変形量が変動して測定力Fが変化してしまう。そこで、スタイラス102が揺動してその回転角度が変動しても、一定の測定力Fを生じさせるために、特許文献1の装置では、通電量に応じてスタイラス102に支点中心の回転力を付与するボイスコイルモータ107が設けられている。
ボイスコイルモータ107への通電量を制御する制御手段108は、差動トランス107の検出値により測定中のスタイラス102の揺動による回転角度の変動量を求め、その変動量に比例した電流、つまり測定力の変化量に相当する回転力をボイスコイルモータに生じさせる電流をボイスコイルモータ107に流す。これによってボイスコイルモータ107による回転力がスタイラス102に付与されて、ばね105の変形量の変動によって生じた反力が相殺される。このことでスタイラス102の回転角度の変動に無関係に一定の測定力Fが生じるようになっている。
特開平5−340706
測定経路の途中に切り欠き(凹部)等がある場合
通常、被測定物の表面には、測定が実行される測定実行経路が設定され、スタイラスの接触部は、被測定物と接触した状態で測定実行経路に沿って案内される。つまり、スタイラスの接触部を被測定物に接触した状態でスタイラスホルダを被測定物に対して相対移動させながら測定が実行される。
しかしながら、被測定物の表面に設定された測定実行経路の途中に切り欠き、特にエッジの立った切り欠き(凹部)等が存在する場合には、図10の測定力制御装置におけるスタイラス102にはその回転量に無関係に一定の回転力が付与されるため、スタイラス102の接触部101が切り欠き部分まで案内されると、切り欠き部分に接触部101が落ち込んでしまい、さらには切り欠きのエッジ部分に接触部101が引っ掛かってしまう。これに気付かずに回転テーブルの回転を続ければスタイラス102を破損することがあり得た。
このため、従来においては、スタイラスの接触部が切り欠き部分まで案内される手前で一度測定プログラムを停止し、手作業でスタイラスの接触部が切り欠き部分に落ち込まないようにスタイラスの回転を固定したうえで、回転テーブルを回転させる。そして、切り欠き部分が通過して、スタイラスの接触部が次の測定開始位置に達すればスタイラスの固定を解除して再度測定プログラムを開始するといった方法を採らざるを得なかった。
このように切り欠き(凹部)等で代表されるような連続測定を困難にする形状が一連の測定経路の途中にある場合、測定を自動的に中断して、スタイラスの接触部を次の測定開始位置まで位置決めしなければならず、一連の測定経路を連続して測定することができなかった。そのため、第一に、切り欠き(凹部)等の形状を途中に含んだ一連の測定経路を測定プログラムを中断させずに連続測定できるようにしたいという要求が強かった。
小径穴の内面測定
また、被測定物の外周に形成された小径穴の内面測定を行う場合には、測定を開始する前にスタイラスを小径穴に挿入して測定開始位置まで位置決めする操作が行われる。この挿入操作の際にスタイラスの軸部が被測定物の内面と接触してスタイラスが破損することを回避するため、スタイラスの長尺方向の中心軸を小径穴の中心軸に対して平行にしてから、スタイラスを小径穴に挿入するという手順が必要になる。
回転型のスタイラスは、ばねの反力が生じるため、あるいは、図10の装置であればボイスコイルモータ107の回転力がスタイラス102の回転量に関わらず付与されるため、スタイラス102の接触部101が被測定物Wと接触していない状態においては、スタイラス102が所定の回転角度で保持される。通常は、構造上の制約でスタイラス102が回転できる限界までスタイラス102が回転した状態で保持される。このため、図10の装置においては、スタイラス102が保持される回転角度は一定の角度となっていた。
従って、スタイラスの長尺方向の中心軸を被測定物の小径穴の中心軸に対して平行にするためには、スタイラスホルダ自体を取り外してスタイラスの長尺方向の中心軸が小径穴の中心軸と平行になるように再度取り付けるといった作業が必要となる。あるいは、スタイラスの軸と小径穴の軸が平行でない状態のまま、スライダホルダを小径穴に向けて移動させて、スタイラスの接触部を小径穴に浅く挿入する。その状態でスタイラスホルダを被測定物の表面に沿って移動させて、接触部を内面に接触させる。接触した状態で更にスタイラスの軸と小径穴の軸とが平行になるまでスタイラスホルダを移動させる。このようにしてスタイラスの軸と小径穴の軸とを平行にした後、スタイラスの接触部を所定の深さに設定するといった複雑な作業が必要となる。いずれにしても被測定物と接触していない状態においてスタイラスが保持される回転角度を任意に変更できさえすれば、これらの作業を省略することができる。
そのため、第二に、被測定物の小径穴にスタイラスを挿入する作業を容易にするため、被測定物と接触していない状態においてスタイラスが保持される回転角度を変更できる機能の要求も強かった。
また、同じ被測定物に対する測定であっても、真円度を測定する場合の測定力の設定値と、粗さを測定する場合の測定力の設定値とが異なることがある。図10の測定力制御装置は単に測定力Fを一定にするだけで、測定力Fを変更できないため、真円度や粗さといった測定項目に応じて測定力Fの設定値を変更しなければならない場合、測定力制御装置を交換する必要があった。
