JP2014067789A - 未硬化接着剤層付配線基板および半導体装置の製造方法 - Google Patents

未硬化接着剤層付配線基板および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配線基板の表面に、効率的にかつ簡便に組成設計自由度の高い未硬化接着剤層がボイド無く形成された配線基板を提供する。
【解決手段】有機溶剤を含み、温度23℃、圧力10N/mでの粘度が0.01〜3Pa・sであるエポキシ系接着剤液を配線基板の実装面に塗布し、次に前記有機溶剤を乾燥除去して未硬化接着剤層を形成する未硬化接着剤層付配線基板の製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、特定の位置に接着剤を配置した配線基板を製造する未硬化接着剤層付配線基板および半導体装置の製造方法に関する。
電子材料において、各種の部品、例えば半導体チップやモジュール等の電子部品などを配線基板に実装する際、熱硬化型の接着剤が使用されることが多く、ダイボンディングフィルム(DAF)やノンコンダクティブフィルム(NCF)として知られている。
近年、配線基板に半導体チップを実装する手法として、フリップチップ実装が使用されるようになってきている。従来のフリップチップ実装では、半導体チップが配線基板にフリップチップ実装された後に、半導体チップやモジュール等の電子部品の周囲に樹脂が塗布され、毛細管現象を利用して半導体チップやモジュール等の電子部品の下側の隙間に液状封止樹脂が充填され、接着剤としての機能を果たしている(特許文献1)。この技術においては、電子部品の高性能化による接続端子密度の増加、電子部品と配線基板のギャップ縮小から、この隙間への樹脂の注入をボイドなく高速で行うことが困難になってきているという課題がある。
上記の課題を解決するため、半導体チップを実装する前に配線基板の上に未硬化の無溶剤液状封止樹脂を予め塗布しておき、半導体チップのバンプを封止樹脂に押し込みながら樹脂を配線基板と半導体チップの隙間全体に押し広げていくことにより、半導体チップをフリップチップ実装して封止する先封止技術が開発されている(特許文献2)。この技術においては、フリップチップ実装工程で、ボイドを発生させないように半導体チップと配線基板の隙間を封止樹脂で埋め尽くしていきながら、半導体チップの周辺部への封止樹脂のはみ出し量を過大にしないようにするという困難な制御が求められるという課題がある。また、封止樹脂には固体である半導体チップと配線基板の隙間を埋めることが求められるため、有機溶剤などの揮発成分を含むことが許されない。即ち無溶剤かつ液状で流動性を有する材料であることが求められる。このような制限は、材料組成に対し、分子量の大きな成分を多く含むことが困難であることや無機粒子を多く含有させることが困難であるなどの制限をもたらし、材料性能を大きく制限してしまうという課題がある。
また、別の先封止技術として未硬化の接着剤フィルムを貼付することによって未硬化の接着剤を配線基板上に予め形成するものがある。この場合、接位置精度よく接着剤フィルムを貼り付ける技術が必要である。このために、マスクを使用して樹脂フィルムを配線基板上に仮貼り付けし、その後真空下でラミネート密着させる手法などが提案されている(特許文献3、4)。マスクを使用する手法は、マスクデザインを変更することにより配線基板のデザイン変更などに対応できるため、汎用性に優れた手法であるが、マスクでカバーする部分とそうでない部分に段差が生じることや、マスク自体が変形してしまうことが原因で、貼り付け位置の変動が生じてしまう点が課題である。また、マスクを大きくするとマスクそのものの加工誤差やたわみが生じてしまうため、単一のデザインを大量に生産する方式には適していない。また、仮貼り付けや真空ラミネーターなどの装置をなど大掛かりな装置が必要となること、工程が長くなることなどの課題もある。
特開2011−213795号公報 特開2011−207998号公報 特開2010−251346号公報 特開2011−132430号公報
上記課題に鑑み本発明は、配線基板の表面に、効率的にかつ簡便に組成設計自由度の高い未硬化接着剤層がボイド無く形成された未硬化接着剤層付配線基板および半導体装置を提供する。
上記課題を解決するための、本発明の接着剤層を有する配線基板は、以下のとおりである。溶剤含む材料であるため、単体で液状でない樹脂材料を多く含有させることができる高い材料組成設計度を有し、かつ真空装置などの複雑な装置を用いずに簡便な装置で塗布でき、溶剤を乾燥除去させることで、溶剤を含まずボイドもない接着剤膜が表面に形成された配線基板を得ることができる。
有機溶剤を含み、温度23℃、圧力10N/mでの粘度が0.01〜3Pa・sであるエポキシ系接着剤液を配線基板の実装面に塗布し、次に前記有機溶剤を乾燥除去して未硬化接着剤層を形成することを特徴とする未硬化接着剤層付配線基板の製造方法。
本発明によれば、効率的にかつ簡便に組成設計自由度の高い未硬化接着剤層が、ボイド無く表面に形成された配線基板を得ることができる
本発明に使用する配線基板の全体図の例である。 本発明に使用する配線基板の繰り返し単位の平面拡大図の例である。 本発明に使用する配線基板の繰り返し単位の断面拡大図の例である。 本発明に使用する配線基板の繰り返し単位上へのエポキシ系接着剤液の塗布エリアの例を示した図である。 本発明に使用する配線基板上のレジスト開口部の大きさを示す図である。 本発明に使用する配線基板の繰り返し単位上へのエポキシ系接着剤液の塗布エリアの例を示した図である。 本発明に使用する配線基板の繰り返し単位上へのエポキシ系接着剤液の塗布エリアの例を示した図である。
本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法は、有機溶剤を含み、温度23℃、圧力10N/mでの粘度が0.01〜3Pa・sであるエポキシ系接着剤液を配線基板の実装面に塗布し、次に前記有機溶剤を乾燥除去して未硬化接着剤層を形成することを特徴とする。
