開示される技術は、メモリデバイス内の複数の独立したセクション内のメモリセルへの同時並行的なアクセスを行うメモリセル(例えば強誘電体メモリセル(ハイブリッドRAM(HRAM)セル))のセクションを複数有するメモリデバイスに関する。いくつかの例では、第一のメモリセルが活性化されてよく、第二のメモリセルは第一のメモリセルから独立していると判断されてよい。第二のメモリセルが第一のメモリセルから独立している場合、第二のメモリセルは第一のメモリセルの動作が終了する前に活性化されてもよい。例えば、第二のメモリセルは第一のメモリセルのプリチャージ動作中に活性化されてもよい。いくつかの例では、第二のメモリセルのあるセクションが、第一のメモリセルのあるセクションと特定の部分(例えば、センスアンプ部)を共有していない場合(例えば、以下にさらに詳しく説明されるように、第一および第二のメモリセルが独立した別々のセクションにある場合)、第二のメモリセルは第一のメモリセルから独立していると判断してよい。いくつかの例では、新しい読み出しアドレスが別のセクションに与えられて第二のメモリセルにアクセスできるようにするため、メモリセクションに、読み出しアドレスをラッチするラッチ用ハードウェアがメモリセクションに設けられていてもよい。特定の例では、第二のメモリセルを活性化するための遅延時間は、第二のメモリセルが第一のメモリセルから独立しているかどうかを基に選択することができる。
上述の本開示の実施形態は、以下で、メモリデバイスの独立した別々のセクション内のメモリセルへの同時並行的なアクセスを行い得るメモリデバイスの観点から更に説明される。そしてハイブリッドメモリの具体的な例が説明される。本開示のこれら実施形態および他の実施形態は、メモリデバイスの独立したセクション内のメモリセルへの同時並行的なアクセスを行い得るメモリデバイスの構成、動作および使用に関する装置略図、システム図とフローチャートによって更に示され、これら装置略図、システム図とフローチャートを参照して更に説明される。
図1は、本開示の様々な実施形態にかかるメモリアレイ100の例を示す。メモリアレイ100は、例えば、あるメモリバンク内のメモリセルのあるセクションの一部を表し得る。メモリアレイ100は複数のメモリセル105を有し、これらメモリセル105は異なる状態を記憶するようプログラム可能である。メモリセル105のそれぞれは論理0と論理1で表される二つの状態が記憶されるようプログラム可能であり得。ある場合には、メモリセル105は二つよりも多い論理状態を記憶させるように構成される。一つのメモリセル105は、プログラム可能な状態を表す電荷を蓄えるコンデンサが含まれてもよく、例えば、コンデンサが充電されているか放電されているかによって2つの論理状態を表すことができる。DRAMアーキテクチャは一般的にこのような構造にすることができ、用いられるコンデンサは線形の電気分極特性を有する誘電材料を含み得る。それに対し、強誘電体メモリセルは誘電材料として強誘電体を用いたコンデンサを含み得る。強誘電材料は非線形の分極特性を有している。強誘電体メモリセル105の詳細と利点は以下に説明される。
読出しおよび書込みといった動作は、ワード線110とディジット線115を適宜活性化することまたは選択することによってメモリセル105上で行うことができる。ワード線110やディジット線115を活性化することまたは選択することは、それぞれの線に電位を印加することを含み得る。ある場合には、ディジット線115はビット線と呼ばれることもある。ワード線110およびディジット線115は導体材料で作成することができる。いくつかの例では、ワード線110およびディジット線115は金属(例えば、銅、アルミニウム、金、タングステン等)で作成され得る。メモリセル105の行はそれぞれ一つのワード線110に接続され、メモリセル105の列はそれぞれ一つのディジット線115に接続されている。ワード線110の一つとディジット線115の一つを活性化することで、2つの線の交点にある一つのメモリセル105はアクセスされ得る。あるワード線110とあるディジット線115の交点はメモリセルのアドレスと呼ばれることもある。
いくつかのアーキテクチャでは、セルの論理記憶素子(例えば、コンデンサ)はディジット線から選択素子によって電気的に絶縁されていてもよい。ワード線110はこの選択素子に接続されていてよく、選択素子を制御してもよい。例えば、この選択素子はトランジスタであってもよく、ワード線110はこのトランジスタのゲートに接続されてもよい。ワード線110を活性化すると特定のメモリセル105のコンデンサとそれに対応するディジット線115が電気的に接続する。すると、このディジット線は、メモリセル105の読み出しまたは書き込みを行うためにアクセスすることができる。
メモリセル105へのアクセスは行デコーダ120と列デコーダ130を通して制御することができる。例えば、行デコーダ120はメモリコントローラ140から行アドレスを受け取ることができ、受け取った行アドレスを基に該当するワード線110を活性化することができる。同様に、列デコーダ130はメモリコントローラ140から列アドレスを受け取り、該当するディジット線115を活性化する。このように、ワード線110とディジット線115を活性化することによって、特定のメモリセル105がアクセスされ得る。いくつかの例では、ラッチ145は、メモリコントローラ140からの行アドレスをラッチすることができ、これにより、以下により詳しく説明されるように、メモリコントローラ140は、メモリアレイ100へのアクセスの一部を行う間に、他の独立したメモリアレイへのアクセスの少なくとも一部(例えば、読み出しまたは書き込み動作)を行うことができる。
アクセスされ次第、メモリセル105は検知部125によって読み出すこと、または検知することができる。メモリセル105に記憶された状態を判断するために、検知部125は、例えば、該当するディジット線115の信号(例えば、電圧)を不図示の基準信号と比較し得る。例えば、ディジット線115が基準の電圧よりも高い電圧を有する場合、検知部125は、メモリセル105に記憶された状態が論理1であると判断することができ、また逆の場合にも同じように判断することができる。検知部125は、ラッチングと呼ばれることもある信号の差の検出および増幅のために、様々なトランジスタや増幅器を含み得る。そして、メモリセル105の検出された論理状態は列デコーダ130を通して出力135として出力することができる。いくつかの構造では、二つの隣り合うメモリアレイ100が共通の検知部125を共用してもよく、それらが共通の検知部125に接続されていなければ、異なるメモリアレイ100のメモリセル105は独立し得る。そのため、いくつかの例によれば、メモリセル105は隣り合わないメモリアレイ100の別のメモリセルから独立しているとみなすことができる。
同様に該当するワード線110とディジット線115を活性化することにより、メモリセル105は設定すること、または書き込むことができる。上記のように、ワード線110が活性化すると、対応する行のメモリセル105とそれぞれのディジット線115を電気的に接続する。ワード線110が活性化されている間に該当するディジット線115を制御することで、あるメモリセル105は書き込むことができる。つまり、そのメモリセル105に論理値が記憶され得る。列デコーダ130は、メモリセル105に書き込まれるデータ、例えば入力135、を受け取ることができる。強誘電体コンデンサの場合、メモリセル105は電圧を強誘電体コンデンサに印加することによって書き込まれる。この処理について、以下により詳しく説明する。
メモリアーキテクチャによっては、メモリセル105へのアクセスによって記憶された論理状態が劣化するもしくは破壊されることがあり、メモリセル105を元の論理状態へ戻すために、再書き込みまたはリフレッシュ動作が行われることがある。例えば、DRAMではコンデンサは検知動作中に部分的もしくは完全に放電され、記憶された論理状態が失われることがある。そのため、論理状態は検知動作後に再書き込みすることができる。また、一つのワード線110を活性化することでその行にあるメモリセルすべてを放電させることになり得る。そのため、その行にあるすべてのメモリセル105への再書き込みが必要となることもある。
DRAMを含むメモリアーキテクチャのなかには、外部電源によって定期的にリフレッシュ動作を行わないと時間の経過とともに記憶された状態が失われてしまうものがある。例えば、充電されたコンデンサは漏れ電流によって時間の経過とともに放電された状態になり、記憶された情報が失われることがある。これらのいわゆる揮発性メモリデバイスのリフレッシュレートは比較的高くなることがあり、例えばDRAMの場合、一秒間に数十回のリフレッシュ動作が行われ、結果としてかなりの電力を消費することになり得る。メモリアレイが大きくなるにつれて電力消費が増えると、電池のような限りがある電源に頼るモバイル機器は特に、メモリアレイの設置や動作に支障をきたすことがある(例えば、電力供給、熱の発生、材料限界、等)。本明細書中に説明するように、強誘電体メモリセルは他のメモリアーキテクチャと比べて優れた性能を発揮し得る有益な特性を備えていることがある。
