JP2021130301A - 再生可能なレトルトパウチ及びその再生可能なレトルトポリエステルフィルム - Google Patents

Abstract

【課題】再生可能なレトルトパウチ及びその再生可能なレトルトポリエステルフィルムの提供。【解決手段】ヒートシール層１０及び少なくとも１つのポリエステル層２０を含む再生可能なレトルトポリエステルフィルムＦ。ヒートシール層は、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、ポリブチレンテレフタレート、１，４−シクロヘキサンジメタノール、及びポリエチレンテレフタレート−１，４−シクロヘキサンジメタノールにより形成される。少なくとも１つのポリエステル層が前記ヒートシール層に形成され、かつ、少なくとも１つのポリエステル層がポリエステル組成物でなされる。ポリエステル組成物は、再生ＰＥＴボトルチップを物理的再生プロセスまたは化学的再生プロセスで製造した、固有粘度が０．６２ｄｌ／ｇ〜１．０ｄｌ／ｇであるポリエステル樹脂を含む。再生可能なレトルトパウチは、再生可能なレトルトポリエステルフィルムで製造される。【選択図】図１

Description

本発明はレトルトパウチに関し、特に再生可能なレトルトパウチ及びその再生可能なレトルトポリエステルフィルムに関する。

別名「ソフト缶詰」とも呼ばれるレトルトパウチでは、熱処理できるプラスチックフィルム袋であり、それは熱湯に強いプラスチック袋と缶詰容器両方のメリットを共に有し、理想的な包装容器ともいえる。殺菌レベルに応じて、（１）１２１℃の高温メリット（約４０分〜６０分）、（２）１３５℃の高温メリット（約２０分）、（３）１４５℃の超高温短時間メリット（約２分〜５分）の３種類に分けることができる。

既存の技術では、高温レトルトパウチは、表面層、中間層、ヒートシール層等異なる基材を外側から内側に順次に積層し、接着剤で接着してなされる複合層であるのが一般的である。なかでも、表面層の基材には、優れた支持性、耐熱性、印刷性が求められている。中間層には、遮光性、バリア性、両面接着性が考慮されている。ヒートシール層としては、主に、耐レトルト性、耐薬品性、耐パンク性、低吸着性を有するものが求められている。

一般に、レトルトパウチは、二層構造または三層構造を有している。二層構造である場合、ポリエチレンテレフタラート（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ ｔｅｒｅｐｈｔｈａｌａｔｅ， ＰＥＴ）／ポリエチレン（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ， ＰＥ）、ＰＥＴ／キャストポリプロピレン（ｃａｓｔ ｐｏｌｙｐｒｏｐｙｌｅｎｅ， ＣＰＰ）、または二軸延伸ポリアミド（ｂｉａｘｉａｌｌｙ ｏｒｉｅｎｔｅｄ ｐｏｌｙａｍｉｄｅ， ＢＯＰＡ）／ＣＰＰ等の構造になっている。三層構造である場合、ＰＥＴ／アルミ箔（ａｌｕｍｉｎｕｍ ｆｏｉｌ， ＡＬ）／ＣＰＰ、ＢＯＰＡ／ＡＬ／ＣＰＰ、またはＰＥＴ／ ＢＯＰＡ／ＣＰＰ等の構造になっている。

レトルトパウチは、異種材料を何層にも重ねて作られているため、製造工程が非常に複雑である。接着剤の選択が不適切であったり、投与量が不適切であったり、複合ローラのラミネート誤差があったり、圧力や温度が不十分であったりすると、レトルトパウチにブリスターが発生したり、シワが発生したり、変形したりするなどの不具合が発生することがあり、レトルトパウチの製造工程が煩雑になる。また、レトルトパウチの複合フィルム層は、レトルト後のレトルトパウチの層間剥離や破断が発生しやすく、リサイクルや再利用ができず、プラスチック汚染の原因となる。

そのため、レトルトパウチの製造工程をいかに簡素化し、レトルトパウチが破れる確率を低減し、レトルトパウチの構造を改善してリサイクル可能なレトルトパウチを実現するかが、この分野での重要な課題となっている。