本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法に用いられるエポキシ系接着剤はエポキシ化合物を含み、エポキシ化合物としては、液状エポキシ化合物と固形エポキシ化合物を使用することができる。ここで液状エポキシ化合物とは、25℃、1.013×10N/mで150Pa・s以下の粘度を示すものであり、固形エポキシ化合物とは25℃で150Pa・sを越える粘度を示すものである。液状エポキシ化合物としては、例えばJER828、JER1750、JER152、JER630、YL980(以上商品名、三菱化学(株)製)、エピクロンHP−4032(以上商品名、DIC(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されない。これらを2種以上組み合わせてもよい。また、固形エポキシ化合物としては、JER1002、JER1001、YX4000H、JER4004P、JER5050、JER154、JER157S70、JER180S70、YX4000H(以上商品名、三菱化学(株)製)、テピックS、テピックG、テピックP(以上商品名、日産化学工業(株)製)、エポトートYH−434L(商品名、新日鐵化学(株)製)、EPPN502H、NC3000(以上商品名、日本化薬(株)製)、エピクロンN695、エピクロンHP−7200(以上商品名、DIC(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されない。これらを2種以上組み合わせてもよい。液状エポキシ化合物と固形エポキシ化合物を組み合わせることで、乾燥により有機溶剤を除去した後の材料の粘着性を調整することや、加温時の流動性や粘度特性、硬化物の物性を制御することができる。
本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法に用いられる有機溶剤は、エポキシ系接着剤液中、5〜85重量%含まれることが好ましく、10〜40重量%含まれることがより好ましい。5重量%以上であると有機溶剤を用いることによる樹脂溶解能や粒子を分散させる場合の分散能が高くなり凝集物のない塗布液を得やすくなり、10重量%以上であると塗布液の配線基板表面への凹凸追従性がよくなりボイドを発生しない塗布膜を形成しやすくなる。有機溶剤量が、85重量%以下であると配線基板上への塗布液の塗布・乾燥後に比較的平坦な部分での連続膜を得やすくなり、40重量%以下であると配線基板上への塗布液の塗布・乾燥後に大きな段差部でも連続膜を得やすくなる。
本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法に用いられるエポキシ系接着剤液は、有機溶剤を含むことにより、室温近傍で固体である樹脂成分を接着剤液に含有させることができる。これにより、分子量の大きい成分を含有させることができ、硬化物の破壊靭性を大きくすることが可能となる。また、溶剤の含有量により粘度の調整範囲を大きくとることができるため、凹凸の大きい表面を有する配線基板上にも空隙を噛み込むことなく塗布することができる。さらには、フィラーのように溶解しない材料を、例えば溶剤を抜いた樹脂成分とフィラー成分の合計である100重量%に対し、70重量%以上多量に含有させても流動性を確保することができ、フィラーを含んだ硬化物の線膨張係数を小さくしたり、弾性率を大きくしたりすることができる。
本発明の有機溶剤の物質は、含有成分であるエポキシ樹脂やその他の樹脂成分を溶解させ、均一な樹脂溶液を形成できるものであれば特に限定されない。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノ−ル、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、その他、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンなどを用いることができる。
本発明のエポキシ系接着剤は硬化促進剤を含有してもよい。エポキシ化合物と硬化促進剤を組み合わせることで、固形エポキシ化合物および液状のエポキシ化合物の硬化を促進し、短時間で硬化させることができる。硬化促進剤としては、各種イミダゾール、イミダゾールシラン、イミダゾリン、酸無水物などが挙げられる。各種イミダゾールとしては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトなどが挙げられる。市販の製品として、キュアゾール2PZCNS、キュアゾール2PZCNS−PW、キュアゾールC11Z−CNS、キュアゾール2MZ−A、キュアゾールC11−A、キュアゾール2E4MZ−A、キュアゾール2MZA−PW、キュアゾール2MAOK−PW、キュアゾール2PHZ−PW(以上商品名、四国化成工業(株)製)などがあり、好ましく用いることができる。イミダゾールシランとしては、IS−1000、IS−1000D、IM−1000、SP−1000、IA−100A、IA−100P、IA−100F(以上商品名、日鉱マテリアルズ(株)製)などが挙げられる。酸無水物としては、ヘキサハイドロフタル酸無水物、メチルテトラハイドロフタル酸無水物、アデカハードナーEH−3326、アデカハードナーEH−703、アデカハードナーEH−705A(以上商品名、旭電化工業(株)製)、エピクロンB−570、エピクロンB−650(以上商品名、大日本インキ化学(株)製)などが挙げられる。硬化促進剤の含有量は、エポキシ化合物の合計100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲であることが望ましい。硬化促進剤の含有量を0.1重量部以上とすることでエポキシ化合物の硬化を効果的に促進し、10重量部以下とすることで硬化物の絶縁性、耐熱性を向上させることができる。
マイクロカプセル型硬化促進剤を用いるとさらに保存性を高めることができる。マイクロカプセル型硬化促進剤としては、アミンアダクト型硬化促進剤をイソシアネートで処理したマイクロカプセル型硬化促進剤であるノバキュアHX−3941HP、ノバキュアHXA3922HP、ノバキュアHXA3932HP、ノバキュアHXA3042HP(以上商品名、旭化成イーマテリアルズ(株)製)などが好ましく用いられる。
マイクロカプセル型硬化促進剤は液状エポキシ化合物に分散された状態で存在するものを用いることが好ましい。この場合のマイクロカプセル型硬化促進剤と液状エポキシ樹脂との重量比は、マイクロカプセル型硬化促進剤100重量部に対して、エポキシ化合物が100重量部以上500重量部以下である。例えば、ノバキュア(商品名、旭化成イーマテリアルズ(株)製)シリーズにおいては、マイクロカプセル型硬化促進剤100重量部に対して、液状エポキシ化合物が200重量部含まれる。したがって、マイクロカプセル型硬化促進剤にノバキュア(商品名、旭化成イーマテリアルズ(株)製)シリーズを用いる場合には、接着組成物中のエポキシ化合物としては、マイクロカプセル型硬化促進剤に含まれる液状エポキシ化合物が合わせて含まれることになる。
本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法に用いられるエポキシ系接着剤液には、エポキシ化合物以外の樹脂材料が含まれていても良い。材料の物性を制御するために、ポリイミド、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルスルホンなどを含むことができ、中でも、耐熱性を高くできることからポリイミドを含むことが好ましい。
