JP2018203991A - 硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化物、接着剤、及び、接着フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、かつ、低線膨張性、接着性、及び、長期耐熱性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供する。また、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムを提供する。
【解決手段】硬化性樹脂とイミドオリゴマーと硬化促進剤とを含有する硬化性樹脂組成物であって、前記イミドオリゴマーは式(1)で表される。
Figure 2018203991

Xは、ベンゼン環とエーテル酸素を含む特定構造の4価の基であり、Yは特定構造の2つのベンゼン環からなる基、又は置換/非置換のベンゼン環からなる2価の基である。
【選択図】なし

Description

本発明は、保存安定性に優れ、かつ、低線膨張性、接着性、及び、長期耐熱性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムに関する。
低収縮であり、接着性、絶縁性、及び、耐薬品性に優れるエポキシ樹脂等の硬化性樹脂は、多くの工業製品に使用されている。特に電子機器用途では、短時間の耐熱性に関するはんだリフロー試験や繰り返しの耐熱性に関する冷熱サイクル試験において良好な結果が得られる硬化性樹脂組成物が多く用いられている。
近年、車載用電気制御ユニット(ECU)や、SiC、GaNを用いたパワーデバイス等が注目されているが、これらの用途において用いられる硬化性樹脂組成物には、短時間や繰り返しの耐熱性のみならず、連続して長期間高温に曝された際の耐熱性(長期耐熱性)が求められる。
特許文献1には、末端にフェノール性水酸基又はアミノ基を有する特定のイミドオリゴマーを硬化剤として用いることにより、硬化性樹脂組成物の低熱膨張性や耐熱性等を向上させることが開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されている硬化性樹脂組成物は、保存安定性に劣るものであったり、硬化物が耐熱分解性には優れるものの長期耐熱性に劣るものであったりするという問題があった。
また、特許文献2には、両末端に酸無水物構造を有するイミドオリゴマー硬化剤を用いた硬化性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示されている硬化性樹脂組成物は、接着性に劣るものであったり、硬化物が長期耐熱性や低線膨張性に劣るものであったりするという問題があった。
特開2007−91799号公報 特開昭61−270852号公報
本発明は、保存安定性に優れ、かつ、低線膨張性、接着性、及び、長期耐熱性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂とイミドオリゴマーと硬化促進剤とを含有する硬化性樹脂組成物であって、上記イミドオリゴマーは、下記式(1)で表される硬化性樹脂組成物である。
Figure 2018203991
式(1)中、Xは、下記式(2−1)、(2−2)、又は、(2−3)で表される4価の基であり、Yは、下記式(3−1)、(3−2)、(3−3)、又は、(3−4)で表される2価の基である。
Figure 2018203991
式(2−1)〜(2−3)中、*は結合位置である。式(2−1)〜(2−3)中における芳香環の水素原子は置換されていてもよい。
Figure 2018203991
式(3−1)及び(3−2)中、Zは、結合手、酸素原子、スルホニル基、結合位置に酸素原子を有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状の2価の炭化水素基、又は、結合位置に酸素原子を有していてもよい芳香環を有する2価の基である。式(3−1)及び(3−2)中における芳香環の水素原子は置換されていてもよい。式(3−3)及び(3−4)中、R〜Rは、水素原子又は1価の炭化水素基を表し、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。式(3−1)〜(3−4)中、*は結合位置である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、硬化性樹脂とイミドオリゴマーと硬化促進剤とを含有する硬化性樹脂組成物において、該イミドオリゴマーとして特定の構造を有するものを用いることにより、保存安定性に優れ、かつ、低線膨張性、接着性、及び、長期耐熱性に優れる硬化物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の硬化性樹脂組成物は、イミドオリゴマーを含有する。
上記イミドオリゴマーは、上記式(1)で表される。以下、上記式(1)で表されるイミドオリゴマーを、本発明にかかるイミドオリゴマーともいう。本発明にかかるイミドオリゴマーを含有することにより、本発明の硬化性樹脂組成物は、保存安定性に優れ、かつ、低線膨張性、接着性、及び、長期耐熱性に優れる硬化物を得ることができるものとなる。
本発明にかかるイミドオリゴマーの数平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は5000である。上記数平均分子量がこの範囲であることにより、得られる硬化物が接着性や長期耐熱性により優れるものとなる。本発明にかかるイミドオリゴマーの数平均分子量のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
なお、本明細書において上記「数平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、JAIGEL−2H−A(日本分析工業社製)等が挙げられる。
本発明にかかるイミドオリゴマーの軟化点の好ましい上限は250℃である。本発明にかかるイミドオリゴマーの軟化点が250℃以下であることにより、得られる硬化物が、接着性や長期耐熱性により優れるものとなる。本発明にかかるイミドオリゴマーの軟化点のより好ましい上限は200℃である。
本発明にかかるイミドオリゴマーの軟化点の好ましい下限は特にないが、実質的な下限は60℃である。
なお、上記軟化点は、JIS K 2207に従い、環球法により求めることができる。
本発明にかかるイミドオリゴマーを製造する方法としては、例えば、下記式(4)で表される酸二無水物と下記式(5)で表されるジアミンとを反応させる方法等が挙げられる。