メモリコントローラ140は、例えば、行デコーダ120、列デコーダ130、および検知部125等の様々な構成要素を通してメモリセル105の動作(読み取り、書き込み、再書き込み、リフレッシュなど)を制御することができる。メモリコントローラ140は目的のワード線110とディジット線115を活性化するために行アドレス信号と列アドレス信号を生成することができる。また、メモリコントローラ140はメモリアレイ100の動作中に用いられる様々な電位を生成し、制御することもできる。一般的に、本明細書中で説明される印加電圧の振幅、形状や印加時間は、調整または変更され得るうえ、メモリアレイ100の動作の説明に出てくる様々な動作によって異なっていてもよい。さらに、メモリアレイ100内の一つ、複数、またはすべてのメモリセル105は同時にアクセスされてもよい。例えば、メモリアレイ100の複数またはすべてのセルは、すべてのメモリセル105、または一組のメモリセル105のグループが、一つの論理状態に設定されるリセット動作中に、同時にアクセスされ得る。本明細書中に説明されるいくつかの例の中には、読み出し/書き込み動作を行う速度を上げるために、二つ以上のメモリアレイ100が同時並行的にアクセスされるものもある。
図2は、本開示の様々な実施形態にかかる記憶保存のための回路200の例を示している。回路200は強誘電体メモリセル105−a、ワード線110−a、ディジット線115−a、および検知部125−aを含み、これらはそれぞれ図1を参照して説明されたメモリセル105、ワード線110、ディジット線115、および検知部125の一例であり得る。回路200は、二つの導電端子、セルプレート210とセルボトム215、を含むコンデンサ205等の、論理記憶部を含む。これらの端子は絶縁用の強誘電材料によって分離することができる。上記されたように、コンデンサ205を充電または放電することによって様々な状態が記憶され得る。
コンデンサ205の記憶された状態は回路200内に示される様々な素子を動作させることによって読み出しまたは検知することができる。コンデンサ205はディジット線115−aと電子通信をすることができる。選択部220の動作が停止されているときに、コンデンサ205はディジット線115−aから切り離すことができ、選択部220が駆動されているときには、コンデンサ205は選択部220を介してディジット線115−aに接続することができる。ある場合には、選択部220はトランジスタであってよく、その動作はトランジスタゲートに電圧を印加させることで制御することができ、この電圧の大きさはトランジスタの閾値の大きさよりも大きい。ワード線110−aは選択部220を駆動することができる。例えば、ワード線110−aに印加された電圧はトランジスタゲートに印加することができ、コンデンサ205とディジット線115−aを接続する。
図2に示される例では、コンデンサ205は強誘電体コンデンサである。コンデンサ205のプレート間にある強誘電材料により、以下により詳しく説明するように、コンデンサ205はディジット線115−aと接続しても放電しないこともある。その代わりに、プレート210が外部からの電圧によってバイアスされることができ、コンデンサ205の蓄えられた電荷が変化することとなる。この蓄えられた電荷の変化は、コンデンサ205の元の状態、つまり、元の状態が論理1を記憶していたか論理0を記憶していたかによって決まる。そして、メモリセル105−aに記憶された論理状態を決定するために、この蓄えられた電荷の変化は検知部125−aによって基準(例えば、基準電圧)と比較することができる。
具体的な検知の方法や処理は多様な形態をとり得る。一例として、ディジット線115−aは固有キャパシタンスを有することができ、プレート210に印加された電圧に対してコンデンサ205が充電または放電すると非ゼロ電圧が生じる。この固有キャパシタンスはディジット線115−aのサイズ等、物理的特性によって決めることができる。ディジット線115−aは多数のメモリセル105に接続していることもあるため、ディジット線115−aは無視できない程度のキャパシタンス(例えばpFのオーダーのキャパシタンス)が発生する長さを有し得る。これ以降のディジット線115−aの電圧はコンデンサ205の元の論理状態によって決めることができ、検知部125−aはこの電圧を基準電圧と比較することができる。
メモリセル105−aに書き込むため、コンデンサ205に電位が印加され得る。これには様々な方法が用いられ得る。一例では、コンデンサ205とディジット線115−aを電気的に接続するためにワード線110−aを通じて選択部220が駆動され得る。ディジット線115−aを通じてプレート210とセルボトム215の電圧を制御することによってコンデンサ205に電圧が印加され得る。論理0を書き込むには、プレート210が高くされ、つまり正電圧が印加され、セルボトム215が低くされる、つまりグランドに接続される、仮想接地される、または負電圧が印加される。論理1を書き込むにはそれと反対のことが行われる。つまり、プレート210が低くされ、セルボトム215が高くされる。
上記したように、図2の例のコンデンサ205は強誘電体コンデンサであり、そのセルを分極するのに必要とされる電圧は、誘電体コンデンサを充電する電圧よりも高い電圧となり得る。例えば、いくつかの構造の中には、強誘電体コンデンサ205の分極電圧が誘電体コンデンサを充電する電圧の3倍になること、またはそれより大きくなることもある。強誘電体メモリが従来のDRAMに取って代わるのが望ましいアーキテクチャでは、電源電圧をより高くすることは簡単ではないこともある。そのため、コンデンサ205が十分な電圧を得るために、プレート210とディジット線115−a両方の電圧を変動させてコンデンサ205に十分なバイアスを与えることもある。このようにプレート210の電圧を変動させることで、プレート210の電圧が高いときに論理値「0」が書き込まれ、その後プレート210を低い電圧へと変動させると論理値「1」が書き込まれるという、二回に分かれた書き込み動作が行われることがある。この二回に分かれた書き込み処理はデータを完全にメモリに書き込むために必要とされる時間の追加をもたらし得る。そして、本明細書中に説明されるような様々な技術では、この二回に分かれた書き込み処理の一部を行うのと同時並行的に、例えばメモリセル105−a等の、メモリセルへのアクセスの一部を開始することができる。
図3は、本開示の様々な実施形態にかかる、独立した別々のメモリセルへの同時並行的なアクセスに対応する強誘電体メモリセルのヒステリシスのグラフの例を示す。ヒステリシス曲線300−aと300−bは、それぞれ、強誘電体メモリセルの書き込み処理と読み出し処理の例を示す。ヒステリシス曲線300は電位差Vの関数として強誘電体コンデンサに蓄えられた電荷Qを示す。
強誘電材料は自発電気分極、つまり電界がない状態においても非ゼロ分極が保持されることを特徴とする。強誘電材料の例として、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、およびタンタル酸ストロンチウム・ビスマス(SBT)が挙げられる。本明細書中に記載の強誘電体コンデンサはこれらの材料または他の強誘電材料を含み得る。強誘電体コンデンサ内の電気分極によって強誘電材料の表面に正味の電荷が生じ、コンデンサの端子を通じて反対の電荷を引き寄せる。そのため、強誘電材料の境界とコンデンサの端子に電荷が蓄えられる。外部から印加された電界がない状態でもこの電気分極は比較的長期間、さらに言えば永久に、保持され得るので、例えば、DRAMアレイに用いられるコンデンサと比べると、電荷の漏れがかなり減少している。これは、いくつかのDRAMアーキテクチャの上述したリフレッシュ動作を行う必要性を低減し得る。
ヒステリシス曲線300はコンデンサの一つの端子の観点から理解することができる。例として、強誘電材料に負の分極が生じる場合、この端子には正の電荷が蓄積される。同様に、強誘電材料に正の分極が生じる場合、この端子には負の電荷が蓄積される。また、ヒステリシス曲線300の電圧はコンデンサ全体における電圧差を示し、方向性を有することがわかる。例えば、当該端子に正電圧を印加し、第2の端子を接地状態に維持することで正電圧が印加され得る。当該端子を接地状態に維持し、第2の端子に正電圧を印加することで負電圧が印加され得る。つまり、正電圧を印加することで当該端子を負に分極する。同様に、ヒステリシス曲線300に示される電圧差を発生させるため、二つの正電圧、二つの負電圧、または正負の電圧の任意の組み合わせを適宜コンデンサの両端末に印加することができる。
ヒステリシス曲線300−aに示されるように、強誘電材料は電圧差ゼロで正または負の分極を保持し、結果として、電荷状態305と電荷状態310の二つの荷電状態となることができる。図3の例によれば、電荷状態305は論理0を示し、電荷状態310は論理1を示す。いくつかの例では、メモリセルの他の動作方式に対応するよう、それぞれの電荷状態の論理値が逆のこともある。
電圧を印加して、強誘電材料の電気分極と、ひいてはコンデンサの両端子の電荷を制御することによってメモリセルに論理0または1が書き込まれ得る。例えば、コンデンサに正味の正電圧315を印加すると電荷状態305−aとなるまで電荷が蓄積する。電圧315の印加をやめると、電荷状態305−aはゼロ電位での電荷状態305になるまで方向320を辿る。同様に、正味の負電圧325を印加することで電荷状態310が書き込まれ、結果的に電荷状態310−aとなる。負電圧325の印加をやめた後、電荷状態310−aはゼロ電圧での電荷状態310になるまで方向330を辿る。
強誘電体コンデンサの記憶された状態を読み出す、または検知するために、電圧がコンデンサに印加され得る。それに応じて、蓄えられた電荷は変化し、そしてこの変化の程度は元の電荷状態によって決まる。つまり、当初から蓄えられていた電荷状態が305−bだったのか310−bだったのかによってコンデンサの蓄えられた電荷が変化する程度が変わってくる。例えば、ヒステリシス曲線300−bには考えられる二つの蓄えられた電荷状態305−bと310−bが示されている。正味の電圧335がコンデンサに印加され得る。図中には正電圧とされているが、電圧335は負電圧でもよい。電圧335に対して、電荷状態305−bは方向340を辿る。同じように、電荷状態310−bが当初から記憶されていた場合には、方向345を辿る。電荷状態305−cと電荷状態310−cの最終的な位置は特定の検知動作や回路構成を含む多数の要素によって決まる。
