JP2021132029A - 振動を抑制するコネクタハウジング、ならびにそのようなコネクタハウジングを有する電気プラグコネクタおよび電気プラグ接続部 - Google Patents

Abstract

【課題】電気プラグコネクタおよび電気プラグ接続部の製造性および耐振性を改善する。【解決手段】電気プラグコネクタ２用のコネクタハウジング１に関し、コネクタハウジング１は、事前定義された外径８２の電気ケーブル３０を差込み方向１２に沿って通過させる少なくとも１つのケーブルダクト１０、１０ａ、１０ｂと、旋回軸２０の周りで少なくとも１つのケーブルダクト１０内へ旋回させることができる少なくとも１つの振動抑制器１８とを備えており、少なくとも１つの振動抑制器１８の旋回状態で、差込み方向１２に直交する断面において、少なくとも１つのケーブルダクト１０、１０ａ、１０ｂの少なくとも１つの内法寸法は、通過させるべき電気ケーブル３０の事前定義された外径８２以下のサイズである。コネクタハウジング１の旋回可能な振動抑制器１８によって、振動の抑制を実現することができる。【選択図】図７

Description

本発明は、電気プラグコネクタ、たとえばそれだけではないが自動車分野で使用するための高圧プラグコネクタ用のコネクタハウジングに関する。本発明はまた、そのようなコネクタハウジングを有する電気プラグコネクタおよび電気プラグ接続部に関する。

自動車工学の多数の応用例では、電流および電気信号の伝送のために、着脱可能なプラグ接続部によって導電コンタクト素子が電気的に接触するように形成される。電流は、特にコンタクト素子の相互に接触する接触面または接点を介して生じる。この目的で、コンタクト素子はそれぞれ、典型的には、好適なコネクタハウジング内に位置決めされて取り付けられる。たとえば、コンタクト素子の設置の状況で製造に関連する寸法公差を補償するために、この位置決めおよび取付けのために特定の遊びが設けられる。

振動を受ける動作条件下では、コンタクト素子の接触面または接点間で摩擦による相対運動が引き起こされる可能性がある。その結果、コンタクト素子の摩損および摩耗が増大する。これは、電気プラグ接続部の動作挙動に負の影響を与える可能性がある。

本発明は、電気プラグコネクタおよび電気プラグ接続部の製造性および耐振性を全体として改善するという目的に基づいている。

この目的は、電気プラグコネクタ用のコネクタハウジングによって満足され、コネクタハウジングは、事前定義された外径の電気ケーブルを差込み方向に沿って通過させる少なくとも１つのケーブルダクトと、旋回軸の周りで少なくとも１つのケーブルダクト内へ旋回させることができる少なくとも１つの振動抑制器とを備えており、少なくとも１つの振動抑制器の旋回状態で、差込み方向に直交する断面において、少なくとも１つのケーブルダクトの少なくとも１つの内法寸法は、通過させるべき電気ケーブルの事前定義された外径以下のサイズである。

内法寸法は、同義語として内側寸法または内側内法寸法と呼ぶこともでき、本明細書では、たとえば、内法幅、内法高さ、内径、ケーブルダクトの最も狭い内側寸法、またはケーブルダクトの２つの内壁間の最短距離を意味すると理解されたい。

なにより、本発明には、ケーブルの組立て後、すなわち電気ケーブルを通過させた後、少なくとも１つの旋回可能な振動抑制器によって追加の振動抑制を確立する可能性をもたらすという利点がある。特に、少なくとも１つの振動抑制器の旋回状態で、その結果得られる内法寸法により、少なくとも１つのケーブルダクトを通過した電気ケーブルを少なくとも１つのケーブルダクトの内部に接触した状態で締付け、圧搾、押圧、または少なくとも保持することができる。言い換えれば、少なくとも１つのケーブルダクトの断面の後の低減を使用して、電気ケーブルを振動しないように固定する。少なくとも１つの振動抑制器は、たとえば締付けデバイス、摺動部、押圧要素、および／または断面調整部によって実施することができる。
ケーブルの組立て中、すなわち旋回状態から外れた状態では、少なくとも１つの振動抑制器は、電気ケーブルが少なくとも１つのケーブルダクトを通過することを阻止しない。それによって、コネクタハウジングは、電気プラグコネクタの形成を簡略化し、振動抑制によって、電気プラグコネクタの耐振性の増大に寄与する。

