JP2021119239A - アンダーフィル材、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

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Tomoya Masuda
智也 増田
真志 白神
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真志 白神
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Abstract

【課題】硬化物の熱膨張率の上昇抑制と充填時の粘度低減を両立しうるアンダーフィル材、並びにこれを用いて得られる半導体パッケージ及びその製造方法の提供。【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、充填剤とを含み、前記エポキシ樹脂が、N,N‐ジグリシジルアニリンの構造を有するエポキシ化合物を含む、アンダーフィル材とする。【選択図】なし

Description

本発明は、アンダーフィル材、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法に関する。
半導体装置の実装技術においては、基板と半導体チップとの間の空隙を充填するためにアンダーフィル材と呼ばれる液状のアンダーフィル材が広く用いられている。
例えば、特許文献1にはビスフェノール型エポキシ樹脂にアミノフェノールエポキシ樹脂を特定量配合することで良好な注入性と封止後のフィレットクラックの抑制を達成した液状封止材が記載されている。
国際公開第2016/093148号
アンダーフィル材には一般に充填材が含まれているが、充填材の量を増やすとアンダーフィル材の粘度が上昇して注入性が低下する傾向にある。そこで、反応性希釈剤と呼ばれるエポキシ樹脂を配合することで粘度を低くすることが試みられている。しかしながら、反応性希釈剤の量を増やすとアンダーフィル材の硬化物の熱膨張率が高くなる傾向にある。アンダーフィル材の硬化物の熱膨張率が高いと半導体チップの熱膨張率との差が大きくなり、これが原因となって耐リフロー性、耐温度サイクル性等の信頼性試験で不良が発生しやすくなったり、半導体装置の反り量が大きくなる傾向がある。
従って、硬化物の熱膨張率の上昇を抑制しつつ充填時の粘度低減を達成しうるアンダーフィル材の設計が望まれている。
本発明は上記事情に鑑み、硬化物の熱膨張率の上昇抑制と充填時の粘度低減を両立しうるアンダーフィル材、並びにこれを用いて得られる半導体パッケージ及びその製造方法を提供することを課題とする。
<1>エポキシ樹脂と、硬化剤と、充填剤とを含み、前記エポキシ樹脂が下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物を含む、アンダーフィル材。
Figure 2021119239

[一般式(1)において、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。nはRの個数を表し、0〜5の整数である。]
<2>前記充填剤の含有率が前記アンダーフィル材全体の60質量%以上である、<1>に記載のアンダーフィル材。
<3>前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物が、Rがメチル基でありnが1であるエポキシ樹脂を含む、<1>又は<2>に記載のアンダーフィル材。
<4>前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物の含有率が前記アンダーフィル材全体の1質量%〜30質量%である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のアンダーフィル材。
<5>前記エポキシ樹脂がビスフェノール系エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂及び3官能以上のグリシジルアミン系エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のアンダーフィル材。
<6>前記硬化剤がアミン硬化剤である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のアンダーフィル材。
<7>支持体と、前記支持体上に配置された半導体素子と、前記半導体素子を封止している<1>〜<6>のいずれか1項に記載のアンダーフィル材の硬化物と、を備える半導体パッケージ。
<8>支持体と、前記支持体上に配置される半導体素子との間の空隙を<1>〜<6>のいずれか1項に記載のアンダーフィル材で充填する工程と、前記アンダーフィル材を硬化する工程と、を有する半導体パッケージの製造方法。
本発明によれば、硬化物の熱膨張率の上昇抑制と充填時の粘度低減を両立しうる封止用樹脂組成物、並びにこれを用いて得られる半導体パッケージ及びその製造方法が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<アンダーフィル材>
本実施形態のアンダーフィル材は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、充填剤とを含み、前記エポキシ樹脂が下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物(以下、特定エポキシ樹脂ともいう)を含む。
Figure 2021119239

