JP2014189938A - ミシン及びミシン縫製動作制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】安定的且つ自動的に切断針を回転させることができるミシン及びミシン縫製動作制御プログラムを提供する。
【解決手段】ミシンの針棒に着脱可能に装着される切断針回転機構50は、支持機構40と、カム部材51と、切断針8とを備える。カム部材51は、上下方向に沿ってカム511〜514を備える。カム511〜514の長手方向角度は互いに異なる。刺繍枠は、外枠に当接部を備える。カム511〜514の被当接部611〜614のうち何れかの被当接部が当接部と同じ高さになるまで、切断針回転機構50が移動する。その後、刺繍枠が左方から右方に移動することで、当接部は、被当接部611〜614のうち何れかの被当接部に当接し押圧する。これにより、カム部材51が回転し、切断針8も回転する。
【選択図】図5
【解決手段】ミシンの針棒に着脱可能に装着される切断針回転機構50は、支持機構40と、カム部材51と、切断針8とを備える。カム部材51は、上下方向に沿ってカム511〜514を備える。カム511〜514の長手方向角度は互いに異なる。刺繍枠は、外枠に当接部を備える。カム511〜514の被当接部611〜614のうち何れかの被当接部が当接部と同じ高さになるまで、切断針回転機構50が移動する。その後、刺繍枠が左方から右方に移動することで、当接部は、被当接部611〜614のうち何れかの被当接部に当接し押圧する。これにより、カム部材51が回転し、切断針8も回転する。
【選択図】図5
Description
本発明は、切断針を備えたミシン及び、ミシン縫製動作制御プログラムに関する。
従来、針棒に装着される切断針を自動的に回転させるミシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示のミシンは、針棒に装着される切断針に設けた回転機構と、押え棒とを備える。押え棒は、押え棒の軸線に向かって凹む凹部を備える。回転機構は、切断針の回転方向に沿って等間隔に配置され且つ切断針から離間する方向に突出する複数の凸部を備える。切断針と複数の凸部は一体的に回転する。回転機構は、切断針の回転を係止する回転係止部材を備える。回転係止部材は、複数の凸部のうち一の凸部を凹部に係合可能な位置に係止させる。
ミシンは、切断針を回転させる場合、一の凸部が凹部に係合可能となる位置に、針棒を降下させる。その後、ミシンは、針棒を水平方向に移動させる。針棒の移動に伴って凹部と係合する凸部が針棒の軸線を中心に回転する。これにより、ミシンは自動的に切断針を回転させることができる。
しかし、上記ミシンでは、針棒が上下動して切断針で加工布を切断する動作中においては、凸部が凹部に接触しないようにする必要があり、凸部が凹部との間には所定の隙間が設けられている。この為、上記各部材の寸法のばらつき、及び各部材の組み付けのばらつきにより、針棒が水平方向に移動しても、切断針がスムーズに回転しない虞があった。
本発明は、安定的且つ自動的に切断針を回転させることができるミシン及びミシン縫製動作制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係るミシンは、上下方向に移動可能な針棒を駆動する針棒駆動手段と、下端部に刃部を有する切断針と、前記切断針の上端部が固定されたカム部材であって、前記上下方向に幅を有する被当接部を有するカムを前記上下方向に沿って複数有するカム部材と、前記カム部材を前記針棒に回転可能に支持する支持機構と、前記被当接部と当接する当接部を有する刺繍枠を移動させる刺繍枠移動機構と、複数の前記カムのうちいずれかの前記カムの前記被当接部に前記当接部が当接可能となるように、前記針棒の高さを設定する高さ設定手段と、前記針棒駆動手段を制御することで、前記高さ設定手段で設定された前記高さに前記針棒を移動させて停止させる第1制御手段と、前記刺繍枠移動機構を制御して前記刺繍枠を移動させる第2制御手段とを備え、前記針棒の軸線を中心とする回転方向において前記複数のカムが有する前記被当接部が、前記カム同士で互いに異なる位置に配置され、前記第1制御手段が前記高さ設定手段で設定された前記高さに前記針棒を移動させて停止させた後、前記第2制御手段が前記刺繍枠を移動させて前記当接部を前記被当接部に当接させることで、前記切断針を回転させることを特徴とする。
第1態様のミシンは、第1制御手段が、針棒を設定された高さまで移動させた後、第2制御手段が刺繍枠を移動させて、当接部を被当接部に当接させると、カム部材と一体的に切断針が回転する。従って、ミシンは自動的に切断針を回転させることができる。また、被当接部が上下方向に幅を有するので、第2制御手段が刺繍枠を移動させる場合、当接部は被当接部に当接し易い。従って、ミシンは安定的に切断針を回転させることができる。
本発明の第2態様に係るミシンは、上下方向に移動可能な針棒を駆動する針棒駆動手段と、下端部に刃部を有する切断針と、前記切断針の上端部が固定された回転部材であって、前記針棒の軸線と直交し且つ前記軸線から離間する方向に突出する突出部を有する回転部材と、前記回転部材を前記針棒に回転可能に支持する支持部材と、前記突出部と係合可能な案内部であって、前記軸線に対して前記切断針の前記刃部が向く方向を所定方向に回転させる案内部が複数設けられた刺繍枠と、前記刺繍枠を移動させる刺繍枠移動機構と、前記複数の案内部のうちの何れかの案内部に前記突出部が係合可能となるように、前記刺繍枠の位置を設定する位置設定手段と、前記刺繍枠移動機構を制御して、前記位置設定手段により設定された位置に前記刺繍枠を移動させる制御手段と、を備え、前記制御手段が前記刺繍枠を前記位置設定手段で設定された前記位置に移動させた後、前記針棒駆動手段が前記針棒を下方に移動させて前記突出部を前記案内部に係合させることで、前記切断針を回転させることを特徴とする。
第2態様のミシンは、制御手段が設定された位置に刺繍枠を移動させた後、針棒駆動手段が、針棒を下方に移動させることで、突出部が案内部に係合し、切断針が回転する。従って、ミシンは自動的に切断針を回転させることができる。また、刺繍枠の突出部と係合可能な案内部が、針棒の下方への移動に伴って切断針を回転させる。従って、ミシンは、安定的に切断針を回転させることができる。
本発明の第3態様に係るミシン縫製動作制御プログラムは、上下方向に移動可能な針棒を駆動する針棒駆動手段と、下端部に刃部を有する切断針と、前記切断針の上端部が固定されたカム部材であって、前記上下方向に幅を有する被当接部を有するカムを前記上下方向に沿って複数有するカム部材と、前記カム部材を前記針棒に回転可能に支持する支持機構と、前記被当接部と当接する当接部を有する刺繍枠を移動させる刺繍枠移動機構とを備え、前記針棒の軸線を中心とする回転方向において前記複数のカムが有する前記被当接部が、前記カム同士で互いに異なる位置に配置されたミシンに縫製動作を行わせる制御装置によって実行される縫製動作制御プログラムであって、複数の前記カムのうちいずれかの前記カムの前記被当接部に前記当接部が当接可能となるように、前記針棒の高さを設定する高さ設定ステップと、前記針棒駆動手段を制御することで、前記高さ設定ステップで設定された前記高さに前記針棒を移動させて停止させる第1制御ステップと、前記刺繍枠移動機構を制御して前記刺繍枠を移動させる第2制御ステップとを備え、前記第1制御ステップが前記高さ設定ステップで設定された前記高さに前記針棒を移動させて停止させた後、前記第2制御ステップが前記刺繍枠を移動させて前記当接部を前記被当接部に当接させることで、前記切断針を回転させることを特徴とする。本発明の第3態様に係るミシン縫製動作制御プログラムは、第1態様のミシンと同様の効果を奏することができる。
本発明の第4態様に係るミシン縫製動作制御プログラムは、上下方向に移動可能な針棒を駆動する針棒駆動手段と、下端部に刃部を有する切断針と、前記切断針の上端部が固定された回転部材であって、前記針棒の軸線と直交し且つ前記軸線から離間する方向に突出する突出部を有する回転部材と、前記回転部材を前記針棒に回転可能に支持する支持部材と、前記突出部と係合可能な案内部であって、前記軸線に対して前記切断針の前記刃部が向く方向を所定方向に回転させる案内部が複数設けられた刺繍枠と、前記刺繍枠を移動させる刺繍枠移動機構とを備えたミシンに縫製動作を行わせる制御装置によって実行される縫製動作制御プログラムであって、前記複数の案内部のうちの何れかの案内部に前記突出部が係合可能となるように、前記刺繍枠の位置を設定する位置設定ステップと、前記刺繍枠移動機構を制御して、前記位置設定ステップにより設定された位置に前記刺繍枠を移動させる制御ステップと、を備え、前記制御ステップが前記刺繍枠を前記位置設定ステップで設定された前記位置に移動させた後、前記針棒駆動手段が前記針棒を下方に移動させて前記突出部を前記案内部に係合させることで、前記切断針を回転させることを特徴とする。本発明の第4態様に係るミシン縫製動作制御プログラムは、第2態様のミシンと同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るミシン1について、図面を参照して説明する。ミシン1は、加工布(図示外)に対して、縫製又はカットワークを行う。カットワークとは、加工布の所定領域を切り抜くことで、加工布に模様を形成させる動作をいう。
ミシン1の構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1の右下側、左上側、左下側、右上側、上側、及び下側をそれぞれ、ミシン1の前側、後側、左側、右側、上側、及び下側とする。また、ミシン1の左右方向をX方向とし、前後方向をY方向とする。
