JP2016174727A - ミシン - Google Patents

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充弘 飯田
Michihiro Iida
充弘 飯田
恒雄 奥山
Tsuneo Okuyama
恒雄 奥山
保彦 川口
Yasuhiko Kawaguchi
保彦 川口
野々部 文浩
Fumihiro Nonobe
文浩 野々部
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Abstract

【課題】ミシンの動作モードと安全カバーの有無に基づき、動作を制御できる安全且つ使い勝手のよいミシンを提供する。【解決手段】ミシンの頭部の下端部に、安全カバーが着脱可能に装着される。ミシンは、安全カバーの装着を検出スイッチで検出する。動作モードがフリーモーションモードに切替えられた場合、ユーザは、上下動する縫針に対して手動で加工布を移動させるフリーモーション縫製を行うので、安全カバーは装着されている必要がある。CPUは、検出スイッチで安全カバーの装着が検出された場合のみ(S21:YES)、縫製動作の開始と停止を指示するS/Sキーの押下を受け付ける(S23〜26)。安全カバーの装着が検出されない場合(S21:NO)、CPUは警告メッセージを表示する(S22)。一方、刺繍縫製モードでは、安全カバーは装着されない状態で、CPUは刺繍縫製動作を実行する。【選択図】図18

Description

本発明は、安全カバーを備えたミシンに関する。
ミシンの頭部の下端部に透明材料からなる安全カバーを開閉自在に設け、作業時には安全カバーが作業者側から見て針棒及び縫針を覆うように閉じられ、且つ安全カバーの閉時のみミシンの駆動回路を閉路とするミシンの安全装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。一方、刺繍枠に保持された加工布に刺繍縫製を行う刺繍ミシンにおいて、刺繍枠を使用せずに、ユーザが加工布(例えば、キルティング生地等)を手動で移動させて縫製する所謂「フリーモーション縫製」が可能な刺繍ミシンが開示されている(例えば特許文献2参照)。この刺繍ミシンは刺繍縫製が可能な刺繍縫製モードと、フリーモーション縫製が可能なフリーモーションモードの2つの動作モードを相互に切替えることができる。
実開昭54−13753号公報 特開2007−229291号公報
上記刺繍ミシンで刺繍縫製モードに切り替えた場合、刺繍縫製は模様データに基づいて自動縫製されるので、安全カバーを特に必要としない。これに対し、フリーモーションモードに切り替えた場合、ユーザが針棒及び縫針の周囲で加工布を手動で移動させるので、安全カバーは必要とされる。それ故、ミシンは、ミシンの動作モードと、安全カバーの有無とを夫々考慮して動作を制御する必要があった。
本発明の目的は、ミシンの動作モードと安全カバーの有無に基づき、動作を制御できる安全且つ使い勝手のよいミシンを提供することにある。
本発明の一態様に係るミシンは、ミシンの頭部の下端部に着脱可能に装着され、前記ミシンの針棒に装着される縫針の少なくとも前面部を覆う安全カバーと、前記安全カバーの前記下端部への装着を検出する検出手段と、前記ミシンの動作モードについて、前記針棒と共に上下動する前記縫針に対して、加工布を保持する刺繍枠を自動で移動させながら前記加工布に縫製を行う第1モードと、ユーザが手動で前記加工布を移動させながら縫製を行う第2モードとを相互に切替える切替手段と、前記ミシンの動作に関する操作指令を受け付ける受付手段と、前記検出手段の検出結果と、前記切替手段によって切り替えられる前記動作モードとに応じて、前記受付手段によって受け付けられた前記操作指令に対する前記ミシンの動作を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本態様のミシンは、動作モードが第1モードと第2モードでは、安全カバーの必要性が異なる。ミシンの動作モードが第2モードのときには、ユーザは加工布を手動で移動させながら縫製を行うので、上下動する縫針に接触又は接近しないようにユーザの手指を保護する安全カバーが必要である。他方、第1モードでは、上下動する縫針に対して刺繍枠が自動で移動しながら刺繍縫製が行われる為、ユーザは上下動する縫針に接近しなくても済む。即ち、第1モードでは、第2モードに比べて安全カバーの必要性は低い。そこで、本発明のミシンは、安全カバーの有無に応じて制御するミシンの動作を、第1モードと第2モードで変えることによって、安全で且つ使い勝手のよいミシンを提供できる。
ミシン1の正面図である。 ミシン1の右側面図である。 ミシン1の電気的構成を示すブロック図である。 安全カバー60の斜視図である。 安全カバー60の正面図である。 安全カバー60の左側面図である。 ホルダ部材40の斜視図である。 ホルダ部材40の平面図である。 ホルダ部材40の正面図である。 ホルダ部材40の背面図である。 図9に示すI−I線矢視方向断面図である。 ホルダ部材40に安全カバー60が装着した状態を正面から見た図である。 図12に示すII−II線矢視方向断面図である。 ホルダ部材40から安全カバー60を離脱させた状態を正面から見た図である。 図14に示すIII−III線矢視方向断面図である。 メイン処理のフローチャートである。 フリーモーション画面移行処理のフローチャートである。 フリーモーション動作処理のフローチャートである。 メカ動作制御処理のフローチャートである。 フリーモーション画面移行処理の変形例のフローチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。以下説明では、図1の上側、下側、左側、右側を、夫々、ミシン1の上側、下側、左側、右側とする。図2の上側、下側、左側、右側を、夫々、ミシン1の上側、下側、前側、後ろ側とする。図4の上側、下側、左斜め下側、右斜め上側、左斜め下側、右斜め上側を、夫々、安全カバー60の上側、下側、前側、後ろ側、左側、右側とする。図7の上側、下側、左斜め下側、右斜め上側、左斜め下側、右斜め上側を、夫々、ホルダ部材40の上側、下側、前側、後ろ側、左側、右側とする。ミシン1の左右方向、前後方向を、夫々、X軸方向、Y軸方向と定義する。
図1,図2を参照し、ミシン1の構成を説明する。ミシン1は、ベッド部2、脚柱部3、アーム部4、頭部5、操作パネル9、フットコントローラ54(図3参照)等を備える。ベッド部2はミシン1の下部に位置し、ミシン1全体を支持する。ベッド部2は平面視略U字状に形成され、本体部2A、及び一対の脚部2B,2Cを備える。本体部2Aは、ベッド部2の左右方向略中央に位置し、平面視略長方形の板状に形成されている。脚部2B,2Cは、本体部2Aの左右両端部に夫々位置し、本体部2Aの前面よりも前方へ且つ互いに略平行に延びている。
本体部2Aの前面の略中央には、シリンダベッド7が設けられている。シリンダベッド7は略角筒状に形成され、且つ前方へ延びている。シリンダベッド7の内部には、釜機構(図示略)が設けられている。釜機構は釜(図示略)を回転駆動する。釜はシリンダベッド7の先端側に設けられ、下糸(図示略)が巻回されたボビン(図示略)を収容する。シリンダベッド7の先端部上面には、針板10が設けられている。針板10は釜の上方に位置する。針板10には、針穴(図示略)が設けられている。針穴には、後述する縫針8が上下方向に挿通される。針板10の下方で釜の近傍には、糸切断機構12(図3参照)が設けられる。糸切断機構12は、可動刃18と固定刃19(図3参照)を備え、可動刃18を固定刃19に対して移動させることで、上糸と下糸を切断する。可動刃18は、糸切モータ504(図3参照)により駆動される。
脚部2B,2Cの夫々の上面には、Y軸方向に対して平行に延びる一対の案内溝(図示略)が夫々設けられている。一対の案内溝は、キャリッジ17のY軸方向への移動を案内する。キャリッジ17は、X軸方向に対して平行に延びる略角柱状に形成され、脚部2B,2C間に架け渡されている。ベッド部2には、Y軸移動機構(図示略)が設けられている。Y軸移動機構は、Y軸モータ503(図3参照)が駆動することで、キャリッジ17をY軸方向に移動させる。キャリッジ17の前面には、装着部17AがX軸方向に移動可能に設けられている。装着部17Aには、加工布を保持する刺繍枠(図示略)を装着可能である。キャリッジ17の内部には、X軸移動機構(図示略)が設けられている。X軸移動機構は、X軸モータ502(図3参照)が駆動することで、装着部17AをX軸方向に移動させる。これにより、ミシン1は刺繍縫製を行う場合、Y軸移動機構によるキャリッジ17の前後方向への移動と、X軸移動機構による装着部17Aの左右方向への移動とにより、刺繍枠を前後左右に移動させることができる。
