JP2010132793A - 熱硬化性樹脂組成物、それを用いたアンダーフィル剤および半導体装置 - Google Patents
熱硬化性樹脂組成物、それを用いたアンダーフィル剤および半導体装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010132793A JP2010132793A JP2008310680A JP2008310680A JP2010132793A JP 2010132793 A JP2010132793 A JP 2010132793A JP 2008310680 A JP2008310680 A JP 2008310680A JP 2008310680 A JP2008310680 A JP 2008310680A JP 2010132793 A JP2010132793 A JP 2010132793A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- resin composition
- thermosetting resin
- polyimide
- manufactured
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
Description
本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、半導体素子と基板を接合するためのアンダーフィル剤、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、回路基板の配線保護絶縁膜等に適した熱硬化性樹脂組成物に関する。
近年、半導体素子の大型化が急速に進み、半導体素子と基板との間に大きな熱応力が発生している。従来より、半導体素子と基板との接合の後、空隙にエポキシ系アンダーフィル剤を充填することにより、応力を分散させて、半導体素子/基板界面の接合信頼性を高める手法が知られている。さらに近年では、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂および高沸点溶媒を含有するアンダーフィル剤(例えば、特許文献1参照)、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂および硬化剤を含有する接着フィルムや樹脂組成物(例えば、特許文献2〜4参照)が提案されている。
しかし、従来公知のポリイミド樹脂とエポキシ樹脂を組み合わせた材料は、N−メチルピロリドン等の高沸点溶剤に溶解させるものであり、これをアンダーフィル剤として用いた場合、接合後に高沸点溶剤の飛散によりボイドが発生して信頼性が低下するため、実用的ではなかった。また、高温における粘度が高く、浸透性や充填性に課題があった。一方、ポリイミド樹脂の柔軟性・屈曲性を改良する手法として、骨格中に柔軟性基を導入したポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、微粒子および有機溶剤を含有する熱硬化性樹脂組成物(例えば、特許文献5参照)が提案されている。しかしながら、かかる熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化物は、強靱性が不十分である課題があった。
また、ポリイミドオリゴマー、エポキシ樹脂および硬化剤を含有する無溶剤系のハイブリッド接着剤組成物(例えば、特許文献6参照)が開示されているが、得られる硬化物は強靱性が十分なものではなかった。
特開2000−154250号公報(請求項1)
特開2007−284671号公報(請求項1)
特開2007−246920号公報(特許請求の範囲)
特開2008−94870号公報(請求項1)
特開2008−94927号公報(特許請求の範囲)
特開2004−502859号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記課題を解決すべく、低粘度特性を有し、硬化物の強靱性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(a)下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される構造を有するポリイミド樹脂および(b)SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であるエポキシ化合物を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
上記一般式(1)〜(4)中、R1は4〜14価の有機基、R2は2〜12価の有機基を示す。ただし、R1、R2の少なくとも一方は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を少なくとも一つ有する。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なってもよく、フェノール性水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を示す。Xはフェノール性水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を少なくとも一つ有する1価の有機基、Yはフェノール性水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を少なくとも一つ有する2価の有機基を示す。mは8〜200の範囲を示す。αおよびβはそれぞれ0〜10の整数を示す。ただし、1≦α+β≦10である。
本発明によれば、低粘度特性を有し、硬化物の強靱性に優れた熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。また、ポリイミド樹脂をエポキシ化合物に溶解することができるため、無溶剤系の熱硬化性樹脂組成物を得ることができ、アンダーフィル剤として用いた場合に、熱処理中の溶剤飛散に起因するボイドの発生を抑制することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(a)下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される構造を有するポリイミド樹脂および(b)SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であるエポキシ化合物を含有することを特徴とする。
上記一般式(1)〜(4)中、R1は酸二無水物の構造成分を表しており、4〜14価の有機基である。なかでも炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。またR2はジアミンの構造成分を表しており、2〜12価の有機基である。なかでも炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。ただし、R1、R2の少なくとも一方は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を少なくとも一つ有する。これらの基を有することにより、分子鎖間の凝集性を緩和し、後述する(b)成分のエポキシ化合物に対するポリイミド樹脂の溶解性を向上させることができる。R3およびR4はそれぞれ同じでも異なってもよく、フェノール性水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を示す。フェノール性水酸基が好ましい。Xはフェノール性水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を少なくとも一つ有する一価の有機基、Yはフェノール性水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を少なくとも一つ有する2価の有機基を示す。フェノール性水酸基またはアミノ基を有するものが好ましい。R3、R4、XおよびYにこれらの基を有することにより、加熱によりエポキシ化合物とポリイミド樹脂とが反応して架橋構造を形成し、強靱性に優れた硬化物を得ることができる。mは8〜200の範囲を示す。αおよびβはそれぞれ0〜10の整数を示す。ただし、1≦α+β≦10である。
R1−(R3)αは酸二無水物の残基を表し、2種以上併用してもよい。R1に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を少なくとも一つ有する酸二無水物の例としては、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物、あるいはこれらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等が挙げられる。
R1に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を少なくとも一つ有し、かつ、α≧1である酸二無水物の例としては、下記に示した構造の芳香族酸二無水物が挙げられる。
R5は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を示す。R6およびR7は水素原子、水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を示す。ただし、R6およびR7が同時に水素原子となることはない。
R1に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を有さず、かつ、α≧1である酸二無水物の例としては、下記に示した構造の芳香族酸二無水物が挙げられる。
R6およびR7は水素原子、水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を示す。ただし、R6およびR7が同時に水素原子となることはない。
R1に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を有さず、かつ、α=0である酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、あるいはこれらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物が挙げられる。
R2−(R4)βはジアミンの残基を表し、2種以上併用してもよい。R2に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を少なくとも一つ有するジアミンの例としては、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス(4−アミノフェニル)スルヒド、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、あるいはこれらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等が挙げられる。
R2に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を少なくとも一つ有し、かつ、β≧1であるジアミンの例としては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルヒド、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、あるいはこれらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等や、下記に示した構造のジアミン等が挙げられる。
R5は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはSO2基を示す。R6およびR7は水素原子、水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を示す。ただし、R6およびR7が同時に水素原子となることはない。
R2に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはおよびSO2基を有さず、β=0であるジアミンの例としては、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、テレフタル酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、フタロ酸ヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、4,4’−ビスフェニルジカルボノヒドラジン、4,4’−シクロヘキサンジカルボノヒドラジン、あるいはこれらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換したヒドラジド化合物等が挙げられる。
R2に1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基、フルオレニル基またはおよびSO2基を有さず、β≧1であるジアミンの例としては、2,4−ジアミノ−フェノール、2,5−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシジアミノピリミジン、5,5’−メチレン−ビスアントラニル酸、あるいはこれらの芳香族環の水素原子の少なくとも一部をアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等や、下記に示した構造のジアミン等が挙げられる。
R6〜R9は水素原子、水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボキシル基またはチオール基を示す。ただし、各構造式においてR6〜R9が同時に水素原子となることはない。
ポリイミド樹脂へのXやYの導入は、末端封止により行うことができる。末端封止剤は、モノアミン、酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物等を用いることができる。これらを2種以上用いてもよい。
モノアミンの好ましい例としては、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等が挙げられる。
酸無水物の好ましい例としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等が挙げられる。モノカルボン酸の好ましい例としては、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
一般式(1)〜(2)におけるXの導入割合は、末端封止剤であるモノアミン成分で換算すると、全ジアミン成分中、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは5モル%以上であり、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下である。一般式(3)〜(4)におけるYの導入割合は、末端封止剤である酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリドまたはモノ活性エステル化合物で換算すると、全ジアミン成分に対して、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは5モル%以上であり、好ましくは60モル%以下、より好ましくは55モル%以下である。
一般式(1)〜(4)のmはポリイミド樹脂の繰り返し数を示しており、8〜200の範囲を示す。mを8以上とすることで、組成粘度を厚膜塗布に適する範囲にすることができ、mを200以下とすることで、(b)エポキシ化合物への溶解性を向上することができる。好ましくは10以上、より好ましくは15以上である。また、好ましくは150以下、より好ましくは80以下である。ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で4000〜80000が好ましく、10000〜40000がより好ましい。
本発明において、(a)成分のポリイミド樹脂は、繰り返し単位が一般式(1)〜(4)におけるm個の繰り返し単位からなるものであってもよいし、他の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。その際、一般式(1)〜(4)におけるm個の繰り返し単位を、全繰り返し単位中50モル%以上含有することが好ましい。共重合に用いられる繰り返し単位の種類および量は、加熱処理によって得られる硬化膜の耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。また、(a)成分のポリイミド樹脂以外のポリイミド樹脂をさらに含有してもよい。