本発明は、次の実施形態によってさらに改善することができる。これらの実施形態は、単独で有利であり、互いに任意に組み合わせることもできる。

本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つの振動抑制器は、コネクタハウジングの外面に配置することができ、ヒンジによって旋回可能とすることができる。したがって、ヒンジは、少なくとも１つの振動抑制器をコネクタハウジングで、好ましくは係留によって保持することができ、同時に旋回軸を画定することができる。たとえば、旋回軸は、差込み方向に直交して延びることができる。必要とされる空間およびコネクタハウジングのアクセス性に応じて、旋回軸はまた、たとえば差込み方向に斜めまたは平行に、他の延長部を有することもできる。

必要とされる旋回サイクルおよび目的とする生産コストに応じて、ヒンジは、旋回ヒンジ、スナップヒンジ、または一体ヒンジとして設計することができる。

本発明の１つのさらなる実施形態によれば、少なくとも１つの振動抑制器は、旋回状態で少なくとも１つのケーブルダクト内へ突出する少なくとも１つの突出部を備える。少なくとも１つの突出部は、好ましくは、差込み方向に直交して少なくとも１つのケーブルダクト内へ突出する。ここで、少なくとも１つの突出部は、少なくとも１つのケーブルダクトの内法寸法に影響を与えるための方策であり、容易に実施することができる。この結果、コネクタハウジングの簡単な構造が得られる。

１つの可能な実施形態によれば、少なくとも１つの突出部は、くさび形状を有することができ、くさび形状は、好ましくは、少なくとも１つの振動抑制器が旋回状態にあるとき、少なくとも１つのケーブルダクト内を向く。言い換えれば、少なくとも１つの突出部は、少なくとも１つの振動抑制器の旋回方向に沿って、すなわち旋回軸の円周方向に沿って先細りするくさび状プロファイルを有する。くさび状プロファイルは、直線または曲線とすることができる。したがって、少なくとも１つの振動抑制器が内方へ旋回したとき、内法寸法の連続する無段階の低減を得ることができる。加えて、少なくとも１つの振動抑制器を旋回させるために必要とされる力の量がより小さくなり、したがって電気プラグコネクタの組立てが簡略化される。

追加または別法として、少なくとも１つの突出部は、少なくとも１つの振動抑制器が内方へ旋回したとき、ケーブルダクトの内壁によって撓まされて位置合わせされる好ましくは弾性の脚部として構成することができる。したがって、特に差込み方向に直交して誘導される力を生成することができ、それにより少なくとも１つの振動抑制器の締付け力、圧搾力、押圧力、または保持力が増大する。

少なくとも１つの振動抑制器は、任意選択で、２つの突出部を備えることができ、これら２つの突出部は、差込み方向に直交する少なくとも１つの振動抑制器の断面にＵ字形のプロファイルが生じるように配置された弾性脚部として構成される。たとえば、弾性脚部として構成された２つの突出部は、互いに平行に延び、通過させるべき電気ケーブルの事前定義された外径以下のサイズの距離をあけて隔置される。少なくとも１つの振動抑制器の旋回状態で、弾性脚部として構成された突出部は、差込み方向に直交して延び、したがって弾性脚部として構成された突出部間に、通過させるべき電気ケーブルを締め付けることができる。

さらなる実施形態によれば、少なくとも１つの突出部は、少なくとも１つの振動抑制器のアームに配置される。アームは、たとえば、少なくとも１つの振動抑制器をヒンジに接続するレバーとすることができる。次いで、てこの作用を使用することができ、コネクタハウジングの取扱いを簡略化することができる。コネクタハウジングを操作するときの滑りを防止するために、アームは、少なくとも１つの波状面を備えることができる。