同じ理由で、同じ被測定物に対して真円度と粗さ測定を連続して測定する場合には、測定を途中で中断して測定力制御装置を交換しなければならなかった。ここで、測定条件として、真円度や粗さといった測定項目の条件の他に、被測定物の材質条件においても、測定力の設定値を変更しなければならない場合がある。また、被測定物の変形を低減するために測定力を低減させたい場合もある。
そのため、第三に、測定条件の変更に応じて測定力を変更できる機能が強く求められていた。
本発明は前記従来技術に対する要求に応えるためのものであり、その解決すべき課題は、
先端に被測定物と接触する接触部を有したスタイラスと、
支点部材を支点として前記スタイラスを回転自在に支持するスタイラスホルダと、
前記スタイラスの回転角度を検出する回転角度検出手段と、
通電量に応じて前記スタイラスに支点中心の回転力を付与する電磁駆動手段と、
前記電磁駆動手段への通電量を制御する制御手段と、
前記スタイラスホルダと被測定物とを相対移動させる相対移動手段と、
前記スタイラスホルダと被測定物との相対位置を検出する相対位置検出手段とを備えて、
前記電磁駆動手段の回転力によって前記スタイラスの接触部が被測定物を押すことにより被測定物表面に作用する測定力を制御する測定力制御装置において、
第一に、切り欠き(凹部)等の形状を途中に含んだ一連の測定経路を測定プログラムを中断させずに連続測定でき、
第二に、被測定物と接触していない状態においてスタイラスが保持される回転角度を任意に変更でき、
第三に、測定条件の変更に応じて測定力を変更できる測定力制御装置を提供することにある。
前記課題を解決するために本発明の請求項1にかかる測定力制御装置においては、
前記制御手段が、
前記スタイラスの目標回転角度を設定して指令するとともに必要に応じて前記目標回転角度の設定を切り替える目標回転角度指令部と、
検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分を求めて、当該差分が零となるように前記電磁駆動手段への通電量を決定する通電量決定部と、
前記電磁駆動手段への通電量を一定にするための制限値を設定して指令する制限値指令部と、
検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が所定角度以上であれば前記通電量決定部によって決定された通電量を前記制限値に制限して一定の測定力を生じさせる通電量制限部とを有して構成される。
そして、前記目標回転角度指令部は、
一定の測定力を生じさせる場合に、
被測定物表面の測定位置とスタイラスの接触部との接触によりスタイラスの回転が規制され、かつ、検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が前記所定角度以上となる範囲内に当該目標回転角度を設定し、
測定力を生じさせないで前記スタイラスを保持する場合に、
被測定物とスタイラスの接触部との接触による回転規制をスタイラスが受けない範囲内に前記目標回転角度を設定する。
請求項1の発明の作用効果を説明する。
通電量決定部が、検出される現在のスタイラスの回転角度と目標回転角度との差分を求め、差分が零となるように電磁駆動手段への通電量を決定するので、通電量に応じた電磁駆動手段の回転力がスタイラスに付与されて、スタイラスの回転角度は常に目標回転角度に近づくようにフィードバック制御される。
本発明においては、フィードバック制御の目標となる目標回転角度の設定を、目標回転角度指令部が必要に応じて切り替えられるようにした。
(測定力の発生)
例えば、スタイラスの接触部が被測定物表面の測定位置と接触している状態において、測定力を生じさせたい場合、スタイラスの接触部の目標位置が被測定部の内部となるようにスタイラスの目標回転角度を設定すればよい。接触によりスタイラスの回転が規制されるので、検出されるスタイラスの回転角度と目標回転角度との差分が常に生じた状態となる。従って、スタイラスに回転力が付与された状態が維持され、常に測定力を生じさせることができる。
(測定力方向の180度反転)
また、例えば、測定力が作用する方向をスタイラスの支点中心に時計周りの方向から反時計周りの方向に変更させたい場合がある。スタイラスの接触部の目標位置が現在のスタイラスの接触部の位置よりもスタイラスの支点中心に時計周りの方向にずれるように、スタイラスの目標回転角度を設定すれば、時計周りの方向に測定力が作用する。逆に、スタイラスの接触部の目標位置が現在のスタイラスの接触部の位置よりもスタイラスの支点中心に反時計周りの方向にずれるように、スタイラスの目標回転角度を設定すれば、反時計周りの方向に測定力が作用する。このように、スタイラスの目標回転角度の設定値を切り替えることで、測定力が作用する方向を容易に切り替えることができる。
(接触状態でのスタイラス保持)
また、例えば、スタイラスの接触部が被測定物表面の測定位置と接触している状態において、測定力を零にしてスタイラスを保持したい場合、スタイラスの目標回転角度を現在検出されているスタイラスの回転角度に一致させればよい。つまりスタイラスの回転角度と目標回転角度との差分が零となるようなスタイラスの回転角度に目標回転角度を設定することで、スタイラスをその回転角度で保持することができる。