Figure 2018203991
式(4)中、Xは、上記式(1)中のXと同じ4価の基である。
Figure 2018203991
式(5)中、Yは、上記式(1)中のYと同じ2価の基であり、R〜R12は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の炭化水素基である。
上記式(4)で表される酸二無水物と上記式(5)で表されるジアミンとを反応させる方法の具体例を以下に示す。
まず、予め上記式(5)で表されるジアミンを、反応により得られるアミック酸オリゴマーが可溶な溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)に溶解させ、得られた溶液に上記式(4)で表される酸二無水物を添加して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得る。次いで、得られたアミック酸オリゴマー溶液から加熱や減圧等により溶媒を除去、又は、水、メタノール、ヘキサン等の貧溶媒中に投入して再沈殿させることによりアミック酸オリゴマーを回収し、更に、約200℃以上で1時間以上加熱してイミド化反応を進行させる。上記式(4)で表される酸二無水物と上記式(5)で表されるジアミンとのモル比、及び、イミド化条件を調整することにより、上記式(1)で表され、所望の数平均分子量を有するイミドオリゴマーを得ることができる。
上記式(4)で表される酸二無水物としては、具体的には、3,4’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物を用いることができる。
上記式(5)で表されるジアミンとしては、例えば、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)メタン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、ビスアミノフェニルフルオレン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ジエチルトルエンジアミン等が挙げられる。なかでも、溶解性、耐熱性、及び、入手性に優れることから、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ジエチルトルエンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンが好ましい。また、低線膨張性に優れることから、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンが特に好ましい。
本発明にかかるイミドオリゴマーのイミド化率の好ましい下限は70%である。上記イミド化率が70%以上であることにより、高温での機械的強度及び長期耐熱性により優れる硬化物を得ることができる。上記イミド化率のより好ましい下限は75%、更に好ましい下限は80%である。また、本発明にかかるイミドオリゴマーのイミド化率の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は98%である。
なお、上記「イミド化率」は、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により求めることができる。具体的には、フーリエ変換赤外分光光度計(例えば、Agilent Technologies社製、「UMA600」等)を用いて全反射測定法(ATR法)にて測定を行い、アミック酸のカルボニル基に由来する1660cm−1付近のピーク吸光度面積から下記式にて導出することができる。なお、下記式中における「アミック酸オリゴマーのピーク吸光度面積」は、上記式(4)で表される酸二無水物と上記式(5)で表されるジアミンとを反応させた後、イミド化工程を行わずに溶媒をエバポレーションにより除去することで得られるアミック酸オリゴマーの吸光度面積である。
イミド化率(%)=100×(1−(イミド化後のピーク吸光度面積)/(アミック酸オリゴマーのピーク吸光度面積))
硬化性樹脂とイミドオリゴマーと硬化促進剤との合計100重量部中における本発明にかかるイミドオリゴマーの含有量の好ましい下限は20重量部、好ましい上限は90重量部である。本発明にかかるイミドオリゴマーの含有量がこの範囲であることにより、得られる硬化性樹脂組成物の硬化物が高温での機械的強度、接着性、及び、長期耐熱性により優れるものとなる。本発明にかかるイミドオリゴマーの含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は80重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲において、本発明にかかるイミドオリゴマーに加えて他のイミドオリゴマーや他の硬化剤を含有してもよい。
上記他のイミドオリゴマーとしては、例えば、本発明にかかるイミドオリゴマー以外の、分子内にイミド基と反応性官能基とを有するイミドオリゴマー等が挙げられる。
上記他の硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、活性エステル系硬化剤等が挙げられる。なかでも、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、シアネート系硬化剤、活性エステル系硬化剤が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物が上記他のイミドオリゴマー又は上記他の硬化剤を含有する場合、硬化剤全体中における上記他のイミドオリゴマー又は上記他の硬化剤の含有割合の好ましい上限は70重量%、より好ましい上限は50重量%、更に好ましい上限は30重量%である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。なかでも、粘度が低く、得られる硬化性樹脂組成物の室温における加工性を調整しやすいことから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂等、常温で液状のエポキシ樹脂が好ましい。上記エポキシ樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有する。上記硬化促進剤を含有することにより、硬化時間を短縮させて生産性を向上させることができるだけでなく、硬化物の長期耐熱性を向上させることができる。