ある場合には、最終的な電荷はメモリセルのディジット線の固有キャパシタンスによって決まってもよい。例えば、コンデンサがディジット線に電気的に接続していて電圧335が印加される場合、ディジット線の電圧は固有キャパシタンスに起因して上昇し得る。そのため、検知部で測定した電圧は電圧335とは異なることもあり、その代わりにディジット線の電圧によって決まることもある。よって、ヒステリシス曲線300−bにおける最終的な電荷状態305−cと310−cの位置はディジット線のキャパシタンスによって決まってよく、これは負荷線解析によって決定され得る。つまり、電荷状態305−cと310−cはディジット線キャパシタンスを考慮して定義され得る。結果として、コンデンサの電圧は電圧350と電圧355のように異なることがあり、これはコンデンサの元の状態によって決まる。
電圧350や電圧355を基準電圧と比較することによって、コンデンサの元の状態が決定され得る。例えば、基準電圧は電圧350と355の平均であってもよく、比較され次第、検知された電圧が基準電圧よりも高いか低いかが決定され得る。その後、この比較を基に強誘電体セルの値(つまり論理0または1)が決定され得る。
上記したように、メモリセル105の読み出しは記憶された論理値を劣化させる、または破壊することがある。しかし、強誘電体メモリセル105は読み出し動作の後も元の論理状態を保持することができる。例えば、電荷状態305−bが記憶されていて読み出し動作が行われた場合、電圧335の印加をやめると、電荷状態は、例えば方向340を反対方向に辿って、元の電荷状態305−bに戻ることがある。そのため、強誘電体メモリセル105の読み出しをする場合、セル内の電荷は検知中にセルから浮遊ノード(例えばディジット線115)へ「自由に」流出するわけではなく、むしろメモリセル105は能動的にバイアスされ、分極されて分極電流が流れるようにしなければならない。こうするための二つのオプションが図4Aと図4Bに示される。
図4Aは、本開示の様々な実施形態にかかる、メモリセル動作用の一定のプレート電圧を有するメモリセル(例えば図1または図2のメモリセル105)内のメモリセル電圧の例400のタイミング図を示す。図4Aの例では、プレート電圧405は、例えば1.8V等の特定の値で一定になり得る。ワード線電圧は420で上昇することができ、「0」を保持するセルの第一のディジット線(DL0)電圧410は、小信号検知425の間、基準電圧435よりも高い電圧のままとなり得る。この例では、DL0電圧410は430でのセンスアンプ(SA)ラッチングの後3.6Vのフルレール電圧まで変動し得る。「1」を保持するセルの第二のディジット線(DL1)電圧415は、ワード線上昇420の後、基準電圧435を下回って小信号検知425の間に一定に保たれたプレート電圧に近い値まで変動することができ、430でのセンスアンプ(SA)ラッチングの後には接地の値まで下がり得る。430でのSAラッチングの後、「1」と「0」の両方がメモリセルにライトバックされ得る。このように一定のプレート電圧で動作するメモリセルは変動するプレート電圧に関係したオーバヘッドを少なくすることができ、二回に分かれたライトバックを必要としないこともある。しかし、このような一定のプレート電圧はDRAMのプレート電圧よりもかなり高くなり得る(例えば、図4Aの例では1.8Vなのに対して多くのDRAMアーキテクチャでは0.6V)。このような高い電圧は、電力消費が比較的高い機器をより大きく及び/またはより遅くさせてしまうこととなり得る。
図4Bは、本開示の様々な実施形態にかかる、メモリセル動作用の変動するプレート電圧を有するメモリセル(例えば図1または図2のメモリセル105)内のメモリセル電圧の例450のタイミング図を示す。図4Bの例では、記憶された値を検知するためにセルを活性化するときにプレート電圧455が低い値(例えば、図4Bに示した接地)から高い値(例えば、図4Bに示した1.8V)へ変動し得る。図4Bの例では、470でワード線電圧とプレート電圧が上昇することができ、「0」を保持するセルの第一のディジット線(DL0)電圧460は、小信号検知475の間、基準電圧490よりも低い電圧のままとなり得る。この例では、DL0電圧400は、480でのセンスアンプ(SA)ラッチングの後、フルレールの低電圧(例えば、接地)へと変動し得る。「1」を保持するセルの第二のディジット線(DL1)電圧465は、ワード線上昇470の後、小信号検知475の間に基準電圧490よりも高い値に変動することができ、480でのセンスアンプ(SA)ラッチング後にプレート電圧の値まで上昇し得る。480でのSAラッチングに続いて、メモリセルに「0」がライトバックすることができる。プレート電圧455が変動して下がり、485でメモリセルに「1」がライトバックすることができる。上記のように、このような変動するプレートによって、プレートが高い間に「0」のみがライトバックされ、その後プレートが下がると「1」がライトバックされるという、二段階、または二回に分かれた、ライトバックとなる。このような構造によって絶対動作電圧を低く(例えば、図4Aの3.6Vではなく1.8V)することができ、電力消費を比較的低く抑えた、より小さく、より速い機器とすることとができる。しかし、これも上記のように、このような二回に分かれた書き込みは書き込みの一部がプリチャージ(PRE)コマンドと同時に完了することとなり、次のメモリ動作のメモリセルを活性化する前の行プリチャージコマンドに伴う遅延(tRP)が比較的長くなることがある。したがって、いくつかの例において、連続するコマンドに関わる複数のメモリセルであって互いに独立しているものは、処理の少なくとも一部を同時並行的な動作で行うことができ、その結果、速度を上げることができる。このような例では、メモリセルが独立している場合に連続する書き込みには第一のtRP値を用いることができ、メモリセルが独立していない場合には連続する書き込みに第二のtRP値を用いることができる。第一のtRPの第一の遅延時間はtRP−fastと呼ばれることがあり、tRP−slowと呼ばれることがある第二のtRPの第二の遅延時間よりも短くなることがある。
図5Aは、本開示の様々な実施形態にかかる、連続する読み出し動作で順次アクセスし得るメモリセクションの例500を示す。この例では、メモリセクションk−1 505がメモリセクションk 510とメモリセクションk−2 525と隣り合っている。この例では、メモリセクションk 510とメモリセクションk−1 505間でSAm−1 515を共有するといった具合に、隣り合うメモリセクションはセンスアンプ(SA)部を共有し得る。このため、メモリセクションk 510とメモリセクションk−1 505は少なくとも部分的に重複するSAm−1 515というSA部と接続されており、これらのメモリセクションは互いに独立していない。同様に、SAm−2 520はメモリセクションk−1 505とメモリセクションk−2 525の間で共有し得る。メモリセクションk−1 505にあるメモリセルを対象とした第一の読み出し要求(リード1)を受信し、メモリセクションk 510にあるメモリセルを対象とした第二の読み出し要求(リード2)を受信する場合、リード1とリード2の対象となるメモリセルは、メモリセクション505と510がSAm−1 515を共有しているので、互いに独立していない。この場合、メモリコントローラ(例えば、図1のメモリコントローラ140)は、メモリセクションk 510を活性化する前にメモリセクションk−1 505のプリチャージ動作が完了するのを待つことができる。この例において、リード2を開始するための遅延時間をtRP−slow遅延時間に設定し得る。隣り合わせていないメモリセクションにアクセスする第三の読み出し要求がメモリセクションk 510で受信された場合には、図5Bで説明されるように、この第三の読み出し要求を開始するための遅延時間を、第二の読み出し要求の後、第二の読み出し要求に伴うプリチャージ動作中に活性化を開始するtRP−fast遅延時間に設定し得る。
図5Bは、本開示の様々な実施形態にかかる、連続する読み出し動作のために同時並行的にアクセスし得る複数のメモリセクションの例550を示す。この例では、メモリセクションj−1 555が第一の読み出し要求(リード1)を受信し、メモリセクションj+1 560が第二の読み出し要求(リード2)を受信する。メモリセクションj−1 555とメモリセクションj+1 560は隣り合わせていないため、リード2の動作はリード1のプリチャージ動作中に開始し得る。より具体的には、メモリセクションj−1 555はSAn−1 565とSAn−2 570を用いることができ、メモリセクションj+1 560はSAn 575とSAn+1 580を用いることができる。SA 565〜580のうち、メモリセクションj−1 555とメモリセクションj+1 560の間で共通するものはないため、これらのメモリセクションは互いに独立していることとなり、メモリセクションj+1 560での動作は、メモリセクションj−1 555でのPREコマンドの完了に影響を与えずに開始し得る。この例において、リード2を開始するための遅延時間をtRP−fast遅延時間に設定し得る。
