JP2021122619A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】切断部の仕上げを良好にする。
【解決手段】ミシン10では、複数の針板孔72が針板70に形成されている。これら針板孔72は、カットワーク刃60における複数の刃側回転位置に、それぞれ対応する位置に配置されている。これにより、針板孔72を、刃部64の形状に対応した形状に形成し、針板孔72の向きを、上側に対向配置された刃部64の向きと一致させることができる。具体的には、針板孔72において、刃部64の刃側切断面64Aに対応する、直線状の孔側切断面72Aを形成し、平面視で、刃側切断面64A及び孔側切断面72Aを、両者の面に対して直交する方向に対向配置させることができる。これにより、刃部64を針板孔72内に挿入させることで、刃側切断面64Aと孔側切断面72Aとによってカット対象物90を剪断して切断することができる。したがって、カット対象物90の切断部の仕上げを良好にすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミシンに関するものである。
下記特許文献1には、カット対象物(布)をカット(切断)して、カット対象物に模様などを形成することができるミシンが開示されている。具体的には、針棒の下端部に切断針回転装置が設けられており、切断針回転装置の切断針(カットワーク刃)が、針棒と同軸上に配置されると共に、針棒の軸回りに回転可能に構成されている。また、切断針回転装置の下側には、針板が設けられており、針板には、針板孔が形成されている。そして、切断針が針棒と共に下降して、切断針の刃部が針板孔内に挿入されることで、刃部及び針板孔によってカット対象物がカットされるようになっている。
特開2014−195491号公報
しかしながら、上記特許文献1のミシンでは、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、上記ミシンでは、切断針が針棒の軸回りに回転するため、切断針の回転位置に応じて切断針の向きが変化する。そして、上記特許文献1では、針板孔の形状について特に言及されていないが、切断針の向きの変化に対応するため、一般に、針板孔の形状が円形状に形成されている。このため、カット対象物をカットしたときに、カット対象物が引きちぎられるようになり、切断部が荒れた面に形成される場合がある。これにより、上記ミシンでは、切断部の仕上げを良好にするという点において改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、切断部の仕上げを良好にすることができるミシンを提供することを目的とする。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、上下運動する針棒の下端部に取付けられたベースと、前記針棒の軸回りに回転可能に前記ベースに連結された回転体と、を含んで構成された回転機構と、前記回転体に設けられ、前記回転体から下側へ延出されたカットワーク刃と、前記回転機構の下側に設けられ、前記カットワーク刃の刃部が挿入されることで前記刃部と協働してカット対象物を切断する針板孔を有する針板と、を備え、前記針板孔の向きを前記カットワーク刃の刃部と一致させた状態で前記刃部を前記針板孔の内部へ挿入させることを特徴としたミシンである。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記回転体は、ロック機構によって所定の回転角度毎にロックされており、前記カットワーク刃は、前記針棒の軸線に対して離間した位置に配置されており、前記針板孔が、前記針棒の軸線を中心に、前記針棒の軸線と前記カットワーク刃との離間距離と同距離を半径として、前記ロック機構の所定角度と同角度毎に複数形成されているミシンである。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記回転体は、ロック機構によって所定の回転角度毎にロックされており、前記針板は、ミシン本体に固定された針板本体と、前記針棒の軸回りに回転可能に前記針板本体に連結され、前記ロック機構の所定角度と同角度毎にロック可能に構成されると共に、前記針板孔が形成された回転針板と、を含んで構成されているミシンである。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記カットワーク刃が、前記針棒と同軸上に配置されているミシンである。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記カットワーク刃及び前記針板孔が、前記針棒の軸線から同じ距離離間した位置に配置されているミシンである。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記刃部は、前記針棒の軸方向から見て、直線状に形成された刃側切断面を有しており、前記針板孔は、前記刃側切断面に対応する平面状の孔側切断面を有しているミシンである。
上記構成のミシンによれば、切断部の仕上げを良好にすることができる。
第1の実施の形態に係るミシンを示す左斜め前方から見た斜視図である。 図1に示されるカットワーク機構を分解した分解斜視図である。 図1に示される針板及びカットワーク刃を拡大して示す斜視図である。 図1に示されるカットワーク刃と針板の針板孔とによってカット対象物を切断した状態を模式的に示す縦断面図である。 第2の実施の形態に係るミシンの要部を示す左斜め前方から見た斜視図である。 図5に示される針板を拡大して示す斜視図である。 第3の実施の形態に係るミシンの要部を示す左斜め前方から見た斜視図である。 (A)は、図3に示される針板孔の変形例を示す斜視図であり、(B)は、図3に示されるカットワーク刃の刃部及び針板孔の他の変形例を示す斜視図である。