上記硬化促進剤は、塩基性触媒であることが好ましく、例えば、イミダゾール骨格を有する硬化促進剤(イミダゾール系硬化促進剤)、3級アミン系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、光塩基発生剤等が挙げられる。なかでも、保存安定性に優れることから、イミダゾール骨格を有する硬化促進剤がより好ましい。
上記イミダゾール骨格を有する硬化促進剤としては、例えば、2―メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記イミダゾール骨格を有する硬化促進剤以外の他の硬化促進剤としては、例えば、3級アミン系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、光塩基発生剤、スルホニウム塩系硬化促進剤等が挙げられる。
硬化性樹脂とイミドオリゴマーと硬化促進剤との合計100重量部中における上記硬化促進剤の含有量の好ましい下限は0.8重量部、好ましい上限は10重量部である。上記硬化促進剤の含有量が0.8重量部以上であることにより、得られる硬化性樹脂組成物が硬化物の接着性や長期耐熱性により優れるものとなる。上記硬化促進剤の含有量が10重量部以下であることにより、得られる硬化性樹脂組成物が保存安定性により優れるものとなる。上記硬化促進剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は9重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化後の線膨張率を低下させてそりを低減させたり、接着信頼性を向上させたりする等を目的として無機充填剤を含有してもよい。また、上記無機充填剤は、流動調整剤としても好適に用いることができる。
上記無機充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、ガラスパウダー、ガラスフリット、ガラス繊維、カーボンファイバー、無機イオン交換体等が挙げられる。
上記無機充填剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい上限が300重量部である。上記無機充填剤の含有量が300重量部以下であることにより、優れた加工性等を維持したまま、接着信頼性を向上させたり、流動調整をしたりする等の効果により優れるものとなる。上記無機充填剤の含有量のより好ましい上限は200重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、応力緩和、靭性付与等を目的として有機充填剤を含有してもよい。
上記有機充填剤としては、例えば、シリコーンゴム粒子、アクリルゴム粒子、ウレタンゴム粒子、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子、ベンゾグアナミン粒子、及び、これらのコアシェル粒子等が挙げられる。なかでも、ポリアミド粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリイミド粒子が好ましい。
上記有機充填剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい上限が300重量部である。上記有機充填剤の含有量が300重量部以下であることにより、優れた接着性等を維持したまま、得られる硬化物が靭性等により優れるものとなる。上記有機充填剤の含有量のより好ましい上限は200重量部である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で高分子化合物を含有してもよい。上記高分子化合物は、造膜成分としての役割を果たす。
上記高分子化合物は、反応性官能基を有していてもよい。
上記反応性官能基としては、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で反応性希釈剤を含有してもよい。
上記反応性希釈剤としては、接着信頼性の観点から、1分子中に2つ以上の反応性官能基を有する反応性希釈剤が好ましい。
上記反応性希釈剤の有する反応性官能基としては、上述した高分子化合物が有する反応性官能基と同様のものが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、溶剤、カップリング剤、分散剤、貯蔵安定化剤、ブリード防止剤、フラックス剤、レベリング剤、難燃剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、本発明にかかるイミドオリゴマーと、硬化促進剤と、必要に応じて添加する他の硬化剤や無機充填剤(流動調整剤)等とを混合する方法等が挙げられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物をフィルム上に塗工し、乾燥させることにより、本発明の硬化性樹脂組成物からなるフィルムを得ることができ、該硬化性樹脂組成物フィルムを硬化させることにより、硬化物を得ることができる。本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物もまた、本発明の1つである。
本発明の硬化物は、そり低減や接着信頼性向上の観点から、40℃から80℃の温度範囲における平均線膨張係数が60ppm以下であることが好ましく、55ppm以下であることがより好ましい。上記平均線膨張係数は、小さいほど好ましい。
なお、上記平均線膨張係数は、厚さ約400μmの硬化物について、熱機械分析装置を用いて測定することができる。具体的には、荷重5g、昇温速度10℃/分の条件でサンプル長1cmの硬化物を0℃から300℃まで昇温した後、一旦冷却し、再度同じ条件で0℃から300℃まで昇温し、2回目の測定において得られた温度と寸法変化のデータを基に、40℃から80℃の温度範囲における平均線膨張係数を求めることができる。
上記平均線膨張係数を測定する硬化物は、上記硬化性樹脂組成物フィルムを190℃で30分以上加熱することにより得ることができる。