図1に示すように、ミシン1は、ベッド部7、脚柱部12、アーム部13、及び頭部14を備える。ベッド部7は、ミシン1の土台であって左右方向に延びる。ベッド部7には、後述する刺繍枠移動機構30を着脱可能に装着可能である。脚柱部12は、ベッド部7の右端部から上方へ立設されている。アーム部13は、脚柱部12の上端部から左方へ延びる。頭部14は、アーム部13の左先端部に設けられている。ベッド部7の上面には、針板5が配設されている。針板5の下のベッド部7内には、送り歯(図示外)、移動機構85(図6参照)、移動モータ80(図6参照)、及び釜機構(図示外)が設けられている。送り歯は、ベッド部7の上側に載置される加工布を所定の送り量で移動させる。移動機構85は送り歯を駆動する。移動モータ80は、移動機構85を駆動するパルスモータである。釜機構は、後述する針棒6の下端に縫針(図示外)が装着された場合に、該縫針と協働して縫製対象物に縫目を形成するよう構成された機構である。
脚柱部12の前面には、縦長長方形状の液晶ディスプレイ15が設けられている。液晶ディスプレイ15には、複数種類の縫製模様又はカットワーク模様、各種の機能を実行させるコマンド名、各種のメッセージ等、様々な項目の画像が表示される。液晶ディスプレイ15の前面には、透明のタッチパネル26(図6参照)が設けられている。ユーザは、液晶ディスプレイ15に表示された項目に対応するタッチパネル26の部位を、指や専用のタッチペンを用いて触れることにより、所望の縫製模様、所望のカットワーク模様、及び実行すべきコマンドを選択又は入力できる。
アーム部13の構成について説明する。アーム部13の前面下部には、縫製開始スイッチ等を含む操作スイッチ35が設けられている。アーム部13の上部には、開閉カバー16が設けられている。図1は、開閉カバー16が閉じた状態を示している。開閉カバー16は、左右方向に延びる回転軸(図示外)に軸支される。回転軸はアーム部13の上後端部に設けられる。開閉カバー16の下方、つまりアーム部13の内部には、上糸(図示外)を供給する糸駒(図示外)を収納する糸収容部(図示外)が設けられている。糸駒から延びる上糸は、図示しない糸調子器、糸取バネ、及び天秤等を含む糸掛部を経由して、図示しない縫針に供給される。糸調子器は、頭部14に設けられ、糸張力を調整する。天秤は、上下方向に往復移動するよう駆動されて上糸を引き上げる。頭部14の下部に設けられている針棒6(図3参照)の下端部には、縫針(図示外)及び切断針回転機構50が択一的に装着可能である。ミシン1が縫製動作を行う場合には縫針が装着され、カットワークを行う場合には切断針回転機構50が装着される。針棒6は、頭部14内に設けられた針棒上下動機構84(図6参照)により、上下動するように駆動される。針棒上下動機構84は、ミシンモータ79(図6参照)によって回転する主軸72(図6参照)により駆動される。主軸72が1回転すると、針棒6は上下方向に1往復移動する。即ち、主軸72の回転角度と針棒6の上下方向の位置(高さ)は一対一で対応しており、主軸72の回転角度を検出することによって、針棒6の上下方向の位置を判別することができる。また、針棒6は、頭部14内に設けられた針棒揺動機構86(図6参照)により、送り歯(図示外)による加工布の搬送方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)に揺動できる。針棒揺動機構86は揺動モータ81(図6参照)によって駆動する。
図2及び図3に示すように、針棒6の下端部には切断針回転機構50が着脱可能に装着されている。切断針回転機構50は、上下方向に延びる切断針8を回転可能に支持する。針棒6に切断針回転機構50が最初に装着される場合、針棒6は、上下方向の移動範囲における最上位置(以下、針上位置という)にある。切断針8を用いたカットワークが実行されると、切断針8の刃部89は、加工布(図示外)の上側から下側に移動され、加工布に刃部89の向きに応じた所定の切れ目が形成される。切断針回転機構50の詳細は後述する。
針棒6の後側には、押え棒17(図3参照)が設けられている。押え棒17は、頭部14の内部に設けられた押え機構90(図6参照)が押えモータ99(図6参照)によって駆動されることで上下動する。押え棒17の下端部には、押えホルダ18が取り付けられている。押えホルダ18には、加工布を押える押え足19が着脱可能に装着されている。
図1に示すように、刺繍枠移動機構30は、平坦な上面を有する本体ケース21と、この本体ケース21の上側に配設される可動ケース48を有する。本体ケース21の上面の前後方向中央部には、左右方向に延びるスリット101が設けられている。本体ケース21の前面の上部には、左右方向に延びるスリット102が設けられている。
可動ケース48は、前後方向に長い直方体形状である。可動ケース48は、枠ホルダ(図示略)、Y軸移動機構93(図6参照)、及びY軸モータ83(図6参照)を内部に備える。枠ホルダは、可動ケース48から一部が露出しており、刺繍枠9を着脱可能である。刺繍枠9は、加工布を保持する。刺繍枠9に保持された加工布は、ベッド部7の上側、且つ、針棒6(図3参照)及び押え足19(図2参照)の下方に配置される。刺繍枠9の詳細は後述する。Y軸移動機構93は、枠ホルダを前後方向(Y方向)に移動させる機構である。加工布を保持する刺繍枠9は、枠ホルダが前後方向に移動されることにより、前後方向に移動する。Y軸モータ83は、Y軸移動機構93を駆動する。
本体ケース21は、X軸移動機構92(図6参照)、及びX軸モータ82(図6参照)を内部に備える。X軸移動機構92は、可動ケース48を左右方向(X方向)に移動させる。可動ケース48を支持する支持部(図示せず)は、スリット101、102を夫々貫通してX軸移動機構92に連結されている。加工布を保持する刺繍枠9は、可動ケース48が左右方向に移動することによって、左右方向に移動する。X軸モータ82は、X軸移動機構92を駆動する。
図4及び図5を参照し、切断針回転機構50の構成について説明する。図4に示すように、切断針回転機構50は、支持機構40と、カム部材51と、切断針8とを備える。支持機構40は、針棒6(図3参照)の下端部に装着される。支持機構40は、カム部材51を、針棒6の軸線を中心に回転可能に支持する。また、切断針8の上端部は、カム部材51の下端部に固定される。切断針8の軸線は、針棒6(図3参照)の軸線と一致する。
図5に示すように、支持機構40は、支持部材41と、回転部材43と、板バネ44とを備える。支持部材41は、合成樹脂材料で形成され、上下方向に延びる略円柱状である。支持部材41の軸線は切断針8の軸線と一致する。支持部材41は、第一支持部411と第二支持部412とを備える。第二支持部412は、第一支持部411の下端部から下方に延びる。第二支持部412の外径は、第一支持部411の外径よりも小さい。第一支持部411は、支軸413と、被係合部414と、溝部415とを有する。支軸413は、第一支持部411の上端面の中央部から上方に延びる軸である。支軸413は、金属材料からなる軸であって、第一支持部411に回転不能に固定される。支軸413の軸線と支持部材41の軸線とは一致する。支軸413の上端部は針棒6(図3参照)に装着される。支軸413には平面部417が形成されており、平面部417が所定方向(図5では左右方向)と平行になるように針棒6に装着される。これによって、切断針回転機構50は、所定の向きで針棒6に装着される。被係合部414は、第一支持部411の外周部に設けた円形穴であり、平面視で45度毎に外周部の円周方向に亘って配置される。被係合部414は8つ設けられる。溝部415は、第一支持部411の外周部に沿って形成され、隣り合う被係合部414同士を互いに連結する溝部である。第二支持部412は凹部416を有する。凹部416は、第二支持部412の上端部において、外周部の周方向に亘って形成される。
回転部材43は、合成樹脂材料で形成され、上下方向に延びる略円柱状である。回転部材43の軸線は、支持部材41の軸線と一致する。回転部材43の上端部には、挿入穴433が形成される。挿入穴433は、回転部材43の上端面から下方に延びる平面視で略円形の穴である。挿入穴433の内径は、第二支持部412の外径よりも僅かに大きい。挿入穴433には、第二支持部412が挿入される。挿入穴433は、回転部材43の外周部435によって囲まれている。外周部435の上端部には、上方から下方に向かって切り欠いた4つの切欠部が、外周部435の周方向に沿って夫々等間隔に配置される。外周部435の上端部は、4つの切欠部により分断され、内側に向かって突出する凸部432を夫々備える。外周部435の上端部は、径方向に弾性変形が可能である。凸部432は、凹部416と嵌り合う。4つの凸部432の内寸法は、第二支持部412の下端部の外径よりも僅かに小さく、且つ、凹部416が形成された部分の第二支持部412の外周部の外径よりも僅かに大きい。ここで、回転部材43を支持部材41に組み付けるときは、挿入穴433に第二支持部412を挿入させる。このとき、外周部435の上端部が弾性変形して夫々外側に拡がり、凸部432が第二支持部412の下部を通過する。その後、凸部432が凹部416に嵌り合う位置に到達したら、弾性変形していた外周部435の上端部は夫々元の形状に戻る。このように、回転部材43は、所謂スナップフィットにより凸部432が凹部416に嵌ることで、上下方向の移動が係止され、且つ軸線を中心に回転可能となる。これにより、回転部材43は、支持部材41によって回転可能に支持される。
板バネ44は、上下方向に長い矩形形状で、薄板状の弾性部材である。板バネ44の下側(基端側)には孔441が形成されている。この孔441を回転部材43に形成されたネジ孔434の位置に合わせ、ネジ45で固定することで、板バネ44が回転部材43に固定される。板バネ44の上側(先端側)には係合部442が設けられる。係合部442は、板バネ44の先端部から回転部材43の軸線に向けて(図5では後方に)突出する凸部である。係合部442は、8つの被係合部414の何れか1つに係合する。
板バネ44は、係合部442が被係合部414に係合する方向(支持部材41の軸線に向かう方向)に付勢力を付与する。従って、板バネ44が固定される回転部材43は、支持部材41に対して軸線を中心とする回転が係止される。
カム部材51は、回転部材43の下端面の中央部から下方に延びる部材である。カム部材51は回転部材43と一体的に回転する。カム部材51の軸線は、回転部材43の軸線と一致する。カム部材51は、カム511〜514と、軸穴(図示外)とを有する。