通過させるべき電気ケーブルを事前に位置決めする目的で、コネクタハウジングは、少なくとも１つのケーブルダクトの内壁に配置された少なくとも１つの切込みを備えることができ、少なくとも１つの切込みは、それぞれケーブル台座またはケーブル支持体としての役割を果たす。特に、少なくとも１つの切込みは、差込み方向に平行に延びることができ、少なくとも１つの振動抑制器の旋回状態で、少なくとも１つのケーブルダクトに対して差込み方向に直交する少なくとも１つの振動抑制器の少なくとも１つの突出部に対向して少なくとも部分的に配置することができる。したがって、少なくとも１つの切込みによって、１つの方向に内法寸法が低減するだけで、通過させるべき電気ケーブルをいくつかの方向からさらに固定することができる。
より厳密には、締付け固定の目的で、少なくとも１つの振動抑制器の少なくとも１つの突出部によって、１つの方向からポジティブフィットで、通過させるべき電気ケーブルを少なくとも１つの切込みに押し込むことができ、それによって他の方向でも電気ケーブルの動きの自由が制限される。

コネクタハウジングはまた、電気コンタクト素子を差込み方向に沿って好ましくは掛止によって受け取るために、少なくとも１つのコンタクトチャンバを備えることができ、少なくとも１つのケーブルダクトは、少なくとも１つのコンタクトチャンバ内へ開いている。

本発明のさらなる実施形態によれば、コネクタハウジングは、平行に延びる少なくとも２つのケーブルダクトを有することができる。ケーブルダクトは、好ましくは、少なくとも１つの隔壁によって少なくとも部分的に互いに分離され、少なくとも１つの切込みは、少なくとも１つの隔壁に配置される。それぞれケーブル台座またはケーブル支持体として用いられる１つの切込みは、好ましくは、各ケーブルダクトに設けられる。

本発明の適用可能性は、追加のケーブルダクトによって拡大することができる。たとえば、２つのコアまたは複数のコアを含む電気ケーブルの個々のコアをそれぞれ１つのケーブルダクトに通過させることができる。次いで、少なくとも１つの隔壁は、必要な空間距離および沿面距離が維持されることを確実にする。

さらなる実施形態では、少なくとも１つの振動抑制器は、旋回前位置および／または旋回状態で掛止する少なくとも１つの掛止要素を備えることができる。特に、少なくとも１つの掛止要素は、コネクタハウジングの外縁部に掛止することができる。少なくとも１つの振動抑制器の内法画定位置は、組立て前（すなわち、旋回前位置）および最終組立て（すなわち、旋回状態）に対して区別可能とすることができるため、コネクタハウジングの組立ては、少なくとも１つの掛止要素によって簡略化することができる。さらに、掛止に関連するノイズの発生を音響による組立て確認として使用することができる。

根本的な目的はまた、コネクタハウジングと、事前定義された固有周波数を有する少なくとも１つの電気ケーブルと、少なくとも１つの電気ケーブルの端部に配置された少なくとも１つの電気コンタクト素子とを備える電気プラグコネクタによって満足させることができる。少なくとも１つの電気コンタクト素子は、たとえば、同等の技術的方策を使用して、少なくとも１つの電気ケーブルに圧着、ねじ留め、溶接、はんだ付け、または取付けすることができる。コネクタハウジングは、上記の実施形態の１つによって構成され、少なくとも１つの振動抑制器は、旋回状態で、少なくとも１つの電気ケーブルに少なくとも接触する。特に、少なくとも１つの振動抑制器の内面、すなわち少なくとも１つのケーブルダクトに対して内方を向いている表面は、少なくとも１つの電気ケーブルのケーブル絶縁体および／または導体に接触することができる。
少なくとも１つの電気ケーブルは、任意選択で、旋回状態にある振動抑制器の内面と少なくとも１つのケーブルダクトの内壁または隔壁との間で押圧することができる。

本発明による電気プラグコネクタは、ケーブルが設置された後、少なくとも１つの振動抑制器によって少なくとも１つの電気ケーブルの動きの自由度を制限することができることから有利である。その結果、少なくとも１つの電気ケーブルおよび少なくとも１つの電気ケーブルに接続された関連する少なくとも１つの電気コンタクト素子は、振動に誘起される動きの影響を受けにくくなる。その結果、本発明による電気プラグコネクタにより高い耐振性を与えることができる。