(第1の実施の形態)
以下、図1〜図4を用いて、第1の実施の形態に係るミシン10について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、及び矢印RHは、それぞれミシン10の上側、前側、及び右側(幅方向一方側)を示している。以下、上下、前後、左右の方向を用いて説明する場合は、ミシン10の上下、前後、左右を示すものとする。
(ミシン10の全体について)
図1に示されるように、ミシン10は、ミシン本体12を有しており、ミシン本体12は、前側から見た正面視で、左側へ開放された略U字形状に形成されている。具体的には、ミシン本体12は、ミシン本体12の右端部を構成し且つ上下方向に延在された脚柱部12Aと、脚柱部12Aの上端部から左側へ延出されたアーム部12Bと、脚柱部12Aの下端部から左側へ延出されたベッド部12Cと、を含んで構成されている。
アーム部12Bの左端部の内部には、上下方向に延在された押え棒14が設けられており、押え棒14の下端部がアーム部12Bから下側へ突出している。押え棒14は、図示しない操作レバーに支持されており、操作レバーが操作されることで上下方向に移動するように構成されている。
また、押え棒14の前側には、上下方向を軸方向とする略円柱状の針棒16が設けられている。針棒16の上端部は、アーム部12Bの内部に設けられており、針棒16の下端部が、アーム部12Bから下側へ突出している。針棒16は針棒駆動機構(図示省略)に連結されており、ミシン10の作動時には、針棒駆動機構によって、針棒16が上下方向に往復移動するようになっている。また、針棒16の下端部には、後述するベース42を固定するための針棒固定部18が設けられている。針棒固定部18には、固定孔(図示省略)が形成されており、当該固定孔は、下側へ開放され且つ断面略D字形状に形成されている。
また、ミシン10は、布等のカット対象物90(図4参照)に対してカット(切断)を行うことができるミシンとして構成されている。具体的には、ミシン10は、カット時に用いられる、刺繍枠駆動装置20と、刺繍枠22と、針板70と、押え80と、カットワーク機構30と、を有している。以下、カット時に用いられる、ミシン10の各構成について説明する。
(刺繍枠駆動装置20について)
刺繍枠駆動装置20は、ミシン本体12のベッド部12Cに着脱可能に装着されている。刺繍枠駆動装置20は、駆動アーム20Aと、キャリッジ20Bと、を含んで構成されている。駆動アーム20Aは、前後方向に延在された略直方体状に形成されて、ベッド部12Cの上側において、左右方向に移動可能に構成されている。キャリッジ20Bは、駆動アーム20Aに前後方向に移動可能に設けられている。そして、刺繍枠駆動装置20の駆動部(図示省略)によって、駆動アーム20A及びキャリッジ20Bが移動するように構成されている。
(刺繍枠22について)
刺繍枠22は、略矩形枠状に形成されている。刺繍枠22の右側の外周部には、右側へ突出した刺繍枠固定部22Aが形成されており、刺繍枠固定部22Aは、刺繍枠駆動装置20のキャリッジ20Bに固定されている。これにより、刺繍枠駆動装置20が駆動することで、刺繍枠22が、針棒16の下側において、前後及び左右に移動するように構成されている。また、刺繍枠22は、2部材によって構成されており、刺繍枠22によって、カット対象物90を上下に挟み込む構成になっている。これにより、カット対象物90が、刺繍枠22と共に、針棒16の下側で且つベッド部12Cの上側において、前後及び左右に移動可能に構成されている。
(カットワーク機構30について)
図1及び図2に示されるように、カットワーク機構30は、回転機構40と、ロック機構50と、カットワーク刃60と、を含んで構成されている。
<回転機構40について>
回転機構40は、ベース42と、回転体44と、ブラケット46と、を有している。
ベース42は、ベースプレート42Aを有しており、ベースプレート42Aは、上下方向を板厚方向とする略円板状に形成されている。ベースプレート42Aの中央部には、上側へ突出したベース固定軸42Bが形成されており、ベース固定軸42Bは、平面視で略D字形状に形成されている。そして、ベース固定軸42Bが、針棒固定部18の固定孔に下側から装着されて、固定ネジS1によって針棒固定部18に固定されている。これにより、ベース42が、針棒16に相対移動不能に連結されている。
ベース42は、後述する回転体44を連結するための連結柱42Cを有している。連結柱42Cは、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、ベースプレート42Aから下側へ延出されると共に、針棒16と同軸上に配置されている。
ベースプレート42Aの上面には、略中央部において、上側へ突出した嵌合部42Dが形成されている。嵌合部42Dは、平面視で略D字形状に形成されている。
さらに、ベースプレート42Aには、連結柱42C及び嵌合部42Dに対して径方向外側において、複数(本実施の形態では、16箇所)の円形状のロック孔42Eが貫通形成されている。ロック孔42Eは、針棒16の軸線ALを中心とする架空円上に配置されると共に、軸線AL回りに等間隔(22.5度毎)に配置されている。このロック孔42Eは、後述するロック機構50の一部を構成している。