(任意の回転角度でのスタイラスの保持)
あるいは、スタイラスの接触部の目標位置が被測定物表面の測定位置と接触しない位置となるように、スタイラスの目標回転角度を設定してもよい。つまり、被測定物とスタイラスの接触部との接触による回転規制をスタイラスが受けない範囲内に前記目標回転角度を設定することによって、スタイラスが接触による回転規制を受けずに目標回転角度まで回転できるので、スタイラスを目標回転角度で保持することができる。
このように本発明においては、目標回転角度指令部が、まず、一定の測定力を生じさせる場合には、被測定物表面の測定位置とスタイラスの接触部との接触によりスタイラスの回転が規制され、かつ、検出されたスタイラスの回転角度と目標回転角度との差分が常に生じる範囲内に目標回転角度を設定し、一方、測定力を生じさせないでスタイラスを保持する場合には、被測定物とスタイラスの接触部との接触による回転規制をスタイラスが受けない範囲内に前記目標回転角度を設定するようにした。
従って、目標回転角度指令部が、必要に応じて目標回転角度の設定を切り替えることで、測定力を生じさせることも、測定力を生じさせないでスタイラスを所定の回転角度で保持することもできる。
また、一連の測定経路が、測定力を生じさせる必要がある経路と、測定力を生じさせずにスタイラスを所定の回転角度で保持する必要がある経路とを両方含む場合であっても、目標回転角度指令部が目標設定回路の設定を切り替えることによって、測定プログラムを中断させずに、一連の測定経路を連続測定することができる。
さらに、スタイラスを保持する場合には、目標回転角度指令部が、被測定物とスタイラスの接触部との接触による回転規制をスタイラスが受けない範囲内の任意の回転角度に前記目標回転角度を設定することによって、スタイラスが保持される回転角度は一箇所に限定されず、変更することができる。
(一定の測定力)
検出されたスタイラスの回転角度と目標回転角度との差分が零となるように、通電量決定部が電磁駆動回路への通電量を決定するだけでは、差分が変動した場合に通電量が変化してしまうことがあり、一定の測定力を生じさせることができない。そこで、本発明においては、一定の測定力を生じさせ、さらには測定力を測定条件に応じて変更できるようにするために、電磁駆動回路への通電量を制御する制御手段に、通電量を一定にするための制限値を設定できる制限値指令部と、検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が所定角度以上であれば通電量を制限値に制限して一定の測定力を生じさせる通電量制限部とを設けた。差分が常に所定角度以上であれば、通電量が制限値に制限されて一定の測定力を生じさせ続けることができる。
従って、目標回転角度の設定条件に、検出されたスタイラスの回転角度と目標回転角度との差分が所定角度以上となる範囲内であることの条件を加えることによって、一定の測定力を生じさせることができる。
また、実際の測定においては、スタイラスの接触部を一連の測定経路に沿って案内する際に、表面形状に応じて接触部の位置が変動するので、これに応じて変動するスタイラスの回転角度の検出値に基づいて、被測定物の表面位置を検出している。従って、目標回転角度指令部がスタイラスの目標回転角度を設定する際には、スタイラスの接触部が測定力の作用する方向に最も変位する位置よりも変位量が大きくなる接触部の位置を基準にして、前述のスタイラスの回転角度と目標回転角度との差分が所定角度以上となるようにスタイラスの目標回転角度を設定すればよい。このように目標回転角度を設定すれば、測定中のスタイラスの回転角度の変動に無関係に一定の測定力を生じさせることができる。
(測定力の変更)
また、制限値指令部が通電量の制限値を任意に設定することができるので、制限値を変更するだけで容易に測定力の大きさを変更できる。
本発明の請求項2にかかる測定力制御装置では、
前記制御手段は、検出された前記スタイラスホルダと被測定物との相対位置、および、検出された前記スタイラスの回転角度に基づいて、被測定物に対する前記スタイラスの接触部の相対的な位置を算出する接触部位置算出部を備えて構成される。
そして、目標回転角度指令部は、被測定物に対するスタイラスの接触部の相対位置に応じて目標回転角度の設定を切り替えることが好ましい。
すなわち、前記目標回転角度指令部は、
前記スタイラスの接触部が予め設定された一連の測定経路に沿って案内され、前記一連の測定経路が、測定を自動的に中断して前記スタイラスの接触部を次の測定再開位置まで位置決めする際に当該接触部を通過させる位置決め経路を途中に含むように設定され、当該一連の測定経路を連続測定する場合に、
前記位置決め経路の前方にあって測定が実行される測定実行経路を測定する間は、検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が前記所定角度以上となる範囲内に前記目標回転角度を設定して、一定の測定力を生じさせ、