本発明に用いられる(a)成分のポリイミド樹脂は、例えば、ジアミンの一部を末端封止剤であるモノアミンに置き換えて、または、酸二無水物の一部を末端封止剤である酸無水物、モノ酸クロリド化合物またはモノ活性エステル化合物に置き換えて、公知の方法を利用して合成される。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物(一部をモノアミン置換)を反応させる方法、低温中でテトラカルボン酸二無水物(一部を酸無水物、モノ酸クロリド化合物またはモノ活性エステル化合物に置換)とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応によりジエステルを得、その後ジアミン(一部をモノアミンに置換)と縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応によりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、ジアミン(一部をモノアミンに置換)と反応させる方法等によりポリイミド前駆体を得、続いてこれを公知のイミド化反応法を用いてイミド化することにより、ポリイミド樹脂を合成することができる。
また、一般式(1)〜(4)におけるXおよびYを構成する末端封止剤は、以下の方法で容易に検出、定量できる。例えば、末端封止剤が導入されたポリイミド樹脂を、酸性溶液あるいは塩基性溶液に溶解し、ポリイミド樹脂の構成単位であるアミン成分と酸無水物成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出、定量することができる。これとは別に、末端封止剤が導入されたポリイミドを直接、熱分解ガスクロクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトルおよび13CNMRスペクトル測定することによっても、末端封止剤を容易に検出、定量することが可能である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物中、(a)成分のポリイミド樹脂の含有量は、強靱性をより向上させる観点から、5重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。一方、より好ましい粘度特性を得る観点から、80重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに(b)SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であるエポキシ化合物を含有する。(b)SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であるエポキシ化合物は、25℃、1.013×105N/m2でポリイミド樹脂の溶媒としての機能を有する。さらに、ポリイミド側鎖および末端のフェノール性水酸基、スルホン酸基、アミノ基、カルボン酸基、チオール基と反応し、密度の高い網目構造を形成するため、得られる硬化物は、高い耐熱性と強靱性を発現する。また、(b)SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であるエポキシ化合物は、一般に全塩素含有量が低く、保存安定性が良好であり、塩素による品質の問題を低減できる。
SP値(溶解性パラメーター値)の求め方は各種あるが、本発明においては、文献「ポリマー・エンジニアリング・アンド・サイエンス(R.F.Fedors,Polymer.Eng.,14,(2)147−154(1974)」に記載された方法により求める。すなわち、求める化合物の構造式において、原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積のデータより次式にて計算する。
ただしΔeiは原子または基に帰属する25℃における蒸発エネルギー、Δviは25℃におけるモル体積である。また、上記の式中のΔeiおよびΔviは、分子中のi個の原子および基に与えられた一定の数値である。代表的な原子および基のΔeiおよびΔviは、前記文献に記載された値を用いる。
SP値が1.40×104(J/m3)1/2を下回ると、エポキシ化合物の分散が不良となると同時に、熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の強靱性が低下する。このため、熱応力によるクラックの発生や、実装後に衝撃で割れが発生する。一方、1.80×104(J/m3)1/2を越えると、(a)成分のポリイミド樹脂の溶解性が低下したり、ボイドが発生する場合がある。また、硬化物の強靱性が低下する場合がある。(b)SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であるエポキシ化合物としては、多官能脂肪族グリシジルエーテル化合物が挙げられる。具体的には1,2−エタンジオールジグリシジルエーテル、1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,5−ペンタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の両末端にエポキシ基を有するものが望ましいが、1官能性エポキシ化合物や3官能性以上のエポキシ化合物でもよい。また、グリシジルエーテル基以外の基がアルキル基、エーテル基、ハロゲン基等で置換されていてもよい。これらのエポキシ化合物を2種以上含有してもよい。
また、エポキシ当量は80〜500が好ましい。エポキシ当量を80以上とすることで、硬化物の強靱性をより向上させることができ、500以下とすることで熱硬化後に密度の高い網目構造とすることができるため、耐熱性を向上させることができる。SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であり、エポキシ当量80〜500である製品の例としては、EX−214L(エポキシ当量120g/eq、全塩素含有量0.30%、1,4―ブタンジオールジグリシジルエーテル)、EX−212L(エポキシ当量135g/eq、全塩素含有量0.20%、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)、EX−216L(エポキシ当量150g/eq、全塩素含有量0.20%、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル)、EX−850L(エポキシ当量145g/eq、全塩素含有量0.20%、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル)(以上、商品名、ナガセケムテックス(株)製)、エポライト40E(エポキシ当量125〜145g/eq、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル)、エポライト100E(エポキシ当量150〜163g/eq、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル)、エポライト70P(エポキシ当量140〜160g/eq、プロピレングリコールジグリシジルエーテル)、エポライト1500NP(エポキシ当量140〜160g/eq、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)、エポライト1600(エポキシ当量140〜160g/eq、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)(以上、商品名、共栄社化学(株)製)、1,2−エポキシペンタン(商品名、エポキシ当量86g/eq、東京化成工業(株)製)、リカレジンDME−100(商品名、エポキシ当量158g/eq、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、新日本理化(株)製)、YED216(エポキシ当量148g/eq、全塩素含有量0.02%、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)、YED216M(エポキシ当量156g/eq、全塩素含有量0.05%、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)が挙げられる。
また、これらのエポキシ化合物に加えて、SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2以外のエポキシ化合物を含有することもできる。このようなエポキシ化合物のうち、1官能性エポキシ化合物としては、YED111N、YED122(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、エポライトM1230(以上、商品名、共栄社化学(株)製)が挙げられる。2官能性エポキシ化合物としては、GAN、GOT(以上、商品名、日本化薬(株)製)、エポライト200E、エポライト400E、エポライト200P、エポライト400P、エポライト3002、エポライト1500NP、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト4000(以上、商品名、共栄社化学(株)製)、エピコート807、エピコート828、エピコート1032、エピコート1002、エピコート1750、エピコート1007、YX−8100−BH30、E1256、E4250、E4275(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”EXA−9583、HP4032(以上、商品名、DIC(株)製)、NC3000、NC6000(以上、商品名、日本化薬(株)製)、3官能性エポキシ化合物としては、“デナコール(登録商標)”EX−321L(商品名、ナガセケムテックス(株)製)、VG3101(商品名、三井化学(株)製)、“テピック(登録商標)”S、“テピック”G、“テピック”P(以上、商品名、日産化学工業(株)製)、4つ以上のエポキシ基を有するものとして、“jER(登録商標)”604、“jER”630(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、PB3600、PB4700、“エポトート(登録商標)”YH−434L(以上、商品名、東都化成(株)製)、EPPN502H(商品名、日本化薬(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N695、HP7200(以上、商品名、DIC(株)製)等が挙げられる。
これらのSP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2以外のエポキシ化合物のうち、低粘度特性をより適切な範囲にする点からは、25℃、1.013×105N/m2での粘度が5〜200mPa・sであるYED111N、YED122(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、GAN、GOT(以上、商品名、日本化薬(株)製)が好ましい。
また、強靱性をより向上させる点からは、ビスフェノールF型、ビスフェノールA型、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類のグリシジルエーテル型のエポキシ化合物や、分子内のオレフィン結合をエポキシ化したエポキシ変性ポリブタジエン化合物、ナフタレン含有型エポキシ化合物、およびビフェニル型エポキシ化合物が好ましい。具体的には、エピコート807、エピコート828、エピコート1032(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、PB3600、PB4700(以上、商品名、東都化成(株)製)、NC3000、NC6000(以上、商品名、日本化薬(株)製)が好ましい。
また、ガラス転移温度を高くし、耐熱性と低粘度特性をより適切な範囲にする点からは、窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したもの等のグリシジル型エポキシ化合物としてGAN、GOT(以上、商品名、日本化薬(株)製)、“jER”604、“jER”630(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)等のグリシジルアミン型エポキシ化合物が好ましく用いられる。これらのエポキシ化合物を2種以上含有してもよい。
さらにエポキシ化合物以外に、オキセタン化合物を含有することができる。エポキシ化合物に反応性のよいオキセタン化合物を含有することで、硬化の反応速度および高温流動性をより向上させることができる。このようなオキセタン化合物のうち、1官能性オキセタン化合物としては、“エタナコール(登録商標)”EHO、“エタナコール”OXMA、“エタナコール”OXIPA(以上、商品名、宇部興産(株)製)、OXT−101、OXT−211、OXT−212、OXT−610(以上、商品名、東亜合成(株)製)、3−エチル−3−(シクロヘキシロキシ)メチルオキセタンが挙げられ、2官能性オキセタン化合物としては、“エタナコール“OXBP、“エタナコール”OXTP、“エタナコール”OXIPA(以上、商品名、宇部興産(株)製)、PNOX−1009、OXT−121、OXT−221(以上、商品名、東亜合成(株)製)、3つ以上のオキセタニル基を有する化合物としては、オキセタン化フェノール樹脂や、オキセタニルシリケートが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(c)シリカ、チタニア、ジルコニア、窒化ケイ素、アルミナ、セリア、タルクおよび炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも一種の無機微粒子を含有することができる。これらの無機微粒子を含有することにより、絶縁性を付与したり、硬化膜の熱線膨張係数を低減することができる。絶縁性を付与する場合は、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカ−チタニア複合粒子が好ましい。さらに、無機微粒子とマトリックス樹脂の界面を強固に結合するために、無機微粒子表面をシランカップリング剤等で処理したものも好適に用いられる。
これら(c)無機微粒子の含有量は、(a)成分のポリイミド樹脂と(b)成分のエポキシ化合物との総量100重量部に対して10〜5000重量部が好ましい。無機微粒子の含有量が10重量部以上であることで耐湿性を向上することができ、5000重量部以下とすることで樹脂組成物の粘度上昇を防ぐことができる。
また、無機微粒子の平均粒子径は5nm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは5nm〜5μmである。ここで、本発明における平均粒子径は、超薄切片法を用いて調製した厚さ20μmのコーティング被膜の断面を、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−7100FA型)を用いて、加速電圧100kVの条件にて観察倍率200000倍で観察し、得られた像から個々の粒子単一の粒子径を測定し、それらの数平均値とする。測定に用いる粒子の個数は数百から数千個である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(d)ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも一種の有機微粒子を含有することができる。これらの有機微粒子を含有することにより、硬化膜の熱線膨張係数を低減することができる。ここで、(d)成分のポリイミドとは、(a)成分のポリイミド樹脂以外のものを指し、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される構造を有するポリイミド樹脂は、微粒子状であっても(a)に分類するものとする。
これら(d)有機微粒子の含有量は、(a)成分のポリイミド樹脂と(b)成分のエポキシ化合物との総量100重量部に対して5〜5000重量部が好ましい。有機微粒子の含有量が5重量部以上であることで耐湿性を向上することができ、5000重量部以下とすることで樹脂組成物の粘度上昇を防ぐことができる。
また、有機微粒子の平均粒子径は5nm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは5nm〜5μmである。有機微粒子の平均粒子径の測定方法は、上記の無機微粒子の平均粒子径の測定方法と同様である。
その他にフェノキシ樹脂、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体、(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体等を含有してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに硬化剤や硬化促進剤を含有することができる。ここで、硬化剤とは、単独で硬化する作用を有するものをいい、硬化促進剤とは、硬化剤とともに用いて反応を促進する作用を有するものをいう。本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いることのできる硬化剤または硬化促進剤としては、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ジシアンジアミドとその誘導体、イミダゾール類とその誘導体、アミン誘導体とホルムアルデヒドの縮合体(尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド)、有機金属錯体、ポリチオール類、オニウム塩類等が挙げられる。