カム511〜カム514は、夫々、平面視で略楕円形状で且つ上下方向に幅を有し、互いに同一の形状をなす。カム511〜514は、上下方向に重なるように一体的に形成されている。カム511〜514の中心は、全て、カム部材51の軸線上に位置する。
カム部材51の軸線を中心とする回転方向において、カム511〜カム514の長手方向は、夫々、隣接するカム同士と平面視で45度だけずれている。左右方向を基準とし、且つ平面視で反時計回り方向を正とする場合において、カム511〜514の夫々の長手方向の角度(以下、「長手方向角度」という)は、全て互いに異なる。図4及び図5において、長手方向角度は、カム511が90度、カム512が135度、カム513が0度、カム514が45度である。カム511〜514は、一体的に回転する。後述する第1切断針回転処理において、カム511〜カム514は平面視で時計回り方向に回転することで、各々の長手方向角度は45度毎に変化する。
カム511は被当接部611を備える。同様に、カム512は被当接部612を、カム513は被当接部613を、カム514は被当接部614を夫々備える。被当接部611〜614は、夫々、カム511〜514の軸線に対して対称となる一対の側壁部である。被当接部611〜614は、夫々、カム511〜514の長手方向に延びる。つまり、被当接部611〜614は、夫々、隣接する被当接部611〜614同士で、長手方向が、カム部材51の軸線を中心とする回転方向において互いに45度だけずれるように配置されている。後述するように被当接部611〜614の何れかに、刺繍枠9に設けた当接部322が当接する。
軸穴(図示外)は、カム部材51の下端面から上方に延び、底面視で略D字形状をなす。後述するように、軸穴には切断針8の上端部が挿入される。ネジ孔544は、カム部材51の外周壁の下端部に設けられ、軸穴と連通する。
切断針8は上下方向に延び、下端部に加工布を切り抜く刃部89を有する。刃部89は、切断針8の軸線と直交する方向に幅を有する。切断針8の上端部は、平面視で略D字形状をなし、軸線方向と平行に延びる平面部95を備える。切断針8は、上端部がカム部材51の軸穴に挿入され、平面部95がネジ孔544に螺合するネジ20の先端で押圧された状態でカム部材51に固定される。これにより、切断針8は、カム部材51と一体的に回転する。刃部89の延びる方向(以下、幅方向という)は、所定方向(図5では左右方向)となる。
次に、図1及び図2を参照し、刺繍枠9について説明する。刺繍枠9は、外枠及び内枠からなり、外枠には大きさを調整する為の調整ネジを備える周知構成のものである。しかし、本実施形態では説明の便宜上、内枠及び調整ネジの図示は省略し、外枠のみを示す。刺繍枠9は、平面視で略矩形且つ環状に形成されている。刺繍枠9は、外枠91の右側部分の前後方向における中央部に、上方に向かって突出する突出部320が設けられる。突出部320は、支持部321と、当接部322とを備える。支持部321は、外枠91の中央部の上面から上方に突出する。当接部322は、平面視で左右方向に長い略矩形の板状であり、支持部321の上端部から右方に延びる。支持部321は当接部322を支持する。当接部322の上下方向の幅は、カム511〜514の夫々の上下方向の幅と略等しい。
CPU151(図6参照)が後述する第1切断針回転処理を実行する場合、刺繍枠9の当接部322がカム部材51に当接して押圧するよう移動する。当接部322がカム部材51に当接して押圧すると、カム部材51は45度回転する。これにより、切断針8の刃部89の幅方向も、カム部材51の回転方向に45度回転した方向に延びる。また、カットワーク動作開始前においては、刺繍枠9は、当接部322がカム部材51から左方に離れた位置にある。以下、この位置を退避位置という。
図6を参照して、ミシン1の電気的構成について説明する。ミシン1の制御部105は、CPU151、ROM152、RAM153、フラッシュメモリ64、及び入出力インターフェイス66を備える。CPU151、ROM152、RAM153、フラッシュメモリ64、及び入出力インターフェイス66は、バス67を介して相互に電気的に接続する。ROM152には、後述するカットワーク実行処理及び第1切断針回転処理をCPU151が実行するためのプログラムを含む各種プログラムが記憶される。RAMには153には、プログラムで処理される各種の情報が一時的に記憶される。
フラッシュメモリ64は、カットワークデータ記憶領域641と、カム番号データ記憶領域642と、切断針角度記憶領域643と、主軸停止角度記憶領域644と、差分回転量記憶領域645等を備える。これら各記憶領域に記憶されるデータの詳細は後述する。
切断針角度記憶領域643には、後述するカットワーク実行処理で参照される切断針8の切断針角度が記憶されている。ここで、切断針角度とは、平面視で、切断針8の刃部89の幅方向と、基準方向(左右方向)とのなす角度である。切断針角度は、刃部89の幅方向が左右方向に延びる状態(図2における刃部89の状態)を0度とし、図2における平面視で反時計回り方向が正方向であるとする。最初に針棒6に装着される切断針8の切断針角度は0度であり、切断針角度記憶領域643に記憶されている切断針角度の初期値も「0度」としてある。
図6に示すように、入出力インターフェイス66には、操作スイッチ35、タッチパネル26、検出部27、及び駆動回路70〜76が電気的に接続されている。検出部27は、枠ホルダ(図示外)に装着されている刺繍枠の種類を検出する。図示はしないが、ミシン1は、複数種類の刺繍枠を備えている。検出部27は、少なくとも、刺繍枠9及び後述する刺繍枠10のどちらが枠ホルダに装着されているかを検出し、検出結果を入出力インターフェイス66を介してCPU151に送信する。駆動回路70〜76は、夫々、押えモータ99、ミシンモータ79、移動モータ80、揺動モータ81、X軸モータ82、Y軸モータ83、及び液晶ディスプレイ15を駆動する。
エンコーダ77は、主軸72の回転角度を検出する検出器である。エンコーダ77は、主軸72の回転角度を検出し、入出力インターフェイス66を介して検出した回転角度をCPU151に送信する。
図7を参照し、カットワーク模様データ100について説明する。カットワーク模様データ100は、カットワークデータ記憶領域641(図6参照)に記憶される。カットワーク模様データ100は、後述するカットワーク実行処理及び第1切断針回転処理でCPU151が参照するデータである。切断針8の刃部89は、切断針8の軸線と直交する方向(図4では左右方向)に幅を有する。このため、切断針8によって加工布(図示外)に形成される切れ目の方向は幅方向と同じである。従って、切断針8で、例えば曲線からなる所定の模様の輪郭に沿って加工布を切り抜くためには、刺繍枠9をX方向及びY方向に移動させると共に、切断針8を回転させて加工布に形成する切れ目の方向を変更する必要がある。カットワーク模様データ100は、加工布を切り抜いて所定の模様等を作成するためのデータである。カットワーク模様データ100は、ミシン1が加工布に施すカットワーク模様ごとにカットワークデータ記憶領域641に記憶されている。
カットワーク模様データ100は、針落ち番号N、X座標データ、Y座標データ、及び切断針角度データを含み、夫々のデータが対応付けられて記憶されている。針落ち番号Nは、加工布を切断する順序を示す変数である。針落ち番号Nの最下欄に記載している「CUT_END」は、針落ち番号Nの最終番号であり、例えば、200や300等の数字である。以下の説明では、「CUT_END」は、カットワーク模様データ100の針落ち番号Nの最大値であるものとする。X座標データ及びY座標データとは、予め設定されたミシン1に固有の刺繍座標系における針落ち点(刃部89の中央部が加工布に刺さる点)の座標のデータである。なお、ミシン1では、刺繍枠9の中心点が針落ち点と一致する位置が刺繍座標系の原点である。切断針角度データは、切断針8の切断針角度である。
図8を参照し、カム番号データ210について説明する。カム番号データ210は、カム番号データ記憶領域642に記憶される。カム番号データ210は、後述する第1切断針回転処理でCPU151が参照するデータである。カム番号データ210には、切断針角度差データと、現在の切断針角度のデータを含んでいる。ここで、切断針角度差とは、設定したい切断針8の切断針角度(以下、「設定切断針角度」という)から、現時点での切断針8の切断針角度(以下、「現在の切断針角度」という)を、減算した値をいう。現在の切断針角度のデータには、さらに、当接回数Pが含まれる。このように、カム番号データ210には、切断針角度差データ、現在の切断針角度、及び当接回数Pの夫々の項目に対応付けて、当接させるカム番号のデータが記憶されている。当接させるカム番号のデータは「1」〜「4」であり、夫々がカム511〜514が対応する。切断針角度差データは、「45度」、「90度」,「135度」である。現在の切断針角度のデータは、「0度」、「45度」、「90度」、「135度」である。切断針角度差データが、3つの値しかないのは、切断針8は45度毎しか回転しないこと、及び切断針角度が180度の場合は0度と同じであることによる。当接回数Pは、現在の切断針角度のデータ毎に、「P=1」、「P=2」、「P=3」に分けられている。当接回数Pが1〜3であるのは、切断針8は45度毎しか回転しないこと、及び切断針8が4回回転すると切断針角度が180度となり、結局、切断針角度は0度になることによる。
図9を参照し、主軸停止角度記憶領域644(図6参照)に記憶される主軸停止角度データ220について説明する。主軸停止角度データ220は、後述する第1切断針回転処理でCPU151が参照するデータである。主軸停止角度データ220は、カム番号Mと、主軸停止角度データとが対応付けられて記憶されている。カム番号M1〜4は夫々、カム511〜514に対応する。主軸停止角度データは、主軸72が停止する回転角度を示すデータであって、カム番号Mに対応するカムの被当接部が、当接部322と同じ高さとなる位置に針棒6を停止させる為のデータである。