図5Aと図5Bの実施形態は隣り合うセクションが一つ以上の部分を共有し得る(例えば、隣り合うセクションがSA部を共有する)アーキテクチャを示すが、他の実施形態では少なくともいくつかのメモリセクションは他のメモリセクションと共有していない専用のSA部を有することもある。このような他の実施形態では、専用のSA部を有するメモリセクションのそれぞれは互いに独立しており、たとえ隣り合ったメモリセクションにあったとしても、異なるセクションにあるメモリセルは独立している。そのうえ、このような実施形態では、同じセクション内のメモリセルは互いに独立していない。これは図5Aと図5Bの実施形態において同じセクション内の複数のセルが互いに独立していないのと同様である。
図6は、本開示の様々な実施形態にかかる、メモリセクションと関連する部分の例600を、同時並行的なアクセスのためにメモリセクションを動作させるタイミング図と共に示す。この例において、第一のメモリセクション(セクションA)605と第二のメモリセクション(セクションB)665が示されており、これらは図1のメモリアレイ100、図5のメモリセクション505、510、525、555、または560の例であってもよく、図1と図2のメモリセル105等のメモリセルのアレイを含んでもよい。第一のメモリセクション605は、図1の行デコーダ120の一例であり得る行デコーダ610、図1のラッチ145の一例であり得るラッチ615−aから615−n、および複数のメモリセルの行620−aから620−nのセットを含み得る。行デコーダ610は、例えば、メモリコントローラ(例えば、図1のメモリコントローラ140)から共通信号630を介して行アドレスを受け取ることができる。第二のメモリセクション665等、別のメモリセクションが活性化されるように行アドレスがラッチされるとき、ラッチ615にセクションレベルラッチ信号(LAT−A)625が与えられ得る。ラッチ615は第一のメモリセクション605では既存の行アドレスを保持することができ、新しい行アドレスは共通信号630で行デコーダ610へ与ることができる。同様に、第二のメモリセクション665は行デコーダ670、複数のラッチ675−aから675−n、および複数のメモリセルの行680−aから680−nを含む。第一のメモリセクション605等、別のメモリセクションが活性化されるように行アドレスがラッチされるとき、ラッチ675にセクションレベルラッチ信号(LAT−B)685が与えられ得る。第一のメモリセクション605と第二のメモリセクション665も、図1の説明に記載されるように、センスアンプ部、列デコーダ、および他の関連する入出力部に接続されている。しかし、明確にするため、これらは図6には示さていない。
第一のメモリセクション605へのメモリアクセスを行う際には、行アドレスが行デコーダ610に与えられ、最初の検知のためにプレートA 635とワード線(WL)A 640が低から高へと変動し得る。第一のメモリセクション605からのディジット線(DL)は、645で示されるような「1」を記憶するメモリセルでは基準電圧より高い値へ変動し、650で示されるような「0」を記憶するメモリセルでは、DLは基準電圧よりも低い値へ変動する。最初の検知に続き、SA回路はラッチを行い、SA A線 655は低から高に変動し得る。SAラッチの後に、第一のメモリセクション605でプリチャージ動作を行うことができる。この例では、第一のメモリセクション605は第二のメモリセクション665から独立していてもよく、tRP−fast遅延の後、第一のメモリセクション605のプリチャージ動作中に、第二のメモリセクション665の活性化(ACT)を行ってもよい。図6に示されるように、第二のメモリセクション665のACTコマンドは、第一のメモリセクション605のプリチャージ動作中に、プレートB 690とWL B 695を高に変動し得る。第一のメモリセクション605の行アドレスをラッチするために、第一のメモリセクション605の行アドレスをラッチして共通信号630が第二のメモリセクション665へ新しい行アドレスを与えられるように、セクションレベルラッチ信号LAT A 625が高い値から低い値へと変動してもよい。
図6の例では、ラッチを用いてプリチャージ動作中にメモリセクションの行アドレスをラッチするが、他の例では他の技術を用いて、前の行アドレスを前のメモリセクションで保持したまま次のメモリセクションに異なる行アドレスを与えることもある。例えば、ピンポン方式で多重化することのできる二組のワード線アドレス、または行アドレス、を含むアーキテクチャが提供され得る。このような多重化は、異なる行アドレスを異なるメモリセクションに与えることができ、第二のメモリセクションでACTコマンドを開始している間に第一のメモリセクションでプリチャージを完了させることを可能にする。いくつかの例では、第一のメモリセルを含むメモリセルの第一のセクションの第一のセクションアドレスと第二のメモリセルを含むメモリセルの第二のセクションの第二のセクションアドレスがメモリセルのそれぞれのセクションに関連つけられたアドレスデコーダに与えられ得る。第一のセクションのアドレスデコーダは第一のセクションアドレスを第二のセクションアドレスと多重化することができ、第二のセクションのアドレスデコーダは第二のセクションアドレスを第一のセクションアドレスと多重化することができる。第二のセクションはメモリセルの第一のセクションのプリチャージ動作中に活性化することができる。このとき第一のセクションと第二のセクションのそれぞれは、各自のアドレスデコーダで多重化されたアドレスを用いている。
図7は、本開示の様々な実施形態にかかる、非連続のメモリセクション向けに連続するメモリアドレスをアドレススクランブルする例700を示す。上記されるように、連続するアクセスが互いに独立したメモリセルへのものの場合には、次の連続するメモリアクセス動作のためのメモリセクションの活性化の開始にはtRP−fast遅延が用いられ得る。連続するメモリアクセスが独立したメモリセルへのものである可能性を高めるために、連続するメモリアドレスが隣り合わせのメモリセクションのものでないと定めるためアドレススクランブルが実施され得る。このようにすると、例えば、あるシステムが一連のメモリアドレスを読み出している場合、連続するメモリアドレスが独立したメモリセクションにある可能性が高まり、アクセス間でtRP−fast遅延が用いられる頻度が上がればメモリ動作の速度が上がる。
図7の例では、メモリセクション0 705、メモリセクション1 710、メモリセクションn 715、およびメモリセクションn+1 720が示されている。なお、この他にも多数のメモリセクションがあってもよい。メモリセクション705〜720はメモリアレイ100、図5のメモリセクション505、510、525、555、または560、もしくは図6のメモリセクション605または665の例であってもよく、図1と図2のメモリセル105のようなメモリセルのアレイを含んでいてもよい。この例では、メモリアドレスaddr 0はメモリセクション0 705にマップされてよく、連続するメモリアドレスaddr 1はメモリセクションn 715にマップされてよい。同様に、メモリアドレスaddr 2〜addr 7は、連続するメモリアドレスが隣り合うメモリセクション705〜720にないようにマップされてよい。いくつかの例では、コントローラが、連続する読み出し/書き込み動作のメモリアドレスであって、同じメモリセクションや隣り合わせのメモリセクションにないものを選択するというものもある。いくつかの実施形態では、一つの(例えば、最初または最上位の物理的ディジット線)アドレスビット(0または1、もしくは前半または後半)のみで二つの(論理)アドレスが独立しているかどうかを判断するのに十分なように、複数のアドレスは複数のメモリセクションにマップされることもある。他の例でも、メモリセクションへのアドレスマッピングが異なるものであっても、同様または類似の効果をもたらし得る。
図8は、本開示の様々な実施形態にかかる、複数のメモリセクションにおける同時並行的な動作に対応するメモリアレイ100−bのブロック図800を示す。メモリアレイ100−bはメモリコントローラ140−bとメモリセル105−bを含むことができ、これらは図1と図2を参照して説明したメモリコントローラ140とメモリセル105の例であっでもよい。メモリコントローラ140−bはバイアス部810とタイミングモジュール815を含むことができ、メモリアレイ100−bを図1から図7に示すように動作させることができる。メモリコントローラ140−bはワード線110−b、ディジット線115−b、検知部125−b、およびプレート210−aと電子通信をすることができる。これらは図1または図2を参照して説明したワード線110、ディジット線115、検知部125、およびプレート210の例であってもよい。メモリアレイ100−bは基準部820とSAラッチ825をも含んでもよい。メモリアレイ100−bの各部分は互いに電子通信をすることができ、図1から図7を参照して説明した機能を果たすことができる。ある場合には、基準部820、検知部125−b、およびSAラッチ825はメモリコントローラ140−bの一部分であってもよい。
メモリコントローラ140−bは、これらの様々なノードに電圧を印加することで、ワード線110−b、プレート210−a、またはディジット線115−bを活性化するよう構成され得るる。例えば、バイアス部810は、上記されたようなメモリセル105−bの読み出しまたは書き込みのためメモリセル105−bを動作させるために、電圧を印加するよう構成され得る。ある場合には、図1を参照して説明したように、メモリコントローラ140−bは行デコーダ、列デコーダ、または両方とも含んでいてもよい。これはメモリコントローラ140−bの一つ以上のメモリセル105へのアクセスを可能にし得る。また、バイアス部810は、検知部125−bへの基準信号を生成するために基準部820へ電位を与えることができる。そのうえ、バイアス部810は検知部125−bの動作のために電位を与えることができる。