回転体44は、上側へ開放された略有底円筒状に形成されている。具体的には、回転体44の中央部には、上側へ開放された連結凹部44Aが形成されており、連結凹部44Aは、平面視で円形状に形成されている。そして、ベース42の連結柱42Cが、連結凹部44Aに上側から挿入されて、回転体44が連結柱42Cに回転可能に支持されている。つまり、回転体44が、針棒16と同軸上に配置されて、軸線AL回りに回転可能にベース42に連結されている。
回転体44の上面には、後述するロックピン52を収容するための収容凹部44Bが形成されている。収容凹部44Bは、上側へ開放された凹状に形成されると共に、平面視で円形状に形成されている。また、平面視における、軸線ALから収容凹部44Bまでの距離と、軸線ALからロック孔42Eまでの距離と、が一致している。これにより、回転体44の特定の回転位置において、収容凹部44B及びロック孔42Eが上下方向に対向して配置される構成になっている。そして、収容凹部44B及びロック孔42Eが上下方向に対向して配置される回転体44の位置を回転体ロック位置としている。すなわち、本実施の形態では、軸線AL回りにおいて、回転体44の回転体ロック位置が16箇所設定されている。
また、回転体44には、後述するカットワーク刃60を固定するための固定孔44Cが上下方向に貫通形成されている。固定孔44Cは、平面視で、略D字形状に形成されており、収容凹部44Bに対して回転体44の周方向(回転方向)に180度離間して配置されている。
ブラケット46は、左右方向から見た側面視で、後側へ開放された略U字形板状に形成されている。具体的には、ブラケット46は、上壁46Aと、上壁46Aの前端部から下側へ延出された前壁46Bと、前壁46Bの下端部から後側へ延出された下壁46Cと、を含んで構成されている。
そして、上壁46Aが、ベース42におけるベースプレート42Aの上側に隣接して配置され、下壁46Cが回転体44の下側に隣接して配置されて、ベース42及び回転体44がブラケット46によって上下方向に挟み込まれている。これにより、ブラケット46によって、回転体44の下側への移動が制限されている。
上壁46Aには、嵌合孔46Dが貫通形成されている。嵌合孔46Dは、ベース42の嵌合部42Dに対応して、平面視で、略D字形状に形成されている。そして、嵌合部42Dが、嵌合孔46D内に嵌入されている。これにより、ブラケット46のベース42に対する軸線AL回りの相対回転が制限されている。
下壁46Cは、略円環板状に形成されており、針棒16と同軸上に配置されている。下壁46Cの外径は、回転体44の外径よりも大きく設定されている。また、下壁46Cの内径は、軸線ALから固定孔44Cまでの距離Lよりも大きく設定されている。すなわち、下側から見て、固定孔44Cが、下壁46Cの内側部分に配置されている。
<ロック機構50について>
ロック機構50は、回転体44の回転をロック(阻止)する機構として構成されている。ロック機構50は、前述したベース42に形成されたロック孔42Eと、ロックピン52と、付勢バネ54と、を含んで構成されている。
ロックピン52は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。ロックピン52は、回転体44の収容凹部44B内に上下方向に相対移動可能に挿入されている。ロックピン52の上端部は、係合部52Aとして構成されており、係合部52Aは、上側へ凸となる半球状に形成されている。また、ロックピン52の直径は、ベース42のロック孔42Eの直径よりも大きく設定されている。
付勢バネ54は、圧縮コイルスプリングとして構成されている。付勢バネ54は、圧縮変形した状態で、ロックピン52と共に収容凹部44B内に収容されている。具体的には、付勢バネ54が、ロックピン52の下側に配置されており、付勢バネ54の下端部が収容凹部44Bの底面に係止され、付勢バネ54の上端部がロックピン52の下面に係止されている。これにより、付勢バネ54によってロックピン52が上側へ付勢されている。
そして、回転体44の回転体ロック位置では、ロックピン52における係合部52Aの頂部が、ロック孔42E内に配置され、係合部52Aがロック孔42Eの縁部に当接して、ロックピン52とロック孔42Eとが係合するようになっている。これにより、回転体44の回転がロック(阻止)される構成になっている。
さらに、回転体44の回転体ロック位置において、所定値以上の回転力を回転体44に付与することで、ロック機構50による回転体44に対するロック状態が解除される構成になっている。すなわち、所定値以上の回転力を回転体44に付与することで、ロックピン52が付勢バネ54の付勢力に抗して下側へ移動して、ロックピン52とロック孔42Eとの係合状態が解除されるようになっている。そして、回転体44を次の回転体ロック位置まで相対回転させて、ロックピン52がロック孔42Eに再び係合することで、ロック機構50によって回転体44がロック状態に復帰するように構成されている。すなわち、ロック機構50によって、回転体44が所定の回転角度(本実施の形態では、22.5度)毎にロックされる構成になっている。
<カットワーク刃60について>