具体的には、脂肪族ポリアミンとしては、ジエチルトリアミン、トリエチレンテトラミン、キシレンジアミン等、脂環式ポリアミンとしては、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン等、芳香族ポリアミンとしては、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。また酸無水物としては、ヘキサハイドロフタル酸無水物、メチルテトラハイドロフタル酸無水物、“アデカハードナー(登録商標)”EH−3326、“アデカハードナー”EH−703、“アデカハードナー”EH−705A(以上、商品名、旭電化工業(株)製)、“エピクロン”B−570、“エピクロン”B−650(以上、商品名、大日本インキ化学(株)製)、“リカシッド(登録商標)”MH−700(商品名、新日本理化(株)製)等が挙げられる。ジシアンジアミドとその誘導体としては、DICY7、DICY15、DICY50(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“アミキュア(登録商標)”AH−154、“アミキュア”AH−162(以上、商品名、味の素ファインテクノ(株)製)等が挙げられる。イミダゾール類とその誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトや、IS−1000、IS−1000D、IM−1000、SP−1000、IA−100A、IA−100P、IA−100F(以上商品名、日鉱マテリアルズ(株)製)等のイミダゾールシラン等が挙げられる。アミン誘導体とホルムアルデヒドの縮合体(尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド)としては、4−クロロ−フェニル−N,N−ジメチル尿素、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素)等が挙げられ、これらは主にジシアンジアミドとその誘導体の硬化促進剤に用いられることが多い。有機金属錯体としては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホニウムトリフェニルボレート等、ポリチオール類としては、脂肪族ポリチオエーテル、脂肪族ポリチオエステル、芳香族環含有ポリチオエーテル等が挙げられる。オニウム塩類としては、スルホニウムやヨードニウム等のオニウム塩が挙げられ、オニウム塩の型をしたジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスフェート、サイラキュアーUVI−6992、サイラキュアーUVI−6974(以上、商品名、ダウ・ケミカル日本(株)製)、アデカオプトマーSP150、アデカオプトマーSP170(以上、商品名、旭電化工業(株)製)、サンエイドSI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−150L(以上、商品名、三新化学工業(株)製)等が挙げられる。
硬化剤・硬化促進剤のうち、あらかじめエポキシ化合物に混合した状態で長時間保存でき、熱・光・圧力・湿気等の刺激を与えると硬化反応を開始する潜在性硬化剤が好ましい。例えば、加熱硬化型潜在性硬化剤、マイクロカプセル型潜在性硬化剤、アミンアダクト型潜在性硬化剤等が挙げられる。加熱硬化型潜在性硬化剤の具体例としては、ジシアンジアミド、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素)が挙げられる。マイクロカプセル型潜在性硬化剤は、コア(芯物質)/シェル(カプセル膜)構造を有する硬化剤である。コアとしては、種々のイミダゾール化合物やトリフェニルホスフィン等、シェルとしては、有機ポリマーや無機化合物等が挙げられる。アミンアダクト型潜在性硬化剤は、イミダゾール化合物、3級アミノ基含有化合物またはヒドラジド化合物をエポキシ化合物やイソシアネート化合物等と反応させて高分子量化したものを微粉砕化したものであり、常温での溶解度が低く、潜在性を示す。具体的には、“アミキュア”PN−23、“アミキュア”PN−40、“アミキュア”MY−24、“アミキュア”MY−H(以上、商品名、味の素ファインテクノ(株)製)、“フジキュア(登録商標)”FXR−1030(商品名、富士化成(株)製)、“アミキュア”VDH、“アミキュア”UDH(以上、商品名、味の素ファインテクノ(株)製)が挙げられる。
本発明においては、熱硬化性樹脂組成物への分散性、硬化性が良好な点から、(e)マイクロカプセル型潜在性硬化剤が好ましい。前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤の中でも、イミダゾール系硬化剤(コア)がポリウレタン樹脂(シェル)で内包されたマイクロカプセル型潜在性硬化剤が、分散性が良好であるため好ましい。また、このようなマイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物の硬化開始温度は80〜120℃であり、アンダーフィル剤として好ましい反応開始温度を有する。具体的には、前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤がエポキシ化合物中に分散された“ノバキュア(登録商標)”HX−3941HP、“ノバキュア”HXA3922HP、“ノバキュア”HXA3932HP、“ノバキュア”HXA3042HP(以上商品名、旭化成ケミカルズ(株)製)が挙げられる。
(e)マイクロカプセル型潜在性硬化剤の含有量は、(a)成分のポリイミド樹脂と(b)成分のエポキシ化合物との総量100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましい。(e)マイクロカプセル型潜在性硬化剤の含有量を0.1重量部以上とすることでエポキシ化合物の硬化を効果的に行い、30重量部以下とすることで硬化物の保存安定性を向上させることができる。
(e)マイクロカプセル型潜在性硬化剤の平均粒子径は5nm〜10μmが好ましく、さらに好ましくは5nm〜5μmである。平均粒子径の測定は、上記の無機微粒子の平均粒子径の測定方法と同様である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに熱架橋剤を含有してもよい。熱架橋剤としては、例えば、エチニル基、ビニル基、メチロール基、メトキシメチロール基等を有する化合物や、ベンゾオキサジン化合物を挙げることができる。
そのほか、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ノニオン性、カチオン性、アニオン性の界面活性剤、多価カルボン酸等の湿潤剤、両親和性物質、高立体障害の置換基を有する樹脂等を含有してもよい。分散時または分散後の系の極性は、溶剤を含有することにより調整することができる。また、必要に応じて、安定化剤、分散剤、沈降防止剤、可塑剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、動的粘弾性測定(昇温速度2℃/分)により得られる粘弾性−温度曲線において、粘度の最低値η*が1.0×102Pa・s以下であり、かつ粘度の最低値を示す温度が80〜120℃であることが好ましい。さらに好ましくは1.0×10Pa・s以下である。特に本発明の熱硬化性樹脂組成物をアンダーフィル剤として使用する場合、一般的な基板温度である80〜120℃の温度範囲内で、粘度の最低値が1.0×102Pa・s以下であると、半導体素子と基板の隙間に速やかに充填することができる。
熱硬化性樹脂組成物の粘度は、平行円板型の測定システムを用いた動的粘弾性測定により求める。平行円板型の場合、両円板の間に試料を満たし、一方の円板を一定の周波数で振動させ、その際に他方の円板に生じるトルクと位相差から剛性率、粘度、tanδを求める。ここでいう粘度とは、測定によって得られる複素粘性率を示し、単位はPa・sである。本発明においては、振幅0.5deg、角周波数3s−1、周波数0.5Hz、測定温度25℃〜170℃、昇温速度2℃/分、N2ガス気流中の条件で測定する。
このような粘度特性を有する熱硬化性樹脂組成物を得るためには、(a)成分のポリイミド樹脂の含有量を適切な範囲に設定し、(b)成分として低粘度特性を有するエポキシ化合物を含有することが好ましい。さらに、硬化剤を用いて硬化反応速度を調節することも好ましい。
(a)成分のポリイミド樹脂と(b)成分のエポキシ化合物との総重量100重量部中、(a)成分のポリイミド樹脂を80重量部以上含有する場合は、25℃、1.013×105N/m2における粘度が200mPa・s未満のエポキシ化合物を1〜40重量部含有することが好ましい。また(a)成分のポリイミド樹脂を30重量部以上80重量部未満含有する場合は、前記のエポキシ化合物を0〜30重量部含有することが好ましい。また(a)成分のポリイミド樹脂を30重量部未満含有する場合は、前記エポキシ化合物を0〜20重量部含有することが好ましい。これにより、前記粘度特性を有する熱硬化性樹脂組成物を、溶剤を用いることなく容易に得ることができる。25℃、1.013×105N/m2における粘度が200mPa・s未満のエポキシ化合物の具体例としては、YED111N、YED122(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、エポライト200E、エポライト400E、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト80MF、エポライト100MF(以上、商品名、共栄社化学(株)製)、GAN、GOT(以上、商品名、日本化薬(株)製)が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物の反応開始温度を50℃付近にするためには、硬化剤として脂肪族系ポリアミンや2級アミン等のアミン類、イミダゾール類が好適に用いられる。また反応開始温度を80〜120℃付近にするためには、2級アミン、3級アミン、芳香族系アミン、マイクロカプセル型潜在性硬化剤が好適に用いられる。さらに120℃を越えて硬化反応を開始させたい場合は、DCMU、DCMU型潜在性硬化剤、DICY(ジシアンジアミド)、DICY型潜在性硬化剤等が好適に用いられる。また、硬化剤を2種以上含有したり、硬化促進剤と組み合わせることにより、硬化速度を調節してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の破壊靱性値K1cは1.5MPa・m1/2以上であることが好ましく、さらに好ましくは2.0MPa・m1/2以上である。破壊靱性値K1cが1.5MPa・m1/2以上であれば、本発明の熱硬化性樹脂組成物をアンダーフィル剤として用いた場合に、半導体素子と基板間の接続信頼性や耐熱衝撃性を高めることができる。
破壊靱性値の測定・算出方法は、ASTMD5045−93[プラスチック材料の平面歪み破壊靱性及び歪みエネルギー解放率](=ISO13586)により規定されている。本発明においては、厚み6mm×幅12mm×長さ52.8mmの試験片に予備クラックを入れ、テンシロン万能試験機(エーアンドデイ(株)製)を用いて、試験温度23℃、クロスヘッド速度10mm/分、エッジスパン間隔48mmで3点曲げ試験を行い、最大破壊荷重から破壊靱性値K1cを求める。K1cの値を求める式は次の式で表され、単位はMPa・m1/2である。
K1c=PmaxSf(a/W)/BW3/2
ただし、Pmaxは最大破壊荷重[kN]、Sはスパン間距離(治具ローラー間距離)[cm]、aはき裂長さ[cm]、W=試験片幅[cm]、B=試験片厚さ[cm]である。またf(a/W)は、a/W=X、S/W=4.0とし、f(X)は次の式で求められる。
K1c=PmaxSf(a/W)/BW3/2
ただし、Pmaxは最大破壊荷重[kN]、Sはスパン間距離(治具ローラー間距離)[cm]、aはき裂長さ[cm]、W=試験片幅[cm]、B=試験片厚さ[cm]である。またf(a/W)は、a/W=X、S/W=4.0とし、f(X)は次の式で求められる。
このような破壊靱性値を有する熱硬化性樹脂組成物を得るためには、例えば、(a)成分のポリイミド樹脂の重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。より好ましくは20000以上である。さらに、前記の粘度特性を失わない範囲で、ビスフェノール構造を有するエポキシ化合物やフェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類のグリシジルエーテル型のエポキシ化合物、ナフタレン含有型エポキシ化合物を含有することによっても、破壊靱性値を高くすることができる。特にビスフェノール骨格は強靱性を付与するため好ましい。ビスフェノール型エポキシ化合物の具体例としては、エピコート807、エピコート828(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、エポライト3002(商品名、共栄社化学(株)製)等が挙げられる。その他に、ガラス転移温度を高くし、耐熱性と強靱性をより高いレベルで両立するためには、芳香環を有するグリシジルアミン型エポキシ化合物、特に芳香族系のグリシジルアミン型エポキシ化合物が好適である。このような芳香族系グリシジルアミン型エポキシ化合物の具体例としては、“jER”604、“jER”630(以上、商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、組成物の粘度を調節したり、塗布性を向上する目的で、有機溶剤を含有することもできる。有機溶剤の好ましい含有量は、熱硬化性樹脂組成物中0.1〜10重量%である。本発明で用いられる有機溶剤は、前記成分を溶解するものを適宜選択すればよく、例えば、ケトン系溶剤のアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エーテル系溶剤の1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、グリコールエーテル系溶剤のメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、その他ベンジルアルコール、プロパノール、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。特に大気圧下沸点が120℃以下であるものを用いると、低温、短時間で脱溶媒化できるため好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、(a)成分のポリイミド樹脂と(b)成分のエポキシ化合物を混合し、分散および溶解することによって得ることができる。分散方法は特に限定されず、例えば超音波分散、超音波分散、ボールミル、ロールミル、ニーダー、クレアミックス、ホモジナイザー、メディア分散機等の方法を挙げることができる。(a)成分の溶解には、25℃〜40℃で撹拌することが好ましい。目的に応じて増粘させる場合、もしくは樹脂の溶解速度を向上し、速やかに溶解させたい場合は40℃を越えて撹拌することが好ましい。(b)以外のエポキシ成分、有機/無機微粒子、硬化剤、硬化促進剤等を含有する場合は、前記の(b)成分のエポキシ化合物と同様にして混合することができるが、溶解性向上の点から、(a)成分のポリイミド樹脂と(b)成分のエポキシ化合物を混合した後で添加し、分散することが好ましい。また、硬化促進剤を予め(b)成分のエポキシ化合物に分散、溶解させてもよい。無機微粒子または有機微粒子を含有する場合、分散方法は特に限定されず、(b)成分の分散方法として挙げた方法を用いることができるが、特に、分散性の点でボールミル、ホモジナイザーを用いることが好ましい。
無機微粒子の分散性を向上させるために、例えば、無機微粒子に表面処理を施したり、分散剤や界面活性剤、溶剤を添加してもよい。無機微粒子の表面処理としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系等の各種カップリング剤、脂肪酸、リン酸エステル等による処理のほか、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理等が挙げられる。また、分散剤の例としては、リン酸、カルボン酸、脂肪酸、およびそれらのエステル類等の酸基を有する分散剤等が挙げられ、特に、無機微粒子表面の水酸基と反応し、粒子表面を覆うことができることから、リン酸化合物が好ましく用いられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、半導体素子と基板を接合するための接着剤(アンダーフィル剤)として好適に用いられる。その他にも、本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られる膜は、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、回路基板の配線保護絶縁膜等の用途に用いられる。