メモリコントローラ140−bはタイミングモジュール815を用いて動作する場合もある。例えば、タイミングモジュール815は、本明細書中に説明された、読み出し/書き込みやプリチャージ動作中の活性化コマンドの開始といったメモリの機能を実行するための切り替えや電圧印加のタイミングを含む、様々なワード線の選択またはプレートをバイアスするタイミングを制御することができる。ある場合には、タイミングモジュール815はバイアス部810の動作を制御することもある。
基準部820は検知部125−bへの基準信号を生成するための様々な構成要素を含み得る。基準部820は基準信号を作るよう特別に構成された回路を備えていてもよい。ある場合には、基準部820は他の複数の強誘電体メモリセル105であってもよい。いくつかの例では、基準部820は、図3、図4、または図6を参照して説明したように、二つの検知電圧の間の値の電圧を出力するよう構成されていてもよい。あるいは、基準部820は仮想接地電圧を出力するように設計されていてもよい。
検知部125−bはメモリセル105−bからの(ディジット線115−bを通した)信号を基準部820からの基準信号と比較することができる。論理状態が決定され次第、検知部はこの出力をSAラッチ825に記憶することができ、ここでこの出力は、メモリアレイ100−bを一部に含むメモリデバイスを用いる電子機器の動作に応じて使うことができる。
図9は、本開示の様々な実施形態にかかる、独立したメモリセクションで同時並行的な動作に対応するシステム900の略図を示す。システム900は、様々な構成要素を接続する、または様々な構成要素に物理的に対応するプリント回路板であり得るか、そのようなプリント回路板を含むデバイス905を備え得る。デバイス905は、図1から図8に記載されたメモリアレイ100の一例であり得るメモリアレイ100−cを備えていてもよい。メモリアレイ100−cはメモリコントローラ140−cと(複数の)メモリセル105−cを有していてもよく、これらは図1から図8を参照して説明したメモリコントローラ140と図1から図8を参照して説明したメモリセル105の例であってもよい。また、デバイス905はプロセッサ910、BIOS部915、(複数の)周辺構成要素920、および入出力制御部925を備えていてもよい。デバイス905の構成要素はバス930を通して互いに電子通信をすることができる。
プロセッサ910はメモリコントローラ140−cを通してメモリアレイ100−aを動作させるように構成され得る。ある場合には、プロセッサ910は、図1から図8を参照して説明したメモリコントローラ140の機能を果たし得る。別の場合では、メモリコントローラ140−cはプロセッサ910に組み込まれていることもある。プロセッサ910は汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラム可能な論理回路、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、またはこれらのタイプの構成要素の組合せであってもよく、また、プロセッサ910は独立した複数のメモリセクションでの同時並行的な動作を含む、本明細書中に記載の様々な機能を果たすことができる。プロセッサ910は、例えば、デバイス905に様々な機能やタスクを行わせるため、メモリアレイ100−aに記憶されたコンピュータ読み取り可能な命令を実行するよう構成され得る。
BIOS部915は、システム900の様々なハードウェア構成要素を初期化し駆動することのできるファームウェアとして動作させられる基本入出力システム(BIOS)を含むソフトウェア構成要素であり得る。BIOS部915はプロセッサ910と周辺構成要素920や入出力制御部925等、様々な構成要素との間のデータフローを管理することができる。BIOS部915は読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または他の不揮発性メモリに記憶されたプログラムやソフトウェアを含み得る。
(複数の)周辺構成要素920は、デバイス905に組み込まれた任意の入出力機器、またはこのような機器のインターフェース、であってもよい。例は、ディスクコントローラ、サウンドコントローラ、グラフィックコントローラ、イーサネットコントローラ、モデム、USBコントローラ、シリアルまたはパラレルポート、そしてペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)やアクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)のスロットといったペリフェラルカードスロットを含み得る。
入出力制御部925はプロセッサ910と(複数の)周辺構成要素920、入力装置935、または出力装置940間のデータ通信を管理し得る。また、入出力制御部925はデバイス905に組み込まれていない周辺機器を管理し得る。ある場合には、入出力制御部925は外部周辺機器への物理的な接続またはポートを示すこともある。
入力装置935は、デバイス905またはその構成要素へ入力を行う、デバイス905の外部の装置または信号を示すことができる。これは、ユーザインターフェースや他の装置とのインターフェースまたは他の装置間のインターフェースを含んでもよい。ある場合には、入力装置935は(複数の)周辺構成要素920を介してデバイス905と連動する周辺機器であってよく、入出力制御部925によって管理されてもよい。
出力装置940は、デバイス905またはその構成要素のいずれかからの出力を受け取るよう構成された、デバイス905の外部の装置または信号を示すことができる。出力装置940の例は、ディスプレイ、オーディオスピーカー、印刷装置、他のプロセッサまたはプリント回路板を含み得る。ある場合には、出力装置940は(複数の)周辺構成要素920を介してデバイス905と連動する周辺機器であってよく、入出力制御部925によって管理されてもよい。
メモリコントローラ140−c、デバイス905、およびメモリアレイ100−cの構成要素は、それぞれの機能を果たすよう作られている設計されている回路からなるものであってもよい。これは、例えば、導電線、トランジスタ、コンデンサ、インダクタ、レジスタ、増幅器や他のアクティブまたは非アクティブ素子、本明細書中に記載の機能を果たすよう構成された様々な回路素子を含み得る。
図10は、本開示の様々な実施形態にかかる、メモリデバイス動作の方法1000の例を示すフローチャートである。明確にするために、図1から図9を参照して説明した一つ以上のメモリコントローラ140またはプロセッサ910の実施形態を参照して、方法1000を以下に説明する。いくつかの例では、メモリデバイスは、以下に説明する機能を果たすメモリデバイスの複数の機能素子を制御するためのコードの一つ以上の組を実行することができる。そのうえ、またはその代わりに、メモリデバイスは特殊用途のハードウェアを用いて以下に記載する複数の機能のうちの一つ以上を果たしてもよい。
ブロック1005で、メモリデバイスは、活性化される第一のメモリセルと第二のメモリセルを特定することができる。この特定は連続するメモリ読み出し/書き込み動作用のメモリアドレスを決定することによって行うことができる。例えば、第一のメモリセルは第一の読み出し/書き込み動作用の第一のメモリアドレスを基に決定され、第二のメモリセルは第二の読み出し/書き込み動作用の第二のメモリアドレスを基に決定される。ブロック1005の動作は、例えば図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1010では、メモリデバイスは、メモリセルのバンク(メモリセルバンク)内における、第一のメモリセルと第二のメモリセルのセクション位置を決定することができる。この決定は、例えば、第一のメモリセルと第二のメモリセルのメモリアドレスに対する、メモリバンク内のセクション位置を決定することによって行うことができる。ブロック1010の動作は、例えば図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1015では、メモリデバイスは、決定したセクション位置に基づき、第一のメモリセルを活性化することに対する第二のメモリセルを活性化するタイミングを特定することができる。このタイミングは、図1から図8を参照した上述の手法によって決定することができる。例えば、第二のメモリセルの活性化は第一のメモリセルのプリチャージ動作と同時並行的に行うというタイミングが特定され得る。いくつかの例では、第一のメモリセルと第二のメモリセルのセクション位置がメモリデバイス内の独立したメモリセクションにあるかどうかによって異なる遅延時間の後に、第二のメモリセルの活性化は起こり得る。ブロック1015の動作は、例えば図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
図11は、本開示の様々な実施形態にかかる、メモリデバイス動作の方法1100の例を示すフローチャートである。明確にするために、図1から図9を参照して説明した一つ以上のメモリコントローラ140またはプロセッサ910の実施形態を参照して、方法1100を以下に説明する。いくつかの例では、メモリデバイスは、以下に説明する機能を果たすメモリデバイスの複数の機能素子を制御するためのコードの一つ以上の組を実行することができる。そのうえ、またはその代わりに、メモリデバイスは特殊用途のハードウェアを用いて以下に記載する複数の機能のうちの一つ以上を果たしてもよい。