また、脚部2B,2Cには、平板状のテーブル100が装着可能である。テーブル100は、ミシン1の動作モードがフリーモーションモードに設定され、フリーモーション縫製が行われる場合に使用される。フリーモーションモード及びフリーモーション縫製については後述する。テーブル100が脚部2B,2Cに装着された場合、テーブル100は、脚部2B,2Cに架け渡されるように配置される。テーブル100は、例えば、キルティング生地等の加工布200(図2参照)を上面に載置可能である。テーブル100において、シリンダベッド7の上面に相対する位置には、切り欠き状の溝(図示略)が設けられている。テーブル100の上面の高さは、溝の内側に配置されるシリンダベッド7の上面の高さと略同じである。これにより、シリンダベッド7の上面には、加工布200が載置される。
脚柱部3は、略角柱状に形成され、本体部2Aの上面後端側に立設されている。アーム部4は、脚柱部3の上端部から前方へ、且つシリンダベッド7の上面に対向して延びている。アーム部4の上面には、左右方向に長い平板状の糸立台30が設けられている。その糸立台30の上面には、4本の糸立棒32が等間隔に設けられている。各糸立棒32には、上糸が巻回された糸駒31が支持されている。糸立台30の後方には、正面視T字状の案内部材33が設けられている。案内部材33は、アーム部4の上面に立設された棒状の支柱34と、該支柱34の上端部から左右方向に延びる案内棒35とを備える。案内棒35には、上糸を挿通させる為の4つの孔35Aが等間隔に設けられている。
頭部5は、アーム部4の前端部に設けられる。頭部5には、略直方体状の針棒ケース15が設けられている。針棒ケース15の内側には、図示しない針棒駆動機構、天秤機構等が夫々設けられている。針棒駆動機構は、頭部5の前側に設けられ、針棒6を上下動可能に支持する。針棒6は、頭部5の下端部から下方に延び、その下端部には縫針8が着脱可能に装着されている。縫針8の左方には、正面視略L字状の押え部材11が設けられている。押え部材11の下端部は、縫針8の下端(先端)よりも下方に位置し、縫針8が挿通する穴(図示略)が形成されている。
また、針棒6の後方には、糸通し機構13(図1,図3参照、図2では省略)が設けられている。糸通し機構13は、糸通しモータ505(図3参照)の駆動により、糸通しフック20(図3参照)を縫針8の目孔(図示略)に貫通させ、上糸を挿通させる。また、針棒ケース15の下端部には、板状のホルダ部材40が螺子(図示略)で固定されている。そのホルダ部材40には、平面視略U字状の安全カバー60が前方から着脱可能に装着されている。安全カバー60は、縫針8の前面部、右側面部、及び左側面部の3方向を覆うことで、縫製中にユーザの手指が縫針8に触れるのを防止できる。また、本実施形態の安全カバー60は、詳しくは後述するが、安全カバー60に設けられた爪部81A,82Aを、ホルダ部材40に設けられた凹部423,433に係合させることができる。従って、安全カバー60が、縫製中に外れてしまうことを防止できる。
天秤機構は、針棒6の上下動に合わせて天秤16(図1参照)を上下動させる。天秤16は、針棒ケース15の前面15Aに設けられたスリット151に沿って上下動する。スリット151は上下方向に延びる細い隙間である。ミシン1の縫製動作時、針棒6及び縫針8は釜と協働し、上糸を、釜が収容するボビンから引き出された下糸に絡める。天秤16は、下糸に絡んだ上糸を針板10上に引き上げる。これにより、加工布に縫目が形成される。
針棒ケース15の上面には、傾斜面15Bが設けられている。傾斜面15Bは、後方から前方に緩やかに下り傾斜している。その傾斜面15Bには、上糸に張力を付与する為の糸調子機構25が設けられている。糸調子機構25は、上糸の供給方向の上流側から下流側に向かって順に、副糸調子器27、主糸調子器26、副糸調子器28を備えている。主糸調子器26は、回転皿(図示略)を内部に備え、該回転皿が上糸の供給量に連動して回転することで、上糸に張力を付与する。副糸調子器27,28は、夫々、板状の挟持部(図示略)で上糸を挟持することで、上糸に張力を付与する。
操作パネル9は、頭部5の右側に設けられている。操作パネル9の前面の略中央には、正面視上下方向に長い長方形状の液晶ディスプレイ191(以下「LCD191」と呼ぶ)が設けられている。LCD191の前面には、タッチパネル192(図3参照)が設けられている。LCD191の下側には、スタート/ストップキー193(以下「S/Sキー193」と呼ぶ)と、針位置キー194と、糸切キー195と、糸通しキー196とが夫々横並びに設けられている。LCD191には、ミシン1を操作する為の各種画面が表示される。タッチパネル192は、LCD191に表示された各種画面上で指が触れた位置を検出することで、ユーザからのミシン1の動作に関する操作指令を受け付ける。
S/Sキー193は、針棒6を上下動させる縫製動作の開始と停止を指示する動作開始停止指令を受け付ける為のキーである。針位置キー194は、針棒6が停止する位置を最上位置又は最下位置に変更する針位置変更指令を受け付けるキーである。糸切キー195は、糸切断機構12の駆動を指示する糸切指令を受け付けるキーである。糸通しキー196は、糸通し機構13の駆動を指示する糸通し指令を受け付けるキーである。動作開始停止指令、針位置変更指令、糸切指令、糸通し指令は、操作パネル9で受け付け可能な操作指令である。なお、縫針8は針棒6の下端部に装着されているので、以降、ミシン1の動作の説明は、「針棒6」の代わりに、主に「縫針8」を用いて表現する。
フットコントローラ54は、ミシン1のオプション機器であり、例えば、特開2007−229291号公報に記載されたフットコントローラと同様のものである。フットコントローラ54は、図示はしないが、ミシン1に設けられたコネクタに接続ケーブルを介して着脱可能に接続される。フットコントローラ54は、踏込み式のペダル(図示略)を備える。ユーザは、足のつま先側でペダルを踏込むように操作する。フットコントローラ54は、ペダルの踏込み量に応じた信号を、接続ケーブルを介してミシン1の制御部600に出力する。制御部600は、フットコントローラ54から出力された信号に基づき、縫針8を上下動させる縫製動作を行う。従って、フットコントローラ54がミシン1に接続されている場合、ユーザは、S/Sキー193、又はフットコントローラ54の何れかを操作することで、ミシン1に縫製動作を行わせることができる。よって、フットコントローラ54は、S/Sキー193と同様に、縫針8を上下動させる縫製動作の開始と停止を指示する動作開始停止指令を受け付ける為の機器である。
上記構成を有するミシン1において、内部に設けられたミシンモータ501(図3参照)が駆動されると、主軸(図示略)が回転し、針棒6及び天秤16が同期して上下駆動される。そして、シリンダベッド7の前端部に設けられた回転釜(図示略)と協動することで、シリンダベッド7の上側で、例えば、刺繍枠に保持された加工布に縫目が形成される。
図3を参照し、ミシン1の電気的構成を説明する。ミシン1は、制御部600、駆動回路501A〜505A、回転位相検出器500、ミシンモータ501、X軸モータ502、Y軸モータ503、糸切モータ504、糸通しモータ505、フットコントローラ54、検出スイッチ55、操作パネル9等を備える。制御部600は、CPU601、ROM602、RAM603、EEPROM(登録商標)604、入出力インターフェイス(I/O)606等を備え、これらは信号線605で相互に接続されている。CPU601は、ミシン1の主制御を司り、縫製に関わる各種演算及び処理を実行する。ROM602は各種プログラム等を記憶する。RAM603は、CPU601が演算処理した演算結果等の各種情報を記憶する。EEPROM604は、縫製する刺繍模様の模様データ等を記憶する。模様データとは、例えば、刺繍座標系における縫針8の針落ち点の座標データ、刺繍模様の縫目の種類と設定値を示す縫目データ、糸の色を表す糸色データ、刺繍座標系における刺繍模様の輪郭を示す輪郭データ、刺繍模様のマスクデータ、刺繍模様の中心点の座標データ等を含むものである。刺繍座標系とは、刺繍枠を移動させるX軸方向及びY軸方向からなる2次元平面の座標系である。