図3にも示されるように、カットワーク刃60は、上下方向を軸方向とした略棒状に形成されている。カットワーク刃60の上部は、刃側固定部62として構成されており、刃側固定部62は、平面視で、回転体44の固定孔44Cに対応した略D字形状に形成されている。そして、刃側固定部62が、回転体44の固定孔44C内に下側から嵌入されて、カットワーク刃60が回転体44に固定されている。これにより、回転体44に対するカットワーク刃60の相対回転が制限された状態で、カットワーク刃60が、平面視で、軸線ALから距離L分だけ離間(偏心)した位置に配置されている。つまり、回転体44が、軸線AL回りに回転することで、カットワーク刃60が、軸線ALに対して偏心した位置で軸線AL回りに回転する構成になっている。そして、以下の説明では、回転体44の回転体ロック位置におけるカットワーク刃60の位置を、刃側回転位置と称する。これにより、カットワーク機構30では、軸線ALの軸回りにおいて複数(本実施の形態では、16箇所)の刃側回転位置が設定されており、ロック機構50によって、カットワーク刃60が、特定の刃側回転位置に保持される構成になっている。
カットワーク刃60の下端部は、カット対象物90を切断するための刃部64として構成されている。刃部64は、下側から見て、略D字形状に形成されている。具体的には、刃部64は、平断面視で、回転体44の径方向に直線状に延在された刃側切断面64Aと、軸線AL回り一方側(図3の矢印A方向側であり、回転体44の回転方向一方側)へ凸となる略円弧状に湾曲された刃側湾曲面64Bと、を含んで構成されている。また、刃部64では、主として、刃側切断面64Aが、カット対象物90を切断する機能を有している。すなわち、カットワーク刃60は、平断面視で、少なくとも刃側切断面64Aを構成する直線部を含む非円形状に形成されている。
また、刃部64の刃側湾曲面64Bの下端部には、傾斜面64Cが形成されている。傾斜面64Cの下端と、刃側切断面64Aの下端と、が一致しており、傾斜面64Cは、回転体44の径方向から見て、上側へ向かうに従い回転体44の回転方向一方側へ傾斜している。
(針板70について)
図1及び図3に示されるように、針板70は、上下方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。針板70は、ミシン本体12におけるベッド部12Cの上部に着脱可能に固定されると共に、カットワーク機構30の下側に配置されている。そして、刺繍枠22によって挟み込まれたカット対象物90が、針板70の上側に載置されるようになっている(図4参照)。
針板70には、複数(本実施の形態では、16箇所)の針板孔72が貫通形成されている。複数の針板孔72は、平面視で、針棒16の軸線ALを中心とし且つ半径をRとした基準円C上に配置されている。また、針板孔72は、軸線AL回り(回転体44の回転方向)に等間隔(22.5度毎)に配置されている。すなわち、複数の針板孔72は、カットワーク刃(回転体44)の回転方向に沿って並んで配置されている。そして、軸線ALからカットワーク刃60までの距離Lと、軸線ALから針板孔72までの距離(すなわち、基準円Cの半径R)と、が一致している。
さらに、複数の針板孔72は、カットワーク刃60の刃側回転位置に対応する位置に配置されている。換言すると、刃側回転位置に保持されたカットワーク刃60が、針板70の何れかの針板孔72と上下方向に対向して配置されるように、複数の針板孔72の位置が設定されている。
また、針板孔72は、カットワーク刃60の刃部64に対応する形状に形成されている。具体的には、針板孔72が、平面視で、刃部64と相似形をなす略D字形状に形成されており、針板孔72の外形が、刃部64の外形よりも若干大きく設定されている。より詳しくは、針板孔72は、刃部64の刃側切断面64Aに対応し且つ平面視で回転体44の径方向に直線状に延在された孔側切断面72Aと、刃部64の刃側湾曲面64Bに対応し且つ平面視で回転体44の回転方向一方側(図3の矢印A方向側)へ凸となる略円弧状に湾曲された孔側湾曲面72Bと、を含んで構成されている。これにより、上下方向に対向配置される針板孔72と刃部64との向きが平面視で一致するように構成されている。
そして、針棒16と共にカットワーク刃60が下降することで、カットワーク刃60の刃部64が針板孔72の内部に挿入してカット対象物90を切断するように構成されている。具体的には、刃部64が針板孔72の内部に挿入されたときには、刃部64の刃側切断面64Aと、針板孔72の孔側切断面72Aとが、回転体44の回転方向において略隙間のない状態で対向して配置される。これにより、刃部64の刃側切断面64Aと、針板孔72の孔側切断面72Aと、によってカット対象物90を剪断して、カット対象物90を切断するように構成されている。
なお、針板孔72は、カットワーク刃60の刃部64に対応して、平面視で、少なくとも孔側切断面72Aを含む非円形状に形成されていればよい。このため、本発明における「針板孔の向きをカットワーク刃の刃部と一致させた状態で刃部を針板孔の内部へ挿入させる」とは、刃部64の刃側切断面64Aと、針板孔72の孔側切断面72Aとが、対向するように、刃部64が針板孔72内に挿入されることをいう。
(押え80について)
図1及び図4に示されるように、押え80は、押えプレート部82と、押え固定部84と、を含んで構成されている。押えプレート部82は、上下方向を板厚方向とする略円板状に形成されている。押え固定部84は、左側から見て、略L字形ブロック状に形成されており、押え固定部84の下端部が、押えプレート部82の後端部に接続されている。そして、押え固定部84の上端部が、固定ネジS2によって押え棒14の下端部に固定されている。そして、図示しない操作レバーが操作されることで、押え80が、押え棒14と共に下側へ移動して、カット対象物90を上側から押えるようになっている。