本発明が解決しようとする課題は、既存技術の不足に対し、再生可能なレトルトパウチ及びその再生可能なレトルトポリエステルフィルムを提供することである。

上記課題を解決するために、本発明が採用する技術的手段の１つとしては、ヒートシール層及び少なくとも１つのポリエステル層を含む再生可能なレトルトポリエステルフィルムを提供することである。前記ヒートシール層は、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、ポリブチレンテレフタレート、１，４−シクロヘキサンジメタノール、及びポリエチレンテレフタレート−１，４−シクロヘキサンジメタノールからなる。少なくとも１つの前記ポリエステル層が前記ヒートシール層に形成され、かつ、少なくとも１つの前記ポリエステル層は、ポリエステル組成物で形成される。なかでも、前記ポリエステル樹脂は、ＰＥＴボトルチップを回収して、物理的再生プロセスまたは化学的再生プロセスで製造して得たポリエステル樹脂を含み、前記ポリエステル樹脂は、０．６２ｄｌ／ｇ〜１．０ｄｌ／ｇの固有粘度を有する。本発明に係る特定の実施形態において、前記ポリエステル組成物は、酸化防止成分、造核剤及び流動促進剤をさらに含む。

本発明に係る特定の実施形態において、前記ポリエステル組成物は、その総重量に基づいて、前記ポリエステル樹脂９５ｗｔ％〜９９ｗｔ％と、前記酸化防止成分０．５ｗｔ％〜２ｗｔ％と、前記造核剤０．５ｗｔ％〜２ｗｔ％と、前記流動促進剤０．１ｗｔ％〜０．５ｗｔ％とを含む。

本発明に係る特定の実施形態において、前記酸化防止成分に、一次酸化防止剤５０ｗｔ％〜６０ｗｔ％及び二次酸化防止剤４０ｗｔ％〜５０ｗｔ％が含まれる。

本発明に係る特定の実施形態において、前記再生可能なレトルトポリエステルフィルムはさらに、少なくとも１つの前記ポリエステル層に形成されるプリント層を含み、かつ、前記プリント層は、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂及び水性アクリル樹脂から選ばれる１種または２種以上と、硬化剤とで形成される。

上記技術的課題を解決するために、本発明が採用する別の技術的手段としては、前記再生可能なレトルトポリエステルフィルムで製造される再生可能なレトルトパウチを提供することである。

本発明による有益な効果の１つとしては、本発明が提供する再生可能なレトルトパウチ及びその再生可能なレトルトポリエステルフィルムは、「前記ヒートシール層がイソフタル酸、ネオペンチルグリコール、ポリブチレンテレフタレート、１，４−シクロヘキサンジメタノール、及びポリエチレンテレフタレート−１，４−シクロヘキサンジメタノールで形成され」、及び「少なくとも１つの前記ポリエステル層は、ポリエステル組成物で形成され、前記ポリエステル樹脂は、ＰＥＴボトルチップを回収した後、物理的再生プロセス、化学的再生プロセスで再生してなされるポリエステル樹脂を含み、かつ、前記ポリエステル樹脂は、０．６２ｄｌ／ｇ〜１．０ｄｌ／ｇの固有粘度を有する」という技術的手段により、本発明による再生可能なレトルトポリエステルフィルムの材料は、全てポリエステル材で形成されることができ、ヒートシール性、耐レトルト性が良好であり、層間剥離を避けるために接着剤を使用する必要がなく、リサイクルが可能である。

本発明に係る第１の実施形態の再生可能なレトルトポリエステルフィルムの１つ実施例を示す断面模式図である。 本発明に係る第１の実施形態の再生可能なレトルトポリエステルフィルムのもう１つ実施例を示す断面模式図である。 本発明に係る第２の実施形態の再生可能なレトルトポリエステルフィルムを示す断面模式図である。

本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。

既存のレトルトパウチは、接着剤を介して異種材料を接着して形成されているため、工程が煩雑であり、リサイクル性がなく、剥離や破損しやすいという問題があった。そこで、本発明は、接着剤による接着を必要とせず、加工が容易で、リサイクルが可能なレトルトパウチフィルムとして、ポリエステル材料共押出多層フィルムを用いる技術的解決策を提供するものである。

下記より、具体的な実施例で本発明が開示する「再生可能なレトルトパウチ及びその再生可能なレトルトポリエステルフィルム」に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神を逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。

本明細書に用いられる「又は」という用語は、実際の状況に応じて、関連する項目中の何れか一つ又は複数の組合せを含み得る。

別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。用語が単数形で使用される場合は、用語の複数形を含む。

本明細書中で言及されているすべてのパーセントは、特に示されていない限り、ｗｔ％である。上限と下限の範囲が提供されている場合、言及されている範囲のすべての組み合わせは、それぞれが明示的にリストされているかのようにカバーされている。
［第１の実施形態］