一般式(1)においてRは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。nはRの個数を表し、0〜5の整数である。
本発明者らの検討の結果、特定エポキシ樹脂を含むアンダーフィル材は、硬化物の熱膨張率の上昇抑制と充填時の粘度低減を両立しうることがわかった。その理由は明らかではないが、エポキシ樹脂に配合される特定エポキシ樹脂がアンダーフィル材の粘度を低減するという反応性希釈剤としての性質を有することに加え、他の反応性希釈剤として用いられるエポキシ樹脂を配合する場合に比べて硬化物の熱膨張率が上昇しにくい性質も有しているためと考えられる。
特定エポキシ樹脂を含むアンダーフィル材は、硬化物の熱膨張率の上昇抑制と充填時の粘度低減を両立しうるため、例えば、粘度上昇を抑制しながら充填剤の量を増やすことも可能である。
アンダーフィル材は、基板と半導体チップとの間の空隙を充填する際の粘度が充分に低いことが好ましい。具体的には、110℃における粘度が1.0Pa・s以下であることが好ましく、0.75Pa・s以下であることがより好ましく、0.50Pa・s以下であることがさらに好ましい。本開示においてアンダーフィル材の110℃における粘度は、レオメーター(例えば、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製の「AR2000」)により、40mmのパラレルプレートにて、せん断速度:32.5/secの条件で測定される値である。
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂は、一般式(1)で表される特定エポキシ樹脂を含むものであれば、特に制限されない。特定エポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
一般式(1)において、Rで表される炭素数1〜5の炭化水素基としては炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルケニル基が挙げられ、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
一般式(1)において、nは0〜3の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
一般式(1)において、nが1以上である場合、1以上のRのうちいずれかはジグリシジルアミノ基に対してオルト位にあることが好ましい。
特定エポキシ樹脂の具体例としては、nが0である化合物(N,N−(ジグリシジル)−アニリン)、Rがジグリシジルアミノ基に対してオルト位にあるメチル基であり、nが1である化合物(N,N−(ジグリシジル)−o−トルイジン)等が挙げられる。これらは市販品としても入手可能である。N,N−(ジグリシジル)−アニリンの市販品としては、例えば、日本化薬株式会社の商品名「GAN」が挙げられ、N,N−(ジグリシジル)−o−トルイジンの市販品としては、例えば、株式会社ADEKAの商品名「アデカレジン EP−3980S」や、日本化薬株式会社の商品名「GOT」が挙げられる。
硬化物の熱膨張率の上昇抑制と充填時の粘度低減を両立させる観点からは、特定エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂全体の1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜30質量%であることがより好ましい。
エポキシ樹脂が特定エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含む場合、特定エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂は特に制限されない。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アルコールエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、及びシロキサン系エポキシ樹脂が挙げられる。特定エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及び3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むが好ましく、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及び3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂をそれぞれ含むことがより好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の種類は特に制限されず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等が挙げられる。アンダーフィル材として使用するためには、ビスフェノール型エポキシ樹脂は常温(25℃)で液状のものであることが好ましく、常温(25℃)で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂であることがより好ましい。常温(25℃)で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂は、市販品としても入手可能である。常温(25℃)で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、新日鉄住金化学株式会社の商品名「エポトート YDF−8170C」が挙げられる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ樹脂全体に占める割合は特に制限されず、アンダーフィル材の所望の特性に応じて選択できる。例えば、20質量%〜90質量%の範囲から選択できる。
ナフタレン型エポキシ樹脂の種類は特に制限されない。アンダーフィル材に使用するナフタレン型エポキシ樹脂は、常温(25℃)で液状のものであることが好ましい。常温(25℃)で液状のナフタレン型エポキシ樹脂としては、1,6−ビス(グリシジルオキシ)ナフタレンが挙げられる。1,6−ビス(グリシジルオキシ)ナフタレンは市販品としても入手可能である。市販品としては、例えば、DIC株式会社の商品名「エピクロン HP−4032D」が挙げられる。
アンダーフィル材がエポキシ樹脂としてナフタレン型エポキシ樹脂エポキシ樹脂を含む場合、その割合は特に制限されない。例えば、熱膨張率の上昇抑制の観点からはエポキシ樹脂全体に占める割合が10質量%以上であることが好ましく、アンダーフィル材としての特性のバランスの観点からは50質量%以下であることが好ましい。
3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂の種類は特に制限されない。アンダーフィル材として使用する3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂は、常温(25℃)で液状のものであることが好ましい。
常温(25℃)で液状である3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、トリグリシジル−p−アミノフェノールが挙げられる。トリグリシジル−p−アミノフェノールは市販品としても入手可能である。市販品としては、例えば、三菱ケミカル株式会社の商品名「jER−630」や「jER−630LSD」、株式会社ADEKAの商品名「EP−3950S」が挙げられる。
アンダーフィル材がエポキシ樹脂として3官能以上のグリシジルアミン型エポキシ樹脂を含む場合、その割合は特に制限されない。例えば、耐熱性向上の観点からはエポキシ樹脂全体に占める割合が10質量%以上であることが好ましく、アンダーフィル材としての特性のバランスの観点からは50質量%以下であることが好ましい。
[硬化剤]
硬化剤の種類は特に制限されず、アンダーフィル材の所望の特性等に応じて選択できる。例えば、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材に使用する硬化剤は、常温(25℃)で液状のものが好ましく、被着体への接着性の観点からは、アミン硬化剤であることが好ましい。アミン硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン等の脂肪族アミン化合物、ジエチルトルエンジアミン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリン等の芳香族アミン化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール等のイミダゾール化合物、イミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物などが挙げられる。これらの中でも芳香族アミン化合物が好ましい。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比は、それぞれの未反応分を少なく抑える関連からは、エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対する硬化剤の官能基(アミン硬化剤の場合は活性水素)の数の比(硬化剤の官能基数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.5〜2.0の範囲内となるように設定されることが好ましく、0.6〜1.3の範囲内となるように設定されることがより好ましい。成形性と耐リフロー性の観点からは、0.8〜1.2の範囲内となるように設定されることがさらに好ましい。
[充填剤]