好ましい実施形態では、少なくとも１つの電気ケーブルは、少なくとも１つの振動抑制器の旋回状態で、少なくとも１つの電気ケーブルの事前定義された固有周波数より高い固有周波数を有することができる。固有周波数を上昇させることによって、少なくとも１つの電気ケーブルおよび少なくとも１つの電気ケーブルに接続された少なくとも１つの電気コンタクト素子の固有振動の発生が、より高い周波数レベルに選択的にシフトされ、この周波数レベルは、好ましくは、それぞれその応用例にとって予期されるまたは典型的な振動の周波数範囲外である。

少なくとも１つの振動抑制器を旋回状態で固定するために、少なくとも１つの振動抑制器の少なくとも１つの外面、すなわち少なくとも１つのケーブルダクトに対して外方を向いている表面は、少なくとも１つのケーブルダクトの内壁または隔壁との圧力嵌め、摩擦係合、および／またはポジティブサブスタンスフィット接続（ｐｏｓｉｔｉｖｅ ｓｕｂｓｔａｎｃｅ−ｆｉｔ ｃｏｎｎｅｃｔｉｏｎ）に入ることができる。特に、差込み方向に直交するコネクタハウジングの断面で、少なくとも１つの振動抑制器の外側輪郭は、少なくとも１つのケーブルダクトの内側輪郭以上のサイズとすることができる。旋回状態がたとえば恒久的に想定される場合、旋回状態で少なくとも１つの振動抑制器の接着接合も可能である。

追加または別法として、本発明による電気プラグコネクタは、少なくとも１つの振動抑制器を旋回状態で保持するロックデバイスをさらに備えることができる。ロックデバイスは、たとえば振動または他の外的影響によって、少なくとも１つの振動抑制器が偶発的に解放されることを防止する。

ロックデバイスは、好ましくは、電気プラグコネクタのコネクタハウジングを少なくとも部分的または完全に取り囲むことができる。たとえば、遮蔽スリーブをロックデバイスとして使用することができ、遮蔽スリーブは同時に、電気プラグコネクタを電磁放射から遮蔽する働きをすることができる。ロック機能を遮蔽スリーブに機能的に一体化した結果、必要とされる構成要素の数が低減され、したがって電気プラグコネクタの製造性が改善される。

少なくとも１つの振動抑制器は、任意選択で、少なくとも１つの位置決め要素を備えることができ、ロックデバイスは、少なくとも１つの位置決め要素に少なくとも部分的に当接する。特に、少なくとも１つの位置決め要素は、少なくとも１つの振動抑制器の蓋面、すなわち少なくとも１つのケーブルダクトに対して外側からアクセス可能な表面に配置することができ、たとえば肩部の形状とすることができる。ロックデバイスは、任意選択で、肩部の形状の少なくとも１つの位置決め要素に収まり、したがって軸方向に、すなわち差込み方向に作用する力に逆らってロックされる。

上記の実施形態による電気プラグコネクタと、電気プラグコネクタに相補形になるように構成された相手側コネクタとを有する電気プラグ接続部も同様に、上述した根本的な目的を満足させる。相手側コネクタは、電気プラグコネクタの各電気コンタクト素子に対して相手側コンタクトを備える。上記で説明した利点は、特に少なくとも１つの振動抑制器によって、電気プラグ接続部の耐振性の増大および摩損挙動の改善をもたらす。

本発明について、以下、いくつかの実施形態を使用して、図面を参照しながら、より詳細に説明するものとする。これらの実施形態の様々な特徴は、上記に従って互いに任意に組み合わせることができる。

例示的な実施形態による本発明のコネクタハウジングの概略斜視分解図である。 例示的な実施形態による本発明の電気プラグコネクタの概略斜視断面図である。 図２の本発明による電気プラグコネクタのさらなる概略斜視断面図である。 図２の本発明による電気プラグコネクタの概略上面図である。 図３の本発明による電気プラグコネクタの概略上面図である。 さらなる実施形態による本発明の電気プラグコネクタの断面の部分拡大図である。 可能な実施形態による本発明の電気プラグ接続部の概略斜視断面図である。