図10を参照し、差分回転量記憶領域645(図6参照)に記憶される差分回転量データ230について説明する。差分回転量データ230は、後述する第1切断針回転処理でCPU151が参照するデータである。後述するように、CPU151は、カム511〜514に連続して当接部322を当接させる場合に、差分回転量データ230を参照する。ここで、差分回転量データとは、当接部322がカム511〜514の何れかのカムと当接した後に、他のカムが当接部322と当接可能な高さになるように、針棒6を移動させて停止させる為の主軸72の回転量のデータである。差分回転量データ230は、現在のカム番号M及び次に当接させるカム番号Mの夫々に対応付けて、差分回転量のデータが設定され記憶されている。現在のカム番号Mは、当接部322が直前に当接したカムの番号である。現在のカム番号Mの1〜4は、夫々、カム511〜514に対応する。次に当接させるカム番号Mは、当接部322が連続してカム511〜514に当接する場合に、次に当接するカムの番号である。次に当接するカム番号Mの1〜4は、夫々、カム511〜514に対応する。
図11を参照し、CPU151が実行するカットワーク実行処理について説明する。カットワーク実行処理は、ミシン1の電源がONにされ、ユーザが操作スイッチ35及びタッチパネル26等を用いて指示を入力することで、開始される。ミシン1のCPU151は、カットワーク実行処理の開始指示の入力を検知すると、ROM152(図6参照)に記憶されたカットワーク実行処理を実行するためのプログラムをRAM153に読み出す。そしてCPU151は、プログラムに含まれる指示に従って、以下に説明する各ステップの処理を実行する。ユーザは、操作スイッチ35及びタッチパネル26等を用いて、加工布(図示外)に施すカットワーク模様を選択し、カットワークの実行を指示する。
カットワーク実行処理において、まずCPU151は、カットワーク模様データ100を取得する(S11)。CPU151は、カットワークデータ記憶領域641を参照し、ユーザが選択したカットワーク模様に対応するカットワーク模様データ100を取得する。CPU151は、針落ち番号Nを「1」に設定する(S13)。設定された針落ち番号NはRAM153に記憶される。次いで、CPU151は第1切断針回転処理を実行する(S15)。
図12を参照し、第1切断針回転処理について説明する。第1切断針回転処理は、S11で取得したカットワーク模様データ100(図7参照)において針落ち番号Nに対応して記憶される切断針角度データが示す角度と、切断針8の切断針角度とを一致させる処理である。
第1切断針回転処理では、まずCPU151が、現在の切断針8の切断針角度を取得する(S30)。CPU151は、切断針角度記憶領域643(図6参照)を参照することで、記憶されている切断針角度を取得する。CPU151は、現在の切断針角度と、カットワーク模様データ100における針落ち番号Nに対応する切断針角度とが、同じか否か判断する(S31)。CPU151は、カットワークデータ記憶領域641(図6参照)に記憶されるカットワーク模様データ100を参照することで、針落ち番号Nに対応する切断針角度を取得し、S30で取得した現在の切断針角度と比較する。現在の切断針角度と針落ち番号Nに対応する切断針角度とが等しい場合(S31:YES)、CPU151は、第1切断針回転処理を終了し、処理をカットワーク実行処理(図11参照)に戻す。
例えば、切断針角度記憶領域643から取得される切断針角度データが「0度」である場合であって(S30)、針落ち番号Nが「1」である場合、カットワーク模様データ100に記憶される切断針角度データも「0度」である(S31:YES)。この場合、第1切断針回転処理は終了する。
図11に示すように、第1切断針回転処理が終了した後、CPU151は、針落ち番号Nの値に対応する1針分のカットワークを実行する(S17)。カットワークが実行された後、ミシンモータ79は、針棒6、即ち切断針8が針上位置に移動するまで針棒上下動機構84(図6参照)を駆動する。例えば、針落ち番号Nが「1」の場合、図7に示すように、カットワーク模様データ100において、針落ち点のX座標データは「x1」であり、Y座標データは「y2」である。このため、CPU151は、駆動回路74及び75を制御して、X軸モータ82及びY軸モータ83を駆動し、X座標「x1」及びY座標「y1」が針落ち点になるように、刺繍枠9を移動させる。そして、CPU151は、駆動回路71を制御して、ミシンモータ79を駆動させ、針棒6を下降させる。これにより、切断針8の刃部89が加工布を切断するカットワークが実行される。CPU151は、駆動回路71を制御してミシンモータ79を駆動させ、切断針8が針上位置に移動するまで針棒上下動機構84(図6参照)を駆動する。
次いで、CPU151は、針落ち番号Nが「CUT_END」であるか否か判断する(S19)。CPU151は、RAM153に記憶されている針落ち番号Nを参照し、さらにカットワークデータ記憶領域641(図6参照)に記憶されるカットワーク模様データ100の針落ち番号Nの「CUT_END」とを比較することで判断する。
針落ち番号Nが「CUT_END」でないと判断された場合(S19:NO)、CPU151は、針落ち番号Nをインクリメントし(S21)、インクリメントした針落ち番号NをRAM153に記憶した後、処理をS15に戻す。例えば、針落ち番号Nが「1」である場合(S19:NO)、針落ち番号Nは「2」にインクリメントされる(S21)。
針落ち番号Nが「CUT_END」である場合(S19:YES)、CPU151は、現在の切断針角度を切断針角度記憶領域643に上書きして記憶する(S23)。
例えば、針落ち番号Nが「CUT_END」である場合(S19:YES)、カットワーク模様データ100における切断針角度データは「0度」であり(図7参照)、現在の切断針角度は0度である。CPU151は現在の切断針角度を「0度」として、切断針角度記憶領域643に記憶されていた切断針角度を上書きして記憶する(S23)。
次いで、CPU151は、駆動回路74及び75を制御して、X軸モータ82及びY軸モータ83を駆動し、刺繍枠9を退避位置まで移動させる(S25)。刺繍枠9を退避位置に移動させた後、CPU151は、カットワーク実行処理を終了させる。尚、カットワーク実行処理が終了される場合、切断針8は針上位置にある。
図12に示す第1切断針回転処理において、現在の切断針角度と、カットワーク模様データ100(図7参照)における針落ち番号Nに対応する切断針角度とが異なる場合について、針落ち番号Nが「2」であるとして説明する。現在の切断針角度と針落ち番号Nに対応する切断針角度とが異なると判断された場合(S31:NO)、CPU151は、切断針角度差を取得する(S32)。CPU151は、カットワークデータ記憶領域641(図6参照)に記憶されるカットワーク模様データ100を参照することで、針落ち番号Nに対応する切断針角度を取得する。CPU151は、取得した切断針角度から、S30で取得された現在の切断針角度だけ、減算することで、切断針角度差を取得する。
例えば、針落ち番号Nが「2」である場合、CPU151は、カットワーク実行処理(図11参照)のS17で、針落ち番号Nが「1」である場合の1針分のカットワークの実行を完了している。図7に示すように、針落ち番号Nが「1」である場合に対応する切断針角度データは「0度」である。即ち、現在の切断針8の切断針角度は0度である。針落ち番号Nが「2」である場合の切断針角度データは「45度」であり、現在の切断針角度と異なる(S31:NO)。設定切断針角度は45度である。従って、CPU151は、設定切断針角度(45度)から現在の切断針角度(0度)を減算した45度を、切断針角度差として取得する(S32)。
図12に示すように、次いで、CPU151は、当接回数Pを「1」に設定し(S33)、設定した当接回数PをRAM153に記憶した後、次に当接させるカム番号Mを取得する。(S34)。例えば、針落ち番号Nが「2」である場合、上述したように、現在の切断針角度は、「0度」であり、S32で取得される切断針角度差は「45度」である。また、当接回数Pは「1」である(S33)。この場合、図8に示すように、カム番号データ210において、切断針角度差「45度」、現在の切断針角度「0度」、及び当接回数P「1」に対応するカム番号は「2」と記憶されている。従って、CPU151は、次に当接させるカム番号Mを「2」として取得する(S34)。
次いで、CPU151は、駆動回路74及び75を制御して、X軸モータ82及びY軸モータ83を駆動させ、刺繍枠9を退避位置に移動させる(S35)。例えば、針落ち番号Nが「2」である場合、CPU151は、カットワーク実行処理(図11参照)のS17で、針落ち番号Nが「1」である場合の1針分のカットワークの実行を完了している。図7に示すように、針落ち番号Nが「1」である場合に対応する針落ち点は、X座標データが「x1」であり、Y座標データが「y1」である。つまり、刺繍枠9は退避位置に位置していないので、CPU151は、駆動回路74及び75を制御して、刺繍枠9を退避位置に移動させる(S35)。
次いで、CPU151は、針棒6、即ち切断針8が針上位置にあるか否か判断する(S38)。CPU151は、エンコーダ77(図6参照)から出力される信号により、切断針8が針上位置にあるか否か判断する。切断針8が針上位置にあると判断された場合(S38:YES)、CPU151は、主軸停止角度記憶領域644(図6参照)に記憶される主軸停止角度データ220を参照することで、S34で取得したカム番号Mに対応する主軸停止角度データを取得する(S39)。
例えば、針落ち番号Nが「2」であり、当接回数Pが1である場合、CPU151は、カットワーク実行処理(図11参照)のS17の処理によって、切断針8は針上位置にある(S38:YES)。上述したように、針落ち番号Nが「2」である場合、S34で取得される次に当接させるカム番号Mは「2」である。この場合、図9に示すように、主軸停止角度データ220に記憶される主軸停止角度「A2」が取得される(S39)。次に当接させるカム番号M「2」に対応するカムの被当接部は被当接部612(図5参照)である。つまり、被当接部612が、当接部322(図3参照)と当接可能な高さになるように、針棒6を移動させて停止させる主軸停止角度「A2」が設定される。