本発明のアンダーフィル剤の充填方法としては、半導体素子と基板の空隙にアンダーフィル剤を滴下する方法等が一般的であり、その他ディスペンサー法や印刷法で塗布する方法が挙げられる。また塗布後のアンダーフィル剤の充填速度は好ましくは0.5cm/分以上、より好ましくは1.0cm/分以上である。
本発明のアンダーフィル剤を半導体素子と基板の空隙に充填し、加熱、硬化させる。アンダーフィル剤の加熱、硬化条件としては、通常は室温以上280℃以下の温度で0.5分間〜10時間の処理を行うが、他の電子部品等の損傷防止およびラインタクト短縮のために、低温硬化性および短時間化が望ましい。本発明のアンダーフィル剤の硬化条件は130℃〜180℃の温度範囲で30分間〜5時間が好ましい。これ以外の硬化条件としては50〜150℃の低温から中温で1〜100時間硬化する方法や、180℃〜250℃の高温で1秒〜3時間硬化する方法も挙げられ、また予備加熱として60〜130℃の低温〜中温で1分〜1時間行ってもよい。
本発明のアンダーフィル剤を用いた半導体装置において、アンダーフィル剤は半導体素子と基板間に位置する。半導体装置の好ましい製造例としては、バンプを有する基板素子を、配線基板表面と接合させ、接合と同時、または接合後にアンダーフィル剤を半導体素子と基板間の空隙に充填し、熱硬化して半導体素子と基板が固着された半導体装置を得る方法が挙げられる。その他にアンダーフィル剤を先に補給する製造例としては、まず配線基板表面にアンダーフィル剤をディスペンサー法または印刷法等で塗布し、その後バンプを有する半導体素子を基板と接合させ、接合と同時、または接合後にアンダーフィル剤を熱硬化して半導体素子と基板が固着された半導体装置を得る方法が挙げられる。
以下実施例および技術をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中の測定、評価は以下の方法により行った。
(1)ポリイミド樹脂のイミド化率の測定
6インチのシリコンウエハ上に、ポリイミド樹脂の固形分濃度50重量%のN−メチルピロリドン(NMP)溶液をスピンコート法で塗布し、次いで120℃のホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SKW−636)で3分間ベークし、厚さ10μm±1μmのプリベーク膜を作製した。この膜を半分に割り、片方をイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製INH−21CD)に投入し、350℃の硬化温度まで30分間かけて上昇させ、350℃で60分間加熱処理を行った。その後、オーブン内が50℃以下になるまで徐冷し、硬化膜(以下、「キュア膜」とする)を得た。得られたキュア膜(A)とキュア前膜(B)について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(堀場製作所(株)製)を用いて赤外吸収スペクトルを測定した。イミド環のC−N伸縮振動による1377cm−1付近のピーク強度を求め、キュア膜(A)のピーク強度/キュア前膜(B)のピーク強度の比をイミド化率とした。
6インチのシリコンウエハ上に、ポリイミド樹脂の固形分濃度50重量%のN−メチルピロリドン(NMP)溶液をスピンコート法で塗布し、次いで120℃のホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SKW−636)で3分間ベークし、厚さ10μm±1μmのプリベーク膜を作製した。この膜を半分に割り、片方をイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製INH−21CD)に投入し、350℃の硬化温度まで30分間かけて上昇させ、350℃で60分間加熱処理を行った。その後、オーブン内が50℃以下になるまで徐冷し、硬化膜(以下、「キュア膜」とする)を得た。得られたキュア膜(A)とキュア前膜(B)について、フーリエ変換赤外分光光度計FT−720(堀場製作所(株)製)を用いて赤外吸収スペクトルを測定した。イミド環のC−N伸縮振動による1377cm−1付近のピーク強度を求め、キュア膜(A)のピーク強度/キュア前膜(B)のピーク強度の比をイミド化率とした。
(2)ポリイミド樹脂の分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、システムコントローラーWaters 2690(ウォーターズ(株)製)を用いて、NMP(LiCl(0.05mol/L))/H3PO4(0.05mol/L)=10/1の展開溶媒を0.4mL/分の条件で用いてポリイミド樹脂の分子量を測定し、標準ポリスチレンの校正曲線を用いて重量平均分子量(Mw)を算出した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、システムコントローラーWaters 2690(ウォーターズ(株)製)を用いて、NMP(LiCl(0.05mol/L))/H3PO4(0.05mol/L)=10/1の展開溶媒を0.4mL/分の条件で用いてポリイミド樹脂の分子量を測定し、標準ポリスチレンの校正曲線を用いて重量平均分子量(Mw)を算出した。
(3)溶解性の評価
熱硬化性樹脂組成物をガラス製のスクリュー管に入れ3時間放置して、目視で状態を観察した。不溶のポリイミド樹脂の残査が認められず、組成物色に濁りが認められなかったものを○と評価し、不溶のポリイミド樹脂の残査が認められるものや、組成物色に濁りを確認されたものを×と評価した。
熱硬化性樹脂組成物をガラス製のスクリュー管に入れ3時間放置して、目視で状態を観察した。不溶のポリイミド樹脂の残査が認められず、組成物色に濁りが認められなかったものを○と評価し、不溶のポリイミド樹脂の残査が認められるものや、組成物色に濁りを確認されたものを×と評価した。
(4)ガラス転移温度の測定
熱硬化性樹脂組成物にNMPを固形分濃度70重量%になるように加えて溶液を作製した後、スピンコート法で塗布し、次いで120℃のホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SKW−636)で3分間ベークし、厚さ10μm±1μmのプリベーク膜を作製した。この膜をイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製INH−21CD)に投入し、170℃の硬化温度まで30分間かけて上昇させ、170℃で120分間加熱処理を行った。その後、オーブン内が50℃以下になるまで徐冷し、キュア膜を得た。次に得られたシリコンウエハ上のキュア膜を47%フッ化水素酸に室温で7分間浸した後、水道水で洗浄し、破れないように慎重にシリコンウエハから剥離した。
熱硬化性樹脂組成物にNMPを固形分濃度70重量%になるように加えて溶液を作製した後、スピンコート法で塗布し、次いで120℃のホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製SKW−636)で3分間ベークし、厚さ10μm±1μmのプリベーク膜を作製した。この膜をイナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製INH−21CD)に投入し、170℃の硬化温度まで30分間かけて上昇させ、170℃で120分間加熱処理を行った。その後、オーブン内が50℃以下になるまで徐冷し、キュア膜を得た。次に得られたシリコンウエハ上のキュア膜を47%フッ化水素酸に室温で7分間浸した後、水道水で洗浄し、破れないように慎重にシリコンウエハから剥離した。
上記の方法で得られたキュア膜10mgをアルミニウムセルに入れ、シールしたものを測定用サンプルとした。示差走査熱量計DSC−50(島津製作所(株)製)を用いて、窒素流量20ml/分の条件で、昇温速度5℃/分で300℃まで昇温し、アニール処理した後、冷却し、昇温速度20℃/分で再び30℃〜300℃の温度範囲で測定を行った。dDSC/dtの極小点における温度をガラス転移温度とした。
(5)硬化開始温度の測定
上記の方法で得られたキュア膜10mgをアルミニウムセルに入れ、シールしたものを測定用サンプルとした。示差走査熱量計DSC−50(島津製作所(株)製)を用いて、窒素流量20ml/分の条件で、昇温速度5℃/分、20℃〜250℃の温度範囲で熱量の測定を行った。得られたチャートを用いて硬化開始温度を次のようにして求めた。例えば、図1は、実施例11の熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線である。図1において、DSC曲線1は、40〜85℃の温度範囲に認められる直線部分L1、立ち上がり後ピークPに到達するまでに認められる直線部分L2を有する。L1の延長線である直線2と、L2の延長線である直線3との交点4を熱硬化性樹脂組成物の硬化開始温度とした。
上記の方法で得られたキュア膜10mgをアルミニウムセルに入れ、シールしたものを測定用サンプルとした。示差走査熱量計DSC−50(島津製作所(株)製)を用いて、窒素流量20ml/分の条件で、昇温速度5℃/分、20℃〜250℃の温度範囲で熱量の測定を行った。得られたチャートを用いて硬化開始温度を次のようにして求めた。例えば、図1は、実施例11の熱硬化性樹脂組成物のDSC曲線である。図1において、DSC曲線1は、40〜85℃の温度範囲に認められる直線部分L1、立ち上がり後ピークPに到達するまでに認められる直線部分L2を有する。L1の延長線である直線2と、L2の延長線である直線3との交点4を熱硬化性樹脂組成物の硬化開始温度とした。
(6)平均熱線膨張係数の測定
上記(4)に記載の方法で得られたキュア膜を3mm×17mmに切り出し、熱機械分析装置SS−6100(セイコーインスツルメント(株)製)を用いて、引っ張りモード、温度範囲25〜170℃、昇温速度5℃/分、初期荷重0.5g、チャック間15mmの条件でキュア膜の伸びを測定した。得られた測定結果から下記の計算式を用いて25〜170℃の平均熱線膨張係数を算出した。ここでL25は25℃でのサンプル長、L160は170℃でのサンプル長である。
平均熱線膨張係数=(1/L25)[(L170−L25)/(170−25)] 。
上記(4)に記載の方法で得られたキュア膜を3mm×17mmに切り出し、熱機械分析装置SS−6100(セイコーインスツルメント(株)製)を用いて、引っ張りモード、温度範囲25〜170℃、昇温速度5℃/分、初期荷重0.5g、チャック間15mmの条件でキュア膜の伸びを測定した。得られた測定結果から下記の計算式を用いて25〜170℃の平均熱線膨張係数を算出した。ここでL25は25℃でのサンプル長、L160は170℃でのサンプル長である。
平均熱線膨張係数=(1/L25)[(L170−L25)/(170−25)] 。
(7)粘度特性の測定
直径25mmの円板型アルミニウム製ディスポーザブルパラレルプレート二枚の間隔が0.5mmになるように熱硬化性樹脂組成物を二枚の平行円板の間に充填し、ついでMR−3000ソリキッドメータ(レオロジ(株)製)にて昇温速度2℃/分、角周波数3s−1(周波数は0.5Hz)の条件で、25〜170℃における粘弾性−温度曲線を測定した。
直径25mmの円板型アルミニウム製ディスポーザブルパラレルプレート二枚の間隔が0.5mmになるように熱硬化性樹脂組成物を二枚の平行円板の間に充填し、ついでMR−3000ソリキッドメータ(レオロジ(株)製)にて昇温速度2℃/分、角周波数3s−1(周波数は0.5Hz)の条件で、25〜170℃における粘弾性−温度曲線を測定した。
(8)破壊靱性値の測定
ASTM D5045に準じて破壊靱性値K1cの測定を行った。すなわち、熱硬化性樹脂組成物をテフロン(登録商標)製の鋳型に流し込み、イナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製INH−21CD)に投入し、170℃の硬化温度まで30分間かけて上昇させ、170℃で120分間加熱処理を行った。その後、オーブン内が50℃以下になるまで徐冷し、樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物をオートカッターで切り出し、厚み6mm×幅12mm×長さ52.8mmの試験片を得た後、さらに予備クラックを入れ、テンシロン万能試験機(エーアンドデイ(株)製)を用いて、温度23℃、クロスヘッド速度10mm/分、エッジスパン間隔48mmの条件で3点曲げ試験を行い、測定した最大破壊荷重から、破壊靱性値K1c(MPa・m1/2)の値を求めた。K1cの値を求める式は次の式で表される。
K1c=PmaxSf(a/W)/BW3/2
ただし、Pmaxは最大破壊荷重[kN]、Sはスパン間距離(治具ローラー間距離)[cm]、aはき裂長さ[cm]、W=試験片幅[cm]、B=試験片厚さ[cm]である。またf(a/W)は、a/W=X、S/W=4.0とし、f(X)は次の式で求められる。
ASTM D5045に準じて破壊靱性値K1cの測定を行った。すなわち、熱硬化性樹脂組成物をテフロン(登録商標)製の鋳型に流し込み、イナートオーブン(光洋サーモシステム(株)製INH−21CD)に投入し、170℃の硬化温度まで30分間かけて上昇させ、170℃で120分間加熱処理を行った。その後、オーブン内が50℃以下になるまで徐冷し、樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物をオートカッターで切り出し、厚み6mm×幅12mm×長さ52.8mmの試験片を得た後、さらに予備クラックを入れ、テンシロン万能試験機(エーアンドデイ(株)製)を用いて、温度23℃、クロスヘッド速度10mm/分、エッジスパン間隔48mmの条件で3点曲げ試験を行い、測定した最大破壊荷重から、破壊靱性値K1c(MPa・m1/2)の値を求めた。K1cの値を求める式は次の式で表される。
K1c=PmaxSf(a/W)/BW3/2
ただし、Pmaxは最大破壊荷重[kN]、Sはスパン間距離(治具ローラー間距離)[cm]、aはき裂長さ[cm]、W=試験片幅[cm]、B=試験片厚さ[cm]である。またf(a/W)は、a/W=X、S/W=4.0とし、f(X)は次の式で求められる。
(9)ボイド評価
銅回路が形成されたポリイミド基板と、該基板上に搭載された半導体素子との空隙に、熱硬化性樹脂組成物を充填し、その後170℃で1時間加熱処理して熱硬化性樹脂組成物を硬化させた。直径3μm以上のボイドの有無を半導体検査装置C−SAM(SONIX(株)製)を用いて調べた。測定範囲は3mm×3mmとした。
銅回路が形成されたポリイミド基板と、該基板上に搭載された半導体素子との空隙に、熱硬化性樹脂組成物を充填し、その後170℃で1時間加熱処理して熱硬化性樹脂組成物を硬化させた。直径3μm以上のボイドの有無を半導体検査装置C−SAM(SONIX(株)製)を用いて調べた。測定範囲は3mm×3mmとした。
合成例1 ポリイミド樹脂Aの合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下、BAHFとする)30.95g(0.085モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(以下、SiDAとする)1.24g(0.005モル)、末端封止剤として、3−アミノフェノール(以下、3−Aphとする)2.18g(0.02モル)をN−メチルピロリドン(以下、NMPとする)80gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(以下、ODPAとする)31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸させながら、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Xがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Aを得た。得られたポリイミド樹脂Aの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド樹脂Aの重量平均分子量は28000、イミド化率は99.5%であった。
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下、BAHFとする)30.95g(0.085モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(以下、SiDAとする)1.24g(0.005モル)、末端封止剤として、3−アミノフェノール(以下、3−Aphとする)2.18g(0.02モル)をN−メチルピロリドン(以下、NMPとする)80gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(以下、ODPAとする)31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸させながら、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Xがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Aを得た。得られたポリイミド樹脂Aの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド樹脂Aの重量平均分子量は28000、イミド化率は99.5%であった。