上記熱機械分析装置としては、例えば、TMA/SS−6000(日立ハイテクサイエンス社製)等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、広い用途に用いることができるが、特に高い耐熱性が求められている電子材料用途に好適に用いることができる。例えば、航空、車載用電気制御ユニット(ECU)用途や、SiC、GaNを用いたパワーデバイス用途におけるダイアタッチ剤等に用いることができる。また、例えば、パワーオーバーレイパッケージ用接着剤、プリント配線基板用接着剤、フレキシブルプリント回路基板のカバーレイ用接着剤、銅張積層板、半導体接合用接着剤、層間絶縁膜、プリプレグ、LED用封止剤、構造材料用接着剤等にも用いることができる。なかでも、接着剤用途に好適に用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物からなる接着剤もまた、本発明の1つである。また、本発明の硬化性樹脂組成物を用いてなる接着フィルムもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、保存安定性に優れ、かつ、低線膨張性、接着性、及び、長期耐熱性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1(イミドオリゴマーAの作製))
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(三井化学ファイン社製、「APB−N」)29.2重量部をN−メチルピロリドン(富士フイルム和光純薬社製)200重量部に溶解させた。得られた溶液に4,4’−オキシジフタル酸二無水物(東京化成工業社製)62.0重量部を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得た。得られたアミック酸オリゴマー溶液からN−メチルピロリドンを減圧除去した後、300℃で2時間加熱することにより、イミドオリゴマーA(イミド化率95.0%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーAは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−2)で表される4価の基、Yが式(3−2)で表される2価の基(Zが下記式(6)で表される芳香環を有する2価の基))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーAの軟化点は138℃であった。
Figure 2018203991
式(6)中、*は、結合位置である。
(合成例2(イミドオリゴマーBの作製))
1,3−フェニレンジアミン(東京化成工業社製、「1,3−PDA」)5.4重量部をN−メチルピロリドン200重量部に溶解させた。得られた溶液に4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物(東京化成工業社製)52.0重量部を添加し、25℃で2時間撹拌して反応させてアミック酸オリゴマー溶液を得た。得られたアミック酸オリゴマー溶液からN−メチルピロリドンを減圧除去した後、300℃で2時間加熱することにより、イミドオリゴマーB(イミド化率93%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーBは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−3)で表される4価の基、Yが式(3−4)で表される2価の基(R〜Rが水素原子))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーBの軟化点は146℃であった。
(合成例3(イミドオリゴマーCの作製))
1,3−フェニレンジアミン5.4重量部を、1,4−フェニレンジアミン(東京化成工業社製、「1,4−PDA」)5.4重量部に変更したこと以外は合成例2と同様にして、イミドオリゴマーC(イミド化率94%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーCは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−3)で表される4価の基、Yが式(3−3)で表される2価の基(R〜Rが水素原子))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーCの軟化点は151℃であった。
(合成例4(イミドオリゴマーDの作製))
1,3−フェニレンジアミン5.4重量部を、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(東京化成工業社製、「DDPS」)12.4重量部に変更したこと以外は合成例2と同様にして、イミドオリゴマーD(イミド化率95%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーDは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−3)で表される4価の基、Yが式(3−1)で表される2価の基(Zがスルホニル基))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーDの軟化点は147℃であった。
(合成例5(イミドオリゴマーEの作製))
1,3−フェニレンジアミン5.4重量部を、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン(東京化成工業社製、「BAPS」)21.6重量部に変更したこと以外は合成例2と同様にして、イミドオリゴマーE(イミド化率97%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーEは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−3)で表される4価の基、Yが式(3−2)で表される2価の基(Zが下記式(7)で表される芳香環を有する2価の基))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーEの軟化点は147℃であった。
Figure 2018203991
式(7)中、*は、結合位置である。
(合成例6(イミドオリゴマーFの作製))
1,3−フェニレンジアミン5.4重量部を、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(東京化成工業社製、「TPE−R」)14.6重量部に変更したこと以外は合成例2と同様にして、イミドオリゴマーF(イミド化率94%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーFは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−3)で表される4価の基、Yが式(3−1)で表される2価の基(Zが上記式(6)で表される芳香環を有する2価の基))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーFの軟化点は137℃であった。