ブロック1105では、メモリデバイスは第一のメモリセルを活性化することができる。この活性化は第一のメモリセルで行われるアクセス動作に応じてなされ得る。メモリセルの活性化には、例えば、メモリセルに与えられる、プレート電圧の変動および/またはワード線電圧の変動が含まれ得る。ブロック1105の動作は、例えば、図1から図2、図8または図9のセル105と併せて、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1110では、メモリデバイスは第一のメモリセルの状態を検知することができる。このような検知は、第一のメモリセルのディジット線から検知した電圧を基準電圧と比較するセンスアンプ部によって行うことができる。ブロック1110の動作は、例えば、図5Aまたは図5BのSA部515、520、または565〜580、或いは図1から図2、または図8の検知部125によって行われてもよい。
ブロック1115では、メモリデバイスは活性化される第二のメモリセルを特定することができる。この特定は、例えば、第二のメモリセルのメモリアドレスを決定することによって行うことができる。ブロック1115の動作は、例えば、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1120では、メモリデバイスは第二のメモリセルが第一のメモリセルから独立しているかどうかを判断する。このような判断は、例えば、第一のメモリセルと第二のメモリセルのセクション位置がメモリデバイス内で隣り合っていないメモリセクションであるかどうかに基づいて行うことができる。第一のメモリセルと第二のメモリセルのセクション位置が隣り合っていないメモリセクションである場合、第一と第二のメモリセルは検知部を共有していないので互いに独立していると判断することができる。ブロック1120の動作は、例えば、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
第二のメモリセルが第一のメモリセルから独立していると判断された場合、メモリデバイスは、ブロック1125に示されるように、第一のメモリセルをプリチャージしている間に第二のメモリセルを活性化することができる。この活性化は、例えば、第一のメモリセルと第二のメモリセルは独立しているという決定を基に設定される第一の遅延時間の後に開始することができる。ブロック1125の動作は、例えば、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
第二のメモリセルが第一のメモリセルから独立していないと判断された場合、メモリデバイスは、ブロック1130に示されるように、第一のメモリセルのプリチャージの後に第二のメモリセルを活性化することができる。この活性化は、例えば、第一のメモリセルと第二のメモリセルは独立していないという決定を基に設定される、第一の遅延時間よりも長い第二の遅延時間の後に開始することができる。ブロック1130の動作は、例えば、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
図12は、本開示の様々な実施形態にかかる、メモリデバイス動作の方法1200の例を示すフローチャートである。明確にするために、図1から図9を参照して説明した一つ以上のメモリコントローラ140またはプロセッサ910の実施形態を参照して、方法1200を以下に説明する。いくつかの例では、メモリデバイスは、以下に説明する機能を果たすメモリデバイスの複数の機能素子を制御するためのコードの一つ以上の組を実行することができる。そのうえ、またはその代わりに、メモリデバイスは特殊用途のハードウェアを用いて以下に記載する複数の機能のうちの一つ以上を果たしてもよい。
ブロック1205で、メモリデバイスは第一の読み出しアドレスと第二の読み出しアドレスはメモリバンクの独立したセクションにあると特定することができる。この特定は、例えば、第一の読み出しアドレスと第二の読み出しアドレスのメモリバンクセクションが互いに隣り合っていないと決定することによって行うことができる。ブロック1205の動作は、例えば、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1210では、メモリデバイスは第一の読み出しアドレスを含むメモリバンクの第一のセクションを活性化することができる。この活性化は、ブロック1215で示されるように、第一の読み出しアドレスに関連付けられた第一のセクションの第一の行のプレート電圧を低い値から高い値へと変動させることを含んでもよい。ブロック1210〜1215の動作は、例えば、図1から図2、図8または図9のセル105と併せて、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1220で、メモリデバイスは第一の行内のメモリセルの状態を検知することができる。この検知は、第一のメモリセルのディジット線から検知された電圧と基準電圧とを比較するセンスアンプ部によって行うことができる。ブロック1220の動作は、例えば、図5Aまたは図5BのSA部515、520、または565〜580、或いは図1から図2、または図8の検知部125によって行われてもよい。
ブロック1225で、メモリデバイスは第一の行のメモリセルへ0をライトバックすることができる。このライトバックは、メモリセルを分極するためにプレート線とディジット線をバイアスすることによって行うことができる。ブロック1225の動作は、例えば、図1から図2、図8または図9のセル105と併せて、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1230では、メモリデバイスはメモリバンクの第一のセクションの行アドレスのラッチを閉じることができる。このラッチによって、第二の行アドレスが次のアクセス動作の対象の別のセクションに与えられる一方で、第一のセクションにプリチャージコマンドを完了させることができる。ブロック1230の動作は、例えば、図1のラッチ145または図6のラッチ615または675と併せて、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1235では、メモリデバイスは第二の読み出しアドレスを含むメモリバンクの第二のセクションを活性化することができる。この活性化は、第二の読み出しアドレスに関連付けられた第二のセクションの第二の行のプレート電圧を低い値から高い値へと変動させることを含み得る。ブロック1235の動作は、例えば、図1から図2、図8または図9のセル105と併せて、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1240では、メモリデバイスはブロック1235の動作と同時並行的に、第一の行のプレート電圧を高い値から低い値へと変動させることができる。ブロック1240の動作は、例えば、図1から図2、図8または図9のセル105と併せて、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1245では、メモリデバイスは第一の行のメモリセルに1をライトバックすることができる。このライトバックは、メモリセルを分極するためにプレート線とディジット線をバイアスすることにより行うことができる。ブロック1245の動作は、例えば、図1から図2、図8または図9のセル105と併せて、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
ブロック1250では、メモリデバイスはメモリバンクの第一のセクションの行アドレスのラッチを開けることができる。ラッチを開けることは、第一のセクションが、プリチャージの完了後、次のメモリアクセス動作に対応する次の行アドレスを受け取ることを可能にする。ブロック1250の動作は、例えば、図1のラッチ145または図6のラッチ615または675と併せて、図1、図8、または図9のコントローラ140によって、或いは図9のプロセッサ910によって行われてもよい。
このように、方法1000、方法1100、および方法1200は、独立した複数のメモリセクションの同時並行的な動作を与えることができ、それによりメモリデバイスの効率を高めることができる。なお、方法1000、方法1100、および方法1200は、実現可能な実施の例を記載したものであり、動作や工程は他の実施の例が実現可能となるように置き換えてもよく、あるいは変更してもよい。いくつかの例では、方法1000、方法1100、および方法1200のうちの二つ以上の態様を組み合わせることもある。
複数のメモリセルセクションを有する強誘電体メモリセルのバンクを動作させる方法を説明する。この方法は、第一のメモリセルを活性化すること、第一のメモリセルの状態を検知すること、活性化される第二のメモリセルを特定すること、第二のメモリセルは第一のメモリセルから独立していることを決定すること、第一のメモリセルをプリチャージすること、および第一のメモリセルをプリチャージする間に第二のメモリセルを活性化すること、を含んでもよい。
ある場合には、本明細書中に記載する装置は本明細書中に記載の方法の一つ以上の態様を行うこともある。例えば、この装置は、第一のメモリセルを活性化するための工程、特性、手段、または指示、第一のメモリセルの状態を検知するための手段、活性化される第二のメモリセルを特定するための手段、第二のメモリセルは第一のメモリセルから独立していることを決定するための手段、第一のメモリセルをプリチャージするための手段、および第一のメモリセルをプリチャージする間に第二のメモリセルを活性化するための手段、を有してもよい。