測定中断位置に前記スタイラスの接触部が達したならば、前記目標回転角度を当該測定中断位置において検出されるスタイラスの回転角度に一致させて、前記スタイラスを保持し、
前記スタイラスの接触部が次の測定実行経路における測定再開位置まで位置決めされたならば、検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が前記所定角度以上となる範囲内に前記目標回転角度を再度設定する。
(一連の測定経路の途中に位置決め経路がある場合)
切り欠き(凹部)等で代表されるような連続測定を困難にする形状が一連の測定経路の途中にある場合、通常、このような経路は位置決め経路に設定され、一連の測定経路は、前方の測定実行経路、位置決め経路、後方の測定実行経路の順番で構成される。
そして、前方および後方の測定実行経路では、一定の測定力を生じさせる必要があり、位置決め経路では、測定力を生じさせないでスタイラスを保持する必要がある。
一方、スタイラスの接触部の相対位置は検出手段で検出されるので、接触部が前方の測定実行経路の測定中断位置に達するタイミング、接触部が位置決めされて後方の測定実行回路の測定再開位置に達するタイミングは、それぞれ容易に認識できる。
本発明においては、目標回転角度の設定を、スタイラスの接触部の相対位置に応じて、一定の測定力を生じさせる設定と、測定力を生じさせないでスタイラスを保持する設定とに適宜切り替えるようにした。
すなわち、接触部が前方の測定実行経路の測定中断位置に達したならば、目標回転角度を一定の測定力を生じさせる設定から測定力を生じさせないでスタイラスを保持する設定に切り替える。具体的には前記目標回転角度を当該測定中断位置において検出されるスタイラスの回転角度に一致させて、前記スタイラスを保持する。また、接触部が位置決めされて後方の測定実行回路の測定再開位置に達したならば、目標回転角度を、スタイラスを保持する設定から再び一定の測定力を生じさせる設定に切り替えるようにした。
このようにすれば、切り欠き(凹部)等の位置決め経路に沿ってスタイラスの接触部を案内する間は、測定力を生じさせないでスタイラスを所定の回転角度で保持することができて、測定プログラムを中断させずに、一連の測定経路を連続して測定することができる。
本発明の請求項3にかかる測定力制御装置では、
前記目標回転角度指令部は、
被測定物の外周に形成された小径穴の内面を測定するために、前記スタイラスの接触部を前記小径穴に挿入して測定開始位置まで位置決めする際に、
前記スタイラスの長尺方向の中心軸が前記小径穴の中心軸に対して平行になる前記スタイラスの回転角度に前記目標回転角度を設定する。
(小径穴の内面測定)
本発明においては、スタイラスを保持する場合には、スタイラスが保持される回転角度を変更することができる。また、被測定物の小径穴の形状データ、被測定物とスタイラスホルダとの相対位置の情報、スタイラスの現在の回転角度の情報に基づいて、小径穴の中心軸とスタイラスの長尺方向の中心軸との成す角度を求めることができる。従って、被測定物の外周に形成された小径穴の内面測定を行う場合には、スタイラスの目標回転角度の設定を小径穴の中心軸とスタイラスの長尺方向の中心軸との成す角度に応じて変更するだけで、スタイラスの長尺方向の中心軸と小径穴の中心軸とを平行にすることができ、スタイラスの接触部を小径穴に挿入して測定開始位置まで送る操作を測定プログラムで自動的に行うことができる。
以上説明したように本発明にかかる測定力制御装置によれば、第一に、測定プログラムを中断させずに切り欠き(凹部)等の位置決め経路を含む一連の測定経路を連続して測定できる。第二に、被測定物と接触していない状態においてスタイラスが保持される回転角度を任意に変更できる。第三に、測定条件の変更に応じて測定力を変更することができる。さらに、一連の測定経路において、スタイラスが保持される回転角度の設定変更、および測定力の設定変更を自動的に行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる真円度測定装置の概略構成の説明図である。 図1に示す装置に用いられる測定力制御機構の全体構成の説明図である。 本発明にかかる接触式スタイラスと被測定物との位置関係の説明図である。 本発明にかかるスタイラスの回転角度と目標回転角度との差分に対する電磁駆動手段への駆動電流の関係を示すグラフである。 図1に示す装置に用いられる測定力制御機構の部分的な構成の説明図である。 本発明にかかる真円度測定装置による円筒状の被測定物の測定状態の説明図である。 本発明にかかる真円度測定装置による切り欠き部を有する被測定物の測定状態の説明図である。 本発明にかかる真円度測定装置による小径穴を有する被測定物の測定状態の説明図である。 本発明にかかる真円度測定装置による切り欠き部と部分的な内周面とを有する被測定物の測定状態の説明図である。 従来の測定力制御装置の全体構成の説明図である。
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態について説明する。