まず、本発明によるコネクタハウジング１の概略構造について、図１を参照して説明するものとする。その後、本発明による電気プラグコネクタ２の概略構造について、図２〜図６を参照して説明するものとする。最後に、本発明による電気プラグ接続部４について、図７を参照して簡単に説明するものとする。

本発明によるコネクタハウジング１は、図１に示すように、２つの部分を有するように構成することができる。コネクタハウジング１の１つの部分６が、細長い中空部８の形状である。少なくとも１つのケーブルダクト１０、たとえば２つのケーブルダクト１０ａ、１０ｂが、差込み方向１２に沿って中空部８を通って延びることができる。２つのケーブルダクト１０ａ、１０ｂはそれぞれ、隔壁１４によって互いに部分的に分離することができる。コネクタハウジング１の他の部分１６は、同様に図１に示すように、振動抑制器１８とすることができ、旋回軸２０の周りで２つのケーブルダクト１０ａ、１０ｂ内へ旋回させることができる。

旋回軸２０は、例示のみを目的として、図１〜図３に差込み方向１２に直交して位置合わせされた状態で示されている。旋回軸２０はまた、差込み方向１２に平行または斜めに延びることもできる。

振動抑制器１８は、好ましくは、中空部８の外面２４でヒンジ２２によって旋回可能になるように保持される。ヒンジ２２は、少なくとも１つのピン２６と、ピン２６の周りに係合する少なくとも１つの孔２８とからなることができる。対称性の理由で、２つまたは偶数のピン２６および２つまたは偶数の孔２８を設けることができる。図１で、ヒンジ２２の孔２８は、部分的に開いた状態で示されている。別法として、これらの孔２８または少なくとも１つの孔２６は、円周方向に閉じることができる。さらに、孔２８は、たとえば中空部８に配置することができる。ピン２６は、振動抑制器１８に対応して配置される。当然ながら、この配置を逆にしたり混合することもできる。

別法として、振動抑制器１８はまた、一体ヒンジ（図示せず）またはスナップヒンジ（図示せず）によって、中空部８の外面２４に取り付けることができる。特に、中空部８および振動抑制器１８は、一体になるように形成することができる。

図１〜図７に示す実施形態では、コネクタハウジング１は、１つの振動抑制器１８のみを備える。コネクタハウジング１に通過させるべき電気ケーブル３０の数および位置に応じて、２つ以上の振動抑制器を設けることもできる。この場合、振動抑制器は、均一または不均一の長さ間隔だけずらして、コネクタハウジング１に配置することができる。ずれは、均一または不均一の角度間隔でもたらすこともできる。

振動抑制器１８は、図１に示す形状を有することができる。特に、振動抑制器１８は、２つの脚部状突出部３４を備える締付けデバイス３２として構成することができる。脚部状突出部３４は、互いに平行に延びて、旋回方向３６に沿って延びる。脚部状突出部３４はそれぞれ、くさび形状、特にくさび状プロファイル３８を有するように構成することができる。図５に示すように、くさび状プロファイル３８は、曲線とすることができ、旋回方向３６に沿って先細りすることができ、すなわち差込み方向１２に直交することができる。直線のくさび状プロファイルも適当である。

振動抑制器１８は、アーム４０をさらに備えることができ、アーム４０は、レバー４２のように構成され、脚部状突出部３４をヒンジ２２に接続する。

また図１に示すように、振動抑制器１８は、少なくとも１つの、好ましくはいくつかの、掛止要素４４を備えることができる。掛止要素４４は、振動抑制器１８で、より厳密には脚部状突出部３４および／または振動抑制器１８のアーム４０で、係合タブ４６ａ、４６ｂの形に突出することができる。

特に、脚部状突出部３４の係合タブ４６ａは、中空部８の外縁部４８に係合することができ、すなわち掛止接続部５０を確立することができ、したがって振動抑制器１８は、図２に示すように、旋回前位置５２で掛止することができる。

アーム４０の係合タブ４６ｂは、振動抑制器１８を旋回状態５４で掛止するために使用することができる。これが図３に示されている。

少なくとも１つの隔壁１４は、切込み５６を備えることができ、切込み５６は、たとえば、少なくとも１つの隔壁１４の両側に配置された２つの面５８で差込み方向１２に平行に延びる。これが図１に示されている。