I/O606には、回転位相検出器500、駆動回路501A〜505A、フットコントローラ54、検出スイッチ55が接続されている。回転位相検出器500は、主軸の回転位相を検出し、検出信号を制御部600に出力する。駆動回路501Aは、制御部600からの制御信号に従ってミシンモータ501を駆動する。駆動回路502Aは、制御部600からの制御信号に従ってX軸モータ502を駆動する。駆動回路503Aは、制御部600からの制御信号に従ってY軸モータ503を駆動する。駆動回路504Aは、制御部600からの制御信号に従って糸切モータ504を駆動する。駆動回路505Aは、制御部600からの制御信号に従って糸通しモータ505を駆動する。
フットコントローラ54は、ペダルの踏込み量に応じた信号を制御部600に出力する。検出スイッチ55は、安全カバー60がホルダ部材40に装着されたことを検出し、検出信号を制御部600に出力する。なお、検出スイッチ55の設置位置と、安全カバー60の着脱の検出方法については後述する。X軸モータ502及びY軸モータ503は、ステッピングモータである。I/O606には更に、操作パネル9に設けられた駆動回路191A、タッチパネル192、S/Sキー193、針位置キー194、糸切キー195、糸通しキー196が接続されている。駆動回路191Aは、制御部600からの制御信号に従ってLCD191を駆動する。
次に、ミシン1の動作モードを説明する。図1に示すミシン1では、操作パネル9のLCD191に表示される後述する設定画面(図示略)上で、刺繍縫製モードと、フリーモーションモードとの2つの動作モードを相互に切替えて設定できる。刺繍縫製モードは、上下動する縫針8に対して、加工布を保持する刺繍枠を、所定の刺繍縫製データに基づいて、X軸方向とY軸方向に移動させながら刺繍縫製を行うモードである。刺繍縫製モードでは、縫製終了後、糸切断機構12によって上糸と下糸が自動で切断される。なお、ミシン1は、糸切キー195(図1参照)が操作された場合、即ちユーザから糸切の指示を受け付けた場合にも、糸切断機構12を駆動する。
フリーモーションモードは、図2に示すように、刺繍枠を使わずに、上下動する縫針8に対して、テーブル100上で、ユーザがキルティング生地等の加工布200を手動で移動させながら縫製する所謂「フリーモーション縫製」を行うモードである。フリーモーション縫製を行う場合、ミシン1は、キャリッジ17を、脚柱部3に最も接近した最奥位置まで移動させる。これにより、キャリッジ17が邪魔にならないので、ユーザは、テーブル100の上面で加工布200を手動で移動させることができる。フリーモーションモード設定時、ユーザは、ミシン1の針棒ケース15の下端部に、安全カバー60を装着して作業を行う。これにより、ミシン1は、ユーザの不注意で、上下動する縫針8に手指が触れることを防止できる。従って、ユーザは、フリーモーション縫製を安全に行うことができる。
図4〜図6を参照し、安全カバー60の構造を具体的に説明する。安全カバー60は、ガード部61、右側アーム部62、左側アーム部63、係合操作部64、被当接部101,102(図5参照)等を備える。
先ず、ガード部61の構造を説明する。図4,図5に示すように、ガード部61は縫針8(図1参照)の前面、右側面、左側面の3方向を覆う。ガード部61は透明の合成樹脂で平面視略U字状に形成されている。ガード部61は、前面部61A、右側面部61B、左側面部61C、右固定部66、左固定部67、つば部68を備える。前面部61Aは、正面視略長方形の板状に形成されている。前面部61Aは、上端部から下端部にかけて前方に下り傾斜し、且つ左右方向略中央部が前方に突出するように全体が略円弧状に緩やかに湾曲している。右側面部61Bは、前面部61Aの右端部から後方に屈曲して延設され、右側面視略台形の板状に形成されている。左側面部61Cは、前面部61Aの左端部から後方に屈曲して延設され、左側面視略台形の板状に形成されている(図6参照)。
安全カバー60をミシン1に装着した状態で、ガード部61の前面部61Aの高さは、針棒6を最上位置にしたときの縫針8の目孔の高さよりも低い位置であるのが好ましい。その理由を簡単に説明すると、糸通し機構13により縫針8の目孔に上糸を通す為には、針棒6を最上位置に停止させ、ユーザは所定の糸掛部(図示略)に上糸をセットする必要がある。これより、安全カバー60をミシン1に装着した状態でも、ユーザが上糸を所定の糸掛部にセットするときの作業性を良好にするよう、前面部61Aの高さが設定されている。また、前面部61Aの傾斜角度は、ユーザがミシン1の前方から針元を見下ろしたときの視線に略直交する角度であるのが好ましい。これにより、ユーザが透明の前面部61Aを透して針元を見たときに、前面部61Aに外光が反射して見難くなることが抑制され、針元の視認性を向上できる。
右固定部66は、右側面部61Bの後端部に設けられ、上下方向に起立する有底略角筒状に形成されている。右固定部66は内側に挿入孔66Aを備える。挿入孔66Aには、後述するアーム本体部71の下端部が挿入固定される。他方、左固定部67は、左側面部61Cの後端部に設けられ、上下方向に起立する有底略角筒状に形成されている。左固定部67は内側に挿入孔67Aを備える。挿入孔67Aには、後述するアーム本体部75の下端部が挿入固定される。
つば部68は、前面部61A、右側面部61B、左側面部61Cの夫々の下端部に沿って設けられ、該下端部からガード部61の外側に向けて斜め上方に反るように形成されている。これにより、安全カバー60をミシン1に装着した状態で、針板10上において、キルティング生地のような比較的厚い加工布を移動させても、ガード部61の下端部に加工布が引っ掛かることはない。即ち、ユーザは、加工布を、つば部68に沿ってガード部61の下側を滑らかに移動させることができる。
次に、右側アーム部62の構造を説明する。図4,図5に示すように、右側アーム部62は、ガード部61の右固定部66の挿入孔66Aから上方に延びる長尺アーム状に形成されている。右側アーム部62は、アーム本体部71、段部72(図5参照)、右側支持部73を備える。アーム本体部71は、側面視略逆L字状に形成され、下端部から上方に延び、且つ上端部が前方に対して斜め上方に屈曲して延びる。アーム本体部71の下端部は、ガード部61の右固定部66の挿入孔66Aに上方から挿入され、螺子94で固定されている。段部72は、アーム本体部71の上端部から左方に略直角に屈曲して水平方向に延び、更に上方に略直角に屈曲する。
右側支持部73は、段部72の上方に屈曲した部分に連結され、正面視逆L字状に形成されている。右側支持部73は、係合操作部64の右側に設けられる後述する右側係合部81を回動可能に支持する。右側支持部73は、起立部731と被ガイド部732を備える。起立部731は、段部72の上方に屈曲した部分から上方に起立して延びる側面視長方形の板状に形成されている。被ガイド部732は、起立部731の上端部から右方に屈曲して略水平に延びる平面視長方形の板状に形成されている。起立部731の前端部には、上方に突出する略長方形状の軸支部733が設けられている。軸支部733には軸支孔(図示略)が設けられている。その軸支孔には、支持ピン91が左右方向に挿入固定されている。支持ピン91は、軸支部733の右面から右方に突出して延びている。起立部731と被ガイド部732とが互いに接する稜線の長手方向の略中央部には、起立部731と被ガイド部732とに跨るように、略長方形状の開口部73Aが設けられている。
次に、左側アーム部63の構造を説明する。左側アーム部63は、右側アーム部62と左右対称形状であるので、簡単に説明する。図4〜図6に示すように、左側アーム部63は、ガード部61の左固定部67の挿入孔67Aから上方に延びる長尺アーム状に形成されている。左側アーム部63は、アーム本体部75、段部76(図5参照)、左側支持部77を備える。アーム本体部75の下端部は、ガード部61の左固定部67の挿入孔67Aに上方から挿入され、螺子97で固定されている(図5参照)。左側支持部77は、段部76の上方に屈曲した部分に連結され、正面視逆L字状に形成されている。左側支持部77は、係合操作部64の左側に設けられる後述する左側係合部82を回動可能に支持する。左側支持部77は、起立部771と被ガイド部772を備える。起立部771の前端部には、上方に突出する略長方形状の軸支部773が設けられている。軸支部773には軸支孔(図示略)が設けられている。その軸支孔には、支持ピン93が左右方向に挿入固定されている。支持ピン93は、軸支部773の左面から左方に突出して延びている。更に、起立部771と被ガイド部772とが接する稜線の長手方向の略中央部には、起立部771と被ガイド部772とに跨るように、略長方形状の開口部77Aが設けられている。