図1には本発明の一実施例にかかる真円度測定装置の外観図が示されている。同図において、真円度測定装置10は、基台12と、該基台12上に回転可能に設置された回転テーブル14と、該回転テーブル14のX方向位置を調整する位置調整手段16及びY方向位置を調整する位置調整手段18と、前記載置面のX方向傾きを調整する傾斜調整手段20及びY方向傾き量を調整する傾斜調整手段22と、該回転テーブル14上に載置された被測定物Wの表面位置を接触検出可能な検出手段としてのスタイラス26と、該スタイラス26をスタイラスホルダ40ごとX軸方向に移動可能なX軸スタイラス移動手段28と、前記スタイラス26をスタイラス移動手段28ごとZ軸(上下)方向に移動可能なZ軸スタイラス移動手段30とを含む。回転テーブル14、位置調整手段16、18、傾斜調整手段20、22、X軸スタイラス移動手段28、Z軸スタイラス移動手段30は本発明の相対移動手段を構成するもので、被測定物Wとスタイラスホルダ40とを相対移動できる。
そして、前記回転テーブル12の回転量、載置面14aのX−Y平面上の移動量、載置面14aのX−Y平面に対する傾斜量、スタイラス移動手段28、30によるスタイラスの移動量、およびスタイラスの傾斜角変位は、それぞれマイクロコンピュータ(CPU)を内蔵した制御装置32に送られる。制御装置32は送られた検出値に基づいて、被測定物に対するスタイラスホルダ40の相対位置を算出する。
本実施形態において、スタイラス26は図2に示すようにスタイラスホルダ40に支点部材42を支点として回転自在に支持されている。スタイラス26の先端には被測定物と接触する接触部(球部)44が形成されている。スタイラス26の基端には電磁駆動手段としてのボイスコイルモータ52が設けられ、スタイラス26の回転角度θを検出する回転角度検出手段としての差動トランス46とともにスタイラスホルダ40に収納されている。
スタイラス26における支点よりもボイスコイルモータ52側の位置には、差動トランスの鉄心48が形成され、スタイラス26の回転に伴って差動トランスのコイル50内を移動する。この差動トランスのコイル50はスタイラスホルダ40に固定されている。差動トランス46が検出するスタイラス26の回転角度θは、例えば図3に示すように、基準軸L1からの角度に設定してもよい。図3中の軸L1〜L4は、スタイラス26の各回転位置におけるスタイラス26の長尺方向の中心軸を示す。本実施形態では、差動トランス46の検出におけるスタイラス26の基準軸L1がスタイラスホルダ40の中心軸と平行になっている。
図2のボイスコイルモータ52は、ボイスコイル54、板状磁石56、および図示しない磁石ホルダ(ヨーク)から構成され、一般的にハードディスクなどに使用されるモータと同じである。ボイスコイル54はスタイラス26の基端に固定され、スタイラス26の支点中心に揺動する。揺動するボイスコイル54を挟むようにして一対の板状磁石56がスタイラスホルダ40に固定されている。
ボイスコイル54が通電されると、ボイスコイル54には電流量に応じてスタイラス26の支点中心の回転力が作用する。ボイスコイル54に加わる回転力はボイスコイル54に生じる磁界の大きさに比例する。これによりボイスコイルモータ52はスタイラス26に支点中心の回転力を付与することができる。
なお、ボイスコイルモータ52としては、コイルが巻かれた筒状のコイルボビンと、円柱状のインナーヨークと、筒状のアウターヨークと、アウターヨークに固定された磁石とを備え、コイルがボビンごとインナーヨークとアウターヨークとの隙間に挿入されて構成されるタイプのモータであってもよい。
また、本発明の電磁駆動手段としては、ボイスコイルモータ52のように可動部分がリニアに可動するモータでなくてもよい。例えば、スタイラスの回転軸に回転式の電磁モータを直結してスタイラスを回転させてもよい。電磁駆動手段としてはスタイラスに回転力を付与できるものであれば様々なタイプのモータを使用できる。
図2に示すように制御装置32は、本発明の制御手段に相当しボイスコイルモータへ52の駆動電流Iを制御する機能があり、目標回転角度指令部60、制限値指令部62、通電量決定部としての位置制御器64と、駆動回路66と、通電量制限部としての可変リミッタ回路68とを備えて構成される。
目標回転角度指令部60は、スタイラス26の目標回転角度θを設定して位置制御器64に指令するとともに、必要に応じて目標回転角度θの設定を切り替える。目標回転角度θは、図3にて基準軸L1と軸L3とが成す角度で設定される。軸L3は、スタイラス26の接触部44が目標位置に到達した場合のスタイラス26の中心軸を示す。
制限値指令部62は、ボイスコイルモータ52への駆動電流Iを一定にするための制限値を任意に設定して可変リミッタ回路68に指令する。制限値として正の制限値Iと負の制限値Iが設定される。
位置制御器64は、検出されたスタイラスの回転角度θと目標回転角度θとの差分Δθを求めて、差分Δθが零となるようにボイスコイルモータ52への通電量を決定する。差分Δθは、Δθ=θ−θで定義され、図3の軸L2と軸L3とが成す角度で設定される。軸L2は、スタイラス26の接触部44が被測定物Wに接触している状態でのスタイラス26の中心軸を示す。便宜的にθがθよりも大きい場合の差分Δθを正の値とする。スタイラスの回転角度θが仮に目標回転角度θよりも大きくなって軸L4の位置まで回転したとすれば、差分Δθは負の値を示すことになる。