図２で、中空部８がコンタクトチャンバ６０をさらに備えることを見ることができ、コンタクトチャンバ６０はそれぞれ、電気コンタクト素子６２を受け取る役割を果たす。コンタクトチャンバ６０は、中空部８の軸方向端６４に配置される。各ケーブルダクト１０は、１つのコンタクトチャンバ６０内へ開いている。図２にさらに示すように、コネクタハウジング１は、電気コネクタ２の一部とすることができ、各コンタクトチャンバ６０内に１つの電気コンタクト素子６２が、掛止スペード６６によって掛止によって保持される。それぞれの電気コンタクト素子６２は、締付け部６８の上に、たとえば電気ケーブル３０の一方の端部７０に圧着される。別法として、コンタクト素子６２およびケーブル３０はまた、ねじ留め、溶接、またははんだ付けによって接続することもできる。

電気ケーブル３０は、好ましくは、関連するケーブルダクト１０を通過し、切込み５６を越えて、それぞれのコンタクトチャンバ６０まで進む。言い換えれば、電気ケーブル３０は、関連するケーブルダクト１０を通って切込み５６に平行に少なくとも部分的に延びることができる。

振動抑制器１８が図２の旋回前位置５２にあるとき、それぞれの電気ケーブル３０は、関連するケーブルダクト１０内で自由に浮動するように配置される。それぞれの電気ケーブル３０は、自由に浮動する長さ７４に対応する事前定義された固有周波数を有する。振動抑制器１８を図３の旋回状態５４へ旋回させることによって、電気ケーブル３０は、差込み方向１２に直交するコネクタハウジング１の断面７６において、１つの脚部状突出部３４と少なくとも１つの隔壁１４との間で締め付けられる。より具体的には、それぞれの電気ケーブル３０は、それぞれの脚部状突出部３４の内面７８、すなわちケーブルダクト１０に対して内方を向いている表面と、少なくとも１つの隔壁１４との間で締め付けられる。それによって、電気ケーブル３０はまた、それぞれの切込み５６に押し込まれる。
これらの状態は、図４および図５を検証すると理解することができる。ここで、ケーブルダクト１０内へ突出する脚部状突出部３４のくさび状プロファイル３８によって、それぞれのケーブルダクト１０の内法幅８０は連続して無段階に低減される。内法幅８０は、ケーブルダクト１０を通過した電気ケーブル３０の外径８２以下のサイズまで低減される。

別法または追加として、振動抑制器１８によって、内法高さ、内径、最も狭い内側寸法、または対応するケーブルダクト１０の２つの内壁９６間の最短距離を低減させることもできる。

図３から見ることができるように、電気ケーブル３０の自由浮動部８６の長さ８４は、振動抑制器１８によって締め付けられることによって短くなる。その結果、電気ケーブル３０は、その動きの自由度の点から制限される。電気ケーブル３０はここで、変化した、好ましくはより高い固有周波数を有する。特に、電気ケーブル３０および電気ケーブル３０に取り付けられた電気コンタクト素子６２は、振動の影響を受けにくくなる。

図５に示すように、振動抑制器１８の旋回状態５４で、特にそれぞれの電気ケーブル３０のケーブル絶縁体８８が締め付けられる。中空部８および振動抑制器１８がそれぞれ、非導電性材料から形成されている場合、それぞれの電気ケーブル３０の電気導体９０を直接締め付けることもできる。

また図５では、少なくとも１つの圧力嵌め接続部（ｆｏｒｃｅ−ｆｉｔ ｃｏｎｎｅｃｔｉｏｎ）９２によって、振動抑制器１８を旋回状態５４でロックすることができることを見ることができる。より厳密には、少なくとも１つの外面９４、好ましくは互いに離れる方を向いて反対に配置された２つの外面９４ａ、９４ｂがそれぞれ、それぞれ中空部８の内壁９６ａ、９６ｂとの圧力嵌め接続部９２を確立することができる。この目的で、外面９４ａ、９４ｂ間の間隔９８は、内壁９６ａ、９６ｂ間の間隔１００以上のサイズとすることができる。任意選択で、これはまた、摩擦係合またはポジティブサブスタンスフィット接続とすることができる。