次いで、CPU151は、駆動回路71を制御して、主軸72の回転角度がS39で取得した主軸停止角度「A2」になるようミシンモータ79を駆動し、針棒6を移動させる(S43)。
次いで、CPU151は、駆動回路74を制御して、X軸モータ82を駆動し、刺繍枠9を右方(図13に示す矢印A方向)に移動させる(S49)。これにより、当接部322が、S34で取得されたカム番号M「2」に対応するカム512の被当接部612に当接して押圧する。より詳細には、当接部322は被当接部612のうち、切断針8の右前にある部分を右方に押圧する。これにより、当接部322は、カム部材51の軸線を中心に、カム512を平面視で時計回り方向(矢印B方向)に回転させる。カム512の回転に伴って、カム部材51、切断針8、回転部材43、及び板バネ44も一体的に回転する。板バネ44が回転する場合、係合部442は、板バネ44が付与する付勢力に抗して、係合していた被係合部414から外れ、溝部415に沿って平面視で反時計回り方向(矢印B方向)に回転移動する。係合部442は、今まで係合していた被係合部414に隣接する被係合部414(以下、次の被係合部414という)に係合する。これにより、板バネ44は、係合部442が次の被係合部414と係合する方向(支持部材41の軸線に向かう方向)に再び付勢する。これにより、カム部材51、切断針8、及び回転部材43の回転が係止される。回転部材43の回転後、カム511〜514の長手方向角度は、夫々、135度,0度,45度,90度となる。
図12に示すように、次いでCPU151は、当接回数Pをインクリメントして(S54)、これをRAM153に記憶した後、処理が完了しているか否か判断する(S55)。CPU151は、カム番号データ記憶領域642(図6参照)に記憶されるカム番号データ210(図8参照)を参照し、S30で取得した現在の切断針角度、S32で取得した切断針角度差、及びS54でインクリメントされた当接回数Pに対応するカム番号Mが「―」である場合に、処理が完了したと判断する。CPU151は、また、当接回数Pが「4」である場合においても、処理が完了したと判断する。処理が完了したと判断された場合(S55:YES)、CPU151は、第1切断針回転処理を終了し、処理をカットワーク実行処理(図11参照)に戻す。
例えば、針落ち番号Nが「2」である場合、上述したように、S30で取得される現在の切断針角度は「0度」であり、S32で取得される切断針角度差は「45度」である。当接回数Pが「1」から「2」にインクリメントされると(S54)、図8に示すように、カム番号データ210において、切断角度差「45度」、現在の切断針角度「0度」、及び当接回数P「2」に対応するカム番号は「―」である。従って、処理は完了したと判断され(S55:YES)、CPU151は第1切断針回転処理を終了する。
次に、第1切断針回転処理の実行が開始されて、S55において処理が完了していないと判断される場合について説明する。以下の説明では、針落ち番号Nが「3」であるとする。針落ち番号Nが「3」である場合、カットワーク実行処理(図11参照)のS17で、針落ち番号Nが「2」である場合の1針分のカットワークが実行されている。カットワーク模様データ100(図7参照)では、針落ち番号Nが「2」である場合の切断針角度データは「45度」であり、針落ち番号Nが「3」である場合の切断針角度データは「135度」である。従って、S30で取得される現在の切断針角度は「45度」である。また、S32で取得される切断針角度差は、135度から45度を減算した「90度」である。また、図8に示すカム番号データ210において、現在の切断針角度「45度」、切断角度差「90度」、及び当接回数P「1」に対応するカム番号データは「1」である。従って、S34で取得される当接させるカム番号Mは「1」である。
針落ち番号Nが「3」である場合、カットワーク実行処理(図11参照)のS17で、針落ち番号Nが「2」に対応する1針分のカットワークが既に実行され、S21で針落ち番号Nがインクリメントされる。この後に、第1切断針回転処理の実行が再び開始される。この場合、S30〜S54の処理は、上述の説明と同様である。
図12に示すように、CPU151は、処理が完了しているか否か判断する(S55)。例えば、針落ち番号Nが「3」である場合、上述したように、S30で取得される現在の切断針角度は「45度」であり、S32で取得される切断針角度差は「90度」である。図8に示すように、カム番号データ210において、現在の切断針角度「45度」、切断針角度差「90度」、及びS54でインクリメントされる当接回数P「2」に対応するカム番号は「4」であり、「―」ではない。またインクリメントされた当接回数Pは「2」であり、「4」ではない。従って、処理は完了していないと判断される(S55:NO)。
次に、CPU151は現在のカム番号Mを取得する(S57)。CPU151は、S34で取得した次に当接させるカム番号Mを、現在のカム番号として取得する。例えば、上述したように、S34で既に取得したカム番号は「1」である。従って、現在のカム番号Mは「1」として取得される。
CPU151は、現在のカム番号の次に当接させるカム番号を取得する(S34)。例えば、図8に示すカム番号データ210において、現在の切断針角度「45度」、切断角度差「90度」、及び当接回数P「2」に対応するカム番号データは「4」である。従って、次に当接させるカム番号Mとして「4」が取得される(S34)。
次に、CPU151は、S35を実行する。この処理は上述した説明と同様なので、説明を省略する。
次いで、CPU151は、切断針8が針上位置にあるか否か判断する(S38)。切断針8が針上位置にないと判断された場合(S38:NO)、CPU151は処理をS40に進める。例えば、針落ち番号N「3」で且つ、当接回数P「2」である場合、CPU151は既に当接回数P「1」に対応する処理を実行している。つまり、当接部322は、被当接部611と当接可能な高さに位置しており、切断針8は針上位置ではない(S38:NO)。
次いで、CPU151は、差分回転量を取得する(S40)。CPU151は、S57で取得される現在のカム番号M、S34で取得される次に当接させるカム番号M、及び差分回転量記憶領域645(図6参照)に記憶される差分回転量データ230を参照し、差分回転量を取得する。
例えば、針落ち番号Nが「3」で且つ、当接回数Pが「2」である場合、上述したように、S57で取得される現在のカム番号Mは「1」であり、S34で取得される次に当接させるカム番号Mは「4」である。図10に示すように、差分回転量データ230において、現在のカム番号Mは「1」及び次に当接させるカム番号Mは「4」に対応する差分回転量は「A14」である。従って、差分回転量「A14」が取得される(S40)。次に当接させるカム番号M「4」に対応するカムの被当接部は被当接部614(図5参照)である。つまり、被当接部614が、当接部322(図3参照)と当接可能な高さになるように、針棒6を移動させて停止させる差分回転量「A14」が設定される。
次いで、CPU151は、駆動回路71を制御して、主軸72を、S40で取得した差分回転量「A14」だけ回転させるようミシンモータ79を駆動し、針棒6を移動させる(S43)。
次いで、CPU151はS49の処理を実行する。この処理は上述した説明と同様である。
CPU151は、当接回数Pをインクリメントした後(S54)、処理が完了したか否か判断する(S55)。例えば、針落ち番号Nが「3」で且つ、当接回数Pが「2」である場合、当接回数Pは「3」にインクリメントされる(S54)。上述したように、S30で取得される現在の切断針角度は「45度」であり、S32で取得される切断針角度差は「90度」である。図8に示すように、カム番号データ210において、現在の切断針角度「45度」、切断角度差「90度」、及び当接回数P「3」に対応するカム番号は「―」である。従って、処理は完了したと判断され(S55:YES)、第1切断針回転処理は終了する。
以上、説明したように、ミシン1のCPU151は、ミシンモータ79を駆動して、切断針8を、当接部322が被当接部611〜614の何れかと同じ高さになる位置まで移動させる(S43)。そして、CPU151は、X軸モータ82を駆動することで、退避位置にある刺繍枠9を右方へと移動させ、当接部322を、被当接部611〜614の何れかと当接させて回転させる(S49)。これにより、CPU151は、切断針8を45度だけ反時計回りに回転させる。従って、ミシン1は、自動的に切断針8を回転させることができる。また、被当接部611〜614が上下方向に幅を有するので、刺繍枠9が右方に移動する場合、当接部322は、S34で取得された次に当接させるカム番号Mに対応するカムの被当接部に確実に当接する。従って、ミシン1は安定的に切断針8を回転させることができる。
被当接部611〜614は、夫々、隣接する被当接部611〜614同士で、長手方向が、カム部材51の軸線を中心とする回転方向において平面視で45度だけずれるように配置されている。これにより、当接部322が、被当接部611〜614のうち、長手方向角度が135度のカムの被当接部に当接して、切断針8を45度だけ回転させた後、当接しなかったカムの何れかは、長手方向角度が135度となる。つまり、切断針8が45度毎に回転する場合、カム511〜514の何れかは、長手方向角度が135度となる。ミシン1は、当接部322をカム511〜514の何れかに当接させる場合の、刺繍枠9の位置を常に同じ座標位置にできる。つまり、ミシン1は、刺繍枠9の移動制御を簡易化できる。従って、ミシン1はより安定して切断針8を回転させることができる。
また、板バネ44の係合部442が複数の被係合部414の何れかに係合することで、板バネ44は、係合部442を被係合部414に係合する方向に支持部材41を付勢する。これにより、回転部材43の回転は係止され、切断針8の回転も係止される。ミシン1は、加工布にカットワークを施す際に、切断針8が不必要に回転してしまうことを抑制できる。故に、ミシン1は加工布のカットワークを安定して行うことができる。また、切断針8の切断針角度は、係合部442が次の被係合部414に係合する位置で定まる。故に、ミシン1は切断針8の切断針角度を精度良く制御できる。