また、押えプレート部82には、針板70の針板孔72に対応する位置において、複数(本実施の形態では、16箇所)の挿通孔82Aが貫通形成されている。挿通孔82Aは、針板孔72と相似形を成す断面略D字形状に形成されている。また、挿通孔82Aの内周面は、下側へ向かうに従い挿通孔82Aの内側へ傾斜している。すなわち、挿通孔82Aの外形の大きさが、下側へ向かうに従い小さくなるように設定されている。さらに、挿通孔82Aにおける下端の外形が、針板孔72の外形よりも大きく設定されている。そして、針棒16の下降時には、カットワーク刃60の刃部64が、挿通孔82Aの内周面によってガイドされながら挿通孔82A内を挿通すると共に、針板孔72内に上側から挿入するように構成されている(図4参照)。
(作用効果)
上記のように構成されたミシン10では、ベース42が針棒16の下端部に取付けられており、回転体44が針棒16の軸線AL回りに回転可能にベース42に連結されている。回転体44には、カットワーク刃60が設けられており、カットワーク刃60は、軸線ALから距離L分偏心した位置において、回転体44から下側へ延出されている。また、回転体44の回転体ロック位置では、ロック機構50によって回転体44の回転が制限されており、カットワーク刃60が、複数の刃側回転位置の何れかに保持されている。
また、回転体44の下側には、針板70が設けられている。針板70には、カットワーク刃60の刃部64が挿入される複数の針板孔72が形成されており、複数の針板孔72は、カットワーク刃60(回転体44)の回転方向に沿って並んで配置されている。具体的には、複数の針板孔72が、カットワーク刃60における複数の刃側回転位置に、それぞれ対応する位置に配置されている。より詳しくは、複数の針板孔72が、刃側回転位置に配置されたカットワーク刃60の真下にそれぞれ配置されており、カットワーク刃60(刃部64)と針板孔72とが上下方向に対向して配置されている。これにより、針棒16が下降して、刃部64が針板孔72内に挿入されることで、刃部64及び針板孔72によって、針板70の上側に載置されるカット対象物90が切断される。
ここで、針板70では、複数の針板孔72が刃部64の形状に対応した形状に形成されており、各針板孔72の向きが、上下方向に対向配置された刃部64の向きと一致している。具体的には、針板孔72が、刃部64の刃側切断面64Aに対応する孔側切断面72Aを有しており、刃側切断面64A及び孔側切断面72Aは平面状に形成されている。また、刃部64の針板孔72への挿入時には、刃側切断面64A及び孔側切断面72Aが対向するように、針板孔72の向きが設定されている。これにより、刃部64と針板孔72によってカット対象物90を切断するときには、刃側切断面64A及び孔側切断面72Aによってカット対象物90を剪断して切断することができる。その結果、カット対象物90の切断部の仕上げを良好にすることができる。
すなわち、例えば、背景技術に記載したようなミシン(以下、このミシンを比較例のミシンという)では、カットワーク刃が針棒と同軸上に配置されて、カットワーク刃が針棒の軸回りに所定回転角度毎に回転される構成になっている。このため、比較例のミシンにおいて、カットワーク刃が針棒の軸回りに所定回転角度毎に回転した場合には、針板に対するカットワーク刃の相対位置が変化しない状態で、針板に対してカットワーク刃が針棒の軸回りに相対回転する。すなわち、針板に対するカットワーク刃の刃部の相対位置が変化しない状態で、針板に対する刃部の向きが変化する。
このため、比較例のミシンでは、カットワーク刃の刃部の針板孔への挿入時における刃部と針板孔との干渉を防止するために、例えば、針板孔を比較的大形の丸形状に形成する必要がある。つまり、針板孔において、刃部の刃側切断面に対応する、平面状の孔側切断面を形成することができなくなる。これにより、比較例のミシンでは、刃部と針板孔とによってカット対象物90を剪断により切断することができなくなり、刃部がカット対象物90を引きちぎるように切断するようになる。このため、カット対象物90の切断部が荒れた面になる可能性がある。
これに対して、第1の実施の形態のミシン10では、カットワーク刃60が、針棒16の軸線AL回りに回転可能に構成されており、軸線ALに対して離間L分離間した位置に配置されている。このため、カットワーク刃60が軸線AL回りに回転したときには、針板70に対するカットワーク刃60の相対位置が変化すると共に、針板70に対する刃部64の向きが変化する。これにより、第1の実施の形態のミシン10では、カットワーク刃60の各刃側回転位置に対応する針板孔72を針板70に複数形成することで、刃側回転位置に配置されたカットワーク刃60と、針板孔72と、を一対一に対応させることができる。すなわち、各針板孔72の形状を刃部64に対応する形状にすると共に、各針板孔72の向きを、上下方向に対向配置された刃部64の向きに一致させることができる。その結果、上述のように、刃部64と針板孔72によってカット対象物90を切断するときには、刃側切断面64A及び孔側切断面72Aによってカット対象物90を剪断して切断することができる。したがって、カット対象物90の切断部の仕上げを良好にすることができる。
また、カットワーク機構30は、ロック機構50を有しており、ロック機構50によって、回転体44が、所定の回転角度毎にロックされる。また、カットワーク刃60は、軸線ALから距離L離間した位置において、回転体44に設けられている。さらに、針板70には、複数の針板孔72が形成されている。複数の針板孔72は、軸線ALを中心とした半径Rの基準円C上に配置されており、半径Rと距離Lとが同じに設定されている。これにより、軸線ALに対して偏心した複数の刃側回転位置に保持されるカットワーク刃60に対して、向きを一致させた針板孔72を針板70に形成して、カット対象物90に対してカットワークを施すことができる。