図６は、本発明による電気プラグコネクタ２の拡大部分図を断面図で示す。この断面図から見ることができるように、中空部８および振動抑制器１８は、ロックデバイス１０２によって少なくとも部分的または完全に取り囲むことができ、ロックデバイス１０２は、上記で説明した掛止要素４４および／または圧力嵌め接続部９２に対する追加または別法として、振動抑制器１８を旋回状態５４で保持する。特に、電磁放射から遮蔽する遮蔽スリーブ１０４をロックデバイス１０２として用いることができる。

ロックデバイス１０２を適用することによって、中空部８および／または振動抑制器１８は、少なくとも１つの位置決め要素１０６を備えることができ、少なくとも１つの位置決め要素１０６は、中空部８および／または振動抑制器１８の蓋面１０８に配置され、肩部１１０を形成する。図示の例示的な実施形態では、少なくとも１つの位置決め要素１０６は、振動抑制器１８の蓋面１０８に肩部１１０を形成する凹部１１２によって実施される。ロックデバイス１０２は、肩部１１０として形成された少なくとも１つの位置決め要素１０６に収まり、ロックデバイス１０２を軸方向に固定することができる。言い換えれば、ロックデバイス１０２の部分１１４が、差込み方向１２に直交する凹部１１２内へ突出することができ、したがってポジティブフィット接続部１１６が確立され、それにより差込み方向１２に作用する力を吸収することが可能になる。

図７に、本発明による電気プラグ接続部４の例示的な実施形態が示されている。電気プラグ接続部４は、たとえば上記の実施形態によって構成された電気プラグコネクタ２を備える。さらに、電気プラグ接続部４は、電気プラグコネクタ２に相補形になるように構成された相手側コネクタ１１８を備えており、相手側コンタクト１２０は、電気プラグコネクタ２の各電気コンタクト素子６２に対して設けられる。相手側コネクタ１１８は、摺動部１２２として構成された振動抑制器１８’をさらに備えることができる。摺動部１２２は、旋回運動ではなく並進摺動運動によって、相手側コネクタ１１８のコネクタハウジング１’へ導入される。代替実施形態では、振動抑制器１８はまた、押圧要素または断面調整部として構成することができる。

１、１’ コネクタハウジング
２ 電気プラグコネクタ
４ 電気プラグ接続部
６ 部分
８ 中空部
１０、１０ａ、１０ｂ ケーブルダクト
１２ 差込み方向
１４ 隔壁
１６ 部分
１８、１８’ 振動抑制器
２０ 旋回軸
２２ ヒンジ
２４ 外面
２６ ピン
２８ 孔
３０ 電気ケーブル
３２ 締付けデバイス
３４ 脚部状突出部
３６ 旋回方向
３８ くさび状プロファイル
４０ アーム
４２ レバー
４４ 掛止要素
４６ａ、４６ｂ 係合タブ
４８ 外縁部
５０ 掛止接続部
５２ 旋回前位置
５４ 旋回状態
５６ 切込み
５８ 面
６０ コンタクトチャンバ
６２ 電気コンタクト素子
６４ 軸方向端
６６ 掛止スペード
６８ 締付け部
７０ 端部
７４ 自由に浮動する長さ
７６ 断面
７８ 内面
８０ 内法寸法
８２ 外径
８４ 長さ
８６ 自由浮動部
８８ ケーブル絶縁体
９０ 電気導体
９２ 圧力嵌め接続部
９４、９４ａ、９４ｂ 外面
９６、９６ａ、９６ｂ 内壁
９８ 間隔
１００ 間隔
１０２ ロックデバイス
１０４ 遮蔽スリーブ
１０６ 位置決め要素
１０８ 蓋面
１１０ 肩部
１１２ 凹部
１１４ 部分
１１６ ポジティブフィット接続部
１１８ 相手側コネクタ
１２０ 相手側コンタクト
１２２ 摺動部

Claims (14)