本発明に用いられるポリイミドは有機溶剤に可溶であり、好ましい一例は、一般式(1)、(2)のいずれかで表される構造を有し、かつエポキシ基と反応可能な官能基を側鎖に少なくとも一つ有するポリマーであり、さらに一般式(3)で表される構造を一般式(1)、(2)中のRとしてポリマー全量に対し5〜15重量%有するものである。5重量%以上とすることで剛直なポリイミドに適度な柔軟性を付与することができ、15重量%以下とすることで、ポリイミド骨格の剛直性を維持し、耐熱性、絶縁性を保つことができる。
なお、ここでの有機溶剤可溶性ポリイミドの合成により得られるポリマー(ポリイミド)の全量とは、ジアミンと酸二無水物および末端封止剤からなる構成成分の重合により得られた重量のことであり、合成時に過剰に仕込んだジアミン、酸二無水物および末端封止剤はポリイミドの重量に含まない。
Figure 2014067789
式中、Rは4〜14価の有機基であり、Rは2〜12価の有機基であって、R、Rの少なくとも一つは1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、イソプロピル基、エーテル基、チオエーテル基およびSO基からなる群より選ばれる基(以下、これを「特定基」という)を少なくとも一つ含有する芳香族基である。RおよびRは、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を示す。有機溶剤可溶性ポリイミドの1分子内に異なる構造のR〜Rを含んでいても良く、異なる有機溶剤可溶性ポリイミド分子間で異なる構造のR〜Rを含んでいても良い。Xは1価の有機基を示す。mは8〜200である。αおよびβはそれぞれ0〜10の整数を示し、α+βは0〜10の整数である。但し、繰り返し数mのうち、20〜90%はα+β=1〜10である。
Figure 2014067789
式中、Rは2価の炭化水素基である。Rは、好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基、またはフェニレン基である。Rは1価の炭化水素基である。Rは、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基である。有機溶剤可溶性ポリイミドの1分子内に異なる構造のRおよびRを含んでいても良く、異なる有機溶剤可溶性ポリイミド分子間で異なる構造のRおよびRを含んでいても良い。
nは1〜10の整数を示し、好ましくは1〜2である。nを1以上とすることで硬化時の接着組成物の収縮を抑えることができ、10以下とすることでポリイミド骨格中のイミド基含有率を低減させず、接着組成物の絶縁性、耐熱性を向上することができる。
なお、本発明に用いられる(a)有機溶剤可溶性ポリイミドの可溶性とは、ケトン系溶剤のアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エーテル系溶剤の1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、グリコールエーテル系溶剤のメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、その他ベンジルアルコール、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミドより選ばれる少なくとも1種の溶剤に23℃で20重量%以上溶解することを意味する。
用いられる酸二無水物について説明する。特定基を少なくとも一つ有する酸二無水物としては、具体的には、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等が挙げられる。
特定基を少なくとも一つ有し、かつ、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する酸二無水物としては、具体的には、下記に示した構造の芳香族酸二無水物が挙げられる。
Figure 2014067789
はC(CF、C(CH、SO、SまたはOを示す。R10およびR11は水素原子、水酸基、チオール基またはスルホン酸基を示す。ただし、R10およびR11が同時に水素原子となることはない。
特定基は持たず、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有する酸二無水物としては、具体的には、下記に示した構造の芳香族酸二無水物を挙げることができる。
Figure 2014067789
、Rは水素原子、水酸基、チオール基またはスルホン酸基を示す。ただし、RおよびRが同時に水素原子となることはない。
特定基を持たず、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基も持たない酸二無水物としては、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物が挙げられる。
本発明ではこれらの酸二無水物を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
用いられるジアミンについて以下に説明する。特定基を少なくとも一つ有するジアミンとしては、具体的には、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等が挙げられる。
特定基を少なくとも一つ有し、かつ、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有するジアミンとしては、具体的には、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルヒドあるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等や、下記に示した構造のジアミンなどが挙げられる。
Figure 2014067789
16はC(CF、C(CH、SO、SまたはOを示す。R17〜R18は水素原子、水酸基、チオール基またはスルホン酸基を示す。ただし、R17およびR18が同時に水素原子となることはない。
特定基は持たず、フェノール性水酸基、スルホン酸基およびチオール基からなる群より選ばれる基を少なくとも一つ有するジアミンとしては、具体的には、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4−ジアミノ−フェノール、2,5−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒドロキシピリジン、ヒドロキシジアミノピリミジン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物等や、下記に示した構造のジアミンなどが挙げられる。
Figure 2014067789
12〜R15は水素原子、水酸基、チオール基またはスルホン酸基を示す。ただし、R12およびR13が同時に水素原子となることはない。