上記実施形態において、針棒上下動機構84及びミシンモータ79が本発明の「針棒駆動手段」に相当し、板バネ44が本発明の「弾性部材」に相当し、S39,S40を実行するCPU151が本発明の「高さ設定手段」に相当し、S43を実行するCPU151が本発明の「第1制御手段」に相当し、S49を実行するCPU151が本発明の「第2制御手段」に相当する。
また、上記実施形態において、S39,S40が本発明の「高さ設定ステップ」に相当し、S43が本発明の「第1制御ステップ」に相当し、S49が本発明の「第2制御ステップ」に相当する。
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、カム部材51は、4つのカムであるカム511〜514を、長手方向角度が平面視で45度だけずれるように配置している。これに代えて、6つのカムを設けて、夫々長手方向角度が平面視で30度だけずれるように配置してもよい。また、カムの形状、大きさ、数、及び長手方向の角度の夫々は適宜変更されてよい。
また、上記実施形態では、当接部322は、支持部321から右方に延びるように設けられる。しかしながら、当接部の形状、大きさ、及び設置位置は、適宜変更されてよい。例えば、当接部322が前方又は後方に延びており、刺繍枠9を前方向又は後方向に移動させて、カム部材51に当接させるようにしてもよい。また、当接部322は、外枠91に設けたが、内枠に設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、刺繍枠9の外枠91に設けられる突出部320が1つだけ設けられている。これに代えて、カム511〜カム514の夫々に対応する4つの突出部を設けてもよい。例えば、図14に示すように、外枠91の前方から後方にかけて、4つの突出部111〜114を設ける。
突出部111は、支持部121と当接部131とを備え、突出部112は支持部122と当接部132とを備え、突出部113は支持部123と当接部133とを備え、突出部114は支持部124と当接部134とを備える。支持部121〜124は、夫々、外枠91から上方に向かって突出する。支持部121〜124の上下方向の高さは、支持部121から支持部124にかけて順に高くなる。当接部131〜134は、夫々、支持部121〜124の上端部から右方に延びる板状である。当接部131〜134は、全て互いに同一の形状であり、上下方向の幅は、カム511〜514の上下方向の幅と同じである。カム511の上面が当接部134の上面と同じ位置になるように、針棒6を停止させた状態において、カム512〜514の上面は夫々当接部132〜134の高さと同じである。
即ち、切断針8を針上位置から所定量だけ降下させれば、当接部131は被当接部614に、当接部132は被当接部613に、当接部133は被当接部612に、当接部134は被当接部611に、夫々当接可能な高さとなる。また、フラッシュメモリ64に、当接部131〜134が夫々、被当接部611〜614に押圧可能になるような刺繍枠9の座標位置を、フラッシュメモリ64の所定の記憶領域に記憶させておけばよい。この場合、CPU151は、切断針8を例えば45度ずつ3回回転させる場合等、切断針8を複数回に亘って回転させる場合に、1回目の回転が終わった後に針棒6の高さを設定し直す必要はない。即ち、1回目の当接を第1切断針回転処理におけるS49で終えた後、S35においてCPU61は、当接部131〜134の何れか1つを選択的にカム部材51に当接させるよう、フラッシュメモリ64の所定の記憶領域を参照しながら刺繍枠9を移動させる。これにより、2回目以降の当接においては、第1切断針回転処理におけるS40、S43の処理を不要とすることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るミシン2について、図15〜図21を参照して説明する。図15ではミシン1と同じ部材には同じ符号を付与している。以下の説明では、第1実施形態に係るミシン1と共通の構成及び動作については説明を省略する。尚、本実施形態においては、切断針角度は、刃部89が左右方向に延びる状態(図16における刃部89の状態)を0度とし、第一実施形態とは異なり、図15における平面視で反時計回り方向が正方向であるとする。
図15及び図16に示すように、ミシン2は、ミシン1が備える切断針回転機構50(図4参照)に代えて切断針回転機構60を備える点で、ミシン1と異なる。その他の物理的構成及び電気的構成は、基本的にミシン1と同じである。切断針回転機構60は、支持機構61と、保持部材62と、切断針8とを備える。切断針回転機構60の切断針8の形状は、切断針回転機構50の切断針8の形状と同じである。
支持機構61は、支持部材41と、回転部材63と、板バネ44とを備える。支持機構61の支持部材41、板バネ44の形状は、支持機構40の支持部材41、板バネ44の形状と同じであるので説明は省略する。
回転部材63は略円柱形状であり、支持部材41の下端に回転可能に支持される。回転部材63の軸線は、針棒6(図3参照)の軸線と一致する。回転部材63は、回転部材63の軸線と直交する方向(図16では左右方向)に延びる突出部621を備える。突出部621は、軸部材であり、回転部材63に設けた貫通孔(図示外)に圧入されている。突出部621が延びる方向と、切断針8の刃部89の幅方向は同じである。突出部621は第一突出部631と第二突出部632とを備える。第一突出部631及び第二突出部632は、回転部材63の軸線から離間する方向に向けて突出している。第一突出部631及び第二突出部632は、回転部材63の軸線を中心に対称に設けられている。支持機構61の回転部材63は、突出部621を備える点以外においては、支持機構40の回転部材43と同じである。
保持部材62は、回転部材63の下端面の中央部から下方に延びる略円柱状の部材である。保持部材62は、回転部材63と一体的に形成されている。保持部材62の軸線は、回転部材63と一致する。保持部材62は、切断針回転機構50のカム部材51と同様、
下端部に軸穴(図示外)が設けられる。切断針8の上端部が軸穴に挿入され、ネジ20により固定される。
下端部に軸穴(図示外)が設けられる。切断針8の上端部が軸穴に挿入され、ネジ20により固定される。
図15、図17、及び図18を参照し、刺繍枠10について説明する。ミシン2は、ミシン1が備える刺繍枠9(図1参照)に代えて、刺繍枠10を備える。刺繍枠10は、刺繍枠9が備える突出部320に代えて支持部700を備えること以外は、刺繍枠9と同じである。
支持部700は、平面視で前後方向に長い略矩形状である。支持部700は、刺繍枠10の外枠11の右側部に設けられる。支持部700は外枠11と一体的に形成される。支持部700には、4つの案内部711〜714が、前方から後方に向かって並設される。後述するように、案内部711〜714は、夫々、切断針回転機構60の突出部621を案内することで、切断針8を回転させて切断針角度を変更することができる。
4つの案内部711〜714は、正面視における角度(向き)は夫々異なるが、角度以外は同じ形状であるので、説明の都合上、案内部712の構成について説明する。4つの案内部711〜714の異なる点については後述する。図17及び図18に示すように、案内部712は、第一挿入穴802と、第一傾斜部812と、第二傾斜部822と、第二挿入穴872と、溝部832とを備える。第一挿入穴802は、支持部700を上下方向に貫通する平面視で円形状の孔である。第一挿入穴802の内径は、突出部621の両端間の長さよりも大きい。
第一傾斜部812と第二傾斜部822は、第一挿入穴802の内周面に沿って設けられる。第一傾斜部812と第二傾斜部822は、第一挿入穴802の軸線に対して点対称となる形状をなす。第一傾斜部812の上面である第一案内面852、及び第二傾斜部822の上面である第二案内面862は、平面視で時計回り方向に、第一挿入穴802の内周面に沿って下方に傾斜する。
第一傾斜部812と第二傾斜部822の内側には、第二挿入穴872が形成される。第二挿入穴872は、支持部700を上下方向に貫通する平面視で円形状の穴である。第二挿入穴872の軸線は、第一挿入穴802の挿入穴と一致する。
溝部832は、第一傾斜部812の一端部(平面視で反時計回り方向の端部)と第二傾斜部822の一端部(平面視で時計回り方向の端部)、及び第一傾斜部812の他端部と第二傾斜部822の他端部とが、夫々互いに対向している部位である。溝部832は、第一挿入穴802の軸線を挟んで2つ設けられる。溝部832は、第一案内面852の下方端、及び第二案内面862の下方端と夫々繋がっている。溝部832の幅は、突出部621の外径よりも僅かに大きい。
溝部832は、平面視で左後側から右前側に向かって延びる。左右方向を基準とし、且つ平面視で反時計回り方向を正とする場合において、溝部832が平面視で延びる方向の角度(以下、「延設方向角度」という)は、45度である。後述するように、溝部832には、第一案内面852及び第二案内面862によって案内されることで移動する突出部621が嵌る。つまり、突出部621は、第一案内面852及び第二案内面862によって案内されることで、第二挿入穴872の軸線を中心に回転し、切断針角度と溝部832の延設方向角度とが同じになる。このとき、保持部材62に螺合しているネジ20の頭部も軸線回りに回転するが、第二挿入穴872は、ネジ20の頭部とは干渉しない大きさになっている。
図17に示す案内部711,713,714の形状は、前述したように、案内部712の形状と同じてあり、夫々、第一挿入穴、第二挿入穴を備える。一方、案内部711,713,714は、平面視における第一傾斜部、第二傾斜部、及び溝部が設けられる角度が夫々異なる。案内部711の溝部831の延設方向角度は0度である。案内部713の溝部833の延設方向角度は90度である。案内部714の溝部834の延設方向角度は135度である。そして、各傾斜部が設けられる角度も、溝部の角度に合わせて異なっている。なお、図17において、案内部711,713,714における構成要素の符号は、案内部712の構成要素の符号に合わせるように付与してある。