図１及び図２を参照されたい。本発明に係る第１の実施形態はヒートシール層１０と、ヒートシール層１０に形成される少なくとも１つのポリエステル層２０とを含む再生可能なレトルトポリエステルフィルムＦを提供する。ヒートシール層１０は、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、ポリブチレンテレフタレート、１，４−シクロヘキサンジメタノール、及びポリエチレンテレフタレート−１，４−シクロヘキサンジメタノールから形成される。なお、ポリエチレンテレフタレート−１，４−シクロヘキサンジメタノールをヒートシール層１０として添加することは融点を下げて、さらに優れたヒートシール効果を果たすことができる。ポリエステル層２０は、１層（図１に示すように）、２層（図２に示すように）または多層の構成に形成されることができる。ポリエステル層２０は、ポリエステル組成物で形成され、ポリエステル組成物は少なくともポリエステル樹脂を含む。ポリエステル樹脂としては、ＰＥＴボトルチップを回収した後、物理的再生プロセス及び化学的再生プロセスを行って製造したポリエステル樹脂を利用してもよい。上記ポリエステル樹脂は、０．６２ｄｌ／ｇ〜１．０ｄｌ／ｇの固有粘度を有し、それに前記物理的再生ポリエステル樹脂及び前記化学的再生ポリエステル樹脂が含まれる。なかでも、前記化学的再生ポリエステル樹脂の重量比率が５ｗｔ％以上である。

さらに、ポリエステル樹脂は１種以上のジカルボン酸単位と、１種以上のジオール単位とで形成されてもよい。ジカルボン酸単位としては、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、シクロヘキサンジカルボキシレート、ナフタレンジカルボン酸、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。ジオール単位としては、メチレングリコール、１，４−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、グリコール、プロピレングリコール、１，２−プロパンジオール、１，３−プロパンジオール、２，２−プロパンジオール、ブチレングリコール、１，２−ブタンジオール、１，３−ブタンジオール、１，４−ブタンジオール、２，３−ブタンジオール、１，１−ブタンジオール、２，２−ブタンジオール、イソブチレングリコール、１，２−イソブタンジオール、１，３−イソブタンジオール、１，１−イソブタンジオール、ペンチレングリコール、ネオペンチルグリコール、１，５−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、２，３−ジメチル−２，３−ブタンジオール、２，５−ジメチル−２，５−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。

特定の実施形態において、ポリエステル樹脂は、固体重合処理を施したポリエステルペレットであってもよい。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）、ポリトリメチレンテレフタレート（ＰＰＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポリブチレンナフタレート（ＰＢＮ）、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート（ＰＣＴ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、またはポリアリレートから選ばれるものが挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ＰＥＴが好ましく、再生ＰＥＴボトルチップが特に好ましい。ポリエステル樹脂の固有粘度（ｉｎｔｒｉｎｓｉｃ ｖｉｓｃｏｓｉｔｙ， ＩＶ）は、０．６２ｄｌ／ｇ〜１．０ｄｌ／ｇが好ましい、０．６５ｄｌ／ｇ〜０．７５ｄｌ／ｇがさらに好ましい。そのように、ポリエステル樹脂の成形時の圧力（環境圧、外圧など）を低減することができ、剪断工程で発生する熱を低減してポリエステル樹脂の熱分解を防止することができる。

本実施形態において、ポリエステル層２０におけるポリエステル組成物は、ポリエステル樹脂９５ｗｔ％〜９９ｗｔ％と、酸化防止成分０．５ｗｔ％〜２ｗｔ％と、造核剤０．５ｗｔ％〜２ｗｔ％と、流動促進剤０．１ｗｔ％〜０．５ｗｔ％とを含む。なお、本発明のポリエステル組成物を配合することにより、二軸延伸フィルムの結晶配向性を向上させることができることは特筆に値する。