特定基を持たず、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基も持たないジアミンとしては、具体的には、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物、テレフタル酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、フタロ酸ヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド、4,4’−ビスフェニルジカルボノヒドラジン、4,4’−シクロヘキサンジカルボノヒドラジン、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換したヒドラジド化合物等が挙げられる。本発明で用いるジアミンは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
また、一般式(3)で表される構造は一般式(1)、(2)中のRとして含まれるため、ジアミンの構成成分となる。一般式(3)で表される構造を含むジアミンとしては、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどが挙げられる。
一般式(1)、(2)におけるR、Rを選択することにより、熱処理時のポリイミドとエポキシ化合物との反応率を調整し、接着組成物の架橋密度を調整することができる。これにより必要とされる耐熱性、耐薬品性を接着組成物に付与することが可能となる。RおよびRの合計の20〜90%がフェノール性水酸基、スルホン酸基またはチオール基であることが好ましい。これらの基をRおよびRの合計の20%以上とすることで、耐薬品性、耐熱性を向上することができ、90%以下とすることで、架橋密度を適度な範囲に抑制し、フィルムの伸度、靱性を保持することができる。
一般式(1)、(2)の構造成分であるXは、末端封止剤である1級モノアミンに由来する成分である。これらは単独で、またはその他の末端封止基との2種以上の組み合わせのいずれであってもよい。1級モノアミンとは、具体的には、5−アミノキノリン、4−アミノキノリン、3−アミノナフタレン、2−アミノナフタレン、1−アミノナフタレン、アニリン等が挙げられる。これらのうち、アニリンが好ましく使用される。
また、エポキシ化合物と反応するような置換基を他に有しない1級モノアミンを用いることが好ましい。これにより、分子運動性の高いポリイミドの末端部にエポキシ化合物と反応するような置換基を有していない有機溶剤可溶性ポリイミドを得ることが可能となる。これを用いることにより、有機溶剤可溶性ポリイミドとエポキシ化合物との室温下での反応が進行しにくくなり、接着組成物の保存性をさらに高めることができる。
一般式(1)、(2)のX成分の導入割合は、その元成分である末端封止剤の1級モノアミン成分で換算すると、全ジアミン成分に対して、0.1〜60モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜50モル%である。
一般式(1)、(2)のmはポリマーの繰り返し数を示しており、8〜200の範囲を示す。好ましくは10〜150である。重量平均分子量で言うと、ゲルろ過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で4000〜80000であることが好ましく、特に好ましくは、8000〜60000である。mを8以上とすることで、粘度を大きくして厚膜塗布を可能とし、mを200以下とすることで、溶剤への溶解性を向上することができる。ここで、(a)有機溶剤可溶性ポリイミドの重量平均分子量は、次の方法により求めることができる。可溶性ポリイミドをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解した固形分濃度0.1重量%のポリイミド溶液を用い、GPC装置Waters2690(Waters(株)製)によりポリスチレン換算の重量平均分子量を算出する。GPC測定条件は、移動層をLiClとリン酸をそれぞれ濃度0.05mol/Lで溶解したNMPとし、展開速度を0.4ml/分とする。使用するGPC装置として、例えば、以下のものが挙げられる。
検出器:Waters996
システムコントローラー:Waters2690
カラムオーブン:Waters HTR−B
サーモコントローラー:Waters TCM
カラム:TOSOH grard comn
カラム:TOSOH TSK−GEL α−4000
カラム:TOSOH TSK−GEL α−2500
本発明に用いられる(a)有機溶剤可溶性ポリイミドは、一般式(1)、(2)で表される構造からなるもののみであってもよいし、一般式(1)、(2)で表される構造の中に共重合成分として他の構造も有する共重合体であってもよく、またそれらの混合体であってもよい。さらに、これらのいずれかに他の構造で表されるポリイミドが混合されていてもよい。その際、一般式(1)、(2)で表される構造を50モル%以上含有していることが好ましい。共重合あるいは混合に用いられる構造の種類および量は、加熱処理によって得られる耐熱性樹脂皮膜の耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
本発明に用いられる(a)有機溶剤可溶性ポリイミドは、ジアミンの一部をモノアミンである末端封止剤に置き換えて、または、酸二無水物の一部をモノカルボン酸、酸無水物、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物である末端封止剤に置き換えて、公知の方法を利用して合成される。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物(一部をモノアミンである末端封止剤に置換)を反応させる方法、低温中でテトラカルボン酸二無水物(一部を酸無水物またはモノ酸クロリド化合物あるいはモノ活性エステル化合物である末端封止剤に置換)とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応によりジエステルを得、その後ジアミン(一部をモノアミンである末端封止剤に置換)と縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応によりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、ジアミン(一部をモノアミンである末端封止剤に置換)と反応させる方法などを利用して、ポリイミド前駆体を得、続いてこれを公知のイミド化反応させる方法を利用して有機溶剤可溶性ポリイミドを合成することができる。