充填剤の種類は、特に制限されない。具体的には、シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の無機材料が挙げられる。難燃効果を有する充填剤を用いてもよい。難燃効果を有する充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。
上記充填剤の中でも、熱膨張率低減の観点からはシリカが好ましく、熱伝導性向上の観点からはアルミナが好ましい。充填剤は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材に含まれる充填剤の含有率は、特に制限されない。硬化後の熱膨張率低減の観点からは、充填剤の含有率は多いほど好ましい。例えば、アンダーフィル材全体の60質量%以上であることが好ましく、64質量%以上であることがより好ましい。一方、粘度上昇を抑制する観点からは、充填剤の含有率は少ないほど好ましい。例えば、アンダーフィル材全体の90質量%以下であることが好ましい。
充填剤が粒子状である場合、その平均粒子径は、特に制限されない。例えば、体積平均粒子径が0.05μm〜20μmであることが好ましく、0.1μm〜15μmであることがより好ましい。体積平均粒子径が0.05μm以上であると、アンダーフィル材の粘度の上昇がより抑制される傾向がある。体積平均粒子径が20μm以下であると、狭い隙間への充填性がより向上する傾向にある。充填剤の体積平均粒子径は、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置により得られる体積基準の粒度分布において小径側からの体積の累積が50%となるときの粒子径(D50)として測定することができる。
[各種添加剤]
アンダーフィル材は、上述の成分に加えて、硬化促進剤、応力緩和剤、カップリング剤、着色剤等の各種添加剤を含んでもよい。アンダーフィル材は、以下に例示する添加剤以外にも必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含んでもよい。
(硬化促進剤)
アンダーフィル材は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂及び硬化剤の種類、アンダーフィル材の所望の特性等に応じて選択できる。
アンダーフィル材が硬化促進剤を含む場合、その量は硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤の合計)100質量部に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
(応力緩和剤)
アンダーフィル材は、応力緩和剤を含んでもよい。応力緩和剤としては、熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の粒子などが挙げられる。応力緩和材剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材が応力緩和剤を含む場合、その量は硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤の合計)100質量部に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
(カップリング剤)
アンダーフィル材は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤としては、エポキシシラン、フェニルシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、フェニルアミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン化合物、チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム化合物などが挙げられる。これらの中でもシラン化合物(シランカップリング剤)が好ましい。カップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材がカップリング剤を含む場合、カップリング剤の量は、充填材100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2.5質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
アンダーフィル材は、着色剤を含んでもよい。着色剤としては、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等が挙げられる。着色剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材が着色剤を含む場合、その量は硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤の合計)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.1質量部〜5質量部であることがより好ましい。
(アンダーフィル材の用途)
アンダーフィル材は、種々の実装技術に用いることができる。特に、フリップチップ型実装技術に用いるアンダーフィル材として好適に用いることができる。例えば、バンプ等で接合された半導体素子と支持体の間の隙間を充填する用途に好適に用いることができる。
半導体素子と支持体の種類は特に制限されず、半導体パッケージの分野で一般的に使用されるものから選択できる。アンダーフィル材を用いて半導体素子と支持体の間の隙間を充填する方法は、特に制限されない。例えば、ディスペンサー等を用いて公知の方法により行うことができる。
<半導体パッケージ>
本実施形態の半導体パッケージは、支持体と、前記支持体上に配置された半導体素子と、前記半導体素子を封止している上述したアンダーフィル材の硬化物と、を備える。
上記半導体パッケージにおいて、半導体素子と支持体の種類は特に制限されず、半導体パッケージの分野で一般的に使用されるものから選択できる。上記半導体パッケージは、アンダーフィル材の硬化物の熱膨張率が低減されているため、例えば、アンダーフィル材の硬化物と半導体素子の間に応力が生じた場合、これを抑制する効果に優れている。
<半導体パッケージの製造方法>
本実施形態の半導体パッケージの製造方法は、支持体と、前記支持体上に配置された半導体素子との間の空隙を上述したアンダーフィル材で充填する工程と、前記アンダーフィル材を硬化する工程と、を有する。
上記方法において、半導体素子と支持体の種類は特に制限されず、半導体パッケージの分野で一般的に使用されるものから選択できる。アンダーフィル材を用いて半導体素子と支持体の間の隙間を充填する方法、及び充填後にアンダーフィル材を硬化する方法は特に制限されず、公知の手法で行うことができる。
以下、本開示のアンダーフィル材を実施例により具体的に説明するが、本開示の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(アンダーフィル材の調製)
表1に示す成分を表1に示す量(質量部)にて混合し、アンダーフィル材を調製した。各成分の詳細は下記のとおりである。エポキシ樹脂と硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂のエポキシ基数と硬化剤の活性水素数が等しくなるように設定した。
エポキシ樹脂1…液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:160g/eq、商品名「エポトート YDF−8170C」、新日鉄住金化学株式会社
エポキシ樹脂2…トリグリシジル−p−アミノフェノール、エポキシ当量:95g/eq、商品名「jER 630」、三菱ケミカル株式会社
エポキシ樹脂3…1,6−ビス(グリシジルオキシ)ナフタレン、エポキシ当量:143g/eq、商品名「エピクロン HP−4023D」、DIC株式会社
エポキシ樹脂4…N,N−(ジグリシジル)−o−トルイジン、エポキシ当量:115g/eq、商品名「アデカレジン EP−3980S」、株式会社ADEKA
エポキシ樹脂5…1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量:102g/eq、商品名「SR−14BJ」、阪本薬品工業株式会社
エポキシ樹脂6…トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、エポキシ当量:120、商品名「エポトート ZX−1542」、新日鉄住金化学株式会社
硬化剤1…ジエチルトルエンジアミン、商品名「jERキュア W」、活性水素当量:45g/eq、三菱ケミカル株式会社
硬化剤2…3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、商品名「カヤハード A−A」、活性水素当量:63g/eq、日本化薬株式会社
充填材…体積平均粒子径が0.5μmの球状シリカ、商品名「SE2200」、株式会社アドマテックス
カップリング剤…3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、商品名「サイラエース S510」、JNC株式会社
着色剤…カーボンブラック、商品名「MA−100」、三菱ケミカル株式会社
(110℃での粘度の測定)
アンダーフィル材をレオメーター(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製の「AR2000」)を用い、40mmのパラレルプレートにて、せん断速度:32.5/secの条件で測定した値を110℃での粘度とした。
(熱膨張係数の測定)
アンダーフィル材を直径8mm、長さ20mmの円柱状に150℃で2時間加熱成形して得られた硬化物を、TMA(熱機械分析、ティーエーインスツルメント社製TA4000SA)を用い、昇温速度3℃/min、測定温度範囲0〜250℃で測定し、0℃〜30℃の直線の勾配を線膨張係数とした。
Figure 2021119239