酸化防止成分（酸化防止剤）は、一次酸化防止剤５０ｗｔ％〜６０ｗｔ％と、二次酸化防止剤４０ｗｔ％〜５０ｗｔ％とを含む。一次酸化防止剤及び二次酸化防止剤がうまく連携して、より良い酸化防止効果を発揮することができる。さらに言えば、さらに、一次酸化防止剤は、ペルオキシラジカル（ｐｅｒｏｘｙ ｒａｄｉｃａｌ，ＲＯＯ・）と迅速に反応してフリーラジカル連鎖反応を終了させ、二次酸化防止剤は、ヒドロペルオキシド（ＲＯＯＨ）と反応してそれを非ラジカルで非反応性の生成物に変換する。一次酸化防止剤フェノール化合物またはアミン化合物から選択することができ、具体的には商標名がＩｒｇａｎｏｘ １０１０、Ｉｒｇａｎｏｘ １４２５、Ｉｒｇａｎｏｘ ２４５、Ａｎｏｘ １３１５、Ａｎｏｘ ＰＰ１８、Ａｎｏｘ ２０、Ｌｏｗｉｎｏｘ １７９０、Ｌｏｗｉｎｏｘ ＴＢＭ−６８及びＮａｕｇａｒｄ ４４５となる市販品が挙げられる。二次酸化防止剤は、リン化合物または硫黄エステル化合物から選択することができ、具体的には商標名がＳａｎｄｏｓｔａｂ Ｐ−ＥＰＱ、Ｉｒｇａｆｏｓ １６８及びＮａｕｇａｒｄ ４１２Ｓとなる市販品が挙げられる。

造核剤は、ポリエステルフィルムの全体的な結晶性を向上させ、耐熱性を向上させることができ、さらに、結晶化の成長を促進し、結晶化の大きさを小さくし、大きな球状結晶の生成を抑え、フィルム表面の脆化を回避することができる。造核剤としては、鉱物材料、金属酸化物、ケイ素化合物、有機または無機酸の金属塩、芳香族リン酸エステル金属塩、ポリオール誘導体、スルファニリド化合物、ガラス粉末、金属粉末、またはそれらの組み合わせが挙げられる。鉱物材料の具体例としては、グラファイト、タルク、カオリンなどが挙げられる。金属酸化物の具体例としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。ケイ素化合物の具体例としては、酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。有機酸または無機酸の金属塩の具体例としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、及びｐ−ｔｅｒｔ−ブチル安息香酸アルミニウム等が挙げられる。リン酸金属塩の具体例としては、芳香族リン酸金属塩が挙げられる。ポリオール誘導体の具体例としては、ジベンジリデンソルビトールが挙げられる。耐熱性を考慮すると、好ましい造核剤は無機材料である。

流動促進剤は、ポリエステル材料の溶融押出時の機械的なねじり力を効果的に減少させ、ポリマー分子鎖の断裂を低減させる。流動促進剤は、ペンタエリスリチルステアレート（ＰＥＴＳ）またはその類縁体であり得る。それは、熱安定性が良好で、揮発性が低く、高温での離型性、流動性が良好で、部分結晶化ポリエステルに対し核生成効果が良好である。
［第２の実施形態］

図３を参照されたい。本発明に係る第２の実施形態は、再生可能なレトルトポリエステルフィルムＦ'を提供する。それに、ヒートシール層１０と、少なくとも１つのポリエステル層２０と、プリント層３０とを含む。本実施形態において、ポリエステル層２０は１層構造になされると共に、ヒートシール層１０に形成される。プリント層３０は、ポリエステル層２０に形成される。かつ、プリント層は、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、または水性アクリル樹脂から選ばれる１種または２種以上と、硬化剤とから形成されるものである。なかでも、ヒートシール層１０及びポリエステル層２０の材料は、本発明に係る第１の実施形態と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。

さらに、プリント層３０の表面にはコロナ処理が施されており、インクの接着が容易で良好な印刷品質を得ることができるという効果を得ることができる。

再生可能なレトルトポリエステルフィルムの具体的な調製方法としては、固相重合されたヒートシール層、ポリエステル層（及びプリント層）のチップをそれぞれ異なる二軸押出機に添加し、チップが溶融するまで押出機の温度を調整する方法が挙げられる。なかでも、チップは、例えば、ポリエステル成分、酸化防止成分、造核剤、流動促進剤等を含み、混練、エステル化、溶融、冷却、造粒を経て得られるものであってもよい。チップは、溶融、濾過された後、多層フィルムを共押出しして積層シートとし、横方向延在工程と縦方向延在工程を経て、リサイクル可能なレトルトポリエステルフィルムを形成する。しかし、これらの詳細は、本実施形態によって提供される実行可能な実施例の一つに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。

本発明はさらに再生可能なレトルトパウチを提供し、それは、本発明に係る再生可能なレトルトポリエステルフィルムで作られるものであり、食品包装に用いることができる。
［熱浸透試験］

再生可能なレトルトポリエステルフィルムを使用した再生可能なレトルトパウチは、耐高温レトルト性に優れており、１２１℃の水中で３０分、または１３５℃の水中で１５分煮沸した後も、表面は変形せず、しわにもならず、層間の剥離もない。
［実施形態による有益な効果］