位置制御器64で決定された通電量に基づいてボイスコイルモータ52が作動したとすれば、差分Δθが減少する方向にスタイラス26が回転力を受ける。
駆動回路66は、位置制御器64で決定された通電量に基づいて、実際にボイスコイルモータ52に流す駆動電流を出力する。
可変リミッタ回路68は、差分Δθが所定角度以上であれば駆動回路から流れる駆動電流Iを制限値に制限する。あるいは、可変リミッタ回路は、差分Δθが所定角度以上であれば位置制御器64で決定された通電量を制限値に制限してもよく、この場合は、制限された通電量に基づく駆動電流Iを駆動回路66がボイスコイルモータ52に流すことになる。
図4は、横軸に差分Δθをとり縦軸に駆動電流Iをとって、差分Δθと駆動電流Iの関係を示すグラフである。差分Δθが所定角度Δθ以上となる範囲では、ボイスコイルモータ52には制限値Iに制限された一定の駆動電流Iが流れて、一定の測定力Fが生じる。
差分Δθが負の値の場合は、所定角度Δθ以下となる範囲で、ボイスコイルモータ52には制限値Iに制限された一定の駆動電流Iが流れて、測定力Fとは反対方向の一定の測定力Fが生じる。
差分Δθが所定角度Δθを超えて所定角度Δθ未満の範囲(図中で星印で示す範囲)となる場合は、差分Δθに比例した駆動電流Iがボイスコイルモータ52に流れる。位置制御器64は、所定角度Δθ、Δθができるだけ小さくなるように、あるいは差分Δθが零から所定角度Δθ、Δθに達するまでの時間ができるだけ短くなるように特性が与えられている。また、位置制御器64は、スタイラスに振動が起きないように特性が与えられている。
図5に示すように、回転テーブル14やX軸スタイラス移動手段28などの各駆動機構に設けられた検出器(相対位置検出手段)70により被測定物Wに対するスタイラスホルダ40の相対位置Pが検出される。制御装置32には、検出された相対位置Pおよびスタイラスの回転角度θに基づいて、被測定物Wに対するスタイラスの接触部44の相対的な位置P’を算出する接触部位置算出部72が設けられている。算出された相対位置P’はスタイラスの目標回転角度指令部60に送られる。目標回転角度指令部60では、予め入力された被測定物Wの形状データに、スタイラスの接触部44の相対位置P’の情報を照らし合わせて、スタイラスの接触部44の相対位置P’に応じたスタイラス26の目標回転角度θを設定する。
本発明において特徴的なことは、ボイスコイルモータ52の回転力によってスタイラス26の接触部44が被測定物Wを押すことにより被測定物表面に作用する測定力Fを、図2の目標回転角度指令部60が設定する目標回転角度θの設定を必要に応じて切り替えることによって、制御することである。
具体的には、目標回転角度指令部60は、一定の測定力Fを生じさせる場合には、検出されたスタイラスの回転角度θと目標回転角度θとの差分Δθが所定角度Δθ(図4)以上となる範囲内に目標回転角度θを設定する。なお、差分Δθが負の値となる場合には、差分Δθが所定角度Δθ(図4)以下となる範囲内に目標回転角度θを設定する。また、測定力Fを生じさせないでスタイラス26を保持する場合には、スタイラス26が被測定物Wとスタイラスの接触部44との接触による回転規制を受けない範囲内に目標回転角度θを設定することである。
図6〜10を用いて詳しく説明する。
図6には本実施形態にかかる真円度測定装置10を用いて上方に開口する円筒状の被測定物Wの外周測定および内周測定を行う状態が模式的に示されている。
同図より明らかなように、外周測定および内周測定においては、スタイラス26の目標回転角度θが、実際には被測定物Wによって回転の規制をスタイラス26が受ける範囲内に設定されている。つまり、スタイラス26の接触部の目標位置(図中の位置A’、B’)が実際の測定位置(図中の位置A、B)よりも被測定物Wの内方となる位置に設定される。さらに、外周測定においては、検出されるスタイラスの回転角度θと目標回転角度θとの差分Δθが所定角度Δθ以下となる範囲内(図4)に目標回転角度θが設定されている。従って、ボイスコイルモータ52には図4のグラフに基づく制限値Iで制限された一定の駆動電流Iが流れて、スタイラス26の支点中心に時計周りの一定の測定力Fを生じさせることができる。同様に、内周測定においては、検出されたスタイラスの回転角度θと目標回転角度θとの差分Δθが所定角度Δθ以上となる範囲内(図4)に目標回転角度θが設定されている。従って、ボイスコイルモータには図4のグラフに基づく制限値Iで制限された一定の駆動電流Iが流れて、支点中心に反時計周りの一定の測定力Fを生じさせることができる。
さらに、制限値指令部62が制限値IまたはIを任意に設定できるので、制限値の設定を変更するだけで、測定力Fを変更することができる。
図7には本実施形態にかかる真円度測定装置10を用い、外周面に切り欠き部W1を有する円柱状被測定物Wの測定状態を模式的に示す。