上記の方法と装置の例のいくつかは、第一のメモリセルを含む第一のメモリセルセクションと第二のメモリセルを含む第二のメモリセルセクションを決定するための、および第二のメモリセルセクションは第一のメモリセルセクションから独立していることを決定するための工程、特性、手段、または指示を更に含んでもよい。上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、メモリセルは強誘電体メモリセルであり、プリチャージは強誘電体メモリセルのライトバック動作の一部を含む。
上記の方法と装置の例のいくつかは、第二のメモリセルは第一のメモリセルから独立しているとの決定に応じて第二のメモリセルを活性化するための遅延時間であって、第二のメモリセルが第一のメモリセルから独立している場合に第二のメモリセルを活性化するための第一の所定の遅延をさせる遅延時間を特定するための、および遅延時間の後に第二のメモリセルを活性化するための工程、特性、手段、または指示を更に含んでもよい。上記の方法と装置の例のいくつかは、活性化される第三のメモリセルを特定するための、第三のメモリセルは第二のメモリセルから独立していないことを決定するための、第二のメモリセルをプリチャージするための、および第二のメモリセルをプリチャージした後に第三のメモリセルを活性化するための工程、特性、手段、または指示を更に含んでもよい。上記の方法と装置の例のいくつかは、第三のメモリセルは第二のメモリセルと同じまたは隣り合うメモリセルセクションにあるとの決定に応じて第三のメモリセルを活性化するための第二の遅延時間であって、第二のメモリセルをプリチャージした後に第三のメモリセルを活性化するための第二の所定の遅延をさせる第二の遅延時間を特定するための、および第二の遅延時間の後に第三のメモリセルを活性化するための工程、特性、手段、または指示を更に含んでもよい。
上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、複数のメモリセルセクションのうち異なるセクションには互いに独立した一つ以上の選択部またはセンスアンプ部が含まれる。上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、選択部は、第一のメモリセルのプリチャージ中に第一のメモリセルを含む第一のメモリセルセクションのセクションアドレスをラッチするラッチ回路を備える。
上記の方法と装置の例のいくつかは、第一のメモリセルとは異なり且つ隣り合わせていないメモリセルセクションにある第二のメモリセルの位置を示すために、第一のメモリセルの第一のアドレスに少なくとも部分的に基づいて第二のメモリセルの第二のアドレスを選択するための工程、特性、手段、または指示を更に含んでもよい。
複数のメモリセルセクションを有するメモリセルのバンクを動作させる方法を説明する。この方法は、活性化される第一のメモリセルと第二のメモリセルを特定すること、第一のメモリセルと第二のメモリセルについてメモリセルのバンク内のセクションの位置(セクション位置)を決定すること、および第一のメモリセルと第二のメモリセルのセクション位置に少なくとも部分的に基づいて、第一のメモリセルを活性化するのに応じて第二のメモリセルを活性化するタイミングを特定すること、を含んでもよい。
ある場合には、本明細書中に記載する装置は本明細書中に記載の方法の一つ以上の態様を行うこともある。例えば、この装置は、活性化される第一のメモリセルと第二のメモリセルを特定する、第一のメモリセルと第二のメモリセルについてメモリセルのバンク内のセクション位置を決定する、および第一のメモリセルと第二のメモリセルのセクション位置に少なくとも部分的に基づいて、第一のメモリセルを活性化するのに応じて第二のメモリセルを活性化するタイミングを特定する、ための工程、特性、手段、または指示を有してもよい。
上記の方法と装置の例のいくつかは、第一のメモリセルは第一のメモリセルセクションにあることを決定する、および第二のメモリセルは第一のメモリセルセクションから独立している第二のメモリセルセクションにあることを決定する、ための工程、特性、手段、または指示を更に有してもよい。上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、第二のメモリセルを活性化するタイミングは、第一のメモリセルのプリチャージ動作中に第二のメモリセルを活性化するように特定される。上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、メモリセルは強誘電体メモリセルであり、プリチャージ動作は強誘電体メモリセルのライトバック動作の一部を含む。
上記の方法と装置の例のいくつかは、第一のメモリセルと第二のメモリセルが同じメモリセルセクションにあることを決定するのに応じて第二のメモリセルを活性化するための第一の遅延時間を特定する、および第一のメモリセルと第二のメモリセルが複数のメモリセルセクションのうちの異なるセクションにあることを決定するのに応じて第二のメモリセルを活性化するための第二の遅延時間を特定する、ための工程、特性、手段、または指示を更に有してもよい。上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、第一の遅延時間は第二の遅延時間よりも長い。上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、第一の遅延時間は、第一のメモリセルのプリチャージ動作の時間に少なくとも部分的に基づいて選択される。上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、第二の遅延時間は、第二のメモリセルを活性化する動作を第一のメモリセルのプリチャージ動作中に開始するように選択される。上記の方法と装置の例のいくつかにおいて、複数のメモリセルセクションのうちの異なるセクションには互いに独立した一つ以上の選択部またはセンスアンプ部が含まれる。
上記の方法と装置の例のいくつかは、第一のメモリセルを含む第一のメモリセルセクションのセクションアドレスを第一のセクションのプリチャージ動作中にラッチする、および第一のメモリセルセクションのプリチャージ動作中に第二のメモリセルを含む第二のメモリセルセクションを活性化する、ための工程、特性、手段、または指示を更に有してもよい。
上記の方法と装置の例のいくつかは、第一のメモリセルを含む第一のメモリセルセクションの第一のセクションアドレスと第二のメモリセルを含む第二のメモリセルセクションの第二のセクションアドレスをそれぞれのメモリセルセクションに関連付けられたアドレスデコーダに与える、第一のメモリセルセクションに関連付けられたアドレスデコーダで第一のセクションアドレスを第二のセクションアドレスと多重化し、第二のメモリセルセクションに関連付けられたアドレスデコーダで第二のセクションアドレスを第一のセクションアドレスと多重化する、および多重化することに少なくとも部分的に基づいて、第一のメモリセルセクションのプリチャージ動作中に第二のメモリセルを含む第二のメモリセルセクションを活性化する、ための工程、特性、手段、または指示を更に有してもよい。
上記の方法と装置の例のいくつかは、第一のメモリセルから独立している第二のメモリセルの位置を示すために、第一のメモリセルの第一のアドレスに少なくとも部分的に基づいて第二のメモリセルの第二のアドレスを選択するための工程、特性、手段、または指示を更に有してもよい。
電子メモリ装置を説明する。電子メモリ装置は、セクション選択回路と電子通信を行う複数のメモリセルセクションを有するメモリバンク、セクション選択回路とメモリセルセクションの一つ以上と電子通信を行う複数のセンスアンプ、およびセクション選択回路とセンスアンプと電子通信を行うコントローラを有し、このコントローラは、アクセスされる第一のメモリセルを特定すること、セクション選択回路を介して第一のメモリセルを活性化すること、アクセスされる第二のメモリセルを含む複数のメモリセルセクションのうち一つのセクションを特定すること、および第一のメモリセルと第二のメモリセルのセクション位置に少なくとも部分的に基づいて第一のメモリセルの活性化に応じて第二のメモリセルを活性化する時間を特定すること、を行うよう動作可能である。
本明細書中に記載の装置は本明細書中に記載の方法の一つ以上の態様を行うこともある。この装置は、アクセスされる第一のメモリセルを特定するための手段、セクション選択回路であって、複数のメモリセルセクションを有するメモリバンクと電子通信を行うセクション選択回路を介して第一のメモリセルを活性化するための手段、アクセスされる第二のメモリセルを含む複数のメモリセルセクションのうち一つのセクションを特定するための手段、および第一のメモリセルと第二のメモリセルのセクション位置に少なくとも部分的に基づいて第一のメモリセルの活性化に応じて第二のメモリセルを活性化する時間を特定するための手段、を含んでいてもよい。
上記の装置の例のいくつかにおいて、複数のメモリセルセクションのうちの隣り合うセクションは複数のセンスアンプのうちの同じサブセットに接続されている。
上記の装置の例のいくつかは、第一のメモリセルと第二のメモリセルが複数のセンスアンプのうちの少なくとも部分的に重複するサブセットと接続されていることに応じて、第二のメモリセルを活性化する第一の時間を第一のメモリセルのプリチャージ動作の完了後として特定する、および第一のメモリセルと第二のメモリセルが複数のセンスアンプのうちの重複しないサブセットと接続されていることに応じて、第二のメモリセルを活性化する第二の時間を第一のメモリセルのプリチャージ動作中として特定する、ための工程、特性、手段、または指示、を更に含んでもよい。