また、カットワーク刃60の刃部64は、下側から見て、直線状に形成された刃側切断面64A有しており、針板孔72は、刃側切断面64Aに対応する平面状の孔側切断面72Aを有している。具体的には、針板孔72は、刃部64の針板孔72内への挿入時に、カットワーク刃60の回転方向に対向配置される孔側切断面72Aを有している。これにより、上述のように、刃部64と針板孔72によってカット対象物90を切断するときには、刃側切断面64A及び孔側切断面72Aによってカット対象物90を剪断して切断することができる。したがって、カット対象物90の切断部の仕上げを良好にすることができる。
(第2の実施の形態)
以下、図5及び図6を用いて、第2の実施の形態に係るミシン100について説明する。第2の実施の形態のミシン100では、以下に示す点を除いて、第1の実施の形態のミシン10と同様に構成されている。なお、図5及び図6では、ミシン10と同様に構成されている部分については、同一の符号を付している。
すなわち、第2の実施の形態では、針板70が、針板本体74と、回転針板76と、を含んで構成されている。また、針板70に、針板ロック機構110が設けられている。以下、第2の実施の形態における針板70及び針板ロック機構110の構成について説明する。
<針板本体74について>
針板本体74は、上下方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されて、カットワーク機構30の下側において、ミシン本体12のベッド部12Cの上部に着脱可能に固定されている。針板本体74には、針棒16の下側において、後述する回転針板76を露出させるための露出孔74Aが貫通形成されており、露出孔74Aは、円形状に形成されると共に、針棒16と同軸上に配置されている。
また、針板本体74には、露出孔74Aの前側において、後述する針板ロック部材112を収容するための収容溝74Bが形成されている。収容溝74Bは、平面視で、前後方向(露出孔74Aの径方向)に延在されており、収容溝74Bの後端部が露出孔74Aに連通されている。
<回転針板76について>
回転針板76は、上下方向を板厚方向とする略円板状に形成されている。そして、回転針板76が、針板本体74の露出孔74A内に挿入されて、露出孔74Aによって回転可能に支持されている。これにより、回転針板76が、軸線AL回りに回転可能に針板本体74に連結されている。なお、回転針板76の外周部には、径方向外側へ突出したフランジ(図示省略)が形成されており、当該フランジが、露出孔74Aの縁部の下側に隣接して配置されている。これにより、回転針板76の上側への移動が制限されている。また、回転針板76は、針板本体74に設けられた板バネ(図示省略)によって上側へ付勢されている。これにより、回転針板76の下側への移動が制限されている。
回転針板76の外周部には、複数(本実施の形態では、16箇所)のロック溝76Aが形成されている。ロック溝76Aは、回転針板76の径方向外側へ開放された略V字形状に形成されると共に、回転針板76の周方向に等間隔(22.5度毎)に配置されている。そして、ロック溝76Aが、後述する針板ロック機構110の一部を構成している。
回転針板76の外周側の部分には、1箇所の針板孔72が貫通形成されている。針板孔72は、第1の実施の形態と同様に、軸線ALを中心とした、半径Rの基準円C上に配置されている。また、針板孔72は、第1の実施の形態と同様に、回転体44の径方向に延在された孔側切断面72Aと、回転体44の回転方向一方側へ凸となるように湾曲された孔側湾曲面72Bと、を含んで構成されている。
<針板ロック機構110について>
針板ロック機構110は、前述した回転針板76に形成されたロック溝76Aと、針板ロック部材112と、付勢バネ114と、を含んで構成されている。
針板ロック部材112は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺板状に形成されている。そして、針板ロック部材112が、針板本体74の収容溝74B内に前後方向に相対移動可能に挿入されている。なお、針板ロック部材112の左右の外周部には、左右方向両側へ突出したフランジ(図示省略)が形成されており、当該フランジが、収容溝74Bの縁部の下側に隣接して配置されている。これにより、針板ロック部材112の上側への移動が制限されている。また、針板ロック部材112は、針板本体74に設けられた板バネ(図示省略)によって上側へ付勢されている。これにより、針板ロック部材112のフランジが、針板本体74の下面に当接して、針板ロック部材112が針板本体74に保持されている。
針板ロック部材112の後端部は、係合部112Aと構成されている。係合部112Aは、回転針板76のロック溝76Aに対応して、平面視で、後側へ凸となる略V字形状に形成されている。
付勢バネ114は、圧縮コイルスプリングとして構成されている。付勢バネ114は、圧縮変形した状態で、針板ロック部材112と共にロック溝76A内に収容されている。具体的には、付勢バネ114の一端部が、針板ロック部材112の前端部に係止され、付勢バネ114の他端部が、収容溝74Bの底部に係止されて、付勢バネ114によって針板ロック部材112が後側(回転針板76側)へ付勢されている。