合成例2 ポリイミド樹脂Bの合成
乾燥窒素気流下、BAHF29.3g(0.08モル)、SiDA4.97g(0.02モル)をNMP130gに溶解させた。ここにODPA28.54g(0.092モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤として4−ヒドロキシフタル酸無水物3.28g(0.02モル)を加え、50℃で2時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸させながら、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(3)で表される構造と一般式(4)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Yがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Bを得た。得られたポリイミド樹脂Bの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド樹脂Bの重量平均分子量は25000、イミド化率は99.5%であった。
乾燥窒素気流下、BAHF29.3g(0.08モル)、SiDA4.97g(0.02モル)をNMP130gに溶解させた。ここにODPA28.54g(0.092モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤として4−ヒドロキシフタル酸無水物3.28g(0.02モル)を加え、50℃で2時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸させながら、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(3)で表される構造と一般式(4)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Yがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Bを得た。得られたポリイミド樹脂Bの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド樹脂Bの重量平均分子量は25000、イミド化率は99.5%であった。
合成例3 ポリイミドCの合成
乾燥窒素気流下、BAHF29.3g(0.08モル)、SiDA4.97g(0.02モル)をNMP130gに溶解させた。ここにODPA28.54g(0.092モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤として4−アミノフタル酸無水物3.86g(0.02モル)を加え、50℃で2時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸させながら、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(3)で表される構造と一般式(4)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Yがアミノ基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Cを得た。得られたポリイミド樹脂Cの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミドCの重量平均分子量は20000、イミド化率は99.5%であった。
乾燥窒素気流下、BAHF29.3g(0.08モル)、SiDA4.97g(0.02モル)をNMP130gに溶解させた。ここにODPA28.54g(0.092モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤として4−アミノフタル酸無水物3.86g(0.02モル)を加え、50℃で2時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸させながら、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(3)で表される構造と一般式(4)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Yがアミノ基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Cを得た。得られたポリイミド樹脂Cの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミドCの重量平均分子量は20000、イミド化率は99.5%であった。
合成例4 ポリイミドDの合成
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(以下、ABPSとする)23.69g(0.085モル)、SiDA1.24g(0.005モル)をNMP130gに溶解させた。ここにODPA31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤として3−Aph2.18g(0.02モル)を加え、50℃で2時間撹拌後、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Xがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Dを得た。得られたポリイミド樹脂Dの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミドDの重量平均分子量は20000、イミド化率は99.5%であった。
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(以下、ABPSとする)23.69g(0.085モル)、SiDA1.24g(0.005モル)をNMP130gに溶解させた。ここにODPA31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤として3−Aph2.18g(0.02モル)を加え、50℃で2時間撹拌後、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Xがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Dを得た。得られたポリイミド樹脂Dの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミドDの重量平均分子量は20000、イミド化率は99.5%であった。
合成例5 ポリイミド樹脂Eの合成
乾燥窒素気流下、BAHF18.31g(0.05モル)、SiDA7.46g(0.03モル)、末端封止剤として、3−Aph4.37g(0.04モル)をNMP150gに溶解させた。ここに2,2−ビス(4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物(以下、BSAAとする)52g(0.1モル)をNMP30gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Xがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Eを得た。得られたポリイミド樹脂Eの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミドEの重量平均分子量は40000、イミド化率は99.5%であった。
乾燥窒素気流下、BAHF18.31g(0.05モル)、SiDA7.46g(0.03モル)、末端封止剤として、3−Aph4.37g(0.04モル)をNMP150gに溶解させた。ここに2,2−ビス(4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物(以下、BSAAとする)52g(0.1モル)をNMP30gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Xがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Eを得た。得られたポリイミド樹脂Eの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミドEの重量平均分子量は40000、イミド化率は99.5%であった。
合成例6 ポリイミドFの合成
乾燥窒素気流下、BAHF14.65g(0.04モル)、SiDA9.96g(0.04モル)をNMP130gに溶解させた。ここに2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(以下、6FDAとする)44.42g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤として3−Aph3.27g(0.03モル)を加え、50℃で2時間撹拌後、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Xがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Fを得た。得られたポリイミド樹脂Fの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミドFの重量平均分子量は20000、イミド化率は99.5%であった。
乾燥窒素気流下、BAHF14.65g(0.04モル)、SiDA9.96g(0.04モル)をNMP130gに溶解させた。ここに2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(以下、6FDAとする)44.42g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤として3−Aph3.27g(0.03モル)を加え、50℃で2時間撹拌後、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、一般式(1)で表される構造と一般式(2)で表される構造の1:1混合物であって、R4がフェノール性水酸基、Xがフェノール性水酸基を有する1価の有機基である、エポキシ基と反応可能な官能基を有するポリイミド樹脂Fを得た。得られたポリイミド樹脂Fの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミドFの重量平均分子量は20000、イミド化率は99.5%であった。
合成例7 ポリイミドGの合成
乾燥窒素気流下、3,3’−(m−フェニレンジオキシ)ジアニリン(以下、APBNとする)24.69g(0.08モル)、SiDA1.24g(0.005モル)をNMP80gに溶解させた。ここにODPA31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤としてアニリン1.86g(0.02モル)を加え、50℃で2時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンと共に共沸させながら、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、エポキシ基と反応可能な官能基を有さないポリイミド樹脂Gを得た。得られたポリイミド樹脂Gの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド樹脂Gの重量平均分子量は37000、イミド化率は99.0%であった。
乾燥窒素気流下、3,3’−(m−フェニレンジオキシ)ジアニリン(以下、APBNとする)24.69g(0.08モル)、SiDA1.24g(0.005モル)をNMP80gに溶解させた。ここにODPA31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌した。ここに末端封止剤としてアニリン1.86g(0.02モル)を加え、50℃で2時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンと共に共沸させながら、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、エポキシ基と反応可能な官能基を有さないポリイミド樹脂Gを得た。得られたポリイミド樹脂Gの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド樹脂Gの重量平均分子量は37000、イミド化率は99.0%であった。
合成例8 ポリイミド樹脂Hの合成
乾燥窒素気流下、重合溶媒として1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタンを最終の重量固形分濃度が50重量%となるように仕込み、これにジアミンとしてポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)(ポレアSL100A、商品名、イハラケミカル(株)製:平均分子量1238、理論値)59.5g(0.05モル:理論値)および4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)11.17g(0.045モル)を入れて完全に溶解した。この溶液中に2,2’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物49.4g(0.095モル)をNMP20gとともに加えて、室温で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌後、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、下記式(5)と(6)で表される構造を有する、エポキシ基と反応可能な官能基を有さないポリイミド樹脂Hを得た。得られたポリイミド樹脂Iの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド樹脂Hの重量平均分子量は37000、イミド化率は89.5%であった。下記式(5)〜(6)中、mは30〜29、n/m=0.9である。
乾燥窒素気流下、重合溶媒として1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタンを最終の重量固形分濃度が50重量%となるように仕込み、これにジアミンとしてポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)(ポレアSL100A、商品名、イハラケミカル(株)製:平均分子量1238、理論値)59.5g(0.05モル:理論値)および4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)11.17g(0.045モル)を入れて完全に溶解した。この溶液中に2,2’−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物49.4g(0.095モル)をNMP20gとともに加えて、室温で1時間撹拌し、次いで50℃で2時間撹拌後、180℃で5時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥し、下記式(5)と(6)で表される構造を有する、エポキシ基と反応可能な官能基を有さないポリイミド樹脂Hを得た。得られたポリイミド樹脂Iの赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。ポリイミド樹脂Hの重量平均分子量は37000、イミド化率は89.5%であった。下記式(5)〜(6)中、mは30〜29、n/m=0.9である。
各実施例および比較例で使用した原料を以下に示す。
ポリイミド樹脂
ポリイミドI:ウルテム(ULTEM)オリゴマー(商品名、GE Plastics(株)製、Mn=2800、側鎖にエポキシと反応可能な官能基を有さないポリイミドオリゴマー(23%化学量論過剰酸二無水物)) 。
ポリイミドI:ウルテム(ULTEM)オリゴマー(商品名、GE Plastics(株)製、Mn=2800、側鎖にエポキシと反応可能な官能基を有さないポリイミドオリゴマー(23%化学量論過剰酸二無水物)) 。
(b)SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であるエポキシ化合物
YED216M(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量148g/eq、SP値=8.25(cal/cm3)1/2=1.69×104(J/m3)1/2