次に、係合操作部64の構造を説明する。係合操作部64は、安全カバー60のホルダ部材40への係合と解除の操作を行う。図4,図5に示すように、係合操作部64は、右側係合部81、左側係合部82、連結部85、右側操作部86、左側操作部87等を備える。右側係合部81は、上下方向に立てた姿勢で前後方向に延びる側面視長方形の板状に形成され、軸支部733に固定された支持ピン91に回動可能に軸支されている。右側係合部81の後端部には爪部81Aが設けられている。爪部81Aは、下方向に突出する側面視略V字形状に形成されている。左側係合部82も、上下方向に立てた姿勢で前後方向に延びる側面視長方形の板状に形成され、軸支部773に固定された支持ピン93に回動可能に軸支されている。左側係合部82の後端部にも、爪部81Aと同形状の爪部82Aが設けられている。
連結部85は左右方向に長い略長方形の板状に形成され、右側係合部81の前端部と、左側係合部82の前端部との間に略水平に連結されている。右側操作部86は、右側係合部81の前方上端部から、前方に略水平に延びる略長方形の板状に形成されている。左側操作部87は、左側係合部82の前方上端部から、前方に略水平に延びる略長方形の板状に形成されている。即ち、右側操作部86と左側操作部87は、支持ピン91,93に対して、爪部81A,82Aとは反対側である前方で且つユーザ側に延びているので、ユーザは操作がし易い。また、右側操作部86と左側操作部87の夫々の前端側の両角部は、丸く形成されているので、更に操作し易くなっている。ユーザが行う具体的な操作については後述する。
係合操作部64は、上記構造により、支持ピン91,93を中心に回動可能に軸支される。爪部81Aは、右側支持部73に設けられた開口部73Aに嵌り込む。このとき、爪部81Aと開口部73Aとの間には、適当な隙間がある。爪部82Aは、左側支持部77に設けられた開口部77Aに嵌り込む。このとき、爪部82Aと開口部77Aとの間には、適当な隙間がある。爪部81Aの先端部は、開口部73Aを貫通して、被ガイド部732の下面から下方に突出する(図13参照)。爪部82Aの先端部は、開口部77Aを貫通して、被ガイド部772の下面から下方に突出する(図6参照)。ユーザが右側操作部86と左側操作部87を押し下げると、右側係合部81と左側係合部82は、支持ピン91,93を中心に回動し、右側係合部81と左側係合部82の夫々の後端側が上方に移動する。これにより、爪部81Aは開口部73Aから上方に離脱し、爪部82Aは開口部77Aから上方に離脱する。なお、右側係合部81と左側係合部82は、連結部85によって互いに連結されているので、爪部81A,82Aは開口部73A,77Aから同時に離脱する。
次に、被当接部101,102の構造を説明する。図4に示すように、被当接部101は、開口する内側を前方に向けた平面視略U字状に形成されている。被当接部101は、右側支持部73の軸支部733の右側で且つ被ガイド部732の前端部と当接する位置に配置され、支持ピン91によって回動可能に軸支されている。そのような被当接部101の内側において、支持ピン91にはコイルバネ95が外挿されている。
図5に示すように、コイルバネ95の前方に延びる端部95Aは、右側操作部86の下面と当接し、下方に延びる端部95Bは、被当接部101の上下方向に延びる内面下部と当接している。被当接部101は、被ガイド部732の前端部と当接しているので、コイルバネ95の端部95Aは、右側操作部86の前端部を上方に付勢する。これにより、右側操作部86に連結された右側係合部81は、支持ピン91を中心に右側面視時計回りに回動するので、爪部81Aが開口部73Aに嵌り込む。即ち、爪部81Aは、コイルバネ95により常時、開口部73Aに嵌り込む方向に付勢されている。
図4に示すように、被当接部102も、開口する内側を前方に向けた平面視略U字状に形成されている。被当接部102は、左側支持部77の軸支部773の左側で且つ被ガイド部772の前端部と当接する位置に配置され、支持ピン93によって回動可能に軸支されている。そのような被当接部102の内側において、支持ピン93にはコイルバネ96が外挿されている。
図5に示すように、コイルバネ96の前方に延びる端部96Aは、左側操作部87の下面と当接し、下方に延びる端部96Bは、被当接部102の上下方向に延びる内面下部と当接している。被当接部102は、被ガイド部772の前端部と当接しているので、コイルバネ96の端部96Aは、左側操作部87の前端部を上方に付勢する。これにより、左側操作部87に連結された左側係合部82は、支持ピン93を中心に左側面視反時計回りに回動する(図6参照)ので、爪部82Aが開口部77Aに嵌り込む。即ち、爪部82Aは、コイルバネ96により常時、開口部77Aに嵌り込む方向に付勢されている。
図7〜図11を参照し、ホルダ部材40の構造を説明する。図7に示すように、ホルダ部材40は金属製で且つ側面視略L字状に屈曲して形成されている。ホルダ部材40は、面板部41、右側保持部45、左側保持部46を備える。面板部41は、ミシン1の針棒ケース15の下端部に螺子(図示略)で固定される部位である。右側保持部45は、面板部41の背面右側の下部に設けられ、安全カバー60の右側アーム部62を着脱可能に保持する部位である。左側保持部46は、面板部41の背面左側の下部に設けられ、安全カバー60の左側アーム部63を着脱可能に保持する部位である。
先ず、面板部41の構造を説明する。面板部41は、正面視左右方向に長い略長方形の板状に形成されている。図7,図9に示すように、面板部41には、固定孔41A,41Bが夫々設けられている。固定孔41A,41Bは、針棒ケース15の下端部に螺子(図示略)で固定する為の孔である。面板部41の下端部において左右両側を除く略中央部には、正面視略長方形状の切欠き部411が設けられている。切欠き部411の内縁部のうち左右両側の角部は丸く湾曲している。切欠き部411の内縁部のうち左右方向に延びる略水平のストレート部位において、右側と左側には、上方に略長方形状に窪んだ窪み412と窪み413が夫々設けられている。窪み412と窪み413の位置は、安全カバー60の爪部81Aと82A(図4参照)の位置と夫々対応している。
図8,図10に示すように、面板部41の背面には、金属製の板バネ保持板50が二つの螺子39で固定されている。板バネ保持板50は、左右方向に長い背面視略長方形状に形成されている。板バネ保持板50の下端部において、面板部41の窪み412と413に夫々対応する位置には、略長方形状の板バネ部52と53が夫々形成されている(図9参照)。板バネ部52は、傾斜部521と押え部522を備える。図10,図11に示すように、傾斜部521は、板バネ保持板50の下端部から後方に対して斜め下方に傾斜して延びる。押え部522は、傾斜部521の下端部から更に後方に屈曲して延びる。板バネ53部は板バネ52部と同様に、傾斜部531と押え部532を備える。
次に、右側保持部45の構造を説明する。図7,図8,図10に示すように、右側保持部45は背面視略U字状に形成され、底壁部451、右壁部452、左壁部453を備える。底壁部451は、面板部41の下端部の右側部分から後方に屈曲して略水平に延設され、平面視前後方向に長い略長方形の板状に形成されている。右壁部452は、底壁部451の右端部に沿って立設されている。左壁部453は、底壁部451の左端部に沿って立設されている。
図10に示すように、左壁部453の左面(左側保持部46側に対向する面)には、背面視逆L字状の金属製の固定板48が螺子36で固定されている。その固定板48の左壁部453に固定される右面とは反対側の左面(左側保持部46側に対向する面)の下側には、右側ガイドブロック42が略水平に螺子37で固定されている。右側ガイドブロック42は、合成樹脂製であり、前後方向に略水平に延びる略直方体状に形成されている(図11参照)。右側ガイドブロック42の上面には、略水平面であるガイド面425が設けられている。ガイド面425には、安全カバー60の右側支持部73の被ガイド部732(図4参照)が載置されて前後方向に摺動する。図7,図11に示すように、そのガイド面425の前方寄りの位置には、下方に窪んだ平面視長方形状の凹部423が設けられている。右側ガイドブロック42の前端部には、当接部421が設けられている。当接部421は前方に突出する略四角錐状である。当接部421の外周面には、頂点部に向かって先細り状に傾斜する傾斜面422が形成されている。当接部421の頂点部は平面状に形成されている。