表1に示すように、特定エポキシ樹脂を配合したアンダーフィル材は、充填剤の含有率が同じで特定エポキシ樹脂を配合していないアンダーフィル材と比べると(実施例1及び2と比較例1、実施例3〜5と比較例6、実施例6〜8と比較例7及び8)、110℃での粘度の値が小さかった。また、特定エポキシ樹脂を配合したアンダーフィル材は、充填剤の含有率が同じで反応性希釈剤として一般に用いられるエポキシ樹脂を配合したアンダーフィル材と比べると(実施例1及び2と比較例2〜5)、硬化物の熱膨張係数の値が小さかった。
以上より、エポキシ樹脂として特定エポキシ樹脂を配合することで、アンダーフィル材の硬化物の熱膨張率の上昇を抑えつつ充填時の粘度を低減できることがわかった。

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂と、硬化剤と、充填剤とを含み、前記エポキシ樹脂が下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物を含む、アンダーフィル材。
    Figure 2021119239


    [一般式(1)において、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を表す。nはRの個数を表し、0〜5の整数である。]
  2. 前記充填剤の含有率が前記アンダーフィル材全体の60質量%以上である、請求項1に記載のアンダーフィル材。
  3. 前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物が、Rがメチル基でありnが1であるエポキシ樹脂を含む、請求項1又は請求項2に記載のアンダーフィル材。
  4. 前記一般式(1)で表されるエポキシ化合物の含有率が前記アンダーフィル材全体の1質量%〜30質量%である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のアンダーフィル材。
  5. 前記エポキシ樹脂がビスフェノール系エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂及び3官能以上のグリシジルアミン系エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のアンダーフィル材。
  6. 前記硬化剤がアミン硬化剤である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のアンダーフィル材。
  7. 支持体と、前記支持体上に配置された半導体素子と、前記半導体素子を封止している請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のアンダーフィル材の硬化物と、を備える半導体パッケージ。
  8. 支持体と、前記支持体上に配置される半導体素子との間の空隙を請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のアンダーフィル材で充填する工程と、前記アンダーフィル材を硬化する工程と、を有する半導体パッケージの製造方法。
JP2021074144A 2017-06-29 2021-04-26 アンダーフィル材、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法 Pending JP2021119239A (ja)

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