スタイラス26の接触部(図中では小丸で示す。)は、円柱の外周面に予め設定された一連の測定経路Rに沿って案内される。しかし、一連の測定経路Rが、従来においては測定を中断して、スタイラス26の接触部を次の測定再開位置まで位置決めする必要があった切り欠き部W1を途中に含んでいる。このような一連の測定経路Rを、従来における真円度測定で測定を中断することなく連続測定すると、測定力Fによって被測定物方向に付勢されているスタイラス26が切り欠き部W1に至った際に、該スタイラス26の接触部が切り欠き部W1に落ち込んでしまう(図7(A)中の位置D)。この状態でさらに被測定物Wの回転を続ければ、スタイラス26の接触部は切り欠き部W1の壁に衝突し、破損を生じる場合があった。
本実施形態にかかる真円度測定装置10によれば、測定開始位置(図7(B)中の位置A)から切り欠き部W1手前の測定中断位置(同図の位置B)までの間、目標回転角度指令部60の指示によりスタイラス26の目標回転角度θを、図6の場合と同様に、スタイラス26の接触部の目標位置が被測定物Wの内方の位置(例えば図7(B)中の位置A’、B’)となるように設定して、一定の測定力Fを生じさせて測定を実行する。
そして、本発明で特徴的なことは、スタイラス26の接触部が切り欠き部W1手前の測定中断位置(同図の位置B)に至った際に、目標回転角度指令部60の指示によりスタイラス26の目標回転角度θを当該測定中断位置において検出されるスタイラスの回転角度θに一致させて、測定力Fが零となる状態にしてスタイラス26を保持してから、次の測定再開位置(同図の位置C)まで位置決めを実行することである。これによって、スタイラス26の接触部が切り欠き部W1内に落ち込まないようにすることができ、かつ、測定プログラムを中断させる必要もなくなる。
さらに、スタイラス26の接触部が切り欠き部W1を通過して、次の測定実行経路における測定再開位置(位置C)までの位置決めが終われば、目標回転角度指令部60は再度目標回転角度θの設定を一定の測定力Fが生じる設定(同図の位置C’)に切り替えて測定が自動的に再開される。
図8には本実施形態にかかる真円度測定装置10を用いた小径穴の内面測定状態が模式的に示されている。
スタイラス26の接触部を内面W2の測定開始位置まで位置決めする際には、同図(A)より明らかなように、スタイラスの回転角度θを大きく取った状態で小径穴に近接した場合、スタイラスホルダ40は小径穴の直上に位置していても、スタイラス26の先端は小径穴W2に至っておらず、このままスタイラスホルダ40を下降させれば、同図(B)に示すようにスタイラス26を破損してしまう場合もある。
そこで、本実施形態においては、スタイラスホルダ40が小径穴直上に到達すると、同図(C)に示すように目標回転角度θを変更して、スタイラス26の長尺方向の中心軸が小径穴の中心軸と平行になるように、スタイラス26の回転角度θを小さくする。この結果、スタイラス26の接触部は小径穴の範囲に収まり、このまま下降させることができる(同図(D))。そして、スタイラス26の接触部が測定開始位置に到達したら、スタイラス26の目標回転角度θの設定を一定の測定力Fが生じる設定に切り替えれば、一定の測定力Fによる小径穴W2内面の真円度測定が可能となる。
なお、図8では、スタイラスを保持したい回転角度θになるように、目標回転角度θの設定値を変更すれば、容易に保持するスタイラス26の回転角度θを変更できる。
図9には本実施形態にかかる真円度測定装置10を用い、外周面に切り欠き部を有し、かつ部分的に内周面W3を有する円柱状被測定物Wの測定状態を模式的に示す。
スタイラス26の接触部が測定開始位置(図9中の位置A)から測定中断位置(同図の位置B)まで案内される間、目標回転角度θを一定の測定力Fが生じる設定(例えば位置A’)にする。測定中断位置Bでは目標回転角度θをスタイラス26の保持設定に切り替える。そして、スタイラス26の接触部を測定中断位置Bから測定再開位置(位置B’)まで位置決めする。測定再開位置B’では、目標回転角度θを一定の測定力Fが生じる設定(位置B’’)にする。これによって、スタイラス26の接触部が位置B’から次の測定中断位置(位置C)まで案内される間は、内周面W3に向かった一定の測定力Fが生じる。スタイラス26の接触部が位置Cに達したら、目標回転角度θをスタイラス26の保持設定に切り替えて、スタイラス26の接触部を次の測定再開位置(位置C’)まで位置決めする。測定再開位置C’では、目標回転角度θを一定の測定力Fが生じる設定(位置C’’)にする。スタイラス26の接触部が次の測定中断位置(位置D)に達したら、目標回転角度θをスタイラス26の保持設定に切り替えて、スタイラス26の接触部を次の測定再開位置(位置D’)まで位置決めする。測定再開位置D’では、目標回転角度θを一定の測定力Fが生じる設定(図中の位置D’’)にする。
このようにして、測定完了位置(位置A)までの一連の測定経路Rを、測定プログラムを停止させることなく連続測定することができる。
なお、本実施形態において、被測定物Wの形状データはあらかじめ測定プログラムに組み入れられており、真円度測定にあたって予想される変動幅以上にスタイラス26が変位した場合であっても一定の測定力Fを生じさせることができるように、目標回転角度θの設定値は余裕を持って設定されている。
真円度測定装置は、本発明にかかる測定力制御装置の一例であり、測定力制御装置としては、他の表面性状測定装置(輪郭形状測定機、粗さ測定機)にも適用できる。