1. 電気プラグコネクタ（２）用のコネクタハウジング（１）であって、事前定義された外径（８２）の電気ケーブル（３０）を差込み方向（１２）に沿って通過させる少なくとも１つのケーブルダクト（１０）と、旋回軸（２０）の周りで前記少なくとも１つのケーブルダクト（１０）内へ旋回させることができる少なくとも１つの振動抑制器（１８）とを備えており、前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）の旋回状態（５４）で、前記差込み方向（１２）に直交する断面（７６）において、前記少なくとも１つのケーブルダクト（１０）の少なくとも１つの内法寸法（８０）は、通過させるべき前記電気ケーブル（３０）の前記事前定義された外径（８２）以下のサイズである、コネクタハウジング（１）。
2. 前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）は、前記コネクタハウジング（１）の外面（２４）に配置されており、ヒンジ（２２）によって旋回可能である、請求項１に記載のコネクタハウジング（１）。
3. 前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）は、前記旋回状態（５４）で前記少なくとも１つのケーブルダクト（１０）内へ突出する少なくとも１つの突出部（３４）を備える、請求項１または２に記載のコネクタハウジング（１）。
4. 前記少なくとも１つの突出部（３４）は、くさび形状（３８）を有する、請求項３に記載のコネクタハウジング（１）。
5. 前記少なくとも１つの突出部（３４）は、前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）のアーム（４０）に配置されている、請求項３または４に記載のコネクタハウジング（１）。
6. 前記コネクタハウジング（１）は、前記少なくとも１つのケーブルダクト（１０）の内壁（９６）に少なくとも１つの切込み（５６）を備える、請求項１から５のいずれか一項に記載のコネクタハウジング（１）。
7. 前記コネクタハウジング（１）は、平行に延びる少なくとも２つのケーブルダクト（１０）を備えており、前記ケーブルダクト（１０）は、少なくとも１つの隔壁（１４）によって互いに分離され、前記少なくとも１つの切込み（５６）は、前記少なくとも１つの隔壁（１４）に配置されている、請求項６に記載のコネクタハウジング（１）。
8. 前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）は、旋回前位置（５２）および／または前記旋回状態（５４）で掛止する少なくとも１つの掛止要素（４４）を備える、請求項１から７のいずれか一項に記載のコネクタハウジング（１）。
9. コネクタハウジング（１）と、事前定義された固有周波数を有する少なくとも１つの電気ケーブル（３０）と、前記少なくとも１つの電気ケーブル（３０）の一方の端部（７０）に配置された少なくとも１つの電気コンタクト素子（６２）とを有する電気プラグコネクタ（２）であって、前記コネクタハウジング（１）は、請求項１から８のいずれか一項によって構成されており、前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）は、前記旋回状態（５４）で、前記少なくとも１つの電気ケーブル（３０）に接触している、電気プラグコネクタ（２）。
10. 前記少なくとも１つの電気ケーブル（３０）は、前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）の前記旋回状態（５４）で、前記少なくとも１つの電気ケーブル（３０）の前記事前定義された固有周波数より高い固有周波数を有する、請求項９に記載の電気プラグコネクタ（２）。
11. 前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）を前記旋回状態（５４）で保持するロックデバイス（１０２）をさらに備える、請求項９または１０に記載の電気プラグコネクタ（２）。
12. 前記ロックデバイス（１０２）は、前記電気プラグコネクタ（２）の前記コネクタハウジング（１）を少なくとも部分的に取り囲んでいる、請求項１１に記載の電気プラグコネクタ（２）。
13. 前記少なくとも１つの振動抑制器（１８）は、少なくとも１つの位置決め要素（１０６）を備えており、前記ロックデバイス（１０２）は、前記少なくとも１つの位置決め要素（１０６）に部分的に当接している、請求項１１または１２に記載の電気プラグコネクタ（２）。
14. 請求項９から１３のいずれか一項に記載の電気プラグコネクタ（２）と、前記電気プラグコネクタ（２）に相補形になるように構成された相手側コネクタ（１１８）とを有する電気プラグ接続部（４）であって、前記相手側コネクタ（１１８）は、前記電気プラグコネクタ（２）の各電気コンタクト素子（６２）に対して相手側コンタクト（１２０）を備える、電気プラグ接続部（４）。

Images