また、ポリマー中に導入された一般式(3)の構造および本発明で使用される末端封止剤は、以下の方法で容易に検出、定量できる。例えば、一般式(3)の構造および末端封止剤が導入されたポリマーを、酸性溶液あるいは塩基性溶液に溶解し、ポリマーの構成単位であるジアミン成分と酸無水物成分に分解し、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、一般式(3)の構造および使用されている末端封止剤を容易に検出、定量することができる。これとは別に、末端封止剤が導入されたポリイミドを直接、熱分解ガスクロクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトル及び13CNMRスペクトル測定することによっても、一般式(3)の構造および使用されている末端封止剤を容易に検出、定量することが可能である。
また、絶縁信頼性や温度サイクルに対する信頼性の観点からフィラーを含むことが好ましい。ここでいうフィラーとしては、シリカ、窒化ケイ素、アルミナ、窒化アルミ、酸化チタン、窒化チタン、チタン酸バリウムなどの無機粒子や、ゴムや樹脂などの有機粒子を用いることができる。フィラーの含有量は特に限定されないが、半導体チップの樹脂材料より遥かに小さい線膨張係数に近づけることで、実装後の接続信頼を高くできることから40%重量以上であることが好ましい。接着力を高くできことから、フィラー含有量が85重量以下であることが好ましい。
本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法に用いられるエポキシ系接着剤液は、温度23℃、圧力10N/mでの粘度が、0.01〜3Pa・sであり、0.1〜1Pa・sであることが好ましい。該粘度が、0.01Pa・s以上であると塗布液の塗布・乾燥工程において配線基板上ではじきを生じにくくなり、0.1Pa・s以上であると流動性が適度に抑制され、配線基板上での塗布形状の制御がしやすくなる。該粘度が、3Pa・s以下であると配線基板表面への凹凸追従性がよくなりボイドを発生しない塗布膜を形成しやすくなり、1Pa・s以下であるとボイドを発生しない塗布膜形成が短時間でしやすくなる。
なお発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法に用いられるエポキシ系接着剤液の、温度23℃、圧力10N/mでの粘度の測定は、以下のようにして行う。
エポキシ系接着剤液を東機産業株式会社製、円錐/平板方式粘度計(RE115L)を用い、測定温度23℃で、測定されるトルクがフルスケールの50〜90%となるようにローター回転数を調整し、一定回転数とした120秒後に粘度を測定する。測定トルクの値がフルスケールの50〜90%範囲にあれば、高い精度の測定結果を得ることができる。
本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法に用いられるエポキシ系接着剤液の塗布方法は限定されないが、ディスペンサー、スリットダイコーター、ブレードコーター、インクジェット装置などを使用する方法を用いることができる。
有機溶剤の乾燥除去する方法は、特に限定されないが、ホットプレート、オーブン、熱風、赤外線照射などの加熱や真空乾燥、デシケータ乾燥などの方法を用いることができる。生産性の点から大気中でのホットプレート加熱や複数枚の配線基板をまとめてのオーブン加熱を好ましく用いることができる。加熱により有機溶剤を蒸発除去する場合は、エポキシ系接着剤の硬化が大きく進行することがなく、ソルダーレジスト、金属配線材料、絶縁材料などの配線基板に形成されている材料を劣化させない範囲の温度と加熱時間を選択するのが好ましい。前記のような観点から、50〜120℃の温度範囲が好ましく、乾燥時間をより短くでき、エポキシ系接着剤の硬化反応進行を促進しないという点から、70〜100℃がより好ましい。
本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法において、溶剤乾燥後の未硬化接着剤層の温度23℃、圧力10N/mでの粘度は、1×10Pa・s以上であることが好ましい。これ未満の粘度であると、実装前の配線基板の運搬、移動時の傾きや振動により未硬化接着剤層が流動することが置きやすく、層厚さの大きな不均一や目的外の部分へ接着剤層が移動しやすくなる。このようなことが起きると、ボンディング後のボイド発生を引き起こしたり、配線基板上の半導体チップが載らない部分で、その後の工程のための電極部などの露出が維持されている必要がある部分を接着剤層が覆ってしまうなどの不都合が起きることがある。
本発明の溶剤乾燥後の未硬化接着剤の温度23℃、圧力10N/m雰囲気下での粘度の測定は方法以下のようにして行う。
Bステージフィルム化した未硬化接着剤を、貼り合せ厚さ500μm以上とし、TAインスツルメンツ製レオメータ(AR−G2)を用いて、歪0.1%、周波数0.5Hz、温度23℃での粘度を測定する。
本発明の未硬化接着剤層の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、5〜60μm以下であることがより好ましい。該厚さが、1μm以上であると、平坦部での連続膜を得やすくなるため好ましく、5μm以上であると段差が大きい部分での連続膜が得やすくなりより好ましい。また、該厚さが、100μm以下であると塗布時間を短くできるため好ましく、60μm以下であると溶剤除去を完全に行うことが容易になりより好ましい。
また本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法は、配線基板の実装面が、絶縁材料により井戸状の開口部が形成されており、その底部に電極が形成された構造である場合に、好適に用いることができる。本発明において井戸状の開口部を有するとは、基板側に底面を有し、実装面側の開口を上面とする円柱、楕円柱、角柱等の柱状の開口部を有することを意味する。
例えばBステージフィルム材料のような加温等により高い流動性を発揮する材料となる性質を有する材料を封止樹脂に用いた場合であっても、大気下では井戸状の開口部にボイドを噛み込むことなく封止樹脂を充填することは困難である。これは、フィルム材料を開口部上面から押し付けていくことになるため、早い段階で開口部をフィルム材料が蓋をする形になり、開口部内の大気を完全には追い出すことができなくなるためである。開口部の大きさが小さいほど、封止樹脂が流れ込んで大気を追い出す前に蓋をされてしまいやすい。開口部の最上部の形状が略長方形か略正方形の場合は対角長が0.5mm以下のときに、略楕円状の場合や略オーバール状の場合は長径が0.5mm以下のときに、封止樹脂が流れ込んで大気を追い出す前に蓋をされてしまいやすい。また、前記の開口部の対角長や長径は、ソルダーレジストの開口加工の微細化の困難さから、0.01mm以上が好ましく用いられる。