図10,図11に示すように、固定板48の左面において、右側ガイドブロック42が固定される部位よりも上方の位置には、スイッチ固定板49が螺子58(図11参照)で固定されている。スイッチ固定板49は、平面視略U字状に屈曲する部分を備え、該屈曲部分の内側と固定板48との間に検出スイッチ55を挟み込んで固定する。検出スイッチ55の下端部には、レバー56が後方に対して斜め下方に延びている。レバー56は前後方向に回動することで、検出スイッチ55のオンとオフを切り替える。レバー56の先端部は、検出スイッチ55が内蔵するバネ(図示略)により常時、右側ガイドブロック42のガイド面425に近接する第1位置に付勢されている。レバー56の先端部が第1位置から後方に押圧され、レバー56が略水平となる第2位置(図13参照)まで回動すると、検出スイッチ55はオフからオンに切り換わる。検出スイッチ55の検出信号は、ミシン1の制御部600(図3参照)に出力される。
次に、左側保持部46の構造を説明する。図10に示すように、左側保持部46は背面視略クランク状に形成され、底壁部461、右壁部462、左壁部463を備える。底壁部461は、面板部41の下端部の左側部分から後方に屈曲して略水平に延設され、平面視前後方向に長い略長方形の板状に形成されている。右壁部462は、底壁部461の右端部から下方に略直角に屈曲して延設されている。左壁部463は、底壁部461の左端部に沿って立設されている。
右壁部462の右面(右側保持部45側に対向する面)には、左側ガイドブロック43が略水平に螺子38で固定されている。左側ガイドブロック43は、合成樹脂製であり、前後方向に略水平に延びる略直方体状に形成されている。左側ガイドブロック43の上面には、略水平面であるガイド面435が設けられている。ガイド面435の高さ位置は、右側ガイドブロック42のガイド面425の高さ位置と同一である。ガイド面435には、安全カバー60の左側支持部77の被ガイド部772が載置されて前後方向に摺動する。そのガイド面435の前方寄りに位置には、下方に窪んだ平面視長方形状の凹部433(図7参照)が設けられている。左側ガイドブロック43の前端部には、合成樹脂製の当接部431が設けられている。当接部431は前方に突出する略四角錐状である。当接部431の外周面には、頂点部に向かって先細り状に傾斜する傾斜面432が形成されている。当接部431の頂点部は平面状に形成されている。
次に、上記構造を備える安全カバー60のホルダ部材40への装着方法を説明する。なお、ホルダ部材40は、ミシン1の針棒ケース15の下端部に固定されているものとする。このとき、ホルダ部材40に設けられた凹部423,433は、針棒6の後方で且つ針棒6の左右両側に夫々配置される。
先ず、ユーザは、図7に示すホルダ部材40の面板部41に対し、前方から図4に示す安全カバー60の背面側を向けて配置する。次いで、安全カバー60の右側アーム部62に設けられた被ガイド部732の後端部を、右側ガイドブロック42のガイド面425に載置する。これと共に、左側アーム部63に設けられた被ガイド部772の後端部を、左側ガイドブロック43のガイド面435に載置する。被ガイド部732,772をガイド面425,435に沿って後方に摺動させる。
すると、被ガイド部732の開口部73Aから下方に突出する爪部81A(図4参照)の先端部に対して、右側ガイドブロック42の当接部421の傾斜面422(図9参照)が当接する。爪部81Aは傾斜面422に沿って斜め上方に摺動し、右側ガイドブロック42のガイド面425に乗り上げる。他方、被ガイド部772の開口部77Aから下方に突出する爪部82A(図6参照)の先端部に対して、左側ガイドブロック43の当接部431の傾斜面432(図9参照)が当接する。爪部82Aは傾斜面432に沿って斜め上方に摺動し、左側ガイドブロック43のガイド面435に乗り上げる。よって、右側係合部81と左側係合部82は、コイルバネ95,96の付勢力に抗して、支持ピン91,93を中心に、左側面視時計回りに回動する(図6参照)。
被ガイド部732,772がガイド面425,435に沿って後方に摺動すると、爪部81A,82Aは、面板部41の切欠き部411に設けられた窪み412,413の内側を夫々通過される。このとき、爪部81Aは、窪み412の後方に位置する板バネ部52の傾斜部521(図9参照)を後方に押し込みながら、ガイド面425を後方に摺動する。爪部82Aは、窪み413の後方に位置する板バネ53部の傾斜部531(図9参照)を後方に押し込みながら、ガイド面435を後方に摺動する。そして、被ガイド部732の後端部は、検出スイッチ55のレバー56に当接し、第1位置から第2位置に向けて後方に押し込む。
さらに、図12,図13に示すように、安全カバー60を面板部41に対して後方に押し込み、爪部81Aがガイド面425の凹部423に到達すると、コイルバネ95の付勢力によって、凹部423の内側に嵌り込んで係合する。これと同時に、爪部82Aも凹部433に到達するので、コイルバネ96の付勢力によって、凹部433の内側に嵌り込んで係合する。そして、この状態では、爪部81Aは、板バネ部52の押え部522の下面に当接することにより、更に下方に付勢される。これにより、爪部81Aは、ミシン1の動作中の振動等によって凹部423から外れてしまうのを防止できる。爪部82Aも爪部81Aと同様に、板バネ部53の押え部532の下面に当接することにより、更に下方に付勢される。これにより、爪部82Aも、ミシン1の動作中の振動等によって凹部433から外れてしまうのを防止できる。こうして、ホルダ部材40への安全カバー60の装着が完了する。
そして、図13に示すように、爪部81A,82Aが凹部423,433に夫々係合したとき、検出スイッチ55のレバー56は被ガイド部732の後端部に押し込まれて、第2位置まで回動するので、検出スイッチ55はオフからオンに切り替わる。ミシン1の制御部600は、検出スイッチ55から出力される検出信号に基づき、安全カバー60がホルダ部材40に正常に装着されたことを検出できる。
図12,図13に示すように、安全カバー60がホルダ部材40に装着された状態では、被ガイド部732と段部72の間に、右側ガイドブロック42が後方から前方に向かって挿入され、被ガイド部772と段部76の間に、左側ガイドブロック43が後方から前方に向かって挿入されている。そして、右側ガイドブロック42の当接部421は、安全カバー60の被当接部101に後方から当接して前方に回動される。左側ガイドブロック43の当接部431も、安全カバー60の被当接部102に後方から当接して前方に回動される。即ち、被当接部101,102は、コイルバネ95,96の夫々の付勢力に抗して、支持ピン91,93を中心に、左側面視反時計回りに回動している。このため、コイルバネ95,96は、付勢方向とは反対方向に圧縮されるので、右側操作部86と被当接部101、左側操作部87と被当接部102とを夫々互いに押し広げようとする付勢力は増加する。これにより、爪部81A,82Aは、凹部423,433に、より確実に係合することができる。
次に、ホルダ部材40から安全カバー60を取り外す方法を説明する。図12,図13に示すように、ホルダ部材40に対して安全カバー60が装着された状態において、ユーザは、右側操作部86と左側操作部87を下方に押し込む。すると、図14,図15に示すように、係合操作部64は、支持ピン91,93を中心に、左側面視時計回りに回動する。爪部81Aは、右側ガイドブロック42の凹部423から上方に離脱し、爪部82Aは、左側ガイドブロック43の凹部433から上方に離脱する。ここで、上記のように、コイルバネ95,96の付勢力は何れも増加した状態である。これにより、爪部81A,82Aが凹部423,433から離脱した途端、コイルバネ95,96の端部95B,96Bは、被当接部101,102の内面下部を後方に付勢しているので、被当接部101,102に夫々当接する当接部421,431を後方に押し出す。その結果、ホルダ部材40の位置は固定されているので、安全カバー60がホルダ部材40から前方に押し出される。被ガイド部732はガイド面425を前方に摺動し、被ガイド部772はガイド面435を前方に摺動する。これにより、安全カバー60をホルダ部材40から確実に取り外すことができる。
更に、凹部423,433から離脱した爪部81A,82Aには、板バネ部52,53の傾斜部521,531が当接しているので、傾斜部521,531は、爪部81A,82Aを更に前方に押し出す。これにより、安全カバー60をホルダ部材40からより確実に取り外すことができる。そして、被ガイド部732は、ガイド面425に沿って前方に押し出されることにより、第2位置に押し込まれていた検出スイッチ55のレバー56は、第1位置まで復帰する。レバー56の位置が切り替わったことで、検出スイッチ55はオンからオフに切り替わるので、ミシン1の制御部600は、安全カバー60がホルダ部材40から外れたことを正確に検出できる。
図16を参照し、CPU601が実行するメイン処理を説明する。ミシン1の電源が投入されてミシン1が起動すると、制御部600のCPU601は、ROM602かメインプログラムを読み込み、本処理を実行する。