次に、図19を参照し、案内部番号データ300について説明する。案内部番号データ300は、フラッシュメモリ64の案内部番号データ記憶領域(図示外)に記憶される。案内部番号データ300は、後述する第2切断針回転処理でCPU151が参照するデータである。案内部番号データ300には、切断針角度データと、案内部番号Kと、X座標データ、Y座標データを含み、夫々のデータが対応付けられて記憶されている。案内部番号Kは、案内部711〜714を示すデータである。案内部番号Kの「1」には案内部711が対応し、「2」には案内部712が、「3」には案内部713が、「4」には案内部714が夫々対応する。切断針角度データには、案内部番号Kに対応する案内部における溝部の延設方向角度と等しい値が記憶される。X座標データ及びY座標データは、案内部711〜714のうち、案内部番号Kに対応する案内部の第一挿入穴の中心位置が針落ち点となる刺繍枠10の座標位置を示す。
図11及び図20を参照し、ミシン2のCPU151が実行するカットワーク実行処理について説明する。ミシン2におけるカットワーク実行処理は、ミシン1のCPU151がS15で実行する第1切断針回転処理に代えて、ミシン2のCPU151がS15で第2切断針回転処理を実行すること以外は全て同じである。以下の説明では、針落ち番号Nが「2」であるとして、第2切断針回転処理について説明する。第2切断針処理回転処理は、カットワーク模様データ100(図7参照)において針落ち番号Nに対応して記憶される切断針角度データと、切断針8の切断針角度とを一致させる処理である。
図20に示すように、第2切断針回転処理では、まずCPU151が、現在の切断針8の切断針角度を取得する(S60)。CPU151は、フラッシュメモリ64の切断針角度記憶領域643(図6参照)を参照することで、記憶されている切断針角度を取得する。CPU151は、現在の切断針角度と、カットワーク模様データ100(図7参照)において針落ち番号Nに対応する切断針角度とが、同じか否か判断する(S61)。CPU151は、フラッシュメモリ64のカットワークデータ記憶領域641(図6参照)に記憶されるカットワーク模様データ100を参照することで、針落ち番号Nに対応する切断針角度を取得し、S30で取得した現在の切断針角度と比較する。現在の切断針角度と針落ち番号Nに対応する切断針角度とが等しい場合(S61:YES)、CPU151は、第2切断針回転処理を終了し、処理をカットワーク実行処理(図11参照)に戻す。
例えば、フラッシュメモリ64から取得される切断針角度データが「0度」である場合であって(S60)、針落ち番号Nが「1」である場合、カットワーク模様データ100に記憶される切断針角度データも「0度」である(S61:YES)。この場合、第2切断針回転処理は終了する。
現在の切断針角度と針落ち番号Nに対応する切断針角度とが異なる場合(S61:NO)、CPU151は、案内部番号Kを取得した後(S63)、刺繍枠10の移動位置を設定する(S65)。CPU151は、フラッシュメモリ64の案内部番号データ記憶領域(図示外)に記憶される案内部番号データ300を参照し、S60で取得された切断針角度と等しい切断針角度データに対応する案内部番号Kを取得する。そして、CPU151は、案内部番号データ300を参照し、取得した案内部番号Kに対応する刺繍枠10の座標データを取得することで、刺繍枠10の移動位置を設定する(S65)。設定された移動位置はRAM63に記憶される。次いで、CPU151は、駆動回路74,75を制御してX軸モータ82及びY軸モータ83を駆動し、刺繍枠10をS65で設定された座標位置に向けて移動させる(S67)。
例えば、針落ち番号Nが「2」である場合、カットワーク模様データ100において、針落ち番号Nが「2」に対応する切断針角度データは「45度」であり、現在の切断針角度と異なる(S61:NO)。従って、CPU151は、案内部番号データ300から切断針角度データ「45度」に対応する案内部番号Kである「2」を取得する(S63)。案内部番号Kが「2」である場合、刺繍枠10のX座標データは「u2」であり、Y座標データは「v2」である。CPU151は、刺繍枠10の移動位置について、X座標データを「u2」、Y座標データを「v2」に設定する(S65)。そして、CPU151は刺繍枠10を設定した位置まで移動する(S67)。これにより、案内部番号K「2」に対応する案内部712に突出部621が係合可能となるように、刺繍枠10の移動位置が決定されて移動される。
次いで、CPU151は、駆動回路71を制御してミシンモータ79を駆動し、針棒6、即ち切断針8を針上位置から降下させて針下位置に移動させる(S73)。詳しくは、CPU151は、エンコーダ77から出力される信号に基づいて、主軸72を180度回転させる。ここで、針下位置とは、針棒6の上下方向の移動範囲における最下位置のことをいう。
このとき、図21に示すように、切断針回転機構60が案内部712に向けて矢印C方向に降下すると、第一突出部631は第一案内面852に当接し、第二突出部632は第二案内面862に当接する。そして、切断針回転機構60がさらに降下することで、第一突出部631は第一案内面852に沿って、且つ第二突出部632は第二案内面862に沿って、平面視で時計回り方向(矢印D方向)に案内される。この結果、突出部621は平面視で時計回り方向に回転して、最後に溝部832に嵌る。
突出部621の回転に伴って、回転部材63、保持部材62、及び板バネ44も一体的に平面視時計回りに回転する。板バネ44が回転する場合、係合部442は、板バネ44が付与する付勢力に抗して、係合していた被係合部414から外れ、溝部415に沿って平面視で時計回り方向に回転移動する。係合部442は、溝部415に沿って平面視で時計回り方向(矢印D方向)に回転移動する。係合部442は、係合していた被係合部414と隣接する被係合部414(以下、「隣の被係合部414」という)に係合する。これにより、板バネ44は支持部材41に対して、係合部442が隣の被係合部414に係合する方向(支持部材41の軸線に向かう方向)に再び付勢する。これにより回転部材63の回転は係止される。これにより、切断針8の切断針角度は、溝部832の延設方向角度と等しい45度になる。
次いで、CPU151は、駆動回路71を制御してミシンモータ79を駆動し、針棒6、即ち切断針8を針下位置から上昇させて針上位置に移動させる(S79)。詳しくは、CPU151は、エンコーダ77から出力される信号に基づいて、主軸72を180度回転させる。
上記説明では、針落ち番号Nが「2」である場合について説明したが、針落ち番号Nが「3」、「4」、及び「CUT_END」等の場合であっても同様である。図7に示すように、カットワーク模様データ100において、針落ち番号Nが「3」、「4」、「CUT_END」の場合に対応する切断針角度データは、夫々、「135度」、「90度」、「0度」である。この場合、図19に示す、案内部番号データ300に示すように、切断針角度「135度」、「90度」、「0度」に対応する案内部番号Kは夫々、「4」、「3」、「1」である。従って、針落ち番号Nが「4」、「3」、「CUT_END」の場合は、夫々、切断針8及び回転部材63が、案内部714,713,711に案内されることで、切断針角度が調整されることとなる。
以上説明したように、S65で決定された位置に刺繍枠10が移動した後、切断針8が降下することで、突出部621が案内部711〜714の何れかの第一案内面及び第二案内面に案内される。突出部621は、案内部711〜714の溝部831〜834に嵌る位置まで降下しながら回転する。従って、ミシン2は自動的に切断針8を回転させることができる。また、突出部621は、案内部711〜714の何れかの第一案内面851〜854及び第二案内面861〜864によって案内されるので、安定して回転する。従って、ミシン2は安定して切断針8を回転させることができる。
また、案内部711〜714の夫々の第一案内面851〜854及び第二案内面861〜864は、案内部711〜714の夫々が備える挿入穴の円周方向に沿って下方に傾斜している。また案内部711〜714の溝部は、夫々、案内部711〜714の第一案内面851〜854及び第二案内面861〜864の下方端と繋がっている。従って、案内部711〜714の第一案内面851〜854及び第二案内面861〜864によって案内される突出部621は、降下しながら回転し易く、溝部と嵌合する位置で回転を止める。切断針8の切断針角度は、案内部711〜714の夫々の溝部の延設方向角度と等しくなる。従って、ミシン2はより安定的に切断針8を回転させ、且つ、設定する切断針8の切断針角度の精度を向上できる。
案内部711〜714の夫々の第一案内面851〜854及び第二案内面861〜864、2つの溝部は、案内部711〜714の夫々の第一挿入穴の軸線に対して対称に設けられる。突出部621は回転部材63の軸線を中心に対称に設けられる。従って、案内部711〜714の何れかの第一挿入穴に切断針8及び回転部材63が挿入される場合、第一突出部631及び第二突出部632は、案内部711〜714の何れかの第一案内面851〜854及び第二案内面861〜864によって案内される。従って、ミシン2は、突出部621の何れか一端部のみが案内される場合に比較して、より安定的に切断針8を回転させることができる。
また、板バネ44の係合部442が複数の被係合部414の何れか1つに係合することで、板バネ44は、係合部442を被係合部414に係合する方向に支持部材41を付勢する。これにより、回転部材43の回転は係止され、切断針8の回転も係止される。ミシン1は、加工布にカットワークを施す際に、不必要に切断針8が回転することを抑制できる。故に、ミシン1は加工布のカットワークを安定して行うことができる。