本発明による有益な効果の１つとしては、本発明が提供する再生可能なレトルトパウチ及びその再生可能なレトルトポリエステルフィルムは、「前記ヒートシール層は、ポリエチレンテレフタレート−１，４−シクロヘキサンジメタノールで形成される」及び「少なくとも１つの前記ポリエステル層は、ポリエステル組成物で形成され、前記ポリエステル組成物は、ポリエステル樹脂を含み、前記ポリエステル樹脂は、回収されたＰＥＴボトルチップを、物理的再生プロセスまたは化学的再生プロセスで製造したポリエステル樹脂を含み、かつ、前記ポリエステル樹脂は、０．６２ｄｌ／ｇ〜１．０ｄｌ／ｇの固有粘度を有する」という技術的手段により、本発明による再生可能なレトルトポリエステルフィルム材料は、全てポリエステル材で形成されることができ、ヒートシール性、耐レトルト性が良好であり、層間剥離を避けるために接着剤を使用する必要がなく、リサイクルが可能である。

さらに、本発明に係る再生可能なレトルトポリエステルフィルムは、ＣＰＰに代わりに、ポリエチレンテレフタレート−１，４−シクロヘキサンジメタノールをヒートシール層として使用されるため、それは、熱安定性、耐レトルト性、ヒートシール性に優れ、８０℃でヒートシールした場合のヒートシール層のヒートシール強度はＣＰＰと同等である。ポリエステル層は、０．６２ｄｌ／ｇ〜０．８０ｄｌ／ｇの固有粘度を有するため、接着剤を使用せずにヒートシール層を効果的に接着することができ、ヒートシール層が剥離しにくいため、製造工程を簡略化することができる。また、プリント層の表面にコロナ処理が施されているので、印刷の発色効果を効果的に高めることができる。

以上に開示される内容は本発明の好ましい実施可能な実施例に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではないので、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。

Ｆ、Ｆ' 再生可能なレトルトポリエステルフィルム
１０ ヒートシール層
２０ ポリエステル層
３０ プリント層

Claims (7)

1. イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、ポリブチレンテレフタレート、１，４−シクロヘキサンジメタノール、及びポリエチレンテレフタレート−１，４−シクロヘキサンジメタノールで形成されるヒートシール層と、
   前記ヒートシール層に形成され、ポリエステル組成物で形成される少なくとも１つのポリエステル層と、
   を含む、再生可能なレトルトポリエステルフィルムであって、
   前記ポリエステル組成物は、ポリエステル樹脂を含み、前記ポリエステル樹脂は、ＰＥＴボトルチップを回収し、それに物理的再生プロセスまたは化学的再生プロセスを行って製造したポリエステル樹脂を含み、前記ポリエステル樹脂は、０．６２ｄｌ／ｇ〜１．０ｄｌ／ｇである固有粘度を有する、再生可能なレトルトポリエステルフィルム。
2. 前記ポリエステル組成物はさらに、酸化防止成分、造核剤、及び流動促進剤を含む、請求項１に記載の再生可能なレトルトポリエステルフィルム。
3. 前記ポリエステル組成物の総重量に基づいて、前記ポリエステル組成物に前記ポリエステル樹脂９５ｗｔ％〜９９ｗｔ％と、前記酸化防止成分０．５ｗｔ％〜２ｗｔ％と、前記造核剤０．５ｗｔ％〜２ｗｔ％と、前記流動促進剤０．１ｗｔ％〜０．５ｗｔ％とを含む、請求項２に記載の再生可能なレトルトポリエステルフィルム。
4. 前記酸化防止成分は、一次酸化防止剤５０ｗｔ％〜６０ｗｔ％及び二次酸化防止剤４０ｗｔ％〜５０ｗｔ％を含む、請求項３に記載の再生可能なレトルトポリエステルフィルム。
5. 少なくとも１つの前記ポリエステル層に形成されると共に、水性ポリエステル樹脂、水性ポリウレタン樹脂及び水性アクリル樹脂からなる群から選ばれる１種または２種以上と、硬化剤とで形成されるプリント層、をさらに含む、請求項１に記載の再生可能なレトルトポリエステルフィルム。
6. 前記プリント層は、コロナ処理された表面を有する、請求項５に記載の再生可能なレトルトポリエステルフィルム。
7. 請求項１乃至請求項６のいずれか１項に記載の再生可能なレトルトポリエステルフィルムで作られる、再生可能なレトルトパウチ。

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