(合成例7(イミドオリゴマーGの作製))
1,3−フェニレンジアミン5.4重量部を、ジエチルトルエンジアミン(アルベマール社製、「Ethacure 100」)8.9重量部に変更したこと以外は合成例2と同様にして、イミドオリゴマーG(イミド化率98%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーGは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−3)で表される4価の基、Yが式(3−4)で表される2価の基(R及びRの一方がメチル基であり他方がエチル基、Rが水素原子、Rがエチル基))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーGの軟化点は150℃であった。
(合成例8(イミドオリゴマーHの作製))
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン29.2重量部を、ジエチルトルエンジアミン17.8重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、イミドオリゴマーH(イミド化率95%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーHは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−2)で表される4価の基、Yが式(3−4)で表される2価の基(R及びRの一方がメチル基であり他方がエチル基、Rが水素原子、Rがエチル基))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーHの軟化点は183℃であった。
(合成例9(イミドオリゴマーIの作製))
1,3−フェニレンジアミン5.4重量部を、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(東京化成工業社製、「DDM」)9.9重量部に変更したこと以外は合成例2と同様にして、イミドオリゴマーI(イミド化率95%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーIは、式(1)で表されるイミドオリゴマー(Xが式(2−3)で表される4価の基、Yが式(3−1)で表される2価の基(Zがメチレン基))を主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーIの軟化点は147℃であった。
(合成例10(イミドオリゴマーJの作製))
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン29.2重量部を4,4’−ジアミノジフェニルメタン19.8重量部に変更し、4,4’−オキシジフタル酸二無水物62.0重量部を4,4’−ビフタル酸無水物58.8重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、イミドオリゴマーJ(イミド化率96%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーJは、式(1)におけるXに相当する部分がビフェニル骨格であり、Yに相当する部分が式(3−1)で表される2価の基(Zがメチレン基)であるイミドオリゴマーを主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーJの軟化点は300℃を超えていた。
(合成例11(イミドオリゴマーKの作製))
1,3−フェニレンジアミン5.4重量部を、ノルボルナンジアミン(三井化学ファイン社製、「NBDA」)7.7重量部に変更したこと以外は合成例2と同様にして、イミドオリゴマーK(イミド化率97%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーKは、式(1)におけるXに相当する部分が式(2−3)で表される4価の基であり、Yに相当する部分がノルボルナン骨格であるイミドオリゴマーを主成分とすることを確認した。また、イミドオリゴマーKの軟化点は137℃であった。
(合成例12(イミドオリゴマーLの作製))
4,4’−オキシジフタル酸二無水物62.0重量部を、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物26.0重量部に変更したこと以外は合成例1と同様にして、イミドオリゴマーL(イミド化率94%)を得た。
なお、H−NMR、GPC、及び、FT−IR分析により、イミドオリゴマーLは、下記式(8)で表されるイミドオリゴマーを主成分とすることを確認した。イミドオリゴマーLの軟化点は132℃であった。
Figure 2018203991
(実施例1〜11、比較例1〜5)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を撹拌混合し、実施例1〜11、比較例1〜5の各硬化性樹脂組成物を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(保存安定性)
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物について、製造直後の初期粘度と、25℃で24時間保管した後の粘度とを測定した。(25℃で24時間保管した後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率とし、粘度変化率が1.5未満であった場合を「○」、1.5以上2.0未満であった場合を「△」、2.0以上であった場合を「×」として保存安定性を評価した。
なお、硬化性樹脂組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業社製、「TPE−100」)を用いて、25℃において回転速度5rpmの条件で測定した。
(線膨張係数及びガラス転移温度)
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を離型PETフィルム上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。得られた接着フィルムからPETフィルムを剥離して積層し、190℃で1時間加熱することにより硬化させ、厚さ400μmの硬化物を作製した。