10 真円度測定装置(測定力制御装置)
14 回転テーブル(相対移動手段)
26 スタイラス
28 X軸スタイラス移動手段(相対移動手段)
32 制御装置(制御手段)
40 スタイラスホルダ
44 接触部
46 差動トランス(回転角度検出手段)
52 ボイスコイルモータ(電磁駆動手段)
60 目標回転角度指令部
62 制限値指令部
64 位置制御器(通電量決定部)
68 可変リミッタ回路(通電量制限部)
70 検出器(相対位置検出手段)
72 接触部位置算出部
I 駆動電流(通電量)
、I 制限値
P スタイラスホルダと被測定物との相対位置
P’ 被測定物に対するスタイラスの接触部の相対的な位置
R 一連の測定経路
W 被測定物
θ スタイラスの目標回転角度
θ スタイラスの回転角度
Δθ スタイラスの回転角度と目標回転角度との差分

Claims (3)

  1. 先端に被測定物と接触する接触部を有したスタイラスと、
    支点部材を支点として前記スタイラスを回転自在に支持するスタイラスホルダと、
    前記スタイラスの回転角度を検出する回転角度検出手段と、
    通電量に応じて前記スタイラスに支点中心の回転力を付与する電磁駆動手段と、
    前記電磁駆動手段への通電量を制御する制御手段と、
    前記スタイラスホルダと被測定物とを相対移動させる相対移動手段と、
    前記スタイラスホルダと被測定物との相対位置を検出する相対位置検出手段とを備えて、
    前記電磁駆動手段の回転力によって前記スタイラスの接触部が被測定物を押すことにより被測定物表面に作用する測定力を制御する測定力制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記スタイラスの目標回転角度を設定して指令するとともに必要に応じて前記目標回転角度の設定を切り替える目標回転角度指令部と、
    検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分を求めて、当該差分が零となるように前記電磁駆動手段への通電量を決定する通電量決定部と、
    前記電磁駆動手段への通電量を一定にするための制限値を設定して指令する制限値指令部と、
    検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が所定角度以上であれば前記通電量決定部によって決定された通電量を前記制限値に制限して一定の測定力を生じさせる通電量制限部とを有し、
    前記目標回転角度指令部は、
    一定の測定力を生じさせる場合に、
    被測定物表面の測定位置とスタイラスの接触部との接触によりスタイラスの回転が規制され、かつ、検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が前記所定角度以上となる範囲内に当該目標回転角度を設定し、
    測定力を生じさせないで前記スタイラスを保持する場合に、
    被測定物とスタイラスの接触部との接触による回転規制をスタイラスが受けない範囲内に前記目標回転角度を設定することを特徴とする測定力制御装置。
  2. 請求項1記載の測定力制御装置において、
    前記制御手段は、検出された前記スタイラスホルダと被測定物との相対位置、および、検出された前記スタイラスの回転角度に基づいて、被測定物に対する前記スタイラスの接触部の相対的な位置を算出する接触部位置算出部を備え、
    前記目標回転角度指令部は、
    前記スタイラスの接触部が予め設定された一連の測定経路に沿って案内され、前記一連の測定経路が、測定を自動的に中断して前記スタイラスの接触部を次の測定再開位置まで位置決めする際に当該接触部を通過させる位置決め経路を途中に含むように設定され、当該一連の測定経路を連続測定する場合に、
    前記位置決め経路の前方にあって測定が実行される測定実行経路を測定する間は、検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が前記所定角度以上となる範囲内に前記目標回転角度を設定して、一定の測定力を生じさせ、
    測定中断位置に前記スタイラスの接触部が達したならば、前記目標回転角度を当該測定中断位置において検出されるスタイラスの回転角度に一致させて、前記スタイラスを保持し、
    前記スタイラスの接触部が次の測定実行経路における測定再開位置まで位置決めされたならば、検出された前記スタイラスの回転角度と前記目標回転角度との差分が前記所定角度以上となる範囲内に前記目標回転角度を再度設定することを特徴とする測定力制御装置。
  3. 請求項1記載の測定力制御装置において、
    前記目標回転角度指令部は、
    被測定物の外周に形成された小径穴の内面を測定するために、前記スタイラスの接触部を前記小径穴に挿入して測定開始位置まで位置決めする際に、
    前記スタイラスの長尺方向の中心軸が前記小径穴の中心軸に対して平行になる前記スタイラスの回転角度に前記目標回転角度を設定することを特徴とする測定力制御装置。
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