上記実施形態において、第一案内面851〜854及び第二案内面861〜864が本発明の「案内面」に相当し、第一挿入穴801〜804が本発明の「挿入穴」に相当し、S65を実行するCPU151が本発明の「位置設定手段」に相当し、S67を実行するCPU151が本発明の「制御手段」に相当する。
また、上記実施形態において、S65が本発明の「位置設定ステップ」に相当し、S67が本発明の「制御ステップ」に相当する。
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、支持部700は、外枠11の右側部と一体的に形成されている。これに代えて、支持部700は、外枠11とは別部材であって、ネジ又は接着剤で外枠11の右側部に固定されていてもよい。
上記実施形態では、支持部700は、延設方向角度が45度ごとに異なる案内部を711〜714を4つ備える。これに代えて、延設方向角度が30度ごとに異なる案内部を6つ設けてもよい。この場合、切断針8の切断刃角度は、30度ごとに調整できる。また、案内部の形状、大きさ、数、及び延設方向角度の夫々は適宜変更されてよい。
上記実施形態は、突出部621は、回転部材63を貫通する軸部材であった。これに代えて、突出部は回転部材63と一体的に形成されていてもよい。
1,2 ミシン
6 針棒
8 切断針
9 刺繍枠
10 刺繍枠
30 刺繍枠移動機構
40 支持機構
41 支持部材
43,63 回転部材
44 板バネ
51 カム部材
79 ミシンモータ
84 針棒上下動機構
89 刃部
131,132,133,134 当接部
151 CPU
414 被係合部
442 係合部
511,512,513,514 カム
611,612,613,614 被当接部
621 突出部
711,712,713,714 案内部
801,802,803,804 第一挿入穴
851,852,853,854 第一案内面
861,862,863,864 第二案内面
831,832,833,834 溝部
6 針棒
8 切断針
9 刺繍枠
10 刺繍枠
30 刺繍枠移動機構
40 支持機構
41 支持部材
43,63 回転部材
44 板バネ
51 カム部材
79 ミシンモータ
84 針棒上下動機構
89 刃部
131,132,133,134 当接部
151 CPU
414 被係合部
442 係合部
511,512,513,514 カム
611,612,613,614 被当接部
621 突出部
711,712,713,714 案内部
801,802,803,804 第一挿入穴
851,852,853,854 第一案内面
861,862,863,864 第二案内面
831,832,833,834 溝部
Claims (10)
- 上下方向に移動可能な針棒を駆動する針棒駆動手段と、
下端部に刃部を有する切断針と、
前記切断針の上端部が固定されたカム部材であって、前記上下方向に幅を有する被当接部を有するカムを前記上下方向に沿って複数有するカム部材と、
前記カム部材を前記針棒に回転可能に支持する支持機構と、
前記被当接部と当接する当接部を有する刺繍枠を移動させる刺繍枠移動機構と、
複数の前記カムのうちいずれかの前記カムの前記被当接部に前記当接部が当接可能となるように、前記針棒の高さを設定する高さ設定手段と、
前記針棒駆動手段を制御することで、前記高さ設定手段で設定された前記高さに前記針棒を移動させて停止させる第1制御手段と、
前記刺繍枠移動機構を制御して前記刺繍枠を移動させる第2制御手段と
を備え、
前記針棒の軸線を中心とする回転方向において前記複数のカムが有する前記被当接部が、前記カム同士で互いに異なる位置に配置され、
前記第1制御手段が前記高さ設定手段で設定された前記高さに前記針棒を移動させて停止させた後、前記第2制御手段が前記刺繍枠を移動させて前記当接部を前記被当接部に当接させることで、前記切断針を回転させることを特徴とするミシン。 - 前記複数のカムの前記被当接部は、前記回転方向に沿って前記複数のカム同士で互いに所定間隔毎に配置されることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
- 前記支持機構は、
上端部が前記針棒に着脱可能に装着され、且つ前記回転方向に沿って所定間隔毎に設けられた複数の被係合部を有する支持部材と、
前記支持部材に回転可能に支持され、且つ下端部に前記カム部材が固定された回転部材と、
基端側が前記回転部材に固定され、先端側に設けた係合部が前記複数の被係合部のいずれかと係合する方向に付勢力を付与する弾性部材と
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。 - 前記刺繍枠の前記当接部は、位置及び上下方向の高さが夫々異なるように設けられた複数の当接部であって、
前記第1制御手段は、前記複数の当接部が、前記カム部材の前記複数の被当接部と当接可能な高さに前記針棒を移動させて停止させた後、
前記第2制御手段は、前記複数の当接部のうちの何れか1つの当接部が前記複数の被当接部の1つに当接するように移動させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のミシン。 - 上下方向に移動可能な針棒を駆動する針棒駆動手段と、
下端部に刃部を有する切断針と、
前記切断針の上端部が固定された回転部材であって、前記針棒の軸線と直交し且つ前記軸線から離間する方向に突出する突出部を有する回転部材と、
前記回転部材を前記針棒に回転可能に支持する支持部材と、
前記突出部と係合可能な案内部であって、前記軸線に対して前記切断針の前記刃部が向く方向を所定方向に回転させる案内部が複数設けられた刺繍枠と、
前記刺繍枠を移動させる刺繍枠移動機構と、
前記複数の案内部のうちの何れかの案内部に前記突出部が係合可能となるように、前記刺繍枠の位置を設定する位置設定手段と、
前記刺繍枠移動機構を制御して、前記位置設定手段により設定された位置に前記刺繍枠を移動させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段が前記刺繍枠を前記位置設定手段で設定された前記位置に移動させた後、前記針棒駆動手段が前記針棒を下方に移動させて前記突出部を前記案内部に係合させることで、前記切断針を回転させることを特徴とするミシン。 - 前記案内部は、
前記切断針及び前記回転部材が挿入可能な挿入穴と、
前記挿入穴の周方向に沿って下方に傾斜し、前記突出部を前記外周方向に案内する案内面と、
前記案内面の下方端と繋がった溝部であって、前記案内面に案内された突出部が移動して嵌合可能な溝部とを有し、
前記溝部は、前記複数の案内部毎に、延びる方向が夫々異なるように設けられていることを特徴とする請求項5に記載のミシン。 - 前記突出部は、前記軸線に対して互いに反対方向に突出する第一突出部と第二突出部とを備え、
前記案内面は、前記第一突出部と前記第二突出部とを夫々案内する2つの案内面からなり、
前記溝部は、前記第一突出部と前記第二突出部とが夫々嵌合する2つの溝部からなる
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のミシン。 - 前記支持部材は、上端部が前記針棒に着脱可能に装着され、且つ前記回転方向に沿って所定間隔毎に設けられた複数の被係合部を有し、
基端側が前記回転部材に固定された弾性部材であって、先端側に設けた係合部が前記複数の被係合部のいずれかと係合する方向に付勢力を付与する弾性部材を備えたことを特徴とする請求項5から7の何れかに記載のミシン。 - 上下方向に移動可能な針棒を駆動する針棒駆動手段と、
下端部に刃部を有する切断針と、
前記切断針の上端部が固定されたカム部材であって、前記上下方向に幅を有する被当接部を有するカムを前記上下方向に沿って複数有するカム部材と、
前記カム部材を前記針棒に回転可能に支持する支持機構と、
前記被当接部と当接する当接部を有する刺繍枠を移動させる刺繍枠移動機構とを備え、
前記針棒の軸線を中心とする回転方向において前記複数のカムが有する前記被当接部が、前記カム同士で互いに異なる位置に配置されたミシンに縫製動作を行わせる制御装置によって実行されるミシン縫製動作制御プログラムであって、
複数の前記カムのうちいずれかの前記カムの前記被当接部に前記当接部が当接可能となるように、前記針棒の高さを設定する高さ設定ステップと、
前記針棒駆動手段を制御することで、前記高さ設定ステップで設定された前記高さに前記針棒を移動させて停止させる第1制御ステップと、
前記刺繍枠移動機構を制御して前記刺繍枠を移動させる第2制御ステップと
を備え、
前記第1制御ステップが前記高さ設定ステップで設定された前記高さに前記針棒を移動させて停止させた後、前記第2制御ステップが前記刺繍枠を移動させて前記当接部を前記被当接部に当接させることで、前記切断針を回転させることを特徴とするミシン縫製動作制御プログラム。 - 上下方向に移動可能な針棒を駆動する針棒駆動手段と、
下端部に刃部を有する切断針と、
前記切断針の上端部が固定された回転部材であって、前記針棒の軸線と直交し且つ前記軸線から離間する方向に突出する突出部を有する回転部材と、
前記回転部材を前記針棒に回転可能に支持する支持部材と、
前記突出部と係合可能な案内部であって、前記軸線に対して前記切断針の前記刃部が向く方向を所定方向に回転させる案内部が複数設けられた刺繍枠と、
前記刺繍枠を移動させる刺繍枠移動機構とを備えたミシンに縫製動作を行わせる制御装置によって実行されるミシン縫製動作制御プログラムであって、
前記複数の案内部のうちの何れかの案内部に前記突出部が係合可能となるように、前記刺繍枠の位置を設定する位置設定ステップと、
前記刺繍枠移動機構を制御して、前記位置設定ステップにより設定された位置に前記刺繍枠を移動させる制御ステップと、
を備え、
前記制御ステップが前記刺繍枠を前記位置設定ステップで設定された前記位置に移動させた後、前記針棒駆動手段が前記針棒を下方に移動させて前記突出部を前記案内部に係合させることで、前記切断針を回転させることを特徴とするミシン縫製動作制御プログラム。
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