先ず、CPU601は初期処理を実行する(S1)。初期処理では、CPU601は、RAM603に記憶された各種設定を初期化し、更にキャリッジ原点処理を実行する。キャリッジ原点処理では、CPU601は、X軸モータ502とY軸モータ503を夫々駆動し、キャリッジ17と装着部17Aを原点位置に復帰させる。原点位置は、例えば、装着部17AのX軸方向の移動範囲の中点と、キャリッジ17のY軸方向の移動範囲の中点とに対応する位置である。CPU601は、原点位置に移動したキャリッジ17と装着部17Aの座標位置を刺繍座標系の原点としてRAM603に記憶する。初期処理が終了すると、CPU601は、LCD191に設定画面(図示略)を表示する(S2)。
設定画面には、複数の模様群キーと、フリーモーション機能移行キーとが夫々表示される。複数の模様群キーは、刺繍縫製モードで加工布に形成する刺繍模様をカテゴリ毎に分類され、例えば、「鳥」や「花」等のワンポイント模様に関する第1模様群キー、「丸枠」や「四角枠」等の枠模様に関する第2模様群キー、アルファベット等の文字模様に関する第3模様群キー等である。なお、模様群のカテゴリはこれらに限られない。これら模様群キーは、刺繍縫製モードへの切替えを受け付けるキーとしても機能する。フリーモーション機能移行キーは、フリーモーションモードへの切替えを受け付けるキーである。各種キーの押下は、タッチパネル192で検出される。
CPU601は模様群キーが押下されたか否か判断する(S3)。模様群キーが押下されなかった場合(S3:NO)、CPU601はS2に戻って待機する。模様群キーが押下された場合(S3:YES)、CPU601は、刺繍縫製モードに切り替え、模様選択処理を実行する(S4)。模様選択処理では、CPU601は、LCD191に模様選択画面(図示略)を表示する。模様選択画面には、ユーザが選択可能な複数の模様画像が表示される。更に、CPU601は、複数の模様画像の中からユーザが選択した模様画像に対応する刺繍模様の模様データを、EEPROM604から読み込み、RAM603のバッファに記憶する。
CPU601は、操作パネル9のS/Sキー193が押下されたか否か判断する(S5)。S/Sキー193が押下されるまで(S5:NO)、CPU601はS5に戻って待機する。S/Sキー193が押下された場合(S5:YES)、CPU601は、刺繍縫製処理を実行する(S6)。刺繍縫製処理では、CPU601は、RAM603のバッファに記憶された模様データに基づき、ミシンモータ501を駆動して針棒6及び縫針8を上下動させると共に、X軸モータ502及びY軸モータ503を駆動して刺繍枠の移動制御を行う。これにより、加工布上に、模様データに対応する刺繍模様が形成される。
なお、刺繍縫製モードでは、上下動する縫針8に対して、刺繍枠が自動で移動制御されるので、縫針8にユーザの手指が触れる虞が無い。よって、安全カバー60は装着されない状態で、CPU601は、刺繍縫製処理を実行する。刺繍縫製処理が終了すると、CPU601は、糸切モータ504を駆動し、糸切断機構12による糸切断処理を実行する(S7)。これにより、加工布の縫目から繋がる上糸と下糸が切断される。CPU601は、S2に戻り、設定画面を表示して、上記処理を繰り返す。
なお、本実施形態では説明しなかったが、フットコントローラ54をミシン1に接続している場合は、S/Sキー193と同様に、フットコントローラ54の操作によっても、刺繍縫製処理を開始させることができる。その場合、CPU601は、S5の処理において、S/Sキー193と共に、フットコントローラ54の操作を監視すればよい。
図17を参照し、フリーモーション画面移行処理を説明する。CPU601は、ミシン1の起動後の初期処理が終了し、LCD191に設定画面が表示されると、所定周期毎に、ROM602からフリーモーション画面移行プログラムを読み込み、本処理を割り込んで実行する。
先ず、CPU601は、設定画面上に表示されたフリーモーション機能移行キーが押下されたか否か判断する(S11)。フリーモーション機能移行キーが押下されなかった場合(S11:NO)、CPU601は何もせずに本処理を終了する。ユーザは、加工布200にフリーモーション縫製を行う場合、フリーモーション機能移行キーを押下する。フリーモーション機能移行キーが押下された場合(S11:YES)、CPU601は、検出スイッチ55から出力される検出信号に基づき、安全カバー60がホルダ部材40に装着されているか否か判断する(S12)。
図13に示すように、安全カバー60がホルダ部材40に装着され、爪部81A,82Aが凹部423,433に夫々係合した状態では、検出スイッチ55のレバー56は被ガイド部732の後端部に押し込まれて、第2位置まで回動しているので、検出スイッチ55はオンしている。検出スイッチ55がオンの場合、安全カバー60はホルダ部材40に正常に装着されているので(S12:YES)、縫針8周囲の安全性が確保された状態である。そこで、CPU601は、フリーモーションモードに設定を切替え、縫針8の位置を最上位置まで移動し(S13)、更にY軸モータ503を駆動することで、キャリッジ17を最奥位置へ移動させる(S14)。これにより、フリーモーション縫製の準備は完了し、CPU601は、LCD191にフリーモーション画面(図示略)へ移行する(S15)。フリーモーション画面には、例えば、予め設定されたキャリッジ17のY軸方向のプリセット位置の中から一つを選択する選択キー、キャリッジ17の位置をマニュアルで調整可能なマニュアル操作キー、フリーモーション画面から設定画面に戻る為の戻るキー等が表示される。フリーモーション画面の表示後、CPU601は本処理を終了する。
一方、検出スイッチ55がオフの場合、安全カバー60が装着されていないので(S12:NO)、フリーモーション縫製中に、ユーザの不注意で縫針8に手指が触れる虞がある。そこで、CPU601は、フリーモーションモードに設定を切り替えることなく、設定画面上に、例えば「安全カバーを装着して下さい。」等の警告メッセージを表示し(S16)、ユーザにエラーを報知する。ユーザは、設定画面に表示された警告メッセージを確認することで、安全カバー60が装着されていないことに気付くことができる。
警告メッセージ表示後、CPU601はS11に戻り、フリーモーション機能移行キーが押下されたか否か再度判断する。安全カバー60が装着されるまで(S12:NO)、CPU601は、設定画面上に警告メッセージを表示し続け(S16)、S11とS12の処理を繰り返す。即ち、安全カバー60が装着されるまでは、設定画面からフリーモーション画面に移行しないので、ミシン1は、安全カバー60が装着されていない状態で、フリーモーション縫製が行われることを防止できる。
ユーザが安全カバー60をホルダ部材40に装着し、フリーモーション機能移行キーを再度押下すると(S11:YES)、安全カバー60は装着されているので(S12:YES)、CPU601は、設定画面に表示されている警告メッセージを消去し、フリーモーションモードに設定を切替え、縫針8の位置を最上位置まで移動する(S13)。更に、CPU601は、Y軸モータ503を駆動することで、キャリッジ17を最奥位置へ移動させる(S14)。これにより、フリーモーション縫製の準備は完了するので、CPU601は、フリーモーション画面(図示略)へ移行する(S15)。フリーモーション画面の表示後、CPU601は本処理を終了する。
このように、CPU601は本処理を実行することで、安全カバー60がホルダ部材40に装着された場合のみ、設定画面からフリーモーション画面へ移行する。これにより、ミシン1は、安全カバー60が装着されていない状態で、フリーモーション縫製が行われることを防止できる。
図18を参照し、フリーモーション動作処理を説明する。上記のフリーモーション画面移行処理(図17参照)が終了し、LCD191にフリーモーション画面が表示されると、CPU601は、ROM602からフリーモーション動作プログラムを読み込み、本処理を実行する。
先ず、CPU601は、検出スイッチ55から出力される検出信号に基づき、安全カバー60がホルダ部材40に装着されているか否か判断する(S21)。上記のように、安全カバー60が装着されている場合(S21:YES)、縫針8周囲の安全性が確保された状態である。そこで、CPU601は、操作パネル9のS/Sキー193が押下されたか否か判断する(S23)。S/Sキー193が押下されなかった場合(S23:NO)、CPU601は、フリーモーション画面に表示された戻るキー(図示略)が押下されたか否か判断する(S29)。戻るキーも押下されなかった場合(S29:NO)、CPU601はS23に戻り、S/Sキー193及び戻るキーの押下を引き続き監視する(S23,S29)。戻るキーが押下された場合(S29:YES)、CPU601は、フリーモーション画面から設定画面に表示を戻し、本処理を終了する。