この残留大気が噛み込みボイドとなって残ってしまう。このようなことを避けるため、Bステージフィルム材料を封止樹脂に用いる場合は、通常、真空下でBステージフィルム材料を配線基板に貼り付けることが行われる。封止樹脂中や配線基板と封止樹脂の界面にボイドが存在する場合、次の工程である半導体チップの実装工程で、このボイドを取り去ることは困難で、実装後もボイドが残ってしまうことが多い。実装後にボイドが残ると実使用環境化でボイド部分に水分が貯まることなどにより、これが原因となり加熱された場合の破裂による電気的接続断裂や実装品の破壊、隣接配線間の短絡、配線腐食による誤動作などを引き起こすことがある。
本発明のエポキシ系接着剤液を封止樹脂として用いる場合、流動性を有する液状材料であるため、このような井戸状の開口部の埋め込みが容易である。エポキシ系接着剤液が井戸状の開口部の縁から底に向かって流れ込んでいくというプロセスを取ることができるため、大気存在下でも、問題なく大気を噛み込むことなく井戸状部分を接着剤で埋めることができる。
例えば図4において、点線はエポキシ系接着剤液が塗布された部分の外周部を現している。エポキシ系接着剤液は井戸状の開口部を完全に覆うように形成されるのが好ましい。周辺部の井戸状の開口部でない部分については、エポキシ系接着剤液が完全に覆うように形成されなくても良いが、完全に覆われるように形成する方が、後段の工程である半導体チップの実装プロセスにおいて、ボイド噛み込みが起きない条件を幅広く設定できる。
また本発明の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法は、配線基板の実装面が、実装するための単位構造を複数有しており、それら複数の単位構造毎に前記エポキシ系接着剤液を塗布し、かつそれらの塗布面積の合計が前記配線基板の実装面の面積の30%以上である場合に、好適に用いることができる。このように塗布されると、後段の工程である半導体チップの実装プロセスにおいて、ボイド噛み込みを起こさず、かつ半導体チップの側面を覆うように封止樹脂を押し広げることで、半導体チップを強固に固定できる。
本発明の半導体装置の製造方法は、有機溶剤を含み、温度23℃、圧力10N/mでの粘度が0.01〜3Pa・sであるエポキシ系接着剤液を、電極を有する配線基板の実装面に塗布し、次に前記有機溶剤を乾燥除去して未硬化接着剤層を形成して未硬化接着剤層付配線基板とし、前記未硬化接着剤層付配線基板の未硬化接着剤層を有する面と、電極を有する半導体チップの電極を有する面を合わせて電気的に接続して前記未硬化接着剤を硬化させ、前記未硬化接着剤層付配線基板と前記電極を有する半導体チップを固定することを特徴とする。
フリップチップボンダーなどの装置を用い、本発明の製造方法により得られた未硬化接着剤層付配線基板と半導体チップの位置認識行い、相互に接続すべき電極が接続できるように位置合わせを行い、半導体チップを配線基板上に置き、これら電極間を接触させる。この際、加熱や加圧を行うことで、配線基板上の未硬化接着剤を流動させ、未硬化接着剤が半導体チップと配線基板の間を隙間無く埋めるように押し広げることで、ボイドを噛み込まない実装を行うことができる。加熱は未硬化接着剤の流動性が十分高くなる温度範囲で行うことが重要である。加圧は、半導体チップと配線基板の相互に電極が十分に接触するように押し込める力をかけることが重要である。未硬化接着剤の硬化は、フリップチップボンダー等の装置において、半導体チップと配線基板の相互に電極が十分に接触した後に更に温度上げて硬化させても良いし、半導体チップと配線基板の相互に電極が十分に接触した後に別の装置に移して加熱などを行い硬化させても良いし、これら両方を組み合わせても良い。
半導体チップと本発明の配線基板の電極の接続には、比較的低温で接続できることからハンダや金属錫を好ましく用いることができる。ハンダは、半導体チップの電極、配線基板の電極のいずれか一方に予め形成されていても良いし、予め双方に形成されていても良い。ボール状のハンダや銅ピラーの先端にハンダが形成されたもの銅やニッケルなどの電極パッド上にハンダや金属錫が形成されたものなどを用いることができる。微細化な電極接続を行う場合は、半導体チップ側の電極、配線基板の電極のいずれかに、銅ピラーとその先端部にハンダが形成されたものを好ましく用いることができる。ハンダを用いた接続を行う場合は、ハンダの融点以上に温度上げ、ハンダを一旦溶融させて金属接合を形成させるのが好ましい。半導体チップと配線基板の電極の接続部の電気抵抗を小さくしたい場合は、銅と銅の電極を接続する方法を用いても良い。
また本発明の半導体装置の製造方法は、電極を有する半導体チップの電極を有する面に、エポキシ系接着剤の層が形成されていることが好ましい。このような場合は、配線基板側の接着剤層の厚さを薄いものとすることができるため、配線基板上への未硬化接着剤の形成時間を短くできる。すなわちエポキシ系接着剤液の塗布量を少なくすることができ、有機溶剤の乾燥除去が容易になるため、それぞれの工程に要する時間を短いものとすることができる。また、半導体チップの電極側への未硬化接着剤を予め形成しておくことで、半導体チップの凹凸を予め、全てもしくは部分的に埋めておけるので、半導体チップを実装工程において、大気を噛み込むボイド発生が起きない条件を幅広く設定しやすくなる。半導体チップの電極面側にも未硬化接着剤層の形成は、半導体をチップ化する前のウェハ状態で行い、その後にダイシングなどにより、チップ化、個片化を行うことができる。この場合は、複数の半導体チップに一括で未硬化接着剤形成できるため、生産効率が高くなる。半導体チップ側への未硬化接着剤形成は、液状材料とBステージフィルム材料のいずれをも用いることができる。また半導体チップ側に形成される未硬化接着剤と配線基板上に形成される未硬化接着剤の組成は同一でも良いし、異なっていても良い。
本発明の実施の形態の例を図1〜図3に示す。図1は本発明に用いる未硬化接着剤層形成前の配線板の例である。また図2は、図1の繰り返し単位の例で、拡大して描画したものである。配線基板表面に形成されたソルダーレジストの開口部が周辺部と、その内側のエリアに形成されている。各ソルダーレジスト開口部には、配線基板上に実装する半導体チップと電気的に接続する電極が形成されている。内側のエリアに形成されているソルダーレジストの開口部は、井戸状に形成されている。つまり開口部は孤立したもので、配線上面以外には、ソルダーレジストの開口部は存在しない。図3は、図2の一点鎖線の部分の断面図である。
以下実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例中のエポキシ系接着剤液の作製、評価は以下の方法により行った。
(1)エポキシ系接着剤液の作製
<ポリイミド樹脂の合成>
乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(以下、BAHFとする)24.54g(0.067モル)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(以下、SiDAとする)4.97g(0.02モル)、末端封止剤として、アニリン1.86g(0.02モル)をNMP80gに溶解させた。ここにビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物(以下、ODPAとする)31.02g(0.1モル)をNMP20gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間撹拌した。その後、キシレンを15g添加し、水をキシレンとともに共沸させながら、180℃で5時間攪拌した。攪拌終了後、溶液を水3Lに投入して白色沈殿したポリマーを得た。この沈殿をろ過して回収し、水で3回洗浄した後、真空乾燥機を用いて80℃、20時間乾燥した。得られたポリマー固体の赤外吸収スペクトルを測定したところ、1780cm−1付近、1377cm−1付近にポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピークが検出された。重量平均分子量がおよそ25000のポリイミドを得た。
<フェノキシ樹脂>
JER1009(商品名、三菱化学(株)製)
<固形エポキシ化合物>
157S70(商品名、三菱化学(株)製)
<硬化促進剤>
マイクロカプセル型硬化促進剤 ノバキュアHX−3941HP(商品名、旭化成イーマテリアルズ(株)製)
<フィラー>
SO−E2(商品名、アドマテックス(株)製、球形シリカ粒子、平均粒子径0.5μm)
<エポキシ系接着剤液の作製>
合成で得たポリイミド樹脂を25g、固形エポキシ化合物157S70を30g、硬化促進剤ノバキュアHX−3941HPを45g、フィラーSO−E2を150g、溶剤メチルイソブチルケトンを調合し、攪拌してフィラーおよび硬化促進剤粒子の分散処理を行いエポキシ系接着剤液A〜Eを得た。この際、有機溶剤の配合量は表1に示した粘度となるように適宜調整した。
また、エポキシ系接着剤液Cのポリイミド樹脂をフェノキシ樹脂JER1009に変更した以外は、上記と同様の方法でエポキシ系接着剤液Fを調合した。
(2)ポリイミド樹脂の赤外吸収スペクトルの測定
堀場製作所製FT−IR720を用いてKBr法により測定した。
(3)ポリイミド樹脂の重量平均分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本ウォーターズ株式会社製 Waters 2690)を用い、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。カラムは東ソー(株)製 TOSOH TXK−GEL α−2500、およびα−4000を用い、移動層にはN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPとする。)を用いた。
(4)エポキシ系接着剤の粘度測定
東機産業株式会社製E型粘度計(RE115L)を用い、エポキシ系接着剤を測定温度23℃、測定レンジの50〜90%となる回転数で120秒後の粘度を測定した。結果を表1に示す。
(5)未硬化接着フィルムの作製
エポキシ系接着剤液を、コンマコーター(塗工機)を用いてベースフィルムである厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(AL−5処理、リンテック(株)製)の処理面に塗布し、90℃で10分間乾燥を行って乾燥厚み48μmの接着剤層を形成させた。未硬化接着剤層に厚さ25μmの保護フィルム(SK−1処理、リンテック(株)製)を70℃で貼りあわせ未硬化接着剤フィルム1を得た。なお未硬化接着剤フィルム1においては、ベースフィルムが支持フィルムとなり、保護フィルムがカバーフィルムとなる。
(6)未硬化接着剤の粘度測定
上記のように作製した未硬化接着フィルムのカバーフィルムまたはベースフィルムを剥離し、接着剤面を対向させ、未硬化接着剤フィルム同士を貼り合せ、同様の操作を繰り返すことにより、厚さ500μm以上の未硬化接着剤フィルム積層体を作製した。その後、TAインスツルメンツ製レオメーター(AR−G2)を用いて、歪0.1%、周波数0.5Hz、温度23℃での粘度を測定した。結果を表1に示す。
(7)元配線基板
未硬化接着剤層を表面に形成する元配線基板として、(株)ウォルツ製 WALTS−KIT CC80−0101JY MODEL I基板を用いた。基板外周部のソルダーレジスト開口幅は、0.198mmで、その内部側部分の電極を底に配する井戸状開口部のサイズは0.103mm×0.1013mmであった(図5)。
(8)半導体ウェハ
半導体ウェハとして、(株)ウォルツ製WALTS−KIT CC80−0101JY MODEL Iを用いた。厚さは0.1mmであった。
(9)半導体チップ
半導体チップとして、(株)ウォルツ製WALTS−KIT CC80−0101JY MODEL I TEGチップを用いた。チップ厚さは0.1mm、チップサイズは、7.3mm×7.3mmであった。
(実施例1)
ディスペンサを用いてエポキシ系接着剤液Cを10μl、元配線基板上に、井戸状開口部の全てと周辺開口部の全てを覆うように図6に示すように塗布した。その後、ホットプレート上で80℃、15間の加熱を行い、有機溶剤成分を揮発させ除去し、未硬化接着剤が表面に形成された配線基板を得た。フリップチップボンダー(東レエンジニアリング(株)製、FC−3000S)を用いてこの配線基板に半導体チップを実装する部品実装方法により半導体装置を得た。フリップチップボンダーでの加熱による配線基板表面の最高温度が250℃となるように設定し、半導体チップに50Nの力を加えながら、最高温度で20秒の加熱加圧を行った。
この半導体装置を光学顕微鏡で観察したところ、半導体チップ外周辺部への接着剤のはみ出し幅は、最大で200μmであった。この半導体装置を半導体チップ面と平行になるように半導体チップ面側から研磨して行き、半導体チップと配線基板の間に存在する接着剤層内のボイドの存在状態を全面にわたり光学顕微鏡で観察したところ、ボイドは観測されなかった。
実装後の半導体装置を温度85℃、相対湿度85%の環境下に500時間置いた前後の配線基板と半導体チップの接続抵抗を調べたところ、変化は5%以下であった。
(実施例2)
図7のように、元配線基板上の一部の井戸状開口部を覆わないようにエポキシ系接着剤液Cを塗布した以外は、実施例1と同様にして配線基板、半導体装置を作製した。実施例1と同様にして半導体チップ外周辺部への接着剤のはみ出し幅とボイドの存在状態を確認したところ、はみ出し幅は、最大で200μmであり、エポキシ系接着剤液Cを塗布しなかった井戸状開口部には、ボイドが見られた。
実装後の半導体装置を温度85℃、相対湿度85%の環境下に500時間置いた前後の配線基板と半導体チップの接続抵抗を調べたところ、変化は5%以下であった。