デナコール−EX−214L(商品名、ナガセケムテックス(株)製):1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量1200g/eq、SP値=8.79(cal/cm3)1/2=1.80×104(J/m3)1/2
1,2−エポキシペンタン(商品名、東京化成工業(株)製):エポキシ当量86g/eq、SP値=7.19(cal/cm3)1/2=1.47×104(J/m3)1/2
リカレジンDME−100(商品名、新日本理化(株)製):シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、エポキシ当量158g/eq、SP値=8.67(cal/cm3)1/2=1.77×104(J/m3)1/2 。
YED216M(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量148g/eq、SP値=8.25(cal/cm3)1/2=1.69×104(J/m3)1/2
デナコール−EX−214L(商品名、ナガセケムテックス(株)製):1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ当量1200g/eq、SP値=8.79(cal/cm3)1/2=1.80×104(J/m3)1/2
1,2−エポキシペンタン(商品名、東京化成工業(株)製):エポキシ当量86g/eq、SP値=7.19(cal/cm3)1/2=1.47×104(J/m3)1/2
リカレジンDME−100(商品名、新日本理化(株)製):シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、エポキシ当量158g/eq、SP値=8.67(cal/cm3)1/2=1.77×104(J/m3)1/2 。
(b)以外のエポキシ化合物
エピコート807(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):エポキシ当量169g/eq、SP値=11.47(cal/cm3)1/2=2.35×104(J/m3)1/2
エピコート828(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):エポキシ当量187g/eq、SP値=12.31(cal/cm3)1/2=2.52×104(J/m3)1/2
YED122(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):オルソセカンダリーブチルフェニルグリシジルエーテル、SP値=9.12(cal/cm3)1/2=1.87×104(J/m3)1/2
GOT(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):ジグリシジルオルソトルイジン、エポキシ当量、102.5g/eq、SP値=10.65(cal/cm3)1/2=2.18×104(J/m3)1/2
エピコート157S70(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):ビスフェノールA型ノボラックエポキシ化合物、エポキシ当量210g/eq、SP値=9.24(cal/cm3)1/2=1.91×104(J/m3)1/2
エピクロンHP−7200H(商品名、DIC(株)製):ジシクロペンタンジエン型エポキシ化合物、エポキシ当量280g/eq、SP値=9.34(cal/cm3)1/2=1.91×104(J/m3)1/2
RSL−1462(商品名、Shell Chemical Company(株)製):ビスフェノールA/エピクロロヒドリン系エポキシ樹脂、エポキシ当量不明、SP値=11.47(cal/cm3)1/2=2.35×104(J/m3)1/2
1,2−エポキシプロパン(商品名、和光純薬工業(株)製):SP値=6.61(cal/cm3)1/2=1.35×104(J/m3)1/2 。
エピコート807(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):エポキシ当量169g/eq、SP値=11.47(cal/cm3)1/2=2.35×104(J/m3)1/2
エピコート828(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):エポキシ当量187g/eq、SP値=12.31(cal/cm3)1/2=2.52×104(J/m3)1/2
YED122(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):オルソセカンダリーブチルフェニルグリシジルエーテル、SP値=9.12(cal/cm3)1/2=1.87×104(J/m3)1/2
GOT(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):ジグリシジルオルソトルイジン、エポキシ当量、102.5g/eq、SP値=10.65(cal/cm3)1/2=2.18×104(J/m3)1/2
エピコート157S70(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):ビスフェノールA型ノボラックエポキシ化合物、エポキシ当量210g/eq、SP値=9.24(cal/cm3)1/2=1.91×104(J/m3)1/2
エピクロンHP−7200H(商品名、DIC(株)製):ジシクロペンタンジエン型エポキシ化合物、エポキシ当量280g/eq、SP値=9.34(cal/cm3)1/2=1.91×104(J/m3)1/2
RSL−1462(商品名、Shell Chemical Company(株)製):ビスフェノールA/エピクロロヒドリン系エポキシ樹脂、エポキシ当量不明、SP値=11.47(cal/cm3)1/2=2.35×104(J/m3)1/2
1,2−エポキシプロパン(商品名、和光純薬工業(株)製):SP値=6.61(cal/cm3)1/2=1.35×104(J/m3)1/2 。
エポキシ以外の化合物
POX(略号)=OXT−211(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン
OXIPA(略号)=“エタナコール”OXIPA(商品名、宇部興産(株)製) 。
POX(略号)=OXT−211(商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製):3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン
OXIPA(略号)=“エタナコール”OXIPA(商品名、宇部興産(株)製) 。
硬化剤および硬化促進剤
潜在性硬化剤A:ノバキュアHXA−3932HP(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂53重量%、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂14重量%、アミノカプセル化されたアミン系硬化剤33重量%の混合物)ただし、表1〜2にはアミノカプセル化されたアミン系硬化剤の含有量に換算した重量部を記載した。
硬化剤B:芳香族ジアミン(4,4’−ジアミノジフェニルスルホンと3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの1対1混合物(和光純薬工業(株)製))
硬化促進剤C:2PZ(2−フェニルイミダゾール)(商品名、四国化成工業(株)製、非水溶性) 。
潜在性硬化剤A:ノバキュアHXA−3932HP(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂53重量%、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂14重量%、アミノカプセル化されたアミン系硬化剤33重量%の混合物)ただし、表1〜2にはアミノカプセル化されたアミン系硬化剤の含有量に換算した重量部を記載した。
硬化剤B:芳香族ジアミン(4,4’−ジアミノジフェニルスルホンと3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの1対1混合物(和光純薬工業(株)製))
硬化促進剤C:2PZ(2−フェニルイミダゾール)(商品名、四国化成工業(株)製、非水溶性) 。
無機微粒子および有機微粒子
球状シリカ微粒子A:アドマファインSO−E2(商品名、アドマテックス(株)製)シリカ微粒子、平均粒子径0.5μm
球状シリカ微粒子B:アエロジル380(商品名、日本アエロジル(株)製)シリカ微粒子、平均粒子径0.3μm
スチレン微粒子:ガンツパール(商品名、ガンツ化成(株)製)ポリスチレン系有機微粒子、平均粒子径2.5μm
窒化アルミニウム粉末:トクヤマ(株)製、平均粒子径1.3μm 。
球状シリカ微粒子A:アドマファインSO−E2(商品名、アドマテックス(株)製)シリカ微粒子、平均粒子径0.5μm
球状シリカ微粒子B:アエロジル380(商品名、日本アエロジル(株)製)シリカ微粒子、平均粒子径0.3μm
スチレン微粒子:ガンツパール(商品名、ガンツ化成(株)製)ポリスチレン系有機微粒子、平均粒子径2.5μm
窒化アルミニウム粉末:トクヤマ(株)製、平均粒子径1.3μm 。
溶剤
溶剤A:NMP
溶剤B:メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)
溶剤C:1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン(和光純薬工業(株)製)) 。
溶剤A:NMP
溶剤B:メチルエチルケトン(和光純薬工業(株)製)
溶剤C:1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン(和光純薬工業(株)製)) 。
実施例1
合成例2で得られたポリイミド樹脂B15g、YED216M 15gを遊星式撹拌脱泡機(マゼルスター(クラボウ製))を用いて25℃で60分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物B−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物B−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を、前記方法により測定および評価した。
合成例2で得られたポリイミド樹脂B15g、YED216M 15gを遊星式撹拌脱泡機(マゼルスター(クラボウ製))を用いて25℃で60分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物B−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物B−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を、前記方法により測定および評価した。
実施例2
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例3で得られたポリイミド樹脂C15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物C−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物C−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例3で得られたポリイミド樹脂C15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物C−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物C−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。
実施例3
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例4で得られたポリイミド樹脂D15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物D−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物D−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例4で得られたポリイミド樹脂D15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物D−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物D−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。
実施例4
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例5で得られたポリイミド樹脂E15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物E−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物E−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例5で得られたポリイミド樹脂E15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物E−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物E−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。
実施例5
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例6で得られたポリイミド樹脂F15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物F−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物F−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例6で得られたポリイミド樹脂F15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物F−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物F−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。
実施例6
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例1で得られたポリイミド樹脂A15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物A−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。さらに平均熱線膨張係数を測定したところ、70PPM/Kであった。
ポリイミド樹脂B15gに代えて合成例1で得られたポリイミド樹脂A15gを用いた以外は実施例1と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物A−1の溶解性、ガラス転移温度、粘度特性、硬化開始温度、破壊靱性値、ボイドの有無を前記方法により測定および評価した。さらに平均熱線膨張係数を測定したところ、70PPM/Kであった。
実施例7
実施例6で得られた熱硬化性樹脂組成物A−1に、潜在性硬化剤A4.5gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−2を得、実施例1と同様に評価した。さらに平均熱線膨張係数を測定したところ、70PPM/Kであった。
実施例6で得られた熱硬化性樹脂組成物A−1に、潜在性硬化剤A4.5gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−2を得、実施例1と同様に評価した。さらに平均熱線膨張係数を測定したところ、70PPM/Kであった。
実施例8
YED216M15gに代えてEX−214L15gを用いた以外は実施例7と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−3を得、実施例1と同様に評価した。
YED216M15gに代えてEX−214L15gを用いた以外は実施例7と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−3を得、実施例1と同様に評価した。
実施例9
YED216M15gに代えて1,2−エポキシペンタン15gを用いた以外は実施例7と同様にして熱硬化性樹脂組成物A−4を得、実施例1と同様に評価した。