得られた硬化物について、熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、「TMA/SS−6000」)を用いて、荷重5g、昇温速度10℃/分、サンプル長1cmで0℃から300℃まで昇温した後、一旦冷却し、再度同じ条件で0℃から300℃まで昇温した。2回目の測定において得られた温度と寸法変化のデータを基に、40℃から80℃の温度範囲における平均線膨張係数を求め、サンプルの線膨張係数とした。また、2回目の測定において得られた温度と寸法変化の関係を示すグラフの変曲点をガラス転移温度として求めた。
(5%重量減少温度)
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を離型PETフィルム上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。得られた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、190℃で1時間加熱することにより硬化させ、硬化物を作製した。
得られた硬化物について、熱重量測定装置(日立ハイテクサイエンス社製、「TG/DTA6200」)を用いて、30℃〜500℃の温度範囲、10℃/minの昇温条件で5%重量減少温度を測定した。
(初期接着性)
実施例及び比較例で得られた各硬化性樹脂組成物を厚みが約20μmとなるように離型PETフィルム上に塗工し、乾燥させることにより、接着フィルムを得た。接着フィルムからPETフィルムを剥離し、ラミネーターを用いて、70℃に加熱しながら接着剤層の両面にポリイミド基材(東レ・デュポン社製、「カプトン200H」、50μmt)を貼り合わせた。190℃、3MPa、1時間の条件で熱プレスを行い、接着層を硬化させた後、1cm幅に切り出して試験片を得た。
引張試験機(ORIENTEC社製、「UCT−500」)により、剥離速度20mm/minでT字剥離を行い、接着力を測定した。
接着力が3.4N/cm以上であった場合を「○」、2.0N/cm以上3.4N/cm未満であった場合を「△」、2.0N/cm未満であった場合を「×」として初期接着性を評価した。
(長期耐熱性)
上記「(初期接着性)」と同様にして得られた試験片について、175℃で1000時間熱処理を行った。熱処理後の試験片について、引張試験機(ORIENTEC社製、「UCT−500」)を用いて、剥離速度20mm/minでT字剥離を行い、接着力を測定した。
接着力が3.4N/cm以上であった場合を「○」、2.0N/cm以上3.4N/cm未満であった場合を「△」、2.0N/cm未満であった場合を「×」として長期耐熱性を評価した。
Figure 2018203991
Figure 2018203991
本発明によれば、保存安定性に優れ、かつ、低線膨張性、接着性、及び、長期耐熱性に優れる硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物の硬化物、並びに、該硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及び接着フィルムを提供することができる。

Claims (11)

  1. 硬化性樹脂とイミドオリゴマーと硬化促進剤とを含有する硬化性樹脂組成物であって、
    前記イミドオリゴマーは、下記式(1)で表されることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
    Figure 2018203991
    式(1)中、Xは、下記式(2−1)、(2−2)、又は、(2−3)で表される4価の基であり、Yは、下記式(3−1)、(3−2)、(3−3)、又は、(3−4)で表される2価の基である。
    Figure 2018203991
    式(2−1)〜(2−3)中、*は結合位置である。式(2−1)〜(2−3)中における芳香環の水素原子は置換されていてもよい。
    Figure 2018203991
    式(3−1)及び(3−2)中、Zは、結合手、酸素原子、スルホニル基、結合位置に酸素原子を有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状の2価の炭化水素基、又は、結合位置に酸素原子を有していてもよい芳香環を有する2価の基である。式(3−1)及び(3−2)中における芳香環の水素原子は置換されていてもよい。式(3−3)及び(3−4)中、R〜Rは、水素原子又は1価の炭化水素基を表し、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。式(3−1)〜(3−4)中、*は結合位置である。
  2. 前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含有する請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記イミドオリゴマーは、軟化点が250℃以下である請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記イミドオリゴマーのイミド化率が70%以上である請求項1、2又は3記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記硬化促進剤は、塩基性触媒である請求項1、2、3又は4記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記硬化促進剤は、イミダゾール骨格を有する請求項1、2、3、4又は5記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記硬化性樹脂と前記イミドオリゴマーと前記硬化促進剤との合計100重量部中における前記硬化促進剤の含有量が0.8重量部以上10重量部以下である請求項1、2、3、4、5又は6記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
  9. 40℃から80℃の温度範囲における平均線膨張係数が60ppm以下である請求項8記載の硬化物。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の硬化性樹脂組成物からなる接着剤。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の硬化性樹脂組成物を用いてなる接着フィルム。
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