そして、針板ロック部材112の係合部112Aが、回転針板76のロック溝76A内に挿入しロック溝76Aと係合することで、針板ロック機構110によって回転針板76の回転がロック(阻止)されるように構成されている。以下、針板ロック機構110によってロック(阻止)される回転針板76の位置を針板ロック位置という。
また、所定値以上の回転力を回転針板76に付与することで、針板ロック機構110による回転針板76に対するロック状態が解除される構成になっている。すなわち、所定値以上の回転力を回転針板76に付与することで、針板ロック部材112が付勢バネ114の付勢力に抗して前側へ移動して、針板ロック部材112とロック溝76Aとの係合状態が解除されるようになっている。そして、回転針板76が、次の針板ロック位置に回転することで、針板ロック部材112がロック溝76Aに再び係合して、針板ロック機構110によって回転針板76がロック状態に復帰するように構成されている。すなわち、針板ロック機構110によって、回転針板76が、所定の回転角度(本実施の形態では、22.5度)毎にロックされる構成になっている。換言すると、ロック機構50によって回転体44をロックする回転角度と、針板ロック機構110によって回転針板76をロックする回転角度と、が一致している。
そして、回転針板76の針板ロック位置において、針板孔72と、刃側回転位置に保持されたカットワーク刃60(刃部64)と、が上下方向に対向して配置可能となるように、軸線AL回りにおける針板孔72の回転針板76に対する位置が設定されている。すなわち、回転針板76を、カットワーク刃60の刃側回転位置(回転体44の回転体ロック位置)に合わせた針板ロック位置に回転させることで、針板孔72とカットワーク刃60(刃部64)とが上下方向に対向配置される構成になっている。
そして、上述のように、針板孔72は、回転体44の径方向に延在された孔側切断面72Aと、回転体44の回転方向一方側へ凸となるように湾曲された孔側湾曲面72Bと、を含んで構成されている。このため、針板孔72とカットワーク刃60(刃部64)とを、上下方向に対向配置させるように、回転針板76の針板ロック位置と、回転体44の回転体ロック位置と、を合わせることで、カットワーク刃60の刃部64の向きと針板孔72の向きとを一致させた状態で、刃部64を針板孔72内に挿入させることができる。したがって、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、カット対象物90の切断部の仕上げを良好にすることができる。
また、第2の実施の形態では、針板70は、回転針板76と針板本体74とを含んで構成されており、回転針板76が針板本体74に回転可能に支持されている。また、針板ロック機構110によって、回転針板76が所定の回転角度毎にロックされて、針板ロック位置に保持される。これにより、1箇所の針板孔72を針板70に形成した場合でも、カットワーク刃60の刃部64の向きと針板孔72の向きとを一致させた状態で、刃部64を針板孔72内に挿入させることができる。
(第3の実施の形態)
以下、図7を用いて、第3の実施の形態に係るミシン200について説明する。第3の実施の形態のミシン200では、以下に示す点を除いて、第2の実施の形態のミシン100と同様に構成されている。なお、図7では、ミシン100と同様に構成されている部分については、同一の符号を付している。
すなわち、第3の実施に形態のミシン200では、カットワーク刃60が、針棒16と同軸上となる位置において、回転体44に固定されている。すなわち、回転体44の固定孔44C(図7では、不図示)が回転体44の中央部に形成されている。これにより、カットワーク刃60における各刃側回転位置では、回転針板76に対する刃部64の相対位置は変化しないが、回転針板76に対する刃部64の向きが変化するように構成されている。
また、第3の実施の形態では、カットワーク刃60の位置に対応して、針板孔72が回転針板76の中央部に形成されている。すなわち、上下方向において、針板孔72とカットワーク刃60(刃部64)とが対向して配置されている。さらに、回転針板76の針板ロック位置における針板孔72の向きが、何れかの刃側回転位置におけるカットワーク刃60の刃部64の向きと、一致するように、軸線AL回りにおける針板孔72の回転針板76に対する位置が設定されている。すなわち、第3の実施の形態では、回転針板76を回転させることで、刃部64と針板孔72との向きを一致できるように構成されている。
これにより、針板孔72の向きをカットワーク刃60の刃部64の向きに一致させるように、回転針板76を所定の針板ロック位置に回転させることで、刃部64の刃側切断面64Aと針板孔72の孔側切断面72Aとを対向配置させた状態に、刃部64を針板孔72内に挿入させることができる。したがって、第3の実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様に、カット対象物90の切断部の仕上げを良好にすることができる。
また、第3の実施の形態では、カットワーク刃60が針棒16と同軸上に配置されている。これにより、カットワーク刃60によってカット対象物90を切断するときの針棒16からカットワーク刃60に入力される押圧力を、カット対象物90に効率よく作用させることができる。これにより、カット対象物90の切断部の仕上げを一層良好にすることができる。
なお、第3の実施の形態では、押え80の挿通孔82Aが、カットワーク刃60の位置に対応して、押えプレート部82の中央部に形成されている。また、挿通孔82Aは、カットワーク刃60の刃部64が挿通可能な、円形状に形成されている。