S/Sキー193が押下された場合(S23:YES)、CPU601は、ミシンモータ501を駆動し(S24)、針棒6及び縫針8を上下動させる。ユーザは、テーブル100の上面において、上下動する縫針8に対して、加工布200を手動で移動させることにより、加工布200上に縫目を自由に形成できる。
針棒6及び縫針8が上下動する状態で、CPU601は、S/Sキー193が再度押下されたか否か判断する(S25)。ユーザは縫製を終了する為に、S/Sキー193を再度押下する。S/Sキー193が再度押下されるまでは(S25:NO)、CPU601はS24に戻り、引き続きミシンモータ501を駆動させる。そして、S/Sキー193が再度押下された場合(S25:YES)、CPU601は、回転位相検出器500からの検出信号に基づき、縫針8を最上位置に上昇させた状態で、ミシンモータ501を停止する(S26)。
次いで、CPU601は、糸切キー195が押下されたか否か判断する(S27)。糸切キー195が押下されるまで(S27:NO)、CPU601はS27に戻って待機する。糸切キー195が押下された場合(S27:YES)、CPU601は、糸切モータ504を駆動し、糸切断機構12による糸切断処理を実行する(S28)。これにより、加工布200の縫目から繋がる上糸と下糸が切断される。次いで、CPU601は、フリーモーション画面に表示された戻るキーが押下された否か判断する(S29)。戻るキーが押下された場合(S29:YES)、CPU601は、フリーモーション画面から設定画面に表示を戻し、本処理を終了する。
一方、安全カバー60が装着されていない場合(S21:NO)、図17に示すフリーモーション画面移行処理時と同様に、CPU601は、フリーモーション画面上に、例えば「安全カバーを装着して下さい。」等の警告メッセージを表示し(S22)、ユーザにエラーを報知する。ユーザは、設定画面に表示された警告メッセージを確認することで、安全カバー60が装着されていないことに気付くことができる。
CPU601は、S21に戻り、安全カバー60が装着されているか否か再度判断する。
安全カバー60が装着されるまで(S21:NO)、CPU601は、フリーモーション画面上に警告メッセージを表示した状態で待機する(S22)。即ち、CPU601は、安全カバー60が装着されるまでは、S/Sキー193の押下を受け付けない。そして、ユーザによって安全カバー60が装着された場合(S21:YES)、CPU601は、フリーモーション画面に表示されている警告メッセージを消去した上で、上記のように、S/Sキー193の押下、及び糸切キー195の押下に従い、フリーモーション縫製、及び糸切断処理を順次実行する(S23〜S28)。フリーモーション縫製が終了し、ユーザによって、フリーモーション画面上の戻るキーが押下された場合(S29:YES)、CPU601は、フリーモーション画面から設定画面に表示を戻し、本処理を終了する。
このように、CPU601は本処理を実行することで、フリーモーション画面へ移行された場合でも、安全カバー60がホルダ部材40に装着されている場合のみ、S/Sキー193の押下を受け付け、縫製動作を実行できるようになっている。これにより、ミシン1は、安全カバー60が装着されていない状態で、フリーモーション縫製が行われることを防止できる。
なお、本実施形態では説明しなかったが、フットコントローラ54をミシン1に接続している場合は、S/Sキー193と同様に、フットコントローラ54の操作によっても、ミシンモータ501を駆動させ、針棒6及び縫針8を上下動させることができる。その場合、CPU601は、S23、S25の処理において、S/Sキー193と共に、フットコントローラ54の操作を監視すればよい。
図19を参照し、メカ動作制御処理を説明する。上記のフリーモーション画面移行処理が終了し、LCD191にフリーモーション画面が表示されると、CPU601は、ROM602から針動作制御プログラムを読み込み、本処理を割り込んで実行する。なお、本実施形態において、メカ動作とは、フットコントローラ54、S/Sキー193、針位置キー194、糸切キー195、糸通しキー196等で受け付け可能な、ミシン1の縫製動作、針位置変更動作、糸切動作、糸通し動作等を意味する。また、以下説明では、図1,図3に示す操作パネル9に設けられたS/Sキー193、針位置キー194、糸切キー195、糸通しキー196を纏めて呼ぶ場合は、「操作キー193〜196」と呼ぶ。
先ず、CPU601は、操作キー193〜196の何れかが押下されたか否か判断する(S31)。操作キー193〜196の何れも押下されなかった場合(S31:NO)、CPU601は、フットコントローラ54が操作されたか否か判断する(S35)。フットコントローラ54も操作されなかった場合(S35:NO)、CPU601は何もせずに本処理を終了する。
操作キー193〜196の何れかが押下された場合(S31:YES)、CPU601は、押下された操作キーが糸通しキー196か否か判断する(S32)。糸通し動作は、縫針8の目孔に糸通しフック20を貫通させるが、縫針8を上下動させない動作である。そこで、押下された操作キーが糸通しキー196である場合(S32:YES)、CPU601は、安全カバー60の装着の有無に関わらず、CPU601は糸通し動作を実行し(S34)、本処理を終了する。
これに対し、縫製動作と針位置変更動作は、縫針8を上下動させる動作である。また、糸切動作は、詳しい説明は省略するが、最上位置に位置する縫針8を、1往復上下動させて、糸切断機構12により上糸及び下糸を切断する。即ち、縫製動作、針上下動作、糸切動作時では、縫針8が移動するので、安全カバー60がホルダ部材40に装着されている必要がある。そこで、押下された操作キーが、S/Sキー193、針位置キー194、糸切キー195の何れかであった場合(S32:NO)、CPU601は、安全カバー60が装着されているか否か判断する(S33)。安全カバー60が装着されている場合(S33:YES)、縫針8周囲の安全性が確保された状態であるので、CPU601は、押下された操作キーに対応するメカ動作(縫製動作、針上下動作、糸切断動作)を実行し(S34)、本処理を終了する。
一方、安全カバー60が装着されていない場合(S33:NO)、ユーザの不注意で、S/Sキー193、針位置キー194、糸切キー195の押下で動き出す縫針8に手指が触れてしまう虞がある。そこで、CPU601は、メカ動作を実行することなく、フリーモーション画面上に、例えば「安全カバーを装着して下さい。」等の警告メッセージを表示し(S36)、ユーザにエラーを報知する。ユーザは、設定画面に表示された警告メッセージを確認することで、安全カバー60が装着されていないことに気付くことができる。
CPU601は、S31に戻り、操作キーが押下されたか否か判断する。ユーザは、安全カバー60をホルダ部材40に装着し、再度操作キーを押下する。S/Sキー193、針位置キー194、糸切キー195の何れかが押下され(S31:YES、S32:NO)、安全カバー60が装着された場合(S33:YES)、CPU601は、フリーモーション画面に表示されている警告メッセージを消去した上で、押下された操作キーに対応するメカ動作(縫製動作、針上下動作、糸切断動作)を実行し(S34)、本処理を終了する。
このように、CPU601は本処理を実行することで、フリーモーションモードが設定された状態で、縫針8の移動を伴うメカ動作を受け付けるS/Sキー193、針位置キー194、糸切キー195、又はフットコントローラ54が操作された場合は、安全カバー60がホルダ部材40に装着された場合のみ、メカ動作を実行する。これにより、ミシン1は、安全カバー60が装着されていない状態で、縫針8が移動するのを防止できる。なお、本処理において、ミシン1にフットコントローラ54が接続されていない場合、S35の判断処理は不要である。
上記説明において、検出スイッチ55が本発明の「検出手段」に相当し、刺繍縫製モードが本発明の「第1モード」に相当し、フリーモーションモードが本発明の「第2モード」に相当し、S3とS11の処理を実行するCPU601が本発明の「切替手段」に相当し、操作パネル9のタッチパネル192、及び操作キー193〜196が本発明の「受付手段」に相当し、LCD191が本発明の「報知手段」に相当し、S12、S21、S33、S41の処理を実行するCPU601が本発明の「制御手段」に相当し、S16、S22、S36、S42の処理を実行するCPU601が本発明の「報知制御手段」に相当する。