YED216M15gに代えて1,2−エポキシペンタン15gを用いた以外は実施例7と同様にして熱硬化性樹脂組成物A−4を得、実施例1と同様に評価した。
実施例10
合成例1で得られたポリイミド樹脂A15g、リカレジンDME−100 15gを60℃に設定したオイルバス中180分間撹拌して溶解させ、室温まで冷却後にさらに潜在性硬化剤A4.5gを実施例7と同様に溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−5を得た。実施例1と同様に評価した。
合成例1で得られたポリイミド樹脂A15g、リカレジンDME−100 15gを60℃に設定したオイルバス中180分間撹拌して溶解させ、室温まで冷却後にさらに潜在性硬化剤A4.5gを実施例7と同様に溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−5を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例11
実施例7で得られる熱硬化性樹脂組成物A−2に、さらに(b)以外のエポキシ樹脂エピコート807 12gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−6を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例7で得られる熱硬化性樹脂組成物A−2に、さらに(b)以外のエポキシ樹脂エピコート807 12gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−6を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例12
エピコート807 12gに代えてエピコート828 12gを用いた以外は実施例11と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−7を得、実施例1と同様に評価した。
エピコート807 12gに代えてエピコート828 12gを用いた以外は実施例11と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−7を得、実施例1と同様に評価した。
実施例13
実施例11で得られる熱硬化性樹脂組成物A−6に、さらに(b)以外のエポキシ樹脂YED122 4.5gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−8を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例11で得られる熱硬化性樹脂組成物A−6に、さらに(b)以外のエポキシ樹脂YED122 4.5gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−8を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例14
YED122 4.5gに代えてGOT4.5gを用いた以外は実施例13と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−9を得た。実施例1と同様に評価した。
YED122 4.5gに代えてGOT4.5gを用いた以外は実施例13と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−9を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例15
YED122 4.5gに代えてオキセタン樹脂POX4.5gを用いた以外は実施例13と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−10を得た。実施例1と同様に評価した。
YED122 4.5gに代えてオキセタン樹脂POX4.5gを用いた以外は実施例13と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−10を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例16
YED122 4.5gに代えてオキセタン樹脂OXIPA4.5gを用いた以外は実施例13と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−11を得た。実施例1と同様に評価した。
YED122 4.5gに代えてオキセタン樹脂OXIPA4.5gを用いた以外は実施例13と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−11を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例17
実施例11で得られる熱硬化性樹脂組成物A−6に、さらに硬化剤B4.5gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−12を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例11で得られる熱硬化性樹脂組成物A−6に、さらに硬化剤B4.5gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−12を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例18
実施例11で得られる熱硬化性樹脂組成物A−6に、さらに球状シリカ微粒子A19.7gを添加し、25℃で30分間撹拌し、さらに3本ロールで混練後、脱泡して熱硬化性樹脂組成物A−13を得た。実施例1と同様に評価した。さらに平均熱線膨張係数を測定したところ、50PPM/Kであった。
実施例11で得られる熱硬化性樹脂組成物A−6に、さらに球状シリカ微粒子A19.7gを添加し、25℃で30分間撹拌し、さらに3本ロールで混練後、脱泡して熱硬化性樹脂組成物A−13を得た。実施例1と同様に評価した。さらに平均熱線膨張係数を測定したところ、50PPM/Kであった。
実施例19
球状シリカ微粒子A19.7gに代えてスチレン微粒子19.7gを用いた以外は実施例18と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−14を得た。実施例1と同様に評価した。さらに平均熱線膨張係数を測定したところ、55PPM/Kであった。
球状シリカ微粒子A19.7gに代えてスチレン微粒子19.7gを用いた以外は実施例18と同様にして、熱硬化性樹脂組成物A−14を得た。実施例1と同様に評価した。さらに平均熱線膨張係数を測定したところ、55PPM/Kであった。
実施例20
YED216M15gを300gに増量した以外は実施例11と同様にして、熱硬化性樹脂組成物熱硬化性樹脂組成物A−15を得た。実施例1と同様に評価した。
YED216M15gを300gに増量した以外は実施例11と同様にして、熱硬化性樹脂組成物熱硬化性樹脂組成物A−15を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例21
合成例1で得られたポリイミド樹脂A60g、YED216M15gを80℃に設定したオイルバス中3時間撹拌して溶解させ、冷却後にさらに(b)以外のエポキシ樹脂エピコート807 12gと、潜在性硬化剤A4.5gを添加し、25℃で60分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−16を得た。実施例1と同様に評価した。
合成例1で得られたポリイミド樹脂A60g、YED216M15gを80℃に設定したオイルバス中3時間撹拌して溶解させ、冷却後にさらに(b)以外のエポキシ樹脂エピコート807 12gと、潜在性硬化剤A4.5gを添加し、25℃で60分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−16を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例22
実施例11で得られる熱硬化性樹脂組成物A−6に、さらに溶剤A0.9gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−17を得た。実施例1と同様に評価した。
実施例11で得られる熱硬化性樹脂組成物A−6に、さらに溶剤A0.9gを添加し、25℃で30分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A−17を得た。実施例1と同様に評価した。
比較例1
合成例1で得られたポリイミド樹脂A15g、エピコート807 15gを遊星式撹拌脱泡機(マゼルスター(クラボウ製))を用いて25℃で60分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A’−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物A’−1の溶解性を評価した。
合成例1で得られたポリイミド樹脂A15g、エピコート807 15gを遊星式撹拌脱泡機(マゼルスター(クラボウ製))を用いて25℃で60分間撹拌して溶解させ、熱硬化性樹脂組成物A’−1を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物A’−1の溶解性を評価した。
比較例2
エピコート807 15gに代えて1,2−エポキシプロパン15gを用いた以外は比較例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物A’−2を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物A’−2の溶解性を評価した。
エピコート807 15gに代えて1,2−エポキシプロパン15gを用いた以外は比較例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物A’−2を得た。得られた熱硬化性樹脂組成物A’−2の溶解性を評価した。
比較例3
合成例1で得られたポリイミド樹脂Aを用いない以外は実施例11と同様にして熱硬化性樹脂組成物A’−3を得、実施例1と同様に評価した。
合成例1で得られたポリイミド樹脂Aを用いない以外は実施例11と同様にして熱硬化性樹脂組成物A’−3を得、実施例1と同様に評価した。
比較例4
合成例1で得られたポリイミド樹脂A15gに代えて合成例7で得られたポリイミド樹脂G15gを用いた以外は実施例11と同様にして熱硬化性樹脂組成物G−1を得、実施例1と同様に評価した。
合成例1で得られたポリイミド樹脂A15gに代えて合成例7で得られたポリイミド樹脂G15gを用いた以外は実施例11と同様にして熱硬化性樹脂組成物G−1を得、実施例1と同様に評価した。
比較例5
合成例1で得られたポリイミド樹脂A15g、エピコート157S70 15g、エピコート828 15g、硬化促進剤C1.5g、溶剤B45gを添加して実施例11と同様に撹拌し、さらに窒化アルミニウム粉末 93gを添加して、さらに3本ロールで混練後、脱泡して微粒子が均一分散した熱硬化性樹脂組成物A’−4を得た。硬化開始温度を測定しなかった以外は実施例11と同様に評価した。
合成例1で得られたポリイミド樹脂A15g、エピコート157S70 15g、エピコート828 15g、硬化促進剤C1.5g、溶剤B45gを添加して実施例11と同様に撹拌し、さらに窒化アルミニウム粉末 93gを添加して、さらに3本ロールで混練後、脱泡して微粒子が均一分散した熱硬化性樹脂組成物A’−4を得た。硬化開始温度を測定しなかった以外は実施例11と同様に評価した。
比較例6
合成例1で得られたポリイミド樹脂H15g、エピクロンHP−7200H 3g、溶剤C18gを添加して実施例11と同様に撹拌し、さらにシリカ微粒子B1gを添加して3本ロールで混練後、脱泡して均一に微粒子が分散した熱硬化性樹脂組成物H−1を得た。硬化開始温度を測定しなかった以外は実施例11と同様にして評価した。
合成例1で得られたポリイミド樹脂H15g、エピクロンHP−7200H 3g、溶剤C18gを添加して実施例11と同様に撹拌し、さらにシリカ微粒子B1gを添加して3本ロールで混練後、脱泡して均一に微粒子が分散した熱硬化性樹脂組成物H−1を得た。硬化開始温度を測定しなかった以外は実施例11と同様にして評価した。
比較例7
ポリイミドI15g、RSL−1462 34.5gを100mlのナスフラスコに入れて、温度を約180℃に設定したオイルバスを用いて約180℃で15分間撹拌した後に、温度を約120℃に設定し約1時間撹拌して溶解させ、再度室温まで冷却し熱硬化性樹脂組成物I−1を得た。実施例1と同様にして評価した。
ポリイミドI15g、RSL−1462 34.5gを100mlのナスフラスコに入れて、温度を約180℃に設定したオイルバスを用いて約180℃で15分間撹拌した後に、温度を約120℃に設定し約1時間撹拌して溶解させ、再度室温まで冷却し熱硬化性樹脂組成物I−1を得た。実施例1と同様にして評価した。
各実施例および比較例の組成を表1〜2に、評価結果を表3〜4に示す。
1:DSC曲線
2:L1の延長線
3:L2の延長線
4:交点
P:ピーク
L1:直線部分
L2:立ち上がり後ピークに到達するまでに認められる直線部分
2:L1の延長線
3:L2の延長線
4:交点
P:ピーク
L1:直線部分
L2:立ち上がり後ピークに到達するまでに認められる直線部分
Claims (9)
- (a)下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される構造を有するポリイミド樹脂および(b)SP値が1.40×104〜1.80×104(J/m3)1/2であるエポキシ化合物を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- 前記(a)成分のポリイミド樹脂を5〜80重量%含有することを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに(c)シリカ、チタニア、ジルコニア、窒化ケイ素、アルミナ、セリア、タルクおよび炭酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機微粒子を含有することを特徴とする請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに(d)ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリエステルおよびポリカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも一種の有機微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記(a)成分のポリイミド樹脂と前記(b)エポキシ化合物との総量100重量部に対して、さらに(e)マイクロカプセル型潜在性硬化剤を0.1〜30重量部含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 動的粘弾性測定(昇温速度2℃/分)により得られる粘弾性−温度曲線において、粘度の最低値η*が1.0×102Pa・s以下であり、かつ粘度の最低値を示す温度が80〜120℃であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 破壊靱性値K1cが1.5MPa・m1/2以上である請求項1〜6いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜7いずれか記載の熱硬化性樹脂組成物からなるアンダーフィル剤。
- 請求項8記載のアンダーフィル剤を用いた半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008310680A JP2010132793A (ja) | 2008-12-05 | 2008-12-05 | 熱硬化性樹脂組成物、それを用いたアンダーフィル剤および半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008310680A JP2010132793A (ja) | 2008-12-05 | 2008-12-05 | 熱硬化性樹脂組成物、それを用いたアンダーフィル剤および半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010132793A true JP2010132793A (ja) | 2010-06-17 |
Family
ID=42344392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008310680A Pending JP2010132793A (ja) | 2008-12-05 | 2008-12-05 | 熱硬化性樹脂組成物、それを用いたアンダーフィル剤および半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010132793A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012124780A1 (ja) * | 2011-03-16 | 2012-09-20 | 東レ株式会社 | エポキシ樹脂組成物およびその製造方法ならびにそれを用いた半導体装置 |