(実施例3)
エポキシ系接着剤液Cを10μlの代わりにエポキシ系接着剤液Bを20μl塗布した以外は、実施例1と同様にして、半導体装置を作製した。実施例1と同様にして半導体チップ外周辺部への接着剤のはみ出し幅とボイドの存在状態を確認したところ、はみ出し幅は、最大で200μmであり、ボイドは観測されなかった。実装後の半導体装置を温度85℃、相対湿度85%の環境下に500時間置いた前後の配線基板と半導体チップの接続抵抗を調べたところ、変化は5%以下であった。
(実施例4)
エポキシ系接着剤液Cを10μlの代わりにエポキシ系接着剤液Dを8μl塗布した以外は、実施例1と同様にして、半導体装置を作製した。実施例1と同様にして半導体チップ外周辺部への接着剤のはみ出し幅とボイドの存在状態を確認したところ、はみ出し幅は、最大で200μmであり、ボイドは観測されなかった。実装後の半導体装置を温度85℃、相対湿度85%の環境下に500時間置いた前後の配線基板と半導体チップの接続抵抗を調べたところ、変化は5%以下であった。
(実施例5)
エポキシ系接着剤液Cの代わりにエポキシ系接着剤液Fを用いた以外は、実施例1と同様にして、半導体装置を作製した。実施例1と同様にして半導体チップ外周辺部への接着剤のはみ出し幅とボイドの存在状態を確認したところ、はみ出し幅は、最大で200μmであり、ボイドは観測されなかった。実装後の半導体装置を温度85℃、相対湿度85%の環境下に500時間置いた前後の配線基板と半導体チップの接続抵抗を調べたところ、変化は5%以下であった。
(比較例1)
エポキシ系接着剤液Cの代わりにエポキシ系接着剤液Aを用いた以外は、実施例1と同様にして、配線基板を作製した。その際、エポキシ系接着剤液Cの溶剤を乾燥除去した後の未硬化接着剤層はハジキが多く発生した。次に、実施例1と同様に半導体装置を作製し、半導体チップ外周辺部への接着剤のはみ出し幅とボイドの存在状態を確認したところ、はみ出し幅は、最大で200μmであり、ボイドが観測された。実装後の半導体装置を温度85℃、相対湿度85%の環境下に500時間置いた前後の配線基板と半導体チップの接続抵抗を調べたところ、変化は20%であった。
(比較例2)
エポキシ系接着剤液Cの代わりにエポキシ系接着剤液Eを用いた以外は、実施例1と同様にして、配線基板を作製した。その際、未硬化接着剤層は、エポキシ系接着剤液Eを塗布した際に発生したと思われるボイドが多数発生していた。その後、実施例1と同様に半導体装置を作製し、半導体チップ外周辺部への接着剤のはみ出し幅とボイドの存在状態を確認したところ、はみ出し幅は、最大で200μmであり、ボイドが観測された。実装後の半導体装置を温度85℃、相対湿度85%の環境下に500時間置いた前後の配線基板と半導体チップの接続抵抗を調べたところ、変化は20%であった。
(実施例6)
エポキシ系接着剤液Cを用いて、上記(5)の方法により作製した未硬化接着剤フィルムのカバーフィルムを剥離し、半導体ウェハ全面に真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製、CVP300-T)を用いて貼り付けを行った。ベースフィルムを剥離した後、光学顕微鏡を用いて、未硬化接着剤フィルムがラミネートされた基板表面の観察行ったところボイドは観察されなかった。次に、これをウェハダイシング装置((株)ディスコ製DAD3350)を用いて、7.3mm×7.3mmのチップへと個片化し、未硬化接着剤層付きの半導体チップを得た。
エポキシ系接着剤液Cを5μlとした以外は、実施例1と同様にして作製した配線基板に前記で得た半導体チップを実施例1と同様の条件でフッリップチップボンダーを用いて実装し半導体装置を作製した。実施例1と同様にして半導体チップ外周辺部への接着剤のはみ出し幅とボイドの存在状態を確認したところ、はみ出し幅は、最大で300μmであり、ボイドは観測されなかった。実装後の半導体装置を温度85℃、相対湿度85%の環境下に500時間置いた前後の配線基板と半導体チップの接続抵抗を調べたところ、変化は5%以下であった。
Figure 2014067789
本発明の技術を用いることで、井戸状の開口部などの複雑な凹凸構造を有する元配線基板を用いる場合でも、簡便に、高生産性で、高い接続信頼性が得られる先入れタイプの封止用接着剤を用いた半導体チップの実装が実現ができる。
1 例となる配線基板の繰り返し単位
2 例となる配線基板
3 例となる配線基板の繰り返し単位
4 ソルダーレジスト部
5 ソルダーレジスト開口部
6 配線基板上でのエポキシ系接着剤液の塗布エリアの例
7 ソルダーレジストの井戸状開口部の開口幅
8 配線基板繰り返し単位周辺部のソルダーレジスト開口部上部の開口幅
9 実施例1の配線基板上でのエポキシ系接着剤液の塗布エリア
10 実施例2の配線基板上でのエポキシ系接着剤液の塗布エリア

Claims (6)

  1. 有機溶剤を含み、温度23℃、圧力10N/mでの粘度が0.01〜3Pa・sであるエポキシ系接着剤液を配線基板の実装面に塗布し、次に前記有機溶剤を乾燥除去して未硬化接着剤層を形成することを特徴とする未硬化接着剤層付配線基板の製造方法。
  2. 前記エポキシ系接着剤液が、ポリイミドを含むことを特徴とする請求項1記載の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法。
  3. 前記未硬化接着剤の温度23℃、圧力10N/mでの粘度が、1×10Pa・s以上であることを特徴とする請求項1記載の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法。
  4. 前記配線基板の実装面が、絶縁材料により井戸状の開口部が形成されており、その底部に電極が形成された構造であることを特徴とする請求項1記載の未硬化接着剤層付配線基板の製造方法。
  5. 有機溶剤を含み、温度23℃、圧力10N/mでの粘度が0.01〜3Pa・sであるエポキシ系接着剤液を、電極を有する配線基板の実装面に塗布し、次に前記有機溶剤を乾燥除去して未硬化接着剤層を形成して未硬化接着剤層付配線基板とし、前記未硬化接着剤層付配線基板の未硬化接着剤層を有する面と、電極を有する半導体チップの電極を有する面を合わせて電気的に接続して前記未硬化接着剤を硬化させ、前記未硬化接着剤層付配線基板と前記電極を有する半導体チップを固定することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 前記電極を有する半導体チップの電極を有する面に、エポキシ系接着剤の層が形成されていることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
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