以上説明したように、本実施形態のミシン1は、安全カバー60と検出スイッチ55を備える。安全カバー60は、頭部5の下端部に着脱可能に装着され、針棒6に装着される縫針8の前面部、右側面部、左側面部を覆う。検出スイッチ55は、安全カバー60の頭部5の下端部への装着を検出する。ミシン1のCPU601は、ミシン1の動作モードについて、刺繍縫製モードとフリーモーションモードとを相互に切替えることができる。CPU601は、検出スイッチ55の検出結果と、ミシン1の動作モードとに応じて、操作パネル9によって受け付けられた操作指令に対するミシン1の動作を制御する。
刺繍縫製モードとフリーモーションモードでは、安全カバー60の必要性が異なる。ミシン1の動作モードがフリーモーションモードに切り替わると、ユーザは加工布200を手動で移動させながら縫製を行うので、上下動する縫針8に接触又は接近しないようにユーザの手指を保護する安全カバー60が必要である。他方、刺繍縫製モードでは、上下動する縫針8に対して刺繍枠が自動で移動しながら刺繍縫製が行われる為、ユーザは上下動する縫針8に接近しなくても済む。即ち、刺繍縫製モードでは、フリーモーションモードに比べて安全カバー60の必要性は低い。そこで、本実施形態のミシン1は、ミシン1の動作モードと、安全カバー60の装着の有無とに応じて、操作パネル9で受け付けた操作指令に対応するミシン1の動作を制御するので、安全で且つ使い勝手のよいミシンを提供できる。
また、本実施形態では更に、ミシン1の動作モードがフリーモーションモードに切り替えられた時、又はフリーモーションモード設定時に、CPU601は、検出スイッチ55によって安全カバー60の装着が検出された場合のみ、操作パネル9によって受け付けられた操作指令に対応するミシン1の動作を行うように制御する。これにより、ユーザは、フリーモーション縫製を安全に行うことができる。
また、本実施形態では更に、ミシン1の動作モードがフリーモーションモードに切り替えられた時、又はフリーモーションモード設定時に、検出スイッチ55によって安全カバー60の装着が検出されなかった場合、CPU601は、LCD191に警告メッセージを表示することで、ユーザにエラーを報知する。これにより、ユーザは、フリーモーションモードで必要な安全カバー60が装着されていないことに速やかに気付くことができる。
また、本実施形態では更に、操作パネル9で受け付け可能な操作指令は、ミシン1の糸切断機構12の駆動を指示する糸切指令、針棒6が停止する位置を上方位置又は下方位置に変更する針位置変更指令、縫針8の上下動による縫製動作の開始及び停止を指示する動作開始停止指令を含む。糸切指令、針位置変更指令、動作開始停止指令は、針棒6及び縫針8を動作させる指令である。CPU601は、安全カバー60が確実に装着された場合のみ、これら操作指令に対応する動作を行うので、より安全なミシン1を提供できる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。本実施形態のミシン1は、一本の針棒を有する刺繍ミシンであるが、複数の針棒を有する所謂多針の刺繍ミシンであってもよい。
また、上記実施形態では、図17に示すフリーモーション画面移行処理において、安全カバー60が装着されていない場合は、CPU601は、「安全カバーを装着して下さい。」という警告メッセージを設定画面上に表示させ、フリーモーション画面に移行しないように制御するが、例えば、ユーザの誤操作により、安全カバー60と刺繍枠の両方がミシン1に装着されてしまうことも想定される。この場合、CPU601は、ユーザが刺繍縫製を行うのか、或いはフリーモーション縫製を行うのかが判別できない。
そこで、図20に示す変形例のように、フリーモーション画面移行処理において、CPU601は、安全カバー60と刺繍枠の両方がミシン1に装着されているか否か判断する(S41)。刺繍枠が装着されているか否かは、例えば、キャリッジ17の装着部17Aに設けられた枠検出スイッチ(図示略)で検出するようにすればよい。安全カバー60と刺繍枠の両方がミシン1に装着されている場合(S41:YES)、CPU601は、例えば「安全カバー又は刺繍枠を外してください。」という警告メッセージを表示し(S42)、ユーザにエラーを報知する。これにより、ユーザは、安全カバー60と刺繍枠の両方がミシン1に装着されていることに気付くことができるので、これから行う刺繍縫製、或いはフリーモーション縫製に応じて、ミシン1の縫製動作前に、安全カバー60又は刺繍枠を取り外すことができる。そして、警告メッセージ表示後、CPU601は、S41に戻り、安全カバー60及び刺繍枠のうち少なくとも何れか一方が外された場合(S41:NO)、CPU601は、警告メッセージを消去した上で、上記実施形態と同様に、S1移行の処理を進めることができる。
また、上記実施形態では、LCD191に警告メッセージを表示してエラーを報知していたが、操作パネル9に例えば赤色のLEDを有する発光部(図示略)を設け、発光部を発光させることで、エラーを報知するようにしてもよい。また、警告メッセージの表示に代えて、発光部のみを発光させてもよい。また、発光部を例えば赤色と緑色の2色が発光可能なLEDとすれば、CPU601は、発光部を、正常時とエラー時で異なる色を発光させてもよい。また、正常時とエラー時に応じて、発光部を点灯又は点滅させてもよい。更に、図示はしないが、ブザー又はスピーカを設け、警告音を発生させてエラーを報知してもよい。
また、上記実施形態では、検出スイッチ55は、レバー56が略水平となる第2位置まで回動すると、オフからオンに切り換わるようになっているが、オンからオフに切り替わるようにしてもよい。
1 ミシン
5 頭部
6 針棒
8 縫針
9 操作パネル
12 糸切断機構
54 フットコントローラ
55 検出スイッチ
60 安全カバー
191 LCD
192 タッチパネル
193 S/Sキー
194 針位置キー
195 糸切キー
200 加工布
601 CPU

Claims (4)

  1. ミシンの頭部の下端部に着脱可能に装着され、前記ミシンの針棒に装着される縫針の少なくとも前面部を覆う安全カバーと、
    前記安全カバーの前記下端部への装着を検出する検出手段と、
    前記ミシンの動作モードについて、前記針棒と共に上下動する前記縫針に対して、加工布を保持する刺繍枠を自動で移動させながら前記加工布に縫製を行う第1モードと、ユーザが手動で前記加工布を移動させながら縫製を行う第2モードとを相互に切替える切替手段と、
    前記ミシンの動作に関する操作指令を受け付ける受付手段と、
    前記検出手段の検出結果と、前記切替手段によって切り替えられる前記動作モードとに応じて、前記受付手段によって受け付けられた前記操作指令に対する前記ミシンの動作を制御する制御手段と
    を備えたこと
    を特徴とするミシン。
  2. 前記制御手段は、
    前記切替え手段によって前記動作モードが前記第2モードに切り替えられた時、又は前記第2モードである時に、前記検出手段によって前記下端部への前記安全カバーの装着が検出された場合、前記受付手段によって受け付けられた前記操作指令に対応する前記ミシンの動作を行うように制御すること
    を特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. エラーを報知する報知手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記切替え手段によって前記動作モードが前記第2モードに切り替えられた時、又は前記第2モードである時に、前記検出手段によって前記下端部への前記安全カバーの装着が検出されない場合、前記エラーを報知するように前記報知手段を制御する報知制御手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載のミシン。
  4. 前記縫針の目孔から延びる糸を切断する糸切断機構を備え、
    前記操作指令は、
    前記糸切断機構の駆動を指示する糸切指令、前記針棒が停止する位置を上方位置又は下方位置に変更する針位置変更指令、及び前記縫針の上下動による縫製動作の開始及び停止を指示する動作開始停止指令のうち少なくとも何れか一つを含むこと
    を特徴とする請求項1から3の何れかに記載のミシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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