(カットワーク刃60の刃部64及び針板孔72の形状の変形例について)
図8(A)に示されるように、変形例1では、カットワーク刃60の刃部64が、第1〜第3の実施の形態と同様の形状をしている。一方、針板孔72が、平面視で、略トラック形状に形成されている。すなわち、針板孔72が、孔側切断面72Aと、孔側切断面72Aと平行に配置された第1内周面72Cと、孔側切断面72A及び第1内周面72Cを接続する円弧状に湾曲された一対の第2内周面72Dと、によって構成されている。そして、この場合でも、針板孔72の向きを刃部64の向きと一致させることで、刃部64の針板孔72内への挿入時に、孔側切断面72Aと刃側切断面64Aとが対向配置されるため、カット対象物90の切断部の仕上げを良好にすることができる。
図8(B)に示されるように、変形例2では、カットワーク刃60の刃部64が、断面略トラック形状に形成されている。具体的には、刃部64が、刃側切断面64Aと、刃側切断面64Aと平行に配置された第1外周面64Dと、刃側切断面64A及び第1外周面64Dを接続する円弧状に湾曲された一対の第2外周面64Eと、によって構成されている。また、変形例2の針板孔72は、変形例1の針板孔72と同様に、平面視で、略トラック形状に形成されている。すなわち、針板孔72が、孔側切断面72Aと、孔側切断面72Aと平行に配置された第1内周面72Cと、孔側切断面72A及び第1内周面72Cを接続する円弧状に湾曲された一対の第2内周面72Dと、によって構成されている。そして、この場合でも、針板孔72の向きを刃部64の向きと一致させることで、刃部64の針板孔72内への挿入時に、孔側切断面72Aと刃側切断面64Aとが対向配置されるため、カット対象物90の切断部の仕上げを良好にすることができる。
なお、第1〜第3の実施の形態を発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができ、その変形も本発明に含まれる。
10 ミシン
12 ミシン本体
12A 脚柱部
12B アーム部
12C ベッド部
14 押え棒
16 針棒
18 針棒固定部
20 刺繍枠駆動装置
20A 駆動アーム
20B キャリッジ
22 刺繍枠
22A 刺繍枠固定部
30 カットワーク機構
40 回転機構
42 ベース
42A ベースプレート
42B ベース固定軸
42C 連結柱
42D 嵌合部
42E ロック孔
44 回転体
44A 連結凹部
44B 収容凹部
44C 固定孔
46 ブラケット
46A 上壁
46B 前壁
46C 下壁
46D 嵌合孔
50 ロック機構
52 ロックピン
52A 係合部
54 付勢バネ
60 カットワーク刃
62 側固定部
64 刃部
64A 刃側切断面
64B 刃側湾曲面
64C 傾斜面
64D 第1外周面
64E 第2外周面
70 針板
72 針板孔
72A 孔側切断面
72B 孔側湾曲面
72C 第1内周面
72D 第2内周面
74 針板本体
74A 露出孔
74B 収容溝
76 回転針板
76A ロック溝
80 押え
82 押えプレート部
82A 挿通孔
84 押え固定部
90 カット対象物
100 ミシン
110 針板ロック機構
112 針板ロック部材
112A 係合部
114 付勢バネ
200 ミシン
AL 軸線
L 距離
C 基準円
S1 固定ネジ
S2 固定ネジ
R 半径

Claims (6)

  1. 上下運動する針棒の下端部に取付けられたベースと、前記針棒の軸回りに回転可能に前記ベースに連結された回転体と、を含んで構成された回転機構と、
    前記回転体に設けられ、前記回転体から下側へ延出されたカットワーク刃と、
    前記回転機構の下側に設けられ、前記カットワーク刃の刃部が挿入されることで前記刃部と協働してカット対象物を切断する針板孔を有する針板と、
    を備え、
    前記針板孔の向きを前記カットワーク刃の刃部と一致させた状態で前記刃部を前記針板孔の内部へ挿入させることを特徴としたミシン。
  2. 前記回転体は、ロック機構によって所定の回転角度毎にロックされており、
    前記カットワーク刃は、前記針棒の軸線に対して離間した位置に配置されており、
    前記針板孔が、前記針棒の軸線を中心に、前記針棒の軸線と前記カットワーク刃との離間距離と同距離を半径として、前記ロック機構の所定角度と同角度毎に複数形成されている請求項1に記載のミシン。
  3. 前記回転体は、ロック機構によって所定の回転角度毎にロックされており、
    前記針板は、
    ミシン本体に固定された針板本体と、
    前記針棒の軸回りに回転可能に前記針板本体に連結され、前記ロック機構の所定角度と同角度毎にロック可能に構成されると共に、前記針板孔が形成された回転針板と、
    を含んで構成されている請求項1に記載のミシン。
  4. 前記カットワーク刃が、前記針棒と同軸上に配置されている請求項3に記載のミシン。
  5. 前記カットワーク刃及び前記針板孔が、前記針棒の軸線から同じ距離離間した位置に配置されている請求項3に記載のミシン。
  6. 前記刃部は、前記針棒の軸方向から見て、直線状に形成された刃側切断面を有しており、
    前記針板孔は、前記刃側切断面に対応する平面状の孔側切断面を有している請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のミシン。
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