JP2013023574A (ja) * | 2011-07-21 | 2013-02-04 | Jsr Corp | 光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物、及びそれを光硬化させて得られる光造形物 |
JP2013199624A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Hitachi Chemical Co Ltd | アンダーフィル用エポキシ樹脂液状封止材及び電子部品装置 |
WO2016060088A1 (ja) * | 2014-10-14 | 2016-04-21 | 三菱化学株式会社 | 半導体デバイス用層間充填剤組成物及び半導体デバイスの製造法 |
JP2017210593A (ja) * | 2016-02-12 | 2017-11-30 | 富士電機株式会社 | 樹脂組成物および電子部品 |
US10050005B2 (en) | 2013-11-27 | 2018-08-14 | Toray Industries, Inc. | Semiconductor resin composition, semiconductor resin film, and semiconductor device using the same |
WO2018221217A1 (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-06 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、接着フィルム、カバーレイフィルム、及び、プリント配線板 |
JP2018203991A (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-27 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム |
JP2018203992A (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-27 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、接着フィルム、カバーレイフィルム、及び、プリント配線板 |
JP2019056102A (ja) * | 2017-05-31 | 2019-04-11 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム |
CN109867909A (zh) * | 2017-12-01 | 2019-06-11 | Ls产电株式会社 | 环氧树脂组合物和包含该组合物的变压器 |
JP2021119239A (ja) * | 2017-06-29 | 2021-08-12 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | アンダーフィル材、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法 |
WO2022220253A1 (ja) * | 2021-04-14 | 2022-10-20 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム |
WO2023162718A1 (ja) * | 2022-02-24 | 2023-08-31 | 東レ株式会社 | 樹脂組成物、樹脂組成物被膜、樹脂組成物フィルム、硬化膜、およびこれらを用いた半導体装置 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001288340A (ja) * | 2000-02-01 | 2001-10-16 | Shin Etsu Chem Co Ltd | フリップチップ型半導体装置用封止材及びフリップチップ型半導体装置 |
JP2005350647A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-12-22 | Nitto Denko Corp | 液状エポキシ樹脂組成物 |
JP2006312716A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-11-16 | Toray Ind Inc | 熱硬化性樹脂組成物、耐熱性樹脂の製造方法およびそれを用いた電子部品 |
WO2006132165A1 (ja) * | 2005-06-06 | 2006-12-14 | Toray Industries, Inc. | 半導体用接着組成物、それを用いた半導体装置および半導体装置の製造方法 |
JP2007197616A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Sanyo Chem Ind Ltd | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いたプリント配線板用層間絶縁フィルム |
JP2008179751A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-08-07 | Kaneka Corp | 新規な熱硬化性樹脂組成物、硬化膜及びプリント配線板 |
JP2008280431A (ja) * | 2007-05-10 | 2008-11-20 | Dic Corp | 熱硬化性ポリイミド樹脂組成物 |
-
2008
- 2008-12-05 JP JP2008310680A patent/JP2010132793A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001288340A (ja) * | 2000-02-01 | 2001-10-16 | Shin Etsu Chem Co Ltd | フリップチップ型半導体装置用封止材及びフリップチップ型半導体装置 |
JP2005350647A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-12-22 | Nitto Denko Corp | 液状エポキシ樹脂組成物 |
JP2006312716A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-11-16 | Toray Ind Inc | 熱硬化性樹脂組成物、耐熱性樹脂の製造方法およびそれを用いた電子部品 |
WO2006132165A1 (ja) * | 2005-06-06 | 2006-12-14 | Toray Industries, Inc. | 半導体用接着組成物、それを用いた半導体装置および半導体装置の製造方法 |
JP2007197616A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Sanyo Chem Ind Ltd | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いたプリント配線板用層間絶縁フィルム |
JP2008179751A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-08-07 | Kaneka Corp | 新規な熱硬化性樹脂組成物、硬化膜及びプリント配線板 |
JP2008280431A (ja) * | 2007-05-10 | 2008-11-20 | Dic Corp | 熱硬化性ポリイミド樹脂組成物 |
Cited By (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012124780A1 (ja) * | 2011-03-16 | 2012-09-20 | 東レ株式会社 | エポキシ樹脂組成物およびその製造方法ならびにそれを用いた半導体装置 |
KR20140020905A (ko) * | 2011-03-16 | 2014-02-19 | 도레이 카부시키가이샤 | 에폭시 수지 조성물 및 그의 제조 방법 및 그것을 사용한 반도체 장치 |
US9123689B2 (en) | 2011-03-16 | 2015-09-01 | Toray Industries, Inc. | Epoxy resin composition, method for producing same, and semiconductor device using same |
JP5811172B2 (ja) * | 2011-03-16 | 2015-11-11 | 東レ株式会社 | エポキシ樹脂組成物およびその製造方法ならびにそれを用いた半導体装置 |
KR101868190B1 (ko) * | 2011-03-16 | 2018-06-15 | 도레이 카부시키가이샤 | 에폭시 수지 조성물 및 그의 제조 방법 및 그것을 사용한 반도체 장치 |
JP2013023574A (ja) * | 2011-07-21 | 2013-02-04 | Jsr Corp | 光学的立体造形用放射線硬化性液状樹脂組成物、及びそれを光硬化させて得られる光造形物 |
JP2013199624A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Hitachi Chemical Co Ltd | アンダーフィル用エポキシ樹脂液状封止材及び電子部品装置 |
US10050005B2 (en) | 2013-11-27 | 2018-08-14 | Toray Industries, Inc. | Semiconductor resin composition, semiconductor resin film, and semiconductor device using the same |
WO2016060088A1 (ja) * | 2014-10-14 | 2016-04-21 | 三菱化学株式会社 | 半導体デバイス用層間充填剤組成物及び半導体デバイスの製造法 |
JP2017210593A (ja) * | 2016-02-12 | 2017-11-30 | 富士電機株式会社 | 樹脂組成物および電子部品 |
JP7047243B2 (ja) | 2016-02-12 | 2022-04-05 | 富士電機株式会社 | 樹脂組成物および電子部品 |
JP2018203992A (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-27 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、接着フィルム、カバーレイフィルム、及び、プリント配線板 |
WO2018221217A1 (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-06 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、接着フィルム、カバーレイフィルム、及び、プリント配線板 |
JP2019056102A (ja) * | 2017-05-31 | 2019-04-11 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム |
JP7211715B2 (ja) | 2017-05-31 | 2023-01-24 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、接着フィルム、カバーレイフィルム、及び、プリント配線板 |
JP7207863B2 (ja) | 2017-05-31 | 2023-01-18 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム |
JP7144182B2 (ja) | 2017-05-31 | 2022-09-29 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム |
JP2018203991A (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-27 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム |
JP2021119239A (ja) * | 2017-06-29 | 2021-08-12 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | アンダーフィル材、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法 |
CN109867909B (zh) * | 2017-12-01 | 2022-03-15 | Ls产电株式会社 | 环氧树脂组合物和包含该组合物的变压器 |
US11186675B2 (en) | 2017-12-01 | 2021-11-30 | Lsis Co., Ltd. | Epoxy resin composition and transformer comprising the same |
JP2019099788A (ja) * | 2017-12-01 | 2019-06-24 | エルエス産電株式会社Lsis Co., Ltd. | エポキシ樹脂組成物及びこれを含む変圧器 |
CN109867909A (zh) * | 2017-12-01 | 2019-06-11 | Ls产电株式会社 | 环氧树脂组合物和包含该组合物的变压器 |
WO2022220253A1 (ja) * | 2021-04-14 | 2022-10-20 | 積水化学工業株式会社 | 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム |
WO2023162718A1 (ja) * | 2022-02-24 | 2023-08-31 | 東レ株式会社 | 樹脂組成物、樹脂組成物被膜、樹脂組成物フィルム、硬化膜、およびこれらを用いた半導体装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010132793A (ja) | 熱硬化性樹脂組成物、それを用いたアンダーフィル剤および半導体装置 | |
JP5471423B2 (ja) | アンダーフィル剤およびそれを用いた半導体装置 | |
JP5853704B2 (ja) | 接着剤組成物、接着剤シートおよびこれらを用いた半導体装置 | |
TWI606109B (zh) | 接著劑組成物、接著劑片及使用它們的硬化物及半導體裝置 | |
JP6528404B2 (ja) | 半導体用樹脂組成物および半導体用樹脂フィルムならびにこれらを用いた半導体装置 | |
JP5811172B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物およびその製造方法ならびにそれを用いた半導体装置 | |
JP6947032B2 (ja) | 樹脂組成物、それを用いたシート、積層体、パワー半導体装置、プラズマ処理装置および半導体の製造方法 | |
JP5521853B2 (ja) | アンダーフィル剤およびそれを用いた半導体装置 | |
JP5584134B2 (ja) | シロキサン含有ポリイミド樹脂 | |
JP2017128637A (ja) | 接着剤組成物、接着剤シートならびにそれを有する積層版、基板およびledモジュール | |
JP6504050B2 (ja) | 接着組成物ならびにそれを有する接着フィルム、接着組成物付き基板、半導体装置およびその製造方法 | |
JP2008277768A (ja) | 絶縁性熱伝導シート | |
WO2023068044A1 (ja) | 樹脂組成物およびその硬化物ならびにそれを用いた積層体、静電チャックおよびプラズマ処理装置 | |
JP2008308552A (ja) | 接着剤組成物及び接着フィルム | |
JP2014067789A (ja) | 未硬化接着剤層付配線基板および半導体装置の製造方法 | |
WO2022138160A1 (ja) | 樹脂組成物、シート状組成物、シート硬化物、積層体、積層部材、ウエハ保持体および半導体製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130404 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130416 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140114 |