上記の装置の例のいくつかにおいて、セクション選択回路は、第一のメモリセルのプリチャージ動作中に第一のメモリセルに関連付けられたセクションアドレスをラッチするラッチを備える。上記の装置の例のいくつかにおいて、セクション選択回路は、第一のメモリセルのセクション以外のセクションに第二のメモリセルに関連付けられた新しいセクションアドレスを与える。上記の装置の例のいくつかにおいて、第一のメモリセルと第二のメモリセルはプレート接点とトランジスタ間に接続される強誘電体コンデンサを有する強誘電体メモリセルをそれぞれ有し、プレート接点の電圧は読み出しとライトバック動作の初めの部分の間の第一のプレート電圧からプリチャージとライトバック動作の次の部分の間の第二のプレート電圧へと変化する。
本明細書中の記載は、例を与えるものであり、特許請求の範囲に記載される範囲、適用可能性、または例を限定するものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、説明される要素の機能および構成において変更が行われ得る。様々な例は、適宜に様々なプロシージャまたは構成要素を省略、置換、または追加し得る。また、いくつかの例に関して説明される特徴は、他の例において組み合わせられ得る。
添付の図面に関して本明細書中に明記された説明は、構成の例について説明しており、実施され得るまたは特許請求の範囲内に入る全ての例を表すとは限らない。本明細書中に使用される「例」や「例示的」という用語は、「例、事例、または例示の働きをすること」を意味し、「好ましい」または「他の例よりも有利な」を意味しない。詳細な説明は、説明された技法の理解を与えるための具体的な詳細を含む。ただし、これらの技法は、これらの具体的な詳細なしに実施され得る。いくつかの事例では、記載された例の概念を不明瞭にすることを回避するために、よく知られている構造およびデバイスがブロック図の形式で示される。
添付の図では、同様の構成要素または特徴は同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に、ダッシュと、それらの同様の構成要素の間で区別する第2のラベルとを続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書において使用される場合、説明は、第2の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のいずれにも適用可能である。
本明細書中に記載される情報および信号は、多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表され得る。例えば、上の記載全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。いくつかの図面には、複数の信号が単一の信号として表されているが、この信号は信号のバスを表し得るうえ、このバスは多様なビット幅を有し得ることが当業者には理解されよう。
本明細書中に使用されるように、「仮想接地」という用語は、ほぼゼロボルト(0V)の電圧に維持されているが直接接地されていない電子回路のノードを指す。したがって、仮想接地の電圧は一時的に変動し、定常状態でほぼ0Vに戻ることもあり得る。仮想接地は演算増幅器とレジスタで構成される分圧器といった多様な電子回路要素を用いて実施され得る。他の実施の例も実現可能である。
「電子通信」という用語は、構成要素間で電子の流れを維持するという構成要素間の関係を指す。これは構成要素間が直接接続されていることを含み得るし、介在する構成要素を含み得る。電子通信を行う構成要素は、(例えば、電圧が印加された回路内で)能動的に電子または信号を交換し得る、または(例えば、電圧印加が停止された回路内で)能動的に電子または信号を交換しないものの回路に電圧が印加され次第、電子または信号を交換するよう構成され、動作可能となり得る。例として、スイッチ(例えば、トランジスタ)を介して物理的に接続された二つの構成要素は、そのスイッチの状態(すなわち開または閉)にかかわらず電子通信を行う。
メモリアレイ100を含む本明細書中に記載のデバイスは、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム合金、ガリウムヒ素、ガリウムナイトライド等の半導体基板の上に形成することができる。ある場合には、この基板は半導体ウエハーである。別の場合、基板は、シリコンオングラス(SOG)やシリコンオンサファイア(SOP)といったシリコンオンインシュレータ(SOI)基板、または別の基板の上に半導体材料のエピタキシャル層があるものでもよい。基板、または基板のサブ領域の導電性は、限定はされないが、リン、ホウ素、またはヒ素を含む様々な化学種を用いたドーピングによって制御され得る。ドーピングは基板の初期形成または成長の間に、イオン注入によって、または他の任意のドーピング手段によって行われ得る。
本明細書中に記載のトランジスタは電界効果トランジスタ(FET)を指し、ソース、ドレインおよびゲートを含む三端子素子を備える。これらの端子は、例えば金属等の導電材料を介して他の電子的要素と接続される。ソースとドレインは導電性であってよく、高濃度にドープされた、例えば、縮退した、半導体領域を備え得る。ソースとドレインは低濃度にドープされた半導体領域、またはチャネル、によって分けられていてもよい。チャネルがn型(つまり、多数キャリアが電子)である場合、FETはn型FETと呼ばれることがある。同様に、チャネルがp型(つまり、多数キャリアが正孔)である場合、FETはp型FETと呼ばれることがある。チャネルは絶縁用ゲート酸化物で覆われていてよい。チャネルの導電性はゲートに電圧を印加することによって制御することができる。例えば、正電圧または負電圧をそれぞれn型FETとp型FETに印加するとチャネルは導電性を得る。トランジスタの閾値電圧以上の電圧をトランジスタゲートに印加すると、トランジスタは「オン」になり得る、または「駆動」し得る。トランジスタの閾値電圧未満の電圧をトランジスタゲートに印加すると、トランジスタは「オフ」になり得る、または「動作停止」し得る。
本明細書の開示に関して述べられた様々な例示的なブロック、構成要素、およびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAまたは他のプログラム可能論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で述べられた機能を果たすように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施または行われ得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。また、プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する一つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)としても実施され得る。
本明細書で述べられた機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実施される場合、機能は、一つ以上の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶されるか、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。他の例および実施の例は、本開示の範囲内および添付の特許請求の範囲内に入る。例えば、ソフトウェアの性質により、上記された機能は、プロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのうちのいずれかの組合せによって実行されるソフトウェアを使用して実施され得る。機能を実施する特徴はまた、機能の部分が、異なる物理的ロケーションにおいて実施されるように分散されることを含めて、様々な位置に物理的に配置され得る。また、特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用される場合、項目の列挙(例えば、「のうちの少なくとも一つ」あるいは「のうちの一つ以上」などの句が記される項目の列挙)中で使用される「または」は、例えば、A、B、またはCのうちの少なくとも一つの列挙が、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような包括的列挙を示す。
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、非一時的コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用され得、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る、任意の他の非一時的媒体を備えることができる。
また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)およびBlu−rayディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザーで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
本明細書中の説明は、当業者が本開示を作成または使用できるように与えられたものである。本開示への様々な変更は当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義された一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。従って、本開示は、本明細書中に記載された例および設計に限定されるべきでなく、本明細書で開示された原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。